JP7207267B2 - 駆動力表示装置 - Google Patents

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本発明は、車両の駆動輪に配分されるトルクまたは駆動力を表示する駆動力表示装置に関する。
特許文献1には、車両の駆動輪に配分されるトルクの大きさを表示する表示部を備えるトルク表示装置が開示されている。このトルク表示装置では、アクセルペダルとブレーキペダルの双方が操作されているときには、表示部を点灯するように構成されている。
特開2018-122857号公報
手動変速機を備える車両では、減速中のシフトダウンのように、機関回転数を上昇させた状態で変速操作を行う場合に、ブレーキペダルを操作している状態でアクセルペダルを操作することがある。この場合に特許文献1に開示されているトルク表示装置のように表示部が点灯されると、減速中であり駆動輪にトルクが伝達されていないにもかかわらずアクセルペダルの操作に応じてトルクが増大しているように表示部が点灯され、車両の運転者に違和感を与えるおそれがある。
上記課題を解決するための駆動力表示装置は、内燃機関と、手動変速機と、前記内燃機関と前記手動変速機との間に配置されているクラッチと、を有する車両に適用され、車両の駆動輪に配分される駆動輪トルクの大きさまたは駆動力の大きさを表示する表示部と、前記内燃機関から供給されるエンジントルクおよび前記手動変速機の変速比に基づいて導出される前記駆動輪トルクまたは前記駆動力を用いて、前記駆動輪トルクまたは前記駆動力が大きいほど前記表示部における表示量を多くする制御装置と、を備え、前記制御装置は、アクセル操作部材が操作されている状態からブレーキ操作部材の操作が開始されて前記アクセル操作部材および前記ブレーキ操作部材が同時に操作されている状態になっている場合には、前記駆動輪トルクまたは前記駆動力の大きさに基づいて前記表示部を点灯させる一方で、前記ブレーキ操作部材が操作されている状態から前記アクセル操作部材の操作が開始されて前記アクセル操作部材および前記ブレーキ操作部材が同時に操作されている状態になっている場合には、前記表示部を消灯させることをその要旨とする。
上記構成によれば、アクセル操作部材およびブレーキ操作部材が同時に操作されている状態を、操作の順番によって切り分け、表示部を点灯または消灯させることができる。ブレーキ操作部材が先に操作されているときには表示部が消灯されるため、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
駆動力表示装置の一実施形態を備える車両を示す模式図。 同実施形態にかかる駆動力表示装置の模式図。 同実施形態にかかる駆動力表示装置の制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャート。 同実施形態にかかる駆動力表示装置の制御装置における操作判定部が実行する処理の流れを示すフローチャート。
以下、駆動力表示装置の一実施形態について、図1~図4を参照して説明する。
図1は、駆動力表示装置10を備える車両90を示している。車両90は、走行用の駆動力源として内燃機関91を備えている。車両90は、左前輪71、右前輪72、左後輪73および右後輪74に対して内燃機関91から出力される駆動力を配分して伝達する四輪駆動車である。左前輪71、右前輪72、左後輪73および右後輪74は、車両90の駆動輪である。
車両90は、内燃機関91から駆動輪71~74への動力伝達経路に、運転者の操作によって変速段を変更可能な手動変速機93を備えている。車両90は、内燃機関91と手動変速機93との間に配置されているクラッチ92を備えている。クラッチ92は、クラッチペダルを介して運転者による操作が可能である。クラッチ92が係合されているときには、内燃機関91から手動変速機93にクラッチ92を通じて駆動力が伝達される。クラッチ92が離間しているときには、内燃機関91から手動変速機93への駆動力の伝達が遮断される。
車両90は、手動変速機93の出力側と連結されているフロントデファレンシャル94を備えている。フロントデファレンシャル94には、前輪車軸81を介して左前輪71および右前輪72が連結されている。フロントデファレンシャル94は、前輪である左前輪71と右前輪72との間で回転数差が生じることを許容する。
車両90は、トランスファ95と、プロペラシャフト96と、を備えている。プロペラシャフト96は、車両90の前後方向に延びるように配置されている。トランスファ95は、入力側がフロントデファレンシャル94と連結されており、出力側がプロペラシャフト96と連結されている。トランスファ95およびプロペラシャフト96によって、内燃機関91から出力された駆動力が後輪側に伝達される。
車両90は、リアデファレンシャル98を備えている。リアデファレンシャル98には、後輪車軸82を介して左後輪73および右後輪74が連結されている。リアデファレンシャル98は、後輪である左後輪73と右後輪74との間で回転数差が生じることを許容する。
車両90は、プロペラシャフト96とリアデファレンシャル98とを連結する電子制御カップリング97を備えている。電子制御カップリング97は、後輪に配分する駆動力を変更することができる。電子制御カップリング97は、車両ECU100によって制御される。
車両ECU100は、車両90を制御する電子制御装置である。車両ECU100には、車両90が備える各種センサからの検出信号が入力される。図1には、各種センサの例として、アクセルペダルセンサ61、ブレーキペダルセンサ62、車輪速センサ63および機関回転数センサ64を示している。なお、車輪速センサ63は、車両90の各車輪にそれぞれ設けられている。
車両ECU100は、アクセルペダルセンサ61からの検出信号に基づいて、車両90が備えるアクセルペダルの操作量を導出する。アクセルペダルは、車両を走行させるために運転者によって操作可能なアクセル操作部材の一例である。車両ECU100は、ブレーキペダルセンサ62からの検出信号に基づいて、車両90が備えるブレーキペダルの操作量を導出する。ブレーキペダルは、車両に制動力を付与するために運転者によって操作可能なブレーキ操作部材の一例である。
車両ECU100は、車輪速センサ63からの検出信号に基づいて、各車輪の回転速度として車輪速度をそれぞれ導出する。車両ECU100は、機関回転数センサ64からの検出信号に基づいて、内燃機関91の回転数である機関回転数NEを導出する。
車両ECU100は、機関回転数NE等に基づいて、内燃機関91から供給されるエンジントルクを導出する。車両ECU100は、エンジントルク、手動変速機93の変速比、フロントデファレンシャル94のギヤ比、トランスファ95のギヤ比およびリアデファレンシャル98のギヤ比等に基づいて、すべての駆動輪71~74に伝達する駆動力の和である総駆動力Taと、左後輪73および右後輪74に伝達する駆動力の和である後輪駆動力Trと、を導出する。車両ECU100は、導出した後輪駆動力Trが左後輪73および右後輪74に伝達されるように、電子制御カップリング97を制御する。
車両ECU100は、駆動力表示装置10を構成する制御装置30を備えている。なお、車両ECU100および制御装置30は、以下(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備える。プロセッサは、CPU並びに、RAMおよびROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。(b)各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備える。専用のハードウェア回路は、たとえば、特定用途向け集積回路すなわちASIC(Application Specific Integrated Circuit)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等である。(c)各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうち残りの処理を実行する専用のハードウェア回路と、を備える。
車両90は、駆動力表示装置10を構成するディスプレイ11を備えている。ディスプレイ11は、車両90の車室内に配置されている。ディスプレイ11は、映像を表示可能な装置であり、制御装置30によって表示が制御される。
図2を用いて、駆動力表示装置10について説明する。図2に示すように、ディスプレイ11上には、車両90を模した模擬車両図12が表示されている。模擬車両図12は、車両90を斜め後方から視た斜視図に相当する。
ディスプレイ11には、左前輪71に伝達される駆動力の大きさ、または左前輪71の回転トルクの大きさを表示する第1表示部21が設けられている。第1表示部21は、点灯および消灯が可能なセグメントを五個で一組とした第1セグメント21Sを有している。駆動力または回転トルクが大きいほど第1セグメント21Sの点灯数が多くされる。第1セグメント21Sは、下側のセグメントから順に点灯される。図2には、第1セグメント21Sにおいて二個のセグメントが点灯している例を示している。
左前輪71に対応する第1表示部21と同様に、ディスプレイ11には、右前輪72に伝達される駆動力の大きさ、または右前輪72の回転トルクの大きさを表示する第2表示部22が設けられている。第2表示部22は、点灯および消灯が可能なセグメントを五個で一組とした第2セグメント22Sを有している。ディスプレイ11には、左後輪73に伝達される駆動力の大きさ、または左後輪73の回転トルクの大きさを表示する第3表示部23が設けられている。第3表示部23は、点灯および消灯が可能なセグメントを五個で一組とした第3セグメント23Sを有している。ディスプレイ11には、右後輪74に伝達される駆動力の大きさ、または右後輪74の回転トルクの大きさを表示する第4表示部24が設けられている。第4表示部24は、点灯および消灯が可能なセグメントを五個で一組とした第4セグメント24Sを有している。
上記各駆動輪71~74の回転トルクは、各駆動輪71~74に配分される駆動輪トルクに相当する。第1セグメント21Sにおけるセグメントの点灯数は、表示部における表示量に対応する。第2セグメント22S~第4セグメント24Sについても同様に、それぞれのセグメントの点灯数が各表示部の表示量に対応する。
図2に示すように、制御装置30は、機能部として、表示制御部31と駆動力導出部32と操作判定部33とを備えている。
駆動力導出部32は、車両ECU100によって導出される総駆動力Taおよび後輪駆動力Trに基づいて、前輪に伝達される駆動力の割合と後輪に伝達される駆動力の割合とを導出し、表示用の前輪トルクTf*および後輪トルクTr*を導出する。駆動力導出部32は、駆動力導出部32に記憶されている点灯マップを参照して、各表示部21~24において点灯するセグメントの数を決定する。点灯マップには、前輪トルクTf*または後輪トルクTr*と、セグメントの点灯数と、の関係が設定されている。駆動力導出部32は、前輪トルクTf*とセグメントの点灯数との関係に基づいて、第1表示部21および第2表示部22におけるセグメントの点灯数を決定する。駆動力導出部32は、後輪トルクTr*とセグメントの点灯数との関係に基づいて、第3表示部23および第4表示部24におけるセグメントの点灯数を決定する。点灯マップに設定されている関係では、前輪トルクTf*または後輪トルクTr*が大きいほどセグメントの点灯数が多くなっている。
表示制御部31は、駆動力導出部32が決定するセグメントの点灯数に基づいて、第1表示部21~第4表示部41の各セグメントを点灯させる信号を出力する。詳しくは後述するが、表示制御部31は、ブレーキペダルが操作されているときには、セグメントを消灯させる信号を出力することもある。
操作判定部33は、アクセルペダルセンサ61およびブレーキペダルセンサ62からの検出信号に基づいて、アクセルペダルおよびブレーキペダルの操作状態を判定する。判定結果に応じて、操作判定部33は、点灯優先フラグをオンまたはオフにセットする。点灯優先フラグの詳細については後述する。
図3および図4を用いて、各表示部21~24における表示量が設定される処理の流れについて説明する。
図3は、制御装置30が実行する処理ルーチンを示す。制御装置30は、所定の周期毎に本処理ルーチンを繰り返し実行する。
本処理ルーチンを開始すると、まず、ステップS101において、制御装置30は、ブレーキがON状態であるか否かを表示制御部31に判定させる。ブレーキペダルセンサ62からの検出信号に基づいてブレーキペダルが踏み込まれていることが検出されている場合、表示制御部31は、ブレーキがON状態であると判定する。ブレーキペダルが踏み込まれていることが検出されない場合、表示制御部31は、ブレーキがON状態ではないと判定する。
ステップS101においてブレーキがON状態である場合(S101:YES)、制御装置30は、処理をステップS102に移行する。ステップS102では、制御装置30は、点灯優先フラグがオンであるか否かを表示制御部31に判定させる。点灯優先フラグは、後述する図4に示す処理ルーチンによってオンまたはオフがセットされる。点灯優先フラグは、ブレーキがON状態である場合に当該フラグがオンであればセグメントが点灯され、ブレーキがON状態である場合に当該フラグがオフであればセグメントが消灯されるフラグである。点灯優先フラグがオフである場合(S102:NO)、制御装置30は、処理をステップS107に移行する。ステップS107では、制御装置30は、表示制御部31に消灯要求を出力させる。表示制御部31は、ディスプレイ11に対して、表示部21~24におけるすべてのセグメントを消灯する信号を出力する。この結果、表示部21~24におけるすべてのセグメントが消灯される。消灯要求を出力させた後、制御装置30は、本処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS102において、点灯優先フラグがオンである場合(S102:YES)、制御装置30は、処理をステップS103に移行する。また、制御装置30は、ステップS101においてブレーキがON状態ではない場合(S101:NO)にも、処理をステップS103に移行する。すなわち、ステップS101においてブレーキがON状態ではない場合には、ステップS102の処理が実行されない。
ステップS103では、制御装置30は、駆動力導出部32に前輪トルクTf*を導出させる。その後、制御装置30は、処理をステップS104に移行し、駆動力導出部32に後輪トルクTr*を導出させる。その後、制御装置30は、処理をステップS105に移行する。
ステップS105では、制御装置30は、駆動力導出部32に各表示部21~24における表示量を設定させる。すなわち、駆動力導出部32は、前輪トルクTf*、後輪トルクTr*および点灯マップに基づいて各表示部21~24におけるセグメントの点灯数を決定する。その後、制御装置30は、処理をステップS106に移行する。
ステップS106では、制御装置30は、表示制御部31に点灯要求を出力させる。表示制御部31は、ディスプレイ11に対して、ステップS105において決定された数のセグメントを点灯する信号を出力する。この結果、表示部21~24においてセグメントが点灯される。点灯要求を出力させた後、制御装置30は、本処理ルーチンを終了する。
図4は、操作判定部33が実行する処理ルーチンを示す。操作判定部33は、所定の周期毎に本処理ルーチンを繰り返し実行する。
本処理ルーチンを開始すると、まず、ステップS201において、操作判定部33は、アクセルペダルとブレーキペダルとが同時に操作されているか否かを判定する。アクセルペダルセンサ61からの検出信号に基づいてアクセルペダルが踏み込まれていることが検出されており、且つ、ブレーキペダルセンサ62からの検出信号に基づいてブレーキペダルが踏み込まれていることが検出されている場合、操作判定部33は、アクセルペダルとブレーキペダルとが同時に操作されていると判定する。アクセルペダルまたはブレーキペダルのうち一方の操作が検出されていない場合、および、アクセルペダルおよびブレーキペダルの操作が検出されていない場合には、操作判定部33は、アクセルペダルとブレーキペダルとが同時に操作されていないと判定する。
なお、アクセルペダルに関して、アクセルペダルの操作量に規定の閾値を設定して、操作量が閾値以上になったときにアクセルペダルの操作が開始されたと判定することもできる。この場合、操作判定部33は、操作量が閾値以上である場合にアクセルペダルが操作されていると判定し、アクセルペダルの踏み込みに応じてアクセルペダルの操作量が「0」より大きくなっていても操作量が閾値未満である場合にはアクセルペダルが操作されていないと判定する。ブレーキペダルについても同様に、操作量に対する閾値を設定してもよい。
ステップS201において、アクセルペダルとブレーキペダルとが同時に操作されていない場合(S201:NO)、操作判定部33は、処理をステップS204に移行する。ステップS204では、操作判定部33は、点灯優先フラグをオフにする。その後、操作判定部33は、本処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS201において、アクセルペダルとブレーキペダルとが同時に操作されている場合(S201:YES)、操作判定部33は、処理をステップS202に移行する。
ステップS202では、操作判定部33は、アクセルペダルがON状態であるときにブレーキペダルの操作が開始されたか否かを判定する。ブレーキペダルの操作が検出されている状態からアクセルペダルの操作が開始されて、アクセルペダルおよびブレーキペダルが同時に操作されている状態になっている場合(S202:NO)、操作判定部33は、処理をステップS204に移行する。ステップS204では、操作判定部33は、点灯優先フラグをオフにする。その後、操作判定部33は、本処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS202において、アクセルペダルの操作が検出されている状態からブレーキペダルの操作が開始されて、アクセルペダルおよびブレーキペダルが同時に操作されている状態になっている場合(S202:YES)、操作判定部33は、処理をステップS203に移行する。ステップS203では、操作判定部33は、点灯優先フラグをオンにする。その後、操作判定部33は、本処理ルーチンを終了する。
本実施形態の作用について説明する。
駆動力表示装置10では、ブレーキペダルが操作されていない場合(S101:NO)には、各表示部21~24のセグメントが点灯される(S106)。このとき、各表示部21~24におけるセグメントの点灯数は、エンジントルクおよび手動変速機93の変速比等を用いて導出される総駆動力Taおよび後輪駆動力Trに基づいて、駆動力導出部32によって決定される(S103~S105)。
さらに、駆動力表示装置10では、アクセルペダルの操作が検出されている状態からブレーキペダルの操作が開始されて、アクセルペダルおよびブレーキペダルが同時に操作されている状態になっている場合には、点灯優先フラグがオンにされ(S203)、駆動力導出部32によって決定される数のセグメントが点灯される(S106)。
一方、ブレーキペダルの操作が検出されている状態からアクセルペダルの操作が開始されて、アクセルペダルおよびブレーキペダルが同時に操作されている状態になっている場合には、点灯優先フラグがオフにされ(S204)、すべてのセグメントが消灯される(S107)。
すなわち、駆動力表示装置10では、アクセルペダルおよびブレーキペダルが同時に操作されている状態が、操作の順番によって切り分けられる。そして、アクセルペダルの操作が先に開始されている場合には、セグメントが点灯され、ブレーキペダルの操作が先に開始されている場合には、セグメントが消灯される。
本実施形態の効果について説明する。
(1)アクセルペダルおよびブレーキペダルが同時に操作されている状態を、操作の順番によって切り分け、表示部21~24のセグメントを点灯または消灯させることができる。具体的には、ブレーキペダルが先に操作されているときには表示部21~24のセグメントが消灯される。このため、たとえば減速中のシフトダウンのように、機関回転数NEを上昇させた状態で変速操作を行い、ブレーキペダルを操作している状態でアクセルペダルを操作する場合には、セグメントが点灯しない。これによって、減速中であり駆動輪71~74に駆動力が伝達されていないにもかかわらずセグメントが点灯することを抑制でき、運転者に違和感を与えにくくなる。
(2)アクセルペダルが先に操作されて、アクセルペダルおよびブレーキペダルが同時に操作されている状態になっている場合には、表示部21~24のセグメントが点灯される。このため、駆動輪71~74に駆動力を伝達させているにもかかわらずセグメントが消灯することを抑制でき、運転者に違和感を与えにくくなる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、第1表示部21における第1セグメント21Sのように、五個のセグメントを一組として表示部を構成している。一組とするセグメントの数は、四個以下でもよいし、六個以上でもよい。
・上記実施形態では、各表示部21~24が備えるセグメントの点灯数によって駆動輪71~74に配分される駆動力の大きさを表示している。駆動力の大きさは、無段階に変動するメーターによって表示してもよいし、数値によって表示してもよい。すなわち、表示部における表示量は、セグメントの点灯数に限らない。
・上記実施形態では、前輪トルクTf*に基づいて第1表示部21および第2表示部22におけるセグメントの点灯数を決定している。左前輪71に伝達される駆動力を導出し当該駆動力に基づいて第1表示部21におけるセグメントの点灯数を決定するとともに、右前輪72に伝達される駆動力を導出し当該駆動力に基づいて第2表示部22におけるセグメントの点灯数を決定してもよい。すなわち、左右の駆動輪において、セグメントの点灯数をそれぞれ決定してもよい。第3表示部23および第4表示部24におけるセグメントの点灯数についても同様に、左右でそれぞれ決定してもよい。
・上記実施形態では、駆動力導出部32によって表示用の前輪トルクTf*および後輪トルクTr*を導出し、点灯マップを用いてセグメントの点灯数を決定している。駆動力導出部32が有する機能の一部または全部は、制御装置30とは異なる制御装置が備えていてもよい。たとえば、制御装置30は、別の制御装置が導出した前輪トルクTf*および後輪トルクTr*を受信して、セグメントの点灯数を決定してもよい。また、制御装置30は、別の制御装置が導出したセグメントの点灯数を受信して、点灯要求を出力してもよい。
・上記実施形態では、駆動力導出部32は、車両ECU100によって導出される総駆動力Taおよび後輪駆動力Trに基づいて、表示用の前輪トルクTf*および後輪トルクTr*を導出して各表示部21~24における表示量を決定している。これに替えて、駆動力導出部32は、各駆動輪71~74における回転トルクの大きさに基づいて、各表示量を決定してもよい。すなわち、各表示部21~24は、駆動輪71~74に伝達される駆動力の大きさと、駆動輪71~74の駆動トルクの大きさと、のどちらを表示するように構成されていてもよい。
・上記実施形態では、ディスプレイ11上に、各駆動輪71~74に対応した表示部21~24を設けている。駆動力の大きさまたは駆動トルクの大きさを駆動輪毎に表示する表示部に限らず、駆動力の大きさの和または駆動トルクの大きさの和を表示する場合でも、上記制御装置30を適用することができる。
・車両90は、駆動力源から出力される駆動力を駆動輪に配分して伝達する車両の一例である。駆動力を駆動輪に配分する構成は、適宜変更が可能である。
10…駆動力表示装置
11…ディスプレイ
21~24…第1表示部~第4表示部
30…制御装置
31…表示制御部
32…駆動力導出部
33…操作判定部
61…アクセルペダルセンサ
62…ブレーキペダルセンサ
71~74…駆動輪
90…車両
91…内燃機関
92…クラッチ
93…手動変速機
100…車両ECU

Claims (1)

  1. 内燃機関と、手動変速機と、前記内燃機関と前記手動変速機との間に配置されているクラッチと、を有する車両に適用され、
    車両の駆動輪に配分される駆動輪トルクの大きさまたは駆動力の大きさを表示する表示部と、
    前記内燃機関から供給されるエンジントルクおよび前記手動変速機の変速比に基づいて導出される前記駆動輪トルクまたは前記駆動力を用いて、前記駆動輪トルクまたは前記駆動力が大きいほど前記表示部における表示量を多くする制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    アクセル操作部材が操作されている状態からブレーキ操作部材の操作が開始されて前記アクセル操作部材および前記ブレーキ操作部材が同時に操作されている状態になっている場合には、前記駆動輪トルクまたは前記駆動力の大きさに基づいて前記表示部を点灯させる一方で、
    前記ブレーキ操作部材が操作されている状態から前記アクセル操作部材の操作が開始されて前記アクセル操作部材および前記ブレーキ操作部材が同時に操作されている状態になっている場合には、前記表示部を消灯させる
    駆動力表示装置。
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