JP7202019B2 - 段ボール用接着剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、段ボール用接着剤の製造方法に関する。
一般に段ボールは、波状に加工した中芯紙をライナー紙で挟んで接着して製造される。この中芯紙とライナー紙を接着するために、種々の接着剤(バインダー)が使用される。
段ボールシートを作る際、段ボール箱の裏側になる部分である片段に使用する糊剤をシングル糊と呼ぶ。また、段ボール箱の表側になる部分に使う糊剤をダブル糊と呼ぶ。
段ボールの貼り合せはコルゲータという機械でおこなう。3枚の段ボール原紙は表ライナー、中芯、及び、裏ライナーである。シングルフェーサの部分で、中芯を波型に成形して糊をつけ、裏ライナーと貼り合せ、片面段ボールを作る。ダブルフェーサの部分で、片面段ボールのもう一面に糊を付け、表ライナーと貼り合せる。これにより、長大な段ボールシートを作製する。
接着は、浸透接着、界面接着、及び、凝集接着の順により接着は行われる。浸透接着は、ライナーと中芯の表面から紙層の中に糊液が浸透し、絡み合っている繊維の隙間を埋めて強く結合する。界面接着は、ライナー及び中芯の表面と接着剤の界面で分子間引力による接着である。凝集接着は、原紙に浸透した接着剤と界面接着のジョルダ結成分が一つの集団を作りそれに澱粉自体の分子間結合も加わって接着する。
浸透接着と界面接着のバランスが重要である。
シングルフェーサ側では加圧による界面接着であり、ダブルフェーサ側では密着による浸透接着である。
古くから段ボール用糊剤には、比較的安価で品質、及び、供給の面で安定しているコーンスターチが多く利用されてる。
水、澱粉、苛性ソーダ、及び、硼砂を配合し、段ボール用糊剤を作ることを製糊という。
配合する際、配合比率、配合タイミング、配合時の温度、及び、使用する澱粉の品質等により、出来上がる糊剤の良し悪しが決まり、段ボールを生産する時の生産性が変わる。
苛性ソーダの使用量は、0.01質量%程度の添加率変化でも、糊剤性能への影響が大きいため、添加率を調製する時は、慎重に行わなければならない。
苛性ソーダは澱粉の糊化開始温度を下げるとともに糊化する時の粘度を高くする。
苛性ソーダは段頂に糊が転移しやすくする。また、苛性ソーダはキャリア形成においてキャリア澱粉を短時間で糊化させる。苛性ソーダは、医薬外劇物に指定され、取扱には安全第一に留意しなければならない。
硼砂は、苛性ソーダの存在下で、澱粉と疑似架橋反応して見掛の分子量が大きくなり、粘着力を増し、初期接着性を改良する。また、硼砂は、糊液の保水性が高くなり、ゲル強度を強くする。
一方、硼砂の添加量を過剰量使用すると、糊液の流動性は悪くなり乾燥時及び接着時には堅くて脆いものとなり、貼合時バリツキ発生の要因となり、糊液は糊着性を失いゴム状となる。
コーンスターチは極めて純度が高く、品質を均一に保てるという特徴があり、段ボール用糊剤に利用されている。段ボール用糊剤用途のコーンスターチの品質には、水分、アルカリ糊化開始温度、原料トウモロコシの品質、及び、浸漬工程などの製造条件等により決まる。
ブラベンダーは、澱粉を水溶液に分散させた試料を1分間に1.5℃ずつ昇温しながら攪拌して、攪拌ピンへの抵抗を数値化し時間を横軸に粘度を縦軸に糊化の様子をグラフ化出来る分析機器である。
従来、段ボール用糊剤の製糊方法には、主にステインホール方式、及び、ノーキャリア方式がある。
ステインホール方式では、キャリア部において、水にキャリア澱粉を分散させ苛性ソーダを添加させ、メイン部において、メイン水を添加し、メイン澱粉を添加後、硼砂を添加する。
ステインホール方式で得られる糊剤は、保水性が低くB型粘度が低い。
ノーキャリア方式では、キャリア部がなく、水に澱粉を添加後、苛性ソーダを添加し硼酸を添加する。
ノーキャリア方式で得られる糊剤は、半膨潤であり、澱粉粒を残した状態かつ大小様々な物の混合状態であり、糊化が早い。また、ノーキャリア方式で得られる糊剤は、耐シェア性が低く、各澱粉粒子が多く水を保持しているので紙への浸透は少なく、原料コーンスターチのアルカリ糊化開始温度と反応時の温水温度によって反応時間が振れその結果仕上がり粘度が振れやすい。
ダンボールシートを製造する際、反りと呼ばれる変形が発生しており、その対策が課題となっている。熱板を通過する時、中芯紙やライナー紙も熱板の熱を受け、中芯紙やライナー紙に含まれる水分が急激に蒸発することで、紙繊維の伸縮が生じ、段ボールが平面でなくなる反りが発生する。
段ボール用接着剤として、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されたものが知られている。
以下の特許文献1及び特許文献2を公開例として挙げる。
特開2017-95674号公報 特開2019-163392号公報
特許文献1~2に係る段ボール用接着剤の製造方法は、キャリア部にトリメタリン酸塩、無水アジピン酸、無水リン酸、オキシ塩化リン、アクロレイン、エピクロロヒドリン、グリオキザール、メラニンからなる群より選択される1以上の架橋剤と澱粉を使用する。
特許文献2に係る段ボール用接着剤は、ステインホール方式を用いているが、本発明の製造方法による段ボール用接着剤はステインホール方式ではない。
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、接着強度が高く、水及び澱粉の種類の影響を受けにくい段ボール用接着剤の製造方法を提供することにある。
本発明の段ボール用接着剤の製造方法は、中芯紙とライナー紙を接着させるための段ボール用接着剤の製造方法であって、キャリア水にキャリア澱粉及び硼砂を添加し、苛性ソーダを添加する第1工程と、メイン水を添加する第2工程と、メイン澱粉を添加する第3工程と、二次苛性ソーダを添加する第4工程と、硼酸を添加する第5工程とを含み、前記第1工程において作製したキャリア部の合計質量に対する硼砂の質量を示すキャリア硼砂率を0.01~0.10質量%含み、前記第1工程と前記第3工程において、キャリア部の澱粉量とメイン部の澱粉量の合計に対するキャリア部の澱粉の重量割合を示すキャリア率を3.0~20.0質量%含み、前記第4工程において、5.0~30.0質量%の範囲の二次苛性ソーダ濃度の二次苛性ソーダを使用する
本発明の段ボール用接着剤の製造方法は、製糊方法のキャリア部において、水にキャリア澱粉だけでなく、硼砂を添加することにある。また、キャリア部の生成の後、メイン部において苛性ソーダを複数回に分けて添加する。
使用する原料において、キャリア部に硼砂を使用することでキャリア部の増粘を抑制する。2次苛性濃度を低く設定することでメイン澱粉の膨潤を均一に行える。廃水を使用することができるため、環境への配慮した製造が可能であり、環境保全に貢献する接着剤を提供することができる。キャリア部及びメイン部に使用する各組成率を限定することで安定した品質の糊剤が得られる。
本発明の段ボール用接着剤の製造方法を用いると、使用する原料、主にコーンスターチのでん粉種及び品質を問わず優れた接着性の糊剤が得られる。これにより、生産性向上及びコストダウンの効果がある。
本発明の段ボール用接着剤の製造方法を用いると、初期接着性に優れた糊剤が得られる。これにより、生産性向上の効果がある。
本発明の段ボール用接着剤の製造方法を用いると、接着力に優れた高品質の段ボールシートが製造可能である。これにより、品質向上の効果がある。
本発明の段ボール用接着剤の製造方法において、製糊に廃水を利用しても粘度が安定した優れた接着性の糊剤が得られる。これにより、廃水利用可能による環境対策及び生産性向上の効果がある。
本発明の段ボール用接着剤の製造方法において、使用する糊剤の粘度を自由に設定可能である。これにより、糊の安定生産の効果がある。
本発明の製造方法の模式図。 本発明の実施例1とステインホール方式の比較例1によるブラベンダー粘度及び反応温度を示すグラフ。
以下、本発明による実施例を図面に基づいて説明する。
(第一実施例)
本発明の段ボール用接着剤の製造方法の一実施例の過程を図1に示す。本発明は、キャリア部において、水にキャリアコーンスターチ澱粉だけでなく、硼砂を添加し分散させる。さらに、キャリア部に、苛性ソーダを添加する。メイン部において、メイン水を添加し、メインコーンスターチ澱粉を添加後、二次苛性ソーダを段階的に添加する。さらに、メイン部に、硼酸を添加する。
本実施例では、水に澱粉だけでなく、硼砂を添加し分散させ、さらに、苛性ソーダを添加する工程のものを、キャリア部という。
以下、本発明の具体的な実施例1及び実験1から実験4を挙げながら本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例1及び実験1から実験4に限定されるものではない。
<実施例1>
本発明の段ボール用接着剤の製造方法の新しい方式によって、表1に示すように、糊を調製した。得られた糊について、下記のように糊液粘度、及び、糊液接着強度を測定した。
Figure 0007202019000001
表1は本発明の段ボール用接着剤の製造方法の実施例1の実験データである。
(糊液の調製)
実施例1では、キャリア部において、40℃の水1250gにキャリア澱粉100gだけでなく、硼砂を0.6g添加し分散させる。さらに、キャリア部に、苛性ソーダを70g添加する。メイン部において、メイン水を1680g添加し、メイン澱粉を900g添加後、二次苛性ソーダを段階的にメイン初回30g、追加1回目5g、追加2回目5g添加する。さらに、メイン部に、硼酸を12g添加する。
(製糊後の糊液粘度の測定)
製糊した糊液のフォードカップ粘度(秒)とB型粘度(mPa・s)を測定した。フォードカップ粘度とB型粘度によりB/F指数を算出した。
(製糊後の糊液接着強度の測定)
製糊した糊液の圧着時間1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、10秒、13秒、15秒、18秒においての接着強度(N)を測定した。圧着時間1秒、2秒、3秒を高速条件、圧着時間4秒、5秒、10秒を中速条件、圧着時間13秒、15秒、18秒を低速条件とする。
本発明の実施例1では、フォードカップ粘度30秒、B型粘度400mPa・s、及び、B/F指数13.3となり、本発明の製造方法により、接着粘度が高い、段ボール用接着剤が得られた。
次に、本発明の実施例1における、キャリア部のキャリア硼砂率を0質量%~0.13質量%の条件下で行った実験を実験1とする。
本発明の実施例1における、メイン部の二次苛性ソーダ濃度を5質量%~50質量%の条件下で行った実験を実験2とする。
本発明の実施例1における、総合のキャリア率を3質量%~33質量%の条件下で行った実験を実験3とする。
<実験1:キャリア硼砂率>
本発明の段ボール用接着剤の製造方法の新しい方式によって、表2に示すように、糊を調製した。得られた糊について、下記のように糊液粘度、及び、糊液接着強度を測定した。
実施例1における、キャリア部のキャリア硼砂率を0質量%~0.13質量%の条件下で行った実験を実験1とする。
Figure 0007202019000002
表2は本発明の段ボール用接着剤の製造方法の実験1の実験データである。
(糊液の調製)
実験1では、キャリア部において、40℃の水1250gにキャリア澱粉100gだけでなく、実験1-1、1-2、1-3、1-4、及び、1-5において、硼砂を0.2g、1.3g、0.0g、0.07g、及び、1.8g添加し分散させ、キャリア硼砂率を0.01質量%、0.09質量%、0質量%、0.005質量%、及び、0.13質量%となる。さらに、キャリア部に、苛性ソーダを70g添加する。メイン部において、メイン水を1680g添加し、メイン澱粉を900g添加後、二次苛性ソーダを段階的にメイン初回30g、追加1回目5g、追加2回目5g添加する。さらに、メイン部に、硼酸を12g添加する。
(製糊後の糊液粘度の測定)
製糊した糊液のフォードカップ粘度(秒)とB型粘度(mPa・s)を測定した。フォードカップ粘度とB型粘度によりB/F指数を算出した。
(製糊後の糊液接着強度の測定)
製糊した糊液の圧着時間1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、10秒、13秒、15秒、18秒においての接着強度(N)を測定した。圧着時間1秒、2秒、3秒を高速条件、圧着時間4秒、5秒、10秒を中速条件、圧着時間13秒、15秒、18秒を低速条件とする。
実験1の実験結果であるキャリア硼砂濃度に対する、調製した糊液の経時的な粘度変化を調べる。
キャリア硼砂濃度が高くなるにつれ、キャリア部における硼砂の添加量が多いほど、調製した糊液の粘度が高くなった。キャリア硼砂濃度が0.005質量%以下の時B/F指数は10未満であり、キャリア硼砂濃度が0.09質量%以上の時B/F指数は20以上であった。
キャリア硼砂濃度が0.01質量%以上0.09質量%以下の時、B/F指数は10以上20以下であった。
実験1において、キャリア硼砂率を0.01質量%~0.10質量%の条件下で行った時に、適正であると認められた。
<実験2:二次苛性ソーダ濃度>
本発明の段ボール用接着剤の製造方法の新しい方式によって、表3に示すように、糊を調製した。得られた糊について、下記のように糊液粘度、及び、糊液接着強度を測定した。
実施例1における、メイン部の二次苛性ソーダ濃度を5質量%~50質量%の条件下で行った実験を実験2とする。
Figure 0007202019000003
表3は本発明の段ボール用接着剤の製造方法の実験2の実験データである。
(糊液の調製)
実験2では、キャリア部において、40℃の水1250gにキャリア澱粉100gだけでなく、硼砂を0.6g添加し分散させる。さらに、キャリア部に、苛性ソーダを70g添加する。メイン部において、実験2-1、2-2、2-3、2-4、及び、2-5において、メイン水を1480g、1610g、1680g、1680g、及び、1690g添加し、メイン澱粉を900g添加後、二次苛性ソーダ濃度が5質量%、10質量%、30質量%、35質量%、及び、50質量%の二次苛性ソーダを段階的にメイン初回150g、追加1回目25g、追加2回目25g、追加3回目25g、メイン初回75g、追加1回目13g、追加2回目13g、メイン初回25g、追加1回目4g、メイン初回22g、追加1回目4g、及び、メイン初回15g、追加1回目3g、添加する。さらに、メイン部に、硼酸を12g添加する。
(製糊後の糊液粘度の測定)
製糊した糊液のフォードカップ粘度(秒)とB型粘度(mPa・s)を測定した。フォードカップ粘度とB型粘度によりB/F指数を算出した。
(製糊後の糊液接着強度の測定)
製糊した糊液の圧着時間1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、10秒、13秒、15秒、18秒においての接着強度(N)を測定した。圧着時間1秒、2秒、3秒を高速条件、圧着時間4秒、5秒、10秒を中速条件、圧着時間13秒、15秒、18秒を低速条件とする。
実験2の実験結果である二次苛性ソーダ濃度に対する、調製した糊液の経時的な粘度変化を調べる。
二次苛性ソーダ濃度が35質量%以上の時B/F指数は10未満であった。二次苛性ソーダ濃度が5質量%以上30質量%以下の時、B/F指数は10以上20以下であった。
二次苛性ソーダ濃度が小さくなるにつれ、メイン部における二次苛性ソーダの添加量及び添加回数が多いほど、調製した糊液の粘度が高くなった。
実験2において、二次苛性ソーダ濃度を5.0質量%~30.0質量%の条件下で行った時に、適正であると認められた。
<実験3:キャリア率>
本発明の段ボール用接着剤の製造方法の新しい方式によって、表4に示すように、糊を調製した。得られた糊について、下記のように糊液粘度、及び、糊液接着強度を測定した。
実施例1における、総合のキャリア率を3質量%~33質量%の条件下で行った実験を実験3とする。
Figure 0007202019000004
表4は本発明の段ボール用接着剤の製造方法の実験3の実験データである。
(糊液の調製)
実験3では、キャリア部において、40℃の水1250gに実験3-1、3-2、3-3、3-4、及び、3-5において、キャリア澱粉30g、50g、200g、300g、及び、330gだけでなく、硼砂を0.6g添加し分散させる。さらに、キャリア部に、苛性ソーダを70g添加する。メイン部において、メイン水を1680g添加し、実験3-1、3-2、3-3、3-4、及び、3-5において、メイン澱粉を970g、950g、800g、700g、及び、670g添加後、二次苛性ソーダを段階的にメイン初回30g、追加1回目5g、追加2回目5g、追加3回目5g、メイン初回30g、追加1回目5g、追加2回目5g、メイン初回30g、追加1回目5g、追加2回目5g、メイン初回30g、追加1回目5g、及び、メイン初回30g、追加1回目5g添加する。さらに、メイン部に、硼酸を12g添加する。実験3-1、3-2、3-3、3-4、及び、3-5において、キャリア率は、3質量%、5質量%、20質量%、30質量%、及び、33質量%となる。
(製糊後の糊液粘度の測定)
製糊した糊液のフォードカップ粘度(秒)とB型粘度(mPa・s)を測定した。フォードカップ粘度とB型粘度によりB/F指数を算出した。
(製糊後の糊液接着強度の測定)
製糊した糊液の圧着時間1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、10秒、13秒、15秒、18秒においての接着強度(N)を測定した。圧着時間1秒、2秒、3秒を高速条件、圧着時間4秒、5秒、10秒を中速条件、圧着時間13秒、15秒、18秒を低速条件とする。
実験1の実験結果であるキャリア率に対する、調製した糊液の経時的な粘度変化を調べる。
キャリア率が30質量%以上の時B/F指数は10未満であった。キャリア率が3質量%以上20質量%以下の時、B/F指数は10以上20以下であった。
キャリア率が小さくなるにつれ、メイン部における澱粉の添加量がキャリア部における澱粉の添加量に比べ多いほど、調製した糊液の粘度が高くなった。
実験3において、キャリア率を3.0質量%~20.0質量%の条件下で行った時に、適正であると認められた。
<実験4:ステインホール方式とノーキャリア方式>
本発明の方式ではない。ステインホール方式とノーキャリア方式によって、表5に示すように、糊を調製した。得られた糊について、下記のように糊液粘度、及び、糊液接着強度を測定した。
Figure 0007202019000005
表5は、ステインホール方式とノーキャリア方式の実験データである。
比較例1は、ステインホール方式である。
比較例1は、キャリア部において、40℃の水1250gにキャリアコーンスターチ120gを分散させ苛性ソーダを80g添加させ、メイン部において、メイン水を1680g添加し、メインコーンスターチを880g添加後、硼酸19gを添加する。
比較例2は、ノーキャリア方式である。
比較例2では、キャリア部がなく、水2850gにメインコーンスターチ1000gを添加後、苛性ソーダを190g添加し、硼酸を12g添加する。
ステインホール方式ではB型粘度/カップ粘度が8.9以下であるが、本発明による段ボール用接着剤の製造方法の新しい方式の製糊のB型粘度/カップ粘度は9.0以上であった。
ノーキャリア方式ではB型粘度/カップ粘度が21以上であるが、本発明による段ボール用接着剤の製造方法の新しい方式の製糊のB型粘度/カップ粘度は20.0以下であった。
次に、本発明の実施例1とステインホール方式の比較例1のブラベンダー粘度及び反応温度の比較を図2に示す。
(製糊後のブラベンダー粘度の測定)
ブラベンダーを用いて、本発明の実施例1の試料とステインホール方式の比較例1の試料のブラベンダー粘度(単位:BU)を測定した。
本発明の実施例1の方式は従来の比較例1のステインホール方式に比べ、ブラベンダー粘度が高かった。また、本発明の実施例1の方式は、ステインホール方式と同様に、膨潤、低下、及び、粘度上昇が見られた。
次に、本発明の製造方法による、高速条件における、B型粘度に対する接着強度の実験結果の分布を調べる。
本発明の製造方法による、低速条件における、B型粘度に対する接着強度の実験結果の分布を調べる。
Figure 0007202019000006
表6は、本発明の段ボール用接着剤の製造方法の実施例1及び実験1から実験3実験データである。
Figure 0007202019000007
表7は、本発明の段ボール用接着剤の製造方法の実験1から実験3、ステインホール方式、及び、ノーキャリア方式の実験の経時的な接着強度変化の実験データである。
発明の製造方法の実施例1は、B/F指数が13.3、高速条件において、接着強度は83Nであり、ステインホール方式である比較例1は、B/F指数が8.0、高速条件において、接着強度は37Nだった。
本発明の段ボール用接着剤の製造方法は、ステインホール方式に比べ、B/F指数が高く、高速条件において、接着強度も高かった。
発明の製造方法の実施例1は、B/F指数が13.3、高速条件において、接着強度は83Nであり、ノーキャリア方式である比較例1は、B/F指数が26.7、高速条件において、接着強度は20Nだった。
本発明の段ボール用接着剤の製造方法は、ノーキャリア方式に比べ、B/F指数は低いが、高速条件において、接着強度が非常に高かった。
発明の製造方法の実施例1は、B/F指数が13.3、低速条件において、接着強度は330Nであり、ステインホール方式である比較例1は、B/F指数が8.0、低速条件において、接着強度は230Nだった。
本発明の段ボール用接着剤の製造方法は、ステインホール方式に比べ、B/F指数が高く、低速条件において、接着強度も非常に高かった。
発明の製造方法の実施例1は、B/F指数が13.3、低速条件において、接着強度は330Nであり、ノーキャリア方式である比較例1は、B/F指数が26.7、低速条件において、接着強度は283Nだった。
本発明の段ボール用接着剤の製造方法は、ノーキャリア方式に比べ、B/F指数は低く、低速条件において、接着強度が高かったが、キャリア硼砂率が低い時及び二次苛性ソーダ濃度が高い時接着強度は低かった。
本発明の製造方法による実験の実施例において、圧着時間より、接着強度は高速条件から中速条件へと経時的に大きくなり、その後中速条件の接着強度をピークに、中速条件から低速条件へと変化無し或いは少し小さくなった。
本発明の製造方法による実験の比較例において、圧着時間より、接着強度は高速条件から中速条件へと経時的に大きくなり、その後中速条件の接着強度をピークに、中速条件から低速条件へと少し小さくなった。
(第二実施例)
本発明の段ボール用接着剤の製造方法は、廃水を使用することができる。キャリア水又はメイン水に使用する水は、特に限定されず、廃水を使用することができる。その他実施例の他の基本的構成は、第一実施例と同様である。
(その他実施例)
本発明の段ボール用接着剤の製造方法は、種々の澱粉をメイン部に使用することができる。メイン部に使用される澱粉は特に限定されず、種々の原料に由来する澱粉を使用することができる。例えば、コーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉等を使用することができる。その他実施例の他の基本的構成は、第一実施例と同様である。
以上、本発明は、上記実施例になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態で実施可能である。

Claims (3)

  1. 中芯紙とライナー紙を接着させるための段ボール用接着剤の製造方法であって、
    キャリア水にキャリア澱粉及び硼砂を添加し、苛性ソーダを添加する第1工程と、
    メイン水を添加する第2工程と、
    メイン澱粉を添加する第3工程と、
    二次苛性ソーダを添加する第4工程と、
    硼酸を添加する第5工程とを含み、
    前記第1工程において作製したキャリア部の合計質量に対する硼砂の質量を示すキャリア硼砂率を0.01~0.10質量%含み、
    前記第1工程と前記第3工程において、キャリア部の澱粉量とメイン部の澱粉量の合計に対するキャリア部の澱粉の重量割合を示すキャリア率を3.0~20.0質量%含み、
    前記第4工程において、5.0~30.0質量%の範囲の二次苛性ソーダ濃度の二次苛性ソーダを使用する、段ボール用接着剤の製造方法。
  2. 前記第4工程において、二次苛性ソーダを段階的に添加し、添加する毎に計測するカップ粘度が所定値に到達したらその段階で止め、次いで前記第5工程において、硼酸を添加する、請求項1に記載の段ボール用接着剤の製造方法。
  3. 前記請求項1または2のいずれかに記載の段ボール用接着剤の製造方法を用いて接着剤を調整する工程と、調整した接着剤を中芯紙に塗布する工程と、接着剤が塗布された中芯紙とライナー紙を貼合する工程とを含む、段ボールの製造方法。
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