JP7205000B1 - 非接触電圧センサ装置 - Google Patents

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Abstract

非接触電圧センサ装置(1)は、プローブ電極(10)と、プローブ電極(10)が入力点(A)に接続され、ケーブル被覆(2b)の絶縁抵抗を模擬する第1の抵抗素子(142)、プローブ電極(10)とケーブル被覆(2b)を介したケーブル導体(2a)との間に生じる結合容量を模擬する第1のキャパシタ素子(141)および結合容量に生じる等価直列抵抗を模擬するESR模擬回路(143)を有したインピーダンス回路(14)と、正極入力端子が基準電位点に接続され、負極入力端子が入力点(A)に接続され、出力端子がESR模擬回路(143)に接続されたオペアンプ(15)を備える。

Description

本開示は、交流電圧波形を観測する非接触電圧センサ装置に関する。
従来、プローブ電極をケーブル芯線に接触させることなく、ケーブル芯線の交流電圧を観測する技術がある。このような非接触の観測においては、ケーブル芯線とプローブ電極との間に微小な結合容量が生じるので、結合容量よりもセンサ回路側の各部品が高インピーダンスな状態となる。このとき、センサ回路側の部品の一部に、例えば、オペアンプの入力抵抗といった複素インピーダンスの実部が存在すると、観測対象である交流電圧波形の位相が回転してしまい、精度のよい観測ができない。
上記不具合に対して、例えば、特許文献1に記載される非接触電圧センサ装置は、交流電圧波形の位相を補償する位相補償回路を備える。この位相補償回路は、インピーダンス回路およびオペアンプを備えて構成され、インピーダンス回路が、ケーブル芯線から入力端までの複素インピーダンスを模擬する。これにより、プローブ電極とケーブル芯線との間に生じる結合容量が微小な容量であっても、センサ回路側の部品が高いインピーダンス状態にならず、観測波形の位相回転を抑制することができる。
WO2021/090478
しかしながら、交流電圧波形を非接触に観測する従来の装置は、ケーブル芯線の被覆材における結合容量に生じる誘電損失が考慮されておらず、当該誘電損失に起因した誤差が観測波形に含まれるという課題があった。
なお、特許文献1に記載された非接触電圧センサ装置は、ケーブル芯線の被覆材の絶縁抵抗および上記結合容量を模擬する素子を設けて観測系の複素インピーダンスを見積もることにより観測系の複素インピーダンスに起因した観測波形の位相誤差を抑制している。
ただし、ケーブル芯線の被覆材における結合容量に生じる誘電損失が考慮されていないため、当該誘電損失に起因した位相誤差が観測波形に含まれる可能性がある。
本開示は、上記課題を解決するものであり、電線の芯線を被覆する被覆材における結合容量に生じた誘電損失を含む観測系の複素インピーダンスに起因した観測波形の位相誤差を抑制することができる非接触電圧センサ装置を得ることを目的とする。
本開示に係る非接触電圧センサ装置は、プローブ電極と、プローブ電極が入力点に接続され、電線の芯線を被覆する被覆材の絶縁抵抗を模擬する第1の抵抗素子、プローブ電極と被覆材を介した電線の芯線との間に生じる結合容量を模擬する第1のキャパシタ素子、および、結合容量に生じる等価直列抵抗を模擬するESR模擬回路を有し、第1のキャパシタ素子とESR模擬回路が直列に接続され、第1の抵抗素子が、直列に接続された第1のキャパシタ素子およびESR模擬回路と並列に接続されたインピーダンス回路と、正極入力端子、負極入力端子および出力端子を有し、正極入力端子が基準電位点に接続され、負極入力端子がインピーダンス回路の入力点に接続され、出力端子がESR模擬回路に接続されたオペアンプと、を備える。
本開示によれば、インピーダンス回路が、プローブ電極と被覆材を介した電線の芯線との間に生じる誘電損失を等価直列抵抗として模擬するESR模擬回路を備え、観測系の複素インピーダンスとして誘電損失を含んだ複素インピーダンスを模擬する。オペアンプの負極入力端子がインピーダンス回路の入力点に接続されて当該入力点が仮想短絡されており、オペアンプは、インピーダンス回路に入力された観測波形に対して出力波形が位相反転した状態で追随するように動作する。これにより、本開示に係る非接触電圧センサ装置は、電線の芯線を被覆する被覆材における結合容量に生じた誘電損失を含む観測系の複素インピーダンスに起因した観測波形の位相誤差を抑制することができる。
実施の形態1に係る非接触電圧センサ装置の構成を示すブロック図である。 キャパシタ素子の複素インピーダンスを示すグラフである。 ESR模擬回路の第1変形例の構成を示す回路図である。 インピーダンス回路の出力波形の位相誤差をシミュレーションした結果を示すグラフである。 ESR模擬回路の第2変形例の構成を示す回路図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る非接触電圧センサ装置1の構成を示すブロック図である。図1において、ケーブル2Aおよびケーブル2Bは、2線一対の電線である。ケーブル導体2aは、ケーブル2Aおよびケーブル2Bのそれぞれの芯線である。ケーブル被覆2bは、ケーブル2Aおよびケーブル2Bにおいてケーブル導体2aを被覆する絶縁性の被覆材である。交流電圧Vinは、交流電源3からケーブル導体2aに電力が供給されることによりケーブル導体2aに生じた電圧である。交流電源3は、一方の端子がケーブル2Aのケーブル導体2aに接続され、他方の端子は基準電位点に接続されている。ケーブル2Bのケーブル導体2aは、基準電位(例えば、グラウンド電位)となっている。
非接触電圧センサ装置1は、プローブ電極10、プローブケーブル11およびセンサ回路12を備え、ケーブル導体2aの交流電圧Vinの波形を観測する。プローブ電極10は、プローブケーブル11の一方の端部に接続され、他方の端部は、センサ回路12に接続されている。プローブ電極10はケーブル2Aのケーブル被覆2bに配置される。プローブ電極10は、ケーブル被覆2bを介してケーブル導体2aと非接触な状態で配置される。なお、プローブ電極10は、ケーブル被覆2bに接触させた状態で配置されてもよいが、ケーブル被覆2bからわずかな距離を隔てて配置されてもよい。
ケーブル導体2aとプローブ電極10との間には、図1に示すように、結合容量Cが生じる。例えば、長さおよび幅が1(cm)であるプローブ電極10とケーブル導体2aとの間に生じる結合容量Cは、数(pF)程度の微小な容量である。
抵抗Rは、センサ回路12の内部のノード電位が直流的に不安定になることを避けるために設けたプルダウン抵抗である。抵抗Rは、一方の端部がインピーダンス回路14の入力点Aに接続され、他方の端部が基準電位点に接続されている。
センサ回路12は、位相補償回路13およびAD変換器16を備える。位相補償回路13は、インピーダンス回路14およびオペアンプ15を備える。インピーダンス回路14は、容量Cを有する第1のキャパシタ素子141、抵抗Rを有する第1の抵抗素子142およびESR模擬回路143を備える。
AD変換器16は、入力端子がオペアンプ15の出力端子に接続されており、出力端子が、図1に図示していない後段の装置に接続されている。位相補償回路13のオペアンプ15から出力された交流電圧Voutを示すアナログ信号はAD変換器16に入力される。AD変換器16は、交流電圧Voutを示すアナログ信号をデジタル信号に変換して後段の装置に出力する。
インピーダンス回路14の入力点Aには、プローブ電極10に繋がるプローブケーブル11が接続されており、インピーダンス回路14の出力点は、オペアンプ15の出力端子に接続されている。オペアンプ15の正極入力端子は、基準電位点(グラウンド)に接続され、オペアンプ15の負極入力端子は、インピーダンス回路14の入力点Aに接続されている。これにより、インピーダンス回路14の入力点Aは仮想短絡される。
オペアンプ15によってプローブ電極10からインピーダンス回路14の入力点Aまでの観測系は、仮想短絡された状態になっている。このとき、オペアンプ15は、正極入力端子と負極入力端子が同電圧となるように、プローブ電極10が検出した交流電圧を打ち消す交流電圧を出力する。すなわち、オペアンプ15は、観測対象である交流電圧Vinの波形に対して、交流電圧Voutの波形が位相反転(逆相)した状態で追随するように動作する。
AD変換器16は、オペアンプ15から出力された交流電圧Voutを示すアナログ信号を入力し、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換する。AD変換器16が変換したデジタル信号は、交流電圧Vinとは逆相の状態である。AD変換器16の後段の装置が当該デジタル信号の符号を反転させることで、観測波形が得られる。
インピーダンス回路14において、第1のキャパシタ素子141は、図1に示すようにESR模擬回路143と直列に接続されており、第1の抵抗素子142は、第1のキャパシタ素子141およびESR模擬回路143に並列に接続されている。
また、第1のキャパシタ素子141において、ESR模擬回路143と繋がる端部とは反対側の端部は、インピーダンス回路14の入力点Aに接続され、ESR模擬回路143のオペアンプ15側の端部が、インピーダンス回路14の出力点である。
インピーダンス回路14の複素インピーダンスZintは、第1のキャパシタ素子141の容量C、ESR模擬回路143が模擬する等価直列抵抗(ESR)および第1の抵抗素子142の抵抗Rのそれぞれの複素インピーダンスにより構成される。複素インピーダンスZintは、ケーブル導体2aからインピーダンス回路14の入力点Aまでの観測系の複素インピーダンスZobsを模擬したものである。なお、抵抗Rの複素インピーダンスは、複素インピーダンスZobsを模擬するインピーダンスには含まれない。
第1のキャパシタ素子141は、結合容量Cを模擬するキャパシタ素子であり、結合容量Cと第1のキャパシタ素子141の容量Cとは等価である。例えば、事前に測定された結合容量Cの測定値と容量Cが等価であるキャパシタ素子が、第1のキャパシタ素子141として選択される。第1の抵抗素子142は、ケーブル被覆2bの絶縁抵抗を模擬する素子であり、ケーブル被覆2bの絶縁抵抗と第1の抵抗素子142の抵抗Rは等価である。例えば、ケーブル被覆2bの絶縁抵抗は、ケーブル被覆2bの絶縁材料とプローブ電極10のサイズとに基づいて事前に見積もられる。この絶縁抵抗と抵抗Rが等価である抵抗素子が、第1の抵抗素子142として選択される。
ESR模擬回路143は、ケーブル被覆2bにおける誘電損失を生じる等価直列抵抗(ESR)を模擬する回路である。誘電損失は、誘電体(ケーブル被覆2b)に加わった電気エネルギーの一部が熱エネルギーとして失われることをいい、誘電損失の度合を示す複素インピーダンスの実部(抵抗)は、結合容量Cに直列に接続された抵抗(ESR)と等価である。ESR模擬回路143は、結合容量Cを模擬する第1のキャパシタ素子141に直列に接続される抵抗素子を備える。
インピーダンス回路14の複素インピーダンスZintは、観測系の複素インピーダンスZobsに対して、下記式(1)と下記式(2)が成立する。下記式(1)において、Vinは、ケーブル導体2aの交流電圧Vinの振幅である。Voutは、センサ回路12が観測した交流電圧の振幅である。下記式(2)において、利得Gは、センサ回路12が観測した交流電圧の利得であり、実数値である。
out=-G×Vin ・・・(1)
G=Zint/Zobs ・・・(2)
上記式(2)において、インピーダンス回路14における複素インピーダンスZintは、観測系の複素インピーダンスZobsの実数倍(G倍)である。また、上記式(1)に示すように、Voutは、複素インピーダンスZintの値に依存し、利得Gによって反転増幅または反転減衰する。Voutを反転増幅する場合、利得Gは、1よりも大きな実数となり、複素インピーダンスZintは、複素インピーダンスZobsよりも大きくなる。複素インピーダンスZintが複素インピーダンスZobsの実数倍である場合、交流電圧Vinと交流電圧Voutとの波形の位相差がゼロとなる。
次に、キャパシタ素子の複素インピーダンスについて説明する。
図2は、キャパシタ素子の複素インピーダンスを示すグラフであって、周波数に対するキャパシタ素子の複素インピーダンスの実部(レジスタンスR)および虚部(リアクタンス|X|)を示している。図2において、誘電正接(以下、Tanδと記載する。)は、誘電損失の大きさを示す指標であり、複素インピーダンスの実部と虚部との比で定義される。Tanδの値が大きいほど、加えた電気エネルギーのうち、熱エネルギーとして失われる割合が大きいことを示している。
キャパシタ素子の複素インピーダンスの虚部は、キャパシタ素子のリアクタンス|X|に相当する。リアクタンス|X|の大きさは、図2に示すように、周波数に反比例する。Tanδが0.01であるときのリアクタンス|X|は実線で示され、Tanδが0.1であるときのリアクタンス|X|は、破線で示されている。リアクタンス|X|の大きさは、Tanδの大きさ、すなわち誘電損失の大きさにほぼ依存しない。
キャパシタ素子の自己共振周波数より十分に低い周波数領域において、キャパシタ素子の複素インピーダンスの実部は、誘電体(例えばケーブル被覆2b)の分極の遅延により生じる誘電損失であるレジスタンスRに相当する。観測系の等価回路において、誘電損失は、その大きさが周波数に反比例する等価直列抵抗(ESR)として表すことができる。Tanδが0.01であるときのレジスタンスRは、実線で示され、Tanδが0.1であるときのレジスタンスRは、破線で示されている。
ESRは、キャパシタ素子を構成する誘電体の材料特性である誘電損失により異なり、図2に示すように、誘電損失の大きなキャパシタ素子であるほどESRは大きくなる。例えば、Tanδが0.1であるときのレジスタンスRは、Tanδが0.01であるときのレジスタンスRよりも十分に大きくなっている。
インピーダンス回路14の複素インピーダンスZintにおける誘電損失と観測系の複素インピーダンスZobsにおける誘電損失との間に差があると、複素インピーダンスZintは、複素インピーダンスZobsの実数倍とならず、観測波形の位相が回転してしまう。
そこで、非接触電圧センサ装置1は、ケーブル被覆2bの誘電損失に起因した観測波形の位相回転を抑制するため、キャパシタ素子の複素インピーダンスの実部であるESRを模擬するESR模擬回路143を備える。
ESR模擬回路143は、結合容量Cを模擬する第1のキャパシタ素子141と直列に接続され、第1の抵抗素子142は、第1のキャパシタ素子141およびESR模擬回路143と並列に接続される。ESR模擬回路143は、図2に示す周波数に反比例する誘電損失(レジスタンスR)の特性をモデル化して、複素インピーダンスZintが複素インピーダンスZobsの実数倍となるように選択した抵抗素子を有する。これにより、非接触電圧センサ装置1は、ケーブル被覆2bの誘電損失に起因した観測波形の微小な位相回転の発生を抑制することができ、交流電圧波形の観測精度が向上する。
次に、ESR模擬回路143の変形例について説明する。
図3は、ESR模擬回路143の第1変形例の構成を示す回路図である。図3に示すように、ESR模擬回路143の第1構成例であるESR模擬回路143Aは、第2の抵抗素子30および第2のキャパシタ素子40を備える。第2の抵抗素子30と第2のキャパシタ素子40とは並列に接続される。
第2の抵抗素子30は、ケーブル被覆2bの誘電損失に相当する複素インピーダンスの実部を模擬する抵抗素子である。例えば、キャパシタ素子の自己共振周波数よりも十分に低い周波数領域において、キャパシタ素子の複素インピーダンスの実部をモデル化し、ケーブル被覆2bの誘電損失に相当する抵抗素子が第2の抵抗素子30として選択される。
第2のキャパシタ素子40は、高周波領域における複素インピーダンスの実部を低減させるためのキャパシタ素子である。ESR模擬回路143Aが第2のキャパシタ素子40を備えることにより、センサ回路12の高周波特性が改善する。ESR模擬回路143Aの第1構成例を有するインピーダンス回路14は、周波数に反比例するESRを含む観測系の複素インピーダンスZobsを模擬することができる。
図4は、インピーダンス回路の出力波形の位相誤差をシミュレーションした結果を示すグラフである。図4における周波数fは、観測対象の交流電圧波形の基本波の周波数であり、nf(n=2,3,4,・・・)は、第n次の高調波を示している。
図4において破線で示す結果は、ESR模擬回路143を備えないインピーダンス回路の出力波形における位相誤差をシミュレーションした結果であり、およそ-5°の定常的な位相誤差が生じている。
一方、図4において実線で示す結果は、ESR模擬回路143を備えるインピーダンス回路14の出力波形における位相誤差をシミュレーションした結果であり、広い周波数帯域で位相誤差が0°付近に補償されている。
このように、ESR模擬回路143を備えることにより、非接触電圧センサ装置1は、ケーブル被覆2bの誘電損失に起因した観測波形の微小な位相回転も補償が可能となり、広周波数帯域で観測精度が向上する。
図5は、ESR模擬回路143の第2変形例の構成を示す回路図である。図5に示すように、ESR模擬回路143の第2変形例であるESR模擬回路143Bは、第2の抵抗素子30、第3の抵抗素子31、第4の抵抗素子32、第2のキャパシタ素子40、第1のスイッチ50、第2のスイッチ51および第3のスイッチ52を備えて構成される。
第2の抵抗素子30、第3の抵抗素子31および第4の抵抗素子32は、ともに第1のキャパシタ素子141に接続されている。
第2の抵抗素子30は、第1のスイッチ50と直列に接続され、第3の抵抗素子31は、第2のスイッチ51と直列に接続され、第4の抵抗素子32は、第3のスイッチ52と直列に接続されている。第2の抵抗素子30および第1のスイッチ50と、第3の抵抗素子31および第2のスイッチ51と、第4の抵抗素子32および第3のスイッチ52は、第2のキャパシタ素子40と並列に接続されている。さらに、第1の抵抗素子142は、第1のキャパシタ素子141およびESR模擬回路143Bと並列に接続されている。
誘電損失は、ケーブル被覆2bの材料特性であり、ケーブル2Aの種類ごとに異なる。また、誘電損失の大きさは、ケーブル被覆2bの材料特性が経年変化することによっても変化する。ESR模擬回路143Bは、例えば、ケーブル被覆2bの様々な材料特性での誘電損失に相当する複数の抵抗素子を、第2の抵抗素子30、第3の抵抗素子31および第4の抵抗素子32として備える。
コンソール60は、第1のスイッチ50、第2のスイッチ51、および第3のスイッチ52のオンオフを切り替えるための操作部である。例えば、作業者は、コンソール60を用いて、第1のスイッチ50をオンとし、第2のスイッチ51および第3のスイッチ52をそれぞれオフとする。この場合、ESR模擬回路143Bは、第2の抵抗素子30と第2のキャパシタ素子40とが並列に接続された回路となる。
同様に、作業者が、コンソール60を用いて、第2のスイッチ51をオンとし、第1のスイッチ50および第3のスイッチ52をそれぞれオフとする。この場合、ESR模擬回路143Bは、第3の抵抗素子31と第2のキャパシタ素子40とが並列に接続された回路となる。また、第3のスイッチ52をオンとし、第1のスイッチ50および第2のスイッチ51をそれぞれオフとすることで、ESR模擬回路143Bは、第4の抵抗素子32と第2のキャパシタ素子40とが並列に接続された回路となる。
ESR模擬回路143Bにおいては、第1のスイッチ50、第2のスイッチ51および第3のスイッチ52のオンオフを切り替えることで、図3に示した第2の抵抗素子30の抵抗値があたかも可変であるように機能する。これにより、ESR模擬回路143Bは、交流電圧波形を観測するケーブル2Aの誘電損失が事前に不確定であるか、もしくはケーブル被覆2bの誘電損失が経年変化した場合であっても、そのときの誘電損失に対応したESRの抵抗値を設定することが可能である。
なお、これまで、第1のスイッチ50、第2のスイッチ51および第3のスイッチ52のオンオフを切り替えることにより、第2の抵抗素子30の抵抗値を可変とする構成を示したが、ESR模擬回路143Bは、この構成に限定されるものではない。例えば、第2の抵抗素子30は、ロータリー型またはスライダ型といった回転または直線移動で抵抗値を調整可能な素子であってもよい。すなわち、ESR模擬回路143Bにおいて、第2の抵抗素子30は、抵抗値が可変であればよい。
以上のように、実施の形態1に係る非接触電圧センサ装置1は、プローブ電極10と、プローブ電極10が入力点Aに接続され、ケーブル被覆2bの絶縁抵抗を模擬する第1の抵抗素子142、プローブ電極10とケーブル被覆2bを介したケーブル導体2aとの間に生じる結合容量を模擬する第1のキャパシタ素子141、および結合容量に生じる等価直列抵抗を模擬するESR模擬回路143,143Aまたは143Bを有したインピーダンス回路14と、正極入力端子が基準電位点に接続され、負極入力端子がインピーダンス回路14の入力点Aに接続され、出力端子がESR模擬回路143,143Aまたは143Bに接続されたオペアンプ15を備える。
インピーダンス回路14が、結合容量Cに生じる誘電損失を等価直列抵抗として模擬するESR模擬回路143,143Aまたは143Bを備え、観測系の複素インピーダンスZobsとして、結合容量Cに生じる等価直列抵抗を含む複素インピーダンスZintを模擬する。オペアンプ15の負極入力端子がインピーダンス回路14の入力点Aに接続されて当該入力点Aが仮想短絡されているので、オペアンプ15は、インピーダンス回路14に入力された観測波形に対して出力波形が位相反転した状態で追随するように動作する。これにより、非接触電圧センサ装置1は、結合容量Cに生じた誘電損失を含む観測系の複素インピーダンスZobsに起因した観測波形の位相誤差を抑制することができる。
実施の形態1に係る非接触電圧センサ装置1において、インピーダンス回路14は、第1のキャパシタ素子141が、ESR模擬回路143と直列に接続され、第1の抵抗素子142が、第1のキャパシタ素子141およびESR模擬回路143と並列に接続されている。これにより、インピーダンス回路14は、ケーブル被覆2bの誘電損失を含む観測系の複素インピーダンスZobsを模擬することができる。
実施の形態1に係る非接触電圧センサ装置1において、ESR模擬回路143Aまたは143Bは、結合容量に生じる等価直列抵抗を模擬する第2の抵抗素子30と、第2の抵抗素子30と並列に接続された第2のキャパシタ素子40とを有する。この構成を有することにより、非接触電圧センサ装置1は、ケーブル被覆2bの誘電損失に起因した観測波形の微小な位相回転も補償が可能となり、広周波数帯域で観測精度が向上する。
実施の形態1に係る非接触電圧センサ装置1において、第2の抵抗素子30は、抵抗値が可変である。これにより、交流電圧波形を観測するケーブル2Aの誘電損失が事前に不確定であるか、もしくはケーブル被覆2bの誘電損失が経年変化した場合であっても、そのときの誘電損失に対応したESRの抵抗値を設定することが可能である。
実施の形態1に係る非接触電圧センサ装置1において、オペアンプ15の出力端子から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換器16を備える。
これにより、AD変換器16の後段の装置が当該デジタル信号の符号を反転させることにより、交流電圧の観測波形が得られる。
実施の形態1に係る非接触電圧センサ装置1において、インピーダンス回路14は、ケーブル導体2aから入力点Aまでの複素インピーダンスZobsの実数倍を模擬する。これにより、交流電圧Vinと交流電圧Voutとの波形の位相差がゼロとなり、観測波形の位相誤差が抑制される。
なお、実施の形態の任意の構成要素の変形もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
本開示に係る非接触電圧センサ装置は、例えば、配電ケーブルに印加された交流電圧の観測に利用可能である。
1 非接触電圧センサ装置、2A,2B ケーブル、2a ケーブル導体、2b ケーブル被覆、3 交流電源、10 プローブ電極、11 プローブケーブル、12 センサ回路、13 位相補償回路、14 インピーダンス回路、15 オペアンプ、16 AD変換器、30 第2の抵抗素子、31 第3の抵抗素子、32 第4の抵抗素子、40 第2のキャパシタ素子、50 第1のスイッチ、51 第2のスイッチ、52 第3のスイッチ、60 コンソール、141 第1のキャパシタ素子、142 第1の抵抗素子、143,143A,143B ESR模擬回路。

Claims (5)

  1. プローブ電極と、
    前記プローブ電極が入力点に接続され、電線の芯線を被覆する被覆材の絶縁抵抗を模擬する第1の抵抗素子、前記プローブ電極と前記被覆材を介した前記電線の芯線との間に生じる結合容量を模擬する第1のキャパシタ素子、および、前記結合容量に生じる等価直列抵抗を模擬するESR模擬回路を有し、前記第1のキャパシタ素子と前記ESR模擬回路が直列に接続され、前記第1の抵抗素子が、直列に接続された前記第1のキャパシタ素子および前記ESR模擬回路と並列に接続されたインピーダンス回路と、
    正極入力端子、負極入力端子および出力端子を有し、前記正極入力端子が基準電位点に接続され、前記負極入力端子が前記インピーダンス回路の前記入力点に接続され、前記出力端子が前記ESR模擬回路に接続されたオペアンプと、を備えた
    ことを特徴とする非接触電圧センサ装置。
  2. 前記ESR模擬回路は、第2の抵抗素子と、前記第2の抵抗素子と並列に接続された第2のキャパシタ素子と、を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の非接触電圧センサ装置。
  3. 前記第2の抵抗素子は、抵抗値が可変である
    ことを特徴とする請求項に記載の非接触電圧センサ装置。
  4. 前記オペアンプの前記出力端子から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換器を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触電圧センサ装置。
  5. 前記インピーダンス回路は、前記電線の芯線から前記入力点までの複素インピーダンスの実数倍を模擬する
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触電圧センサ装置。
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