JP7199487B1 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノッキングをより正確に検出することができ、ノッキング強度の推定精度を向上させることができる内燃機関制御装置を得ることを目的とする。【解決手段】STFT処理部34aは、ノックセンサ11からの信号を短時間フーリエ変換することにより、観測行列Zを生成する。SSNMF処理部34bは、ノイズ基底行列Fと観測行列Zとを、半教師あり非負値行列因子分解することにより、それぞれノッキングに伴う振動のデータであるノック基底行列及びノックアクティベーション行列Uを更新する。ノッキング強度推定部34cは、更新されたノックアクティベーション行列Uに基づいて、ノッキング強度を推定する。【選択図】図3

Description

本開示は、内燃機関制御装置に関するものである。
従来のノック制御装置では、内燃機関の吸気弁及び排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングに基づいて、ノック分析区間が変更されて周波数分析が行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-52614号公報
上記のような従来のノック制御装置では、吸気弁及び排気弁の開閉タイミングと、ノッキングが発生するタイミングとが重なった場合に、ノッキングを検出することができず、ノッキング強度を推定することもできなかった。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ノッキングをより正確に検出することができ、ノッキング強度の推定精度を向上させることができる内燃機関制御装置を得ることを目的とする。
本開示に係る内燃機関制御装置は、内燃機関の振動を検出するノックセンサからの信号が入力される電子制御装置を備え、電子制御装置は、ノックセンサからの信号を短時間フーリエ変換することにより、観測行列を生成し、ノッキング以外の機械振動が発生している状態におけるノックセンサからの信号を非負値行列因子分解することにより得たノイズ基底行列と、観測行列とを、半教師あり非負値行列因子分解することにより、それぞれノッキングに伴う振動のデータであるノック基底行列及びノックアクティベーション行列を更新し、更新されたノックアクティベーション行列に基づいてノッキング強度を推定する。
本開示の内燃機関制御装置によれば、ノッキングをより正確に検出することができ、ノッキング強度の推定精度を向上させることができる。
実施の形態1による内燃機関及び吸気系を示す概略の構成図である。 図1の内燃機関の制御系を示すブロック図である。 図2の電子制御装置の要部を示すブロック図である。 図3の電子制御装置によるノック判定処理を示すフローチャートである。 実施の形態1によるノッキング強度推定方法の一部を示す説明図である。 ノッキング強度と、実施の形態1によるノッキング強度推定値との関係の一例を示すグラフである。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による内燃機関及び吸気系を示す概略の構成図である。内燃機関1は、シリンダ2、ピストン3、点火プラグ4、点火コイル5、可変吸気バルブ機構6、インジェクタ7、クランクシャフト8、検出板9、クランク角センサ10、及びノックセンサ11を有している。
ピストン3は、シリンダ2内に設けられている。点火プラグ4は、シリンダ2に設けられている。また、点火プラグ4は、シリンダ2内の混合気に点火する。点火コイル5は、点火プラグ4に接続されている。また、点火コイル5は、点火プラグ4が放電するための高電圧を生成する。
可変吸気バルブ機構6は、吸気バルブを有している。吸気バルブは、シリンダ2の吸気ポートを開閉する。また、可変吸気バルブ機構6においては、吸気バルブの開閉タイミング又は吸気バルブのリフト量が制御可能になっている。
インジェクタ7は、シリンダ2の吸気ポートに設けられている。また、インジェクタ7は、吸気ポートに燃料を噴射する。なお、インジェクタ7は、シリンダ2内に燃料を直接噴射できるように配置されてもよい。
クランクシャフト8には、クランクを介してピストン3が連結されている。クランクシャフト8は、ピストン3の往復運動によって回転する。検出板9は、クランクシャフト8に固定されている。これにより、検出板9は、クランクシャフト8と一体に回転する。
クランク角センサ10は、検出板9のエッジを検出する。ノックセンサ11は、内燃機関1の振動を検出する。
吸気系21は、吸気管22、エアフローセンサ23、電子制御式スロットルバルブ24、開度センサ25、サージタンク26、及びインテークマニホールド圧センサ27を有している。
吸気管22の下流端は、シリンダ2の吸気ポートに接続されている。エアフローセンサ23は、吸気管22に設けられている。また、エアフローセンサ23は、吸入空気流量を検出する。
電子制御式スロットルバルブ24は、エアフローセンサ23よりも内燃機関1側において、吸気管22に設けられている。電子制御式スロットルバルブ24の開度は、吸入空気流量を調整するために電子的に制御される。開度センサ25は、電子制御式スロットルバルブ24の開度を検出する。
なお、電子制御式スロットルバルブ24の代わりに、図示しない機械式スロットルバルブが用いられてもよい。機械式スロットルバルブは、図示しないアクセルペダルにワイヤを介して繋がれる。
サージタンク26は、電子制御式スロットルバルブ24よりも内燃機関1側において、吸気管22に設けられている。また、サージタンク26は、空気の流量の増減を平準化する。インテークマニホールド圧センサ27は、サージタンク26内の圧力を検出する。
なお、エアフローセンサ23及びインテークマニホールド圧センサ27のいずれか一方が省略されてもよい。
図2は、図1の内燃機関1の制御系を示すブロック図である。内燃機関1及び吸気系21を制御する内燃機関制御装置は、電子制御装置31を備えている。
電子制御装置31には、クランク角センサ10からの信号、ノックセンサ11からの信号、エアフローセンサ23からの信号、開度センサ25からの信号、及びインテークマニホールド圧センサ27からの信号が入力される。
また、電子制御装置31には、上記以外の各種センサ12からの信号、及び他のコントローラ13からの信号も入力される。
電子制御装置31は、点火コイル5、可変吸気バルブ機構6、インジェクタ7、及び電子制御式スロットルバルブ24を制御する。また、電子制御装置31は、上記以外の各種アクチュエータ14も制御する。
図3は、図2の電子制御装置31の要部を示すブロック図である。図3では、電子制御装置31におけるノック判定処理に関連する部分のみが示されている。
電子制御装置31は、A/D変換部32、内蔵メモリ33、及びプロセッサ34を有している。ノックセンサ11からの信号は、A/D変換部32に入力され、A/D変換される。
内蔵メモリ33には、m行k列からなるノイズ基底行列Fが保存されている。ノイズ基底行列Fは、予め学習により取得されている。
また、ノイズ基底行列Fは、ノッキング以外の機械振動が発生している状態におけるノックセンサ11からの信号を非負値行列因子分解することにより得られたデータである。言い換えると、ノイズ基底行列Fは、ノッキングが発生しない点火時期におけるノックセンサ11による観測値を、機械ノイズのみ存在するデータとして、非負値行列因子分解することにより導出したデータである。
プロセッサ34は、機能ブロックとして、STFT(Short-Time Fourier Transform)処理部34a、抽出部としてのSSNMF(Semi-Supervised Non-negative Matrix Factorization)処理部34b、ノッキング強度推定部34c、及びノック判定部34dを有している。
STFT処理部34aは、A/D変換部32からの観測信号を、STFT、即ち短時間フーリエ変換する。これにより、STFT処理部34aは、m行n列からなる周波数-時間-スペクトル特性、即ち音響データの周波数スペクトル特性を示す観測行列Zを生成する。観測行列Zは、SSNMF処理部34bに入力される。
観測行列Zの列に相当する時間方向のnは、特定の時間tごとに、STFT処理によって取り出される。但し、nを取り出すタイミングは、内燃機関1の特定のクランク角度間ごとでもよい。特定のクランク角度は、例えば、BTDC(Before Top Dead Center)20°CA(Crank Angle)~ATDC(After Top Dead Center)80°CAである。
SSNMF処理部34bは、内蔵メモリ33からノイズ基底行列Fを読み出す。また、SSNMF処理部34bは、ノイズ基底行列Fと観測行列Zとを、SSNMF、即ち半教師あり非負値行列因子分解する。これにより、SSNMF処理部34bは、観測行列Zを、ノッキングに伴う振動のデータであるノッキング振動データと、ノッキング以外の振動に伴う振動のデータである機械振動データとに分ける。
具体的には、SSNMF処理部34bは、以下の式により、ノック基底行列Hと、ノックアクティベーション行列Uと、ノイズアクティベーション行列Gとを更新する。ノック基底行列H及びノックアクティベーション行列Uは、ノッキング振動データである。ノイズ基底行列F及びノイズアクティベーション行列Gは、機械振動データである。更新式としては、様々な式があるが、以下に示すのはユークリッドダイバージェンスに基づく更新式である。
Figure 0007199487000002
Figure 0007199487000003
Figure 0007199487000004
なお、式中の「・」は行列の内積を表す。また、式の更新は、表記の上から順に行われる。また、ノック基底行列Hはm行k列からなり、ノックアクティベーション行列Uとノイズアクティベーション行列Gとはそれぞれk行n列からなる。また、「T」が付けられている行列は、転置行列である。
上式による値の更新は、予め定めた回数繰り返したり、下式のような誤差関数を定義して設定誤差を下回るまで繰り返したりしてもよい。
Figure 0007199487000005
上記の関係性は、音響データの周波数スペクトルが様々な音の周波数スペクトルの合成で成り立っていることから成立している。観測行列をZとして、その特性を行列Xと行列Yとの合成で表す式は、以下のようになる。
Z=X+Y
この説明では、Xをノイズ除去後観測行列とし、Yをノイズ観測行列とする。また、音響データの周波数スペクトル自体も、NMF(Non-negative Matrix Factorization)、即ち非負値行列因子分解の考え方に基づき、基底行列とアクティベーション行列とに分解可能である。
ノッキング振動データであるノイズ除去後観測行列Xと、機械振動データであるノイズ観測行列Yとは、それぞれ以下の式で表すことができる。
Figure 0007199487000006
Figure 0007199487000007
上式のように、それぞれノック振動データを構成するノック基底行列Hとノックアクティベーション行列Uとを用い、内積を取ることによって、ノイズ除去後観測行列
Figure 0007199487000008
が生成される。ここで、ノイズ除去後観測行列をXではなく
Figure 0007199487000009
と表記しているのは、真のノイズ除去後観測行列であるXに対して、若干の誤差を残すためである。厳密には、ノイズ除去後観測行列には若干の誤差が含まれるが、そこまでの厳密性は必ずしも必要ではないとも言える。
なお、本実施の形態では、ノイズ除去後観測行列
Figure 0007199487000010
の生成は、省略してもよい。
ノッキング強度推定部34cは、更新されたノックアクティベーション行列Uに基づいて、ノッキング強度推定値を求める。具体的には、ノッキング強度推定部34cは、k行n列からなるノックアクティベーション行列Uを列n方向に順次参照し、k個の値から上位に位置する複数個の値を取り出し、平均値を求める。そして、ノッキング強度推定部34cは、求めたn個の平均値から最大値を検索し、その値をノッキング強度推定値とする。
また、ノッキング強度推定部34cには、参照クランク角度範囲が設定されている。参照クランク角度範囲は、内燃機関1におけるクランク角度の変化周期の一部であり、ノッキングが発生する可能性のある角度範囲である。上記のSSNMF処理部34bに設定された特定のクランク角度がBTDC20°CA~ATDC80°CAである場合、参照クランク角度範囲もBTDC20°CA~ATDC80°CAである。
ノッキング強度推定部34cは、参照クランク角度範囲ごとにノックアクティベーション行列Uを参照した演算を行う。
なお、ノッキング強度推定部34cには、参照クランク角度範囲の代わりに、参照時間帯が設定されていてもよい。参照時間帯は、内燃機関1におけるクランク角度の変化周期の一部に対応した時間帯であり、ノッキングが発生する可能性のある角度範囲に対応した時間帯である。この場合、ノッキング強度推定部34cは、参照時間帯ごとにノックアクティベーション行列Uを参照した演算を行う。
ノック判定部34dは、ノッキング強度推定部34cにより求められたノッキング強度推定値に基づいて、過大なノッキングの有無を判定する。
ノック判定部34dには、ノック判定閾値が設定されている。ノック判定閾値は、過大なノッキングの発生の有無の基準となる閾値である。ノック判定部34dは、ノッキング強度推定値がノック判定閾値よりも高い場合に、過大なノッキングが発生していると判定する。
電子制御装置31は、ノック判定部34dにおける判定結果に応じた指令、例えば点火時期遅角制御指令を外部に出力する。
点火時期を進角させると、内燃機関1の出力トルクは向上するものの、ノッキングは発生し易くなる。逆に、点火時期を遅角させると、内燃機関1の出力トルクは低下するものの、ノッキングは発生しにくくなる。
そこで、過大なノッキングが検出された場合には、点火時期を遅角側に補正してノッキングを抑制する。この後、過大なノッキングが検出されなくなった後に、点火時期を進角側に復帰させることにより、出力トルクの低下が最小限に抑えられる。
図4は、図3の電子制御装置31によるノック判定処理を示すフローチャートである。電子制御装置31は、図3のノック判定処理を周期的に繰り返し実行する。
電子制御装置31は、ステップS101において、ノックセンサ11からの信号をA/D変換して観測信号を生成する。続いて、電子制御装置31は、ステップS102において、観測信号を短時間フーリエ変換することにより、観測行列Zを生成する。
この後、電子制御装置31は、ステップS103において、内蔵メモリ33からノイズ基底行列Fを読み出す。そして、電子制御装置31は、ステップS104において、ノイズ基底行列Fと観測行列Zとを、半教師あり非負値行列因子分解することにより、ノック基底行列Hと、ノックアクティベーション行列Uと、ノイズアクティベーション行列Gとを更新する。
次に、電子制御装置31は、ステップS105において、ノックアクティベーション行列Uに基づいて、ノッキング強度推定値を求める。
この後、電子制御装置31は、ステップS106において、ノッキング強度推定値に基づいて、ノッキングに関する判定を行う。そして、電子制御装置31は、ステップS107において、判定結果に応じた指令信号を外部に出力し、処理を終了する。
以下、ノッキング強度の推定方法について、さらに詳細に説明する。
本実施の形態では、ノッキング強度に相当する値を間接的に推定することを目的として、半教師あり非負値行列因子分解により、ノッキングとノイズとの分離が行われる。そして、ノック基底行列Hと対になるノックアクティベーション行列Uの値に基づいて、ノッキング強度が推定される。
即ち、ノッキングの特徴を表す基底行列を予め持つのではなく、半教師あり非負値行列因子分解により都度計算されるノック基底行列Hと対になるノックアクティベーション行列Uの値に基づいて、ノッキング強度が推定される。
また、本実施の形態では、図5に示すように、観測行列Zが、2つの基底行列と、2つのアクティベーションとの計4つの行列に分解され、ノイズが除かれた状態で、ノッキング強度が推定される。
なお、ノイズに対応する周波数特徴パターン数と、ノックに対応する周波数パターン数とは、それぞれ無関係に存在するため、互いに異なっている。これを表現するため、図5では、異なる変数I及びkが用いられている。2種類の基底行列とアクティベーション行列とにおいて、それぞれの行数と列数とが異なっていても、次式のように、足し合わせた場合における行列数は、m×nとなる。
F(m×k)・G(k×n)+H(m×I)・U(I×n)=FG(m×n)+HU(m×n)
図5ではU(I×n)としたが、以下の説明では、ノイズ除去後のノックアクティベーション行列Uは、上述の通りk行n列で構成されているものとする。
ノッキング強度推定値を求めるためには、代表値を抽出する必要がある。ノックアクティベーション行列Uに含まれる行方向のk個の値は、それぞれノック基底行列Hにより定義されるk種類の周波数パターンにおける信号強度にそれぞれ対応しており、それぞれアクティベーション値と呼ばれる。
内燃機関1が多気筒エンジンである場合、1つのノックセンサ11が多気筒エンジンのほぼ中央にのみ設置されている。このため、複数のシリンダ2とノックセンサ11との位置関係は、シリンダ2ごとに異なり、ノックセンサ11に伝達される振動の減衰度合い、及びノックセンサ11までの振動の伝達経路は、シリンダ2ごとに異なっている。これにより、ノックセンサ11により検出される振動パターンはシリンダ2ごとに異なり、k種類の周波数パターンが存在している。
k種類ある振動パターンのうち、パターンがマッチしたパターンと対になるノックアクティベーション行列U側の値が大きくなる。例えば、ノック基底行列H側のk=5とマッチした場合、ノックアクティベーション行列U側のk=5の値が大きくなる。
このように、ノック基底行列H側の周波数パターン1~kは、それぞれシリンダ2ごとに異なる周波数パターンに分離される。そして、各周波数パターンと対になるノックアクティベーション行列Uは、ノック基底行列H側の周波数パターンとマッチしたものは、大きなレベルを出力し、マッチしないものは小さなレベルを出力する。
即ち、ノックアクティベーション行列Uに含まれるアクティベーション値が大きい場合に、ノック基底行列Hにおける振動パターンと、ノックアクティベーション行列Uにおける振動パターンとがマッチしたと言える。
よって、何れかのノックパターンと一致してかつレベルが大きいものは、大きなレベルを出力する。また、何れかのノックパターンと一致せず、又は一致してもレベルが小さいものは、小さなレベルを出力する。
この関係を考慮し、ノックアクティベーション行列Uをn方向、即ち時間方向又は角度方向へ順次サーチし、k種類の値の最大値を取り出すことにより、代表値を抽出することができる。
但し、偶発的なノイズの影響を考慮すると、単純に最大値を求める方法ではなく、統計的手法を適用することが好適である。即ち、上位2個以上の値を取り出して平均化する手法を適用することによって、偶発的な要因による値の上昇による影響を低減することができる。
なお、偶発的なノイズの影響が少ないシステムの場合、k個の値から複数個の値を取り出して平均値を求めるのではなく、k個の値から最大値を求めてもよい。
上記の方法により演算されたノッキング強度推定値は、図6に示すように、実際のノッキングによる圧力振動を観測した値と強い相関が得られる。図6の横軸は、筒内圧センサによる筒内圧力振動を周波数解析したもので、ノッキングと非常に高い相関があると言われている。
ノックセンサ11を含むシステムのばらつきは、主に振動に対する感度のばらつきとして現れる。具体的には、システムのばらつきは、同一振動に対する電圧変換ゲインのばらつきとして現れる。そして、有効周波数範囲においては、ばらつき度合いが一定に調整されていることが多い。
実施の形態1では、このようなばらつきを含むノックセンサ11が用いられ、半教師あり非負値行列因子分解により、ノイズが分離され、ノックアクティベーション行列Uとノック基底行列Hとが更新される。この場合、非負値行列因子分解が持つノック基底行列H側になるべく共通な特徴が抽出され、ノックアクティベーション行列U側がスパースな状態に誘導される効果がある。このため、全てのシステムばらつきは、ノック基底行列H側に吸収される。そして、システムばらつきが除かれたノックアクティベーション行列Uが得られる。
このような内燃機関制御装置では、ノックセンサ11からの信号を短時間フーリエ変換することにより、観測行列が生成される。また、ノイズ基底行列と観測行列とを、半教師あり非負値行列因子分解することにより、それぞれノッキングに伴う振動のデータであるノック基底行列H及びノックアクティベーション行列Uが更新される。そして、更新されたノックアクティベーション行列Uに基づいて、ノッキング強度が推定される。
このため、ノック判定を行う前段階において、入力信号から機械ノイズを除去することが可能となる。これにより、複雑な制御を必要とせず、シンプルな構成により、ノッキングをより正確に検出することができる。従って、異常燃焼によるノッキングの検出性を損なうことなく、ノッキング以外の機械振動による誤ったノック判定を抑制することができ、ノッキング強度の推定精度を向上させることができる。
また、システムばらつきが除かれたノックアクティベーション行列Uを得ることができ、システムばらつきに対する耐性の高いノック判定を行うことができる。
また、機械振動が発生する動作タイミングを、ノッキングが発生する可能性がある区間を除いた区間に設定する制御方法に比べて、制御上の制限を少なくし、内燃機関の性能の悪化を抑制することができる。
また、ノイズが多いことを想定してノック判定閾値を予め大きくする場合に比べ、過大なノッキングの検出漏れを抑制することができる。
また、電子制御装置31は、ノックアクティベーション行列Uを構成する同じ列に存在する複数の行の値の最大値に基づいて、ノッキング強度を推定する。このため、簡単な処理により、ノッキング強度の推定精度を向上させることができる。
他の方法として、電子制御装置31は、ノックアクティベーション行列Uを構成する同じ列に存在する複数の行の値の上位から2つ以上の値を取り出して平均化した値に基づいて、ノッキング強度を推定する。この場合、ノックアクティベーション行列Uに突発的なノイズが含まれていても、そのノイズに過度に影響されることを抑制することができる。
また、電子制御装置31は、参照クランク角度範囲ごと、又は参照時間帯ごとに、ノックアクティベーション行列Uを参照した演算を行う。このため、ノッキング強度の推定区間をノッキングが発生する可能性がある区間に制限することができ、耐ノイズ性をさらに向上させることができる。
なお、実施の形態1では、ノイズ基底行列は、ノッキングが無い運転状態において予め学習することにより内蔵メモリ33に格納されている。しかし、ノイズ基底行列は、ノッキングが無い運転状態のときに、随時学習することにより、更新されてもよい。この場合、非負値行列因子分解の手法により、ノッキング無し状態における観測行列Z’を基底行列とアクティベーション行列とに分解し、基底行列を機械ノイズ周波数パターンの基底行列、即ちノイズ基底行列Fとする。
1 内燃機関、11 ノックセンサ、31 電子制御装置。

Claims (5)

  1. 内燃機関の振動を検出するノックセンサからの信号が入力される電子制御装置
    を備え、
    前記電子制御装置は、
    前記ノックセンサからの信号を短時間フーリエ変換することにより、観測行列を生成し、
    ノッキング以外の機械振動が発生している状態における前記ノックセンサからの信号を非負値行列因子分解することにより得たノイズ基底行列と、前記観測行列とを、半教師あり非負値行列因子分解することにより、それぞれノッキングに伴う振動のデータであるノック基底行列及びノックアクティベーション行列を更新し、
    更新された前記ノックアクティベーション行列に基づいてノッキング強度を推定し、
    前記ノイズ基底行列は、ノッキングが発生しない点火時期における前記ノックセンサによる観測値を、機械ノイズのみ存在するデータとして、非負値行列因子分解することにより導出したデータである内燃機関制御装置。
  2. 前記電子制御装置は、前記ノックアクティベーション行列を構成する同じ列に存在する複数の行の値の最大値に基づいて、前記ノッキング強度を推定する請求項1記載の内燃機関制御装置。
  3. 前記電子制御装置は、前記ノックアクティベーション行列を構成する同じ列に存在する複数の行の値の上位から2つ以上の値を取り出して平均化した値に基づいて、前記ノッキング強度を推定する請求項1記載の内燃機関制御装置。
  4. 前記電子制御装置には、前記内燃機関におけるクランク角度の変化周期の一部である参照クランク角度範囲が設定されており、
    前記電子制御装置は、前記参照クランク角度範囲ごとに前記ノックアクティベーション行列を参照した演算を行う請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内燃機関制御装置。
  5. 前記電子制御装置には、参照時間帯が設定されており、
    前記参照時間帯は、前記内燃機関におけるクランク角度の変化周期の一部に対応した時間帯であり、
    前記電子制御装置は、前記参照時間帯ごとに前記ノックアクティベーション行列を参照した演算を行う請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内燃機関制御装置。
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