JP7193408B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両制御装置に関し、特に、車両に外乱が作用する場合に、外乱に対応して運転支援を行う車両制御装置に関する。
特許文献1には、横風などの外乱による車両挙動の乱れを検出し、車両挙動の乱れをその要因に応じた運転支援によって修正する技術について開示されている。しかし、特許文献1に記載の技術は外乱を実際に検知してから運転支援を行うものであるため、運転支援が十分に機能するまでの間は外乱による車両挙動の乱れは継続する。
特開2017-047798号公報
上記の問題に対し、本発明の創案過程では、車両に作用する外乱を事前に推定し、車両挙動の乱れが発生するよりも前に運転支援を開始することについて検討された。しかし、実際に車両に作用した外乱と推定結果とが乖離する場合、過度な運転支援が行われることによって運転者が違和感を覚えるおそれがあった。
本発明は、外乱に対応する運転支援が運転者の違和感につながることを抑えることができる車両制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る車両制御装置は、車両に作用する外乱を推定する外乱推定部と、外乱に対応する運転支援を行う運転支援部と、を備える。本発明に係る車両制御装置は、少なくとも一つのプロセッサと、プログラムを記憶する少なくとも一つのメモリとを物理的に有している。少なくとも一つのメモリに記憶されたプログラムは、少なくとも一つのプロセッサにより実行されることで、少なくとも一つのプロセッサを外乱推定部と運転支援部として機能させる。運転支援部は、外乱推定部で推定された外乱の信頼度が低い場合、同信頼度が高い場合に比較して運転支援の支援レベルを低くする。
本発明に係る車両制御装置によれば、推定した外乱の信頼度が相対的に高い場合には、推定した外乱に対応して相対的に高い支援レベルの運転支援が行われることにより、外乱による車両挙動の乱れを予防することができる。一方、推定した外乱の信頼度が相対的に低い場合には、運転支援の支援レベルが低くされることにより、実際には外乱が作用していないにも関わらず運転支援が行われたとしても、その運転支援が運転者の違和感につながることは抑えられる。
本発明に係る車両制御装置では、外乱推定部は、車両が受ける横風を推定し、運転支援は、車両の横方向の運動に作用する横方向運転支援と車両の前後方向の運動に作用する前後方向運転支援とを含み、運転支援部は、外乱推定部で推定された横風の信頼度が低い場合、同信頼度が高い場合に比較して前後方向運転支援の支援レベルを横方向運転支援の支援レベルよりも低くしてもよい。外乱推定部で横風が推定されたとしても、その信頼度が低い場合には、実際には車両は横風を受けない可能性が高い。車両が横風を受ける可能性が低い状況では、前後方向運転支援の支援レベルを横方向運転支援の支援レベルよりも低下させることで、前後方向運転支援が運転者の違和感につながることは抑えられる。一方、横風対応への寄与度がより高い横方向運転支援の支援レベルは相対的に高くしておくことで、実際に車両が横風を受けた場合に車両挙動の乱れを抑えることができる。
本発明に係る車両制御装置では、外乱推定部は、車両が受ける横風を推定し、運転支援は、少なくとも車両の前後方向の運動に作用する前後方向運転支援を含み、運転支援部は、外乱推定部で推定された横風の信頼度が低い場合、同信頼度が高い場合に比較して前後方向運転支援の支援レベルを低くしてもよい。外乱推定部で横風が推定されたとしても、その信頼度が低い場合には、実際には車両は横風を受けない可能性が高い。車両が横風を受ける可能性が低い状況では、前後方向運転支援の支援レベルを低下させることで、前後方向運転支援が運転者の違和感につながることは抑えられる。
本発明に係る車両制御装置では、外乱推定部は、車両が受ける横風を推定し、運転支援は、少なくとも車両の横方向の運動に作用する横方向運転支援を含み、運転支援部は、外乱推定部で推定された横風の信頼度が低い場合、同信頼度が高い場合に比較して横方向運転支援の支援レベルを低くしてもよい。外乱推定部で横風が推定されたとしても、その信頼度が低い場合には、実際には車両は横風を受けない可能性が高い。車両が横風を受ける可能性が低い状況では、横方向運転支援の支援レベルを低下させることで、横方向運転支援が運転者の違和感につながることは抑えられる。
本発明に係る車両制御装置は、運転者の操舵操作への対応度を判定する判定部を備えてもよい。その場合、運転支援部は、判定部で判定された運転者の操舵操作への対応度が高い場合、同対応度が低い場合に比較して運転支援の支援レベルを低くしてもよい。車両に外乱が作用した場合に運転者が操舵操作で対応できる状況では、運転支援の支援レベルを低下させることで、外乱に対応する運転支援が運転者の違和感につながることは抑えられる。
本発明に係る車両制御装置は、車両の前方を走行する先行車両を認識する先行車両認識部を備えてもよい。その場合、外乱推定部は、先行車両認識部で認識された先行車両の挙動から車両が受ける横風を推定してもよい。前方を走行する先行車両の挙動が横方向に乱れていれば、横風がその乱れの要因である可能性が高く、自車両の挙動も乱れる可能性が高い。ゆえに、先行車両の挙動を監視することによって、車両が受ける横風を事前に推定することができる。挙動が乱れている先行車両の台数が多いほど、推定した横風の信頼度を上げることができる。
本発明に係る車両制御装置は、車両が走行している道路の走行条件に関するインフラ情報を取得するインフラ情報取得部を備えてもよい。その場合、外乱推定部は、インフラ情報取得部で取得されたインフラ情報に基づき、先行車両の挙動から推定された横風の信頼度を補正してもよい。インフラ情報によれば、車両が横風を受けることを事前に予測することができるので、先行車両の挙動に基づく横風の推定にインフラ情報を加えることで、より正確な横風の推定が可能になる。
本発明に係る車両制御装置は、車両が走行している場所を認識する場所認識部を備えてもよい。その場合、外乱推定部は、場所認識部で認識された場所に基づき、先行車両の挙動から推定された横風の信頼度を補正してもよい。車両が走行している場所には横風を受けやすい場所とそうでない場所とが存在する。先行車両の挙動に基づく横風の推定に車両が走行している場所を加えることで、より正確な横風の推定が可能になる。
本発明に係る車両制御装置は、車両が走行している道路の走行条件に関するインフラ情報を取得し、先行車両の挙動からではなく、インフラ情報から車両が受ける横風を推定してもよい。この場合、インフラ情報に含まれる横風の強さが強いほど、推定した横風の信頼度を上げることができる。
本発明に係る車両制御装置によれば、推定した外乱の信頼度が低い場合には、同信頼度が高い場合に比べて運転支援の支援レベルが低くされる。これにより、実際には外乱が作用していないにも関わらず運転支援が行われたとしても、その運転支援が運転者の違和感につながることは抑えられる。
本発明の実施の形態の車両制御装置が搭載される自動運転車両の制御系の構成を示すブロック図である。 先行車両の挙動に基づく横風の推定について説明する図である。 インフラ情報に基づく横風の推定について説明する図である。 車両が走行している場所に基づく横風の推定について説明する図である。 外乱に対応する運転支援制御の内容をふらつき信頼度のレベル毎に記載した表(表1)である。 運転者の操舵状態に応じた制御の切替を記載した表(表2)である。 目標軌道のオフセットについて説明する図である。 外乱に対応した操舵角のフィードバック制御について説明する図である。 目標横加速度及び目標ヨーレートの一例を示す図である。 横加速度差分値及びヨーレート差分値の一例を示す図である。 外乱に対応する運転支援制御の第1実施例の制御フローを示すフローチャートである。 外乱に対応する運転支援制御の第2実施例の制御フローを示すフローチャートである。 外乱に対応する運転支援制御の第3実施例の制御フローを示すフローチャートである。 外乱に対応する運転支援制御の第4実施例の制御フローを示すフローチャートである。 外乱に対応する運転支援制御の第5実施例の制御フローを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に本発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、本発明に必ずしも必須のものではない。
1.自動運転車両の制御系の構成
本発明の実施の形態の車両制御装置は、自動運転車両に搭載される自動運転のための車両制御装置であって、例えばSAE(Society of Automotive Engineers)のレベル定義においてレベル3以上の自動運転レベルを実現することができる制御装置である。本実施の形態の車両制御装置が搭載される自動運転車両は、例えば図1にブロック図で示される構成の制御系を有する。
自動運転車両(以下、単に車両と称する)2は、車両センサ21、周辺環境認識センサ22、運転者監視センサ23、GPSユニット24、地図情報ユニット25、及びインフラ情報受信ユニット26を備える。これらは、車両制御装置30に直接、或いは、車載ネットワーク(車両2内に構築されたCAN(Controller Area Network)等の通信ネットワーク)を介して電気的に接続されている。
車両センサ21は、車両2の運動状態に関する情報を取得するセンサである。車両センサ21には、例えば車輪の回転速度から車両の走行速度及び前後加速度を計測する速度センサ、車両に作用する加速度を計測する加速度センサ、車両の旋回角速度を計測するヨーレートセンサ等が含まれる。
周辺環境認識センサ22は、車両2の周辺環境に関する情報を取得する自律センサである。周辺環境認識センサ22には、カメラ、ミリ波レーダ、及びLIDARが含まれる。周辺環境認識センサ22で得られた情報からは、車両2の周辺に存在する物体の形状や、同物体の車両2に対する相対位置や相対速度を認識することができる。また、特にカメラの画像からは、車道外側線、車道境界線、車道中央線等の道路の区画線を認識することができる。
運転者監視センサ23は、運転者の状態に関する情報を取得するためのセンサである。運転者監視センサ23には、運転者がステアリングホイールに触れていることを検出するタッチセンサや、運転者のステアリングホイールへの操舵入力を検出するトルクセンサが含まれる。また、運転者の表情や姿勢を監視するための車内カメラや、心拍や脈拍等の生体信号を検出する生体センサ等も運転者監視センサ23に含まれる。
GPSユニット24は、GPS衛星から提供される位置情報を受信する装置である。GPS衛星から提供される位置情報に基づいて、車両2の現在位置を知ることができる。地図情報ユニット25は、道路の位置、道路の形状、車線構造等の各種の地図情報を記憶したデータベースである。車両2の現在位置を地図情報に照らし合わせることで、地図上での車両2の位置を特定することができる。なお、車両制御装置30がインターネットに接続可能である場合、地図情報ユニット25は、必ずしも車両2に搭載されている必要はなく、インターネット上に存在していてもよい。
インフラ情報受信ユニット26は、外部から提供されるインフラ情報を受信する装置である。インフラ情報は、FM放送局から送信されるFM多重放送や、道路施設から送信される光ビーコンや電波ビーコンの形態で提供される。インフラ情報には、渋滞情報や交通規制情報の他、風、雨、雪などの気象情報が含まれている。
車両2は、車両2を操舵するための操舵アクチュエータ11、車両2を減速させるための制動アクチュエータ12、及び車両2を加速させるための駆動アクチュエータ13を備える。操舵アクチュエータ11には、例えば、モータ或いは油圧を用いたパワーステアリングシステムや、ステアバイワイヤ操舵システムが含まれる。制動アクチュエータ12には、例えば、油圧ブレーキや、電力回生ブレーキが含まれる。駆動アクチュエータ13には、例えば、エンジン、EVシステム、ハイブリッドシステム、燃料電池システム等が含まれる。これらのアクチュエータ11,12,13は、車両制御装置30に直接、或いは、車載ネットワークを介して電気的に接続されている。また、車両2の車室内には、運転者と車両制御装置30との間で情報をやり取りするためのHMI14が設けられている。
車両制御装置30は、少なくとも1つのプロセッサ31と少なくとも1つのメモリ32とを有するECU(Electronic Control Unit)である。メモリ32には、自動運転のための各種のプログラムや、マップを含む各種のデータが記憶されている。プログラムには後述する外乱に対応する運転支援制御のためのプログラムが含まれている。メモリ32に記憶されているプログラムがプロセッサ31で実行されることで、車両制御装置30には様々な機能が実現される。なお、車両制御装置30を構成するECUは、複数のECUの集合であってもよい。
2.車両制御装置の機能
図1には、車両制御装置30が有する機能のうち、特に、自動運転に関係する機能が複数のブロックで表現されている。車両制御装置30が有するその他の機能についての図示は省略されている。車両制御装置30は、自動運転に関係する機能として、目標軌道生成部41、追従制御部42、操舵制御部43、制動制御部44、及び駆動制御部45を備える。ただし、これらは、車両制御装置30内にハードウェアとして存在するものではなく、メモリ32記憶されたプログラムがプロセッサ31で実行されたときにソフトウェア的に実現される。
目標軌道生成部41は、目的地までの車両2の走行経路を算出する。例えば、カメラ画像から認識された2本の区画線からで定義される走行車線の中心線を車両2の走行経路として算出してもよいし、車両2の位置情報と地図情報とを用いて走行車線を認識し、その認識結果に基づいて走行経路を算出してもよい。目標軌道生成部41は、車両センサ21から車両2の運動状態に関する情報を取得し、車両2の現在位置と運動状態とに基づいて、走行経路に沿って車両2を走行させるための車両2の目標軌道を生成する。
目標軌道は、現在から数秒先或いは数十秒先までの車両2のとるべき軌道であって、走行経路に沿って設定される。目標軌道は、具体的には、所定の座標系での車両の目標位置を繋いでできる起動であって、例えば、X座標とY座標とで表される制御点の集合で表される。目標軌道を表す座標系は、例えば地図を表示する座標系として用いられる絶対座標系でもよいし、車両2に固定された車両2の横方向(幅方向)をX軸とし前後方向(進行方向)をY軸とする車両座標系であってもよい。
目標軌道の生成においては、速度計画が立てられる。速度計画とは、目標軌道上の各制御点の通過時刻を規定することである。制御点を順に通過するときの通過時刻が決まれば通過速度が一義的に定まることから、目標軌道上の各制御点の通過時刻を規定することは、目標軌道上の各制御点の通過速度を規定することと同義でもある。速度計画は、制御位置ごとに時間に関連して計画加速度を設定した加速度パターンとして表現することもできる。また、速度計画は、制御位置ごとに時間に関連して計画速度を設定した速度パターンを含んでもよい。
追従制御部42は、車両2を目標軌道に追従させるための追従制御を行う。追従制御では、速度センサから算出される実加速度と速度計画に基づいて決定される目標加速度との偏差に基づき、両者を一致させるための制駆動力が算出される。算出された制駆動力は制動アクチュエータ12に要求する要求制動力と、駆動アクチュエータ13に要求する要求駆動力とに分配される。
また、追従制御では、操舵角のフィードフォワード制御とフィードバック制御とが行われる。フィードフォワード制御では、具体的には、現在よりも所定時間だけ先の時刻における目標軌道上の制御点(目標軌道が車線中心線の場合には中心点)が参照点として設定される。そして、その参照点に対応するパラメータから、操舵角のフィードフォワード値が算出される。フィードフォワード値の算出において参照されるパラメータは、例えば目標軌道の曲率である。
フィードバック制御では、車両センサ21によって計測された車速、横加速度、ヨーレート等の情報を用いて車両2の進路が予測される。そして、予測した進路から現在よりも所定時間だけ先の時刻における車両2の予測位置と予測ヨー角とが計算される。フィードバック制御では、目標軌道上の参照点に対する車両2の予測位置及び予測ヨー角のずれの大きさに基づき、目標横加速度又は目標ヨーレートが算出される。そして、目標横加速度又は目標ヨーレートから操舵角のフィードバック補正量が算出される。追従制御部42は、フィードフォワード値とフィードバック補正量との和を要求操舵角として算出する。
追従制御部42で算出された要求操舵角は操舵制御部43に入力される。操舵制御部43は要求操舵角に従って操舵アクチュエータ11を操作する。追従制御部42で算出された要求制動力は制動制御部44に入力される。制動制御部44は要求制動力に従って制動アクチュエータ12を操作する。追従制御部42で算出された要求駆動力は駆動制御部45に入力される。駆動制御部45は要求駆動力に従って駆動アクチュエータ13を操作する。
以上説明した機能により、車両制御装置30は、車両2を目的地まで自動走行させることができる。ところが、車両2の自動走行中には、車両2の挙動を乱すような外乱が作用する場合がある。乗員の不安感や違和感を無くすためには、外乱による車両2の挙動の乱れは抑えたい。このため、車両制御装置30が備える機能には、外乱に対応した運転支援のための機能が含まれている。具体的には、車両制御装置30には、先行車両認識部51、インフラ情報取得部52、場所認識部53、外乱推定部54、及び運転者状態判定部55、及び外乱対応運転支援部56が設けられている。ただし、本実施の形態では、車両2に作用する外乱として横風を想定している。
先行車両認識部51は、周辺環境認識センサ22で得られた周辺環境情報から、車両2の前方を走行する先行車両を認識する。インフラ情報取得部52は、インフラ情報受信ユニット26で受信されたインフラ情報から、車両2が走行している道路の走行条件に関するインフラ情報を取得する。ただし、本実施の形態では、走行条件に関するインフラ情報とは気象情報、より詳しくは横風情報を意味する。場所認識部53は、地図情報ユニット25から提供される地図情報にGPSユニット24で得た車両2の位置情報を照らし合わせることにより、車両2が走行している場所を認識する。
先行車両認識部51で認識された先行車両の挙動、インフラ情報取得部52で取得されたインフラ情報、及び、場所認識部53で認識された場所は、外乱推定部54に入力される。これらの入力情報は、外乱推定部54において外乱である横風の推定に用いられる。以下、図2乃至図4を用いて各情報に基づく横風の推定について説明する。
図2は、先行車両の挙動に基づく横風の推定について説明する図である。車両2が道路70上を走行しており、その前方を2台の先行車両61,62が走行している。車両2は真っすぐ走っているが、先行車両61,62は左右にふらつきながら走行している。このような場合、先行車両61,62が走行している場所では横風が吹いていると推定することができ、車両2にも横風が作用することが予想できる。また、先行車両61,62のふらつきの幅が大きいほど、強い横風が吹いていると推定することができる。この場合の横風の推定の信頼度、つまり、先行車両のふらつきの信頼度は、ふらつきを検知した先行車両の台数が多いほど高い。なお、先行車両61,62のふらつきの検知には、例えば、特開2018-91794号公報に記載の公知技術や特開平10-247299号公報に記載の公知技術を用いることができる。
図3は、インフラ情報に基づく横風の推定について説明する図である。道路70に沿って設けられた道路施設80やFM放送局から提供されるインフラ情報には、車両2の進行方向前方で吹いている横風の情報が含まれている。例えば、「XXkm先 横風注意」、「XXkm先 強風注意」等といった内容の情報がインフラ情報に含まれている。このような内容のインフラ情報は、先行車両のふらつきから推定された横風の信頼度の補強に用いることもできるし、それ自体を用いて車両2が受ける横風を推定することもできる。
図4は、車両2が走行している場所に基づく横風の推定について説明する図である。道路70には横風が吹きやすい場所とそうでない場所とが存在する。例えば、図4に示すようなトンネル75の出口は、特に横風が吹きやすい場所である。また、橋の上も横風が吹きやすい場所の1つである。トンネルの出口や橋の上は必ずしも横風が吹くわけではないが、車両2がこれから走行する場所が横風が吹きやすい場所かどうかは、先行車両のふらつきやインフラ情報から推定された横風の信頼度の補強に用いることができる。
外乱推定部54は、上記の入力情報を用いて横風を推定するとともに、推定した横風の信頼度を演算する。横風が推定された場合、外乱推定部54は、推定した横風の方向と大きさとに関する情報を後述する外乱対応運転支援部56に入力するとともに、推定した横風の信頼度に関する情報も外乱対応運転支援部56に入力する。なお、推定した横風の信頼度は、検出した先行車両のふらつきの信頼度に依存していることから、以下、横風の信頼度に代えてふらつき信頼度と称する。
運転者状態判定部55は、運転者監視センサ23で得られた運転者の状態に関する情報から運転者の操舵状態を判定する。運転者の操舵状態は、運転者がステアリングホイールを操舵している状態である操舵中ハンズオン、運転者がステアリングホイールに触れてはいるが操舵はしていない状態である操舵無しハンズオン、運転者がステアリングホイールに触れていない状態であるハンズオフの3つに分けることができる。運転者状態判定部55は、判定した運転者の操舵状態を後述する外乱対応運転支援部56に入力する。
運転者の操舵状態の判定は既知の方法を用いることができる。例えば、トルクセンサによって検出される運転者の操舵トルクによって運転者の操舵状態を判定することができる。この場合、操舵トルクが第1閾値以上の場合には操舵中ハンズオンと判定し、操舵トルクが第1閾値未満且つ第1閾値より大きい第2閾値以上の場合には操舵無しハンズオンと判定し、操舵トルクが第2閾値未満の場合にはハンズオフと判定してもよい。また、ステアリングホイールに設けたタッチセンサによってハンズオンを検出してもよい。さらに、運転者の表情や姿勢、或いは心拍や脈拍等の生体信号から運転者が正常状態でないことが検知された場合には、運転者の操舵状態をハンズオフと判定してもよい。
外乱対応運転支援部56は、外乱推定部54から入力されたふらつき信頼度と、運転者状態判定部55から入力された運転者の操舵状態とに基づいて外乱に対応する運転支援の支援レベルを決定する。そして、決定した支援レベルに従って追従制御の内容を変更するように追従制御部42に対して指示を出す。また、追従制御部42による制御の内容を変更する場合、外乱対応運転支援部56は、HMI14を介して制御内容の変更を運転者に告知する。
3.外乱に対応する運転支援の支援レベルの決定
外乱対応運転支援部56による運転支援の支援レベルの決定は、具体的には、図5に示す表1と図6に示す表2とに従って行われる。
図5に示す表1には、外乱に対応する運転支援制御の内容がふらつき信頼度のレベル毎に記載されている。表1の行の項目はふらつき信頼度のレベルである。表1では、ふらつき信頼度が“低”の場合、“中”の場合、“高”の場合に分けられ、さらに、ふらつき信頼度が“低”の場合については、車線幅が狭い場合と広い場合とに分けられている。車線幅はカメラの画像から認識した区間線間の距離から計算してもよいし、地図情報に車線幅は含まれている場合にはそれを用いてもよい。外乱対応運転支援部56は、車線幅が一定値以上であれば広いと判断し、車線幅が一定値未満であれば狭いと判断する。
表1の列の項目は外乱に対応する運転支援制御の内容である。“目標軌道”という項目は、追従制御に用いる目標軌道を意味する。“目標軌道”には“通常”と“オフセット走行”とが定義されている。“通常”とは、目標軌道生成部41で生成された目標軌道を用いて追従制御を行うことを意味する。一方、“オフセット走行”とは、目標軌道生成部41で生成された目標軌道に対して、追従制御で用いる目標軌道を外乱の方向へオフセットさせることを意味する。“通常”と“オフセット走行”とでは、“オフセット走行”の方が運転支援の支援レベルが高い。
目標軌道のオフセットについて図7を用いて具体的に説明する。図7には、車両2が道路70を自動走行している様子が描かれている。ここでは、両側の区間線71,72の中心を通る車線中心線91に追従制御の目標軌道が一致しているとする。この場合、図7の紙面右方向から吹く横風が推定された場合には、追従制御で用いる目標軌道93は本来の目標軌道である車線中心線91よりも右方向、つまり、横風の方向にオフセットさせる。追従制御で用いる目標軌道93の車線中心線91に対するオフセット量は、推定した横風が強いほど大きくしてもよい。
再び図5に戻って表1について説明する。表1の列の項目にある“FB制御”は、操舵角のフィードバック制御を意味する。“FB制御”には“通常”と“外乱ロバストモード”とが定義されている。“通常”とは、上述の通り、目標軌道上の参照点に対する車両2の予測位置及び予測ヨー角のずれの大きさに基づき目標横加速度又は目標ヨーレートを算出し、目標横加速度又は目標ヨーレートから操舵角のフィードバック補正量を算出するモードを意味する。一方、“外乱ロバストモード”とは、外乱に対するロバスト性を高めるためのモードであり、外乱による外力を打ち消すためのフィードバック補正量が加算される。“通常”と“外乱ロバストモード”とでは、“外乱ロバストモード”の方が運転支援の支援レベルが高い。
FB制御の外乱ロバストモードについて図8を用いて具体的に説明する。図8には、車両2が道路70を自動走行している様子が描かれている。ここでは、両側の区間線71,72の中心を通る車線中心線91に追従制御の目標軌道が一致しているとする。FB制御の通常のモードでは、目標軌道である車線中心線91に対する車両2の予測位置及び予測ヨー角のずれに基づき、目標横加速度或いは目標ヨーレートが算出される。図9は、目標横加速度Gd及び目標ヨーレートYrdの一例を示す図である。この場合、操舵角のフィードバック補正量θpathは以下の式1或いは式2で算出される。なお、式1におけるKgは操舵角-横加速度ゲインであり、式2におけるKyrは操舵角-ヨーレートゲインである。
θpath=Kg×Gd …式1
θpath=Kyr×Yrd …式2
車両2に外乱が作用していない場合、車両2の実際の横加速度及びヨーレートは、車両2を目標軌道に追従させるために必要な目標横加速度及び目標ヨーレートと一致している。しかし、車両2に外乱が作用する場合にはその外力の影響を受けるため、図10に示すように、目標横加速度Gd及び目標ヨーレートYrdと実際の横加速度Gc及びヨーレートYrcとの間には差分値ΔG、ΔYrが生じる。FB制御の外乱ロバストモードでは、以下の式3或いは式4を用いて、横加速度差分値ΔG或いはヨーレート差分値ΔYrに基づいて、外乱による外力を打ち消すための操舵角のフィードバック補正量θdistが算出される。そして、FB制御の外乱ロバストモードでは、フィードバック補正量θpathとフィードバック補正量θdistとの和が、追従制御における操舵角のフィードバック補正量として用いられる。なお、式3におけるKgdistは操舵角-横加速度ゲインであり、式4におけるKyrdistは操舵角-ヨーレートゲインである。ゲインKgdist及びKyrdistは、推定した横風が強いほど大きくしてもよい。
θdist=Kgdist×ΔG …式3
θdist=Kyrdist×ΔYr …式4
再び図5に戻って表1について説明する。表1の列の項目にある“車速”は、自動走行における車両2の車速を意味する。“車速”には“通常”と“減速”とが定義されている。“通常”とは、速度計画に基づいて決定される目標速度に基づいて制駆動力を算出するモードを意味する。“減速”とは、速度計画に基づいて決定される目標速度よりも低下させた速度に基づいて制駆動力を算出するモードを意味する。横風による車両2のふらつきは車速が高いほど大きくなりやすい。外乱に対応する運転支援では、通常よりも車速を低下させることで、車両2が横風の影響を受け難いようにしている。“通常”と“減速”とでは、“減速”の方が運転支援の支援レベルが高い。
表1の列の項目にある“加速”は、自動走行における車両2の加速の仕方を意味する。“加速”には“通常”と“加速度小”とが定義されている。“通常”とは、速度計画に基づいて決定される目標加速度に基づいて制駆動力を算出するモードを意味する。“加速度小”とは、速度計画に基づいて決定される目標加速度よりも低下させた加速度に基づいて制駆動力を算出するモードを意味する。外乱により車両2の挙動が乱れている状況での加速は、乗員を不安にするおそれがある。外乱に対応する運転支援では、通常よりもゆっくり加速させることで、目標速度への追従性と乗員の安心感の確保とを両立させている。“通常”と“加速度小”とでは、“加速度小”の方が運転支援の支援レベルが高い。
以上説明した列の項目において、“目標軌道”と“FB制御”とは車両2の横方向の運動に作用する横方向運転支援に関する項目であり、“車速”と“加速”とは車両2の前後方向の運動に作用する前後方向運転支援に関する項目である。表1によれば、ふらつき信頼度(外乱推定部54で推定された横風の信頼度)が低い場合、同信頼度が高い場合に比較して、前後方向運転支援の支援レベルを横方向運転支援の支援レベルよりも低くしていることに特徴がある。
外乱推定部54で外乱である横風が推定されたとしても、その信頼度が低い場合には、実際には車両2は横風を受けない可能性が高い。車両2が横風を受ける可能性が低い状況では、前後方向運転支援の支援レベルを横方向運転支援の支援レベルよりも低下させることで、前後方向運転支援が運転者の違和感につながることは抑えられる。一方、横風対応への寄与度がより高い横方向運転支援の支援レベルは相対的に高くしておくことで、実際に車両2が横風を受けた場合に車両挙動の乱れを抑えることができる。
また、表1によれば、ふらつき信頼度が低い場合、同信頼度が高い場合に比較して前後方向運転支援の支援レベルを低くしていることにも特徴がある。車両2が横風を受ける可能性が低い状況では、前後方向運転支援の支援レベルを低下させることで、前後方向運転支援が運転者の違和感につながることは抑えられる。
また、表1によれば、ふらつき信頼度が低い場合、同信頼度が高い場合に比較して横方向運転支援の支援レベルを低くしていることにも特徴がある。車両2が横風を受ける可能性が低い状況では、横方向運転支援の支援レベルも低下させることで、横方向運転支援が運転者の違和感につながることも抑えられる。なお、ふらつき信頼度が低い場合、車線幅が広ければ“目標軌道”の“オフセット走行”が選択されるが、車線幅が狭い場合には、車両2の走行車線からの逸脱を防ぐため“FB制御”の“外乱ロバストモード”が選択される。
次に、運転者の操舵状態に基づいた運転支援の支援レベルの決定について図6に示す表2を用いて説明する。表2には、運転者の操舵状態に応じた制御の切替が記載されている。表2の行の項目は運転者の操舵状態である。表2では、“ハンズオフ”、“操舵無しハンズオン”、“操舵中ハンズオン”に分けられている。表2の列の項目は外乱に対応する運転支援制御の内容である。運転支援制御の各内容については表1で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
表2の行の項目は、運転者の操舵操作への対応度が低い順に並んでいる。操舵操作への対応度とは、運転者が自身で操舵操作する必要が生じた場合に、いかに早く操舵操作を開始できるかを意味している。運転者が正常状態で無い場合も含む“ハンズオフ”では、運転者の操舵操作への対応度は低い。これに対し、運転者が既に操舵している“操舵中ハンズオン”では、高い対応度が期待できる。表2によれば、運転者の操舵操作への対応度が高い場合、同対応度が低い場合に比較して運転支援の支援レベルを低くしていることに特徴がある。具体的には、“ハンズオフ”では全ての項目が表1の運転支援制御に切替えられるが、“操舵無しハンズオン”では“FB制御”のみが表1の運転支援制御に切替えられ、“操舵中ハンズオン”ではどの項目も通常の追従制御に維持される。車両2が横風を受けた場合に運転者が操舵操作で対応できる状況では、運転支援の支援レベルを低下させることで、運転支援が運転者の違和感につながることは抑えられる。
4.外乱に対応する運転支援制御の具体的な実施例
4-1.第1実施例
第1実施例では、先行車両のふらつきを判定し、先行車両のふらつきの信頼度と運転者の操舵状態とに応じて運転支援制御の内容を決定する。図11は、車両制御装置30によって実行される運転支援制御の第1実施例の制御フローを示すフローチャートである。
ステップS11では、周辺環境認識センサ22で得られた周辺環境情報から先行車両の挙動が認識され、先行車両にふらつきがあるかどうか判定される。先行車両にふらつきがない場合には、運転支援制御への切替は行われず通常の追従制御が維持される。
先行車両にふらつきがある場合、制御フローはステップS12に進む。ステップS12では、例えば、カメラの画像から認識された区画線間の距離より車線幅が演算される。次に、ステップS13では、ふらつきが検知された先行車両の台数に基づいてふらつき信頼度が演算される。ふらついている先行車両の台数が多いほど、ふらつき信頼度を上げることができる。ステップS12及びステップS13の処理により表1のふらつき信頼度が確定し、表1中のどの制御が行われるかが確定する。
次に、ステップS14では、運転者の操舵状態がハンズオフ、操舵無しハンズオン、或いは操舵中ハンズオンのどれであるか判定される。ステップS14の判定結果を表2に照らし合わせることにより、運転支援制御の項目ごとに支援レベルが確定する。運転者の操舵状態がハンズオフである場合には、ステップS15において、運転支援制御の全ての項目が表1の制御に切替えられる。運転者の操舵状態が操舵無しハンズオンである場合には、ステップS16において、FB制御のみ表1の制御に切替えられる。運転者の操舵状態が操舵中ハンズオンである場合には、どの項目も運転支援制御への切替は行われず通常の追従制御が維持される。
4-2.第2実施例
第2実施例では、インフラ情報を取得し、インフラ情報を先行車両のふらつき信頼度の補強に使用する。図12は、車両制御装置30によって実行される運転支援制御の第2実施例の制御フローを示すフローチャートである。なお、第2実施例のフローチャートにおいて、第1実施例のフローチャートと共通する内容の処理については共通するステップ番号を付している。また、第1実施例と共通する内容の処理については説明を省略するか簡略化する。
第2実施例の制御フローでは、ステップS11の判定に先立ってステップS21の処理とステップS22の判定とステップS23の処理とが行われる。ステップS21では、インフラ情報受信ユニット26で取得したインフラ情報から車両2の走行経路に関係するインフラ情報、特に、横風に関する気象情報が取得される。ステップS22では、横風が吹いているというインフラ情報を受信したかどうかが判定され、そのような情報を受信したのであれば、横風が吹いている横風区間を車両2が走行しているかどうか判定される。
横風区間を車両2が走行していないのであれば、制御フローはステップS11に進む。一方、横風区間を車両2が走行している場合には、ステップS13で演算されるふらつき信頼度を向上させる処理が行われる。具体的には、ステップS21で受信したインフラ情報が「横風注意」であれば、ふらつき信頼度を1レベル上げることが行われ、ステップS21で受信したインフラ情報が「強風注意」であれば、ふらつき信頼度を2レベル上げることが行われる。インフラ情報によれば、車両2が横風を受けることを事前に予測することができるので、先行車両の挙動に基づく横風の推定にインフラ情報を加味することで、先行車両の挙動から得たふらつき信頼度を向上させることができる。
4-3.第3実施例
第3実施例では、車両2が走行している場所に関する情報を取得し、その場所情報を先行車両のふらつき信頼度の補強に使用する。図13は、車両制御装置30によって実行される運転支援制御の第3実施例の制御フローを示すフローチャートである。なお、第3実施例のフローチャートにおいて、第1実施例のフローチャートと共通する内容の処理については共通するステップ番号を付している。また、第1実施例と共通する内容の処理については説明を省略するか簡略化する。
第3実施例の制御フローでは、ステップS11の判定に先立ってステップS31の判定とステップS32の処理とが行われる。ステップS31では、トンネルの出口や橋の上等、横風の強い場所を車両2が走行中かどうか判定される。
横風の強い場所を車両2が走行していないのであれば、制御フローはステップS11に進む。一方、横風の強い場所を車両2が走行している場合には、ステップS13で演算されるふらつき信頼度を向上させる処理が行われる。具体的には、ふらつき信頼度を1レベル上げることや、先行車両がふらついているかどうか判定するための閾値を下げることが行われる。車両2が走行している場所には横風を受けやすい場所とそうでない場所とが存在する。先行車両の挙動に基づく横風の推定に車両2が走行している場所を加味することで、先行車両の挙動から得たふらつき信頼度を向上させることができる。
4-4.第4実施例
第4実施例は、第2実施例と第3実施例との組み合わせである。第4実施例では、インフラ情報を取得し、インフラ情報を先行車両のふらつき信頼度の補強に使用するとともに、車両2が走行している場所に関する情報も取得し、その場所情報も先行車両のふらつき信頼度の補強に使用する。図14は、車両制御装置30によって実行される運転支援制御の第4実施例の制御フローを示すフローチャートである。なお、第4実施例のフローチャートにおいて、第1乃至第3実施例のフローチャートと共通する内容の処理については共通するステップ番号を付している。インフラ情報と車両2が走行している場所とを組み合わせることで、先行車両の挙動から得たふらつき信頼度をより向上させることができる。
4-5.第5実施例
第5実施例では、先行車両のふらつきを判定するのではなく、インフラ情報から先行車両のふらつきの信頼度を計算し、ふらつきの信頼度と運転者の操舵状態とに応じて運転支援制御の内容を決定する。図15は、車両制御装置30によって実行される運転支援制御の第5実施例の制御フローを示すフローチャートである。なお、第5実施例のフローチャートにおいて、第2実施例のフローチャートと共通する内容の処理については共通するステップ番号を付している。また、第1又は第2実施例と共通する内容の処理については説明を省略するか簡略化する。
第5実施例の制御フローによれば、先行車両の挙動に基づいたふらつきの有無の判定は行われず、また、ふらつきが検知された先行車両の台数によるふらつき信頼度の演算も行われない。第5実施例では、横風が吹いているというインフラ情報が受信され、横風が吹いている横風区間を車両2が走行しているのであれば、先行車両にふらつきがあるとみなされる。また、第5実施例では、インフラ情報に含まれている横風の強さによって、ふらつき信頼度が決定される。例えば、ステップS21で受信したインフラ情報が「横風注意」であれば、ふらつき信頼度は“低”とし、ステップS21で受信したインフラ情報が「強風注意」であれば、ふらつき信頼度は“中”とすることが行われる。なお、第4実施例のように、インフラ情報に車両2が走行している場所を組み合わせれば、インフラ情報から得たふらつき信頼度をより向上させることができる。
5.その他実施形態
上記実施の形態では車両に作用する外乱として横風を想定したが、本発明に係る車両制御装置は、横風以外の外乱にも対応可能である。例えば、道路の曲線部では車両には遠心力が作用する。この遠心力は車両の横方向に作用する外乱と考えることができる。また、道路の曲線部には幅方向に傾斜するカントが付けられている場合がある。カントが付けられた道路を車両が走行する場合、車両には内向きに外力が作用する。この外力も車両の横方向に作用する外乱と考えることができる。さらに、道路には、水はけを良くするために中央部から路肩にかけて傾斜を付けられている場合がある。このような道路を車両が走行する場合、車両には路肩の方向に外力が作用する。この外力も車両の横方向に作用する外乱と考えることができる。
これらの外乱は先行車両の挙動から推定することができるし、地図情報から推定することが可能な場合もある。また、これらの外乱に対応する運転支援としては、上記実施の形態で説明したような運転支援を用いてもよい。ただし、推定された外乱の信頼度が低い場合は、同信頼度が高い場合に比較して、外乱に対応する運転支援の支援レベルを低くする。そうすることにより、実際には外乱が作用していないにも関わらず運転支援が行われたとしても、その運転支援が運転者の違和感につながることは抑えられる。
2 車両
11 操舵アクチュエータ
12 制動アクチュエータ
13 駆動アクチュエータ
21 車両センサ
22 周辺環境認識センサ
23 運転者監視センサ
24 GPSユニット
25 地図情報ユニット
26 インフラ情報受信ユニット
30 車両制御装置(ECU)
31 プロセッサ
32 メモリ
41 目標軌道生成部
42 追従制御部
51 先行車両認識部
52 インフラ情報取得部
53 場所認識部
54 外乱推定部
55 運転者状態判定部
56 外乱対応運転支援部

Claims (3)

  1. 車両に作用する外乱を推定する外乱推定部と、
    前記外乱に対応する運転支援を行う運転支援部と、を備え、
    前記外乱推定部は、前記車両が受ける横風を推定し、
    前記運転支援は、前記車両の横方向の運動に作用する横方向運転支援と前記車両の前後方向の運動に作用する前後方向運転支援とを含み、
    前記運転支援部は、前記外乱推定部で推定された横風の信頼度が低い場合、同信頼度が高い場合に比較して前記前後方向運転支援の支援レベルを前記横方向運転支援の支援レベルよりも低くする
    ことを特徴とする車両制御装置。
  2. 車両に作用する外乱を推定する外乱推定部と、
    前記外乱に対応する運転支援を行う運転支援部と、を備え、
    前記外乱推定部は、前記車両が受ける横風を推定し、
    前記運転支援は、少なくとも前記車両の前後方向の運動に作用する前後方向運転支援を含み、
    前記運転支援部は、前記外乱推定部で推定された横風の信頼度が低い場合、同信頼度が高い場合に比較して前記前後方向運転支援の支援レベルを低くする
    ことを特徴とする車両制御装置。
  3. 前記車両制御装置は、前記車両の前方を走行する先行車両を認識する先行車両認識部と、前記車両が走行している道路の走行条件に関するインフラ情報を取得するインフラ情報取得部と、を備え、
    前記外乱推定部は、前記先行車両認識部で認識された先行車両の挙動から前記車両が受ける横風を推定し、前記インフラ情報取得部で取得されたインフラ情報に基づき、前記先行車両の挙動から推定された横風の信頼度を補正する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御装置。
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