JP7197317B2 - 建物用機器制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、建物用機器制御システムに関する。
家庭で使用する電気の節約や、電気の効率的な利用を行わせるものとしてHEMS(Home Energy Management System)などの建物用機器制御システムが知られている。この建物用機器制御システムでは、空調装置、給湯装置、太陽光発電装置、蓄電装置といった住宅用機器の電力消費量や、発電量や充放電量などをモニタしたり、自動制御したりする。
また、この建物用機器制御システムは、各住宅に設置された制御装置と管理サーバとが通信ネットワークを介して接続され、管理サーバでは、各住宅から送られてくるデータに基づいて、住宅毎に独立した運転計画を作成し制御装置に送信するようになっている。
なお、上述のような建物用機器制御システムとしては、下記の特許文献1、特許文献2に記載のものなどが知られている。
特許文献1には、ヒートポンプ貯湯式給湯機の制御に関して、ヒートポンプ貯湯式給湯機と連係する建物内の電力需要を監視するHEMSコントローラを設けて、深夜時間帯に翌日の目標熱量を沸き上げるようにした給湯システムが記載されている。
また、特許文献2には、HEMSコントローラを備えたエネルギー管理システムが記載されている。このシステムは、電力消費量が増大して電力量が逼迫した状況になる場合や一時的に発電量が増大して電力の供給が過剰になる場合に、電力会社が集中管理システムに対して消費電力量の調整要求を送るものである。また、集中管理システムは、通信ネットワークを介して電力会社および各家庭に設置したHEMSコントローラと接続されており、電力会社からの要求に応じて各家庭に設置したHEMSコントローラを介して家庭内の機器を制御するようになっている。
特開2014-163640号公報 特開2014-120030号公報
ところで、上述の従来技術では、住宅毎に、住人が種々の設定が可能なリモコン装置が設けられ、このリモコン装置により、室温の設定や、各機器の作動開始時刻、作動停止時刻などの設定(タイマ設定)などを行うことができるようになっている。
そして、リモコン装置による設定によっては、制御装置による運転計画による運転が中止されたり、管理サーバによる運転計画の作成、配信が停止されたりすることがある。
従来、上述のように、一旦、管理サーバにおける運転計画の作成が停止されると、制御装置と管理サーバとの通信が停止されるため、その後、リモコン装置により運転計画の実施可能に設定変更がなされても、運転計画に基づく運転が停止される不具合があった。
本開示は、上記課題に着目してなされたもので、運転計画の作成、配信および運転計画に基づく運転を停止した後も、リモコン装置による設定変更に対応可能な建物用機器制御システムを提供することを目的とする。
本開示の建物用機器制御システムは、
建物に設けられた制御装置と、
前記制御装置により作動を制御される被制御機器と、
前記制御装置と通信可能に接続され、前記被制御機器の作動開始、作動停止、作動状態に関する運転計画を所定の間隔で作成し、かつ、作成した前記運転計画を前記制御装置に配信する管理サーバと、
前記制御装置と通信可能であり、前記被制御機器の作動開始、作動停止、作動状態の少なくともいずれかの設定が可能なリモコン装置と、
を備え、前記制御装置は、配信された運転計画に基づいて前記被制御機器の作動を制御する建物用機器制御システムである。
そして、前記管理サーバは、
前記リモコン装置による設定が、前記運転計画による制御を実行できない設定であるときには、前記運転計画の前記制御装置への配信を停止する配信停止処理を行い、
その後、前記リモコン装置による設定状態を確認する確認処理を所定の間隔で行い、
前記確認処理により、前記リモコン装置による設定が、前記運転計画に基づく制御を実行可能な設定に変更されたと判定したときには、前記配信停止処理を解除して前記運転計画の作成および配信を実行する運転計画配信処理を行う。
本開示の建物用機器制御システムは、運転計画の配信停止後も、所定の間隔でリモコン装置による設定状態の確認処理を実行するため、運転計画の作成が可能な設定変更があった場合には、運転計画の作成および運転計画の配信が可能である。したがって、リモコン装置による設定変更に対応して、制御装置による被制御機器の自動運転制御を再開できる。
実施の形態1の建物用機器制御システムの全体の概要を表した説明図である。 実施の形態1の建物用機器制御システムにおける管理サーバSvによる運転計画の作成手順を示すフローチャートである。 実施の形態1の建物用機器制御システムの動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態2の建物用機器制御システムの管理サーバSvにおけるWebフラグの設定処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2の建物用機器制御システムにおける管理サーバSvによる運転計画の作成手順を示すフローチャートである。 実施の形態2の建物用機器制御システムの動作例を示すタイムチャートである。
以下、本開示の建物用機器制御システムの実施形態について説明する。
図1は実施の形態1の建物用機器制御システムAの全体の概要を表した説明図である。
この実施の形態1の建物用機器制御システムAは、邸H1、邸H2、邸H3、・・に設置した各種機器を制御するためのシステムである。なお、以下の説明において、邸H1、H2、・・・のうちで、特定のものを指さない場合には、単に邸Hと表記する。
各邸Hには、制御装置HGWおよびこの制御装置HGWにより制御される被制御機器が設置されているが、この制御装置HGWおよび被制御機器は、邸H1に設置されたものを代表して説明する。なお、他の邸Hは、制御装置HGWが設置されている点では共通しているが、被制御機器については、邸H1と共通であってもよいし、共通していなくてもよい。
邸H1に設置された制御装置HGWは、CPU(central processing unit)やメモリを備え、プログラムを実行して機器の制御が可能ないわゆるマイクロコンピュータである。この制御装置HGWは、インターネットなどの通信ネットワークNWを介して直接もしくは間接的に管理サーバSvに接続されている。そして、制御装置HGWは、管理サーバSvから受信した運転計画や、各制御装置HGWおよび後述の制御部21,31,41,51が備えるプログラムに基づいて後述する各種住宅用の被制御機器の運転を制御するとともに、運転状態を監視する。なお、図示の例では、管理サーバSvとして複数のサーバSv1、Sv2から構成されたものを示しているが、その数は1であってもよいし、3以上であってもよい。
ここで、邸H1に設置されている住宅用の被制御機器について説明する。
邸H1には、実施の形態1の建物用機器制御システムAによる制御対象の住宅用の被制御機器として蓄電池2、給湯装置3、暖房装置4、空調装置5が設けられている。また、邸H1には、スマートメーターSmや情報分電盤Bが設置され、太陽光発電装置20によって生成した電力の売電や、商用電力の買電を行うといったコントロールや管理が行われる。
そして、上述した蓄電池2および各装置3~5は、制御装置HGWと通信可能に接続されている。また、制御装置HGWは、ルータRを経由して通信ネットワークNWに接続可能となっている。
蓄電池2は、太陽光発電装置20により発電した電力や、外部の商用電力を充電し、充電した電力を適宜放電して邸H1において使用する。そこで、蓄電池2は、充電や放電といった動作を行うための各種デバイスと、これらを制御するCPU(central processing unit)などの制御部21を備える。また、制御部21には、制御プログラムや、デフォルトの設定を含めた各種の情報を記憶する記憶部(不図示)を備える。
そして、制御部21は、制御装置HGWとの通信(指令など)によって蓄電池2用に設定された運転計画やデフォルトの設定に基づいて充電、放電を行うように制御する。
なお、デフォルトの設定とは、例えば、工場出荷時に設定された初期設定の運転モードや、複数の運転モードの中から利用者が選択した運転モード(例えば経済性優先モード)の充電時間帯、放電時間帯の開始および終了時刻の設定である。また、運転モードとして、例えば、自立率優先モード、経済性優先モード、出力抑制機能、停電情報対応といった現在備えているモードや将来的に付加を予定している機能を有する。さらに、制御部21は、蓄電池2の運転状況を示す信号を制御装置HGWに対して出力し、かつ、定期的もしくはその都度新しい運転計画を取得するように構成されている。
給湯装置3は、ヒートポンプを利用した省エネ効果の高い給湯設備であり、湯の沸き上げや貯湯を行う。そこで、給湯装置3は、湯の沸き上げや給湯に使用する機器を制御するCPUなどの演算手段や、制御プログラム、デフォルトの運転モードを含む各種の情報を記憶する記憶部(不図示)を含む制御部31を備えている。
そして、制御部31は、制御装置HGWとの通信によって得られた給湯装置3用に設定された運転計画やデフォルトの設定に基づいて湯の沸き上げや貯湯を行う。なお、デフォルトの設定とは、例えば、利用者が決めた湯沸かしの開始時刻などの設定である。また、運転状況を制御装置HGWに対して出力し、定期的もしくはその都度新しい運転計画を取得する。
例えば、制御部31は、運転計画に基づいて、太陽光発電や蓄電池2の余剰電力をできるだけ活用して日中に湯を沸かし、余剰電力だけでは足りない分を深夜に沸かすよう給湯装置3を制御する。このような運転計画では、深夜よりも気温が高い日中に沸かすことで運転効率が高く、また保温時間短縮により省エネも図ることができる。また、雨天など余剰電力が少ない日には深夜にできるだけ湯を沸き上げるといった気象条件などに基づく運転計画によって制御が行われる。
また、制御部31は、給湯装置3の運転状況を制御装置HGWに対して出力し、定期的もしくはその都度新しい運転計画を取得する。
空調機器の一つである暖房装置4は、本実施例では床下もしくは室内に配置した放熱器によって室内を暖房する装置として形成されている。例えば、一階フロアの床下に、室外機に接続した放熱器を設置することで、床下暖房として機能させるものがある。また、一階フロアの床下に配置した放熱器と、2階フロアの各室内に配置した放熱器によって邸内を暖房するものがある。
暖房装置4に設けられた制御部41は、制御装置HGWとの通信によって得られた暖房装置4用に設定された運転計画やデフォルトの設定に基づいて暖房を行う。デフォルトの設定とは、例えば、工場出荷時に設定された初期設定の運転モードや、利用者が生活スタイル(起床時間、不在時間)や希望する電力料金に合わせて設定する運転開始時刻及び運転終了時刻などのタイマ設定である。なお、工場出荷時に設定された運転モードでは、深夜電力を利用し、建物の床下、躯体、室内を冷暖房する運転を行う。
また、運転計画に基づく自動制御では、例えば翌日の天気予報情報の外気温予測値と利用者による入力スケジュールを基に、利用者の起床時刻に設定温度の環境に到達するように深夜キープ運転の停止可能時間を判断するような制御が行われる。これは、毎日の生活に合わせた省エネ運転が目的であり、外気温が高めの日は停止時間を長く、低い日は停止時間を短くするような制御が行われる。また、消費電力情報などから、日による入室時刻の違いを明らかにし、入室時刻が早い場合にも利用者の快適性を確保できる制御等も実施可能である。また、電力単価も考慮した運転も可能である。
空調装置5は、室内の暖房や冷房を行う所謂エアコンとして機能する空調機器であり、快適性を保ちながら深夜の運転を最適化することで省エネ効果を発揮する機器である。
この空調装置5に設けられた制御部51は、制御装置HGWとの通信によって得られた空調装置5用に設定された運転計画やデフォルトの設定に基づいて冷暖房を行う。このデフォルトの設定は、例えば、工場出荷時の初期設定や、利用者が生活スタイル(起床時間、不在時間)や希望する電力料金に合わせて設定する運転開始時刻及び運転終了時刻などのタイマ設定である。
また、翌日の天気予報情報の外気温予測値と邸Hの住人の生活スケジュールを基に作成した運転計画に基づく自動制御では、暖房の場合は、深夜キープ運転時間において、利用者の起床時刻に設定温度の環境に到達する条件で深夜キープ運転よりも消費電力の少ない弱運転(省エネキープ)が可能な時間を判断し、効率的な弱運転の時間を設定することで毎日の生活に合わせた省エネ運転が行われる。また、運転計画の一例として、外気温が高めの日は省エネキープ時間を長く、低い日は省エネキープ時間を短くするようなことが行われる。
一方、運転計画による冷房の場合、深夜の除湿運転時間のうち、起床時刻に設定湿度の環境に到達する条件で、深夜除湿運転よりも弱運転(省エネキープ)が可能な時間を判断し、効率的な弱運転の時間を設定することで毎日の生活に合わせた省エネ運転を行う。
また、人感センサーや消費電力情報などから日による入室時刻の違いを明らかにし、入室時刻が早い場にも快適性を確保できる等の快適性の向上をねらった制御も可能となっている。さらに、電力単価を考慮した運転計画を策定し実施することも可能である。
リモコン装置6は、壁リモコン61、Webリモコン62を有する。壁リモコン61は、邸Hの室内の壁に設置され、被制御機器の運転の設定を行うとともに、その運転状態や運転計画を画面により確認することができる。Webリモコン62は、制御装置HGWに設定情報等を通信可能であるとともに、制御装置HGWを介してあるいは直接通信ネットワークNWに接続して管理サーバSvと設定情報の通信が可能となっている。このWebリモコン62は、建物用機器制御システムAの専用のものを用いてもよいが、既存のパーソナルコンピュータや携帯端末などにアプリケーションをダウンロードして用いることができる。
上述した蓄電池2、給湯装置3、暖房装置4、空調装置5等は、制御装置HGWによって制御される被制御機器として機能するものであり、制御装置HGWとの間で運転計画や運転状況等の各種情報を受信もしくは送信するようになっている。制御装置HGWは、HEMS端末とも称されるものであり、通信ネットワークNWに接続したルータRを経由して管理サーバSvと通信するように構成されている。制御装置HGWは、CPUなどの演算手段、制御装置HGW自体の制御プログラム、各種の情報を記憶する記憶手段を有しており、リモコン装置6を使用して各種の設定や制御を行うようになっている。
ここで、管理サーバSvおよび運転計画について簡単に説明する。
管理サーバSvは、各邸Hの各電力負荷の消費電力や、邸Hの住人の生活スケジュールや入力データ等の種々の検出情報を受け取るとともに、気象情報(天気予報データ、外気温など)を受け取る。そして、管理サーバSvは、邸Hごとに、各電力負荷の消費電力を気象情報に関連付けて履歴として保存する。
さらに、管理サーバSvは、天気予報データなどに基づいて、例えば、翌日などの未来の所定の時間帯毎の消費電力を予測し、この消費電力の予測に基づいて、邸Hごとに、最適の運転計画を作成し、制御装置HGWに出力する。この運転計画は、一定期間(例えば、24時間)における一定時間間隔(例えば、30分毎)の被制御機器(蓄電池2および各装置3~5)の運転状態を指定する。ここで、前述のように、運転計画は、深夜に、深夜電力による省エネ運転を行って起床時刻に室内を所定の環境温度とするとともに、給湯装置3に所望の蓄熱を行う運転計画を主としている。
なお、各邸Hからの管理サーバSvへの情報の出力は、毎日予め設定された時刻(例えば、午前10時)に行われる。また、管理サーバSvから各邸Hへの運転計画の出力も、毎日予め設定された時刻(例えば、15時)に行われる。
次に、リモコン装置6の操作に対応して管理サーバSvにおける運転計画の作成、配信およびこの作成、配信の停止について説明を加える。
上述のように、リモコン装置6を用いて、被制御機器(蓄電池2や各装置3~5)ごとに、動作モードやタイマ設定などの設定が可能となっている。そのため、設定状態によっては、運転計画の実行ができない設定状態が存在する。
ここで、運転計画の実行ができない場合というのは、例えば、暖房装置4や空調装置5にあっては、暖房または冷房時に省エネ運転をするために除湿モードに設定されていた場合がある。あるいは、タイマ設定を書き換え、手動で連続運転に設定されている場合がある。これらの場合には、運転計画の実行ができない、すなわち、運転計画実行条件が非成立とする。
また、タイマ設定による制限としては、省エネ効果が得られないようなタイマ設定が成された場合がある。ここで説明を加えると、運転計画では、深夜時間帯における運転モードを設定する。また、運転計画では、朝の起床時刻には快適な室温になるよう、起床時刻の設定時間前には省エネ運転から元の運転に戻す時刻が決まっている。
これに対して、住人がリモコン装置6によるタイマ設定により、上記のような深夜の所定時間帯の省エネ運転や、所定時刻の省エネ運転の終了などの実行不能となる場合、省エネ効果が無いとして、運転計画条件非成立として、自動制御を行わない。
また、蓄電池2にあっては、運転計画が実行できない場合として、待機モード(充放電を行わないモード)や、非常時安心モード(停電時には放電するが通常時は放電しない)や、手動での充電または放電モードに設定されている場合などがある。このような場合も、運転計画実行条件非成立とする。
次に、上述の管理サーバSvによる運転計画の作成手順を図2のフローチャートに基づいて説明する。
この管理サーバSvにおける運転計画の作成は、Webリモコン62による制御許諾オン操作を受けて開始される。すなわち、Webリモコン62の制御許諾オン操作により、図2に示す制御フローをスタートする。
そして、運転計画作成制御の開始後の最初のステップS101では、データの読み込みを行う。このデータには、各邸Hの制御装置HGWから送られてくるデータの他に、天気予報データなどの気象データが含まれる。
次のステップS102では、運転計画実行条件が成立しているか否かを判定し、運転実行条件が成立していれば、ステップS103に進み、運転計画実行条件が成立していなければ、すなわち、運転計画実行条件非成立でステップS105に進む。なお、運転計画実行条件の成立か否かは、上述のように、リモコン装置6によるタイマ設定や、運転モード設定などに基づく。
次のステップS103では、運転計画の作成を行う。この運転計画としては、前述のように、深夜時間帯における暖房装置4、空調装置5の運転や給湯装置3の運転が含まれる。そして、ステップS103に続くステップS104では、所定の時刻に、対象となる邸Hに、運転計画の配信を行う。
一方、ステップS102において、運転計画実行条件の非成立時に進むステップS105では、運転計画の作成および配信を停止する。さらに、ステップS105に続くステップS106では、リモコン装置6による設定条件の変更の有無を確認する。なお、この設定条件の変更の有無は、運転計画の作成および配信の停止後、所定の時間が経過するたびに行うもので、例えば、毎日所定時刻に実行する。そして、好ましくは、運転計画の配信時刻以前の時刻に行う。
次のステップS107では、ステップS106において新たに読み込んだリモコン装置6の設定条件が、運転計画の実行が可能な設定状態であるか(運転計画実行条件成立か)否か判定する。そして、運転計画の実行ができない設定状態の場合は、ステップS105に戻り、運転計画の作成および配信の停止状態を維持する。
一方、ステップS107において、運転計画の実行が可能な設定状態の場合は、ステップS101に戻る。したがって、この場合は、新たに設定状態を読み込み、当然、ステップS102では、運転計画の作成が可能な設定状態であるから、ステップS103、S104の処理に進んで、運転計画の作成と配信とを行う。また、上述のように、設定条件の変更の有無を、運転計画の配信時刻の前に行うことで、設定変更が行われた当日に運転計画を作成して配信することが可能である。
次に、実施の形態1の作用を、図3のタイムチャートに基づいて説明する。このタイムチャートは、Webリモコン62の制御許諾オン操作により運転計画の作成、配信を開始後に、壁リモコン61により運転計画を実行できない設定に変更され、その後、壁リモコン61により運転計画を実行可能な設定に変更された場合の動作を示す。
このタイムチャートでは、t00の時点では、制御許諾オン操作が成されておらず、被制御機器(蓄電池2および各装置3~5)に対する自動制御は停止(オフ)となっている。その後、t11の時点で、Webリモコン62により制御許諾オン操作が成され、管理サーバSvにその信号が入力されると、図2に示す運転計画処理を開始する。なお、このt11時点では、リモコン装置6による設定状態は、運転計画の実行が可能な設定状態とする。
この場合、管理サーバSvは、翌日の運転計画を作成し配信する(ステップS103、S104)。したがって、制御装置HGWは、運転計画に沿った自動制御の開始時刻までは、自動制御の実行を待機し(オン・待機状態)、運転計画の実行を開始する時刻(t12の時点)から、自動運転制御を開始し(オン・制御中)、毎日、運転計画に基づく自動運転を実行する。
この図3に示す例では、その後のt13の時点で、壁リモコン61により、例えば、タイマ設定などが運転計画の実行ができない設定状態に操作された場合を示している。この場合、運転計画実行条件が非成立となり(ステップS102)、運転計画の作成および配信を停止する(ステップS105)。したがって、被制御機器(蓄電池2および各装置3~5)に対する運転計画に基づく自動制御を停止する(オフ状態)。
この自動制御を停止したオフ状態では、所定の間隔で、リモコン設定状態の確認(ステップS106)および運転計画の実行が可能な設定状態であるか否かの判定を行う(ステップS107)。
そして、図3のタイムチャートでは、t14の時点で、壁リモコン61の操作が行われ、運転計画の実行が可能な設定状態に変更された場合を示している。この場合、リモコン設定状態の確認(ステップS106)および運転計画の実行が可能な設定状態であるか否かの判定(ステップS107)に基づいて、運転計画実行条件成立と判定する。
これにより、制御装置HGWでは、運転計画に基づく自動制御を開始可能な状態(オン・待機状態)とし、運転計画の配信後に、運転計画を実行可能な状態とする。
また、管理サーバSvでは、新たにデータを読み込み(ステップS101)、このデータに基づいて、運転計画を作成し(ステップS103)、運転計画の配信を行う(ステップS104)。
したがって、制御装置HGWでは、運転計画に基づく自動制御の開始時刻となったt16の時点から、被制御機器(蓄電池2および各装置3~5)の自動制御を開始する。したがって、以後は、毎日、運転計画に基づく自動制御を実行する(オン・制御中)。
以下に、実施の形態1の効果を列挙する。
(1)実施の形態の1建物用機器制御システムは、
邸Hに設けられた制御装置HGWと、
制御装置HGWにより作動を制御される被制御機器(蓄電池2および各装置3~5)と、
制御装置HGWと通信可能に接続され、被制御機器(蓄電池2および各装置3~5)の作動開始、作動停止、作動状態に関する運転計画を所定の間隔で作成し、かつ、作成した前記運転計画を制御装置HGWに配信する管理サーバSvと、
制御装置HGWに通信可能であり、被制御機器(蓄電池2および各装置3~5)の作動開始、作動停止、作動状態の少なくともいずれかの設定が可能なリモコン装置6と、
を備え、制御装置HGWは、配信された運転計画に基づいて被制御機器の作動を制御する。
また、管理サーバSvは、リモコン装置6による設定が、運転計画による制御を実行できない設定であるときには、運転計画の制御装置HGWへの配信を停止するステップS105の配信停止処理を行う。さらに、その後、リモコン装置6による設定状態を確認するステップS106、S107の確認処理を所定の間隔で行い、確認処理により、リモコン装置6による設定が、運転計画に基づく制御を実行可能な設定に変更されたと判定したときには、ステップS105による配信停止処理を解除して、ステップS103、S104による運転計画の作成および配信を実行する運転計画配信処理を行う。
このように、管理サーバSvは、リモコン装置6の設定により、運転計画の実行(運転計画の作成と配信)を停止した後も、所定の間隔でリモコン装置6による設定状態の確認処理を実行し、リモコン装置6により運転計画の実行が可能な設定変更があった場合には、運転計画の作成および配信を再開する。よって、運転計画の配信を一旦停止し、運転計画の実行を停止した後であっても、リモコン装置6による設定変更に対応して、制御装置HGWによる被制御機器(蓄電池2および各装置3~5)の自動運転制御を再開できる。
(2)実施の形態1の建物用機器制御システムは、
リモコン装置6として、制御装置HGWに接続された壁リモコン61と、管理サーバSvに通信ネットワークNWを介して通信可能なWebリモコン62とを備え、
管理サーバSvは、
Webリモコン62による制御許諾オン操作を受けて運転計画の作成および配信を開始し、
かつ、Webリモコン62の制御許諾オン操作により運転計画の作成および配信の実行中に、壁リモコン61により運転計画に基づく制御を実行できない設定が成されたときに、ステップS105の配信停止処理を行い、ステップS106、S107の確認処理により、壁リモコン61により運転計画に基づく制御を実行可能な設定に変更されたことが確認された場合に、ステップS103、S104の運転計画実行処理を行う。
このように、管理サーバSvに通信ネットワークNWを介して通信可能なWebリモコン62による制御開始指示としての制御許諾オンにより、管理サーバSvは、運転計画の作成および配信を開始する。したがって、運転計画の配信および停止を、邸H内に設置された壁リモコン61からの制御装置HGWを介した伝達系とは独立して設定することができる。これにより、邸H内の制御装置HGWを介した伝達系のみにより制御開始を設定するものと比較して、利便性が向上する。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
この実施の形態2は、実施の形態1の変形例であり、Webリモコン62による制御許諾オン操作、制御オフ操作(制御停止操作)を優先して運転計画に基づく自動制御を実行するようにした例である。
実施の形態2では、管理サーバSvでは、Webリモコン62の操作に応じたWebフラグの設定を行う。図4は、管理サーバSvにおけるWebフラグの設定処理の流れを示している。
このWebフラグの設定処理は、Webリモコン62の操作が行われと、その度に、管理サーバSvに操作に基づく信号が入力されて処理を実行する。なお、Webリモコン62の操作としては、自動制御を実行させるための所定のスイッチを投入する制御許諾オン操作と、自動制御を停止させるための所定のスイッチを投入する制御オフ操作とがある。
ステップS201では、Webリモコン62の操作が、制御許諾オン操作か否か判定し、制御許諾オン操作の場合は、ステップS202に進んで、Webオフフラグを「0」とする。一方、非制御許諾オン操作の場合、すなわち、制御オフ操作の場合は、ステップS203に進んで、Webオフフラグを「1」とする。このWebオフフラグは、次のWebリモコン62による操作が行われるまで維持する。なお、Webオフフラグは、Webリモコン62により、最初に自動制御を開始するための制御許諾オン操作が成されて、運転計画の作成を開始した時点(図5のフローのスタートの時点)で、「0」に設定する。
また、住人が、Webリモコン62により制御オフ操作を行う場合というのは、例えば、旅行などで、住人が不在となる場合や、あるいは、住人が、自身の生活パターンなどに基づいて、空調などの自動制御を実行したくない場合などがある。
次に、図5のフローチャートに基づいて、実施の形態2の運転計画の作成手順について説明する。なお、この図5の説明において、実施の形態1と共通する処理を行うステップについては、図2に示した実施の形態1と同じステップ符号を付けて説明を省略し、実施の形態1との相違点を説明する。
データ読み込みを行うステップS101を行った後に進むステップS101bでは、Webオフフラグが「0」であるか否か判定する。そして、Webオフフラグが「0」の場合は、ステップS102に進んで、運転計画実行条件の成立を判定する。一方、Webオフフラグが「0」ではない場合、すなわち、「1」の場合は、ステップS105に進んで、運転計画の作成および配信を停止する。なお、この場合、仮に、壁リモコン61の設定が、運転計画設定条件を満たしていても、Webオフフラグが「1」である限り、運転計画の作成および配信の停止を継続する。
次に、実施の形態2の作用を、図6のタイムチャートに基づいて説明する。
なお、このタイムチャートは、基本的には、図3に示した実施の形態1と同様の動作により、運転計画の作成および配信を行っている途中で、実施の形態1と異なり、Webリモコン62により制御オフ操作を行った場合の動作例を示している。
このタイムチャートでは、まず、t00の時点では、Webリモコン62による制御許諾オン操作が成されておらず、被制御機器(蓄電池2および各装置3~5)に対する自動制御は停止(オフ)となっている。
その後、t21の時点で、Webリモコン62により制御許諾オン操作が成され、管理サーバSvにその信号が入力されると、運転計画作成の処理を開始する(スタート)。なお、この処理の開始移転の初期設定では、Webオフフラグは「0」となっている。
また、このとき壁リモコン61の設定状態は、実施の形態1と同様に運転計画の実行が可能な設定状態、すなわち、運転計画実行条件が成立する状態であり、運転計画の作成(S103)および運転計画の配信(S104)を行う。
したがって、Webリモコン62により制御許諾オン操作が成されたt21の時点から、制御装置HGWは、オン・待機状態となり、その後、運転計画に基づく自動制御の開始時刻のt22の時点から自動制御を開始する(オン・制御中)。以後、運転計画の作成および配信と、配信された運転計画に基づく自動制御を毎日実行する。
この図6に示すタイムチャートでは、その後のt23の時点で、Webリモコン62により、制御オフ操作が成された例を示している。この場合、Webオフフラグが「1」に設定され、以後、運転計画の作成および配信を停止する(S101b、S105)。したがって、被制御機器(蓄電池2および各装置3~5)に対する自動制御を停止した「オフ状態」とする。
この「オフ状態」では、所定の時間の間隔で、運転計画の作成が可能な設定状態であるか否かを確認する設定状態の再確認を行う(S106)。この図6のタイムチャートでは、t24の時点で、壁リモコン61による設定状態は、運転計画の作成が可能な設定状態となっている。
しかしながら、この場合は、Webオフフラグは「1」のままであるため、自動制御を停止したオフ状態を維持する。このように、実施の形態2では、Webリモコン62による自動制御のオフ状態は、邸Hの住人の意図によるオフであることが明白であるため、それを優先する。
以下に、実施の形態2の効果を列挙する。
(2-1)実施の形態1の建物用機器制御システムは、
リモコン装置6として、制御装置HGWに接続された壁リモコン61と、管理サーバSvに通信ネットワークNWを介して通信可能なWebリモコン62とを備え、
管理サーバSvは、
Webリモコン62による制御許諾オン操作を受けて運転計画の作成および配信を開始する一方、Webリモコン62による制御オフ操作が行われた場合にも、配信停止処理を実行し、
Webリモコン62の制御オフ操作によるステップS105の配信停止処理中は、壁リモコン61による設定が運転計画に基づく制御を実行可能な設定であっても、配信停止処理を継続し、次に、Webリモコン62により制御許諾オン操作が行われ、壁リモコン61による設定が運転計画に基づく制御を実行可能な運転計画実行条件が成立している場合に、配信停止処理を解除してステップS103、S104の運転計画実行処理を行う。
したがって、邸Hにおいて住人が不在になるなど、住人の操作により自動制御を停止した場合には、仮に、壁リモコン61の設定が、運転計画に基づく制御が可能な状態であっても、Webリモコン62の設定を優先し、自動制御の停止状態を維持する。このようにWebリモコン62の操作を優先することで、利便性が向上する。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計変更事項は本発明に含まれるものである。
実施の形態では、被制御機器として蓄電池2、給湯装置3、暖房装置4、空調装置5を示したが、被制御機器は、これらに限られるものではなく、これらの少なくとも1つであってもよいし、これら以外の建物に用いられる制御対象となる機器であってもよい。また、建物としても、実施の形態では、住宅(邸)を示したが、住宅以外の建物にも適用することができる。
また、実施の形態では、リモコン装置6は、第1のリモコン装置としての壁リモコン61と、第2のリモコン装置としてのWebリモコン62とを備えるものを示したが、これに限定されず、いずれか一方のみであってもよいし、あるいは、第1のリモコン装置、第2のリモコン装置を、それぞれ、複数備えていてもよい。
また、各邸Hからの管理サーバSvへの情報の出力を行う時刻や、管理サーバSvから各邸Hへの運転計画を出力する時刻や間隔も、実施の形態で示した時刻や間隔に限られず、任意に設定することができる。
また、実施の形態では、運転計画の配信を停止する際には、運転計画の作成も停止するようにしたが、運転計画の作成は行い配信のみを停止するようにしてもよい。
2 蓄電池(被制御機器)
3 給湯装置(被制御機器)
4 床下空調装置(被制御機器)
4 暖房装置(被制御機器)
5 空調装置(被制御機器)
6 リモコン装置
61 壁リモコン(第1のリモコン装置)
62 Webリモコン(第2のリモコン装置)
A 建物用機器制御システム
H 邸(建物)
HGW 制御装置
NW 通信ネットワーク
Sv 管理サーバ

Claims (1)

  1. 建物に設けられた制御装置と、
    前記制御装置により作動を制御される被制御機器と、
    前記制御装置と通信可能に接続され、前記被制御機器の作動開始、作動停止、作動状態を含む運転計画を所定の間隔で作成し、かつ、作成した前記運転計画を前記制御装置に配信する管理サーバと、
    前記制御装置と通信可能であり、前記被制御機器の作動開始、作動停止、作動状態の少なくともいずれかの設定が可能なリモコン装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記運転計画が配信された場合には配信された前記運転計画に基づいて前記被制御機器の作動を制御し、前記運転計画が配信されない場合にはデフォルトの設定にて前記被制御機器の作動を制御する建物用機器制御システムであって、
    前記運転計画は、気象情報に基づいて予測された前記建物における消費電力に基づいて、前記建物毎に作成され、
    前記リモコン装置として、前記制御装置に接続された第1のリモコン装置と、前記管理サーバに通信可能な第2のリモコン装置とを備え、
    前記管理サーバは、
    前記第2のリモコン装置による制御開始操作を受けて前記運転計画の作成および配信を開始し、
    前記第2のリモコン装置の前記制御開始操作を受けて前記運転計画の作成および配信の実行中において、前記第1のリモコン装置により前記運転計画に基づく制御を実行できない設定が成されたときに、前記運転計画の前記制御装置への配信を停止する配信停止処理を行い、
    その後、前記第1のリモコン装置による設定状態を確認する確認処理を所定の間隔で行い、かつ、前記確認処理により、前記第1のリモコン装置により前記運転計画に基づく制御を実行可能な設定に変更されたことが確認された場合に、前記配信停止処理を解除して前記運転計画の作成および配信を実行する運転計画配信処理を行い、
    前記管理サーバは、
    前記第2のリモコン装置による制御開始操作を受けて前記運転計画の作成および配信を開始する一方、前記第2のリモコン装置による制御停止操作が行われた場合にも、前記配信停止処理を実行し、
    前記第2のリモコン装置の前記制御停止操作による前記配信停止処理中は、前記第1のリモコン装置による設定が前記運転計画に基づく制御を実行可能な設定であっても、前記配信停止処理を継続し、次に、前記第2のリモコン装置により前記制御開始操作が行われ、前記第1のリモコン装置による設定が前記運転計画に基づく制御を実行可能な設定である場合に、前記配信停止処理を解除する
    建物用機器制御システム。
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