JP7193058B2 - Cd47およびher2を標的とする組換え二機能性タンパク質 - Google Patents

Cd47およびher2を標的とする組換え二機能性タンパク質 Download PDF

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Description

本開示は、CD47およびHER2を標的とする組換え融合タンパク質、ならびにその調製および使用、特に腫瘍治療におけるその使用に関する。
抗体療法は、様々な法域で承認されており、幅広い範囲の癌を治療し、患者の転帰を大幅に改善している(Komeev KV et al.,(2017)TLR-signaling and proinflammatory cytokines as drivers of tumorigenesis.Cytokine89:127-135)。癌抗原に結合すると、抗体は、抗体依存性細胞傷害を誘発する、補体系を活性化する、受容体がそのリガンドと相互作用するのを妨ぐ可能性があり、これらはすべて細胞死につながり得る。米国FDA承認の抗体医薬品としては、アレムツズマブ、ニボルマブ、リツキシマブ、及びデュルバルマブが挙げられる。
腫瘍の免疫監視の回避
癌細胞は、宿主の免疫監視を回避するためのいくつかのメカニズムを開発している。例えば、多くの腫瘍細胞または癌細胞は、マクロファージの細胞表面上のSIRPα(シグナル調節タンパク質アルファ;SHPS1およびBITとしても公知である)に結合することにより、高レベルのCD47をその表面上に発現させ、マクロファージによる癌細胞の食作用を阻害する。
CD47過剰発現癌細胞は、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、多発性骨髄腫(MM)、膀胱癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、大腸癌、乳癌、および膵癌を有する患者に見られる。CD47-SIRPαの相互作用を遮断するCD-47特異的抗体を注射することにより、担癌マウスの腫瘍成長を有意に阻害することができ、同じ抗体をヒト白血病細胞担持マウスに注射したときに、腫瘍または癌細胞が完全に消失した(Theocharides APA et al.,(2012)J.C.Y.Exp.Med.209:1883-1899)。
HER2関連腫瘍および治療
ErbB2としても公知であるHER2は、ヒト上皮成長因子受容体ファミリーのメンバーであり、赤芽球性癌遺伝子B(ERBB2)によってコードされている。この癌遺伝子の過剰発現は、乳癌の約15~30%で発生し、疾患の再発の増加および予後不良と強く関連している(Mitri Z et al.,(2012)Chemotherapy Research and Practice.Volume2012,Article ID743193,7 pages;Burstein HJ,(2005)The New England Journal of Medicine.353(16):1652-4;Tan M,et al.,(2007)Advances in Experimental Medicine and Biology.608:119-29)。そのような過剰発現は、卵巣癌、胃癌、肺腺癌、および攻撃的形態の子宮癌にも見られる。
モノクローナル抗体は、HER2を標的とするために開発されているか、開発されているところである。そのような抗体の1つであるトラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))は、1998年に米国で医療使用のために承認され、HER2陽性乳癌の臨床治療における使用において奏功している。
治療上の二重特異性または多重特異性融合タンパク質/抗体
抗体は、癌を治療する能力を大幅に進歩させているが、それでも臨床研究では、多くの患者が単一特異性療法に適切に応答しないことが示されている。例えば、乳癌治療では、FcgRIIIA遺伝子の158F多型などの複数のメカニズムにより、かなりの割合のHER2陽性患者がトラスツズマブ治療に応答しない。さらに、後天的な抗体耐性が、いくつかの治療サイクル後に頻繁に生じる。
したがって、二重特異性抗体または多重特異性抗体は、2つ以上の別個の固有の抗原、または同じ抗原の異なるエピトープに対して開発される。例えば、いくつかの二重特異性抗体は、細胞傷害性細胞および腫瘍細胞に同時に結合するように設計されている。そのような抗体は、複数の腫瘍細胞の成長および生存経路を遮断することができ、かつ/または腫瘍細胞死滅経路を活性化することができ、したがって、癌成長をより十分に阻害する可能性を有する。
しかし、二重特異性抗体または多重特異性抗体は、分子の適合性、結果として生じる抗体の親和性、安定性、および医薬特性など、複数の問題を考慮する必要があるため、設計上の大きな課題を提示する。抗体またはタンパク質を単に連結するのみでは、必ずしも相乗効果/有利な効果が得られるとは限らないことは十分に認識されている。リンカーによってアービタックス(セツキシマブ)に連結されたSIRPαD1を含む本開示に開示された組換え抗体は、HT-29またはNCl-H1975腫瘍モデル(実施例8を参照)においてアービタックスまたはSIRPαD1-Fc単独と比較して、劣っている抗腫瘍活性を有することが証明されている。
しかし、本発明者らは、勤勉な努力を通じて、CD47およびHER2の両方を正確に標的とし、通常の単一抗原標的抗体よりも優れた抗腫瘍活性を示す組換え二重特異性タンパク質を設計することに成功している。
本開示では、リンカーを介して、パラトープを構成する重鎖または軽鎖のN末端においてIg様抗HER2抗体のパラトープに連結されている、シグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインを含む組換え融合タンパク質であって、CD47、HER2およびFcRに同時に結合する組換え融合タンパク質を開示している。癌細胞上のCD47に結合することにより、マクロファージ上でのCD47とSIRPとの相互作用が遮断され、SIRP媒介阻害シグナルによりマクロファージ上でチェックが放出され、その一方で、癌細胞上のHER2に結合することにより、制御されていない腫瘍細胞の成長が阻害され、それと同時に、NK細胞上またはマクロファージ上のFcRに結合することにより、NK細胞またはマクロファージによる標的癌細胞の死滅が刺激される。
一実施形態では、Ig様抗HER2抗体のいずれかのパラトープは、パラトープを構成する重鎖または軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている。一実施形態では、Ig様抗HER2抗体の各パラトープは、そのパラトープを構成する重鎖または軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている。一実施形態では、Ig様抗HER2抗体の各パラトープは、そのパラトープを構成する重鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている。一実施形態では、Ig様抗HER2抗体の各パラトープは、そのパラトープを構成する軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている。一実施形態では、Ig様抗HER2抗体の一方のパラトープは、そのパラトープを構成する重鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されており、他方のパラトープは、そのパラトープを構成する軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている。いくつかの実施形態では、抗HER2抗体の1つのパラトープは、そのパラトープを構成する重鎖および軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインの2つのコピーに連結され得る。
一実施形態では、組換え融合タンパク質中のシグナル調節タンパク質はSIRPαであり得、シグナル調節タンパク質の細胞外Ig様ドメインは、SIRPαの最初の細胞外Ig様ドメイン(SIRPαD1)であり得る。SIRPαD1などのシグナル調節タンパク質の細胞外Ig様ドメインは、癌細胞/腫瘍細胞の細胞表面上のCD47に結合して、マクロファージの細胞表面上のSIRPとCD47との相互作用を遮断することができる。
一実施形態では、SIRPαD1は、それぞれ配列番号1および2に示される核酸配列およびアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、SIRPαD1は、配列番号2に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得、ここで、SIRPαD1は、癌細胞/腫瘍細胞の細胞表面上のCD47に結合することができ、またマクロファージの細胞表面上のSIRPとCD47との相互作用を遮断できる。
組換え融合タンパク質中のリンカーは、約5~30のアミノ酸残基のペプチドであり得る。一実施形態では、リンカーは、10~30のアミノ酸残基のペプチドである。別の実施形態では、リンカーは、15~30アミノ酸残基のペプチドである。いくつかの実施形態では、リンカーは、-(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)-(配列番号4)であり、これは、配列番号3によってコードされ得る。
抗HER2抗体は、トラスツズマブ、マルゲツキシマブなどの単離されたモノクローナル抗体、およびトラスツズマブまたはマルゲツキシマブに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%のアミノ酸同一性を有する一方で、結合親和性はそのままである抗体であり得る。
抗HER2抗体は、それぞれが配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖、およびそれぞれが配列番号8のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖を含む、単離されたモノクローナル抗体であり得、それぞれ配列番号5および7の核酸配列によってコードされ得る。抗HER2抗体の抗原結合(Fab)またはパラトープ部分は、癌細胞/腫瘍細胞の細胞表面上のHER2に結合できるため、制御されていない腫瘍細胞/癌細胞の成長が生じるのを防ぐ一方で、抗HER2抗体のFc部分は、NK細胞またはマクロファージの細胞表面上のFcRに結合して、NK細胞またはマクロファージによる癌細胞の死滅を刺激することができる。いくつかの実施形態では、重鎖は、配列番号6に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得、抗HER2抗体が、HER2に結合し、癌細胞/腫瘍細胞の制御されていない成長を防ぐことができ、また、NK細胞またはマクロファージの細胞表面上のFcRに結合し、これによりNK細胞またはマクロファージを活性化して癌細胞を死滅させることができる。いくつかの実施形態では、軽鎖は、配列番号8に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得、抗HER2抗体が、HER2に結合し、癌細胞/腫瘍細胞の制御されていない成長が生じるのを防ぐ。
SIRPαD1-リンカー-抗HER2重鎖融合タンパク質は、配列番号10のアミノ酸配列を含み得、これは、配列番号9のヌクレオチドによってコードされ得る。いくつかの実施形態では、SIRPαD1-リンカー-抗HER2重鎖は、配列番号10に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、SIRPαD1-リンカー-抗HER2重鎖は、抗HER2抗体の軽鎖と共に、CD47、HER2、およびFcRに結合でき、i)癌細胞上のCD47とマクロファージ上のSIRPとの相互作用を遮断する、ii)制御されていない癌細胞/腫瘍細胞の成長を阻害する、およびiii)NK細胞またはマクロファージによる癌細胞の死滅を刺激する。
一実施形態では、SIRPαD1-リンカー-抗HER2軽鎖融合タンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列を含み、これは配列番号11のヌクレオチドによってコードされ得る。いくつかの実施形態では、SIRPαD1-リンカー-抗HER2軽鎖は、配列番号10に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、SIRPαD1-リンカー-抗HER2軽鎖は、抗HER2抗体の重鎖と共に、CD47、HER2、およびFcRに結合でき、i)癌細胞上のCD47とマクロファージ上のSIRPとの相互作用を遮断する、ii)制御されていない癌細胞/腫瘍細胞の成長を阻害する、およびiii)NK細胞またはマクロファージによる癌細胞の死滅を刺激する。
本開示の組換え融合タンパク質をコードする核酸分子、ならびに核酸を含む発現ベクターおよび発現ベクターを含む宿主細胞も提供される。
発現ベクターを含む宿主細胞を使用して組換え融合タンパク質を調製するための方法も提供され、本方法は、(i)宿主細胞において組換え融合タンパク質を発現させるステップと、(ii)宿主細胞から組換え融合タンパク質を単離するステップと、を含む。
別の態様では、本開示は、本開示の組換え融合タンパク質、および少なくとも1つの医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、少なくとも1つのアジュバントをさらに含み得る。
別の態様では、本開示は、CD47および/またはHER2の過剰発現によって引き起こされる疾患を治療するための方法を提供し、それを必要とする患者または対象に、治療有効量の本開示の医薬組成物を投与することを含む。
一実施形態では、本開示は、CD47および/またはHER2の過剰発現によって引き起こされる疾患の治療のための医薬組成物の製造における組換え融合タンパク質の使用を提供する。
一実施形態では、本開示の方法は、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、多発性骨髄腫(MM)、膀胱癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、大腸癌、乳癌、膵癌、および腎細胞癌からなる群から選択される疾患を治療するためのものである。一実施形態では、本開示は、クローン病、アレルギー性喘息または関節リウマチを治療するための方法を提供する。
本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および実施例から明らかになるであろうが、限定的であると解釈されるべきではない。この出願を通して引用されたすべての参考文献、Genbankエントリー、特許、および公開された特許出願の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
本開示の組換え融合タンパク質の構造を示す概略図である。
IMM2901およびIMM2902のCD47への結合活性を示す図である。
IMM2901およびIMM2902のHER2への結合活性を示す図である。
IMM2902が誘発するHL-60細胞の食作用を示す図である。
IMM2902のADCC活性を示す図である。
IMM2902が誘発するHER2の内在化を示す図である。
BT-474異種移植モデルにおけるIMM2902のin vivo治療効果を示す図である。
HT-29異種移植モデルにおけるIMM0404のin vivo治療効果を示す図である。
NCI-H1975異種移植モデルにおけるIMM0404のin vivo治療効果を示す図である。
腫瘍成長の2つ以上の薬理学を標的とするには、主に3つの異なるアプローチが存在する。最も一般的には、患者は、2つ以上の異なる薬物のカクテルが与えられ得る。この選択肢により、可能な薬物の組み合わせおよび異なる投与量に関して最大限の柔軟性が可能になるが、(a)錠剤数の負担(pill burden)が増加し、個々の薬物の投与スケジュールが異なるために、患者による治療への順守が不十分になり得ること、(b)薬物間相互作用のために、不適合性が生じ得ること、および(c)薬物の副作用のリスクが増加することが問題となる。これらの問題は、特に癌などの慢性疾患の管理において、治療法の有効性を低下させ、治療目標の達成を妨げ得る。
2番目のアプローチは、単一の剤形での薬物の固定用量の組み合わせの使用に依存する。このアプローチにより、錠剤数の負担が軽減され、結果的に患者のコンプライアンスの改善となる。固定用量を組み合わせることの欠点は、主に、有効成分間の可能な用量比の選択肢に制限があることであり、これにより、個々の患者を最小限の副作用で最大の効果まで適切に滴定することがより困難になる。さらに、この組み合わせ中の構成成分の異なる薬物動態特性により、個々の標的での薬力学的効果の複雑な時間的不一致がもたらされ得、それによって全体的な有効性が損なわれ得る。
3番目のアプローチは、2つ以上の薬理学を1つのエンティティに組み合わせる多機能薬物の使用である。そのような多機能エンティティの設計および検証はより複雑であり、標的活性の最適な比率を十分に調査する必要がある。多機能分子はまた、他の薬物との固定用量の組み合わせを受け入れることができ、それにより、単一の錠剤に3つの薬理学またはさらには4つの薬理学を組み合わせることにより、効力がさらに増分することとなる。
2つ以上の標的に対する組換え二重特異性または多重特異性タンパク質は多機能薬物であり、通常の単一抗原標的抗体と比較して必ずしも優れた抗腫瘍活性を示すものではない。例えば、以下の実施例8に示されるように、リンカーによって抗EGFR抗体であるアービタックス(セツキシマブ)に連結されたSIRPαD1を含む組換え抗体は、HT-29またはNCl-H1975腫瘍モデルにおいてアービタックスまたはSIRPαD1-Fcよりも低い抗腫瘍活性を有した。組換えタンパク質が相乗効果をもたらすには、洗練された設計が必要とされる。
絶えず実験を行うことにより、本発明者らは、3つの作用メカニズムを介して腫瘍を攻撃することができる新規の組換え融合タンパク質を発明した。1つはSIRP媒介阻害シグナルによりマクロファージ上でチェックを放出することであり、もう1つはHER2シグナル伝達媒介腫瘍細胞/癌細胞の増殖を制御することであり、3つ目は、NK細胞および/またはマクロファージによる癌細胞の死滅を刺激することである。
本開示の組換え融合タンパク質は、リンカーを介して、パラトープを構成する重鎖または軽鎖のN末端においてIg様抗HER2抗体のパラトープに連結されている、シグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインを含み、組換え融合タンパク質は、CD47、HER2、FcRに同時に結合し、i)癌細胞上のCD47に結合して、マクロファージ上のSIRPとCD47との相互作用を遮断し、これによりSIRP媒介阻害シグナルによりマクロファージ上でチェックを放出し、ii)癌細胞上のHER2に結合し、これにより制御されていない腫瘍/癌細胞の成長を阻害し、iii)NK細胞またはマクロファージ上のFcRに結合して、NK細胞またはマクロファージによる癌細胞の死滅を刺激する。一実施形態では、Ig様抗HER2抗体のいずれかのパラトープは、パラトープを構成する重鎖または軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている。一実施形態では、Ig様抗HER2抗体のいずれかの各パラトープは、そのパラトープを構成する重鎖または軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている。一実施形態では、Ig様抗HER2抗体の各パラトープは、そのパラトープを構成する重鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている。一実施形態では、Ig様抗HER2抗体の各パラトープは、そのパラトープを構成する軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている。一実施形態では、Ig様抗HER2抗体の一方のパラトープは、そのパラトープを構成する重鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されており、他方のパラトープは、そのパラトープを構成する軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている。いくつかの実施形態では、抗HER2抗体の1つのパラトープは、そのパラトープを構成する重鎖および軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインの2つのコピーに連結され得る。
本開示の融合タンパク質に含まれる3つの主要な構成要素は、シグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメイン、リンカー、および抗HER2抗体である。当業者は、上記の3つの構成要素を選択するための多くの設計上の選択肢があることを認識するであろう。好ましくは、ヒト由来の配列は、非ヒト動物からのタンパク質またはペプチドの強力な免疫原性がアレルギーおよび他の有害作用をもたらし得るため、ヒトの癌治療に使用される。しかし、適切な場合にヒト化された他の動物タンパク質またはペプチドもまた、異なる適用目的に基づいて本開示において使用され得る。
CD47と結合することができる任意のSIPR(SIRPα、SIRPβ、およびSIRPγ)の任意の細胞外Ig様ドメインが、融合タンパク質を構築するために選択され得る。一実施形態では、組換え融合タンパク質中のシグナル調節タンパク質はSIRPαであり、シグナル調節タンパク質の細胞外Ig様ドメインは、SIRPαの最初の細胞外Ig様ドメイン(SIRPαD1)である。
一実施形態では、組換え融合タンパク質は、それぞれ配列番号1および2に示される核酸配列およびアミノ酸配列を有するSIRPαD1を含む。別の実施形態では、SIRPαD1は、配列番号2に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得、SIRPαD1は、癌細胞/腫瘍細胞の細胞表面上のCD47に結合し、マクロファージの細胞表面のSIRPとCD47の相互作用を遮断することができる。
リンカーは主に、SIRPの細胞外Ig様ドメインと抗HER2抗体の重鎖または軽鎖のN末端との間のスペーサーとして作用する。リンカーは、ペプチド結合によって一緒に連結されたアミノ酸、好ましくはペプチド結合によって連結された5~30のアミノ酸から構成され得、アミノ酸は、20の天然に存在するアミノ酸から選択される。SIRP細胞外Ig様ドメインの2つのコピーが、そのパラトープを構成する重鎖および軽鎖のN末端において抗HER2抗体の1つのパラトープに連結している場合、比較的長いリンカー(おそらく10以上の長さまたはさらには15以上の長さのアミノ酸残基であり得る)が、立体障害の可能性を回避するために必要となり得る。当業者によって理解されるように、これらのアミノ酸のうちの1または複数は、グリコシル化され得る。一実施形態では、5~30のアミノ酸は、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、セリン、およびリシンから選択され得る。一実施形態では、リンカーは、大部分がグリシンおよびアラニンなどの立体障害のないアミノ酸で構成されている。例示的なリンカーは、ポリグリシン(特に、Gly、(Gly)、ポリ(Gly-Ala))、およびポリアラニンである。以下の実施例に示されるような1つの例示的な好適なリンカーは、ポリ(Gly-Ser)、例えば、-(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)-である。
リンカーはまた、非ペプチドリンカーであり得る。例えば、-NH-、-(CH)s-C(O)-などのアルキルリンカー(式中、s=2~20である)を使用することができる。これらのアルキルリンカーはさらに、低級アルキル(例えば、C1~4)、低級アシル、ハロゲン(例えば、Cl、Br)、CN、NH、フェニルなどの任意の非立体障害基によって置換され得る。
任意の抗HER2抗体、特に任意のIg様抗HER2抗体が、本開示の融合タンパク質の形成に使用され得る。抗HER2抗体は、トラスツズマブおよびマルゲツキシマブなどの単離されたモノクローナル抗体であり得る。
いくつかの実施形態では、抗HER2抗体は、それぞれが配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖、およびそれぞれが配列番号8のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖を含む単離されたモノクローナル抗体であり、これら2つは、それぞれ、配列番号5および7の核酸配列によってコードされ得る。抗HER2抗体のFabまたはパラトープ部分は、癌細胞/腫瘍細胞の細胞表面上のHER2に結合し、これにより癌細胞/腫瘍細胞の制御されていない成長が生じるのを防ぐことができ、一方、抗HER2抗体のFc部分は、NK細胞またはマクロファージの細胞表面上のFcRに結合して、NK細胞またはマクロファージによる癌細胞の死滅を刺激することができる。いくつかの実施形態では、重鎖は、配列番号6に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得、抗HER2抗体が、HER2に結合し、癌細胞/腫瘍細胞の制御されていない成長が生じるのを防ぐことができ、また、NK細胞またはマクロファージの細胞表面上のFcRに結合し、これによりNK細胞またはマクロファージを活性化して癌細胞を死滅させることができる。いくつかの実施形態では、軽鎖は、配列番号8に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得、抗HER2抗体が、HER2に結合し、癌細胞/腫瘍細胞の制御されていない成長が生じるのを防ぐ。
上記のとおり、SIRP細胞外Ig様ドメイン、特にSIRPαD1の1つまたは2つのコピーを、特定のパラトープを構成する重鎖および/または軽鎖のN末端において抗HER2のいずれかのパラトープまたは各パラトープに連結することができる。
また、本開示は、組換え融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子および組換え二機能性融合タンパク質を発現する発現ベクターを提供する。ベクターの例としては、これらに限定されないが、プラスミド、ウイルスベクター、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、形質転換能力のある人工染色体(TAC)、哺乳類人工染色体(MAC)、およびヒト人工エピソーム染色体(HAEC)が挙げられる。
本開示は、上記の発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。宿主細胞は、発現ベクターで形質転換され得るかまたはトランスフェクトされ得る。好適な宿主細胞としては、大腸菌、酵母および他の真核生物が挙げられる。好ましくは、大腸菌、酵母または哺乳動物細胞株(COSまたはCHOなど)が使用される。
別の態様では、本開示は、医薬上許容されるアジュバントと共に配合された本開示の融合タンパク質を含む医薬組成物を提供する。本組成物は、任意により、別の抗体または薬物などの1または複数の追加の医薬的活性成分を含み得る。本開示の医薬組成物はまた、例えば、別の免疫刺激剤、抗癌剤、またはワクチンとの併用療法で投与することができる。
医薬組成物は、任意の数の賦形剤を含むことができる。使用できる賦形剤としては、担体、界面活性剤、増粘剤または乳化剤、固体結合剤、分散剤または懸濁助剤、可溶化剤、着色剤、香味剤、コーティング、崩壊剤、潤滑剤、甘味料、防腐剤、等張剤、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好適な賦形剤の選択および使用は、Gennaro,ed.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.(Lippincott Williams & Wilkins 2003)に教示されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
医薬組成物中の主要なビヒクルまたは担体は、本質的に水性であるかまたは非水性であるかのいずれかであり得る。例えば、好適なビヒクルまたは担体は、注射用水、生理食塩水、または人工脳脊髄液であり得、注射において一般的である他の材料が補充されている可能性がある。例えば、ビヒクルまたは担体は、中性緩衝生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水であり得る。他の例示的な医薬組成物は、トリス緩衝液、または酢酸緩衝液を含み、これは、ソルビトールまたはその好適な代替物をさらに含み得る。本開示の一実施形態では、組成物は、所望の純度を有する選択された組成物を、凍結乾燥ケーキまたは水溶液の形態の任意の製剤(Remington's Pharmaceutical Sciences(前出))と混合することによって貯蔵用に調製され得る。さらに、治療用組成物は、スクロースなどの適切な賦形剤を使用して凍結乾燥物として配合され得る。
好ましくは、医薬組成物は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄または表皮投与(例えば、注射または注入による)に好適である。投与経路に応じて、活性分子は、任意の材料でコーティングして、酸の作用および不活性化させ得る他の自然条件から保護することができる。本明細書で使用される「非経口投与」という句は、通常は注射による、経腸および局所投与以外の投与様式を意味し、これらに限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、気管内、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内の注射および注入が挙げられる。あるいは、本開示の抗体は、局所、表皮または粘膜投与経路、例えば、鼻腔内、経口、膣、直腸、舌下または局所などの非経口経路を介して投与され得る。
医薬組成物は、無菌の水溶液または分散液の形態であり得る。それらの組成物はまた、マイクロエマルジョン、リポソーム、または高薬物濃度に好適である他の秩序だった構造で配合され得る。
担体材料と組み合わせて単一の剤形を生成することができる有効成分の量は、治療される対象および特定の投与様式に応じて異なり、一般に、治療効果を生み出す組成物の量となる。一般に、この量は、医薬上許容される担体と組み合わせて、100%のうち、約0.01%~約99%の有効成分、好ましくは約0.1%~約70%、最も好ましくは約1%~約30%の有効成分の範囲となる。
投与レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療応答)をもたらすように調整される。例えば、いくつかの細分化された用量を経時的に投与することができるか、または治療状況の緊急性によって示されるように、用量を比例して減少または増加させることができる。投与の容易性および投薬量の均一性のために、投薬単位形態で非経口組成物を配合することは特に有利である。本明細書で使用される投薬単位形態は、治療される対象の単一投薬量として好適である物理的に別個の単位を指す。各単位は、必要な医薬担体と関連して所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の活性化合物を含む。あるいは、融合タンパク質は徐放性配合物として投与され得、その場合、より少ない頻度の投与が必要とされる。
融合タンパク質を投与する場合、投薬量は、宿主体重の約0.0001~100mg/kg、より通常は0.01~10mg/kgの範囲である。例えば、投薬量は、0.3mg/kg体重、1mg/kg体重、3mg/kg体重、5mg/kg体重、または10mg/kg体重、または1~10mg/kgの範囲内であり得る。例示的な治療レジメンは、週に2回、週に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、月に1回、3ヶ月に1回、または3~6ヶ月に1回の投与を伴う。本開示の融合タンパク質の好ましい投与レジメンには、腹腔内投与による3mg/kg体重または6mg/kg体重が含まれ、抗体は、以下の投与スケジュールのうちの1つを使用して与えられる:(i)6回の投与について4週間ごと、その後3か月ごと、(ii)3週間ごと、(iii)3mg/kg体重を1回、その後3週間ごとに1mg/kg体重、(vi)6mg/kg体重、1週間に1回の投薬。いくつかの方法では、投薬量は、約1~1000μg/mlの血漿抗体濃度を達成するように調整され、いくつかの方法では、約25~300μg/mlに調整される。
本開示の融合タンパク質の「治療上有効な投薬量」は、好ましくは、疾患症状の重症度の低下、無疾患症状期間の頻度の増加およびその期間の増長、または疾患の苦痛による機能障害または身体障害の予防をもたらす。例えば、担癌対象の治療の場合、「治療上有効な投薬量」は、未治療の対象と比較して、好ましくは腫瘍成長を少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約60%、さらにより好ましくは少なくとも約80%、さらにより好ましくは少なくとも約99%阻害する。本開示の融合タンパク質の治療有効量は、腫瘍サイズを減少させるか、さもなければ、典型的にはヒトであるかまたは別の哺乳動物であり得る対象の症状を改善することができる。
医薬組成物は、インプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化送達システムなどの制御放出配合物であり得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R. Robinson,ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,1978を参照のこと。
治療用組成物は、(1)無針皮下注射デバイス(例えば、米国特許第5,399,163号;同第5,383,851号;同第5,312,335号;同第5,064,413号;同第4,941,880号;同第4,790,824号;および同第4,596,556号);(2)マイクロ輸液ポンプ(米国特許第4,487,603号);(3)経皮デバイス(米国特許第4,486,194号);(4)注入装置(米国特許第第4,447,233号および第4,447,224号);および(5)浸透圧装置(米国特許第4,439,196号および同第4,475,196号)などの医療デバイスを介して投与され得る。これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、本開示の融合タンパク質は、in vivoにおいて確実に適切な分布となるように配合され得る。例えば、本開示の治療用融合タンパク質が血液脳関門を確実に通過するために、特定の細胞または器官への選択的輸送を増強するための標的化部分をさらに含み得るリポソーム内に配合され得る。例えば、米国特許第4,522,811号;同第5,374,548号;同第5,416,016号;および同第5,399,331号を参照されたい。
本開示の組換え融合タンパク質をコードする核酸分子またはその誘導体が対象に直接導入される、in vivoでの遺伝子治療も想定される。例えば、本開示の組換え融合タンパク質をコードする核酸配列は、アデノ随伴ウイルスベクターなどの適切な送達ベクターを伴うまたは伴わない核酸構築物の局所注射を介して標的細胞に導入される。代替のウイルスベクターとしては、これらに限定されないが、レトロウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルスおよび乳頭腫ウイルスベクターが挙げられる。ウイルスベクターの物理的移動は、所望の核酸構築物または所望の核酸配列を含む他の適切な送達ベクターの局所注射、リポソーム媒介移動、直接注射(裸のDNA)、または微粒子銃(遺伝子銃)によってin vivoで達成され得る。
本開示の組成物は、単独で、または他の治療剤と組み合わせて使用して、それらの治療効果を増強させ得るか、または潜在的な副作用を減少させ得る。
本開示の別の目的は、上記の組換え融合タンパク質および上記の組換え融合タンパク質を含む医薬組成物を調製するための方法を提供することである。一実施形態では、本方法は、(1)タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子を提供することと、(2)(1)のポリヌクレオチド分子を含む発現ベクターを構築することと、(3)好適な宿主細胞を(2)の発現ベクターでトランスフェクトまたは形質転換し、タンパク質を発現するように宿主細胞を培養することと、(4)タンパク質を精製することと、を含む。調製は、当業者により、周知の技術を用いて実施され得る。
本開示の別の目的は、有効量の前述の医薬組成物を、それを必要とする患者または対象に投与することを含む、本開示の医薬組成物を使用して癌を治療する方法を提供することである。一実施形態では、医薬組成物は、これらに限定されないが、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、多発性骨髄腫(MM)、膀胱癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、大腸癌、乳癌、膵癌、および腎癌など、CD47および/またはHER2過剰発現腫瘍または癌を治療するために使用される。
一実施形態では、CD47および/またはHER2の過剰発現に関連する疾患には、これらに限定されないが、クローン病、アレルギー性喘息、および関節リウマチが含まれる。
次に、本開示は、以下の非限定的な例でさらに説明される。
実施例
以下の実施例では、IMM29は、HER2特異的抗体を指す。この抗体は、それぞれが配列番号6のアミノ酸配列を有する2つの重鎖と、それぞれが配列番号8のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖とを有し、これら2つは、それぞれ配列番号5および配列番号7の核酸配列によってコードされ得る。
IMM2901は、CD47およびHER2に結合できる組換え融合タンパク質であり、それぞれGSリンカーを介して各重鎖のN末端においてIMM29に連結された2つのSIRPαD1を含み、SIRPαD1は、それぞれ、配列番号1および配列番号2の核酸配列およびアミノ酸配列を有し、リンカーは、配列番号3の核酸配列によってコードされ得る、配列番号4のアミノ酸配列を有する。
IMM2902も、CD47およびHER2に結合できる組換え融合タンパク質であり、各SIRPαD1がGSリンカーを介して各軽鎖のN末端においてIMM29に連結しているという点でIMM2901とは異なる。
IMM01は、CD47に結合できる融合タンパク質であり、国際公開第2016169261号に記載されているFc断片に連結したSIRPαD1で構成されている。この融合タンパク質の核酸配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号13および配列番号14に示されている。
IMM0404は、組換え融合タンパク質であり、それぞれがGSリンカーを介して各重鎖のN末端において抗EGFR抗体に連結されている2つのSIRPαD1を含む。SIRPαD1-GS-リンカー-抗EGFR重鎖は、それぞれ、配列番号15および配列番号16の核酸配列およびアミノ酸配列を有する。抗EGFR抗体の軽鎖は、配列番号18のアミノ酸配列を有し、これは、配列番号17の核酸配列によってコードされ得る。
これらのタンパク質の構造を図1に見出され得る。
実施例1 IMM29、IMM2901、IMM2902、IMM01およびIMM0404を発現するベクターの構築
1.1 IMM29
IMM29の全長コード配列は、人工的に設計された。具体的には、重鎖可変領域および軽鎖可変領域の両方のコード配列は、ハーセプチン(トラスツズマブ)に由来していた。マウスIgG1重鎖(配列番号19)のシグナルペプチドをコードする57のヌクレオチドを、重鎖コード配列(配列番号5)または軽鎖コード配列(配列番号7)の5'末端に付加し、コザック配列(配列番号20)をシグナルペプチド配列の5'末端に付加した。次に、得られた重鎖配列の5'および3'末端にHindIII制限部位およびNheI制限部位を付加し、得られた軽鎖配列の5'および3'末端にHindIII制限部位およびXbaI制限部位を付加した。得られた2つの配列を、Genscript(ID#:T84300(重鎖);T85555(軽鎖))によって合成し、それぞれpMac-HベクターおよびpMac-Lベクターにサブクローニングした。
1.2 IMM2901
IMM2901の軽鎖の発現ベクターは、IMM29の発現ベクターと同じである。重鎖ベクター構築のために、SIRPαの最初の細胞外ドメイン(SIRPαD1)(配列番号1)のコード配列を、GSリンカー(配列番号3)を介して、IMM29の重鎖コード配列(配列番号5)のN末端に連結した(全体で配列番号9)。マウスIgG1重鎖(配列番号19)のシグナルペプチドをコードする57ヌクレオチドをSIRPαD1コード配列の5'末端に付加し、コザック配列(配列番号20)をシグナルペプチド配列の5'末端に付加した。最後に、HindIII制限部位およびNheI制限部位を、得られた配列の5'および3'末端にそれぞれ付加した。得られた配列を、Convenience Biology(ID#:Y0000506-1-A10863)によって合成し、pMac-Hベクターにサブクローニングした。
1.3 IMM2902
IMM2902の重鎖の発現ベクターは、IMM29の発現ベクターと同じある。軽鎖ベクター構築のために、SIRPαの最初の細胞外ドメイン(SIRPαD1)(配列番号1)のコード配列を、GSリンカー(配列番号3)を介してIMM29の軽鎖コード配列(配列番号7)のN末端に連結した(全体で配列番号11)。マウスIgG1重鎖のシグナルペプチド(配列番号19)をコードする57ヌクレオチドをSIRPαD1コード配列の5'末端に付加し、コザック配列(配列番号20)をシグナルペプチド配列の5'末端に付加した。最後に、HindIII制限部位およびXbaI制限部位を、得られた配列の5'および3'末端にそれぞれ付加した。得られた配列を、Convenience Biology(ID#:Y0000506-2-A10868)によって合成し、pMac-Lベクターにサブクローニングした。
1.4 IMM01
SIRPαD1-Fcの発現カセットは、コザック配列(配列番号20)をシグナルペプチド(配列番号19)およびSIRPαD1-Fc(配列番号13)のコード配列と順次接続することにより設計した。HindIII制限部位およびEcoRI制限部位は、得られた配列の5'および3'末端にそれぞれ付加し、これはConvenience Biology(ID#:CN1418-F9043)によって合成し、pMac-Fcベクターにサブクローニングした。
1.5 IMM0404
IMM0404の軽鎖の発現カセットは、コザック配列(配列番号20)をシグナルペプチド(配列番号19)のコード配列および抗EGFR抗体(アービタックス(セツキシマブ))(配列番号17)の軽鎖と順次接続することにより設計された。HindIII制限部位およびXbaI制限部位は、それぞれ、得られた配列の5'および3'末端に付加し、これはConvenience Biology(ID#:NJ0719028J_A6315)によって合成し、pMac-Lベクターにサブクローニングした。重鎖ベクター構築のために、SIRPαの最初の細胞外ドメイン(SIRPαD1)のコード配列は、GSリンカーを介して、EGFR特異的抗体の重鎖コード配列のN末端に連結され、SIRPαD1-GSリンカー重鎖は、配列番号15によってコードされていた。マウスIgG1重鎖のシグナルペプチド(配列番号19)をコードする57のヌクレオチドをSIRPαD1-GSリンカー重鎖(配列番号15)の5'末端に付加し、コザック配列(配列番号20)を、シグナルペプチド配列の5'末端に付加した。最後に、HindIII制限部位およびNheI制限部位は、得られた配列の5'および3'末端に付加し、これはGenscript(ID#:M17025)によって合成し、pMac-Hベクターにサブクローニングした。
実施例2 タンパク質の発現および精製
所望のタンパク質を製造するために、実施例1の発現ベクターをチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(ATCC、カタログ番号CCL-61)にエレクトロポレートし、ネオマイシンの圧力選択を数ラウンド行った。選択した安定細胞を無血清Balan CD CHO Growth A培地(Irvine Scientific、カタログ番号94120)に適合させた。タンパク質の発現のために、細胞を3Lバイオリアクターに播種し、流加培養で培養した。細胞生存率が約80%まで低下したときに、バイオリアクター内での反応を停止し、細胞培養上清を採取し、アフィニティークロマトグラフィーによるタンパク質精製を行った。組換えタンパク質の純度は95%を超え、エンドトキシンの含有量は0.5U/g未満であった。
実施例3 CD47またはHER2に結合したIMM2901およびIMM2902
組換えタンパク質のCD47またはHER2結合能は、酵素免疫測定法(ELISA)によって測定した。組換えヒトCD47(ロット番号LC10DE2004、Sino Biologicals)およびErbB2(ロット番号LC11MC0201、Sino Biologicals)をそれぞれコーティングバッファ(製品コード:1001329288 C3041-100CAP、Sigma-Aldrich Co.)で調製し、50ng/ウェルでELISAプレートに転写した(カタログ番号442404、NuncTM)。プレートを4℃の冷蔵庫に一晩置いた。アッセイを行うとき、滴定タンパク質を添加する前に、プレートを0.05%のTween-20を含むPBS(PBS-T)で3回洗浄し、そのプレートを室温で1時間インキュベートした。プレートを再度PBS-Tで5回洗浄した後、HRP-ウサギ抗-ヒトIgG Fc(カタログ番号:309-036-008、Jackson ImmunoResearch Lab)をプレートに加え、室温で1時間インキュベートした。プレートをPBS-Tで5回洗浄した後、基質をプレートに加え、1NのHSOにより色の変化を止めた後にプレートリーダーで読み取った。
IMM2901およびIMM2902は、それぞれEC50値0.1903nMおよび0.3894でCD47に結合し(図2)、それぞれEC50値0.7435nMおよび0.5931nMでHER2に結合し(図3)、従来の単一抗原標的化抗体に対してわずかに劣っている。
実施例4 IMM2902は、HL-60の食作用を活性化した。
マウスマクロファージ細胞株Ana-1を96ウェル細胞培養プレートに1×10細胞/ウェルで播種し、37℃、5%COで16~18時間培養した。標的細胞(HL-60)をCFSEで標識し、段階希釈したIMM2902または対照タンパク質と45分間インキュベートした。試験タンパク質を含む標的細胞溶液を、Ana-1細胞を含むプレートに移し、Ana-1細胞対HL-60細胞の数の比は1:3であった。混合物を細胞培養インキュベーターで2時間培養し、次にAna-1細胞中のCFSEの密度についてFACS分析を行った。
図4に示すとおり、IMM2902は、腫瘍細胞の高レベルの食作用を活性化した。
実施例5 IMM2902は、高い抗体依存性細胞傷害(ADCC)を有していた。
CFSE標識BT-474細胞(標的細胞として使用)を、FcγRIIIaを1:2の比率で安定して発現するNK92MI細胞(エフェクター細胞)と混合し、この混合細胞を段階希釈IMM2902または対照タンパク質の存在下で37℃、5%CO下で4時間培養した。次に、5g/mlヨウ化プロピジウム(PI)(Sigma、カタログ番号P4170)を5μg/mlの濃度で細胞培養に添加し、細胞培養をPIシグナルのFACS分析に供した。ADCCによって媒介される細胞溶解の割合(パーセンテージ)は、次式に基づいて算出した:
溶解%=(IMM2902または対照タンパク質を含むPI陽性細胞%-陰性対照タンパク質を含むPI陽性細胞%)/(100-陰性対照タンパク質を含むPI陽性細胞%)*100
図5に示すとおり、IMM2902は、IMM29およびハーセプチンと比較して同等以上のADCC活性を有していた。
実施例6 IMM2902は、HER2の内在化を誘導した。
1×10個のBT-474細胞を含む、5%FBSを含む200LのDMEM培地を96ウェル細胞培養プレートに播種し、37℃および5%COで一晩インキュベートした。翌日、プレートをインキュベーターから取り出し、培地を滴定タンパク質を含む新鮮培地と交換した。プレートを細胞培養インキュベーター内でさらに4時間インキュベートした後、細胞を洗浄し、ヒトIgGのFc部分に特異的なFITCコンジュゲート抗体で染色した。内在化したHER2受容体の割合は、次式に基づいて算出した:
内在化率=(1-MFI/MFIt=0)*100%
MFI:平均蛍光強度
図6によると、IMM2902は、IMM29またはハーセプチンと同等のレベルでHER2の内在化を誘導することができた。
実施例7 IMM2902は、優れた抗腫瘍効果を有していた。
BT-474ヒト乳癌細胞(ATCC(登録商標)番号:HTB-20;ロット番号:63087043)は、37℃、5%COで10%FBSを含むDMEM培地で培養した。
細胞を収集し、無血清DMEM培地、1×10/mLに再懸濁した。培地にマトリゲルを体積比1:1で添加および混合し、使用するために氷上に置いた。
55匹のヌードマウスにBT-474細胞(1×10細胞/マウス)を右脇腹に皮下注射した。これらのマウスは、エストロゲン依存性腫瘍の成長を維持するために、腫瘍細胞注射の1週間前から試験終了まで、3回/週(毎週月曜日、水曜日、金曜日)、エストロゲンの筋肉内注射を受けた。
腫瘍体積が100~150mmに達したとき、36匹のマウスを無作為に6つの群に割り当て、各群6匹のマウスとした。マウスは、PBS、IMM01(3.0mg/kg)、ハーセプチン(5.0mg/kg)、IMM29(5.0mg/kg)、IMM2909(6.0mg/kg)、およびIMM01+IMM29(3.0mg/kg+5.0mg/kg)の腹腔内注射によってそれぞれ週2回、3週間治療した。合計6回の治療を行った。最初に投与した日を0日目と定義した。腫瘍体積および体重を週に2回測定した。
治療中、マウスの体重が15%以上減少した場合、体重減少が10%以下になるまで薬物投与を停止した。いずれかの群の平均腫瘍体積が2000mmを超えたとき、または実験が完了したときに、動物を屠殺した。
腫瘍体積(V)は、(長さx幅)/2として算出した。腫瘍成長阻害率(TGI)は、次式により算出した:腫瘍成長阻害率=(1-投与群における腫瘍体積変化/対照群における腫瘍体積変化)x100%。ダネットの多重比較検定を使用して、群差を算出した。
[表1]IMM2902および他の抗体の抗腫瘍効果
Figure 0007193058000001
上記の表1および図7に示すとおり、群5は、115.28%の腫瘍成長阻害率(TGI)を有し、他の群よりも高く、単一抗原標的抗体と比較してIMM2902の有効性が高いことを示唆している。特に、群5のTGIは、IMM01およびIMM29を組み合わせて使用した群よりもさらに高かった。
実施例8 HT-29またはNCl-H1975異種移植モデルにおけるIMM0404の抗腫瘍活性
8.1 HT-29異種移植モデル
HT-29ヒト大腸癌細胞は、37℃、5%COで10%FBSを含むマッコイ5A培地で培養した。
対数期の細胞を回収し、1×PBSに再懸濁した。懸濁液にマトリゲルを体積比1:1で添加および混合し、混合物には3×10細胞/mLを含めた。
40匹のマウスに、マウス1匹あたり3×10細胞のHT-29細胞を右脇腹に皮下注射した。腫瘍体積が100~200mmに達したとき、これらの動物をランダムに5つの群に割り当て、各群8匹のマウスとした。マウスは、PBS、IMM01(1.2mg/kg)、アービタックス(2.0mg/kg)、IMM0404(2.7mg/kg)、およびIMM01+アービタックス(1.2mg/kg+2.0mg/kg)の腹腔内注射により、それぞれ週に1回、4週間治療した。合計4回の治療を行った。最初に投与した日を0日目と定義した。腫瘍体積および体重を週に2回測定した。
腫瘍体積(V)は、(長さ×幅)/2として算出した。腫瘍成長阻害率(TGI)は、次式により算出した:腫瘍成長阻害率=(1-投与群における腫瘍体積変化/対照群における腫瘍体積変化)x100%。スチューデント検定を使用して、群差を算出した。
[表2]IMM0404および他の抗体の抗腫瘍効果
Figure 0007193058000002
表2および図8から、IMM0404はこの異種移植モデルの他のタンパク質よりも優れた抗腫瘍活性を示さなかったことが見られ得る。
8.2 NCI-H1975異種移植モデル
NCI-H1975非小細胞肺癌細胞は、10%FBS(GIBCO、US)を含むRPMI-1640培地で、37℃、5%COで培養した。
対数期の細胞を回収し、1×PBSに再懸濁した(1×10細胞/mL)。
40匹のSCIDマウスにマウス1匹あたり1×10細胞のNCI-H1975細胞を右脇腹に皮下注射した。腫瘍体積が100~200mmに達したとき、これらの動物をランダムに5つの群に割り当て、各群8匹のマウスとした。マウスは、PBS、IMM01(2.7mg/kg)、アービタックス(5.0mg/kg)、IMM0404(6.0mg/kg)、およびIMM01+アービタックス(2.7mg/kg+5.0mg/kg)の腹腔内注射により、それぞれ週に1回、3週間治療した。合計3回の治療を行った。最初に投与した日を0日目と定義した。腫瘍体積および体重を週に2回測定した。
腫瘍体積(V)は、(長さ×幅)/2として算出した。腫瘍成長阻害率(TGI)は、次式により算出した:腫瘍成長阻害率=(1-投与群における腫瘍体積変化/対照群における腫瘍体積変化)x100%。スチューデント検定を使用して、群差を算出した。
[表3]IMM0404および他の抗体の抗腫瘍効果
Figure 0007193058000003
表3および図9から、IMM0404の抗腫瘍活性は、IMM01よりも優れていたが、アービタックスおよびIMM01+アービタックスよりも劣っていることが見られ得る。
この実施例のデータは、二重特異性抗体が、単一抗原標的化抗体と比較して必ずしも優れた効力を示すものではないことを示唆した。
本発明は、1または複数の実施形態に関連して上記で説明してきたが、本開示はそれらの実施形態に限定されるものではなく、説明は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内に含まれ得るとおり、以下に含まれ得るすべての代替、変形、および同等物を網羅することを意図していることを理解されたい。本明細書で引用されているすべての参照は、その全体が参照によりさらに組み込まれる。
[項目1]
リンカーを介して、Ig様抗HER2抗体のパラトープに、パラトープを構成する重鎖または軽鎖のN末端において連結されている、シグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインを含む組換え融合タンパク質であって、癌細胞上のCD47のマクロファージ表面上のSIRPへの結合、制御されていない癌細胞の成長を阻害するための癌細胞上のHER2への結合、およびNK細胞またはマクロファージ上のFcRへの結合を遮断することができる、組換え融合タンパク質。
[項目2]
Ig様抗HER2抗体の各パラトープが、パラトープを構成する重鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている、項目1に記載の組換え融合タンパク質。
[項目3]
Ig様抗HER2抗体の各パラトープが、パラトープを構成する軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている、項目1または2に記載の組換え融合タンパク質。
[項目4]
Ig様抗HER2抗体の一方のパラトープが、パラトープを構成する重鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結され、Ig様抗HER2抗体の他方のパラトープは、パラトープを構成する軽鎖のN末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている、項目1から3のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。
[項目5]
シグナル調節タンパク質がSIRPαである、項目1から4のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。
[項目6]
シグナル調節タンパク質の細胞外Ig様ドメインが、シグナル調節タンパク質の最初の細胞外Ig様ドメイン(SIRPαD1)である、項目5に記載の組換え融合タンパク質。
[項目7]
リンカーが10~30のアミノ酸残基のペプチドである、項目1から6のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。
[項目8]
リンカーが-(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser) -である、項目7に記載の組換え融合タンパク質。
[項目9]
Ig様抗HER2抗体が、それぞれが配列番号6に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する2つの重鎖、およびそれぞれが配列番号8に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する2つの軽鎖を含む、項目1から8のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。
[項目10]
各重鎖が配列番号6のアミノ酸配列を有する、項目9に記載の組換え融合タンパク質。
[項目11]
各軽鎖が配列番号8のアミノ酸配列を有する、項目9または10に記載の組換え融合タンパク質。
[項目12]
項目1から11のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
[項目13]
項目12に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
[項目14]
項目13に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
[項目15]
項目1から11のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質、および少なくとも1つの医薬担体を含む医薬組成物。
[項目16]
急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、多発性骨髄腫(MM)、膀胱癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、大腸癌、乳癌、膵癌、腎細胞癌、クローン病、アレルギー性喘息、および関節リウマチからなる群から選択される疾患を治療するための医薬品の調製における項目1から11のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質の使用。
本出願における配列は、以下に要約される。
配列番号1 SIRPアルファの最初の細胞外Ig様ドメイン
GAGGAGGAGC TGCAGGTGAT TCAGCCTGAC AAGTCCGTAT CAGTTGCAGC TGGAGAGTCG GCCATTCTGC ACTGCACTGTGACCTCCCTG ATCCCTGTGG GGCCCATCCA GTGGTTCAGA GGAGCTGGAC CAGCCCGGGA ATTAATCTAC AATCAAAAAG AAGGCCACTT CCCCCGGGTA ACAACTGTTT CAGAGTCCAC AAAGAGAGAA AACATGGACT TTTCCATCAG CATCAGTGCCATCACCCCAG CAGATGCCGG CACCTACTAC TGTGTGAAGT TCCGGAAAGG GAGCCCTGAC ACGGAGTTTA AGTCTGGAGC AGGCACTGAG CTGTCTGTGC GTGCCAAACC CTCTGCCCCC GTGGTATCGG GCCCT 375
配列番号2 SIRPアルファの最初の細胞外Ig様ドメイン
EEELQVIQPD KSVSVAAGES AILHCTVTSL IPVGPIQWFR GAGPARELIY NQKEGHFPRV TTVSESTKRE NMDFSISISA ITPADAGTYY CVKFRKGSPD TEFKSGAGTE LSVRAKPSAP VVSGP 125
配列番号3 リンカー
GGCGG CGGTGGGAGC GGCGGCGGTG GGAGCGGCGG CGGGGGCTCG 45
配列番号4 リンカー
GGGGSGGGGS GGGGS 15
配列番号5 抗HER2抗体の重鎖
GAGGTGCAGC TGGTCGAGAG CGGCGGGGGC CTCGTGCAGC CGGGCGGGTC GCTGCGGCTG AGCTGCGCCG CGAGCGGGTT CAACATCAAG GACACCTACA TCCACTGGGT GCGCCAGGCC CCCGGCAAGG GCCTCGAGTG GGTCGCCCGG ATCTACCCCA CGAACGGGTA CACCCGCTAC GCCGACAGCG TGAAGGGCCG GTTCACCATC AGCGCGGACA CCTCGAAGAA CACGGCCTAC CTGCAGATGA ACAGCCTGCG CGCCGAGGAC ACCGCCGTGT ACTACTGCAG CCGGTGGGGC GGCGACGGGT TCTACGCCAT GGACTACTGG GGGCAGGGCA CCCTCGTCAC CGTGAGCAGC GCTAGCACCA AGGGCCCATC GGTCTTCCCC CTGGCACCCT CCTCCAAGAG CACCTCTGGG GGCACAGCGG CCCTGGGCTG CCTGGTCAAG GACTACTTCC CCGAACCGGT GACGGTGTCG TGGAACTCAG GCGCCCTGAC CAGCGGCGTG CACACCTTCC CGGCTGTCCT ACAGTCCTCA GGACTCTACT CCCTCAGCAG CGTGGTGACC GTGCCCTCCA GCAGCTTGGG CACCCAGACC TACATCTGCA ACGTGAATCA CAAGCCCAGC AACACCAAGG TGGACAAGAG AGTTGAGCCC AAATCTTGTG ACAAAACTCA CACATGCCCA CCGTGCCCAG CACCTGAACT CCTGGGGGGA CCGTCAGTCT TCCTCTTCCC CCCAAAACCC AAGGACACCC TCATGATCTC CCGGACCCCT GAGGTCACAT GCGTGGTGGT GGACGTGAGC CACGAAGACC CTGAGGTCAA GTTCAACTGG TATGTGGACG GCGTGGAGGT GCATAATGCC AAGACAAAGC CGCGGGAGGA GCAGTACAAC GCCACGTACC GTGTGGTCAG CGTCCTCACC GTCCTGCACC AAGACTGGCT GAATGGCAAG GAGTACAAGT GCAAGGTCTC CAACAAAGCC CTCCCAGCCC CCATCGCCGC AACCATCTCC AAAGCCAAAG GGCAGCCCCG AGAACCACAG GTGTACACCC TGCCCCCATC CCGGGAGGAG ATGACCAAGA ACCAAGTCAG CCTGACCTGC CTGGTCAAAG GCTTCTATCC CAGCGACATC GCCGTGGAGT GGGAGAGCAA TGGGCAGCCG GAGAACAACT ACAAGACCAC GCCTCCCGTG CTGGACTCCG ACGGCTCCTT CTTCCTCTAT TCCAAGCTCA CCGTGGACAA GAGCAGGTGG CAGCAGGGGA ACGTCTTCTC ATGCTCCGTG ATGCATGAGG CTCTGCACAA CCACTACACG CAGAAGAGCC TCTCCCTGTC TCCGGGCAAA TGA 1353
配列番号6 抗HER2抗体の重鎖
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGFNIK DTYIHWVRQA PGKGLEWVAR IYPTNGYTRY ADSVKGRFTI SADTSKNTAY LQMNSLRAED TAVYYCSRWG GDGFYAMDYW GQGTLVTVSS ASTKGPSVFP LAPSSKSTSG GTAALGCLVK DYFPEPVTVS WNSGALTSGV HTFPAVLQSS GLYSLSSVVT VPSSSLGTQT YICNVNHKPS NTKVDKRVEP KSCDKTHTCP PCPAPELLGGPSVFLFPPKP KDTLMISRTP EVTCVVVDVS HEDPEVKFNW YVDGVEVHNA KTKPREEQYN ATYRVVSVLT VLHQDWLNGK EYKCKVSNKA LPAPIAATIS KAKGQPREPQ VYTLPPSREE MTKNQVSLTC LVKGFYPSDI AVEWESNGQP ENNYKTTPPV LDSDGSFFLY SKLTVDKSRW QQGNVFSCSV MHEALHNHYT QKSLSLSPGK 450
配列番号7 抗HER2抗体の軽鎖
GACATCCAGA TGACCCAGAG CCCGTCGAGC CTGAGCGCCA GCGTGGGCGA CCGGGTCACG ATCACCTGCC GCGCGAGCCA GGACGTGAAC ACCGCCGTGG CCTGGTACCA GCAGAAGCCC GGGAAGGCCC CCAAGCTCCT GATCTACTCG GCGAGCTTCC TGTACAGCGG CGTCCCCAGC CGGTTCAGCG GGTCGCGCAG CGGCACCGAC TTCACGCTCA CCATCAGCAG CCTGCAGCCG GAGGACTTCG CCACCTACTA CTGCCAGCAG CACTACACCA CGCCCCCCAC CTTCGGGCAG GGCACCAAGG TGGAGATCAA GCGAACTGTG GCTGCACCAT CTGTCTTCAT CTTCCCGCCA TCTGATGAGC AGTTGAAATC TGGAACTGCC TCTGTTGTGT GCCTGCTGAA TAACTTCTAT CCCAGAGAGG CCAAAGTACA GTGGAAGGTG GATAACGCCC TCCAATCGGG TAACTCCCAG GAGAGTGTCA CAGAGCAGGA CAGCAAGGAC AGCACCTACA GCCTCAGCAG CACCCTGACG CTGAGCAAAG CAGACTACGA GAAACACAAA GTCTACGCCT GCGAAGTCAC CCATCAGGGC CTGAGCTCGC CCGTCACAAA GAGCTTCAAC AGGGGAGAGT GTTAG 645
配列番号8 抗HER2抗体の軽鎖
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCRASQDVN TAVAWYQQKP GKAPKLLIYS ASFLYSGVPS RFSGSRSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ HYTTPPTFGQ GTKVEIKRTV AAPSVFIFPP SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT LSKADYEKHK VYACEVTHQG LSSPVTKSFN RGEC 214
配列番号9 SIRPアルファD1-リンカー-抗HER2重鎖
GAGGAGGAGC TGCAGGTGAT TCAGCCTGAC AAGTCCGTAT CAGTTGCAGC TGGAGAGTCG GCCATTCTGC ACTGCACTGT GACCTCCCTG ATCCCTGTGG GGCCCATCCA GTGGTTCAGA GGAGCTGGAC CAGCCCGGGA ATTAATCTAC AATCAAAAAG AAGGCCACTT CCCCCGGGTA ACAACTGTTT CAGAGTCCAC AAAGAGAGAA AACATGGACT TTTCCATCAG CATCAGTGCC ATCACCCCAG CAGATGCCGG CACCTACTAC TGTGTGAAGT TCCGGAAAGG GAGCCCTGAC ACGGAGTTTA AGTCTGGAGC AGGCACTGAG CTGTCTGTGC GTGCCAAACC CTCTGCCCCC GTGGTATCGG GCCCTGGCGG CGGTGGGAGC GGCGGCGGTG GGAGCGGCGG CGGGGGCTCG GAGGTGCAGC TGGTCGAGAG CGGCGGGGGC CTCGTGCAGC CGGGCGGGTC GCTGCGGCTGAGCTGCGCCG CGAGCGGGTT CAACATCAAG GACACCTACA TCCACTGGGT GCGCCAGGCC CCCGGCAAGG GCCTCGAGTG GGTCGCCCGG ATCTACCCCA CGAACGGGTA CACCCGCTAC GCCGACAGCG TGAAGGGCCG GTTCACCATC AGCGCGGACA CCTCGAAGAA CACGGCCTAC CTGCAGATGA ACAGCCTGCG CGCCGAGGAC ACCGCCGTGT ACTACTGCAG CCGGTGGGGC GGCGACGGGT TCTACGCCAT GGACTACTGG GGGCAGGGCA CCCTCGTCAC CGTGAGCAGC GCTAGCACCA AGGGCCCATC GGTCTTCCCC CTGGCACCCT CCTCCAAGAG CACCTCTGGG GGCACAGCGG CCCTGGGCTG CCTGGTCAAG GACTACTTCC CCGAACCGGT GACGGTGTCG TGGAACTCAG GCGCCCTGAC CAGCGGCGTG CACACCTTCC CGGCTGTCCT ACAGTCCTCAGGACTCTACT CCCTCAGCAG CGTGGTGACC GTGCCCTCCA GCAGCTTGGG CACCCAGACC TACATCTGCA ACGTGAATCA CAAGCCCAGC AACACCAAGG TGGACAAGAG AGTTGAGCCC AAATCTTGTG ACAAAACTCA CACATGCCCA CCGTGCCCAG CACCTGAACT CCTGGGGGGA CCGTCAGTCT TCCTCTTCCC CCCAAAACCC AAGGACACCC TCATGATCTC CCGGACCCCTGAGGTCACAT GCGTGGTGGT GGACGTGAGC CACGAAGACC CTGAGGTCAA GTTCAACTGG TATGTGGACG GCGTGGAGGT GCATAATGCC AAGACAAAGC CGCGGGAGGA GCAGTACAAC GCCACGTACC GTGTGGTCAG CGTCCTCACC GTCCTGCACC AAGACTGGCT GAATGGCAAG GAGTACAAGT GCAAGGTCTC CAACAAAGCC CTCCCAGCCC CCATCGCCGC AACCATCTCC AAAGCCAAAG GGCAGCCCCG AGAACCACAG GTGTACACCC TGCCCCCATC CCGGGAGGAG ATGACCAAGA ACCAAGTCAG CCTGACCTGC CTGGTCAAAG GCTTCTATCC CAGCGACATC GCCGTGGAGT GGGAGAGCAA TGGGCAGCCG GAGAACAACT ACAAGACCAC GCCTCCCGTG CTGGACTCCG ACGGCTCCTT CTTCCTCTAT TCCAAGCTCA CCGTGGACAA GAGCAGGTGGCAGCAGGGGA ACGTCTTCTC ATGCTCCGTG ATGCATGAGG CTCTGCACAA CCACTACACG CAGAAGAGCC TCTCCCTGTC TCCGGGCAAA TGA 1773
配列番号10 SIRPアルファD1-リンカー-抗HER2重鎖
EEELQVIQPD KSVSVAAGES AILHCTVTSL IPVGPIQWFR GAGPARELIY NQKEGHFPRV TTVSESTKRE NMDFSISISA ITPADAGTYY CVKFRKGSPD TEFKSGAGTE LSVRAKPSAP VVSGPGGGGS GGGGSGGGGS EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGFNIK DTYIHWVRQA PGKGLEWVAR IYPTNGYTRY ADSVKGRFTI SADTSKNTAY LQMNSLRAED TAVYYCSRWGGDGFYAMDYW GQGTLVTVSS ASTKGPSVFP LAPSSKSTSG GTAALGCLVK DYFPEPVTVS WNSGALTSGV HTFPAVLQSS GLYSLSSVVT VPSSSLGTQT YICNVNHKPS NTKVDKRVEP KSCDKTHTCP PCPAPELLGG PSVFLFPPKP KDTLMISRTP EVTCVVVDVS HEDPEVKFNW YVDGVEVHNA KTKPREEQYN ATYRVVSVLT VLHQDWLNGK EYKCKVSNKA LPAPIAATIS KAKGQPREPQ VYTLPPSREE MTKNQVSLTC LVKGFYPSDI AVEWESNGQP ENNYKTTPPV LDSDGSFFLY SKLTVDKSRW QQGNVFSCSV MHEALHNHYT QKSLSLSPGK 590
配列番号11 SIRPアルファD1-リンカー-抗-HER2軽鎖
GAGGAGGAGC TGCAGGTGAT TCAGCCTGAC AAGTCCGTAT CAGTTGCAGC TGGAGAGTCG GCCATTCTGC ACTGCACTGT GACCTCCCTG ATCCCTGTGG GGCCCATCCA GTGGTTCAGA GGAGCTGGAC CAGCCCGGGA ATTAATCTAC AATCAAAAAG AAGGCCACTT CCCCCGGGTA ACAACTGTTT CAGAGTCCAC AAAGAGAGAA AACATGGACT TTTCCATCAG CATCAGTGCC ATCACCCCAG CAGATGCCGG CACCTACTAC TGTGTGAAGT TCCGGAAAGG GAGCCCTGAC ACGGAGTTTA AGTCTGGAGC AGGCACTGAG CTGTCTGTGC GTGCCAAACC CTCTGCCCCC GTGGTATCGG GCCCTGGCGG CGGTGGGAGC GGCGGCGGTG GGAGCGGCGG CGGGGGCTCG GACATCCAGA TGACCCAGAG CCCGTCGAGC CTGAGCGCCA GCGTGGGCGA CCGGGTCACGATCACCTGCC GCGCGAGCCA GGACGTGAAC ACCGCCGTGG CCTGGTACCA GCAGAAGCCC GGGAAGGCCC CCAAGCTCCT GATCTACTCG GCGAGCTTCC TGTACAGCGG CGTCCCCAGC CGGTTCAGCG GGTCGCGCAG CGGCACCGAC TTCACGCTCA CCATCAGCAG CCTGCAGCCG GAGGACTTCG CCACCTACTA CTGCCAGCAG CACTACACCA CGCCCCCCAC CTTCGGGCAGGGCACCAAGG TGGAGATCAA GCGAACTGTG GCTGCACCAT CTGTCTTCAT CTTCCCGCCA TCTGATGAGC AGTTGAAATC TGGAACTGCC TCTGTTGTGT GCCTGCTGAA TAACTTCTAT CCCAGAGAGG CCAAAGTACA GTGGAAGGTG GATAACGCCC TCCAATCGGG TAACTCCCAG GAGAGTGTCA CAGAGCAGGA CAGCAAGGAC AGCACCTACA GCCTCAGCAG CACCCTGACGCTGAGCAAAG CAGACTACGA GAAACACAAA GTCTACGCCT GCGAAGTCAC CCATCAGGGC CTGAGCTCGC CCGTCACAAA GAGCTTCAAC AGGGGAGAGT GTTAG 1065
配列番号12 SIRPアルファD1-リンカー-抗HER2軽鎖
EEELQVIQPD KSVSVAAGES AILHCTVTSL IPVGPIQWFR GAGPARELIY NQKEGHFPRV TTVSESTKRE NMDFSISISA ITPADAGTYY CVKFRKGSPD TEFKSGAGTE LSVRAKPSAP VVSGPGGGGS GGGGSGGGGS DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCRASQDVN TAVAWYQQKP GKAPKLLIYS ASFLYSGVPS RFSGSRSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ HYTTPPTFGQGTKVEIKRTV AAPSVFIFPP SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT LSKADYEKHK VYACEVTHQG LSSPVTKSFN RGEC 354
配列番号13 SIRPアルファD1-Fc
GAGGAGGAGC TGCAGGTGAT TCAGCCTGAC AAGTCCGTAT CAGTTGCAGC TGGAGAGTCG GCCATTCTGC ACTGCACTGT GACCTCCCTG ATCCCTGTGG GGCCCATCCA GTGGTTCAGA GGAGCTGGAC CAGCCCGGGA ATTAATCTAC AATCAAAAAG AAGGCCACTT CCCCCGGGTA ACAACTGTTT CAGAGTCCAC AAAGAGAGAA AACATGGACT TTTCCATCAG CATCAGTGCCATCACCCCAG CAGATGCCGG CACCTACTAC TGTGTGAAGT TCCGGAAAGG GAGCCCTGAC ACGGAGTTTA AGTCTGGAGC AGGCACTGAG CTGTCTGTGC GTGCCAAACC CTCTGCCCCC GTGGTATCGG GCCCTGCGGC GAGGGCCACA CCTCAGCACG AATTCGAGCC CAAATCTTGT GACAAAACTC ACACATGCCC ACCGTGCCCA GCACCTGAAC TCCTGGGGGG ACCGTCAGTC TTCCTCTTCC CCCCAAAACC CAAGGACACC CTCATGATCT CCCGGACCCC TGAGGTCACA TGCGTGGTGG TGGACGTGAG CCACGAAGAC CCTGAGGTCA AGTTCAACTG GTACGTGGAC GGCGTGGAGG TGCATAATGC CAAGACAAAG CCGCGGGAGG AGCAGTACAA CAGCACGTAC CGTGTGGTCA GCGTCCTCAC CGTCCTGCAC CAGGACTGGC TGAATGGCAA GGAGTACAAG TGCAAGGTCT CCAACAAAGC CCTCCCAGCC CCCATCGAGA AAACCATCTC CAAAGCCAAA GGGCAGCCCC GAGAACCACA GGTGTACACC CTGCCCCCAT CCCGGGATGA GCTGACCAAG AACCAGGTCA GCCTGACCTG CCTGGTCAAA GGCTTCTATC CCAGCGACAT CGCCGTGGAG TGGGAGAGCA ATGGGCAGCC GGAGAACAAC TACAAGACCA CGCCTCCCGT GCTGGACTCCGACGGCTCCT TCTTCCTCTA CAGCAAGCTC ACCGTGGACA AGAGCAGGTG GCAGCAGGGG AACGTCTTCT CATGCTCCGT GATGCATGAG GCTCTGCACA ACCACTACAC GCAGAAGAGC CTCTCCCTGT CTCCGGGTTG A 1101
配列番号14 SIRPアルファD1-Fc
EEELQVIQPD KSVSVAAGES AILHCTVTSL IPVGPIQWFR GAGPARELIY NQKEGHFPRV TTVSESTKRE NMDFSISISA ITPADAGTYY CVKFRKGSPD TEFKSGAGTE LSVRAKPSAP VVSGPAARAT PQHEFEPKSC DKTHTCPPCP APELLGGPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYNSTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYKCKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSRDELTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPG 366
配列番号15 SIRPアルファD1-リンカー-抗EGFR軽鎖
GAGGAGGAGC TGCAGGTGAT TCAGCCTGAC AAGTCCGTAT CAGTTGCAGC TGGAGAGTCG GCCATTCTGC ACTGCACTGT GACCTCCCTG ATCCCTGTGG GGCCCATCCA GTGGTTCAGA GGAGCTGGAC CAGCCCGGGA ATTAATCTAC AATCAAAAAG AAGGCCACTT CCCCCGGGTA ACAACTGTTT CAGAGTCCAC AAAGAGAGAA AACATGGACT TTTCCATCAG CATCAGTGCCATCACCCCAG CAGATGCCGG CACCTACTAC TGTGTGAAGT TCCGGAAAGG GAGCCCTGAC ACGGAGTTTA AGTCTGGAGC AGGCACTGAG CTGTCTGTGC GTGCCAAACC CTCTGGCGGC GGTGGGAGCG GCGGCGGTGG GAGCGGCGGC GGGGGCTCGC AGGTGCAGCT GAAGCAGTCA GGACCTGGCC TAGTGCAGCC CTCACAGAGC CTGTCCATCA CCTGCACAGT CTCTGGTTTCTCATTAACTA ACTATGGTGT ACACTGGGTT CGCCAGTCTC CAGGAAAGGG TCTGGAGTGG CTGGGAGTGA TATGGAGTGG TGGAAACACA GACTATAATA CACCTTTCAC ATCCAGACTG AGCATCAACA AGGACAATTC CAAGAGCCAA GTTTTCTTTA AAATGAACAG TCTGCAATCT CAGGACACAG CCATATATTA CTGTGCCAGA GCCCTCACCT ACTATGATTA CGAGTTTGCTTACTGGGGCC AAGGGACTCT GGTCACTGTC TCTGCAGCTA GCACCAAGGG CCCATCGGTC TTCCCCCTGG CACCCTCCTC CAAGAGCACC TCTGGGGGCA CAGCGGCCCT GGGCTGCCTG GTCAAGGACT ACTTCCCCGA ACCGGTGACG GTGTCGTGGA ACTCAGGCGC CCTGACCAGC GGCGTGCACA CCTTCCCGGC TGTCCTACAG TCCTCAGGAC TCTACTCCCT CAGCAGCGTGGTGACCGTGC CCTCCAGCAG CTTGGGCACC CAGACCTACA TCTGCAACGT GAATCACAAG CCCAGCAACA CCAAGGTGGA CAAGAGAGTT GAGCCCAAAT CTTGTGACAA AACTCACACA TGCCCACCGT GCCCAGCACC TGAACTCCTG GGGGGACCGT CAGTCTTCCT CTTCCCCCCA AAACCCAAGG ACACCCTCAT GATCTCCCGG ACCCCTGAGG TCACATGCGT GGTGGTGGACGTGAGCCACG AAGACCCTGA GGTCAAGTTC AACTGGTATG TGGACGGCGT GGAGGTGCAT AATGCCAAGA CAAAGCCGCG GGAGGAGCAG TACAACGCCA CGTACCGTGT GGTCAGCGTC CTCACCGTCC TGCACCAAGA CTGGCTGAAT GGCAAGGAGT ACAAGTGCAA GGTCTCCAAC AAAGCCCTCC CAGCCCCCAT CGCCGCAACC ATCTCCAAAG CCAAAGGGCA GCCCCGAGAACCACAGGTGT ACACCCTGCC CCCATCCCGG GAGGAGATGA CCAAGAACCA AGTCAGCCTG ACCTGCCTGG TCAAAGGCTT CTATCCCAGC GACATCGCCG TGGAGTGGGA GAGCAATGGG CAGCCGGAGA ACAACTACAA GACCACGCCT CCCGTGCTGG ACTCCGACGG CTCCTTCTTC CTCTATTCCA AGCTCACCGT GGACAAGAGC AGGTGGCAGC AGGGGAACGT CTTCTCATGCTCCGTGATGC ATGAGGCTCT GCACAACCAC TACACGCAGA AGAGCCTCTC CCTGTCTCCG GGCAAATGA 1749
配列番号16 SIRPアルファD1-リンカー-抗EGFR軽鎖
EEELQVIQPD KSVSVAAGES AILHCTVTSL IPVGPIQWFR GAGPARELIY NQKEGHFPRV TTVSESTKRE NMDFSISISA ITPADAGTYY CVKFRKGSPD TEFKSGAGTE LSVRAKPSGG GGSGGGGSGG GGSQVQLKQS GPGLVQPSQS LSITCTVSGF SLTNYGVHWV RQSPGKGLEW LGVIWSGGNT DYNTPFTSRL SINKDNSKSQ VFFKMNSLQS QDTAIYYCAR ALTYYDYEFAYWGQGTLVTV SAASTKGPSV FPLAPSSKST SGGTAALGCL VKDYFPEPVT VSWNSGALTS GVHTFPAVLQ SSGLYSLSSV VTVPSSSLGT QTYICNVNHK PSNTKVDKRV EPKSCDKTHT CPPCPAPELL GGPSVFLFPP KPKDTLMISR TPEVTCVVVD VSHEDPEVKF NWYVDGVEVH NAKTKPREEQ YNATYRVVSV LTVLHQDWLN GKEYKCKVSN KALPAPIAAT ISKAKGQPREPQVYTLPPSR EEMTKNQVSL TCLVKGFYPS DIAVEWESNG QPENNYKTTP PVLDSDGSFF LYSKLTVDKS RWQQGNVFSC SVMHEALHNH YTQKSLSLSP GK 582
配列番号17 抗EGFR抗体の軽鎖
GACATCTTGC TGACTCAGTC TCCAGTCATC CTGTCTGTGA GTCCAGGAGA AAGAGTCAGT TTCTCCTGCA GGGCCAGTCA GAGTATTGGC ACAAACATAC ACTGGTATCA GCAAAGAACA AATGGTTCTC CAAGGCTTCT CATAAAGTAT GCTTCTGAGT CTATCTCTGG GATCCCTTCC AGGTTTAGTG GCAGTGGATC AGGGACAGAT TTTACTCTTA GCATCAACAG TGTGGAGTCTGAAGATATTG CAGATTATTA CTGTCAACAA AATAATAACT GGCCAACCAC GTTCGGTGCT GGGACCAAGC TGGAGCTGAA ACGAACTGTG GCTGCACCAT CTGTCTTCAT CTTCCCGCCA TCTGATGAGC AGTTGAAATC TGGAACTGCC TCTGTTGTGT GCCTGCTGAA TAACTTCTAT CCCAGAGAGG CCAAAGTACA GTGGAAGGTG GATAACGCCC TCCAATCGGG TAACTCCCAGGAGAGTGTCA CAGAGCAGGA CAGCAAGGAC AGCACCTACA GCCTCAGCAG CACCCTGACG CTGAGCAAAG CAGACTACGA GAAACACAAA GTCTACGCCT GCGAAGTCAC CCATCAGGGC CTGAGCTCGC CCGTCACAAA GAGCTTCAAC AGGGGAGAGT GTTAG 645
配列番号18 抗EGFR抗体の軽鎖
DILLTQSPVI LSVSPGERVS FSCRASQSIG TNIHWYQQRT NGSPRLLIKY ASESISGIPS RFSGSGSGTD FTLSINSVES EDIADYYCQQ NNNWPTTFGA GTKLELKRTV AAPSVFIFPP SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT LSKADYEKHK VYACEVTHQG LSSPVTKSFN RGEC 214
配列番号19 マウスIgG1重鎖のシグナルペプチド
ATGGGATGGT CATGTATCAT CCTTTTTCTG GTAGCAACTG CAACTGGAGT ACATTCA 57
配列番号20 コザック
GCCGCCACC 9

Claims (10)

  1. リンカーを介して、Ig様抗HER2抗体のパラトープに、前記パラトープを構成する鎖のN末端において連結されている、シグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインを含む組換え融合タンパク質であって、
    前記シグナル調節タンパク質は、SIRPαであり、
    前記シグナル調節タンパク質の前記細胞外Ig様ドメインは、シグナル調節タンパク質の最初の細胞外Ig様ドメイン(SIRPαD1)であり、
    前記SIRPαD1は、配列番号2のアミノ酸配列を有し、
    前記Ig様抗HER2抗体は、2つの重鎖および2つの軽鎖を含み、
    各重鎖が配列番号6のアミノ酸配列を有し、
    各軽鎖が配列番号8のアミノ酸配列を有し、
    癌細胞上のCD47のマクロファージ表面上のSIRPへの結合、制御されていない癌細胞の成長を阻害するための癌細胞上のHER2への結合、およびNK細胞またはマクロファージ上のFcRへの結合を遮断することができる、組換え融合タンパク質。
  2. 前記Ig様抗HER2抗体の各パラトープが、前記パラトープを構成する前記軽鎖の前記N末端においてシグナル調節タンパク質(SIRP)の細胞外Ig様ドメインに連結されている、請求項1に記載の組換え融合タンパク質。
  3. 前記リンカーが10~30のアミノ酸残基のペプチドである、請求項1または2に記載の組換え融合タンパク質。
  4. 前記リンカーが-(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)-(配列番号22)である、請求項に記載の組換え融合タンパク質。
  5. 前記組換え融合タンパク質は、SIRPαD1-リンカー-抗HER2抗体の軽鎖断片を含み、
    前記SIRPαD1-リンカー-抗HER2抗体の軽鎖断片は、配列番号12のアミノ酸配列を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
  7. 請求項に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  8. 請求項に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質、および少なくとも1つの医薬担体を含む医薬組成物。
  10. 急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、多発性骨髄腫(MM)、膀胱癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、大腸癌、乳癌、膵癌、腎細胞癌、クローン病、アレルギー性喘息、および関節リウマチからなる群から選択される疾患の治療のための、請求項1からのいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。
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