[第一実施形態]
[遊技管理システムの構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技管理システム1の構成例を示す概略図であり、(A)は1つの遊技場を管理する遊技管理システム1の概略図、(B)は複数の遊技場を管理する遊技管理システム1の概略図である。
図1(A)に示す、遊技管理システム1は、例えば、遊技装置200が出力する遊技情報(遊技データ)を収集及び管理する遊技管理装置10と、遊技装置200に対応して設けられる情報収集装置20と、情報収集装置20と遊技管理装置10とを中継するネットワーク中継装置30と、を備える。複数の情報収集装置20が、ネットワーク中継装置30と接続されてネットワーク100を構成する。ネットワーク100には、図示を省略するNAS(Network Attached Storage)等の記憶装置が設けられてもよい。
ネットワーク100は、有線又は無線によって各装置が接続され、ネットワークの形態(トポロジ)は、バス型、ツリー型、スター型、リング型、メッシュ型、その他既知の形態を採用することができる。有線での接続としては、PLC(コンセントLAN)を含めることができる。
遊技管理装置10は、また、インターネット等の公衆回線900やVPN等の通信回線を介して遊技場外の管理サーバ10’と接続される。公衆回線900は、不特定多数の利用者によって共有して利用される電気通信回線としての公衆通信網であり、一例としてインターネット回線である。遊技管理装置10と公衆回線900とは、例えば、ルータ機能を備えるネットワーク中継装置30を介して接続されてもよい(図23(A)参照)。
遊技管理装置10は、ネットワーク100に接続可能であればよいため、設置場所は遊技場の内外を問わず、例えば、クラウド環境によって機能するものでもよいし、管理サーバ10’によって機能してもよい。管理サーバ10’は、実質的に遊技管理装置10と同等の機能を備えた上位機(親機)である。遊技管理装置10ないし管理サーバ10’は、さらに、データベースとして機能するサーバでもあり、仮想化技術によって実現できる仮想サーバであってもよい。つまり、遊技管理装置10は、遊技情報の収集、管理、異常報知等の機能を有するソフトウェアを実現するハードウェアであり、本願の発明の要旨は、当該ソフトウェアにある。
また、遊技管理装置10ないしネットワーク100は、遊技場の管理者等の操作を受け付ける持ち運び可能な携帯端末12を接続できる。携帯端末12は、例えば、ラップトップパソコン、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ、さらには遊技管理システム1のために専用に設計された操作受付装置を含めることができる。
情報収集装置20は、n個の情報収集装置20-1、20-2、・・・、20-nから構成され、各々、遊技装置200-1、200-2、・・・、200-nと対応して電気的に接続されており、それぞれ遊技装置200が出力する遊技情報を収集する。
情報収集装置20は、遊技装置200から出力された各種信号を、記憶及び累積しつつネットワーク中継装置30を介して遊技管理装置10へ送信する。情報収集装置20は、図1に示すように1台の遊技装置200に対応して1個の情報収集装置20が接続される構成に限らず、例えば、2台若しくは複数台の遊技装置200に対応して1個の情報収集装置20が接続されてもよい。情報収集装置20と遊技装置200とは、1対1の対応関係のみならず、n対1もしくは1対nの対応となることがある。また、情報収集装置20は、ネットワーク中継装置30を経由せずに遊技管理装置10に接続されてもよい。
情報収集装置20は、呼出装置(呼出しランプ)50と接続され(図3参照)、遊技装置200が出力する遊技情報は、呼出装置50を経由して情報収集装置20に入力されるようにしてもよい。また、情報収集装置20は、呼出装置50、カードユニット500(図2参照)等の他の装置と一体に構成されてもよく、設置場所は遊技島の内側に限られない。
ネットワーク中継装置30は、ルータ、L2スイッチ、L3スイッチ等の中継装置であり、無線LANやブリッジ、集線装置としてのハブ(例えば、リピータハブ)、その他の中継装置を含めてもよい。ネットワーク中継装置30は、ネットワークの形態、ネットワークの規模、ネットワーク中継装置30の中継能力(例えば、有するポートの数)等に応じて複数設けられる場合がある。
また、図1(B)に示すように、遊技管理装置10は、複数の店舗を統括的に管理することもできる。例えば、店舗Aに設置される遊技管理装置10-2、店舗Bに設置される遊技管理装置10-3を経由して、遊技管理装置10-1が遊技情報を収集することで複数店舗の遊技情報を一台の遊技管理装置10に集約することができる。図1(B)における概略図では、遊技管理装置10-2は店舗Aの遊技情報を管理し、遊技管理装置10-3は店舗Bの遊技情報を管理し、遊技管理装置10-3は店舗A及び店舗Bの遊技情報を管理する。なお、遊技管理装置10-2及び10-3の設置を省略してもよいし、遊技管理装置10-1と遊技管理装置10-2及び遊技管理装置10-3との間にネットワーク中継装置30を設置してもよい。遊技管理装置10-1を管理サーバ10’に替えて、管理サーバ10’が複数店舗の遊技情報を収集、管理をしてもよい。
[遊技装置及び遊技情報]
次に、図2を参照して、遊技管理システム1の構成を説明する。図2は、遊技管理システム1の構成を説明するブロック図である。
遊技管理システム1において、遊技管理装置10と情報収集装置20とは、収集した情報を相互に交換できるように接続されている。
情報収集装置20は、遊技装置200から出力された各種信号に基づいて遊技データを累積し、所定のタイミング(例えば、10分)毎に遊技管理システム1に送信する。
遊技情報を出力する遊技装置200は、遊技機300と、カードユニット500と、を備える。遊技装置200には、補給器600とアウトタンク装置700を含めてよい。
遊技機300は、遊技制御装置310と、演出用装置320と、演出制御装置330と、払出制御装置340と、発射制御装置350と、残高表示器360と、球貸SW370と、を備える。
カードユニット500は、カードユニット制御装置510と、表示装置520と、カードR/W530と、紙幣受入部540と、カード挿入部550と、状態表示部560と、計数装置570と、を備える。
そして、情報収集装置20は、遊技制御装置310と、カードユニット制御装置510と、補給器600と、アウトタンク装置700と、接続され、ネットワーク中継装置30(図1参照)を介して遊技管理装置10と相互に通信可能である。
情報収集装置20は、遊技装置200から出力された各種信号に基づいて遊技情報を記憶及び累積し、所定のタイミング(例えば、10分)毎に遊技管理装置10に送信する。
情報収集装置20が収集した遊技情報は、1営業日単位毎や1時間毎の区間となるように分類される。通常、1営業日単位とは1日であり、1日の営業開始時間から営業終了時間までであるが、営業開始前の時間や営業終了後の時間を含むようにしてもよい。
なお、遊技情報は、複数の営業日毎や複数時間毎の区間となるように分類されてもよく、1時間よりも短い時間毎(例えば、10分毎)の区間となるように分類されてもよい。更には、遊技装置200毎に同一遊技状態の区間で分類されてもよく、例えば、通常遊技状態から特別遊技状態へ移行するまでや、特定遊技状態から通常遊技状態へ移行するまでを1区間としてもよい。つまり、イベント毎に区間が分けられるものである。また、情報収集装置20に代わって遊技管理装置10が、遊技装置200から出力された各種信号を収集して、収集の都度、又は収集した各種信号から所定期間分(1営業日単位分や所定時間分)を後から抜き出して、遊技情報を分類してもよい。
遊技制御装置310は、遊技の実行を統括的に制御し、情報収集装置20に賞球信号、特賞信号、確変/時短信号、始動入賞信号(第1始動入賞信号、第2始動入賞信号)、図柄確定信号、枠開放信号(扉開放信号)、及びセキュリティ信号を出力する。始動入賞信号は、詳しくは、第1始動入賞信号と第2始動入賞信号とを含む。遊技装置200が第1始動入賞信号と第2始動入賞信号とを区別せずに始動入賞信号として扱う場合には、情報収集装置20及び/又は遊技管理装置10は、確変/時短信号と特賞信号から把握可能な遊技状態(例えば、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態)に基づいて始動入賞信号が第1始動入賞信号と第2始動入賞信号のいずれであるかを判断することができる。また、遊技制御装置310は、図示しない遊技球発射信号、アウト信号を出力する。
ここで、遊技制御装置310から出力される特賞信号と、第1始動入賞信号と、第2始動入賞信号と、賞球信号と、確変/時短信号と、図柄確定信号と、をまとめて遊技情報信号と呼ぶ。また、遊技制御装置310から出力される枠開放信号と、セキュリティ信号と、をまとめて遊技装置200に異常が発生したことを報知するエラー信号と呼ぶ。
特賞信号は、特図変動表示ゲームの結果によって大当り状態又は小当り状態である特別遊技状態となった場合に出力される。上述のように、イベント毎に区間が分けられる場合は、特賞信号の発生に基づいてあるいは遊技管理装置10が特賞信号を受信したことに基づいて遊技情報の区間分けがなされる。
第1始動入賞信号は、第1始動入賞口451(図3参照)に遊技球が入り、第1始動入賞口SW(図示省略)が遊技球の通過を検出したときに送信される。第1始動入賞信号の発生した回数をカウントすることによって、第1始動入賞口への入賞数が測定できる。
第2始動入賞信号は、第2始動入賞口452(図3参照)に遊技球が入り、第2始動入賞口SW(図示省略)が遊技球の通過を検出したときに送信される。第2始動入賞信号の発生した回数をカウントすることによって、第2始動入賞口への入賞数が測定できる。
賞球信号は、所定数の賞球を払い出した場合に遊技機300から出力される信号である。賞球信号は、例えば、10個の賞球を排出する毎にパルス出力される。賞球信号を出力する遊技機300は、遊技制御装置310によってセーフ球数情報としての賞球信号を出力するセーフ球数情報出力手段として機能する。
確変/時短信号は、単位時間毎に特図変動表示ゲームの結果、確変状態や時短状態等といった多くの大当りが導出される状態において出力される信号である。
図柄確定信号は、識別情報の変動表示が停止して特図変動表示ゲームが終了した場合に出力される信号である。なお、図柄確定信号が出力される端子から変動開始時にスタート信号を出力するように構成してもよい。
枠開放信号は、ガラス枠392(図3参照)又は前面枠390(図3参照)が開放された場合に出力される信号である。
セキュリティ信号は、遊技装置200のセキュリティに関連する異常の発生時に出力される。遊技装置200のセキュリティに関連する異常は、例えば、入賞、磁気、振動エラー発生時、遊技制御装置310の初期化時にも発生する。
これらの各種信号は、パルス信号で出力され、例えば信号のオン・オフのみで認識できる信号線が信号毎に複数存在する接点出力が用いられる。
なお、遊技機300は、これらの信号を全て出力しなくてもよく、一部の信号のみを出力するものであってもよい。
払い出される遊技球の種類は、払出し態様によって賞球と貯球と持球と貸球とに分けられる。賞球は、第1始動入賞口451、第2始動入賞口452、大入賞口453(図3参照)、又は一般入賞口454(図3参照)等に遊技球が入賞した場合に、遊技機300から払い出される。なお、貸球、貯球、及び持球は、遊技機300からの払い出しでも、遊技者の入金によって遊技球を貸し出すための遊技装置200の図示しない貸機(各台計数装置)からの払い出しでもよい。賞球が払い出された場合には、例えば、賞球数10個につき1パルスの賞球信号が遊技制御装置310から情報収集装置20へと送信される。
持球は、発生した当日のみ有効であり、当日以後の持球は貯球に加算される(持球は貯球に変換される)。貸球は、遊技者の入金によって発生する。遊技者は、発射ハンドル351を操作することでこれらの払い出された遊技球を用いて遊技機300の遊技盤400内に遊技球を打ち込んで遊技を行うことができる。
なお、貯球、持球、及び貸球は、球数データとして表示される態様に限らず、有価価値として表示されてもよい。
遊技情報は、例えば、賞球信号に基づく賞球データやこの賞球データから求めた総賞球数データ、特賞信号に基づいて特別遊技状態であることを示す特賞データ、確変/時短信号に基づいて確変状態や時短状態であることを示す確変/時短データ、第1始動入賞信号に基づいて第1始動入賞口451への入賞があったことを示す第1始動入賞データやこの第1始動入賞データから求めた始動口入賞数データ、第2始動入賞信号に基づいて第2始動入賞口452aへの入賞があったことを示す第2始動入賞データやこの第2始動入賞データから求めた始動口入賞数データ、図柄確定信号に基づいて特図変動表示ゲームが1回実行されたことを示すゲーム実行データやこのゲーム実行データから求めたゲーム実行回数データ(いわゆる回転数のデータ)、枠開放信号に基づいて枠開放エラーが発生したことを示す枠開放データ、セキュリティ信号に基づいてセキュリティに関連する異常が発生したことを示すセキュリティデータを含むものである。
演出制御装置330は、遊技制御装置310から演出制御コマンドを受信すると、LED等の発光演出装置及びモータ等の駆動体によって可動する可動演出装置等の演出用装置320を制御して遊技状態に対応する演出を実行する。
払出制御装置340は、遊技制御装置310から払出制御コマンドを受信するか、カードユニット500に備えられるカードユニット制御装置510から玉貸制御信号を受信すると、指定された数の遊技球を払い出す。また、払出制御装置340は、発射制御装置350や補給器600に信号を出力する。
発射制御装置350は、ハンドル操作に伴って操作信号が入力されると、遊技機300の遊技領域410に遊技球を発射することが可能となる。
残高表示器360は、カードユニット制御装置510から出力された信号に基づいて、カード挿入部550に挿入されたカードに記憶された情報(カードIDや残高情報そのもの等)に対応する有価価値の残高を表示する。
カードユニット500は、カードユニット制御装置510と、表示装置520と、カードR/W530と、紙幣受入部540と、カード挿入部550と、状態表示部560と、計数装置570と、を備える。
カードユニット制御装置510は、遊技球の貸し出し等を制御し、情報収集装置20に持球情報(持球払出信号)、カード情報、貸出情報(貸球情報、球貸信号)、払出情報(貯球払出信号)、金額情報(入金信号)、及び持球情報(計数信号)を出力する。
続いて、カードユニット制御装置510から出力される信号について説明する。
カード情報は、カードに記憶されたID情報やカードの種類(会員カード又はワンデイカード)を示す情報である。
貸出情報は、カードユニット500が所定額の有価価値に相当する数の遊技球を遊技者に貸し出す(払い出す)と出力される、いわゆる売上を示す信号である。
払出情報は、カードユニット500が払い出した貯球の数を示す信号であるが、貯球の払出しを売上とみなして、例えば100円毎にワンパルスの信号を出力してもよい。
金額情報(入金信号)は、紙幣受入部540(図3参照)に入金された金額を示す情報である。
持球情報(計数信号)は、遊技者が所持している持球の数を示す情報である。
表示装置520は、カードユニット制御装置510から出力される信号に基づいて、カードR/W530が読み込んだ会員カード又はワンデイカードに記録されたID情報に対応する各種情報を表示する。表示装置520は、カードR/W530が読み込んだカードが会員カードの場合には、貯球数や持球数を表示するとともに、有価価値の残高又は残額を表示する。また、表示装置520は、ワンデイカードの場合には、持球数や有価価値の残高もしくは残額を表示する。遊技者は、タッチパネル式の表示画面521(図3参照)及び操作部522(図3参照)等の操作によって、表示装置520の表示内容を切り替えることができる。
カードR/W530は、カードユニット制御装置510からの指示に基づいて、カードユニット500に挿入された会員カード又はワンデイカードに記録された情報を読み書きする。例えば、カードに有価価値が記憶されている場合には、遊技球が貸し出されると、カードに記録された有価価値情報が更新される。また、会員カード又はワンデイカードといったカードが挿入されている場合に、紙幣受入部540に紙幣が挿入されると、挿入された(入金された)金額に相当する有価価値が、カードに記憶された有価価値に加算される。
なお、本実施形態では、情報収集装置20は、貯球と貸球を区別して球数データとして記憶しているが、貯球を球数データとして記憶させずに、有価価値に変換して記憶しておき、貯球を再使用する場合に、有価価値を消費して遊技球を払い出すようにすれば、貯球も貸球と考えることができる。従って、所定数の貯球が払い出された場合に、有価価値が消費される売上とみなしてデータを収集・管理する手法も取り入れられる。
有価価値の残高のあるカードがカードユニット500に挿入されている場合に、遊技機300に設けられる球貸SW370を遊技者が操作すると、遊技機300の払出制御装置340に球貸制御信号が入力されて、所定数の遊技球が払い出される(貸し出される)。また、球貸信号(貸出情報)が情報収集装置20に出力される。このとき、挿入されたカードに記憶された有価価値(貸球)から貸し出された遊技球に相当する分の有価価値が減算される。
また、入金された有価価値と、遊技球の貸し出しに使用された有価価値と、をそれぞれ累積して記憶し、入金された有価価値の累積値から遊技球の貸し出しに使用された有価価値を減算して有価価値の残高を算出してもよい。また、遊技装置200(カードユニット500)は、有価価値の残高をカードに記憶せずに、遊技管理装置10に球貸信号(貸出情報)や入金信号(金額情報)を送信し、遊技管理装置10がID情報に関連付けて記憶するようにしてもよい。さらに、遊技装置200は、遊技管理装置10に球貸信号や入金信号を送信せずに、有価価値の残高をカードのみに記憶してもよい。
なお、会員カード又はワンデイカードに紐づいた有価価値の管理は、ネットワーク100に接続される管理サーバ10’もしくは会員管理サーバ(図示省略)において集中的に管理する形態でもよい。
状態表示部560は、発光態様や発光色を変化させることのできるLEDを備えており、挿入されたカードの種類やカード残高、遊技の中断状況に対応した状態を表示する。
計数装置570は、遊技機300の下皿394(図3参照)から島設備の回収桶に排出される遊技球を計数する。計数装置570は、所定数の遊技球(例えば1個)を計数する毎に持球情報(計数信号、計数球情報)をカードユニット制御装置510に出力する。さらに、カードユニット制御装置510は、計数信号(パルス信号)を持球情報として、情報収集装置20に出力する。なお、カードユニット500及び情報収集装置20は、計数装置570の計数信号によって計数した遊技球数を持球に加算し、持球から払い出した遊技球数を持球から減算するように構成してもよい。
補給器600からは、遊技機300の上皿393(図3参照)に払い出される遊技球数を示す補給信号(パルス信号)が情報収集装置20に出力される。
アウトタンク装置700からは、遊技機300の遊技領域410に発射装置420から発射されて遊技に使用された遊技球数を示す回収信号(パルス信号)が情報収集装置20に出力される。
[遊技装置]
次に、図3を参照して遊技装置200の説明を行う。図3は、遊技装置200の構成を説明する遊技装置200の正面図である。
[遊技機の構成]
遊技機300は、遊技機300の内枠となる前面枠390と、外枠となる本体枠391と、遊技球が流下する遊技領域410を有する遊技盤400と、を備える。前面枠390は、本体枠391にヒンジを介して開閉稼働可能に組み付けられる。前面枠390には、遊技盤400の前面を覆うカバーガラスを有するガラス枠392が取り付けられる。ガラス枠392のカバーガラスは、例えばガラス、アクリル、ポリカーボネイト等の透明部材によって形成される。
遊技盤400の表面には、ガイドレール411で囲われた略円形状の遊技領域410が区画形成される。遊技領域410には、流下方向変換部材としての風車や多数の障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら流下方向変換部材に当接して流下方向を変えながら遊技領域410を流下する。
遊技領域410の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース430が設置される。センターケース430に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を表示可能な表示装置440が配置される。変動表示ゲームや各種の演出表示等は、表示装置440の表示面の表示画面であるメイン表示画面441に表示される。
メイン表示画面441の右側部には、右部表示装置としてサブ表示画面442(第2表示装置)が配設される。サブ表示画面442には、メイン表示画面441と同様に、遊技の進行に基づく演出画像、識別情報、始動記憶、打ち方指示、その他の操作案内等を表示することができる。
[カードユニットの構成]
カードユニット500に設けられる表示装置520、紙幣受入部540、カード挿入部550、及び状態表示部560は、カードユニット500の前面に配置される。
表示装置520は、表示画面521及び操作部522を備え、表示画面521は、貯球数や持球数等を表示するタッチパネルとなっており、各種の操作を受け付けることができる。操作部522は、例えば、カード返却ボタン、貸球払出ボタン、持球払出ボタン、貯球払出ボタン、表示切替ボタン等を備える。
カード挿入部550は、会員カードやワンデイカード等の記録媒体を受け付ける。なお、非接触式のICカードを利用して、カード挿入部550の代わりにICカード読取部を設けてID情報をカードユニット500又は遊技装置200が記憶するように構成してもよい。
[補給器、アウトタンク、呼出装置の構成]
遊技機300の裏面上部には、補給器600が設置される。補給器600は、遊技機300の裏面に設けられる上タンクに遊技球を補給する。補給器600は、遊技機300に補給した遊技球数(補給数)を計測する補給球計数器610(図8参照)を備える。
遊技機300の裏面には、アウトタンク700が設置される。アウトタンク700は、
遊技機300の裏面から排出される遊技球を、貯留する部材であり、回収球数を計測して回収信号を情報収集装置20へ送信する。
遊技機300の上方等には、呼出装置50が設けられる。呼出装置50は、遊技装置200が出力する各種の遊技情報を一度受信して情報収集装置20へ伝送するものがあるが、少なくとも呼出し時には、呼出信号が情報収集装置20へ送信される。
このように、遊技装置200は、遊技機300、カードユニット500、補給器600、アウトタンク装置700、呼出装置50を含む。
[遊技管理装置]
図4は、遊技管理装置10の構成を示すブロック図である。
遊技管理装置10は、例えば、CPU10aと、ROM10bと、RAM10cと、HDD、SSD等の記憶装置10dと、バス10eと、ネットワーク通信ポート10f(通信インターフェース)と、I/Oポート10gと、を備える。遊技管理装置10がクラウド環境において構築される場合はこの限りではない。
これらのCPU10a、ROM10b、RAM10c、記憶装置10d、ネットワーク通信ポート10f及びI/Oポート10gは、バス10eによって接続されている。バス10eは、CPU10aがデータを読み書きするために使用するアドレスバス及びデータバスから構成される。
ROM10bには、主としてCPU10aによって実行されるプログラムが記憶される。RAM10cには、CPU10aによって実行されるプログラムをロードして格納可能な記憶領域、プログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域、スタック領域等が設けられる。また、ROM10bにプログラムを記憶する代わりに、記憶装置10dにプログラムを格納し、これをロードしてプログラムを実行することもできる。
ネットワーク通信ポート10fは、遊技場内のネットワークやインターネット等に接続される通信インターフェースであり、所定の通信プロトコルに従って遊技場内に設置されたネットワーク中継装置30や情報収集装置20とデータ通信を行う。I/Oポート10gは、入出力インターフェースであり、入力装置11a(キーボード等)、出力装置11b(ディスプレイ、表示手段)及びUPS11c(無停電電源装置)が接続される。
[情報収集装置]
次に、情報収集装置20について説明する。図5は、情報収集装置20の構成を示すブロック図であり、図6は、情報収集装置20の外観構成を説明する正面図である。
図5に示すように、情報収集装置20は、CPU20aと、プログラム等を予め格納したROM20bと、CPU20aの動作時にワークエリアとして使用されるRAM20cと、制御回路20dと、設定回路20eと、バス20fと、ネットワーク通信ポート20gと、I/Oポート20hと、を備える。
これらのCPU20a、ROM20b、RAM20c、制御回路20d、設定回路20e、ネットワーク通信ポート20g、及びI/Oポート20hは、バス20fによって接続されている。バス20fは、CPU20aがデータを読み書きするために使用するアドレスバス及びデータバスから構成される。
RAM20cには、各種データを一時的に記憶する記憶領域及びCPU20aの動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域が設けられる。
設定回路20eは、図6に示す設定用スイッチ20iと、設定用ピン20jと、を備える。遊技場の従業員等は、設定用スイッチ20i及び設定用ピン20jを介して情報収集装置20の設定を行うことができる。
ネットワーク通信ポート20gは、遊技場内のLAN等の通信線に接続される通信インターフェースであり、所定の通信プロトコルに従って遊技場内に設置された遊技管理装置10やネットワーク中継装置30とデータ通信を行う。ネットワーク通信ポート20gは、情報収集装置20の基板上に3つ形成されており(図6参照)、図5に示すように、遊技管理装置10、ネットワーク中継装置30、及び遊技機300にそれぞれ接続される。LED20kは、通信状況及び情報収集装置20の状態を点灯態様によって報知する。
I/Oポート20hは、入出力インターフェースであり、情報収集装置20の基板上に2つ形成されており(図6参照)、図5に示すように、呼出装置50等の周辺機器や遊技機300にそれぞれ接点接続される。
[カードユニット]
次に、カードユニット500について説明する。図7は、カードユニット500の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、カードユニット500は、カードユニット制御装置510を備える。カードユニット制御装置510は、CPU500aと、プログラム等を予め格納したROM500bと、CPU500aの動作時にワークエリアとして使用されるRAM500cと、バス500dと、ネットワーク通信ポート500eと、I/Oポート500fと、を備える。
これらのCPU500a、ROM500b、RAM500c、ネットワーク通信ポート500e、及びI/Oポート500fは、バス500dによって接続されている。バス500dは、CPU500aがデータを読み書きするために使用するアドレスバス及びデータバスから構成される。
RAM500cには、各種データを一時的に記憶する記憶領域及びCPU500aの動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域が設けられる。
ネットワーク通信ポート500eは、遊技場内のLAN等の通信線に接続される通信インターフェースであり、情報収集装置20に接続されている。ネットワーク通信ポート500eは、情報収集装置20を介して、所定の通信プロトコルに従って遊技場内に設置された遊技管理装置10やネットワーク中継装置30とデータ通信を行う。
I/Oポート500fは、入出力インターフェースである。I/Oポート500fには、表示装置520、カードR/W530、紙幣受入部540、カード挿入部550、状態表示部560、カード挿入中LED562、計数装置570がそれぞれ接続される。
[補給器]
次に、補給器600について説明する。図8は、補給器600の構成を示すブロック図であり、(A)は出力系を示すブロック図であり、(B)は入力系及び出力系を示すブロック図である。
図8(A)に示すように、補給器600は、補給球計数器610内の計数SW611によって補給された遊技球数(補給数)を計測(計数)すると、補給数信号を出力する。計数SW611は、リードスイッチやセンサなどである。補給球計数器610は、例えば、補給された遊技球10個につき1パルスの補給数信号(カウント信号となり得るパルス信号)を出力する。出力された補給数信号は、接続端子620を介して情報収集装置20に送信される。なお、後述のように、補給数信号(パルス信号)は、正常な場合は遊技球(遊技媒体)のカウントに使用可能なカウント信号として取り扱われるが、異常な場合は異常信号として取り扱われる。
また、図8(B)に示すように、補給器600は、補給供給制御器630が接続端子640を介して情報収集装置20に接続され、情報収集装置20よって遊技球の補給可否状態が制御される。すなわち、補給器600は、情報収集装置20より補給可能信号が出力された場合のみ遊技機300の上タンクに遊技球を補給することができ、補給不可信号が出力されている場合には遊技球を補給することができなくなる。
ここで、払い出された遊技球数は、ほぼ補給数と同数になるので、補給数から持球の変化量を差し引けば遊技領域410に発射された遊技球数を推定することができる。
遊技に使用された遊技球は、入賞口450に入賞し、又は、いずれの入賞口450にも入賞せずにアウト口460に受け入れられることによって、遊技機300の裏面側から排出される。遊技機300の裏面側から排出された遊技球は、アウトタンク装置700へ流下して回収された後、島設備の回収桶に排出される。なお、第1始動入賞口451、第2始動入賞口452a、大入賞口453a、及び、一般入賞口454をまとめて入賞口450と称する。後述するように、入賞口450とアウト口460をまとめて遊技球流入口と称する。
[アウトタンク装置]
次に、アウトタンク装置700について説明する。図9は、アウトタンク装置700の構成を示すブロック図である。
アウトタンク装置700の回収球計数器710は、計数SW711を備える。回収球計数器710は、計数SW711によってアウトタンク装置700に流下する遊技球数を回収球数として計数すると、回収信号(カウント信号となり得るパルス信号)を出力する。出力された回収信号は、接続端子720を介して情報収集装置20に送信される。なお、後述のように、回収信号(パルス信号)は、正常な場合は遊技球(遊技媒体)のカウントに使用可能なカウント信号として取り扱われるが異常な場合は異常信号として取り扱われる。
回収球計数器710は、例えば、回収球数10個につき1パルスの回収信号を出力する。このように、アウトタンク装置700は、回収球計数器710によって回収球情報を出力する回収球情報出力手段として機能する。なお、遊技機300に回収球計数器710を設け、遊技機300から情報収集装置20に回収信号を直接出力してもよい。
情報収集装置20は、回収信号から、遊技機300の遊技領域410に発射されて遊技に使用された遊技球数を求め、遊技球数データとして遊技データに含めて保存する。
[分析、通信判定及び整合性判定]
次に、遊技管理装置10が備える分析手段、通信判定手段及び整合性判定手段について説明する。図10は、分析手段が出力する分析内容の一例を説明する図である。
上述のとおり、情報収集装置20は、遊技装置200(遊技機300)が出力する賞球信号、特賞信号、確変/時短信号、始動入賞信号(第1始動入賞信号、第2始動入賞信号)、図柄確定信号、枠開放信号(扉開放信号)、セキュリティ信号、遊技球発射信号、アウト信号を受信して累積記憶した後に遊技管理装置10へ送信する。なお、遊技球発射信号は、遊技球が発射されたことを示す信号であり、発射ハンドル351が操作されたことを示す信号を遊技球発射信号として、遊技装置200(遊技機300)の遊技制御装置310から情報収集装置20に出力してよい。アウト信号は、遊技に使用され遊技機300からアウトタンク700に回収された遊技球数に関する信号であり、前述の回収信号をアウト信号として使用可能である。なお、アウト口にセンサを設けて、このセンサからの信号をアウト信号として、遊技装置200(遊技機300)の遊技制御装置310から情報収集装置20に出力する構成も可能である。
また、情報収集装置20は、遊技装置200(カードユニット500)が出力する持球情報(持球払出信号)、カード情報、貸出情報(貸球情報、球貸信号)、払出情報(貯球払出信号)、金額情報(入金信号)、及び持球情報(計数信号)を受信して累積記憶した後に遊技管理装置10へ送信する。
また、情報収集装置20は、遊技装置200(補給器600)が出力する補給信号、遊技装置200(アウトタンク700)が出力する回収信号を受信して累積記憶した後に遊技管理装置10へ送信する。そのため、遊技管理装置10はこれらの遊技情報を遊技装置200毎に収集する。
そして、収集した遊技情報に異常ないし矛盾が生じる場合がある。一例として、複数種類の遊技情報のうちの一部の種類の遊技情報が欠損している状態(一部の種類の遊技情報が受信できない状態)が遊技情報の異常ないし矛盾である。また、別の一例として、アウト信号(回収信号)がなく、スタート信号があるという論理矛盾である。ここでは遊技情報の異常と矛盾とを使い分けることなく、合わせて遊技情報の「異常」と記載し、遊技情報の異常を検出することや異常な遊技情報を送信すること、遊技情報を一部または全部受信できないことをエラーの発生、エラー状態にある、とも記載する。
収集した遊技情報の異常には、遊技管理装置10が収集した遊技情報の全部に異常が認められる場合と、一部に異常が認められる場合とがある。全ての遊技装置200から収集された遊技情報に異常が認められる場合が全部異常に該当し、一部の遊技装置200から収集された遊技情報に異常が認められる場合が一部異常に該当する。このように、収集した遊技情報の異常の有無を確認する手段として、遊技管理装置10は、整合性判定手段を備える。整合性判定手段は、例えば、収集した各遊技情報の間の整合性を判定する整合性判定を実行可能である。
また、遊技機300の入れ替えに伴う接続不良、断線、情報収集装置20の故障、情報収集装置20の障害(例えば、フリーズ状態)、ネットワーク中継装置30の故障や障害等に起因して遊技管理装置10が遊技情報を受信できない状態が生じ得る。整合性判定手段は、遊技管理装置10が遊技情報を受信できるか否かも判定する。
遊技管理装置10が遊技情報を収集(取得)できない(遊技情報を受信できない)状態には、遊技管理装置10と各装置(ネットワーク中継装置30及び情報収集装置20)とが通信不能である状態と、遊技管理装置10と各装置とが通信可能であるが遊技情報を適切に送信ないし伝送できない状態とに分けることができる。
このうち、遊技管理装置10と各装置とが通信可能であるかを確認する手段として、遊技管理装置10は、通信判定手段を備える。通信判定手段が実行する通信判定(確認)は、ネットワーク100を構成する全てのネットワーク中継装置30及び情報収集装置20を対象とする全判定及び、一部のネットワーク中継装置30及び情報収集装置20を対象とする一部判定が可能である。
通信判定の手法は、例えば、遊技管理装置10が各装置へpingコマンド(pathping等のping系コマンドを含む)を送信することにより、その応答の有無によって通信の疎通を判定する。判定に用いるコマンドは、tracertコマンドやnetstatコマンド等、ICMP(Internet Control Message Protocol)に関する他のコマンドでもよく、いわゆるネットワーク系のコマンドが通信判定に活用される。遊技管理装置10に組み込まれるOSは、WINDOWS(登録商標)、UNIX(登録商標)等既存のOSであればいずれでもよく、OSに依拠する特定のコマンドも含まれる。各装置の固有設定情報であるIPアドレス、MACアドレス等をまとめたアドレステーブルは、遊技管理装置10もしくは遊技管理装置10がアクセス可能な外部記憶媒体や管理サーバ10’が保有する。MACアドレスは、遊技管理システム1を構成する各々の装置を識別する識別情報であり、固有の設定情報(IPアドレスほか)と紐付けて管理される。なお、アドレステーブルは、固有設定情報データベース(図示省略)によって管理されてもよい。
そして、遊技管理装置10は、通信判定の結果と整合性判定の結果とに基づいて遊技管理装置10、情報収集装置20、ネットワーク中継装置30の異常に関する分析を行う分析手段を備える。分析手段の実行する分析処理に関連する制御内容は図12において詳細を説明する。
図10は、分析手段が、通信判定の結果と整合性判定の結果とに基づいてどのような対処方法を分析結果として出力するかを示す一例である。通信判定において「○」は疎通可を示し、「×」は疎通不可を示す。ここではケース1からケース4を順に説明する。
ケース1は、通信判定の結果が「○」であり、整合性判定の結果が一部の遊技装置200からデータ取得不能との結果であった場合である。この場合、通信判定手段が発信したpingコマンドに対して全ての(又は特定の)情報収集装置20から応答があったため、遊技管理装置10と情報収集装置20とは通信可能であるが、遊技管理装置10は、特定の情報収集装置20から全ての種類の遊技情報が受信できない状態である。このことから、上記の特定の情報収集装置20がフリーズ状態であることが想定される。フリーズの原因は、メモリが一時的に不足した場合、ソフトウェアないしドライバに不具合が起きた場合に起因することが知られており、再起動によって解消する。そのため、分析手段は、まず、ステップ1として、対象となる情報収集装置20の再起動を報知する。当該情報収集装置20の再起動によってもケース1に該当する場合は、情報収集装置20の故障が原因となるため、分析手段は、ステップ2として対象となる情報収集装置20の交換を報知する。
ケース2は、通信判定の結果が「○」であり、整合性判定の結果が一部の遊技装置200のデータに異常ありとの結果であった場合である。この場合、通信判定手段が発信したpingコマンドに対して全ての(又は特定の)情報収集装置20から応答があったため、遊技管理装置10と情報収集装置20とは通信可能であるが、遊技管理装置10は、特定(一部)の情報収集装置20から一部の種類の遊技情報が受信できない状態である。ケース2では、一部の種類の遊技情報が受信できないものの、その他の種類の遊技情報は受信できるため、情報収集装置20はフリーズ状態にはない。このことから、上記の特定の情報収集装置20又はその隷下にある遊技装置200の故障が想定される。
そこで、分析手段は、まず、ステップ1として対象となる情報収集装置20の交換を報知する。当該情報収集装置20の交換によってもケース2に該当する場合は、遊技装置200の故障が原因となるため、分析手段は、ステップ2として対象となる遊技装置200の故障を報知する。
ケース3は、通信判定の結果が「○」であり、整合性判定の結果が全ての遊技装置200のデータに異常ありとの結果であった場合である。この場合、遊技管理装置10は、全ての(又は多数の)情報収集装置20から一部の種類の遊技情報が受信できない状態であるが、全ての(又は多数の)情報収集装置20が一斉に故障することは実際には起こり得ない。また、通信判定の結果、全ての情報収集装置20との疎通が確認できたことから、遊技管理装置10自体の異常が想定される。
そこで、分析手段は、まず、ステップ1として遊技管理装置10の再起動を報知する。当該遊技管理装置10の再起動によってもケース3に該当する場合は、遊技管理装置10の故障が原因となるため、分析手段は、ステップ2として遊技管理装置10の交換を報知する。遊技管理装置10の異常も、ソフトウェア要因の異常とハードウェア要因の異常とに分けることができるところ、分析手段は、まず再起動によって解消可能なソフトウェア要因の異常から報知する。
ケース4は、通信判定の結果が「×」であり、整合性判定の結果が全ての遊技装置200からデータ取得不能との結果であった場合である。この場合、通信判定手段が発信したpingコマンドに対して全ての情報収集装置20から応答がないため、遊技管理装置10と全ての情報収集装置20とが通信不能であり、遊技管理装置10は、全ての種類の遊技情報が受信できない状態である。このことから、遊技管理装置10と情報収集装置20との間に設けられるネットワーク中継装置30の異常が想定される。
そこで、分析手段は、まず、ステップ1としてネットワーク中継装置30の再起動を報知する。当該ネットワーク中継装置30の再起動によってもケース4に該当する場合は、ネットワーク中継装置30の故障が原因となるため、分析手段は、ステップ2としてネットワーク中継装置30の交換を報知する。ネットワーク中継装置30の異常も、ソフトウェア要因の異常とハードウェア要因の異常とに分けることができるところ、分析手段は、まず再起動によって解消可能なソフトウェア要因の異常から報知する。
なお、ここにあげた4つのケースは、一例として挙げたものであり、通信判定の結果と整合性判定の結果とを組み合わせて他のケースも想定し得る。具体的には、通信判定の結果には、一部の範囲の装置と通信可、一部の範囲の装置と通信不能、全部と通信可、全部と通信不能等、があり、整合性判定の結果には、全ての装置から遊技情報を正常に受信、全ての装置から遊技情報が受信できない、一部の装置からの遊技情報の全部の種類が欠損、一部の装置からの遊技情報の一部の種類が欠損、全部の装置からの遊技情報が論理的に正常、全部の装置からの遊技情報が論理的に異常、一部の装置からの遊技情報が論理的に異常等、があり、これらの組み合わせとなる。
[論理矛盾]
図11は、論理矛盾の一例を表す図表である。ここでは、論理矛盾について一例として挙げる6つのパターンに基づいて説明する。図表において、「○」は遊技管理装置10がその種類の遊技情報が適切に取得できていることを表し、「-」はその種類の遊技情報が取得できていないか、取得した数値がゼロであることを表す。斜線のある欄はその種類の遊技情報の取得の有無や取得した数値を問わないことを表す。いずれのパターンも一台の遊技装置200から受信した遊技情報に基づき、遊技装置200への不正が行えないことを前提にしている。
パターン1は、アウト信号(回収信号)の受信がなく、セーフ信号(即ち賞球信号)の受信がある場合である。打ち出し球の回収がない状態にあるにもかかわらず払い出しがあることを示しており、実際には発生し得ない状況である。
パターン2は、遊技装置200が稼働状態であることを表す情報の受信があり、アウト信号の受信がない場合である。遊技装置200が稼働しているにもかかわらず打ち出し球の回収がない状態にあることを示しており、実際には発生し得ない状況である。稼働状態であるか否かについては、例えば、「遊技球発射信号とアウト信号」「着座センサと遊技球発射信号」「遊技中のカメラ映像」「始動入賞信号」等に基づいて判定する。アウト信号については、アウト信号(回収信号)を連続的にカウントする場合に稼働中と判定することも可能であるが、この例に限られない。なお、遊技者が着座しているか否かを検出する着座センサや、遊技者を撮影するカメラのカメラ映像が情報収集装置20に収集されてよい。
パターン3は、特図変動表示ゲームが実行されたことを示すスタート信号(図柄確定信号でもよい)の受信がなく、多量の出玉信号の受信がある場合である。特図変動表示ゲームが実行されないのに多量の出玉は発生することは、実際には発生し得ない状況である。例えば、出玉信号は、計数装置570の持球情報(計数信号)や補給数信号でよい。
パターン4は、特賞信号の受信がなく、多量の出玉信号の受信がある場合である。大入賞口453への入賞がないのに多量の出玉が生じることは、実際には発生し得ない状況である。
パターン5は、貸球情報及び払出情報の受信がなく、稼働状態であることを表す情報及びアウト信号を受信している場合である。上皿393へ遊技球の供給がない状態では遊技球を打ち出せないため、実際には発生し得ない状況である。パターン5は、例えば、貸球情報(貸出情報)、払出情報、アウト信号等他の項目での組み合わせによって判定することも可能である。
パターン6は、入金情報の受信がなく、貸球情報の受信がある場合である。入金がないにもかかわらずカードユニット500が遊技球を貸し出すことは、実際には発生し得ない状況である。
上記のパターン1からパターン4は、主として遊技機300に起因する論理矛盾であり、パターン5からパターン6は、主としてカードユニット500に起因する論理矛盾である。遊技装置200において、各種類の遊技情報と各種類の遊技情報に対応した信号を出力するセンサとは対応しているため、論理矛盾の解析により、遊技装置200のどこの構成部材が故障したかを特定可能である。そのため、遊技管理装置10は、遊技装置200のどの構成部材(装置)が交換の対象であるかも報知可能である。
[制御フロー]
次に、分析手段の実行する分析処理に関連する制御を説明する。図12は、分析処理の手順を示すフローチャートである。分析処理は、遊技管理装置10や管理サーバ10’において実行可能であるが、いわゆるソフトウェアとして組み込みが可能であれば携帯端末12、ネットワーク中継装置30等他の装置においても実行可能である。ここでは、分析処理を遊技管理装置10が実行するものとして説明する。
遊技管理装置10は、まず、例えば、遊技管理装置10における遊技情報のエラー発生の検出時、又は、所定の時間もしくは任意の時間に分析処理を開始する(S1)。分析処理の開始は、遊技場の従業員の操作に基づいて開始してもよいし、遊技管理装置10が自動で開始してもよい。遊技情報のエラー発生の自動検出については後述する。所定の時間として、営業終了時間後の予め設定した時刻がある。所定の時間は1回に限らず複数の時間の設定が可能である。任意の時間として、遊技管理装置10のメンテナンス画面を表示して、遊技場の従業員の操作として、メンテナンス画面内の分析開始の項目をクリックすると分析処理を開始する。
次に、遊技管理装置10は、各装置(ネットワーク中継装置30及び情報収集装置20)と通信可能であるか否かを判定する(S2)。当該判定は、上述の通信判定に対応し、基本的にはネットワーク100の全ての装置を対象としたコマンド送信による通信判定を行うが、一部の装置に限定して通信判定を行うこともできる。
遊技管理装置10と各装置とが通信可能である場合には(S2の結果が「Y」)、遊技管理装置10は、必要な遊技情報の取得が可能であるか否かを判定する(S3)。具体的には、各々の遊技装置200に対して設定された取得すべき種類の遊技情報について取得が可能であるか否かを判定するものであり、上述の整合性判定に対応する。
遊技管理装置10が必要な遊技情報の取得が可能である場合には(S3の結果が「Y」)、遊技管理装置10は、取得した遊技情報の全てに異常がないか否かを判定する(S4)。上述のとおり、遊技情報の異常には、遊技情報の一部の種類の欠損と、遊技情報の論理矛盾とを含むものであるため、具体的には、遊技管理装置10が取得した遊技情報の全てに欠損や論理矛盾がないかを判定するものである。当該判定も、上述の整合性判定に対応する。S3における「必要な遊技情報」とは、遊技装置200毎に設定された取得すべき種類の遊技情報のことを表し、S4における「遊技情報の全て」とは、必要な遊技情報として取得された遊技情報を母数として「全て」と表している。
遊技管理装置10が取得した遊技情報の全てに異常がない場合には(S4の結果が「Y」)、遊技管理装置10は、遊技管理システム1に異常がないことを報知し、本処理を終了する(S5)。
一方、遊技管理装置10が取得した遊技情報の全てに異常がない状態ではない場合には(S4の結果が「N」)、遊技管理装置10は、一部の遊技装置200からの遊技情報に異常があるか否かを判定する(S6)。当該判定も、上述の整合性判定に対応する。
一部の遊技装置200からの遊技情報に異常がある場合には(S6の結果が「Y」)、遊技管理装置10は、エラー状態にある(異常のある遊技情報を送信する)情報収集装置20の交換を指示するための交換報知(交換の報知)に関する報知履歴があるか否かを判定する(S7)。
交換の報知及び再起動の報知(再起動報知)の履歴管理については、例えば、遊技管理装置10の記憶領域に設けられる、個別の装置毎に対応したフラグの設定領域にフラグが設定されているか(例えば、”1”の値が設定されているか)否かによって判定する。個別の装置毎に対応したフラグの設定領域とは、具体的に、一台目の遊技管理装置10-1についてRC1、二台目の遊技管理装置10-2についてRC2、以下同様に…RCnまでの、交換の報知に関する領域と再起動の報知に関する領域がそれぞれ設けられる。情報収集装置20についても同様に、RD1、RD2、…RDn、ネットワーク中継装置30についてRR1、RR2、…RRnまでの、交換の報知に関する領域と再起動の報知に関する領域がそれぞれ設けられる。履歴管理の手法としては、フラグ設定のほか、当該フラグの設定領域に代えて各装置に対応した数値情報の記憶領域を設けて、各装置の再起動又は交換の報知を出力する度に当該記憶領域のカウンタ値をインクリメントすることによって履歴の有無や回数を管理することができる。
エラー状態にある情報収集装置20について交換の報知履歴がある場合には(S7の結果が「Y」)、遊技管理装置10は、遊技装置200の故障を報知し、本処理を終了する(S8)。当該報知は、図10においてケース2のステップ2に対応する。なお、当該遊技装置200の故障に対処することにより異常が解消した場合は、対応するフラグ設定領域をクリア可能である。
エラー状態にある情報収集装置20について交換の報知履歴がない場合には(S7の結果が「N」)、遊技管理装置10は、当該情報収集装置20の交換を報知するとともに、対象となる情報収集装置20に対応したフラグ設定領域のうち交換の報知に関する領域にフラグを設定する(S9)。その後、遊技管理装置10は、本処理を終了する。当該報知は、図10においてケース2のステップ1に対応する。なお、当該情報収集装置20の交換によって異常が解消した場合は、対応するフラグ設定領域がクリア可能である。
一方、全ての遊技装置200からの遊技情報に異常がある場合には(S6の結果が「N」)、遊技管理装置10は、遊技管理装置10の再起動を指示するための再起動報知に関する報知履歴があるか否かを判定する(S10)。
遊技管理装置10の再起動報知履歴がある場合には(S10の結果が「Y」)、遊技管理装置10は、遊技管理装置10の交換を報知し、本処理を終了する(S11)。当該報知は、図10においてケース3のステップ2に対応する。なお、当該遊技管理装置10を交換することにより異常が解消した場合は、対応するフラグ設定領域をクリア可能である。
遊技管理装置10の再起動報知履歴がない場合には(S10の結果が「N」)、遊技管理装置10は、遊技管理装置10の再起動を報知するとともに、対象となる遊技管理装置10に対応したフラグ設定領域のうち再起動の報知に関する領域にフラグを設定する(S12)。その後、遊技管理装置10は、本処理を終了する。当該報知は、図10においてケース3のステップ1に対応する。なお、当該遊技管理装置10の再起動によって異常が解消した場合は、対応するフラグ設定領域がクリア可能である。
遊技管理装置10が必要な遊技情報の取得が可能ではない場合、つまり、一部の遊技装置200から遊技情報の取得ができない場合には(S3の結果が「N」)、遊技管理装置10は、当該一部の遊技装置200に対応する情報収集装置20の再起動報知に関する履歴があるか否かを判定する(S13)。
情報収集装置20の再起動報知履歴がある場合には(S13の結果が「Y」)、遊技管理装置10は、対象となる情報収集装置20の交換を報知するとともに、本処理を終了する(S14)。当該報知は、図10においてケース1のステップ2、図16に対応する。なお、当該情報収集装置20の交換によって異常が解消した場合は、対応するフラグ設定領域をクリア可能である。
情報収集装置20の再起動報知履歴がない場合には(S13の結果が「N」)、遊技管理装置10は、対象となる情報収集装置20の再起動を報知するとともに、対象となる情報収集装置20に対応したフラグ設定領域のうち再起動の報知に関する領域にフラグを設定する(S15)。その後、遊技管理装置10は、本処理を終了する。当該報知は、図10においてケース1のステップ1、図13、図14、図15に対応する。なお、当該情報収集装置20の再起動によって異常が解消した場合は、対応するフラグ設定領域がクリア可能である。
ここまでが、通信判定の結果が「Y」、つまり遊技管理装置10と各装置との通信が可能な状態について説明した。続いて、遊技管理装置10と各装置とが不通である場合について説明する。
遊技管理装置10と各装置との通信が不能である場合には(S2の結果が「N」)、遊技管理装置10は、ネットワーク中継装置30の再起動を指示するための再起動報知の報知履歴があるか否かを判定する(S16)。なお、当該通信判定においては、特定のセグメントを対象として通信判定を行うことが可能であり、通信判定の範囲を限定することによって判定対象となるネットワーク中継装置30を限定することができる。
ネットワーク中継装置30の再起動報知履歴がある場合には(S16の結果が「Y」)、ネットワーク中継装置30の交換を報知し、本処理を終了する(S17)。当該報知は、図10においてケース4のステップ2に対応する。なお、当該ネットワーク中継装置30の交換によって異常が解消した場合は、対応するフラグ設定領域をクリア可能である。
ネットワーク中継装置30の再起動報知履歴がない場合には(S16の結果が「N」)、ネットワーク中継装置30の再起動を報知するとともに、対象となるネットワーク中継装置30に対応したフラグ設定領域のうち再起動の報知に関する領域にフラグを設定する(S18)。その後、遊技管理装置10は、本処理を終了する。当該報知は、図10においてケース4のステップ1に対応する。なお、当該ネットワーク中継装置30の再起動によって異常が解消した場合は、対応するフラグ設定領域がクリア可能である。
このように、遊技管理装置10は(分析手段は)、通信判定及び整合性判定の結果に基づいて各装置との不通、遊技情報の取得不能、遊技情報の異常を解消する分析内容を出力する。なお、S1において、本処理の開始条件のひとつに、遊技管理装置10における遊技情報のエラー発生の検出時を挙げたが、遊技情報のエラー発生を適宜検出するために、遊技管理装置10は、定期的に上記のS3、S4、S6の判定処理を連続して実行することができる。そして、S3、S4、S6のいずれかの判定処理において結果が「N」となる場合に、遊技情報のエラー発生を検出して、本処理を自動的に開始することができる。つまり、分析手段は、遊技情報のエラーを自動で検出するため、遊技場の従業員は、適宜遊技情報のエラーの発生を認識することができる。
[出力画面]
次に、分析手段が出力する出力態様を説明する。図13は、分析手段による分析結果の出力態様の一例を説明する表示画像である。図14は、遊技管理装置10での受信状況を示す表示画像である。図15は、各装置の設置場所を表示する遊技場の見取り図である。図16は、再分析結果の出力態様の一例を説明する表示画像である。これら表示画像は、例えば、遊技管理装置10に設けられる出力装置11bの画面に表示される。
図13では、分析処理による分析結果として、メッセージ表示領域13に、エラー発生の内容(一部の情報収集装置20から遊技情報の受信ができないこと)や、エラー解消のための対処法が表示される。また、一覧表示領域14には、対処手法が上部に大きく表示され、その下部に対象となる装置が一覧表示される。ここでは、情報収集装置20のNo15、No33、No62から遊技情報の取得ができず、当該三台の情報収集装置20の再起動指示を報知している。当該報知は、図10におけるケース1のステップ1、図12におけるS15に対応する。
ここで、「受信状況」ボタン15aを操作する(クリックする、画面にタッチする、キーボードで選択して決定する等)と、図14に示す遊技管理装置10における遊技情報の受信状況を表す画面に移行する。
図14では、画面の上部に設けられる情報収集装置表示領域16aに全ての情報収集装置20が一台毎に表示可能であり、当該領域の右脇にはスクロールバー16bが表示される。情報収集装置20の受信状況は、例えば、「○」「△」「-」で表される。「○」は論理矛盾なく遊技情報を受信できており、「△」は遊技情報に論理矛盾がある、「-」は遊技情報に欠損があることを表す。また、エラー状況欄の下欄には「必要な遊技情報の受信不可」などの情報収集装置としての状況を表している。
画面の下部に設けられる遊技管理装置表示領域16cには、遊技管理装置10においてどの種類の遊技情報が受信できているかを表示する。ここでは、情報収集装置20のNo15が選択されており、No15からの受信状況として、全ての種類の遊技情報が受信できていないことが表示されている。当該受信状況の表示画面では、個別の情報収集装置からの受信状況を確認することができる。なお、遊技管理装置表示領域16cに表示される遊技情報の種類は、一例であり、ここに表示する遊技情報の種類は任意に変更が可能である。「戻る」ボタン15dを操作すると、図13示す分析結果の報知画面へ移行する。
図13に戻り、「配置場所確認」ボタン15bを操作すると、図15に示すように、遊技場の見取り図に基づいて、一覧表示領域14に表示された対象の装置が設置される場所が表示される。
見取り図では、遊技場の構成及び各装置の配置場所が誰でも把握できるように、例えば、遊技場の入口や景品カウンター、階段、エスカレータ、遊技装置200が一群として設置される「島(遊技島)」等が表示される。そして、情報収集装置20は、遊技島の中でも遊技装置200と重なる位置もしくは遊技装置200と対応した位置に一台一台個別に表示される。ここでは、再起動の対象となる情報収集装置20のNo15、No33、No62の位置に網かけやハイライト等のエフェクトが表示され、一目で再起動の対象装置がどこにあるが把握できる。
図15に示す見取り図において、一台一台個別に表示される装置を選択することで、図14に示す受信状況の画面へ移行してもよい。
そして、遊技場の従業員は、例えば、No15の情報収集装置20の再起動を行い、一覧表示領域14に表示される「・No.15」や、見取り図中の情報収集装置20-15の場所を選択して「個別に処置完了」ボタン15eを操作することで、遊技管理装置10は、No15の情報収集装置20の再起動の対応が完了したことを受け付ける。また、遊技場の従業員は、対象となる全ての情報収集装置20の再起動を行い、「戻る」ボタン15dを操作して図13に示す報知画面へ戻り、「処置完了」ボタン15cを操作することにより、遊技管理装置10は、対象となる三台の情報収集装置20の再起動の対応が完了したことを受け付ける。
対象となる三台の情報収集装置20の再起動の対応が完了したことを受け付けた遊技管理装置10は、遊技情報の異常が解消したかを確認するために、再び分析処理を実行する。その結果、遊技情報のエラーが解消しなかった場合として、図16に示す交換指示の報知画面が表示される。
図16では、遊技情報の収集ができなかった上記の三台の情報収集装置20のうち、No15及びNo33から遊技情報を正常に収集できないため、当該二台の情報収集装置20が故障している可能性が高い旨を報知している。当該報知は、図10におけるケース1のステップ2、図12におけるS14に対応する。
ここで、遊技場の従業員は、例えば、No15及びNo33の情報収集装置20を交換した後に「処置完了」ボタン15cを操作することで、遊技管理装置10は、No15及びNo33の情報収集装置20の交換の対応が完了したことを受け付ける。また、当該操作の受け付けに合わせてNo15及びNo33に対応するフラグ設定領域のうち再起動報知に関する領域がクリアされ、交換報知に関する領域にフラグが設定される。なお、装置が交換されると、MACアドレスが変更されるため、当該アドレスの変更を遊技管理装置10が認識することにより上記のフラグ設定が自動で変更されてもよい。
再起動の指示するための再起動報知が報知され、その後再起動の対応をとったことにより遊技情報の異常が解消したと判断されたNo62の情報収集装置20のフラグについては、クリアせずに、再起動報知の履歴を残す。そして、次回以降の分析処理においてNo62の情報収集装置20に異常が発生している場合には、2回目のエラーとして交換を報知することができる。なお、分析処理は、2回目の再起動の報知に該当する場合は、交換を報知する制御となっているが、何回目の再起動の報知に該当する場合に交換を報知するかは、装置の種類や装置毎の故障頻度に対応させて任意に設定可能である。
図16において、遊技場の従業員が「このまま終了」ボタン15fを操作すると、設定されたフラグ情報は変更されずに、分析処理のトップ画面(図示省略)へと移行する。
なお、上述のとおり、分析手段の出力画面や配置場所の確認画面は、携帯端末12においても表示可能であり、携帯端末12によっても操作可能である。
次に、分析手段が遊技管理装置10の交換を報知する場合及び遊技管理装置10のバックアップ操作について説明する。図17は、分析手段による分析結果の出力態様の別の一例を説明する表示画像である。図18は、各装置の設置場所を表示する遊技場の見取り図である。表示画像は、例えば、遊技管理装置10に設けられる出力装置11bの画面に表示されるものである。
図17において、分析手段は、遊技管理装置10の故障の可能性が高く、遊技管理装置10を交換する指示を報知している。当該報知は、図10におけるケース3のステップ2、図12におけるS11に対応する。
ここで、「配置場所確認」ボタン15bを操作すると、図18に示す遊技場の見取り図に基づいて、遊技管理装置10が設置される場所が表示される。遊技管理装置10は、遊技エリア(ホール)と同じフロアに設置されない場合があるため、見取り図の左下に網かけで表示されるとともに、所在場所として「事務所」と表示される。その右方には、遊技島の中ではなくカウンタ下に設置されるネットワーク中継装置30の所在も明記されている。その他、ホールに設置されない装置は、個別に設置場所が表示される。
「遊技管理装置の設定をバックアップ」のボタン15gは、交換対象装置が遊技管理装置10である場合に表示される。遊技管理装置10を交換するにあたって、遊技管理装置10が保持する各種の設定情報等を交換機に引き継ぐバックアップデータを生成するものであり、バックアップデータの出力先は、例えば、USBメモリやNAS等の外部記憶装置(図示省略)となるように選択される。
このように、遊技管理装置10は、遊技情報のエラーについて、対応手法を報知するとともに、対応すべき装置の位置を把握できるように明確に表示するため、遊技場の従業員は、表示された場所に赴いて装置の再起動ないし交換を進めることができる。そのため、遊技場の従業員に高度な管理知識がなくても、遊技場の従業員は何をどうすればよいのかを戸惑うことなく進められ、容易に遊技管理システム1の保守、管理が可能である。また、販社又は保守企業のサービスマンが遊技場に出張しなくても遊技場の従業員によって故障対応を完了することができるため、対応コスト(出張費用)を抑え、また、遊技情報のロス時間(正常に取得できない時間)を少なく抑えられる。
分析手段の報知内容に従って故障対応を進めるにあたっては、対象の装置を再起動した後に再度分析処理を実行すると、再起動によって異常が解消したか、解消していないかが瞬時に分かり、解消していない場合は、さらなる対応手法が報知される。そのため、効率的に故障対応を進めることができる。特に、フリーズ状態の装置を故障として取り扱うことがないため、不要な交換を未然に防いで、保守に伴うコストを低減させる。
[バックアップ及びリストア]
次に、遊技管理装置10のバックアップ及びリストア(交換機へのバックアップデータの復元)について説明する。図19は、遊技管理装置10が表示するバックアップ及びリストアの設定画面である。
図17の遊技管理装置10の交換を報知する画面、及び図18の配置場所確認の画面に表示される「遊技管理装置の設定をバックアップ」のボタン15gを操作すると、遊技管理装置10は、図19に示すバックアップ及びリストアの設定画面を表示する。
当該画面では、画面の最上部に「バックアップ」ボタン15h及び「リストア」ボタン15iが表示される。「バックアップ」ボタン15hを操作すると、「バックアップ」ボタン15hの色が変化する等により、バックアップに向けたデータ選択が行われることを報知し、「リストア」ボタン15iを操作すると、「リストア」ボタン15iの色が変化する等により、リストアに向けたデータ選択が行われることを報知する。図17、図18に表示される「遊技管理装置の設定をバックアップ」のボタン15gを操作したことに基づいて図19のバックアップ及びリストアの設定画面へ移行した場合は、自動的に「バックアップ」ボタン15hの色が変化していてもよい。
「バックアップ」ボタン15h及び「リストア」ボタン15iの下部には、遊技管理装置10のデータ選択領域17a、情報収集装置20のデータ選択領域17b、ネットワーク中継装置30のデータ選択領域17c、メッセージ表示領域17dが表示される。各データ選択領域では、チェックボックスにチェックを入れることで当該項目が選択される。
遊技管理装置10のデータ選択領域17aでは、遊技管理装置10のデータとして各種の任意設定値や各装置に関する設定データを選択する「設定データ」、当日の全台からの遊技情報を選択する「遊技情報(当日)」、過去分の全ての遊技情報を選択する「遊技情報(全て)」、遊技管理装置10が保有する全ての情報を選択する「全ての情報」を選択することができる。
情報収集装置20のデータ選択領域17bでは、対象となる情報収集装置20を個別に選択可能であり、選択先の情報収集装置20の設定情報に関する「設定情報」、選択先の情報収集装置20が送信する当日の遊技情報に関する「遊技情報(当日)」、選択先の情報収集装置20に関する全ての情報(設定情報及び遊技情報を含む)である「全ての情報」を選択することができる。
ネットワーク中継装置30のデータ選択領域17cでは、対象となるネットワーク中継装置30を個別に選択可能であり、選択先のネットワーク中継装置の設定情報に関する「設定情報」を選択可能である。ネットワーク中継装置30は、1つの遊技島の遊技情報を中継するものでもよく、複数の遊技島の遊技情報を中継するものでもよいため、複数の遊技島の遊技情報を中継する場合は、該当する項目が表示される。
メッセージ表示領域17dには、操作に応じた各種のメッセージが表示される。一例として、遊技管理装置10の「遊技情報(全て)」を選択してバックアップデータを作成する場合に、「処理が終了するまでに1時間程度必要です。営業時間外での実行を推奨します。」と表示される。
対象装置を交換して交換機にバックアップデータを復元する(リストアする)場合は、当該画面において対象となるデータを選択した後に、「リストア」ボタン15iを操作することでリストアが完了する。
[設定情報]
次に、各装置のアドレスやID(固有設定情報)等を含む設定情報の保存について説明する。図20は、設定情報の保存先の設定画面である。当該画面は、上方から順に遊技管理装置の選択領域18a、情報収集装置の選択領域18b、ネットワーク中継装置の選択領域18c、設定保存先の選択領域18d、メッセージ表示領域18eが設けられる。当該画面は、例えば、遊技管理装置10に設けられる出力装置11bの画面である。
遊技管理装置の選択領域18a、情報収集装置の選択領域18b、ネットワーク中継装置の選択領域18cでは、それぞれ設定情報の選択について、全ての装置を対象とするか個別の装置を対象とするかを選択することができる。例えば、図1(B)のように、三台の遊技管理装置10が設置される場合は、指定NO.の欄にいずれの遊技管理装置10にするかを選択することができる。指定NO.の欄は、個別箇所の工事や個別装置の設定間違い等で特定の装置の設定の修正を行う場合に利用する。
設定保存先の選択領域18dでは、設定情報をどこに保存するかを選択することができる。ここでは、店舗に設置される遊技管理装置10、統括部に設置される遊技管理装置10、NAS、その他を選択することができる(複数選択可)。その他を選択すると、個別のフォルダ等任意の保存先を選択することができる。
ほかにも、遊技管理システム1の形態に基づいて、他のサーバやクラウドを選択することもできる。例えば、統括部に設置される遊技管理装置10を選択すると、チェーン店を経営する本店のサーバに保存され、遊技管理システム1の保守の形態によっては、保守を担当する企業が管理するサーバに保存される。NASは、ネットワーク100に接続される外部記憶媒体であり、このほかにも、USBメモリや外付けHDD等を設定情報の保存先として選択することもできる。
[更新設定処理]
次に、装置を再起動又は交換した後における遊技管理装置10における設定更新の処理手順について説明する。図21は、情報収集装置20を交換した場合の設定更新の流れを説明するフローチャートである。情報収集装置20側の手順としてB1とB2との間で情報収集装置20が再起動又は交換されることに基づいて設定更新の流れを説明する。分析手段と同様に、更新設定処理は、管理サーバ遊技管理装置10に限られず、管理サーバ10’、ネットワーク中継装置30等においても実行可能である。
まず、遊技管理装置10は、ネットワーク100における接続機器の整合を監視するネットワーク接続監視を実行する(A1)。遊技管理装置10では、情報収集装置20の情報として型式情報、固有ID(固有設定情報)としてMACアドレス、IPアドレス等のネットワーク情報を含む固有設定情報を保有しており、例えば、アドレス情報に基づいて、不明な装置が接続されていないか等を監視する。
B1において、再起動又は交換のために、情報収集装置20の電源が切れるか、ネットワーク100から情報収集装置20が取り外されると、遊技管理装置10は、ネットワーク100の構成装置の1台が未接続状態であることを認識する(A2)。
B2において、再起動により情報収集装置20の電源が入るか、ネットワーク100に新たな情報収集装置20を接続すると、遊技管理装置10は、情報収集装置20との間で接続・認証処理を実行する(A3及びB3)。具体的には、まず、遊技管理装置10が相互の通信接続が確立されたか否かを確認する。
次に、遊技管理装置10は、遊技管理装置10は、情報収集装置20にMACアドレスを要求し、情報収集装置20は自機のMACアドレスを応答する。次に、遊技管理装置10は、型式情報を情報収集装置20に要求し、情報収集装置20は自機の型式情報を応答する。
接続・認証処理が終了すると、遊技管理装置10は、次に、情報収集装置20が認証済みの装置であるか否かを判定する(A4)。具体的には、アドレステーブルを参照して接続先の情報収集装置20のMACアドレスを照合し、新規なMACアドレスであるか否かを確認する。
情報収集装置20が認証済みの装置である場合には(A4の結果が「Y」)、情報収集装置20が再起動されたものであるため、遊技管理装置10は、本処理を終了する。
情報収集装置20が認証済みの装置でない場合には(A4の結果が「N」)、情報収集装置20が交換されたものであるため、遊技管理装置10は、装置の型式が従来の型式と同一であるか否かを判定する(A5)。
装置の型式が従来の型式と同一である場合には(A5の結果が「Y」)、遊技管理装置10は、情報収集装置20に交換前の装置の固有設定情報を書き込む、「書き戻し処理」を実行し、本処理を終了する(A6)。書き戻し処理の具体的な内容は、遊技管理装置10が、交換前の情報収集装置20の固有設定情報を準備して交換後の情報収集装置20へ書き込み、MACアドレス情報を更新し、情報収集装置20に再起動を指示するコマンドを送信するものである。再起動後の情報収集装置20は、認証済みの装置として認識される。なお、遊技管理装置10、情報収集装置20、ネットワーク中継装置30は、固有設定情報を更新する(書き込む)固有設定情報更新手段を備える。
書き戻し処理を受けて情報収集装置20は、機器の状態を報知する(B4)。例えば、再起動後の通信状況が正常であれば通信状態を示す左のLED20k(図6参照)を緑色に発光させ、設定状態が正常であれば設定状態を示す右のLED20kを緑色に発光させて、通信状態及び設定状態について報知する。
一方、装置の型式が従来の型式と同一ではない場合には(A5の結果が「N」)、遊技管理装置10は、認識できない装置であり手動での設定が必要であるため、設定情報の更新ができないことを報知し、本処理を終了する(A7)。
このように、設定更新処理では、遊技管理装置10が、ネットワーク100の構成装置の再起動(電源のOFF・ON)、交換を自動的に検出して新規な装置であると認識した場合は、設定情報が自動で更新される。ちょうどプラグアンドプレイのような感覚によってネットワーク100の構成装置が再起動した、取り除かれた、追加された、ということを遊技場の従業員は確認することができる。
また、ネットワーク100の構成装置を交換した場合に、当該装置における交換前の設定情報を交換後の装置に自動で更新適用(上記の書き戻し処理)するため、遊技管理システム1が安定して稼働する。
[予備機の在庫管理]
次に、図22を参照して遊技管理システム1における予備機(交換機)の在庫管理を説明する。図22は、予備機の在庫管理を説明する概略図である。
遊技場では、遊技管理システム1を構成する装置の故障に対して即座に交換が可能なように各装置の予備機を在庫として保管する場合があり、予備機を備品棚90に収納して在庫を保管する。
備品棚90は、例えば、遊技場内、本店(統括部)に設置され、複数の予備機を収納可能である。備品棚90は、例えば、情報収集装置20を収納する上棚91、ネットワーク中継装置30を収納する中棚92、交換後の故障機や廃棄品を収納する下棚93を備え、有線又は無線で遊技管理装置10や装置の販売企業ないし装置の保守サービス企業のコンピュータ901と接続される。
備品棚90は、各棚での装置の出入りを自動で管理可能である。例えば、各棚に重量センサが設けられ、重量の変化によって装置の出庫と入庫を認識することができる。また、各装置には無線でID情報を発信するRFID(radio frequency identifier)が組み込まれており、ID情報の管理によって出庫と入庫を管理することができる。その他、画像認識技術を活用した在庫管理や、磁気や電気抵抗を活用した在庫管理を取り込むことができる。ここでは、RFIDによって認識するID情報によって備品棚90での在庫管理が行われるものとして説明する。
上棚91及び中棚92から予備機が出庫すると、予備機ID一覧からID情報が削除され、予備機を元の棚に戻すとID情報が再登録される。新たな予備機が入庫するとID情報が追加される。また、下棚93に故障機が入庫及び出庫すると、同様に故障機ID一覧からID情報の削除又は追加が行われる。
これらのID情報の管理は、備品棚90において実行してもよいし、遊技管理装置10によって実行されてもよいし、管理サーバ10’や装置の販売企業又は保守サービスの企業のコンピュータ901において実行されてもよい。管理サーバ10’は、図1(B)に示す統括部に設置される遊技管理装置10と実質的に同一の機能を有するものである。
そして、予備機が所定数を下回る場合は、装置の販売企業へ予備機を充当する注文が可能である。コンピュータ901への伝送ルートとしては、破線の矢印で示す、備品棚90からコンピュータ901へ直接伝送されるルート、実線の矢印で示す、遊技管理装置10を経由してコンピュータ901へ伝送されるルート、一点破線の矢印で示す、管理サーバ10’を経由してコンピュータ901へ伝送されるルートのいずれでもよい。
その他、故障機のID情報に基づいて、装置の販売企業又は保守企業は、どの型番の(あるいはどの種類の)装置がいくつ故障したのかを把握することが可能であり、かかる情報に基づいて予備機を充当することでも誤った数の充当をすることを防ぐことができる。
備品棚90がもたらす情報は、上棚91、中棚92、下棚93の情報から、どの型番の装置に交換を要する故障が生じ、どの型番の装置を交換したのかを装置の販売会社が把握することができる。かかる情報は、装置の販売会社へのフィードバック情報となり、今後の製品開発等に活用することができる。
このように、備品棚90または遊技管理システム1(遊技管理装置10)では、備品棚90に収納されている予備機や故障機の数を管理し、予備機の数が少なくなると自動で発注するため、常時一定数の予備機を備品棚90に収納しておくことができる。このため、交換すべき予備機が不足して予備機が納品されるまで遊技情報のエラーが解消できない事態を未然に防ぐことができるとともに、手動で発注する場合に過大な発注によって在庫管理のコストが増大することを防ぐことができる。
また、装置の交換を行った場合に、どの型番の装置が交換されたが装置の販売企業又は保守企業へ伝達されることで、サービスマンが後日に各装置のログの収集及び確認等の経過確認にあたって、追加の予備機の必要性の判断も含めて、効果的に対応することができる。
[遊技管理システムの他の形態]
図23は、遊技管理システム1の他の形態を説明するネットワーク図であり、(A)(B)とも一例として挙げる図である。
遊技管理システム1の形態は、図1において説明しているが、ここでは確認的に、その他の一般的な形態も説明する。(A)は、ネットワーク中継装置30が公衆回線900と直接接続される装置となるネットワーク形態である。公衆回線との接続において、ネットワーク中継装置30が公衆回線ないしメディアコンバーター(図示省略)との接続装置となり、例えば、遊技管理装置10やネットワーク100へのファイアウォールとなる。
(B)は、ネットワーク中継装置30が複数設けられるネットワーク形態である。例えば、複数階のフロアで営業している遊技場にあって、フロア毎にネットワーク中継装置30が設けられることが考えられる。
遊技管理システム1の形態としては、図1及び図23にその一例を示したが、既知の接続形態であれば、ここに図示する形態以外の形態も含まれる。
[第1実施形態に係る発明の作用効果]
本発明の第1実施形態に係る遊技管理装置10では、各装置(情報収集装置20、ネットワーク中継装置30)と通信が可能であるかを判定する通信判定手段(S2)と、当該遊技管理装置が前記情報収集装置から遊技情報を取得可能であるか、又は情報収集装置20から送信される遊技情報に異常がないかを判定する整合性判定手段(S3、S4、S6、S7、S10、S13、S16)と、通信判定の結果及び整合性判定の結果に基づいて遊技管理装置10、情報収集装置20、ネットワーク中継装置30の異常に関する分析を行う分析手段(S5、S8、S9、S11、S12、S14、S15、S17、S18)と、を備える。そして、分析手段は、分析内容を画面表示等の出力手段によって出力する。本段落より以降の段落での括弧内の記載は、分析処理において対応するステップ番号である。
このような遊技管理装置10によれば、通信可能であるか否かの通信判定の結果と、遊技情報の全ての種類の取得が可能か、一部の種類のみ取得が可能か、論理矛盾がないかを判定する整合性判定の結果とを組み合わせた精度の高い分析が可能である。そのため、分析手段が出力する分析内容は、遊技情報の異常を解消するにあたって的確な指示を報知するものであり、当該報知に従って対応をとることで特定された装置のエラー状態を速やかに解消することができる。特に、遊技場の従業員は、分析内容に従って対応をとればよいため、どのような対応をとるべきか迷わずに対応を進めることができ、エラー解消までの効率が向上する。
また、遊技管理装置10では、特定の情報収集装置20と通信可能であるとの通信判定結果であり、当該特定の情報収集装置20から遊技情報の取得ができないとの整合性判定結果である場合には、当該特定の情報収集装置20を再起動させること(再起動指示)を報知する(S15)。
このような遊技管理装置10によれば、再起動により解消するエラー状態は、エラー全体の中において比較的頻度が高く、当該エラー状態の判別ならびに装置を特定することで、再起動によって速やかにエラー状態を解消できる。再起動は、単に装置の電源を一度OFFにして再度ONにするだけであるから、遊技場の従業員が簡単に対応することが可能であり、また、装置の交換を必要としないため、エラーの解消に対してコストがかからない。
また、遊技管理装置10では、特定の情報収集装置20と通信可能であるとの通信判定結果であり、当該特定の情報収集装置20から送信される遊技情報に異常があるとの整合性判定結果である場合には、当該特定の情報収集装置20の交換指示を報知する(S9)。
このような遊技管理装置10によれば、論理矛盾や一部の遊技情報が欠損する等の異常のある遊技情報を送信する情報収集装置20は、フリーズ状態ではなく故障している可能性が高いため、交換指示が報知するものである。遊技場の従業員は、分析内容に従って対応をとればよいため、どのような対応をとるべきか迷わずに対応を進めることができ、エラー解消までの効率が向上する。
また、遊技管理装置10では、全ての情報収集装置20と通信可能であるとの通信判定結果であり、全ての情報収集装置20から取得する遊技情報が異常であるとの整合性判定の結果である場合には、遊技管理装置10を再起動させることを報知する(S12)。
このような遊技管理装置10によれば、全ての情報収集装置20が異常のある遊技情報を出力することが非現実的であるため、遊技管理装置10自体のエラーとして遊技管理装置10の再起動を報知するものである。遊技場の従業員は、分析内容に従って対応をとればよいため、どのような対応をとるべきか迷わずに対応を進めることができ、エラー解消までの効率が向上する。
また、遊技管理装置10では、特定のネットワーク中継装置30と通信不能であるとの通信判定結果である場合には、当該特定のネットワーク中継装置30を再起動させることを報知する(S18)。
このような遊技管理装置10によれば、まず、再起動によってネットワーク中継装置30のエラー状態が解消するか否かを確認することができ、不要な交換対応を未然に抑えることができる。
また、遊技管理装置10では、一度再起動を指示する報知を行った装置に引き続きエラーが生じている場合は、交換を指示する報知を行う(S9、S11、S14、S17)。
このような遊技管理装置10によれば、再起動によっても解消しないエラーであることを確認した上で、装置を交換するものであり、装置の故障に対して適切な対応を指示することができる。
また、本発明のネットワーク100では、携帯端末と接続可能であり、当該携帯端末にネットワーク100の構成や各装置の配置場所を表示する。
このようなネットワーク100では、図13から図20に示す、エラーの発生、エラー状態、故障原因、対応手法、装置の配置場所、バックアップデータの作成やリストア作業を携帯端末12によっても確認及び操作できるため、対応効率が向上する。具体的には、例えば、再起動において解消するエラーである場合、遊技場の従業員がエラー発生の認識とエラー解消のための対処とをホールにおいて完結することができる。また、交換が必要な場合であっても、さらに備品棚90への移動が加わるのみで対処が完了する。このため、遊技管理装置10が設置される場所に従業員を配置する必要性が低下し、遊技場の運営に必要な人員を抑制することができる。
また、遊技管理装置10では、定期的に繰り返し実行する整合性判定手段による判定結果として取得した遊技情報に異常があると判定した場合や任意のタイミングにおいて通信判定を実行することが可能である。
このような遊技管理装置10によれば、必要に応じて通信判定を行うため、ネットワーク100に不要な負荷をかけずに必要がある場合に限って疎通を確認するコマンドが発信される。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、複数の実施形態の組合せることも可能である。また、遊技機300として、例えば、パチスロ機等の遊技機にも本発明を適用可能である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。