JP7202917B2 - 通信システム及び通信端末装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通信システム及び通信端末装置に関する。
プラントや病院などでは、電磁波に対して影響を受けやすい機器が多数使用されている。そのため、プラントであれば作業員やパトロール員、管理者といった従事者、その他の施設であれば来訪者や従業員が強い電磁波を発する機器を使用すると、誤作動を引き起こすことがある。この誤作動によってプラントが停止したり、医療機器が停止する恐れがある。
また、前記のような事象が発生することによって、製造中の部材が不良になるなどの理由や、安全の確認が取れるまで操業を停止するなどの理由で、経済的な損失が生じる場合がある。また、医療機器が停止すれば、生命が危険にさらされることにもなる。
このような事態を防ぐために、例えばプラントなどの施設の場合には、プラント内に強力な電波を発する機器、すなわち携帯電話や無線LAN(Local Area Network)を搭載したモバイル端末などの持ち込みを制限して対策を講じるケースがある。しかしながら図面、指示書の閲覧やリアルタイムで作業状況を報告するといったことができなくなり、従事者の作業性を著しく損なうと考えられる。
このような課題を解決する一手段として、PHS(Personal Handyphone System)のようなきわめて微弱な電磁波を発する機器を利用する方法がある。しかしながら、PHSはデータ通信速度が伝送したいデータ量に対して低いため、通信に時間を要することや、また利便性が充分ではなく、必ずしも有効な手段ではないと考えられる。
この方法以外にも特許文献1および特許文献2以下に示す技術がある。
特許文献1の[要約]には、「[課題]移動通信端末に動作制限する際に、その利便性や有用性を損なわないように移動通信端末の通信機能を確保する無線通信システムを提供する。[解決手段]無線通信端末100と無線通信基地局300の間に設置された無線通信中継制御装置200は、第1及び第2の無線通信手段を搭載し、第2の無線通信手段である小電力無線通信手段を用いて動作制限領域内に動作制限に関する制御情報をブロードキャスト送信し、無線通信端末に動作制限をかける場合、第2の無線通信手段を用いて動作制限領域内の無線通信端末に通話又はデータ通信の中継サービスを実行する。無線通信端末は、第1及び第2の無線通信手段を搭載し、無線通信中継制御装置から動作制限がかけられていない場合には、第1の無線通信手段を用いて無線通信基地局と通信を行い、動作制限がかけられている場合には、第2の無線通信手段を用いて無線通信中継制御装置と通信を行う。」と記載され、無線通信システムの技術が開示されている。
また、特許文献2の[要約]には、「[課題]「何処でも利用できる携帯無線端末の利便性」を維持し、「携帯無線端末からの電磁波によるユーザーの脳への悪影響や医療機器の誤作動の防止」を完全に解決できる携帯無線端末、及び医療施設・コンサートホール・事務所・住宅・電車その他の施設に備えられた携帯無線端末の電磁波から施設内の機器又はユーザーを守る中継装置を提供する。[解決手段]無線基地局からの電波を受信する受信部と、前記無線基地局に向けて出力の大きい電波により送信する第1の送信手段と、「ユーザーの存在する場所から少なくとも約200~約100m以内の場所にあり、ユーザーが送信した微弱電波を出力の大きい電磁波に変換して前記無線基地局に送信するアップリンク用中継装置」に向けて微弱電波により送信する第2の送信手段と、前記中継装置から微弱電波により送信される切換え指示信号に基づいて前記第1と第2の送信手段とを切替える送信電波切換え手段とを備える。」と記載され、携帯無線端末の技術が開示されている。
特開2003-244048号公報 特開2002-204482号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、例え微弱とはいえ電磁波を発するものであり、偶発的であっても電磁波の影響を受けやすい機器にきわめて近い場所で使用した場合には影響を与える恐れがあるという課題(問題)がある。
また、逆に、きわめて近い場所であっても影響を与えないようにすることを想定して無線通信端末から出力する電磁波強度をさらに抑制した場合には、無線通信中継装置まで電磁波が到達しない領域が多く存在することとなり、利便性を大きく損なうという課題(問題)がある。
また、特許文献2に開示された技術においても、前記の特許文献1に開示された技術とほぼ同様の課題(問題)がある。
本発明は、前記した課題に鑑みて創案されたものであって、電磁波の影響を受けやすい機器が存在する場所であっても当該機器に影響を与えることなく、無線通信の利便性を確保する方法を提供することを課題(目的)とする。
前記の課題を解決するために、本発明を以下のように構成した。
すなわち、本発明の通信システムは、通信信号を含む電磁波を送信する基地局と、通信信号を含む電磁波を送信する通信端末装置と、を備え、前記通信端末装置は、前記基地局の電磁波が受信できる場合に通信信号を含む電磁波を送信する機能と、前記基地局の電磁波が受信できない場合に電磁波を送信しない機能とを有し、前記基地局は、電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器から距離Lだけ離隔した位置に設置され、前記距離Lは、前記基地局の電磁波到達距離と前記通信端末装置の電磁波到達距離との和よりも大きい、ことを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、電磁波の影響を受けやすい機器が存在する場所であっても当該機器に影響を与えることなく、無線通信の利便性(例えば高速な無線データ通信)を確保する方法を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る通信システムにおける基地局と通信端末と電磁波被影響機器との位置関係を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る通信システムにおける通信端末の発信する電磁波の通信端末からの距離と、電界強度との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る通信端末の無線通信に関連する装置の一例を簡易的に示す図である。 本発明の第1実施形態に係る通信端末の無線通信に関連する装置の他の例を簡易的に示す図である。 本発明の第1実施形態に係る通信端末の制御部の処理フローチャートを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る通信端末の制御による作用と効果について説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る通信システムにおける基地局と漏洩同軸ケーブルと通信端末と電磁波被影響機器との位置関係を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る通信システムにおける通信端末の制御部の動作について説明する図である。 本発明の第3実施形態に係る通信端末の制御部の処理フローチャートを示す図である。 本発明の第4実施形態に係る通信端末において、受信される基地局からの信号の受信強度とそれに対応した送信許可時間を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る通信端末において、受信した基地局の識別情報と送信許可時間との対応関係を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る通信システムにおける基地局と、2本の漏洩同軸ケーブルと、方向性結合器と、通信端末と電磁波被影響機器との位置関係を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る通信システムにおける通信端末の処理フローチャートを示す図である。 本発明の第8実施形態に係る通信システムにおける通信端末の処理フローチャートを示す図である。 本発明の第9実施形態に係る通信システムにおける通信端末の処理フローチャートを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と表記する)を、適宜、図面を参照して説明する。
≪第1実施形態・通信システム≫
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信システムにおける基地局1と通信端末装置(通信端末)2と電磁波被影響機器100との位置関係を示す図である。
なお、「通信端末装置」を、適宜、「通信端末」と表記する。
また、以下においては主として、通信システムの説明であるが、通信端末装置(通信端末)2の説明も兼ねる。
図1において、無線の基地局1と、基地局1と無線通信をする通信端末2が配置されている。また、医療機器やプラントなどの電磁波の影響を受けやすい機器である電磁波被影響機器100が、基地局1と通信端末2の近くに位置している。
なお、基地局1と通信端末2と電磁波被影響機器100のいずれかが複数存在する場合もあるが、図1では説明を簡潔にするためにそれぞれ1台ずつとしている。
また、基地局1および電磁波被影響機器100は、移動しないものとする。ただし、通信端末2は、人が携帯・所持することが多く、移動する場合もあるとする。
本発明の第1実施形態に係る通信システムは、主として基地局1と通信端末2と電磁波被影響機器100の位置関係、並びに、通信端末2の構成に特徴を備えるものである。以下、それぞれについて詳細に説明する。
図1に示すように、基地局1からは、距離L1を半径とする範囲4に到達する電磁波(電波)を、通信に用いるために発信する。
また、通信端末2は、距離L2を半径とする範囲3の通信に用いるための電磁波を発信する機能を備えている。
また、基地局1と電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100との距離を距離Lとする。
なお、基地局1および通信端末2における丸状の黒点は、それぞれのアンテナを配置した位置の概要を示している。
また、距離(半径)L1と距離Lは、変化のしない所定の値であるとする。
また、図1において、距離(半径)L1の範囲4、および距離(半径)L2の範囲3として、それぞれ円形状の範囲を示したのは、無指向性のアンテナの場合を想定したものである。
なお、前記のように図1では基地局1、通信端末2とも無指向性のアンテナの場合を想定しているが、本(第1)実施形態は無指向性アンテナに限定されるものではない。
また、距離L1を半径とする範囲4は、基地局1が通信端末2と通信(送信)可能な程度の電界強度の範囲である。距離(半径)L2については、図2を参照して、次に詳細を説明する。
《通信端末2からの距離と電界強度の関係について》
図2は、本発明の第1実施形態に係る通信システムにおける通信端末2の発信する電磁波の通信端末2からの距離L2と、電界強度Sとの関係を示す図である。
図2において、横軸が通信端末2からの距離L2、縦軸が電界強度Sを示している。
図2に示すように、一般に通信端末2からの距離L2が離れるほど電界強度は減少する傾向がある。
電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100に影響が生じる電界強度をS1として基準にとる。この電界強度をS1のときの通信端末2からの距離をL2Aとする。
通信端末2が電磁波被影響機器100に影響を与えないためには、通信端末2からの電磁波の電界強度がS1未満となる距離L2(L2A)超を確保する必要がある。
ただし、電界強度Sがあまりにも低くなることは通信上の支障が生じる可能性があるので、電界強度の下限をS1の1/10程度のS3=S1/10とする。そして、この電界強度S3となる通信端末2からの距離をL2Cとする。また、電界強度S1の半分(1/2)となる電界強度S2をS2=S1/2とする。そして、この電界強度S2となる通信端末2からの距離をL2Bとする。
以上のように電界強度Sと通信端末2からの距離L2を定めると、電磁波被影響機器100に影響を与えないで通信が可能な距離L2は、L2A~L2Cの範囲(L2AC)である。
また、望ましい距離L2の範囲は、L2B~L2Cの範囲(L2BC)である。
《通信可能な範囲、電磁波被影響機器に影響を与えない範囲》
本発明の第1実施形態に係る通信システムにおいては、距離(半径)L1と距離(半径)L2の和が距離Lよりも短くする点に特徴がある。
なお、図1における距離(半径)L1は、基地局1の電磁波到達距離(基地局から出力する所定の電界強度の電磁波の到達距離)でもある。また、距離(半径)L2は、通信端末2の電磁波到達距離(通信端末から出力する所定の電界強度の電磁波の到達距離)でもある。
図1においては、通信端末2が距離(半径)L1の範囲内で比較的に基地局1と近接している様子を例として示している。
通信端末2は、基地局1と通信を行うためには、基地局1から出力される電波(電磁波)の到達領域である範囲4(距離L1の半径の範囲内)に位置している必要がある。そのため、通信可能な範囲で、通信端末2が最も基地局1と離れるのは基地局1から距離L1の位置である。
このとき、通信端末2の発する電磁波が到達する可能性のある範囲の最大の距離は、基地局から(L1+L2)離れた距離である。
電磁波被影響機器100から基地局1までの距離Lを(L1+L2)より大きくする。
あるいは、L>(L1+L2)が常に成立するように制御することで、通信中においては通信端末2が発する電磁波が、電磁波被影響機器100に到達することがなくなる。
なお、基地局1から通信端末2への送信と、通信端末2から基地局1への送信は、時間のタイミングをずらして行われる。
また、基地局1から通信端末2との間隔が距離(半径)L1以内で、基地局1から通信端末2への送信が可能であっても、通信端末2から基地局1への送信が可能であるとは限らない。例えば、L1>L2の場合には、通信端末2から基地局1への送信が可能である保証はない。ただし、通信端末2が基地局1の電磁波(電波、送信信号)を受信可能な範囲において、L>(L1+L2)の関係があれば、通信端末2から発生する電磁波が電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100に、影響を与えるレベルで到達することはない。すなわち、通信端末2の発した電磁波(電波)が電磁波被影響機器100に影響を与えないことが保証される。
本(第1)実施形態では、前記の特徴に加えて、以下で説明する、通信端末2に備える特徴を同時に適用することで目的を達成することができる。
《通信端末の構成》
一般的に通信端末は、基地局を探索するために定期的あるいは非定期で自律的に電磁波を出力している。また、通信端末内に送信すべきデータが蓄積すると、そのデータを基地局に送信するためにも電磁波を出力する。特に携帯電話や無線LAN(Local Area Network)などはこのような通信方式としている。
このような通信端末の場合、通信端末がどこにあるかにかかわらず電磁波を発するため、電磁波被影響機器100、例えば医療機器やプラントであれば計測用センサ、原子力発電所であれば核計装システムなどが付近に存在した場合、影響を及ぼすこととなる。
以上の影響を考慮して、通信端末を次のように構成する。
本発明の第1実施形態に係る通信端末2の構成と特徴を、図3A(図3B)と図4とを参照して説明する。
図3Aは、本発明の第1実施形態に係る通信端末2の無線通信に関連する装置の一例を簡易的に示す図である。
また、図3Bは、本発明の第1実施形態に係る通信端末2(2B)の無線通信に関連する装置の他の例を簡易的に示す図である。
図3Aにおいて、通信端末2は、無線通信部12、データ処理部13、アンテナ14を備えて構成されている。また、無線通信部12は、送信部6、制御部7、受信部8、データ入出力部9、フロントエンド10を備えて構成されている。
データ入出力部9は、送信するデジタルデータをデータ処理部13から取得する。そして、データ入出力部9は、送信するデータを送信部6に出力するとともに、受信部8から取得した情報をデジタルデータに変換してデータ処理部13に出力する。
送信部6は、データ入出力部9から送られる情報をいわゆるRF(Radio Frequency)周波数に変換する変調処理を行う。そして、変換した信号をフロントエンド10に送る。
フロントエンド10は、送信部6から出力された信号を増幅してアンテナ14に出力する。なお、フロントエンド10には、アンテナ14から出力するレベルを調整する機構を備え、距離L2が任意に設定できるものである。図示しないが、基地局1に備えるフロントエンドも同様の機構を備える。
アンテナ14は、フロントエンド10からの増幅された信号を電磁波(電波)として出力する。
また、一方で、アンテナ14で受信した信号は、フロントエンド10で増幅されて受信部8に送られる。
受信部8では、フロントエンド10からの信号を復調してデータ処理部13に送る。
制御部7は、以上のデータ入出力部9、送信部6、受信部8、フロントエンド10からの信号を受け取るとともに、データ入出力部9、送信部6、受信部8、フロントエンド10を制御している。
制御部7の詳細、および通信端末2の基本的な機能を説明する前に、図3Bについて説明する。
図3Bにおいて、通信端末2B(2)は、無線通信部12、アンテナ14を備えて構成されている。また、無線通信部12は、送信部6、制御部7、受信部8、データ入出力部9、フロントエンド10を備えて構成されている。
図3Bにおいては、データ処理部13B(13)は、通信端末2B(2)とは別に設ける。データ処理部13B(13)は、通信端末2B(2)とは別の機器、例えばパーソナルコンピュータに備えられている。図3Bにおけるデータ処理部13B(13)は、通信端末2(図3A)に備えられたデータ処理部13よりも高性能の機能を確保しやすい。
図3Bにおいては、通信端末2B(2)と、データ処理部13B(13)を搭載した例えばパーソナルコンピュータとを一緒に運んで通信をする。
図3Bの機能構成は、図3Aの機能構成と基本的には同じであるので、重複する説明は省略する。
図3A、図3Bにおいて、通信端末(通信端末装置)2は、前記した構成を備えており、基地局1(図1)が送信する通信信号を含む電磁波をアンテナ14で受信する。この受信した信号は、前記したようにフロントエンド10で増幅されて受信部8に送られる。制御部7は、受信部8からの信号により、基地局1の電磁波が通信端末2で受信できているか、受信できていないかを判定する。
通信端末2は、基地局1に対して通信信号を含む電磁波を送信する機能を有している。前記したように、送信するデジタルデータはデータ処理部13で生成され、データ入出力部9を介して送信部6に送る。送信部6は、送られた信号をRF周波数に変換して、変換した信号をフロントエンド10に送る。フロントエンド10は出力するレベルを調整し、アンテナ14に信号(送信信号)を送る。
通信端末2は、基地局1の電磁波が受信できていると制御部7が判定した場合に、通信端末2の送信信号(通信信号)を送信する機能を有している。また、通信端末2は、基地局1の電磁波が受信できていないと制御部7が判定した場合には、通信端末2の送信信号(通信信号)を送信しない機能を有している。
なお、前記したように基地局1は、通信信号を含む電磁波を送信、および受信する機能を備えている。また、基地局1は、電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100(図1)から距離Lだけ隔離した位置に設置されている。
次に、図3Aおよび図3Bにおける制御部7について説明する。
本発明の第1実施形態に係る通信システム及び通信端末(通信端末装置)2の特徴は、制御部7によって具現化される。次に、制御部7の制御の詳細を説明する。
制御部7では、主に送信部6の送信タイミングの制御や受信部8の受信動作の制御をしている。
通信端末2が電磁波を出力する場合には、制御部7は、次の図4に示すフローチャートに従って、送信部6が送信処理を実行するか否かを決定している。
<第1実施形態の制御部7の処理フローチャート>
図4は、本発明の第1実施形態に係る通信端末2の制御部7の処理フローチャートを示す図である。
図4において、ステップSF1~ステップSF5について説明する。
《ステップSF1》
処理を開始(スタート)すると、ステップSF1の受信処理から始める。
ステップSF1においては、送信データがない場合に相当し、通信端末2は受信状態にあるため受信処理をする。そして、ステップSF2に進む。
《ステップSF2》
ステップSF2においては、送信データが発生したか否かを判定する。すなわち、図3に示すデータ入出力部9からの送信すべきデータがあるか否かを判定する。
送信データがある場合(Yes)には、次のステップSF3に進む。
送信データがない場合(No)には、ステップSF1に戻り、ステップSF1からやり直す。
《ステップSF3》
ステップSF3においては、基地局1からの電磁波の信号が受信できたか否かを判定する。
基地局1からの電磁波の信号が受信できる(受信できた)場合、(Yes)には、ステップSF4に進む。
また、基地局1からの電磁波の信号が受信できない場合(No)には、ステップSF1に戻り、ステップSF1からやり直す。すなわち、送信処理は実施しない。
《ステップSF4》
ステップSF4においては、送信部6(図3)に送信処理指令を出力する。その出力の結果として、アンテナ14(図3A)から通信データを含む電磁波の信号が出力される。
この送信を行う場合には、例えば、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)などの通信アクセス方式に従って送信する。
そして、ステップSF5に進む。
《ステップSF5》
ステップSF5においては、送信データがあるか否かを判定する。
送信データがある場合(Yes)には、ステップSF3に戻り、ステップSF3から引き続き行う。
送信データがない場合には、このステップの処理を終了(エンド)する。
<通信端末の作用と効果>
以上で説明した、本発明の第1実施形態に係る通信端末2の作用と効果について、図5を参照して説明する。
図5は、本発明の第1実施形態に係る通信端末2の制御による作用と効果について説明する図である。
図5は、通信端末2が電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100に距離L2よりも近接した場合を示している。
図5に示す状況においては、通信端末2は、基地局1からの信号が受信できる範囲の半径(距離)L1の範囲4よりも外に存在している。
そのため、通信端末2は、基地局1の電磁波の信号が受信できない。その結果、通信端末2に備えられた制御部7(図3A)は、送信処理はしない(ステップSF3:図4)。つまり、通信端末2は、電磁波を出力(送信)しない。
したがって、通信端末2は、電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100に影響を与えることがない。
そのため、電磁波被影響機器100である医療機器、あるいはプラントが、ノイズ(電磁波)によって停止するといった事態を回避、もしくは低減することができる。
なお、通信端末2が電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100から離れて、基地局1の電磁波が受信できる距離(半径)L1の範囲4に入れば、通信端末2に備えられた制御部7(図3A)は、送信処理を再開し、高速でデータ通信が可能となる。
<第1実施形態の効果>
第1実施形態によれば、電磁波の影響を受けやすい機器が存在する場所であっても当該機器に影響を与えることなく、高速な無線データ通信が可能となる。すなわち無線通信の利便性を確保する方法を提供できる。
≪第2実施形態・通信システム≫
図6は、本発明の第2実施形態に係る通信システムにおける基地局1と漏洩同軸ケーブル20と通信端末2と電磁波被影響機器100との位置関係を示す図である。
図6において、無線の基地局1と、基地局1に接続された漏洩同軸ケーブル20と、基地局1と無線通信をする通信端末2が配置されている。また、医療機器などの電磁波の影響を受けやすい機器である電磁波被影響機器100が、基地局1と通信端末2の近くに位置している。
以上の図6の第2実施形態において、図1に示した第1実施形態の通信システムと異なるのは、基地局1に接続された漏洩同軸ケーブル20が新たに加えられ、基地局1の構成が異なっている点である。
その他の構成や作用、効果については、概ね同じであり、重複する説明は、適宜、省略する。
以下においては、前記したことと異なる点について説明する。
図6において、前記したように、基地局1には、電磁波の出力手段として漏洩同軸ケーブル20が接続されている。
漏洩同軸ケーブル20は、同軸ケーブルの外導体(不図示)にスリットが入っており、スリットからきわめて微弱な電磁波が漏洩することによって、通信することを可能とするケーブルである。つまり、漏洩同軸ケーブル20は、アンテナとしての機能を有している。
漏洩同軸ケーブル20は、線状に電磁波が漏洩する領域を形成する。そのため、基地局1と通信端末2が通信可能な程度となる電界強度が得られる範囲(領域)4Bは、理想的には図6の破線で示した範囲となる。
したがって範囲(領域)4Bにおける漏洩同軸ケーブル20からの法線方向の距離は、距離L1Bとなる。なお、第1実施形態における距離L1は、基地局1からの距離に対して、第2実施形態における距離L1Bは、漏洩同軸ケーブル20の電磁波の漏洩で作用が異なるので、距離L1と距離L1Bは、必ずしも同一にはならない。
図6に示した基地局1と通信端末2が通信可能な程度となる電界強度が得られる範囲(領域)4Bは、図1における範囲(領域)4より広い面積(領域)となるので、基地局1と通信端末2が通信可能な範囲(領域)が拡大する。
<第2実施形態の作用と効果>
以上で説明した、本発明の第2実施形態に係る通信システムの作用と効果について、一部、前記説明と重複するが、以下に説明する。
病院やプラントなどでは、電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100は、偏在していることが多い。そのため、第1実施形態で示した円形の指向性となるアンテナを備える基地局の場合には、(L1+L2)がLより小さい条件を満足するように基地局を設置しようとすると、L1を小さな値として設定し、その代わりに多くの基地局を密に配置することで利便性を損なわない程度の通信可能なエリアを確保することになる。そのため、高コストになりやすい。
一方で、図6に示した第2実施形態における漏洩同軸ケーブル20を使用する方法は、前記のとおり線状に通信可能な範囲が形成されるため、(L1B+L2)がLより短くなる場所を縫うように1本敷設するだけでよい。そのため、より低コストで電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100に影響を与えることなく、高速のデータ通信が可能となる効果が得られる。
≪第3実施形態・通信システム≫
本発明の第3実施形態に係る通信システムを図7と図8を参照して説明する。
本(第3)実施形態においては、第1実施形態の図3及び図4で示した通信端末2の制御部7の動作が他の実施形態と異なるため、以下では、この点について詳細に説明する。
なお、その他の重複する説明は、適宜、省略する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る通信システムにおける通信端末2の制御部7の動作について説明する図である。
図7において、横軸は時間(時間の推移)であり、基地局1から出力される電磁波を通信端末2で受信した際の時間経過を模式的に示している。
また、図7において、通信端末2は、時間(時刻)t1で基地局1からの電磁波(受信信号Sigb)を受信し、受信状態(図7のハッチング部)が時間(時刻)t2まで続いていたことを示している。
また、時間(時刻)t2以降において、基地局1の信号が受信されなくなったことを示している。
本(第3)実施形態においては、時間t2からあらかじめ定めた所定の時間(本(第3)実施形態では(t3-t2))を送信許可時間tpとしている。
すなわち、通信端末2は、基地局1からの信号を受信している間は、送信が可能であるが、さらに基地局1からの信号を受信できなくなっても、その受信が途絶えた瞬間から送信許可時間tpの間だけは、引き続き送信が許可されるものである。
送信許可時間tpが設けられているのは、通信端末2が基地局1からの受信が途絶えたとしても、送信許可時間tp内の短時間において、通信端末2が電磁波被影響機器100に急激に接近して、電磁波の悪影響を与える可能性はないと判断されるからである。
なお、送信許可時間tp内は、通信端末2が送信しても電磁波被影響機器100に電磁波の悪影響を与えることがないことを、あくまでも意味している。ただし、通信端末2が送信した電磁波(送信信号)が基地局1に届くか否かは別問題である。
前記した図6の漏洩同軸ケーブル20を設けることは、通信端末2が送信した電磁波(送信信号)が基地局1に届く領域を増加させることに寄与している。
<第3実施形態の制御部7の処理フローチャート>
図8は、本発明の第3実施形態に係る通信端末2の制御部7の処理フローチャートを示す図である。
図8において、通信端末2の制御部7の処理フローチャートは、ステップSF1~ステップSF2、ステップSF4~ステップSF5、ステップST3~ステップST4で構成されている。
以上の図8のフローチャートが図4で示したステップSF1~SF5と異なるのは、ステップST3とステップST4である。図8における他のステップについては、図4のステップと同一である。同一のステップに関しては、重複する説明は省略する。
《ステップST3》
図8において、ステップST3においては、基地局1からの電磁波の信号が受信できたかどうかを判定する。
基地局1からの電磁波の信号が受信できる(受信できた)場合(Yes)には、ステップSF4に進む。
また、基地局1からの電磁波の信号が受信できない場合(No)には、ステップST4に進む。
以上において、図8のステップST3が、図4におけるステップSF3と異なる点は、基地局1からの電磁波の信号が受信できない場合(No)には、送信許可時間内判定のステップST4に進むことである。
《ステップST4》
図8のステップST4においては、送信許可時間tp以内かどうかを判定する。
送信許可時間tp以内(Yes)であれば送信処理のステップSF4に進む。
また、送信許可時間tpを超している場合(No)には、ステップSF1に戻り、ステップSF1からやり直す。つまり、送信処理は実施しない。
すなわち、図8のステップST4において、送信許可時間tp以内かどうかを判定し、送信許可時間tp以内であれば送信処理(ステップSF4)を実施して通信端末2は送信を開始する。
一方で、送信許可時間tp内ではない場合には、ステップSF1に戻る。すなわち、送信処理(ステップSF4)を実施しない。そのため通信端末2から電磁波を出力することはない。
また、図8のフローチャートには示していないが、通信端末2が送信している最中に送信許可時間tpの終了を迎えた場合には直ちに送信を中断する。
《ステップSF1,SF2,SF4,SF5》
前記したように、図8におけるステップSF1,SF2,SF4,SF5は、図4におけるステップSF1,SF2,SF4,SF5と同じ工程であるので、説明を省略する。
ただし、図8におけるステップSF5において、「送信データがあるか?」の判定において「Yes」の場合は、ステップST3に戻る点は図4と異なる。図4ではステップSF3に戻るが実質的には差異はない。
<第3実施形態の作用と効果>
以上で説明した、本発明の第3実施形態に係る通信システムの作用と効果について、説明する。
第1実施形態においては、図4に示すフローチャートのステップSF3において、基地局1からの信号を受信できたか否かを送信実施の判定に用いていた。しかし、厳密には、例えば1分前に受信できた場合でも基地局1の信号を受信できたと判断して、送信処理を実施する。
ただし、通信端末2はすでに述べているように作業員などが携帯することを想定しているため、移動する場合がある。
そのため、例えば1分前には通信端末2は、距離(半径)L1の範囲4内に存在していたとしても、現時点では距離(半径)L1の範囲4の外に存在する場合も想定され、さらには電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100の近傍に存在することも想定できる。このような場合には、通信端末2から電磁波が出力されて、結果として電磁波の影響を受けやすい機器に影響を与えることとなる。
本(第3)実施形態においては、最後に基地局1からの信号を受信した時間を計測している。例えば、通信端末が基地局1からの距離L1の位置におり、そこから移動して電磁波被影響機器100に近接するよりも充分に短い送信許可時間tpを設定しておけば、電磁波被影響機器100に近接する前に送信許可時間が終了する。
そのため、通信端末2は電磁波を出力することがなくなって、より確実に電磁波被影響機器100に影響を与える事象を抑制しつつ、高速のデータ通信が可能となる効果が得られる。
なお、送信許可時間tpは、例えば数秒程度とすればよく、長くても10秒程度であることが望ましい。
また、通信端末2は、送信許可時間tpを設定できる仕組みを備える。
≪第4実施形態・通信システム≫
本発明の第4実施形態に係る通信システムを図9を参照して説明する。
第4実施形態の通信システムは、第3実施形態の通信システムとは送信許可時間の決定方法が異なるため、この点について詳細に説明する。
図9は、本発明の第4実施形態に係る通信端末2において、受信される基地局1からの信号の受信強度とそれに対応した送信許可時間を示す図である。
図9において、「基地局からの信号の受信強度」と「送信許可時間」との関係について記載している。
図9における送信許可時間tpの単位は[秒]である。また、受信強度の単位は任意である。送信許可時間tpが1秒とする場合の受信強度を1の基準として、他の場合の受信強度を相対値で記載している。
図9において、最も受信強度が高い場合(図9では100)において、送信許可時間は10秒であり、最も受信強度が低い場合には1秒としている。
信号強度や送信許可時間はあくまでも一例であるが、受信強度が高いほど送信許可時間を長く設定する点が本(第4)実施形態の特徴である。
受信強度が高いということは、漏洩同軸ケーブル20や基地局1からの距離が近いことを示しており、逆に、電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100からの距離は遠いことを示している。
そのため、通信端末2が移動して、電磁波被影響機器100に近接するまでには相対的には時間を要するため、受信強度が高い場合には送信許可時間を長く設定する。
また、送信許可時間tpは、例えば、通信端末2を携帯した作業員などが電磁波被影響機器100に接近する際に要する時間を目安として設定すればよい。
<第4実施形態の作用と効果>
本(第4)実施形態によれば、第3実施形態と比較して送信許可時間tpを長く設定できる。
送信許可時間tpを長くできることにより、通信端末2が送信できる機会が増える。そのため、通信端末2のデータが送信できずに消失したり、送信途中に送信許可時間を迎えて送信できなくなる機会を低減することができる。
その結果、スループットが向上し、より高速にデータ通信できる効果が得られる。
≪第5実施形態・通信システム≫
本発明の第5実施形態に係る通信システムについて、図10を参照して説明する。
第5実施形態の通信システムは、第4実施形態の通信システムとの相違点は、送信許可時間の決定方法が異なることであり、この点について詳細に説明する。
図10は、本発明の第5実施形態に係る通信端末2において、受信した基地局の識別情報と送信許可時間との対応関係を示す図である。
本(第5)実施形態では、複数の基地局(1)がエリア内に存在することを想定している。
図9において、基地局の識別情報がAP1~AP5であるときの送信許可時間[秒]がそれぞれ10,2,5,2,3と規定されている。
例えば、通信端末2が、所定の基地局(AP1)を表す識別情報AP1の信号を受信した場合には、送信許可時間(tp)は10秒に設定される。あるいは、基地局(AP2)を表す識別情報AP2の信号を受信した場合には、送信許可時間は2秒に設定される。なお、これらの送信許可時間の秒数は、あくまで例である。
本(第5)実施形態では、前記したように、エリア内に複数の基地局(1)が存在することを想定している。
例えば、電磁波被影響機器100から非常に離れた場所に設置されている基地局(識別情報AP1)の場合には、その基地局(AP1)の通信領域から通信端末2が移動して電磁波被影響機器100に近接するまでには多くの時間がかかる。このように、電磁波被影響機器100から離れた基地局(AP1)に対しては、長い通信許可時間(例えば10秒)を設定しても電磁波による影響を与えることはない。
また、電磁波被影響機器100からあまり離れていない場所に設置されている基地局(識別情報AP2)の場合には、その基地局(AP2)の通信領域から通信端末2が移動して電磁波被影響機器100に近接するまでに僅かの時間でしかない可能性がある。そのため、識別情報AP2の信号を受信した場合には、送信許可時間時間は、少なめ(例えば2秒)に設定される。
このように、電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100から所定の距離にある基地局(AP1~AP5)に対しては、離れている距離に対応する所定の送信許可時間を設定する。どの程度の送信許可時間を設定するかは、通信端末2が電磁波被影響機器100に接近するまでに要する時間を目安とすればよい。
<第5実施形態の作用と効果>
本(第5)実施形態によれば、電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器100から基地局がどの程度の距離が離れているかによって、送信許可時間を設定する。そのため、通信端末2は、電磁波被影響機器100に障害を与えずに、通信が可能である。
また、電磁波被影響機器100から非常に離れた基地局(1)と通信する通信端末2は、送信許可時間の制約を極力低減できる。そのため、通信端末2が送信できる機会が増え、通信端末2の送信用データが送信できずに消失したりする、あるいは送信途中に送信許可時間を迎えて送信できなくなったりする機会を低減することができる。その結果、スループットが向上し、より高速にデータ通信できるようになる効果が得られる。
≪第6実施形態・通信システム≫
本発明の第6実施形態に係る通信システムについて、図11を参照して説明する。
図11は、本発明の第6実施形態に係る通信システムにおける基地局1と、2本の漏洩同軸ケーブル20,21と、方向性結合器(方向性結合手段)30と、通信端末2と電磁波被影響機器100との位置関係を示す図である。
図11において、無線の基地局1と、基地局1に接続された2本の漏洩同軸ケーブル20,21と、基地局1と無線通信をする通信端末2が配置されている。また、医療機器などの電磁波の影響を受けやすい機器である電磁波被影響機器100が、基地局1と通信端末2の近くに位置している。
なお、漏洩同軸ケーブル21は、方向性結合器30を介して、漏洩同軸ケーブル20に接続されている。
本(第6)実施形態の通信システムは、第2実施形態の通信システムに対して、基地局(1)の構成が異なるものであり、この基地局(1)の構成を中心に詳細に説明する。
その他の構成や作用、効果については、概ね同じであり、重複する説明は、適宜、省略する。
図11においては、前記したように、基地局1に接続される漏洩同軸ケーブル20(第1の漏洩同軸ケーブル)に、方向性結合器30を介して、別の漏洩同軸ケーブル21(第2の漏洩同軸ケーブル)が接続されている。
ここで方向性結合器30は、基地局1からの送信信号は、漏洩同軸ケーブル21に流さないが、漏洩同軸ケーブル21で受信した通信端末2からの信号は、基地局1に送る機能を備えるものである。
つまり、表現を変えて繰り返せば、漏洩同軸ケーブル21(第2の漏洩同軸ケーブル)は、方向性結合器30(方向性結合手段)によって基地局1からの送信信号を伝送せず、通信端末2(通信端末装置)から出力された電磁波の信号を受信して基地局1まで伝送する。
すなわち、漏洩同軸ケーブル21は、受信専用として設置されている。
通信端末2から出力される電磁波の電界強度で規定される距離L2は、あくまで電磁波被影響機器100の電磁波の影響の受けやすさで決まる値である。
一方で距離L1については、通信端末2が基地局1からの信号を受信できるかどうかで決定される距離である。
そのため、場合によっては、基地局1からの信号は通信端末2に到達しても、通信端末2からの信号は、基地局1の漏洩同軸ケーブル20に到達しないことがある。
本(第6)実施形態においては、このような場合であっても受信用の漏洩同軸ケーブル21を設置することによって、通信端末2からの信号を容易に受信できるようになる。つまり通信可能な領域が広くなる。
<第6実施形態の効果>
図11に示すような構成とすることで、高速にデータ通信可能なエリア(領域)をより広く確保しつつ、電磁波被影響機器100に影響を与える事象を抑制することが可能となる効果がある。
<第7-第9実施形態・通信システムについて>
次に、本発明の第7~第9実施形態に係る通信システムについて、図12~図14を参照して説明する。
なお、本発明の第7~第9実施形態の通信システムの理解を容易にするために、本実施形態を説明する前に、一般的に普及している無線通信規格Wi-Fiで採用されている通信手続について説明する。
<無線通信規格Wi-Fi>
無線通信規格Wi-Fiでは通信端末に予め通信して良い基地局の識別符号(一般的にはSSID:Service Set Identifierと称される)を登録しておき、その識別符号を含む基地局の信号を受信できた場合には、認証手続、及びアソシエーション手続を実行する。
基地局の信号が受信できない場合には、通信端末は、プローブ要求と呼ばれる基地局向けの問い合わせ信号を出力する場合がある。
また、認証手続は、アソシエーション手続を進めてよい通信端末か否かを基地局が判定する手続きである。
なお、通信システムにおけるアソシエーション(Association)とは、基地局と通信端末とが通信可能な相手方として双方が保有する通信可能相手方リストに記録して、基地局と通信端末とが通信可能な状態であることを表している。また、一度、アソシエーションが完了すれば、再び認証手続やアソシエーション手続を経ることなく相手方と通信可能となる。
<通信端末装置の備える機能>
本発明の第7~第9実施形態に係る通信システムに用いる通信端末装置2は、図3A、図3Bを参照して説明したように、無線通信部12、アンテナ14を備えて構成されている。また、無線通信部12は、送信部6、制御部7、受信部8、データ入出力部9、フロントエンド10を備えて、受信機能および送信機能を有している。
さらに、通信端末装置2は、基地局(1)の識別符号を含む基地局の信号を識別する識別機能と、基地局との間でのアソシエーションによる通信を行うアソシエーション機能と、アソシエーションを確立するための手続きであるアソシエーション手続の機能とを有している。
また、通信端末装置2は、アソシエーション手続によって通信可能な相手か否かを記憶する第1の記憶領域と、基地局の識別符号を登録する第2の記憶領域とを有している。
また、通信端末装置2は、基地局へ認証要求(認証要求信号)や接続要求(アソシエーション接続要求、接続要求信号)を送信するプローブ要求の機能を有している。
≪第7実施形態・通信システム≫
本発明の第7実施形態に係る通信システムについて、図12を参照して説明する。
図12は、本発明の第7実施形態に係る通信システムにおける通信端末2(図1)の処理フローチャート例を示す図である。
図12において、ステップSG1~ステップSG7について説明する。なお、図12において、四角が円形のブロックに「A」と記載された箇所は、処理フローの中継点であり、処理フローを簡潔に表記するために仮想的に設けたものである。
《ステップSG1》
処理を開始(スタート)すると、ステップSG1において、基地局1(図1)からの信号を受信するための受信処理を開始する。受信できた基地局の識別符号(SSID)を読み取る。
そして、ステップSG2に進む。
《ステップSG2》
ステップSG2においては、通信端末装置2における第1の記憶領域を参照してアソシエーションが確立しているか否かを判定する。
アソシエーションが確立している場合(Yes)には、ステップSG3に進む。
また、アソシエーションが確立していない場合(No)には、ステップSG5に進む。
なお、ステップSG3を先に説明し、ステップSG5については後記する。
《ステップSG3》
ステップSG3においては、通信端末装置2が送信すべきデータがあるか否かを判定する。
送信すべきデータがある場合(Yes)には、ステップSG4に進む。
送信すべきデータがない場合(No)には、中継点Aに進む。すなわちステップSG1に戻り、ステップSG1からやり直す。
《ステップSG4》
ステップSG4においては、通信端末装置2は送信データの送信を開始する。この際には、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)のアクセス方式に従って送信される。
送信データの送信が済めば、このステップの処理を終了(エンド)する。
《ステップSG5》
アソシエーションが確立していない場合のステップSG5では、第2の記憶領域を参照して予め登録された基地局の識別符号(SSID)を含む基地局の信号が受信できているか否かを判定する。
受信できている場合(Yes)には、ステップSG6に進む。
受信できていない場合(No)には、ステップSG7に進む。
《ステップSG6》
ステップSG6においては、認証要求(認証要求信号)やアソシエーション要求(接続要求信号)を通信端末2から基地局(1)へ送信する。また、基地局からの応答信号を受信する。
前記の送信と受信を経て、認証手続およびアソシエーション手続を行い、アソシエーションを確立する。
そして、中継点Aに進む。すなわちステップSG1に戻り、ステップSG1から再び処理フローを実行する。
《ステップSG7》
予め登録された基地局識別符号を含む基地局の信号が受信できない場合に相当するステップSG7においては、基地局呼びかけ信号(プローブ要求信号:認証要求信号、接続要求信号)を含む一切の信号を送信しない。
そして、中継点Aに進む。すなわちステップSG1に戻り、ステップSG1から再び処理フローを実行する。
<図12の処理フローの総括>
図12の処理フローの主な特徴を簡潔に表記すれば、次のとおりである。
すなわち、基地局1と通信端末2の間でアソシエーションが確立していない状態において、基地局からの信号が受信できない場合には、プローブ要求を含む一切の信号を送信しない。また、アソシエーションが確立している場合には、応答する。
<第7実施形態の効果>
図12に示した処理フローの通信手続とすることで、アソシエーションが確立しておらず、かつ基地局からの信号が受信できない状態において、通信端末が通信信号を出力することを防止できる。
つまり、たとえば図5に示すように、アソシエーションが確立していない通信端末2が電磁波被影響機器100の近傍に存在する場合に、電磁波を送信して電磁波被影響機器100に電磁波の影響を与えてプラントを停止させたり、医療機器の動作を停止させるといった事象が発生するのを防止できる効果が得られる。
≪第8実施形態・通信システム≫
本発明の第8実施形態に係る通信システムについて、図13を参照して説明する。
図13は、本発明の第8実施形態に係る通信システムにおける通信端末2(図1)の処理フローチャート例を示す図である。
図13における処理フローチャートにおいて、図12に示した処理フローチャートと異なるのは、ステップSH2とステップSH8である。他のステップSG1~SG7は、図12と図13では共通であるので、重複する説明は、適宜、省略する。
以下において、ステップSH2とステップSH8について主として説明する。
《ステップSH2》
図13におけるステップSH2は、ステップSG2とステップSG3の間に設けられている。
すなわち、ステップSG2でアソシエーションが確立している状態において、ステップSG3およびステップSG4で送信データを送信する前に、通信端末2は、ステップSH2において、第2の記憶領域(記憶領域)を参照して、予め登録された基地局の識別符号を含む基地局の信号が受信できているか否かを確認、判定する。
ステップSH2において、識別符号を含む基地局の信号が受信できている場合(Yes)には、ステップSG3に進む。ステップSG3に進んだ場合は、図12の処理フローと同じであるので、重複する説明は省略する。
受信できない場合(No)には、ステップSH8に進む。
《ステップSH8》
ステップSH8においては、通信端末は、この基地局とはデアソシエーション状態とする。つまり、アソシエーションが確立していない状態にする。例えば、通信可能な相手として登録している基地局の識別番号を第2の記憶領域(記憶領域)から削除する。
そして、中継点Aに進む。すなわちステップSG1に戻り、ステップSG1から再び処理フローを実行する。
<「受信できない場合」について>
図13のステップSH2において、識別符号を含む基地局の信号を受信できるか否かを判定しているが、ここで、「受信できない場合」について説明する。
受信できない場合とは、具体的にはあらかじめ設定した受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を、アソシエーション登録された基地局の受信信号が下回った場合である。
あるいは、アソシエーション登録された基地局からの通信信号を、予め定めた時間以上、検出できない場合に相当する。
<図13の処理フローの総括>
図13の処理フローの主な特徴を簡潔に表記すれば、次のとおりである。
すなわち、基地局1と通信端末2の間でアソシエーションが確立している状態において、基地局1からの信号が、所定値より弱くなる場合に、デアソシエーション状態に移行する。
<第8実施形態の効果>
図13に示した処理フローの通信手続とすることで、アソシエーションが確立して状態において、基地局からの信号が受信できない場所に通信端末が存在する場合に、通信端末2が通信信号を出力することを防止できる。
つまり、例えば、初めは図1に示すように通信端末2が基地局とアソシエーションを確立して通信しているが、そのまま図5に示すように、通信端末2を所持する所持者あるいは車両(不図示)が移動して電磁波被影響機器100の近傍で再び通信を開始すると想定する。
この場合、アソシエーションが確立した状態であるため、そのまま通信端末2が送信データを送信すると電磁波を出力して、電磁波による影響を電磁波被影響機器100に与える恐れがある。
本(第8)実施形態においては、アソシエーション確立後、データを送信する前に基地局からの信号、例えばビーコンや他の通信端末と通信する基地局の信号が受信できるか否かを判定し、受信できない場合には、デアソシエーション状態とするので電磁波を送信することがなくなる。
この結果、通信端末2が、電磁波被影響機器100の近傍に存在する場合に、電磁波を送信して電磁波被影響機器100に電磁波の影響を与えてプラントを停止させたり、医療機器の動作を停止させるといった事象が発生するのを防止できる効果が得られる。
≪第9実施形態・通信システム≫
本発明の第9実施形態に係る通信システムについて、図14を参照して説明する。
図14は、本発明の第9実施形態に係る通信システムにおける通信端末2(図1)の処理フローチャート例を示す図である。
図14における処理フローチャートにおいて、図12に示した処理フローチャートと異なるのは、ステップSH7とステップSH8である。他のステップSG1~SG7は、図12と図14では共通であるので、重複する説明は、適宜、省略する。
以下において、ステップSH7とステップSH8について主として説明する。
《ステップSH7》
図14におけるステップSH7は、ステップSG4の後に設けられている。
すなわち、ステップSG4でデータを送信後、ステップSH7において、基地局からの受信確認信号(一般的にはACK:Acknowledgement)を受信できるか観測する。1回で受信できない場合にも再送信する手順を繰り返す。
この再送信を予め設定した所定の回数に到達しても基地局からの受信確認信号がなかった場合(Yes)には、送信を中止してステップSH8に進む。
また、所定の回数未満において、基地局からの受信確認信号が得られた場合(No)には、このステップの処理を終了(エンド)する。
《ステップSH8》
所定の回数に到達しても基地局からの受信確認信号がなかった場合に相当するステップSH8において、通信端末2は、その基地局とはデアソシエーション状態にする。つまり、アソシエーションが確立していない状態にする。
そして、中継点Aに進む。すなわちステップSG1に戻り、ステップSG1から再び処理フローを実行する。
<予め設定する再送信の回数>
図14のステップSH7において、基地局からの受信確認信号(応答信号)を受信できない場合に、再送信する際の予め設定する再送信の回数(所定の回数)を説明する。
予め設定する再送信の回数Nは、以下に示す式(1)に基づいて設定する。
N <{L-(L1+L2)}/(V・T) ・・・ 式(1)
ここで、Nは再送回数、L、L1、L2は、それぞれ図1で示した距離、Vは通信端末を所持した所持者の移動速度、Tは1回の再送にかかる時間(通信端末からのデータの送信時間と基地局からの受信確認信号ACKの待ち時間の合計)である。
第1の実施形態において、L、L1、L2は、L>(L1+L2)となるようにする旨を説明した。これに従えば、{L-(L1+L2)}は、何らかの正の値を有しており、これが移動速度Vと1回あたりの再送時間Tで除し、これよりも小さい値を最大再送回数(最大の設定回数)Nと設定する。
例えば{L-(L1+L2)}が5mで、通信端末の所持者の歩行速度(移動速度)が毎秒1メートルの場合、繰り返し再送信可能な時間は5mを1m/sで除して5秒未満となる。再送信に必要な時間が0.2秒と想定すると、再送信回数は5秒を0.2秒/回で除して25回となるため、再送信回数は最大24回と設定する(最大再送回数N)。
<図14の処理フローの総括>
図14の処理フローの主な特徴を簡潔に表記すれば、次のとおりである。
すなわち、基地局1と通信端末2の間でアソシエーションが確立している状態において、再送信しても基地局からの受信完了応答(受信確認信号、応答信号)が所定の複数回、来ない場合にデアソシエーション状態に移行する。
<第9実施形態の効果>
本(第9)実施形態の効果について説明する。
本(第9)実施形態においては、基地局との通信可能な領域のもっとも外側の距離Lのところで基地局と通信端末2が通信状態にあり、その状態から通信端末を所持した所持者(人物、車両)が電磁波被影響機器の方向に移動した場合を想定している。
本(第9)実施形態を用いない通信端末は、再送を繰り返すため、そのたびに通信端末からは、送信のための電磁波が出力される。そのため、その間に通信端末2を所持した所持者が電磁波被影響機器100に接近すると、通信端末2から出力される電磁波によって電磁波被影響機器100に影響を与えてプラントを停止させたり、医療機器の動作を停止させるといった事象が発生する恐れがある。
本(第9)実施形態においては、たとえ通信端末を所持する所持者が移動しても通信端末から出力される電磁波が電磁波被影響機器に到達する前に再送回数の最大値に達して再送を中止する。そのため、通信端末から出力される電磁波によって電磁波被影響機器に影響を与えてプラントを停止させたり、医療機器の動作を停止させるといった事象の発生を防止できる効果が得られる。
なお、第7~第9実施形態については、それぞれ単独でも前記した効果が得られるが、一部またはすべての実施形態を組み合わせることも可能である。
≪その他の実施形態≫
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を追加・削除・置換をすることも可能である。
以下に、その他の実施形態や変形例について、さらに説明する。
《通信信号》
図1で示した第1実施形態においては、基地局1と通信端末2との間の電磁波(電波)の送受信として説明した。しかし、電磁波(電波)の送受信は、基地局1と通信端末2との間に限定されない。
基地局1の受信信号は、必ずしも当該通信端末向けのデータを含んだ信号でなくてもよく、別の通信端末との通信信号や、あるいはビーコンのように定期または非定期にブロードキャスト送信される信号であっても良い。
《漏洩同軸ケーブルの接続》
図11では漏洩同軸ケーブル20に方向性結合器30を介して接続されているが、基地局1のフロントエンドの出力端に方向性結合器30を介して接続しても良い。
《アンテナの設置》
図6で示した第2実施形態の通信システムにおいては、基地局1のアンテナ以外に、漏洩同軸ケーブル20を備え、漏洩同軸ケーブル20から信号を含む電磁波(電波)を送信する例を示した。
また、図11で示した第6実施形態の通信システムにおいては、基地局1のアンテナ以外に、漏洩同軸ケーブル20と漏洩同軸ケーブル21とを備え、漏洩同軸ケーブル20から信号を含む電磁波(電波)を送信し、漏洩同軸ケーブル21から通信端末2の電磁波(電波)を受信する例を示した。
しかし、基地局1のアンテナ以外に電磁波(電波)を送信する、あるいは受信する設備は、漏洩同軸ケーブルに限定されない。
例えば基地局1に設置されたアンテナ(第1のアンテナ)以外に、一つ以上の第2のアンテナを設けてもよい。ただし、第2のアンテナは、基地局1に設置されたアンテナ(第1のアンテナ)の送信信号は受信せず、通信端末2の電磁波(電波)を受信する。
そのために、第2のアンテナと基地局1に設置されたアンテナ(第1のアンテナ)との間に方向性結合手段を設ける。この方向性結合手段を設けることによって、前記した第2のアンテナは、基地局1に設置されたアンテナ(第1のアンテナ)の送信信号は受信せず、通信端末2の電磁波(電波)を受信することが可能な構成となる。
この構成によって、第2のアンテナは、受信専用となるので、基地局1は、通信端末2の電磁波(電波)を受けやすくなる効果がある。
《通信端末装置におけるアンテナ》
第1実施形態の通信システムにおいては、図3Aにおけるデータ処理部13を、図3Bに示すように、通信端末2(2B)の外部で備える例を示した。同様に、図3Aおよび図3Bにおける通信端末2(2B)のアンテナ14を通信端末2(2B)の外部に備えてもよい。
《アンテナの指向性》
第1実施形態の通信システムを説明した図1において、距離(半径)L1の範囲4、および距離(半径)L2の範囲3として、それぞれ円形状の範囲を示したのは、無指向性のアンテナの場合を想定したものである。
しかし、前記したように、無指向性アンテナに限定されるものではない。基地局1や通信端末2のアンテナが指向性を有する場合には、電界強度が最も高くなる方向(指向性)における電磁波の到達距離を、それぞれ距離L1、距離L2とする。
そして、第1実施形態の通信システムでの説明と同様に、L>L1+L2となるように制御すれば、通信端末2が電磁波被影響機器100に影響を与えることを回避できる。
《複数の通信端末がある場合》
図1で示した第1実施形態の通信システムにおいては、通信端末が1台の場合について説明した。
しかし、通信端末が1台の場合に限定されない。複数の通信端末が、それぞれにおいて、第1実施形態の説明でした制御を実施すればよい。
ただし、それぞれの通信端末は、基地局からの電波か別の通信端末からの電波かを判別する機能を有していることが要件である。
《複数の電磁波被影響機器がある場合》
図1で示した第1実施形態の通信システムにおいては、医療機器やプラントなどの電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器が1箇所に集中している場合について説明した。しかし、電磁波被影響機器が1箇所にある場合に限定されない。
電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器が複数個所に点在している場合には、基地局から複数個所の電磁波被影響機器までの距離で、最も短い距離を距離Lと選択する。この選択されたLに対して、L>L1+L2となるように制御する。
《電磁波被影響機器が移動する場合》
電磁波被影響機器が救急車や船舶などに搭載され、電磁波被影響機器が移動する可能性がある場合については、以下のように対処する方法がある。
電磁波被影響機器が救急車や船舶がGPS(Global Positioning System)などにより、移動している位置を把握される場合には、その情報を基地局が入手することによって、移動が伴うLを把握するとともに、基地局の電磁波到達距離である距離L1および通信端末の電磁波到達距離である距離L2を制御、調整して、L>L1+L2の関係を保つようにする。
1 基地局
2,2B 通信端末装置、通信端末
3 範囲(通信端末から出力する所定の電界強度の電磁波の到達範囲、領域)
4,4B 範囲(基地局から出力する所定の電界強度の電磁波の到達範囲、領域)
6 送信部
7 制御部
8 受信部
9 データ入出力部
10 フロントエンド
12 無線通信部
13,13B データ処理部
14 アンテナ
20 漏洩同軸ケーブル、第1の漏洩同軸ケーブル(アンテナ)
21 漏洩同軸ケーブル、第2の漏洩同軸ケーブル(アンテナ)
30 方向性結合器(方向性結合手段)
100 電磁波被影響機器(電磁波の影響を受けやすい機器)
L 距離(基地局と電磁波被影響機器との距離)
L1,L1B 距離(基地局から出力する所定の電界強度の電磁波の到達距離)
L2 距離(通信端末から出力する所定の電界強度の電磁波の到達距離)

Claims (14)

  1. 通信信号を含む電磁波を送信する基地局と、
    通信信号を含む電磁波を送信する通信端末装置と、
    を備え、
    前記通信端末装置は、前記基地局の電磁波が受信できる場合に通信信号を含む電磁波を送信する機能と、前記基地局の電磁波が受信できない場合に電磁波を送信しない機能とを有し、
    前記基地局は、電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器から距離Lだけ離隔した位置に設置され、
    前記距離Lは、前記基地局の電磁波到達距離と前記通信端末装置の電磁波到達距離との和よりも大きい、
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 基地局に接続され基地局の通信信号を含む電磁波を送信する漏洩同軸ケーブルと、
    通信信号を含む電磁波を送信する通信端末装置と、
    を備え、
    前記通信端末装置は、前記漏洩同軸ケーブルの電磁波が受信できる場合に通信信号を含む電磁波を送信する機能と、前記漏洩同軸ケーブルの電磁波が受信できない場合に電磁波を送信しない機能とを有し、
    前記漏洩同軸ケーブルは、電磁波の影響を受けやすい電磁波被影響機器から距離L以上に離隔した位置に設置され、
    前記距離Lは、前記漏洩同軸ケーブルの電磁波到達距離と前記通信端末装置の電磁波到達距離との和よりも大きい、
    ことを特徴とする通信システム。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記通信端末装置の電磁波到達距離は、電磁波の影響を受けやすい機器が電磁波の影響を生じる電界強度以下となる距離である、
    ことを特徴とする通信システム。
  4. 請求項3において、
    前記通信端末装置の電磁波到達距離は、電磁波の影響を受けやすい機器が電磁波の影響を生じる電界強度の1/2以下となる距離である、
    ことを特徴とする通信システム。
  5. 請求項3において、
    前記通信端末装置の電磁波到達距離は、電磁波の影響を受けやすい機器が電磁波の影響を生じる電界強度の1/2以下、かつ1/10以上となる距離である、
    ことを特徴とする通信システム。
  6. 請求項1または請求項2において、
    前記通信端末装置は、基地局から出力される電磁波を受信してからあらかじめ定める所定の時間内であれば通信信号を含む電磁波を送信し、
    前記所定の時間の経過後は電磁波を送信しない、
    ことを特徴とする通信システム。
  7. 請求項6において、
    前記所定の時間は、基地局からの送信される通信信号を含む電磁波の受信信号強度に応じて決定される、
    ことを特徴とする通信システム。
  8. 請求項6において、
    前記所定の時間は、前記基地局の固有の情報に応じて決定される、
    ことを特徴とする通信システム。
  9. 請求項1において、
    前記基地局に接続される第1の漏洩同軸ケーブルと、
    前記基地局または前記第1の漏洩同軸ケーブルに接続される1本以上の第2の漏洩同軸ケーブルと、
    前記第2の漏洩同軸ケーブルと、前記基地局または前記第1の漏洩同軸ケーブルとの間に接続される方向性結合手段と、
    を備え、
    前記基地局から出力する通信信号を含む電磁波は、前記第1の漏洩同軸ケーブルから放射され、
    前記第2の漏洩同軸ケーブルは、前記方向性結合手段によって前記基地局からの送信信号を伝送せず、前記通信端末装置から出力された電磁波の信号を受信して基地局まで伝送する、
    ことを特徴とする通信システム。
  10. 請求項1において、
    前記基地局に設置される第1のアンテナと、
    前記基地局または前記第1のアンテナに接続される一つ以上の第2のアンテナと、
    前記第2のアンテナと、前記基地局または前記第1のアンテナとの間に接続される方向性結合手段と、
    を備え、
    前記第2のアンテナは、前記方向性結合手段によって前記基地局からの送信信号を伝送せず、前記通信端末装置から出力された電磁波の信号を受信して基地局まで出力する、
    ことを特徴とする通信システム。
  11. 請求項1または請求項2において、
    前記通信端末装置は、アソシエーション手続によって通信可能な相手か否かを記憶する第1の記憶領域と、前記基地局の識別符号を登録する第2の記憶領域とを有し、
    前記通信端末装置は、前記第1の記憶領域に前記基地局を通信可能な相手として登録している状態において、前記通信端末装置が送信するデータを有する場合には、前記基地局に前記データを送信し、
    前記通信端末装置は、前記第1の記憶領域に前記基地局を通信可能な相手として登録していない状態において、前記第2の記憶領域に予め登録した基地局の識別符号に含まれる基地局からの通信信号が受信できる場合に、前記基地局へ認証要求信号や接続要求信号を送信し、
    前記通信端末装置は、前記第1の記憶領域に前記基地局を通信可能な相手として登録していない状態において、前記第2の記憶領域に予め登録した基地局の識別符号に含まれる基地局からの通信信号が受信できない場合に、前記基地局へ認証要求信号や接続要求信号を送信しない、
    ことを特徴とする通信システム。
  12. 請求項1または請求項2において、
    前記通信端末装置は、アソシエーション手続によって通信可能な相手か否かを記憶する記憶領域を有し、
    前記通信端末装置は、前記記憶領域に前記基地局を通信可能な相手として登録している状態において、前記記憶領域に予め登録した基地局の識別符号に含まれる基地局からの通信信号が受信できる場合に、前記通信端末装置が送信するデータを有するときは前記基地局に前記データを送信し、
    前記通信端末装置は、前記記憶領域に前記基地局を通信可能な相手として登録している状態において、前記記憶領域に予め登録した基地局の識別符号に含まれる基地局からの通信信号が受信できない場合に、通信可能な相手として登録している基地局の識別符号を前記記憶領域から削除する、
    ことを特徴とする通信システム。
  13. 請求項1または請求項2において、
    前記通信端末装置は、アソシエーション手続によって通信可能な相手か否かを記憶する記憶領域を有し、
    前記通信端末装置は、前記記憶領域に前記基地局を通信可能な相手として登録している状態において、前記記憶領域に予め登録した基地局の識別符号に含まれる基地局からの通信信号が受信できる場合に、前記通信端末装置が送信するデータを有するときは前記基地局に前記データを送信し、
    前記通信端末装置は、送信した前記データを前記基地局が受信したことを示す応答信号が受信できない場合に、予め設定された再送信をする最大の設定回数に到達するか、前記基地局からの応答信号が受信できるまで、前記データを再送信し、
    前記通信端末装置は、予め設定された再送信をする最大の設定回数に到達しても前記基地局からの応答が受信できない場合に、通信可能な相手として登録している基地局の識別符号を前記記憶領域から削除する、
    ことを特徴とする通信システム。
  14. 請求項13において、
    前記設定回数は、再送信に要する1回あたりの時間と、前記通信端末装置の所持者の移動速度と、前記基地局の電磁波が到達する境界から前記電磁波被影響機器までの距離と、前記通信端末装置の電磁波到達距離とに基づいて決定される、
    ことを特徴とする通信システム。
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