JP7214582B2 - 軌道融雪用ノズルの防護装置 - Google Patents
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Description
分岐器のクロッシング部に向けて温水などを噴射し、雪氷を融かして除去する融雪装置としては、例えば、特許文献1に開示されているように、クロッシング部に向けて温水を噴射するノズルを備えた融雪装置が知られている。
なお、スラブ軌道における軌道部品の防護装置に関しては、軌道を横断するように配設されているケーブルを落雪から防護するためのゴム製の防護板に関する発明が提案されている(特許文献2)。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたもので、特にスラブ軌道のクロッシング部に設置するのに好適であって、列車からの落下雪氷により融雪用ノズルが損傷されるのを防止することができる軌道融雪用ノズルの防護装置を提供することを目的とする。
弾性材料で形成され防護対象の融雪用ノズルの水平部に係合される主防護部材と、前記融雪用ノズルの軌道からの立上がり部に係合されるクリップ部材と、前記主防護部材と前記クリップ部材とを結合する結合手段とを備えた軌道融雪用ノズルの防護装置において、
前記主防護部材は、列車が進行して来る側に傾斜面が形成されているとともに、融雪用ノズルの水平部が係合可能な係合凹部が下面から上方へ向かって形成され、
前記クリップ部材は、融雪用ノズルの立上がり部に係合可能な第1部位と、前記主防護部材の前記係合凹部に嵌合可能な第2部位とを備え、少なくとも前記第1部位が弾性材料で形成され、
前記クリップ部材の前記第1部位が前記主防護部材の前記係合凹部に嵌合された状態で、前記主防護部材と前記クリップ部材とが前記結合手段によって結合されるように構成したものである。
前記一対のボルト挿通穴には、前記係合凹部の内側にて融雪用ノズルの水平部に係合されたUボルトの両端の雄ネジ部が挿通され、前記主防護部材の後壁から突出した前記雄ネジ部にそれぞれナットが螺合されるように構成する。
かかる構成によれば、Uボルトによって主防護部材を融雪用ノズルの水平部に固定することができ、それによって主防護部材が融雪用ノズルから外れたり横方向へずれたりするのを防止することができる。
また、前記クリップ部材の前記第2部位は前記第1部位とともに弾性材料によって一体に形成され、
前記第2部位には、融雪用ノズルの立上がり部に係合された状態で、前記第1部位に達する縦方向のスリットが形成されているようにする。
これにより、第2部位のスリットを広げるように変形させることができ、クリップ部材を融雪用ノズルの立上がり部に容易に装着させることができる。
前記主防護部材の下部には、前記係合凹部に嵌合された前記第2部位の前記ボルト挿通穴に対応する部位にボルト挿通穴が形成され、
前記結合手段は、前記第2部位の前記ボルト挿通穴と前記主防護部材の下部に形成された前記ボルト挿通穴とを貫通するように挿入された結合用ボルトであるようにする。
これにより、結合用ボルトによって主防護部材とクリップ部材とをしっかりと結合することができ、それによって主防護部材が融雪用ノズルから外れたり横方向へずれたりするのをより確実に防止することができる。
前記後壁側押えプレートと前記前壁側押えプレートが前記主防護部材の後壁と前壁にそれぞれに接合された状態で、前記主防護部材の下部に形成された前記ボルト挿通穴に対応する部位にボルト挿通穴が形成され、
前記結合用ボルトは、前記後壁側押えプレートと前記主防護部材の下部と前記クリップ部材の前記第2部位と前記前壁側押えプレートに形成された前記ボルト挿通穴を貫通するように挿入され、先端の雄ネジ部にナットが螺合されることで、前記主防護部材と前記クリップ部材とを結合するようにする。
図1(A)は本発明に係る防護装置を装着する前の融雪用ノズルの状態を示す斜視図、図1(B)は実施形態の防護装置を融雪用ノズルに装着した状態を示す斜視図、図2は実施形態の軌道融雪用ノズルの防護装置を構成する主防護部材の詳細を示す平面図、正面図および断面側面図、図3は実施形態の軌道融雪用ノズルの防護装置を構成するクリップ部材の詳細を示す平面図、正面図および断面側面図である。
また、上記主防護部材21とクリップ部材22は、硬質ゴムのような弾性材料で形成されている。主防護部材21とクリップ部材22の形成材料である硬質ゴムとしては、例えば硬度65程度のプロロプレンが考えられる。
図2は、本実施形態の防護装置20を構成する主防護部材21の詳細が示されている。このうち、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は背面図である。
図2(B)に示されているように、主防護部材21は、前面(図では右側の面)に所定の角度(例えば32°)を有する傾斜面21aが形成されているとともに、ほぼ中央には融雪用ノズル10の水平部12が挿入可能な大きさを有する係合凹部21bが下向きに形成されており、傾斜面21aの下流側の下方すなわち主防護部材21の前端下部には、タイプレートなど軌道側の部品との干渉を回避するための切欠き21cが形成されている。
さらに、図2(A)に示されているように、主防護部材21の下部の上記係合凹部21bと切欠き21cに挟まれた部位には、上記スリット21dに対向するようにボルト挿通穴21gが形成されている。
図3(A)および(B)から分かるように、クリップ部材22は全体としてほぼ直方体状をなしており、図3(B)に示されているように、中心から少しずれた位置に、融雪用ノズル10の立上がり部11に係合可能な係合穴22aが形成されているとともに、先端部から係合穴22aに向かってスリット22bが鉛直方向に形成されている。
上記のように、本実施形態のクリップ部材22には係合穴22aに達するスリット22bが形成されているため、図3(C)に示されているように、クリップ部材22はスリット22bを開くように変形させることができ、これによってクリップ部材22を融雪用ノズル10の立上がり部11に容易に係合させることができる。
図4(A)~(D)のうち、(A)は結合金具を構成する後壁側押えプレート31の例を示す図、(B)はUボルト32の例を示す図、(C)は前壁側押えプレート33の例を示す図、(D)は結合用ボルト34およびナット35の例を示す図である。
前壁側押えプレート33は、図4(C)に示されているように、矩形状をなし中央に図4(D)のボルト34が挿通可能なボルト挿通穴33aが形成されている。この前壁側押えプレート33は、図4(D)に破線で示すように、ボルト34の頭部に溶接で結合され一体化されていても良い。
図5(A)に示されているように、主防護部材21は、係合凹部21bの奥部に、融雪用ノズル10の水平部12が位置するように配置されるとともに、融雪用ノズル10の水平部12にUボルト32が横向き姿勢でセットされ、雄ネジ部32a,32bが、主防護部材21の長穴21e1,21e2および後壁側押えプレート31の長穴31e1と31e2を貫通し、その先端にナット36がそれぞれ螺合されている。Uボルト32の雄ネジ部32a,32bが挿通されるのが長穴21e1,21e2および長穴31e1と31e2であるため、ノズルに対する主防護部材21の位置調整が容易に行える。
防護装置20を融雪用ノズル10へ装着するには、先ずクリップ部材22を、スリット22bに沿って開いた状態に変形させたまま、融雪用ノズル10の立上がり部11へ移動させて、係合穴22aに立上がり部11を係合させる。続いて、Uボルト32を融雪用ノズル10の水平部12に係合させた後、主防護部材21を、係合凹部21bを下向きにした状態で、係合凹部21bの下端が広がるように変形させたまま、融雪用ノズル10の水平部12へ移動させて、Uボルト32の両端部が、主防護部材21の長穴21e1,21e2に挿入されるようにして、係合凹部21bの奥に水平部12を係合させる。
続いて、主防護部材21のボルト挿通穴21gとクリップ部材22の長穴22cと主防護部材21のスリット21dと後壁側押えプレート31のスリット31dとを貫通するように、結合用ボルト34を挿入し、先端にナット35を螺合させて締め付けて、作業が終了する。なお、クリップ部材22と主防護部材21の装着順序は逆であっても良い。
さらに、上記実施形態では、クリップ部材22にスリット22bを設けているが、スリット22bを設けずに、係合穴22aの径を大きくして、係合穴22aに噴射部13を通過させるようにして、クリップ部材22を融雪用ノズル10の先端側から立上がり部11の側へ移動させ、係合穴22aと立上がり部11との隙間にゴム製の間隙材を挿入して介在させることで、クリップ部材22を固定するようにしても良い。
11 立上がり部
12 水平部
13 噴射部
20 防護装置
21 主防護部材
21a 傾斜面
21b 係合凹部
21g ボルト挿通穴
22 クリップ部材
22a 係合穴
22b スリット
31 後壁側押えプレート
32 Uボルト
33 前壁側押えプレート
34 結合用ボルト
Claims (6)
- 弾性材料で形成され防護対象の融雪用ノズルの水平部に係合される主防護部材と、前記融雪用ノズルの軌道からの立上がり部に係合されるクリップ部材と、前記主防護部材と前記クリップ部材とを結合する結合手段とを備えた軌道融雪用ノズルの防護装置であって、
前記主防護部材は、列車が進行して来る側に傾斜面が形成されているとともに、融雪用ノズルの水平部が係合可能な係合凹部が下面から上方へ向かって形成され、
前記クリップ部材は、融雪用ノズルの立上がり部に係合可能な第1部位と、前記主防護部材の前記係合凹部に嵌合可能な第2部位とを備え、少なくとも前記第1部位が弾性材料で形成され、
前記クリップ部材の前記第2部位が前記主防護部材の前記係合凹部に嵌合された状態で、前記主防護部材と前記クリップ部材とが前記結合手段によって結合されることを特徴とする軌道融雪用ノズルの防護装置。 - 前記主防護部材の後壁には、上下方向に所定の間隔だけ離れた位置に、表面側から前記係合凹部の内壁面まで達する一対のボルト挿通穴が形成され、
前記一対のボルト挿通穴には、前記係合凹部の内側にて融雪用ノズルの水平部に係合されたUボルトの両端の雄ネジ部が挿通され、前記主防護部材の後壁から突出した前記雄ネジ部にそれぞれナットが螺合されることを特徴とする請求項1に記載の軌道融雪用ノズルの防護装置。 - 前記一対のボルト挿通穴は、水平方向の長穴であることを特徴とする請求項2に記載の軌道融雪用ノズルの防護装置。
- 前記クリップ部材の前記第2部位は前記第1部位とともに弾性材料によって一体に形成され、
前記第2部位には、融雪用ノズルの立上がり部に係合された状態で、前記第1部位に達する縦方向のスリットが形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の軌道融雪用ノズルの防護装置。 - 前記クリップ部材の前記第2部位には、前記スリットと交差する位置に当該第2部位を水平方向に貫通するようにボルト挿通穴が形成され、
前記主防護部材の下部には、前記係合凹部に嵌合された前記第2部位の前記ボルト挿通穴に対応する部位にボルト挿通穴が形成され、
前記結合手段は、前記第2部位の前記ボルト挿通穴と前記主防護部材の下部に形成された前記ボルト挿通穴とを貫通するように挿入された結合用ボルトであることを特徴とする請求項4に記載の軌道融雪用ノズルの防護装置。 - 前記結合手段は、前記主防護部材の後壁に接合される後壁側押えプレートと、前記主防護部材の前壁の下部に接合される前壁側押えプレートと、を備え、
前記後壁側押えプレートと前記前壁側押えプレートが前記主防護部材の後壁と前壁にそれぞれに接合された状態で、前記主防護部材の下部に形成された前記ボルト挿通穴に対応する部位にボルト挿通穴が形成され、
前記結合用ボルトは、前記後壁側押えプレートと前記主防護部材の下部と前記クリップ部材の前記第2部位と前記前壁側押えプレートに形成された前記ボルト挿通穴を貫通するように挿入され、先端の雄ネジ部にナットが螺合されることで、前記主防護部材と前記クリップ部材とを結合することを特徴とする請求項5に記載の軌道融雪用ノズルの防護装置。
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