JP7199833B2 - 躯体蓄熱空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の天井面を構成する躯体に蓄熱した熱エネルギーを放熱することにより空調を行う躯体蓄熱空調システムに関する。
従来、蓄熱空調システムの1つとして、熱容量の大きなコンクリートの床、壁、柱等の躯体を蓄熱材として利用した躯体蓄熱空調システムが知られている。躯体蓄熱空調システムでは、新たに蓄熱槽を設ける必要がないため、省スペース化、省コスト化を図ることができる。
例えば、特許文献1には、温水を循環するパイプを躯体の内部に埋め込み、パイプを介して躯体に蓄熱する躯体蓄熱構造が開示されている。また、特許文献2には、躯体の天井面に、熱交換パイプと、熱交換パイプを囲むように配置された輻射パネルとを取り付け、熱交換パイプを流れる冷温水による熱交換と、輻射パネルからの輻射熱とによって躯体に蓄熱する躯体蓄熱構造が開示されている。
特開2000-274711号公報 特許第5692603号公報
しかし、特許文献1に記載された躯体蓄熱構造は、パイプを躯体の内部に埋め込む必要があるため、配管のメンテナンス性が悪く、施工時に配管を変形、破損させてしまう恐れもあった。
また、特許文献2に記載された躯体蓄熱構造は、熱交換パイプだけでなく、熱交換パイプを天井面に取り付けるための保持部材や熱交換部材についても輻射パネルに囲まれた状態で取り付けられており、熱交換パイプを流れる冷温水の熱エネルギーを躯体に蓄熱するか、それとも、居室に放熱するかの配分を考慮したものでないため、躯体蓄熱空調システムを設置する居室の状況に合わせて熱エネルギーの躯体側及び居室側への配分を柔軟に変更することができないという問題があった。
さらに、特許文献2に記載された躯体蓄熱構造は、躯体に蓄熱された熱エネルギーを自然放熱で取り出し、自然放熱で取り出すだけでは空調能力が不足する場合には、冷温水の通水量を制御し、輻射パネルによる輻射熱で冷暖房を行うものであるが、空調能力を変動させる手段が、自然放熱や輻射熱を利用したものであるため、居室内の熱負荷変動に対する応答性が低いという問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決するために、システムの施工性、メンテナンス性を確保しつつ、躯体蓄熱空調システムを設置する居室の状況に合わせて熱エネルギーの躯体側及び居室側への配分を柔軟に変更することができ、居室内の熱負荷変動に対する追従性を向上させることができる躯体蓄熱空調システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するものであって、本発明に係る躯体蓄熱空調システムは、建築物の天井面を構成する躯体に蓄熱した熱エネルギーを放熱することにより空調を行う躯体蓄熱空調システムであって、前記熱エネルギーの媒体となる熱媒体が流れ方向に沿って流れる熱媒体配管と、前記熱媒体配管を前記流れ方向に沿って保持した状態で前記天井面に取り付けられた熱交換部材と、前記熱交換部材が取り付けられた前記天井面の下方に前記流れ方向に沿って配置された状態で取付部を介して前記熱交換部材に取り付けられた放射部材と、前記熱交換部材が取り付けられた前記天井面に向けて気流を発生させる送風装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る躯体蓄熱空調システムは、前記送風装置は、前記躯体に前記熱エネルギーを蓄熱する場合は停止させ、前記躯体から前記熱エネルギーを放熱する場合は稼働させることを特徴とする。
また、本発明に係る躯体蓄熱空調システムは、前記送風装置は、前記熱交換部材が取り付けられていない部分の天井面の下方に配置され、前記送風装置により発生させた気流は、上向きの気流であり、前記上向きの気流は、前記天井面によって横向きの気流となり、前記熱交換部材又は前記放射部材に到達することを特徴とする。
また、本発明に係る躯体蓄熱空調システムは、前記放射部材は、前記横向きの気流が前記熱交換部材と前記放射部材との間を通過可能な空隙部を形成した状態で前記取付部を介して前記熱交換部材に取り付けられたことを特徴とする。
また、本発明に係る躯体蓄熱空調システムは、前記放射部材は、板状部材で構成されるとともに、前記板状部材の長手方向が、前記流れ方向に沿って配置され、前記板状部材の短手方向が、前記横向きの気流の上流側から下流側に向かって前記板状部材と前記天井面との間の距離が小さくなるように配置された状態で前記取付部を介して前記熱交換部材に取り付けられたことを特徴とする。
また、本発明に係る躯体蓄熱空調システムは、前記放射部材は、板状部材で構成されるとともに、前記板状部材の長手方向が前記流れ方向に沿って配置された状態で前記取付部を介して前記熱交換部材に取り付けられ、前記取付部は、前記板状部材の長手方向に沿って所定の取付幅を有する板状取付部、又は、前記板状部材の長手方向に沿って所定の間隔幅で配置された複数の棒状取付部であることを特徴とする。
また、本発明に係る躯体蓄熱空調システムは、前記熱交換部材と前記天井面との間に、前記躯体よりも熱伝導率が大きな弾性部材を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る躯体蓄熱空調システムは、前記天井面に形成された凹部に、前記躯体よりも比熱容量が大きな潜熱蓄熱材を備え、前記熱交換部材は、前記凹部が形成された部分の前記天井面に取り付けられたことを特徴とする。
本発明に係る躯体蓄熱空調システムによれば、熱交換部材が、熱媒体配管を流れ方向に沿って保持した状態で天井面に取り付けられ、放射部材が、熱交換部材が取り付けられた天井面の下方に流れ方向に沿って配置された状態で取付部を介して熱交換部材に取り付けられているので、躯体蓄熱空調システムが備える各部を躯体の内部に埋め込む必要がないため、システムの施工性、メンテナンス性を確保することができる。
また、本発明に係る躯体蓄熱空調システムによれば、放射部材が、熱交換部材が取り付けられた天井面の下方に流れ方向に沿って配置された状態で取付部を介して熱交換部材に取り付けられているので、放射部材が、例えば、放射部材と熱交換部材との間の接触面積が大きな取付部を介して、熱交換部材に取り付けられている場合には、居室に放熱する配分を増やす一方で躯体に蓄熱する配分を減らすことができ、放射部材が、例えば、放射部材と熱交換部材との間の接触面積が小さい取付部を介して、熱交換部材に取り付けられている場合には、躯体に蓄熱する配分を増やす一方で居室に放熱する配分を減らすことができるため、躯体蓄熱空調システムを設置する居室の状況に合わせて熱エネルギーの躯体側及び居室側への配分を柔軟に変更することができる。
また、本発明に係る躯体蓄熱空調システムによれば、送風装置が、熱交換部材が取り付けられた天井面に向けて気流を発生させることにより、送風装置により発生させた気流が天井面に到達すると、天井面近傍の対流が促進されるため、天井面を構成する躯体から熱エネルギーを放熱する際の放熱性能を向上させることができ、さらに、送風装置により発生させた気流が、熱交換部材又は熱交換部材に取り付けられた放射部材に到達すると、熱交換部材又は放射部材の表面近傍の対流が促進されるため、熱交換部材又は放射部材から熱エネルギーを放熱する際の放熱性能を向上させることができるので、居室内の熱負荷変動に対する応答性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る空調システム100の全体構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る躯体蓄熱空調システム2の一例を示し、(a)は概略構成図、(b)は天井面における配置図である。 本発明の実施の形態に係る躯体蓄熱空調システム2の第1の設置例を示し、(a)は、天井面11aに対する冷温水パイプ20、ヒートシンク23A及び放射フィン27Aの設置例、(b)はA-A線の拡大断面図を示す図である。 本発明の実施の形態に係る躯体蓄熱空調システム2の第2の設置例を示し、(a)は、天井面11aに対する冷温水パイプ20、ヒートシンク23B及び放射フィン27Bの設置例、(b)はB-B線の拡大断面図を示す図である。 放射フィン27の解析条件を示し、(a)は放射フィン27の形状、(b)は解析モデル、(c)は境界条件を示す図である。 解析結果を示し、(a)は熱流の移動方向、(b)は気流無しでの熱流、(c)は気流有りでの熱流を示す図である。 放射フィン27の周囲の気流分布を示す図である。 伝熱方式の差異による蓄熱時の熱流の推移を示す図である。 伝熱方式の差異による蓄熱率の推移を示す図である。 伝熱方式の差異による躯体内温度分布の推移を示す図である。 蓄熱時及び放熱時における躯体蓄熱量と冷水の積算冷熱量との推移を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る空調システム100の全体構成の一例を示す図である。建築物1は、上スラブ11及び下スラブ12等のコンクリートの躯体により構成されるとともに、下スラブ12の上方に床材13が敷設されている。
建築物1は、二重床の構造を有し、下スラブ12と床材13とに間には、床下チャンバ14が形成されている。上スラブ11の下面である天井面11aと床材13との間には、居室10が形成されている。天井面11aには、複数の梁11bがワッフル状に形成されている。
空調システム100は、躯体蓄熱空調システム2と、床吹出し空調システム3とを組み合わせて居室10の空調を行うシステムである。躯体蓄熱空調システム2は、天井面11aを構成する上スラブ11に熱エネルギーを蓄熱し、その蓄熱した熱エネルギーを放熱することにより空調を行うシステムである。床吹出し空調システム3は、床材13に形成され複数の給気口(図示省略)から空調空気を吹き出することにより空調を行うシステムである。なお、空調システム100は、躯体蓄熱空調システム2の単独のシステムでもよいし、躯体蓄熱空調システム2に、床吹出し空調システム3以外の他の空調システムを組み合わせてもよい。
躯体蓄熱空調システム2は、熱エネルギーの媒体となる冷温水(熱媒体)が流れる冷温水パイプ20と、冷熱又は温熱を熱エネルギーとして供給する熱源22と、熱源22から供給された熱エネルギーを、熱交換によって冷温水パイプ20を流れる冷温水に伝える熱交換器21とを備える。熱源22は、例えば、地中熱や、電気料金が安くなる夜間や深夜の電力を利用したものである。
床吹出し空調システム3は、空調機能を有する空調部30と、床下チャンバ14及び複数の給気口を介して居室10に連通する給気配管31と、還気口(図示省略)を介して居室10に連通する還気配管32とを備える。空調部30は、外気OAを導入し、導入した外気OAを温度調整し、給気配管31により給気SAとして床下チャンバ14及び複数の給気口を介して居室10に供給する。また、空調部30は、居室10内の空気を還気口を介して還気RAとして還気配管32により吸入し、排気EAとして外部に排出する。
図2は、本発明の実施の形態に係る躯体蓄熱空調システム2の一例を示し、(a)は概略構成図、(b)は天井面における配置図である。躯体蓄熱空調システム2は、冷温水が流れ方向(図2(a)の紙面の表裏方向)に沿って流れる冷温水パイプ20(熱媒体配管)と、冷温水パイプ20を流れ方向に沿って保持した状態で天井面11aに取り付けられたヒートシンク23(熱交換部材)と、天井面11aの下方に流れ方向に沿って配置された状態で取付部(例えば、後述のフィン取付部232又は吊り金具29)を介してヒートシンク23に取り付けられた放射フィン27(放射部材)と、ヒートシンク23が取り付けられた天井面11aに向けて上向きの気流を発生させるスポットファン24(送風装置)と、冷温水パイプ20に設けられたポンプの稼働状態等を制御する制御装置(図示省略)とを備える。
ヒートシンク23は、熱伝導率が高い、例えば、アルミニウム等の金属を用いて、押出成形により長尺の部材として作製されている。ヒートシンク23は、冷温水パイプ20を流れる冷温水の熱エネルギーを、熱伝導により上スラブ11及び放射フィン27に伝える熱交換部材である。
放射フィン27は、ヒートシンク23と同様に、熱伝導率が高い、例えば、アルミニウム等の金属を用いて、押出成形により長尺の部材として作製されている。放射フィン27は、ヒートシンク23を介した熱伝導により冷温水の熱エネルギーで冷却又は加熱されることにより、熱放射により居室10内の空気の冷暖房を行うとともに、冷却又は加熱された放射フィン27の表面に気流が生じることで対流が促進される。
図2(b)に示すように、ワッフル状に形成された梁11bで囲まれた天井面11aには、中央部付近にスポットファン24が配置されているとともに、スポットファン24の周囲を囲むように、冷温水パイプ20a~20c、ヒートシンク23及び放射フィン27が配置されている。
冷温水パイプ20は、冷温水を循環するものであり、上流部分の冷温水パイプ20aは、天井面11aから突設し、下流部分の冷温水パイプ20cは、天井面11aに埋設するように配置されている。そして、中流部分の冷温水パイプ20bは、スポットファン24の周囲4方向のそれぞれにおいて、ジグザグ状に交互に折り返した状態で天井面11aに配置されている。
ヒートシンク23及び放射フィン27は、ジグザグ状に配置された中流部分の冷温水パイプ20bの直線部分の流れ方向を長手方向として、冷温水パイプ20bの流れ方向に沿って配置されている。
スポットファン24は、例えば、軸流型の送風ファンであり、天井面11aから吊り下げられた状態で設置されており、天井面11aの下方から天井面11aに向けて気流を発生させる。本実施の形態では、スポットファン24は、図2(a)に示すように、ヒートシンク23が取り付けられていない部分の天井面11aの下方に配置されており、ヒートシンク23が取り付けられていない部分の天井面11aに向けて上向きの気流を発生させる。また、スポットファン24は、制御装置により制御されて、上スラブ11に熱エネルギーを蓄熱する場合は停止させ、上スラブ11から熱エネルギーを放熱する場合は稼働させる。
スポットファン24により発生させた、天井面11aに向かう上向きの気流は、図2(a)に示すように、天井面11aに到達すると、天井面11aによって放射状に拡散し、横向きの気流となる。そして、横向きの気流は、冷温水パイプ20、ヒートシンク23及び放射フィン27に到達し、さらにスポットファン24の周囲を囲む梁11bまで到達すると、下向きの気流となり、梁11bに沿って下降する。
(躯体蓄熱空調システム2の第1の設置例)
図3は、本発明の実施の形態に係る躯体蓄熱空調システム2の第1の設置例を示し、(a)は、天井面11aに対する冷温水パイプ20、ヒートシンク23A及び放射フィン27Aの設置例、(b)はA-A線の拡大断面図を示す図である。第1の設置例において、ヒートシンク23Aは、冷温水パイプ20の両側を挟み込むように保持する保持部230と、固定ボルト28Aにより天井面11aに固定される天井固定部231と、固定ボルト28Bにより放射フィン27Aが取り付けられるフィン取付部232(板状取付部)とを備える。
図3(b)に示すように、保持部230は、C字状の断面形状を有し、天井固定部231及びフィン取付部232は、L字状の断面形状を有する。また、天井面11aには、天井固定部231が固定される位置に、天井固定部231を固定するためのインサートやアンカーが設置されている。
図3(a)に示すように、フィン取付部232は、放射フィン27Aの長手方向に沿って所定の取付幅W1を有するとともに、長手方向に沿って所定の間隔幅W2で配置されており、隣接するフィン取付部232の間には、空隙部234が形成されている。また、フィン取付部232は、冷温水パイプ20の流れ方向に対して冷温水パイプ20の一方の側(図3(b)では冷温水パイプ20の左側)に配置されている。
空隙部234は、天井面11aの下方を流れる気流が自由に通過することを可能とする空間である。したがって、スポットファン24により発生させた、天井面11aに向かう上向きの気流が、天井面11aによって横向きの気流となり、ヒートシンク23A及び放射フィン27Aに到達すると、空隙部234は、その横向きの気流がヒートシンク23Aと放射フィン27Aとの間を通過可能とする空間として機能する。
なお、フィン取付部232の取付幅W1を適宜変更してもよいし、隣接するフィン取付部232の間隔幅W2を適宜変更することにより、空隙部234の大きさを適宜変更してもよい。また、フィン取付部232は、長手方向に沿って連続的に配置されることにより、空隙部234を形成しない状態で放射フィン27Aが取り付けられるようにしてもよい。
放射フィン27Aは、ヒートシンク23Aが取り付けられた部分の天井面11aの下方に配置された波板部270と、波板部270が天井面11aの下方に配置された状態でヒートシンク23Aのフィン取付部232に取り付けられる接続部271とを備える。
波板部270は、板状部材であり、図3(b)に示すように、長手方向に直交する断面形状として、カーブを描いた波状の断面形状を有する。
波板部270の長手方向は、冷温水パイプ20の流れ方向に沿って配置されるとともに、波板部270の短手方向は、天井面11aとの間の距離が両端部で異なるように配置されている。図3(b)に示すように、波板部270の長手方向は、冷温水パイプ20の流れ方向に沿って配置されるとともに、波板部270の短手方向は、横向きの気流と交差する方向に配置されるとともに、横向きの気流の上流側から下流側に向かって(図3(b)の紙面右側から左側に向かって)、波板部270と天井面11aとの間の距離が小さくなるように配置されている。
このように、放射フィン27Aの波板部270が、横向きの気流に対して波板部270と天井面11aとの間の距離が徐々に小さくなるように配置されていることにより、横向きの気流の速度が、上流側から下流側に向かって徐々に速くなるため、天井面11a及びヒートシンク23の近傍に気流が生じ、上スラブ11からの放熱を効率的に促進することができる。
接続部271は、固定ボルト28Bによりヒートシンク23Aのフィン取付部232に固定される部分であり、放射フィン27Aの長手方向に沿って複数の個所に設けられている。そして、接続部271とフィン取付部232とが、固定ボルト28Bにより固定されることにより、放射フィン27Aは、フィン取付部232により空隙部234を形成した状態でヒートシンク23Aに取り付けられている。
さらに、躯体蓄熱空調システム2は、ヒートシンク23Aと天井面11aとの間に配置された弾性部材25を備える。弾性部材25は、上スラブ11よりも熱伝導率が大きく、弾性を有する材料で形成されており、シート状の形状を有する。弾性部材25は、例えば、シリコンを材料とするシリコンゴムである。
天井面11aに不陸がある場合には、躯体とヒートシンク23との間の空気層が生じ、躯体への熱伝導量が低下することになるが、弾性部材25が、ヒートシンク23Aと天井面11aとの間に挟まれることにより、弾性部材25が弾性を有することでヒートシンク23Aと天井面11aとの間の隙間(空気層)を小さくするとともに、弾性部材25が上スラブ11よりも熱伝導率が大きな材料で形成されていることでヒートシンク23Aと天井面11aとの間の熱伝導を促進することから、天井面11aの不陸による熱伝導量の低下を抑制することができる。
(躯体蓄熱空調システム2の第2の設置例)
図4は、本発明の実施の形態に係る躯体蓄熱空調システム2の第2の設置例を示し、(a)は、天井面11aに対する冷温水パイプ20、ヒートシンク23B及び放射フィン27Bの設置例、(b)はB-B線の拡大断面図を示す図である。第2の設置例において、ヒートシンク23Bは、第1の設置例におけるヒートシンク23Aと同様の保持部230及び天井固定部231と、吊り金具29(棒状取付部)により放射フィン27Bが取り付けられる金具取付部233とを備える。
吊り金具29は、例えば、吊りボルト等の金具であり、図4(a)に示すように、放射フィン27Bの長手方向に沿って所定の間隔幅W3で配置されており、隣接する吊り金具29の間には、空隙部234が形成されている。また、吊り金具29は、冷温水パイプ20の流れ方向に対して冷温水パイプ20の一方の側(図4(b)では冷温水パイプ20の左側)に配置されている。
なお、隣接する吊り金具29の間隔幅W3を適宜変更してもよく、一定の間隔幅W3で並べるだけでなく、異なる間隔幅W3で並べてもよい。また、金具取付部233は、例えば、貫通孔とすることにより、吊り金具29が、貫通孔を介して天井面11aにヒートシンク23Bを固定するようにしてもよく、その場合には固定ボルト28Aをさらに省略してもよい。
放射フィン27Bは、第1の設置例における放射フィン27Aと同様の波板部270と、波板部270が天井面11aの下方に配置された状態で吊り金具29に取り付けられる接続部271とを備える。
接続部271は、固定ボルト28Cにより吊り金具29に固定される部分であり、放射フィン27Bの長手方向に沿って複数の個所に設けられている。そして、接続部271と吊り金具29とが、固定ボルト28Cにより固定されることにより、放射フィン27Bは、吊り金具29により空隙部234を形成した状態でヒートシンク23Bに取り付けられている。
さらに、躯体蓄熱空調システム2は、ヒートシンク23Bが取り付けられた部分の天井面11aに配置された潜熱蓄熱材26を備える。潜熱蓄熱材26は、例えば、PCM(Phase Change Material)と呼ばれる、上スラブ11、すなわち、コンクリートよりも比熱容量が大きな材料で形成され、天井面11aに形成された凹部11cに埋め込まれている。
潜熱蓄熱材26は、上スラブ11よりも比熱容量が大きな材料で形成されているため、上スラブ11に熱エネルギーを蓄熱する際に、熱エネルギーの放熱先である居室10に近い場所により大きな熱エネルギーを蓄熱することができるので、上スラブ11から熱エネルギーを放熱する際の放熱性能を向上させることができる。
(変形例)
第1の設置例と、第2の設置例とを組み合わせることにより、例えば、天井面11aに、第1の設置例におけるヒートシンク23A及び放射フィン27Aと、第2の設置例におけるヒートシンク23B及び放射フィン27Bとを設置してもよいし、躯体蓄熱空調システム2が、第1の設置例における弾性部材25と、第2の設置例における潜熱蓄熱材26とを備えてもよい。
天井面11aに対する冷温水パイプ20、ヒートシンク23、スポットファン24及び放射フィン27の配置は、図2(b)に示す配置に限られず、適宜変更してもよい。また、ヒートシンク23及び放射フィン27の大きさや形状は適宜変更してもよく、例えば、図3(b)、図4(b)に示す放射フィン27A、27Bの波板部270の断面形状は、カーブを描いた波状としたが、直線状や屈曲状にしてもよいし、図3(b)に示すヒートシンク23Aの断面形状は、天井固定部231とフィン取付部232とがなす角度を直角にして、L字状としたが、鋭角や鈍角にしてもよい。また、ヒートシンク23に放射フィン27を取り付ける取付部の大きさや形状を適宜してもよいし、ヒートシンク23に放射フィン27を取り付ける際の取付手段として、固定ボルト28B、28Cを用いたが、他の取付手段を用いてもよい。さらに、2つの部材として、ヒートシンク23と、放射フィン27とを用いたが、1つの部材として作製してもよいし、3つ以上の部材を組み合わせるように作製してもよい。また、ヒートシンク23及び放射フィン27は、長手方向に複数に分割したものを並べてもよく、その際、長手方向の長さが異なるものを並べてもよい。
スポットファン24は、天井面11aに向かって上向きの気流を発生させる代わりに、斜め上向きの気流を発生させてもよいし、スポットファン24により発生させた上向きの気流を天井面11aよって横向きの気流とすることで、スポットファン24により発生させた気流が、間接的に冷温水パイプ20、ヒートシンク23及び放射フィン27に到達する代わりに、スポットファン24により発生させた気流が、直接的に冷温水パイプ20、ヒートシンク23及び放射フィン27に到達するようにしてもよい。
(躯体蓄熱空調システム2の熱的性能を検証するための解析について)
次に、本発明の躯体蓄熱空調システム2における放射フィン27の熱的性能を検証するために解析を行った。以下、解析条件及び解析結果について説明する。
(解析条件)
図5は、放射フィン27の解析条件を示し、(a)は放射フィン27の形状、(b)は解析モデル、(c)は境界条件を示す図である。図5(a)に示すように、放射フィン27が取り付けられていない場合(比較例)と、放射フィン27が取り付けられた場合の放射フィン27の4種類の形状A~Dとに対して、スポットファン24の気流の有無による条件をそれぞれ設定し、計10ケースの2次元CFD(Computational Fluid Dynamics)解析を行った。
形状A、Bの放射フィン27は、第1の設置例におけるフィン取付部232が長手方向に沿って連続的に配置されることにより、空隙部234を形成しない状態でヒートシンク23に取り付けられている。形状C、Dの放射フィン27は、第2の設置例におけるに吊り金具29により空隙部234を形成した状態、すなわち、横向きの気流が放射フィン27とヒートシンク23の間を通過可能な状態でヒートシンク23に取り付けられている。また、形状A、C、Dの放射フィン27は、断面積が同等となるように調整しており、形状Bの放射フィン27は、断面積が形状A、C、Dの放射フィン27よりも大きくなっている。
図5(b)に示す解析モデルは、1スパンを模擬した解析モデルであり、ヒートシンク23から躯体への熱伝導を考慮するため、天井面11a、梁11bを構成する上スラブ11を含むように、解析領域を設定した。解析領域の中央上部には、スポットファン24を模擬した箱を設定し、フィン配置位置に3つの放射フィン27を等間隔に設定した。なお、放射フィン27の形状の影響を検証するため、ヒートシンク23、冷温水パイプ20及び放射フィン27を詳細にモデル化し、解析格子は粘性底層内に第一格子が納まるように配慮した。
解析ソフトは、Fluent V18.2を使用した。解析手法は定常解析、乱流モデルにRealizable k-εモデル、壁関数にEnhanced Wall Treatmentを設定し、解析項目は運動量、温度、輻射とした。浮力の効果はブジネスク近似(体膨張率0.0035[1/K])により考慮した。上スラブ11には、コンクリートの物性値を設定し、冷温水パイプ20、ヒートシンク23及び放射フィン27には、アルミニウムの物性値を設定した。
(解析結果)
図6は、解析結果を示し、(a)は熱流の移動方向、(b)は気流無しでの熱流、(c)は気流有りでの熱流を示す図である。図6(b)、(c)は、奥行1m当たりの熱流の値であり、正負は図6(a)の矢印の向きに一致する。また、図7は、放射フィン27の周囲の気流分布を示す図である。
図6(b)に示すように、気流無しの条件において、形状A、Bの放射フィン27では、「冷水」からの熱流が、比較例及び形状C、Dの放射フィン27と比べて大きくなった。これは、形状A、Bの放射フィン27が、フィン取付部232が長手方向に沿って連続的に配置された状態でヒートシンク23に取り付けられていることで、ヒートシンク23と放射フィン27との間の接触面積が大きくなり、冷温水パイプ20から放射フィン27へのヒートシンク23を介した熱伝導が促進された結果、系全体に投入できる熱流の総量が大きくなったと考えられる。
また、形状C、Dの放射フィン27では、「ヒートシンク→躯体」の熱流が、形状A、Bの放射フィン27と比べて大きくなる傾向があり、同時に「躯体天井面」からの熱流も大きくなった。これは、形状C、Dの放射フィン27は、吊り金具29によりヒートシンク23に取り付けられているのに対し、形状A、Bの放射フィン27は、長手方向に沿って連続的に配置されたフィン取付部232によりヒートシンク23に取り付けられているため、形状C、Dの放射フィン27は、放射フィン27とヒートシンク23との間の接触面積が、形状A、Bの放射フィン27と比べて小さくなるため、「冷水」からの熱流が躯体側へ偏り、形状A、Bの放射フィン27よりも天井面11aが冷却されたためと考えられる。
したがって、放射フィン27とヒートシンク23との間の接触面積、すなわち、放射フィン27をヒートシンク23に取り付ける際の取付部の形状によって、躯体への蓄熱性能と、居室への放熱性能とがトレードオフ関係となることが分かった。具体的には、放射フィン27が、放射フィン27とヒートシンク23との間の接触面積が大きな取付部(例えば、フィン取付部232)を介して、ヒートシンク23に取り付けられている場合には、居室に放熱する配分を増やす一方で躯体に蓄熱する配分を減らすことができ、放射フィン27が、放射フィン27とヒートシンク23との間の接触面積が小さな取付部(例えば、吊り金具29)を介して、ヒートシンク23に取り付けられている場合には、躯体に蓄熱する配分を増やす一方で居室に放熱する配分を減らすことができるので、躯体蓄熱空調システム2を設置する居室10の状況に合わせて熱エネルギーの躯体側及び居室側への配分を柔軟に変更することができることが分かった。
図6(c)に示すように、気流有りの条件において、「ヒートシンク→室内」と「躯体天井面」との熱流の合計値(空調能力)は、冷水からの熱流との間に相関があること、すなわち、冷水からの熱流が大きいほど、「ヒートシンク→室内」と「躯体天井面」との熱流の合計値(空調能力)が大きくなることが確認できた。
形状Dの放射フィン27では、「冷水」からの熱流が、比較例及び形状A~Dの中で最も大きくなっており、空調能力が最も大きい結果となった。また、形状Dの放射フィン27は、図7に示す気流分布を見ると、天井面11aの近傍に這うような気流が形成されていることが分かった。これは、形状Dの放射フィン27が、吊り金具29により空隙部234を形成した状態、すなわち、横向きの気流が放射フィン27とヒートシンク23の間を通過可能な状態でヒートシンク23に取り付けられているとともに、形状Dが、横向きの気流が流れる方向に対して上流側を広く、下流側を狭くした形状となっていることで、横向きの気流の速度が徐々に速くなることにより、天井面11a及びヒートシンク23の近傍に気流が生じ、上スラブ11からの放熱を効率的に促進することができたと考えられる。
形状Bの放射フィン27では、「冷水」からの熱流が、比較例及び形状A~Dの中で2番目に大きくなった。これは、形状Bの放射フィン27は、気流なし条件においても、熱流が大きく、形状A、C、Dの放射フィン27と比べて熱的に有利な結果であったが、フィン断面積が大きいためと考えらえる。
「冷水」からの熱流に対する「ヒートシンク→躯体」の割合と、「冷水」からの熱流に対する「ヒートシンク→室内」との割合について、気流無しの条件と、気流有りの条件との間で比較すると、気流有りの条件では、「ヒートシンク→躯体」の割合が、気流無しの条件と比べて低くなり、「ヒートシンク→室内」の割合が、気流無しの条件と比べて高くなった。これは、気流有りの条件では、横向きの気流がヒートシンク23に到達することで、ヒートシンク23の表面近傍における対流が促進される結果、ヒートシンク23から室内側への放熱が促進されるため、「冷水」からの熱流が室内側に偏ったと考えられる。
したがって、冷温水パイプ20を保持したヒートシンク23が天井面11aに取り付けられた場合、「冷水」からの熱流は、ヒートシンク23により躯体側と室内側とで配分されることになるが、気流の有無に応じて、「冷水」からの熱流の配分を調節することができることが分かった。すなわち、「冷水」からの熱流を躯体に蓄熱する際には、スポットファン24を停止することで躯体側への配分を増やし、「冷水」からの熱流を居室10に放熱する際には、スポットファン24を稼働させることで室内側への配分を増やすことができ、「冷水」からの熱流を躯体に蓄熱する際の蓄熱性能を低下させることなく、「冷水」からの熱流を居室10に放熱する際の放熱性能を向上させることができる。
(躯体蓄熱空調システム2の熱的性能を検証するための実験について)
次に、本発明の躯体蓄熱空調システム2の熱的性能を検証するために実験を行った。以下、実験装置、実験条件及び実験結果について説明する。
(実験装置及び実験条件)
実験装置は、発泡ポリスチレン板(100mm厚、0.028W/m/K)で作成したボックス内部に、上スラブ11を模擬したコンクリート製の試験体A(1400×1180×250mm)又は試験体B(1400×1180×150mm)を配置し、試験体A、Bの下側(居室10を模擬)と、試験体A、Bの上側(OAフロア+上階の居室10を模擬)の空間に分割した。内部空間の温度を調整するために、試験体A、Bの上側と下側にヒーターをそれぞれ設置した。
試験体A、Bの上側には、床吹出し空調システム3を模擬した送風ファンを設置し、試験体A、Bの下側には、試験体A、Bの表面に上向きの気流を吹き付けるスポットファン24を、試験体A、Bから0.3m離れた位置に設置した。
試験体Aは、スラブ(150mm)の下に増コン部(100mm)を設けたものであり、試験体Aの増コン部に冷温水パイプ20を埋め込んだものを「第1の伝熱方式」とする。試験体Bの下側に、ヒートシンク23及び弾性部材25(厚さ3mm、熱伝導率2.1W/m・K)を介して冷温水パイプ20を設置したものを「第2の伝熱方式」とする。さらに、試験体Bの下側に設置したヒートシンク23に放射フィン27を取り付けたものを「第3の伝熱方式」とする。なお、放射フィン27の形状としては、図5(a)における形状Aを採用した。
蓄熱時の条件は、冷水温度21℃、流量1.5L/minの冷水を冷温水パイプ20に供給し、蓄熱時間は10時間とした。また、蓄熱時には、上下の空間温度が26℃になるようにヒーターを制御した。
放熱時の条件は、3つの放熱条件を採用し、「第1の放熱条件」は自然放熱とし、「第2の放熱条件」は送風ファンを稼働させ、「第3の放熱条件」は送風ファン及びスポットファン24を稼働させた。送風ファンは、OAフロア内の気流が送風温度26℃、風量は10m3/hとなるように送風し、スポットファン24は、吹出し風速3m/sで試験体A、Bの表面に上向きの気流を吹き付けた。また、放熱時には、蓄熱時と同様に、上下の空間温度が26℃になるようにヒーターを制御した。
(実験結果)
図8は、伝熱方式の差異による蓄熱時の熱流の推移を示す図である。図8では、30分ごとの熱流の平均値をプロットした結果を示している。「躯体への熱流」は、30分ごとの蓄熱量の差分を時間で除した値である。「空気への熱流+躯体からの空気への再放熱」は、30分間の冷水の平均熱流(以下、冷水熱流)から「躯体への熱流」を減じた値(式(1))である。試験体A、Bは、断熱性を確保するようにしているが、実験系の外に熱流が生じている場合は、「空気への熱流+躯体から空気への再放熱」にその値が含まれることとなる。
「第1の伝熱方式」では、冷水熱流が、「第2の伝熱方式」及び「第3の伝熱方式」と比べて大きくなることが分かった。これは、空気へ対流で伝わる熱伝達率よりも、躯体内へ熱伝導で伝わる熱伝達率の方が高いことを示している。
一方、「第2の伝熱方式」及び「第3の伝熱方式」では、冷水熱流が、「第1の伝熱方式」の6割~8割程度を推移しており、実験開始直後では差が大きく、時間経過と共にその差が小さくなる傾向になった。空気温度が一定に制御されているため、このような傾向になったものと推察される。また、「第2の伝熱方式」及び「第3の伝熱方式」で実験開始直後の空気への熱流が大きくなっているのは、実験開始直後に躯体近傍の空気温度が低くなることに起因しており、実験開始直後の冷水熱流が過大評価されていることも推察される。
冷水熱流について、「第2の伝熱方式」と「第3の伝熱方式」の間で比較すると、「第3の伝熱方式」では、冷水熱流が、「第2の伝熱方式」と比べて1割程度大きくなった。これは、「第3の伝熱方式」では、放射フィン27がヒートシンク23に取り付けられており、冷温水パイプ20から放射フィン27へのヒートシンク23を介した熱伝導が行われた結果、系全体に投入できる熱流の総量が大きくなったと考えられる。
また、「第2の伝熱方式」と「第3の伝熱方式」の間で、冷水熱流に対する「躯体への熱流」の割合と、冷水熱流に対する「空気への熱流+躯体からの空気への再放熱」の割合とを比較すると、「第3の伝熱方式」では、「躯体への熱流」の割合が、「第2の伝熱方式」と比べて低くなり、「空気への熱流+躯体からの空気への再放熱」の割合が、「第2の伝熱方式」と比べて高くなった。これは、「第3の伝熱方式」では、放射フィン27がヒートシンク23に取り付けられており、冷温水パイプ20から放射フィン27へのヒートシンク23を介した熱伝導が行われた結果、放射フィン27が冷却されて、熱放射による室内側への冷却効果が促進されるとともに、冷却された放射フィン27の表面に気流が生じることで対流が促進されることにより、放射フィン27から空気への熱流が増加するため、冷水熱流が室内側に偏ったと考えられる。
したがって、冷温水パイプ20を保持したヒートシンク23が天井面11aに取り付けられた場合、冷水熱流は、ヒートシンク23により躯体側と室内側とで配分されることになるが、ヒートシンク23に放射フィン27を取り付けることで、室内側への配分を増やすことができることが分かった。
弾性部材25(厚み3mm、熱伝導率2.1W/m・K)の有無について、弾性部材25が有る場合では、冷水熱流や躯体への熱流が、弾性部材25が無い場合と比べて大きくなった。これは、躯体表面に不陸がある場合には、躯体表面の不陸によって躯体とヒートシンク23との間の空気層が生じ、躯体への熱伝導量が低下することになるが、弾性部材25が有ることで、躯体とヒートシンク23との間の空気層の影響を小さくすることができ、躯体表面の不陸による熱伝導量の低下を抑制することができることを示している。
図9は、伝熱方式の差異による蓄熱率の推移を示す図である。図9では、冷水熱流が躯体の温度変化に使われた割合を示している。10時間の蓄熱時間で、「第1の伝熱方式」は、95~50%、「第2の伝熱方式」は、80~25%、「第3の伝熱方式」は、75~15%程度の蓄熱率の推移を示す結果となった。
「第3の伝熱方式」では、躯体への蓄熱に寄与する躯体側への熱流が小さくなるため、蓄熱率が低下したと考えられるが、その一方で、放射フィン27から室内側への熱流が増加することから、空調能力を向上させることができることを示している。
図10は、伝熱方式の差異による躯体内温度分布の推移を示す図である。図10では、試験体A、Bの中央部鉛直方向断面における躯体内温度分布の推移を示している。図の黒丸は、温度計測点を示しており、計測点間の空間は、通常型Krigingにより補間した。
蓄熱時について、「第1の伝熱方式」では、冷温水パイプ20の埋設部分近傍(試験体Aの下側面から距離50mmの高さ)から躯体が冷却され、躯体深部に最も低い温度部分が生じた。これに対して、「第2の伝熱方式」及び「第3の伝熱方式」では、下側の躯体表面に最も低い温度部分が生じた。
放熱時について、「第1の伝熱方式」では、送水停止から5時間経過した状況でも躯体内に冷熱だまりが残っており、躯体の厚みが大きく、冷温水パイプ20が躯体深部にあるほど、熱エネルギーを効率よく取り出すことが難しくなることが分かった。これに対して、「第2の伝熱方式」及び「第3の伝熱方式」では、下側の躯体表面に最も低い温度部分が生じていることから、気流を躯体表面に吹き付けることで、躯体から熱エネルギーを放熱する際の放熱性能を向上させることができることが推察される。
図11は、蓄熱時及び放熱時における躯体蓄熱量と冷水の積算冷熱量との推移を示す図である。図11において、冷水の送水を停止した時(10時間蓄熱時)の冷水の積算冷熱量と、躯体蓄熱量との差が、上下空間に放熱された冷熱量を表しており、この差が小さいほど、躯体に蓄熱された冷熱量の割合が大きいことを示す。いずれの伝熱方式においても、実験開始直後の段階では、躯体に蓄熱された冷熱量の割合が高く、時間の経過と共に、躯体に蓄熱されることなく空気に放熱される割合が増加した。
また、10時間蓄熱時の冷水の積算冷熱量に対する躯体蓄熱量としては、「第1の伝熱方式」で約70%、「第2の伝熱方式」で約50%、「第3の伝熱方式」で約40%となった。「第3の伝熱方式」では、冷温水パイプ20から放射フィン27へのヒートシンク23を介した熱伝導により放射フィン27が冷却されて、熱放射による室内側への冷却効果が増幅されるため、熱流が室内側に偏っているが、冷水による積算冷熱量が、「第2の伝熱方式」と比べて大きくなった。
冷水の送水を停止した後の躯体蓄熱量の推移としては、「第2の放熱条件」では、「第1の放熱条件」と比べてほとんど差異がなかった。床吹出しの風量は、放熱に与える影響が小さかったものと考えられる。一方、「第3の放熱条件」では、躯体からの放熱量が、「第1の放熱条件」と比べて、1.2倍~1.4倍程大きく、スポットファン24により気流を躯体表面に吹き付けることで、躯体の表面近傍における対流が促進されることが分かった。したがって、蓄熱時はスポットファン24を停止させ、放熱時はスポットファン24を稼働させることで、躯体に熱エネルギーを蓄熱する際の蓄熱性能を低下させることなく、躯体から熱エネルギーを放熱する際の放熱性能を向上させることができる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る躯体蓄熱空調システム2によれば、ヒートシンク23が、冷温水パイプ20を流れ方向に沿って保持した状態で天井面11aに取り付けられ、放射フィン27が、ヒートシンク23が取り付けられた天井面11aの下方に流れ方向に沿って配置された状態でヒートシンク23に取り付けられているので、躯体蓄熱空調システム2が備える各部を上スラブ11に埋め込む必要がないため、システムの施工性、メンテナンス性を確保することができる。
また、本発明の実施の形態に係る躯体蓄熱空調システム2によれば、放射フィン27が、ヒートシンク23が取り付けられた天井面11aの下方に流れ方向に沿って配置された状態でフィン取付部232又は吊り金具29を介してヒートシンク23に取り付けられているので、放射フィン27が、放射フィン27とヒートシンク23との間の接触面積が大きなフィン取付部232を介して、ヒートシンク23に取り付けられている場合には、居室10に放熱する配分を増やす一方で上スラブ11に蓄熱する配分を減らすことができ、放射フィン27が、放射フィン27とヒートシンク23との間の接触面積が小さい吊り金具29を介して、ヒートシンク23に取り付けられている場合には、を上スラブ11に蓄熱する配分を増やす一方で居室10に放熱する配分を減らすことができるため、躯体蓄熱空調システム2を設置する居室10の状況に合わせて熱エネルギーの躯体側及び居室側への配分を柔軟に変更することができる。
また、本発明の実施の形態に係る躯体蓄熱空調システム2によれば、スポットファン24が、ヒートシンク23が取り付けられた天井面11aに向けて気流を発生させることにより、スポットファン24により発生させた気流が天井面11aに到達すると、天井面11a近傍の対流が促進されるため、天井面11aを構成する上スラブ11から熱エネルギーを放熱する際の放熱性能を向上させることができ、さらに、スポットファン24により発生させた気流が、ヒートシンク23又はヒートシンク23に取り付けられた放射フィン27に到達すると、ヒートシンク23又は放射フィン27の表面近傍の対流が促進されるため、ヒートシンク23又は放射フィン27から熱エネルギーを放熱する際の放熱性能を向上させることができるので、居室10内の熱負荷変動に対する応答性を向上させることができる。
1・・・建築物
2・・・躯体蓄熱空調システム
3・・・床吹出し空調システム
10・・・居室
11・・・上スラブ
11a・・・天井面
11b・・・梁
11c・・・凹部
12・・・下スラブ
13・・・床材
14・・・床下チャンバ
20、20a~20c・・・冷温水パイプ
21・・・熱交換器
22・・・熱源
23、23A、23B・・・ヒートシンク
24・・・スポットファン
25・・・弾性部材
26・・・潜熱蓄熱材
27、27A、27B・・・放射フィン
28A~28C・・・固定ボルト
29・・・吊り金具
30・・・空調部
31・・・給気配管
32・・・還気配管
100・・・空調システム
230・・・保持部
231・・・天井固定部
232・・・フィン取付部
233・・・金具取付部
234・・・空隙部
270・・・波板部
271・・・接続部

Claims (4)

  1. 建築物の天井面を構成する躯体に蓄熱した熱エネルギーを放熱することにより空調を行う躯体蓄熱空調システムであって、
    前記熱エネルギーの媒体となる熱媒体が内部を流れる熱媒体配管と、
    前記熱媒体配管の内部を前記熱媒体が流れる流れ方向に沿って延び、前記熱媒体配管を保持した状態で前記天井面に取り付けられた熱交換部材と、
    前記流れ方向に沿って延在し、前記熱交換部材が取り付けられた前記天井面の下方に配置された状態で前記熱交換部材に取り付けられた放射部材と、
    前記熱交換部材が取り付けられていない部分の天井面の下方に配置され、前記天井面によって横向きの気流となって前記熱交換部材又は前記放射部材に到達するように、前記天井面へ向かう上向きの気流を発生させる送風装置と、
    を備え、
    前記放射部材は、板状部材で構成され、前記放射部材の長手方向が前記流れ方向に沿い、前記放射部材の短手方向が前記横向きの気流の上流側から下流側に向かって前記放射部材と前記天井面との間の距離が小さくなるように配置され、前記熱交換部材との間に形成された空隙部を前記横向きの気流が通過可能とされている
    ことを特徴とする躯体蓄熱空調システム。
  2. 建築物の天井面を構成する躯体に蓄熱した熱エネルギーを放熱することにより空調を行う躯体蓄熱空調システムであって、
    前記熱エネルギーの媒体となる熱媒体が内部を流れる熱媒体配管と、
    前記熱媒体配管の内部を前記熱媒体が流れる流れ方向に沿って延び、前記熱媒体配管を保持した状態で前記天井面に取り付けられた熱交換部材と、
    前記流れ方向に沿って延在し、前記熱交換部材が取り付けられた前記天井面の下方に配置された状態で前記熱交換部材に取り付けられた放射部材と、
    前記熱交換部材が取り付けられた前記天井面に向けて気流を発生させる送風装置と、
    前記熱交換部材と前記天井面との間に、前記躯体よりも熱伝導率が大きな弾性部材と、を備える
    ことを特徴とする躯体蓄熱空調システム。
  3. 前記放射部材は、板状部材で構成され、前記放射部材の長手方向が前記流れ方向に沿って配置された状態で前記熱交換部材に取り付けられ、
    前記熱交換部材は、前記放射部材の長手方向において、所定の間隔を隔てて配置された複数の取付部を有し、前記取付部を介して前記放射部材が取り付けられる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載の躯体蓄熱空調システム。
  4. 前記天井面に形成された凹部に、前記躯体よりも比熱容量が大きな潜熱蓄熱材を備え、
    前記熱交換部材は、前記凹部に設けられた前記潜熱蓄熱材に対して伝熱可能とされている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載の躯体蓄熱空調システム。
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