JP7201318B2 - 手荒れの特徴の可視化又は数値化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、手の荒れを評価する方法及び装置に関する。
ヒトの皮膚は、表皮、真皮及びその付属器官(汗腺等)より構成されている。表皮は最表層に位置する厚さ100~200μm程度の組織であり、体内側より順に、基底層・有棘層・顆粒層・角層の4層より構成されている。最も上層に位置する角層は、外界からの刺激に対する防御の最前線であり、生体の恒常性を維持する上で重要な役割を担っている。また角層は美容的にも重要な部位である。即ち、いわゆる肌荒れや化粧のりが悪いといった現象は、角層構造の乱れや角層組成の変化等と密接に関連する。従って健康な肌や、美しい肌を実現するには、角層を良い状態に維持する必要がある。
人目に触れる機会が多く、美的関心の高い部位である顔では、角層を良い状態に維持するための様々なケア方法が提案されている。ケア剤としては化粧水、乳液、クリーム、UV防御剤等が挙げられ、例えば化粧水は角層へ潤いを与え、乳液は角層の乾燥を防ぐ。更に、これらの剤を用いた適切なケア方法が、雑誌やテレビ等のメディアを通じて啓蒙されている。
一方で、手のケアも顔と同様に重要である。特に冬場は乾燥による亀裂、あかぎれ、鱗屑等の手荒れが生じる。更には、手荒れは冬に限定した症状ではなく、日常生活における調理、食器洗い、洗濯、掃除等頻回な水回りの作業によっても生じ得る。これは、水に触れることで手の角層が膨潤と成分(天然保湿因子等)の流出を繰り返すことと、バリア能が低下した角層を通過して刺激物質が皮膚内部に到達することが発症の原因だと考えられる。
更に、このような手荒れは水仕事を頻繁に行う職種、例えば調理師、美容・理容師、医療従事者等に好発することが知られている。このような職種従事者における手荒れの重篤化は、本人にとって苦痛を伴うだけでなく、食中毒や院内感染リスクの増大や美理容サービスの質の低下をもたらすため、社会的に大きな課題である。そのため、手荒れが発生あるいは悪化する前に自身の手荒れ状態を把握し、ケアを行うことが重要である。そこで、自宅や職場等の生活環境で、手荒れの状態及びその改善と進行を簡便、安価に場所を取らずに評価可能な手法が望まれる。
手荒れの一般的な評価方法としては、目視スコアリング評価、写真撮影による判定、又は皮膚物性計測装置を用いた経皮水分蒸散量、角層水分量測定が挙げられる。
しかしながら、一般に目視スコアリング評価には、熟達した判定者によるスコアリングが必要であり、一般人が行う場合には判定誤差が懸念される。
また、写真撮影による判定においては、環境光の影響で撮影条件の再現が難しく、判定誤差が生じる恐れがある。環境光の影響を回避する手段として、暗室に手全域を均一に照射可能な光源を設置して、手を撮影する方法や、再現よく皮膚を撮影可能な装置であるVISIA-CR等を応用することも可能である。しかし、前者は大掛かりな装置系となること、後者は高価であることから生活環境で実施するには実用的ではない。
更に市販の経皮水分蒸散量や角層水分量の計測装置は、主に前腕や頬の計測を想定して設計されている。手は凹凸を有していることから計測プローブの皮膚への接地に課題があり、経皮水分蒸散量や角層水分量を正確に測ることは難しい。また、比較的平らな手のひらの場合、汗腺が非常に多く発達しているため、汗由来の水分の影響を大きく受けるので正確な測定が難しい。
一方、特許文献1には、スキャナを用いて身体外部部分の状態や身体外部部分に塗布された製品の特色を診断する方法が開示されている。しかしながら、手荒れの特徴を可視化したり、数値化することについては全く開示されていない。
特開2002-263084号公報
本発明は、安価、簡便且つ精度よく、手荒れを評価する方法及びそれに用いる装置を提供することに関する。
本発明者らは、手荒れを評価する手法について検討した結果、汎用的なフラットベッドスキャナを用いて手を撮像し、得られたスキャン画像を用い、手荒れの特徴を可視化又は抽出することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の1)~2)に係るものである。
1)フラットベッドスキャナを用いて撮像された手画像に基づいて手荒れを評価する方法であって、手荒れの特徴を強調表示する工程又は手荒れの特徴を抽出する工程を含む、方法。
2)上記1)の方法に用いられる装置であって、フラットベッドスキャナ、被験者の手及び前記スキャナの撮像面を覆う遮蔽部材、画像データを表示する画像表示部、及び手荒れの特徴を強調表示するための画像解析処理システム及び/又は手荒れの特徴を抽出し数値化するための画像解析処理システムを保有する画像処理部を備える、手荒れ評価装置。
本発明によれば、手荒れの特徴を呈する箇所及びその程度を的確に可視化及び数値化することができ、手荒れの有無やその程度を容易に評価することができる。また、手又はその画像の目視評価と合わせることにより、手荒れ特徴がより詳細に理解できるため、その特徴に最適なケア方法やケア剤を選択できる。更に、経時・経日追跡により現状の手荒れが悪化あるいは改善のどちらの過程なのか確認することで継続的な自己のケアの妥当性を評価できる。
フラットベッドスキャナの光学的な分解能。(a)USAF 1951のスキャナ画像、(b)スキャンと垂直方向((a)実線矢印の位置)のプロファイル、(c)スキャンと水平方向((a)点線矢印の位置)のプロファイル。 フラットベッドスキャナの被写界深度(DOF)。(a)スキャンと垂直方向の被写界深度評価時のDOF測定図票のスキャナ画像、(b)スキャンと垂直方向((a)の実線矢印の位置)のプロファイル、(c)スキャンと水平方向のプロファイル。 フラットベッドスキャナの色再現性。(a)キャスマッチのスキャナ画像、(b)白色部分((a)の点線枠内)の測定日毎の平均輝度値。 手のスキャナ画像。(a)手掌側全域、(b)手掌側の中指付け根の鱗屑拡大図、(c)手掌側の薬指の鱗屑拡大図、(d)手背側全域、(e)手背側の側面の鱗屑拡大図。点線円で囲った部位は鱗屑部を示す。 手掌側の親指のスキャナ画像。(a)撮像時に暗幕なし、(b)撮像時に暗幕あり。点線円で囲った部位は鱗屑部を示す。 コントラスト強調を実施した手掌側のスキャナ画像。(a)画像全体を用いたコントラスト強調、手掌側全域、(b)画像全体を用いたコントラスト強調、手掌側の中指付け根の鱗屑拡大図、(c)画像全体を用いたコントラスト強調、手掌側の薬指の鱗屑拡大図、(d)手の領域を用いたコントラスト強調、手掌側全域、(e)手の領域を用いたコントラスト強調、手掌側の中指付け根の鱗屑拡大図、(f)手の領域を用いたコントラスト強調、手掌側の薬指の鱗屑拡大図。点線円で囲った部位は鱗屑部を示し、矢印は紅点を示す。 手のひら中央部を基準としてコントラスト強調を実施した手掌側のスキャナ画像。(a)トーンカーブ、(b)手全域、(c)中指付け根の鱗屑拡大図、(d)薬指の鱗屑拡大図。(b)の四角枠の範囲内を基準としてコントラスト強調を実施。点線円で囲った部位は鱗屑部を示し、矢印は紅点を示す。 手の甲の中央部を基準としてコントラスト強調を実施した手背側のスキャナ画像。(a)トーンカーブ、(b)手全域、(c)薬指の鱗屑拡大図。(b)の四角枠の範囲内を基準としてコントラスト強調を実施。点線円で囲った部位は鱗屑部を示す。 基準トーンカーブを基にコントラスト強調を実施した手掌側のスキャナ画像。(a)トーンカーブ、(b)手掌側全域、(c)中指付け根の鱗屑拡大図、(d)手掌側の薬指の鱗屑拡大図。点線円で囲った部位は鱗屑部を示し、矢印は紅点を示す。 手の凹凸に起因する明暗を除去したコントラスト強調スキャナ画像。(a)手掌側全域、(b)手掌側の中指付け根の拡大図、(c)手掌側の薬指の拡大図、(d)手背側全域、(e)手背側の側面の拡大図。点線円で囲った部位は鱗屑部を示し、矢印は紅点を示す。 手荒れの数値化処理。(a)手掌側の薬指の500×500ピクセル画像、(b)背景除去処理後の画像、(c)紅点抽出処理後の画像、(d)紅点抽出処理(別法)後の画像、(e)鱗屑抽出処理後の画像。 手荒れ自覚による赤み分布の違い。(a)被験者C(手荒れ自覚なし)の手掌側のスキャナ画像(コントラスト強調後)、(b)被験者D(指先に手荒れ自覚あり)の手掌側のスキャナ画像(コントラスト強調後)。四角枠の範囲内を基準としてコントラスト強調を実施。 手荒れの進行と改善の評価(人差し指付け根部)。(a)鱗屑率の経日変化、(b)0日目(初期)、(c)7日目(手荒れ誘発期間)、(d)13日目(手荒れ誘発期間)、(e)21日目(回復期間)、(f)28日目(回復期間)。(b)~(f)は手の凹凸に起因する明暗を除去した後に手のひら中央部を基にコントラスト強調を実施したスキャナ画像。点線円で囲った部位は顕著な鱗屑部を示す。 被験者の身体部位及びスキャナの撮像面を覆う遮蔽部材を用いて、手掌部又は手背部を撮像する場合の概念図。 スキャナの撮像面にスペーサーを配置して撮像する場合の概念図。
本発明において、「手」とは、手の指、手のひら(手掌部又は手掌域ともいう)、手の甲(手背部又は手背域とも言う)、手首(手根部ともいう)のいずれか1以上を意味する。 本発明において、「手荒れ」とは、冬場の乾燥、炊事や洗濯等の水仕事、シャンプー、毛染剤等の化学物質の取り扱い等により手に刺激が加わることにより生じる手肌の荒れを意味し、紅斑、丘疹、小水疱、鱗屑、痂皮、苔癬化、ささくれ、あかぎれ、発赤、赤み、乾燥、光沢、粗ぞう化、指紋の消失、硬化及び亀裂のいずれかの症状が観察される状態を指す。本発明において評価対象とされる手荒れは、好ましくは紅斑、発赤、丘疹、小水疱、発火、赤み、あかぎれ、鱗屑、ささくれである。
本発明において、「手荒れの特徴」とは、手荒れにおいて認められる、上記の各症状のいずれかを意味するが、好ましくは、紅斑、発赤、丘疹及び小水疱のいずれかに由来する紅点、発火、赤み及びあかぎれのいずれかに由来する赤変領域、並びに、鱗屑及びささくれのいずれかに由来する白変領域、から選ばれる1種以上である。
尚、本明細書において、R、G、Bとは、色を構成する3原色(Redは赤、Greenは緑、Blueは青色)を意味する。
本発明の手荒れを評価する方法は、フラットベッドスキャナ(以下、「スキャナ」とも称する)を用いて撮像された手画像に基づいて手荒れを評価する方法であって、手荒れの特徴を強調表示する工程又は手荒れの特徴を抽出する工程を含むものである。
本発明において用いられるスキャナの光学解像度は、手荒れに特徴的な構造である、紅点、赤変領域、白変領域の手荒れの特徴を観察可能なものであればよく、空間分解能が、RGB画像において、好ましくは25mm以下、より好ましくは1mm以下、より好ましくは100μm以下、より好ましくは10μm以下、また0.2μm以上であるのが好ましい。また、空間周波数で表現すると、好ましくは0.02本/mm以上、より好ましくは0.5本/mm以上、より好ましくは5本/mm以上、より好ましくは50本/mm以上、また2500本/mm以下であるのが好ましい。
光学解像度は、3本のラインが異なるスケールで記入されている標準試料(1951 USAFテストターゲット、Edmund Optics)をスキャンし、この3本のラインを識別できるスケールに基づいて、スキャンと平行及び垂直方向における識別可能なパターンの空間周波数を、RGB画像について測定することにより求めることができる(図1)。
また、被写界深度は、手掌部の厚さ、掌紋・関節・皺等による構造の点から、好ましくは1mm以上、より好ましくは10mm以上であり、より好ましくは25mm以上、より好ましくは50mm以上である。また、好ましくは400mm以下である。
被写界深度は、標準試料(DOF(被写界深度)測定図票、Edmund Optics)を用い、標準試料の読み取り部がフラットベッドスキャナの撮像面に対して45°となるように撮像面上に設置してスキャンし、テストパターンの中から、5 lp/mm間隔のラインを選択して求めることができる(図2)。
また、本発明のスキャナは、手荒れの改善や進行の確認、経時・経日で同一の色味の画像を比較する観点から、その色再現性が、同一対象を繰り返し観察した際の色の変動係数が、R、G、B表色系で表した時に各チャンネルにおいて±10%以内であるのが好ましく、より好ましくは±5%以内、より好ましくは±3%以内、より好ましくは±0.1%以内である。
また、視野は手荒れに特徴的な構造の大きさ、手の各部の大きさ、手の大きさ、片手あるいは両手を一度に観察するといった点から、好ましくは1mm×1mm以上、より好ましくは10mm×10mm以上、より好ましくは100mm×100mm以上、より好ましくは200×250mm以上、より好ましくは400×250mm以上である。
また、スキャナの仕様の点から、好ましくはJIS規格におけるA6サイズ以上、より好ましくはA4サイズ以上、より好ましくはA3サイズ以上である。
手画像の取得は、スキャナの被写体配置面、すなわち撮像面(ガラス板)に、被験者の手掌部や手背部等の身体部位を配して撮像することにより行われる(図14)。
撮像において、身体部位への圧迫に伴う被験者の痛みを避けるため、スキャナ上部の蓋部は解放した状態で行うのが好ましいが、この場合、外乱光を遮蔽するために、被験者の身体部位及びスキャナの撮像面を覆う遮蔽部材を用いるのが好ましい。すなわち、遮蔽部材とスキャナの間に身体部位を配置して撮像するのが好ましい(図14)。
ここで、遮蔽部材は、効率よく外乱光を遮蔽できるものであればよいが、好ましくは身体部位や荒れ特徴とは異なる色調を持ち、かつ形状を容易に変更可能な部材が好ましく、例えば、手及び手荒れの特徴と異なる色の暗幕等が挙げられる。
また、撮像においては、手から発生する水蒸気によるフラットベッドスキャナの撮像面の曇りを回避するために、撮像面近傍に、加温システム又は換気システムを配置するのが好ましい。
加温システムとしては、例えば、撮像面のガラス板として、量端に電極を有す透明導電膜が蒸着されたガラス板を用い、通電させてガラス板全面にジュール熱を発生させること、あるいはスキャナ周囲の温度を皮膚温と同定度に加温する暖房機器を設置することが挙げられ、換気システムとしては、例えば、撮像面近傍にファンや送風口を設けることが挙げられる。
また、スキャナの撮像面(ガラス板)には、手表面が撮像面に光学的にコンタクトすることを軽減するために、スペーサーを設置することが好ましい。
当該スペーサーは、測定対象となる被験者の身体部位をセットした場合に、測定対象となる皮膚表面が撮像面に接しないように身体部位を複数箇所で支える、一定の厚さを有する支持部材である(図15)。
スペーサーの厚さ(撮像面からの高さ)は、被験者の身体部位を押し当てた際に、スペーサー未接触部位の皮膚表面が突出して、スキャナのガラス板に接することがなく、且つスキャナの空間分解能が維持される程度に皮膚表面とスキャナのガラス板との距離が保持されていること、すなわち、皮膚表面がスキャナの被写界深度内にあることが必要である。
この点を考慮すると、スペーサーの厚さは、好ましくは1~50mm、より好ましくは1~10mmである。また、スペーサーの幅は、好ましくは1mm×1mm~50mm×50mm、より好ましくは1mm×1mm~10mm×10mmである。
スペーサーの素材は、皮膚を傷つけないよう適度な柔らかさと、皮膚・ガラス面に密着するよう形状に追随するような適度な弾力を有する素材であるのが好ましい。斯かる素材としては、例えば、シリコンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等が挙げられるが、耐水性、耐油性、無臭、無毒性の点から、シリコンゴムを用いるのが好ましい。
斯かるスペーサーは、例えば手掌の手根部、手のひら中央部、指の第一関節を支えるように撮像面上に1~20個配置するのが好ましい。
斯くして、被験者の手画像を取得することができる(図4)。
取得された斯かる手画像は、本発明の手荒れの特徴の強調表示又は手荒れの特徴の抽出処理にそのまま使用することができるが、手の凹凸に起因する画素のRGB値の明暗を、当該明暗と手の荒れ構造との周波数の違いから取り除く画像処理を施すのが好ましい。具体的には、明暗の周期が手の荒れ構造の周期よりも低周波であることを利用する。このように凹凸に起因する明暗情報を除去することにより、より安定的に手荒れ情報を表示又は抽出できる。
当該画像処理としては、例えば、ハイパスフィルターの使用が有効である。ハイパスフィルターの使い方としては、例えばディジタル画像処理(改定新版、発行者:松阪善幸、6―3-3章)に記された方法を参考に実施することができる。具体的には、当該画像をフーリエ変換し、除去したい周期構造に相当する低周波領域の信号を消去した後に、逆フーリエ変換を行うことで、目的とするハイパスフィルター処理を行うことができる。
本発明において、手荒れの特徴の強調表示は、撮像画像に対し、手に対応する画素のRGB値の変化域を、より広い範囲に拡張する画像処理により行われる。
手に対応する画素のRGB値の変化域を、より広い範囲に拡張する画像処理とは、輝度の変化を強調できる方法であれば良い。例えば画像の所定範囲の画素のR、G、Bの各チャンネルにおける濃度ヒストグラムを作成し、この領域における最小輝度値を変換後の表示ダイナミックレンジの最小値に、かつ最大輝度値を変換後の表示ダイナミックレンジの最大値に変換するような変換を、画像全領域または特定の評価領域に対して行うコントラスト強調である。
ここで、画像の所定範囲は、限定されず、画像全体でも良いが、手荒れは手のひら又は手の甲の中央部に発生することが少ないことに鑑み、手のひら又は手の甲の中央部とするのが好ましい。
また、複数の被験者に関して、所定の範囲(例えば、手のひら中央部)のR、G、Bの各チャンネルにおける濃度ヒストグラムを作成し、各被験者の濃度ヒストグラムにおける最大輝度値、最小輝度値を算出し、全被験者に対する平均最大輝度値と平均最小輝度値を算出し、該平均最小輝度値を変換後の表示ダイナミックレンジの最小値に、かつ平均最大輝度値を変換後の表示ダイナミックレンジの最大値に変換するような変換を、画像全領域または特定の評価領域に対して行うことでもよい。
具体的には、例えば手のひら中央部の約5cm角の領域のR、G、B各濃度ヒストグラムを書き出し、続いて該領域のR、G、Bに関する最大輝度値、最小輝度値を算出し、次に最小輝度値以下の輝度値を0に、最大輝度値以上の輝度値を255に変換する折れ線型トーンカーブをR、G、B各チャンネルに作成する(図7a)。作成したトーンカーブを基に図4a、b、cに対してコントラスト強調を実施することができる(図7b、c、d)。
本発明の手荒れの特徴の抽出においては、画像全体を用いても良いが、例えば600dpiの画像においては、好ましくは2500~1500ピクセル(約10cm×6cm)、より好ましくは1000~1000ピクセル(約4cm角)、より好ましくは500×500ピクセル(約2cm角)の解析対象領域を指定し、画像を切り出すのが、画像解析処理の高速化の点から好ましい。
そして、解析対象の手のみを抽出するために、背景の除去操作が行われる。画像の背景と手のR、G、B各チャンネルの輝度値の違いを利用できる。例えば、暗幕を使用した場合では、背景が手よりも黒色のため、手と比較してR、G、B各チャンネルの合計輝度値が低いことから、8ビット表示の画像の場合、好ましくはR+G+B<300、より好ましくはR+G+B<225、より好ましくはR+G+B<150の画素点を背景と判定して、除去できる。
例えば、R+G+B<150の画素点を背景と判定して、除去した結果を図11bに示す。
例えば、手荒れの特徴の一つである「紅点」の抽出は、紅点を含む特定の画素の近傍領域の平均RGB値を算出し、当該画素のRGB値と平均RGB値と比較し紅点を抽出することにより行うことができる。紅点の多くは数百μm程度のサイズであることから、平均化処理が行われる近傍領域としては、好ましくは0.1mm×0.1mm~10mm×10mm、より好ましくは0.1mm×0.1mm~5mm×5mm、より好ましくは0.5mm×0.5mm~2mm×2mmである。
当該画素のRGB値と平均RGB値との比較法としては、紅点において赤く観察されている部位は緑色の光をよく吸収することから、近傍領域よりG値が小さくなることを利用する。当該画素のRGB値と、該ピクセルを含みかつ紅点よりも十分に大きい領域の平均RGB値(Rav、Gav、Bav)を比較することで、紅点を抽出できる。比較の具体例を以下に述べる。
例えば、一態様として、8ビット表示の画像の場合、特定の画素から±10画素の領域(約0.8mm角)の平均R、G、B値(Rav、Gav、Bav)を算出し、好ましくは(Gav-G)>30、より好ましくは(Gav-G)>20、より好ましくは(Gav-G)>10 に該当する画素を、紅点として抽出できる。 (Gav-G)>10 に該当する画素を、紅点として抽出した結果を図11cに示す。
手の色調には個人差があり、また手の形状によって手画像の明るさにはむらが生じる。このような因子によって、Gav-Gだけでは紅点を的確に抽出できない場合がある。このような場合には、紅点において赤く観察されている部位は緑色の光に次いで、青の光も吸収し、赤の光はほとんど吸収されないことを利用して、B値を用いて紅点を抽出することも有効である。特に紅点であるかどうかによって変化しにくいR値を補正に用いることが挙げられる。例えば別の態様として、8ビット表示の画像の場合、特定の画素から±10画素の領域(約0.8mm角)の平均R、G、B値(Rav、Gav、Bav)を算出し、好ましくは(R-B)-(Rav-Bav)>4、より好ましくは(R-B)-(Rav-Bav)>6、より好ましくは(R-B)-(Rav-Bav)>8に該当する画素を、紅点と判定できる。(R-B)-(Rav-Bav)>8に該当する画素を、紅点と判定した結果を、図11dに示す。
また、手荒れの特徴の一つである白変領域の代表例として、例えば手荒れ症状の「鱗屑」では、特定の画素の近傍領域の平均RGB値を算出し、当該画素のRGB値と平均RGB値と比較し鱗屑を抽出することにより行うことができる。平均化処理が行われる近傍領域としては、好ましくは0.1mm×0.1mm~10mm×10mm、より好ましくは0.1mm×0.1mm~5mm×5mm、より好ましくは0.5mm×0.5mm~2mm×2mmである。
鱗屑において白く観察されている部位は皮膚表面での散乱光の寄与が大きいため、長波長成分に相当するR値に対する短波長成分に相当するB値の値が、非鱗屑部と比べて大きくなる。また鱗屑の多くはその領域の幅が数百μm程度のサイズであることに着目し、各画素のRGB値と、該ピクセルを含みかつ鱗屑幅よりも十分に大きい領域の平均R、G、B値(Rav、Gav、Bav)を比較することで、鱗屑域を抽出できる。
例えば、一態様として、8ビット表示の画像の場合、特定の画素から±10画素の領域(約0.8mm角)の平均R、G、B値(Rav、Gav、Bav)を算出し、好ましくは((B/R)-(Bav/Rav))×50>4、より好ましくは((B/R)-(Bav/Rav))×50>2、より好ましくは((B/R)-(Bav/Rav))×50>1に該当する画素を鱗屑として抽出できる。((B/R)-(Bav/Rav))×50>1に該当する画素を鱗屑として抽出した結果を図11eに示す。
斯くして、抽出された手荒れの特徴を計測し、特徴量として数値化することにより、手荒れ重症度の把握が可能となる。例えば、抽出した紅点や鱗屑画像について、二値化処理を行い、紅点又は鱗屑ピクセル数を数えあげ、かつ手画像領域の総ピクセル数に対する割合(紅点率又は鱗屑率)を算出することにより、手荒れ重症度を把握することができる。
また、スキャナを用いる本発明の方法によれば、撮像された手画像情報から任意の特徴点(掌紋、皺、キメ、節、血管、爪等)を決め、これを利用することにより、経日観察等の再測定時において容易に同一領域を特定することができ、定点観察を容易に行うことが可能である。したがって、本発明の手荒れの評価には、手荒れの特徴を、同一領域において経時又は経日的に追跡することにより、手の荒れの進行や改善の評価も包含される。
本発明の手荒れ評価装置は、上述した本発明のスキャナを用いて撮像された手画像に基づいて手荒れを評価する方法に用いられる装置であり、フラットベッドスキャナ、被験者の手及び前記スキャナの撮像面を覆う遮蔽部材、画像データを表示する画像表示部、及び画像データを処理する画像処理部を備える。そして、当該画像処理部は、撮像された手画像に対して、手荒れの特徴を強調表示するための画像解析処理システム、及び/又は手荒れの特徴を抽出し、数値化するための画像解析処理システムを保有する。
手荒れ画像撮像装置として、汎用のフラットベッドスキャナ(GT-X820、EPSON)を用いた。以降の撮像は、全て下記条件で行った。
・読み取り解像度600dpi、階調RGB 各8bit。
また、手荒れの画像解析は、下記のソフトウェアを用いて行った。
・ImageJ 1.50i(National Institute of Health, USA)、
・Microsoft Visual C# 2013 (Microsoft)(手荒れの特徴の抽出に使用)
<装置性能の確認>
上記観察条件での、該フラットベッドスキャナの光学解像度、被写界深度、色再現性の評価を行った。
フラットベッドスキャナの光学解像度の評価には、標準試料(1951 USAFテストターゲット、Edmund Optics)を用いた。本標準試料を撮像面上に設置し撮像を行った。
1951 USAFテストターゲットには3本のラインが異なるスケールで記入されている。この3本のラインを識別できるスケールに基づいて、スキャンと平行及び垂直方向における識別可能なパターンの空間周波数を、RGB画像について評価した。
結果を図1に示す。該フラットベッドスキャナの光学解像度は、センサーの掃引方向に対して垂直方向で約10本/mm、水平方向で約11本/mmであった。これらの光学解像度では、約50μm以上の構造の判別が可能である。
フラットベッドスキャナの被写界深度の評価には、標準試料(DOF(被写界深度)測定図票、Edmund Optics)を用いた。本標準試料の読み取り部がフラットベッドスキャナの撮像面に対して45°となるように撮像面上に設置し撮像を行った。テストパターンの中から、5 lp/mm間隔のラインを選択し、被写界深度を評価した。
結果を図2に示す。該フラットベッドスキャナの被写界深度(100μmの光学解像度が確保できる距離)は、センサーの掃引方向に対して垂直方向で12.8mm、水平方向で11.5mmであった。
フラットベッドスキャナの色再現性の評価には、キャスマッチ((株)ベアーメディック)を用いた。連続した3日間に、各一回ずつスキャナ上部の蓋部は解放した状態で同一のキャスマッチの撮像を行い、キャスマッチの同一部位のR、G、B値を評価した。
結果を図3に示す。フラットベッドスキャナでは、R、G、Bそれぞれの変動係数が0.08、0.04、0.09%であった。
<装置性能の確認>
1.フラットベッドスキャナを用いた手画像の取得
1)手掌部及び手背部の撮像
該フラットベッドスキャナの撮像面に被験者A(30代 男性)の手掌部及び、手背部を配置し撮像した。また、手の圧迫に伴う被験者の痛みを避けるため、スキャナ上部の蓋部は解放した状態で撮像した。結果を図4に示す。図4a、dより手全域を撮像可能であることが確認され、図4b、c、eより、撮像面より離れた部位の微小な手荒れ特徴も焦点が合った状態で観察可能であることが示された。
2)環境光の影響を受けない撮像方法
通常のオフィス環境下に該フラットベッドスキャナを設置し、撮像面に被験者B(30代 女性)の手掌部を配置し、撮像を行った(図5a)。このとき、スキャナ上部の蓋部は解放した状態で撮像した。その後、手の上方に手及び撮像面を覆う黒色の暗幕を配置して、撮像を行った(図5b)。指及び荒れ特徴と異なる色の暗幕で環境光を遮光することで、図5aでは視認し辛い手荒れ特徴が図5bでは視認し易くなることが確認された。
実施例1 手荒れ画像の強調表示(1)
図4aに対して、手荒れ特徴の視認性向上にむけてコントラスト強調を実施した。まず、画像の所定範囲の画素におけるR、G、Bの各チャンネルの最小輝度値を0に変換し、かつ最大輝度値を255に変換するように濃度ヒストグラムを伸長し、コントラスト強調を行った(図6)。画像全体を用いてコントラスト強調を実施した図6a、b、c及び手の領域を用いてコントラスト強調を実施した図6d、e、fでは、図4b、cと比較して、白変領域の代表例である皮膚表面の鱗屑(点線円で囲われた部位)がより明瞭に観察可能となった。また、丘疹あるいは小水疱由来の紅点(矢印の部位)に関しても、コントラスト強調を行うことで容易に視認可能となった。
実施例2 手荒れ画像の強調表示(2)
手のひら中央部の約5cm角の領域のR、G、B各濃度ヒストグラムを書き出した。続いて該領域のR、G、Bに関する最大輝度値、最小輝度値を算出した。次に最小輝度値以下の輝度値を0に、最大輝度値以上の値を255に変換する折れ線型トーンカーブをR、G、B各チャンネルに作成した(図7a)。作成したトーンカーブを基に図4a、b、cに対してコントラスト強調を実施した結果を図7b、c、dに示す。本コントラスト強調法によって、実施例1の表示以上に、鱗屑及び紅点を容易に視認可能となった。
実施例3 手荒れ画像の強調表示(3)
手の甲の腕側部分の約5cm角の領域のR、G、B各濃度ヒストグラムを書き出した。続いて該領域のR、G、Bに関する最大輝度値、最小輝度値を算出した。次に最小輝度値以下の輝度値を0に、最大輝度値以上の値を255に変換する折れ線型トーンカーブをR、G、B各チャンネルに作成した(図8a)。作成したトーンカーブを基に図4d、eに対してコントラスト強調を実施した結果を図8b、cに示す。本コントラスト強調法によって、鱗屑を容易に視認可能となった。
実施例4 手荒れ画像の強調表示(4)
5名の手のひら中央部の約2cm角の領域のR、G、B各濃度ヒストグラムを書き出した。続いて各被験者の該領域のR、G、Bに関する最大輝度値、最小輝度値を算出した。次に全被験者に対する平均最大輝度値と平均最小輝度値を算出した。次に平均最小輝度値以下の輝度値を0に、平均最大輝度値以上の値を255に変換する折れ線型トーンカーブをR、G、B各チャンネルに作成した(図9a)。作成したトーンカーブを基に図4a、b、cに対してコントラスト強調を実施した結果を図9b、c、dに示す。本コントラスト強調法によって、実施例1の表示と同様に鱗屑及び紅点を容易に視認可能となった。
実施例5 手荒れ画像の強調表示(5)
図4a、dの各画像に対し、下記の条件の低周波成分を除くハイパスフィルターを適用した。
・Filter large structures down to 25 pixels
・Filter small structures up to 0 pixels
・Suppress stripes:None
・Tolerance of direction:0%
続いて、実施例2及び実施例3と同様にコントラスト強調を行った。結果を、図10に示す。実施例2及び実施例3と同様に鱗屑及び紅点を容易に視認可能となった。加えて、図7b、c、d及び図8b、cと比較すると、図10では凹凸に起因する明暗情報が除去され、手の節等のスキャナ撮像面に接地し難く、暗くなり易い部位の手荒れ特徴を容易に視認可能となった。
実施例6 手荒れの特徴の抽出
画像より手荒れ情報を抽出するために、Microsoft Visual C# 2013を用いて解析プログラムを作成し、以下の解析を行った。まず、画像解析処理の高速化のため、500×500ピクセル(約2cm角)の解析対象領域を指定し、画像を切り出した。(図11a)
続いて、解析対象の手のみを抽出するために背景の除去操作を行った。画像の背景が黒色のため、手と比較してR、G、B各チャンネルの合計輝度値が低いことを利用して、R+G+B<150の画素点を、背景と判定し識別した。(図11b)
i)紅点の抽出(1)
特定の画素から±10画素の領域(約0.8mm角)の平均R、G、B値(Rav、Gav、Bav)を算出し、(Gav-G)<10に該当する画素を、紅点と判定し白色で表示した画像を図11cに示す。
ii)紅点の抽出(2)
特定の画素から±10画素の領域(約0.8mm角)の平均R、G、B値(Rav、Gav、Bav)を算出し、(R-B)-(Rav-Bav)<8に該当する画素を、紅点と判定し白色で表示した画像を図11dに示す。
iii)白変領域の抽出
特定の画素から±10画素の領域(約0.8mm角)の平均R、G、B値(Rav、Gav、Bav)を算出し、((B/R)-(Bav/Rav))×50>1に該当する画素を白変領域と判定する式を導いた。判定した白変領域は、形状から鱗屑であると判断した。鱗屑を白色で表示した画像を図11eに示す。
また、手荒れ重症度の把握のために、図11eで抽出した鱗屑画像の二値化処理を行い、鱗屑ピクセル数を数えあげ、かつ手画像領域の総ピクセル数に対する割合(鱗屑率)を算出した結果、鱗屑率は4.84であった。
実施例7 手荒れの評価
手荒れの自覚のない被験者C(20代 男性)と指先に手荒れの自覚のある被験者D(30代 女性)の手掌側の手に対して、実施例2で示したコントラスト強調法を手のひら中央部の5cm角を基準として適用した(図12)。
その結果、被験者Dでは手のひら中央部に比べて指先が赤く強調され、手荒れ特徴である赤変領域が確認された。赤変領域の赤みは血液に由来すると考えられ、手の赤変領域の分布から手の内部の荒れ症状を可視化できた。
実施例8 手荒れ改善の評価
個人の手荒れの進行や改善の評価が可能か検証を行った。被験者Cの手を2週間に渡り毎日2回、40℃の5%食器洗い洗剤溶液(ファミリーフレッシュコンパクト、花王(株))に5分間浸漬し手荒れを誘発した(手荒れ誘発期間)。その後、2週間の間、手荒れ誘発操作を行わずに通常通りに生活した(回復期間)。本試験期間中に撮像した手荒れ部位の鱗屑面積率の経日変化と強調画像を図13に示す。
この結果、初期と比較して手荒れ誘発期間では表示画像中に鱗屑が観察され、かつ鱗屑面積率の増加が確認された。反対に、回復期間では表示画像中の鱗屑が減少し、鱗屑面積率が減少したことから、個人内の手荒れの進行や改善が評価可能であると確認された。

Claims (11)

  1. フラットベッドスキャナを用いて撮像された手画像に基づいて手荒れの特徴を可視化又は数値化する方法であって、手荒れの特徴を強調表示することによって当該手荒れの特徴を可視化する工程又は手荒れの特徴を抽出した後にそれを数値化する工程を含み、フラットベッドスキャナが、RGB画像において空間周波数0.02本/mm以上の構造を観察可能な空間分解能を有するものであり、被写体配置面から被写体までの被写界深度がRGB画像において1mm以上であり、視野が1mm×1mm以上であり、同一対象を繰り返し観察した際の色の変動係数がR、G、B表色系で表した時に各チャンネルにおいて±10%以内である、方法。
  2. 手荒れが、紅斑、丘疹、小水疱、鱗屑、痂皮、苔癬化、ささくれ、あかぎれ、発赤、赤み、乾燥、光沢、粗ぞう化、指紋の消失、硬化及び亀裂から選ばれる1種以上である、請求項記載の方法。
  3. 手荒れの特徴が、紅点、赤変領域及び白変領域から選ばれる1種以上である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 手荒れの特徴の強調表示が、前記撮像された手画像における、手に対応する画素のRGB値の変化域を、より広い範囲に広げる画像処理により行われる、請求項1~のいずれか1項記載の方法。
  5. 手荒れの特徴の抽出が、紅点を抽出するものであって、紅点を含む特定の画素から0.1mm×0.1mm~10mm×10mmの領域の平均RGB値を算出し、当該画素のRGB値と平均RGB値と比較し紅点を抽出する、請求項1~のいずれか1項記載の方法
  6. 手荒れの特徴の抽出が、白変領域を抽出するものであって、特定の画素から0.1mm×0.1mm~10mm×10mmの領域の平均RGB値を算出し、当該画素のRGB値と平均RGB値と比較し白変領域を抽出する、請求項1~いずれか1項記載の方法。
  7. 手荒れの特徴の抽出が、撮像された手画像における背景領域と手領域を分離する画像処理が施された画像に対して行われる、請求項又は記載の方法。
  8. 手画像の撮像が、被験者の身体部位及びスキャナの撮像面を覆う遮蔽部材を用い、外乱光を遮蔽して行われる、請求項1~のいずれか1項記載の方法。
  9. 撮像された手画像に対して、手の凹凸に起因する画素のRGB値の明暗を、当該明暗と手の荒れ構造との周波数の違いから取り除く画像処理工程を含む、請求項1~のいずれか1項記載の方法。
  10. 手荒れの特徴を、同一領域において経時又は経日的に追跡する、請求項1~のいずれか1項記載の方法。
  11. 請求項1~10のいずれか1項記載の方法に用いられる装置であって、フラットベッドスキャナ、被験者の身体部位及び前記スキャナの撮像面を覆う遮蔽部材、画像データを表示する画像表示部、及び手荒れの特徴を強調表示するための画像解析処理システム及び/又は手荒れの特徴を抽出し数値化するための画像解析処理システムを保有する画像処理部を備える、手荒れ評価装置。
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