JP7201233B2 - ボールジョイントの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属製のボール側部材と、筒状の樹脂製の摺動部材と、筒状の金属製の受け側部材とを備えるボールジョイントを製造するボールジョイントの製造方法に関する。
自動車等の車両の操舵装置や懸架装置に用いられるボールジョイントが知られている。このようなボールジョイントを製造する際には、筒状の金属製の受け側部材であるソケットの内部に、ボール側部材であるボールスタッドのボール部を回動可能に保持した筒状の合成樹脂製の摺動部材であるベアリングシートをボール部とともに組み付け、加熱によってベアリングシートをソケットの内面になじませるとともに、放冷を行った後、ダストカバーを組み付ける。
放冷工程は、非常に多くの時間を要する。放冷の方法は、通常自然放冷、ファンによる送風、または、冷温室への投入となる。これらの方法は、温度むらが生じやすく、品質が安定しないとともに、複数のボールジョイントをまとめて配置や保管をするためのスペースが必要になる。
これらの問題を解決するために、誘導加熱コイルを用い、生産ライン内で一品毎にアニール処理を実施可能としたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第5975531号公報
ボールジョイントの製造に当たり、ボールジョイントの性能を安定させるためには、加熱と同様に冷却も重要な工程である。加熱工程で与えられた熱は、ボールジョイント表面では低下したように見えても、潜熱として内部に存在し続ける。そして、この潜熱がベアリングシートの材料である合成樹脂を軟化させることにより、最終的に合成樹脂の劣化、すなわちベアリングシートの性能の劣化に繋がることとなる。
内部の潜熱を除去するには、ファンによる送風や短時間での冷温室保管では不十分である。また、自然放冷や送風等により冷却する場合、常温に低下させるまでに4~8時間もの時間が必要になる。
したがって、加熱されたボールジョイントを短時間で冷却させて性能を安定させることができる製造方法が求められている。同様の課題は、車両用のボールジョイント以外でも生じる。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、安定した性能のボールジョイントを短時間で形成できるボールジョイントの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載のボールジョイントの製造方法は、ボール部及びこのボール部から突出するスタッド部を備えた金属製のボール側部材と、筒状の樹脂製の摺動部材と、筒状の金属製の受け側部材とを備えるボールジョイントを製造するボールジョイントの製造方法であって、加熱部を備える加熱装置と、冷却部を備える冷却装置とを用い、前記ボール側部材のボール部が前記摺動部材により回動可能に保持されて前記受け側部材内に配置された中間体を前記加熱装置の前記加熱部によって加熱することで前記摺動部材を前記受け側部材及び前記ボール部に対しなじませる加熱工程と、加熱された前記中間体の少なくとも前記受け側部材の一部を前記冷却部により覆って前記冷却装置によって冷却することで前記中間体の熱を除去する冷却工程とを具備したものである。
請求項2記載のボールジョイントの製造方法は、請求項1記載のボールジョイントの製造方法において、冷却工程において、冷却部により、少なくとも中間体の受け側部材、及び、ボール側部材のボール部とスタッド部との接続部分を覆うものである。
請求項3記載のボールジョイントの製造方法は、請求項1または2記載のボールジョイントの製造方法において、冷却工程において、冷却部により、少なくとも中間体の受け側部材におけるボール側部材のスタッド部と反対側の位置を覆うものである。
請求項4記載のボールジョイントの製造方法は、請求項1ないし3いずれか一記載のボールジョイントの製造方法において、加熱工程は、誘導加熱により加熱する工程であるものである。
請求項5記載のボールジョイントの製造方法は、請求項1ないし4いずれか一記載のボールジョイントの製造方法において、冷却工程は、冷却部に冷却液を循環させることで冷却する工程であるものである。
請求項6記載のボールジョイントの製造方法は、請求項1ないし5いずれか一記載のボールジョイントの製造方法において、加熱工程において、中間体の少なくとも受け側部材の一部を、複数に分割された加熱部により挟み込むことで囲み、冷却工程において、前記中間体の少なくとも受け側部材の一部を、複数に分割された冷却部により挟み込むことで覆うものである。
請求項1記載のボールジョイントの製造方法によれば、ボール側部材のボール部が摺動部材により回動可能に保持されて受け側部材内に配置された中間体を加熱装置の加熱部によって加熱することで摺動部材を受け側部材及びボール部に対しなじませ、この加熱された中間体の少なくとも受け側部材の一部を冷却部により覆って冷却装置によって冷却することで中間体の熱を除去することにより、中間体を短時間で内部まで冷却可能となり、安定した性能のボールジョイントを短時間で形成できる。
請求項2記載のボールジョイントの製造方法によれば、請求項1記載のボールジョイントの製造方法の効果に加えて、冷却工程の際に、冷却部により、少なくとも中間体の受け側部材、及び、ボール側部材のボール部とスタッド部との接続部分を覆うことで、中間体をより効果的に冷却できる。
請求項3記載のボールジョイントの製造方法によれば、請求項1または2記載のボールジョイントの製造方法の効果に加えて、冷却工程の際に、冷却部により、少なくとも中間体の受け側部材においてボール側部材のスタッド部と反対側の位置を覆うことで、冷却効率をより向上できる。
請求項4記載のボールジョイントの製造方法によれば、請求項1ないし3いずれか一記載のボールジョイントの製造方法の効果に加えて、加熱工程において、誘導加熱により加熱することで、加熱工程を省スペースで実施できるとともに、加熱時の温度管理が容易である。
請求項5記載のボールジョイントの製造方法によれば、請求項1ないし4いずれか一記載のボールジョイントの製造方法の効果に加えて、冷却工程において、冷却部に冷却液を循環させることで冷却することで、冷却工程を省スペースで実施できるとともに、冷却時の温度管理が容易である。
請求項6記載のボールジョイントの製造方法によれば、請求項1ないし5いずれか一記載のボールジョイントの製造方法の効果に加えて、加熱工程において、中間体の少なくとも受け側部材の一部を、複数に分割された加熱部により挟み込むことで囲み、冷却工程において、中間体の少なくとも受け側部材の一部を、複数に分割された冷却部により挟み込むことで覆うことにより、加熱工程及び冷却工程をそれぞれ製造ライン内に組み込むことが可能になり、加熱や冷却のためのスペースの確保が不要となる。
本発明の一実施の形態のボールジョイントの製造方法の一部を(a)ないし(d)の順に模式的に示す工程図である。 同上ボールジョイントの製造方法のフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1(d)において、11はボールジョイントを示す。このボールジョイント11は、例えば自動車等の車両の操舵装置や懸架装置に用いられるものである。つまり、本実施の形態のボールジョイント11は、自動車用または車両用のものである。そして、ボールジョイント11は、受け側部材(ハウジング)であるソケット16と、ボール側部材であるボールスタッド17と、このボールスタッド17の一部を摺動(回動)可能に保持してソケット16に収容される摺動部材であるベアリングシート(ボールシート)18と、ソケット16からボールスタッド17に亘り配置されたカバー部材であるダストカバー19とを備えるものである。
ソケット16は、例えば金属製であり、有底円筒状に形成されている。すなわち、ソケット16は、一端部に開口部21が開口され、他端部が閉塞部22により閉塞されている。また、ソケット16には、ベアリングシート18を収容する収容部である内室23が内部に区画されている。内室23は、開口部21と連通している。ソケット16は、鍛造や鋳造により一体的に有底円筒状に形成されていてもよいし、複数の部材に分割されて、それらを互いに組み付けることで有底円筒状に形成されていてもよい。
ボールスタッド17は、例えば鋼鉄等の金属製であり、球状のボール部25と、このボール部25に連結された軸状の軸部であるスタッド部26とを備えている。
ボール部25は、外周面の一部がベアリングシート18に潤滑剤を介して摺動(回動)可能に保持されている。すなわち、ボール部25は、ベアリングシート18とともにソケット16の内室23に収容されている。
スタッド部26は、図示しない外部の相手部材である被接続部材に接続されて荷重が加わる部分である。スタッド部26は、ボール部25に突設されている。スタッド部26は、円柱状に形成されている。また、スタッド部26は、ボール部25と同軸に配置されている。すなわち、スタッド部26の中心軸は、ボール部25の中心を通るように配置されている。スタッド部26は、開口部21に挿通されてボール部25と反対側の端部側がソケット16から外方(図1の上方)へと突出している。すなわち、スタッド部26は、ソケット16の外部に延びている。スタッド部26は、ボール部25と同一の材質によってボール部25と一体に形成されていてもよいし、ボール部25と同一の材質または異なる材質によってボール部25に対して溶接等により一体化されていてもよい。また、スタッド部26には、被接続部材との取付座面を形成するスタッド鍔部が形成されていてもよい。
ベアリングシート18は、例えば耐摩耗性に優れる合成樹脂製等により筒状(円筒状)に形成され、ソケット16の内室23に嵌着保持されて収容されている。なお、摺動部材としては、1ピースのベアリングシート18に限られず、2以上のピースからなるベアリングシート等でもよいし、例えばプレロードを付与するための付勢部材(スプリング)等の機能部材を含んでいてもよい。
ダストカバー19は、ダストシール、あるいはブーツ等とも呼ばれ、ボールスタッド17の揺動に拘らずソケット16の開口部21を覆い、ソケット16あるいはベアリングシート18の内部への水分及び塵埃等の侵入を阻止するものである。ダストカバー19は、例えば合成樹脂により略円筒状に形成されている。また、ダストカバー19の内方には、潤滑剤(グリース)が封止されている。ダストカバー19は、ボールスタッド17のスタッド部26からソケット16に亘り配置されている。ダストカバー19の一端部がスタッド部26の外周部に密着されて保持され、ダストカバー19の他端部がソケット16の外周部に密着して保持される。ダストカバー19の他端部は、クリップ等の締結部材によりソケット16に対し締め付け固定されていてもよい。
次に、上記ボールジョイント11の製造方法を説明する。
ボールジョイント11を製造する際には、ボールジョイント11の製造装置が用いられる。本実施の形態において、製造装置は、各部品を製造する部品製造装置、ボール部25を保持したベアリングシート18をソケット16の内室23に配置する組付装置、ダストカバー19を組み付けるカバー組付装置等を備えている。さらに、本実施の形態において、ボールジョイント11の製造装置は、加熱装置30と、冷却装置31とを備えている。また、ボールジョイント11の製造装置は、かしめ装置を備えていてもよい。
そして、ボールジョイント11の製造方法は、概略として、図2のフローチャートに示すように、製造工程(ステップS1)、組付工程(ステップS2)、加熱工程(ステップS3)、冷却工程(ステップS4)、及び、カバー組付工程(ステップS5)を備えている。
製造工程は、図1(a)ないし図1(d)に示すソケット16、ボールスタッド17、ベアリングシート18、及び、ダストカバー19等の各部品を各部品製造装置により製造する工程である。製造工程としては、各部品を製造するための既知の様々な方法が用いられる。基本的に、各部品はそれぞれ別個の工程で部品製造装置によって製造される。
組付工程は、製造工程で製造された各部品のうち、ボール組付装置により、ボールスタッド17のボール部25をベアリングシート18により回動可能に保持し、このボール部25を保持したベアリングシート18をソケット16内に配置して、図1(a)に示す中間体Mを形成する工程である。
なお、製造工程と組付工程とは、一部を一体化してもよい。例えば、ソケット16の内部にボール部25を配置してソケット16とボール部25との間にベアリングシート18を射出成形する等、製造と同時に組み付けが実施されるようにしてもよい。
加熱工程は、図1(b)に示す加熱装置30により中間体Mを加熱して、合成樹脂製のベアリングシート18を軟化させ、ベアリングシート18の残留応力(内部歪み)を除去するとともに、ソケット16及びボール部25に対しなじませる工程である。この加熱処理は、アニール処理等とも呼ばれ、様々な加熱装置30を用いて実施可能である。本実施の形態において、加熱工程は、誘導加熱により中間体Mを加熱する工程である。つまり、本実施の形態の加熱装置30は、誘導加熱装置である。加熱装置30は、加熱部35、及び、電源部を備えている。本実施の形態において、加熱部35は、電源部と接続される誘導コイルであり、電源部は、所定周波数の交流電源部である。
加熱部35は、中間体Mを一つずつ個別に加熱する。加熱部35は、各中間体Mの大きさに応じた小型に形成され、製造ライン中に組み込まれる。加熱部35は、中間体Mにおいて、少なくともソケット16の一部を囲むように配置される。本実施の形態では、加熱部35は、中間体Mにおいて、ソケット16の全体を囲むように配置される。例えば、加熱部35は、ソケット16の閉塞部22に対向する対向加熱部36を備えている。また、加熱部35は、中間体Mを挟み込むことができるように、複数に分割されている。図1(b)に示す例では、加熱部35は、一及び他の割型35a,35bに分割されている。なお、加熱部35は、図1(b)において模式的にブロック状として示しているが、加熱部35が誘導コイルである場合には、ソケット16を面状に覆うものでなくてよい。
そして、加熱工程では、中間体Mを所定位置にセットし、一及び他の割型35a,35bを合わせることで、加熱部35がソケット16の開口部21から外側部及び閉塞部22に亘り、ソケット16を軸方向全体に囲むように挟み込む。この状態で、加熱部35は、中間体Mに対し、可能な限り接近させるとともに、中間体Mの形状に合わせて位置することが好ましい。その後、加熱部35による加熱によって、中間体Mのソケット16及びボールスタッド17を加熱することにより、それらからの熱伝導によってベアリングシート18を加熱する。特に、対向加熱部36によって、ソケット16の閉塞部22の位置が加熱される。この結果、ベアリングシート18が、ソケット16の内面(内室23)、及び、ボール部25の外周面の曲面に沿うようになる。
冷却工程は、加熱工程で加熱された中間体Mを図1(c)に示す冷却装置31により冷却し、中間体Mの熱を除去する工程である。特に、本実施の形態の冷却工程は、中間体Mの内部の潜熱を除去する工程である。冷却工程は、様々な冷却装置31を用いて実施可能である。本実施の形態において、冷却工程は、冷却液(冷却水)の循環により中間体Mを冷却する工程である。本実施の形態の冷却装置31は、チラー装置(冷却液循環装置)である。冷却装置31は、冷却部37、冷却液の循環ライン、及び熱交換部等を備えている。本実施の形態において、冷却部37は、ジャケット等とも呼ばれ、循環ラインと接続され、冷却液が循環する部分である。冷却装置31は、水冷式でも空冷式でもよい。すなわち、熱交換部は、循環ラインを循環する冷却液を冷却するための冷媒を冷却する構成として、冷却水やファンを用いてよい。また、冷却部37は、密閉系循環(包み込み方式)でもよいし、開放系循環(接面方式)でもよい。
冷却部37は、中間体Mを一つずつ個別に冷却する。冷却部37は、各中間体Mの大きさに応じた小型に形成され、製造ライン中に組み込まれる。冷却部37は、中間体Mにおいて、少なくともソケット16の一部を覆うように配置される。本実施の形態では、冷却部37は、中間体Mにおいて、ソケット16の全体、及び、ボールスタッド17のボール部25とスタッド部26との接続部分である首部Nの全周または略全周を覆うように配置される。首部Nは、ボール部25からスタッド部26に亘り、括れている部分である。例えば、冷却部37は、首部Nに対向する対向冷却部である一の対向冷却部38を備えている。また、本実施の形態では、冷却部37は、中間体Mのソケット16におけるボールスタッド17のスタッド部26と反対側の位置を覆う。つまり、本実施の形態では、冷却部37は、ソケット16の閉塞部22を覆う。例えば、冷却部37は、閉塞部22に対向する対向冷却部である他の対向冷却部39を備えている。さらに、冷却部37は、中間体Mを挟み込むことができるように、複数に分割されている。図1(c)に示す例では、冷却部37は、一及び他の割型37a,37bに分割されている。
そして、冷却工程では、加熱工程で加熱された中間体Mを所定位置にセットし、一及び他の割型37a,37bを合わせることで、冷却部37がソケット16の開口部21から外側部及び閉塞部22に亘り、ソケット16を軸方向全体に覆うように挟み込むとともに、首部Nを覆うように挟み込む。この状態で、冷却部37は、中間体Mに対し、可能な限り接近させるとともに、中間体Mの形状に合わせて位置することが好ましい。冷却部37は、少なくとも一部を中間体Mに接触させてもよいし、中間体Mから僅かに離れていてもよい。その後、冷却部37による冷却によって、ソケット16及びボールスタッド17を冷却するとともに、それらによる熱伝導によってベアリングシート18を冷却する。
なお、加熱工程と冷却工程との間、つまり加熱工程後、かつ、冷却工程前に、加熱工程により加熱された中間体Mにおいて、ソケット16のかしめ装置によりかしめるかしめ工程を備えていてもよい。このかしめ工程では、中間体Mのうち、開口部21の周縁部をかしめ装置によりかしめる工程である。このかしめ工程により、軟化されているベアリングシート18がよりなじみ、ソケット16の内面(内室23)、及び、ボール部25の外周面の曲面に精度よく沿うようになる。
カバー組付工程は、冷却工程により例えば常温に冷却された中間体Mに対し、図1(d)に示すように、カバー組付装置によりダストカバー19を組み付けることでボールジョイント11を完成する工程である。ダストカバー19は、ボールスタッド17のスタッド部26に挿通し、一端部をスタッド部26の外周部に密着させ、他端部をソケット16の外周部に密着させる。ダストカバー19の他端部は、好ましくは、クリップ等の締結部材によりソケット16に対し締め付け固定する。
このように、製造工程、組付工程、加熱工程、(かしめ工程)、冷却工程、及び、カバー組付工程を経て製造されたボールジョイント11は、検品の後、出荷される。
上述したように、一実施の形態によれば、ボールスタッド17のボール部25がベアリングシート18により回動可能に保持されてソケット16内に配置された中間体Mを加熱装置30の加熱部35によって加熱することでベアリングシート18をソケット16及びボール部25に対しなじませ、この加熱された中間体Mの少なくともソケット16の一部を冷却部37により覆って冷却装置31によって冷却することで中間体Mの熱を除去することにより、中間体Mを短時間で内部まで冷却可能となり、安定した性能のボールジョイント11を短時間で形成できる。
また、加熱工程によって熱が最も蓄積するのはボールスタッド17のボール部25であるが、ボールスタッド17のボール部25とスタッド部26との接続部分である首部Nも同様に蓄熱する傾向がある。しかも、首部Nは、ソケット16及びベアリングシート18により包囲されておらず露出している。そこで、冷却工程の際に、冷却部37により、少なくとも中間体Mのソケット16、及び、ボールスタッド17のボール部25とスタッド部26との接続部分である首部Nを覆うことで、首部Nの位置を重点的に冷却し、冷却を効率的に行い、冷却時間を大幅に短縮できる。
さらに、冷却工程の際に、冷却部37により、少なくとも中間体Mのソケット16においてボールスタッド17のスタッド部26と反対側の位置である閉塞部22を覆うことで、ソケット16の閉塞部22をも重点的に冷却し、冷却効率をより向上できる。
このように、中間体Mに対し加熱工程で加えられた熱を確実に除去でき、潜熱によってベアリングシート18の材料である合成樹脂を軟化させベアリングシート18の性能を劣化させる等の問題が生じにくく、ボールジョイント11の性能を安定化できるとともに、冷却時間を例えば10分程度と大幅に短縮できる。
また、加熱工程において、誘導加熱により加熱することで、加熱工程を省スペースで実施できるとともに、加熱時の温度管理が容易である。
さらに、冷却工程において、冷却部37に冷却液を循環させることで冷却することで、冷却工程を省スペースで実施できるとともに、冷却時の温度管理が容易である。
そして、加熱工程において、中間体Mの少なくともソケット16の一部を、複数に分割された加熱部35により挟み込むことで囲み、冷却工程において、中間体Mの少なくともソケット16の一部を、複数に分割された冷却部37により挟み込むことで覆うことにより、加熱工程及び冷却工程をそれぞれ製造ライン内に組み込むことができ(インライン化)、加熱や冷却のためのスペースの確保が不要となる。
なお、上記一実施の形態において、ボールジョイント11は、車両の操舵装置に限らず、例えば懸架装置や、その他の装置に用いることができる。
そして、上記ボールジョイント11は、車両用に限らず、その他の任意の用途に用いることができる。
本発明は、例えば自動車等の車両の操舵装置用や懸架装置用のボールジョイントの製造方法として好適に用いることができる。
11 ボールジョイント
16 受け側部材であるソケット
17 ボール側部材であるボールスタッド
18 摺動部材であるベアリングシート
25 ボール部
26 スタッド部
30 加熱装置
31 冷却装置
35 加熱部
37 冷却部
M 中間体

Claims (6)

  1. ボール部及びこのボール部から突出するスタッド部を備えた金属製のボール側部材と、筒状の樹脂製の摺動部材と、筒状の金属製の受け側部材とを備えるボールジョイントを製造するボールジョイントの製造方法であって、
    加熱部を備える加熱装置と、冷却部を備える冷却装置とを用い、
    前記ボール側部材のボール部が前記摺動部材により回動可能に保持されて前記受け側部材内に配置された中間体を前記加熱装置の前記加熱部によって加熱することで前記摺動部材を前記受け側部材及び前記ボール部に対しなじませる加熱工程と、
    加熱された前記中間体の少なくとも前記受け側部材の一部を前記冷却部により覆って前記冷却装置によって冷却することで前記中間体の熱を除去する冷却工程と
    を具備したことを特徴とするボールジョイントの製造方法。
  2. 冷却工程において、冷却部により、少なくとも中間体の受け側部材、及び、ボール側部材のボール部とスタッド部との接続部分を覆う
    ことを特徴とする請求項1記載のボールジョイントの製造方法。
  3. 冷却工程において、冷却部により、少なくとも中間体の受け側部材におけるボール側部材のスタッド部と反対側の位置を覆う
    ことを特徴とする請求項1または2記載のボールジョイントの製造方法。
  4. 加熱工程は、誘導加熱により加熱する工程である
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のボールジョイントの製造方法。
  5. 冷却工程は、冷却部に冷却液を循環させることで冷却する工程である
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のボールジョイントの製造方法。
  6. 加熱工程において、中間体の少なくとも受け側部材の一部を、複数に分割された加熱部により挟み込むことで囲み、
    冷却工程において、前記中間体の少なくとも受け側部材の一部を、複数に分割された冷却部により挟み込むことで覆う
    ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載のボールジョイントの製造方法。
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