JP7194941B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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本発明は、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式を採用したプラズマ処理装置に関する。
近年、被処理物である基板の径がますます大きくなっていることに伴い、プラズマ処理装置の反応室(チャンバ)の径も大きくなっている(例えば450mm)。
特許文献1には、反応室を有する容器と、反応室内で被処理物を支持するステージと、容器の開口を塞ぐとともにステージと対向する誘電体部材と、反応室内で誘電体部材を覆うように設置されたカバーと、誘電体部材の反応室に対して外側に設置され、反応室内にプラズマを発生させる誘導コイルと、を備えたプラズマ処理装置が開示されている。
また特許文献1のプラズマ処理装置は、誘電体部材の反応室に対して外側の面に溝が形成されており、誘導コイルの少なくとも一部が、溝の中に配置されており、カバーの少なくともステージ側の表面が、窒化アルミニウムで形成された第1領域を有し、第1領域の少なくとも一部は、溝と対向するように構成することにより、誘導コイルからプラズマへ投入される高周波パワーの損失を低減し、かつ簡便な構造で優れたメンテナンス性を有するものである。
さらに特許文献1のプラズマ処理装置は、ガス供給源からプロセスガスを反応室内に導入するためのガス導入口が設けられ、カバーに設けられた複数のガス噴出口から反応室内に噴出されるように構成されている。
一方、特許文献2には、エッチングガスの過剰な解離を抑制することで良好なエッチング処理を実現するドライエッチング装置が開示されている。このドライエッチング装置は、基板と対向する真空容器の上部開口に配置され、その上面に誘電体板を支持する梁状スペーサを備える。キャリアガス供給源から供給されたキャリアガスは、外周部に形成された第1ガス導入口から斜め下向きに噴出される。エッチングガス供給源から供給されたエッチングガスは、中央部に形成された第2ガス導入口から下向きに噴出される。
特開2017-045671号公報 特開2007-150281号公報
しかしながら、特許文献1のプラズマ処理装置において、ガス噴出口が誘導コイルやファラデーシールド電極等の直下に配置されるため、高密度のプラズマに晒されてガス噴出口が摩耗したり、ガス噴出口の近傍で異常放電が発生したりして、安定した放電が得られない場合があった。
他方、特許文献2のドライエッチング装置は、キャリアガスが外周部に形成されたガス導入口から斜め下向きに噴出されるように構成されている。こうした、斜め下向きのガス導入口は、ドライエッチング装置のチャンバを工作機械のステージに設置して、ドリル穿孔することにより形成されるが、プラズマ処理装置の反応室の径が大きくなると(例えば400mm以上)、そもそも工作機械のステージにチャンバを設置することが極めて困難または不可能となっている。
そこで本発明に係る実施形態は、簡単な構成で、エッングガスを水平方向に対して下向きに噴出できるプラズマ処理装置を実現しようとするものである。
本発明に係る第1の態様は、プラズマ処理装置に関し、このプラズマ処理装置は、開口を有するチャンバと、前記チャンバの前記開口を覆うように設けられた誘電体部材と、前記誘電体部材の上方に設けられたコイルと、ガス導入口を含む本体流路を有し、前記チャンバと前記誘電体部材との間に配置されたガス分配部と、前記ガス分配部に固定された第1環状部材と、前記第1環状部材に固定された第2環状部材と、を備え、前記第1環状部材および前記第2環状部材が協働して、前記本体流路と連通する噴出流路を形成し、前記噴出流路は、ガス噴出口を含み、水平方向に対して下向きに傾斜して延びている。
本発明に係る第2の態様は、プラズマ処理装置に関し、このプラズマ処理装置は、開口を有するチャンバと、前記チャンバの前記開口を覆うように設けられた誘電体部材と、前記誘電体部材の上方に設けられたコイルと、ガス導入口を含む本体流路を有し、前記チャンバと前記誘電体部材との間に配置されたガス分配部と、前記ガス分配部に固定された環状部材と、前記誘電体部材と前記環状部材との間に配置されたカバー部材と、を備え、前記環状部材は、ガス噴出口を含み、水平方向に対して下向きに傾斜して延びる噴出流路を有し、前記本体流路は、前記誘電体部材と前記ガス分配部との間に形成された第1流路、および前記ガス分配部と前記カバー部材との間に形成された第2流路を介して、前記噴出流路と連通している。
本発明に係る態様によれば、簡便な構成で、チャンバ内にプロセスガスを水平方向に対して下向きに噴出できるプラズマ処理装置を提供することができる。
本発明に係るプラズマ処理装置の全体的構成を示す垂直断面図である。 誘導コイルの一例を示す平面図である。 実施形態に係るガス分配部、誘電体部材、第1環状部材、第2環状部材およびカバー部材の構成を示す、図1の拡大断面図である。 (a)は、第1環状部材の平面図であり、(b)は、第1環状部材の端面図であり、(c)は、(b)の周縁部を拡大した拡大端面図である。 (a)は、第2環状部材の平面図であり、(b)は、第2環状部材の端面図であり、(c)は、(b)の周縁部を拡大した拡大端面図である。 実施形態の変形例に係るガス分配部、誘電体部材、および環状部材の構成を示す、図3と同様の拡大断面図である。
添付図面を参照して本発明に係るプラズマ処理装置の実施形態について以下説明する。実施形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「垂直」、「水平」および「左右」等)を適宜用いるが、これらの用語は図中の方向を説明するためのものであって、本発明を限定するものでない。なお各図面において、プラズマ処理装置の各構成部品の形状または特徴を明確にするため、これらの寸法を相対的なものとして図示し、必ずしも同一の縮尺比で表したものではない。また、各図面において同一の構成部品には同一の符号を用いて示す。
[ドライエッチング装置の全体構成]
図1に、本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置である誘導結合プラズマ(ICP)型のドライエッチング装置1の構成を示す鉛直断面図である。ドライエッチング装置1は、概略、上方に開口した略円筒形状を有するチャンバ10(反応室ともいう)と、チャンバ10の開口を覆うように設けられた誘電体部材40と、誘電体部材40の上方に配置された誘導コイル55と、チャンバ10に対向するカバー部材70と、誘電体部材40とカバー部材70との間に配置されたFS電極板80(FS:ファラデーシールド)と、を備える。
(チャンバ)
チャンバ10は、誘電体部材40が開口を覆うことにより密閉することができる。またチャンバ10は、詳細については後述するが、ガス供給源からプラズマの原料ガス(プロセスガス)をチャンバ10内に導入するためのガス導入口12と、チャンバ10内に原料ガスをガス噴出口14とを有する。さらにチャンバ10は、チャンバ10内のガスを外部に排出するガス排出口(図示せず)を有する。チャンバ10は、減圧ポンプ(図示せず)を用いて、内部のガスを排気することにより、減圧状態に維持することができる。
チャンバ10は、基板Sを搬入および搬出するためのゲート(図示せず)を有する。またチャンバ10の内部には、ステージ16が配置され、基板S(被処理物)は、ステージ16上に載置され、静電吸着機構またはメカニカルクランプ(図示せず)を用いて保持される。ステージ16は、下部電極18を内蔵しており、下部電極18にバイアス電圧を印加して、チャンバ10内で形成されたプラズマに含まれるイオン等の荷電粒子を加速して、プラズマに含まれるラジカルとともに、下部電極18(基板S)に向けて衝突させることにより、基板Sに積層されたレジスト層、配線層、および半導体層等をドライエッチングすることができる。
なお、チャンバ10は、好ましくはアルミニウムもしくはステンレス鋼(SUS)等の十分な剛性を有する金属材料、または表面をアルマイト加工したアルミニウムを用いて構成されるが、これに限定されるものではない。
(誘電体部材)
誘電体部材40は、チャンバ10の開口に沿った円形形状を有する絶縁板である。誘電体部材40は、チャンバ10の開口を塞ぐように配置されると、チャンバ10を密閉することができる。誘電体部材40は、図1に示すように平坦な両面を有するが、これに限定されない。例えば誘導コイル55の周縁部に対応する位置において、誘電体部材40に環状溝(図示せず)を設けてもよい。また誘導コイル55の周縁部をチャンバ10により近づけるために、誘電体部材40に環状溝に配置してもよい。こうして誘導コイル55の周縁部に対応するチャンバ10の原料ガスを、より効率的に(電力損失を抑制して)プラズマ化することができる。
なお、誘電体部材40は、例えば石英(SiO)、酸化イットリウム(Y)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)等の誘電体材料を用いて形成してもよい。また誘電体部材40の厚みは、例えば35mmであってもよい。
(誘導コイル)
誘導コイル55は、誘電体部材40の上方に配置され、その両端にはICP高周波電圧(周波数は例えば13.56MHz)を印加する第1高周波電源57が接続されている。誘導コイル55は、3次元的な螺旋形状を有する。図2は、誘導コイル55の一例を示す平面図である。図2の誘導コイル55は、中心から外周側に向けて螺旋状に延びる4本の導体により形成されている。導体は、例えば、リボン状の金属板であってもよいし、金属線であってもよい。誘導コイル55は、チャンバ10の開口の中心に向かって、誘電体部材からの距離が増加するように螺旋状に構成される。
螺旋形状を有する誘導コイル55は、チャンバ10内の誘電体部材40に隣接した上部において、外周部のプラズマ密度が中心付近のプラズマ密度より高い分布(ドーナツ状分布)を有するプラズマを生成し、さらに基板Sの表面においては、面内均一性の良好なプラズマを生成するので、基板Sを均一にプラズマ処理することができる。
(カバー部材)
本発明に係るカバー部材70は、同様に円形形状を有する絶縁板であり、チャンバ10に対向するように配置されるが、前掲特許文献1に記載のカバー部材とは異なり、ガス噴出孔を備えていない。すなわちカバー部材70は、ガス噴出孔を設けるためではないが、エッチングされた基板の配線層から飛散した金属物質等の不揮発性物質が直接、誘電体部材40に付着することを防止するための防着板として設けられている。
なお、カバー部材70は、石英(SiO)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化イットリウム(Y)、およびアルミナ(Al)等の誘電体材料を用いて形成してもよい。
(FS電極板)
FS電極板80(FS:ファラデーシールド)は、誘電体部材40とカバー部材70との間に配置され、FS高周波電圧(周波数は例えば2MHz)を印加する第2高周波電源42が接続されている。FS電極板80にFS高周波電圧を印加することにより、FS電極板80とチャンバ10内のプラズマとの間にバイアス電圧を形成する。プラズマによりエッチングされた基板Sの配線層から飛散した金属物質等の不揮発性物質がカバー部材70に付着することがあるが、FS電極板80のバイアス電圧で加速されたプラズマ化されたイオン等の荷電粒子がカバー部材70に付着した不揮発性物質に衝突して物理的に除去することができる。
(流路構成)
次に、プラズマのプロセスガス(原料ガス)をガス導入口12からガス噴出口14に至るまで案内する複数の流路と、これらを構成する各構成部品について以下説明する。図3は、実施形態に係るガス分配部20、誘電体部材40、第1環状部材50、第2環状部材60およびカバー部材70の構成を示す、図1の拡大断面図である。図4(a)は、第1環状部材50の平面図であり、図4(b)は、第1環状部材50の端面図であり、図4(c)は、図4(b)の周縁部を拡大した拡大端面図である。同様に、図5(a)は、第2環状部材60の平面図であり、図5(b)は、第2環状部材60の端面図であり、図5(c)は、図5(b)の周縁部を拡大した拡大端面図である。
ガス分配部20は、図3に示すように、チャンバ10の開口端部15と誘電体部材40との間に配置され、ガス分配部20の外周面に設けられた少なくとも1つの(好適には周方向に4つの)ガス導入口12を含む本体流路22を有する。第1環状部材50は、第1ねじ52を用いて、その周縁部の等角度位置(例えば10カ所)でガス分配部20に固定(螺合)される。図4(a)~(c)では第1ねじ52に螺合する第1ねじ孔54を示す。一方、第2環状部材60は、第2ねじ61を用いて、その周縁部の等角度位置(例えば8カ所)で第1環状部材50にねじ止め固定されている。図中、第2ねじ61に螺合する第2ねじ孔64を示す。
なお、第1環状部材50および第2環状部材60の構成材料としては、チャンバ10と同様、アルミニウムもしくはステンレス鋼(SUS)等の十分な剛性を有する金属材料、または表面をアルマイト加工したアルミニウムを用いて構成されるが、これに限定されるものではない。
(本体流路/ガス分配部)
本体流路22は、ガス分配部20のガス導入口12から半径方向内側に向かって延び、さらに曲折してガス分配部20の上面24まで貫通するように構成されている。ガス分配部20は、上面24に上面凹部25を有し、上面凹部25には周方向に延びる上面Oリング26が収容され、ボルト等の固定部材(図示せず)を用いてガス分配部20と誘電体部材40が固定(ねじ止め)されたとき、本体流路22内のプロセスガスが、ガス分配部20と誘電体部材40との間の隙間を介して外部に漏れ出さないように構成されている。同様に、ガス分配部20は、下面27に下面凹部28を有し、下面凹部28には周方向に延びる下面Oリング29が収容され、ガス分配部20とチャンバ10が固定されたとき、チャンバ10内のプロセスガスが、ガス分配部20および第1環状部材50とチャンバ10との間の隙間を介して外部に漏れ出さないように構成されている。すなわち上面Oリング26および下面Oリング29は、チャンバ10を封止する機能を有する。
(第1流路および環状流路/ガス分配部および誘電体部材)
ガス分配部20は、その上面24と、誘電体部材40の平坦な下面44との間において、半径方向に延びる第1流路30を形成する。第1流路30は、本体流路22と流体連通している。またガス分配部20は、周方向に連続して延びる環状溝部32を有し、同様に誘電体部材40の平坦な下面44と環状溝部32との間に環状流路34を形成する。環状流路34は、第1流路30と流体連通している。なお本願では、本体流路22と環状流路34とを流体連通させる第1流路30の一部を上流部31といい、環状流路34と第2流路38(後述)とを流体連通させる第1流路30の一部を下流部33という。
ガス分配部20は、第1流路30と環状溝部32の代わりに、上面24に段差部(図示せず)を有するものであってもよい。すなわち、ガス分配部20の上面24は、本体流路22の曲折する部分より半径方向外側(図3の左側)において、誘電体部材40の下面44と面一に密着するのに対し、本体流路22より半径方向内側(図3の右側)においては、誘電体部材40の下面44とは離間するように段差部を設けてもよい。この場合、第1流路30と環状流路34は、一体のものとして周方向に連続して延びるように構成される。
(第2流路/ガス分配部およびカバー部材)
図3に示すように、ガス分配部20の内径は、カバー部材70の外径より大きくなるように設計され、ガス分配部20の内周面36とカバー部材70の外周面72との間に第2流路38が形成される。図3に示す第2流路38は、略鉛直方向に延びるように形成されているが、これに限定されず、ガス分配部20の内周面36およびカバー部材70の外周面72は、水平方向に対して傾斜するように形成してもよい。第2流路38は、第1流路30の下流部33と流体連通している。
(第3流路/カバー部材および第1環状部材ならびに第2環状部材)
カバー部材70の厚みは、誘電体部材40と第2環状部材60との間の距離より小さくなるように設計され、誘電体部材40とカバー部材70との間、およびカバー部材70と第2環状部材60との間に隙間が形成され、後者の隙間を第3流路62という。第3流路62は、第2流路38と流体連通している。
一方、第1環状部材50と第2環状部材60との間には、周方向に延びるOリング56が配置され、第2流路38を介して案内されたプロセスガスが、ガス分配部20と第1環状部材50との間の隙間を介して外部に漏れ出さないように構成されている。
同様に、第2環状部材60は、カバー部材70に対向するカバー凹部66を有し、カバー凹部66には周方向に延びるカバーOリング67が収容され、第3流路62を介して案内されたプロセスガスがカバーOリング67を超えてチャンバ10内に直接流れ込まないように、第3流路62がカバーOリング67によって封止されている。上面Oリング26、下面Oリング29、およびカバーOリング67の構成材料としては、使用時のチャンバ10の温度ならびに圧力およびプロセスガスの種類に基づいて最適な材料を選択すればよく、例えばパーフロゴム材料であってもよい。なお、カバーOリング67は、弾性を有するので、第3流路62を封止するとともに、その反発力によって誘電体部材40の下面44とカバー部材70とを密着させ、誘電体部材40とカバー部材70との間に隙間が形成されないように構成してもよい。
(第4流路/第2環状部材)
第2環状部材60をドリル穿孔して貫通孔を形成することにより、第3流路62と流体連通する複数の第4流路68を極めて容易に機械加工することができる。第4流路68は、第2環状部材60の等角度位置(例えば72カ所、図示せず)に形成されているが、より数少なくても、あるいはより数多くてもよい。ただし、チャンバ10内のプラズマ状態を均一に分布させるためには、第4流路68は、チャンバ10の中心に点対称に配置されることが好ましい。
(噴出流路/第1環状部材および第2環状部材)
第4流路68と流体連通する複数の噴出流路58は、図3に示すように、水平方向に対して下向きに傾斜して延びており、第1環状部材50および第2環状部材60が協働することにより形成される。例えば、第1環状部材50が第1傾斜面59を有し、第2環状部材60が第1傾斜面59に当接する第2傾斜面69を有するとき、噴出流路58は、第1傾斜面59および第2傾斜面69のうちの少なくとも一方に溝部を設けることにより形成される。
なお本願では、噴出流路58が水平方向に対して下向きに傾斜して延びる方向を傾斜方向といい、傾斜して延びる角度を傾斜角という。噴出流路58の傾斜角は、鋭角(直角より小さい角度)であり、後述のようにチャンバ10内のプラズマを均一に分布させるためには、25度±5度の角度であることが好ましい。
具体的には、第1傾斜面59に傾斜方向に延びる第1溝部(図示せず)を形成して、第1溝部に対向する第2傾斜面69との間で噴出流路58を形成してもよいし、あるいは第2傾斜面69に平行に延びる第2溝部(図示せず)を形成して、第2溝部に対向する第1傾斜面59との間で噴出流路58を形成してもよい。また、第1傾斜面59および第2傾斜面69の両方に互いに対向する第1溝部および第2溝部(ともに図示せず)を形成することにより、噴出流路58を形成してもよい。第1溝部および/または第2溝部の傾斜方向から見た断面は、半円形状、三角形状、および矩形形状を含む任意の形状であってもよい。
第2環状部材60の第4流路68と同様、噴出流路58のそれぞれは、第1環状部材50の第1傾斜面59および第2環状部材60の第2傾斜面69のうちの少なくとも一方に切削加工することにより、容易に機械加工することができる。すなわち本実施形態によれば、チャンバ10が大型化した場合であっても、工作機械を用いて、切削加工して溝部を形成した第1環状部材50(または第2環状部材60)と、ドリル穿孔して貫通孔を形成した第2環状部材60とを組み合わせることにより、水平方向に対して下向きに傾斜して延びる噴出流路58を備えたドライエッチング装置1を極めて簡便な手法で、かつ安価に実現することができる。
ところで、上述のように、基板Sの表面において面内均一性の良好なプラズマを得るためには、誘導コイル55は、誘電体部材40に隣接したチャンバ10の上部において、外周部のプラズマ密度が中心付近のプラズマ密度より高い分布(ドーナツ状分布)を有するプラズマを生成し、これを基板上に拡散させることが好ましい。とりわけ本実施形態に係る誘導コイル55は、螺旋形状を有するので、チャンバ10の上方外周部における磁場が中心付近に比べて格段に大きくなり、プラズマ密度も著しく大きくなる。この点において、本発明に係る噴出流路58は、チャンバ10の上方周縁部から、水平方向に対して下向きに傾斜して延びるように構成されているので、噴出流路58から噴出されたガスが、チャンバ10の上部でガスがプラズマ化されることにより生成されたイオンやラジカル等の粒子に対して、鉛直方向下向きの運動量だけでなく、水平方向の運動量を与え、プラズマを基板上に均一に拡散させることに大きく寄与する。したがって本発明によれば、より高いプラズマ密度分布を有する上方外周部のプラズマに向かって、プロセスガスを水平方向に対して斜め下向きに噴出するので、プラズマを基板上に十分に拡散させ、効率よくエッチングすることができる。
(変形例)
上記実施形態の変形例として、図6に示すように、第1環状部材50と第2環状部材60とを一体にした合体環状部材90(単に「環状部材」ともいう。)にドリル穿孔することにより、第2流路38に直接連通し、水平方向に対して下向きに傾斜して延びる複数の貫通孔(噴出流路58)を形成してもよい。換言すると、図3に示す第4流路68は、略鉛直方向に延びているが、この変形例において、傾斜して延びる噴出流路58として形成してもよい。
チャンバ10が大型化した場合であっても、合体環状部材90は、ガス分配部20とは着脱自在であるので、工作機械を用いて容易に噴出流路58を形成した後、ボルト等を用いてガス分配部20に固定することにより、上記実施形態と同様、水平方向に対して下向きに傾斜して延びる噴出流路58を備えたドライエッチング装置1を極めて簡便な手法で、かつ安価に実現することができる。
本発明は、誘導結合プラズマ方式を採用したプラズマ処理装置に利用することができる。
1…ドライエッチング装置(プラズマ処理装置)、10…チャンバ(反応室)、12…ガス導入口、14…ガス噴出口、15…開口端部、16…ステージ、18…下部電極、20…ガス分配部、22…本体流路、24…ガス分配部の上面、25…上面凹部、26…上面Oリング、27…ガス分配部の下面、28…下面凹部、29…下面Oリング、30…第1流路、31…第1流路の上流部、32…環状溝部、33…第1流路の下流部、34…環状流路、36…ガス分配部の内周面、38…第2流路、40…誘電体部材、42…第2高周波電源、44…誘電体部材の下面、50…第1環状部材、52…第1ねじ、54…第1ねじ孔、55…誘導コイル、56…Oリング、57…第1高周波電源、58…噴出流路、59…第1環状部材の第1傾斜面、60…第2環状部材、61…第2ねじ、62…第3流路、64…第2ねじ孔、66…カバー凹部、67…カバーOリング、68…第4流路、69…第2環状部材の第2傾斜面、70…カバー部材、72…カバー部材の外周面、80…FS電極板、90…合体環状部材、S…基板(被処理物)

Claims (7)

  1. 開口を有するチャンバと、
    前記チャンバの前記開口を覆うように設けられた誘電体部材と、
    ガス導入口を含む本体流路を有し、前記チャンバと前記誘電体部材との間に配置されたガス分配部と、
    前記ガス分配部に固定された第1環状部材と、
    前記第1環状部材に固定された第2環状部材と、を備え、
    前記第1環状部材および前記第2環状部材が協働して、前記本体流路と連通する噴出流路を形成し、
    前記噴出流路は、ガス噴出口を含み、水平方向に対して下向きに傾斜して延びている、
    プラズマ処理装置。
  2. 前記第1環状部材は、第1面を有し、
    前記第2環状部材は、前記第1面に当接する第2面を有し、
    前記第1面には第1溝部が形成され、および/または前記第2面には第2溝部が形成されており、
    前記噴出流路は、前記第1溝部と前記第2面、前記第2溝部と前記第1面、または前記第1溝部と前記第2溝部が互いに対向して形成される、
    請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記噴出流路は、水平方向に対して下向きに25度±5度の角度で傾斜して延びる、
    請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記誘電体部材と第2環状部材との間に前記ガス分配部と対向するように配置されたカバー部材をさらに備え、
    前記本体流路は、前記誘電体部材と前記ガス分配部との間に形成された第1流路、前記ガス分配部と前記カバー部材との間に形成された第2流路、前記カバー部材と前記第2環状部材との間に形成された第3流路、および前記第2環状部材を貫通する第4流路を介して、前記噴出流路と連通している、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記第1流路は、前記誘電体部材と前記ガス分配部との間に形成された環状流路と前記本体流路とを連通させる上流部と、前記環状流路と前記第2流路とを連通させる下流部とを含み、
    前記環状流路は、前記下流部と、前記第2流路と、前記第3流路と、複数の前記第4流路を介して、周方向に形成された複数の前記噴出流路と連通している、
    請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記誘電体部材の上方に設けられたコイルをさらに備え、
    前記コイルは、前記開口の中心に向かって、前記誘電体部材からの距離が増加するように螺旋状に構成される、
    請求項1~5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 開口を有するチャンバと、
    前記チャンバの前記開口を覆うように設けられた誘電体部材と、
    ガス導入口を含む本体流路を有し、前記チャンバと前記誘電体部材との間に配置されたガス分配部と、
    前記ガス分配部に固定された環状部材と、
    前記誘電体部材と前記環状部材との間に配置されたカバー部材と、を備え、
    前記環状部材は、ガス噴出口を含み、水平方向に対して下向きに傾斜して延びる噴出流路を有し、
    前記本体流路は、前記誘電体部材と前記ガス分配部との間に形成された第1流路、および前記ガス分配部と前記カバー部材との間に形成された第2流路を介して、前記噴出流路と連通している、
    プラズマ処理装置。
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