JP7213203B2 - インピーダンス変換回路、電力増幅器、無線送信装置、基地局、端末装置、移動通信システム、及び、インピーダンス変換回路の作製方法 - Google Patents

インピーダンス変換回路、電力増幅器、無線送信装置、基地局、端末装置、移動通信システム、及び、インピーダンス変換回路の作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力増幅器のインピーダンス変換回路及びその作製方法に関する。また、本発明は、インピーダンス変換回路を備えた電力増幅器、並びに、その電力増幅器を備えた無線送信装置、基地局、端末装置及び移動通信システムに関する。
従来、入力信号を分配する電力分配器と、電力分配器で分配された信号が入力されるメインアンプ及びピークアンプと、出力側のインピーダンス変換回路とを備えた、高効率の電力増幅器であるドハティ増幅器が知られている(特許文献1、特許文献2参照)。ドハティ増幅器では、低出力時にはメインアンプだけを動作させ、高出力時にはメインアンプ及びピークアンプの両方を同時に動作させる。メインアンプの出力信号及びピークアンプの出力信号は合成されてインピーダンス変換回路に入力され、インピーダンス変換器で基本波に対するインピーダンスが調整され、負荷に出力される。
特開2016-111590号公報 特開2018-117233号公報
ドハティ増幅器などの高効率の電力増幅器では、非線形領域での動作を利用するため、所定のスプリアス規定を超える高調波スプリアスが発生するおそれがある。しかしながら、従来の電力増幅器を構成するインピーダンス変換回路などの回路が入力信号の基本波について設計されているため、高調波スプリアスを抑圧することができない。この高調波スプリアスを抑圧するために外付け回路としてスプリアス抑圧フィルタを設けることが考えられるが、回路サイズが増大し、小型化を図ることが難しい。
本発明の一態様に係るインピーダンス変換回路は、電力増幅器の増幅回路の出力信号が入力されるインピーダンス変換回路である。このインピーダンス変換回路は、前記増幅回路の出力信号の基本波に対する位相及びインピーダンスを調整する直列伝送線路と、前記出力信号に含まれる偶数次高調波を抑制する先端短絡スタブと、前記出力信号に含まれる一又は複数の奇数次高調波をそれぞれ抑制する一又は複数の先端開放スタブと、を備える。
前記インピーダンス変換回路において、前記直列伝送線路は、前記増幅回路の出力側に接続され、前記出力信号の基本波に対して調整用の電気角θ及び特性インピーダンスZ’を有し、前記先端短絡スタブは、前記直列伝送線路の出力端に外部負荷の等価終端抵抗に対して並列接続され、前記出力信号に含まれる2次高調波の波長λの2分の1の電気長(λ/2)と任意の特性インピーダンスZを有し、前記複数の先端開放スタブはそれぞれ、前記直列伝送線路の出力端に接続され、前記出力信号に含まれる複数の奇数次高調波それぞれの波長λの4分の1の電気長(λ/4)と前記複数の奇数次高調波それぞれに対する特性インピーダンスZとを有してもよい。
前記インピーダンス変換回路において、抑圧対象の奇数次高調波の数をNとし、当該インピーダンス変換回路に接続される外部負荷の等価終端抵抗をRとしたとき、前記増幅回路から前記インピーダンス変換回路のほうをみた負荷インピーダンスZは次式(1)及び(2)を満たしてもよい。
Figure 0007213203000001
Figure 0007213203000002
前記インピーダンス変換回路において、前記抑圧対象の奇数次高調波の数Nと、前記負荷インピーダンスZの目標値と、前記直列伝送線路の前記特性インピーダンスZ’とを、前提条件として設定し、前記前提条件の下で、前記負荷インピーダンスZが所定の可変範囲内に位置するように、前記複数の先端開放スタブそれぞれの前記特性インピーダンスZを前記奇数次高調波の次数が低い順に設定するとともに、前記直列伝送線路の電気角θを設定してもよい。
前記インピーダンス変換回路において、多層基板を備え、前記多層基板は、前記直列伝送線路の出力側に一端部が接続された前記先端短絡スタブの線路がおもて面に形成されグラウンド層が裏面に形成された先端短絡スタブ層と、前記複数の先端開放スタブの線路が層内絶縁領域に形成されグラウンド層が裏面に形成された複数の先端開放スタブ層とを、順に有し、前記先端短絡スタブの線路の前記他端部と、前記先端短絡スタブ層のグラウンド層と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれのグラウンド層は、層内貫通線路を介して接続され、前記先端短絡スタブの線路の前記一端部と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれの前記先端開放スタブの線路は、前記グラウンド層に接触しないように層内貫通線路を介して接続されているものであってもよい。
前記インピーダンス変換回路において、前記直列伝送線路、前記先端短絡スタブ及び前記複数の先端開放スタブはそれぞれマイクロストリップ線路やストリップ線路などで構成されてもよい。
本発明の他の態様に係る電力増幅器は、入力信号を分配する電力分配器と、電力分配器で分配された信号が入力されるメインアンプ及びピークアンプとを備えたドハティ型の電力増幅器である。この電力増幅器は、前記いずれかのインピーダンス変換回路を備える。
前記電力増幅器において、前記メインアンプ及び前記ピークアンプそれぞれの前段に設けられ、前記入力信号の基本波に対する入力側のインピーダンス整合回路と高調波抑制回路とを有する複数の前段回路部と、前記メインアンプ及び前記ピークアンプそれぞれの後段に設けられ、前記インピーダンス整合回路に出力される出力信号の基本波に対する出力側のインピーダンス整合回路と高調波抑制回路とを有する複数の後段回路部と、を更に備えてもよい。
本発明の更に他の態様に係る無線送信装置は、前記いずれかの電力増幅器を備える。
本発明の更に他の態様に係る移動通信システムの基地局は、前記無線送信装置を備える。
本発明の更に他の態様に係る移動通信システムの端末装置は、前記いずれかの無線送信装置を備える。
本発明の更に他の態様に係る移動通信システムは、前記基地局及び前記端末装置の少なくとも一方を備える。
本発明の更に他の態様に係るインピーダンス変換回路の作製方法は、電力増幅器の増幅回路の出力信号が入力されるインピーダンス変換回路の作製方法である。このインピーダンス変換回路の作製方法は、前記増幅回路の出力信号の基本波に対する位相及びインピーダンスを調整する直列伝送線路を設けることと、前記出力信号に含まれる偶数次高調波を抑制する先端短絡スタブを設けることと、前記出力信号に含まれる一又は複数の奇数次高調波をそれぞれ抑制する一又は複数の先端開放スタブを設けることと、を含む。
前記インピーダンス変換回路の作製方法において、前記出力信号の基本波に対して調整用の電気角θ及び特性インピーダンスZ’を有する前記直列伝送線路を、前記増幅回路の出力側に接続することと、前記出力信号に含まれる2次高調波の波長λの2分の1の電気長(λ/2)と任意の特性インピーダンスZとを有する前記先端短絡スタブを、前記直列伝送線路の出力端と外部負荷の等価終端抵抗に対して並列接続することと、前記出力信号に含まれる複数の奇数次高調波それぞれの波長λの4分の1の電気長(λ/4)と前記複数の奇数次高調波それぞれに対する特性インピーダンスZとを有する前記複数の先端開放スタブをそれぞれ、前記直列伝送線路の出力端に接続することと、を含んでもよい。
前記インピーダンス変換回路の作製方法において、抑圧対象の奇数次高調波の数をNとし、当該インピーダンス変換回路に接続される外部負荷の等価終端抵抗をRとしたとき、前記増幅回路から前記インピーダンス変換回路のほうをみた負荷インピーダンスZは次式(1)及び(2)を満たしてもよい。
Figure 0007213203000003
Figure 0007213203000004
前記インピーダンス変換回路の作製方法において、前記抑圧対象の奇数次高調波の数Nと、前記負荷インピーダンスZの目標値と、前記直列伝送線路の前記特性インピーダンスZ’とを、前提条件として設定することと、前記前提条件の下で、前記負荷インピーダンスZが所定の可変範囲内に位置するように、前記複数の先端開放スタブそれぞれの前記特性インピーダンスZを前記奇数次高調波の次数が低い順に設定するとともに、前記直列伝送線路の電気角θを設定することと、を含んでもよい。
前記インピーダンス変換回路の作製方法において、前記直列伝送線路の出力側に一端部が接続された前記先端短絡スタブの線路がおもて面に形成されグラウンド層が裏面に形成された先端短絡スタブ層と、前記複数の先端開放スタブの線路が層内絶縁領域に形成されグラウンド層が裏面に形成された複数の先端開放スタブ層とを、順に有するように多層基板を形成することと、前記先端短絡スタブの線路の前記他端部と、前記先端短絡スタブ層のグラウンド層と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれのグラウンド層とを、層内貫通線路を介して接続することと、前記先端短絡スタブの線路の前記一端部と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれの前記先端開放スタブの線路とを、前記グラウンド層に接触しないように層内貫通線路を介して接続することと、を含んでもよい。
前記インピーダンス変換回路の作製方法において、前記直列伝送線路、前記先端短絡スタブ及び前記複数の先端開放スタブをそれぞれマイクロストリップ線路やストリップ線路などで構成することを含んでもよい。
本発明によれば、増幅回路の出力信号の基本波のインピーダンス変換機能と出力信号に含まれる高調波を短絡する機能を一体的に構成し、ドハティ増幅器などの高効率の電力増幅器の小型化を図るとともに、出力信号の高調波スプリアスを抑制しつつ基本波に対するインピーダンスを所定のインピーダンスに変換できる。
本発明の一実施形態に係るインピーダンス変換回路を備えた電力増幅器の一構成例を示すブロック図。 実施形態に係るインピーダンス変換回路の一構成例を示す回路図。 (a)は実施形態に係るインピーダンス変換回路の基本波に対する等価回路の一例を示す回路図。(b)は実施形態に係るインピーダンス変換回路の高調波に対する等価回路の一例を示す回路図。 実施形態に係るインピーダンス変換回路におけるインピーダンス変換の一例を示すチャート図。 実施形態に係るインピーダンス変換回路を構成する多層基板の概略構成の一例を示す断面図。 (a),(b)及び(c)はそれぞれ、実施形態に係るインピーダンス変換回路を構成する多層基板の第1層、第2層及び第n層の配線パターンの一例を示す平面図。 (a)及び(b)はそれぞれ、本発明の他の実施形態に係る電力増幅器における第1増幅回路のキャリアアンプ及び第2増幅回路のピークアンプの一構成例を示すブロック図。 実施形態に係る電力増幅器を含む無線送信装置(送信機)を備える基地局の一構成例を示すブロック図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態の構成、並びに、その構成によって得られる作用及び効果はそれぞれ一例であり、以下に説明する内容に限られるものではない。
図1は、本実施形態に係るインピーダンス変換回路14を備えたドハティ増幅器(電力増幅器)10の構成の一例を示すブロック図である。ドハティ増幅器10は、入力信号の信号レベルが比較的低く飽和増幅の状態に達しない低ひずみ状態での電力効率が他の方式による増幅器と比べて大きい。ドハティ増幅器10は、特に広い高周波数帯(例えば100MHz~100GHzのマイクロ波帯又はミリ波帯)での高効率の電力増幅に適し、例えば移動通信システムを構成する基地局の無線通信部に搭載される無線送信装置(送信機)に適用可能である。
また、ドハティ増幅器10は、平均電力に比べてピーク電力が大きい無線信号、例えば、第3世代、第4世代、又は、第5世代などの次世代の移動通信システムにおけるCDMA(Code Divisional Multiple Access)信号や、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号等のデジタル変調方式で生成された信号を電力増幅する場合にバックオフの大きい動作点での効率を高めることができるので、基地局(例えば、eNodeB、gNodeB)等の無線通信装置に搭載される送信機の電力増幅器に適する。移動通信システムは、送信機の電力増幅器として本実施形態のドハティ増幅器10を用いた基地局(例えば、eNodeB、gNodeB)等の一又は複数の無線通信装置を備えてもよい。
ここで、電力増幅器の「バックオフ」とは、当該電力増幅器の飽和出力電力Psat[dBm]よりも低い電力を出力動作点電力Pbo[dBm]として当該電力増幅器を動作させることである。また、電力増幅器の出力動作点電力Pbo[dBm]と飽和出力電力Psat[dBm]の差Pbo-Pmax[dB]を、「バックオフ」という場合もある。この電力差Pbo-Pmax[dB]は、「バックオフマージン」、「バックオフ量」又は「バックオフ値」ともいう。また、電力増幅器の「効率」ηとは、当該電力増幅器に入力される直流電力PDCに対する増幅後の交流信号の出力電力POUTの比であり、例えば、η=(POUT/PDC)100[%]で表される。
図1において、ドハティ増幅器10は、第1増幅回路11と第2増幅回路12と電力分配器13と、インピーダンス変換回路14とを備える。
第1増幅回路11は、キャリアアンプ111と入力側回路112と出力側回路113とを備え、外部から入力される入力信号を増幅する。キャリアアンプ111は、例えば直流バイアス電圧がA級、AB級又はB級の動作基準点にバイアスされたA級動作、AB級動作又はB級動作のアンプで構成され、主に入出力特性の線形領域で、入力信号の全体波形の電力又は半周期の波形の電力を増幅する。
入力側回路112は、ピークアンプ121に対する入力信号の位相調整を行う回路である。出力側回路113は、調整用の特性インピーダンスZ’を有し、電気長が基本波の波長λの4分の1(λ/4)の伝送線路で構成され、キャリアアンプ111の出力インピーダンスを調整する回路である。
第2増幅回路12は、第1増幅回路11と並列に設けられ、ピークアンプ121と入力側回路122と出力側回路123とを備え、入力信号の信号レベルが閾値よりも大きい場合に入力信号を増幅する。ピークアンプ121は、例えば直流バイアス電圧がC級動作点にバイアスされたC級動作のアンプで構成され、入出力特性の線形領域及び非線形領域を含む領域で、入力信号の高電力領域を主に増幅する。
入力側回路122は、入力信号(出力信号)の基本波に対する外部負荷の等価終端抵抗Rと同値の特性インピーダンスZを有し、電気長が基本波の波長λの4分の1(λ/4)の伝送線路で構成され、キャリアアンプ111に対する出力信号の位相同期をする回路である。出力側回路123は、キャリアアンプ111に対する出力信号の位相調整を行う回路である。
ドハティ増幅器10は、入力信号の信号レベルに応じて低入力増幅モードと高入力増幅モードとの間で動作が異なる。入力信号の信号レベルが低いときは、第1増幅回路11がオン状態になり第2増幅回路12がオフ状態になることにより、第1増幅回路11のみにより入力信号が増幅される低入力増幅モードになる。入力信号の信号レベルが高いときは、第1増幅回路11及び第2増幅回路12の両方がオン状態になることにより、第1増幅回路11及び第2増幅回路12の両方で入力信号が増幅される高入力増幅モードになる。第2増幅回路12がオフもしくはオン状態で第1増幅回路11及び第2増幅回路12の等価出力抵抗値が変化することによりドハティ増幅回路全体で高い効率ηが得られるバックオフ領域が広くなる。
電力分配器13は、例えばウィルキンソン電力分配器で構成され、所定の分配比率で入力信号の電力を分配して第1増幅回路11及び第2増幅回路12のそれぞれに入力信号を供給する。
ドハティ増幅器10は、対称型のドハティ増幅器であってもよいし、非対称型のドハティ増幅器であってもよい。対称型のドハティ増幅器は、キャリアアンプ111の飽和出力電力とピークアンプ121の飽和出力電力が同じになるように設定されている。一方、非対称型のドハティ増幅器は、キャリアアンプ111の飽和出力電力よりピークアンプ121の飽和出力電力が大きくなるように設定されている。例えば、1:2の非対称型のドハティ増幅器では、キャリアアンプ111の飽和出力電力を「1」とした場合にピークアンプ121の飽和出力電力は「2」となるように設定される。
インピーダンス変換回路14は、第1増幅回路11の出力及び第2増幅回路12の出力の合成点15における出力インピーダンスと、ドハティ増幅器10に接続される負荷インピーダンスとの間でインピーダンス整合をとるように出力インピーダンスを変換する機能を有する。このインピーダンス整合は、例えば、変換後の出力インピーダンスと負荷インピーダンスとの間の関係が複素共役の関係になるように行われる。
ここで、ドハティ増幅器10のピークアンプ121は、C級にバイアスされて非線形領域での増幅を伴うC級動作を利用するため、高調波スプリアス(例えば、2倍波などの偶数次高調波及び3倍波などの奇数次の高調波)が発生しやすい。しかしながら、従来のドハティ増幅器のインピーダンス変換回路が入力信号の基本波について設計されているため、高調波スプリアスを抑圧することができない。この高調波スプリアスを抑圧するために外付け回路としてスプリアス抑圧フィルタを設けることが考えられるが、回路サイズが増大し、小型化を図ることが難しい。
そこで、本実施形態のドハティ増幅器10では、基本波に対するインピーダンス変換機能を維持しつつ高調波スプリアスを抑圧する高調波処理回路をインピーダンス変換回路14に実装することにより、ドハティ増幅器10の小型化を図るとともに、出力信号の高調波スプリアスを抑制しつつ基本波に対するインピーダンスを所定のインピーダンスに変換できるようにしている。
図2は、実施形態に係るインピーダンス変換回路14の一構成例を示す回路図である。図2において、インピーダンス変換回路14は、直列伝送線路141と先端短絡スタブ142と複数の先端開放スタブ143(1)~143(4)とを備える。直列伝送線路141、先端短絡スタブ142及び先端開放スタブ143(1)~143(4)はそれぞれ、例えばマイクロストリップ線路若しくはストリップ線路で構成してもよく、又は、他の種類の線路で構成してもよい。
直列伝送線路141は、ドハティ増幅器10のキャリアアンプ111を含む第1増幅回路11とピークアンプ121を含む第2増幅回路の合成点15から出力される出力信号の周波数fの基本波に対する電気角θ及び特性インピーダンスZ’を調整する。
先端短絡スタブ142は、合成点15から出力される基本波周波数fの出力信号の2次高調波(周波数:2f)などの偶数次高調波をグラウンドに高周波的に短絡して抑制するノッチフィルタとして機能する。先端短絡スタブ142は、例えば、任意の特性インピーダンスZを有するとともに周波数2fの2次高調波の波長λの2分の1(λ/2)の電気長を有する伝送線路で構成することができる。この先端短絡スタブ142は、すべての偶数次の高調波に対して、接続点(直列伝送線路141の出力端)141’から短絡にみえるので、すべての偶数次の高調波を抑圧することができる。
先端開放スタブ143(1)~143(4)はそれぞれ、合成点15から出力される基本波周波数fの出力信号の複数の奇数次高調波(3次、5次、7次、9次、・・・の高調波)をそれぞれ高周波的に抑制するノッチフィルタとして機能する。先端開放スタブ143(1)~143(4)はそれぞれ、例えば、3次、5次、7次、9次、・・・の高調波周波数(3f、5f、7f、9f、・・・)に対して互いに独立設定可能な特性インピーダンスZ、Z、Z、Z、・・・を有するとともに各高調波の波長λの4分の1(λ/4)の電気長を有する伝送線路で構成することができる。各オープンスタブは、各奇数次の高調波に対して、接続点(直列伝送線路141の出力端)141’から短絡にみえるので、各奇数次の高調波を個別に抑圧することができる。
図3(a)はインピーダンス変換回路14の基本波に対する等価回路の一例を示す回路図である。図3(b)はインピーダンス変換回路14の高調波に対する等価回路の一例を示す回路図である。図3(a)に示すように、周波数fの基本波に対して、インピーダンス変換回路14は、直列伝送線路141の出力端141’からみて、負荷Rに可変の容量性リアクタンスCが並列接続された合成インピーダンスZ’の等価回路になる。ここで、合成インピーダンスZ’に含まれる容量性リアクタンスCは、複数の先端開放スタブ143(1)~143(4)それぞれの特性インピーダンスZ、Z、Z、Z、・・・を個別に設定して調整することができる。
一方、図3(b)に示すように、周波数nf(n=2、3、4、5、6、7、8、9、・・・)の高調波に対して、インピーダンス変換回路14は、直列伝送線路141の出力端141’からみてグラウンドに短絡された等価回路になる。
なお、図2及び図3は、先端開放スタブ143(1)~143(4)の数が4個の場合の例であるが、先端開放スタブ143の数は1個、2個又は3個でもよいし、5個以上であってもよい。先端開放スタブ143は、合成点15から出力される出力信号に含まれる抑制対象の奇数次高調波の次数及び個数に応じて設けてもよい。
図2及び図3において、抑圧対象の奇数次高調波の数をNとし、インピーダンス変換回路14に接続される外部負荷の等価終端抵抗をRとしたとき、ドハティ増幅器10の第1増幅回路11と第2増幅回路の合成点15からインピーダンス変換回路14のほうをみた負荷インピーダンスZは、例えば次式(1)及び(2)で表される。
Figure 0007213203000005
Figure 0007213203000006
インピーダンス変換回路14を構成する直列伝送線路141、先端短絡スタブ142及び先端開放スタブ143(1)~143(4)は、例えば、上記式(1)及び(2)に基づいて以下のA~Cに示すように設計することができる。
A.抑圧処理対象の奇数次高調波の数Nとドハティ増幅器10のバックオフ量の設計値(バックオフ値)に応じて、負荷インピーダンスZの目標値(例えば、20[Ω]~50[Ω]の範囲内の値)と、直列伝送線路141の特性インピーダンスZ’とを、前提条件として設定する。ここで、負荷インピーダンスZは、ドハティ増幅器10のバックオフ値に応じて設定される定値になる。また、Nの値は、設計者によって設定される任意の数値である。
B.次に、Z’=50[Ω]として、負荷インピーダンスZの最大可変範囲を算出する。ここで、算出した負荷インピーダンスZの最大可変範囲が前記目標値を満たさない場合は、負荷インピーダンスZの最大可変範囲を50[Ω]以上又は50[Ω]以下に変更する。ここで、Z’=50[Ω]としたとき、負荷インピーダンスZの所定の可変範囲(図4のスミスチャートにおけるZの移動軌跡91~92)が限られてくるので、前記Aの前提条件の下で、所定の合成インピーダンスZ’の所定の可変範囲(図4のスミスチャートにおけるZ’の移動軌跡93~94)を満すかの検証を行う。
C.次に、上記(1)及び(2)で規定される負荷インピーダンスZを満たすように、各先端開放スタブ143(n)の特性インピーダンスZと直列伝送線路141の電気角θを計算して調節する。例えば、先端開放スタブ143(n)の特性インピーダンスZによって合成インピーダンスZ’の可変範囲(図4のスミスチャートにおけるZ’の移動軌跡93~94)を調整し、直列伝送線路141の電気角θによって負荷インピーダンスZの可変範囲(図4のスミスチャートにおけるZの移動軌跡91~92)を調整する。
上記合成インピーダンスZ’の可変範囲(図4のスミスチャートにおけるZ’の移動軌跡93~94)は、奇数次高調波の次数n値が小さい程、Zによって大きく動く。よって、上記Cにおける負荷インピーダンスZの調整では、例えば、複数の先端開放スタブ143(n)(n=1~N)の特性インピーダンスZのうち、次数の小さい先端開放スタブ143(1)から調節し、その後、微調整として、n=2以降の先端開放スタブ143(n)を調整し、最後に、nの最大数であるNの先端開放スタブ143(N)を調整する。この手順の調整により、複数の先端開放スタブ143(n)(n=1~N)それぞれの特性インピーダンスZを効率的に且つ精度よく調整して設定することができる。
図5は、実施形態に係るインピーダンス変換回路14を構成する多層基板20の概略構成の一例を示す断面図である。図6(a)、(b)及び(c)はそれぞれ、インピーダンス変換回路を構成する多層基板20の第1層21(1)、第2層21(2)及び第n層21(n)の配線パターンの一例を示す平面図である。インピーダンス変換回路14を多層基板20で構成することにより、同接続点にて各高調波短絡用伝送線路の実装を実現することができる。
図5及び図6において、多層基板20は、順に、第1層21(1)、第2層21(2)及び第n層21(n)が積層されて形成されている。
多層基板20の第1層21(1)、第2層21(2)及び第n層21(n)はそれぞれ、一又は複数の絶縁性の誘電体層22と、導電体からなるグラウンド層23とを有する。第1層21(1)のおもて面には、先端短絡スタブ142としてのショートスタブ24と、複数の先端開放スタブ143としてのオープンスタブ25と、入力側配線28と、出力側配線29とが、ビアホール26を中心として放射状に且つ一体的に形成されている。また、第2層21(1)のおもて面には、複数の先端開放スタブ143としてのオープンスタブ25がビアホール26を中心として放射状に且つ一体的に形成されている。同様に、第n層21(n)のおもて面には、複数の先端開放スタブ143としてのオープンスタブ25がビアホール26を中心として放射状に且つ一体的に形成されている。各層21(1),21(2)、21(n)のオープンスタブ25の一方の端部は、グラウンド層23に接触しないようにビアホール26を介して互いに接続されている。第1層21(1)のショートスタブ24のもう一方の端部は、ビアホール27を介して各層のグラウンド層23に接続されている。
図7(a)及び(b)はそれぞれ、高調波を抑制する機能を高めるように構成した他の実施形態に係るドハティ増幅器(電力増幅器)10における第1増幅回路11のキャリアアンプ111及び第2増幅回路12のピークアンプ121の一構成例を示すブロック図である。
図7(a)のキャリアアンプ111は、FET114と、前段回路115と、後段回路116とを備えている。FET114は、Si、GaAs、SiC、GaN等の半導体からなる高出力・高周波(RF)対応トランジスタである。前段回路115は、キャリアアンプとして機能させるようにFET114のゲート電圧をバイアスする回路と、信号源側へ直流電圧をかからないようにするDCブロック回路と、入力側で基本波に対するインピーダンス整合を行う回路と、入力側で高調波を抑制する回路とを有する。後段回路116は、キャリアアンプとして機能させるようにFET114のドレイン電圧をバイアスする回路と、出力負荷及びインピーダンス変換回路部へ直流電圧をかからないようにするDCブロック回路と、出力側で基本波に対するインピーダンス整合を行う回路と、出力側で高調波を抑制する回路とを有する。
図7(b)のピークアンプ121は、FET124と、前段回路125と、後段回路126とを備えている。FET124は、Si、GaAs、SiC、GaN等の半導体からなる高出力・高周波(RF)対応トランジスタである。前段回路125は、ピークアンプとして機能させるようにFET124のゲート電圧をバイアスする回路と、信号源側へ直流電圧をかからないようにするDCブロック回路と、入力側で基本波に対するインピーダンス整合を行う回路と、入力側で高調波を抑制する回路とを有する。後段回路126は、ピークアンプとして機能させるようにFET124のドレイン電圧をバイアスする回路と、出力負荷及びインピーダンス変換回路部へ直流電圧をかからないようにするDCブロック回路と、出力側で基本波に対するインピーダンス整合を行う回路と、出力側で高調波を抑制する回路とを有する。
図8は、実施形態に係る電力増幅器を含む無線送信装置(送信機)を備える基地局30の一構成例を示すブロック図である。
図8において、基地局30は、アンテナ31と無線部32とデータ処理部33とNW(ネットワーク)通信部34と制御部35と記憶部36とを備えている。アンテナ31は、送受共用器(DUP:DUPlexer)等を介して無線部32に接続されている。
無線部32は、ローノイズ高周波増幅器及び周波数変換器を有する受信機と、送信電力増幅器及び周波数変換器を有する送信機とを有し、アンテナ31を介して無線信号の送信及び受信を行う。この無線部32を構成する送信機の送信電力増幅器として、前述のドハティ増幅器を用いることができる。
データ処理部33は、無線部32から受けた受信信号の復調及び復号化の処理を行って受信データを復元したり、送信データの符号化及び変調を行って送信信号を生成して無線部32に渡したりする。
NW通信部34は、所定のインターフェースを介して移動体通信網のコアネットワークと通信し、受信したデータをコアネットワークに送信したり、送信対象のデータや制御情報をコアネットワークから受信したりする。
制御部35は、予め組み込まれた制御プログラムを実行することにより、制御情報に基づいて、無線部32及びデータ処理部33を制御する。記憶部36は、受信データ、送信データ、制御プログラム、制御情報などを記憶する。
なお、図8の基地局30は、アンテナ31と無線部32とを有するRRH(遠隔無線ヘッド)と、データ処理部33とNW通信部34とを有するBBU(ベースバンドユニット)とをそれぞれ別装置として備え、RRHとBBUを光ファイバー回線等の高速通信インファーフェースで接続した構成であってもよい。
また、図8に例示した無線送信装置(送信機)は、移動通信の基地局と通信する端末装置におけるアップリンクの信号を送信する送信機に適用してもよい。移動通信システムは、本実施形態に係る基地局及び端末装置の少なくとも一方を備えてもよい。
以上、本実施形態によれば、先端短絡スタブ142により第1増幅回路11及び第2増幅回路12の出力信号に含まれる偶数次高調波を抑制し、複数の先端開放スタブ143(1)~143(4)により前記出力信号に含まれる複数の奇数次高調波を抑制することにより、出力信号の高調波スプリアスを抑制することができる。
更に、直列伝送線路の電気長及び特性インピーダンスを調整するとともに、複数の先端開放スタブ143(1)~143(4)の特性インピーダンスを調整することにより、ドハティ増幅器10の第1増幅回路11及び第2増幅回路12の出力信号の基本波に対する出力インピーダンスを所定のインピーダンスに変換することができる。
しかも、上記インピーダンスの変換を行うインピーダンス変換器の内部に、上記高調波スプリアスの抑制に用いる先端短絡スタブ142及び複数の先端開放スタブ143(1)~143(4)を備えるので、ドハティ増幅器10の外付け装置として設ける場合に比して、ドハティ増幅器10の小型化を図ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、ドハティ増幅器10の小型化を図るとともに、出力信号の高調波スプリアスを抑制しつつ基本波に対する出力インピーダンスを所定のインピーダンスに変換できる。
また、本実施形態のドハティ増幅器10を、基地局30の基地局装置に搭載した送信機に用いることにより、基地局装置の小型化を図るとともに、基地局30から送信される送信信号に含まれる高調波スプリアスを抑制しつつ、送信信号の基本波に対するインピーダンスを所定のインピーダンスに変換することにより、高周波の送信信号を効率よくアンテナから送波することができる。
なお、本明細書で説明された処理工程並びにインピーダンス変換回路、無線通信装置、基地局、端末装置、移動通信システムの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
ハードウェア実装については、実体(例えば、インピーダンス変換回路、各種無線通信装置、Node B、端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であればよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
10 :ドハティ増幅器
11 :第1増幅回路
12 :第2増幅回路
13 :電力分配器
14 :インピーダンス変換回路
15 :合成点
20 :多層基板
21(1) :第1層
21(2) :第2層
21(n) :第n層
22 :誘電体層
23 :グラウンド層
24 :ショートスタブ
25 :オープンスタブ
26 :ビアホール
27 :ビアホール
28 :入力側配線
29 :出力側配線
30 :基地局
31 :アンテナ
32 :無線部
33 :データ処理部
34 :NW通信部
34 :通信部
35 :制御部
36 :記憶部
111 :キャリアアンプ
112 :入力側回路
113 :出力側回路
114 :FET
115 :前段回路
116 :後段回路
121 :ピークアンプ
122 :入力側回路
123 :出力側回路
124 :FET
125 :前段回路
126 :後段回路
141 :直列伝送線路
141’ :出力端(接続点)
142 :先端短絡スタブ
143 :先端開放スタブ

Claims (19)

  1. 電力増幅器の増幅回路の出力信号が入力されるインピーダンス変換回路であって、
    前記増幅回路の出力信号の基本波に対するインピーダンスを調整する直列伝送線路と、
    前記出力信号に含まれる偶数次高調波を抑制する先端短絡スタブと、
    前記出力信号に含まれる一又は複数の奇数次高調波をそれぞれ抑制する一又は複数の先端開放スタブと、
    多層基板と、を備え、
    前記多層基板は、
    前記直列伝送線路の出力側に一端部が接続された前記先端短絡スタブの線路がおもて面に形成されグラウンド層が裏面に形成された先端短絡スタブ層と、
    前記複数の先端開放スタブの線路が層内絶縁領域に形成されグラウンド層が裏面に形成された複数の先端開放スタブ層を、順に有し、
    前記先端短絡スタブの線路の他端部と、前記先端短絡スタブ層のグラウンド層と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれのグラウンド層は、層内貫通線路を介して接続され、
    前記先端短絡スタブの線路の前記一端部と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれの前記先端開放スタブの線路は、前記グラウンド層に接触しないように層内貫通線路を介して接続されている、
    ことを特徴とするインピーダンス変換回路。
  2. 請求項1のインピーダンス変換回路において、
    前記直列伝送線路は、前記増幅回路の出力側に接続され、前記出力信号の基本波に対して調整用の電気角θ及び特性インピーダンスZ'を有し、
    前記先端短絡スタブは、前記直列伝送線路の出力端とグラウンドとの間に並列接続され、前記出力信号に含まれる2次高調波の波長λの2分の1の電気長(λ/2)と任意の特性インピーダンスZとを有し、
    前記複数の先端開放スタブはそれぞれ、前記直列伝送線路の出力端に接続され、前記出力信号に含まれる複数の奇数次高調波それぞれの波長λの4分の1の電気長(λ/4)と前記複数の奇数次高調波それぞれに対する特性インピーダンスZとを有する、
    ことを特徴とするインピーダンス変換回路。
  3. 電力増幅器の増幅回路の出力信号が入力されるインピーダンス変換回路であって、
    前記増幅回路の出力信号の基本波に対するインピーダンスを調整する直列伝送線路と、
    前記出力信号に含まれる偶数次高調波を抑制する先端短絡スタブと、
    前記出力信号に含まれる一又は複数の奇数次高調波をそれぞれ抑制する一又は複数の先端開放スタブと、を備え、
    前記直列伝送線路は、前記増幅回路の出力側に接続され、前記出力信号の基本波に対して調整用の電気角θ及び特性インピーダンスZ'を有し、
    前記先端短絡スタブは、前記直列伝送線路の出力端とグラウンドとの間に並列接続され、前記出力信号に含まれる2次高調波の波長λの2分の1の電気長(λ/2)と任意の特性インピーダンスZとを有し、
    前記複数の先端開放スタブはそれぞれ、前記直列伝送線路の出力端に接続され、前記出力信号に含まれる複数の奇数次高調波それぞれの波長λの4分の1の電気長(λ/4)と前記複数の奇数次高調波それぞれに対する特性インピーダンスZとを有し、
    抑圧対象の奇数次高調波の数をNとし、当該インピーダンス変換回路に接続される外部負荷の等価終端抵抗をRとしたとき、前記増幅回路から前記インピーダンス変換回路のほうをみた負荷インピーダンスZは次式(1)及び(2)を満たす、ことを特徴とするインピーダンス変換回路。
    Figure 0007213203000007

    Figure 0007213203000008
  4. 請求項3のインピーダンス変換回路において、
    前記抑圧対象の奇数次高調波の数Nと、前記負荷インピーダンスZの目標値と、前記直列伝送線路の前記特性インピーダンスZ'とを、前提条件として設定し、
    前記前提条件の下で、前記負荷インピーダンスZが所定の可変範囲内に位置するように、前記複数の先端開放スタブそれぞれの前記特性インピーダンスZを前記奇数次高調波の次数が低い順に設定するとともに、前記直列伝送線路の電気角θを設定する、
    ことを特徴とするインピーダンス変換回路。
  5. 請求項3又は4のインピーダンス変換回路において、
    多層基板を備え、
    前記多層基板は、
    前記直列伝送線路の出力側に一端部が接続された前記先端短絡スタブの線路がおもて面に形成されグラウンド層が裏面に形成された先端短絡スタブ層と、
    前記複数の先端開放スタブの線路が層内絶縁領域に形成されグラウンド層が裏面に形成された複数の先端開放スタブ層を、順に有し、
    前記先端短絡スタブの線路の他端部と、前記先端短絡スタブ層のグラウンド層と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれのグラウンド層は、層内貫通線路を介して接続され、
    前記先端短絡スタブの線路の前記一端部と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれの前記先端開放スタブの線路は、前記グラウンド層に接触しないように層内貫通線路を介して接続されている、ことを特徴とするインピーダンス変換回路。
  6. 請求項1乃至5のいずれかのインピーダンス変換回路において、
    前記直列伝送線路、前記先端短絡スタブ及び前記複数の先端開放スタブはそれぞれマイクロストリップ線路もしくはストリップ線路で構成されている、ことを特徴とするインピーダンス変換回路。
  7. 入力信号を分配する電力分配器と、電力分配器で分配された信号が入力されるメインアンプ及びピークアンプとを備えるドハティ型の電力増幅器であって、
    請求項1乃至6のいずれかのインピーダンス変換回路を備えることを特徴とする電力増幅器。
  8. 入力信号を分配する電力分配器と、電力分配器で分配された信号が入力されるメインアンプ及びピークアンプとを備えるドハティ型の電力増幅器であって、
    前記電力増幅器の増幅回路の出力信号が入力されるインピーダンス変換回路を備え、
    前記インピーダンス変換回路は、
    前記増幅回路の出力信号の基本波に対するインピーダンスを調整する直列伝送線路と、
    前記出力信号に含まれる偶数次高調波を抑制する先端短絡スタブと、
    前記出力信号に含まれる一又は複数の奇数次高調波をそれぞれ抑制する一又は複数の先端開放スタブと、を有する、
    ことを特徴とする電力増幅器。
  9. 請求項7又は8の電力増幅器において、
    前記メインアンプ及び前記ピークアンプそれぞれの前段に設けられ、前記入力信号の基本波に対する入力側のインピーダンス整合回路と高調波抑制回路とを有する複数の前段回路部と、
    前記メインアンプ及び前記ピークアンプそれぞれの後段に設けられ、前記インピーダンス整合回路に出力される出力信号の基本波に対する出力側のインピーダンス整合回路と高調波抑制回路とを有する複数の後段回路部と、
    を更に備えることを特徴とする電力増幅器。
  10. 無線送信装置であって、
    請求項7、8又は9の電力増幅器を備えることを特徴とする無線送信装置。
  11. 移動通信システムの基地局であって、
    請求項10の無線送信装置を備えることを特徴とする基地局。
  12. 移動通信システムの端末装置であって、
    請求項10の無線送信装置を備えることを特徴とする端末装置。
  13. 請求項11の基地局及び請求項12の端末装置の少なくとも一方を備えることを特徴とする移動通信システム。
  14. 電力増幅器の増幅回路の出力信号が入力されるインピーダンス変換回路の作製方法であって、
    前記増幅回路の出力信号の基本波に対するインピーダンスを調整する直列伝送線路を設けることと、
    前記出力信号に含まれる偶数次高調波を抑制する先端短絡スタブを設けることと、
    前記出力信号に含まれる一又は複数の奇数次高調波をそれぞれ抑制する一又は複数の先端開放スタブを設けることと、
    前記直列伝送線路の出力側に一端部が接続された前記先端短絡スタブの線路がおもて面に形成されグラウンド層が裏面に形成された先端短絡スタブ層と、前記複数の先端開放スタブの線路が層内絶縁領域に形成されグラウンド層が裏面に形成された複数の先端開放スタブ層とを、順に有するように多層基板を形成することと、
    前記先端短絡スタブの線路の他端部と、前記先端短絡スタブ層のグラウンド層と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれのグラウンド層とを、層内貫通線路を介して接続することと、
    前記先端短絡スタブの線路の前記一端部と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれの前記先端開放スタブの線路とを、前記グラウンド層に接触しないように層内貫通線路を介して接続することと、
    を含むことを特徴とするインピーダンス変換回路の作製方法。
  15. 請求項14のインピーダンス変換回路の作製方法において、
    前記出力信号の基本波に対して調整用の電気角θ及び特性インピーダンスZ'を有する前記直列伝送線路を、前記増幅回路の出力側に接続することと、
    前記出力信号に含まれる2次高調波の波長λの2分の1の電気長(λ/2)と前記基本波に任意の特性インピーダンスZとを有する前記先端短絡スタブを、前記直列伝送線路の出力端と外部負荷の等価終端抵抗に対して並列接続することと、
    前記出力信号に含まれる複数の奇数次高調波それぞれの波長λの4分の1の電気長(λ/4)と前記複数の奇数次高調波それぞれに対する開放特性インピーダンスZとを有する前記複数の先端開放スタブをそれぞれ、前記直列伝送線路の出力端に接続することと、
    を含むことを特徴とするインピーダンス変換回路の作製方法。
  16. 電力増幅器の増幅回路の出力信号が入力されるインピーダンス変換回路の作製方法であって、
    前記増幅回路の出力信号の基本波に対するインピーダンスを調整する直列伝送線路を設けることと、
    前記出力信号に含まれる偶数次高調波を抑制する先端短絡スタブを設けることと、
    前記出力信号に含まれる一又は複数の奇数次高調波をそれぞれ抑制する一又は複数の先端開放スタブを設けることと、
    前記出力信号の基本波に対して調整用の電気角θ及び特性インピーダンスZ'を有する前記直列伝送線路を、前記増幅回路の出力側に接続することと、
    前記出力信号に含まれる2次高調波の波長λの2分の1の電気長(λ/2)と前記基本波に任意の特性インピーダンスZとを有する前記先端短絡スタブを、前記直列伝送線路の出力端と外部負荷の等価終端抵抗に対して並列接続することと、
    前記出力信号に含まれる複数の奇数次高調波それぞれの波長λの4分の1の電気長(λ/4)と前記複数の奇数次高調波それぞれに対する開放特性インピーダンスZとを有する前記複数の先端開放スタブをそれぞれ、前記直列伝送線路の出力端に接続することと、を含み、
    抑圧対象の奇数次高調波の数をNとし、当該インピーダンス変換回路に接続される外部負荷の等価終端抵抗をRとしたとき、前記増幅回路から前記インピーダンス変換回路のほうをみた負荷インピーダンスZは次式(1)及び(2)を満たす、ことを特徴とするインピーダンス変換回路の作製方法。
    Figure 0007213203000009

    Figure 0007213203000010
  17. 請求項16のインピーダンス変換回路の作製方法において、
    前記抑圧対象の奇数次高調波の数Nと、前記負荷インピーダンスZの目標値と、前記直列伝送線路の前記特性インピーダンスZ'とを、前提条件として設定することと、
    前記前提条件の下で、前記負荷インピーダンスZが所定の可変範囲内に位置するように、前記複数の先端開放スタブそれぞれの前記特性インピーダンスZを前記奇数次高調波の次数が低い順に設定するとともに、前記直列伝送線路の電気角θを設定することと、
    を含むことを特徴とするインピーダンス変換回路の作製方法。
  18. 請求項16又は17のインピーダンス変換回路の作製方法において、
    前記直列伝送線路の出力側に一端部が接続された前記先端短絡スタブの線路がおもて面に形成されグラウンド層が裏面に形成された先端短絡スタブ層と、前記複数の先端開放スタブの線路が層内絶縁領域に形成されグラウンド層が裏面に形成された複数の先端開放スタブ層とを、順に有するように多層基板を形成することと、
    前記先端短絡スタブの線路の他端部と、前記先端短絡スタブ層のグラウンド層と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれのグラウンド層とを、層内貫通線路を介して接続することと、
    前記先端短絡スタブの線路の前記一端部と、前記複数の先端開放スタブ層それぞれの前記先端開放スタブの線路とを、前記グラウンド層に接触しないように層内貫通線路を介して接続することと、
    を含むことを特徴とするインピーダンス変換回路の作製方法。
  19. 請求項13乃至18のいずれかのインピーダンス変換回路の作製方法において、
    前記直列伝送線路、前記先端短絡スタブ及び前記複数の先端開放スタブをそれぞれマイクロストリップ線路もしくはストリップ線路で構成することを含むことを特徴とするインピーダンス変換回路の作製方法。
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