JP7198482B2 - 糖化合物、糖化合物の製造方法、ENGase活性検出用組成物、新規ENGaseのスクリーニング方法、及びENGase活性阻害剤のスクリーニング方法 - Google Patents

糖化合物、糖化合物の製造方法、ENGase活性検出用組成物、新規ENGaseのスクリーニング方法、及びENGase活性阻害剤のスクリーニング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7198482B2
JP7198482B2 JP2018188693A JP2018188693A JP7198482B2 JP 7198482 B2 JP7198482 B2 JP 7198482B2 JP 2018188693 A JP2018188693 A JP 2018188693A JP 2018188693 A JP2018188693 A JP 2018188693A JP 7198482 B2 JP7198482 B2 JP 7198482B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
following formula
represented
compound
hydrogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018188693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020055786A5 (ja
JP2020055786A (ja
Inventor
一郎 松尾
希実 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunma University NUC
Original Assignee
Gunma University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gunma University NUC filed Critical Gunma University NUC
Priority to JP2018188693A priority Critical patent/JP7198482B2/ja
Publication of JP2020055786A publication Critical patent/JP2020055786A/ja
Publication of JP2020055786A5 publication Critical patent/JP2020055786A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7198482B2 publication Critical patent/JP7198482B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

本発明は、糖化合物に関し、より詳しくはエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)活性の検出に利用することができる糖化合物に関する。
「ペプチドN-グリカナーゼ(PNGase)」や「エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)」は、真核細胞の細胞質に広く存在する糖鎖脱離酵素であり、小胞体における糖タンパク質の品質管理機構において重要な役割を担っていることが知られている。近年、PNGase遺伝子(Ngly1)の変異に基づいた遺伝子疾患「Ngly1欠損症」の存在も明らかになり(非特許文献1参照)、生育遅延、四肢の筋力低下、不随意運動、肝機能異常、脳波異常等の重篤な症状を呈することも明らかになっている。また、PNGaseの非存在下において、ENGaseがN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を1つだけ残した「N-GlcNAcタンパク質」を生成して、これが凝集体として蓄積する現象が確認されており(非特許文献2参照)、この現象がNgly1欠損症の病態発現に関与しているものと考えられている。一方で、PNGaseとENGaseの両方を欠いた細胞において、モデルタンパク質が正常に分解されたことも報告されており、Ngly1欠損症においてはENGase活性を阻害することでその病態を改善できるのではないかと期待されている。
抗体医薬品などのタンパク質性のバイオ医薬品のほとんどは糖タンパク質である。タンパク質の構造は遺伝子によって制御されるため不均一性はないが、タンパク質上の糖鎖は酵素反応の連携によって制御されるために不均一性が生じることが知られている。医薬品の均一性、また抗体医薬品では抗体上に結合した糖鎖の構造によってその活性が100倍以上も異なることが示されており(例えば、協和発酵キリンのポテリジェント技術)、タンパク質上の糖鎖構造を均一化する必要がある。近年、タンパク質上の糖鎖を均一化する方法としてENGaseによる糖鎖モデリング法が注目されている(非特許文献3、非特許文献4参照)。すなわち、ENGaseの糖加水分解活性によりタンパク質上から糖鎖を切断後、タンパク質上に残されたGlcNAc残基に対して、糖加水分解活性を減じたENGase変異体により、糖鎖をタンパク質上に転移させる糖転移反応によって任意の糖鎖構造をタンパク質上に導入できるようになっている。
しかし、タンパク質上からENGaseによって糖鎖を切断する1段階目の反応を触媒
する酵素は限定されている。特に抗体上の糖鎖に多く見られるフコース残基が結合した糖鎖に作用するENGaseは限られており、効率的かつ様々な非還元末端側糖鎖構造に対応したフコースつき糖鎖を切断する新規のENGase探索が求められている。しかしENGaseの活性測定は、糖タンパク質や糖プペプチドを基質として糖鎖切断反応をSDS-PAGEやHPLCによって追跡する必要があり、網羅的な酵素探索は困難であった。また、ENGaseの基質特異性をタンパク質工学的に拡張する試み(非特許文献3参照)においても同様に、変異体スクリーニングが問題となっていた。
このような背景のもと、フコースが結合した糖鎖構造に作用するENGase活性を簡易的に検出することができれば、抗体医薬品の修飾に有効な新規ENGaseの探索が可能になる。本発明者らは、ENGase活性を簡易的に検出することができれば、ENGase活性阻害剤等の開発に役立つ有効な手段になり得ると考え、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基と消光基を特定の五糖構造に導入した糖化合物を開発し、既に報告している(特許文献1参照)。
特開2017-222590号公報
Need, A. C., et al., J. Med. Genet. 2012, 49, 353-361. Chengcheng Huang, et al., "Endo-beta-N-acetylglucosaminidase forms N-GlcNAc protein aggregates during ER-associated degradation in Ngly1-defective cells", PNAS. 2015, 112, 1398-1403. J. Biol. Chem., 2016, Vol. 291, 23305-23317. J. Biol. Chem., 2016, Vol291, 9356-9370
本発明は、ENGase活性の検出に利用することができる新規な化合物や、新規のENGaseをスクリーニングする方法、ENGase活性阻害剤のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基と消光基を特定の多糖構造に導入した糖化合物が、ENGase活性の検出に有効であることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、以下の通りである。
〔1〕下記式(I)で表される糖化合物。
Figure 0007198482000001
(式(I)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
〔2〕前記蛍光基と前記消光基の組合せが、下記(i)~(iv)の何れかである、〔1〕に記載の糖化合物。
(i)下記式(d-1)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
Figure 0007198482000002
(式(d-1)中、R’は水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を表す。)
(ii)下記式(d-2)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
Figure 0007198482000003
(式(d-2)中、Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を表す。)
(iii)下記式(d-3)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
Figure 0007198482000004
(式(d-3)中、Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’は水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を表す。)
(iv)下記式(d-4)で表される蛍光基と下記式(a-2)で表される消光基の組合せ
Figure 0007198482000005
(式(d-4)及び(a-2)中、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を表す。)
〔3〕〔1〕又は〔2〕に記載の糖化合物を含むエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)活性検出用組成物。
〔4〕下記式(IV)で表される化合物から下記式(I)で表される化合物を生成する反応工程を含む、糖化合物の製造方法。
Figure 0007198482000006
(式(I)及び(IV)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
〔5〕下記式(II-1)で表される化合物と下記式(III-1)で表される化合物を反応させて下記式(IV-1)で表される化合物を生成する糖転移反応工程を含む、糖化合物の製造方法。
Figure 0007198482000007
〔6〕被検化合物をエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)の候補に接触させる接触工程、及び
前記被検化合物を接触させたエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)の候補に下記式(I)で表される糖化合物を接触させて、前記糖化合物の分解活性を確認する活性確認工程
を含む、エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)のスクリーニング方法。
Figure 0007198482000008
(式(I)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を
含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
〔7〕被検化合物をエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)に接触させる接触工程、及び
前記被検化合物を接触させたエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)に下記式(I)で表される糖化合物を接触させて、前記糖化合物の分解活性を確認する活性確認工程
を含む、エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)活性阻害剤のスクリーニング方法。
Figure 0007198482000009
(式(I)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
〔8〕下記式(I´)で表される糖化合物。
Figure 0007198482000010
(式(I´)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Rは水素原子、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルラクトサミン、又はシアリルラクトサミンを、Rは水素原子、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルラクトサミン、又はシアリルラクトサミンを、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
本発明によれば、ENGase活性を簡易的に検出することができ、新規のENGaseやENGase活性阻害剤等を効率的にスクリーニングすることができる。
特にフコースが結合した糖鎖に作用するENGase活性を簡易的に検出することができ、フコースが結合した糖鎖に作用する新規のENGaseや、フコースが結合した糖鎖に作用するENGaseの活性阻害剤等を効率的にスクリーニングすることができる。
実施例1で得られた化合物9のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物9のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物9の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物9の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物12のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物12のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物12の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物12の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物13のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物13のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物13の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物13の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物14のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物14のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物14の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物14の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物15のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物15のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物15の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物15の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物2のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物2のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物2の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物2の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物16のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物16のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物16の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物16の13CNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物17のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物17のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物18のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物18のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物1のHNMRのチャートである。 実施例1で得られた化合物1のHNMRのチャートである。 実施例2で行った反応混合液のHPLCクロマトグラムである。図中の数字19で示す矢印は化合物19のピークを示し、数字21で示す矢印は化合物21のピークを示す。 実施例2で行った反応混合液のHPLCクロマトグラムである。図中の数字22で示す矢印は化合物22のピークを示し、数字24で示す矢印は化合物24のピークを示す。 実施例2で行った反応混合液のHPLCの結果について、reaction time (min)と加水分解率(%)の関係を示す。 実施例2で行った酵素反応をマイクロプレートリーダーにより追跡した結果である。 実施例2で行った酵素反応をマイクロプレートリーダーにより追跡した結果である。
本発明の詳細を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
また、本明細書では六糖構造の糖化合物を例にして記載する部分もあるが、それは一例に過ぎず、七糖構造の糖化合物や八糖構造の糖化合物、九糖構造の糖化合物、十糖構造の糖化合物であってもよい。例えば、後述する式(I´)で表される化合物が挙げられる。
<糖化合物>
本発明の一態様である糖化合物(以下、「本発明の糖化合物」と略す場合がある。)は、下記式(I)で表される化合物である。
Figure 0007198482000011
(式(I)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
本発明者らは、ENGaseが式(I)中の六糖構造に対して、特定の位置を選択的に切断する特異性があることを見出しており、切断によって分離される位置に蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基(ドナー)と消光基(アクセプター)を配置した糖化合物を合成して、これがFRETプローブとして実際に利用できることを確認した。例えば、下記式で表される反応中の糖化合物は、式(I)のZの位置に蛍光基としてN-メチルアントラニル基を、式(I)のZの位置に消光基として2,4-ジニトロフェニル基を有しており、ENGaseによって糖鎖が切断されると、蛍光基と消光基の距離が離れて蛍光基の蛍光発光の強度変化等が生じるため、ENGase活性が検出できる。
Figure 0007198482000012
なお、「蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基」と「蛍光基に対応する消光基」とは、蛍光基と消光基とが蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を生じる任意の組合せであることを意味する。
本発明の糖化合物は、下記式(I)で表される化合物であるが、式(I)に該当するものであれば具体的種類は特に限定されず、使用目的等にあわせて適宜選択することができる。
Figure 0007198482000013
式(I)中のRは、それぞれ独立して「水素原子」又は「ヒドロキシル基の保護基」を表しているが、ヒドロキシル基の保護基としては、メチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、tert-ブチル基等のエーテル系保護基;アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等のアシル系保護基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-
ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基等のシリルエーテル系保護基等が挙げられる。
式(I)中のR’は、それぞれ独立して「水素原子」、「炭素原子数1~6の炭化水素基」、又は「アミノ基の保護基」を表しているが、「炭化水素基」とは直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、炭素-炭素不飽和結合、分岐構造、環状構造のそれぞれを有していてもよい炭素原子及び水素原子のみからなる基を意味するものとする。
炭化水素基としては、メチル基(-CH、-Me)、エチル基(-C、-Et)、n-プロピル基(-、-Pr)、i-プロピル基(-、-Pr)、n-ブチル基(-、-Bu)、t-ブチル基(-、-Bu)、n-ペンチル基(-11)、n-ヘキシル基(-13,-Hex)、シクロヘキシル基(-11,-Cy)、フェニル基(-C,-Ph)等が挙げられる。
アミノ基の保護基としては、t-ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)等のアルコキシカルボニル系保護基;アセチル基、トリフルオロアセチル基(Tfa)等のアシル系保護基;p-トルエンスルホニル基(Ts)、2-ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)等のアルキル(アリール)スルホニル基等が挙げられる。
式(I)中のR”は、それぞれ独立して「単結合」、「第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)」、「アミド基(-NR’CO-)」、「オキシ基(-O-)」、「カルボニル基(-CO-)」、「オキシカルボニル基(-OCO-)」、又は「第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基」を表しているが、「単結合」とは、下記式で表される構造のように後述するZやZが糖の六員環に直接結合していることを意味する。
Figure 0007198482000014
「第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)」、「アミド基(-NR’CO-)」、「オキシ基(-O-)」、「カルボニル基(-CO-)」、「オキシカルボニル基(-OCO-)」とは、下記式で表される構造のように後述するZやZがこれらの基を介して糖の六員環に結合していることを意味する。
Figure 0007198482000015
「2価の炭化水素基」とは、2つの結合位置を有する炭化水素基を意味し、直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、炭素-炭素不飽和結合、分岐構造、環状構造のそれぞれを有していてもよいことを意味する。また、「第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい」とは、下記式で表される構造のように、炭化水素基の炭素骨格の内部及び/又は末端にこれらの基を含んでもよいことを意味する。
Figure 0007198482000016
及びZは「何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基」を、「もう一方が前記蛍光基に対応する消光基」を表しているが、蛍光基と消光基の組合せは、Bachem社等の「FRET SUBSTRATES」やAngew. Chem. Int. Ed. 2006,45,4562-4588.に記載されている構造等が挙げられる。この中でも、蛍光基と消光基の組合せとしては、下記(i)~(iv)のものが好ましい。
(i)下記式(d-1)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
Figure 0007198482000017
(式(d-1)中、R’は水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を表す。)
(ii)下記式(d-2)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
Figure 0007198482000018
(式(d-2)中、Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を表す。)
(iii)下記式(d-3)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
Figure 0007198482000019
(式(d-3)中、Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’は水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を表す。)
(iv)下記式(d-4)で表される蛍光基と下記式(a-2)で表される消光基の組合せ
Figure 0007198482000020
(式(d-4)及び(a-2)中、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を表す。)
なお、式(d-1)~(d-4)及び式(a-1)及び(a-2)中のRとR’としては、前述のものと同様のものが挙げられる。
本発明の糖化合物としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0007198482000021
<糖化合物の製造方法1>
本発明の糖化合物の製造方法は、特に限定されず、公知の有機合成反応、化学酵素法等を組み合せて製造してもよいが、下記式(IV)で表される化合物から下記式(I)で表される化合物を生成する反応工程を含む方法によって製造することが好ましい。
Figure 0007198482000022
(式(I)及び(IV)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
上記反応工程は、通常溶媒中で行われる。溶媒としては、リン酸緩衝液等の緩衝液(pH5~7)、30%以下のジメチルスルホキシド(DMSO)水溶液、30%以下のメタノール水溶液、30%以下のアセトン水溶液等が挙げられる。
また、上記反応工程の詳細としては、例えば、式(IV)で表される化合物として下記化合物18を、式(I)で表される化合物として下記化合物1を想定した場合、例えば、化合物18をDMSOに溶解し、DMAPを加えた後、N-メチルアントラニル酸、HATUを加え室温で撹拌し、洗浄、精製等をして化合物1を得ることができる。
Figure 0007198482000023
Figure 0007198482000024
上記反応工程に使用する式(IV)で表される化合物の調製方法は、特に限定されないが、例えば、式(IV)で表される化合物として化合物18を想定した場合には、下記式で表される反応経路を辿る方法が挙げられる。
Figure 0007198482000025
Figure 0007198482000026
<糖化合物の製造方法2>
本発明の一態様は、下記式(II-1)で表される化合物と下記式(III-1)で表される化合物を反応させて下記式(IV-1)で表される化合物を生成する糖結合反応工程を含む、糖化合物の製造方法である。
尚、本製造方法の好ましい一態様は、前記<糖化合物の製造方法1>に記載した、化合物2と化合物3を反応させて化合物16を生成する糖結合反応工程を含む、糖化合物の製造方法である。すなわち、当該製造方法で製造される糖化合物は、本発明の糖化合物を製造する際の中間生成物ということもできる。
Figure 0007198482000027
上記反応工程は、通常溶媒中で行われる。溶媒としては、ジクロロエタンやクロロホルム、トルエンなどの有機溶媒等が挙げられる。
また、上記反応工程の詳細としては、式(II-1)で表される化合物として下記化合物2を、式(III-1)で表される化合物として下記化合物3を、式(IV-1)で表される化合物として下記化合物16を想定した場合、例えば、化合物3と化合物2をジクロロメタンに溶解し、乾燥モルキュラーシーブズ、トリフルオロメタンスルホン酸銀、ハフノセンジクロリドへ、キャノラーを用いて加え、低温で撹拌し、トリエチルアミンを用いて反応を終了し、希釈や濾過、洗浄、精製等をして化合物16を得ることができる。
Figure 0007198482000028
上記反応工程に使用する式(II-1)で表される化合物の調製方法は、特に限定されないが、例えば、式(II-1)で表される化合物として下記化合物2を想定した場合には、下記式で表される反応経路を辿る方法が挙げられる。
Figure 0007198482000029
Figure 0007198482000030
上記反応工程に使用する式(III-1)で表される化合物の調製方法は、特に限定されないが、例えば、上記式(III-1)で表される化合物として下記化合物3を想定した場合には、下記式で表される反応経路を辿る方法が挙げられる。
Figure 0007198482000031
<エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)活性阻害剤のスクリーニング方法>
ENGase活性阻害剤は、抗体医薬品の糖鎖モデリングを行う際、ENGaseで抗体上の糖鎖を切断、反応が進行したのち、残った酵素活性を完全に阻害するのに有用である。。本発明の糖化合物は、ENGase活性を簡易的に検出することができるため、被検化合物に接触させたENGaseを本発明の糖化合物と接触させて、本発明の糖化合物の分解活性を確認することで、ENGase活性阻害剤を効率的にスクリーニングすることができる。なお、被検化合物をENGaseに接触させる接触工程(以下、「接触工程」と略す場合がある。)、及び被検化合物を接触させたENGaseに式(I)で表される糖化合物を接触させて、糖化合物の分解活性を確認する活性確認工程(以下、「活性確認工程」と略す場合がある。)を含むENGase活性阻害剤のスクリーニング方法も本発明の一態様である。
接触工程は、被検化合物をENGaseに接触させる工程である。接触させる被検化合物の質量は、ENGaseの1ngに対して、通常7.5μg以上、好ましくは15μg以上であり、通常150μg以下、好ましくは75μg以下である。
活性確認工程は、被検化合物を接触させたENGaseに式(I)で表される糖化合物を接触させて、糖化合物の分解活性を確認する工程である。接触させる式(I)で表される糖化合物の質量は、ENGaseの1ngに対して、通常3μg以上、好ましくは30μg以上であり、通常500μg以下、好ましくは300μg以下である。
活性確認工程における式(I)で表される糖化合物の分解活性の確認方法は、特に限定されないが、式(I)で表される糖化合物の蛍光基に基づいた蛍光発光の強度変化を観測する方法、式(I)で表される糖化合物の消光基に基づいた紫外線(UV)の吸収波長等を観測する方法が挙げられる。例えば、被検化合物を接触させていないENGaseの糖化合物の分解活性と、被検化合物を接触させたENGaseの糖化合物の分解活性を比較し、被検化合物を接触させたENGaseの方が糖化合物の分解活性が劣っていた場合に、被検化合物はENGase活性の阻害作用がある(ENGase活性阻害剤である。)
と判断することができる。
本発明のスクリーニング方法が対象とするENGaseとしては、Nature Communication, 2018, 9. pp. 1874や、J. Biol. Chem., 2016, Vol291, 23305-23317.に記載のもの
が挙げられ、具体的にはEndo-F3やEndo-MW251N等のフコースが結合した抗体上の糖鎖などに作用するENGaseが挙げられる。
<エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)のスクリーニング方法>
本発明の一態様は、被検化合物をエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)の候補に接触させる接触工程、及び前記被検化合物を接触させたエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)の候補に式(I)で表される糖化合物を接触させて、前記糖化合物の分解活性を確認する活性確認工程を含む、エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)のスクリーニング方法である。
本発明の糖化合物は、ENGase活性を簡易的に検出することができるため、ENGaseの候補を本発明の糖化合物と接触させて、本発明の糖化合物の分解活性を確認することで、新規のENGaseを効率的にスクリーニングすることができる。
その他、本態様における接触工程及び活性確認工程の態様については、前記<エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)活性阻害剤のスクリーニング方法>における接触工程及び活性確認工程の態様を援用する。ただし、活性確認工程における式(I)で表される糖化合物の分解活性の確認方法としては、例えば、被検化合物を接触させたENGaseの候補の糖化合物の分解活性を測定し、対照に対して有意な活性を示した場合には、ENGaseとして有用である、新規のENGaseであるなどと判断することができる。
本発明の他の一態様である糖化合物は、下記式(I´)で表される化合物である。
Figure 0007198482000032
(式(I´)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Rは水素原子、N-アセ
チルグルコサミン、N-アセチルラクトサミン、又はシアリルラクトサミンを、Rは水素原子、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルラクトサミン、又はシアリルラクトサミンを、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
上記式(I´)の糖化合物としては、例えば、RがN-アセチルラクトサミンであり、RがN-アセチルラクトサミンである組み合わせ、RがN-アセチルラクトサミンであり、RがN-アセチルグルコサミンである組み合わせ、RがN-アセチルグルコサミンであり、RがN-アセチルラクトサミンである組み合わせ、RがN-アセチルグルコサミンであり、RがN-アセチルグルコサミンである組み合わせ、RがN-アセチルグルコサミンであり、Rが水素原子である組み合わせ、Rが水素原子であり、RにN-アセチルグルコサミンである組み合わせ等が挙げられる。
また、上記式(I´)の糖化合物として、例えば10糖の糖化合物としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0007198482000033
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1:式(I)で表される糖化合物の製造>
(Methoxyphenyl 4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-2-O-tert-butyldimethylsilyl-α-D-
mannopyranosyl-(1-3)-[4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-2-O-tert-butyldimethylsilyl-α-D-mannopyranosyl-(1-6)]-β-D-galactopyranosyl-(1-4)-3,6-di-O-benzyl-2-deoxy-2-phthalimido-β-D-glucopyranoside (9)の合成)
Figure 0007198482000034


2糖受容体(50 mg, 0.066 mmol)と単糖供与体(81 mg, 0.145 mmol)をジクロロメタ
ン(8 mL)に溶解させ、-78 ℃でキャノラーを用いて乾燥モルキュラーシーブズ(4A, 0.5 g)、N-ヨードコハク酸イミド(49 mg, 0.218 mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(19 mg, 0.073 mmol)へ加えた。-78 ℃で4時間撹拌した後、温度を0 ℃に上げ16時間撹拌し、トリエチルアミンを用いて反応を終了させた。反応液を酢酸エチルで希釈し、不要物をセライト濾過により除去後、チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水、1 M塩酸、
飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶液を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル = 4/1 → 1/1 gradient)により精製し、化合物9(56.1 mg, 0.034 mmol, 51 %)を得た。構造決定のため、化合物9をアセチル化した。得られた化合物のHNMRの測定結果(NMRチャート)を図1、図2に示す。また、得られた化合物の13CNMRの測定結果(NMRチャート)を図3、図4に示す。
Rf = 0.45(ヘキサン/酢酸エチル = 2/1)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.66-7.30 (m, 17H), 7.05-7.04 (m, 2H), 6.93-6.79 (m, 5H), 6.69-6.65 (m, 2H), 5.60 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.57 (s, 2H), 5.44-5.40 (m, 1H), 5.30 (dd, J = 10.3, 3.1 Hz, 1H), 5.19-5.12 (m, 2H), 4.87 (d, J = 1.4 Hz, 1H),
4.77 (dd, J = 34.5, 12.2 Hz, 2H), 4.62-4.58 (m, 1H), 4.50 (dd, J = 12.4, 3.4 Hz, 2H), 4.40 (dd, J = 10.8, 8.4 Hz, 1H), 4.34-4.29 (m, 4H), 4.14-4.00 (m, 4H), 3.91-3.75 (m, 8H), 3.65-3.63 (m, 1H), 3.44 (q, J = 4.9 Hz, 1H), 2.97 (t, J = 9.6 H
z, 1H), 2.11 (d, J = 49.8 Hz, 6H), 1.71-1.60 (m, 3H), 1.32-1.18 (m, 18H), 0.93 (d, J = 9.3 Hz, 19H), 0.12 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.03 (s, 3H)
13C-NMR (151 MHz, CDCl3) δ 178.08, 177.92, 170.28, 169.49, 155.65, 151.19, 138.87, 138.23, 137.91, 137.86, 134.11, 129.08, 129.01, 128.87, 128.47, 128.41, 128.28, 128.21, 128.03, 127.44, 126.33, 126.22, 123.70, 118.97, 114.66, 102.57, 101.84, 101.70, 100.90, 97.89, 97.66, 78.01, 77.57, 77.36, 77.15, 76.94, 76.89, 76.82, 75.43, 74.74, 73.90, 72.93, 71.06, 70.86, 70.69, 70.63, 70.51, 70.45, 69.34, 69.18, 68.12, 65.20, 65.11, 64.99, 55.94, 55.90, 39.26, 39.23, 27.63, 27.60, 26.19, 26.12, 21.33, 21.04, 18.31, 0.34
(Methoxyphenyl 4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-2-O-tert-butyldimethylsilyl-α-D-mannopyranosyl-(1-3)-[4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-2-O-tert-butyldimethylsilyl-α-D-mannopyranosyl-(1-6)]-2-O-acetyl-4-azide-4-deoxy-β-D-mannopyranosyl-(1-4)-3,6-di-O-benzyl-2-deoxy-2-phthalimido-β-D-glucopyranoside (12)の合成)
Figure 0007198482000035


化合物(1.09 g, 0.66 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解させ、ピリジン(1.6 mL, 19.8 mmol)を加えた後、0 ℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.1 mL, 6.6
mmol)を加え2.5時間撹拌させた。反応の終了はTLCにより確認した。反応液を酢酸エチ
ルにより希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル = 7/3 → 酢酸エチルonly gradient)を用いて精製し、得られた化合物をトルエンで共沸、真空乾燥後、トルエン(25 mL)に溶解させ、0 ℃でテトラ
ブチルアンモニウムアジド(0.181 g, 0.726 mmol)を加え室温で4時間反応させた。反応の終了はTLCにより確認した。反応液を酢酸エチルにより希釈し、飽和食塩水、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル = 7/3 → 酢酸エチルonly gradient)を用いて精製し、得られた化合物をトルエンで共沸、真空乾燥後、トルエン(26 mL)に溶解させ、セシウムアセテート(1.32 g, 6.60 mmol)、18-crown-6(1.92 g, 6.60 mmol)を加え、超音波をかけ一晩反応させた。反応の終
了はTLCにより確認した。反応液を酢酸エチルにより希釈し、飽和食塩水、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル = 4/1 → 酢酸エチルonly gradient)を用いて精製し化合物0.950 g(0.56 mmol, 85 %)を得た。得られた化合物のHNMRの測定結果(NMRチャート)を図5、図6に示す。また、得られた化合物の13CNMRの測定結果(NMRチャート)を図7、図8に示す。
Rf = 0.40(トルエン/酢酸エチル = 8/1)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.29-7.65 (m, 17H), 6.97-6.66 (m, 9H), 5.54 (t, J = 8.4 Hz, 3H), 5.34-5.32 (m, 1H), 5.31-5.23 (m, 2H), 4.93 (s, 1H), 4.78 (d, J = 2.4
Hz, 1H), 4.76 (s, 1H), 4.69 (s, 1H), 4.63 (s, 1H), 4.51-4.47 (m, 2H), 4.36 (dd,
J = 10.1, 8.8 Hz, 1H), 4.32-4.23 (m, 4H), 4.18-4.04 (m, 4H), 3.95-3.72 (m, 9H),
3.65-3.60 (m, 2H), 3.32 (dd, J = 10.1, 3.3 Hz, 1H), 3.02 (dt, J = 10.0, 2.7 Hz,
1H), 2.24 (s, 3H), 1.66 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 1.20 (s, 9H), 1.14 (s, 9H), 0.98 (s, 9H), 0.84 (s, 9H), 0.14-0.09 (m, 6H), -0.09 (d, J = 5.8 Hz, 6H)
13C-NMR (151 MHz, CDCl3) δ 177.91, 177.78, 170.54, 155.61, 151.12, 138.65, 138.29, 137.93, 137.80, 133.96, 131.94, 128.95, 128.85, 128.56, 128.37, 128.34, 128.23, 128.20, 127.44, 126.46, 126.33, 123.62, 118.85, 114.64, 104.29, 101.72, 101.68, 100.21, 97.81, 80.30, 78.55, 77.57, 77.36, 77.15, 76.74, 76.53, 74.93, 74.82, 73.94, 73.65, 71.14, 70.80, 70.69, 70.41, 69.15, 69.04, 68.51, 66.62, 65.63, 65.18, 59.82, 55.93, 55.88, 39.26, 39.18, 27.64, 27.57, 26.06, 25.96, 21.34, 18.34, 18.15, 0.34, -4.20, -4.51, -4.71
(Methoxyphenyl 4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-α-D-mannopyranosyl-(1-3)-[4,6-O-benzylidene-3pivaloyl-α-D-mannopyranosyl-(1-6)]-2-O-acetyl-4-azido-4deoxy-β-D-mannopyranosyl-(1-4)-3,6-di-O-benzyl-2-deoxy-2-phthalimido-β-D-glucopyranoside (13)の合成)
Figure 0007198482000036
化合物12(0.500 g, 0.290 mmol)をピリジン(3.46 mL)に溶解させ、0 ℃フッ化水素ピリジン(1.39 mL)を加えた後、室温で2日間撹拌し、0 ℃で重曹水を用いて反応を終了させた。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/
酢酸エチル = 18/7 → 21/29 gradient)により精製し、化合物13(0.267 g, 0.180 mmol)を収率62 %で得た。得られた化合物のHNMRの測定結果(NMRチャート)を図9
、図10に示す。また、得られた化合物の13CNMRの測定結果(NMRチャート)を図11、図12に示す。
Rf = 0.37(トルエン/酢酸エチル = 2/1)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.65-6.68 (m, 28H; aromatic H), 5.61 (d, J= 8.2 Hz, 1
H; H-1a), 5.56 (d, J = 5.2 Hz, 2H; -CHPh), 5.31 (d, J = 3.4 Hz, 1H; H-2b), 5.29-5.25 (m, 2H; H-3c, H-3d), 5.08 (d, J = 1.2 Hz; 1H, H-1c), 5.01 (d, J = 1.4 Hz, 1H; H-1d), 4.87 (d, J = 12.7 Hz, 1H; -CH2Ph), 4.80 (d, J=12.0, 1H; -CH2Ph), 4.54
(s, 1H; H-1b), 4.44 (d, J = 12.0 Hz, 1H; -CH2Ph), 4.38-4.28 (m, 4H; H-2a, H-6c, H-6d, -CH2Ph), 4.25-4.24 (m, 1H; H-2c), 4.22-4.17 (m, 2H; H-3a, H-6c), 4.12 (q, J = 9.6 Hz, 2H; H-4c, H-4d), 4.06-4.05 (m, 1H; H-2d), 4.00-3.89 (m, 2H; H-5c, H-5d), 3.86-3.69 (m, 10H; H-5a, H-6a, H-4b, H-6b, H-6c, H-6d, -OCH3), 3.63-3.62 (d, J = 8.6 Hz, 1H; H-4a), 3.36 (dd, J = 10.0, 3.1 Hz, 1H; H-3b), 3.05-3.02 (m, 1H; H-5b), 2.34 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 2.22 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 2.20 (s, 3H; -COCH3), 1.23 (s, 9H; -CO(CH3)3), 1.19 (s, 9H; -CO(CH3)3)
13C-NMR (151 MHz, CDCl3) δ 177.26, 176.99, 170.02, 167.98, 155.43, 150.84, 138.47, 137.87, 137.51, 137.44, 133.83, 129.13, 128.87, 128.78, 128.27, 128.19, 128.09, 128.02, 127.29, 126.16, 126.04, 125.39, 123.43, 118.69, 114.44, 102.72 (C-1c), 101.63 (-CHPh), 101.47 (-CHPh), 100.81 (C-1d), 98.76, 97.59 (C-1a), 79.03 (C-3b), 76.91 (C-3a), 76.22, 75.94 (C-4c,d), 74.77(C-2a), 74.54 (C-4a), 73.73 (-CH2Ph), 73.69 (C-5b), 70.27 (C-3d), 70.14 (C-3c), 69.99 (C-2c), 69.93 (C-2b), 69.65
(C-2d), 68.90 (C-6c), 68.68 (C-5a), 68.26 (C-6a), 66.31 (C-6b), 64.91, 64.52 (C-5c,d), 58.99 (C-4b), 55.71 (C-6d), 55.66, 39.12, 39.03, 27.24 (-CO(CH3)3), 27.22 (-CO(CH3)3), 21.07 (-COCH3), 0.10
(Methoxyphenyl 2-O-acetyl-4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-α-D-mannopyranosyl-(1-3)-[2-O-acetyl-4,6-O-benzylidene-3pivaloyl-α-D-mannopyranosyl-(1-6)]-2-O-acetyl-4-azido-4deoxy-β-D-mannopyranosyl-(1-4)-3,6-di-O-benzyl-2-deoxy-2-phthalimido-β-D-glucopyranoside (14)の合成)
Figure 0007198482000037
化合物13(0.466 g, 0.310mmol)をピリジン(1.5 mL)に溶解させ、0 ℃で無水酢酸(300 μL)を加え、室温で一晩撹拌し、0 ℃でメタノールを用いて反応を終了させた。反
応液を酢酸エチルで希釈し、1 M塩酸、飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄
した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル = 91/9 → 3/1 gradient)により精製し、化合物14(0.467 g, 0.298 mmol)を収率96 %で得た。得られた化合物のHNMRの測定結
果(NMRチャート)を図13、図14に示す。また、得られた化合物の13CNMRの測定結果(NMRチャート)を図15、図16に示す。
Rf = 0.61(トルエン/酢酸エチル = 3/1)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.77-6.62 (m, 28H; aromatic H), 5.58 (d, J = 17.9 Hz,
2H -CHPh), 5.56 (d, J = 8.6 Hz, 1H; H-1a), 5.45 (q, J = 1.7 Hz, 1H; H-2c), 5.39-5.35 (m, 3H; H-3c, H-2d), 5.31 (d, J = 3.1 Hz, 1H; H-2b), 5.01 (d, J = 1.4 Hz, 1H; H-1c), 4.94 (d, J = 1.0 Hz, 1H; H-1d), 4.79 (d, J = 12.0 Hz, 1H; -CH2Ph), 4.71 (d, J = 12.7 Hz, 1H; -CH2Ph), 4.56 (s, 1H; H-1b), 4.42 (dd, J = 16.2, 12.4 Hz, 2H; -CH2Ph), 4.36-4.31 (m, 3H; H-2a, H-6c, H-6d), 4.22-4.18 (m, 2H; H-3a), 4.07 (t, J = 9.8 Hz, 1H; H-3d), 4.01 (td, J = 9.6, 2.7 Hz, 2H; H-4c, H-4d), 3.94 (td, J = 9.8, 4.5 Hz, 1H; H-6d), 3.85-3.75 (m, 7H; H-5a, H-6a, H-4b, H-6b, H-5c, H
-5d), 3.70 (s, 3H; -OCH3), 3.60-3.62 (m, 1H; H-4a), 3.32 (dd, J = 10.3, 3.1 Hz, 1H; H-3b), 2.99 (dt, J = 10.2, 2.7 Hz, 1H; H-5b), 2.24 (s, 3H; -COCH3), 2.20 (s,
3H; -COCH3), 1.78 (s, 3H; -COCH3), 1.16 (s, 9H; -CO(CH3)3), 1.09 (s, 9H; -CO(CH3)3)
13C-NMR (151 MHz, CHLOROFORM-D) δ 176.95, 176.90, 170.67, 169.85, 169.56, 155.62, 151.13, 138.51, 138.12, 137.62, 137.60, 133.97, 129.15, 129.08, 128.99, 128.65, 128.44, 128.27, 127.57, 126.44, 126.30, 123.61, 118.84, 114.65, 101.88 (-CHPh), 101.72 (-CHPh), 100.69 (C-1c), 99.32 (C-1b,1d), 97.84 (C-1a), 79.32 (C-3a), 79.07 (C-3b), 76.68 (C-4c), 76.49 (C-3d), 76.36 (C-6), (74.85, 74.81, 74.64)( C-4a, C-5b, -CH2Ph), 73.87, 70.44 (C-2c), 70.04 (C-2d), 69.94 (C-2b), 69.00 (C-2a),
68.92 (C-5a), 68.51, 68.13 (C-6a), 67.79 (C-3c), 66.42, 65.12, 64.51, 58.91 (C-4b), 55.89, 39.15, 39.04, 27.31 (-CO(CH3)3), 27.23 (-CO(CH3)3), 21.23 (-COCH3), 21.18 (-COCH3), 20.69 (-COCH3), 0.34
(2-O-acetyl-4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-α-D-mannopyranosyl-(1-3)-[2-O-acetyl-4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-α-D-mannopyranosyl-(1-6)]-2-O-acetyl-4-azido-4-deoxy-β-D-mannopyranosyl-(1-4)-3,6-di-O-benzyl-2-deoxy-2-phthalimido-D-glucopyranose(15)の合成)
Figure 0007198482000038


化合物14(0.470 g, 0.298 mmol)をトルエン(750 μL)に溶解させ、アセトニトリル(1 mL)、水(750 μL)を加えた後、-10 ℃でCAN(0.563 g, 1.043 mol)を加えた。-10 ℃で2時間撹拌し、TLCにより反応の終了を確認した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル = 17/8 → 1/1 gradient)により精製し化合物15(0.338 g, 0.229 mmol)を収率77 %で
得た。得られた化合物のHNMRの測定結果(NMRチャート)を図17、図18に示す。
また、得られた化合物の13CNMRの測定結果(NMRチャート)を図19、図20に示す。
Rf = 0.32(トルエン/酢酸エチル = 2/1)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.74-6.77 (m, 24H; aromatic H), 5.58 (d, J = 12.0 Hz,
2H; -CHPh), 5.44-5.39 (m, 2H; H-2c, H-2d), 5.34 (dd, J = 10.3, 3.8 Hz, 1H; H-3c), 5.28-5.24 (m, 2H; H-1a, H-2b), 5.00 (d, J = 1.4 Hz, 1H; H-1c), 4.90 (d, J = 10.0 Hz, 1H; H-1d), 4.80 (d, J = 12.0 Hz, 1H; -CH2Ph), 4.69 (d, J = 12.0 Hz, 1H; -CH2Ph), 4.50 (s, 1H; H-1b), 4.41 (dd, J = 21.5, 12.2 Hz, 2H; -CH2Ph), 4.32 (td,
2H; H-6c), 4.27 (dd, J = 10.7, 8.9 Hz, 1H; H-3a), 4.15 (t, J = 9.5 Hz, 1H; H-4a
), 4.09-4.05 (m, 2H; H-2a, H-4c), 4.03-3.92 (m, 2H; H-5c, H-3d), 3.84-3.72 (m, 7H; H-4a, H-6a, H-6c, H-4d, H-6d), 3.61 (d, J = 9.6 Hz, 1H; H-5a), 3.29 (dd, J = 10.0, 3.1 Hz, 1H; H-3b), 3.14 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.03-3.00 (m, 1H; H-5b), 2.20
(d, J = 1.4 Hz, 6H; -COCH3), 1.84 (s, 3H; -COCH3), 1.16 (s, 9 H; -CO(CH3)3), 1.09 (s, 9 H; -CO(CH3)3)
13C-NMR (151 MHz, CDCl3) δ 177.14, 177.01, 170.58, 169.88, 169.63, 168.21, 138.60, 138.08, 137.62, 133.99, 131.97, 129.38, 129.16, 129.10, 129.06, 128.59, 128.55, 128.53, 128.45, 128.30, 127.58, 126.43, 126.33, 125.64, 123.56, 101.88 (-CHPh), 101.74 (-CHPh), 100.74 (C-1c), 99.27 (C-1d), 98.64 (C-1b), 93.28 (C-1a), 79.21 (C-3b), 78.43 (C-4a), 76.68 (C-3d), 76.45 (C-4c), 75.85 (C-3a), 74.73 (C-5a),
74.60 (C-5b), 73.99 (-CH2Ph), 70.43 (C-2c), 70.09(C-6d), 69.90 (C-2b), 68.96 (C-6c), 68.90 (C-4d), 68.65 (C-6a), 68.24 (C-2d), 67.81 (C-3c), 66.73 (C-6b), 65.14 (C-5d), 64.47 (C-5c), 59.16 (C-4b), 57.72 (C-2a), 39.16, 39.09, 27.31 (-CO(CH3)3), 27.24 (-CO(CH3)3), 21.22 (-COCH3), 21.18 (-COCH3), 20.77(-COCH3), 0.34
2-O-acetyl-4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-α-D-mannopyranosyl-(1-3)-[2-O-acetyl-4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-α-D-mannopyranosyl-(1-6)]-2-O-acetyl-4-azido-4-deoxy-β-D-mannopyranosyl-(1-4)-3,6-di-O-benzyl-2-deoxy-2-phthalimido-D-glucopyranosylfluoride (2)の合成)
Figure 0007198482000039


化合物15(0.338 g, 229 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解させ、-10 ℃でDAST
(21 μL, 0.13 mmol)を加えた。-10 ℃で1.5時間撹拌し、0 ℃でメタノール飽和重曹水を用いて反応を終了させた。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶液を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル = 17/8 →14/11 gradient)により精製し化合物2(0.309 g, 0.209 mmol)を収率91 %で得た。得られた化合物のHNMRの測定結果(NMRチ
ャート)を図21、図22に示す。また、得られた化合物の13CNMRの測定結果(NMRチャート)を図23、図24に示す。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.29-7.70 (m, 24H), 6.76-7.00 (m, 7H), 5.78 (dd, J = 53.6, 7.6 Hz, 1H), 5.53-5.63 (m, 3H), 5.43-5.45 (m, 1H), 5.32-5.39 (m, 4H), 5.26-5.28 (m, 1H), 4.91-5.02 (m, 3H), 4.79-4.82 (m, 1H), 4.68 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.50 (s, 1H), 4.41-4.44 (m, 2H), 4.15-4.38 (m, 7H), 3.91-4.09 (m, 5H), 3.77-3.85
(m, 8H), 3.56-3.71 (m, 2H), 3.29 (dd, J = 10.1, 3.3 Hz, 1H), 2.96-2.98 (m, 1H),
2.20-2.22 (m, 7H), 1.79 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 1.60 (s, 2H), 1.05-1.16 (m, 24H), -0.00 (s, 2H)
13C-NMR (151 MHz, CDCl3) δ 176.72, 176.68, 170.39, 169.64, 169.34, 167.55, 138.
06, 137.62, 137.35, 133.89, 131.59, 128.92, 128.88, 128.84, 128.61, 128.43, 128.38, 128.21, 128.07, 127.44, 127.38, 126.18, 126.04, 123.44, 105.55, 104.14, 101.64, 101.46, 100.45, 99.08, 98.74, 78.81, 78.21, 77.33, 77.12, 76.91, 76.40, 76.21, 75.11, 75.04, 74.60, 74.35, 73.82, 70.17, 69.81, 69.59, 68.75, 68.66, 67.91, 67.87, 67.52, 66.28, 64.90, 64.33, 58.67, 55.68, 55.53, 38.90, 38.81, 27.07, 27.03, 26.98, 20.99, 20.94, 20.44, 0.10
(Azidopropyl 2-O-acetyl-4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-α-D-mannopyranosyl-(1-3)-[2-O-acetyl-4,6-O-benzylidene-3-O-pivaloyl-α-D-mannopyranosyl-(1-6)]-2-O-acetyl-4-azido-4deoxy-β-D-mannopyranosyl-(1-4)-3,6-di-O-benzyl-2-deoxy-2-phthalimido-β-D-glucopyranosyl-(1-4)-[3,4,6-tri-O-benzyl-α-L-fucopyranosyl-(1-6)] 4-benzyl-2deoxy-2-phtalimido-β-D-glucopyranoside (16)の合成)
Figure 0007198482000040
2糖受容体3(32 mg, 0.030 mmol)と4糖供与体2(60 mg, 0.034 mmol)をジクロロメタン(6 mL)に溶解させ、-40 ℃で乾燥モルキュラーシーブズ(4A, 0.5 g)、トリフルオ
ロメタンスルホン酸銀(24 mg, 0.094 mmol)、ハフノセンジクロリド(18 mg, 0.0018 g)へキャノラーを用いて加えた。-40 ℃で4時間撹拌した後、トリエチルアミンを用いて
反応を終了させた。反応液を酢酸エチルで希釈し、不要物をセライト濾過により除去後、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶液を減圧留去した。得られた残渣をゲル濾過クロマトグラフィー(SX-1 トルエン100 %)により6糖画分を分取し、その後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル =
43/7 → 33/17 gradient)により精製し、化合物16(37.8 mg, 0.016 mmol, 54 %)を得た。得られた化合物のHNMRの測定結果(NMRチャート)を図25、図26に示す。また、得られた化合物の13CNMRの測定結果(NMRチャート)を図27、図28に示す。Rf = 0.57(トルエン/酢酸エチル = 4/1)
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.13-6.52 (m, 48H; aromatic H), 5.60 (s, 1H; -CHPh), 5.47 (s, 1H; -CHPh), 5.43 (q, J = 1.7 Hz, 1H), 5.38-5.27 (m, 5H; H-1c, H-1d, H-3e), 4.99 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 4.95-4.80 (m, 8H; H-1b, H-1f), 4.71 (dd, J = 30.9,
12.0 Hz, 2H), 4.63-4.52 (m, 3H), 4.47 (s, 1H; H-1d), 4.37-4.25 (m, 4H; H-2a), 4.19-3.85 (m, 12H; H-2c H-2b, H-3b,H-4e), 3.82-3.52 (m, 10H; H-4b), 3.49 (d, J = 10.0 Hz, 1H; H-3), c3.29-3.22 (m, 4H), 3.00 (td, J = 6.6, 3.0 Hz, 2H), 2.92-2.88
(m, 1H; ), 2.20 (s, 3H; -COCH3), 2.00 (s, 3H; -COCH3), 1.71 (s, 3H; -COCH3), 1.58-1.48 (m, 2H), 1.20-1.12 (m, 9H), 1.12-1.05 (m, 9H), 1.02-0.94 (m, 3H)
13C-NMR (151 MHz, CDCl3) δ 176.92, 176.86, 170.19, 169.85, 169.46, 168.19, 167.95, 139.37, 139.27, 139.09, 138.99, 138.72, 138.08, 137.68, 137.55, 134.11, 133.99, 132.06, 131.76, 129.11, 129.00, 128.95, 128.80, 128.77, 128.70, 128.55, 128.52, 128.45, 128.42, 128.36, 128.28, 128.23, 128.14, 127.99, 127.80, 127.70, 127.53, 127.20, 126.46, 126.23, 123.68, 123.51, 101.85 (-CHPh), 101.61 (-CHPh), 100.68 (C-1e), 99.36 (C-1d), 99.31 (C-1f), 98.16 (C-1a), 97.25 (C-1c), 97.17, 79.78 (C-3b), 79.51 (C-2a), 79.34, 78.01 (C-4b), 77.57, 77.36, 77.15, 76.83, 76.65, 76.49, 76.35, 75.92, 75.06, 74.90, 74.82, 74.63 (-CH2Ph), 74.18, 74.04, 73.68 (-CH2Ph), 73.49, 73.10, 70.45, 69.96, 69.72, 69.00, 68.92, 68.22, 68.08, 67.79, 66.48, 66.25, 65.78, 65.10, 64.45, 64.08, 59.01, 56.84, 56.01, 48.27, 39.13, 39.01, 29.02, 27.30 (-CO(CH3)3), 27.22 (-CO(CH3)3), 21.18 (-COCH3), 20.83 (-COCH3), 20.62 (-COCH3), 16.75 (C-6b), 0.33
(Aminopropyl α-D-mannopyranosyl-(1-3)-[α-D-mannopyranosyl-(1-6)]-4-amino-4deoxy-β-D-mannopyranosyl-(1-4)-2-acetamido-2deoxy-β-D-glucopyranosyl-(1-4)-[α-L-fucopyranosyl-(1-6)]-2-acetamido-2deoxy-β-D-glucopyranoside (17)の合成)
Figure 0007198482000041
化合物(36 mg, 0.019 mmol)を酢酸(2 mL)に溶かした後、メタノールを(3 mL)、
水を(1 mL)加え80 ℃で1時間撹拌した。TLCにより反応の終了を確認した後、溶液を減
圧留去した。トルエン共沸後、残渣をn-ブタノール(1 mL)に溶かした後、エチレンジアミン(1 mL)を加え90 ℃で一晩撹拌させた。TLCにより反応の終了を確認した後、反応液を濃縮、トルエン共沸し真空乾燥させた。その後残渣をピリジン(1 mL)に溶かし、無水酢酸(500 μL)を加え、40 ℃で一晩撹拌させた。反応はメタノールを用いて終了させ、反応溶液をクロロホルムで希釈した後、1 M塩酸、飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水
の順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶液を減圧留去した。残渣をTHF(500 μL)に溶かし、メタノール(500 μL)、1 Mナトリウムメトキシドを加えた後、室温で一晩撹拌させた。反応はアンバーリスト50により終了させた。反応溶液を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムonly → クロロホルム/メタノール = 1/1 gradient)、ゲル濾過クロマトグラフィー(SX-1 メタノールonly
)により精製し、化合物(18.2 mg, 0.008 mmol, 43 %)を得た。化合物に水(20 mL)、水酸化パラジウム(20 mg)を加え二晩撹拌させた。セライト濾過にて水酸化パラジウム
を除去し溶液を凍結乾燥した。残渣を水に溶かしISOLUTE 18C(水only → 水/アセトニトリル95/5)により精製後、化合物(5 mg, 0.004 mmol, 50 %)を得た。得られた化合物のHNMRの測定結果(NMRチャート)を図29、図30に示す。
1H-NMR (600 MHz, D2O) δ 5.05 (s, 1H), 4.92 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.89 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 4.74 (s, 1H), 4.66 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 4.48 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.34 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 3.58-4.12 (m, 37H), 3.03-3.08 (m, 3H), 2.01-2.12 (m, 6H),
1.91-1.99 (m, 3H), 1.23 (d, J = 6.5 Hz, 3H)
(3-N-2,4-di-nitrophenyl-3-aminopropyl α-D-mannopyranosyl-(1-3)-[α-D-mannopyranosyl-(1-6)]-β-D-mannopyranosyl-(1-4)-2-acetamido-2-deoxy-β-D-glcopyranosyl-(1-4)-[α-L-fucosyl-(1-6)]-2-acetamido-2-deoxy-β-D-glcopyranoside (18)の合成)
Figure 0007198482000042
化合物17(5.0 mg, 4.5 μmol)を水175 μLに溶かし、NaHCO3(1.8 mg)を加えた後、メタノール120 μL、2,4-ジニトロフルオロベンゼン(1.4 mg, 7.5 μmol)を加えた。6
時間後、水で希釈させた後Et2Oにより洗浄した。凍結乾燥をした後、逆相フラッシュカラム(H2O/CH3CN = 77/23) により精製し化合物18(2.7 mg, 2.1 μmol)を収率47 %で得た
。得られた化合物のHNMRの測定結果(NMRチャート)を図31、図32に示す。
1H-NMR (600 MHz, D2O) δ 9.12 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.45 (s, 0H), 8.31 (dd, J = 9.6, 2.7 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 5.01-5.10 (m, 1H), 4.92 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 4.86 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 4.72 (s, 1H), 4.68 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.53 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 4.11-3.55 (m, 39H), 2.95 (t, J = 10.1 Hz, 1H), 2.09 (s, 3H), 1.94 (s, 3H), 1.14 (d, J = 6.5 Hz, 3H)
(3-N-2,4-di-nitrophenyl-3-aminopropyl α-D-mannopyranosyl-(1-3)-[α-D-mannopyranosyl-(1-6)]-4-deoxy-4-N-methylanthranilamido-β-D-mannopyranosyl-(1-4)-2-acetamido-2-deoxy-β-D-glcopyranosyl-(1-4)-[α-L-fucosyl-(1-6)]-2-acetamido-2-deoxy-β-D-glcopyranoside (1)の合成)
Figure 0007198482000043
化合物18(2.9 mg, 2.3 μmol)をDMSO(250 μL)に溶かし、DMAP(1.1 mg, 9.0 μmol)を加えた後、N-メチルアントラニル酸(0.78 mg, 6.8 μmol)、HATU(3.1 mg, 8.1
μmol)を加え室温で撹拌させた。6時間後、水で希釈させた後Et2Oにより洗浄した。凍結乾燥をした後、逆相フラッシュカラム(H2O/CH3CN = 77/23)により精製し化合物1を収率32 %で得た。得られた化合物のHNMRの測定結果(NMRチャート)を図33、図34に示す。
1H-NMR (600 MHz, D2O) δ 9.13 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.44 (s, 0H), 8.32 (dd, J = 9.6, 2.7 Hz, 1H), 7.49-7.42 (m, 2H), 7.13 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.89-6.77 (m, 2H),
4.96 (s, 1H), 4.87 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 4.79-4.74 (m, 8H), 4.69 (d, J = 7.9 Hz,
1H), 4.53 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.40 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 4.07-3.50 (m, 45H), 2.83 (s, 4H), 2.09-1.90 (m, 9H), 1.15 (d, J = 6.5 Hz, 4H)
<実施例2:エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)の活性検出>
(方法1:HPLCを用いた天然型6糖-DNPの加水分解反応の活性検出)
5μMの天然型6糖DNP体(ManGN(Fuc)-DNP)、酵素Endo-M-W251N 2.4μgのリン酸ナトリウムバッファー(40mM,pH6)溶液100μLを30℃で2時間インキュベートした。反応は、15、30、60、120分ごとに反応液を2μLずつ分注し、8μLのアセトニトリルに加え、反応を停止した。反応混合液を30μLの水で希釈し、HPLC(TOSOH TSK-gel ODS-100V,5μm,4.6mm×15cm,水/アセトニトリル=97/3~60/40,0.1%TFA溶液,流速1mL/min,15分間、島津超高速液体クロマトグラフ Nexera)にて、UV360nmで検出し、分析した。反応混合液のHPLCクロマトグラムの結果を図35に示す。
尚、この加水分解反応は、下記に示される反応である。
Figure 0007198482000044
(方法2:HPLCを用いたFRET型6糖-DNPの加水分解反応の活性検出)
5μMの化合物1(MANT-ManGN(Fuc)-DNP:MM3FD)、酵素Endo-M-W251N 2.4μgのリン酸ナトリウムバッファー(40mM,pH6)溶液100μLを30℃で2時間インキュベートした。反応は、15、30、60、120分ごとに反応液を2μLずつ分注し、8μLのアセトニトリルに加え、反応を停止した。反応混合液を30μLの水で希釈し、HPLC(TOSOH TSK-gel ODS-100V,5μm,4.6mm×15cm,水/アセトニトリル=97/3~60/40,0.1%TFA溶液,流速1mL/min,15分間、島津超高速液体クロマトグラフ Nexera)にて、UV360nmで検出し、分析した。反応混合液のHPLCクロマトグラムの結果を図36に示す。
尚、この加水分解反応は、下記に示される反応である。
Figure 0007198482000045
また、上記方法1と方法2で得られた結果について、reaction time (min)と加水分解
率(%)の関係を図37に示した。
(方法3:マイクロプレートリーダーを用いたFRET型6糖-DNPの加水分解反応の活性検出)
5μMの化合物1(MANT-ManGN(Fuc)-DNP:MM3FD)、酵素(Endo-M-W251N 2.4μg(×1)、0.5μg(×1/5)、0.24μg(×1/10))をそれぞれ加えたリン酸ナトリウムバッファー(40mM,pH6)溶液20μLを30℃で2時間インキュベートした。反応は、マイクロプレートリーダー(モレキュラープローブ社 SpectraMaxi3X(登録商標))を使用し、励起波長340nm、蛍光波長440nmにて追跡した。マイクロプレートリーダーにより反応混合液の蛍光強度変化を追跡した結果を図38に示す。酵素反応の進行に伴い、蛍光強度が上昇していることから、基質の切断を確認することができる。
(方法4:マイクロプレートリーダーを用いたEndo-F3によるFRET型6糖-DNPの加水分解反応の活性検出)
5μM化合物1(MANT-ManGN(Fuc)-DNP:MM3FDプローブ)、酵素(Endo-F:8U、4U、2U)の40mM リン酸ナトリウムバッファー50μLを37 Cで2時間インキュベートした。反応はマイクロプレートリーダー(モレキュラープローブ社 SpectraMaxi3X)を使用し、励起波長340nm、蛍光波長440nmにて追跡した。マイクロプレートリーダーにより反応混合液の蛍光強度変化を追跡した結果を図39に示す。酵素反応に伴い、蛍光強度が上昇していることから、基質の切断を確認することができる。
本発明の糖化合物は、新規のENGaseの探索やENGase活性阻害剤等の効率的
なスクリーニングに利用することができる。

Claims (7)

  1. 下記式(I)で表される糖化合物であって、
    Figure 0007198482000046

    (式(I)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
    前記ヒドロキシル基の保護基は、メチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、tert-ブチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、又はtert-ブチルジフェニルシリル基であり、
    前記アミノ基の保護基は、t-ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)、アセチル基、トリフルオロアセチル基(Tfa)、p-トルエンスルホニル基(Ts)、又は2-ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)であり、
    前記蛍光基と前記消光基の組合せが、下記(i)~(iv)の何れかである、糖化合物。
    (i)下記式(d-1)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000047

    (式(d-1)中、R’は水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又は前記アミノ基の保護基を表す。)
    (ii)下記式(d-2)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000048

    (式(d-2)中、Rは水素原子又は前記ヒドロキシル基の保護基を表す。)
    (iii)下記式(d-3)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000049

    (式(d-3)中、Rは水素原子又は前記ヒドロキシル基の保護基を、R’は水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又は前記アミノ基の保護基を表す。)
    (iv)下記式(d-4)で表される蛍光基と下記式(a-2)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000050

    (式(d-4)及び(a-2)中、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又は前記アミノ基の保護基を表す。)
  2. 請求項に記載の糖化合物を含むエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)活性検出用組成物。
  3. 下記式(IV)で表される化合物から下記式(I)で表される化合物を生成する反応工程を含む、糖化合物の製造方法であって、
    Figure 0007198482000051

    (式(I)及び(IV)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
    前記ヒドロキシル基の保護基は、メチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、tert-ブチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、又はtert-ブチルジフェニルシリル基であり、
    前記アミノ基の保護基は、t-ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)、アセチル基、トリフルオロアセチル基(Tfa)、p-トルエンスルホニル基(Ts)、又は2-ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)であり、
    前記蛍光基と前記消光基の組合せが、下記(i)~(iv)の何れかである、糖化合物の製造方法。
    (i)下記式(d-1)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000052

    (式(d-1)中、R’は水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又は前記アミノ基の保護基を表す。)
    (ii)下記式(d-2)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000053

    (式(d-2)中、Rは水素原子又は前記ヒドロキシル基の保護基を表す。)
    (iii)下記式(d-3)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000054

    (式(d-3)中、Rは水素原子又は前記ヒドロキシル基の保護基を、R’は水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又は前記アミノ基の保護基を表す。)
    (iv)下記式(d-4)で表される蛍光基と下記式(a-2)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000055

    (式(d-4)及び(a-2)中、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又は前記アミノ基の保護基を表す。)
  4. 下記式(II-1)で表される化合物と下記式(III-1)で表される化合物を反応させて下記式(IV-1)で表される化合物を生成する糖転移反応工程と、
    Figure 0007198482000056

    前記式(IV-1)で表される化合物から前記式(IV)で表される化合物を生成する反応工程とをさらに含む、請求項3に記載の糖化合物の製造方法。
  5. 被検化合物をエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)の候補に接触させる接触工程、及び
    前記被検化合物を接触させたエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)の候補に請求項1に記載の糖化合物を接触させて、前記糖化合物の分解活性を確認する活性確認工程
    を含む、エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)のスクリーニング方法。
  6. 被検化合物をエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)に接触させる接触工程、及び
    前記被検化合物を接触させたエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)に請求項1に記載の糖化合物を接触させて、前記糖化合物の分解活性を確認する活性確認工程
    を含む、エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)活性阻害剤のスクリーニング方法。
  7. 下記式(I´)で表される糖化合物であって、
    Figure 0007198482000057

    (式(I´)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又はヒドロキシル基の保護基を、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又はアミノ基の保護基を、R”はそれぞれ独立して単結合、第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、アミド基(-NR’CO-)、オキシ基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、又は第二級若しくは第三級アミノ基(-NR’-)、オキシ基(-O-)、及びカルボニル基(-CO-)からなる群より選択される少なくとも1種の基を含んでいてもよい炭素原子数1~6の2価の炭化水素基を、Rは水素原子、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルラクトサミン、又はシアリルラクトサミンを、Rは水素原子、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルラクトサミン、又はシアリルラクトサミンを、Z及びZは何れか一方が蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が生じる蛍光基を、もう一方が前記蛍光基に対応する消光基を表す。)
    前記ヒドロキシル基の保護基は、メチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、tert-ブチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、又はtert-ブチルジフェニルシリル基であり、
    前記アミノ基の保護基は、t-ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)、アセチル基、トリフルオロアセチル基(Tfa)、p-トルエンスルホニル基(Ts)、又は2-ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)であり、
    前記蛍光基と前記消光基の組合せが、下記(i)~(iv)の何れかである、糖化合物。
    (i)下記式(d-1)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000058

    (式(d-1)中、R’は水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又は前記アミノ基の保護基を表す。)
    (ii)下記式(d-2)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000059

    (式(d-2)中、Rは水素原子又は前記ヒドロキシル基の保護基を表す。)
    (iii)下記式(d-3)で表される蛍光基と下記式(a-1)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000060

    (式(d-3)中、Rは水素原子又は前記ヒドロキシル基の保護基を、R’は水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又は前記アミノ基の保護基を表す。)
    (iv)下記式(d-4)で表される蛍光基と下記式(a-2)で表される消光基の組合せ
    Figure 0007198482000061

    (式(d-4)及び(a-2)中、R’はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基、又は前記アミノ基の保護基を表す。)

JP2018188693A 2018-10-03 2018-10-03 糖化合物、糖化合物の製造方法、ENGase活性検出用組成物、新規ENGaseのスクリーニング方法、及びENGase活性阻害剤のスクリーニング方法 Active JP7198482B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018188693A JP7198482B2 (ja) 2018-10-03 2018-10-03 糖化合物、糖化合物の製造方法、ENGase活性検出用組成物、新規ENGaseのスクリーニング方法、及びENGase活性阻害剤のスクリーニング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018188693A JP7198482B2 (ja) 2018-10-03 2018-10-03 糖化合物、糖化合物の製造方法、ENGase活性検出用組成物、新規ENGaseのスクリーニング方法、及びENGase活性阻害剤のスクリーニング方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020055786A JP2020055786A (ja) 2020-04-09
JP2020055786A5 JP2020055786A5 (ja) 2021-11-11
JP7198482B2 true JP7198482B2 (ja) 2023-01-04

Family

ID=70106391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018188693A Active JP7198482B2 (ja) 2018-10-03 2018-10-03 糖化合物、糖化合物の製造方法、ENGase活性検出用組成物、新規ENGaseのスクリーニング方法、及びENGase活性阻害剤のスクリーニング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7198482B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114835834B (zh) * 2022-05-16 2023-03-10 井冈山大学 一种改性环状低聚物及其制备方法、一种微纳纤维膜及其应用

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017222590A (ja) 2016-06-14 2017-12-21 国立大学法人群馬大学 糖化合物、糖化合物の製造方法、ENGase活性検出用組成物、及びENGase活性阻害剤のスクリーニング方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017222590A (ja) 2016-06-14 2017-12-21 国立大学法人群馬大学 糖化合物、糖化合物の製造方法、ENGase活性検出用組成物、及びENGase活性阻害剤のスクリーニング方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020055786A (ja) 2020-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Dohi et al. Stereoselective Glycal Fluorophosphorylation: Synthesis of ADP‐2‐fluoroheptose, an Inhibitor of the LPS Biosynthesis
Adibekian et al. De novo synthesis of uronic acid building blocks for assembly of heparin oligosaccharides
Pozsgay A new strategy in oligosaccharide synthesis using lipophilic protecting groups: synthesis of a tetracosasaccharide
JP7198482B2 (ja) 糖化合物、糖化合物の製造方法、ENGase活性検出用組成物、新規ENGaseのスクリーニング方法、及びENGase活性阻害剤のスクリーニング方法
Ishiwata et al. Mechanism-based inhibition of GH127/146 cysteine glycosidases by stereospecifically functionalized L-arabinofuranosides
Csíki et al. Synthesis of glycosaminoglycan oligosaccharides. Part 4: Synthesis of aza-l-iduronic acid-containing analogs of heparan sulfate oligosaccharides as heparanase inhibitors
Nishiyama et al. Synthesis of fluorescence-labeled Galβ1-3Fuc and Galβ1-4Fuc as probes for the endogenous glyco-epitope recognized by galectins in Caenorhabditis elegans
Herzner et al. Spacer-separated sialyl LewisX cyclopeptide conjugates as potential E-selectin ligands
WO2000042057A1 (en) Protecting groups for carbohydrate synthesis
JP6798085B2 (ja) 糖化合物、糖化合物の製造方法、ENGase活性検出用組成物、及びENGase活性阻害剤のスクリーニング方法
Petersen et al. DISAL glycosyl donors for efficient glycosylations under acidic conditions: Application to solid-phase oligosaccharide synthesis 1, 2
Savelyeva et al. Synthesis of triazole-linked pseudo-oligosialic acid derivatives
Zhang et al. A general method for the synthesis of oligosaccharides consisting of α-(1→ 2)-and α-(1→ 3)-linked rhamnan backbones and GlcNAc side chains
Wang et al. Glycosyl nitrates in synthesis: streamlined access to glucopyranose building blocks differentiated at C-2
KR20140042802A (ko) N-치환된 만노사민 유도체, 그의 제조 방법 및 그의 용도
Zheng et al. Chemoenzymatic Synthesis of Glycoconjugates Mediated by Regioselective Enzymatic Hydrolysis of Acetylated 2‐Amino Pyranose Derivatives
ES2235362T3 (es) Derivados de tetrahidropirano sustituidos, asi como procedimientos para su preparacion.
Amin et al. Synthesis of asparagine-linked bacillosamine
Huang et al. Synthesis of (R)-2, 3-epoxypropyl (1→ 3)-β-d-pentaglucoside
Romanò et al. Synthesis of lactosamine-based building blocks on a practical scale and investigations of their assembly for the preparation of 19 F-labelled LacNAc oligomers
Ngoje et al. Development of highly stereoselective GalN 3 donors and their application in the chemical synthesis of precursors of Tn antigen
Zhang et al. Study of carbohydrate–carbohydrate interactions: total synthesis of 6d-deoxy Lewisx pentaosyl glycosphingolipid
Gu et al. Synthesis of a hexasaccharide that relates to the arabinogalactan epitope
Macindoe et al. Stereoselective synthesis of a blood group A type glycopeptide present in human blood mucin
Tamura et al. Synthetic Studies of Glycosyl Serines in the Carbohydrate‐Protein Region of Protoglycans

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211001

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7198482

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150