JP7209804B2 - 免疫測定法試薬の不完全な分散を原因とする異常な結果の検出方法 - Google Patents

免疫測定法試薬の不完全な分散を原因とする異常な結果の検出方法 Download PDF

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    • G01N33/721Haemoglobin
    • G01N33/723Glycosylated haemoglobin

Description

関連出願の相互参照/参照による組み入れの説明
本願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2018年7月13日に出願された米国仮出願第62/697,651号の利益を主張する。上記に参照した特許出願の内容の全体を、参照によって本明細書に明確に組み入れる。
連邦政府の助成による研究または開発に関する説明
該当しない。
血糖を的確に制御することで、糖尿病に関連する罹患率および死亡率の多くを改善することができる。したがって、ヘモグロビンの物理的化学的性質に基づいて、または特異的抗体に認識されるヘモグロビンのエピトープに基づいて、ヘモグロビンに関する多種多様なアッセイが開発されている。臨床研究により、HbA1cの結果が、意思決定、患者の服薬順守、および予後を改善することが示されている(非特許文献1および非特許文献2)。
免疫測定法(複数種)は現在、臨床検査環境で使用される最も一般的なタイプのヘモグロビンアッセイ法である。これらの免疫測定法は、ヘモグロビンのエピトープ、特定の例では、糖化ヘモグロビン(HbA1c)のエピトープ、例えば(以下に限定されないが)、糖化ヘモグロビンのN末端の糖化アミノ酸の少なくとも一部を認識する抗体を利用する。例えば、分析物HbA1cに対する免疫比濁阻害法(turbidimetric inhibition immunoassay:TINIA)は、抗HbA1c抗体およびポリハプテン凝集試薬(agglutinator)(即ち、遊離抗体との凝集(agglutination)を生じさせる複数のHbA1cエピトープを含む合成分子)を利用する。HbA1c分析物が存在しない場合、ポリハプテンは遊離抗HbA1c抗体と反応して不溶性の抗体-ポリハプテン複合体を形成し、これにより、試料が光源で照射されたとき、濁度および光散乱が生じる。生物学的試料(全血試料などがあるが、これに限定されない)中に標的分析物HbA1cが存在する場合、HbA1c分析物は抗HbA1c抗体と反応し、観測される光散乱の量を低減する可溶性の分析物-抗体複合体を形成する。反応の速度は比濁法によって測定することができ、生物学的試料中に存在するHbA1c分析物の量に反比例する。
Thalerら、(1999年)Diabetes Care、22:1415~1421頁 Millerら、(2003年)Diabetes Care、26:1158~1163頁
このアッセイに対する主な干渉物質は、不完全に分散しているポリハプテン試薬であり、これは不溶性の抗体-ポリハプテン複合体を実質的に模倣し;不完全に分散しているポリハプテン試薬は、次に比濁法によって測定される光散乱を生じさせ、このため、吸光度と分析物濃度との間の反比例関係により、HbA1cの偽低値に変換される。したがって、免疫測定法試薬(ポリハプテン試薬などがあるが、これに限定されない)の不完全な分散を原因とする異常な結果の存在を検出し、低減する、新規な改善型の方法が求められている。
比濁阻害法(turbidimetric inhibition assay:TINIA)の反応スキームおよび1つまたはそれ以上の外れ値(不正確値)が発生する工程の同定を示す概略図である。 ポリハプテンの添加後の正規の293nm対304nmの回帰の較正(塗りつぶしの青い円)ならびに外れ値の検出(赤い円)および抑制を示すグラフである。 本開示による、および図2にグラフで表した結果に基づく外れ値のフラグ付けの一例を示す表である。
本発明概念の少なくとも1つの実施形態を、例示的な用語および結果によって詳細に説明する前に、本発明概念は、その適用が、以下の説明に記載される構成要素の構造および配置の詳細事項に限定されないことを理解されるべきである。本発明概念は、他の実施形態が可能であり、または種々の方法で実行されることもしくは行われることが可能である。このため、本明細書で使用される用語は、最大限広範な範囲および意味を与えられているものとし、実施形態は例示的であり、網羅的ではないものとする。また、本明細書で使用される専門語および術語は、説明を目的とするのみに過ぎず、限定するとみなされるべきではないことも理解されるべきである。
本明細書に別段の定義がない限り、本開示に関して使用される科学用語および技術用語は、当業者に広く理解されている意味を有するものとする。さらに、文脈上、他の意味が要求されない限り、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。前述の技法および手法は、当技術分野において周知の従来の方法に従い、および本明細書の至る所で引用され、論じられている、種々の一般的およびより特定的な参考文献に記載されているように、一般に実行されている。本明細書に記載される、分析化学、有機合成化学、ならびに医薬品化学および製薬化学に関して利用される命名法、ならびにそれらの実験手法および実験技法は、当技術分野において周知であり、広く使用されているものである。標準的な技法が化学合成および化学分析に使用される。
本明細書に挙げられた、全ての特許、公開特許出願および非特許刊行物は、本開示が属する技術分野の当業者の技術のレベルを示している。本願のいずれかの部分で参照されている、全ての特許、公開特許出願および非特許刊行物は、個々の特許または刊行物が、具体的におよび個別に参照によって組み入れられるように指示されているかのような場合と同程度まで、その全体が参照によって本明細書に明確に組み入れられる。
本明細書に開示される物品、組成物、キット、および/または方法の全ては、本開示に照らして必要以上の実験を行うことなく、作製され、実行されることが可能である。物品、組成物、キット、および/または方法は、特定の実施形態に関して記載されているが、物品、組成物、キット、および/または方法に、ならびに本明細書に記載される方法の工程にまたは工程の順序に、本開示の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく変更を適用することができることは、当業者には明らかである。そのような当業者に明らかな類似の代替および変形の全ては、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明概念の趣旨、範囲および概念の範囲内にあるとみなされる。
以下の用語は、本開示に従って利用する場合、別の意味が示されていない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする:
「1つ(a)」または「1つ(an)」という用語の使用は、特許請求の範囲および/または本明細書において「含む」という用語と一緒に使用される場合、「1つの」を意味することができるが、「1つまたはそれ以上の」、「少なくとも1つの」および「1つまたは1つより多い」という意味にも一致する。このため、「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その(the)」という用語は文脈が明確に否定しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「少なくとも1つ(a)化合物」と言う場合、1つまたはそれ以上の化合物、2つ以上の化合物、3つ以上の化合物、4つ以上の化合物、またはそれより多い化合物を指すことがある。「複数」という用語は「2つ以上」を指す。
「少なくとも1つ」という用語の使用は、1つ、および1つより多い任意の量を含むものと理解され、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100などを含むが、これらに限定されない。「少なくとも1つ」という用語は、それが付いている用語に依存して、100以上または1000以上にまで及ぶ場合があり;加えて、100/1000という量は、それより高い限度値も良好な結果を生むことがあるため、限定と考えられるべきではない。さらに、「X、YおよびZのうち少なくとも1つ」という用語の使用は、X単独、Y単独およびZ単独、ならびにX、YおよびZの任意の組合せを含むものと理解される。序数の用語(即ち、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」など)の使用は、単に2つ以上の項目を区別するためのものに過ぎず、例えば、別の項目に対する1つの項目の順序もしくは順番もしくは重要性のいずれをも、または添加の順序のいずれをも含意するものではない。
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、選択肢のみに言及することが明確に示されていない限り、または選択肢同士が相互排他的でない限り、包括的な「および/または」を意味するために使用される。例えば、「AまたはB」という状態は、以下のいずれかに当てはまる:Aが真であり(または存在し)、かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)、かつBが真である(または存在する)、およびAとBとの両方が真である(または存在する)。
本明細書で使用する場合、「一(one)実施形態」、「一(an)実施形態」、「一部の実施形態」、「一例」、「例えば」または「1つの(an)例」のいずれかの言及は、その実施形態に関して記載される特定の要素、構成、構造、または特徴が、少なくとも1つの実施形態の中に含まれることを意味する。例えば、本明細書の様々な箇所で「一部の実施形態では」または「一例」という表現が出てきても、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、1つまたはそれ以上の実施形態または例という言及は全て、特許請求の範囲を限定するものではないと解釈されるべきである。
本願の至る所で、「約」という用語は、ある値が組成物/装置/デバイスに固有の誤差の変動を含むことを示すために使用され、その値、または試験対象間に存在する変動を規定するためにその方法が使用される。例えば、限定を目的とはしないが、「約」という用語が利用されるとき、その指定値は、特定された値からプラスまたはマイナス20パーセント、もしくは15パーセント、もしくは12パーセント、もしくは11パーセント、もしくは10パーセント、もしくは9パーセント、もしくは8パーセント、もしくは7パーセント、もしくは6パーセント、もしくは5パーセント、もしくは4パーセント、もしくは3パーセント、もしくは2パーセント、もしくは1パーセント変動する場合がある。なぜなら、そのような変動は開示される方法を実行するのに適切であり、当業者に理解されるからである。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「含む(comprising)」(ならびに「comprise」および「comprises」のようなcomprisingの任意の形態)、「有する(having)」(ならびに「have」および「has」のようなhavingの任意の形態)、「含む(including)」(ならびに「includes」および「include」のようなincludingの任意の形態)、または「含む(containing)」(ならびに「contains」および「contain」のようなcontainingの任意の形態)という用語は、包括的またはオープンエンドであり、追加の挙げられていない要素または方法の工程を排除するものではない。
「またはそれらの組合せ」という用語は、本明細書で使用する場合、その用語に先行して列挙された項目の、全ての順列および組合せを指す。例えば、「A、B、C、またはそれらの組合せ」は:A、B、C、AB、AC、BC、またはABCのうち少なくとも1つを含むものとし、特定の文脈において順序が重要である場合、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCABも含むものとする。この例で続けて行けば、BB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、およびCABABBなどのような、1つまたはそれ以上の項目または用語の繰り返しを含む組合せが明確に含まれる。当業者は、文脈から別の意味が明らかでない限り、通常、いずれの組合せにおいても項目または用語の数に限定はないことを理解されよう。
本明細書で使用する場合、「実質的に」という用語は、その次に記載される現象または状況が完全に生じる、またはその次に記載される現象または状況が大きな程度または度合いで生じることを意味する。例えば、特定の現象または状況に関連する場合、「実質的に」という用語は、その次に記載される現象または状況が、少なくとも80%の確率で、または少なくとも85%の確率で、または少なくとも90%の確率で、または少なくとも95%の確率で発生することを意味する。「実質的に隣接している」という用語は、2つの項目が互いに100%隣接していること、または2つの項目が互いに至近距離内にあるが、互いに100%隣接しているわけではないこと、または2つの項目のうち1つの項目の部分がもう1つの項目に100%隣接しているわけではないが、もう1つの項目との至近距離内にあることを意味する場合がある。
本明細書で使用する場合、「~に結びついている」および「~に連結している」という表現は、2つの部分の互いへの直接的な結びつき/結合と、2つの部分の互いへの間接的な結びつき/結合との両方を含む。結びつき/連結の非限定的な例には、直接結合による、またはスペーサー基を介する、1つの部分の別の部分への共有結合、直接の、または両部分に結合する特異的結合対メンバーによる、1つの部分の別の部分への非共有結合、例えば1つの部分を別の部分に溶解することによるような、および1つの部分を別の部分に被覆することによるような、1つの部分の別の部分への組み入れが含まれる。
「試料」という用語は、本明細書で使用する場合、本開示に従って利用することができる任意のタイプの生物学的試料を含むものと理解される。利用することができる流動性の生物学的試料の例には、全血またはその任意の部分(血漿または血清を含むが、これらに限定されない)、全血液細胞または溶解血液細胞(全赤血球または溶解赤血球を含むが、これらに限定されない)、尿、唾液、痰、脳脊髄液(CSF)、皮膚、腸液、腹腔内液、嚢胞液、汗、間質液、細胞外液、涙液、粘膜、膀胱洗浄液、精液、糞便、胸膜液、鼻咽頭液、およびそれらの組合せなどが含まれるが、これらに限定されない。
「標的分析物に特異的な結合パートナー」という用語は、本明細書で使用する場合、標的分析物と特異的に結びつくことができる任意の分子を指すものと理解される。例えば、限定するものではないが、結合パートナーは、抗体、受容体、リガンド、アプタマー、分子インプリントポリマー(即ち、無機マトリックス)、それらの組合せまたは誘導体、および標的分析物に特異的に結合することができる任意の他の分子とすることができる。
「抗体」という用語は、本明細書において最も広義で使用され、例えば、インタクトなモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、分析物の結合の望ましい生物学的活性を呈する抗体断片およびそのコンジュゲート(以下に限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、Fd、ダイアボディ、単鎖抗体、ならびにインタクトな抗体の可変領域の少なくとも一部を保持している他の抗体断片およびそのコンジュゲートなど)、抗体代替タンパク質またはペプチド(即ち、結合が操作されているタンパク質/ペプチド)、ならびにそれらの組合せまたは誘導体を指す。抗体は、任意のタイプもしくはクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgDおよびIgA)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)のものとすることができる。
「ハプテン」という用語は、本明細書で使用する場合、抗体(これに限定されないが)のような、標的分析物に特異的な結合パートナーによって認識されることが可能な、低分子のタンパク質のまたは非タンパク質の抗原決定基(または「エピトープ」)を指す。「ポリハプテン」という用語は、本明細書で使用する場合、合成分子に結合している複数のエピトープ/抗原決定基を含む当該合成分子を指すものと理解される。
「分析物」とは、抗体(これに限定されないが)のような、標的分析物に特異的な結合パートナーによって認識されることが可能な高分子である。分析物およびハプテンは両者とも、標的分析物に特異的な結合パートナー(即ち抗体)に結合する抗原またはハプテンの領域である、少なくとも1つの抗原決定基または「エピトープ」を含む。通常、ハプテンのエピトープは分子全体である。
「反応キュベット」という用語は、本明細書で使用する場合、本明細書に記載される少なくとも1つの診断用アッセイを実行することができる任意のデバイスを含む。反応キュベットにより、診断用アッセイを手作業で実行してもよいが、大抵の場合、反応キュベットは、診断用アッセイの実行を自動化するシステムの中にはめ込まれる。非限定的な一実施形態では、反応キュベットは、例えば、限定を目的とはしないが、Siemens Healthcare Diagnostics,Inc.(Newark、DE)から市販されているDIMENSION(登録商標)統合化学システムのうちの1つによって行われる自動診断用アッセイに使用するための反応キュベットを含む。しかし、当然のことながら、反応キュベットは、本明細書に記載されている、または記載がなく企図されている任意の市販の製品もしくはキュベット(本開示に従って1つまたはそれ以上の診断用アッセイを実行することができる)とすることができると理解される。
「比濁法」という用語は、本明細書で使用する場合、溶液中に浮遊している粒子の散乱効果による透過光の強度の損失を測定する方法を指すものと理解される。フィルターを通過する光は、既知の波長の光を作り出し、次にこれが試験溶液を含むキュベットを通過させられる。光電セルはキュベットを通過する光を捕集し、次に、吸収された光の量について測定値が付与される。このように、比濁法は、物質が生じさせる混濁の程度もしくは濁度によって、またはその物質が濁り溶液中にもたらす清澄の程度によって、溶液中の物質の濃度を決定する方法である。
次に発明概念に目を向けると、本開示のある特定の非限定的な実施形態は、全般的に、免疫測定法の性能および信頼性を改善するためのキット、デバイスおよび方法に関する。特に、本開示のある特定の実施形態は、免疫測定法試薬の不完全な分散を原因とする異常な結果を検出し、フラグを付ける、および/または抑制するためのキット、デバイスおよび方法に関する。
本開示のある特定の非限定的な実施形態は、生物学的試料中の標的分析物の存在および/または濃度を検出する方法を対象とする。ある特定の(しかし非限定的な)実施形態では、当該方法はさらに、免疫測定法試薬の不完全な分散を原因とする、免疫測定法における干渉を最小化する方法と定義される。
当該方法は:(1)標的分析物を含んでいるのではないかと疑われる試料;(2)少なくとも1つの、標的分析物に特異的な結合パートナー(以下に限定されないが、抗体など);および(3)標的分析物に特異的な結合パートナーに特異的に結合することができる少なくとも1つの免疫測定法試薬(以下に限定されないが、ポリハプテン試薬または他のタイプの不完全に分散している粒子凝集アッセイ試薬など)を、同時に、または全面的にもしくは部分的に連続して組み合わせることを含む。その後、少なくとも1つの、標的分析物に特異的な結合パートナーは、標的分析物または少なくとも1つの免疫測定法試薬に結合することが可能になる。
ある特定の非限定的な実施形態では、免疫測定法試薬によって生成されるシグナルは、比濁(即ち凝集)アッセイによって検出することができる。この方法はまた、分析物の濃度について得られる異常な結果を検出するために行うことができる二重較正(dual calibration)(1つは分析物用、もう1つは少なくとも1つの免疫測定法試薬の状態用)の使用を含む。特定の(しかし非限定的な)実施形態では、二重較正は単一の較正イベントにおいて同時に行われる。
免疫測定法によって検出可能なペプチドまたはタンパク質の標的分析物はいずれも、本開示の方法によって検出することができる。標的分析物の例としては、以下に限定されないが、糖化ヘモグロビン(HbA1C)、アルブミン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、フェリチン、成長ホルモン、プロラクチン、チログロブリン(Tg)、C反応性タンパク質(CRP)、およびリウマチ因子(RF)などが挙げられる。
代替として、免疫測定法は、薬物の血清レベルを測定して、その濃度が確実にその治療域内にあるようにする、治療薬物モニタリング(TDM)免疫測定法としてもよい。TDM免疫測定法によって検出可能な標的薬物分析物の例としては、以下に限定されないが、ゲンタマイシン、トブラマイシン、CRP、ジゴキシン、アミカシン、カフェイン、カルバマゼピン、ジギトキシン、ジソピラミド、エトスクシミド、リドカイン、リチウムメトトレキサート、NAPA、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、プロカインアミド、キニジン、テオフィリン、トブラマイシン、バルプロ酸、およびバンコマイシンなどが挙げられる。
本明細書に記載される免疫測定法で使用するための当技術分野において公知の生物学的試料はいずれも、本開示に従って利用することができる。利用することができる生物学的試料の例としては、以下に限定されないが、尿、全血またはその任意の部分(血漿または血清を含むが、これらに限定されない)、全(即ち、実質的に溶解されていない)血液細胞または溶解血液細胞(全赤血球または溶解赤血球を含むが、これらに限定されない)、唾液、痰、脳脊髄液(CSF)、腸液、腹腔内液、嚢胞液、汗、間質液、涙液、粘膜、膀胱洗浄液、精液、および組合せなどが挙げられる。
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示は、免疫比濁法(turbidimetric immunoassay)で使用される試薬の不完全な分散を原因とする異常な結果を検出する方法を対象とする。当該方法は、以下の工程:(A)反応キュベット内で、標的分析物を含んでいるのではないかと疑われる生物学的試料を、標的分析物に特異的な結合パートナーと反応させ、それにより、可溶性の分析物/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体を形成させる工程;(B)ポリハプテン試薬を反応キュベットに添加する工程であって、ポリハプテン試薬が、標的分析物に特異的な過剰な結合パートナーと反応して、不溶性のポリハプテン/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体を形成する工程;(C)反応キュベットに光を照射する工程;(D)反応混合物中の、不溶性のポリハプテン/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体および分散していないポリハプテン試薬を、第1の波長での吸光度値および第2の波長での吸光度値を測定することにより、比濁法によって検出する工程;(E)第1および第2の波長での吸光度の測定値を、アッセイ較正の間に異なる分析物濃度での第1および第2の波長での吸光度から得られる、確立された回帰の予測値と比較する工程;ならびに(F)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超える場合、分離アルゴリズムにより、得られた標的分析物の濃度値に不適格としてフラグを付ける工程を含む。
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示は、免疫比濁法で使用される試薬の不完全な分散を原因とする異常な結果を検出する方法を対象とする。当該方法は、以下の工程:(A)反応キュベット内で、標的分析物を含んでいるのではないかと疑われる生物学的試料を、標的分析物に特異的な結合パートナーと反応させ、それにより、可溶性の分析物/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体を形成させる工程;(B)ポリハプテン試薬を反応キュベットに添加する工程であって、ポリハプテン試薬が、標的分析物に特異的な過剰な結合パートナーと反応して、不溶性のポリハプテン/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体を形成する工程;(C)反応キュベットに光を照射する工程;(D)反応混合物中の、不溶性のポリハプテン/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体および分散していないポリハプテン試薬を、第1の波長での吸光度値および第2の波長での吸光度値を測定することにより、比濁法によって検出する工程;(E)第1および第2の波長での吸光度の測定値を、アッセイ較正の間に異なる分析物濃度での第1および第2の波長での吸光度から得られる、確立された回帰の予測値と比較する工程;(F)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超える場合、分離アルゴリズムにより、得られた標的分析物の濃度値にフラグを(不適格として)付け、その濃度値を抑制する工程;ならびに(G)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超えない場合、標的分析物の濃度を報告する工程を含む。
本明細書に記載されている、または記載がなく企図されている標的分析物はいずれも、本明細書に記載される方法によって検出することができる。上記の方法のうちいずれかのある特定の(しかし非限定的な)実施形態では、分析物はHbA1cであり、抗体はHbA1c抗体であり、ポリハプテンは複数のHbA1cエピトープを含む。
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示は、免疫比濁法で使用される試薬の不完全な分散を原因とする異常な結果を検出する方法を対象とする。当該方法は、以下の工程:(A)反応キュベット内で、糖化ヘモグロビン(HbA1c)を含む標的分析物を含んでいるのではないかと疑われる生物学的試料を、HbA1cに特異的な結合パートナー(標的分析物に対する抗HbA1c抗体などがあるが、これに限定されない)と反応させ、それにより、可溶性のHbA1c/HbA1cに特異的な結合パートナーの複合体(可溶性のHbA1c-抗体複合体などがあるが、これに限定されない)を形成させる工程;(B)ポリハプテン試薬を反応キュベットに添加する工程であって、ポリハプテン試薬が、HbA1cに特異的な過剰な結合パートナー(抗HbA1c抗体などがあるが、これに限定されない)と反応して、不溶性のポリハプテン/HbA1cに特異的な結合パートナーの複合体(不溶性のポリハプテン/抗HbA1c抗体複合体などがあるが、これに限定されない)を形成する工程;(C)反応キュベットに光を照射する工程;(D)反応混合物中の、不溶性のポリハプテン/HbA1cに特異的な結合パートナーの複合体および分散していないポリハプテン試薬を、第1の波長での吸光度値および第2の波長での吸光度値を測定することにより、比濁法によって検出する工程;(E)第1および第2の波長での吸光度の測定値を、アッセイ較正の間に異なる分析物濃度での第1および第2の波長での吸光度から得られる、確立された回帰の予測値と比較する工程;ならびに(F)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超える場合、分離アルゴリズムにより、得られた標的分析物の濃度値に不適格としてフラグを付ける工程を含む。
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示は、免疫比濁法で使用される試薬の不完全な分散を原因とする異常な結果を検出する方法を対象とする。当該方法は、以下の工程:(A)反応キュベット内で、糖化ヘモグロビン(HbA1c)を含む標的分析物を含んでいるのではないかと疑われる生物学的試料を、HbA1cに特異的な結合パートナー(標的分析物に対する抗HbA1c抗体などがあるが、これに限定されない)と反応させ、それにより、可溶性のHbA1c/HbA1cに特異的な結合パートナーの複合体(可溶性のHbA1c-抗体複合体などがあるが、これに限定されない)を形成させる工程;(B)ポリハプテン試薬を反応キュベットに添加する工程であって、ポリハプテン試薬が、HbA1cに特異的な過剰な結合パートナー(抗HbA1c抗体などがあるが、これに限定されない)と反応して、不溶性のポリハプテン/HbA1cに特異的な結合パートナーの複合体(不溶性のポリハプテン/抗HbA1c抗体複合体などがあるが、これに限定されない)を形成する工程;(C)反応キュベットに光を照射する工程;(D)反応混合物中の、不溶性のポリハプテン/HbA1cに特異的な結合パートナーの複合体および分散していないポリハプテン試薬を、第1の波長での吸光度値および第2の波長での吸光度値を測定することにより、比濁法によって検出する工程;(E)第1および第2の波長での吸光度の測定値を、アッセイ較正の間に異なる分析物濃度での第1および第2の波長での吸光度から得られる、確立された回帰の予測値と比較する工程;(F)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超える場合、分離アルゴリズムにより、得られた標的分析物の濃度値にフラグを(不適格として)付け、その濃度値を抑制する工程;ならびに(G)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超えない場合、標的分析物の濃度を報告する工程を含む。
本明細書に記載されている、または記載がなく企図されている方法のうちいずれかは、生物学的試料を第1の容器/キュベットの中で溶解する工程、および次いで、溶解した生物学的試料を工程(A)で利用される反応キュベットに移す工程をさらに含んでもよい。
本開示の方法のうちいずれかに従い、選択された第1の波長と第2の波長との間にある関係が存在する限り、任意の波長を第1および第2の波長として利用することができる;この関係はポリハプテンの集合(aggregation)/分散についての指標を提供し、それにより、アッセイ較正の間に異なる分析物濃度で回帰を確立することができ、これにより、フラグ定数の確立が可能になり、このため生物学的試料をアッセイする際に異常な外れ値の結果の検出が可能になる。特に、波長がタンパク質/ペプチドの存在を検出することができ、このため試薬の分散を検出することができ、それにより、ポリハプテン(または任意の他のタイプのタンパク質/ポリペプチド)の集合状態の指標を提供することができる限り、任意の波長を第1の波長として利用することができる。同様に、任意の波長で最小のタンパク質/ペプチド検出がある限り、その任意の波長を第2の波長として利用することができる;例えば、ポリハプテンの分散の状態が任意の波長に対して最小効果を有する限り、前記任意の波長を第2の波長として利用することができ、それにより、第2の波長は対照波長(即ち、吸光度が第1の波長の場合ほど変化しない波長)としての役目を果たすことが可能になる。例えば(限定を目的とはしないが)、第1の波長は約190nm~約300nmの範囲とすることができ、第2の波長は約300nm~約650nmの範囲とすることができる。特定の(しかし非限定的な)実施形態では、第1の波長は約293nmであり、第2の波長は約340nmである。
ある特定の(しかし非限定的な)実施形態では、上記の方法のうちいずれかの、工程(D)は、第3の波長を測定することをさらに含み;第3の波長は、存在する場合、単に、第1および第2の波長の測定値が信頼でき、再現可能であることを確実にする「ブランク波長」としての役目を果たす。これらの実施形態では、第1の波長での吸光度は、(mAU第1の波長-mAU第3の波長)と定義される吸光度の第1の変化として計算されるバイクロマティックな(bichromatic)値であり、第2の波長での吸光度は、(mAU第2の波長-mAU第3の波長)と定義される吸光度の第2の変化として計算されるバイクロマティックな値である。「ブランク波長」としての役目を果たし、本明細書に記載されている、または記載がなく企図されているバイクロマティックな値の計算を可能にする任意の波長は、本開示に従い、第3の波長として利用することができる。第3の波長として利用することができる波長の非限定的な例としては、約600nm、約650nm、約700nm、約750nm、約800nm、および約850nmを含む(しかしこれらに限定されない)、約600nm~約850nmの範囲のものが挙げられる。
特定の(しかし非限定的な)実施形態では、第3の波長は700nmであり、第1の波長での吸光度は、(mAU293nm-mAU700nm)と定義される吸光度の第1の変化として計算されるバイクロマティックな値であり、第2の波長での吸光度は、(mAU340nm-mAU700nm)と定義される吸光度の第2の変化として計算されるバイクロマティックな値である。
本明細書に開示されている、または開示がなく企図されている方法の工程(E)において、確立された回帰として、任意の好適な回帰分析を使用することができる。利用することができる回帰分析の非限定的な例としては、(以下に限定されないが)対数曲線、指数曲線、双曲線、放物曲線、S字状曲線、ミカエリス・メンテン曲線、多項式曲線、およびロジスティック回帰(またはロジット)曲線などのような、線形回帰および非線形回帰が挙げられる。
ある特定の非限定的な実施形態では、当該方法は、工程(E)の回帰を確立する工程をさらに含む。この工程は、異なる既知の分析物濃度での第1および第2の波長での吸光度を取得し、次いで、そこから回帰を確立することにより、アッセイ較正を実行することを含む。特定の(しかし非限定的な)実施形態では、回帰を確立する工程は、第1の波長での吸光度の各測定値に基づいて、第2の波長での正常な吸光度値を予測するために使用することができる回帰係数(例えば、傾きおよび切片)を確立することを要する。
「確立されたフラグ定数」という用語は、本明細書で使用する場合、それを超えると、測定値と、様々な較正レベルおよびその反復を使用して較正の間に得られる数学的回帰から計算される予測値との間に有意差が観測されるカットオフ値である値を指す。確立されたフラグ定数は、回帰分析から試料について予測された値と比較した際のその試料の測定値を基準に、試料について得られた吸光度の許容できる変動幅/範囲を超える値を表す。確立されたフラグ定数は、許容できる変動幅/範囲の上端を示す任意の数値とすることができ、例えば、以下に限定されないが、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、6、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100など、またはこれらの間の任意の非整数値、または上記の値のうちいずれかのわずかに異なる任意の値(即ち、「約11」、「約15」など)とすることができる。代替として、確立されたフラグ定数は、許容できる変動幅/範囲の上端を示すパーセンテージとすることができ、例えば、以下に限定されないが、5000%、4000%、3000%、2000%、1000%、900%、800%、700%、600%、500%、450%、400%、350%、300%、250%、200%、150%、100%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、および1%など、またはこれらの間の任意の整数もしくは非整数のパーセンテージ値、または上記のパーセンテージ値のうちいずれかのわずかに異なる任意の値(即ち、「約85%」、「約70%」など)とすることができる。
ある特定の非限定的な実施形態では、本明細書に記載されている、または記載がなく企図されている異常な結果を検出する方法で得られる測定値は、生物学的試料中の標的分析物の存在および/または濃度を調べる実際のアッセイとは無関係に測定され、計算される。代替として、本明細書に記載されているおよび/または企図されている方法によって得られる測定値のうち1つまたはそれ以上は、生物学的試料中の標的分析物の存在および/または濃度を調べる実際のアッセイにおいて利用することができる。
ある特定の非限定的な実施形態では、工程(F)において1つまたはそれ以上の値にフラグが付けられる(またはフラグが付けられ、その値が抑制される)場合、当該方法は、ユーザーに、ポリハプテン試薬の混合を増加し、その後アッセイ工程(A)~(F)を反復するように指示する工程をさらに含むことができる。
当然のことながら、当該方法は、本明細書の上記に、ポリハプテン試薬とともに使用するものとして説明されているが、本開示の異常な結果を検出する方法はまた、他のタイプの不完全に分散している粒子凝集アッセイ試薬とともに使用することにも適用可能であると理解される。したがって、本開示の範囲は、本明細書の上記に説明されている方法の、「ポリハプテン試薬」という用語が「粒子凝集アッセイ試薬」に置き換えられるありとあらゆる変形をさらに含む。
本明細書に記載される方法の工程のうちいずれかは、例えば、限定を目的とはしないが、ユーザーによって実行される。しかし本明細書で使用する場合、「ユーザー」という用語はヒトによる使用に限定されず;むしろ「ユーザー」という用語は、(例えば、限定を目的とはしないが)コンピューター、サーバー、ウェブサイト、プロセッサー、ネットワークインターフェース、ヒト、ユーザー端末、仮想コンピューター、およびそれらの組合せなどを含み得る。
本開示の様々な実施形態は、本明細書に記載される方法に従って機能することができる(または機能することができるように変更が加えられている)任意の反射分光学的診断用機器とともに利用することができる。ある特定の非限定的な実施形態では、機器はポイントオブケア機器とすることができる。反射分光学的診断用機器は、本明細書に記載される方法/プロセスのロジックを具現化するおよび/または実行することができる1つまたはそれ以上のシステムとすることができる。ソフトウェア命令および/またはファームウェアの形態で具現化されるロジックは、任意の適切なハードウェアで実行される。例えば、ソフトウェア命令および/またはファームウェアの形態で具現化されるロジックは、専用の1つまたはそれ以上のシステムで、パーソナルコンピューターシステムで、および/または分散処理コンピューターシステムなどで、1つまたはそれ以上の構成要素によって実行される。一部の実施形態では、ロジック全体が、機器(ポイントオブケア機器などがあるが、これに限定されない)で操作するスタンドアロン環境で実行される。他の実施形態では、ロジックは、複数の機器がデータを収集し、それが集中コンピューターシステムに伝送され、そのデータが分析されて、分析結果が当該複数の機器に供給される、分散システムのようなネットワーク環境で実行される。機器の各要素は、部分的にまたは完全に、ネットワークベースまたはクラウドベースとすることができ、単一の物理的な位置に設置されていてもいなくてもよい。
本明細書で使用される回路には、(以下に限定されないが)アナログの構成要素および/もしくはデジタルの構成要素、または1つもしくはそれ以上の好適にプログラムされたプロセッサー(例えば、マイクロプロセッサー)、ならびに関連するハードウェアおよびソフトウェア、またはハードワイヤードロジックが含まれる。また、「構成要素」は、1つまたはそれ以上の機能を果たしてもよい。「構成要素」という用語は、以下に限定されないが、プロセッサー(例えば、マイクロプロセッサー)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのようなハードウェア、および/またはハードウェアとソフトウェアとの組合せなどを含んでもよい。
本明細書で利用されるソフトウェアには、1つまたはそれ以上の構成要素によって実行されると、その構成要素に特定の機能を実行させる、1つまたはそれ以上のコンピューター読み取り可能な媒体(即ち、コンピューター読み取り可能な命令)を含めることができる。当然のことながら、本明細書に記載されるアルゴリズムは、1つまたはそれ以上の非一過性のメモリに保存することができると理解すべきである。非限定的で例示的な非一過性のメモリとしては、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、および/またはフラッシュメモリなどを挙げることができる。そのような非一過性のメモリは、電気ベースおよび/または光学ベースなどとすることができる。
本開示のある特定の非限定的な実施形態は、本明細書の上記に説明されている免疫測定法を簡便に実行するのに有用な試薬キットを対象とする。当該試薬キットは、少なくとも1つの、標的分析物に特異的な結合パートナー(標的分析物に対する抗体などがあるが、これに限定されない)、および少なくとも1つのポリハプテン試薬を含み、その各々は本明細書の上記に詳細に説明されている。
本開示のある特定の他の非限定的な実施形態は、本明細書の上記に説明されている試薬キットを含み、かつ本明細書の上記に説明されている免疫測定法において使用するためのものである、免疫測定法のデバイス(免疫測定法カートリッジなどがあるが、これに限定されない)を対象とする。例えば、免疫測定法のデバイスは、ペプチドまたはタンパク質の標的分析物を含んでいるのではないかと疑われる試料を受け入れることができる少なくとも1つの区画を含むことができ、少なくとも1つの区画は、本明細書の上記に詳細に説明されている、少なくとも1つの、標的分析物に特異的な結合パートナー(標的分析物に対する抗体などがあるが、これに限定されない)、および本明細書の上記に詳細に説明されている少なくとも1つのポリハプテン試薬を含む。
加えて、本開示の試薬キットおよび/または免疫測定法のデバイスは、本明細書に記載されている、または記載がなく企図されている特定の免疫測定法のうちいずれかを行うための他の構成要素および/または試薬をさらに含んでもよい。これらの追加の構成要素/試薬の性質は、特定の免疫測定法の形式に依存し、その同定は、十分に当業者の技術の範囲内にある。本開示の試薬キットおよび/または免疫測定法のデバイスの中に存在することができる追加の試薬/構成要素の例としては、以下に限定されないが、希釈剤、(赤血球を溶解するための)溶解剤、洗浄液(等張液などがあるが、これに限定されない)、陽性対照、陰性対照、品質対照、および/または作動装置、ならびにそれらの任意の組合せが挙げられる。
キットおよび/または免疫測定法のデバイスの中の種々の構成要素/試薬の相対量は、アッセイ法の最中に生じる必要がある反応を実質的に最適化する構成要素/試薬の濃度を提供するため、およびさらにアッセイの感受性を実質的に最適化するため、大幅に異なる可能性がある。
本開示の試薬キットは、キットの使用法を説明する書面の説明書の一式をさらに含んでもよい。この性質のキットは、免疫測定法のデバイスのいずれかとともに、および/または本明細書に記載されている、または記載がなく企図されている方法のうちいずれかにおいて、使用することができる。
免疫測定法のデバイスは、これに関連する1つまたはそれ以上の手動機能を有していてもよく(即ちこの場合、1つまたはそれ以上の試薬の添加および/または2つの区画間の混合物の移動のためにピペット操作が必要である);代替として、免疫測定法のデバイスは、免疫測定法のデバイスを構成する間に、必要な試薬/構成要素が種々の区画の中に配置され(種々の区画は、連続流体連通している(または連続流体連通していることが可能である))、これにより、免疫測定法のデバイスに試料が添加された後は、アッセイの実行のために試料および/または試薬の手動操作が不要である、全自動の閉鎖系であってもよい。
免疫測定法のデバイスは、本明細書の上記に説明されている構成要素/試薬を含む1つまたはそれ以上の区画を含み;免疫測定法のデバイスは、当該デバイスが本開示に従って機能することができる限り、任意の数の区画、区画の任意の配置、および構成要素/試薬の区画間の任意の配分が備えられていてもよい。複数の区画が備えられている場合、区画は互いから完全に分離されていてもよく、または1つもしくはそれ以上の区画は互いに流体連通していることが可能であってもよい。本開示に従って使用することができる免疫測定法のデバイスの種々の構造は、当技術分野において周知であり、したがって、そのさらなる説明は不要と思われる。
ある特定の実施形態では、免疫測定法のデバイスは、少なくとも第1および第2の区画を含む。第1の区画は、生物学的試料を受け入れることができ、所望の場合(限定を目的とはしないが)、試料のバルクからタンパク質/ペプチドを分離する、赤血球を溶解するなどの機構を含んでもよい。前記分離機構は、免疫測定法のデバイスの技術分野において周知であり、したがって、そのさらなる説明は不要と思われる。第2の区画は、第1の区画と流体連通していることが可能であり、少なくとも1つの、標的分析物に特異的な結合パートナー(標的分析物に対する抗体などがあるが、これに限定されない)および/または本明細書の上記に詳細に説明されている免疫測定法を実行するための少なくとも1つの免疫測定法試薬を含む。代替として、免疫測定法のデバイスは、少なくとも1つの免疫測定法試薬を貯蔵するための第3の区画を含んでもよく、少なくとも1つの免疫測定法試薬は、第3の区画から第2の区画へと移される。
免疫測定法のデバイスはまた、分光計によって光学的に照会されることが可能な光学式読み取りチャンバーも含んでもよい。光学式読み取りチャンバーは、本明細書の上記に説明されている区画のうちいずれかに結びついていてもよく、または光学式読み取りチャンバーは、本明細書の上記に説明されているものから分離した区画に結びついていてもよい。
入口チャネルおよび区画、ならびに2つの区画は、互いに「流体連通していることが可能」であると説明され;この表現は、区画は依然としてシールされていてもよいが、2つの区画が、その中またはその間に形成されたシールが穿刺されると、その間に流体流を有することができることを示す。
本開示のキット/免疫測定法のデバイスは、当技術分野において公知の、または公知でなければ本明細書で企図されている、任意の他の望ましい構成を備えていてもよい。例えば、限定を目的とはしないが、本開示のキット/免疫測定法のデバイスは、以下に限定されないが、(赤血球を溶解するための)溶解剤、希釈剤、洗浄液、標識剤、干渉溶液、陽性対照、陰性対照、品質対照のような他の溶液、および/または作動装置、ならびにそれらの任意の組合せを含む1つまたはそれ以上の追加の区画をさらに含んでもよい。
以下に実施例を記載する。しかしながら、本開示は、その適用において、本明細書に開示される特定の実験、結果、および実験手法に限定されるものではないと理解されるべきである。むしろ、本実施例は、単に様々な実施形態のうちの1つとして提供され、例示的であり、網羅的ではないものとする。
免疫比濁法用のポリハプテン試薬の不完全な分散は、最適化された混合パラメーターを以てしても、異常な免疫測定法の結果を生じさせる。異常な結果は高吸光度の外れ値であり、これが、吸光度と分析物値との間の反比例関係により、分析物の偽低値に変換される。例えば、HbA1cの偽低結果は、免疫測定法を不正確にするだけでなく、糖尿病患者における誤診および血糖管理の不正確な評価を招く恐れがある。
この問題を克服しようとする試みには、ポリハプテン試薬が存在する場合に使用される混合パラメーターを最適化することが含まれており;最適化された混合パラメーターを使用すると、このタイプの外れ値の頻度が約5分の1~10分の1に、大幅に減少した。しかしながら、混合パラメーターを最適化することは、異常な免疫測定法の結果の問題を解決するのに十分ではなかった。混合パラメーターをさらに最適化しようと試みても、外れ値の減少には至らなかった。最適化された混合パラメーターが利用される場合でも、外れ値の頻度は依然として約1/750(0.13%)である。
したがって、本開示は、免疫測定法試薬(ポリハプテン試薬などがあるが、これに限定されない)の不完全な分散を原因とする異常な結果を検出する方法を対象とする。ポリハプテンの不完全な分散は防止されないが、本開示は、波長吸光度情報を使用して免疫測定法試薬の不完全な分散を検出し、次に任意の外れ値の結果にフラグを付け、その外れ値を抑制する方法および手法を提供する。
外れ値にフラグを付け、その外れ値を抑制することにより、免疫測定法の精度が向上し、(例えば、限定を目的とはしないが)グルコース制御の不正確な評価の他に、誤診が回避される。本開示の方法により、外れ値の頻度は0.13%から0.006%に減少し、20分の1より低くなっている。
ポリハプテン試薬の不完全な分散は、mAU(ミリ吸光度単位)でフットプリントを残す。このフットプリントは、ポリハプテン集合体(aggregate)が十分に分散しない場合に生じ、(非限定的な一実施形態において)、ポリハプテン試薬が、十分に分散している試薬より高い293nm/340nmの吸光度比を生じさせた場合に、このフットプリントが観測された。この特徴に基づき、アッセイ較正から、異なる分析物濃度で、正規の293nmの吸光度と340nmの吸光度との間の回帰を確立することができ、次に、回帰統計を利用して、各試験試料について293nmの吸光度対340nmの吸光度を試験することができる。293nm対340nmの比が正規の回帰と一致する場合、その試験結果は許容され;そうでない場合、ポリハプテン集合体が検出され、その結果はフラグが付けられ、抑制される。
本開示において、二重較正-1つは分析物用、および1つは反応混合物中の試薬の状態用-の利用は、このように、単一の較正イベントにおいて同時に行われる。試薬の状態の異常は、その較正から確立されたパラメーターを適用することによって検出される。
図1は、比濁阻害法(TINIA)の反応スキームを表す。このアッセイにおいて、全血は溶解剤と混合され(上のパネル、「第1のキュベット」と表示されている行を参照)、次いで、溶解した血液は、検出されるべき分析物(HbA1cなどがあるが、これに限定されない)の抗体を含む第2のキュベットに移される(上のパネル、「第2のキュベット」と表示されている行を参照)。次いで、抗体-抗原複合体(HbA1c-Ab複合体などがあるが、これに限定されない)を含むキュベットは405nmで読み取られ、ポリハプテン試薬がその後に添加される。インキュベーション後、過剰な抗体-ポリハプテンの凝集が340nmで読み取られる。下のパネルでは、外れ値(不正確値)が発生し、それを検出することができる工程を特定している。
図2は、本明細書の下記に説明されているような、ポリハプテンの添加後の正規の293nm対304nmの回帰の較正(塗りつぶしの青い円)ならびに外れ値の検出(赤い円)および抑制をグラフで表す。
ポリハプテン試薬の添加および混合の後に、DIMENSION(登録商標)機器(Siemens Healthcare Diagnostics,Inc.,Newark、DE)で、反応混合物の測光による読み取り値を得た。較正の間に得られた測光による読み取り値を使用して、5種の標準物質レベルの全てにつき、5回反復して、340nmおよび293nmでのバイクロマティックな吸光度間で線形回帰を行った。次いで、この回帰の傾き(α)および切片(β)を、340nmおよび293nmについて生成して保存し、次式に基づいて、その正規の関係を定義した:
mAU340nm-mAU700nm=α×(mAU293nm-mAU700nm)+β。
次に、αおよびβを、試料試験から得られた(mAU293nm-mAU700nm)とともに使用して、バイクロマティックなmAU340nm(即ち、mAU340nm-mAU700nm)を予測した。試料試験のバイクロマティックなmAU340nmが予測値よりある特定の幅の分低かった場合に、フラグ付けを作動させた。試料試験中に:
(1)αおよびβを較正から取得し;
(2)混合状態のポリハプテンにフラグを付けるためにαおよびβを使用し;
(3)(バイクロマティックなmAU340nm_予測値-バイクロマティックなmAU340nm_測定値)≧Cの場合、フラグを付けた;
(4)この場合、バイクロマティックなmAU340nm_測定値=(mAU340nm_測定値-mAU700nm_測定値)であり、および
(5)Cは、図2に示したデータ分析を基に確立された定数11.0とした。
図2において、試験から%HbA1cの外れ値の全てを点検し、外れ値が回帰直線と340nmでの測定値との間の距離の遠さに関連していたかどうかを確かめた。340nmでの測定値と回帰直線との交点(point of interception)は、較正から得られた340nmでの予測(または正常)値であり、340nmでの測定値に当たるべきところを実質的に示している。見てわかるとおり、ほとんどの%HbA1cの結果がこの規則に従っていた(緑の円)。しかし、340nmでの測定値が回帰直線から極端に逸脱した場合、その%HbA1c結果は外れ値(赤い円)である。
確立されたフラグ定数(C)が11.0に位置していた場合(即ち、赤い円と回帰直線との間の距離)、大部分の低い%HbA1cの外れ値にはフラグが付けられたが、「良好な」%HbA1cの結果には、誤ってフラグが付けられることがなかったことが判明した。しかし、Cがそれより低い値(即ち、5.0)に位置していた場合、「良好な」%HbA1cの結果の一部に誤ってフラグが付けられた。その理由は、回帰直線が正確でなく、ポリハプテン試薬の非分散以外に回帰分析に関連する幾分かのノイズがあるからである。したがって、フラグ定数は、アッセイ/回帰分析に関連するいずれのノイズも克服するのに十分に高い位置になければならない。
図3は、本開示による、および図2にグラフで表した結果に基づく外れ値のフラグ付けの一例を説明する図表を含む。この外れ値のフラグ付けの実施例において、8.8%のA1cはフラグが付いた外れ値であった。なぜなら、その計算値(mAU340nm-mAU700nm)-測定値(mAU340nm-mAU700nm)が16に等しく、確立されたフラグ定数である11.0を超えたからである。ここではバイクロマティックな読み取り値を使用して、測光器の位置決めおよびキュベット表面の不具合による吸光度の測定値の不一致を補正した。
上に述べたように、本開示に従い、上記の目的および利点を十分に満たす、組成物、キットおよびデバイス、ならびにそれらを製造し、使用する方法が提供されてきた。本開示は、特定の図面、実験、結果、および上記の用語とともに記載されてきたが、多くの代替、変更および変形が当業者には明らかであることは明白である。したがって、ここに開示されている発明概念の趣旨および広い範囲の中にあるそのような代替、変更および変形を全て包含することが意図されている。

Claims (27)

  1. 免疫比濁法で使用されるポリハプテン試薬の不完全な分散を原因とする異常な結果を検出する方法であって、次の各工程:
    (A)反応キュベット内で、標的分析物を含んでいるのではないかと疑われる生物学的試料を、標的分析物に特異的な結合パートナーと反応させ、それにより、可溶性の分析物/特異的な結合パートナーの複合体を形成させる工程;
    (B)ポリハプテン試薬を反応キュベットに添加する工程であって、該ポリハプテン試薬が、標的分析物に特異的な過剰な結合パートナーと反応して、不溶性のポリハプテン/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体を形成する工程;
    (C)反応キュベットに光を照射する工程;
    (D)反応混合物中の、不溶性のポリハプテン/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体および分散していないポリハプテン試薬を、第1の波長での吸光度値および第2の波長での吸光度値を測定することにより、比濁法によって検出する工程;
    (E)第1および第2の波長での吸光度の測定値を、アッセイ較正の間に異なる分析物濃度での第1および第2の波長での吸光度から得られる、確立された回帰の予測値と比較する工程;ならびに
    (F)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超える場合、分離アルゴリズムにより、得られた標的分析物の濃度値に不適格としてフラグを付ける工程
    を含む前記方法。
  2. 標的分析物に特異的な結合パートナーは該標的分析物に対する抗体である、請求項1に記載の方法。
  3. 分析物は糖化ヘモグロビン(HbA1c)であり、標的分析物に特異的な結合パートナーはHbA1c抗体であり、ポリハプテンは複数のHbA1cエピトープを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 第1の波長は190nm~300nmの範囲であり、第2の波長は300nm~650
    nmの範囲である、請求項1に記載の方法。
  5. 第1の波長は293nmであり、第2の波長は340nmである、請求項4に記載の方法。
  6. 方法は、第3の波長を測定することをさらに含み、第1の波長での吸光度は、(mAU 第1の波長 -mAU 第3の波長 )と定義される吸光度の第1の変化として計算される値であり、第2の波長での吸光度は、(mAU 第2の波長 -mAU 第3の波長 )と定義される吸光度の第2の変化として計算される値である、請求項1に記載の方法。
  7. 第3の波長は600nm~850nmの範囲である、請求項6に記載の方法。
  8. (E)の回帰を確立する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. (E)の回帰は線形回帰である、請求項1に記載の方法。
  10. 工程(F)は、第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超える場合、分離アルゴリズムにより、得られた標的分析物の濃度値にフラグを付け、該濃度値を抑制する工程とさらに定義され、方法は、
    (G)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超えない場合、標的分析物の濃度を報告する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 免疫比濁法で使用されるポリハプテン試薬の不完全な分散を原因とする異常な結果を検出する方法であって、次の各工程:
    (A)反応キュベット内で、糖化ヘモグロビン(HbA1c)を含む標的分析物を含んでいるのではないかと疑われる生物学的試料を、該標的分析物に対する抗HbA1c抗体と反応させ、それにより、可溶性のHbA1c-抗体複合体を形成させる工程;
    (B)ポリハプテン試薬を反応キュベットに添加する工程であって、該ポリハプテン試薬が、過剰な抗HbA1c抗体と反応して、不溶性のポリハプテン/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体を形成する工程;
    (C)反応キュベットに光を照射する工程;
    (D)反応混合物中の、不溶性のポリハプテン/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体および分散していないポリハプテン試薬を、第1の波長での吸光度値および第2の波長での吸光度値を測定することにより、比濁法によって検出する工程;
    (E)第1および第2の波長での吸光度の測定値を、アッセイ較正の間に異なる分析物濃度での第1および第2の波長での吸光度から得られる、確立された回帰の予測値と比較する工程;ならびに
    (F)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超える場合、分離アルゴリズムにより、得られた標的分析物の濃度値に不適格としてフラグを付ける工程
    を含む前記方法。
  12. 第1の波長は190nm~300nmの範囲であり、第2の波長は300nm~650nmの範囲である、請求項11に記載の方法。
  13. 第1の波長は293nmであり、第2の波長は340nmである、請求項12に記載の方法。
  14. 方法は、第3の波長を測定することをさらに含み、第1の波長での吸光度は、(mAU
    第1の波長 -mAU 第3の波長 )と定義される吸光度の第1の変化として計算される値であり、第2の波長での吸光度は、(mAU 第2の波長 -mAU 第3の波長 )と定義される吸光度の第2の変化として計算される値である、請求項11に記載の方法。
  15. 第3の波長は600nm~850nmの範囲である、請求項14に記載の方法。
  16. (E)の回帰を確立する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  17. (E)の回帰は線形回帰である、請求項11に記載の方法。
  18. 工程(F)は、第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超える場合、分離アルゴリズムにより、得られた標的分析物の濃度値にフラグを付け、該濃度値を抑制する工程とさらに定義され、方法は、
    (G)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超えない場合、HbA1cの濃度を報告する工程
    をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  19. 免疫比濁法で使用されるポリハプテン試薬の不完全な分散を原因とする異常な結果を検出する方法であって、次の各工程:
    (A)反応キュベット内で、糖化ヘモグロビン(HbA1c)を含む標的分析物を含んでいるのではないかと疑われる生物学的試料を、該標的分析物に対する抗HbA1c抗体と反応させ、それにより、可溶性のHbA1c-抗体複合体を形成させる工程;
    (B)ポリハプテン試薬を反応キュベットに添加する工程であって、該ポリハプテン試薬が、過剰な抗HbA1c抗体と反応して、不溶性のポリハプテン/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体を形成する工程;
    (C)反応キュベットに光を照射する工程;
    (D)反応混合物中の、不溶性のポリハプテン/標的分析物に特異的な結合パートナーの複合体および分散していないポリハプテン試薬を、第1の波長での吸光度値および第2の波長での吸光度値を測定することにより、比濁法によって検出する工程;
    (E)第1および第2の波長での吸光度の測定値を、アッセイ較正の間に異なる分析物濃度での第1および第2の波長での吸光度から得られる、確立された回帰の予測値と比較する工程;
    (F)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超える場合、分離アルゴリズムにより、得られた標的分析物の濃度値にフラグを付け、該濃度値を抑制する工程;ならびに
    (G)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超えない場合、標的分析物の濃度を報告する工程
    を含む前記方法。
  20. (i)第1の波長は190nm~300nmの範囲であり、第2の波長は300nm~650nmの範囲であり;および
    (ii)(E)の回帰は線形回帰である、
    請求項19に記載の方法。
  21. 第1の波長は190nm~300nmの範囲であり、第2の波長は300nm~650nmの範囲である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  22. 第1の波長は293nmであり、第2の波長は340nmである、請求項21に記載の方法。
  23. 方法は、第3の波長を測定することをさらに含み、第1の波長での吸光度は、(mAU 第1の波長 -mAU 第3の波長 )と定義される吸光度の第1の変化として計算される値であり、第2の波長での吸光度は、(mAU 第2の波長 -mAU 第3の波長 )と定義される吸光度の第2の変化として計算される値である、請求項1~5および11~13のいずれか1項に記載の方法。
  24. 第3の波長は600nm~850nmの範囲である、請求項23に記載の方法。
  25. (E)の回帰を確立する工程をさらに含む、請求項1~7および11~15のいずれか1項に記載の方法。
  26. (E)の回帰は線形回帰である、請求項1~8および11~16のいずれか1項に記載の方法。
  27. 工程(F)は、第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超える場合、分離アルゴリズムにより、得られた標的分析物の濃度値にフラグを付け、該濃度値を抑制する工程とさらに定義され、方法は、
    (G)第2の波長での吸光度の測定値が予測値を、確立されたフラグ定数分超えない場合、標的分析物の濃度を報告する工程
    をさらに含む、請求項1~9および11~17のいずれか1項に記載の方法。
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