JP7203280B2 - コイル製造方法およびコイル巻回装置 - Google Patents

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Description

本願は、コイル製造方法およびコイル巻回装置に関するものである。
コイルは回転電機または変圧器などに使用され、その用途によって形状は様々である。コイルの形状は単純な円形であることは少なく、多くの場合は非円形である。コイルはコイル線の巻回においてコイル線間を隙間なく密着し占積率を高めることで、性能の向上を図っている。コイル線は円形のボビンなどに巻き付けられて供給されるため、ボビンからコイル線を引き出した直後はボビンの巻癖がついた状態となる。これを矯正装置で巻癖の少ないコイル線とするが、矯正できるレベルには限界がある。
コイル線間を隙間なく巻回する方法として巻枠が回動してコイル線を所定回数巻線する方式では、巻枠の回動と合わせて押し圧ローラによってコイル線を巻枠に押圧することでコイル線の巻癖を矯正し、巻枠の形状に成形するというものがある。
しかしながら上記の方法ではコイル線が角線の場合、または、丸線であっても線材が硬い場合はコイル線を押し圧ローラによって巻枠に押圧したとしても、コイル線自体の剛性により矯正が足りなかったり、コイル線に残る巻癖によりコイル線が巻枠または先に巻回したコイル線から浮いてしまい隙間ができてしまっていた。
これを改善する従来のコイル製造方法およびコイル巻回装置として、コイル線を巻枠に巻回する前に巻枠の曲率とは逆方向の曲率にコイル線を成形した後に、巻枠に巻回することでコイル線間を密着して巻回する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9-182390号公報
従来のコイル製造方法およびコイル巻回装置は、巻枠にコイル線の巻回を行う際、巻枠の回転角を最適傾斜角度に保持した後、コイル線と巻枠との着支点を拘束ローラにより押し付け、この拘束ローラを着支点に沿ってコイル線の供給方向に移動しながら、巻回前に巻枠の曲率と逆の曲げ成形を与えた後、巻回時に巻枠の曲率に曲げ成形する。この時、コイル線には弛みが生じないよう適切な張力を付加する。コイル線はパスラインが一定となるようにコイル線の垂直方向および巻枠の軸方向である前後方向の位置を検出し、巻枠をコイル線の垂直方向および巻枠の軸方向に位置制御する。
しかし上記の方法では、コイル線の形状または線材の硬度などで最適となる逆方向への曲率が異なるため、逆方向の曲率を付与する拘束ローラの曲率および位置調整が困難で、調整範囲から逸脱するとコイル浮きの原因となってしまう。コイル線のパスライン高さを一定に保つためには巻枠の回転角度と垂直方向への移動量、拘束ローラの水平方向への移動量を同時に制御しなければならない。
コイルの巻回状態は巻回が進むに従い巻枠の層方向、列方向に変化するため変化量を常に検知機構で検出し、検出した情報に基づきコイル線のパスラインが一定となるよう精緻な制御が必要である。コイル線は巻枠とは逆の曲率の曲げを成形するため、拘束ローラによる矯正時に弛まず、張力が一定となるように精緻に張力調整する必要がある。
これらによりコイル巻回装置は微調整が必要な複数の可動部と装置の状態を検出する複数の検出機構を備える必要があるため、巻回装置の小型化が困難で、条件出しおよび制御プログラム作成にも長時間必要となり短期間での開発ができなかった。また、巻枠を最適傾斜角度に保持した状態で拘束ローラをコイル線の供給方向に動かす必要があるため連続して巻き上げることができず、コイルの製作時間を短くできなかった、などの問題点があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、任意形状の巻枠にコイル線を精度よく巻き付けてコイルを形成できるコイル製造方法およびコイル巻回装置を提供することを目的とする。
本願に開示されるコイル製造方法は、
巻枠を回転軸にて回転させながらコイル線を前記巻枠に巻き付けるコイル製造方法であって、
前記コイル線を、保持部の平面における垂直方向および前記回転軸の軸方向において一定に保持しながら前記保持部の前記平面に送り出すガイド部を備え、
前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を挟み込み、
前記垂直方向において前記巻枠により前記コイル線を前記保持部の前記平面に押し付け、
前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を保持しながら前記巻枠を回転させ前記コイル線を前記巻枠に巻き付け、
前記コイル線を前記巻枠に多層に巻回する場合、層が増加する毎に、前記ガイド部と前記巻枠との前記垂直方向の距離が離れるように移動させるものである。
また、本願に開示されるコイル巻回装置は、
巻枠を回転軸にて回転させながらコイル線を前記巻枠に巻き付けるコイル巻回装置において、
前記コイル線を保持する平面を有する保持部と、
前記回転軸に設置された前記巻枠を回転させる回転部と、
前記保持部の前記平面における垂直方向において、
前記巻枠と前記保持部の前記平面との相対的な位置を移動させる押付部とを備え、
前記押付部が、前記保持部の前記平面と前記巻枠との垂直方向における相対的な位置を変更して、前記保持部の前記平面と前記巻枠との間で前記コイル線を挟み込み、垂直方向から前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を保持するとともに、前記回転部は、前記巻枠を回転させて前記コイル線を前記巻枠に巻き付けるものである。
本願に開示されるコイル製造方法およびコイル巻回装置によれば、任意形状の巻枠にコイル線を精度よく巻き付けてコイルを形成できる。
実施の形態1によるコイル製造装置の構成を示すブロック図である。 図1に示したコイル製造装置のコイル巻回装置の構成を示す正面図である。 図2に示したコイル巻回装置の構成を示す側面図である。 図2に示したコイル巻回装置の構成の一部を示す正面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した側面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した側面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。 図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。 図2に示したコイル巻回装置の他のコイル製造方法を示す側面図である。 図2に示したコイル巻回装置の他のコイル製造方法を示す側面図である。 図1に示したコイル製造装置のコイル巻回装置の他の構成の一部を示す正面図である。 図1に示したコイル製造装置のコイル巻回装置の他の構成の一部を示す側面図である。 図1に示したコイル製造装置のコイル巻回装置の他の構成を示すブロック図である。 実施の形態2によるコイル巻回装置の構成を示す正面図である。 図10に示したコイル巻回装置の構成を示す側面図である。 実施の形態3によるコイル巻回装置の構成を示す正面図である。 図12に示したコイル巻回装置の構成の一部を示す正面図である。 図12に示したコイル巻回装置の他の構成の一部を示す正面図である。 比較例のコイル巻回装置の構成の一部を示す説明図である。 実施の形態1による他のコイル巻回装置のコイル製造方法を示す側面図である。 実施の形態1による他のコイル巻回装置のコイル製造方法を示す側面図である。 図1に示したコイル製造装置のコイル巻回装置の他の構成を示す正面図である。 実施の形態4によるコイル巻回装置の構成を示す正面図である。 図18に示したコイル巻回装置の構成を示す側面図である。 図18に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。 実施の形態5によるコイル巻回装置の構成を示す正面図である。 図21に示したコイル巻回装置の構成を示す側面図である。
実施の形態1.
図1は実施の形態1によるコイル製造装置の構成を示すブロック図である。図2は図1に示したコイル製造装置のコイル巻回装置の構成を示す正面図である。図3は図2に示したコイル巻回装置の構成を示す側面図である。図4は図2に示したコイル巻回装置の構成の一部を示す正面図である。図5Aは図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した側面図である。図5Bは図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した側面図である。図6Aから図6Iは図2に示したコイル巻回装置のコイル製造方法を示した正面図である。
図7A、図7Bは図2に示したコイル巻回装置の他のコイル製造方法を示す側面図である。図8Aは図1に示したコイル製造装置のコイル巻回装置の他の構成の一部を示す正面図である。図8Bは図1に示したコイル製造装置のコイル巻回装置の他の構成の一部を示す側面図である。図9は図1に示したコイル製造装置のコイル巻回装置の他の構成を示すブロック図である。図16A、図16Bは実施の形態1による他のコイル巻回装置のコイル製造方法を示す側面図である。
図1において、コイル製造装置10は、供給装置101、矯正装置102、張力調整装置103およびコイル巻回装置100を備える。供給装置101は、コイル線1を収容した例えばボビン等から引き出し、以後の工程に供給する。矯正装置102は、コイル線1の巻癖を垂直方向に矯正する垂直方向矯正部121、および、送り方向に矯正する送り方向矯正部122を有する。張力調整装置103は、コイル線1に張力を付加すると共に、コイル線1の張力を調整する。コイル巻回装置100は、本実施の形態1の本質的な部分であり、詳細は以下にて説明する。
尚、このコイル製造装置10の構成の内、コイルの仕様または工法によって工程順が異なる場合、または、工程自体が必要無い場合も考えられる。また、供給装置101、矯正装置102、張力調整装置103は汎用的な設備であり、本実施の形態1における本質的な部分ではないため詳細な説明は省略する。
また、コイルは、コイル線1を巻き付ける方法として、コイル線1が整列した状態で巻き付ける整列巻きと、コイル線1を非整列に巻き付ける非整列巻きとの2種がある。非整列巻きは、コイル線1の径が太く、線材が硬い場合、または、コイル線1の断面形状が矩形などの場合には、コイル線1間に隙間が多く残り、コイルの占積率が悪化するため、比較的、コイル線1の断面積が小さく、コイル線1の線材が柔らかい場合に使用される。今回は主に整列巻きの例にて説明するが、非整列巻きにも同様に適用することは可能である。
また、整列巻きは、コイル線1の巻枠13に略同心円状に何層にも重ねて巻く方法と、1層のコイルを巻枠13の軸方向Z(軸方向Zにおいては、以下に詳細を説明する)に何列にも並べて巻く方法の2種がある。以下、コイル線1を同心円状に多層巻きする巻き方を多層巻き、1層のコイル線1を軸方向Zに多列巻きする巻き方を多列巻きとする。多層巻きと多列巻きとは両方を組み合わせて巻枠13の同心方向、軸方向Zの両方に複数のコイル線1を重ねたコイルを形成することも可能である。
また、コイル線1を巻き付ける巻枠13とは、巻芯なども含み、回転させながらコイル線1を巻き付けるものであれば、同様に行うことができる。よって、以下の説明においては全てを巻枠13として説明する。
以下の説明において、コイル巻回装置100における各方向を、巻枠13の回転軸Qの方向を軸方向Zとし、軸方向Zに垂直なコイル線1を挿入する挿入方向を水平方向Xとし、軸方向Zと水平方向Xとに垂直な方向を垂直方向Yとし、回転軸Qの回転方向Wとしてそれぞれ示す。よって、コイル巻回装置100の他の部分においても、これらの方向を基準として各方向を示して説明する。また、コイル線1を挿入する挿入方向(水平方向X)は、後述する保持部11の平面11Aに沿った方向である。
図2および図3において、コイル巻回装置100は、巻枠13を回転させながら、巻枠13にコイル線1を巻き付けるものである。巻枠13は、回転軸Qを中心に回転方向Wに回転し、図4に示すように、長辺部13Aおよび短辺部13Bを備える例にて説明する。よって、巻枠13の長辺部13Aとは、巻枠13の外形において、最大平面箇所を有する部分となる。尚、図4に示す巻枠13は1例であり、コイル形状、または、コイル線1の仕様に応じた形状の巻枠13が適宜取り替えて設置される。
コイル巻回装置100は、保持部11と、回転部14と、押付部15と、移動部16とを備える。保持部11は、台座200に固定されている。保持部11は、コイル線1を挿入する水平方向Xにコイル線1を保持する平面11Aを有する。保持部11はコイル線1を保持するガイド部としての第1ガイド部12を有する。第1ガイド部12は保持部11の平面11A上に設置され、コイル線1を保持部11の平面11A上における垂直方向Yおよび軸方向Zが一定となるよう保持し、水平方向Xへのコイル線1の引出し位置を一定とする。
尚、図2においては、第1ガイド部12を保持部11の平面11A上に設置する例を示したが、これに限られることはなく、第1ガイド部12を保持部11の平面11A上に設置しなくてもよい。すなわち、図17に示すように、第1ガイド部12として、コイル線1が保持部11の平面11A上における垂直方向Yおよび軸方向Zが一定となるよう送り出せればよく、保持部11とは台座200において別々の箇所に固定され設置してもよい。保持部11の平面11Aは、巻枠13の外形の最大平面箇所となる長辺部13Aよりも大きく形成される。
回転部14は、巻枠13の回転中心を回転軸Qに固定する回転ベース部114と、回転軸Qを中心に回転ベース部114を回転させるモータ21とを備える。押付部15は、回転部14の回転軸Qを垂直方向Yに移動させるものであり、動力としては空圧シリンダ22を用いる。押付部15は、例えば、リニアガイドまたはボールブッシュなどの直動機構を介して、空圧シリンダ22により動作する。よって、押付部15は、保持部11の平面11Aと巻枠13との垂直方向Yにおける相対的な位置を変更できる。そして、押付部15は、当該位置を変更することにより、保持部11の平面11Aと巻枠13との間でコイル線1を挟み込みながら、垂直方向Yから保持部11の平面11Aと巻枠13とにてコイル線1を押付ける。
移動部16は、回転部14を軸方向Zに移動するものである。移動部16は、例えば、リニアガイドまたはボールブッシュなどの直動機構を介して、ボールねじとサーボモータなどにて動作する。よって、移動部16は、巻枠13と保持部11の平面11Aとの軸方向Zの相対的な位置を変更できる。巻枠13にはコイル線1の巻始端1Aを固定する固定部32を備える。
次に上記のように構成された実施の形態1のコイル巻回装置を用いたコイル製造方法について説明する。まず、ボビン等に巻かれた状態で供給されることで巻癖がついたコイル線1は矯正装置102で巻癖が矯正された後、保持部11上の第1ガイド部12を通して、コイル線1を保持部11の平面11A上において垂直方向Yおよび軸方向Zが一定となるよう保持しながらコイル巻回装置100に供給される。
次に、コイル線1を巻枠13の所定位置まで送り、巻枠13の固定部32でコイル線1の巻始端1Aを固定する。例えば、コイルが多層巻きコイルの場合、コイル線1の巻始端1Aの位置が、図5Aに示した状態において、巻き付ける平面11Aと同じ面にあると、巻き付け終了後にコイル線1の巻始端1Aを取り出すことができない。よって、巻き付け位置から図面上において軸方向Zの左方側にずらした位置に、巻始端1Aは固定部32を用いて固定される。
次に、巻枠13にコイル線1の巻始端1Aを固定した状態で、巻枠13を回転方向Wに回転軸Qを回転部14により回転させて、巻枠13にコイル線1を巻き付ける。このコイル線1を巻枠13に巻き付けると同時に、押付部15により、常時定圧で巻枠13を保持部11の平面11Aに垂直方向Yから押付ける。このためコイル線1に残る巻癖が矯正されて巻枠13に巻き付けられる。
図5および図6に具体的な巻枠13の回転姿勢を示して説明する。まず、図5Aおよび図6Aに示すように、巻枠13の外形の最大平面箇所を有する長辺部13Aが保持部11の平面11Aにコイル線1を挟み込み押付ける。この場合、巻枠13の長辺部13Aより、保持部11の平面11Aは大きく形成されているため、コイル線1の挟み込みおよび押付けを確実にできる。
次に、巻枠13を回転軸Qにて回転し、図6Bの状態となった場合、巻枠13は長辺部13Aと短辺部13Bとを有しているため、回転軸Qが垂直方向Yにおいて同一位置にて回転することはできない。よって、巻枠13の回転姿勢に合わせて、回転軸Qは垂直方向Yに上昇する。そして、図6C→図6D→図6E→図6F→図6G→図6Hと、回転軸Qを回転させるとともに垂直方向Yに適宜上下移動させ、巻枠13を360度回転するとともに、巻枠13に1層目のコイル線1を巻き付ける。
当然のことながら、この間、押付部15は、巻枠13を保持部11の平面11Aに垂直方向Yに押付け、コイル線1は巻枠13にて保持部11の平面11Aに垂直方向Yに定圧で押付けられる。そして、巻枠13が垂直方向Yに移動しても、コイル線1は定圧で保持部11の平面11Aと巻枠13とにより常時押付けられるので、巻き付けによりコイル線1が撓むことがない。このため、例えば、コイル線1の張力調整装置103は簡易な構成にできる。
巻枠13に長辺部13Aと短辺部13Bとが存在する場合は、図15に示すようにコイル線を短辺部に巻き付ける際に長辺部に巻き膨らみとなって隙間Rが発生する可能性がある。よって、巻枠13が360度回転し、2層目のコイル線1を巻枠13に巻き付ける場合も、図5Bおよび図6Iに示すように、巻枠13に巻き付けされた1層目のコイル線1および2層目のコイル線1を保持部11の平面11Aと巻枠13との間で、押付部15により押付けることで、下層としての1層目のコイル線1と、上層としての2層目のコイル線1とが合わせて矯正され巻枠13における1層目のコイル線1と2層目のコイル線1との間が密着する。
尚、図5Bに示すように、2層目のコイル線1を巻き付ける場合には、図5Aに示す1層目のコイル線1を巻き付ける場合と比較すると、巻枠13が設置されている回転ベース部114の回転軸Qは、コイル線1の径の長さ(垂直方向Yの長さ)T1分、押付部15により垂直方向Yに上昇して移動される。そして、第1ガイド部12は、層が増加する毎に、第1ガイド部12で保持するコイル線1の垂直方向Yに対して、第1ガイド部12と巻枠13との垂直方向Yの距離が離れるように移動される。
そして、以上の動作を、コイルの多層分繰り返されることで、コイル線1間が密着したコイルが製作できる。そして、巻枠13へのコイル線1の巻き付けが終了した後、コイル線1の巻終端を切断し、コイル巻回装置100から取り出す。
また、上記実施の形態1においては、巻枠13に1列にコイル線1を巻き付ける例を示したが、実施の形態1の他の例として、図7に示すように、巻枠13に多列にコイル線1を巻き付ける多列巻きの場合について説明する。この場合、巻枠13は軸方向Zの長さH1が、コイル線1の径の長さH2の整数倍にて形成される。そして、上記実施の形態1と同様、巻枠13に1列目のコイル線1が巻き付けた(図7A)後に、移動部16により回転部14を軸方向Zにコイル線1の径の長さH2分移動させ、2列目のコイル線1を巻枠13と保持部11の平面11Aとにて挟み込み押付け、上記実施の形態1と同様に巻枠13に巻き付ける(図7B)。このように形成されたコイルは、螺旋状に巻かれた多列巻きコイルとなる。
また、実施の形態1の他の多列巻きの例を図16に示す。上記の多列巻きの場合と同様に、巻枠13に多列にコイル線1を巻き付ける場合であって、巻枠13は軸方向Zの長さH1が、コイル線1の径の長さH2の整数倍にて形成される。そして、図16に示すように、保持部11の平面11Bが巻枠13の軸方向Zの長さH1より回転部14が回転可能な程度に小さく形成された長さにて形成される。尚、保持部11の平面11B以外の構成は上記実施の形態1と同様であるため、その説明は適宜省略する。この場合、上記実施の形態1と同様、巻枠13に1列目のコイル線1が巻き付けた(図16A)後に、2列目のコイル線1を巻枠13と保持部11の平面11Bとにて挟み込み押付け、上記実施の形態1と同様に巻枠13に巻き付ける(図16B)。この2列目の巻き付けの際に、巻枠13と保持部11の平面11Bとは、1列目に巻き付けられたコイル線1も挟み込み押付ける。
このような、多列巻きの場合は、1列目の巻き付けで残った巻枠13とコイル線1との間の隙間が、2列目以降のコイル線1を巻枠13に巻き付ける際、1列目に巻かれたコイル線1と合わせて巻枠13と保持部11の間に押付けられて矯正されるので巻枠13とコイル線1との間が密着したコイルが製作できる。
また、多列巻きに多層巻きを加えたコイルとする場合は、巻枠13を回転に合わせて軸方向Zに移動させ、1層目のコイル線1を巻き付けした後、巻枠13を1層目の時とは逆方向に軸方向Zに移動することで、2層目の多列巻きを行う。巻枠13の回転と合わせて軸方向Zへ往復移動を繰り返すことで多層に多列巻きしたコイルを製作できる。この場合も巻き付けられたコイル線1を多層回、多列回に渡り保持部11に押付けられることでコイル線1の間が密着したコイルが製作できる。
また、上記実施の形態1の他の例として、図8に示すように、巻枠13に対してコイル線1が軸方向Zにずれないようガイドする第2ガイド部31を設置する。当該第2ガイド部31によりコイル線1の軸方向Zの巻きずれを抑制できる。図8では第2ガイド部31を、巻枠13の長辺部13Aに設置する例を示したが、短辺部13Bに設置してもよいし、また、全周に渡って設置してもよい。
また、上記実施の形態1の他の例として、図9に示すように、コイル巻回装置100には、他の装置が付随して構成されている場合が考えられる。具体的には、送り装置110、端末成形装置111、被覆剥離装置112、切断装置113などである。送り装置110は、矯正装置102からコイル巻回装置100に自動的にコイル線1を送り出すものである。端末成形装置111は、コイル巻回装置100に送り出すコイル線1の巻始端、または、巻終端を成形するものである。被覆剥離装置112は、コイル巻回装置100にて、巻枠13にコイル線1を巻き付ける前、または後の、コイル線1の被覆を剥離するものである。切断装置113は、巻枠13にコイル線1が巻き付けられた後に、コイル線1の巻終端を切断するものである。これら各装置は、必要に応じて適宜設置される。
尚、本実施の形態1においては、保持部11が固定されており、押付部15が回転部14を垂直方向Yに移動して、巻枠13を保持部11の平面11A、11Bに押付ける例を示したが、これに限られることはなく、保持部11が固定されていない場合であれば、保持部11の平面11A、11Bが巻枠13との垂直方向Yの距離を相対的に移動し、保持部11の平面11A、11Bで巻枠13を押付けてもよいし、押付部15が回転部14を垂直方向Yに移動すると共に保持部11の平面11A、11Bが垂直方向Yに移動して、巻枠13を保持部11の平面11A、11Bに押付けても良い。
また、本実施の形態1においては、保持部11が固定されており、移動部16が回転部14を軸方向Zに移動する例を示したが、これに限られることはなく、保持部11が固定されていない場合であれば、移動部16が巻枠13と保持部11の平面11Aとの軸方向Zの距離を相対的に移動すればよい。
上記のように構成された実施の形態1のコイル製造方法によれば、
巻枠を回転軸にて回転させながらコイル線を前記巻枠に巻き付けるコイル製造方法であって、
保持部の平面と前記巻枠とにて前記コイル線を挟み込み、
前記保持部の前記平面および前記回転軸の軸方向に垂直な垂直方向から、前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を保持しながら前記巻枠を回転させ前記コイル線を前記巻枠に巻き付け、
また、コイル巻回装置によれば、
巻枠を回転軸にて回転させながらコイル線を前記巻枠に巻き付けるコイル巻回装置において、
前記コイル線を保持する平面を有する保持部と、
前記回転軸に設置された前記巻枠を回転させる回転部と、
前記保持部の前記平面および前記保持部の前記平面における垂直方向において、前記巻枠と前記保持部の前記平面との相対的な位置を移動させる押付部とを備え、
前記押付部が、前記保持部の前記平面と前記巻枠との垂直方向における相対的な位置を変更して、前記保持部の前記平面と前記巻枠との間で前記コイル線を挟み込み、垂直方向から前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を保持するとともに、前記回転部は、前記巻枠を回転させて前記コイル線を前記巻枠に巻き付けるので、
保持部の平面と任意の形状の巻枠との間でコイル線を挟み込み保持することで、連続的にコイル線を矯正するので、巻き付け精度に優れたコイルを得ることができる。
また、コイル線は巻枠と保持部の平面とにて常時挟み込み押付けて保持しているため、精細な張力調整がなくてもコイル線の撓みが抑制されるため、張力調整を簡易な装置構成とすることができる。
また、押付部は、保持部の平面と巻枠との垂直方向における相対的な位置を変更するのみにて構成されるため、複雑な移動機構および高度な制御が不要なため、設備が簡易となり、小型で低コスト化が実現できる。
また、巻枠を回転軸にて回転させながらコイル線を前記巻枠に巻き付けるコイル製造方法であって、
巻枠を回転軸にて回転させながらコイル線を前記巻枠に巻き付けるコイル製造方法であって、
前記コイル線を、保持部の平面における垂直方向および前記回転軸の軸方向において一定に保持しながら前記保持部の前記平面に送り出すガイド部を備え、
前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を挟み込み、
前記保持部の前記平面および前記垂直方向から、前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を保持しながら前記巻枠を回転させ前記コイル線を前記巻枠に巻き付け、
前記コイル線を前記巻枠に多層に巻回する場合、層が増加する毎に、前記ガイド部と前記巻枠との前記垂直方向の距離が離れるように移動させる、
さらに、コイル巻回装置は、前記コイル線を、前記垂直方向および前記回転軸の軸方向を一定に保持しながら前記保持部の前記平面に送り出すガイド部を備え、
さらに、コイル巻回装置は、前記コイル線を前記巻枠に多層に巻回する場合、前記ガイド部は、層が増加する毎に、前記ガイド部と前記巻枠との前記垂直方向の距離が離れるように構成されたので、
保持部の平面と任意の形状の巻枠との間でコイル線を挟み込み保持することで、連続的にコイル線を矯正するので、巻き付け精度に優れたコイルを得ることができる。
また、コイル線は巻枠と保持部の平面とにて常時挟み込み押付けて保持しているため、精細な張力調整がなくてもコイル線の撓みが抑制されるため、張力調整を簡易な装置構成とすることができる。
また、押付部は、保持部の平面と巻枠との垂直方向における相対的な位置を変更するのみにて構成されるため、複雑な移動機構および高度な制御が不要なため、設備が簡易となり、小型で低コスト化が実現できる。
また、ガイド部により、コイル線を保持部の平面に精度よく送り出すことができ、巻枠にコイル線が多層に巻回される場合も、コイル線を保持部の平面に精度よく送り出すことができる。
さらに、前記コイル線を前記巻枠に多層にて巻き付けるコイル製造方法において、
前記巻枠に巻き付けられた下層の前記コイル線上に、上層の前記コイル線を巻き付ける場合、
前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて、前記下層の前記コイル線、および、前記上層の前記コイル線を挟み込みながら、
前記垂直方向から前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて、前記下層の前記コイル線、および、前記上層の前記コイル線を押付けながら前記巻枠を回転させ前記コイル線を前記巻枠に巻き付けるので、
巻枠に巻き付け済のコイル線も合わせて矯正するので、巻き付け精度のよい多層のコイルを得ることができる。
さらに、前記保持部の前記平面は、前記巻枠の外形の最大平面箇所よりも大きく形成されるので、
巻枠の最大平面箇所においても、コイル線は巻枠と保持部の平面とにて常時挟み込み押付けることができ、確実に巻き付け精度のよいコイルを得ることができる。
さらに、前記巻枠と前記保持部の前記平面との前記軸方向における相対的な位置を移動させる移動部を備えたので、
巻枠に多列にコイル線を巻き付けできるので、巻き付け精度のよい多列のコイルを得ることができる。
実施の形態2.
本実施の形態2においては、コイル線1に絶縁の被膜がコーティングされた線材を使用する場合について説明する。上記実施の形態1にて示したように、コイル線1は巻枠13と保持部11の平面11Aとにより挟み込み押付けながら巻枠13に巻き付けられる。このように被覆されたコイル線1を使用し、押付部15が常時定圧にて押付けている場合であって、巻枠13に長辺部13Aと短辺部13Bとが存在する場合には、保持部11に短辺部13Bを押付ける際、コイル線1が保持部11の平面11Aにて擦られる力が、例えば、図6A、図6C、図6E、図6G、図6Iの状態と比較すると、例えば、図6B、図6D、図6F、図6Hの状態の方が大きく働くため、コイル線1の被覆の破損が発生しやすい。
また、巻枠13に長辺部13Aと短辺部13Bとが存在する場合は、巻枠13の回転速度が一定であると、巻枠13の回転角度によってコイル線1の送り量が異なる。また、多層巻きでは、巻き付ける層によってコイル線1の送り量が変化する。コイル線1の送り量が大きく変動すると、保持部11と巻枠13と間の押付け力が弱い場合、コイル線1が挿入方向(水平方向X)に滑ることでコイル内に僅かな余長が発生してコイル線1が巻き付けられたり、逆に、挿入方向(水平方向X)と逆に滑った場合、コイルが強く巻き締まって巻き付けられたりする。
コイル内に余長が残る場合は、コイル線1の間に隙間が発生するが、巻き付けが進むことで矯正されていく場合がある。しかしながら、余長分だけコイルの外径寸法が変形する可能性がある。また、コイルが強く巻き締まった場合、コイル線1が引き延ばされることで被覆の破損または、巻枠13(巻芯)が破損する可能性がある。また、コイル線1が破損しなくても巻枠13からコイルが取り出せなくなる可能性がある。これに対し、コイル線1の滑りを防止するため巻枠13の押付け力を高くすると、コイル線1の被覆が破損しやすくなる。
より精度に優れたコイルを得るためには、巻枠13を保持部11の平面11Aに対してコイル線1が破損しない程度の、設定された押付け力で押付けると同時に、コイル線1が巻枠13と保持部11の平面11Aとの間で滑らないよう送り量を一定とすることが望ましい。本実施の形態2ではこれらを実施するためのコイル製造方法およびコイル巻回装置について説明する。
図10は実施の形態2におけるコイル巻回装置の構成を示す正面図である。図11は図9に示したコイル巻回装置の構成を示す側面図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。回転部14は、巻枠13を固定する回転ベース部114を回転する第1サーボモータ23を備える。第1サーボモータ23には、例えば、巻枠13の回転角度を検出する検出部23Aとしての例えばロータリーエンコーダが内蔵される。
押付部15は、垂直方向Yの位置制御が可能な第2サーボモータ24を備える。尚、第2サーボモータ24に代えて、非圧縮流体を使用した油圧シリンダを用いることも考えられる。そして、押付部15の第2サーボモータ24による垂直方向Yの押付け力、すなわち、巻枠13の保持部11の平面11Aへの押付け力を検出するための押力検出部25としての例えばロードセルが設置される。
次に、上記のように構成された実施の形態2のコイル巻回装置を用いたコイル製造方法について説明する。上記実施の形態1と同様に行うとともに、第1サーボモータ23の検出部23Aにより巻枠13の回転姿勢としての回転角度を検出する。そして、押付部15は、巻枠13の回転姿勢(回転角度)に応じて、第2サーボモータ24を制御し、あらかじめ設定された保持部11の平面11Aに対する巻枠13の位置を可変し、保持部11の平面11Aに対する巻枠13の押付け力が設定された押付け力となるように調整する。
尚、この場合は、あらかじめ、巻枠13の回転姿勢に応じて、押力検出部25にて検出される押付け力が設定された押付け力の値となるように、押付部15における巻枠13と保持部11の平面11Aとの垂直方向Yにおける相対的な位置が決定されている。
また、他の方法としては、押力検出部25にて巻枠13の保持部11への押付け力を随時検出する。そして検出された押付け力が、設定された押付け力となるよう、巻枠13の垂直方向Yの位置を可変し、巻枠13と保持部11の平面11Aとの垂直方向Yにおける相対的な位置を可変し、巻枠13と保持部11との間のコイル線1に設定された押付け力を付加する。
さらに、検出部23Aにより巻枠13の回転姿勢を検出して、当該巻枠13の回転姿勢(回転角度)に応じて、第1サーボモータ23の回転速度を、コイル線1の送り速度の変動が少なくなるように調整する。
このように、保持部11に対して巻枠13によるコイル線1の押付け力を、巻枠13の回転姿勢または押付け力に応じて調整することで、コイル線1に掛かる余分な押付け力を軽減し、コイル線1の被覆破損を防止できる。また、巻枠13の回転姿勢に応じて回転速度を変更するのでコイル線1の送り量の変動を少なくでき、コイル形状に変形がない精度よく巻き付けられたコイルを製作できる。
上記のように構成された実施の形態2のコイル製造方法およびコイル巻回装置によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、
前記巻枠の回転姿勢を検出する検出部を備え、
前記押付部は、前記検出部が検出した前記巻枠の回転姿勢に応じて、前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を押し付け保持する押付け力が設定された押付け力にて、前記巻枠と前記保持部の前記平面との前記垂直方向における相対的な位置を可変するので、
コイル線において過度な付加による不具合の発生を防止できる。
また、前記保持部の前記平面と前記巻枠とにおける前記垂直方向の押付け力を検出する押力検出部を備え、
前記押付部は、前記押力検出部が検出した押付け力が設定された押付け力にて、前記巻枠と前記保持部の前記平面との前記垂直方向における相対的な位置を可変するので、
コイル線において過度な付加による不具合の発生を防止できる。
また、前記巻枠の回転姿勢を検出する検出部を備え、
前記回転部は、前記検出部にて検出した前記巻枠の回転姿勢に応じて回転速度を可変するので、
コイル線の送り量の変動によるコイルの形状の不具合の発生を防止できる。
また、コイル製造方法においては、
前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向の距離を、前記巻枠の回転角度に応じて可変して、前記巻枠を回転させ、
また、コイル巻回装置においては、
前記保持部の前記平面と前記巻枠との位置関係は、
前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向の距離が、前記巻枠の回転角度に応じて可変するように構成されるので、
コイル線において過度な付加による不具合の発生を防止できる。
実施の形態3.
上記実施の形態2では間接的にコイル形状の変形を防止する例を示した。本実施の形態3では、直接的にコイル形状の変形を防止する場合について説明する。
図12は実施の形態3におけるコイル巻回装置の構成を示す正面図である。図13は図12に示したコイル巻回装置の追加押圧部の動作を説明するための正面図である。図14は図12に示したコイル巻回装置の追加押圧部の詳細の構成を示す正面図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。コイル線1を巻枠13に押圧する追加押圧部17を備える。追加押圧部17は、巻枠13の短辺部13Bにコイル線1を巻き付ける際に、長辺部13Aに巻き付けたコイル線1と巻枠13との間の隙間、または、コイル線1間の隙間を防止する。
追加押圧部17は、例えば空圧シリンダにて形成され、矢印Pの方向に移動し、コイル線1を巻枠13に押圧する。尚、空圧シリンダに代えて、モータなどを使用して追加押圧部17の押圧を制御し、コイル線1の層に合わせて定位置となるよう制御してもよい。また、他の例として、図14に示すように回転ベース部114にカム板33を取り付け、巻枠13の回転角度に応じて追加押圧部17がバネ圧で矢印Pの方向に前後して、コイル線1を巻枠13に押圧するように構成してもよい。この場合であれば、新たな空圧シリンダまたはモータなどのアクチュエータを追加することなく構成できる。
そして、追加押圧部17の位置は、巻枠13の回転と同期して、アクチュエータまたはバネ圧などを用いて変更する。そして、追加押圧部17の位置は、巻枠13の長辺部13Aを巻き付ける際には、コイル線1との干渉を回避するため、巻枠13から退避させる。そして、保持部11とは別に巻枠13の長辺部13Aと短辺部13Bとの境界箇所にて、コイル線1を巻枠13に追加押圧部17にて押圧するので、さらにコイル線1の矯正が可能となり、さらに精度に優れたコイルを製作できる。
上記のように構成された実施の形態3のコイル製造方法およびコイル巻回装置によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、
前記巻枠に前記コイル線を押圧する追加押圧部を備えたので、
さらにコイル線の弛みを防止できるコイルを得ることができる。
実施の形態4.
上記実施の形態2ではコイル線1に絶縁の被膜がコーティングされた線材を使用する場合に被覆の破損を防止するため、巻枠の固定台への押付け力を巻枠の垂直方向Yの高さを制御することで過度な押付け力とならないよう構成する例を示した。本実施の形態4ではコイル被覆の破損を防止する異なる構成の例を示す。
図18は実施の形態4におけるコイル巻回装置の構成を示す正面図であり、図19は図18のコイル巻回装置の構成を示す側面図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。保持部40は、台座200に固定された水平台42に、水平方向Xに移動可能に設置されている。保持部40は、コイル線1を挿入する水平方向Xにコイル線1を保持する平面40Aを有する。尚、第1ガイド部12はここでは水平台42上に設置される。保持部40の平面40Aは巻枠13の外径の最大平面箇所となる長辺部13A(図4参照)よりも大きく構成される。
次に、上記のように構成された実施の形態4のコイル巻回装置を用いたコイル製造方法について説明する。尚、上記各実施の形態と同様の部分は適宜省略する。上記各実施の形態と同様に、コイル線1を巻枠13に巻き付けると同時に、押付部15により、常時定圧で巻枠13を保持部11の平面11Aに垂直方向Yから押付ける。図18に示した状態では、巻枠13の長辺部13Aがコイル線1を保持部40の平面40Aに押付けている。そして、巻枠13が図18に示した状態から図20に示した状態に回転方向Wに回転すると、巻枠13による保持部40へのコイル線1の押付け力が定圧となるよう巻枠13が保持されている回転部14を垂直方向Yに持ち上げる。
この時、巻枠13の回転方向Wの回転移動に合わせて、巻枠13の回転方向Wに対応する保持部40の平面40A上における水平方向X、ここでは図面上の右側方向X1に対応する水平方向Xに移動させる。これは、保持部40の平面40Aに巻枠13がコイル線1を押圧しているので、巻枠13の回転方向Wに応じて右側方向X1の力が保持部40の平面40Aに働き、水平方向Xの右側方向X1に移動するものである。尚、巻枠13の保持部40の平面40Aへの押付け力が強く、保持部40の平面40Aが巻枠13の回転力だけでは水平方向Xに移動できない場合には、シリンダなどのアクチュエータを使用して、保持部40の平面40Aを水平方向Xに移動させることも可能である。
このように、巻枠13の回転方向Wの回転移動と、保持部40の平面40Aの移動を平面の移動との相対速度が同じとすることで、巻枠13に巻回されるコイル線1、保持部40の平面40Aとの間のこすれが防止でき、コイル線1の被覆の破損を防止できる。保持部40の平面40Aは、巻枠13の回転角度が図18の状態から180°となるまで、巻枠13の回転移動と同期して、保持部40の平面40Aを水平方向Xの右側方向X1に移動させる。
そして、巻枠13が180°回転し、巻枠13の長辺部13Aが保持部40の平面40Aと平行となるタイミングで、バネなどの機構部品またはシリンダなどのアクチュエータを使用して、保持部40の平面40Aを初期位置(図18の位置)に戻す。巻枠13の長辺部13Aが保持部40の平面40Aに対して水平の状態では巻枠13の長辺部13Aに巻回されたコイル線1は保持部40の平面40Aとの間で当接するためコイル線1に掛かる押付け力は小さく、保持部40を初期位置に戻す際にこすれが発生してもコイル線1の被覆破損は発生しない。
但し、コイル線1の被覆強度が著しく弱い場合は、巻枠13を固定する回転部14の垂直方向Yへの移動をサーボモータなどのアクチュエータ使用し、保持部40を初期位置に戻す際に巻枠13を垂直方向Yに僅かに持ち上げ、コイル線1と保持部40の平面40Aとの隙間を僅かにつくることで被覆の破損を回避できる。
また、保持部40の平面40Aをループ状に構成し無限軌道とすることで、水平方向Xに移動した保持部40の平面40Aがループ状に1回転し、元の位置に戻すように構成することも考えられる。このように構成すれば、巻枠13の回転角度によって保持部40を初期位置に戻す必要がなく、保持部40の構成が簡素化でき、巻回時間を短縮できる。また、この場合であっても、保持部40の平面40Aをアクチュエータを使用して巻枠13の回転と同期してコイル線1のこすれが生じないよう動かすことができる。
上記のように構成された実施の形態4のコイル製造方法およびコイル巻回装置によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、
コイル製造方法においては、
前記保持部の前記平面を、前記巻枠の回転方向に対応する前記保持部の前記平面上における水平方向に移動させながら、前記巻枠を回転させ、
コイル巻回装置においては、
前記保持部の前記平面は、前記巻枠の回転方向に対応する前記保持部の前記平面上における水平方向に移動するように構成されるので、
巻枠に巻回されたコイル線と保持部の平面との間でこすれが低減できるため、コイル線の被覆破損を防止できる。
実施の形態5
本実施の形態5では上記実施の形態4とは異なるコイル被覆の破損を防止する異なる構成の例を示す。図21は実施の形態5におけるコイル巻回装置の構成を示す正面図であり、図22は図21に示したコイル巻回装置の構成を示す側面図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
回転部14は巻枠固定台46を備える。巻枠固定台46は、巻枠13が固定され、巻枠13にコイル線1が巻回される必要な巻層分の外形より一回り大きな相似形状を有する。巻枠固定台46の長辺側の両端には、それぞれローラ47を備える。ローラ47は、巻枠13の短辺部13B側の軸方向Zの中心軸Mと同じ軸上に配置する。ローラ受台48は、ローラ47の保持部11側に、垂直方向Yに位置制御可能なアクチュエータ49を介して設置される。アクチュエータ49は、垂直方向Yの位置制御が可能な油圧シリンダまたはボールねじとサーボモータとの組み合わせた直動装置などにて形成される。
これら、巻枠固定台46、ローラ47、ローラ受台48、およびアクチュエータ49により、保持部11の平面11Aと巻枠13との垂直方向Yにおける位置関係を可変できる構成を有する。但し、これら構成に限られることは無く、他の構成であっても、保持部11の平面11Aと巻枠13との垂直方向Yにおける位置関係を可変できる構成であれば、以下の動作は同様に行うことができ、同様の効果を奏するものである。
次に、上記のように構成された実施の形態5のコイル巻回装置を用いたコイル製造方法について説明する。尚、上記各実施の形態と同様の部分は適宜省略する。巻枠13の垂直方向Yの位置は、巻枠13を固定する巻枠固定台46に取付けられたローラ47が当接するローラ受台48により決定される。ローラ受台48はアクチュエータ49で垂直方向Yの位置を制御する。
巻枠13と保持部11の平面11Aとの垂直方向Yの距離をT2(図7参照)、コイル線1の垂直方向Yの長さをT1とすると、ローラ受台48の垂直方向Yを巻枠13に巻回されたコイル線1と保持部11の平面11Aとの間にコイル線1が当接しないよう、T2>T1に設定することでコイル線1の被覆のこすれを防止できる。
そして、この状態で巻枠13を回転しコイル線1を巻回する。巻枠13を回転角度に応じて垂直方向Yの位置を変えるのは上記各実施の形態と同様に行う。巻枠固定台46に取付けられたローラ47の外径は、巻枠13の外形と等距離のためローラ受台48の垂直方向Y位置は固定のままで、コイル巻回時の巻枠と保持部11の平面11Aとの距離を同じにできるため、巻枠13が回転するコイル線1の巻回時においてもコイル線1の被覆のこすれを防止できる。
コイル線1を多層巻きする場合、1層目と2層目以降では巻枠13と巻回されたコイルの外径との距離が異なるため、ローラ受台48の垂直方向Y位置を固定のままでは、巻枠13に巻回されたコイル線1と保持部11の平面11Aとの間でこすれが生ずる。これを防ぐため、巻枠13の2層目にコイル線1を巻回する際は、ローラ受台48をコイル線1の長さT1分持ち上げることで巻枠13に巻回されたコイルの外径と保持部11の平面11Aとの距離を1層目と同じに保つことができる。尚、3層目以降についても2層目と同等に行うことができる。
よって、巻回時において巻枠13に巻回されたコイルの外径と保持部11の平面11Aとの垂直方向Yの距離を同じにできる。また、巻枠13に巻回されたコイル線1と保持部11の平面11Aの間に隙間を作ることで、巻回により発生する巻き膨らみを図1に示す張力調整装置103の張力によりコイル線1の送りとは逆方向に引っ張られるとで巻枠13との隙間を無くし、コイル線1を巻枠13に隙間なく巻回できる。
巻き膨らみが張力調整装置103の張力で取りきれない場合、コイル線1の巻枠13と保持部11の平面11Aとの垂直方向Yの距離T2を、
T2-T1≪T1とすることで、巻枠13に巻回されたコイル線1の保持部11の平面11Aへの押付け力を大きくすることなくコイル線1の巻き膨らみを矯正し精度よくコイル線1を巻回できる。
さらにコイル線1の巻き膨らみは巻枠13の長辺部13Aでは小さく、短辺部13BのR形状部で大きくなるので、保持部11の平面11Aと巻枠13の長辺部13A(図4参照)の巻回時の垂直方向Yの距離をT3、保持部11の平面11Aと巻枠13の短辺部13B(図4参照)の巻回時の垂直方向Yの距離をT4とすると、T3<T4と巻枠13の巻回位置による巻き膨らみによる大きさで巻枠13と保持部11の平面11Aとの垂直方向Yの距離を変えることで、巻枠13に巻回されたコイル線1の保持部11の平面11Aへの押付け力を大きくすることなく、コイル線1の巻き膨らみを矯正し、より精度よくコイル線1を巻回できる。
尚、本実施の形態5においては、保持部11の平面11Aを固定し、ローラ受台48の垂直方向Yの位置を調整する例を示したが、ローラ受台48を固定し、保持部11の平面11Aをコイル線1の巻回が増えるに従い、垂直方向Yの位置を下方に制御しても同様に行うことができ同様の効果が得られる。
上記のように構成された実施の形態5のコイル製造方法およびコイル巻回装置によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、
コイル製造方法においては、
前記コイル線の前記垂直方向の長さをT1、
前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向の距離をT2とすると、
前記保持部の前記平面と前記コイル線との前記垂直方向の位置関係を、
T2-T1≪T1となる位置関係に設定して前記コイル線の巻回を行うので、
また、コイル巻回装置においては、
前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向における位置関係は、
前記コイル線の前記垂直方向の長さをT1、
前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向の距離をT2とすると、
T2-T1≪T1となる位置関係に構成されるので、
巻枠により巻回されたコイル線の保持部の平面へのこすれが更に防止でき、コイル線の被覆破損を防止できる。また、巻き膨れを矯正できるため精度よく巻回されたコイルを得ることができる。
本開示は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらに、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 コイル線、10 コイル製造装置、100 コイル巻回装置、101 供給装置、102 矯正装置、103 張力調整装置、1A 巻始端、11 保持部、11A 平面、11B 平面、110 送り装置、111 端末成形装置、112 被覆剥離装置、113 切断装置、114 回転ベース部、12 第1ガイド部、121 垂直方向矯正部、122 送り方向矯正部、13 巻枠、13A 長辺部、13B 短辺部、14 回転部、15 押付部、16 移動部、17 追加押圧部、21 モータ、22 空圧シリンダ、23 第1サーボモータ、23A 検出部、24 第2サーボモータ、25 押力検出部、31 第2ガイド部、32 固定部、40 保持部、40A 平面、42 水平台、46 巻枠固定台、47 ローラ、48 ローラ受台、49 アクチュエータ、T1 長さ、H1 長さ、H2 長さ、Q 回転軸、W 回転方向、X 水平方向、Y 垂直方向、Z 軸方向。

Claims (19)

  1. 巻枠を回転軸にて回転させながらコイル線を前記巻枠に巻き付けるコイル製造方法であって、
    前記コイル線を、保持部の平面における垂直方向および前記回転軸の軸方向において一定に保持しながら前記保持部の前記平面に送り出すガイド部を備え、
    前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を挟み込み、
    前記垂直方向において前記巻枠により前記コイル線を前記保持部の前記平面に押し付け、
    前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を保持しながら前記巻枠を回転させ前記コイル線を前記巻枠に巻き付け、
    前記コイル線を前記巻枠に多層に巻回する場合、層が増加する毎に、前記ガイド部と前記巻枠との前記垂直方向の距離が離れるように移動させるコイル製造方法。
  2. 前記コイル線を前記巻枠に多層にて巻き付けるコイル製造方法において、
    前記巻枠に巻き付けられた下層の前記コイル線上に、上層の前記コイル線を巻き付ける場合、
    前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて、前記下層の前記コイル線、および、前記上層の前記コイル線を挟み込み、
    前記垂直方向から前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて、前記下層の前記コイル線、および、前記上層の前記コイル線を保持しながら前記巻枠を回転させ前記コイル線を前記巻枠に巻き付ける請求項1に記載のコイル製造方法。
  3. 前記コイル線を前記巻枠に多列にて巻き付けるコイル製造方法において、
    前記巻枠に巻き付けられた1列目の前記コイル線の前記軸方向に隣接して、2列目の前記コイル線を巻き付ける場合、
    前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて、前記1列目の前記コイル線、および、前記2列目の前記コイル線を挟み込み、
    前記垂直方向から前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて、前記1列目の前記コイル線、および、前記2列目の前記コイル線を保持しながら前記巻枠を回転させ前記コイル線を前記巻枠に巻き付ける請求項1または請求項2に記載のコイル製造方法。
  4. 前記保持部の前記平面を、前記巻枠の回転方向に対応する前記保持部の前記平面上における水平方向に移動させながら、前記巻枠を回転させる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコイル製造方法。
  5. 前記コイル線の前記垂直方向の長さをT1、
    前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向の距離をT2とすると、
    前記保持部の前記平面と前記コイル線との前記垂直方向の位置関係を、
    T2-T1≪T1となる位置関係に設定して前記コイル線の巻回を行う請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコイル製造方法。
  6. 前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向の距離を、前記巻枠の回転角度に応じて可変して、前記巻枠を回転させる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコイル製造方法。
  7. 巻枠を回転軸にて回転させながらコイル線を前記巻枠に巻き付けるコイル巻回装置において、
    前記コイル線を保持する平面を有する保持部と、
    前記回転軸に設置された前記巻枠を回転させる回転部と、
    前記保持部の前記平面における垂直方向において、
    前記巻枠と前記保持部の前記平面との相対的な位置を移動させる押付部とを備え、
    前記押付部が、前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向における相対的な位置を変更して、前記保持部の前記平面と前記巻枠との間で前記コイル線を挟み込み、前記垂直方向から前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を保持するとともに、前記回転部は、前記巻枠を回転させて前記コイル線を前記巻枠に巻き付けるコイル巻回装置。
  8. 前記保持部の前記平面は、前記巻枠の外形の最大平面箇所よりも大きく形成される請求項7に記載のコイル巻回装置。
  9. 前記コイル線を、前記垂直方向および前記回転軸の軸方向を一定に保持しながら前記保持部の前記平面に送り出すガイド部を備えた請求項7または請求項8に記載のコイル巻回装置。
  10. 前記コイル線を前記巻枠に多層に巻回する場合、
    前記ガイド部は、層が増加する毎に、前記ガイド部と前記巻枠との前記垂直方向の距離が離れるように構成された請求項9に記載のコイル巻回装置。
  11. 前記巻枠の回転姿勢を検出する検出部を備え、
    前記押付部は、前記検出部が検出した前記巻枠の回転姿勢に応じて、前記保持部の前記平面と前記巻枠とにて前記コイル線を押し付け保持する押付け力が設定された押付け力にて、前記巻枠と前記保持部の前記平面との前記垂直方向における相対的な位置を可変する請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のコイル巻回装置。
  12. 前記保持部の前記平面と前記巻枠とにおける前記垂直方向の押付け力を検出する押力検出部を備え、
    前記押付部は、前記押力検出部が検出した押付け力が設定された押付け力にて、前記巻枠と前記保持部の前記平面との前記垂直方向における相対的な位置を可変する請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のコイル巻回装置。
  13. 前記巻枠の回転姿勢を検出する検出部を備え、
    前記回転部は、前記検出部にて検出した前記巻枠の回転姿勢に応じて回転速度を可変する請求項7から請求項10、請求項12のいずれか1項に記載のコイル巻回装置。
  14. 前記回転部は、前記検出部にて検出した前記巻枠の回転姿勢に応じて回転速度を可変する請求項11に記載のコイル巻回装置。
  15. 前記巻枠に前記コイル線を押圧する追加押圧部を備えた請求項7から請求項14のいずれか1項に記載のコイル巻回装置。
  16. 前記巻枠と前記保持部の前記平面との前記回転軸の軸方向における相対的な位置を移動させる移動部を備えた請求項7から請求項15のいずれか1項に記載のコイル巻回装置。
  17. 前記保持部の前記平面は、前記巻枠の回転方向に対応する前記保持部の前記平面上における水平方向に移動するように構成される請求項7から請求項16のいずれか1項に記載のコイル巻回装置。
  18. 前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向における位置関係は、
    前記コイル線の前記垂直方向の長さをT1、
    前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向の距離をT2とすると、
    T2-T1≪T1となる位置関係に構成される請求項7から請求項17のいずれか1項に記載のコイル巻回装置。
  19. 前記保持部の前記平面と前記巻枠との位置関係は、
    前記保持部の前記平面と前記巻枠との前記垂直方向の距離が、前記巻枠の回転角度に応じて可変するように構成される請求項7から請求項18のいずれか1項に記載のコイル巻回装置。
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