JP7210702B2 - ブロー成形装置およびブロー成形方法 - Google Patents
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Description
実施形態では説明を分かり易くするため、本発明の主要部以外の構造や要素については、簡略化または省略して説明する。また、図面において、同じ要素には同じ符号を付す。なお、図面に示す各要素の形状、寸法などは模式的に示したもので、実際の形状、寸法などを示すものではない。
図1は、樹脂製容器(以下、容器とも称する)を製造するためのブロー成形装置1の構成を模式的に示す平面図である。図2は、ブロー成形装置の射出成形部近傍の側面図である。
本実施形態のブロー成形装置1は、プリフォーム10を室温まで冷却せずに射出成形時の保有熱(内部熱量)を活用してブロー成形するホットパリソン方式(1ステージ方式とも称する)の装置である。
射出成形部11は、射出金型21、移送板15の昇降機構30を備える。射出成形部11には、プリフォームの原材料である樹脂材料を供給する射出装置17が接続されている。
射出金型21は、プリフォーム10の内部形状を規定する射出コア型23と、プリフォーム10の外部形状を規定する射出キャビティ型24と、射出装置17から供給された溶融樹脂を射出金型21の型空間に導くホットランナ型25と、を有している。射出キャビティ型24およびホットランナ型25は、機台2の下部基盤2a側に固定される。一方、射出コア型23は、タイバー26で支持された上部型締板27に取り付けられ、上下方向に昇降可能である。
温度調整部12は、図示しない温度調整用の金型ユニット(温調ポットや温調ロッド)と、その金型ユニットの昇降機構(いずれも不図示)を備える。温度調整部12は、温調ポットにより、射出成形部11で製造されたプリフォーム10の均温化や偏温除去を行い、プリフォーム10の温度を最終ブローに適したブロー温度(例えば約90℃~105℃)に調整する。また、本実施形態の温度調整部12は、射出成形後の高熱のプリフォーム10を冷却する機能も担う。なお、温度調整部12にも、射出成形部11と同様の構成の移送板15の昇降機構(不図示)を設けてもよい。
ブロー成形部13は、ブロー成形金型(ブロー型および底型)、延伸ロッド、ブローエアの導入部材、移送板15の昇降機構(いずれも不図示)を備える。ブロー成形部13は、ブロー成形金型に配置されたプリフォーム10を延伸ロッドで軸方向に延伸させるとともに、内部に高圧エアを導入して二軸延伸ブロー成形を行い、容器を製造する。
取出部14は、取出カムによってネック型16を開放し、ブロー成形部13で製造された容器をブロー成形装置1から取り出す。取出部14で取り出された容器は、箱詰めされるかあるいは充填ラインへ搬送される。なお、取出部14にも、射出成形部11と同様の構成の移送板15の昇降機構(不図示)を設けてもよい。
図3は、非伸張状態における支柱4および高さ調整部5の構成例を示す図である。図4は、伸張状態における支柱4および高さ調整部5の構成例を示す図である。図5は、高さ調整部の油圧シリンダおよびガイド部を模式的に示す図である。
なお、本実施形態における4組の支柱4および高さ調整部5の構成は共通であるので、1組の支柱4および高さ調整部5の構成を説明し、重複説明は省略する。
油圧シリンダ51は、上部支柱41の内側に固定されたシリンダ本体51aと、シリンダ本体51aの下側に延びるシリンダロッド51bとを備える。図5(A)、(B)に示すように、シリンダロッド51bは下部支柱42の上端面に連結され、シリンダ本体51aの油圧により上下方向に伸縮する。したがって、油圧シリンダ51により上部支柱41を上下方向に動かすことが可能である。
なお、スペーサー部材54は、移送板15の上下方向のストロークがプリフォーム10を進退させるのに適切な寸法となるように、上下方向の高さが異なる複数種類のうちから任意の高さhの部材を選択可能である。
ロックシリンダ55は、上部支柱の第2の側面と対向するように支持台57に固定され、ストッパーの機能を担うロッド55aを上部支柱41の側面に向けて水平方向に伸縮させる。ロックシリンダ55のロッド55aが伸びた状態では、ロッド55aがストッパー部材56と係合することで上部支柱41の上下方向の位置が固定される。一方、ロッド55aが収縮した状態では、ロッド55aとストッパー部材56の係合が解除されて上部支柱41を上下方向に動かすことが可能である。
図7は、本実施形態のブロー成形装置1によるブロー成形方法の工程を示すフローチャートである。本実施形態では、ブロー成形方法の後述の各工程(S101~S104)が実施される前に、機台2と上部基盤3の上下方向の間隔を調整する高さ調整工程(S100)が行われる。
高さ調整工程は、ブロー成形に用いるプリフォーム10の軸方向長さに応じて、機台2と上部基盤3の上下方向の間隔を調整する工程である。以下の説明では、プリフォーム10を軸方向長さの長いものから短いものに切り替えた場合を想定し、ブロー成形装置1を図4に示す伸張状態から図3に示す非伸張状態に調整する場合を説明する。
第3に、油圧シリンダ51のシリンダロッド51bを収縮させて上部支柱41の下端面と下部支柱42の上端面を当接させて支柱4を非伸張状態にする。これにより、機台2と上部基盤3の上下方向の間隔は、抜き出されたスペーサー部材54の高さhの分だけ短くなる。また、移送板の上下方向のストロークは、軸方向長さの短いプリフォームを進退させるのに適切な寸法に調整される。
第4に、ロックシリンダ55のロッド55aを伸張させてストッパー部材56aと係合させる。これにより、上部支柱41の上下方向の位置が固定される。
上記の高さ調整工程が完了すると、以下に示すブロー成形方法の各工程が実行される。
まず、射出成形部11において、射出キャビティ型24、射出コア型23および移送板15のネック型16で形成されたプリフォーム形状の型空間に射出装置17から樹脂を射出し、プリフォーム10が製造される。
各工程間の搬送時間には、移送板15を上下方向に往復移動させる時間が含まれる。本実施形態では、上記の高さ調整工程により移送板15の上下方向のストロークがプリフォームを進退させるのに適切な寸法に事前に調整されている。そのため、本実施形態では移送板15を上下方向に往復移動させるときに移送板15を余分に移動させずにすむ。
比較例では、射出成形部11の金型内でプリフォーム10をブロー温度よりも低いか略同程度の温度まで冷却する。その結果として、比較例では射出成形工程の時間が本実施形態よりも長くなる。そうすると、各工程の時間は最も長い射出成形工程の時間に合わせて設定されることから、結果的に容器の成形サイクルの時間も長くなってしまう。
続いて、温度調整部12において、プリフォーム10の温度を最終ブローに適した温度に近づけるための温度調整が行われる。
温度調整工程の冷却ブローにより、プリフォーム10は内側からエアの圧力を受けて、所定の温度に保たれた温調ポットと接触し続ける。そのため、温度調整工程において、プリフォーム10は外側からブロー温度以下にならないように温度調整され、さらに射出成形時に生じた偏温も低減される。なお、温調ポットがプリフォーム形状の空間を有しているため、プリフォームの形状は温調ポットで維持されて大きく変化することはない。
続いて、ブロー成形部13において、容器のブロー成形が行われる。
まず、ブロー成形部13のブロー成形金型にプリフォーム10が収容されると、ブロー成形金型が型閉じされ、容器の形状に対応する型空間が形成される。続いて、ブローエアの導入部材(ブローコア)および延伸ロッドがプリフォーム10内に挿入され、延伸ロッドの降下によってプリフォーム10が軸方向に延伸される。その後、ブローエアの導入部材の開口から、ブローエアがプリフォーム10内に導入される。これにより、プリフォーム10は、ブロー成形金型に密着するように膨出して容器にブロー成形される。
ブロー成形が終了すると、ブロー成形金型が型開きされる。続いて、移送板15が所定角度回転し、容器が取出部14に搬送される。取出部14において、容器の首部がネック型16から開放され、容器がブロー成形装置1の外部へ取り出される。
本実施形態のブロー成形装置1によれば、支柱4の高さ調整部5によって機台2と上部基盤3の上下方向の間隔を調整できる。ブロー成形に用いるプリフォーム10の軸方向長さに応じて機台2と上部基盤3の上下方向の間隔を調整することで、ブロー成形の各工程でプリフォームを搬送するときにおける移送板の上下方向のストロークがプリフォームを進退させるのに適切な寸法となる。
換言すれば、本実施形態によれば、同じプリフォーム10を用いるが上記の高さ調整を行わない場合に比べると、移送板15を上下方向に往復移動させる時間が短縮されるので、容器の成形サイクルを高速化できる。
例えば、高さ調整部5の駆動部はすべての高さ調整部に設ける必要はない。例えば、上部基盤3を安定して上下方向に動かすことができる範囲で、一部の支柱4では駆動部を有しない高さ調整部を配置するようにしてもよい。
また、ブロー成形装置1における高さ調整部5の位置は上記実施形態の構成に限定されない。例えば、上部基盤3の下面に高さ調整部5を設けるようにしてもよい。
射出成形装置60では、移送板15の回転により、ネック型16で保持されたプリフォーム10が、射出成形部11、後冷却部61、取出部14の順に搬送される。
また、射出成形装置60によれば、機台2と上部基盤3の上下方向の間隔を高さ調整部5で調整することで、移送板15の上下方向のストロークをプリフォームの進退に適切な寸法とすることができる。これにより、移送板15を上下方向に往復移動させる時間が短縮されるので、プリフォーム10の成形サイクルを高速化できる。
Claims (8)
- 有底形状の樹脂製のプリフォームを射出成形する射出成形部と、
前記プリフォームをブロー成形して樹脂製容器を製造するブロー成形部と、
機台と、
前記機台から上下方向に間隔をおいて配置され、前記機台に立設された複数の支柱で支持される上部基盤と、
前記上部基盤の高さ位置で回動することで、前記射出成形部および前記ブロー成形部の間で前記プリフォームを搬送する移送板と、
前記機台に配置された金型に対して前記移送板を上下方向に昇降させる昇降機構と、
前記支柱に設けられ、前記機台と前記上部基盤の上下方向の間隔を調整し、前記機台に対する前記移送板の上下方向のストロークを調整する高さ調整部と、
を備え、
前記高さ調整部には、前記機台と前記上部基盤の上下方向の間隔を保持するスペーサー部材が交換可能に取り付けられ、
間隔調整後の前記支柱は、前記スペーサー部材を介して前記上部基盤を支持する
ブロー成形装置。 - 前記高さ調整部は、前記支柱を上下方向に移動させる駆動部を有する
請求項1に記載のブロー成形装置。 - 前記高さ調整部は、前記駆動部により移動する前記支柱を上下方向に沿って案内するガイド部を有する
請求項2に記載のブロー成形装置。 - 前記高さ調整部は、間隔調整後の前記支柱の位置を固定するロック部を有する
請求項2または請求項3に記載のブロー成形装置。 - 前記ブロー成形部の前に、前記射出成形部で製造された前記プリフォームの温度調整を行う温度調整部をさらに備える
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のブロー成形装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のブロー成形装置を用いたブロー成形方法であって、
前記高さ調整部における前記スペーサー部材の交換により、前記機台に対する前記移送板の上下方向のストロークを調整する高さ調整工程を行い、
前記高さ調整工程の後に、
前記プリフォームを射出成形する射出成形工程と、
前記プリフォームをブロー成形して樹脂製容器を製造するブロー成形工程と、を行うブロー成形方法。 - 前記高さ調整工程では、前記プリフォームの軸方向長さに基づいて、前記機台と前記上部基盤の上下方向の間隔を調整する
請求項6に記載のブロー成形方法。 - 前記ブロー成形工程の前に、前記射出成形工程で製造された前記プリフォームの温度調整を行う温度調整工程がさらに実施される
請求項6または請求項7に記載のブロー成形方法。
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