JP7207573B2 - クリーニング方法および装置 - Google Patents

クリーニング方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7207573B2
JP7207573B2 JP2021565296A JP2021565296A JP7207573B2 JP 7207573 B2 JP7207573 B2 JP 7207573B2 JP 2021565296 A JP2021565296 A JP 2021565296A JP 2021565296 A JP2021565296 A JP 2021565296A JP 7207573 B2 JP7207573 B2 JP 7207573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel material
laser beam
laser
oxide layer
cleaning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021565296A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021124561A1 (ja
Inventor
勇一 赤毛
尊 坂本
優理奈 田中
宗一 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Publication of JPWO2021124561A1 publication Critical patent/JPWO2021124561A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7207573B2 publication Critical patent/JP7207573B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/36Removing material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B7/00Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass
    • B08B7/0035Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass by radiant energy, e.g. UV, laser, light beam or the like
    • B08B7/0042Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass by radiant energy, e.g. UV, laser, light beam or the like by laser
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/0006Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring taking account of the properties of the material involved
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/02Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
    • B23K26/06Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing
    • B23K26/0604Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing by a combination of beams
    • B23K26/0608Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing by a combination of beams in the same heat affected zone [HAZ]
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/02Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
    • B23K26/06Shaping the laser beam, e.g. by masks or multi-focusing
    • B23K26/067Dividing the beam into multiple beams, e.g. multifocusing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/352Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring for surface treatment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K2103/00Materials to be soldered, welded or cut
    • B23K2103/02Iron or ferrous alloys
    • B23K2103/04Steel or steel alloys

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Cleaning In General (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

本発明は、レーザを用いたクリーニング方法および装置に関する。
一般的に、レーザクリーニングとは、レーザ源からの出力をファイバなどで伝搬し対象に照射し、クリーニング対象物の表面におけるレーザ吸収による熱やレーザエネルギーによって表面材料を揮発・蒸発させ表面を清浄な状態にする技術である。従来のレーザクリーニングシステムの構成を図8に示す。
このシステムでは、レーザ光源201からの出力を光ファイバ202やレーザヘッド203に伝搬し、レーザヘッド203が有するレンズ系で成形してビーム206とし、このビーム206を走査して対象となる鋼材131の表面132に照射する。この照射によって、鋼材131の表面132のクリーニングを実現している。
従来、レーザビームを集光してエネルギー密度を高めることや、レーザ出力を高めること、また、レーザビームを高速に走査することで、短時間に大面積のクリーニングができるようにレーザクリーニング装置の開発が進んできた。近年のレーザ装置の大出力化やレーザ技術の普及に伴う低価格化により、レーザ技術が様々な分野で利用されるようになっている。また、レーザビームの走査方法も改良が進み、これらの背景により、レーザクリーニング技術の研究開発や応用技術の開発が盛んに進められている(非特許文献1参照)。
上述したレーザクリーニングシステムは、例えば、凹凸の激しい対象物の表面処理に活用され、食品などの製造金型に付着した食品材料の除去、美術品に付着した埃や汚れの洗浄に利用されている。また、近年、インフラ設備や工場設備の老朽化が社会問題となっており、さらに労働者人口の急激な減少が進むこともあって、従来の設備メンテナンスにおいて実施されてきた「錆落とし」の効率化や新しいツール開発としてレーザクリーニング技術に期待が寄せられている。
従来の「錆落とし」では、ディスクサンダーなどの電動工具や金ブラシなどの手工具を用いて、錆が発生している部分に手工具を当てて削り落とすような作業が実施されていた。しかしながら、手工具を当てにくい凹凸部分や手工具が届かない狭隘部の錆落としが困難であることが問題となっており、レーザを使った非接触の錆落とし技術として期待が高まっている。
「CoolLaserが挑戦する社会課題」、株式会社トヨコー、[令和01年12月9日検索]、(https://www.toyokoh.com/images/data/coollaser_pamphlet_201807.pdf)。
レーザを利用したレーザクリーニングでは、装置や装置の一部が、クリーニング対象に物理的に接することなく非接触で、清浄状態にクリーニングできる。このため、レーザクリーニングは、手工具などが入らない狭隘部の処理や、対象物の表面の凹凸形状に因らない表面クリーニングが実現できるクリーニング方法として有用であると考えられる。しかしながら、特に屋外で利用されるようなインフラ設備では、鋼材表面の汚れや錆落としは、設備劣化を防ぐ塗装を施すための表面前処理としてレーザクリーニングが利用されるが、鋼材表面の清浄度とともに塗装との相性がよいことが必要となる点において課題がある。
レーザクリーニング装置から照射されるレーザによって鋼材表面に発生した錆を除去する場合、人の目で認識できるレベルでは、清浄な状態になったように見える。しかしながら、図9に示すように、走査しているレーザ光を吸収した際に発生する熱の影響で、鋼材の表面に、厚さ数ミクロン以下の非常に薄い酸化層が形成されることが知られている。レーザクリーニングによって形成された薄い酸化層の上に塗装を施すと、塗膜を透過した水分が鋼材表面に接した場合に腐食が生成しやすく、鋼材表面の塗装前処理にレーザクリーニングを用いることが望ましくないことが判明している。
このように、レーザクリーニングでは、鋼材表面の汚れや錆を除去することができるが、クリーニングによって酸化層が形成され、この上に塗装を施すと、腐食が発生するという問題がある。
インフラ設備など大型設備では、強度の確保とコストを抑えるために一般的に鋼材が利用される。鋼材を利用した装置や設備を長い期間、安全・安心に利用するためには、鋼材の劣化を抑制することが必要であり、この対策として塗装が施される。鋼材表面に塗装を施すにあたり、鋼材表面をクリーニングするが、前述したようにレーザクリーニングを行うと鋼材表面に酸化層が形成され、これが問題となる。形成された酸化層の上に塗装を施すと、前述したように塗膜と鋼材表面との間で錆が発生する場合がある。このように錆が発生すると、錆による体積の膨張によって塗膜に亀裂が生じ、また、塗膜が剥離しやすくなるなど、塗装機能が維持しにくいという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、鋼材の表面のレーザクリーニングにおける、鋼材表面における酸化層の形成の抑制を目的とする。
本発明に係るクリーニング方法は、鋼材の表面に向けて第1レーザ光を照射して、鋼材の表面を清浄化する第1工程と、第1工程の後で、鋼材の表面に向けて第2レーザ光を照射して、第1レーザ光の照射により鋼材の表面に形成された酸化層を除去する第2工程とを備え、第2工程では、前記第2レーザ光を照射する前に、酸素を含まない不活性ガスを前記鋼材の表面に吹き付けて冷却する。
また、本発明に係るクリーニング装置は、クリーニング対象の鋼材の表面の錆が除去可能なパワーの第1レーザ光を出力する第1レーザ源と、第1レーザ光より小さいパワーの第2レーザ光を出力する第2レーザ源と、第1レーザ光と、第2レーザ光とを切り替えて鋼材の表面に向けて出射し、出射するレーザ光を走査するレーザヘッドと、第1レーザ源より出射された第1レーザ光をレーザヘッドに導く第1光ファイバと、第2レーザ源より出射された第2レーザ光をレーザヘッドに導く第2光ファイバとを備え、鋼材の表面に気体または水を吹き付けて鋼材の表面を冷却する冷却機構をさらに備え冷却機構は、第2レーザ光を照射する前に、酸素を含まない不活性ガスを鋼材の表面に吹き付け冷却する。
以上説明したように、本発明によれば、鋼材の表面に向けて第2レーザ光を照射して、第1レーザ光の照射により鋼材の表面に形成された酸化層を除去するので、鋼材の表面のレーザクリーニングにおける、鋼材表面における酸化層の形成が抑制できる。
図1は、本発明の実施の形態に係るクリーニング方法を説明するためのフローチャートである。 図2は、本発明の実施の形態に係るクリーニング装置の構成を示す構成図である。 図3Aは、クリーニング前の鋼材の表面を実体顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 図3Bは、クリーニング前の鋼材の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 図4Aは、第1工程により鋼材表面に形成された酸化層の表面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 図4Bは、第1工程により表面に酸化層が形成された鋼材の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 図5Aは、第2工程の後の鋼材の表面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 図5Bは、第2工程の後の鋼材の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 図5Cは、第2工程の後の鋼材の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 図6は、本発明の実施の形態に係る他のクリーニング装置の構成を示す構成図である。 図7Aは、レーザビームの強度分布について説明する説明図である。 図7Bは、レーザビームの強度分布について説明する説明図である。 図8は、従来のレーザクリーニング装置の構成を示す構成図である。 図9は、レーザクリーニングの状態を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施の形態に係るクリーニング方法について図1を参照して説明する。このクリーニング方法は、まず、第1工程S101で、クリーニング対象の鋼材の表面に向けて第1レーザ光を照射して、鋼材の表面を清浄化する。例えば、レーザ源より出力されたパルスレーザ光(またはCWレーザ光)を、所定の光学系を用いてビームとした第1レーザ光を、クリーニング対象の鋼材の表面に向けて照射する。この処理により、鋼材表面の錆や汚れを除去する。この工程は、従来一般的に実施されているレーザクリーニングの処理と同様である。
第1工程では、簡単に除去することのできるような汚れに限らず、除去が容易ではない錆も除去できるような高いレーザ出力が必要となる。この、第1レーザ光のレーザ出力は、大きく設定することになる。このため、第1工程では、鋼材表面に酸化層が生成する。
次に、第2工程S102で、鋼材の表面に向けて第2レーザ光を照射して、第1レーザ光の照射により鋼材の表面に形成された酸化層を除去する。この工程では、鋼材の表面に新たな酸化層が形成されない範囲のパワーの第2レーザ光を照射して、鋼材の表面に形成された酸化層を除去する。例えば、レーザ源より出力されたパルスレーザ光(またはCWレーザ光)を、所定の光学系を用いてビームとした第2レーザ光を、第1工程の処理により酸化層が形成されている鋼材の表面に向けて照射する。
ここで、上述した第1工程において、鋼材の表面に気体または水を吹き付けて冷却した状態で、第1レーザ光の照射を実施することができる。クリーニング対象の鋼材表面を、冷却により所定の温度状態としておくことで、酸化層がより均一な厚さで形成される状態とすることができる。また、第2工程においても、鋼材の表面に気体または水を吹き付けて冷却した状態で、第2レーザ光の照射を実施することができる。特に、第2工程においては、新たな酸化層の形成を抑制することが重要であり、既に形成されている酸化層を迅速に除去するとともに、新たな酸化層の形成を抑制するために、上述した冷却は有用である。例えば、23℃の窒素ガスを、鋼材の表面に吹き付けることで、鋼材表面を冷却することができる。
また、第1工程の後、設定されている時間が経過してから第2工程を実施することもできる。このように、第1工程の後、設定されている時間を空けて第2工程を実施することで、第1レーザ光の照射により加熱している鋼材の表面が冷却されてから、第2工程を実施できる。設定時間は、処理対象の鋼材の状態に適合させて適宜に決定する。
次に、本発明の実施の形態に係るクリーニング装置について、図3を参照して説明する。このクリーニング装置は、第1レーザ源101、第2レーザ源102、第1光ファイバ103、第2光ファイバ104、およびレーザヘッド105を備える。
第1レーザ源101は、クリーニング対象の鋼材131の表面132の錆や汚れが除去可能なパワーの第1レーザ光を出力する。第2レーザ源102は、第1レーザ光より小さいパワーの第2レーザ光を出力する。第2レーザ源102は、鋼材131の表面132に新たな酸化層が形成されない範囲のパワーの第2レーザ光を出力する。第1レーザ源101,第2レーザ源102は、例えば、よく知られたパルスレーザ装置から構成することができる。また、第1レーザ源101,第2レーザ源102は、CWレーザ装置から構成することができる。
レーザヘッド105には、第1光ファイバ103により、第1レーザ源101より出射された第1レーザ光が導かれ、第2光ファイバ104により、第2レーザ源102より出射された第2レーザ光が導かれる。レーザヘッド105は、このように導かれた第1レーザ光と、第2レーザ光とを切り替えて、鋼材131の表面132に向けて出射することが可能とされている。また、レーザヘッド105は、出射するレーザビーム106を走査することができる。
また、このクリーニング装置は、鋼材131の表面132に気体または水を吹き付けて鋼材131の表面132を冷却する冷却機構107を備える。
インフラ設備など大型設備では、強度の確保とコストを抑えるために、一般的に鋼材が利用される。鋼材を利用した装置や設備を長い期間、安全・安心に利用するためには、鋼材の劣化を抑制することが必要であり、この対策として塗装が施される。前述したように鋼材に対してレーザクリーニングを行うと、鋼材の表面に酸化層が形成され、形成された酸化層の上に塗装を施して塗膜直下で錆が発生すると、錆による体積の膨張によって塗膜に亀裂が生じたり塗膜が剥離しやすくなったりし、塗装機能が維持しにくいという問題がある。
鋼材表面の錆や、錆の凹凸に付着したゴミや埃、砂などが付着して局所的な熱容量の違いや露出している材料の違い(表面材料の吸収特性の違い)によらず、レーザ光の吸収によって、錆や汚れなどが焼けたり蒸発したりすることによって、鋼材表面のクリーニングが実現されている。効率的な鋼材表面のクリーニングのために、レーザ光の出力を大きくしているため、クリーニング後の鋼材表面に酸化物の層が形成されることが判明している。また、形成される酸化層には、亀裂が発生していることも確認されている。
これは、レーザ光の照射によって高温となっている鋼材表面が、レーザ光の照射がなくなると急峻に冷却され、この時の鋼材と酸化層との線膨張係数の違いによって、各々の体積収縮率が異なることが、上述した亀裂の原因となっているものと推定される。このような亀裂の箇所は、塗装が入らず空隙となり、塗装後の塗膜を透過した水分が亀裂部分に滲入する状態となる。このように亀裂に水が滲入すると、酸化層と鋼材との界面に水が介在する状態となり、電池が形成され、鋼材が溶け出して腐食が発生することが懸念される。従って、酸化層の除去は、鋼材に塗膜を形成する上で重要である。
実施の形態の処理において、第1工程で鋼材表面の汚れや錆を除去した後、第2工程で鋼材表面の酸化層を除去することで、鋼材の表面に残存する酸化層がなくなれば、上述した酸化層の亀裂の問題は発生しない。また、酸化層の除去により鋼材の表面に残存する酸化層が、厚さ数名nm程度と極力薄くできれば、亀裂が入ったとしても、この亀裂は極めて浅いため、塗装を施せば塗膜の樹脂で充填される。この結果、亀裂の部分に空隙が形成されることがなく、上述した腐食の発生は起きない。
次に、実施の形態に係るクリーニング方法を実施した実験の結果について説明する。まず、図3Aに、クリーニング前の鋼材の表面を実体顕微鏡で観察した結果を示す。また、図3AのAA’線の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を、図3Bに示す。これらに示されているように、鋼材の表面に錆が発生し数10μmに及ぶ凹凸が生じている。
図4Aは、第1工程により鋼材表面に形成された酸化層の表面を、走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す。また、図4AのAA’線の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を、図4Bに示す。形成された酸化層の表面には、非常に激しく凹凸が発生している。レーザ照射により瞬間的に溶けた鋼材が、平滑な状態に落ち着く前に突起状のまま固化している様子がわかる。また、図4Bに示すように、比較的厚く酸化層が形成され、さらにところどころ亀裂が生成している様子が確かめられる。
図5Aは、第1工程の後、第2工程により鋼材表面に形成された酸化層を除去した状態を、走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す。また、図5AのAA’線の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を、図5Bに示す。酸化層が薄くなり、表面観察では、亀裂が確認されない。第2工程により、第1工程で形成された酸化層が除去できることが確認された。また、第2工程における第2レーザ光の出力を制御することで、図5Cに示すように、第1工程で形成された酸化層のみの除去が可能であることが確認された。図5Cは、鋼材の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示している。
また、上述した実験を実施する過程で、クリーニングにおいては、各工程におけるレーザ照射前の、クリーニング対象の鋼材表面の温度を制御することが重要であることが判明した。特に、第2工程において、第2レーザ光を照射する前に、N2などの酸素を含まない不活性ガスを吹き付けて冷却することで、鋼材表面に新たな酸化層が形成されることが抑制できる。
次に、本発明の実施の形態に係る他のクリーニング装置について、図6を参照して説明する。このクリーニング装置は、レーザ光源111、分波器112、第1光ファイバ103、第2光ファイバ104、第1レーザヘッド115a、および第2レーザヘッド115bを備える。分波器112は、レーザ光源111から出力されたレーザ光を、透過する第1レーザ光と反射する第2レーザ光とに分波する。分波器112は、例えば、入射したレーザ光の80%を透過し、20%を反射する。従って、第1レーザ光に対し、第2レーザ光は、出力が4分の1となる。これらの割合は、適宜に設定する。分波器112は、例えば、偏光ビームスプリッタや、ミラーなどから構成することができる。
分波器112で分波した第1レーザ光は、第1光ファイバ103により第1レーザヘッド115aに導かれる。分波器112で分波した第2レーザ光は、第2光ファイバ104により第2レーザヘッド115bに導かれる。第1レーザヘッド115a、第2レーザヘッド115bは、出射するレーザ光を走査することができる。
第1レーザヘッド115aより第1レーザ光116aを出射し、第2レーザヘッド115bより第2レーザ光116bを出射し、各レーザヘッドを走査して、各レーザ光が鋼材に照射される位置をずらし、各レーザ光(レーザビーム)の照射タイミングを変えながら実験を実施した。この結果、第1レーザ光116aを照射した後、約2分後に第2レーザ光116bを照射することで、汚れや錆が除去できるとともに、酸化層がほとんど除去できた。このクリーニング装置は、1つのレーザ光源111で構成可能であり、装置の低コスト化に有利である。
ところで、レーザ光の照射位置の温度制御精度を高めるために、レーザビームのパターン制御を行うことが考えられる。通常のレーザビームは、ビーム径方向において、ビーム中心が最も強度が高く、ビームの外側にいくにしたがって強度が下がるようなガウシアン分布を示す(図7A)。これに対し、光学系におけるレンズの組み合わせや回折素子を利用することによって、ビーム全体の強度分布を制御することで、ビーム径方向に強度がほぼ均一なトップハット型の分布とすることができる(図7B)。
レーザヘッドの光学系に、例えば、回折素子などを組み込み、レーザビームのパターンを、上述したようなトップハット型の分布とすることで、レーザビームが照射された鋼材表面の熱均一性を高め、レーザクリーニング後の表面平坦性を高めることが可能となる。なお、上述した実施の形態では、回折素子などを組み込んでレーザビームのパターンをトップハット型の分布とする例を示したが、これに限るものではない。例えば、ビーム端からの放熱によって温度が低下することを勘案し、ビーム端に強度分布の高い領域を作るなど、レーザビームのパターンは、任意の形状にすることもできる。
以上に説明したように、本発明によれば、鋼材の表面に向けて第2レーザ光を照射して、第1レーザ光の照射により鋼材の表面に形成された酸化層を除去するので、鋼材の表面のレーザクリーニングにおける、鋼材表面における酸化層の形成が抑制できる。
本発明によれば、従来のレーザクリーニングに比較し、鋼材表面の錆や汚れを単に落とせるだけでなく、レーザクリーニング時に発生する熱影響による鋼材表面の酸化層の最小化もしくは除去が実現でき、塗装との長期的な相性を持続させる特性を引き出すことができる。これは、従来の鋼材表面処理で利用されているようなブラストや電動手工具を利用したケレン作業と同様の鋼材表面処理である2種ケレン相当の表面処理に相当すると考えられる。その効果を検証するために、それぞれのサンプルを塗装し複合サイクル試験を実施したところ、試験実施前と複合サイクル2000時間を実施した前後で、図5Bに示した状態としたクリーニング結果が、密着強度の劣化がほとんどないことを確認した。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…第1レーザ源、102…第2レーザ源、103…第1光ファイバ、104…第2光ファイバ、105…レーザヘッド、106…レーザビーム、107…冷却機構、131…鋼材、132…表面。

Claims (6)

  1. 鋼材の表面に向けて第1レーザ光を照射して、前記鋼材の表面を清浄化する第1工程と、
    前記第1工程の後で、前記鋼材の表面に向けて第2レーザ光を照射して、前記第1レーザ光の照射により前記鋼材の表面に形成された酸化層を除去する第2工程と
    を備え
    前記第2工程では、前記第2レーザ光を照射する前に、酸素を含まない不活性ガスを前記鋼材の表面に吹き付けて冷却するクリーニング方法。
  2. 請求項1記載のクリーニング方法において、
    前記第1工程の後、設定されている時間が経過してから前記第2工程を実施することを特徴とするクリーニング方法。
  3. 請求項1または2記載のクリーニング方法において、
    前記第1工程は、前記鋼材の表面に気体または水を吹き付けて冷却した状態で、前記第1レーザ光の照射を実施し、
    前記第2工程は、前記鋼材の表面に気体または水を吹き付けて冷却した状態で、前記第2レーザ光の照射を実施する
    ことを特徴とするクリーニング方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のクリーニング方法において、
    前記第2工程は、前記鋼材の表面に新たな酸化層が形成されない範囲のパワーの前記第2レーザ光を照射して、前記鋼材の表面に形成された酸化層を除去する
    ことを特徴とするクリーニング方法。
  5. クリーニング対象の鋼材の表面の錆が除去可能なパワーの第1レーザ光を出力する第1レーザ源と、
    前記第1レーザ光より小さいパワーの第2レーザ光を出力する第2レーザ源と、
    前記第1レーザ光と、前記第2レーザ光とを切り替えて前記鋼材の表面に向けて出射し、出射するレーザ光を走査するレーザヘッドと、
    前記第1レーザ源より出射された前記第1レーザ光を前記レーザヘッドに導く第1光ファイバと、
    前記第2レーザ源より出射された前記第2レーザ光を前記レーザヘッドに導く第2光ファイバと
    を備え
    前記鋼材の表面に気体または水を吹き付けて前記鋼材の表面を冷却する冷却機構をさらに備え
    前記冷却機構は、前記第2レーザ光を照射する前に、酸素を含まない不活性ガスを前記鋼材の表面に吹き付け冷却す
    るクリーニング装置。
  6. 請求項5記載のクリーニング装置において、
    前記第2レーザ源は、前記鋼材の表面に新たな酸化層が形成されない範囲のパワーの前記第2レーザ光を出力する
    ことを特徴とするクリーニング装置。
JP2021565296A 2019-12-20 2019-12-20 クリーニング方法および装置 Active JP7207573B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/050146 WO2021124561A1 (ja) 2019-12-20 2019-12-20 クリーニング方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021124561A1 JPWO2021124561A1 (ja) 2021-06-24
JP7207573B2 true JP7207573B2 (ja) 2023-01-18

Family

ID=76478414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021565296A Active JP7207573B2 (ja) 2019-12-20 2019-12-20 クリーニング方法および装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20230010203A1 (ja)
JP (1) JP7207573B2 (ja)
WO (1) WO2021124561A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113787060B (zh) * 2021-09-07 2022-11-11 高峰 钢板表面处理装置及钢板表面处理方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000052081A (ja) 1998-08-05 2000-02-22 Hitachi Zosen Corp レーザー切断方法および装置
JP2007075876A (ja) 2005-09-16 2007-03-29 Koike Sanso Kogyo Co Ltd レーザ切断方法
JP2017225994A (ja) 2016-06-22 2017-12-28 三菱重工業株式会社 レーザ加工装置およびレーザ加工方法
JP2019076915A (ja) 2017-10-23 2019-05-23 株式会社トヨコー 表面処理方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01122684A (ja) * 1987-11-06 1989-05-15 Hitachi Ltd レーザ溶接方法、及びレーザ溶接装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000052081A (ja) 1998-08-05 2000-02-22 Hitachi Zosen Corp レーザー切断方法および装置
JP2007075876A (ja) 2005-09-16 2007-03-29 Koike Sanso Kogyo Co Ltd レーザ切断方法
JP2017225994A (ja) 2016-06-22 2017-12-28 三菱重工業株式会社 レーザ加工装置およびレーザ加工方法
JP2019076915A (ja) 2017-10-23 2019-05-23 株式会社トヨコー 表面処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021124561A1 (ja) 2021-06-24
JPWO2021124561A1 (ja) 2021-06-24
US20230010203A1 (en) 2023-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210053160A1 (en) Method and System for Ultrafast Laser-based Material Removal, Figuring and Polishing
TWI742076B (zh) 從透明基板雷射切割及移除輪廓形狀
KR101753184B1 (ko) 투명 재료 내에 레이저 필라멘테이션을 형성하기 위한 시스템
Madhukar et al. Effect of laser operating mode in paint removal with a fiber laser
JP2011056544A5 (ja)
CA2604641A1 (en) Method for finely polishing/structuring thermosensitive dielectric materials by a laser beam
CN109821823A (zh) 一种co2激光/纳秒脉冲激光复合清洗方法
JP2010142862A (ja) 誘電体材料表面のナノ周期構造形成方法
JP7207573B2 (ja) クリーニング方法および装置
JP7343747B2 (ja) レーザクリーニング装置
WO2012050098A1 (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法
CN111945153A (zh) 一种金属表面多源激光多通道一体化修复方法
JP2013078780A (ja) レーザ加工装置
JP2024042358A (ja) 表面処理方法
TWI716589B (zh) 脆性材料基板之分斷方法及分斷裝置
TWI618323B (zh) Laser processing device
JP3886756B2 (ja) レーザ割断方法およびその方法を使用したレンズまたはレンズ型を製造する方法ならびにその製造方法によって成形されたレンズ、レンズ型
JP2008211177A (ja) 選択的深さでの光学的処理
Zimmer et al. Backside etching of fused silica with Nd: YAG laser
JP5385999B2 (ja) レーザ加工方法
JP5625184B2 (ja) チップの製造方法
JP6944703B2 (ja) 脆性材料基板の改質層形成方法
JP5143222B2 (ja) レーザ加工方法
Hélie et al. Micromachining of thin glass plates with a femtosecond laser
JP2005224827A (ja) レーザ加工方法及びレーザ加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7207573

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150