JP7202833B2 - 車上装置及び車上システム - Google Patents

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Description

本発明は、車上装置及び車上システムに関する。
従来、列車信号制御システムでは、列車の在線位置を軌道回路やトランスポンダ地上子を用いて把握する方式のATC(Automatic Train Control:自動列車制御)システムが一般的に使われていた。また、車上装置の位置認識を主体に列車制御を行う無線式ATCシステムも使われている。無線式ATCシステムでは、地上の軌道回路を使わない点で設備をスリム化できるメリットがある。
無線式ATCシステムとして、列車の送信器から複数のLCX(Leaky Coaxial Cable:漏洩同軸ケーブル)へ送信された所定受信レベル以上の電磁波の検出回数に応じて、当該列車の在線位置を検知する列車在線検知装置が知られている(特許文献1参照)。
特開昭61-178260号公報
上記のLCXを使用した無線式ATCシステムや空間波を使った無線式ATCシステムでは、軌道回路による列車検知の仕組みを持たないため、列車を夜間留置する際などに車両電源が断たれる条件や車両電源が再起動した条件において、車上装置の位置認識が途切れるため、列車の留置場所への停車後の移動(流転)を検知するバックアップ手段を設けることが必要であった。流転とは、ブレーキのかかっていない車両(列車)が勾配をくだることである。
上記バックアップ手段としては、列車制御システム内の留置車両の電源が断たれても、車両IDと在線位置とを継続して把握する手段として、留置場所に軌道回路や輪重センサを設け、列車制御システムの在線管理機能と連携させたバックアップ設備を構築する方式のバックアップ手段がある。しかし、軌道回路や輪重センサの専用の地上設備を置くことで新た保守が必要となる点や、列車の留置位置に設備上の制約が生まれるため、運用の柔軟性に欠けるおそれがあった。
また、他の上記バックアップ手段としては、留置時の電源を確保に使用する車上装置専用のサブバッテリと車両ID情報を送信するためのトランスポンダ送信部、車上子とを設け、且つ留置場所に在線管理機能に連携した専用地上子を設置する方式のバックアップ手段がある。しかし、トランスポンダ送信部、車上子の専用の車両機器と専用地上子の地上設備とを設けることで新たに保守が必要になる点や列車の留置位置に設備上の制約が生まれるため、運用の柔軟性に欠けるおそれがあった。
本発明の課題は、地上設備を用いることなく、列車の停車中における流転を検知することである。
上記課題を解決するために、本出願に係る発明は、列車の車上に設けられる流転検知装置及び車上制御装置を備え、
前記流転検知装置は、
前記列車の車軸の歯車の回転を検知し当該回転の検知情報を出力する回転検知手段と、
前記回転の検知情報から前記列車の停車中における流転を検知し当該流転の検知情報を出力する流転検知手段と、を備え
前記流転検知手段は、前記回転の検知情報から前記列車の停車後の回転の変化量を計数し、当該回転の変化量を出力し、
前記車上制御装置は、前記出力された回転の変化量から、停車位置からの列車の流転の移動距離を算出する
また、望ましくは、前記流転検知手段は、前記列車の停車に応じてハイとなり、前記流転の検知に応じてローとなる流転の検知情報を出力する。このため、流転検知装置の故障や、流転の発生後の初期状態(再起動)において、流転の検知情報が、流転の発生側(障害側)に働きフェイルセーフで機能できる。
また、望ましくは、前記流転検知手段は、前記流転の検知後、当該流転の検知を示す流転の検知情報の出力を保持する。このため、流転の検知後に再度停車したとしても、流転の検知情報が流転の検知状態のまま保持され、発生した流転の発生を正確に検知できる。
また、本出願に係る発明の車上システムは、前記車上装置と、当該車上装置に電源電力を供給する第1の電力供給手段と、を備え、
前記流転検知装置は、
前記回転検知手段及び前記流転検知手段に電源電力を供給する第2の電力供給手段と、
前記回転の検知情報に基づく前記列車の停車後、前記第1の電力供給手段の電力供給のオフ時に、前記流転の検知情報に応じて、前記第2の電力供給手段に前記回転検知手段及び前記流転検知手段へ電源電力を供給させる電力供給制御手段と、を備える。
また、望ましくは、前記電力供給制御手段は、前記回転の検知情報に基づく前記列車の停車後に、前記第1の電力供給手段の電力供給により前記第2の電力供給手段を充電し、当該第1の電力供給手段の電力供給のオフ後に、前記第2の電力供給手段に前記回転検知手段及び前記流転検知手段へ電源電力を供給させる。
また、望ましくは、前記車上装置は、
前記流転の検知情報から当該流転の発生の有無を示す流転の判定情報を生成する生成手段と、
前記生成された流転の判定情報を、無線通信により地上側装置へ送信する送信手段と、を備える。
本発明によれば、地上設備を用いることなく、列車の停車中における流転を検知できる。
本発明の実施の形態の列車制御システムを示すシステム構成図である。 車上システムを示すブロック図である。 流転検知装置の構成を示す回路図である。 列車の留置に伴う各種状態を示すタイミングチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態及び変形例を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
(実施の形態)
図1~図4を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態の列車制御システム1の全体構成を説明する。図1は、本実施の形態の列車制御システム1を示すシステム構成図である。
図1に示すように、LCXの無線式の列車制御システム1は、軌道10に沿って敷設された信号伝送路兼送受信アンテナとしてのLCXケーブル11A,11Bと、軌道10上を走行する列車12に搭載されている車上システム2と、所定駅の機器室などに設置されLCXケーブル11A,11Bを介して列車12の車上装置20との間でデータの送受信を行う地上側装置30と、を備える。車上システム2は、車上装置20を有する。
車上装置20は、LCXケーブル11A,11Bとの間で無線によるデータの送受信を行う送信手段としての無線通信部(移動局)21と、受信したデータを処理したり自列車の位置などの情報を送信するための処理及び車上側システムの制御を行う生成手段としてのATC車上制御装置22と、列車12の流転を検知して流転の検知情報をATC車上制御装置22に出力する流転検知装置27と、を備える。
地上側装置30は、LCXケーブル11A,11Bをアンテナとして無線によるデータの送受信を行う無線通信部(基地局)31と、列車停止位置の算出や車上からの列車位置情報等を管理するATC論理部32などから構成される。
また、地上側装置30には中継装置33を介してLCXケーブル11A,11Bが接続されている。無線通信部(基地局)31は、LCXケーブル11A,11Bへ音声信号とともに列車制御情報を含む信号を送信し続ける。なお、地上側装置30の無線通信部(基地局)31は、無線通信のための変復調機能を有している。地上側装置30のATC論理部32は、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)等の演算処理装置や、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のデータ記憶装置などから構成される。
本実施の形態においては、上記地上側装置30に、列車ダイヤなどの情報を記憶し走行中の全列車の位置を把握し列車の運行を管理するサーバや該サーバに接続された指令用端末などからなる列車運行管理システム40が伝送路もしくは通信網を介して接続されている。
なお、上記列車運行管理システム40としては、在来線や新幹線(登録商標)等で既に導入されているシステムを利用することができる。また、列車運行管理システム40は、駅ごとに設置され駅ごとの情報を集積する駅装置と、各駅装置からの情報を集積する中央装置等で構成される。駅装置は軌道回路等から列車の在線情報を取得しており、中央装置は各駅装置からの情報を集積することで線区全体の在線状況を把握しているので、列車運行管理システム40はリアルタイム性のある列車位置情報を取得して指令用端末に表示することができる。
ついで、図2を参照して、車上システム2の詳細な装置構成を説明する。図2は、車上システム2を示すブロック図である。
図2に示すように、車上システム2は、車上装置20と、第1の電力供給手段としての電源部50と、を備える。車上装置20は、送信データで送信波を変調したりアンテナATで受信した信号を復調したりする変復調部21A、及び受信データの分離や送受信データの合成を行う分離・合成部21Bを備えた無線通信部(移動局)21と、ATC車上制御装置22と、ブレーキ制御装置23と、軌道上に設置されている地上子との間でデータの送受信を行う車上子24aを備えた送受信器(以下、車上子と略す)24と、車軸に設けられた速度発電機25と、列車無線通話器26と、流転検知装置27と、を有する。
分離・合成部21Bは、受信信号に含まれる通話音声データと制御データ(停止位置情報や臨時速度制限情報等)を分離したり、送信側の通話音声データと列車位置データなどのデータを合成したりする機能を備え、分離・合成部21Bで分離された通話音声データは、乗務員席に設けられている列車無線通話器26へ伝送される。
ATC車上制御装置22は、速度発電機25からの信号に基づいて車軸回転数と車輪径との積から走行距離を算出して自列車の位置を演算するとともに、地上子を通過する際に車上子24aによって受信した情報に基づいて自列車の位置を修正する機能を備える。そして、自列車の位置情報は、無線通信部(移動局)21によって地上側装置(基地局)30へ送信される。車上子24aが地上子から受信する情報は、地上子自身の設置位置情報(キロ程)や指定区間の残距離でも良いし、地上子の識別コードでも良い。受信する情報が地上子の識別コードの場合には、地上子の識別コードと設置位置情報との対応表を車上の記憶装置に予め格納しておいて、この対応表を参照することで自列車の位置を修正することができる。
また、ATC車上制御装置22は、CPU等の演算処理装置や、ROMやRAM等のデータ記憶装置などから構成されており、受信した停止位置情報や臨時速度制限情報を受信すると記憶装置から速度照査パターンを読み出し、速度照査パターンと自列車の速度情報、自列車位置情報を比較しながらブレーキ制御信号を生成する。なお、図示しないが、ATC車上制御装置22には、運転席のブレーキノッチからの信号も入力され、ブレーキノッチ信号に応じたブレーキ力を算出しブレーキ制御装置23へ制御信号を出力する。
また、ATC車上制御装置22は、流転検知装置27からの流転の検知信号に応じて、列車12の留置位置(留置場所)への停車後の流転の発生を管理する。
電源部50は、列車12の架線(図示略)から高圧の電圧変換回路などを介して供給される電力が充電されるバッテリーなどの電源部であり、充電された電力を車上装置20の各部に電力供給する。
ついで、図3を参照して、流転検知装置27の詳細な構成を説明する。図3は、流転検知装置27の構成を示す回路図である。
図3に示すように、流転検知装置27は、回転検知手段としての回転検知部60と、流転検知手段としての流転検知部70と、を備える。回転検知部60は、3つの速度センサ611,612,613と、分配回路62と、を有する。速度センサ611,612,613は、磁束センサなどで構成され、列車12の車軸に動力を伝える歯車GE1の金属を検知し、例えば歯車GE1の回転(位置)を示す矩形波の回転検知信号として分配回路62に出力する。速度センサ611,612,613がそれぞれ出力する歯車GE1の回転検知信号は、それぞれ90°の位相差があるものとする。動き速度センサ611,612,613による歯車GE1の回転検知信号は、歯車GE1の回転に応じて、例えば(1,1,0)→(0,1,1)→(0,0,1)→(1,0,1)→(1,0,0)→再度(1,1,0)…のように周期的にパターンが変化する。速度センサ611,612,613の回転検知信号のパターン(検知パターン)が変化することにより、列車12の流転を含む移動が検知できる。
分配回路62は、フォトカプラなどにより構成され、速度センサ611,612,613から入力された回転検知信号を、ATC車上制御装置22と流転検知部70とに分配して出力する。
流転検知部70は、PLD(Programmable Logic Device)71と、DC/DCコンバータ72と、整流器73と、チャージングリレー74と、抵抗75と、第2の電力供給手段としての電源キャパシタ76と、整流器77と、チャージングリレー78と、抵抗79と、接続部80と、を有する。DC/DCコンバータ72、整流器73、チャージングリレー74、抵抗75、整流器77、チャージングリレー78、抵抗79、接続部80は、電力供給制御手段として機能する。
PLD71は、速度センサ611,612,613から出力され分配回路62で分配された回転検知信号としての入力信号DI1,DI2,DI3が入力され、(DI1,DI2,DI3)のパターンの変化の有無に応じて、出力信号DO1を生成してATC車上制御装置22に出力する機能を有するように論理が構成されている。より具体的には、PLD71は、(DI1,DI2,DI3)の検知パターンの変化がある場合(列車12が走行している又は流転がある場合)に、ローの出力信号DO1を生成して出力する。また、PLD71は、(DI1,DI2,DI3)の検知パターンの変化がない場合(列車12が停車した場合)に、(DI1,DI2,DI3)の検知パターンを保持し、ハイの出力信号DO1を出力する。
DC/DCコンバータ72は、電源部50から供給される直流電力の電圧を変換して、PLD71及び分配回路62に供給する。また、電源部50から供給される電力(例えばDC24[V])は、整流器73、チャージングリレー74、抵抗75を介して、電源キャパシタ76に充電される。整流器73は、電源部50側からチャージングリレー74側への方向に電流を流す。電源キャパシタ76は、蓄電量が大きいキャパシタであり、例えばスーパーキャパシタ(電気二重層)で構成されている。
整流器77は、電源部50と電源キャパシタ76との間で、整流器73、チャージングリレー74、抵抗75に並列に接続されている。整流器77は、電源キャパシタ76側から電源部50側への方向に電流を流す。チャージングリレー78及び抵抗79は、抵抗75(整流器77)とグラウンドG(接地点)との間で、電源キャパシタ76に並列に接続されている。
また、PLD71の出力信号DO1の出力端子は、接続部80を介してマイナス端子に接続されている。接続部80は、チャージングリレー74,78の入力端子に接続され、出力信号DO1をチャージングリレー74,78に出力する。チャージングリレー74は、入力される出力信号DO1がハイで整流器73の接続端子と抵抗75の接続端子との2端子間を導通し、出力信号DO1がローで当該2端子間を開放する。チャージングリレー78は、入力される出力信号DO1がハイで整流器77(抵抗75)の接続端子と抵抗79の接続端子との2端子間を開放し、出力信号DO1がローで当該2端子間を導通する。このように、チャージングリレー74,78は、共通の入力信号(出力信号DO1)に応じて、導通及び開放が逆に動作される。
ついで、図4を参照して、流転検知装置27の動作を説明する。図4は、列車12の留置に伴う各種状態を示すタイミングチャートである。
図4において、横軸に時間をとり、縦軸に、上から下へ順に、列車12の実速度、電源操作のオン/オフ、出力信号DO1のハイ/ロー、ATC車上制御装置22の電源オン/オフの各状態をとっている。
図4に示すように、まず、列車12が移動し減速して留置位置に停車されるまでの動き流転検知装置27の動作を説明する。電源部50は、車上装置20の各部への電源電力の供給(DC24[V])を行っており、DC/DCコンバータ72を介して、分配回路62及びPLD71に電源供給され、歯車GE1の回転が検知されている。
図4の実速度に示すように、列車12の実速度は、留置位置までの移動走行時に例えば所定速度とされ、減速して留置位置への停車とともに0[km/h]となる。列車12の移動走行時に、歯車GE1が回転されているため、速度センサ611,612,613からの入力信号DI1,DI2,DI3の検知パターンが周期的に変化しており、PLD71がローの出力信号DO1を生成して出力する。このため、チャージングリレー74が開放され、チャージングリレー78が導通され、電源キャパシタ76の電荷は、抵抗79を介してグラウンドGに放電される。
ついで、列車12が停止を開始してからの流転検知装置27の動作を説明する。列車12の停車時に、入力信号DI1,DI2,DI3の検出パターンも停止され、PLD71が当該検出パターンを保持してハイの出力信号DO1を生成して出力する。このため、チャージングリレー78が開放され、チャージングリレー74が導通され、電源キャパシタ76は、電源部50から供給される電源電力により、充電される。
そして、図4の電源操作に示すように、停車開始から所定時間後に、列車12の乗務員によるATC車上制御装置22への電源オフ操作がなされる。この所定時間は、電源キャパシタ76の充電時間(例えば2分程度)となる。このため、ATC車上制御装置22が、その表示部(図示略)に、列車12の停車から電源キャパシタ76の充電時間以後に、電源オフ操作を行うことを促す表示情報を表示させる構成としてもよい。
電源のオフ操作に応じて、例えば1分程度の所定時間後に、電源部50からATC車上制御装置22及び流転検知装置27への電源電力供給が停止され、図4のATC車上制御装置22(電源)の実線に示すように、ATC車上制御装置22が電源オフされる。このため、充電済の電源キャパシタ76の電荷は、整流器77及びDC/DCコンバータ72を介して、直流の電源電力を分配回路62及びPLD71へ供給される。電源キャパシタ76は、例えば、分配回路62及びPLD71への電源電力供給を数十時間保持できる電荷量に充電されるものとする。
ついで、列車12の留置位置への停車中に、流転が発生して、列車が所定距離移動して停止する場合の流転検知装置27の動作を説明する。図4の実速度に示すように、列車12の停車後、流転が発生した場合に、列車12の実速度が少し上昇し、減速して0[km/h]に戻る。図4の出力信号DO1(実線)に示すように、PLD71は、停車後に入力されている入力信号DI1,DI2,DI3の検知パターンが、保持している停車時の(DI1,DI2,DI3)の検知パターンから変化したか否かを判別し、例えば時刻T1において、列車12の流転発生に応じて検知パターンが変化した場合に、列車12が動いた(流転した)ことを示すローの出力信号DO1を生成して出力する。
ローの出力信号DO1に応じて、チャージングリレー74が開放され、チャージングリレー78が導通され、電源キャパシタ76は、抵抗79に対して放電し、分配回路62及びPLD71に対しての放電(電源電力供給)を停止する。PLD71には電源供給されないが、PLD71の出力信号DO1がローのまま保持される。
ついで、列車12の停車後の初期起動(再起動)における流転検知装置27の動作を説明する。図4の電源操作に示すように、乗務員により再度電源オン操作が行われる。図4の出力信号DO1(実線)に示すように、ローの出力信号DO1が、再度電源電力供給されているATC車上制御装置22に入力される。図4のATC車上制御装置22(電源)の実線に示すように、ATC車上制御装置22は、電源オン操作に応じて再起動されて電源部50から電源電力が供給され、再起動後の時刻T2に、入力されている出力信号DO1に基づいて、列車12の流転の発生の有無を判定し、その判定結果を内部の記憶部(図示略)に記憶し、また無線通信部21を介して当該判定結果を地上側装置30に適宜送信する。例えば、ATC車上制御装置22は、入力された出力信号DO1がローである場合に、列車12の留置位置への停車後に流転が発生したと判定する。
図4の出力信号DO1(点線)に示すように、列車12の後の停車後の流転が発生しない場合には、列車12の留置位置への停車後、ATC車上制御装置22が再起動された後も、出力信号DO1がハイのままとなる。この場合、ATC車上制御装置22は、時刻T2に入力された出力信号DO1がハイであるので、列車12の留置位置への停車後に流転が発生しなかったと判定する。
このように、流転検知部70は、流転検知装置27の故障や、流転の発生後の初期状態(再起動)において、出力信号DO1が、電源キャパシタ76の抵抗79への放電側(ロー)に働くフェイルセーフ回路で構成されている。
なお、図4のATC車上制御装置22(電源)の点線に示すように、列車12の留置位置への停車後、ATC車上制御装置22が電源オフされることなく、常時電源オンされる構成としてもよい。この構成においては、出力信号DO1が、常時ATC車上制御装置22に入力される。このため、ATC車上制御装置22は、時刻T1に、入力された出力信号DO1に基づいて、列車12の流転の発生の有無を判定し、その判定結果を記憶し、また無線通信部21を介して当該判定結果を地上側装置30に適宜送信する。地上側装置30は、判定結果を列車12などの列車のATC車上制御装置22から受信し、当該判定結果に基づいて列車12などの列車の流転の発生の有無を管理する。なお、ATC車上制御装置22は、出力信号DO1をそのまま地上側装置30へ無線送信し、地上側装置30が受信した出力信号DO1に基づいて、列車12の流転の発生の有無を判定する構成としてもよい。
以上、本実施の形態によれば、列車12の車上に設けられる流転検知装置27は、列車12の車軸の歯車GE1の回転を検知し当該回転の検知情報を出力する回転検知部60と、回転の検知情報から列車12の停車中における流転を検知し当該流転の検知情報を出力する流転検知部70と、を備える。このため、列車12の車上の回転検知部60及び流転検知部70を用いて、地上設備を用いることなく、列車12の停車中における流転を検知できる。また、回転検知部60及び流転検知部70は、摩耗部品がなく、摩耗による装置構成の劣化を防ぐことができる。
また、流転検知部70(PLD71)は、列車12の停車に応じてハイとなり、列車12の流転の検知に応じてローとなる流転の検知情報(出力信号DO1)を出力する。このため、流転検知装置27の故障や、流転の発生後の初期状態(再起動)において、流転の検知情報(出力信号DO1)が、流転の発生側(電源キャパシタ76の抵抗79への放電側、障害側)に働きフェイルセーフで機能できる。
また、流転検知部70(PLD71)は、流転の検知後、当該流転の検知を示す流転の検知情報(ローの出力信号DO1)の出力を保持する。このため、流転の検知後に再度停車したとしても、流転の検知情報(出力信号DO1)がローのまま保持され、発生した流転の発生を正確に検知できる。
また、列車12は、流転検知装置27を有する車上装置20と、車上装置20に電源電力を供給する電源部50と、を備える。流転検知装置27は、回転検知部60と、流転検知部70と、回転検知部60及び流転検知部70に電源電力を供給する電源キャパシタ76と、回転の検知情報に基づく列車12の停車後、電源部50のオフ時に、流転の検知情報に応じて、電源キャパシタ76に回転検知部60(分配回路62)及び流転検知部70(PLD71)へ電源電力を供給させる電力供給制御手段(DC/DCコンバータ72、整流器73,77、チャージングリレー74,78、抵抗75,79、電源キャパシタ76、接続部80)と、を備える。このため、列車12を留置位置などに停車し、電源部50の電力供給をオフした後、電源キャパシタ76の電力供給により、列車12の流転を検知できる。さらに、電源部50の電力供給をオフすることで、消費電力を低減できる。
また、電力供給制御手段(DC/DCコンバータ72、整流器73,77、チャージングリレー74,78、抵抗75,79、電源キャパシタ76、接続部80)は、回転の検知情報に基づく列車12の停車後に、電源部50の電力供給により電源キャパシタ76を充電し、電源部50のオフ後に、電源キャパシタ76に回転検知部60(分配回路62)及び流転検知部70(PLD71)へ電源電力を供給させる。このため、列車12の停車後に、電源キャパシタ76を充電でき、電源キャパシタ76の電力供給により、列車12の流転を検知でき、未充電の電源キャパシタ76の電力供給により列車12の流転を検知できなくなることを防ぐことができる。
また、車上装置20は、流転の検知情報から流転の発生の有無を示す流転の判定情報(判定結果)を生成するATC車上制御装置22と、生成された流転の判定情報を、無線通信により地上側装置30へ送信する無線通信部21と、を備える。このため、流転の発生の有無を示す流転の判定情報を地上側装置30に確実に送信でき、列車12の流転の判定情報を地上側(地上側装置30、列車運行管理システム40など)で管理でき、当該流転の判定情報を再起動時などの列車12の在線位置の整合判定に活用できる。
(変形例)
上記実施の形態の変形例を説明する。上記実施の形態では、ATC車上制御装置22が、列車12に流転が発生したか否かのみを管理する構成であったが、本変形例では、さらに、列車12の流転時にどれだけ移動したかを管理する構成である。
本変形例においても、図1の列車制御システム1と、図3の流転検知装置27と、を用いるものとし、異なる部分を主として説明する。
本変形例において、PLD71は、入力信号DI1,DI2,DI3の入力端子と、出力信号DO1の出力端子と、入力信号DI1,DI2,DI3の検知パターンの変化した回数を計数するカウンタの機能と、そのカウント値の出力端子と、を含む。カウント値の出力端子は、ATC車上制御装置22に接続されているものとする。
本変形例のPLD71は、列車12の留置位置への移動走行後、入力信号DI1,DI2,DI3に変化がなくなった(列車12が停車した)場合に、停車時の(DI1,DI2,DI3)の検知パターンを保持するのは、実施の形態と同様である。そして、電源キャパシタ76が充電され、電源オフ操作後に、電源キャパシタ76から分配回路62及びPLD71に電源電力が供給され、PLD71は、入力信号DI1,DI2,DI3に変化がでた(列車12が流転した)場合に、カウンタにより、新たに入力された入力信号DI1,DI2,DI3の検知パターンの変化の回数をカウントする。
ただし、流転発生後も、PLD71は、出力信号DO1をハイのままとし、チャージングリレー74が導通されてチャージングリレー78が開放されたままにされ、電源キャパシタ76から分配回路62及びPLD71に電源電力が供給される。
そして、電源オン操作により電源部50から車上装置20(ATC車上制御装置22)に電源電力が供給され、PLD71は、カウンタのカウント値をATC車上制御装置22に出力する。ATC車上制御装置22は、入力されたカウント値に応じて、流転の発生の有無を判定し、流転が発生した場合の停車位置(留置位置)からの列車12の移動距離を算出し、その判定結果及び移動距離を記憶し、また無線通信部21を介して当該判定結果及び移動距離を地上側装置30に適宜送信する。なお、ATC車上制御装置22は、PLD71のカウント値をそのまま地上側装置30へ無線送信し、地上側装置30が受信したカウント値に基づいて、列車12の流転の発生の有無を判定し移動距離を算出する構成としてもよい。
以上、本変形例によれば、流転検知部70(PLD71)は、歯車GE1の回転の検知情報から列車12の停車後の回転の変化量(検出パターンの変化の回数)をカウントし、当該回転の変化量を出力する。このため、回転の変化量に基づいて列車の移動距離を算出でき、流転時の列車の移動距離を取得及び管理できる。
なお、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
例えば、上記実施の形態及び変形例では、LCXを使用した無線式ATCシステムの列車制御システム1における車上システム(車上装置20(流転検知装置27)、電源部50)について説明したが、これに限定されるものではない。ATACS(Advanced Train Administration and Communications System)やCBTC(Communications-Based Train Control)などの空間波を使った無線式ATCシステムなど、軌道回路による列車検知の仕組みを持たない列車制御システムについて、上記実施の形態又は変形例の車上システムを適用する構成としてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例における列車制御システム1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
1 列車制御システム
10 軌道
11A,11B LCXケーブル
12 列車
2 車上システム
20 車上装置
21 無線通信部
22 ATC車上制御装置
23 ブレーキ制御装置
24a 車上子
24 送受信器
25 速度発電機
26 列車無線通話器
27 流転検知装置
50 電源部
60 回転検知部
611,612,613 速度センサ
62 分配回路
70 流転検知部
71 PLD
72 DC/DCコンバータ
73,77 整流器
74,78 チャージングリレー
75,79 抵抗
76 電源キャパシタ
80 接続部
30 地上側装置
31 無線通信部
32 ATC論理部
40 列車運行管理システム

Claims (6)

  1. 列車の車上に設けられる流転検知装置及び車上制御装置を備え、
    前記流転検知装置は、
    前記列車の車軸の歯車の回転を検知し当該回転の検知情報を出力する回転検知手段と、
    前記回転の検知情報から前記列車の停車中における流転を検知し当該流転の検知情報を出力する流転検知手段と、を備え
    前記流転検知手段は、前記回転の検知情報から前記列車の停車後の回転の変化量を計数し、当該回転の変化量を出力し、
    前記車上制御装置は、前記出力された回転の変化量から、停車位置からの列車の流転の移動距離を算出する車上装置
  2. 前記流転検知手段は、前記列車の停車に応じてハイとなり、前記流転の検知に応じてローとなる流転の検知情報を出力する請求項1に記載の車上装置
  3. 前記流転検知手段は、前記流転の検知後、当該流転の検知を示す流転の検知情報の出力を保持する請求項1又は2に記載の車上装置
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載車上装置と、当該車上装置に電源電力を供給する第1の電力供給手段と、を備え、
    前記流転検知装置は、
    前記回転検知手段及び前記流転検知手段に電源電力を供給する第2の電力供給手段と、
    前記回転の検知情報に基づく前記列車の停車後、前記第1の電力供給手段の電力供給のオフ時に、前記流転の検知情報に応じて、前記第2の電力供給手段に前記回転検知手段及び前記流転検知手段へ電源電力を供給させる電力供給制御手段と、を備える車上システム。
  5. 前記電力供給制御手段は、前記回転の検知情報に基づく前記列車の停車後に、前記第1の電力供給手段の電力供給により前記第2の電力供給手段を充電し、当該第1の電力供給手段の電力供給のオフ後に、前記第2の電力供給手段に前記回転検知手段及び前記流転検知手段へ電源電力を供給させる請求項に記載の車上システム。
  6. 前記車上装置は、
    前記流転の検知情報から当該流転の発生の有無を示す流転の判定情報を生成する生成手段と、
    前記生成された流転の判定情報を、無線通信により地上側装置へ送信する送信手段と、を備える請求項又はに記載の車上システム。
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