本発明に係る遊技機を実施するための形態を図面に基づいて以下に説明する。
(形態)
形態1の遊技機は、
遊技媒体(例えば、遊技球P)を貯留可能な貯留部(例えば、球タンク形成部201)と、
遊技媒体を払出すことが可能な払出部(例えば、払出装置200)と、
上面が開口し、前記貯留部の遊技媒体を前記払出部に誘導する誘導通路(例えば、第1誘導通路や第2誘導通路)を形成する誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202や第2誘導通路形成部204)と、
を備える
ことを特徴としている。
形態2の遊技機は、形態1に記載の遊技機であって、
前記誘導通路形成部の上面の一部を覆うように設けられたカバー部(例えば、第1カバー体310のカバー部314、第2カバー体320のカバー部324、第3カバー体330のカバー部334)を備え、
前記カバー部に、該カバー部上に落下したねじ部材(例えば、ねじ部材N1~N6、N11~N16)の前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)への落下を制限するための所定制限部(例えば、長孔316A~316C、凹溝326A~326C、凹部336)が設けられている(図22、図24参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、カバー部上に落下したねじ部材が誘導通路形成部内に落下することを防止することができる。
形態3の遊技機は、形態2に記載の遊技機であって、
前記所定制限部(例えば、長孔316A~316C、凹溝326A~326C、凹部336)は、前記カバー部上に落下した遊技媒体を滞留させることなく該カバー部上から落下可能に設けられている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所定制限部に遊技媒体が滞留することがなく、常にねじ部材を滞留させることが可能な状態を維持できるため、カバー部上に落下したねじ部材が誘導通路形成部内に落下することを防止することができる。
形態4の遊技機は、形態2または3に記載の遊技機であって、
前記所定制限部は、前記カバー部上に落下したねじ部材(例えば、ねじ部材N1~N6、N11~N16)を該カバー部上に滞留させることが可能な第1滞留部(例えば、長孔316A~316C)と第2滞留部(例えば、凹溝326A~326C)とを含み、
前記第2滞留部は、前記第1滞留部よりも前記払出部(例えば、払出装置200)に近い位置に設けられ、該第1滞留部よりも大きい(L22B>L21)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、払出部に近づくにつれてねじ部材が滞留部に滞留されやすくなるため、カバー部上に落下したねじ部材が移動して誘導通路形成部内に落下することを防止することができる。
形態5の遊技機は、形態1~4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)に、該誘導通路形成部に落下したねじ部材(例えば、ねじ部材N1~N6、N11~N16)の前記払出部(例えば、払出装置200)への移動を制限するための特定制限部(例えば、孔部271A~271H)が複数設けられている(図12、図27参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導通路形成部内に混入したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態6の遊技機は、形態5に記載の遊技機であって、
前記特定制限部は、複数の孔部(例えば、孔部271A~271H)であり、
前記複数の孔部のうち少なくとも2以上の孔部は、前記誘導通路形成部に混入したねじ部材を前記払出部に到達する前に前記誘導通路形成部外に落下させることが可能な大きさを有する(L11>L2、図11参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導通路形成部にねじ部材が混入しても孔部から誘導通路形成部外に落下させることができるため、誘導通路形成部内に混入したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。また、誘導通路形成部内に混入したねじ部材により遊技媒体の流下が阻害されることを防止することができる。
形態7の遊技機は、形態6に記載の遊技機であって、
前記複数の孔部は、それぞれ大きさが異なり、
前記複数の孔部のうち最も大きい所定孔部は、前記払出部に最も近い位置に設けられている(例えば、孔部271Hの左右寸法L12は他の孔部271A~271Gの左右寸法より大きい。図12参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所定孔部からねじ部材を好適に誘導通路形成部外に落下させることができるため、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態8の遊技機は、形態6または7に記載の遊技機であって、
前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)の上面において前記カバー部(例えば、第1カバー体310のカバー部314、第2カバー体320のカバー部324、第3カバー体330のカバー部334)により覆われていない非被覆領域(例えば、非被覆領域350)があり、
複数の前記特定制限部のうち少なくとも一部(例えば、孔部271B~271H)は、前記誘導通路形成部における前記非被覆領域に対応する位置に設けられている(図27参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ねじ部材が非被覆領域から誘導通路形成部に混入しても、孔部から誘導通路形成部外に落下させることができる。
形態9の遊技機は、形態1~8のいずれかに記載の遊技機であって、
前記貯留部(例えば、球タンク形成部201)が設けられた遊技枠(例えば、遊技機用枠3)を備え、
前記貯留部は、
前記遊技枠の所定部(例えば、第1突出部224)の上面側に配置され、
前記所定部の上面との間にねじ部材が進入しないように該所定部の上面に近接または当接している(L30<L1、図19(B)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ねじ部材が遊技枠の所定部と貯留部との間に入り込んで部材が破損してしまうことを防止することができる。
形態10の遊技機は、形態1~9のいずれかに記載の遊技機であって、
前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)よりも下方位置に取付けられる第1基板(例えば、主基板11、演出制御基板12など)と、
前記誘導通路形成部よりも上方位置に取付けられる第2基板(例えば、ターミナル基板210)と、
を備え、
前記第1基板はねじ部材を用いた取付方法により取付けられる一方で、前記第2基板はねじ部材を用いた取付方法とは異なる取付方法により取付けられる(例えば、基板ケース11A,12Aなどはねじ部材により遊技盤2に取付けられる一方で、ターミナル基板210は、ねじ部材とは異なる取付手段としての複数の規制部235及び係止部236からなる係止手段を用いて基板取付枠211に取付けられる。図17参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態11の遊技機は、形態10に記載の遊技機であって、
前記第2基板は、所定の信号を前記遊技機の外部に出力するための配線(例えば、ケーブルC)が接続される外部出力用基板(例えば、ターミナル基板210)であり、
前記第1基板は、前記外部出力用基板よりも接続される配線数が少ない(例えば、第1誘導通路形成部202の上方に設けられる第1基板としてのターミナル基板210の複数の接続孔部231に接続可能なケーブルCの接続本数は第1本数(例えば、20本)とされている一方で、第1誘導通路形成部202の下方に設けられる主基板11や演出制御基板12などの第2基板にも各々の信号線が接続されるが、第1本数より少ない本数である第2本数(例えば、10本)とされている。)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、接続する配線数が多く配線接続作業の際に外力が加わりやすい第2基板がねじ部材で取付けられないことで、外部出力用基板に外力が加わることによりねじ部材が外れて誘導通路形成部内に落下することを防止することができる。
形態12の遊技機は、形態10または11に記載の遊技機であって、
前記貯留部(例えば、球タンク形成部201)が設けられた遊技枠(例えば、遊技機用枠3)と、
前記外部出力用基板を前記遊技枠に取付けるための取付枠(例えば、基板取付枠211)と、
を備え、
前記取付枠は、該取付枠に落下したねじ部材の前記誘導通路形成部への移動を制限するための取付枠制限部(例えば、凹部242)を有する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、外部出力用基板の取付枠を利用して、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態13の遊技機は、形態1~12のいずれかに記載の遊技機であって、
前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)の周辺に、該誘導通路形成部に向けて移動してきたねじ部材(例えば、ねじ部材N1~N6、N11~N16)の前記誘導通路形成部への落下を制限するための特別制限部(例えば、凹部280,290,214,242,243)が設けられている(図22(C)、図23(A)(B)、図24参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ねじ部材が誘導通路形成部内に落下することを防止することができる。
形態14の遊技機は、形態13に記載の遊技機であって、
前記特別制限部は、前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)に向けて移動してきたねじ部材(例えば、ねじ部材N1~N6、N11~N16)を該誘導通路形成部に到達する前に滞留させることが可能な特別滞留部(例えば、凹部280,290,214,242,243)であり、被取付部に取付けられたねじ部材の下方に設けられ、
前記被取付部から外れたが前記特別滞留部に滞留しなかったねじ部材が前記カバー部に向けて移動可能である(図22(C)、図23(A)(B)、図24参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、被取付部から外れたねじ部材が誘導通路形成部内に落下することを防止することができる。
形態15の遊技機は、形態13または14に記載の遊技機であって、
前記特別滞留部は、ねじ部材の少なくとも一部を収容可能な凹部(例えば、凹部280,290,214,242,243)であり、
前記凹部の深さは、ねじ部材が収容された状態において該ねじ部材の一部が突出する深さである(図22(C)、図23(A)(B)、図24参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、凹部に滞留したねじ部材を容易に取出すことができる。
形態16の遊技機は、形態1~15のいずれかに記載の遊技機であって、
前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)の上面の一部を覆うように設けられたカバー部(例えば、第3カバー体330のカバー部334)を備え、
前記カバー部は、前記払出部側に向けて下方に傾斜するように設けられ、
前記カバー部における傾斜方向の前記払出部側に、該カバー部上に落下したねじ部材を該カバー部に滞留させることが可能な特定部(例えば、球止め部材340)が設けられている(図15、図26、図27参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態17の遊技機は、形態16に記載の遊技機であって、
前記特定部(例えば、球止め部材340)は、前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)の遊技媒体(例えば、遊技球P)を流下可能とする第1状態と、前記誘導通路形成部の遊技媒体を流下困難または流下不能とする第2状態と、に変化可能であり(例えば、回動部341が起立位置に位置し、前壁部341Aがスリット344から上方に逸脱して第1誘導通路形成部202の遊技球を第2誘導通路形成部204に流下可能とする第1状態と、回動部341が傾倒位置に位置し、前壁部341Aがスリット344に挿入され遊技球に接触可能となり、第1誘導通路形成部202の遊技球を第2誘導通路形成部204に流下不能(または流下困難)とする第2状態と、に変化可能とされている。)、
前記特定部が前記第2状態のときの方が、前記第1状態のときよりもねじ部材が滞留しやすい(図26参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態18の遊技機は、形態16または17に記載の遊技機であって、
前記カバー部は、
前記カバー部上に落下したねじ部材を該カバー部上に滞留させることが可能な滞留部(例えば、長孔316A~316C、凹溝326A~326C、凹部336)が設けられた第1カバー部(例えば、第1カバー体310のカバー部324、第2カバー体320のカバー部324)と、
前記第1カバー部とは異なり前記特定部が設けられた第2カバー部(例えば、第3カバー体330のカバー部334)と、
を含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態19の遊技機は、形態18に記載の遊技機であって、
前記第2カバー部(例えば、第3カバー体330のカバー部334)は、緩み止め部(例えば、フランジ部F)を有するねじ部材(例えば、ねじ部材N16)にて取付けられている(図8参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態20の遊技機は、形態1~19のいずれかに記載の遊技機であって、
前記貯留部(例えば、球タンク形成部201)が設けられた遊技枠(例えば、遊技機用枠3)を備え、
前記貯留部は、緩み止め部を有するねじ部材(例えば、ねじ部材N11~N14)によって複数個所で前記遊技枠に取付けられ、
前記貯留部及び前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)を前記遊技枠に取付けるためのねじ部材は、該遊技枠から外れても前記誘導通路形成部外に落下するように取付けられている(図8参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、貯留部を取付けるねじ部材を遊技枠から外れにくくする一方で、貯留部と誘導通路形成部を取付けるねじ部材は、外れたとしても誘導通路形成部外に落下するため、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態21の遊技機は、形態20に記載の遊技機であって、
前記貯留部(例えば、球タンク形成部201)及び前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)を前記遊技枠(例えば、遊技機用枠3)に取付けるための複数のねじ部材のうち、前記遊技機の周縁部近傍の所定ねじ部材(例えば、ねじ部材N12)は、アース線(例えば、アース線226)を取付けるためのねじ部材と兼用されている(図8参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ねじ部材を減らすことができるため、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態22の遊技機は、形態20または21に記載の遊技機であって、
前記貯留部(例えば、球タンク形成部201)を前記遊技枠(例えば、遊技機用枠3)に取付けるためのねじ部材(例えば、ねじ部材N11~N14)は、該遊技枠を補強するための金属部材(例えば、金属板222)に取付けられている(図8参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、貯留部を強固に取付けることができる。
形態23の遊技機は、形態20~22のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技枠(例えば、遊技機用枠3)における前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)の上方位置に取付けられているねじ部材(例えば、ねじ部材N3~N6)は、前記緩み止め部を有するねじ部材とは異なるねじ部材である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態24の遊技機は、形態20~23のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技枠(例えば、遊技機用枠3)に着脱可能な遊技盤(例えば、遊技盤2)を備え、
前記遊技盤における前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)よりも下方の領域には、落下してきたねじ部材を流下させることが可能な傾斜面(例えば、カバー体220の上壁部220H)が設けられている(図18~図20、図27参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導通路形成部から遊技盤に落下したねじ部材が跳ねて再び誘導通路形成部に混入されることを防止することができる。
形態25の遊技機は、形態1~24のいずれかに記載の遊技機であって、
前記誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)の上面の一部を覆うように設けられたカバー部(例えば、変形例1のカバー部360)を備え、
前記誘導通路形成部は、
一側方(例えば、左側方)に向けて下側に傾斜するように延設される第1通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202)と、
前記第1通路形成部の下側の端部から下方に向けて延設される第2通路形成部(例えば、第2誘導通路形成部204)と、
を有し、
前記カバー部は、該カバー部上に落下したねじ部材が移動して下側の端部から前記誘導通路形成部外に落下するように前記第1通路形成部に沿って設けられる(図29(A)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、誘導通路形成部内に落下したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。
形態26の遊技機は、形態2~25のいずれかに記載の遊技機であって、
前記カバー部(例えば、変形例1のカバー部360)における前記所定制限部(例えば、凹部361)の近傍位置に、前記誘導通路形成部に対し交差するように配線(例えば、ケーブルCH)が設けられている(図29(B)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ねじ部材が配線に引っ掛かり所定制限部に滞留しやすくなる。
(パチンコ遊技機1の構成等)
まず、パチンコ遊技機1の構成を説明する。尚、以下の説明においては、遊技者が位置する方向をパチンコ遊技機1の前方とし、その反対の方向を後方とする。また、パチンコ遊技機1の前方に位置する遊技者から見たときの上下左右の方向を基準として説明する。
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域Yが形成され、この遊技領域Yには、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域Yを開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域Yを透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材と、から構成されている。尚、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域Yの左下)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう。)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
尚、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。尚、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。尚、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
尚、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。尚、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域Yの中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。尚、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左下)には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81によって開閉駆動される始動入賞口扉を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに始動入賞口扉が閉鎖位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに始動入賞口扉が開放位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの間には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域Yの左下)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の右方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の下方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域Yの最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口(図示略)が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域Y周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域Yに向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域Yの下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される払出口が設けられている。尚、打球供給皿(下皿)が設けられていてもよい。
遊技領域Yの下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域Yの下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域Yに向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。尚、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
尚、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
尚、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。尚、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。尚、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
尚、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて、または当該表示に代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯や消灯、可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を含む任意の演出装置を用いた演出として行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。尚、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。尚、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板37(図3参照)、情報端子基板、発射制御基板、電源基板91(図3参照)などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。尚、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
また、CPU103は、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(パチンコ遊技機の背面構造)
次に、図3~図7に基づいて、パチンコ遊技機1の背面構造について説明する。図3は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図4は、パチンコ遊技機を示す左側面図である。図5は、遊技盤が取付けられた遊技機用枠を示す平面図である。図6は、パチンコ遊技機を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図7は、遊技機枠から遊技盤が取外された状態を示す斜視図である。尚、図5~図7においてガラス扉枠50の図示は省略している。
図3~図7に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技盤2が着脱可能に設けられる遊技機用枠3と、遊技機用枠3の左側辺を中心として該遊技機用枠3の前面を開閉可能に設けられたガラス扉枠50と、遊技機用枠3を左側辺を中心として開閉可能に支持する四角枠状の外枠60と、を有し、遊技場に設置された遊技島(図示略)に外枠60を固定することにより遊技島に設置できるようになっている。
遊技機用枠3の背面上部には、遊技島(図示略)の内部に設けられた遊技球(以下、遊技球Pと言うこともある)の循環経路から補給装置150(図3、図4参照)を介して供給される遊技球を貯留可能な貯留部を形成する球タンク形成部201と、球タンク形成部201に貯留された遊技球を左側に向けて誘導する第1誘導通路を形成する第1誘導通路形成部202と、からなる第1通路形成体203が、遊技機用枠3の上辺部3Aに沿うように左右方向に延設されている。また、第1誘導通路形成部202の上方位置には、後述するターミナル基板210が設けられている。
補給装置150は、遊技島の循環経路の遊技球を誘導可能なノズル等からなる誘導部材150Aと、該誘導部材150Aにより導かれた遊技球を所定数(例えば、10個など)ずつ送出することが可能なスプロケット(図示略)、該スプロケットを駆動する駆動源(図示略)、外枠60の開口が遊技機用枠3により閉鎖される閉鎖状態であるときに該遊技機用枠3に押圧されるレバースイッチ(図示略)と、を有し、閉鎖状態においてレバースイッチ(図示略)が遊技機用枠3にて押圧されているときにはスプロケットにて送出された遊技球が球タンク形成部201に落下可能となり、開放状態においてレバースイッチ(図示略)が遊技機用枠3にて押圧されていないときにはスプロケットにて送出された遊技球が落下不能に保持される。そして、外枠60が閉鎖状態であるときに球タンク形成部201に貯留されている遊技球数が減少すると、駆動源によりスプロケットが回転して遊技球が所定個数ずつ送出され球タンク形成部201に供給されるようになっている。また、補給装置150は、複数の部材を複数のねじ部材(図示略)により組付けることによりケース体150Bが構成され、該ケース体150Bが複数のねじ部材(図示略)を用いて遊技島の所定個所に固設されている。
また、第1誘導通路形成部202により左側に誘導された遊技球を下方に誘導する第2誘導通路を形成する第2誘導通路形成部204と、第2誘導通路形成部204により誘導された遊技球を払出すことが可能な払出部を構成する払出装置200と、払出装置200により払出された遊技球を上皿に誘導する、つまり、遊技者に遊技球を払出すための払出通路を形成する払出通路形成部205と、第2誘導通路形成部204により誘導された遊技球を払出装置200から払出通路形成部205に払出すことなく、パチンコ遊技機1の外部に排出するためにパチンコ遊技機1の背面側下部に設けられた図示しない排出部(図示略)に誘導する球抜き通路を形成する球抜き通路形成部206と、からなる第2通路形成体207が、遊技機用枠3の背面左側辺部に沿うように上下方向に延設されている。
払出装置200は、略直方体状に形成されるケース体からなり、内部には遊技球を所定球数(例えば、1球)ずつ払い出すためのスプロケット、該スプロケットを回転させるための払出モータ、遊技球の流路を払出通路と球抜き通路とに切り替え可能な切替弁、該切替弁の切り替え操作を行うための操作レバー等が設けられている。また、遊技機用枠3の背面下部には、電源基板91が収納された基板ケース91Aや払出制御基板37が収納された基板ケース37A等が設けられている。
尚、本実施の形態では、第2誘導通路の所定個所に遊技球を検出可能な球切れスイッチ(図示略)が設けられており、CPU103は、球切れスイッチ(図示略)からの検出信号の入力状態に基づいて、払出装置200の上流側の第2誘導通路に払出すための遊技球があるか否かを常時監視している。そして、球切れスイッチ(図示略)のオフ状態が所定時間以上継続した場合、球詰まりなど何らかの理由で遊技球が払出装置200に供給されていない、つまり、補給エラーが発生したと判定し、払出装置200による払出動作を中止する。また、主基板11に接続される所定の表示器(図示略)にて補給エラー表示を行うとともに、補給エラーコマンドを演出制御基板12に出力することで、演出制御用CPU120にガラス扉枠50の前面所定個所に設けられた遊技効果ランプ9をエラー態様にて発光させるなどして、補給エラーが生じている旨の報知処理を実行可能である。
図7に示すように、遊技機用枠3の略中央部に形成された開口部221には、遊技機用枠3の前面側から遊技盤2が着脱可能に配置される。遊技盤2は、前述した盤面板及びスペーサ部材からなる板状体2aと、板状体2aの前面側に設けられる各種遊技用部品(例えば、障害釘や入賞装置など)や、板状体2aの背面側に設けられる画像表示装置5、可動体32を有する演出装置や、演出制御基板12が収納された基板ケース12A、主基板11が収納された基板ケース11A等の電子部品や、板状部及び演出装置や電子部品等を保護するカバー体220と、を含む構造体とされている。
尚、基板ケース11A,12A,91A,37Aは、透明な合成樹脂材からなるベース部材とカバー部材とにより各基板を内部に収納可能に構成され、これらのうち基板ケース11A,12Aにあっては、各々1個または複数のねじ部材N20,N21(図3参照)により遊技機用枠3または遊技盤2に取付けられ、基板ケース91A,37Aは係止手段(図示略)により遊技機用枠3または遊技盤2に取付けられている。また、カバー体220は、透明な合成樹脂材により前面が開口する箱状に形成され、背面の一部は右側辺を中心として回動可能な開閉部220Aとされ、遊技盤2の背面の一部を開閉可能とされている。
図4~図6に示すように、遊技機用枠3の背面に設けられた第1通路形成体203、第2通路形成体207と、遊技盤2の背面を構成するカバー体220は、遊技機用枠3により外枠60を閉鎖した状態において、外枠60よりも後方に突出する。特に第1通路形成体203は、球タンク形成部201の上面開口が遊技機用枠3の背面上部における外枠60の上板の後方位置に配置されるように設けられていることで、パチンコ遊技機1の外枠60を遊技島(図示略)に固定した状態において、遊技島の上方の循環経路から補給装置150を介して球タンク形成部201に遊技球を供給できるようになっている。
(第1通路形成体203の取付構造)
次に、第1通路形成体203の遊技機用枠3への取付構造について、図8及び図9に基づいて説明する。図8は、通路形成体の遊技機用枠への取付構造を示す分解斜視図である。図9は、遊技機用枠の背面上部を示す拡大背面図である。
図8及び図9に示すように、遊技機用枠3は、正面視略長方形状をなす枠体であり、遊技盤2を取付けるための開口部221が形成されており、開口部221の上方の上辺部3Aの背面には、補強用の金属板222が左右方向に向けて設けられている。また、金属板222の背面には、第1通路形成体203を遊技機用枠3に取付けるための取付部材223が取付けられている。
取付部材223は、合成樹脂材により金属板222を背面側から被覆可能に形成され、前後方向を向く複数の取付孔H1~H5に背面側から取付けたねじ部材N1~N5を、金属板222に形成された複数のねじ孔に各々螺入することで金属板222に取付けられている。取付部材223の右側には、板状の第1突出部224が後方に向けて突設され、取付部材223の左側には、上壁部225A、後壁部225B及び左右の側壁部225Cからなる立体状の第2突出部225が後方に向けて突設されている。
第1突出部224は、第2突出部225の上壁部225Aより下方位置から後方に向けて突出しており、その上側には球タンク形成部201が配置される。また、第2突出部225の後壁部225Bの後側には、第1誘導通路形成部202が配置されるとともに、その上側には、ターミナル基板210を取付けるための基板取付枠211が取付けられている。基板取付枠211は、下辺から下方に突設された係止片212を後壁部225Bに形成された係止孔213に挿入した状態で、上部に形成された取付孔H6に背面側から取付けたねじ部材N6を、取付部材223に形成されたねじ孔に螺入することで取付部材223に取付けられる。
このように取付部材223は、後方に突出する第1突出部224と第2突出部225とを有することで、遊技盤2の上方を覆うように形成されている。よって、遊技島の上部から球タンク形成部201に供給される遊技球などが遊技盤2内に進入することが防止されている。つまり、取付部材223は遊技盤2の保護カバーとして機能している。
第1通路形成体203は、複数の取付孔H11~H14に背面側から取付けたねじ部材N11~N14、及び取付孔H15に上側から取付けたねじ部材N15を、取付部材223に形成された複数のねじ孔に各々螺入することで取付部材223に取付けられている。尚、取付孔H12に取付けるねじ部材N12は、第1通路形成体203に帯電した電気を除去するためのアース線226を第1通路形成体203に取付けるためのねじ部材と兼用されている。また、第1通路形成体203の上部には、後述する第1カバー体310、第2カバー体320、第3カバー体330が取付けられている。第3カバー体330は、取付孔H16に上方から取付けたねじ部材N16を第1通路形成体203の後壁に形成されたねじ孔に螺入することで第1通路形成体203に取付けられている。
上記したねじ部材N1~N6、N11~N16は、図8中拡大図に示すように、雄ねじ部NSと頭部NHとからなり、このうち、ねじ部材N1、N2、N11~N16は、頭部の座面に緩み止め部としてのフランジ部Fが一体に形成されたフランジ付きねじとされ、座面の接地面積を広くして摩擦力を高めることで、ねじ部材N3~N6に比べて緩みにくいねじ部材とされている。
例えば、各ねじ部材N1~N6、N11~N16の雄ねじ部NSの直径L1は約1~3mm、頭部NHの直径L2は約4~7mmとされ、フランジ部Fの直径L3は、頭部NHの直径L2よりも長寸で約8~10mmとされている。
尚、ねじ部材N1~N6、N11~N16の大きさ、種類などは任意であり、直径L1~L3の寸法も上記した寸法に限定されるものではない。また、フランジ付きねじからなるねじ部材N1、N2、N11~N16は、フランジ部F(座金)が一体に形成されたねじ部材であるが、フランジ部Fの替わりに、ねじ部材とは別個のワッシャをねじ部材に装着して取付けてもよく、フランジ部Fやワッシャが本発明の緩み止め部を構成する。また、ねじ部材は、ビスやボルト等、緩むと被取付部から離脱してしまう部材を含むものとする。また、緩み止め部は、頭部NHやフランジ部F(座金)の裏面に凹凸状に形成された頭部NHの回止め部や接着剤等も含まれる。
図8及び図9に示すように、第1通路形成体203は、遊技島の上方から供給される遊技球を球タンク形成部201にて受止めて貯留する必要があるとともに、第1誘導通路において球詰まりなどが発生しにくいように、また、球詰まりが発生した場合にこれを容易に解消することができるように上面が開放する凹状に形成されている。
また、球タンク形成部201にて上下方向に重なって滞留する遊技球が第1誘導通路形成部202に流入していく箇所には第1カバー体310や第2カバー体320が上面を被覆するように配置され、また、第1誘導通路形成部202から第2誘導通路形成部204に流入していく箇所には第3カバー体330が上面を被覆するように配置されることで、遊技球が整流されるようになっている。しかし、第1通路形成体203の上面開口の一部はこれら第1カバー体310、第2カバー体320及び第3カバー体330により被覆されるが、球タンク形成部201及び非被覆領域350(図27参照)の上面開口は開放されている。
一方、第1通路形成体203の周辺近傍には、遊技機用枠3や取付部材223に取付けられる複数のねじ部材N1~N6、N11~N16が配置されている。また、遊技島に固定されるパチンコ遊技機1の上方には、遊技島を構成する躯体などを組付けるためのねじ部材(図示略)や、遊技島の内部に配置される各種装置(例えば、補給装置150など)等を躯体などに取付けるためのねじ部材(図示略)や、各種装置のケース体を構成する複数の部材を組付けるための複数のねじ部材などが多数配置されている。
これらねじ部材は、遊技島やパチンコ遊技機1に生じる振動や衝撃などにより緩んで抜け落ちてしまうと、振動や衝撃あるいは遊技機用枠3の開閉などにより転がって、球タンク形成部201や第1誘導通路形成部202の非被覆領域350から内部に落下して遊技球の誘導通路に混入する可能性がある。特に補給装置150などは、図3及び図4に示すように球タンク形成部201の直上近傍に配置されており、また、所定個数の遊技球を球タンク形成部201に送出することで遊技島の循環経路から新たな遊技球が供給される際や、遊技機用枠3が開閉する際に振動が生じやすい装置であるため、補給装置150を遊技島の躯体などに取付けるためのねじ部材(図示略)や、補給装置150のケース体150Bを構成する複数の部材を組付けるための複数のねじ部材が振動により緩んで抜け落ちた場合、球タンク形成部201や第1誘導通路形成部202内に落下する可能性が極めて高い。
そして、球タンク形成部201や第1誘導通路形成部202にねじ部材が落下すると、遊技球の流下とともに払出装置200側に向けて移動し、最終的に払出装置200に混入する可能がある。このように払出装置200にねじ部材が進入すると、スプロケットや切換え弁がねじ部材により損傷したり、球詰まりが生じて払出モータに負荷がかかり故障したり、あるいは、遊技球とともにねじ部材が遊技者に払出されてしまい、遊技者に違和感や不信感を与えてしまう虞があった。
そこで本実施の形態では、以下に説明するように、第1誘導通路形成部202に落下したねじ部材が払出装置200に混入して払出装置200が破損、故障したり、遊技球とともにねじ部材が遊技者に払出されることを抑制するために様々な対策が施されている。
(第1通路形成体203)
次に、第1通路形成体203について、図10~図16に基づいて説明する。図10は、(A)は第1通路形成体を示す平面図、(B)は第1通路形成体を示す背面図である。図11は、(A)は図10(A)のA-A断面図、(B)は図10(A)のB-B断面図、(C)は図10(A)のC-C断面図である。図12は、(A)は第1誘導通路形成部を示す平面図、(B)は(A)のD-D断面図である。図13は、(A)は第1カバー体を示す平面図、(B)は(A)のE-E断面図、(C)は(A)のF-F断面図である。図14は、(A)は第2カバー体を示す平面図、(B)は(A)のG-G断面図、(C)は(A)のH-H断面図である。図15は、(A)は第3カバー体を示す平面図、(B)は(A)のI-I断面図、(C)は(A)のJ-J断面図、(D)は第3カバー体を示す斜視図、(E)は球止め部材を示す斜視図である。図16は、(A)は球止め部材が第1状態である状態を示す第1誘導通路形成部を示す縦断面図、(B)は球止め部材が第2状態である状態を示す第1誘導通路形成部を示す縦断面図である。
図10~図12に示すように、第1通路形成体203は、導電性を有する合成樹脂材により、底壁部203Aと該底壁部203Aの周縁に立設される立壁部203Bとにより上面が開口する凹状または凹溝状に形成され、右側に配置される球タンク形成部201と、左側に配置される第1誘導通路形成部202とを有する。球タンク形成部201は、平面視横長長方形状に形成され、第1誘導通路形成部202は、球タンク形成部201の左側から斜め後方に向けて延びる上流部と左右方向に延びる下流部とからなる。球タンク形成部201の前後方向の寸法は、第1誘導通路形成部202の前後方向の寸法よりも長寸とされており、第1誘導通路形成部202よりも多くの遊技球を貯留可能とされている。また、底壁部203Aは、球タンク形成部201の左側から第1誘導通路形成部202の右側に向けて漸次下方に傾斜するように形成されているため、球タンク形成部201に供給された遊技球は、球タンク形成部201及び第1誘導通路形成部202を左側に向けて自然流下するようになっている。
球タンク形成部201の右側の立壁部203Bの外面には上下方向を向く取付片261が突設されており、取付片261には前後方向を向く取付孔H11,H12が上下に形成されている。また、取付片261の後側には取付片265が突設されており、取付片265には上下方向を向く取付孔H15が形成されている。第1誘導通路形成部202の左側の立壁部203Bの外面には上下方向を向く取付片262が突設されており、取付片262には前後方向を向く取付孔H14が形成されている。第1誘導通路形成部202の上流部の前側の立壁部203Bの外面には水平壁部264が前方に向けて突設されている。水平壁部264の前辺には取付片263が立設されており、取付片263には前後方向を向く取付孔H13が形成されている。
そして第1通路形成体203は、これら取付孔H11~H15に取付けた複数のねじ部材N11~N15を取付部材223に形成されたねじ孔に螺入することで遊技機用枠3に取付けられる。また、水平壁部264の上面における取付片263の後方近傍位置には、平面視略四角形状をなす凹部280が形成されている。
図11及び図12に示すように、第1誘導通路形成部202の上流部における底壁部203Aと後側の立壁部203Bとの角部には、孔部270A,270Bが形成されている(図11(A)参照)。孔部271A,271Bの下流側(左側)における底壁部203Aの前後方向の略中央位置には、孔部271A~271Hが下流側に向けて複数形成されている。また、第1誘導通路形成部202の下流側端部の底壁部203Aには、下方の第2誘導通路形成部204に遊技球を落下させるための連絡孔272が貫通して形成されている。
第1誘導通路形成部202の途中には、遊技球を前後方向に蛇行させながら左側に向けて流下させる蛇行部273が形成されており、複数の孔部271A~271Hのうち孔部271B~271Fが蛇行部273に対応する位置に形成されている。このような蛇行部273を設けることで後続球による球圧が増大しないようにしている。
また、第1誘導通路形成部202の前後の立壁部203B,203B下部の離間寸法L10は、遊技球の直径2R(約11mm)よりも長寸で、直径2Rの2倍の寸法(約22mm)よりも短寸とされている(11mm<L10<22mm)。つまり、第1誘導通路形成部202は、遊技球を下流側に向けて1列で誘導可能に形成されている。
孔部271A,271Bを除く孔部271A~271Hの前後寸法L11は、前述したねじ部材N3~N6の頭部NHの直径L2より若干長いため(L11>L2)、後述するようにねじ部材N3~N6が第1誘導通路形成部202に混入した場合でも孔部271A~271Hからねじ部材N3~N6が落下可能とされている。また、最下流側に形成された孔部271Hは、他の孔部271A~271Gと比べて左右寸法L12(遊技球の流下方向の寸法)が最も長いため、ねじ部材N3~N6が連絡孔272に到達する前に確実に第1誘導通路形成部202外へ落下させることができる。
つまり、これら孔部271A~271Hは、第1誘導通路形成部202に落下したねじ部材N3~N6の払出装置200への移動を制限するための特定制限部を構成している。尚、これら複数の孔部271A~271Hからは、ねじ部材以外のゴミや埃、あるいは何らかの部材等も落下可能であるため、これらにより球詰まりが生じることが防止される。
(第1カバー体310)
図13(A)~図13(C)に示すように、第1カバー体310は、球タンク形成部201の前側の立壁部203Bの上端縁に沿うように延設され、立壁部203Bの上端に上方から嵌合可能な断面視下向きコ字形をなす取付部311と、取付部311の右側から後側に向けて延設される立壁部312と、立壁部312の下部から右側(球タンク形成部201側)に向けて下方に傾斜するように延びる板状の球押え部313と、立壁部312の下部から左側(第1誘導通路形成部202側)に向けて延びるカバー部314と、取付部311の前側及びカバー部314の前後側に弾性変形可能に形成された複数の係止部315A~315Dと、から主に構成される。
このように構成された第1カバー体310は、立壁部312を球タンク形成部201と第1誘導通路形成部202との境目付近に配置した状態で、取付部311を球タンク形成部201の前側の立壁部203Bの上端に上方から嵌合させることで、複数の係止部315A~315Dが立壁部203Bの外面に形成された被係止部317(図18参照)に弾性的に係止することで第1通路形成体203に取付けられる。取付けられた状態において、球押え部313が球タンク形成部201の下流側の一部を上方から被覆するように配置されるとともに、カバー部314が第1誘導通路形成部202の上流側の一部を上方から被覆するとともに、カバー部314の上面が第1誘導通路形成部202側に向けて僅かに下方に傾斜するように配置される(図9参照)。
第1カバー体310が第1通路形成体203に取付けられた状態において、球押え部313が球タンク形成部201側に配置されることで、遊技島(図示略)から球タンク形成部201に供給された遊技球が上下方向に積み重なるように貯留した場合でも、遊技球が第1誘導通路形成部202側に流下していく際に球押え部313により下側に向けて押えられることで整流されるようになっている。
カバー部314には、平面視横長長方形状をなす左右方向に延びる長孔316A~316Cが、互いに平行をなすように列状に配置された状態で上下に貫通して形成されている。各長孔316A~316Cは、前後寸法L21が全て同一とされ、前後寸法L21は、遊技球の直径2Rよりも短寸であり、かつ、前述したねじ部材N1~N6,N11~N16の頭部NHの直径L2よりも短寸となっている(L21<2R、L21<L2)。つまり、長孔316A~316Cは、遊技球及びねじ部材N1~N6,N11~N16を落下不能な大きさに形成されている。尚、カバー部314の下面における各長孔316A~316Cの周縁からは補強用のリブが垂下されている。
また、長孔316A~316Cは遊技球の流下方向に沿うように延設されているため、図13(B)(C)に示すように、長孔316A~316Cの上部に遊技球Pが落下した場合、遊技球Pは流下方向(左側)に向けて移動可能である。
(第2カバー体320)
図14(A)~図14(C)に示すように、第2カバー体320は、第1誘導通路形成部202の上流部に沿うように形成された板状のカバー部324と、カバー部324の前後側に弾性変形可能に形成された複数の係止部325A,325Bと、から主に構成され、カバー部324の右側端部を第1カバー体310のカバー部314の左側端部に近接させた状態で、複数の係止部325A,325Bが立壁部302Bの外面に形成された被係止部317(図20参照)に弾性的に係止することで、第1通路形成体203に取付けられる。取付けられた状態において、カバー部324が第1誘導通路形成部202の上流側の一部を上方から被覆するとともに、遊技球の流下方向に向けて下方に傾斜するように配置される(図9参照)。
カバー部324の上面には、左右方向に延びる凹溝326A~326Cが、互いに列状に配置された状態で形成されている。各凹溝326A~326Cは、前後寸法L22A~L22Cが各々異なるが、各々遊技球の直径2Rよりも短寸とされている(L22A~L22C<2R)。尚、前後寸法が最も長い中央の凹溝326Bの前後寸法L22Bは、前述したねじ部材N1~N6,N11~N16の頭部NHの直径L2よりも長寸となっている(L22B>L2)。つまり、凹溝326Bは、遊技球を収容不能、かつ、ねじ部材N1~N6,N11~N16を収容可能な大きさに形成されている。また、凹溝326Bの前後寸法L22Bは、カバー部314の長孔316A~316Cの前後寸法L21よりも長寸とされている(L22B>L21)。
また、凹溝326Aの前後寸法L22Aと凹溝326Cの前後寸法L22Cは、ねじ部材N1~N6,N11~N16の雄ねじ部NSの直径L1よりも長寸であるため(L22B>L1、L22C>L1)、少なくとも雄ねじ部NSを収容可能な大きさとされている。
また、凹溝326A~326Cは遊技球の流下方向に沿うように延設され、かつ、遊技球の流下方向に向けて下方に傾斜するように配置されるため、図14(B)(C)に示すように、凹溝326A~326Cの上部に遊技球Pが落下した場合、遊技球Pが流下方向(左側)に向けて誘導される。
(第3カバー体330)
図15(A)~図15(C)及び図16に示すように、第3カバー体330は、第1誘導通路形成部202の下流部に沿うように形成された板状のカバー部334と、カバー部334の左端の前後側に弾性変形可能に形成された複数の係止部335A~335Dと、背面における係止部335C,335Dの間に突設されねじ部材N15が上方から取付けられる取付孔H15が形成された取付部331と、カバー部334の上面左端部に設けられた球止め部材340と、から主に構成され、カバー部324の左端の複数の係止部335A~335Dを立壁部302Bの外面に形成された被係止部317(図20参照)に弾性的に係止するとともに、取付孔H15に取付けたねじ部材N15を立壁部203Bの外面に設けられたねじ孔に螺入することで第1通路形成体203に取付けられる。取付けられた状態において、カバー部334が第1誘導通路形成部202の下流部を上方から被覆するとともに、遊技球の流下方向に向けて下方に傾斜するように配置される(図9参照)。
カバー部334は、左側から右側に向けて斜め上方に延びるように延設されており、上面における右端部から左側に向けて所定深さの凹部336が延設されている。右側の一部は蛇行部273に差し掛かるため、蛇行部273の形状に対応して形成されている。また、凹部336に対応する位置には、平面視横長コ字形をなすスリット337が形成されることで、左端側が上下方向に揺動するように弾性変形可能な整流板338が形成されているとともに、右端部には、右側に向けて下方に傾斜する傾斜板部339が形成されていることで、上下に積み重なった遊技球Pを底壁部203Aに向けて押し付けるように誘導しながら均すことができるようになっている(図16参照)。
凹部336の前後寸法L23は、遊技球の直径2Rよりも長寸とされ、また、前述したねじ部材N1~N6,N11~N16の頭部NHの直径L2よりも長寸となっている(L23>2R、L23>L2)。つまり、凹部336は、遊技球P及びねじ部材N1~N6,N11~N16の頭部NHを収容可能な大きさに形成されている。また、凹部336の前後寸法L23は、カバー部324の凹溝326Bの前後寸法L22Bよりも長寸とされている(L23>L22B)。
また、凹部336は遊技球の流下方向に沿うように延設され、かつ、遊技球の流下方向に向けて下方に傾斜するように配置されるため、図15(D)に示すように、凹部336の上部に遊技球Pが落下した場合、遊技球Pが流下方向(左側)に向けて誘導される。
また、スリット337の前後寸法L24は、前述したねじ部材N1~N6,N11~N16の頭部NHの直径L2よりも短寸となっているため(L24<L2)、ねじ部材N1~N6,N11~N16がスリット337から落下することはない。
球止め部材340は、背面視略三角形状をなす板状の前壁部341Aと、前壁部341Aの背面側に配置される後壁部341Bと、前壁部341Aと後壁部341Bとを接続する左壁部341Cと、左壁部341Cの上端に突設される突壁部341Dと、を有する回動部341と、前後方向を向く円筒状の軸部342と、から構成される。カバー部334の上面左側には、軸部342の前後端を回動可能に支持する軸受部343A,343Bが立設されている。また、カバー部334における軸受部343Aの右側には、前壁部341Aを挿入可能なスリット344が貫通して形成されている。
図16に示すように、第3カバー体330は、第1通路形成体203に取付けた状態において、カバー部324により第1誘導通路形成部202の下流部の上方が被覆される。カバー部324は、下流側(左側)に向けて底壁部203Aに近づくように下方に傾斜するように配置されるため、第1誘導通路形成部202内で上下に積み重なっている遊技球Pを流下させながら均していき、最終的に連絡孔272から1個ずつ流出させることができるようにする。特に、整流板338は、遊技球が接触したときに弾性変形可能であることで、球詰まりが生じない程度に遊技球を下方に押し付けるように均していく(整流していく)。
(球止め部材340)
球止め部材340は、図16(A)に示すように、回動部341が上方に起立する起立位置と右側に傾倒する傾倒位置との間で回動可能とされており、回動部341が起立位置に位置し、前壁部341Aがスリット344から上方に逸脱して第1誘導通路形成部202の遊技球を第2誘導通路形成部204に流下可能とする第1状態と、回動部341が傾倒位置に位置し、前壁部341Aがスリット344に挿入され遊技球に接触可能となり、第1誘導通路形成部202の遊技球を第2誘導通路形成部204に流下不能(または流下困難)とする第2状態、つまり、球止め状態と、に変化可能とされている。
このように球止め部材340を第2状態とすることで、第2誘導通路形成部204への遊技球の進入を規制することができるため、この状態で第2誘導通路形成部204内の遊技球を抜き取り、払出装置200を取外して点検または交換したりすることが可能となる。
また、図16(A)に示すように、球止め部材340が第1状態にあるときには、回動部341の右側が開放し、前壁部341A、後壁部341B、左壁部341Cからなる平面視略コ字形の壁部により囲まれた空間部が、後述するようにねじ部材N1~N6,N11~N16が滞留可能な滞留部として機能する。一方、図16(B)に示すように、球止め部材340が第2状態にあるときには、回動部341が傾倒してしまうが、突壁部341Dが通路を横切るように起立状態で位置するため、後述するようにねじ部材N1~N6,N11~N16を突壁部341Dの右側に滞留させることが可能となる。
(ターミナル基板210)
次に、ターミナル基板210について、図17に基づいて図8を参照しながら説明する。図17は、(A)はターミナル基板が取付けられた基板取付枠を示す斜視図、(B)は(A)のK-K断面、(C)は(B)のL-L断面図である。
図8及び図17に示すように、ターミナル基板210は、背面視横長長方形状をなし、背面には、主基板11等と繋がる信号線ケーブル(図示略)が着脱されるケーブル接続部(図示略)と、ホールコンピュータ等の外部装置に繋がる複数本のケーブルC(図3参照)を接続するための複数の接続孔部231が設けられた実装部材232と、が実装されている。実装部材232の内部における各接続孔部231に対応する位置には、各ケーブルCの先端を挟持するための接続ピンチ(図示略)が設けられている。この接続ピンチを閉じる方向、即ちケーブルCの先端を挟持する方向に付勢するためのバネ(図示略)が設けられている。そして、実装部材232には、バネ(図示略)の付勢力に抗して各接続ピンチ(図示略)を開放させるための操作部233が複数設けられている。
第1誘導通路形成部202の上方に設けられる第1基板としてのターミナル基板210の複数の接続孔部231に接続可能なケーブルCの接続本数は第1本数(例えば、20本)とされている一方で、第1誘導通路形成部202の下方に設けられる主基板11や演出制御基板12などの第2基板にも各々の信号線が接続されるが、第1本数より少ない本数である第2本数(例えば、10本)とされている。
この操作部233は、各接続孔部231に対応して複数設けられ、側面視で略鉤状をなし、その基端側を揺動軸として前後方向に揺動される。前述の接続ピンチ(図示略)を開放させる際には、操作部233を上方または下方に押圧操作をして操作部233を揺動させることで接続ピンチ(図示略)を開放される。そして、接続ピンチが開放された状態で接続孔部231にケーブルCの先端を挿入し、操作部233の押圧操作をやめると、バネ(図示略)の付勢力によって接続ピンチが閉じるようになり、ケーブルCが保持されるようになる。尚、左右方向に並んだ各操作部233は、所定の操作部233を押圧操作する際に、隣り合う操作部233が押圧操作の邪魔にならないように、左右方向に交互に異なる形状となっている。
基板取付枠211は、下辺から下方に突設された係止片212を後壁部225Bに形成された係止孔213に挿入した状態で、上部に形成された取付孔H6に背面側から取付けたねじ部材N6を、取付部材223に形成されたねじ孔に螺入することで取付部材223に取付けられる。また、基板取付枠211には、横長長方形状の開口部234が形成されている。
基板取付枠211の内面には、前面側から挿入したターミナル基板210の周縁に係止することで、ターミナル基板210の前方への移動を規制する複数の規制部235と、規制部235により前方への移動が規制されたターミナル基板210の周縁に前面側から弾性的に係止可能な複数の係止部236と、ターミナル基板210の周縁に当接して配置位置を決定する位置決め片237と、を有する。よって、ターミナル基板210は、基板取付枠211の前面側から挿入し、複数の規制部235にて前方への移動が規制された状態で係止部236が弾性的に係止することで基板取付枠211に取付けられる。つまり、ターミナル基板210は、ねじ部材とは異なる取付手段としての複数の規制部235及び係止部236を用いて(ねじ部材を用いた取付方法とは異なる取付方法にて)基板取付枠211に取付けられる。
ターミナル基板210は、ケーブルCを接続可能な接続孔部231が複数形成されているため、複数本のケーブルCを接続孔部231に接続する配線作業時において、各ケーブルCに対応する操作部233を操作する必要がある。また、パチンコ遊技機1が遊技島に固定されている状態において、遊技場の店員等が点検等のために遊技機用枠3を開放すると、遊技島の上部から垂下されるケーブルCが外枠60の前方に引き回されて接続部に張力がかかることがある。つまり、ターミナル基板210は取付部に負荷がかかりやすいことで、ねじ部材により基板取付枠211や取付部材223に取付けるとねじ部材が緩んで外れやすくなるため、ねじ部材を用いない取付方法にて取付けている。
また、ターミナル基板210が基板取付枠211に取付けられた状態において、ターミナル基板210の接続孔部231や操作部233が開口部234から背面側に臨むようになっている(図17(A)参照)。また、複数の操作部233が後方に向けて略水平に突出するため、後述するようにこれら左右に並設される複数の操作部233によりねじ部材N3~N6を保持することができる。また、ターミナル基板210の下部と基板取付枠211の前部との間に、ねじ部材N3~N6を収容可能な凹部242が形成される。
(ねじ部材N1~N16の取付状態)
次に、ねじ部材N1~N16の取付状態について、図18~図21に基づいて説明する。図18は、遊技枠の背面における球タンク部の周辺を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図19は、(A)は遊技枠の背面における球タンク部の周辺を示す平面図、(B)は(A)のM-M断面図である。図20は、遊技枠の背面における第1誘導通路形成部の周辺を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図21は、遊技枠の背面における第1誘導通路形成部の周辺を示す平面図である。図22は、(A)は図21のN-N断面図、(B)はねじ部材の回転状態を示す図、(C)は図21のO-O断面図である。図23は、(A)は図21のP-P断面図、(B)は図21のQ-Q断面図である。図24は、図21のR-R断面図である。図25は、図21のS-S断面図である。図26は、(A)は球止め部材が第1状態であるときのねじ部材の滞留状態、(B)は(A)のT-T断面図、(C)は球止め部材が第2状態であるときのねじ部材の滞留状態、(D)は(C)のU-U断面図である。図27は、ねじ部材の移動状況を示す第1誘導通路形成部の縦断面図である。図28は、カバー部上の遊技球の移動状態を示す第1誘導通路形成部の縦断面図である。
図9、図18及び図19(A)に示すように、遊技機用枠3の背面における球タンク形成部201及びその周辺には、取付部材223を金属板222に取付けるためのねじ部材N1~N2や、第1通路形成体203を取付部材223に取付けるためのねじ部材N11,N12,N15が取付けられている。
詳しくは、ねじ部材N1,N2は、球タンク形成部201から右側に離れ、かつ、球タンク形成部201における立壁部203Bの上端縁よりも下方位置において、背面側から前方に向けて取付けられているため、パチンコ遊技機1に生じた振動や衝撃などによりねじ部材N1,N2が緩んで後方に抜け落ちたとしても、図18に示すように球タンク形成部201内に落下する可能性は極めて低い。
ねじ部材N11,N12は、球タンク形成部201の右側の立壁部203Bの外面で、かつ、球タンク形成部201の上端縁よりも下方位置において、背面側から前方に向けて取付けられているため、パチンコ遊技機1に生じた振動や衝撃などによりねじ部材N11,N12が緩んで後方に抜け落ちたとしても、図18に示すように球タンク形成部201内に落下する可能性は極めて低い。
ねじ部材N15は、球タンク形成部201の右側の立壁部203Bの外面で、かつ、球タンク形成部201の上端縁よりも下方位置において、上側から下方に向けて取付けられているため、パチンコ遊技機1に生じた振動や衝撃などによりねじ部材N15が緩んで上方に抜け落ちたとしても、図18に示すように球タンク形成部201内に落下する可能性は極めて低い。
また、ねじ部材N1,N2,N11,N12,N15は、遊技島の上方の循環経路から補給装置150により供給される遊技球を受止めて貯留するとともに多数の遊技球の荷重がかかる球タンク形成部201の周辺に配置されていることで、振動や衝撃が生じやすいので、被取付部との接地面積が大きく緩みが生じにくいフランジ付きねじ部材が使用されている。
また、球タンク形成部201の周辺のねじ部材N1,N2,N11,N12,N15は、緩んで抜け落ちても球タンク形成部201内に落下しにくい位置、つまり、球タンク形成部201の上面開口よりも下方に配置されているので、遊技島の上方の循環経路から補給装置150により供給される遊技球を受止めて貯留するために上方が開口する球タンク形成部201内に混入することが抑制されている。
また、図19(B)に示すように、球タンク形成部201は、取付部材223において後方に向けて突出する板状の第1突出部224の上面側に近接(または当接でもよい)して配置されており、底壁部203Aと第1突出部224との間の隙間L30は、ねじ部材の雄ねじ部NSの直径L1よりも短寸とされていることで(L30<L1)、底壁部203Aと第1突出部224との間にねじ部材が挟まって球タンク形成部201の近傍に保持されてしまうことはほぼない。
また、球タンク形成部201の底壁部203Aの後部とカバー体220の上壁部220Hとの間に形成された隙間L31は、フランジ付きねじ部材の頭部L2やフランジ部Fの直径L3よりも長寸とされていることで(L3>L2)、隙間L31にフランジ付きねじ部材が挟まって球タンク形成部201の近傍に保持されてしまうことはほぼない。
また、図18及び図19(B)に示すように、仮にねじ部材N15が被取付部としての取付孔H15から抜け落ちてカバー体220の上壁部220H上に落下した場合、上壁部220Hは、背面側に向けて下方に傾斜していることで、落下したねじ部材N15は後方または左方のいずれかに流下するため、球タンク形成部201の近傍に保持されてしまうことはほぼない。よって、落下したねじ部材N15が球タンク形成部201の下方に設けられた各基板ケース11A,12A,37A,91A内に混入し、基板の配線に接触して断線等を生じさせることを抑制できる。
一方、図9、図20及び図21(A)に示すように、第1誘導通路形成部202及びその周辺には、取付部材223を金属板222に取付けるためのねじ部材N3~N5と、基板取付枠211を取付部材223に取付けるためのねじ部材N6と、第1通路形成体203を取付部材223に取付けるためのねじ部材N13,N14と、第3カバー体330を第1誘導通路形成部202に取付けるためのねじ部材N16と、が取付けられている。
詳しくは、ねじ部材N3~N6は、第1誘導通路形成部202から前側に離れ、かつ、第1誘導通路形成部202における立壁部203Bの上端縁よりも上方位置において、背面側から前方に向けて取付けられており、また、ねじ部材N3~N6各々の取付位置と第1誘導通路形成部202との間には、取付部材223の第2突出部225が配置されていることで、ねじ部材N3~N6各々の取付位置から第1誘導通路形成部202まではある程度離れているが、第2突出部225の上壁部225Aは背面側に向けて下方に傾斜しているため、パチンコ遊技機1に生じた振動や衝撃などによりねじ部材N3~N6が緩んで後方に抜け落ちた場合、図20に示すように第2突出部225の上壁部225A上を後方に向けて移動して第1誘導通路形成部202内に落下する可能性が高い。
図20~図22に示すように、ねじ部材N3は、取付部材223において、第1誘導通路形成部202の上流部から前方に離れ、かつ、立壁部203Bの上端縁よりも上方位置に形成された取付孔H3に取付けられている。また、上壁部225Aの上面における取付孔H3に対応する位置には、ねじ部材N3を取付孔H3に取付ける際に頭部NHとの干渉を避けるための凹溝227が後方に向けて直線状に延設されている。尚、凹溝227は、後側に向けて左右幅が先細りとなり浅くなるように形成されているが、上壁部225Aの上面が背面側に向けて下方に傾斜していることで、凹溝227の底面は略水平(または背面側に向けて僅かに下方に傾斜している)となっている。
よって、パチンコ遊技機1に生じた振動や衝撃などによりねじ部材N3が緩んで後方に抜け落ちた場合、第2突出部225の上壁部225A上における凹溝227に落下する可能性が高い(図22(A)参照)。また、凹溝227に落下したねじ部材N3は、振動や衝撃が生じたときに後方に向けて直線状に移動するように案内されやすいが、凹溝227は後方に向けて略水平であるため、凹溝227以外の領域に比べてねじ部材N3が後方に移動しにくい。つまり、凹溝227は、第1誘導通路形成部202に向けて移動するねじ部材N3の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための特別制限部を構成している。
ここで、ねじ部材N3を含む全てのねじ部材は、頭部NHと雄ねじ部NSとからなることで、平坦面状の上壁部225Aの上面に落下すると頭部NHの周縁と雄ねじ部NSの先端との2点が接した状態(図22(A)参照)で傾倒する姿勢になることが多いため、図22(B)に示すように傾倒したねじ部材N3は、振動や衝撃が生じたときに、雄ねじ部NSの先端を中心として頭部NHが首を振るように回転して向きが変わることがある。よって、上壁部225Aの上面における凹溝227以外の平坦面に落下した場合や、凹溝227の後端から逸脱した場合は、後方に向けて直線的に移動することもあれば、頭部NHが首を振るように回転することで左側または右側に曲がるように移動することもある。すなわち、図20において矢印で示すように、後方に向けて右側に曲がるように移動した場合は第1カバー体310上に落下する可能性が高く、後方に向けて直線的に移動した場合は第2カバー体320上に落下する可能性が高く、後方に向けて左側に曲がるように移動した場合は第1誘導通路の手前の水平壁部264上に落下する可能性が高い。
図20及び図21に示すように、取付孔H3から抜け落ちたねじ部材N3は、凹溝227の後端まで案内された後、後方に向けて右側に曲がるように移動した場合、第1カバー体310のカバー部314上に落下する可能性が高い。図22(A)に示すように、カバー部314上にねじ部材N3が落下すると、ねじ部材N3は、長孔316A~316Cに対し雄ねじ部NSが交差するように傾倒したり、雄ねじ部NSが長孔316A~316Cのいずれかに挿入されるが頭部NHが抜け落ちずに係止されることで、カバー部314から第1誘導通路形成部202内に落下せずにカバー部314上に滞留することになる。つまり、長孔316A~316Cは、第1誘導通路形成部202の上面の一部を覆うように設けられたカバー部314上に落下したねじ部材N3の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための所定制限部を構成している。
また、図20及び図21に示すように、凹溝227の後端まで案内された後、後方に向けて直線的に移動した場合、第2カバー体320のカバー部324上または第1通路形成体203の水平壁部264上に落下する可能性が高い。図22(C)に示すように、カバー部324上にねじ部材N3が落下すると、ねじ部材N3は、凹溝326A~326Cに対し雄ねじ部NSが交差するように傾倒したり、雄ねじ部NSや頭部NHの一部が凹溝326A~326C内に収容されることで、カバー部324から第1誘導通路形成部202内に落下せずにカバー部324上に滞留することになる。つまり、凹溝326A~326Cは、第1誘導通路形成部202の上面の一部を覆うように設けられたカバー部324上に落下したねじ部材N3の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための所定制限部を構成している。
また、第2突出部225の後壁部225Bと第1誘導通路形成部202との間に設けられた第1通路形成体203の水平壁部264上に落下した場合は、水平壁部264上に傾倒した状態で滞留する。つまり、水平壁部264側が、後壁部225Bと第1誘導通路形成部202との間において、上壁部225A及び立壁部203Bの上端縁よりも下方に配置されていることで、上壁部225A、立壁部203B及び水平壁部264により上方が開放する凹部290が形成されているため、この凹部290内に収容され滞留することになる。つまり、凹部290は、第1誘導通路形成部202の周辺である取付孔H3と第1誘導通路形成部202との間に設けられ、第1誘導通路形成部202に向けて移動してきたねじ部材N3の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための特別制限部を構成している。
図20及び図21に示すように、ねじ部材N13は、第1通路形成体203において、第1誘導通路形成部202の上流部から前方に離れ、かつ、立壁部203Bの上端縁よりもやや上方位置である取付片263に形成された取付孔H13に取付けられている。よって、パチンコ遊技機1に生じた振動や衝撃などによりねじ部材N13が緩んで後方に抜け落ちた場合、水平壁部264における取付孔H13の後側近傍に形成された凹部280に落下する可能性が高い(図23(A)参照)。詳しくは、水平壁部264が、取付片263と第1誘導通路形成部202との間において、上壁部225A及び立壁部203Bの上端縁よりも下方に配置されていることで、上壁部225A、立壁部203B及び水平壁部264により上方が開放する凹部290内における取付孔H13の近傍に、凹部290より小さい凹部280が形成されているため、この凹部280内に収容され滞留することになる。
また、図20及び図23(B)に示すように、パチンコ遊技機1に生じた振動や衝撃などによりねじ部材N13が緩んで後方に抜け落ちた場合、水平壁部264の左側下方に配置された基板取付枠211の右側付近に設けられた凹部214に落下して滞留することもある。つまり、凹部214は、第1誘導通路形成部202の周辺である取付孔H13と第1誘導通路形成部202との間に設けられ、第1誘導通路形成部202に向けて移動してきたねじ部材N13の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための特別制限部を構成している。
図20及び図21に示すように、ねじ部材N4は、取付部材223において、第1誘導通路形成部202の下流部から前方に離れ、かつ、立壁部203Bの上端縁よりも上方位置に形成された取付孔H4に取付けられている。よって、パチンコ遊技機1に生じた振動や衝撃などによりねじ部材N4が緩んで後方に抜け落ちた場合、第2突出部225の上壁部225A上に落下する可能性が高い(図24参照)。
図20、図21及び図24に示すように、取付孔H4から抜け落ちたねじ部材N4は、後方に向けて右側に曲がるように移動した場合、後方に向けて直線的に移動した場合、後方に向けて右側に曲がるように移動した場合のいずれにおいても、図24に示すように、上壁部225A上から基板取付枠211の上壁部211Hの後端から落下する。上壁部211Hの後端から落下したねじ部材N4は、開口部234から内部に進入して、基板取付枠211とターミナル基板210とにより形成される凹部242に収容され滞留するか、基板取付枠211と立壁部203Bとの間に形成される凹部243に雄ねじ部NSが挿入されるが頭部NHが抜け落ちずに係止されることで滞留する可能性がある。つまり、凹部242や凹部243は、第1誘導通路形成部202の周辺である取付孔H4と第1誘導通路形成部202との間に設けられ、第1誘導通路形成部202に向けて移動してきたねじ部材N4の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための特別制限部を構成している。
尚、図24に示すように、ねじ部材N4が上壁部211Hの後端から落下したときに、複数の操作部233上にねじ部材N4が保持されることもある。また、パチンコ遊技機1が遊技島に固定された状態では、複数の接続孔部231に接続された複数本のケーブルCが遊技島の上部から垂下されているため(図3参照)、これらケーブルCによりねじ部材N4の上壁部211Hの後端からの落下が防止されることもある。つまり、操作部233やケーブルCは、第1誘導通路形成部202の周辺である取付孔H4と第1誘導通路形成部202との間に設けられ、第1誘導通路形成部202に向けて移動してきたねじ部材N4の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための特別制限部を構成している。
また、ねじ部材N4が、取付孔H4から抜け落ちて後方に向けて右側に曲がるように移動した後、立壁部203Bを越えた場合は、第1誘導通路形成部202の上面開口において第1カバー体310、第2カバー体320及び第3カバー体330のいずれにも被覆されない、第2カバー体320と第3カバー体330との間に設けられた非被覆領域350から第1誘導通路形成部202に落下する。第1誘導通路形成部202に落下したねじ部材N4は、遊技球Pの流下に応じて下流側に向けて移動しながら遊技球の間から抜け落ちて底壁部203Aに近づいていくので、第1誘導通路形成部202における非被覆領域350に対応する位置に形成された孔部271B~271Dのいずれかから落下して第1誘導通路形成部202外へ排出される。
また、これら孔部271B~271Dのいずれかから落下しなかった場合でも、最終的には、孔部271A~271Hのいずれかから落下して第1誘導通路形成部202外へ排出される。つまり、孔部271A~271Hは、球タンク形成部201または第1誘導通路形成部202に落下したねじ部材N4の払出装置200への移動を制限するための特定制限部を構成している。
一方、ねじ部材N4が、取付孔H4から抜け落ちて後方に向けて左側に曲がるように移動した後、立壁部203Bを越えた場合は、第3カバー体330のカバー部334上の凹部336上に落下することで、カバー部334から第1誘導通路形成部202内に落下せずに凹部336に収容され滞留することになる。つまり、凹部336は、第1誘導通路形成部202の上面の一部を覆うように設けられたカバー部334上に落下したねじ部材N4の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための所定制限部を構成している。
図20及び図21に示すように、ねじ部材N6は、基板取付枠211において、第1誘導通路形成部202の下流部から前方に離れ、かつ、立壁部203Bの上端縁よりも上方位置に形成された取付孔H6に取付けられている。よって、パチンコ遊技機1に生じた振動や衝撃などによりねじ部材N6が緩んで後方に抜け落ちた場合、基板取付枠211の上壁部211H上に落下する可能性が高い(図25参照)。
図20、図21及び図25に示すように、取付孔H6から抜け落ちたねじ部材N6は、後方に向けて延設された複数のリブ211Aにより後方に向けて直線的に移動するように案内された後、右側に曲がるように移動した場合、図25に示すように、第3カバー体330のカバー部334上における球止め部材340の上流側近傍位置に落下する。図16にて説明したように、カバー部334は、下流側(払出装置200側)に向けて下方に傾斜するように第1誘導通路形成部202の上面開口を被覆するため、カバー部334上における球止め部材340の上流側近傍位置に落下したねじ部材N6は、下流側に向けて移動する可能性が高い。
下流側に移動したねじ部材N6は、図26に示すように、カバー部334における傾斜下位側である下流側端部(左側端部)に設けられた球止め部材340に当接し、下流側(左側)への移動が規制されることでカバー部334上に滞留する。
具体的には、図26(A)(B)に示すように、球止め部材340が第1状態である場合は、回動部341の右側が開放し、前壁部341A、後壁部341B、左壁部341Cからなる平面視略コ字形の壁部により囲まれた空間部にねじ部材N6を滞留させることができるため、ねじ部材N6をカバー部334上から落下させることなく保持しておくことができる。一方、図26(C)(D)に示すように、球止め部材340が第2状態にあるときには、突壁部341Dが通路を横切るように起立状態で位置するため、ねじ部材N6を突壁部341Dの右側に滞留させることができるため、ねじ部材N6をカバー部334上から落下させることなく保持しておくことができる。
尚、第2状態では、突壁部341Dが傾斜方向に対し交差するように配置されるだけで、前後側が開放されているため移動が規制されたねじ部材N6が後方または前方に落下する可能があるのに対し、第1状態では、移動を規制したねじ部材N6の前後左側が前壁部341A、後壁部341B、左壁部341Cにより覆われているため、移動を規制したねじ部材N6の左側にのみ左壁部341Cが位置する第2状態よりも確実に滞留させておくことができる。つまり、球止め部材340は、カバー部334における傾斜方向の払出装置200側に設けられ、該カバー部334上に落下したねじ部材N6を該カバー部334に滞留させることが可能な特定部を構成している。
図20及び図21に示すように、ねじ部材N5は、取付部材223において、第1誘導通路形成部202の下流部から前右側方に離れ、かつ、立壁部203Bの上端縁よりも上方位置に形成された取付孔H5に取付けられているが、取付孔H5の真後ろには第1誘導通路形成部202が配置されておらず、また、第2突出部225の上壁部225Aも途中で切りかかれてしまっているので、振動や衝撃などによりねじ部材N5が緩んで後方に抜け落ちた場合、第2突出部225の上壁部225Aに落下するが、第1誘導通路形成部202に到達する前に上壁部225Aから第1誘導通路形成部202外へ落下してしまう可能性が高い。
また、ねじ部材N16は、第3カバー体330において、第1誘導通路形成部202の後側で、かつ、立壁部203Bの上端縁よりも下方位置に形成された取付孔H16に取付けられているため、振動や衝撃などによりねじ部材N5が緩んで後方に抜け落ちた場合、第1誘導通路形成部202内に落下することなく、第1誘導通路形成部202外へ落下してしまう可能性が高い。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1にあっては、図27に示すように、遊技機用枠3における第1誘導通路形成部202よりも上方位置に設けられたねじ部材N3~N6等が、パチンコ遊技機1に生じた振動や衝撃などにより緩みが生じて抜け落ち、振動や衝撃あるいは遊技機用枠3の開閉などにより上壁部225A上を後方へ移動した後、カバー部314,324,334上に落下したときには、長孔316A~316C、凹溝326A~326C、凹部336や球止め部材340により、第1誘導通路形成部202への落下が制限されることで、カバー部314,324,334から第1誘導通路形成部202内に落下することなくカバー部314,324,334上に滞留する可能性が高いため、第1誘導通路形成部202内に落下したねじ部材が移動して払出装置200に混入することを抑制できる。また、長孔316A~316Cや凹溝326A~326Cの左側(下流側)端部には立壁部が形成されているため、ねじ部材が左側に移動してきても第1誘導通路形成部202内への落下を好適に防止できる。
また、図28に示すように、第1誘導通路形成部202の上面において、非被覆領域350を除く領域については、カバー部314,324,334により被覆されているが、球タンク形成部201に補給された遊技球がこぼれるなどして上流部側のカバー部314,324上に乗ってしまった場合でも、長孔316A~316Cや凹溝326A~326Cの前後寸法は遊技球Pの直径2Rよりも狭いことで、遊技球Pは左側に向けて転動した後、カバー部324の左端部から非被覆領域350に落下して第1誘導通路形成部202内に戻されるようになっている。
よって、カバー部314,324上に乗ってしまった遊技球を第1誘導通路形成部202内に戻すことができるだけでなく、長孔316A~316Cや凹溝326A~326Cに遊技球Pが滞留していることで、落下してきたねじ部材Nが滞留するスペースが制限されてしまったり、滞留している遊技球に接触して非被覆領域350から第1誘導通路形成部202内に落下してしまうことを防止することができる。
また、遊技球がカバー部334上に落下した場合は、カバー部334上を左側に向けて流下して球止め部材340により流下が規制されるか、あるいは第1誘導通路形成部202外へ落下する。
また、第1滞留部としての長孔316A~316Cと第2滞留部としての凹溝326A~326Cとにおいて、凹溝326Bは、長孔316A~316Cよりも払出装置200に近い位置に設けられ、該長孔316Bの前後寸法L22よりも前後寸法L22Bが大きい(L22B>L21)。このようにすることで、払出装置200に近づくにつれてねじ部材が滞留部に滞留されやすくなるため、カバー部314,324上に落下したねじ部材が移動して第1誘導通路形成部202内に落下することを防止することができる。
一方、カバー部314,324,334上に落下して滞留しているねじ部材N3~N6が、振動や衝撃などにより移動して、カバー部324とカバー部334との間に設けられた非被覆領域350から第1誘導通路形成部202内に落下した場合や、あるいは、ねじ部材N4のように、上壁部225A上を後方へ移動した後、非被覆領域350から第1誘導通路形成部202内にダイレクトに落下した場合でも、第1誘導通路形成部202内の遊技球Pの流下に応じて、下流側に向けて移動しながら遊技球の間から抜け落ちて底壁部203Aに近づいていくことで、孔部271A~271Hのいずれかから落下して第1誘導通路形成部202外へ排出されるため、第1誘導通路形成部202内に落下したねじ部材が移動して払出装置200に混入することを抑制できる。
また、底壁部203Aに形成された複数の孔部271A~271Hは、第1誘導通路形成部202における中流部(蛇行部273付近)から下流部にかけて形成されており、球タンク形成部201に近い位置に形成された孔部270A,270Bと孔部271A~271Hのうち最も上流側の孔部271Aと間には、孔部が形成されていない領域がある。このように、第1誘導通路形成部202における上流部に複数の孔部が形成されていない領域が形成されていることで、球タンク形成部201からの遊技球が上下に積み重なった状態で流下することで球圧がかかる第1誘導通路形成部202における上流部付近の底壁部203Aの強度低下を好適に防止できる。
また、このように第1誘導通路形成部202に孔部が形成されていない領域が形成されることで、第1誘導通路形成部202から落下したねじ部材がカバー体220の後壁部に形成された放熱孔220B(図6参照)などからカバー体220の内部に進入することを適度に抑えることができる。
また、第1誘導通路形成部202において孔部が形成されていない領域に対応する位置に第1カバー体310や第2カバー体320が設けられることで、第1誘導通路形成部202にねじ部材が落下することを抑制することができるとともに、第1誘導通路形成部202に落下したねじ部材が第1誘導通路形成部202外へ落下せずに払出装置200に混入してしまうことを抑制することができる。
また、複数の孔部271A~271Hのうち最も大きい孔部271Hは、払出装置200に最も近い位置に設けられていることで、孔部271Hからねじ部材を好適に第1誘導通路形成部202外に落下させることができるため、第1誘導通路形成部202内に落下したねじ部材が払出装置200に混入することを防止することができる。
詳しくは、図27に示すように、球タンク形成部201や非被覆領域350から第1誘導通路形成部202内にねじ部材が落下した場合、球タンク形成部201や非被覆領域350では遊技球が上下に積み重なっている状態であるため、ねじ部材は遊技球の上部に位置していることが多いが、孔部271Hは、カバー部334の整流板338の下流側に配置されている、つまり、遊技球が上下1段に整流される位置に配置されているため、ねじ部材が孔部271Hに落下しやすい。よって、第1誘導通路形成部202内に落下したねじ部材が払出装置200に混入することを防止することができる。
また、複数の孔部271B~271Hのうち少なくとも一部の孔部271B~271Dは、第1誘導通路形成部202における非被覆領域350に対応する位置に設けられているため、ねじ部材が非被覆領域350から第1誘導通路形成部202に混入しても、孔部271B~271Dから第1誘導通路形成部202外に落下させることができる。
さらに、複数の孔部271B~271Hのうち少なくとも一部の孔部271E~271Hは、第1誘導通路形成部202における非被覆領域350よりも払出装置200側に設けられていることで、上記のように非被覆領域350から第1誘導通路形成部202に落下した遊技球が孔部271B~271Dに到達しない場合でも、遊技球の流下とともに移動しながら下方に近づいて孔部271E~271Hから落下する確率が高くなるため、第1誘導通路形成部202内に落下したねじ部材が払出装置200に混入することを防止することができる。
また、図22(C)、図23(A)(B)、図24に示すように、第1誘導通路形成部202に向けて移動してきたねじ部材N3~N6を該第1誘導通路形成部202に到達する前に滞留させることが可能な特別滞留部としての凹部280,290,214,242,243は、被取付部としての取付孔H3~H6に取付けられたねじ部材N3~N6の下方に設けられ、取付孔H3~H6から外れたが凹部280,290,214,242,243に滞留しなかったねじ部材N3~N6がカバー部314,324,334に向けて移動可能であることで、取付孔H3~H6から外れたねじ部材N3~N6が第1誘導通路形成部202内に落下することを防止することができる。
また、凹部280,290,214,242,243の深さは、ねじ部材N3~N6が収容された状態においてねじ部材N3~N6の一部が突出する深さであるため、凹部280,290,214,242,243に滞留したねじ部材N3~N6を容易に取出すことができる。
また、凹部280,290,214,242,243や、上記した長孔316A~316C、凹溝326A~326C、凹部336は、落下してきたねじ部材の第1誘導通路形成部202への落下を規制(または阻害)するだけでなく、第1誘導通路形成部202外に滞留させておくことが可能な滞留部であることで、遊技場の店員等が点検等を行う際にねじ部材を発見することが可能となるため、いずれのねじ部材が外れてしまったのかを特定しやすくなるので、ねじ部材の払出装置200への混入に対する対処策を講じやすくなる。
また、特定部としての球止め部材340は、回動部341が起立位置に位置し、前壁部341Aがスリット344から上方に逸脱して第1誘導通路形成部202の遊技球を第2誘導通路形成部204に流下可能とする第1状態と、回動部341が傾倒位置に位置し、前壁部341Aがスリット344に挿入され遊技球に接触可能となり、第1誘導通路形成部202の遊技球を第2誘導通路形成部204に流下不能(または流下困難)とする第2状態と、に変化可能とされており、球止め部材340が第2状態のときの方が、第1状態のときよりもねじ部材が滞留しやすい形態となっていることで、第1誘導通路形成部202内に落下したねじ部材が払出装置200に混入することを防止することができる。
より詳しくは、球止め部材340を第2状態とするのは、前述したように、第1誘導通路や第2誘導通路内の遊技球を抜き出すとき、つまり、遊技場の店員等がパチンコ遊技機1の点検やメンテナンス作業を行うときであるのに対し、球止め部材340を第1状態とするのはパチンコ遊技機1が稼働状態であるとき、つまり、遊技場の店員等が監視できないときであるため、このような状態においてねじ部材が第1誘導通路形成部202内に混入することを好適に防止することができる。
また、球タンク形成部201は、緩み止め部としてのフランジ部Fを有するねじ部材N11~N14によって複数個所で遊技機用枠3に取付けられ、球タンク形成部201及び第1誘導通路形成部202を遊技機用枠3に取付けるためのねじ部材N11~N14は、該遊技機用枠3から外れても第1誘導通路形成部202外に落下するように、第1誘導通路形成部202や球タンク形成部201の立壁部203Bの上端縁よりも下方位置に取付けられている。よって、球タンク形成部201を取付けるねじ部材N11~N14は振動や遊技球の重量がかかり緩みやすいので、フランジ付きねじ部材として遊技機用枠3から外れにくくする一方で、球タンク形成部201及び第1誘導通路形成部202を取付けるねじ部材N11~N14は、外れたとしても第1誘導通路形成部202外に落下するため、第1誘導通路形成部202内に落下したねじ部材が払出装置200に混入することを防止することができる。
また、球タンク形成部201及び第1誘導通路形成部202を遊技機用枠3に取付けるための複数のねじ部材のうち、パチンコ遊技機1の周縁部近傍の所定ねじ部材(例えば、ねじ部材N12)は、アース線(例えば、アース線226)を取付けるためのねじ部材と兼用されていることで、ねじ部材(部品点数)を減らすことができるため、第1誘導通路形成部202内に落下したねじ部材が払出装置200に混入することを防止することができる。尚、アース線ではなく、球タンク形成部201及び第1誘導通路形成部202以外の所定部材を取付けるねじ部材と兼用してもよい。
また、球タンク形成部201を遊技機用枠3に取付けるためのねじ部材N11~N14は、該遊技機用枠3を補強するための金属板222に取付けられていることで、球タンク形成部201を強固に取付けることができるとともに、振動が発生しにくくなるのでねじ部材の緩みを好適に抑制することができる。
また、遊技機用枠3における第1誘導通路形成部202の上方位置に取付けられているねじ部材N3~N6は、フランジ部Fを有しない頭部NHの直径が小さいねじ部材であることで、第1誘導通路形成部202内に落下した場合でも、孔部271A~271Hから落下させやすいため、ねじ部材が払出装置200に混入することを防止することができる。
また、図19(B)、図27に示すように、遊技機用枠3に着脱可能な遊技盤2における第1誘導通路形成部202よりも下方の領域には、落下してきたねじ部材を後方または払出装置200側に流下させることが可能な傾斜面(例えば、カバー体220の上壁部220H)が第1誘導通路形成部202に対し隙間を隔てて設けられていることで、カバー体220の上壁部220Hに落下したねじ部材が跳ねて再び第1誘導通路形成部202に混入されることを防止することができる。
また、特に図示はしないが、基板ケース11A,12A,37A,91Aは、カバー体220の後壁部よりも後方に突出しないように設けられており、カバー体220の上壁部220Hに落下したねじ部材は後方または払出装置200側に流下するように案内されることで、上壁部220Hに落下したねじ部材が下方に配置された基板ケース11A,12A,37A,91A内に落下することを防止できる。
また、カバー体220は、遊技盤2の背面側に設けられた画像表示装置5、可動体を有する演出用装置、演出制御基板12を被覆するように設けられることで、これらの駆動源から生じる熱を放出する複数の放熱孔220Bが後壁部の上部に形成されているが(図6参照)、これら放熱孔220Bは、ねじ部材の雄ねじ部NSは挿入可能であっても、少なくとも頭部NHを挿入不能な大きさであることが好ましい。また、第1誘導通路形成部202の直下に配置される上壁部220Hは、上方の孔部270A,270B、271A~271Hからねじ部材が落下してくる可能性が高いため、放熱孔220Bは、少なくとも上壁部220Hにおいて孔部270A,270B、271A~271Hに対応しない位置に形成するか、上壁部220H以外の部位(例えば、後壁部など)に形成することが好ましい。このようにすることで、落下してきたねじ部材がカバー体220内に落下して画像表示装置5、可動体を有する演出用装置、演出制御基板12などに悪影響を及ぼすことを抑制できる。
(変形例1)
次に、本発明の変形例1について、図29に基づいて説明する。図29は、(A)は変形例としてのカバー部を示す概略背面図、(B)はケーブルがカバー部に交差するように配線された状態を示す概略背面図である。
前記実施の形態では、球タンク形成部201の遊技球を払出装置200に誘導する誘導通路を形成する誘導通路形成部は、左側方に向けて下側に傾斜するように延設される第1誘導通路形成部202と、第1誘導通路形成部202の下側の左端部から下方に向けて延設される第2誘導通路形成部204と、を有し、第1誘導通路形成部202の上面の一部を覆うように設けられた第3カバー体330のカバー部334は、図16に示すように、左端部の上面に球止め部材340が上方に突出するように設けられていることで、カバー部334上を左側に移動するねじ部材Nを受止めて滞留可能に構成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本変形例1のカバー部360のように、カバー部360の左端部360Rが、下方の第2誘導通路形成部204に向けて湾曲するR形状に形成されていてもよい。
このようにすることで、カバー部360上に落下した遊技球Pやねじ部材Nは、左端部側に向けて移動した場合、カバー部360上に滞留することなく、第1誘導通路形成部202の左端部からダイレクトに第1誘導通路形成部202外に落下するため、ねじ部材Nが払出装置200に混入することを防止することができる。
また、図29(B)に示すように、カバー部360の上面に、ねじ部材Nを滞留させることが可能な凹部361が形成されたものにおいて、カバー部360における凹部361の近傍位置に、第1誘導通路形成部202における遊技球の流下方向に対し交差するようにケーブルCHが設けられていてもよい。
このようにすることで、凹部361に滞留したが傾斜により移動する可能性があるねじ部材Nや遊技球Pを、ケーブルCにより移動を規制することで滞留させておくことができる。
(変形および応用に関する説明)
例えば、前記実施の形態では、ねじ部材として、パチンコ遊技機1の遊技機用枠3に取付部材223や第1通路形成体203等を取付けるためのねじ部材N1~6、N11~16や、パチンコ遊技機1の他の個所に取付けられるねじ部材(図示略)や、遊技島を構成する躯体などを組付けるためのねじ部材(図示略)や、遊技島の内部に配置される各種装置(例えば、補給装置150など)等を躯体などに取付けるためのねじ部材(図示略)等を対象とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機の製造時や遊技場でのメンテナンス時などにおいて取付けを忘れるなど何らかの理由でパチンコ遊技機1に残留してしまったねじ部材等の全てのねじ部材が対象可能であるが、少なくともパチンコ遊技機1に予め取付けられているねじ部材が払出装置200へ混入することを防止できるようになっていることが好ましい。
また、前記実施の形態では、遊技媒体を貯留可能な貯留部として、底壁部203Aと立壁部Bとにより上面が開口する箱状に形成された球タンク形成部201を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、貯留部は遊技球を貯留可能であれば、上記球タンク形成部201のように第1誘導通路形成部202の前後寸法よりも前後寸法が長いものでなくてもよく、第1誘導通路形成部202と前後寸法がほぼ同一または短いものであってもよい。また、補給装置150から供給される遊技球を受止め可能であれば、必ずしも上面は開放されていなくてもよい。
また、前記実施の形態では、遊技媒体を払出すことが可能な払出部として、回転可能なスプロケットにより遊技球を払出し可能な払出装置200を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スプロケット以外の部材により遊技球を払出し可能な払出装置であってもよい。
また、前記実施の形態では、上面が開口し、貯留部の遊技媒体を払出部に誘導する誘導通路を形成する誘導通路形成部として、底壁部203Aと立壁部203Bとにより上面が開口する凹溝状に形成された第1誘導通路形成部202を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上面の一部に開口が形成された筒状部材からなる誘導通路形成部であってもよく、形状や大きさ等は種々に変更可能である。尚、球タンク形成部201と幅寸法(前後寸法)が略同一または大きくてもよく、遊技球を複数列で流下可能に誘導するものでもよい。
また、前記実施の形態では、遊技球を貯留可能な貯留部としての球タンク形成部201と、上面が開口し、球タンク形成部201の遊技球を払出装置200に誘導する第1誘導通路を形成する第1誘導通路形成部202とが一体成型されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、球タンク形成部201と第1誘導通路形成部202とが別個の部材をねじ部材などにより組付けることにより一体に形成されていてもよい。この場合、球タンク形成部201と第1誘導通路形成部202とを組付けるねじ部材についても本発明のねじ部材の対象となる。
また、前記実施の形態では、第1誘導通路形成部202の上面開口からねじ部材が混入しうる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1誘導通路形成部202の立壁側に形成された孔部や切欠部等からねじ部材が混入しうるものであってもよい。また、第2誘導通路形成部204についてもねじ部材が混入しうる場合、ねじ部材の第2誘導通路形成部204への落下を制限するための所定制限部や、第2誘導通路形成部204に落下したねじ部材の払出装置200への移動を制限するための特定制限部等を設けてもよい。
また、前記実施の形態では、第1誘導通路形成部202の上面の一部を覆うように設けられたカバー部として、第1カバー体310、第2カバー体320、第3カバー体330を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1誘導通路形成部202の上面の全領域がカバー部により被覆されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1誘導通路形成部202の上面の一部の領域を覆うカバー部は、第1誘導通路形成部202とは別個の部材にて構成されていてもよいし、第1誘導通路形成部202と予め一体に形成されていてもよい。つまり、第1誘導通路形成部202が予め四角筒状に形成されているものであってもよい。
また、前記実施の形態では、カバー部314,324,334上に落下したねじ部材の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための所定制限部として、ねじ部材をカバー部上に滞留させることが可能な孔部としての長孔316A~316Cや、凹部としての凹溝326A~326Cや凹部336を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ねじ部材のカバー部上からの落下を規制(または阻害)可能な落下規制部(落下阻害部)や、カバー部上でのねじ部材の移動を規制(または阻害)可能な移動規制部(移動阻害部)や、ねじ部材をカバー部上から第1誘導通路形成部202外へ落下可能に誘導する傾斜面などの落下誘導部等であってもよい。尚、落下や移動を規制または阻害可能な手段としては、凸部や凹部だけでなく、金属製のねじ部材を吸着可能な磁石や、ねじ部材を粘着可能な粘着部などであってもよい。
つまり、カバー部314,324,334上に落下したねじ部材の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための所定制限部とは、ねじ部材の第1誘導通路形成部202への落下を不能とするものだけでなく、落下を困難とすることができるものであればよい。
また、前記実施の形態では、第1誘導通路形成部202に設けられ、該第1誘導通路形成部202に落下したねじ部材の払出装置200への移動を制限するための特定制限部として、複数の孔部271A~271Hを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1誘導通路形成部202に落下したねじ部材の払出装置200側への移動を規制(または阻害)可能な移動規制部(移動阻害部)であってもよい。尚、払出装置200側への移動を規制または阻害可能な手段としては、凸部や凹部だけでなく、金属製のねじ部材を吸着可能な磁石や、ねじ部材を粘着可能な粘着部などであってもよく、これらは遊技球の流下に影響しない位置(例えば、底壁部203Aと立壁部203Bとの間の角部など、遊技球が接触しない部分)に設けることが好ましい。
つまり、第1誘導通路形成部202に設けられ、該第1誘導通路形成部202に落下したねじ部材の払出装置200への移動を制限するための特定制限部とは、ねじ部材の払出装置200側への移動を制限できるものであれば、必ずしも第1誘導通路形成部202に混入したねじ部材の払出装置200側への移動を不能とするものだけでなく、移動を困難とすることができるものであればよい。
また、第1誘導通路形成部202に設けられた特定制限部により、第1誘導通路形成部202に落下したねじ部材の払出装置200への移動が制限(規制、阻害)された場合、移動が制限され第1誘導通路内に滞留しているねじ部材により遊技球の流下も制限されてしまい球詰まりが生じる可能性が高い。球詰まりが生じた場合、前述したように補給エラー報知が実行されることで、遊技場の店員等が遊技機用枠3を開放して背面にある球タンク形成部201や第1誘導通路形成部202における遊技球の状況を目視により点検する可能性が高い。このとき、ねじ部材が払出装置200まで移動せずに第1誘導通路形成部202に滞留していることで、球詰まりの原因がねじ部材であったことを店員等が特定しやすくなるので、適切な対処を行うことが可能となる。
また、前記実施の形態では、複数の孔部271A~271Hが全てねじ部材を落下可能な大きさを有する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の孔部271A~271Hのうち少なくとも2以上の孔部がねじ部材を落下可能に形成されていれば、他の孔部はねじ部材を落下可能でなくてもよい。また、複数の孔部271A~271Hの形状、大きさは任意であり、上記した形態に限らず種々に変更可能である。
また、前記実施の形態では、第1誘導通路形成部202よりも下方位置に取付けられる第1基板として、主基板11、演出制御基板12を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、中継基板など他の基板も対象としてもよい。
また、前記実施の形態では、第1誘導通路形成部202よりも上方位置に取付けられる第2基板として、ターミナル基板210を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2基板として、中継基板など他の基板も対象としてもよい。
また、前記実施の形態では、第1基板としての主基板11、演出制御基板12は、これら基板が収納される基板ケース11A,12Aがねじ部材N20,N21により遊技盤2に取付けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1基板としての上記各種基板が基板ケースを介すことなく直接遊技盤2や遊技機用枠3に取付けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1基板としての主基板11、演出制御基板12は、各基板が収納される基板ケース11A,12Aがねじ部材N20,N21にて、つまり、ねじ部材を用いた取付方法により遊技盤2に取付けられ、第2基板としてのターミナル基板210は、ねじ部材とは異なる取付手段としての複数の規制部235及び係止部236からなる係止手段を用いて、つまり、ねじ部材を用いた取付方法とは異なる取付方法により基板取付枠211に取付けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラッチ部材などによる係止手段や、カシメピンなどによる取付手段や、接着剤などによる接着手段等を含むものであってもよい。
また、前記実施の形態では、第1誘導通路形成部202の周辺に設けられ、該第1誘導通路形成部202に向けて移動してきたねじ部材の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための特別制限部として、凹部280,290,214,242,243を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ねじ部材の第1誘導通路形成部202への落下を規制(または阻害)可能な落下規制部(落下阻害部)や、第1誘導通路形成部202へのねじ部材の移動を規制(または阻害)可能な移動規制部(移動阻害部)や、ねじ部材を第1誘導通路形成部202外へ落下可能に誘導する傾斜面などの落下誘導部等であってもよい。尚、第1誘導通路形成部202への落下や移動を規制または阻害可能な手段としては、凸部や凹部だけでなく、金属製のねじ部材を吸着可能な磁石や、ねじ部材を粘着可能な粘着部などであってもよい。
つまり、外れたねじ部材の第1誘導通路形成部202への落下を制限するための特別制限部とは、ねじ部材の第1誘導通路形成部202への落下を不能とするものだけでなく、落下を困難とすることができるものであればよい。例えば、落下規制部(落下阻害部)としての凸部や、移動規制部(移動阻害部)としての凹部や孔部などが、上壁部225Aなどの所定位置に設けられていればよい。
また、前記実施の形態では、特別制限部としての凹部280,290,214,242,243などが設けられる第1誘導通路形成部202の周辺が、前側の立壁部203Bの近傍位置である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくともねじ部材が取付けられる被取付部(取付孔)と誘導通路形成部との間であれば、必ずしも立壁部203Bの近傍位置に設けられていなくてもよく、例えば、ねじ部材の被取付部と誘導通路形成部との間において誘導通路形成部よりも被取付部に近い位置に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、カバー部334における傾斜方向の払出装置200側に、該カバー部334上に落下したねじ部材N6を該カバー部334に滞留させることが可能な特定部として、第1誘導通路形成部202の遊技球を流下可能とする第1状態と、流下困難または流下不能とする第2状態と、に変化可能な球止め部材340を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバー部334における傾斜方向の払出装置200側(傾斜下位側)に設けられる部材であれば、球止め機能を有していなくても、ねじ部材の移動を規制(または阻害)可能な凸部や立壁部、配線押えなどであってもよい。
また、前記実施の形態では、特定部としての球止め部材340が、カバー部334における傾斜方向の払出装置200側に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定部は、一のカバー部における払出装置200側の端部に設けられていれば、カバー部314,324の払出装置200側の端部に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、特定部としての球止め部材340が、カバー部334とは別個の部材にて構成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバー部334を構成する部材の一部に特定部(球止め部)が一体的に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態では、緩み止め部の一例として、ねじ部材N1、N2、N11~N16の頭部NHよりも大径であり該頭部NHに一体に形成されたフランジ部F(座金)を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、フランジ部Fの替わりに、ねじ部材とは別個に形成されねじ部材に装着可能なワッシャなどでもよいし、頭部NHやフランジ部F(座金)の裏面に凹凸状に形成された頭部NHの回止め部や接着剤等も含まれる。また、ねじ部材は、ドライバなどの工具により取付け可能なものだけでなく、蝶ねじであってもよいし、ビスやボルト等、緩むと被取付部から離脱してしまう部材を含む。
また、前記実施の形態では、貯留部としての球タンク形成部201は、緩み止め部であるフランジ部Fを有するねじ部材N11~N14によって複数個所で遊技機用枠3に取付けられ、球タンク形成部201及び第1誘導通路形成部202を遊技機用枠3に取付けるためのねじ部材N11~N14は、該遊技機用枠3から外れても第1誘導通路形成部202外に落下するように、第1誘導通路形成部202や球タンク形成部201の立壁部203Bの上端縁よりも下方位置に取付けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1誘導通路形成部202や球タンク形成部201の立壁部203Bの上端縁よりも上方位置であっても、例えば、第1誘導通路形成部202や球タンク形成部201の直上位置から水平方向にずれた非直上位置に取付けられていれば、ねじ部材が第1誘導通路形成部202にダイレクトに落下することを防止できる。また、落下したねじ部材が所定の誘導部(例えば、上壁部225Aに形成された凹溝など)などにより、第1誘導通路形成部202外に落下するように誘導されるようになっていてもよい。
また、前記実施の形態における所定制限部、特定制限部、特別制限部、特定部は、パチンコ遊技機1に取付けられているねじ部材N1~N6、N11~N16だけでなく、遊技島などパチンコ遊技機1以外のねじ部材についての払出装置200への移動を制限または規制(阻害)する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくともパチンコ遊技機1に取付けられているねじ部材N1~N6、N11~N16、さらには第1誘導通路形成部202や球タンク形成部201の上方位置に取付けられているねじ部材N3~N6についての払出装置200への移動を制限または規制(阻害)可能な大きさや形態にて形成されていることが好ましい。
(特徴部053SG)
次に、本発明に係る特徴部053SGにおける遊技機を実施するための形態について、図30-1~図30-24に基づいて説明する。
特徴部053SGにおける遊技機は、遊技場等に設置されるパチンコ遊技機や、スロットマシンなどであり、特に、図30-1に示すように、遊技の制御を行う遊技制御用マイクロコンピュータが搭載された遊技制御基板を備える。尚、以下に説明する遊技機として、上記実施の形態のパチンコ遊技機1が適用可能であり、遊技制御基板は、上記実施の形態の主基板11、演出制御基板は演出制御基板12が適用可能である。
遊技制御基板には、図30-1に示すように、各種スイッチやセンサ等の遊技の進行に応じた入力状況を検出する複数の入力部品が接続されている。入力部品は、例えば、遊技者による操作を検出する検出スイッチ、遊技球やメダル等の遊技媒体の通過を検出する検出スイッチ、リールなどの遊技に用いられる可動物の位置を特定するセンサ、遊技者の有利度等の各種設定に用いられる検出スイッチ、ドアの開放や異常等を検出する検出スイッチなどである。
また、遊技制御基板には、図30-1に示すように、これら入力部品からの入力信号を検出する入力回路が搭載されており、入力回路による入力部品からの入力信号の検出状況が特定される入力データが遊技制御用マイクロコンピュータに伝送されることで遊技制御用マイクロコンピュータによる遊技の制御に用いられる。
また、遊技制御基板には、図30-1に示すように、表示器やLED、モータ、ソレノイド等の遊技の進行に応じた出力制御を行う複数の出力部品が接続されている。出力部品は、例えば、抽選結果に応じた表示を行う表示器、遊技の進行状況や遊技機の状態を表示する表示器、遊技者に対して操作態様を指示する表示器、遊技者所有の価値を表示する表示器、遊技状態を示すLED、異常の発生を報知するLED、リールや可変入賞装置などの遊技に用いられる可動部を動作させるモータ、ソレノイドなどである。
また、遊技制御基板には、図30-1に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータから伝送される出力データに基づいて対応する出力部品に対して出力信号を出力する出力回路が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータは、出力回路に出力データを伝送することにより、遊技の進行に応じた出力部品の制御を行う。
また、遊技制御用マイクロコンピュータと、入力回路及び出力回路は、データバスを介して接続されており、入力回路から遊技制御用マイクロコンピュータへの入力データの伝送及び遊技制御用マイクロコンピュータから出力回路への出力データの伝送は、共用のデータバスを介して行われる。
また、全ての入力回路が共用のデータバスを介して接続されているのではなく、一部の入力回路は、データバスを介すことなく直接遊技制御用マイクロコンピュータに接続され、共用のデータバスを介することなく入力回路から遊技制御用マイクロコンピュータへの入力データが伝送されるようになっている。
尚、出力回路については、いずれも共用のデータバスを介して接続される構成であるが、一部の出力回路が、データバスを介すことなく直接遊技制御用マイクロコンピュータに接続され、共用のデータバスを介することなく遊技制御用マイクロコンピュータから出力回路へ出力データが伝送される構成でも良い。
また、データバスは、外部出力端子に接続されており、遊技制御用マイクロコンピュータからの出力データが外部出力信号として外部機器に対して出力されるようになっており、外部機器では、外部出力信号として出力された出力データを用いて遊技機の性能等を検査することが可能とされている。
次に、本発明の遊技機が備える遊技制御基板について以下の実施例1~3を用いて説明する。
実施例1における遊技制御基板の構造について説明する。遊技制御基板は、一方の面に電子部品が実装され、他方の面には電子部品が実装されず、電子部品が備える端子がハンダ付けされる構成であり、以下では、電子部品が実装される面を実装面と呼び、電子部品が実装されず、電子部品が備える端子がハンダ付けされる面をハンダ面と呼ぶ。
図30-2は、本実施例における遊技制御基板の実装面を示す図であり、図30-3は、本実施例における遊技制御基板のハンダ面を示す図である。図30-2及び図30-3に示すように、遊技制御基板は、縦方向に延びる一対の短辺と横方向に延びる一対の長辺とからなる長方形状であり、絶縁性を有するプリント板によって構成される。また、遊技制御基板には、実装面とハンダ面を貫通するスルーホールが複数形成されているとともに、遊技制御基板の実装面及びハンダ面には、スルーホールを適宜連結するように導電体で構成された複数の配線パターンが形成されている。また、遊技制御基板の実装面及びハンダ面の配線パターンが形成されていない領域には、絶縁体で構成された絶縁領域及び導電体で形成され、グランドを構成するグランド領域が形成されている。グランド領域は、遊技制御基板の実装面及びハンダ面において配線パターン及び絶縁領域が形成された領域以外のほぼ全域にわたって形成されたベタグランドである。
図30-2に示すように、実装面には、縦方向に延びる配線パターンが横方向に延びる配線パターンの割合よりも多く配置されており、一方、図30-3に示すように、ハンダ面には、横方向に延びる配線パターンが縦方向に延びる配線パターンの割合よりも多く配置されている。このため、縦方向に延びる配線パターンが実装面に集約され、横方向に延びる配線パターンがハンダ面に集約されることとなり、縦方向に延びる配線パターンと横方向に延びる配線パターンが交差する場合に配線パターンを迂回する等の設計を極力減らせるようになっている。
また、図30-3に示すように、ハンダ面に配置された配線パターンは、長辺と同じ横方向に延びる配線が多いため、実装面に配置された配線パターンよりも配線パターンの距離が長くなるものが多いが、前述のように、電子部品は実装面にのみ実装され、ハンダ面には実装されることがなく、ハンダ面に配置された比較的距離の長い配線パターンが電子部品によって阻害されることが回避されている。
また、ハンダ面に形成された配線パターンを分岐させる際に、分岐先の配線パターンのうち一方はハンダ面に形成され、他方はスルーホールを通じて実装面に形成されるようになっており、分岐先の一方の配線パターンを迂回させたり、分岐先の一方の配線パターンと他方の配線パターンとを同一面で交差させたりすることなく分岐されるようになっている。
図30-4は、本実施例における遊技制御基板に入力回路及び出力回路が実装された状態の実装面を示す図である。
図30-4に示すように、遊技制御基板の実装面には、前述した遊技制御用マイクロコンピュータや入力回路、出力回路等の電子部品が実装されている。これらの電子部品は、一の方向に並ぶ複数の端子からなる端子列が一列または複数列を備える電子部品を含む。そして、これらの端子列を備える電子部品は、その多くが、遊技制御基板の長辺に沿って、すなわち横方向に並ぶように配置されている。前述のように、実装面では、縦方向に延びる配線パターンの割合が多く、端子列を備える電子部品は、多くの場合、遊技制御基板の長辺にそって、すなわち横方向に並ぶように配置されることで、縦方向に延びる配線パターンの方向を変えることなく、そのまま横方向に並ぶ端子列に接続させることができるようになっている。
また、端子列を備える電子部品のうち入力回路及び出力回路は、図30-4に示すように、長方形状に形成されるとともに、短辺側の一方に凹状の切欠が設けられるとともに、表面に型番が印字されており、切欠の向きと型番の印字方向により部品の向きが特定できるようになっている。そして、図30-4に示すように、入力回路は、図30-4中において切欠が左側となり、かつ型番の印字方向が左から右に向かう方向となるように配置される一方、出力回路は、図30-4中において切欠が右向きとなり、かつ型番の印字方向が右から左に向かう方向となるように配置されており、これらの電子部品が切欠の位置及び型番の印字方向によって入力回路であるか、出力回路であるか、が特定可能とされている。
図30-5は、本実施例における遊技制御基板のハンダ面に形成されたデータバスの構成を示す図であり、図30-6は、本実施例における遊技制御基板の実装面においてデータバスから分岐した配線パターンを示す図である。
遊技制御基板には、前述のように入力回路から遊技制御用マイクロコンピュータへの入力データの伝送及び遊技制御用マイクロコンピュータから出力回路への出力データの伝送に共用されるデータバスが形成されている。本実施例の遊技制御基板に形成されたデータバスは、ハンダ面に形成された横方向に延びる8本の配線パターンにて構成されており、図30-5に示すように、遊技制御基板の左側に実装された遊技制御用マイクロコンピュータの端子が接続されるスルーホールから右側に向けて横方向に延びるように形成された8本の配線パターンからなる。データバスと入力回路、出力回路等の電子部品とは、図30-6に示すように、スルーホールを通して実装面側に分岐し、上下方向に向けて縦方向に延びるように形成された配線パターンにより接続される。
このように遊技制御用マイクロコンピュータと横方向に離れた入力回路、出力回路等の電子部品とをデータバスを介して接続する場合に、まず、遊技制御用マイクロコンピュータの端子が横方向に延びるハンダ面のデータバスに接続され、電子部品が実装される位置でスルーホールを通して電子部品に向けて縦方向に延びる実装面側の配線パターンに分岐し、電子部品と接続されることとなる。このため、データバスから分岐した配線パターンを迂回する必要がなく、遊技制御用マイクロコンピュータと横方向に離れた電子部品とを効率良く接続することができる。また、データバスを構成する配線パターンが、電子部品が実装されないハンダ面に形成されるので、データバスへの電子部品からのノイズの影響を受け難く、さらに、データバスと電子部品とは、スルーホールを通して実装面側に分岐した配線パターンにより接続されるので、実装面側の配線パターンが短くなり、この間の電子部品からのノイズの影響も受け難いようになっている。
図30-5に示すように、データバスを構成する横方向に延びる配線パターンは、一直線上に形成されるのではなく、横方向に延びる複数の配線パターンに分割して形成されている。分割されたそれぞれの配線パターンの長さ(L1~L8)は、データバスにおいてデータを伝送する際のバスクロック(データバスでデータを伝送する際に用いる周波数)に応じて共振が最大となるアンテナ長(λ(バスクロック)/2)よりも短く形成されている。このため、データバスを構成する配線パターンがバスクロックに対応するアンテナ長となって、共振により意図しない電波を発してしまうことが防止されるようになっている。さらに、バスクロックに対応するアンテナ長の1/2の長さとなった場合にも、基板の表面に反射して強い共振が発生してしまうことがあるため、分割されたそれぞれの配線パターンの長さ(L1~L8)は、バスクロックに応じて共振が最大となるアンテナ長の1/2とならない長さに形成されており、基板の表面に反射することにより強い共振が発生してしまい、電波を発してしまうことも防止されるようになっている。
また、バスクロックは、実装される遊技制御用マイクロコンピュータや発振器によって異なるが、分割されたそれぞれの配線パターンの長さ(L1~L8)は、そのうち想定される最大周波数となるバスクロックに応じて共振が最大となるアンテナ長よりも短く、さらに最大周波数となるバスクロックに応じて共振が最大となるアンテナ長の1/2とならない長さとなるように形成されている。このため、想定される最大周波数未満のバスクロックでデータが伝送される場合でも、意図しない電波を発生してしまうことが防止されるようになっている。
図30-5に示すように、データバスを構成する複数に分割された横方向の配線パターン同士は、斜め右方向または斜め左方向、すなわち複数に分割された横方向の配線パターンの方向とは異なる方向に延びる配線パターンを挟んで接続されている。また、複数に分割された横方向の配線パターンと斜め右方向または斜め左方向の配線パターンとは、鈍角に屈曲して接続されている。このため、配線パターンの屈曲部分から意図しない電波を発してしまうことが防止される。
また、図30-5に示すように、複数に分割された横方向の配線パターン同士を接続する斜め方向の配線パターン上に設けられたスルーホール(図30-5に示すA~F)を通して実装面側の配線パターン(図30-6に示すA~Fに接続される配線パターン)に分岐するようになっており、複数に分割された横方向の配線パターン同士を接続する斜め方向の配線パターンを利用してデータバスを構成する配線パターンが分岐されるようになっている。
尚、実施例1における遊技制御基板では、横方向の配線パターンの長さを共振が最大となるアンテナ長よりも短くするために、横方向の配線パターンを複数の配線パターンに分割するとともに、複数に分割された横方向の配線パターン同士を同じハンダ面上に形成された斜め方向の配線パターンにより接続する構成であるが、複数に分割された横方向の配線パターン同士を実装面側に形成された配線パターンにより接続する構成、すなわち横方向の配線パターンの長さを共振が最大となるアンテナ長よりも短くなるように、横方向の配線パターンをハンダ面と実装面に交互に形成する構成としても良い。このような構成においては、横方向の配線パターンがハンダ面または実装面から他方の面に切り替わる箇所で分岐させることが好ましく、このような構成とすることで、分岐後の配線パターンを迂回したり、同一面上で交差させることなくデータバスを構成する配線パターンを分岐させることが可能となる。
図30-7は、本実施例における遊技制御基板の実装面に形成されたグランド領域の構成を示す図であり、図30-8は、本実施例における遊技制御基板のハンダ面に形成されたグランド領域の構成を示す図である。
図30-7及び図30-8に示すように、遊技制御基板の実装面及びハンダ面において配線パターン及び絶縁領域が形成された領域以外のほぼ全域にわたってグランド領域が形成されている。遊技制御基板に形成されたグランド領域は、絶縁領域を介して電気的に隔てられた第1グランド領域と第2グランド領域とから構成される。実装面及びハンダ面のいずれにおいても、第1グランド領域は遊技制御基板の左側の領域に形成され、第2グランド領域は遊技制御基板の右側の領域に形成される。
また、図30-7に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータや入力回路、出力回路等、低電圧(本実施例では、Vcc(+5V))の信号が伝達される配線パターンが接続される電子部品(低電圧部品)は第1グランド領域が形成された左側の領域に実装され、低電圧部品のグランド端子は第1グランド領域に接続される。一方、モータやソレノイド等を動作させるための駆動回路等、高電圧(本実施例では、VLD(+24V))の信号が伝達される配線パターンが接続される電子部品(高電圧部品)は第2グランド領域が形成された右側の領域に実装され、高電圧部品のグランド端子は、第2グランド領域に接続される。このため、グランド領域を介して高電圧部品から低電圧部品に意図しない電流が逆流してしまうことが防止される。また、第1グランド領域と第2グランド領域が遊技制御基板の対向する辺側にそれぞれ形成されているので、一時的に電位差が生じても互いに干渉することが防止される。
また、図30-9に示すように、第1グランド領域と第2グランド領域との間には、コンデンサが設けられているため、このコンデンサによって第1グランド領域と第2グランド領域との間に一時的に電位差が生じても一方のグランド領域から他方のグランド領域に電流が流れてしまうことが防止される。
また、図30-7及び図30-8に示すように、実装面及びハンダ面には、第1グランド領域と第2グランド領域との間に配線パターンが形成されない絶縁領域が形成され、第1グランド領域と第2グランド領域が電気的に隔てられるようになっている。さらに、実装面における第1グランド領域及び第2グランド領域と、ハンダ面における第1グランド領域及び第2グランド領域と、が重なるように形成されているとともに、実装面において第1グランド領域と第2グランド領域を隔てる絶縁領域と、ハンダ面において第1グランド領域と第2グランド領域を隔てる絶縁領域も重なるように形成されているため、実装面及びハンダ面の一方の面から他方の面に対して一時的に電位差が生じても互いに干渉することが防止されるようになっている。
図30-10は、本実施例における遊技制御基板の実装面に実装されたコネクタの構成を示す図であり、図30-11は、本実施例における遊技制御基板のハンダ面に形成されたコネクタ周辺の配線パターンを示す図であり、図30-12は、本実施例における遊技制御基板が基板ケースに収納された状態を示す図である。
図30-10に示すように、遊技制御基板には、実装面の下辺寄りに、遊技制御基板外部からの配線を接続するための複数のコネクタCN1~CN7が実装されている。遊技制御基板からの配線には、抽選の契機となる信号、抽選確率等の遊技者にとっての有利度を規定する設定値を変更可能な状態へ移行させるための信号、設定値を変更するための信号、遊技者にとって有利な情報を外部の表示器に表示させる信号等、遊技の有利度に関連する信号が入力または出力される配線、エラーの解除操作の検出信号が入力される配線、バックアップ電源の供給ラインとしての配線が含まれる。
図30-10に示すように、コネクタCN1~CN7に設けられた端子は、実装面、すなわちコネクタCN1~CN7が実装された側の面に形成された配線パターンには直接接続されず、図30-11に示すように、ハンダ面、すなわちコネクタCN1~CN7が実装された面とは反対側の面に形成された配線パターンに接続される。一方、図30-10に示すように、実装面におけるコネクタCN1~CN7の実装部分の周辺には、配線パターンは形成されておらず、その周辺には、コネクタナンバ等のコネクタに関する情報が印字されている。尚、コネクタCN1~CN7の実装部分の周辺に印字される情報は、コネクタナンバに限らず、端子の数やコネクタの方向、接続先に関する情報等が印字される構成でも良い。
図30-11に示すように、ハンダ面においてコネクタCN1~CN7に設けられた端子と接続された配線パターンは、端子と接続された側とは反対側の端部においてスルーホールを通して実装面の配線パターンに接続される。特に、図30-10及び図30-11に示すa~hのスルーホールは、電子部品の端子が接続されるスルーホールであり、コネクタCN1~CN7に設けられた端子と接続された配線パターンが最初に電子部品に接続される箇所に設けられている。このため、電子部品へ接続するためのスルーホールを利用してハンダ面から実装面の配線パターンに接続させることができる。
図30-12(A)(B)に示すように、遊技制御基板は、基板ケースに収納された状態で遊技機に取付けられる。基板ケースは、ワンウェイネジ、封印シールまたは溶着等により封止可能とされており、一度封止されると、痕跡を残すことなく開放することが困難な構成である。このため、遊技制御基板を基板ケースに収納した状態で遊技機に取り付けることで、遊技制御基板に対する不正が防止される構造となっている。
また、図30-12(A)(B)に示すように、基板ケースには、遊技制御基板を収納した状態においてコネクタCN1~CN7周辺の領域を被覆する被覆部が設けられている。一方、図30-10に示すように、遊技制御基板の実装面のうち基板ケースの被覆部によって被覆される領域には、配線パターンが形成されず、当該領域を避けて配線パターンが形成されている。被覆部には、コネクタCN1~CN7とほぼ同形の挿通孔が設けられており、これら挿通孔を通してコネクタCN1~CN7が外部に露呈し、外部からの配線を接続可能とされている。
このように基板ケースに遊技制御基板を収納した場合でも、コネクタCN1~CN7を外部からの配線と接続するため、コネクタCN1~CN7の周囲に若干の隙間が生じることとなるが、コネクタCN1~CN7に設けられた端子は、実装面、すなわちコネクタCN1~CN7が実装された側の面に形成された配線パターンには直接接続されず、ハンダ面、すなわちコネクタCN1~CN7が実装された面とは反対側の面に形成された配線パターンに接続されるようになっており、基板ケースよりコネクタCN1~CN7が露呈する部分の周囲からコネクタCN1~CN7の端子に接続される配線パターンを短絡させたり断線されたりする不正行為が防止されるようになっている。
また、実装面におけるコネクタCN1~CN7の実装部分の周辺は基板ケースの被覆部によって被覆されるとともに、被覆部により被覆される領域には、コネクタCN1~CN7に設けられた端子に接続される配線パターンを含むいずれの配線パターンも形成されず、コネクタCN1~CN7に設けられた端子に接続された配線パターンは、被覆部以外の領域で実装面の配線パターンに接続されるようになっており、基板ケースよりコネクタCN1~CN7が露呈する部分の周囲からコネクタCN1~CN7の端子に接続される配線パターンを短絡させたり断線されたりする不正行為が確実に防止されるようになっている。
図30-13は、本実施例における遊技制御基板に実装された遊技制御用マイクロコンピュータへのバックアップ電源の供給に係る回路図である。
図30-13に示すように、Vcc(+5V)は、電源基板にて生成されるとともに、遊技制御基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータの電源入力端子Vccに接続される。また、Vcc(+5V)は、電源基板において遊技制御用マイクロコンピュータに供給されるラインと分岐し、逆流防止用ダイオードを介して充電用コンデンサに接続されており、逆流防止用ダイオードと充電用コンデンサとの間で分岐したラインが遊技制御用マイクロコンピュータのバックアップ電源入力端子VBBに接続される。
電力が供給されている間は、Vcc(+5V)が遊技制御用マイクロコンピュータの駆動用電源として供給されるとともに、充電用コンデンサに充電される。一方、電力の供給が停止した場合には、Vcc(+5V)の供給が停止することで、充電用コンデンサに充電されたバックアップ電源VBBが遊技制御用マイクロコンピュータに供給されるようになっており、遊技制御用マイクロコンピュータは、バックアップ電源VBBの供給を受けることで、遊技制御用マイクロコンピュータが備えるRAMに格納されたデータが保持されるようになっている。尚、本実施例では、バックアップ電源が、遊技制御基板外の電源基板から供給される構成であるが、遊技制御基板内に設けられた回路から供給される構成でも良い。
図30-14は、本実施例における遊技制御基板のハンダ面に形成された電源供給用の配線パターンを示す図であり、図30-15は、本実施例における遊技制御基板の実装面に形成された配線パターンとハンダ面に形成された電源供給用の配線パターンとの関係を示す図である。
図30-14に示すように、遊技制御基板のハンダ面には、電源供給用ラインを構成する配線パターンとして、通常電源を供給する配線パターンVcc1~3と、バックアップ電源を供給する配線パターンVBBと、が形成されている。配線パターンVcc1~3は、図30-14及び図30-15に示すように、ハンダ面に形成された配線パターンと実装面に形成された配線パターンとによって構成され、遊技制御基板に実装された電子部品に接続される。一方、配線パターンVBBは、図30-14に示すように、ハンダ面に形成された配線パターンのみから構成される。すなわち配線パターンVBBは、実装面に形成された配線パターンと接続されることなく、ハンダ面に形成された配線パターンのみを通って遊技制御用マイクロコンピュータのバックアップ電源入力端子VBBに接続される。すなわち、電源基板からのバックアップ電源VBBが供給される配線パターンVBBはハンダ面のみに形成されている。このため、バックアップ電源VBBが供給される配線パターンVBBは、実装面に実装された電子部品を迂回する必要がなく、遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンの距離を短くできるため、外部からのノイズを受けにくく、ノイズによってRAMに記憶されているデータが破損してしまうことが防止されるようになっている。
また、図30-15に示すように、実装面において、ハンダ面側に配線パターンVBBが形成された部分には、ベタグランドが形成されている。このため、実装面に形成されたベタグランドによってノイズが遮断されることで、ハンダ面側の配線パターンVBBがノイズの影響を受けにくいようになっている。また、図30-15に示すように、ハンダ面に形成された配線パターンのうち、バックアップ電源を供給する配線パターンVBBの方が、通常電源を供給する配線パターンVcc1~3よりも、実装面側の対応する領域において実装面側に形成された配線パターン、特に信号の伝送に用いられる配線パターンと交差する箇所が少なくなる位置に形成されている。このため、実装面側に形成された信号の伝送に用いられる配線パターンからのバックアップ電源が供給される配線パターンVBBに対するノイズの影響が極力抑えられるようになっている。
尚、本実施例では、ハンダ面に形成された配線パターンのうち、バックアップ電源を供給する配線パターンVBBの方が、通常電源を供給する配線パターンVcc1~3よりも、実装面側の対応する領域において実装面側に形成された信号の伝送に用いられる配線パターンと交差する箇所が少なくなる位置に形成される構成であるが、ハンダ面に形成された配線パターンのうち、抽選の契機となる信号等、遊技者の利益に関わる信号が伝送される配線パターンの方が、出力部品の制御を行う信号等、直接遊技者の履歴に関わらない信号が伝送される配線パターンよりも、実装面側の対応する領域において実装面側に形成された信号の伝送に用いられる配線パターンと交差する箇所が少なくなる位置に形成される構成とすることで、実装面側に形成された信号の伝送に用いられる配線パターンからの遊技者の利益に関わる信号が伝送される配線パターンに対するノイズの影響が極力抑えられる。
また、ハンダ面に形成された配線パターンのうち、遊技制御用マイクロコンピュータに対するリセット信号が伝送される配線パターンや遊技制御用マイクロコンピュータに対して動作クロックを与える配線パターン等の比較的重要度の高い信号が伝送される配線パターンの方が、その他の信号が伝送される配線パターンよりも、実装面側の対応する領域において実装面側に形成された信号の伝送に用いられる配線パターンと交差する箇所が少なくなる位置に形成される構成とすることで、実装面側に形成された信号の伝送に用いられる配線パターンからの比較的重要度の高い信号が伝送される配線パターンに対するノイズの影響が極力抑えられる。
図30-16は、遊技制御基板をスロットマシンに取付けた状況の一例を示す図である。スロットマシンには、液晶表示器や演出の制御を行う演出制御基板、複数のリールからなるリールユニット、メダルの払出を行うホッパーユニット等の遊技に関連する遊技部品が搭載されている。そして、遊技制御基板をスロットマシンに取り付ける場合には、遊技制御基板は、実装面側、すなわちバックアップ電源が供給される配線パターンVBBが形成されたハンダ面とは反対側の面が遊技部品側に配置されるように取り付けられる。このような構成とすることで、バックアップ電源が供給される配線パターンVBBに対する遊技部品から発せられるノイズの影響が抑えられる。
図30-17は、遊技制御基板をパチンコ遊技機に取付けた状況の一例を示す図である。パチンコ遊技機は、遊技場に設置される際に、他のパチンコ遊技機等の他の遊技装置と、背面同士が向き合う態様で設置されることが多い。そして、遊技制御基板をパチンコ遊技機に取り付ける場合には、遊技制御基板は、実装面側、すなわちバックアップ電源が供給される配線パターンVBBが形成されたハンダ面とは反対側の面が他の遊技装置側に配置されるように取り付けられる。このような構成とすることで、バックアップ電源が供給される配線パターンVBBに対する他の遊技装置から発せられるノイズの影響が抑えられる。
(作用効果1)
本実施例の遊技制御基板は、実装面とハンダ面の双方に配線パターンが形成されるとともに、実装面に形成される配線パターンは、第1方向(上下方向)に延びる配線パターンの割合が第1方向と異なる第2方向(左右方向)に延びる配線パターンの割合よりも多く、ハンダ面に形成される配線パターンは、第2方向(左右方向)に延びる配線パターンの割合が第1方向(上下方向)に延びる配線パターンの割合よりも多いことを特徴としている。このような構成によれば、第1方向(上下方向)に延びる配線パターンが実装面に集約され、第2方向(左右方向)に延びる配線パターンがハンダ面に集約されることで、第1方向(上下方向)に延びる配線パターンと第2方向(左右方向)に延びる配線パターンが交差する場合に配線パターンを迂回する等の設計を極力減らすことができる。
本実施例の遊技制御基板は、第1方向(上下方向)に延びる1対の辺(左辺及び右辺)と第2方向(左右方向)に延びる1対の辺(上辺及び下辺)とからなる四角形状であることを特徴としている。このような構成によれば、遊技制御基板の形状に沿って配線パターンを無駄なく形成することができる。
本実施例の遊技制御基板は、複数の端子からなる端子列を備える電子部品が、端子列が第2方向(左右方向)に並ぶように配置されることを特徴としている。このような構成によれば、第1方向(左右方向)に延びる配線パターンをそのまま電子部品に接続することができる。
本実施例の遊技制御基板は、第1方向(上下方向)に延びる1対の短辺(左辺及び右辺)と前記第2方向(左右方向)に延びる1対の長辺(上辺及び下辺)とからなる長方形状であり、実装面のみに電子部品が実装され、ハンダ面には電子部品が実装されないことを特徴としている。このような構成によれば、ハンダ面において距離が長くなり得る第2方向(左右方向)の配線パターンを電子部品によって阻害されることなく形成することができる。
本実施例の遊技制御基板は、配線パターンが、1の配線パターンから2の配線パターンに分岐する配線パターンを含み、分岐先の2の配線パターンのうち一方の配線パターンは実装面に形成され、他方の配線パターンはハンダ面に形成されることを特徴としている。このような構成によれば、分岐先の一方の配線パターンを迂回させたり、分岐先の一方の配線パターンと他方の配線パターンとを同一面で交差させたりする必要がなく、好適に配線パターンを形成することができる。
(作用効果2)
本実施例の遊技制御基板は、特定方向(左右方向)に離れた第1端子(遊技制御用マイクロコンピュータの端子)と第2端子(入力回路、出力回路の端子)を接続し、特定信号(入力データ、出力データ)の送信に用いられる特定配線パターン(データバス)が形成され、特定配線パターン(データバス)は、特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターンからなる複数の配線パターンに分割して形成され、特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターンが各々特定信号(入力データ、出力データ)の周波数(バスクロック)に応じたアンテナ長である特定長さ(λ/2)よりも短く形成されることを特徴としている。このような構成によれば、特定配線パターン(データバス)が特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターンからなる複数の配線パターンに分割して形成され、特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターンは各々特定信号(入力データ、出力データ)の周波数(バスクロック)に応じたアンテナ長である特定長さ(λ/2)よりも短く形成されることで、特定配線パターン(データバス)が特定信号(入力データ、出力データ)の周波数(バスクロック)に応じたアンテナ長となることを防止し、意図しない電波を発してしまうことを防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターン同士が、特定方向(左右方向)と異なる方向(斜め方向)に延びる配線パターンにより接続されることを特徴としている。このような構成によれば、特定配線パターン(データバス)を簡単な構造で特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターンに分割することができる。
尚、本実施例の遊技制御基板は、特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターン同士が、特定方向(左右方向)と異なる方向(斜め方向)に延びる配線パターンにより接続される構成であるが、実装面とハンダ面に配線パターンが形成され、特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターンが、実装面とハンダ面に交互に形成される構成としても良い。このような構成においても、特定配線パターン(データバス)を簡単な構造で特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターンに分割することができる。
本実施例の遊技制御基板は、特定配線パターン(データバス)が、特定方向(左右方向)に延びる一の配線パターンと他の配線パターンの間で特定配線パターン(データバス)とは異なる配線パターンに分岐することを特徴としている。このような構成によれば、特定方向に延びる一の配線パターンと他の配線パターンとの間を利用して特定配線パターン(データバス)を好適に分岐させることができる。
本実施例の遊技制御基板は、特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターンが各々特定信号(入力データ、出力データ)の最大周波数(バスクロックとして想定される最大周波数)に応じたアンテナ長である特定長さ(λ/2)よりも短く形成されることを特徴としている。このような構成によれば、特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターンの長さが、特定信号(入力データ、出力データ)の最大周波数に対応するアンテナ長よりも短いので、最大周波数以下で信号が送信されても意図しない電波を発してしまうことを防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、特定方向に延びる直線の配線パターンが、特定信号(入力データ、出力データ)の周波数(バスクロック)に応じたアンテナ長である特定長さ(λ/2)の1/2(λ/4)とならない長さであることを特徴としている。このような構成によれば、特定方向(左右方向)に延びる直線の配線パターンが特定長さ(λ/2)の1/2となり、基板の表面からの反射によって強い共振が発生してしまうことがないので、意図しない電波を発してしまうことを防止できる。
(作用効果3)
本実施例の遊技制御基板は、第1電圧(Vcc(+5V))の信号が伝達される配線パターンが接続される第1電子部品(低電圧部品)と、第2電圧(VDL(+24V))の信号が伝達される配線パターンが接続される第2電子部品(高電圧部品)と、が実装され、第1電子部品(低電圧部品)は第1グランド領域に接続され、第2電子部品(高電圧部品)は第1グランド領域と絶縁部によって隔てられた第2グランド領域に接続されることを特徴としている。このような構成によれば、第1電圧(Vcc(+5V))の信号が伝達される配線パターンが接続される第1電子部品(低電圧部品)は第1グランド領域に接続され、第2電圧(VDL(+24V))の信号が伝達される配線パターンが接続される第2電子部品(高電圧部品)は第1グランド領域と絶縁部(絶縁領域)によって隔てられた第2グランド領域に接続されるので、グランドを介して意図しない電流が逆流してしまうことを防止できる。
尚、本実施例の遊技制御基板は、第1電圧(Vcc(+5V))の信号が伝達される配線パターンが接続される第1電子部品(低電圧部品)が第1グランド領域に接続され、第2電圧(VDL(+24V))の信号が伝達される配線パターンが接続される第2電子部品(高電圧部品)が第1グランド領域と絶縁部によって隔てられた第2グランド領域に接続される構成であるが、第1電子部品と、第2電子部品と、で接続される配線パターンを流れる電流差が大きい構成において、第1電子部品が第1グランド領域に接続され、第2電子部品が第1グランド領域と絶縁部によって隔てられた第2グランド領域に接続される構成としても良く、このような構成とすることで、第1電子部品と、第2電子部品と、で接続される配線パターンを流れる電流差が大きい場合でも、第1電子部品は第1グランド領域に接続され、第2電子部品は第2グランド領域に接続されるので、グランドを介して意図しない電流が逆流してしまうことを防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、第1グランド領域と第2グランド領域の間にコンデンサが設けられていることを特徴としている。このような構成によれば、コンデンサによって第1グランド領域と第2グランド領域との間に一時的に電位差が生じても一方のグランド領域から他方のグランド領域に電流が流れてしまうことを防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、一辺側(左側)に第1グランド領域が形成され、一辺に対向する他辺側(右側)に第2グランド領域が形成され、第1電子部品(低電圧部品)は第1グランド領域に実装され、第2電子部品(高電圧部品)は第2グランド領域に実装されることを特徴としている。このような構成によれば、第1グランド領域と第2グランド領域が遊技制御基板の対向する辺側にそれぞれ形成されているので、一時的に電位差が生じても互いに干渉することを防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、実装面及びハンダ面の双方に、第1グランド領域と第2グランド領域との間に配線パターンが形成されない非配線パターン領域(絶縁領域)が形成されていることを特徴としている。このような構成によれば、第1グランド領域と第2グランド領域の間の絶縁性を高めることができる。
尚、本実施例の遊技制御基板は、実装面及びハンダ面の双方に、第1グランド領域と第2グランド領域との間に非配線パターン領域(絶縁領域)が形成される構成であるが、少なくとも実装面及びハンダ面のうち少なくとも一方の面に、第1グランド領域と第2グランド領域との間に非配線パターン領域(絶縁領域)が形成される構成であっても、第1グランド領域と第2グランド領域の間の絶縁性を高めることができる。
本実施例の遊技制御基板は、実装面における第1グランド領域及び第2グランド領域と、ハンダ面における第1グランド領域及び第2グランド領域と、はそれぞれ対応する領域に形成されており、実装面の非配線パターン領域(絶縁領域)とハンダ面の非配線パターン領域(絶縁領域)も対応する領域に形成されていることを特徴としている。このような構成によれば、実装面及びハンダ面の一方の面から他方の面に対して一時的に電位差が生じても互いに干渉することを防止できる。
(作用効果4)
本実施例の遊技制御基板は、基板ケースに収納された状態で遊技機に取付けられ、実装面には遊技制御基板外部からの配線を取付けるためのコネクタ(コネクタCN1~CN7)が実装され、コネクタ(コネクタCN1~CN7)の端子はハンダ面に形成された配線パターンと接続されることを特徴としている。このような構成によれば、コネクタ(コネクタCN1~CN7)の端子がコネクタ(コネクタCN1~CN7)が実装された実装面ではなく、反対側のハンダ面に形成された配線パターンと接続されるので、基板ケースよりコネクタ(コネクタCN1~CN7)が露呈する部分の周囲からコネクタ(コネクタCN1~CN7)の端子に接続される配線パターンを短絡させたり断線されたりする不正行為を防止することができる。
本実施例の遊技制御基板は、コネクタ(コネクタCN1~CN7)に接続される配線が、遊技の有利度に関連する配線(設定値を変更可能な状態へ移行させるための信号、設定値を変更するための信号、遊技者にとって有利な情報を外部の表示器に表示させる信号等が入力または出力される配線)を含むことを特徴としている。このような構成によれば、遊技の有利度に関連する不正行為を防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、実装面におけるコネクタ(コネクタCN1~CN7)の実装部分の周辺には当該コネクタ(コネクタCN1~CN7)に関する情報(コネクタナンバ)が表示されることを特徴としている。このような構成によれば、コネクタ(コネクタCN1~CN7)の端子はハンダ面に形成された配線パターンに接続され、実装面においてコネクタ(コネクタCN1~CN7)の実装部分の周辺には配線パターンが形成されないため、この部分にコネクタ(コネクタCN1~CN7)に関する情報(コネクタナンバ)を表示することで、実装面における配線パターンが形成されない部分を有効に利用することができる。
本実施例の遊技制御基板は、基板ケースが、コネクタ(コネクタCN1~CN7)周辺の領域を被覆する被覆部を備えており、コネクタ(コネクタCN1~CN7)の端子に接続される配線パターンは、被覆部に被覆されている領域においてハンダ面に形成されることを特徴としている。このような構成によれば、コネクタ(コネクタCN1~CN7)周辺部においてもコネクタ(コネクタCN1~CN7)の端子に接続される配線パターンが実装面に形成されることがないので、基板ケースよりコネクタ(コネクタCN1~CN7)が露呈する部分の周囲からコネクタ(コネクタCN1~CN7)の端子に接続される配線パターンを短絡させたり断線されたりする不正行為を確実に防止することができる。
本実施例の遊技制御基板は、コネクタ(コネクタCN1~CN7)の端子に接続される配線パターンが、最初に電子部品に接続される箇所で実装面の配線パターンに接続されることを特徴としている。このような構成によれば、電子部品へ接続するためのスルーホールを利用して実装面の配線パターンに接続させることができる。
(作用効果5)
本実施例の遊技制御基板は、実装面には、記憶手段(RAM)を有する遊技制御用マイクロコンピュータを含む複数の電子部品が搭載され、ハンダ面には、電子部品が搭載されず、遊技制御用マイクロコンピュータは、配線パターンにより供給される特定電源(バックアップ電源(VBB))により記憶手段(RAM)の記憶内容を保持可能であり、特定電源(バックアップ電源(VBB))を遊技制御用マイクロコンピュータへ供給する配線パターン(VBB)は、ハンダ面のみに形成されていることを特徴としている。このような構成によれば、特定電源(バックアップ電源(VBB))を遊技制御用マイクロコンピュータへ供給する配線パターンは、電子部品が搭載されないハンダ面のみに形成されているので、電子部品を迂回して形成する必要がなく、配線パターンの距離を短くできるため、外部からのノイズを受けにくく、ノイズによって記憶手段(RAM)に記憶されているデータが破損してしまうことを防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、実装面側が遊技に関連する遊技部品(液晶表示器や演出の制御を行う演出制御基板等)側に配置されるように取付けられることを特徴としている。このような構成によれば、特定電源(バックアップ電源(VBB))を遊技制御用マイクロコンピュータへ供給する配線パターン(VBB)に対する遊技部品から発せられるノイズの影響を防ぐことができる。
本実施例の遊技制御基板は、実装面側が他の遊技装置(他の遊技機)側に配置されるように取付けられることを特徴としている。このような構成によれば、特定電源(バックアップ電源(VBB))を遊技制御用マイクロコンピュータへ供給する配線パターン(VBB)に対する他の遊技装置から発せられるノイズの影響を防ぐことができる。
本実施例の遊技制御基板は、ハンダ面において特定電源(バックアップ電源(VBB))を遊技制御用マイクロコンピュータに供給する配線パターン(VBB)が設けられる領域に対応する実装面側の領域にはベタグランドが形成されていることを特徴としている。このような構成によれば、実装面に形成されたベタグランドにより実装面側からのノイズを遮断することができる。
本実施例の遊技制御基板は、特定電源(バックアップ電源(VBB))を遊技制御用マイクロコンピュータに供給する配線パターン(VBB)は、他の電源を供給する配線パターン(Vcc1~3)よりも、実装面側の対応する領域で信号を送信する配線パターンと交差する箇所が少ないことを特徴としている。このような構成によれば、実装面側で信号を送信する配線パターンからのノイズの影響を極力防ぐことができる。
以上、本発明の実施例1を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、本実施例では、本発明に係る構成を遊技の制御を行う遊技制御基板に適用した例について説明しているが、遊技機に搭載される他の基板、例えば、演出の制御を行う基板、遊技媒体や遊技用価値の付与に関する制御を行う基板、さらには、基板同士を中継する基板等に対して本発明に係る構成を適用しても良い。
実施例2における遊技制御基板の構造について説明する。遊技制御基板は、実施例1と同様に、一方の面に電子部品が実装され、他方の面には電子部品が実装されず、電子部品が備える端子がハンダ付けされる構成である。尚、実施例2における遊技制御基板の構成は、実施例1における遊技制御基板の構成と基本的な構成は同じであり、ここでは、主に実施例1の遊技制御基板と異なる構成について説明する。
図30-18は、実施例1における遊技制御基板の実装面を示す図であり、図30-19は、本実施例における遊技制御基板のハンダ面を示す図である。
図30-18及び図30-19に示すように、遊技制御基板は、縦方向に延びる一対の短辺と横方向に延びる一対の長辺とからなる長方形状であり、絶縁性を有するプリント板によって構成される。また、遊技制御基板には、スルーホールが複数形成されているとともに、遊技制御基板の実装面及びハンダ面には、スルーホールを適宜連結するように複数の配線パターンが形成されている。また、遊技制御基板の実装面及びハンダ面の配線パターンが形成されていない領域には、絶縁領域及びグランド領域が形成されている。
実施例2における遊技制御基板においても、実施例1の遊技制御基板と同様に、入力回路及び出力回路が実装されており、これら入力回路及び出力回路は、長方形状に形成されるとともに、短辺側の一方に凹状の切欠が設けられるとともに、表面に型番が印字されており、切欠の向きと型番の印字方向により部品の向きが特定できるようになっている。そして、入力回路は、図中において切欠が左側となり、かつ型番の印字方向が左から右に向かう方向となるように配置される一方、出力回路は、図中において切欠が右向きとなり、かつ型番の印字方向が右から左に向かう方向となるように配置されており、これらの電子部品が切欠の位置及び型番の印字方向によって入力回路であるか、出力回路であるか、が特定可能とされている。
図30-20は、本実施例における遊技制御基板のハンダ面に形成されたデータバスの構成を示す図であり、図30-21は、本実施例における遊技制御基板の実装面においてデータバスから分岐した配線パターンを示す図である。
遊技制御基板には、入力回路から遊技制御用マイクロコンピュータへの入力データの伝送及び遊技制御用マイクロコンピュータから出力回路への出力データの伝送に共用されるデータバスが形成されている。本実施例の遊技制御基板に形成されたデータバスは、ハンダ面に形成された横方向に延びる8本の配線パターンにて構成されており、図30-20に示すように、遊技制御基板の左側に実装された遊技制御用マイクロコンピュータの端子が接続されるスルーホールから右側に向けて横方向に延びるように形成された8本の配線パターンからなる。データバスと入力回路及び出力回路とは、図30-21に示すように、スルーホールを通して実装面側に分岐し、上下方向に向けて縦方向に延びるように形成された配線パターンにより接続される。
このように遊技制御用マイクロコンピュータと横方向に離れた入力回路及び出力回路とをデータバスを介して接続する場合に、まず、遊技制御用マイクロコンピュータの端子が横方向に延びるハンダ面のデータバスに接続され、入力回路または出力回路が実装される位置でスルーホールを通して入力回路または出力回路に向けて縦方向に延びる実装面側の配線パターンに分岐し、入力回路または出力回路と接続されることとなる。このため、データバスから分岐した配線パターンを迂回する必要がなく、遊技制御用マイクロコンピュータと横方向に離れた入力回路及び出力回路とを効率良く接続することができる。また、データバスを構成する配線パターンが、電子部品が実装されないハンダ面に形成されるので、データバスへの電子部品からのノイズの影響を受け難く、さらに、データバスと入力回路及び出力回路とは、スルーホールを通して実装面側に分岐した配線パターンにより接続されるので、実装面側の配線パターンが短くなり、この間の電子部品からのノイズの影響も受け難いようになっている。
また、図30-22に示すように、データバスには、データバスに接続されるいずれの入力回路及び出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータに近い位置においてノイズ除去回路と接続されるようになっており、遊技制御用マイクロコンピュータに対してデータバスに乗ったノイズが影響し難いようになっている。
また、遊技制御基板には、図30-20に示すように、図中上辺側の近傍に遊技制御基板の外部からの配線を接続するためのコネクタCN10~CN17が実装されるとともに、データバスを構成する配線パターンは、遊技制御基板の図中下辺寄りの領域、すなわちコネクタCN10~CN17が実装される一辺側と対向する他辺側寄りの領域に形成されている。このため、遊技制御基板の外部の電子部品と信号の入出力が行われるコネクタCN10~CN17とデータバスとの間に入力回路や出力回路等の電子部品を実装する領域が広く担保されるようになっている。
図30-20及び図30-21に示すように、遊技制御基板には、遊技の制御に用いられる入力部品のうち比較的重要度の低い第1入力部品からの入力信号(抽選の契機とならないセンサやスイッチの検出信号など)の入力を検出する第1入力回路、第1入力部品よりも重要度の高い第2入力部品からの入力信号(抽選の契機となるセンサやスイッチの検出信号、有利度を規定する設定値を変更する検出信号など)の入力を検出する第2入力回路、遊技制御用マイクロコンピュータからの出力データに基づき、ソレノイドやモータ等、遊技の進行に応じて可動部の動作を行う第1出力部品に対して出力信号を出力する第1出力回路、遊技制御用マイクロコンピュータからの出力データに基づき、各種表示器やLED等、遊技の進行に応じた表示を行う第2出力部品に対して出力信号を出力する第2出力回路、遊技制御用マイクロコンピュータからの出力データに基づき、遊技制御基板に実装され、一定期間において遊技を行った際の払出率等、当該遊技機の性能を表示する性能表示器に対して出力信号を出力する第3出力回路が実装されている。
これらの入力回路及び出力回路のうち第1出力回路、第1出力回路、第2出力回路及び第3出力回路は、データバスに接続され、入力データの伝送及び出力データの伝送がデータバスを介して行われる。
図30-20に示すように、ハンダ面において遊技制御用マイクロコンピュータの端子に接続されたデータバスを構成する配線パターンは、複数の箇所でスルーホールを通して実装面側に分岐し、実装面において縦方向に形成された配線パターンに接続される。図30-21に示すように、図中Mの位置でスルーホールを通して実装面側に分岐した配線パターンは第1入力回路の端子と接続される。また、図中Nの位置でスルーホールを通して実装面側に分岐した配線パターンは第3出力回路の端子と接続される。また、図中O、Pの位置でスルーホールを通して実装面側に分岐した配線パターンは第1出力回路の端子と接続される。また、図中Qの位置でスルーホールを通して接続された実装面側の配線パターンは、第2出力回路の端子と接続されるとともに、実装面上で分岐し、一部の配線パターンは、そのまま外部出力端子に接続され、残りの配線パターンは、図中Rの位置で一度スルーホールを通してハンダ面側の配線パターンに接続され、図中Sの位置で再度スルーホールを通して実装面側の配線パターンに接続されて外部出力端子に接続される。
図30-20及び図30-21に示すように、共用のデータバスによって接続される入力回路及び出力回路のうち入力回路は、出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンの長さが短くなるようにデータバスに接続されている。このため、遊技の制御に用いられる入力データがノイズ等の影響を受け難いようになっている。
また、図30-20及び図30-21に示すように、共用のデータバスによって接続される複数の出力回路うち遊技の進行に応じて可動部の動作を行う第1出力部品に対して出力信号を出力する第1出力回路は、遊技の進行に応じた表示を行う第2出力部品に対して出力信号を出力する第2出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンの長さが短くなるようにデータバスに接続されている。このため、出力データがノイズ等の影響を受けることで遊技の進行に応じた可動部の動作に影響を与えてしまうことが防止されるようになっている。
また、図30-20及び図30-21に示すように、共用のデータバスによって接続される複数の出力回路うち性能表示器に対して出力信号を出力する第3出力回路は、性能表示器以外の遊技の進行に応じた表示を行う表示器(第2出力部品)に対して出力信号を出力する第2出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンの長さが短くなるようにデータバスに接続されている。このため、不正部品の配置等による性能表示の内容改変の不正がされ難いようになっている。
また、図30-21に示すように、ハンダ面側のデータバスを構成する配線パターンから、図中Qの位置でスルーホールを通して接続された実装面側の配線パターンが、遊技の進行に応じた出力を行う第2出力部品に対して出力信号を出力する第2出力回路の端子に接続されるとともに、実装面状で分岐し、分岐した配線パターンが遊技の進行に応じた出力信号を外部機器に対して出力するための外部出力端子に接続される。このように、ハンダ面に形成されたデータバスからスルーホールを通して接続された実装面の配線パターンを利用して実装面側で遊技の進行に応じた出力を行うために第2出力回路に接続される配線パターンと遊技の進行に応じた出力信号を外部機器に対して出力するための外部出力端子に接続される配線パターンに分岐させるので、第2出力回路に接続される配線パターン、外部出力端子に接続される配線パターンそれぞれに分岐させるために実装面に形成されたデータバスからハンダ面側に分岐させる必要がないので、配線パターンが簡素に形成される。
尚、ハンダ面側のデータバスを構成する配線パターンからスルーホールを通して接続された実装面側の配線パターンが、遊技の進行に応じた出力を行う第2出力部品に対して出力信号を出力する第2出力回路の端子に接続されるとともに、実装面状で分岐し、分岐した配線パターンが遊技の進行に応じた出力信号を外部機器に対して出力するための出力回路に接続される構成としても良く、このような構成であっても、ハンダ面に形成されたデータバスからスルーホールを通して接続された実装面の配線パターンを利用して実装面側で遊技の進行に応じた出力を行うために第2出力回路に接続される配線パターンと遊技の進行に応じた出力信号を外部機器に対して出力するための出力回路に接続される配線パターンに分岐させることで、複数の出力回路に接続される配線パターンそれぞれに分岐させるために実装面に形成されたデータバスからハンダ面側に分岐させる必要がないので、配線パターンが簡素に形成される。
入力回路のうち第2入力回路は、データバスに接続されず、データバスを介することなく、直接遊技制御用マイクロコンピュータに対して入力データの伝送が行われる。図30-21に示すように、実装面において遊技制御用マイクロコンピュータの端子と接続された配線パターンは、図中Tの位置で一度スルーホールを通してハンダ面側の配線パターンに接続され、図中Uの位置で再度スルーホールを通して実装面側の配線パターンに接続され、第2入力回路の端子に接続される。
このように、遊技の制御に用いられる入力部品のうち比較的重要度の低い第1入力部品からの入力信号の入力を検出する第1入力回路は、データバスを介して遊技制御用マイクロコンピュータと接続される一方で、第1入力部品よりも重要度の高い第2入力部品からの入力信号の入力を検出する第2入力回路は、データバスに接続されず、データバスを介することなく、直接遊技制御用マイクロコンピュータと接続されるようになっており、第2入力部品からの入力信号に基づく入力データは、他の入力回路から入力データや出力回路への出力データが伝送されるデータバスを介さずに遊技制御用マイクロコンピュータに伝送されるので、重要な入力信号に基づく入力データが他の入力回路から入力データや出力回路への出力データの影響を受けることなく、遊技制御用マイクロコンピュータに伝送されることとなる。
(作用効果6)
本実施例の遊技制御基板は、入力回路からの入力データの遊技制御用マイクロコンピュータへの伝送及び遊技制御用マイクロコンピュータからの出力データの出力回路への伝送に共用されるデータバスが形成されており、入力回路は、出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されることを特徴としている。このような構成によれば、遊技制御用マイクロコンピュータの制御に用いられる電子部品(入力部品)からの入力信号に基づく入力データを遊技制御用マイクロコンピュータに伝送する入力回路が、遊技制御用マイクロコンピュータから伝送された出力データに基づいて電子部品(出力部品)に対して出力信号を出力する出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されるので、入力データがノイズ等の影響を受けることを防止できる。
尚、本実施例の遊技制御基板は、入力回路が、出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続される構成であるが、出力回路が、入力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続される構成としても良く、このような構成とすることで、遊技制御用マイクロコンピュータから伝送された出力データに基づいて電子部品(出力部品)に対して出力信号を出力する出力回路が、遊技制御用マイクロコンピュータの制御に用いられる電子部品(入力部品)からの入力信号に基づく入力データを遊技制御用マイクロコンピュータに伝送する入力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されるので、出力データがノイズ等の影響を受けることを防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、入力回路からの入力データの遊技制御用マイクロコンピュータへの伝送及び遊技制御用マイクロコンピュータからの出力データの出力回路への伝送に共用されるデータバスが形成されており、出力回路は、遊技制御用マイクロコンピュータから伝送された出力データに基づいて遊技の進行に応じた可動部の動作を行う第1出力部品に対して出力信号を出力する第1出力回路と、遊技制御用マイクロコンピュータから伝送された出力データに基づいて遊技の進行に応じた表示を行う第2出力部品に対して出力信号を出力する第2出力回路と、を含み、第1出力回路は、第2出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されることを特徴としている。このような構成によれば、遊技の進行に応じた可動部の動作を行う第1出力部品に対して出力信号を出力する第1出力回路が、遊技の進行に応じた表示を行う第2出力部品に対して出力信号を出力する第2出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されるので、出力データがノイズ等の影響を受けることで遊技の進行に応じた可動部の動作に影響を与えてしまうことを防止できる。
尚、本実施例の遊技制御基板は、第1出力回路が、第2出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続される構成であるが、第2出力回路が、第1出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続される構成としても良く、このような構成とすることで、遊技の進行に応じた表示を行う第2出力部品に対して出力信号を出力する第2出力回路が、遊技の進行に応じた可動部の動作を行う第1出力部品に対して出力信号を出力する第1出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されるので、出力データがノイズ等の影響を受けることで遊技の進行に応じた表示に影響を与えてしまうことを防止できる。
また、実施例1の遊技制御基板のように、遊技制御用マイクロコンピュータが配置される左側に、低電圧部品が実装される第1グランド領域が形成され、右側に高電圧部品が実装される第2グランド領域が形成される場合に、遊技の進行に応じた可動部の動作を行う第1出力部品に対して出力信号を出力する第1出力回路は高電圧部品に属することが多いことから第2グランド領域に実装され、遊技の進行に応じた表示を行う第2出力部品に対して出力信号を出力する第2出力回路は低電圧部品に属することが多いことから第1グランド領域に実装されることとなる。このような構成においては、第2出力回路が、第1出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続される構成とし、第2出力回路を第1グランド領域に実装させることで、低電圧部品である第2出力回路を、高電圧部品である第1出力回路とともに第2グランド領域に実装させる必要がなく、第2出力回路に負荷がかかることを防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、入力回路からの入力データの遊技制御用マイクロコンピュータへの伝送及び遊技制御用マイクロコンピュータからの出力データの出力回路への伝送に共用されるデータバスが形成されており、実装面のみに電子部品が実装されるとともに、ハンダ面にデータバスが形成され、データバスからスルーホールを通して接続された実装面の配線パターンを、実装面において遊技の進行に応じた出力を行うための第2出力回路に接続される配線パターンと遊技の進行に応じた出力信号を外部機器に対して出力する外部出力端子に接続される配線パターンに分岐することを特徴としている。このような構成によれば、ハンダ面に形成されたデータバスからスルーホールを通して接続された実装面の配線パターンを利用して実装面側で遊技の進行に応じた出力を行うための第2出力回路に接続される配線パターンと遊技の進行に応じた出力信号を外部機器に対して出力するための外部出力端子に接続される配線パターンに分岐させるので、これらの配線パターンそれぞれに分岐させるためにハンダ面に形成されたデータバスから実装面側に分岐させる必要がないので、配線パターンを簡素に形成することができる。
本実施例の遊技制御基板は、入力回路からの入力データの遊技制御用マイクロコンピュータへの伝送及び遊技制御用マイクロコンピュータからの出力データの出力回路への伝送に共用されるデータバスが形成されており、遊技制御用マイクロコンピュータの制御に用いられる第1入力部品からの入力信号に基づく入力データを遊技制御用マイクロコンピュータに伝送する第1入力回路と、遊技制御用マイクロコンピュータの制御に用いられる第2入力部品からの入力信号に基づく入力データを遊技制御用マイクロコンピュータに伝送する第2入力回路と、遊技制御用マイクロコンピュータから伝送された出力データに基づいて第1出力部品、第2出力部品に対して出力信号を出力する第1出力回路、第2出力回路と、を含み、第1入力回路、第1出力回路及び第2出力回路は、データバスを介して遊技制御用マイクロコンピュータに接続され、第2入力回路は、データバスを介さずに遊技制御用マイクロコンピュータに接続されることを特徴としている。このような構成によれば、第2入力部品からの入力信号に基づく入力データは、他の入力回路からの入力データや出力回路への出力データが伝送されるデータバスを介さずに遊技制御用マイクロコンピュータに伝送されるので、重要な入力信号に基づく入力データを他の入力回路からの入力データや出力回路への出力データの影響を受けることなく、遊技制御用マイクロコンピュータに伝送することができる。
本実施例の遊技制御基板は、実装面のみに電子部品が実装されるとともに、ハンダ面にデータバスが形成されることを特徴としている。このような構成によれば、データバスへの電子部品からのノイズの影響を防ぐことができる。
本実施例の遊技制御基板は、データバスと入力回路及び出力回路とは、スルーホールを通してデータバスが形成されたハンダ面とは反対側の実装面に分岐した配線パターンにより接続されることを特徴としている。このような構成によれば、データバスから入力回路及び出力回路までの配線パターンの距離が短くなるため、ノイズの影響を軽減することができる。
本実施例の遊技制御基板は、一辺側(上辺側)の近傍に基板外部からの配線を取付けるためのコネクタ(コネクタCN10~CN17)が実装されるとともに、データバスは遊技制御基板における一辺と対向する他辺(下辺)寄りの領域に形成されていることを特徴としている。このような構成によれば、コネクタ(コネクタCN10~CN17)とデータバスとの間に入力回路や出力回路等の電子部品を実装する領域を担保できるので、基板領域を有効に活用することができる。
本実施例の遊技制御基板は、遊技機の性能を表示する性能表示器が実装され、性能表示器に対して出力信号を出力する第3出力回路は、他の表示器に対して出力信号を出力する第2出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されることを特徴としている。このような構成によれば、性能表示器に対して出力信号を出力する第3出力回路が、他の表示器に対して出力信号を出力する第2出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータまでの配線パターンが短いことで、不正部品の配置等による表示内容改変の不正等を困難にできる。
本実施例の遊技制御基板は、入力回路と出力回路とが、部品の向きが異なるように実装されることを特徴としている。このような構成によれば、入力回路と出力回路の違いを容易に把握することができる。
本実施例の遊技制御基板は、データバスは、入力回路及び出力回路よりも遊技制御用マイクロコンピュータに近い位置でノイズ除去回路と接続されることを特徴としている。このような構成によれば、遊技制御用マイクロコンピュータに対するノイズの影響を防止することができる。
以上、本発明の実施例2を説明してきたが、本発明はこの実施例2に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。また、実施例1と同一もしくは類似する構成については、実施例1で説明したものと同様の効果を有するものである。また、実施例1について例示した変形例についても実施例2に適用可能である。
実施例3における遊技制御基板の構造について説明する。遊技制御基板は、実施例1、2と同様に、一方の面に電子部品が実装され、他方の面には電子部品が実装されず、電子部品が備える端子がハンダ付けされる構成である。尚、実施例3における遊技制御基板は、実装される電子部品及びスルーホールの構造に特徴を有するものであり、ここでは、電子部品及びスルーホールの構造について説明する。
図30-23は、実施例3における遊技制御基板に実装される特定電子部品の構造を示す斜視図であり、(A)は、特定電子部品の上方からの斜視図であり、(B)は、特定電子部品の下方からの斜視図である。
特定電子部品は、キースイッチ等の比較的大型の電子部品であり、特定電子部品の下部には、図30-23(A)(B)に示すように、特定電子部品の基板への固定を目的とし、特定電子部品の信号や電力の伝搬には用いられない固定用端子1、2と、基板の配線パターンと接続され、特定電子部品の信号や電力の伝搬に用いられる接続用端子と、が設けられる。また、特定電子部品の側面における固定用端子1、2の上方には、当該特定電子部品の型番が刻印または印字されている。
尚、本実施例では、特定電子部品として固定用端子と、接続用端子の双方を備えるキースイッチを例示しているが、他の電子部品を特定電子部品として適用しても良いし、また、固定用端子を備えず、接続用端子のみ備える電子部品を特定電子部品として適用しても良い。
遊技制御基板に設けられたスルーホールは、通常スルーホールと、特定スルーホールと、からなる。通常スルーホールは、図30-24(A)に示すように、ハンダ面からスルーホールの内周面にかけて導電体である銅メッキ処理が施されることで、スルーホールが実装面とハンダ面とで導通するスルーホールである。一方、特定スルーホールは、図30-24(B)に示すように、スルーホールの内周面には銅メッキ処理が施されず、スルーホールが実装面とハンダ面とで導通しないスルーホールである。
通常スルーホールにハンダ面側からハンダ付けする場合には、図30-24(A)に示すように、スルーホール内に銅メッキ処理が施されているため、スルーホール内のハンダが実装面までフローアップするが、特定スルーホールにハンダ面側からハンダ付けする場合には、図30-24(B)に示すように、スルーホール内に銅メッキ処理が施されていないため、スルーホール内をハンダがフローアップせず、ハンダが実装面まで到達しないようになっている。
本実施例において特定電子部品は、固定用端子1、2が特定スルーホールに挿通され、接続用端子が通常スルーホールに挿通され、ハンダ面側からハンダ付けすることにより固定される。
このように、固定用端子1、2は、特定スルーホールに挿通され、ハンダ面側からハンダ付けにより固定されるので、ハンダが実装面に到達しないので、ハンダ付けした際に、ハンダが特定電子部品の実装される実装面側に上がりすぎて、固定用端子1、2の上方に印字または刻印された型番がハンダによって隠れてしまう等の不具合を防止できる。
特に、型番がハンダによって隠れてしまうことにより部品が不正に交換されても発見できない虞があり、また、型式試験において型番が隠れていると、部品構成の特定ができず試験を通らず、認可を受けることができなくなる虞や、遊技店への設置時において型番が確認できないことで遊技店への設置が認められない虞があるが、上部に型番が印字または刻印された端子を特定スルーホールにて固定することで、このような不具合を防止することができる。
一方、固定用端子1、2は、特定電子部品の信号や電力の伝搬には用いられない端子であるため、特定スルーホールでハンダ付けした際に、電気的接続が弱くなっても問題が生じることがない。一方で、接続用端子は、通常スルーホールに挿通され、ハンダ面側からハンダ付けにより固定されるので、ハンダが実装面まで到達することで電気的接続を確実にすることができる。
(作用効果7)
本実施例の遊技制御基板は、実装面とハンダ面のうち実装面に複数の電子部品が実装されるとともに、実装面とハンダ面に配線パターンが形成されており、複数の電子部品は、実装面とハンダ面を貫通するスルーホールに端子を挿通させ、スルーホールと端子をハンダ付けすることで固定され、複数の電子部品のうち特定電子部品が固定される特定スルーホールが形成されており、特定スルーホールは、実装面ハンダ面が導通せず、特定電子部品の端子がハンダ面からハンダ付けされたときにハンダが実装面に到達しないことを特徴としている。このような構成によれば、特定スルーホールは、実装面とハンダ面が導通せず、特定電子部品の端子がハンダ面からハンダ付けされたときにハンダが実装面に到達しないので、ハンダ付けした際に、ハンダが電子部品の実装される実装面側に上がりすぎて不具合の原因となることを防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、特定スルーホールに特定電子部品の固定用の端子(固定用端子1、2)が挿通されてハンダ付けされることを特徴としている。このような構成によれば、特定スルーホールは、特定スルーホールにハンダ付けされるのは、特定電子部品の固定用の端子(固定用端子1、2)であるため、ハンダが実装面に到達しないことで電気的接続が弱くなっても問題が生じることがない。
尚、本実施例の遊技制御基板は、特定スルーホールに特定電子部品の固定用の端子(固定用端子1、2)が挿通されてハンダ付けされる構成であるが、特定スルーホールに特定電子部品の信号や電力を伝搬する端子(接続用端子)が挿通されてハンダ付けされる構成としても良く、このような構成によれば、ハンダが電子部品の実装される実装面側に上がりすぎて特定電子部品の信号や電力を伝搬する端子が他の端子とショートしてしまうことなどによる不具合を防止できる。
本実施例の遊技制御基板は、特定電子部品の型番が、端子(固定用端子1、2)の上方に表示(印字または刻印)されていることを特徴としている。このような構成によれば、ハンダが電子部品の実装される実装面側に上がりすぎて特定電子部の型番が隠れてしまうことを防止できる。
以上、本発明の実施例3を説明してきたが、本発明はこの実施例3に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。また、実施例1、2と同一もしくは類似する構成については、実施例1、2で説明したものと同様の効果を有するものである。また、実施例1、2について例示した変形例についても実施例3に適用可能である。
(特徴部053SGの発明)
以上説明したように、特徴部053SGには、以下に示す発明が含まれている。つまり、従来、例えば、特開2016-93428号公報等に記載されたもののように、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機は、電子機器が実装された基板を備えるものが一般的であり、この種の基板には、CPU等の制御手段と他の電子機器との間で一のデータバスを用いてデータの入出力を行うものが提案されている。この種の基板においては、配線パターンの設計に関して種々の課題が存在している。そこで、基板の配線パターンが好適に形成された遊技機を提供することを目的として、特徴部053SGの(1)の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)の制御に用いられる電子部品(入力部品)からの入力信号に基づく入力データを前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に伝送する入力回路と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて電子部品(出力部品)に対して出力信号を出力する出力回路と、が実装されるとともに、配線パターンが形成された基板(遊技制御基板)を備え、
前記配線パターンは、前記入力回路からの入力データの前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)への伝送及び前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)からの出力データの前記出力回路への伝送に共用されるデータバスを含み、
前記入力回路は、前記出力回路よりも前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)までの配線パターンが短くなるように前記データバスに接続される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、制御手段の制御に用いられる電子部品からの入力信号に基づく入力データを制御手段に伝送する入力回路が、制御手段から伝送された出力データに基づいて電子部品に対して出力信号を出力する出力回路よりも制御手段までの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されるので、入力データがノイズ等の影響を受けることを防止できる。
特徴部053SGの(2)の遊技機は、(1)に記載の遊技機であって、
前記基板(遊技制御基板)は、第1面(実装面)のみに電子部品が実装されるとともに、第2面(ハンダ面)に前記データバスが形成される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、データバスへの電子部品からのノイズの影響を防ぐことができる。
特徴部053SGの(3)の遊技機は、(1)または(2)に記載の遊技機であって、
前記データバスと前記入力回路及び前記出力回路とは、スルーホールを通して前記データバスが形成された面(ハンダ面)とは反対側の面(実装面)に分岐した配線パターンにより接続される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、データバスから入力回路及び出力回路までの配線パターンの距離が短くなるため、ノイズの影響を軽減することができる。
特徴部053SGの(4)の遊技機は、(1)~(3)のいずれかに記載の遊技機であって、
前記基板(遊技制御基板)には、一辺側(上辺側)の近傍に前記基板外部からの配線を取付けるためのコネクタ(コネクタCN10~CN17)が実装されるとともに、前記データバスは前記基板(遊技制御基板)における前記一辺と対向する他辺(下辺)寄りの領域に形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、コネクタとデータバスとの間に入力回路や出力回路等の電子部品を実装する領域を担保できるので、基板領域を有効に活用することができる。
特徴部053SGの(5)の遊技機は、(1)~(4)のいずれかに記載の遊技機であって、
前記基板(遊技制御基板)には、前記遊技機の性能を表示する性能表示器が実装され、
前記性能表示器に対して出力信号を出力する出力回路(第3出力回路)は、他の表示器に対して出力信号を出力する出力回路(第2出力回路)よりも前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)までの配線パターンが短くなるように前記データバスに接続される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、性能表示器に対して出力信号を出力する出力回路が、他の表示器に対して出力信号を出力する出力回路よりも制御手段までの配線パターンが短いことで、不正部品の配置等による表示内容改変の不正等を困難にできる。
特徴部053SGの(6)の遊技機は、(1)~(5)のいずれかに記載の遊技機であって、
前記入力回路と前記出力回路とは、部品の向きが異なるように前記基板に実装される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、入力回路と出力回路の違いを容易に把握することができる。
特徴部053SGの(7)の遊技機は、(1)~(6)のいずれかに記載の遊技機であって、
前記データバスは、前記入力回路及び前記出力回路よりも前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に近い位置でノイズ除去回路と接続される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、制御手段に対するノイズの影響を防止することができる。
特徴部053SGの(8)の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)の制御に用いられる電子部品(入力部品)からの入力信号に基づく入力データを前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に伝送する入力回路と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて電子部品(出力部品)に対して出力信号を出力する出力回路と、が実装されるとともに、配線パターンが形成された基板(遊技制御基板)を備え、
前記配線パターンは、前記入力回路からの入力データの前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)への伝送及び前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)からの出力データの前記出力回路への伝送に共用されるデータバスを含み、
前記出力回路は、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて遊技の進行に応じた可動部の動作を行う第1電子部品(第1出力部品)に対して出力信号を出力する第1出力回路(第1出力回路)と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて遊技の進行に応じた表示を行う第2電子部品(第2出力部品)に対して出力信号を出力する第2出力回路(第2出力回路)と、を含み、
前記第1出力回路(第1出力回路)は、前記第2出力回路(第2出力回路)よりも前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)までの配線パターンが短くなるように前記データバスに接続される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技の進行に応じた可動部の動作を行う第1電子部品に対して出力信号を出力する第1出力回路が、遊技の進行に応じた表示を行う第2電子部品に対して出力信号を出力する第2出力回路よりも制御手段までの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されるので、出力データがノイズ等の影響を受けることで遊技の進行に応じた可動部の動作に影響を与えてしまうことを防止できる。
特徴部053SGの(9)の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)の制御に用いられる電子部品(入力部品)からの入力信号に基づく入力データを前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に伝送する入力回路と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて電子部品(出力部品)に対して出力信号を出力する出力回路と、が実装されるとともに、配線パターンが形成された基板(遊技制御基板)を備え、
前記配線パターンは、前記入力回路からの入力データの前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)への伝送及び前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)からの出力データの前記出力回路への伝送に共用されるデータバスを含み、
前記基板(遊技制御基板)は、第1面(実装面)のみに電子部品が実装されるとともに、第2面(ハンダ面)に前記データバスが形成され、前記データバスからスルーホールを通して接続された前記第1面(実装面)の配線パターンを、前記第1面(実装面)において遊技の進行に応じた出力を行うための第1配線パターン(第2出力回路に接続される配線パターン)と遊技の進行に応じた出力信号を外部機器に対して出力するための第2配線パターン(外部出力端子に接続される配線パターン)に分岐する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2面に形成されたデータバスからスルーホールを通して接続された第1面の配線パターンを利用して第1面側で遊技の進行に応じた出力を行うための第1配線パターンと遊技の進行に応じた出力信号を外部機器に対して出力するための第2配線パターンに分岐させるので、第1配線パターン、第2配線パターンそれぞれに分岐させるために第2面に形成されたデータバスから第1面側に分岐させる必要がないので、配線パターンを簡素に形成することができる。
特徴部053SGの(10)の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)の制御に用いられる電子部品(入力部品)からの入力信号に基づく入力データを前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に伝送する入力回路と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて電子部品(出力部品)に対して出力信号を出力する出力回路と、が実装されるとともに、配線パターンが形成された基板(遊技制御基板)を備え、
前記配線パターンは、前記入力回路からの入力データの前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)への伝送及び前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)からの出力データの前記出力回路への伝送に共用されるデータバスを含み、
前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)の制御に用いられる第1電子部品(第1入力部品)からの入力信号に基づく入力データを前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に伝送する第1入力回路(第1入力回路)と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)の制御に用いられる第2電子部品(第2入力部品)からの入力信号に基づく入力データを前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に伝送する第2入力回路(第2入力回路)と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて第3電子部品(第1出力部品、第2出力部品)に対して出力信号を出力する出力回路(第1出力回路、第2出力回路)と、を含み、
前記第1入力回路(第1入力回路)及び前記出力回路(第1出力回路、第2出力回路)は、前記データバスを介して前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に接続され、
前記第2入力回路(第2入力回路)は、前記データバスを介さずに前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に接続される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2電子部品からの入力信号に基づく入力データは、他の入力回路からの入力データや出力回路への出力データが伝送されるデータバスを介さずに制御手段に伝送されるので、重要な入力信号に基づく入力データを他の入力回路からの入力データや出力回路への出力データの影響を受けることなく、制御手段に伝送することができる。
特徴部053SGの(11)の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)の制御に用いられる電子部品(入力部品)からの入力信号に基づく入力データを前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に伝送する入力回路と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて電子部品(出力部品)に対して出力信号を出力する出力回路と、が実装されるとともに、配線パターンが形成された基板(遊技制御基板)を備え、
前記配線パターンは、前記入力回路からの入力データの前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)への伝送及び前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)からの出力データの前記出力回路への伝送に共用されるデータバスを含み、
前記出力回路は、前記入力回路よりも前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)までの配線パターンが短くなるように前記データバスに接続される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、制御手段から伝送された出力データに基づいて電子部品に対して出力信号を出力する出力回路が、制御手段の制御に用いられる電子部品からの入力信号に基づく入力データを前記制御手段に伝送する入力回路よりも制御手段までの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されるので、出力データがノイズ等の影響を受けることを防止できる。
特徴部053SGの(12)の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)の制御に用いられる電子部品(入力部品)からの入力信号に基づく入力データを前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)に伝送する入力回路と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて電子部品(出力部品)に対して出力信号を出力する出力回路と、が実装されるとともに、配線パターンが形成された基板(遊技制御基板)を備え、
前記配線パターンは、前記入力回路からの入力データの前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)への伝送及び前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)からの出力データの前記出力回路への伝送に共用されるデータバスを含み、
前記出力回路は、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて遊技の進行に応じた可動部の動作を行う第1電子部品(第1出力部品)に対して出力信号を出力する第1出力回路(第1出力回路)と、前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)から伝送された出力データに基づいて遊技の進行に応じた表示を行う第2電子部品(第2出力部品)に対して出力信号を出力する第2出力回路(第2出力回路)と、を含み、
前記第2出力回路(第2出力回路)は、前記第1出力回路(第1出力回路)よりも前記制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ)までの配線パターンが短くなるように前記データバスに接続される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技の進行に応じた表示を行う第2電子部品に対して出力信号を出力する第2出力回路が、遊技の進行に応じた可動部の動作を行う第1電子部品に対して出力信号を出力する第1出力回路よりも制御手段までの配線パターンが短くなるようにデータバスに接続されるので、出力データがノイズ等の影響を受けることで遊技の進行に応じた表示に影響を与えてしまうことを防止できる。
前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
本発明の遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機やスロットマシンなどにも適用することができる。また、遊技が可能な遊技機とは、少なくとも遊技を行うものであれば良く、パチンコ遊技機やスロットマシンに限らず、一般ゲーム機であっても良い。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、遊技媒体(例えば、遊技球P)を貯留可能な貯留部(例えば、球タンク形成部201)と、遊技媒体を払出すことが可能な払出部(例えば、払出装置200)と、上面が開口し、前記貯留部の遊技媒体を前記払出部に誘導する誘導通路(例えば、第1誘導通路や第2誘導通路)を形成する誘導通路形成部(例えば、第1誘導通路形成部202や第2誘導通路形成部204)と、前記誘導通路形成部の上面の一部を覆うように設けられたカバー部(例えば、第1カバー体310、第2カバー体320、第3カバー体330)と、を備え、前記カバー部に、該カバー部上に落下したねじ部材(例えば、ねじ部材N1~N6、N11~N16)の前記誘導通路形成部への落下を制限するための所定制限部(例えば、長孔316A~316C、凹溝326A~326C、凹部336)が設けられ(図22、図24参照)、前記誘導通路形成部に、該誘導通路形成部に落下したねじ部材の前記払出部への移動を制限するための特定制限部(例えば、孔部271A~271H)が複数設けられており(図11、図12、図27参照)、さらに、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技媒体を発射可能な発射手段と、前記遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路と第2流下経路とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを画像表示を用いて遊技者に促す案内表示を行う案内表示手段と、を備え、前記案内表示は、第1案内表示と第2案内表示とを含み、前記案内表示手段は、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後の所定期間において、前記有利状態の制御の開始を報知する開始演出の一部である当該有利状態の名称表示が完了する前から、前記第2案内表示を行い、当該有利状態の名称表示の完了以降に前記第1案内表示を行うとともに前記第2案内表示を継続し、前記所定期間の後の期間において、前記第1案内表示を終了する一方で前記第2案内表示を継続し、前記有利状態の制御が終了した後の特別状態において、前記第2案内表示を継続する遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、カバー部上に落下したねじ部材が誘導通路形成部内に落下することを防止することができる。また、誘導通路形成部内に混入したねじ部材が払出部に混入することを防止することができる。また、所定方向に遊技球を発射させるように遊技者を促す指示を好適に実行することができる。
つまり、誘導通路形成部内や払出部にねじ部材が落下、混入することを防止することにより故障しにくい遊技機とすることができるとともに、可変表示の表示結果が特定表示結果となった後の所定期間において第1案内表示と第2案内表示とで所定方向に遊技球を発射させる指示を強調し、その後は第1案内表示を引き継ぐことなく第2案内表示を引き継いで所定方向に遊技球を発射させることを指示することにより、指示を強調し過ぎないことで煩わしさを感じさせないようにでき、しかも、先に第2案内表示を行って控えめにこれから所定方向に遊技球を発射させることを指示し、その後、有利状態の名称を認識させ、認識させた後に第1案内表示によって所定方向に遊技球を発射させることをしっかり指示することができる。すなわち、遊技場に設置したときに故障しにくく有利状態において遊技球を発射すべき方向の指示がわかりやすい遊技機を提供することができる。
さらに、誘導通路形成部内や払出部にねじ部材が落下、混入することを防止でき、また、所定方向に遊技球を発射させるように遊技者を促す指示を好適に実行することができる遊技機の形態の一例として、可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技媒体を発射可能な発射手段と、前記遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路と第2流下経路とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを画像表示を用いて遊技者に促す案内表示を行う案内表示手段と、を備え、前記案内表示は、第1案内表示と第2案内表示とを含み、前記案内表示手段は、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後の所定期間において、前記有利状態の制御の開始を報知する開始演出の一部である当該有利状態の名称表示が完了する前から、前記第2案内表示を行い、当該有利状態の名称表示の完了以降に前記第1案内表示を行うとともに前記第2案内表示を継続し、前記所定期間の後の期間において、前記第1案内表示を終了する一方で前記第2案内表示を継続し、前記有利状態の制御が終了した後の特別状態において、前記第2案内表示を継続する遊技機が挙げられる。以下に、これらの遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
図31は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、たとえば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄または普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示または更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」や「第1特別図柄」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」や「第2特別図柄」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、たとえばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)などから構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
たとえば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて飾り図柄が可変表示(たとえば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示する。第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には入賞球装置6Aが設けられており、該入賞球装置6Aの右側方には、可変入賞球装置6Bが設けられている。
入賞球装置6Aは、たとえば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(たとえば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図33参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、たとえば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(たとえば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図31に示す例では、遊技領域の左下方3箇所と可変入賞球装置6Bの上方1箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bとの間には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図33参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(たとえば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、たとえば第1始動入賞口や第2始動入賞口および一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図31に示す例では、遊技領域の左下方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の右方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の下方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、たとえば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音などを再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられている。遊技機用枠3における画像表示装置5の上方位置にはメインランプ9aが設けられており、該メインランプ9aの左右には、遊技領域を包囲するように枠ランプ9bが設けられている。さらに、遊技盤2における特別可変入賞球装置7の近傍位置にはアタッカランプ9cが設けられている。
遊技盤2の所定位置(図31では画像表示装置5の上方位置)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。また、可動体32には、可動体ランプ9dが設けられている。該可動体ランプ9dと前述したメインランプ9a、枠ランプ9b、アタッカランプ9cとは纏めて遊技効果ランプ9と呼称する場合がある。なお、これらメインランプ9a、枠ランプ9b、アタッカランプ9c、可動体ランプ9dは、LEDを含んで構成されている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者などによって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。なお、遊技機用枠3には、上皿とは別に、上皿満タン時に賞球が払い出される払出部(打球供給皿)を設けてもよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図33参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図33参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作など)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
図32は、パチンコ遊技機1の背面斜視図である。パチンコ遊技機1の背面には、基板ケース201に収納された主基板11が搭載されている。主基板11には、設定キー51や設定切替スイッチ52が設けられている。設定キー51は、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための錠スイッチとして機能する。設定切替スイッチ52は、設定変更状態において大当りの当選確率や出玉率などの設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。設定キー51や設定切替スイッチ52は、たとえば電源基板17の所定位置といった、主基板11の外部に取り付けられてもよい。
主基板11の背面中央には、表示モニタ29が配置され、表示モニタ29の側方には表示切替スイッチ30が配置されている。表示モニタ29は、たとえば7セグメントのLED表示装置を用いて、構成されていればよい。表示モニタ29および表示切替スイッチ30は、遊技機用枠3を開放した状態で遊技盤2の裏面側を視認した場合に、主基板11を視認する際の正面に配置されている。
表示モニタ29は、たとえば連比や役比、ベースなどの入賞情報を表示可能である。連比は、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカ)への入賞による賞球数が占める割合である。役比は、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカ)への入賞による賞球数が占める割合である。ベースは、打ち出した遊技球数に対する賞球合計数が占める割合である。設定変更状態や設定確認状態であるときに、表示モニタ29は、パチンコ遊技機1における設定値を表示可能である。表示モニタ29は、設定変更状態や設定確認状態であるときに、変更や確認の対象となる設定値などを表示可能であればよい。
設定キー51や設定切替スイッチ52は、遊技機用枠3を閉鎖した状態であるときに、パチンコ遊技機1の正面側から操作が不可能となっている。遊技機用枠3には、ガラス窓を有するガラス扉枠3aが回動可能に設けられ、ガラス扉枠3aにより遊技領域を開閉可能に構成されている。ガラス扉枠3aを閉鎖したときに、ガラス窓を通して遊技領域を透視可能である。
パチンコ遊技機1において、縦長の方形枠状に形成された外枠1aの右端部には、セキュリティカバー50Aが取り付けられている。セキュリティカバー50Aは、遊技機用枠3を閉鎖したときに、設定キー51や設定切替スイッチ52を含む基板ケース201の右側部を、背面側から被覆する。セキュリティカバー50Aは、短片50Aaおよび長片50Abを含む略L字状の部材であり、透明性を有する合成樹脂により構成されていればよい。
[遊技の進行の概略]
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間などに遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(たとえば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(たとえば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、たとえば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、たとえば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、たとえば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(たとえば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(たとえば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多いほど、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。たとえば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。たとえば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じなど)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させるなどにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことなどといった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変など)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態などの有利状態、時短状態、確変状態などの特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(たとえばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組合せて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(たとえば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。たとえば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行ど)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて、または当該表示に代えて、スピーカ8L,8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯や消灯、可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を含む任意の演出装置を用いた演出として行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、たとえば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(たとえば、「7」など)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(たとえば、「7」など)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(たとえば、「6」など)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(たとえば、「1 3 5」など)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、たとえば、大当り信頼度を予告する予告演出などが飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読予告演出がある。先読予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、たとえばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、たとえば特図ゲームなどが実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
[基板構成]
パチンコ遊技機1には、たとえば図33に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、たとえば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板などといった、各種の基板が配置されている。さらには、電源スイッチ91に接続された電源基板17も搭載されている。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品を実装可能なプリント配線板などの電子回路基板だけでなく、電子回路基板に電気部品が実装されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
パチンコ遊技機1では、商用電源などの外部電源におけるAC100Vといった交流電源からの電力を、電源基板17により主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能である。電源基板17は、たとえば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(たとえば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを備えている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、出力回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、たとえば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、RTC(Real Time Clock)106とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部または一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、たとえば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。
スイッチ回路110には、電源基板17からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれて遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100などの制御回路を動作停止状態とするための動作停止信号であり、電源監視回路、ウォッチドッグタイマ内蔵IC、システムリセットICのいずれかを用いて出力可能であればよい。電源断信号は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値を超えるとオフ状態となり、所定電源電圧が所定値以下になった期間が電断基準時間以上まで継続したときにオン状態となる。クリア信号は、たとえば電源基板17に設けられたクリアスイッチ92に対する押下操作などに応じてオン状態となる。
出力回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(たとえば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11には、表示モニタ29、表示切替スイッチ30、設定キー51、設定切替スイッチ52、扉開放センサ90が接続されている。扉開放センサ90は、ガラス扉枠3aを含めた遊技機用枠3の開放を検知する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況などを指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、たとえば主基板11における各種の決定結果(たとえば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(たとえば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生などを指定するコマンドなどが含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知などの各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定などを含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L,8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L,8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L,8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給など)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給など)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、たとえば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
[動作]
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図34は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
図34に示す遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポートなど)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定などが含まれる。
次に、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS3)。復旧条件は、クリア信号がオフ状態であり、バックアップデータがあり、バックアップRAMが正常である場合に、成立可能である。パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときに、たとえば電源基板17に設けられたクリアスイッチ92が押下操作されていれば、オン状態のクリア信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなオン状態のクリア信号が入力されている場合には、ステップS3にて復旧条件が成立していないと判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102に保存可能であればよい。ステップS3では、バックアップデータの有無やデータ誤りの有無などを確認あるいは検査して、復旧条件が成立し得るか否かを判定すればよい。
復旧条件が成立した場合には(ステップS3;Y)、復旧処理(ステップS4)を実行した後に、設定確認処理(ステップS5)を実行する。ステップS4の復旧処理により、RAM102の記憶内容に基づいて作業領域の設定が行われる。RAM102に記憶されたバックアップデータを用いて作業領域を設定することで、電力供給が停止したときの遊技状態に復旧し、たとえば特別図柄の変動中であった場合には、停止前の状態から特別図柄の変動を再開可能であればよい。
復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS3;N)、初期化処理(ステップS6)を実行した後に、設定変更処理(ステップS7)を実行する。ステップS6の初期化処理は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするクリア処理を含み、クリア処理の実行により作業領域に初期値が設定される。
ステップS5の設定確認処理では、予め定められた設定確認条件が成立したか否かを判定する。設定確認条件は、たとえば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。ステップS5の設定確認処理が実行されるのは、ステップS3において、クリア信号がオフ状態であることを含めた復旧条件が成立した場合である。したがって、設定確認条件が成立し得るのは、クリア信号がオフ状態である場合となるので、クリア信号がオフ状態であることも、設定確認条件に含めることができる。
ステップS5の設定確認処理において設定確認条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を確認可能な設定確認状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認開始コマンドが送信される。設定確認状態においては、パチンコ遊技機1にて設定されている設定値を表示モニタ29の表示により確認することが可能となっている。設定確認状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定確認状態であるときには、パチンコ遊技機1における遊技の進行を停止させる遊技停止状態としてもよい。遊技停止状態であるときには、打球操作ハンドルの操作による遊技球の発射、各種スイッチによる遊技球の検出などが停止され、また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20において、ハズレ図柄などを停止表示したり、ハズレ図柄とは異なる遊技停止状態に対応した表示が行われたりするように制御すればよい。設定確認状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
ステップS7の設定変更処理では、予め定められた設定変更条件が成立したか否かを判定する。設定変更条件は、たとえば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。設定変更条件は、クリア信号がオン状態であることを含んでいてもよい。
ステップS7の設定変更処理において設定変更条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を変更可能な設定変更状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更開始コマンドが送信される。設定変更状態においては、表示モニタ29に設定値が表示され、設定切替スイッチ52の操作を検出するごとに表示モニタ29に表示している数値を順次更新して表示する。その後、設定キー51が遊技場の係員などによる操作でオフとなったことに基づいて、表示モニタ29に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)するとともに、表示モニタ29を消灯させる。設定変更状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定変更状態であるときには、設定確認状態であるときと同様に、パチンコ遊技機1を遊技停止状態としてもよい。設定変更状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
演出制御基板12側では、設定確認開始コマンドや設定変更開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨や設定変更中である旨を報知する制御が行われてもよい。たとえば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L,8Rから所定の音を出力したり、遊技効果ランプ9といった発光部材を所定の態様により発光させたりしてもよい。
クリア信号は、たとえば電源基板17に設けられたクリアスイッチ92の押下操作などによりオン状態となる。したがって、電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオンであるとともに設定キー51がオンである場合には、クリアスイッチ92がオンであればステップS6の初期化処理とともにステップS7の設定変更処理が実行されて設定変更状態に制御可能となり、クリアスイッチ92がオフであればステップS4の復旧処理とともにステップS5の設定確認処理が実行されて設定確認状態に制御可能となる。電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオフである場合、または設定キー51がオフである場合には、クリアスイッチ92がオンであればステップS6の初期化処理が実行される一方で設定変更状態には制御されず、クリアスイッチ92がオフであればステップS4の復旧処理が実行される一方で設定確認状態には制御されない。
設定確認処理または設定変更処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS8)。そして、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9)、割込みを許可する(ステップS10)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(たとえば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図35のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図35に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、たとえばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数などを示す情報)、始動情報(始動入賞の回数などを示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数などを示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込みごとに特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込みごとに普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図36は、特別図柄プロセス処理として、図35に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読判定などの判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、たとえば特別図柄プロセス処理が終了した後、図35に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無など)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類など)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」または「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、たとえば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率や出玉率が変わる構成とされている。たとえば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率や出玉率が変わるようになっている。たとえば設定値は1~6の6段階からなり、6が最も大当りの当選確率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど大当りの当選確率が低くなる。この例において、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値に応じて大当りの当選確率が変われば、出玉率も設定値に応じて変わってもよい。大当りの当選確率は設定値に関わらず一定であるのに対し、大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値に応じて変わってもよい。パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されていればよい。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知される。
図37は、表示結果判定テーブルの構成例を示している。図37(A)は、変動特図が第1特図である場合に用いられる第1特図用表示結果判定テーブルの構成例を示し、図37(B)は、変動特図が第2特図である場合に用いられる第2特図用表示結果判定テーブルの構成例を示している。表示結果判定テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりである。表示結果判定テーブルでは、設定値に応じて、乱数値MR1と比較される当り判定値が特別図柄の可変表示結果である特図表示結果に割り当てられている。乱数値MR1は、表示結果決定用の乱数値であり、0~65535の範囲でランダムに値が更新される。表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態といった高確状態であるときには、通常状態または時短状態といった低確状態であるときに比べて、大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値に関わらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値に関わらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。なお、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。変動特図に関わらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態の場合に、当り判定値のうち1020から1237までの範囲が、設定値に関わらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1237までが「大当り」に割り当てられ、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態の場合に、当り判定値のうち1020から1346までの範囲が、設定値に関わらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1346までが「大当り」に割り当てられることで、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定され、その一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1346から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定される。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値に関わらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値に関わらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値に関わらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値に関わらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。たとえば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(いわゆる確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(いわゆるV確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320で小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(いわゆる1種2種混合タイプ)としてもよい。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1~3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1~3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(たとえば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4~6のいずれかである場合)を設けてもよい。設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1~3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過するごとに所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4~6の場合は、所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
大当り種別は、大当り種別判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、大当り種別は、設定値に関わらず共通の割合で決定されてもよい。変動パターンは、変動パターン判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、変動パターンは、設定値に関わらず共通の割合で決定されてもよい。設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なることで、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度により設定値が示唆されてもよい。あるいは、設定値に関わらずノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合は共通であってもよい。その他、設定値に応じて、異なる割合で任意の設定示唆演出を実行可能としたものであってもよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板などから電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図38のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図38に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定などを行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、たとえばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(たとえば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;N)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発光することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、たとえばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Y)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、たとえば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。たとえば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容などを演出制御プロセス処理などで確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、たとえば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンドなどに応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図39は、演出制御プロセス処理として、図38のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、たとえば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、たとえばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果などを反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、たとえば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターンなどを設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、たとえば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターンなどを設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターンなどを設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、たとえば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターンなどを設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
[基本説明の変形例]
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形および応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(たとえば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(たとえば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナスなど)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線などを介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線などを介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリなどに一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線などを介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置などとネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。たとえば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合または「100%」未満の割合であることも含む。
<特徴部075Fに関する説明>
次に、本実施の形態の特徴部075Fに係る遊技機について、図40-1~図40-60を参照して説明する。
[特徴部075Fに係るパチンコ遊技機1の構成など]
本実施の形態の特徴部075Fに係るパチンコ遊技機1の正面図である。図40-1に示すように、本特徴部075Fのパチンコ遊技機1においては、図31に示した特別可変入賞球装置7の代わりに、特別可変入賞球装置075F007Aが設けられている。特別可変入賞球装置075F007Aは、ソレノイド82(図40-4参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口(以下、通常大入賞口と称する)を形成する。
たとえば、特別可変入賞球装置075F007Aは、パチンコ遊技機1の奥側に位置する遊技盤2と、パチンコ遊技機1の手前側(遊技者側)に位置するガラス扉枠3aとの間の空間に大入賞口扉を備えており、この大入賞口扉がパチンコ遊技機1の奥側と手前側との間を水平方向にスライド開閉することで、遊技球による通常大入賞口への経路が開放される。具体的には、ソレノイド82がオフ状態である場合、大入賞口扉がパチンコ遊技機1の手前側にスライド移動することで通常大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が通常大入賞口に進入(通過)できなくなる。一方、ソレノイド82がオン状態である場合、大入賞口扉がパチンコ遊技機1の奥側にスライド移動することで通常大入賞口を開放状態として、遊技球が通常大入賞口に進入しやすくなる。
通常大入賞口に進入した遊技球は、通常大入賞口の内部に設けられた領域を通過することでカウントスイッチ23によって検出される。遊技球がカウントスイッチ23によって検出されることで、賞球として検出に応じた遊技球(たとえば、1回の検出ごとに10個)が遊技者に払い出される。また、カウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数が上限数(たとえば、10個)に達すると、1ラウンドが終了し、通常大入賞口が閉鎖状態に制御される。
パチンコ遊技機1においては、特別可変入賞球装置075F007Aの隣にV可変入賞球装置075F007Bが設けられている。V可変入賞球装置075F007Bは、ソレノイド075F083(図40-4参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口(以下、V大入賞口と称する)を形成する。
たとえば、特別可変入賞球装置075F007Bは、遊技盤2とガラス扉枠3aとの間の空間に大入賞口扉を備えており、この大入賞口扉がパチンコ遊技機1の奥側と手前側との間を水平方向にスライド開閉することで、遊技球によるV大入賞口への経路が開放される。具体的には、ソレノイド075F083がオフ状態である場合、大入賞口扉がパチンコ遊技機1の手前側にスライド移動することでV大入賞口を閉鎖状態として、遊技球がV大入賞口に進入(通過)できなくなる。一方、ソレノイド075F083がオン状態である場合、大入賞口扉がパチンコ遊技機1の奥側にスライド移動することでV大入賞口を開放状態として、遊技球がV大入賞口に進入しやすくなる。
V大入賞口に進入した遊技球は、V大入賞口の内部に設けられた特定領域(V入賞領域とも称する)を通過することでV入賞スイッチ075F024(図40-4参照)によって検出される。遊技球がV入賞スイッチ075F024によって検出されることで、遊技状態が確変状態に制御される。つまり、本実施の形態においては、大当り遊技状態のラウンド中においてV大入賞口に遊技球が進入したことを条件にV入賞が発生し、遊技状態が確変状態に制御されるようになっている。なお、通常大入賞口およびV大入賞口をまとめて大入賞口とも称する。また、大入賞口をアタッカとも称する。
パチンコ遊技機1は、遊技盤2において複数のランプを備える。具体的には、パチンコ遊技機1は、可動体32に設けられた可動体ランプ9d、および通常大入賞口やV大入賞口付近に設けられたアタッカランプ9cの他に、アタッカの上方に設けられたアタッカ上ランプ075F009Uと、遊技盤2の左下に設けられた左下ランプ075F009Dと、画像表示装置5の右側方に設けられた盤右ランプ075F009Fと、画像表示装置5の左側方に設けられた盤左ランプ075F009Eとを備える。
可動体ランプ9dは、可動体32の停止状態あるいは動作状態においてLEDなどの点灯手段が点灯または点滅することで、可動体32に付された文字(たとえば、パチンコ遊技機1のタイトル、この例では「XXX」)を発光させる。アタッカランプ9cは、LEDなどの点灯手段が点灯または点滅することで、アタッカ付近を発光させる。アタッカ上ランプ075F009Uは、LEDなどの点灯手段が点灯または点滅することで、アタッカの上方付近を発光させる。左下ランプ075F009Dは、LEDなどの点灯手段が点灯または点滅することで、遊技盤2の左下付近を発光させる。盤右ランプ075F009Fは、キャラクタを模した筐体に設けられたランプであり、LEDなどの点灯手段が点灯または点滅することで、画像表示装置5の右側方のキャラクタを模した筐体を発光させる。盤左ランプ075F009Eは、LEDなどの点灯手段が点灯または点滅することで、画像表示装置5の左側方付近を発光させる。なお、盤左ランプ075F009Eは、盤右ランプ075F009Fと同様に、キャラクタを模した筐体に設けられてもよい。また、盤右ランプ075F009Fおよび盤左ランプ075F009Eは、可動体ランプ9dと同様に、所定方向(左右方向や上下方向など)に移動可能であってもよい。
パチンコ遊技機1は、遊技機用枠3において複数のランプを備える。具体的には、パチンコ遊技機1は、遊技機用枠3における左側方に設けられた枠左ランプ075F009Lと、遊技機用枠3における右側方に設けられた枠右ランプ075F009Rとからなる枠ランプを備える。
ここで、図40-2は、枠ランプを示す説明図である。枠左ランプ075F009Lは、遊技機用枠3の上方から下方に亘って左回りに、第1ランプ~第11ランプの11個のランプ群を有する。枠左ランプ075F009Lは、複数のランプ(この例では11個のランプ)を各々点灯または点滅することで、遊技機用枠3の左側付近を発光させる。一方、枠右ランプ075F009Rは、遊技機用枠3の上方から下方に亘って右回りに、第1ランプ~第11ランプの11個のランプ群を有する。枠右ランプ075F009Rは、複数のランプ(この例では11個のランプ)を各々点灯または点滅することで、遊技機用枠3の右側付近を発光させる。
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2の左下に特図LED基板075F020を備える。特図LED基板075F020は、遊技制御用マイクロコンピュータ100によって制御され、図31に示した、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、普通図柄表示器20、第1特別図柄表示装置4A、および第2特別図柄表示装置4Bなどの役割をLEDの点灯/点滅/消灯によって担う基板である。さらに、パチンコ遊技機1は、画像表示装置5の左下に第4図柄ユニット075F050を備える。第4図柄ユニット075F050は、演出制御用CPU120によって制御され、特図の変動や保留記憶数、右打ち表示などを、LEDの点灯/点滅/消灯によって報知するLED基板である。
ここで、図40-3は、特図LED基板075F020および第4図柄ユニット075F050を示す説明図である。図40-3(a)に示すように、特図LED基板075F020は、第1特図の可変表示を示す特図1可変表示部075F021と、第2特図の可変表示を示す特図2可変表示部075F022と、第1特図ゲームに対応する第1保留記憶数を示す特図1記憶表示部075F023と、第2特図ゲームに対応する第2保留記憶数を示す特図2記憶表示部075F024と、普図保留記憶数を示す普図記憶表示部075F025と、普通図柄の可変表示を示す普図表示部075F026と、遊技者に対して右打ちを促す右打ち表示部075F030と、確変状態の有無を示す確変表示部075F028と、時短状態の有無を示す時短表示部075F029と、大当りのラウンド数を示すラウンド表示部075F027とを備える。各表示部は、LEDなどの点灯手段による点灯または点滅によって、特図や普通図柄の可変表示の有無やその結果、現在の遊技状態、および保留数などを、遊技者に対して報知することができる。
たとえば、特図1可変表示部075F021は、第1特図ゲームにおける第1特別図柄の可変表示が行われているか否か、および当該可変表示の結果によって決まった第1特別図柄の停止図柄を、LEDなどの点灯手段による点灯/点滅/消灯によって遊技者に報知する。特図2可変表示部075F022は、第2特図ゲームにおける第2特別図柄の可変表示が行われているか否か、および当該可変表示の結果によって決まった第2特別図柄の停止図柄を、LEDなどの点灯手段による点灯/点滅/消灯によって遊技者に報知する。
さらに、特図LED基板075F020は、右打ち表示部075F030におけるLEDなどの点灯手段による点灯/点滅/消灯によって、右打ちをすることを遊技者に促すことができる。本実施の形態においては、右打ちをすることを遊技者に促す場合、右打ち表示部075F030におけるLEDなどの点灯手段が点灯(発光)し、右打ちをすることを遊技者に促さない場合、すなわち左打ちすることを遊技者に促す場合、右打ち表示部075F030におけるLEDなどの点灯手段が消灯する。CPU103は、図柄確定後に、演出制御用CPU120に右打ち表示点灯コマンドを送信するとともに、右打ち表示部075F030を点灯させ、通常状態に戻る前の高ベース状態において最終変動によって図柄が確定した後に、演出制御用CPU120に右打ち表示消灯指定コマンドを送信するとともに、右打ち表示部075F030を消灯させる。なお、パチンコ遊技機1が大当り遊技球状態後に高ベースに制御されない大当りや小当りを有する場合、演出制御用CPU120は、大当りラウンド中においてのみ、右打ち表示部075F030を点灯させてもよい。この場合、CPU103は、演出制御用CPU120に大当り終了指定コマンドを送信するとともに、右打ち表示部075F030を消灯させる。
ここで、右打ちとは、遊技盤2に設けられた遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路と第2流下経路とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技球を発射させるように打球操作ハンドル30を操作すること(打ち方)である。第1流下経路は、たとえば、遊技領域のうちの左側の領域を通る経路であって、その先には入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口が存在する一方で、可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口が存在しない経路である。第2流下経路は、たとえば、遊技領域のうちの右側の領域を通る経路であって、その先には可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口や大入賞口(通常大入賞口,V大入賞口)が存在する経路である。遊技者が第1流下経路に向けて遊技球を発射させると、遊技球が第1流下経路を通って、第1始動入賞口の方へと流れ込む。遊技者が第2流下経路に向けて遊技球を発射させると、遊技球が第2流下経路を通って、第2始動入賞口や大入賞口(通常大入賞口,V大入賞口)の方へと流れ込む。本実施の形態においては、大当りが発生した後の大当り遊技、および大当り遊技後の遊技状態(時短状態や確変状態)において、遊技者が右打ちをすることで、遊技領域の右側に設けられた第2始動入賞口や大入賞口に遊技球を進入させるようになっており、その間、右打ち表示部075F030は、右打ちすることを遊技者に促す。遊技者は、右打ちすることを促す表示が行われている間に右打ちすることで、第2始動入賞口に遊技球を進入させて所定個(たとえば3個)の賞球が払い出されるとともに第2特図ゲームの権利を得ることができたり、また、通常大入賞口に遊技球を進入させて所定個(たとえば10個)の賞球が払い出されたりする。さらに、詳しくは後述するが、確変大当たりのラウンド中においてはV大入賞口が開放するが、遊技者は、右打ちすることを促す表示が行われている間に右打ちすることで、V大入賞口に遊技球を進入させて確変状態に制御されるための権利を得ることもできる。このため、右打ちすることを促す表示が行われている間に右打ちすることで、遊技者は総合的に有利となり得る。なお、右打ちとは異なり、第1流下経路に向けて遊技球を発射させるように打球操作ハンドル30を操作すること(打ち方)を、左打ちとも称する。
図40-3(b)に示すように、第4図柄ユニット075F050は、第1特図ゲームに対応する第1保留記憶数を示す特図1記憶表示部075F051と、第2特図ゲームに対応する第2保留記憶数を示す特図2記憶表示部075F052と、第1特図の可変表示の状況または表示結果を示す特図1可変表示部075F053と、第2特図の可変表示の状況または表示結果を示す特図2可変表示部075F054と、遊技者に対して右打ちを促す右打ち表示部075F055とを備える。各表示部は、LEDなどの点灯手段による点灯/点滅/消灯によって、特図の可変表示の有無、保留数、および右打ち指示などを、遊技者に対して報知することができる。
たとえば、特図1可変表示部075F053は、第1特図ゲームにおける第1特別図柄の可変表示が行われているか否か、および当該可変表示の結果によって決まった第1特別図柄の停止図柄を、LEDなどの点灯手段による点灯/点滅/消灯によって遊技者に報知する。特図2可変表示部075F054は、第2特図ゲームにおける第2特別図柄の可変表示が行われているか否か、および当該可変表示の結果によって決まった第2特別図柄の停止図柄を、LEDなどの点灯手段による点灯/点滅/消灯によって遊技者に報知する。以下では、特図1可変表示部075F021におけるLEDなどの点灯手段によって第1特別図柄の停止図柄の変動を表すことを、第1特別図柄の変動表示とも称する。また、特図2可変表示部075F054におけるLEDなどの点灯手段によって第2特別図柄の停止図柄の変動を表すことを、第2特別図柄の変動表示とも称する。
さらに、本実施の形態においては、右打ちをすることを遊技者に促す場合、第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055におけるLEDなどの点灯手段が点灯(発光)し、右打ちをすることを遊技者に促さない場合、すなわち左打ちすることを遊技者に促す場合、右打ち表示部075F055におけるLEDなどの点灯手段が消灯する。演出制御用CPU120は、図柄確定後に、CPU103から右打ち表示点灯コマンドを受信したことに基づいて、右打ち表示部075F055を点灯させ、通常状態に戻る前の高ベース状態において最終変動によって図柄が確定した後に、CPU103から右打ち表示消灯指定コマンドを受信したことに基づいて、右打ち表示部075F055を消灯させる。なお、パチンコ遊技機1が大当り遊技球状態後に高ベースに制御されない大当りや小当りを有する場合、演出制御用CPU120は、大当りラウンド中においてのみ、右打ち表示部075F055を点灯させてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、CPU103から大当り終了指定コマンドを受信したことに基づいて、右打ち表示部075F055を消灯させる。
図40-4は、パチンコ遊技機1に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。図40-4に示すように、可動体ランプ9d、アタッカランプ9c、アタッカ上ランプ075F009U、左下ランプ075F009D、盤右ランプ075F009F、盤左ランプ075F009E、枠右ランプ075F009R、および枠左ランプ075F009Lの各々は、ランプ制御基板14に接続されており、該ランプ制御基板14を介した演出制御用CPU120の制御によって点灯(点滅)可能となっている。なお、これら可動体ランプ9d、アタッカランプ9c、アタッカ上ランプ075F009U、左下ランプ075F009D、盤右ランプ075F009F、盤左ランプ075F009E、枠右ランプ075F009R、および枠左ランプ075F009Lの各々、あるいはこれらをまとめて遊技効果ランプ9とも称する。
第4図柄ユニット075F050は、演出制御基板12に接続されており、制御用CPU120の制御によって各表示部を点灯(点滅)可能となっている。
特図LED基板075F020は、主基板11に接続されており、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御によって各表示部を点灯(点滅)可能となっている。
[画像表示装置]
図40-5は、画像表示装置5の正面図である。画像表示装置5の表示領域の大部分は、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの演出を表示するための第1表示領域075F005Fを構成している。また、画像表示装置5の下端部は、第1保留記憶数を円形の保留表示の数によって表示可能な第1保留記憶表示エリア075F005Dと、第2保留記憶数を円形の保留表示の数によって表示可能な第2保留記憶表示エリア075F005Uとを含む第2表示領域075F005Saを構成している。
画像表示装置5の右上端部は、特別図柄の可変表示中であることを示す第4図柄075F005Jと第1保留記憶数の表示および第2保留記憶数の表示を含む第3表示領域075F005Sbを構成している。
このうち第1表示領域075F005Fの中央部には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されており、飾り図柄の可変表示を実行可能となっている。また、第1表示領域075F005Fの左端部には、各飾り図柄よりも小さいサイズの小図柄075F005Mが表示されている。該小図柄は、「左」の各飾り図柄表示エリア5Lに表示されている飾り図柄、「中」の各飾り図柄表示エリア5Cに表示されている飾り図柄、「右」の各飾り図柄表示エリア5Rに表示されている飾り図柄のそれぞれに対応する図柄が縦に並列されている。また、該小図柄075F005Mは、可変表示中は非表示化させることがなく、常時画像表示装置5の第1表示領域075F005F内に表示されている図柄でもある。
なお、図40-5に示すように、画像表示装置5の第1表示領域075F005Fの中央部に飾り図柄が配置されており、小図柄075F005Mは、画像表示装置5の第1表示領域075F005Fの左端部において飾り図柄よりも小さいサイズにて配置されている。このため、小図柄075F005Mの視認性は、飾り図柄の視認性よりも低くなっている。
さらに、第1表示領域075F005Fの中央下部には、実行中の可変表示に対応する保留表示をアクティブ表示として表示するためのアクティブ表示エリア075F005Aが設けられている。
[各種テーブル]
図40-6~図40-8を参照しながら、各種テーブルについて説明する。
(大当り種別)
図40-6は、当り種別表を示す説明図である。図40-6に示すように、当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、および、大当りにおける開放回数(ラウンド数)が示されている。
具体的には、大当りの種別としては、5R通常大当り、5R確変大当り、および10R確変大当りが設けられている。なお、以下では、各ラウンドの標記を「R」で表すことがある。たとえば、1ラウンド目は1R目、2ラウンド目は2R目とも称する。5R通常大当りは、アタッカ内の振分部材(図示せず)の制御パターンがV入賞し難い制御パターン(たとえば、V大入賞口を開閉する蓋を開ける時間を所定時間よりも短くする制御や蓋の開閉を繰り返すことで遊技球を特定領域内に進入させない制御など)であり、5ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、低確率状態かつ高ベース状態に制御される大当りである。通常大当りにおいては、このような低確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまで継続する。
5R確変大当りは、アタッカ内の振分部材(図示せず)の制御パターンがV入賞し易い制御パターン(たとえば、V大入賞口を開閉する蓋を常に開ける制御や蓋を開ける時間を特定時間よりも長くする制御など)であり、5ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、高確率状態かつ高ベース状態に制御される大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が150回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまで継続する。
10R確変大当りは、アタッカ内の振分部材(図示せず)の制御パターンがV入賞し易い制御パターン(たとえば、V大入賞口を開閉する蓋を常に開ける制御や蓋を開ける時間を特定時間よりも長くする制御など)であり、10ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、高確率状態かつ高ベース状態に制御される大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が150回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまで継続する。
5R通常大当りおよび5R確変大当りは、大当りが発生する際に停止する飾り図柄が互いに共通する。また、5R通常大当りおよび5R確変大当りは、いずれも大当りが発生したときに行われるファンファーレ演出の演出態様(たとえば、背景や登場するキャラクタ、効果音など)が互いに共通し、大当り遊技状態のラウンド中に行われるラウンド演出の演出態様(たとえば、背景や登場するキャラクタ、効果音など)が互いに共通し、さらに、大当り遊技状態のラウンド数も互いに共通する。このため、遊技者は、停止した飾り図柄、ファンファーレ演出、およびラウンド演出を見る限りにおいては、5R通常大当りおよび5R確変大当りのいずれが発生したのかを認識し難くなっている。ここで、5R確変大当りの場合、所定ラウンド目(本実施の形態においては、4R目)においてV大入賞口が開放する。このとき、遊技者がV大入賞口を狙って右打ちをすることで遊技球をV大入賞口に進入させることができれば、遊技状態が確変状態に制御される。
このように、5R通常大当りおよび5R確変大当りは、ラウンドの途中まで確変大当りが発生したか否かについて遊技者が認識し難くなっているため、これらの大当りをチャンスボーナスとも称する。
10R確変大当りについても、5R確変大当りと同様に、所定ラウンド目(本実施の形態においては、9R目)においてV大入賞口が開放する。このとき、遊技者がV大入賞口を狙って右打ちをすることで遊技球をV大入賞口に進入させることができれば、遊技状態が確変状態に制御される。ただし、10R確変大当りの場合、大当りが発生する際に停止する飾り図柄、およびファンファーレ演出の演出態様(たとえば、背景や登場するキャラクタ、効果音など)や大当り遊技状態のラウンド中に行われるラウンド演出の演出態様が、5R通常大当りおよび5R確変大当りの場合とは異なる。このため、10R確変大当りが発生した場合、遊技者は、確変大当りが発生したことについて認識することができるようになっている。このような10R確変大当りを、スペシャルボーナスとも称する。
(各乱数)
図40-7は、各乱数を示す説明図である。図40-7に示すように、各乱数は、以下のように使用される。具体的には、ランダムRは、大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後、再度0から加算更新される。ランダム1は、大当り種別を5R通常大当り、5R確変大当り、および10R確変大当りのいずれかに決定する(大当り種別決定用)ランダムカウンタである。ランダム2は、変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)ランダムカウンタである。ランダム3は、変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)ランダムカウンタである。ランダム4は、普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)ランダムカウンタである。ランダム5は、ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)ランダムカウンタである。
本実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御されるか否かが大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて決定される。そして、大当り遊技状態としての5R通常大当り、5R確変大当り、および、10R確変大当りといった複数種類の大当りのうち、いずれの大当りとするかが、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて決定される。このとき、ランダム1の値に基づいて大当り図柄も決定するようにすればよい。
また、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターン種別が決定され、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンが決定される。このように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
たとえば、大当りである場合には、変動パターンが、ノーマルリーチを伴うノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴うスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。また、ハズレである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がハズレとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動表示時間が短縮される。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
(大当り判定テーブル、大当り種別判定テーブル)
図40-8は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM101に記憶されている。
図40-8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、RO101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図40-8(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図40-8(B)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU103は、所定の時期に、乱数回路104のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図40-8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図40-8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図40-8(B),(C)は、大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図40-8(B)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図40-8(C)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図40-8(B)の第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム1の値と比較される数値であって、「5R通常大当り」、「5R確変大当り」、および、「10R確変大当り」のそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図40-8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「10R確変大当り」に対応した大当り判定値が設定されている。
また、図40-8(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。たとえば、「5R通常大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「1」に対応した判定値としても設定されている。「5R確変大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「10R確変大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。特図LED基板075F020における特図1可変表示部075F021および特図2可変表示部075F022は、各大当り図柄に対応する点灯態様でLEDなどの点灯手段が点灯または点滅することで、停止した大当り図柄を示すことができる。同様に、第4図柄ユニット075F050における特図1可変表示部075F053および特図2可変表示部075F054は、各大当り図柄に対応する点灯態様でLEDなどの点灯手段が点灯または点滅することで、停止した大当り図柄を示すことができる。
このような各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU103は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
このような各種の大当り種別判定テーブルによれば、第2特別図柄の大当りについて、第1特別図柄で選択可能な大当り種別と比べて、「10R確変大当り」が選択される割合が高く、遊技者にとって有利な大当り種別が選択される割合が高い。
(演出制御コマンド)
図40-9は、演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用CPU120へ送信する。演出制御コマンドは、たとえば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を示す。なお、図40-9に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。なお、以下において、「(H)」は16進数であることを示すが、本明細書においては、省略する場合もある。
コマンド8001(H)は、第1特図の可変表示の開始を指定する第1可変表示開始コマンドである。コマンド8002(H)は、第2特図の可変表示の開始を指定する第2可変表示開始コマンドである。演出制御用CPU101は、コマンド8001(H)またはコマンド8002(H)を受信すると、画像表示装置5において飾り図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5において変動表示される飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドである(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、複数種類の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。
コマンド8C01(H)は、ハズレに決定されていることを示す表示結果1指定コマンド(ハズレ指定コマンド)である。コマンド8C02(H)は、5R通常大当りに決定されていることを示す表示結果2指定コマンド(5R通常大当り指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、5R確変大当りに決定されていることを示す表示結果3指定コマンド(5R確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、10R確変大当りに決定されていることを示す表示結果4指定コマンド(10R確変大当り指定コマンド)である。ハズレ指定コマンド、5R通常大当り指定コマンド、5R確変大当り指定コマンド、および10R確変大当り指定コマンドの各々、あるいはこれらをまとめて8C系コマンドとも称する。
コマンド8D01(H)は、第1特図の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特図の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。第1図柄変動指定コマンドおよび第2図柄変動指定コマンドの各々、あるいはこれらをまとめて8D系コマンドとも称する。コマンド8F00(H)は、第1特図や第2特図の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンド9000(H)は、遊技機に関する電力供給が開始されたときに送信される初期化を指定(電源投入時の初期画面を表示することを指定)する初期化指定コマンドである。コマンド9200(H)は、遊技機に関する電力供給が再開されたときに送信される停電の復旧を指定(停電復旧画面を表示することを指定)する停電復旧指定コマンドである。コマンド9500(H)は、通常状態の背景を指定する通常状態指定コマンドである。コマンド9501(H)は、時短状態の背景を指定する時短状態指定コマンドである。コマンド9502(H)は、確変状態の背景を指定する確変状態指定コマンドである。通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、および確変状態指定コマンドの各々、あるいはこれらをまとめて95系コマンドや背景指定コマンドとも称する。コマンド9F00(H)は、客待ちのデモンストレーションを指定する客待ちデモ指定コマンドである。
コマンドA001(H)は、5R通常大当りの開始を指定する大当り開始1指定コマンドである。コマンドA002(H)は、5R確変大当りの開始を指定する大当り開始2指定コマンドである。コマンドA003(H)は、10R確変大当りの開始を指定する確変大当り開始3指定コマンドである。大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、および大当り開始3指定コマンドの各々、あるいはこれらをまとめてA0系コマンドとも称する。
A1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口の開放中を示す大入賞口開放中指定コマンドである。大入賞口開放中指定コマンドを、A1系コマンドとも称する。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口の閉鎖を示す大入賞口開放後指定コマンドである。大入賞口開放後指定コマンドを、A2系コマンドとも称する。
コマンドA301(H)は、5R通常大当りの終了を指定する大当り終了1指定コマンドである。コマンドA302(H)は、5R確変大当りの終了を指定する大当り終了2指定コマンドである。コマンドA303(H)は、10R確変大当りの終了を指定する大当り終了3指定コマンドである。大当り終了1指定コマンド、大当り終了2指定コマンド、および大当り終了3指定コマンドの各々、あるいはこれらをまとめてA3系コマンドとも称する。
コマンドAD00(H)は、V入賞が発生したことを指定する確変判定装置通過指定コマンドである。確変判定装置通過指定コマンドは、V大入賞口を通過した遊技球がV入賞領域に進入してV入賞スイッチ075F024により検出されるときに送信されるコマンドである。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドB200(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドC1XX(H)は、第1保留記憶数がXXで示す数になったことを指定する第1保留記憶数指定コマンドである。第1保留記憶数指定コマンドを、C1系コマンドとも称する。コマンドC2XX(H)は、第2保留記憶数がXXで示す数になったことを指定する第2保留記憶する指定コマンドである。第2保留記憶数指定コマンドを、C2系コマンドとも称する。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定などの入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
C7XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口への遊技球の通過を示す大入賞口入賞指定コマンドである。
MODEがFD(H)でありかつ、EXTの4bit目が0であるコマンドは、右打ち表示の消灯を示す右打ち表示消灯指定コマンドである。MODEデータがFD(H)でありかつ、EXTデータの4bit目が1であるコマンドは、右打ち表示の点灯を示す右打ち表示点灯指定コマンドである。本実施の形態においては、特に右打ち表示点灯指定コマンドを、FD系コマンドとも称する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用CPU120に送信する制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用CPU120に送信する制御を行う。演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
[動作]
次に、特徴部075Fに係るパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。まず、主基板11に搭載されたCPU103による処理について説明する。
(特別図柄通常処理)
図40-10は、特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図40-10に示すように、特別図柄通常処理において、CPU103は、第1保留記憶バッファ(第1特別図柄の保留記憶情報を記憶するための記憶バッファ)または第2保留記憶バッファ(第2特別図柄の保留記憶情報を記憶するための記憶バッファ)に保留記憶データがあるか否かを判定する(ステップ075FS001)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には(ステップ075FS001でN)、変動停止から所定期間が経過したか否かを判定する(ステップ075FS002)。変動停止から所定期間が経過しない場合(ステップ075FS002でN)、特別図柄通常処理を終了する。一方、変動停止から所定期間が経過している場合(ステップ075FS002でY)、客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理をし(ステップ075FS003)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには(ステップ075FS001でY)、CPU103は、保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータが「第2」を示すデータであるか否かを判定する(ステップ075FS004)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第2」を示すデータでない(すなわち、「第1」を示すデータである)場合(ステップ075FS004でN)、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップ075FS005)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第2」を示すデータである場合(ステップ075FS004でY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップ075FS006)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄の変動表示が行われる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄の変動表示が行われる。
ステップ075FS004~ステップ075FS006の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄の変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄の変動表示に優先して実行される。
次に、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の保留記憶バッファに格納する(ステップ075FS007)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の保留記憶バッファに格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップ075FS008)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次に、CPU103は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ075FS009)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
次に、CPU103は、背景指定コマンドを送信し(ステップ075FS010)、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する(ステップ075FS011)。なお、この場合、CPU103は、始動入賞判定処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図40-8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(図40-8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(図40-8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU103は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図40-8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップ075FS011でY)、ステップ075FS012に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(150回)の変動表示が行われたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップ075FS011でN)、後述するステップ075FS016に進む。
ステップ075FS011において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すれば、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(ステップ075FS012)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図40-8(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図40-8(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(ステップ075FS013)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図40-8(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図40-8(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次に、CPU103は、始動入賞判定処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、ステップ075FS013で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(ステップ075FS014)。
図40-8(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM102における大当り種別バッファに設定する(ステップ075FS015)。たとえば、大当り種別が「5R通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「5R確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。大当り種別が「10R確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「03」が設定される。
次に、CPU103は、特別図柄の停止図柄を設定する(ステップ075FS016)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、ハズレ図柄となる「-」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、ステップ075FS014により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「5R通常大当り」に決定されたときには「1」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「5R確変大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「10R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、CPU103は、表示結果指定コマンドを送信し(ステップ075FS017)、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S111)に対応した値に更新する(ステップ075FS018)。
(変動パターン設定処理)
図40-11は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図40-11に示すように、変動パターン設定処理において、CPU103は、変動パターンを決定する(ステップ075FS101)。具体的には、CPU103は、大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別に応じた大当り用変動パターン種別判定テーブルを選択し、大当りフラグがセットされていない場合には、ハズレ用変動パターン種別判定テーブルを選択する。そして、CPU103は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファからランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する。
次に、CPU103は、決定した変動パターンに対応する変動パターンコマンドを、演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ075FS102)。
次に、CPU103は、RAM102に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップ075FS103)。そして、CPU103は、図柄変動指定コマンドを、演出制御用CPU120に送信する制御を行い(ステップ075FS104)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(S112)に対応した値に更新する(ステップ075FS105)。
(特別図柄変動処理)
図40-12は、特別図柄変動処理の一例を示すフローチャートである。図40-11に示すように、特別図柄変動処理において、CPU103は、変動時間タイマを1減算し(ステップ075FS201)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップ075FS202でY)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S113)に対応した値に更新する(ステップ075FS203)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップ075FS202でN)、そのまま処理を終了する。
(特別図柄停止処理)
図40-13は、特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図40-13に示すように、特別図柄停止処理において、CPU103は、終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、特図1可変表示部075F021または特図2可変表示部075F022に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップ075FS301)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には特図1可変表示部075F021での第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には特図2可変表示部075F022での第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用CPU120に図柄確定指定コマンドをセットする(ステップ075FS302)。これにより、図柄確定指定コマンドが演出制御用CPU120に送信される。次に、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップ075FS303)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には(ステップ075FS303でN)、ステップ075FS309に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には(ステップ075FS303でY)、CPU103は、確変フラグおよび時短フラグをリセットする(ステップ075FS304)。次に、演出制御用CPU120に、大当り開始指定コマンドおよび右打ち表示点灯コマンドを送信する(ステップ075FS305)。
また、RO101に記憶されている開放パターンデータを参照し、通常大入賞口およびV大入賞口について、開放回数(たとえば、5回や10回)、開放時間(たとえば、29秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、0.5秒)などの開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(ステップ075FS306)。具体的には、5R通常大当りの場合、1~5Rの全てにおいて通常大入賞口を開放させる開放態様などをRAM102に設けられる所定の記憶領域に記憶する。5R確変大当りの場合、1~3R目および5R目に通常大入賞口を開放させ、4R目にV大入賞口を開放させる開放態様などをRAM102に設けられる所定の記憶領域に記憶する。また、10R確変大当りの場合、1~8R目および10R目に通常大入賞口を開放させ、9R目にV大入賞口を開放させる開放態様などをRAM102に設けられる所定の記憶領域に記憶する。開放回数(5回や10回)のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間であるファンファーレ時間(大当りが発生したことをたとえば、画像表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップ075FS307)。以降、大当り開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S114)に対応した値に更新し(ステップ075FS308)、処理を終了する。
ステップ075FS303で大当りフラグがセットされていないと判定された場合には(ステップ075FS303でN)、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ075FS309)。時短フラグがセットされていない場合は(ステップ075FS309でN)、ステップ075FS316の処理へ移行する。時短フラグがセットされている場合には(ステップ075FS309でY)、時短状態の残り変動回数を示す時短回数カウンタのカウンタ値を1減算する(ステップ075FS310)。次に、CPU103は、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認する(ステップ075FS311)。時短回数カウンタの値が0になった場合は(ステップ075FS311でY)、時短状態の継続期間が終了したと判断して、時短フラグをリセットする(ステップ075FS312)。これにより、時短状態においてハズレ表示結果となる変動表示が特定回数(150回)行われたときに、遊技状態が時短状態から非時短状態に移行する。ステップ075FS311において、時短回数カウンタの値が0になっていない場合には(ステップ075FS311でN)、ステップ075FS316の処理へ移行する。
ステップ075FS312の後は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ075FS313)。確変フラグがセットされている場合には(ステップ075FS313でY)、確変フラグをリセットする(ステップ075FS314)。次に、CPU103は、遊技状態が時短状態から通常状態(低確率/低ベース状態)に移行したことに応じて、演出制御用CPU120に通常状態指定コマンドを送信し(ステップ075FS315)、ステップ075FS316に進む。ステップ075FS313において確変フラグがセットされていない場合には(ステップ075FS313でN)、ステップ075FS314の処理を行わずに、ステップ075FS315に移行する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S110)に対応した値に更新し(ステップ075FS316)、処理を終了する。
(大当り開放前処理)
図40-14は、大当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。図40-14に示すように、大当り開放前処理において、CPU103は、大入賞口制御タイマの値を-1(減算更新)する(ステップ075FS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを判定し(ステップ075FS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップ075FS402でN)、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には(ステップ075FS402でY)、演出制御用CPU120に大入賞口開放中指定コマンドを送信する(ステップ075FS403)。そして、開放パターンに応じてソレノイド82を駆動して通常大入賞口を開放する(ステップ075FS404)。これにより、1R目においては通常大入賞口が開放する。
次に、CPU103は、開放パターンデータ(たとえば、ステップ075FS306によりRAM102に記憶されたデータ)に基づいて、大入賞口制御タイマに、大入賞口が開放可能な最大時間(大入賞口開放時間)に応じた大入賞口開放時間(29秒)を設定する(ステップ075FS405)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理(S115)に応じた値に更新し(ステップ075FS406)、処理を終了する。
(大当り開放中処理)
図40-15は、大当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。図40-15に示すように、大当り開放中処理において、CPU103は、大入賞口制御タイマの値を-1(減算更新)する(ステップ075FS501)。
そして、CPU103は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否かを確認する(ステップ075FS502)。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは(ステップ075FS501でY)、ステップ075FS511の処理へ移行する。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップ075FS502でN)、通常大入賞口またはV大入賞口を開放中か否かを判定する(ステップ075FS503)。通常大入賞口またはV大入賞口が開放中か否かは、開放回数カウンタの値により判定すればよい。
ステップ075FS503で、通常大入賞口またはV大入賞口が開放中でないと判定された場合には(ステップ075FS503でN)、処理を終了する。
通常大入賞口またはV大入賞口が開放中であれば(ステップ075FS503でY)、カウントスイッチ23またはV入賞スイッチ075F024がオンになっているか否かを判定する(ステップ075FS504)。カウントスイッチ23とV入賞スイッチ075F024のいずれもがオンになっていなければ(ステップ075FS504でN)、処理を終了する。一方、カウントスイッチ23またはV入賞スイッチ075F024のいずれか一方がオンとなっていれば(ステップ075FS504でY)、入賞個数カウンタを+1(加算更新)する(ステップ075FS505)。
次に、確変決定フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ075FS506)。確変決定フラグは、V入賞が発生したときに確変状態に制御されることが決定されたことによりセットされるフラグである。確変決定フラグがセットされていれば(ステップ075FS506でY)、ステップ075FS510の処理へ移行する。一方、確変決定フラグがセットされていなければ(ステップ075FS506でN)、V入賞スイッチ075F024がオンになっているか否かを判定する(ステップ075FS507)。V入賞スイッチ075F024がオンになっていなければ(ステップ075FS507でN)、ステップ075FS510の処理へ移行する。一方、V入賞スイッチがオンになっていれば(ステップ075FS507でY)、確変決定フラグをセットし(ステップ075FS508)、確変判定装置通過指定コマンドを送信し(ステップ075FS509)、ステップ075FS510の処理へ移行する。
そして、CPU103は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否を判定する(ステップ075FS510)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップ075FS510でN)、処理を終了する。
入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには(ステップ075FS510でY)、CPU103は、ソレノイド82を駆動して通常大入賞口を閉鎖する制御、または、ソレノイド075F083を駆動してV大入賞口を閉鎖する制御のいずれか一方の制御を行う(ステップ075FS511)。次に、CPU103は、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)処理を行う(ステップ075FS512)。次に、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放後処理(S116)に応じた値に更新し(ステップ075FS513)、処理を終了する。
(大当り開放後処理)
図40-16は、大当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。図40-16に示すように、大当り開放後処理において、CPU103は、開放回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップ075FS601)。
開放回数カウンタの値が0であれば(ステップ075FS601でY)、演出制御用CPU120に大当り終了指定マンドを送信し(ステップ075FS602)、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、画像表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップ075FS603)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S117)に応じた値に更新し(ステップ075FS604)、処理を終了する。
ステップ075FS601において、開放回数カウンタの値が0でなければ(ステップ075FS601でN)、演出制御用CPU120に大入賞口開放後指定マンドを送信し(ステップ075FS605)、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(ステップ075FS606)。
次に、CPU103は、V大入賞口が開放するラウンド(V開放ラウンドとも称する)の前、すなわち、次のラウンドがV開放ラウンドであるか否かを判定する(ステップ075FS607)。V開放ラウンド前でない場合(ステップ075FS607でN)、ソレノイド82を駆動して通常大入賞口を開放する制御を行う(ステップ075FS608)。一方、V開放ラウンド前である場合(ステップ075FS607でY)、ソレノイド075F083を駆動してV大入賞口を開放する制御を行う(ステップ075FS609)。
ステップ075FS608またはステップ075FS609の後、CPU103は、演出制御用CPU120に大入賞口開放中指定マンドを送信する(ステップ075FS610)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理(S115)に応じた値に更新し(ステップ075FS611)、処理を終了する。
(大当り終了処理)
図40-17は、大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図40-17に示すように、大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了時間が設定された大入賞口制御タイマの値を1減算する(ステップ075FS701)。そして、CPU103は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か(大当り終了時間が経過したか否か)を判定する(ステップ075FS702)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップ075FS702でN)、処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップ075FS702でY)、大当りフラグをリセットする(ステップ075FS703)。
次に、CPU103は、V入賞領域を通過することでセットされる確変決定フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ075FS704)。確変決定フラグがセットされていなければ(ステップ075FS704でN)、ステップ075FS705の処理へ移行する。ステップ075FS704において、確変決定フラグがセットされていれば(ステップ075FS704でY)、確変状態であることを示す確変フラグをセットする(ステップ075FS707)。次に、演出制御用CPU120に確変状態指定コマンドを送信し(ステップ075FS708)、確変決定フラグをリセットし(ステップ075FS709)、ステップ075FS710の処理へ移行する。
ステップ075FS710では、時短状態であることを示す時短フラグをセットし(ステップ075FS710)、時短回数カウンタに150をセットする(ステップ075FS711)。そして、ステップ075FS712の処理へ移行する。
一方、ステップ075FS704において、確変決定フラグがセットされていなければ(ステップ075FS704でN)、ステップ075FS705では、時短状態であることを示す時短フラグをセットし(ステップ075FS705)、時短回数カウンタに100をセットし(ステップ075FS706)、ステップ075FS712の処理へ移行する。
ステップ075FS712では、演出制御用CPU120に時短状態指定コマンドを送信する(ステップ075FS712)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S110)に対応した値に更新し(ステップ075FS713)、処理を終了する。なお、演出制御用CPU120側は、CPU103から送信される確変状態指定コマンドなどにより、確変、時短、通常のいずれの遊技状態にあるかを認識することが可能となる。
(大当り中演出処理)
次に、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120による処理について説明する。図40-18は、大当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。図40-18に示すように、大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ075FS651)。ここで、大当り終了指定コマンド受信フラグなどのフラグは、ROM121に形成されるコマンド受信バッファに大当り終了指定コマンドを受信した旨のデータが格納されている場合に、演出制御用CPU120によりセットされ、大当り遊技が終了するなどの所定のタイミングで消去される。
大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップ075FS651でN)、演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップ075FS652)。
次に、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップ075FS653)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップ075FS653でY)、プロセスデータの切替えを行う(ステップ075FS655)。そして、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップ075FS656)。また、その次に設定されているプロセスデータの内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9など)の制御を実行する(ステップ075FS657)。たとえば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5においてラウンド中演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータの内容に従ってROM121から画像データを読み出し、読み出した画像データを画像表示装置5に出力する。また、遊技効果ランプ9などの各種ランプを点灯/点滅/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号を出力する。また、スピーカ8L,8Rに音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、処理を終了する。
プロセスタイマがタイムアウトしていない場合(ステップ075FS653でN)、引き続き、設定されているプロセスデータの内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9など)の制御を実行する(ステップ075FS654)。そして、処理を終了する。
演出制御用CPU120は、主基板11に搭載されたCPU103から受けた演出制御コマンドに基づき、上述したプロセスデータを設定する。たとえば、演出制御用CPU120は、大当りが発生したことに基づきCPU103から大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)を受信した場合、演出装置の制御によってファンファーレ演出を実行するために、ファンファーレ演出に対応したプロセスデータを設定する。さらに、演出制御用CPU120は、大当りが発生したことに基づきCPU103から右打ち表示点灯コマンドを受信した場合、遊技者に対して右打ちを促すために第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055におけるLEDなどの点灯手段を点灯させる。
また、演出制御用CPU120は、大当りの各ラウンドの開始時においてCPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A1系コマンド)を受信した場合、以下のように、演出装置の制御によってラウンド中演出を実行するために、ラウンド中演出に対応したプロセスデータを設定する。
演出制御用CPU120は、5R通常大当りの2R開始時においてCPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)を受信した場合、確変大当りであるか否かを示唆するV確変示唆演出を実行するためのプロセスデータを設定する。このとき、演出制御用CPU120は、既に受信していた大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき大当りの種別(この場合、5R通常大当り)を特定するとともに、大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)に基づき大当りのラウンド(この場合、2R)を特定し、特定した大当り中のラウンドに応じた演出(この場合、V確変示唆演出)を実行するためのプロセスデータを設定する。
演出制御用CPU120は、5R確変大当りの2R開始時においてCPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)を受信した場合、V確変示唆演出(図40-41参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。このとき、演出制御用CPU120は、既に受信していた大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき大当りの種別(この場合、5R確変大当り)を特定するとともに、大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)に基づき大当りのラウンド(この場合、2R)を特定し、特定した大当り中のラウンドに応じた演出(この場合、V確変示唆演出)を実行するためのプロセスデータを設定する。
また、演出制御用CPU120は、5R確変大当りの3R開始時においてCPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)を受信した場合、次の4R目がV開放ラウンドであることを予告するV予告演出(図40-42参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。このとき、演出制御用CPU120は、既に受信していた大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき大当りの種別(この場合、5R確変大当り)を特定するとともに、大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)に基づき大当りのラウンド(この場合、3R)を特定し、特定した大当り中のラウンドに応じた演出(この場合、V予告演出)を実行するためのプロセスデータを設定する。
また、演出制御用CPU120は、5R確変大当りの3R後においてCPU103から大入賞口開放後指定コマンド(A203コマンド)を受信した場合、ラウンド間において特定領域であるV大入賞口に遊技球を進入させることを狙わせるVを狙え演出(図40-43参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。このとき、演出制御用CPU120は、既に受信していた大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき大当りの種別(この場合、5R確変大当り)を特定するとともに、大入賞口開放後指定コマンド(A203コマンド)に基づき終了した大当りのラウンド(この場合、3R)を特定し、特定した大当り中のラウンド後に応じた演出(この場合、Vを狙え演出)を実行するためのプロセスデータを設定する。Vを狙え演出は、特定領域であるV大入賞口に関する画像表示を用いた案内表示である。具体的には、Vを狙え演出においては、特定領域であるV大入賞口を狙って遊技球を発射させるように遊技者に右打ちを促す画像が表示される。Vを狙え演出においては、特定領域であるV大入賞口そのものを指すような画像が表示されてもよいし、特定領域であるV大入賞口付近を指すような画像が表示されてもよいし、特定領域であるV大入賞口に至るまでの経路を指すような画像が表示されてもよい。
また、演出制御用CPU120は、5R確変大当りの4Rの開始時においてCPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)を受信した場合、引き続きVを狙え演出(図40-44参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。このとき、演出制御用CPU120は、既に受信していた大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき大当りの種別(この場合、5R確変大当り)を特定するとともに、大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)に基づき大当りのラウンド(この場合、4R)を特定し、特定した大当り中のラウンドに応じた演出(この場合、Vを狙え演出)を実行するためのプロセスデータを設定する。
演出制御用CPU120は、10R確変大当りの8R開始時においてCPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A108コマンド)を受信した場合、次の9R目がV開放ラウンドであることを予告するV予告演出を実行するためのプロセスデータを設定する。このとき、演出制御用CPU120は、既に受信していた大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき大当りの種別(この場合、10R確変大当り)を特定するとともに、大入賞口開放中指定コマンド(A108コマンド)に基づき大当りのラウンド(この場合、8R)を特定し、特定した大当り中のラウンドに応じた演出(この場合、V予告演出)を実行するためのプロセスデータを設定する。
また、演出制御用CPU120は、10R確変大当りの8R後においてCPU103から大入賞口開放後指定コマンド(A208コマンド)を受信した場合、ラウンド間において特定領域であるV大入賞口に遊技球を進入させることを狙わせるVを狙え演出を実行するためのプロセスデータを設定する。このとき、演出制御用CPU120は、既に受信していた大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき大当りの種別(この場合、10R確変大当り)を特定するとともに、大入賞口開放後指定コマンド(A208コマンド)に基づき終了した大当りのラウンド(この場合、8R)を特定し、特定した大当り中のラウンド後に応じた演出(この場合、Vを狙え演出)を実行するためのプロセスデータを設定する。
また、演出制御用CPU120は、10R確変大当りの9Rの開始時においてCPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A109コマンド)を受信した場合、引き続きVを狙え演出を実行するためのプロセスデータを設定する。このとき、演出制御用CPU120は、既に受信していた大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき大当りの種別(この場合、10R確変大当り)を特定するとともに、大入賞口開放中指定コマンド(A109コマンド)に基づき大当りのラウンド(この場合、9R)を特定し、特定した大当り中のラウンドに応じた演出(この場合、Vを狙え演出)を実行するためのプロセスデータを設定する。
さらに、出制御用CPU120は、大当りラウンド中においてCPU103から確変判定装置通過指定コマンド(AD00コマンド)を受信した場合、以下のように、演出装置の制御によってV入賞演出を実行するために、V入賞演出に対応したプロセスデータを設定する。
演出制御用CPU120は、5R確変大当りの4R中においてCPU103から確変判定装置通過指定コマンド(AD00コマンド)を受信した場合、V入賞演出(図40-44参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。
演出制御用CPU120は、10R確変大当りの9R中においてCPU103から確変判定装置通過指定コマンド(AD00)を受信した場合、V入賞演出を実行するためのプロセスデータを設定する。
その他、演出制御用CPU120は、大当り遊技状態が終了したことに基づきCPU103から大当り終了指定コマンド(A3系コマンド)を受信した場合、大当り遊技状態の終了を示すエンディング演出(図40-46,図40-47参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。
このように、演出制御用CPU120は、CPU103から受けた演出制御コマンドに基づきプロセスデータを設定することで、画像表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などの演出装置を制御して各種の演出を実行する。
[遊技の進行の概略]
上述したように構成されている特徴部075Fに係るパチンコ遊技機1においては、以下のように遊技が進行する。なお、既に説明している基本的なパチンコ遊技機1において行われる遊技の内容についても、特徴部075Fに係るパチンコ遊技機1は有するが、以下では特に特徴部075Fに関連する部分の遊技について説明する。
パチンコ遊技機1においては、遊技者はまず左打ちによって、遊技領域のうちの左側の領域を通る第1流下経路に向けて遊技球を発射させる。発射された遊技球が入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入すると、第1特図ゲームが開始される。第1特図ゲームの結果、特図1可変表示部075F021が大当り図柄を示す表示態様となると、大当りが発生する。
第1特図ゲームにおける大当りの種別としては、前述したように、5R通常大当り、5R確変大当り、10R確変大当りがある。大当りが発生すると、ファンファーレ演出が実行されるとともに、遊技者に対して右打ちを促す右打ち促進演出が実行される。右打ち促進演出としては、画像表示装置5の画面上に右打ちを促す文字(たとえば、「右打ち」)および図形(たとえば、第2流下経路の方向である右方向に向けられた矢印)の画像を表示するとともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においてもたとえばLEDなどの点灯手段の点灯によって右打ちを促す。これにより、遊技者は、それ以降、右打ちをすることになる。
大当り遊技状態のラウンド中においては、大入賞口が所定回数(たとえば、5R通常大当りおよび5R確変大当りの場合は5回、10R確変大当りの場合は10回)に亘って開放する。大入賞口の1回の開放は、所定期間(たとえば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(たとえば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。
5R通常大当りの場合、1R目~3R目、および5R目においては通常大入賞口が開放するが、4R目に限ってはV大入賞口が開放する。但し、アタッカ内の振分部材(図示せず)の制御パターンがV入賞し難い制御パターンであるため、V入賞することはない。また、V入賞しないため、4R目にはVを狙え演出も実行されず、1R目と同様の背景画像が表示される。具体的には、5R通常大当りの場合、1R目および2R目において通常大入賞口が開放するとともに、2R目においては、確変大当りであるか否かを示唆するV確変示唆演出が実行される。そして、V確変示唆演出の結果、確変大当りでなく通常大当りであることが報知される。その後、4R目にV大入賞口が開放するがV入賞が発生せず、その後の5R目において通常大入賞口が開放して、5R目が終了するとエンディング演出が実行される。
5R確変大当りの場合、1R目~3R目、および5R目においては通常大入賞口が開放するが、4R目に限ってはV大入賞口が開放する。具体的には、5R確変大当りの場合、5R通常大当りと同様に、1R目および2R目において通常大入賞口が開放するとともに、2R目においては、確変大当りであるか否かを示唆するV確変示唆演出が実行される。そして、V確変示唆演出の結果、確変大当りであることが報知される。そして、その後の3R目においては、次の4R目がV開放ラウンドであることを予告するV予告演出が実行される。4R目においては、V大入賞口が開放し、V大入賞口に進入した遊技球がV入賞スイッチ075F024によって検出されると、V入賞が発生する。これにより、大当りラウンド終了後の遊技状態が確変状態に制御されるための権利が遊技者に付与される。その後、5R目においては、再び通常大入賞口が開放し、5R目が終了するとエンディング演出が実行される。
10R確変大当りの場合、1R目~8R目、および10R目においては通常大入賞口が開放するが、9R目に限ってはV大入賞口が開放する。具体的には、10R確変大当りの場合、1R目~7R目において通常大入賞口が開放するとともに、7R目においては、確変大当りであるか否かを示唆するV確変示唆演出が実行される。そして、V確変示唆演出の結果、確変大当りであることが報知される。そして、その後の8R目においては、次の9R目がV開放ラウンドであることを予告するV予告演出が実行される。9R目においては、V大入賞口が開放し、V大入賞口に進入した遊技球がV入賞スイッチ075F024によって検出されると、V入賞が発生する。これにより、大当りラウンド終了後の遊技状態が確変状態に制御されるための権利が遊技者に付与される。その後、10R目においては、再び通常大入賞口が開放し、10R目が終了するとエンディング演出が実行される。
大当り遊技状態後のエンディング演出が終了すると、所定回数(たとえば、5R通常大当りの場合は100回、5R確変大当りおよび10R確変大当りの場合は150回)の変動に亘って遊技状態が時短状態に制御される。さらに、5R確変大当りおよび10R確変大当りの場合であって、かつ大当りラウンド中にV入賞が発生した場合、時短状態に制御されている所定回数(150回)の変動に亘って遊技状態が確変状態に制御される。つまり、5R通常大当りの場合、大当りラウンド後の遊技状態が低確高ベース状態となり、5R確変大当りや10R確変大当りの場合、大当りラウンド後の遊技状態が高確高ベース状態となる。
大当りラウンド後の確変状態や時短状態においても、引き続き、画像表示装置5、右打ち表示部075F030、および右打ち表示部075F055によって右打ち促進演出が継続して実行される。このため、遊技者は、最初の大当り(初当りとも称する)が発生した以降、大当りラウンドが終了した後の時短状態においても、常に右打ち促進演出によって右打ちするように促される。
時短状態においては、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御が実行されたり、また、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御が実行されたり、さらに、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる制御が実行されたりする。また、時短状態においては、第2始動入賞口を形成する可変入賞球装置6Bが開状態になる頻度を高くすることにより第2始動入賞口に遊技球が進入する頻度を高くして第2始動入賞口への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御が行われてもよい。
大当りラウンド後の時短状態においては、発射された遊技球が可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入することで、第2特図ゲームが開始される。第2特図ゲームの結果、特図2可変表示部075F022が大当り図柄を示す表示態様となると、大当り(連チャン当りとも称する)が発生する。
第2特図ゲームにおける大当りの種別としては、前述したように、10R確変大当りがある。大当りが発生すると、ファンファーレ演出が実行される。なお、画像表示装置5、右打ち表示部075F030、および右打ち表示部075F055による右打ち促進演出は、初当り時から継続している。
大当り遊技状態のラウンド中においては、大入賞口が所定回数(たとえば、10回)に亘って開放する。大入賞口の1回の開放は、所定期間(たとえば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(たとえば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。
10R確変大当りであるため、1R目~8R目、および10R目においては通常大入賞口が開放するが、9R目に限ってはV大入賞口が開放する。具体的には、初当り時と同様に、1R目~7R目において通常大入賞口が開放する。そして、その後の8R目においては、次の9R目がV開放ラウンドであることを予告するV予告演出が実行される。9R目においては、V大入賞口が開放し、V大入賞口に進入した遊技球がV入賞スイッチ075F024によって検出されると、V入賞が発生する。これにより、大当りラウンド終了後の遊技状態が確変状態に制御されるための権利が遊技者に付与される。その後、10R目においては、再び通常大入賞口が開放し、10R目が終了するとエンディング演出が実行される。
そして、大当り遊技状態後のエンディング演出が終了すると、初当り時と同様に、所定回数(たとえば、150回)の変動に亘って遊技状態が時短状態かつ確変状態(高確高ベース状態)に制御される。連チャン当りにおける大当りラウンド後の確変状態においても、引き続き、画像表示装置5、右打ち表示部075F030、および右打ち表示部075F055によって右打ち促進演出が継続して実行される。このため、遊技者は、初当りが発生した以降、大当りラウンドが終了した後の確変状態や時短状態において連チャン当りが発生し、当該連チャン当りの大当りラウンドが終了した後の確変状態や時短状態においても、常に右打ち促進演出によって右打ちするように促される。
初当りの大当りラウンドが終了した後の確変状態や時短状態、および連チャン当りの大当りラウンドが終了した後の確変状態や時短状態のいずれかで大当りが発生することなく確変状態や時短状態が終了すると、通常状態(低確低ベース状態)に遊技状態が制御され、画像表示装置5、右打ち表示部075F030、および右打ち表示部075F055による右打ち促進演出も終了する。これにより、遊技者は、再び左打ちによって、遊技領域のうちの左側の領域を通る第1流下経路に向けて遊技球を発射させることになる。
[処理の一例のタイミングチャート]
図40-19~図40-21を参照しながら、特徴部075Fに係るパチンコ遊技機1が実行する主な処理のタイミングについて説明する。図40-19は、当り変動中における処理の一例を示すタイミングチャートである。図40-20は、大当り中における処理の一例を示すタイミングチャートである。図40-21は、大当り終了後における処理の一例を示すタイミングチャートである。なお、図40-19~図40-21は、5R確変大当りが発生した場合における処理のタイミングを示している。
図40-19に示すように、t1において、遊技球が第1始動入賞口に進入することで第1特図ゲームが開始すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、保留記憶数指定コマンド(C1系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、第1特別図柄の変動に対応させて飾り図柄を変動表示させたり、第1特別図柄の変動に合わせて変動中演出(たとえば、リーチ演出や予告演出など)を実行させたりするためのプロセスデータを設定する。
たとえば、演出制御用CPU120は、保留記憶数指定コマンドに基づき第1保留記憶数を特定することで、第1保留記憶表示エリア075F005Dの表示を更新したり、特図1記憶表示部075F051の点灯態様を更新したりする。また、演出制御用CPU120は、背景指定コマンドに基づき制御中の遊技状態を特定することで、当該遊技状態に対応する背景画像などを表示するように画像表示装置5を制御する。また、演出制御用CPU120は、図柄変動指定コマンドに基づき特別図柄の変動が開始することを特定し、演出の開始タイミングを設定する。また、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドに基づき大当りの有無および大当りの種別を特定し、それに応じた飾り図柄を決定する。さらに、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに基づき、飾り図柄の可変表示の実行時間、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無など)、および飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類など)を設定する。
その後、特別図柄の変動がt2で停止するときに、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、図柄確定指定コマンド(8F00)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。
特別図柄の変動停止の結果、大当りが発生すると、その後のt3において、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)および右打ち表示点灯コマンド(FD系コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出を実行するためのプロセスデータを設定するとともに、第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055におけるLEDなどの点灯手段を点灯させる。たとえば、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出として、大当りとなったことを祝福する画像を画像表示装置5に表示させたり、大当りとなったことを祝福する音をスピーカ8L,8Rから出力させたりするためのプロセスデータを設定する。また、演出制御用CPU120は、右打ち促進演出として、右打ちを促す画像を画像表示装置5に表示させたり、右打ちを促す音をスピーカ8L,8Rから出力させたりする。
図40-20に示すように、その後、t4で大当りラウンドが開始すると、CPU103は、通常大入賞口を開放させるとともに、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A101コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、1R目におけるラウンド中演出を実行するためのプロセスデータを設定する。
その後、t5で1R目が終了すると、CPU103は、通常大入賞口を閉鎖させるとともに、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放後指定コマンド(A201コマンド)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。
その後、t6で2R目が開始すると、CPU103は、通常大入賞口を開放させるとともに、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、2R目におけるラウンド中演出を実行するためのプロセスデータを設定する。たとえば、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)に基づいて、V確変示唆演出(図40-41参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。
その後、t7で2R目が終了すると、CPU103は、通常大入賞口を閉鎖させるとともに、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放後指定コマンド(A202コマンド)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。
その後、t8で3R目が開始すると、CPU103は、通常大入賞口を開放させるとともに、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、3R目におけるラウンド中演出を実行するためのプロセスデータを設定する。たとえば、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)に基づいて、V予告演出(図40-42参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。
その後、t9で3R目が終了すると、CPU103は、通常大入賞口を閉鎖させるとともに、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放後指定コマンド(A203コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、3R目後から4R目に至るまでのラウンド間におけるラウンド間演出を実行するためのプロセスデータを設定する。たとえば、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンド(A203コマンド)に基づいて、Vを狙え演出(図40-43参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。
図40-21に示すように、その後、t10で4R目が開始すると、CPU103は、通常大入賞口を開放させるとともに、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、4R目におけるラウンド中演出を実行するためのプロセスデータを設定する。たとえば、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)に基づいて、V予告演出(図40-42参照)を実行した後、Vを狙え演出(図40-43参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。
その後、t11でV入賞が発生すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、確変判定装置通過指定コマンド(AD00コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、V入賞演出(図40-44参照)を実行するためのプロセスデータを設定する。
その後、t12で4R目が終了すると、CPU103は、通常大入賞口を閉鎖させるとともに、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放後指定コマンド(A204コマンド)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。
その後、t13で5R目が開始すると、CPU103は、通常大入賞口を開放させるとともに、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A105コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、5R目におけるラウンド中演出を実行するためのプロセスデータを設定する。
その後、t14で5R目が終了すると、CPU103は、通常大入賞口を閉鎖させるとともに、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放後指定コマンド(A205コマンド)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。
その後、t15において、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大当り終了指定コマンド(A3系コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、エンディング演出を実行するためのプロセスデータを設定する。
その後、確変状態かつ時短状態(高確高ベース状態)に制御されるが、当該状態において、CPU103は、保留記憶数が0を超えているか否かに応じて、演出制御コマンドを変更する。
たとえば、t16において、CPU103は、保留記憶数が0を超えている場合、演出制御用CPU120に対して、保留記憶数指定コマンド(C2系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、第2特別図柄の変動に対応させて飾り図柄を変動表示させたり、第2特別図柄の変動に合わせて変動中演出(たとえば、リーチ演出や予告演出など)を実行させたりするためのプロセスデータを設定する。
一方、CPU103は、保留記憶数が0を超えていない場合、演出制御用CPU120に対して、背景指定コマンド(95系コマンド)および客待ちデモ指定コマンド(9F系コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、遊技が行われていないことを特定可能な客待ちデモンストレーション演出(図40-60参照)を行う。たとえば、演出制御用CPU120は、飾り図柄や小図柄として初期値(たとえば、123)の画像を画像表示装置5に表示させたり、スピーカ8L,8Rからの音の出力を停止したりする。なお、客待ちデモンストレーション演出は、図40-60に示すような態様に限らず、キャラクタ画像やパチンコ遊技機1のメーカのロゴが表示されるようなものなど、遊技が行われていないことを遊技者が特定可能な演出であればいずれのものであってもよい。
[ランプの点灯態様]
図40-22は、ランプの点灯態様を示す説明図である。本実施の形態においては、遊技効果ランプ9(可動体ランプ9d、アタッカランプ9c、アタッカ上ランプ075F009U、左下ランプ075F009D、盤右ランプ075F009F、盤左ランプ075F009E、枠右ランプ075F009R、枠左ランプ075F009L)、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030、および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055の各々が消灯している様子を、図40-22(A)に示すような黒塗りの態様で表す。
また、本実施の形態においては、遊技効果ランプ9(可動体ランプ9d、アタッカランプ9c、アタッカ上ランプ075F009U、左下ランプ075F009D、盤右ランプ075F009F、盤左ランプ075F009E、枠右ランプ075F009R、枠左ランプ075F009L)、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030、および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055の各々が点灯している様子を、図40-22(B)に示すような白塗りの態様で表す。
さらに、本実施の形態においては、遊技効果ランプ9(可動体ランプ9d、アタッカランプ9c、アタッカ上ランプ075F009U、左下ランプ075F009D、盤右ランプ075F009F、盤左ランプ075F009E、枠右ランプ075F009R、枠左ランプ075F009L)、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030、および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055の各々が演出や画像表示装置5に表示された背景に応じた態様で点灯/点滅/消灯している様子を、図40-22(C)に示すようなハッチングの態様で表す。
[パチンコ遊技機1の演出態様]
次に、遊技中におけるパチンコ遊技機1の演出態様について説明する。図40-23~図40-33、および図40-38~図40-50は、遊技中におけるパチンコ遊技機1の演出態様を示す説明図である。
図40-23(a)に示すように、前回ゲームの特別図柄の変動によってハズレ図柄が停止すると、遊技効果ランプ9がハズレ図柄の停止に応じた態様で点灯する。その後、第1保留記憶数がある場合、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、保留記憶数指定コマンド(C1系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、第1特別図柄の変動に対応させて飾り図柄を変動表示させたり、第1特別図柄の変動に合わせて変動中演出(たとえば、リーチ演出や予告演出など)を実行させたりする。なお、演出制御用CPU120は、図40-23(b1)~図40-24(b3)の各演出のデータを、保留記憶数指定コマンド(C1系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-23(b1)~図40-24(b3)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-23(b1)に示すように、第1特別図柄の変動に対応する態様で遊技効果ランプ9が点灯する。また、図40-23(b2)に示すように、大当り変動である場合、画像表示装置5においてリーチ演出に対応する画像が表示されるとともに、スピーカ8L,8Rからリーチ演出に対応する音が出力し、遊技効果ランプ9が、リーチ演出に応じた態様で点灯する。
その後、特別図柄の変動が停止するときに、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、図柄確定指定コマンド(8F00)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。
図40-24(b3)に示すように、特別図柄の変動停止の結果、大当りが発生すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)および右打ち表示点灯コマンド(FD系コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、ファンファーレ演出を実行するとともに、第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055におけるLEDなどの点灯手段を点灯させる。なお、演出制御用CPU120は、図40-24(c1)~図40-38(d2)の各演出のデータを、大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)および右打ち表示点灯コマンド(FD系コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-24(c1)~図40-38(d2)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
ここで、ファンファーレ演出について詳細に説明する。ファンファーレ演出は、複数の演出パートに分かれている。本実施の形態においては、ファンファーレ演出は、祝福パートと、名称表示パートと、右打ち促進パートとを含む。祝福パートは、大当りとなったことを祝福する演出が実行される演出パートであり、図40-24(c1)で後述するように、大当りとなったことを祝福する画像が画像表示装置5に表示されたり、大当りとなったことを祝福する音がスピーカ8L,8Rから出力されたり、大当りとなったことを祝福する点灯態様となるように遊技効果ランプ9の点灯態様が変化したりする。名称表示パートは、発生した大当り遊技状態の名称を報知することで、大当りラウンドが開始することを遊技者に知らせるとともに、発生した大当り遊技状態の種類を遊技者に知らせる演出パートであり、図40-24(c2),(c3)で後述するように、大当り遊技状態の名称を示す名称画像が画像表示装置5に表示されたり、大当りの開始に対応する音がスピーカ8L,8Rから出力されたり、大当りの開始に対応する点灯態様となるように遊技効果ランプ9の点灯態様が変化したりする。右打ち促進パートは、右打ちすることを遊技者に促す演出パートであり、図40-24(c4)~図40-33(c29)で後述するように、文字および図形の画像表示を用いて遊技者に右打ちすることを促す大右打ち促進演出が実行される。演出制御用CPU120は、大当り図柄が停止して図柄が確定した後に図柄確定指定コマンド(8F00)をCPU103から受信し、その後、大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)をCPU103から受信したことに基づいて、ファンファーレ演出を開始し、通常大入賞口が開放して大当りラウンドが開始するまで、ファンファーレを実行する。
図40-24(c1)に示すように、ファンファーレ演出における祝福パートとして、大当りとなったことを祝福する画像(この例ではキャラクタ画像とともに「おめでとー!!」の文字画像)が画像表示装置5に表示されたり、大当りとなったことを祝福する音がスピーカ8L,8Rから出力されたり、大当りとなったことを祝福する点灯態様となるように遊技効果ランプ9の点灯態様が変化したりする。また、右打ち促進演出として、図形(この例では右方向を示す矢印)および文字(この例では「右打ち」の文字)からなる画像を画像表示装置5の右上に小さく表示させる小右打ち促進演出が実行される。画像表示装置5は、複数の層を有しており、各々の層において所定の画像を表示させることができる。図40-24(c1)に示すように、小右打ち促進演出における図形および文字からなる画像は、大当りとなったことを祝福する画像(この例ではキャラクタ画像とともに「おめでとー!!」の文字画像)よりも前面側(パチンコ遊技機1側から見て遊技者の方向)の層に表示される。また、ファンファーレ演出においては、右打ちを促す音がスピーカ8L,8Rから出力されたり、さらに、右打ち促進演出として、右打ち表示部075F030および右打ち表示部075F055の点灯態様が右打ちを促す態様(この例では点灯)に変化したりする。なお、上述した画像表示や点灯などの開始順は以下となる。まず、CPU103は、図柄確定後に、大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)および右打ち表示点灯コマンド(FD系コマンド)を送信するとともに、右打ち表示部075F030を点灯させる。演出制御用CPU120は、受信した右打ち表示点灯コマンド(FD系コマンド)に基づき右打ち表示部075F055を点灯する一方で、受信した大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき、小右打ち促進演出における図形および文字からなる画像、および大当りとなったことを祝福する画像を画像表示装置5に表示させる。このとき、より前面側に位置する小右打ち促進演出における図形および文字からなる画像は、大当りとなったことを祝福する画像よりも早いタイミングで画像表示装置5に表示される。つまり、まず、右打ち表示部075F030、右打ち表示部075F055の順番でランプが点灯し、その後、小右打ち促進演出における図形および文字からなる画像、大当りとなったことを祝福する画像の順番で画像が表示される。また、小右打ち促進演出における図形および文字からなる画像の表示と、右打ち表示部075F030および右打ち表示部075F055における点灯は、通常状態に戻る前の高ベース状態において最終変動によって図柄が確定するまで行われる。その際、まず、CPU103は、図柄確定後に、背景指定コマンドとともに右打ち表示消灯指定コマンドを送信するとともに、右打ち表示部075F030を消灯させる。演出制御用CPU120は、受信した右打ち表示消灯指定コマンドに基づき右打ち表示部075F055を消灯する一方で、受信した背景指定コマンドに基づき、小右打ち促進演出における図形および文字からなる画像の表示を終了するとともに通常状態の背景画像を画像表示装置5に表示させる。なお、小右打ち促進演出における図形および文字からなる画像と、右打ち表示部075F030および右打ち表示部075F055による点灯とは、同じタイミングで開始し、同じタイミングで終了してもよい。このようにすれば、小右打ち促進演出における図形および文字からなる画像の表示期間と、右打ち表示部075F030および右打ち表示部075F055による点灯期間とが一致するため、右打ちする期間を遊技者がより分かり易くなる。
図40-24(c2)に示すように、ファンファーレ演出における名称表示パートとして、発生した大当り遊技状態の名称を示す名称画像の一部(この例では「CHANCE BONUS!!」の文字画像のうちの「CHANCE」)が画像表示装置5の中央に表示されたり、大当りの開始に対応する音がスピーカ8L,8Rから出力されたり、大当りの開始に対応する点灯態様となるように遊技効果ランプ9の点灯態様が変化したりする。
図40-25(c3)に示すように、ファンファーレ演出における名称表示パートとして、図40-24(c2)に続いて、発生した大当り遊技状態の名称を示す名称画像の残りの部分(この例では「CHANCE BONUS!!」の文字画像のうちの「BONUS!!」)が新たに追加されて画像表示装置5の中央に表示される。これにより、発生した大当り遊技状態の名称を示す名称画像として、「CHANCE BONUS!!」」の文字画像が画像表示装置5の中央に表示される。また、次のタイミングから始まるファンファーレ演出における右打ち促進パートで実行される大右打ち促進演出に控えて、一旦、遊技効果ランプ9が消灯する。その後、図40-24(c4)~図40-33(c29)に亘って、右打ち促進演出として、図形(この例では右方向を示す矢印)および文字(この例では「右打ち」の文字)からなる画像を画像表示装置5の中央に大きく表示させる大右打ち促進演出が実行される。
ここで、演出制御用CPU120は、図40-34~図40-37に示す点灯データテーブルに格納された点灯データに基づき、ファンファーレ演出および大右打ち促進演出において遊技効果ランプ9を制御する。これら点灯データテーブルは、ROM121に格納されている。たとえば、演出制御用CPU120は、点灯データテーブルに格納された点灯データに基づき、右打ちすることを枠ランプの発光箇所を移動させることで遊技者に促す案内発光を行う。本実施の形態において、発光箇所とは、文字通り発光している箇所を指し、たとえば、枠ランプに含まれる複数のランプのうち、点灯しているランプが位置する箇所を発光箇所と言い、その他の点灯していないランプ(つまり、消灯しているランプ)が位置する箇所を発光箇所とは言わない。なお、他の例において、発光箇所とは、高い輝度で発光している箇所を指し、たとえば、枠ランプに含まれる複数のランプのうち、高い輝度で点灯しているランプが位置する箇所を発光箇所と言い、当該発光箇所に位置するランプの輝度よりも低い輝度で点灯しているランプが位置する箇所を発光箇所とは言わないものであってもよい。以下、演出制御用CPU120による各種ランプの点灯制御(発光制御)について具体的に説明する。
図40-34は、点灯データテーブルにおける親テーブルの一例を示す説明図である。図40-34に示すように、点灯データテーブルにおける親テーブルでは、枠ランプ(枠右ランプ075F009R、枠左ランプ075F009L)、可動体ランプ9d、左下ランプ075F009D、アタッカ上ランプ075F009U、盤左ランプ075F009E、盤右ランプ075F009F、およびアタッカランプ9cといった、遊技効果ランプ9に含まれる各ランプについて、ファンファーレ演出および大右打ち促進演出の各々の演出時間が規定されている。たとえば、遊技効果ランプ9における各ランプは、ファンファーレ演出を9880msecに亘って実行した後、大右打ち促進演出を2000msecに亘って実行するようになっている。なお、大右打ち促進演出は複数回(本実施の形態においては、2回)繰り返されるように構成されているため、遊技効果ランプ9は、2000msecの大右打ち促進演出を2回繰り返すことになる。
図40-35は、点灯データテーブルにおける子テーブルの一例を示す説明図である。図40-35に示すように、点灯データテーブルにおける子テーブルでは、遊技効果ランプ9における各ランプについて、ファンファーレ演出および大右打ち促進演出の各々の時間を細分化するとともに、各時間帯で参照される孫テーブルが指定されている。
ここで、大右打ち促進演出について、枠右ランプ075F009Rおよび枠左ランプ075F009Lは互いに共通の孫テーブルW11が指定されている。また、左下ランプ075F009D、アタッカ上ランプ075F009U、および盤左ランプ075F009Eは、大右打ち促進演出において用いられずに消灯するため、孫テーブルが設けられていない。このため、ROM121において使用される点灯データの容量を極力削減することができる。アタッカランプ9cについては、大右打ち促進演出の実行時間である2000msecをさらに複数期間に細分化して、複数の孫テーブルが指定されている。たとえば、330msecに対しては孫テーブルA11aが指定され、1350msecに対しては孫テーブルA11bが指定され、320msecに対しては孫テーブルA11cが指定されている。
図40-36および図40-37は、点灯データテーブルにおける孫テーブルの一例を示す説明図である。図40-36には、枠右ランプ075F009Rおよび枠左ランプ075F009L用の孫テーブルW11におけるデータが示されている。図40-36に示すように、枠右ランプ用の孫テーブルW11においては、30msec間隔でT1~T56に亘ってRGBのデータが規定され、さらに最後の時間である1000msec(T57)では全てのランプに消灯(0x000000)のデータが規定されている。なお、孫テーブルでは、枠右ランプ075F009Rおよび枠左ランプ075F009Lの各々について、図40-2で示したような第1~第11ランプのデータが規定されている。また、図40-36においては、枠ランプに含まれる各ランプについて、点灯期間を分かり易く示すために、点灯を開始するタイミングにおけるデータ(F00)、および点灯を終了するタイミングにおけるデータ(000)に対して破線の丸印が付されている。
孫テーブルW11におけるデータを参照すると、最初にT1で枠左ランプ075F009Lの第4ランプが点灯し、次にT2で枠左ランプ075F009Lの第3ランプが点灯し、次にT3で枠左ランプ075F009Lの第2ランプが点灯し、次にT4で枠左ランプ075F009Lの第1ランプが点灯し、次にT5で枠右ランプ075F009Rの第2ランプが点灯し、次にT6で枠右ランプ075F009Rの第3ランプが点灯し、次にT7で枠右ランプ075F009Rの第4ランプが点灯し、次にT8で枠右ランプ075F009Rの第5ランプが点灯し、次にT9で枠右ランプ075F009Rの第6ランプが点灯し、次にT10で枠右ランプ075F009Rの第7ランプが点灯し、次にT11で枠右ランプ075F009Rの第8ランプが点灯する。点灯を開始した後、各ランプは、七色となるように色変化させながら点灯し続ける。その後、最初にT46で枠左ランプ075F009Lの第4ランプが消灯し、次にT47で枠左ランプ075F009Lの第3ランプが消灯し、次にT48で枠左ランプ075F009Lの第2ランプが消灯し、次にT49で枠左ランプ075F009Lの第1ランプが消灯し、次にT50で枠右ランプ075F009Rの第2ランプが消灯し、次にT51で枠右ランプ075F009Rの第3ランプが消灯し、次にT52で枠右ランプ075F009Rの第4ランプが消灯し、次にT53で枠右ランプ075F009Rの第5ランプが消灯し、次にT54で枠右ランプ075F009Rの第6ランプが消灯し、次にT55で枠右ランプ075F009Rの第7ランプが消灯し、次にT56で枠右ランプ075F009Rの第8ランプが消灯する。その後、各ランプは、1回の大右打ち促進演出における2000msecが経過するまで消灯する。なお、T56で全てのランプが消灯した後、1回の大右打ち促進演出における2000msecが経過するまでの残り時間は320msecほどである。すなわち、点灯に使った時間が30msec×56=1680msecであるため、残りは320msecほどしか残っていないが、その残り時間を確実に消灯させるために、最後の消灯時間は残り時間よりも多い1000msec(T57)となっている。なお、枠左ランプ075F009Lの第1、第5~第11ランプ、および枠右ランプ075F009Rの第1、第9~第11ランプは全時間において消灯する。
上述したようなデータが格納された、孫テーブルW11を用いれば、図40-25(c4)~図40-32(c24)に示すように、枠左ランプ075F009Lの第4ランプの点灯から始まって、枠右ランプ075F009Rの第8ランプまで、左側から右側に向かってアーチを描くように枠ランプが七色に点灯するようになる。このような枠ランプによる大右打ち促進演出が2回に亘って行われる。
図40-37には、可動体ランプ9d用の孫テーブルK11およびアタッカランプ9c用の孫テーブルA11a~A11cにおけるデータが示されている。図40-37に示すように、可動体ランプ9d用の孫テーブルK11においては、30msec間隔でT1~T56に亘ってRGBのデータが規定され、さらに最後の時間である1000msec(T57)では全てのランプに消灯(0x000000)のデータが規定されている。なお、孫テーブルK11では、可動体ランプ9dについて、可動体32に付された文字「XXX」のうち、左のX(左X)、中のX(中X)、右のX(右X)の各々について、データが規定されている。また、図40-37においては、可動体ランプ9dに含まれる各ランプについて、点灯期間を分かり易く示すために、点灯を開始するタイミングにおけるデータ(F00)、および点灯を終了するタイミングにおけるデータ(000)に対して破線の丸印が付されている。
孫テーブルK11におけるデータを参照すると、最初にT3で可動体ランプ9dの左Xのランプが点灯し、次にT4で可動体ランプ9dの中Xのランプが点灯し、次にT5で可動体ランプ9dの右Xのランプが点灯する。点灯を開始した後、各ランプは、七色となるように色変化させながら点灯し続ける。その後、最初にT48で可動体ランプ9dの左Xのランプが消灯し、次にT49で可動体ランプ9dの中Xのランプが消灯し、次にT50で可動体ランプ9dの右Xのランプが消灯する。その後、各ランプは、1回の大右打ち促進演出における2000msecが経過するまで消灯する。なお、T50で全てのランプが消灯し、その後T56に至るまで消灯を継続した後、1回の大右打ち促進演出における2000msecが経過するまでの残り時間は320msecほどである。すなわち、点灯などに使った時間が30msec×56=1680msecであるため、残りは320msecほどしか残っていないが、その残り時間を確実に消灯させるために、最後の消灯時間は残り時間よりも多い1000msec(T57)となっている。また、枠ランプの孫テーブルW11と比較すると、可動体ランプ9dは、枠ランプよりも遅れて点灯し始め(つまり、最初のT1およびT2は消灯のまま)、枠ランプよりも早くに消灯する。
上述したようなデータが格納された、孫テーブルK11を用いれば、図40-25(c4)~図40-32(c24)に示すように、枠左ランプ075F009Lの第4ランプ、第3ランプが点灯している間は可動体ランプ9dが消灯し、その後、枠左ランプ075F009Lの第2ランプが点灯する同じタイミングで可動体ランプ9dの左Xが点灯し、その後、中Xおよび右Xのランプが点灯すると、その後は各ランプが七色で点灯し続け、枠左ランプ075F009Lの第2ランプが消灯する同じタイミングで可動体ランプ9dの左Xが消灯し、その後、中Xおよび右Xのランプが消灯する。これにより、左Xの点灯から始まって、中Xのランプ、および右Xのランプへと、左側から右側に向かってアーチを描くように可動体ランプ9dが七色に点灯するようになる。このような可動体ランプ9dによる大右打ち促進演出が2回に亘って行われる。
また、図40-37には、アタッカランプ9c用の孫テーブルA11a、A11b、A11cにおけるデータが示されている。図40-37に示すように、アタッカランプ9cの孫テーブルA11aにおいては、点灯対象となる330msecに対して600000msecという非常に長い時間に亘ってRGBのデータが規定されており、そのデータとしては消灯(0x000000)のデータが規定されている。
アタッカランプ9cの孫テーブルA11bにおいては、点灯対象となる1350msecに対して20msec間隔でRGBのデータが規定されている。ただし、アタッカランプ9cは、1350msecに亘って所定のパターン(たとえば、七色)の色の変化を繰り返すのみであるため、孫テーブルA11bでは、1回のパターンの色の変化についてのみ280nsec分だけ規定されている。つまり、演出制御用CPU120は、1350msecにおいて、孫テーブルA11bを1回参照するごとに280nsecに亘ってアタッカランプ9cを点灯させ、その後、1350msecが終了するまで、孫テーブルA11bを繰り返し参照して、所定のパターン(たとえば、七色)の色の変化を繰り返す。
アタッカランプ9cの孫テーブルA11cにおいては、点灯対象となる320msecに対して600000msecという非常に長い時間に亘ってRGBのデータが規定されており、そのデータとしては消灯(0x000000)のデータが規定されている。
演出制御用CPU120は、大右打ち促進演出が開始されると、最初の330msecに亘って孫テーブルA11aを参照することでアタッカランプ9cを消灯させ、その後、1350msecに亘って孫テーブルA11bを280nsec間隔で複数回参照することで所定のパターン(たとえば、七色)の色の変化をアタッカランプ9cに繰り返させ、その後、最後の320msecに亘って孫テーブルA11cを参照することでアタッカランプ9cを消灯させる。これにより、図40-25(c4)~図40-32(c24)に示すように、枠ランプが左側から右側に向かってアーチを描くように点灯し、やがて枠右ランプ075F009Rの第8ランプがアタッカ付近に到達した後、アタッカランプ9cが点灯し、その後、枠ランプが左側から右側に向かってアーチを描くように消灯し、やがて枠右ランプ075F009Rの第8ランプが消灯した後、アタッカランプ9cが消灯するようになる。このようなアタッカランプ9cによる大右打ち促進演出が2回に亘って行われる。
また、アタッカランプ9cの孫テーブルA11a、A11b、A11cのように、最初が消灯し、途中が所定のパターンの色を繰り返し、その後が消灯するような点灯パターンの場合、アタッカランプ9cの点灯を3段階に分けてシナリオ化するとともに、真ん中の所定のパターンの色の繰り返しについては同じ孫テーブルA11bを繰り返し参照させることで、2000msecの点灯について最初から最後まで全ての時間についてデータを用意する必要がなく、繰り返す部分のみのデータを用意すればよい。このため、ROM121において使用される点灯データの容量を極力削減することができる。
図40-25(c4)に戻り、ファンファーレ演出における右打ち促進パートで実行される大右打ち促進演出における演出態様について説明する。図40-25(c4)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像の先端が表示される。遊技効果ランプ9については、枠左ランプ075F009Lの第4ランプが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-25(c5)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像の先端がさらに表示される。遊技効果ランプ9については、枠左ランプ075F009Lの第3ランプが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-26(c6)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像の先端がさらに表示される。遊技効果ランプ9については、枠左ランプ075F009Lの第2ランプが点灯を開始する。さらに、枠ランプが可動体ランプ9dの付近に到達したため、可動体ランプ9dの左Xが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-26(c7)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像の先端がさらに表示される。遊技効果ランプ9については、枠左ランプ075F009Lの第1ランプが点灯を開始する。さらに、可動体ランプ9dの中Xが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-26(c8)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像の先端がさらに表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第2ランプが点灯を開始する。さらに、可動体ランプ9dの右Xが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-27(c9)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像がさらに表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第3ランプが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-27(c10)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像がさらに表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第4ランプが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-27(c11)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像がさらに表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第5ランプが点灯を開始する。さらに、枠ランプが盤右ランプ075F009Fの付近に到達したため、盤右ランプ075F009Fが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-28(c12)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像がさらに表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第6ランプが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-28(c13)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像がさらに表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第7ランプが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-28(c14)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像が表示され続ける。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第8ランプが点灯を開始する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-29(c15)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右」の文字画像が表示される。遊技効果ランプ9については、枠左ランプ075F009Lの第4ランプが消灯する。さらに、枠ランプがアタッカランプ9cの付近に到達したため、アタッカランプ9cが点灯を開始する。なお、アタッカランプ9cはそれ以降、点灯と消灯とを繰り返す(つまり、点滅する)。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-29(c16)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右」の文字画像が表示され続ける。遊技効果ランプ9については、枠左ランプ075F009Lの第3ランプが消灯する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-29(c17)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右打」の文字画像が表示される。遊技効果ランプ9については、枠左ランプ075F009Lの第2ランプが消灯する。さらに、可動体ランプ9dの左Xも消灯する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-30(c18)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右打」の文字画像が表示される。遊技効果ランプ9については、枠左ランプ075F009Lの第1ランプが消灯する。さらに、可動体ランプ9dの中Xも消灯する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-30(c19)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右打ち」の文字画像が表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第2ランプが消灯する。さらに、可動体ランプ9dの右Xも消灯する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-30(c20)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右打ち」の文字画像が表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第3ランプが消灯する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-31(c21)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右打ちだ」の文字画像が表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第4ランプが消灯する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-31(c22)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右打ちだ」の文字画像が表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第5ランプが消灯する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-31(c23)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右打ちだ!!」の文字画像が表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第6ランプが消灯する。さらに、盤右ランプ075F009Fが消灯する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-32(c24)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右打ちだ!!」の文字画像が表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第7ランプが消灯する。スピーカ8L,8Rからは、遊技効果ランプ9の点灯に合わせて、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力される。
図40-32(c25)に示すように、画像表示装置5においては右方向に向けられた矢印画像に重ねて「右打ちだ!!」の文字画像が表示される。遊技効果ランプ9については、枠右ランプ075F009Rの第8ランプが消灯する。さらに、点滅していたアタッカランプ9cも消灯する。スピーカ8L,8Rからも、音の出力が停止する。これにより、一連の1回目の大右打ち促進演出が終了する。
図40-32(c26)に示すように、2回目の大右打ち促進演出が開始する。このとき、遊技効果ランプ9については、枠左ランプ075F009Lの第4ランプのみが点灯を開始する。なお、2回目の大右打ち促進演出においては、スピーカ8L,8Rからは、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力されないようになっている。これにより、大右打ち促進演出が終了した後に大当りラウンド中に移行したときに、当該大当りラウンド中のBGM(大当りラウンドの背景に応じた音)と大右打ち促進演出における音とが重複しないようになっている。
図40-33(c27)~(c29)に示すように、2回目の大右打ち促進演出においては、1回目の大右打ち促進演出と同様の態様で遊技効果ランプ9が点灯/点滅/消灯し、その間、スピーカ8L,8Rからは、右打ち促進演出に応じた態様で音が出力されない。
このように、大右打ち促進演出は、小右打ち促進演出よりも大きな文字および図形の画像表示を用いており、小右打ち促進演出よりも強調する態様で右打ちを遊技者に促す演出である。このため、ファンファーレ演出中に大右打ち促進演出が実行されることで、遊技者に対して分かり易く右打ちを促すことができる。
また、1回目の大右打ち促進演出においてはスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に応じた態様で音(たとえば、キュイーンとう効果音)が出力されることで、遊技者に対して効果的に右打ちを促すことができる一方で、2回目の大右打ち促進演出においてはスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に応じた態様で音が出力されないことで、その後に開始する大当りラウンド中のBGMを阻害しないようにすることができる。
また、大右打ち促進演出では、矢印画像および文字画像が段階的に徐々に現れるように表示され、しかも遊技効果ランプ9によるランプの点灯や点滅などによって右打ちすることを効果的に促すものであり、その演出は図40-24(c2)で示した大当り遊技状態の名称画像を表示する演出よりも派手なものである。たとえば、大右打ち促進演出における文字画像は1文字ずつ現れるが、大当り遊技状態の名称画像における文字画像は全ての文字画像が一度に現れる。また、大右打ち促進演出における文字画像の大きさは大当り遊技状態の名称画像における文字画像は全ての文字画像よりも大きい。さらに、大右打ち促進演出の実行時間は、名称画像を表示する演出の実行時間よりも長くなっている。これにより、大当り遊技状態の名称画像が表示されて大当りとなったことを遊技者に報知した後、大右打ち促進演出によって右打ちすることをより強調して遊技者に報知することができる。
アタッカランプ9cは、実際に遊技者が遊技球を運ぶために、遊技球の発射時に狙う所であるため、七色などの派手で遊技者が認識し易い色で点灯するとともに、点滅することで、遊技者に狙う所により注目させることができる。なお、アタッカランプ9cは、点滅することなく、常に七色などの所定の色で点灯してもよい。
以下の例では、5R確変大当りが発生した場合のパチンコ遊技機1の演出態様を説明する。10R確変大当りについてはラウンド数が異なるが、その他の演出態様などは5R確変大当りと同じである。また、5通常大当りについては、V予告演出やV入賞演出が実行されない点で異なるが、その他の演出態様などは5R確変大当りと同じである。
図40-38(c26)に示すように、遊技効果ランプ9が消灯して大右打ち促進演出の2回目が終了すると、図40-38(c27)に示すように、大当りラウンドへの切替が開始する。具体的には、矢印画像および「右打ちだ!!」の文字画像がフェードアウトすることで段階的に視認性が低下する。遊技効果ランプ9はフェードアウトに応じた態様で点灯する。その後、図40-38(c28)に示すように、画像表示装置5の画面全体が真っ白になる。なお、画面の右上に表示されている小右打ち促進演出の画像はフェードアウトの影響を受けることなく表示が維持される。なお、前述したように大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づいては、この図40-38(c28)の段階までの一連の演出データが設定される。
ファンファーレ演出が終了すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A101コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、ファンファーレ演出からラウンド中演出へと切り替えて、1R目におけるラウンド中演出を実行する。なお、演出制御用CPU120は、図40-39(d3)~図40-40(e4)の各演出のデータを、大入賞口開放中指定コマンド(A101コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-39(d3)~図40-40(e4)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-39(d3)に示すように、画像表示装置5の画面全体が真っ白になった状態から大当りラウンド中の背景画像がフェードインによって現れる。遊技効果ランプ9はフェードインに応じた態様で点灯する。なお、画面の右上に表示されている小右打ち促進演出の画像はフェードインの影響を受けることなく表示が維持される。
ここで、「フェードイン」および「フェードアウト」について、具体的に説明する。フェードインおよびフェードアウトは、「トランジション」という画像表示における効果の一種である。「トランジション」とは、映像を編集する際に、第1カット(画像)から第2カット(画像)へと映像の場面が切り替わるときに、第1カットと第2カットとの間に挿入する切替効果のことである。フェードインやフェードアウトの他に、ワイプやオーバーラップなど、映像編集における種々の手法がトランジションに含まれる。
「フェードイン」とは、何らかのオブジェクト(背景やキャラクタなど)を示す画像が画面上に徐々に現れる効果である。具体的な手法として、フェードインでは、オブジェクト(画像)の透明度(透過率とも言える)を第1度合い(たとえば、100%や99%)から当該第1度合いよりも低い第2度合い(たとえば、0%や1%)へと、所定時間に亘って時間を掛けて変化させている。たとえば、所定時間が2秒であれば、0~1秒の間の1秒間を使って透明度(透過率)を100%(第1度合い)から50%へと徐々に低くなるように変化させ、その後の1~2秒の間の1秒間を使って透明度(透過率)を50%から0%(第2度合い)へと徐々に低くなるように変化させる。一方、100%(第1度合い)から0%(第2度合い)へと透明度(透過率)を一気に切り替えてオブジェクト(画像)を不透明に変化させる手法のように、所定時間を掛けて透明度(透過率)を徐々に低く変化させないものはフェードインではない。なお、透明度(透過率)ではなく不透明度(不透過率とも言える)を変化させる場合には、上述した%の値が逆になる。すなわち、フェードインでは、オブジェクト(画像)の不透明度(不透過率)を第2度合い(たとえば、0%や1%)から当該第2度合いよりも高い第1度合い(たとえば、100%や99%)へと、所定時間に亘って時間を掛けて変化させることになる。
「フェードアウト」とは、何らかのオブジェクト(背景やキャラクタなど)を示す画像が画面上から徐々に消える効果である。具体的な手法として、フェードアウトでは、オブジェクト(画像)の透明度(透過率)を第2度合い(たとえば、0%や1%)から当該第1度合いよりも高い第1度合い(たとえば、100%や99%)へと、所定時間に亘って時間を掛けて変化させている。たとえば、所定時間が2秒であれば、0~1秒の間の1秒間を使って透明度(透過率)を0%(第2度合い)から50%へと徐々に高くなるように変化させ、その後の1~2秒の間の1秒間を使って透明度(透過率)を50%から100%(第1度合い)へと徐々に高くなるように変化させる。一方、0%(第2度合い)から100%(第1度合い)へと透明度(透過率)を一気に切り替えてオブジェクト(画像)を透明に変化させる手法のように、所定時間を掛けて透明度(透過率)を徐々に高く変化させないものはフェードアウトではない。なお、透明度(透過率)ではなく不透明度(不透過率)を変化させる場合には、フェードアウトでは、オブジェクト(画像)の不透明度(不透過率)を第1度合い(たとえば、100%や99%)から当該第1度合いよりも低い第2度合い(たとえば、0%や1%)へと、所定時間に亘って時間を掛けて変化させることになる。
たとえば、本実施の形態においては、図40-38(c26),(d1)に示すように、矢印画像および「右打ちだ!!」の文字画像を示す画面の第1層目の透明度(透過率)が0%である状態において、当該画面の第1層目の透明度(透過率)を100%へと徐々に高くなるようにすることで、矢印画像および「右打ちだ!!」の文字画像を段階的に透明にして視認困難な状態にさせる(フェードアウト)。これによって、図40-38(d2)に示すように、画面の第1層目よりも奥側に位置する画面の第2層目における白色の画像のみを遊技者に見せる。その後、図40-38(d3)に示すように、画面の第1層目の透明度(透過率)が100%である状態において、当該画面の第1層目の透明度(透過率)を0%へと徐々に低くなるようにすることで、大当りラウンド中の背景画像を段階的に不透明にして視認容易な状態にさせる(フェードイン)。これによって、画面の第2層目よりも手前に位置する第1層目における大当りラウンド中の背景画像を遊技者に見せる。
なお、トランジションとしては、「クロスフェード」という手法もある。クロスフェードは、たとえば、何らかのオブジェクトを示す画面の第1層目をフェードアウトさせる一方で、当該第1層目よりも奥側に位置する何らかのオブジェクトを示す画面の第2層目をフェードインさせることで、見た目としては画面の第1層目を見せた後に画面の第2層目を見せる手法である。一方、本実施の形態の場合、上述したように、画面の第1層目をフェードアウトし、その後フェードインすることで、奥側に位置する画面の第2層目で常に表示された白色の画像を、ED第1期間における画像からED第2期間における画像への切替途中で一旦見せるものであるため、クロスフェードのような手法とは異なる。
本実施の形態においては、上述したようなトランジションなどの背景画像の切替表示が実行されたとしても、画面の右上に表示されている小右打ち促進演出の画像は背景画像の切替表示による影響を受けることなく表示が維持される。ここで、「背景画像の切替表示による影響を受ける」とは、フェードインやフェードアウトなどの背景画像の切替表示によって、遊技者が小右打ち促進演出の画像を完全に見えなかったり、遊技者が小右打ち促進演出の画像を少しは見えるがその画像が示す意味(右打ち促進)を理解できなかったりといったように、小右打ち促進演出の画像に対する遊技者の視認性が阻害されたり低下したりするなど、遊技者の視認性が何らかの影響を与えられることを意味する。反対に、上述したような現象が起こることなく、小右打ち促進演出の画像に対する遊技者の視認性が阻害されたり低下したりしていない状況は、小右打ち促進演出の画像が背景画像の切替表示による影響を受けていないと言える。
図40-39(d4)に示すように、大当りラウンド中の背景画像がフェードインによって現れた後、図40-39(e1)に示すように、1Rが開始すると、通常大入賞口が開放し、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像が表示される。なお、画像表示装置5の画面左下には、大当りラウンド中に得られる賞球の数に対応するポイント画像が表示される。さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出に応じた態様で点灯する。また、スピーカ8L,8Rからはラウンド中演出に応じた態様でBGM(大当りラウンドの背景に応じた音)の出力が開始する。なお、前述したように、このBGMが出力される時点においては既に大右打ち促進演出に応じた音の出力は終了している。
図40-40(e2)に示すように、1R中においては、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像が表示され、さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。
図40-40(e3)に示すように、1R目が終了すると、通常大入賞口が閉鎖し、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放後指定コマンド(A201コマンド)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。
図40-40(e4)に示すように、ラウンド間においては、通常大入賞口が閉鎖したままとなり、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像が表示され、さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。
ラウンド間が終了すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、2R目におけるラウンド中演出を実行する。なお、演出制御用CPU120は、図40-41(e5)~図40-42(e8)の各演出のデータを、大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-41(e5)~図40-42(e8)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-41(e5)に示すように、2R目が開始すると、通常大入賞口が開放し、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像が表示され、さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出に応じた態様で点灯する。
図40-41(e6)に示すように、2R中においては、V確変示唆演出が実行される。具体的には、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像に重なるようにして、プッシュボタン31Bの操作を促す画像とともに「PUSH!!」の文字画像が表示される。なお、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出(V確変示唆演出など)に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもラウンド中演出(V確変示唆演出など)に応じた態様で音が出力される。
図40-41(e7)に示すように、V確変示唆演出において、遊技者がプッシュボタン31Bを操作すると、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像に重なるようにしてV確変大当りであることを報知する演出として「成功!!」の文字画像が表示される。なお、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出(V確変示唆演出など)に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもラウンド中演出(V確変示唆演出など)に応じた態様で音が出力される。
図40-42(e8)に示すように、2R目が終了すると、通常大入賞口が閉鎖し、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放後指定コマンド(A202コマンド)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。
図40-42(e9)に示すように、ラウンド間においては、通常大入賞口が閉鎖したままとなり、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像に重なるようにして、「成功!!」の文字画像が表示され、さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。
ラウンド間が終了すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、3R目におけるラウンド中演出を実行する。なお、演出制御用CPU120は、図40-42(e10)~図40-43(e12)の各演出のデータを、大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-42(e10)~図40-43(e12)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-42(e10)に示すように、3R目が開始すると、通常大入賞口が開放し、V予告演出が実行される。具体的には、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像に重なるようにして、キャラクタ画像とともに「次のラウンドでVを掴め!!」の文字画像が表示される。なお、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出(V予告演出など)に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもラウンド中演出(V予告演出など)に応じた態様で音が出力される。
図40-43(e11)に示すように、3R中においては、V予告演出が引き続き実行され、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像に重なるようにして、キャラクタ画像とともに「次のラウンドでVを掴め!!」の文字画像が表示され、さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出(V予告演出など)に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもラウンド中演出(V予告演出など)に応じた態様で音が出力される。
図40-43(e12)に示すように、3R目が終了すると、通常大入賞口が閉鎖し、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放後指定コマンド(A203コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、3R目後から4R目に至るまでのラウンド間においてVを狙え演出を実行する。
図40-43(e13)に示すように、ラウンド間においては、大入賞口が閉鎖したまま、すなわち遊技球が大入賞口に進入不可能な状態で、Vを狙え演出が実行される。具体的には、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像に重なるようにして、右打ちによって遊技者に狙わせる対象(場所)であるV可変入賞球装置075F007B(V大入賞口)を指す矢印画像と「狙え」の文字画像とが表示される。このように、Vを狙え演出によれば、V大入賞口に関する画像表示を用いて、遊技者にV大入賞口へ遊技球を進入させるように右打ちを促すことができる。遊技効果ランプ9はラウンド中演出(Vを狙え演出など)に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもラウンド中演出(Vを狙え演出など)に応じた態様で音が出力される。
ラウンド間が終了すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU104からのコマンドに基づき、4R目におけるラウンド中演出を実行する。なお、演出制御用CPU120は、図40-44(e14),(e15)の各演出のデータを、大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-44(e14)~図40-44(e15)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-44(e14)に示すように、4R目が開始すると、V大入賞口が開放し、引き続きVを狙え演出が実行される。これにより、遊技者が右打ちをすることでV大入賞口を狙うようになる。遊技効果ランプ9はラウンド中演出(Vを狙え演出など)に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもラウンド中演出(Vを狙え演出など)に応じた態様で音が出力される。
図40-44(e15)に示すように、4R中においては、Vを狙え演出が実行されるとともに、さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出(Vを狙え演出など)に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもラウンド中演出(Vを狙え演出など)に応じた態様で音が出力される。
V大入賞口に遊技球が進入してV入賞が発生すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、確変判定装置通過指定コマンド(AD00コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、V入賞演出を実行する。なお、演出制御用CPU120は、図40-44(e16)~図40-45(e18)の各演出のデータを、確変判定装置通過指定コマンド(AD00コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-44(e16)~図40-45(e18)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-44(e16)に示すように、V入賞演出が実行すると、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像に重なるようにして、V入賞が発生したことを示す「V」の画像が表示され、さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出(V入賞演出など)に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもラウンド中演出(V入賞演出など)に応じた態様で音が出力される。
図40-45(e17)に示すように、4R目が終了すると、V大入賞口が閉鎖し、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放後指定コマンド(A204コマンド)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。
図40-45(e18)に示すように、ラウンド間においては、V大入賞口および通常大入賞口が閉鎖したままとなり、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像に重なるようにして、「V」の文字画像が表示され、さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。
ラウンド間が終了すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A105コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、5R目におけるラウンド中演出を実行する。なお、演出制御用CPU120は、図40-45(e19)~図40-46(e21)の各演出のデータを、大入賞口開放中指定コマンド(A105コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-45(e19)~図40-46(e21)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-45(e19)に示すように、5R目が開始すると、通常大入賞口が開放し、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像が表示され、さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出に応じた態様で点灯する。
図40-46(e20)に示すように、5R中においては、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出が実行され、さらに、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもラウンド中演出に応じた態様で音が出力される。
図40-46(e21)に示すように、5R目が終了すると、通常大入賞口が閉鎖し、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放後指定コマンド(A205コマンド)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。さらに、それ以降の所定タイミングにおいて、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大当り終了指定コマンド(A3系コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、エンディング演出を実行する。なお、演出制御用CPU120は、図40-46(f1)~図40-47(f4)の各演出のデータを、大当り終了指定コマンド(A3系コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-46(f1)~図40-47(f4)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-46(f1)に示すように、エンディング演出が開始すると、画像表示装置5の画面中央に大当り遊技状態後の確変状態におけるステージを選択させる画像が表示される。さらに、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はエンディング演出に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもエンディング演出に応じた態様で音が出力される。
図40-47(f2)に示すように、エンディング演出中においては、キャラクタ画像とともに確変状態の名称を示す名称画像(この例では「夢夢RUSH!!」の文字画像)が画像表示装置5の中央に表示される。さらに、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はエンディング演出に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもエンディング演出に応じた態様で音が出力される。
図40-47(f3)に示すように、エンディング演出中においては、のめり込み抑制報知演出が実行される。具体的には、「のめり込みに注意しましょう。パチンコは適度に楽しむ遊びです。」といった遊技者による遊技に対するのめり込みを防止するための画像が画像表示装置5の中央に表示される。さらに、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はエンディング演出に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもエンディング演出に応じた態様で音が出力される。なお、連チャン当り時においては、エンディング演出中に、たとえば、画面の下方において、大当り遊技状態における遊技の結果(たとえば、賞球数など)を示す遊技結果画像が表示されるが、初当り時においても、エンディング演出中に、このような遊技結果画像が表示されてもよい。
図40-47(f4)に示すように、プリペイドカードや会員カードなど、遊技に関する遊技者所有のカードの取り忘れを防止するための取り忘れ防止画像が画像表示装置5の中央に表示される。さらに、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はエンディング演出に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもエンディング演出に応じた態様で音が出力される。
エンディング演出が終了した後、第2保留記憶数がある場合、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、保留記憶数指定コマンド(C2系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、第2特別図柄の変動に対応させて飾り図柄を変動表示させたり、第2特別図柄の変動に合わせて変動中演出(たとえば、リーチ演出や予告演出など)を実行させたりする。なお、演出制御用CPU120は、図40-48(g1),(g2)の各演出のデータを、保留記憶数指定コマンド(C2系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-48(g1),(g2)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-48(g1)に示すように、第2特別図柄の変動中においても、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9は特別図柄の変動開始に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからも特別図柄の変動開始に応じた態様で音が出力される。
図40-48(g2)に示すように、第2特別図柄の変動が停止してハズレ図柄が表示される。このときも、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はハズレ図柄停止に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからもハズレ図柄停止に応じた態様で音が出力される。
第2特別図柄の変動が停止した後、第2保留記憶数がある場合、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、保留記憶数指定コマンド(C2系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、第2特別図柄の変動に対応させて飾り図柄を変動表示させたり、第2特別図柄の変動に合わせて変動中演出(たとえば、リーチ演出や予告演出など)を実行させたりする。なお、演出制御用CPU120は、図40-48(g3)~図40-49(g5)の各演出のデータを、保留記憶数指定コマンド(C2系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-48(g3)~図40-49(g5)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-48(g3)に示すように、第2特別図柄の変動中においても、画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9は特別図柄の変動開始に応じた態様で点灯する。スピーカ8L,8Rからも特別図柄の変動開始に応じた態様で音が出力される。
図40-49(g4)に示すように、大当り変動である場合、画像表示装置5においてリーチ演出に対応する画像が表示されるとともに、スピーカ8L,8Rからリーチ演出に対応する音が出力し、遊技効果ランプ9が、リーチ演出に応じた態様で点灯する。画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。
図40-49(g5)に示すように、大当り変動中の予告演出として、群予告演出が実行される。群予告演出とは、画像表示装置5の画面上において、キャラクタなどのオブジェクトが段階的あるいは一度に出現することでリーチ図柄の視認性を困難な状態にした後、オブジェクトが消えることで特定の図柄揃い(たとえば、777など)を出現させるような演出である。このようなリーチ態様において図柄の視認性を困難にさせる予告演出が実行された場合でも、画面の右上においては、引き続き演出画像の表示による影響を受けることなく右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。ここで、「演出画像の表示による影響を受ける」とは、群予告などの演出画像の表示によって、遊技者が小右打ち促進演出の画像を完全に見えなかったり、遊技者が小右打ち促進演出の画像を少しは見えるがその画像が示す意味(右打ち促進)を理解できなかったりといったように、小右打ち促進演出の画像に対する遊技者の視認性が阻害されたり低下したりするなど、遊技者の視認性が何らかの影響を与えられることを意味する。反対に、上述したような現象が起こることなく、小右打ち促進演出の画像に対する遊技者の視認性が阻害されたり低下したりしていない状況は、小右打ち促進演出の画像が演出画像の表示による影響を受けていないと言える。
特別図柄の変動が停止するときに、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、図柄確定指定コマンド(8F00)を送信する。なお、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドに基づいては特に演出の設定を行わない。
図40-49(g6)に示すように、特別図柄の変動停止の結果、大当り(10R確変大当り)が発生すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)を送信する。なお、すでに右打ち促進演出は実行されているので、右打ち表示点灯コマンド(FD系コマンド)は送信されない。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、ファンファーレ演出を実行する。なお、演出制御用CPU120は、図40-50(h1),(h2)の各演出のデータを、大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき設定する。言い換えると、図40-50(h1),(h2)の間に行われる各演出は、演出制御コマンドをトリガーとするのではなく、時間経過によって進行する。
図40-50(h1)に示すように、ファンファーレ演出として、大当りとなったことを祝福する画像(この例ではキャラクタ画像とともに「ヤッタね!!」の文字画像)が画像表示装置5に表示されたり、大当りとなったことを祝福する音がスピーカ8L,8Rから出力されたり、大当りとなったことを祝福する点灯態様となるように遊技効果ランプ9の点灯態様が変化したりする。画面の右上においては、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。
図40-50(h2)に示すように、ファンファーレ演出が開始された後、発生した大当り遊技状態の名称を示す名称画像(この例では「SPECIAL BONUS!!」の文字画像)が画像表示装置5の中央に表示されたり、大当りの開始に対応する音がスピーカ8L,8Rから出力されたり、大当りの開始に対応する点灯態様となるように遊技効果ランプ9の点灯態様が変化したりする。なお、特図2当りでの連チャン当りの場合、既に特図1当り時に大右打ち促進演出を実行しているため、改めて大右打ち促進演出は実行されない。このため、図40-25(c4)~図40-32(c24)に示したように、スピーカ8L,8Rからも大右打ち促進演出に応じた態様で音が出力されることがなく、さらに、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯することもない。
ファンファーレ演出が終了すると、CPU103は、演出制御用CPU120に対して、大入賞口開放中指定コマンド(A101コマンド)を送信する。これに対して、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドに基づき、ファンファーレ演出からラウンド中演出へと切り替えて、1R目におけるラウンド中演出を実行する。
図40-50(i1)に示すように、大当り1Rが開始すると、通常大入賞口が開放し、画像表示装置5の画面中央にラウンド中演出に応じた背景画像が表示され、さらに、引き続き右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。遊技効果ランプ9はラウンド中演出に応じた態様で点灯する。
その後、図示は省略するが、図40-40~図40-46に示すようにラウンド中においてV予告演出、Vを狙え演出、およびV入賞などの各種演出を実行し、やがて大当りラウンドが終了すると、図40-46および図40-47に示すようにエンディング演出が実行される。そして、図40-48に示すように再び大当り遊技状態後の確変状態に制御される。この一連の遊技において、画像表示装置5の画面右上には、小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示されるとともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030、および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055の各々が点灯し続ける。やがて、大当りが発生することなく大当り遊技状態後の確変状態が終了して通常状態に制御されると、CPU103から演出制御用CPU120に対して、右打ち表示消灯指定コマンドが送信され、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の画面右上の小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)を消去するとともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030、および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055の各々を消灯する。これにより、遊技者は、通常状態において再び左打ちをすることになる。
[電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機1の演出態様]
図40-51は、特図1当りによるファンファーレ演出中に電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機1の演出態様を示す説明図である。図40-51に示す電断は、図40-20に示すように、ファンファーレ演出中にパチンコ遊技機1の電力供給が遮断し、その後、当該電力供給が復帰した場合の電断1を想定する。
図40-51に示すように、大当りとなったことを祝福する画像(この例ではキャラクタ画像とともに「おめでとー!!」の文字画像)が画像表示装置5に表示された状態(図40-24(c1)の状態)、大当り遊技状態の名称を示す名称画像(この例では「CHANCE BONUS!!」の文字画像)が画像表示装置5に表示された状態(図40-24(c2)の状態)、大右打ち促進演出における矢印画像のみが画像表示装置5に表示された状態(図40-28(c14)の状態)、および大右打ち促進演出における矢印画像とともに「右打ちだ!!」の文字画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-31(c23)の状態)のいずれかの状態において電断が発生した場合、画像表示装置5に画像が表示されなくなった後、電源投入によって「復旧中…」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
ここで、復旧中においても、引き続き画像表示装置5の右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。さらに、図示は省略するが、電源投入とともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においても点灯手段の点灯によって右打ちを促す。
その後、演出制御用CPU120は、CPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A101コマンド)を受信するまで待機し、大入賞口開放中指定コマンド(A101コマンド)を受信すると、当該大入賞口開放中指定コマンド(A101コマンド)に基づき、図40-39(e1)のような1R中における演出画像を画像表示装置5に表示させる。また、大当りとなったことを祝福する画像(この例ではキャラクタ画像とともに「おめでとー!!」の文字画像)、大当り遊技状態の名称を示す名称画像(この例では「CHANCE BONUS!!」の文字画像)、大右打ち促進演出における矢印画像、および大右打ち促進演出における矢印画像に加わる「右打ちだ!!」の文字画像のいずれの画像も電源投入後はキャンセルされて表示されない。
このように、大右打ち促進演出が実行される前や、大右打ち促進演出が完了するまでなどに電断が生じた場合でも、その後の電源投入した時点から小右打ち促進演出については実行されるため、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができ、右打ちすることを忘れてしまって通常大入賞口に遊技球を進入させることができないなどの不利益を遊技者に与えてしまうことを極力防ぐことができる。
図40-52は、特図1当り時の大当り1ラウンド中に電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機1の演出態様を示す説明図である。図40-52に示す電断は、図40-20に示すように、1R中にパチンコ遊技機1の電力供給が遮断し、その後、当該電力供給が復帰した場合の電断2を想定する。
図40-52に示すように、1R中の演出に対応する画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-40(e2)の状態)において電断が発生した場合、画像表示装置5に画像が表示されなくなった後、電源投入によって「復旧中…」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
ここで、復旧中においても、引き続き画像表示装置5の右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。さらに、図示は省略するが、電源投入とともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においても点灯手段の点灯によって右打ちを促す。
その後、演出制御用CPU120は、CPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)を受信するまで待機し、大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)を受信すると、当該大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)に基づき、図40-41(e5)のような2R中における演出画像を画像表示装置5に表示させる。なお、大当りラウンド中に得られる賞球の数に対応するポイント画像については、RAM122におけるポイントの記憶が電断によって消去されるため、0ptで表示される。その後のラウンド中に賞球を得られた場合、たとえば、10個得られるごとに10pt加算するなど、再び0ptを起点として、ポイントを加算していけばよい。なお、ポイント画像について、電断から復帰後は0ptで表示されるものに限らず、「??」のように所定画像によってポイントが分からないようにしてもよい。
このように、大当りラウンド中に電断が生じた場合でも、その後の電源投入した時点から小右打ち促進演出については実行されるため、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができ、右打ちすることを忘れてしまって次のラウンドで通常大入賞口に遊技球を進入させることができないなどの不利益を遊技者に与えてしまうことを極力防ぐことができる。
図40-53は、特図1当り時の大当り1ラウンド後のラウンド間に電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機1の演出態様を示す説明図である。図40-53に示す電断は、図40-20に示すように、1R後のラウンド間にパチンコ遊技機1の電力供給が遮断し、その後、当該電力供給が復帰した場合の電断3を想定する。
図40-53に示すように、ラウンド間の演出に対応する画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-40(e4)の状態)において電断が発生した場合、画像表示装置5に画像が表示されなくなった後、電源投入によって「復旧中…」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
ここで、復旧中においても、引き続き画像表示装置5の右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。さらに、図示は省略するが、電源投入とともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においても点灯手段の点灯によって右打ちを促す。
その後、演出制御用CPU120は、CPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)を受信するまで待機し、大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)を受信すると、当該大入賞口開放中指定コマンド(A102コマンド)に基づき、図40-41(e5)のような2R中における演出画像を画像表示装置5に表示させる。なお、大当りラウンド中に得られる賞球の数に対応するポイント画像については、RAM122におけるポイントの記憶が電断によって消去されるため、0ptで表示される。
このように、ラウンド間に電断が生じた場合でも、その後の電源投入した時点から小右打ち促進演出については実行されるため、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができ、右打ちすることを忘れてしまって次のラウンドで通常大入賞口に遊技球を進入させることができないなどの不利益を遊技者に与えてしまうことを極力防ぐことができる。
図40-54は、特図1当り時の大当り2ラウンド中に電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機1の演出態様を示す説明図である。図40-54に示す電断は、図40-20に示すように、2R中にパチンコ遊技機1の電力供給が遮断し、その後、当該電力供給が復帰した場合の電断4を想定する。
図40-54に示すように、2R中のV確変示唆演出に対応する画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-41(e7)の状態)において電断が発生した場合、画像表示装置5に画像が表示されなくなった後、電源投入によって「復旧中…」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
ここで、復旧中においても、引き続き画像表示装置5の右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。さらに、図示は省略するが、電源投入とともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においても点灯手段の点灯によって右打ちを促す。
その後、演出制御用CPU120は、CPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)を受信するまで待機し、大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)を受信すると、当該大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)に基づき、2R中における演出画像を画像表示装置5に表示させる。なお、大当りラウンド中に得られる賞球の数に対応するポイント画像については、RAM122におけるポイントの記憶が電断によって消去されるため、0ptで表示される。また、大当りの種別についての記憶データが消去されてしまっているため、図40-42(e10)のようなV予告演出に対応する画像について電源投入後はキャンセルされて表示されない。なお、電断から復帰した後、CPU103が大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)に加えて大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)を演出制御用CPU120に送信するように構成すれば、演出制御用CPU120は、CPU103から受信した、大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)および大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき、図40-42(e10)のようなV予告演出を実行するように構成することもできる。
このように、大当りラウンド中に電断が生じた場合でも、その後の電源投入した時点から小右打ち促進演出については実行されるため、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができ、右打ちすることを忘れてしまって次のラウンドで通常大入賞口に遊技球を進入させることができないなどの不利益を遊技者に与えてしまうことを極力防ぐことができる。
図40-55は、特図1当り時の大当り2ラウンド後のラウンド間に電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機1の演出態様を示す説明図である。図40-55に示す電断は、図40-20に示すように、2R後のラウンド間にパチンコ遊技機1の電力供給が遮断し、その後、当該電力供給が復帰した場合の電断5を想定する。
図40-55に示すように、2R後のラウンド間に対応する画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-42(e9)の状態)において電断が発生した場合、画像表示装置5に画像が表示されなくなった後、電源投入によって「復旧中…」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
ここで、復旧中においても、引き続き画像表示装置5の右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。さらに、図示は省略するが、電源投入とともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においても点灯手段の点灯によって右打ちを促す。
その後、演出制御用CPU120は、CPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)を受信するまで待機し、大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)を受信すると、当該大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)に基づき、2R中における演出画像を画像表示装置5に表示させる。なお、大当りラウンド中に得られる賞球の数に対応するポイント画像については、RAM122におけるポイントの記憶が電断によって消去されるため、0ptで表示される。また、大当りの種別についての記憶データが消去されてしまっているため、図40-42(e10)のようなV予告演出に対応する画像について電源投入後はキャンセルされて表示されない。なお、電断から復帰した後、CPU103が大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)に加えて大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)を演出制御用CPU120に送信するように構成すれば、演出制御用CPU120は、CPU103から受信した、大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)および大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき、図40-42(e10)のようなV予告演出を実行するように構成することもできる。
このように、ラウンド間に電断が生じた場合でも、その後の電源投入した時点から小右打ち促進演出については実行されるため、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができ、右打ちすることを忘れてしまって次のラウンドで通常大入賞口に遊技球を進入させることができないなどの不利益を遊技者に与えてしまうことを極力防ぐことができる。
図40-56は、特図1当り時の大当り3ラウンド後のラウンド間に電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機の演出態様を示す説明図である。図40-56に示す電断は、図40-21に示すように、3R後のラウンド間にパチンコ遊技機1の電力供給が遮断し、その後、当該電力供給が復帰した場合の電断6を想定する。
図40-56に示すように、3R後のラウンド間に対応する画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-43(e13)の状態)において電断が発生した場合、画像表示装置5に画像が表示されなくなった後、電源投入によって「復旧中…」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
ここで、復旧中においても、引き続き画像表示装置5の右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。さらに、図示は省略するが、電源投入とともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においても点灯手段の点灯によって右打ちを促す。
その後、演出制御用CPU120は、CPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)を受信するまで待機し、大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)を受信すると、当該大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)に基づき、4R中における演出画像を画像表示装置5に表示させる。なお、大当りラウンド中に得られる賞球の数に対応するポイント画像については、RAM122におけるポイントの記憶が電断によって消去されるため、0ptで表示される。また、大当りの種別についての記憶データが消去されてしまっているため、図40-44(e14)のようなVを狙え演出に対応する画像について電源投入後はキャンセルされて表示されない。なお、電断から復帰した後、CPU103が大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)に加えて大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)を演出制御用CPU120に送信するように構成すれば、演出制御用CPU120は、CPU103から受信した、大入賞口開放中指定コマンド(A103コマンド)および大当り開始指定コマンド(A0系コマンド)に基づき、図40-44(e14)のようなVを狙え演出を実行するように構成することもできる。
このように、ラウンド間に電断が生じた場合でも、その後の電源投入した時点から小右打ち促進演出については実行されるため、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができ、右打ちすることを忘れてしまって次のラウンドでV大入賞口に遊技球を進入させることができないなどの不利益を遊技者に与えてしまうことを極力防ぐことができる。
図40-57は、特図1当り時の大当り4ラウンド中に電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機1の演出態様を示す説明図である。図40-57に示す電断は、図40-21に示すように、4R中にパチンコ遊技機1の電力供給が遮断し、その後、当該電力供給が復帰した場合の電断7を想定する。
図40-57に示すように、4R中のVを狙え演出に対応する画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-44(e15)の状態)、またはV入賞演出に対応する画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-44(e16)の状態)において電断が発生した場合、画像表示装置5に画像が表示されなくなった後、電源投入によって「復旧中…」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
ここで、復旧中においても、引き続き画像表示装置5の右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。さらに、図示は省略するが、電源投入とともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においても点灯手段の点灯によって右打ちを促す。
その後、演出制御用CPU120は、CPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A105コマンド)を受信するまで待機し、大入賞口開放中指定コマンド(A105コマンド)を受信すると、当該大入賞口開放中指定コマンド(A105コマンド)に基づき、図40-45(e19)のような5R中における演出画像を画像表示装置5に表示させる。なお、大当りラウンド中に得られる賞球の数に対応するポイント画像については、RAM122におけるポイントの記憶が電断によって消去されるため、0ptで表示される。
このように、大当りラウンド中に電断が生じた場合でも、その後の電源投入した時点から小右打ち促進演出については実行されるため、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができ、右打ちすることを忘れてしまって次のラウンドで通常大入賞口に遊技球を進入させることができないなどの不利益を遊技者に与えてしまうことを極力防ぐことができる。さらに、4R中のように、Vを狙え演出とともに小右打ち促進演出を実行している間に電断が生じた場合と、前述した図40-51に示すように大右打ち促進演出とともに小右打ち促進演出を実行している間に電断が生じた場合とでは、互いに共通して電断から復帰した後にVを狙え演出や大右打ち促進演出が実行されない一方で小右打ち促進演出は最低限実行されている。このため、いずれの状況においても共通した態様で、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができる。
図40-58は、特図1当り時の大当り4ラウンド後のラウンド間に電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機1の演出態様を示す説明図である。図40-58に示す電断は、図40-21に示すように、4R後のラウンド間にパチンコ遊技機1の電力供給が遮断し、その後、当該電力供給が復帰した場合の電断8を想定する。
図40-58に示すように、4R後のラウンド間においてV入賞演出に対応する画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-45(e18)の状態)において電断が発生した場合、画像表示装置5に画像が表示されなくなった後、電源投入によって「復旧中…」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
ここで、復旧中においても、引き続き画像表示装置5の右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。さらに、図示は省略するが、電源投入とともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においても点灯手段の点灯によって右打ちを促す。
その後、演出制御用CPU120は、CPU103から大入賞口開放中指定コマンド(A105コマンド)を受信するまで待機し、大入賞口開放中指定コマンド(A105コマンド)を受信すると、当該大入賞口開放中指定コマンド(A105コマンド)に基づき、5R中における演出画像を画像表示装置5に表示させる。なお、大当りラウンド中に得られる賞球の数に対応するポイント画像については、RAM122におけるポイントの記憶が電断によって消去されるため、0ptで表示される。
このように、ラウンド間に電断が生じた場合でも、その後の電源投入した時点から小右打ち促進演出については実行されるため、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができ、右打ちすることを忘れてしまって次のラウンドで通常大入賞口に遊技球を進入させることができないなどの不利益を遊技者に与えてしまうことを極力防ぐことができる。
図40-59は、特図1当り時の大当り最終ラウンド中に電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機1の演出態様を示す説明図である。図40-59に示す電断は、図40-21に示すように、5R中にパチンコ遊技機1の電力供給が遮断し、その後、当該電力供給が復帰した場合の電断9を想定する。
図40-59に示すように、5R中のラウンド中演出に対応する画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-46(e20)の状態)、または5R終了後の状態(図40-46(e21)の状態)において電断が発生した場合、画像表示装置5に画像が表示されなくなった後、電源投入によって「復旧中…」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
ここで、復旧中においても、引き続き画像表示装置5の右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。さらに、図示は省略するが、電源投入とともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においても点灯手段の点灯によって右打ちを促す。
その後、演出制御用CPU120は、CPU103から大当り終了指定コマンド(A3系コマンド)を受信するまで待機し、大当り終了指定コマンド(A3系コマンド)を受信すると、当該大当り終了指定コマンド(A3系コマンド)に基づき、図40-46(f1)のようなエンディング演出に対応する演出画像を画像表示装置5に表示させる。
このように、大当りの最終ラウンド中に電断が生じた場合でも、その後の電源投入した時点から小右打ち促進演出については実行されるため、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができ、右打ちすることを忘れてしまうことを極力防ぐことができる。
図40-60は、特図1当り時のエンディング演出中に電断から復帰した場合におけるパチンコ遊技機1の演出態様を示す説明図である。図40-60に示す電断は、図40-21に示すように、エンディング演出中にパチンコ遊技機1の電力供給が遮断し、その後、当該電力供給が復帰した場合の電断10を想定する。
図40-60に示すように、エンディング演出のうち、大当り遊技状態後の確変状態におけるステージを選択させる画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-46(f1)の状態)、キャラクタ画像とともに確変状態の名称を示す名称画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-47(f2)の状態)、のめり込み抑制報知演出に対応する画像と大当り遊技状態における遊技の結果を示す遊技結果画像とが画像表示装置5に表示された状態(図40-47(f3)の状態)、および遊技者所有のカードの取り忘れを防止するための取り忘れ防止画像が画像表示装置5に表示された状態(図40-47(f4)の状態)のいずれかにおいて電断が発生した場合、画像表示装置5に画像が表示されなくなった後、電源投入によって「復旧中…」の文字画像が画像表示装置5に表示される。
ここで、復旧中においても、引き続き画像表示装置5の右上に小右打ち促進演出の画像(矢印および文字)が表示される。さらに、図示は省略するが、電源投入とともに、特図LED基板075F020の右打ち表示部075F030および第4図柄ユニット075F050の右打ち表示部075F055においても点灯手段の点灯によって右打ちを促す。
その後、保留記憶数がある場合、演出制御用CPU120は、CPU103から保留記憶数指定コマンド(C1系コマンド,C2系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)を受信するまで待機し、これらのコマンドを受信すると、保留記憶数指定コマンド(C1系コマンド,C2系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)に基づき、図40-48(g1)のような特別図柄の変動に対応する演出画像を画像表示装置5に表示させる。
一方、保留記憶数がない場合、演出制御用CPU120は、CPU103から背景指定コマンド(95系コマンド)および客待ちデモ指定コマンド(9F00コマンド)を受信するまで待機し、これらのコマンドを受信すると、背景指定コマンド(95系コマンド)および客待ちデモ指定コマンド(9F00コマンド)に基づき、初期図柄(この例では飾り図柄および小図柄として「123」)が停止した状態で画像表示装置5における表示を復帰させる。
このように、エンディング中に電断が生じた場合でも、その後の電源投入した時点から小右打ち促進演出については実行されるため、電断から復帰した直後において最低限、遊技者に右打ちすることを促すことができ、右打ちすることを忘れてしまって大当り遊技状態後の確変状態において第2始動入賞口に入賞させることができないなどの不利益を遊技者に与えてしまうことを極力防ぐことができる。
[特徴部075Fにより得られる主な効果]
以下に、前述した特徴部075Fの各種の構成により得られる技術的効果を個別に列挙する。
(1-1) 可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技媒体(たとえば、遊技球)を発射可能な発射手段(たとえば、打球操作ハンドル30)と、
前記遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路(たとえば、遊技領域のうちの左側の領域を通る経路)と第2流下経路(たとえば、遊技領域のうちの右側の領域を通る経路)とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを画像表示を用いて遊技者に促す案内表示(たとえば、右打ちを促す画像表示)を行う案内表示手段(たとえば、演出制御用CPU120によって右打ち示唆演出やVを狙え演出を実行する処理)と、
前記第2流下経路を流下する遊技媒体が進入可能な特定領域(たとえば、特別可変入賞球装置075F007Bの内部に設けられたV大入賞口を通過した後のV入賞スイッチ075F024の検出領域)と、を備え、
前記案内表示は、文字および図形の画像表示を用いた第1案内表示(たとえば、図40-32(c25)に示す画面中央に位置する大右打ち促進演出に対応する画像表示)と、当該第1案内表示よりも小さい画像表示を用いた第2案内表示(たとえば、図40-24(c1)に示す画面右上に位置する小右打ち促進演出に対応する画像表示)と、前記特定領域に関する画像表示を用いた第3案内表示(たとえば、図40-43(e13)に示すVを狙え演出に対応する画像表示)とを含み、
前記案内表示手段は、
前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後、前記有利状態の制御の開始を報知する開始演出(たとえば、ファンファーレ演出)の実行中において、前記第1案内表示および前記第2案内表示を行い(たとえば、図40-25(c4)~図40-38(c26)に示す大右打ち示唆演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示)、
その後、前記第1案内表示を終了する一方で前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-38(d1),(d2)に示すように大右打ち示唆演出に対応する画像表示を終了する一方で小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
その後、遊技媒体が前記特定領域に進入不可能な状態のうちから前記第3案内表示を行うとともに前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-43(e13)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示を行うとともに小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
その後、遊技媒体が前記特定領域に進入不可能な状態から遊技媒体が前記特定領域に進入可能な状態となった以降においても前記第2案内表示および前記第3案内表示を継続し(たとえば、図40-44(e15)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
その後、遊技媒体が前記特定領域に進入したときに、前記第3案内表示を終了する一方で前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-44(e16)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示を終了する一方で小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
前記第1案内表示および前記第2案内表示を行っている間(たとえば、図40-31(c23)に示すように大右打ち示唆演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を行っている間)に電断が発生し当該電断から復帰したときと、前記第2案内表示および前記第3案内表示を行っている間(たとえば、図40-44(e15)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を行っている間)に電断が発生し当該電断から復帰したときとのいずれにおいても、前記第1案内表示および前記第3案内表示が行われずかつ前記第2案内表示が行われる態様で画像表示が再び行われる(たとえば、図40-51および図40-57に示す電源投入後に「復旧中…」の文字画像および小右打ち促進演出の画像が表示される部分)。
(1-2) 可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技媒体(たとえば、遊技球)を発射可能な発射手段(たとえば、打球操作ハンドル30)と、
前記遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路(たとえば、遊技領域のうちの左側の領域を通る経路)と第2流下経路(たとえば、遊技領域のうちの右側の領域を通る経路)とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを画像表示を用いて遊技者に促す案内表示(たとえば、右打ちを促す画像表示)を行う案内表示手段(たとえば、演出制御用CPU120によって右打ち示唆演出やVを狙え演出を実行する処理)と、
前記第2流下経路を流下する遊技媒体が進入可能な特定領域(たとえば、特別可変入賞球装置075F007Bの内部に設けられたV大入賞口を通過した後のV入賞スイッチ075F024の検出領域)と、を備え、
前記案内表示は、文字および図形の画像表示を用いた第1案内表示(たとえば、図40-32(c25)に示す画面中央に位置する大右打ち促進演出に対応する画像表示)と、 当該第1案内表示よりも小さい画像表示を用いた第2案内表示(たとえば、図40-24(c1)に示す画面右上に位置する小右打ち促進演出に対応する画像表示)と、 前記特定領域に関する画像表示を用いた第3案内表示(たとえば、図40-43(e13)に示すVを狙え演出に対応する画像表示)とを含み、
前記案内表示手段は、
前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後、前記有利状態の制御の開始を報知する開始演出(たとえば、ファンファーレ演出)の実行中において、前記第1案内表示および前記第2案内表示を行い(たとえば、図40-25(c4)~図40-38(c26)に示す大右打ち示唆演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示)、
その後、最初のラウンドに対応するアタッカが開放されることに連動して、前記第1案内表示を終了する一方で前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-38(d1),(d2)に示すように大右打ち示唆演出に対応する画像表示を終了する一方で小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
その後、特定領域に進入可能とするラウンドの前のラウンドに対応するアタッカが閉鎖することに連動して、前記第3案内表示を行うとともに前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-43(e13)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示を行うとともに小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
その後、特定領域に進入可能とするラウンドの前のラウンドに対応するアタッカが開放されることに連動して、前記第2案内表示および前記第3案内表示を継続し(たとえば、図40-44(e15)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
その後、遊技媒体が前記特定領域に進入したことに連動して、前記第3案内表示を終了する一方で前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-44(e16)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示を終了する一方で小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
前記第1案内表示および前記第2案内表示を行っている間(たとえば、図40-31(c23)に示すように大右打ち示唆演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を行っている間)に電断が発生し当該電断から復帰したときと、前記第2案内表示および前記第3案内表示を行っている間(たとえば、図40-44(e15)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を行っている間)に電断が発生し当該電断から復帰したときとのいずれにおいても、前記第1案内表示および前記第3案内表示が行われずかつ前記第2案内表示が行われる態様で画像表示が再び行われる(たとえば、図40-51および図40-57に示す電源投入後に「復旧中…」の文字画像および小右打ち促進演出の画像が表示される部分)。
(1-3) 可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技媒体(たとえば、遊技球)を発射可能な発射手段(たとえば、打球操作ハンドル30)と、
前記遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路(たとえば、遊技領域のうちの左側の領域を通る経路)と第2流下経路(たとえば、遊技領域のうちの右側の領域を通る経路)とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを画像表示を用いて遊技者に促す案内表示(たとえば、右打ちを促す画像表示)を行う案内表示手段(たとえば、演出制御用CPU120によって右打ち示唆演出やVを狙え演出を実行する処理)と、
前記第2流下経路を流下する遊技媒体が進入可能な特定領域(たとえば、特別可変入賞球装置075F007Bの内部に設けられたV大入賞口を通過した後のV入賞スイッチ075F024の検出領域)と、を備え、
前記案内表示は、文字および図形の画像表示を用いた第1案内表示(たとえば、図40-32(c25)に示す画面中央に位置する大右打ち促進演出に対応する画像表示)と、 当該第1案内表示よりも小さい画像表示を用いた第2案内表示(たとえば、図40-24(c1)に示す画面右上に位置する小右打ち促進演出に対応する画像表示)と、 前記特定領域に関する画像表示を用いた第3案内表示(たとえば、図40-43(e13)に示すVを狙え演出に対応する画像表示)とを含み、
前記案内表示手段は、
前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後、前記有利状態の制御の開始を報知する開始演出(たとえば、ファンファーレ演出)の実行中において、前記第1案内表示および前記第2案内表示を行い(たとえば、図40-25(c4)~図40-38(c26)に示す大右打ち示唆演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示)、
その後、1R開放コマンド(たとえば、大入賞口開放中指定コマンド(A101コマンド)を受信することで、前記第1案内表示を終了する一方で前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-38(d1),(d2)に示すように大右打ち示唆演出に対応する画像表示を終了する一方で小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
その後、3R終了後コマンド(たとえば、大入賞口開放後指定コマンド(A203コマンド))を受信することで、前記第3案内表示を行うとともに前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-43(e13)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示を行うとともに小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
その後、4R開放コマンド(たとえば、大入賞口開放中指定コマンド(A104コマンド)を受信することで、前記第2案内表示および前記第3案内表示を継続し(たとえば、図40-44(e15)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
その後、V通過コマンド(たとえば、確変判定装置通過指定コマンド(AD00コマンド))を受信することで、前記第3案内表示を終了する一方で前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-44(e16)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示を終了する一方で小右打ち示唆演出に対応する画像表示を継続する部分)、
前記第1案内表示および前記第2案内表示を行っている間(たとえば、図40-31(c23)に示すように大右打ち示唆演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を行っている間)に電断が発生し当該電断から復帰したときと、前記第2案内表示および前記第3案内表示を行っている間(たとえば、図40-44(e15)に示すようにVを狙え演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を行っている間)に電断が発生し当該電断から復帰したときとのいずれにおいても、前記第1案内表示および前記第3案内表示が行われずかつ前記第2案内表示が行われる態様で画像表示が再び行われる(たとえば、図40-51および図40-57に示す電源投入後に「復旧中…」の文字画像および小右打ち促進演出の画像が表示される部分)。
具体的には、ファンファーレ演出の実行中においては、大右打ち促進演出および小右打ち促進演出を実行して右打ち促進を強調することで、それ以降の遊技において右打ちすることを遊技者に確実に認識させ、その後は、大右打ち促進演出を終了させる一方で小右打ち促進演出をそのまま継続させることで過度に右打ちすることを遊技者にアピールしないようにすることができる。また、V大入賞口を狙わせるためのVを狙え演出については、未だV大入賞口が閉鎖している時点から実行するとともに、V大入賞口が開放した後もそのまま継続することで、V大入賞口を狙うことの重要性を遊技者にアピールするとともに、V大入賞口に遊技球を進入させることを確実なものとすることができる。また、V入賞が発生してV大入賞口が閉鎖した後はVを狙え演出を終了することで、不要な促進報知を遊技者に行うことを防止することができる。さらに、上述した流れの中で、小右打ち促進演出については継続して実行されるため、V大入賞口が開放する前からV入賞が発生した以降においても常に右打ちすることを遊技者に促すことができる。これにより、遊技者に対する右打ちすることの指示を好適に実行することができる。また、大右打ち示唆演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を行っている間に電断が発生し当該電断から復帰したときと、Vを狙え演出に対応する画像表示および小右打ち示唆演出に対応する画像表示を行っている間に電断が発生し当該電断から復帰したときとのいずれにおいても、電源投入後に「復旧中…」の文字画像および小右打ち促進演出の画像が表示されるため、電断が起こったとしてもその後の遊技において引き続き右打ちすることを遊技者に最低限促すことができる。
(2) 可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技媒体(たとえば、遊技球)を発射可能な発射手段(たとえば、打球操作ハンドル30)と、
前記遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路(たとえば、遊技領域のうちの左側の領域を通る経路)と第2流下経路(たとえば、遊技領域のうちの右側の領域を通る経路)とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを画像表示を用いて遊技者に促す案内表示(たとえば、右打ちを促す画像表示)を行う案内表示手段(たとえば、演出制御用CPU120によって右打ち促進演出を実行する処理)と、を備え、
前記案内表示は、第1案内表示(たとえば、図40-32(c25)に示す画面中央に位置する大右打ち促進演出に対応する画像表示)と第2案内表示(たとえば、図40-24(c1)に示す画面右上に位置する小右打ち促進演出に対応する画像表示)とを含み、
前記案内表示手段は、
前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後、前記有利状態の制御の開始を報知する開始演出(たとえば、ファンファーレ演出)が実行されている所定期間中において、前記第1案内表示および前記第2案内表示を行い(たとえば、図40-25(c4)~図40-38(c26)に示す大右打ち促進演出に対応する画像表示および小右打ち促進演出に対応する画像表示)、
前記所定期間の後の期間において、前記第1案内表示を終了する一方で前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-39(e1)~図40-46(e21)に示すように大当たりラウンド中に大右打ち促進演出に対応する画像表示を行わない一方で小右打ち促進演出に対応する画像表示を継続する部分)、
前記有利状態の制御が終了した後の特別状態(たとえば、確変状態,時短状態)において、前記第2案内表示を継続し(たとえば、図40-48および図40-49に示すように大当り後の確変状態において小右打ち促進演出に対応する画像表示を継続する部分)、
前記第2案内表示は、前記有利状態の制御に関連して行われる背景画像の切替表示(たとえば、フェードアウトおよびフェードインによる切替表示)による影響を受けず(たとえば、図40-38(d1)~図40-39(d4)に示すようにフェードインおよびフェードアウトによる背景画像の切替表示に影響されることなく小右打ち促進演出に対応する画像表示を継続する部分)、
前記第2案内表示は、前記特別状態における演出画像の表示(たとえば、群予告演出による画像表示)による影響を受けない(たとえば、図40-49(g5)に示すように群予告演出による画像表示に影響されることなく小右打ち促進演出に対応する画像表示を継続する部分)。
具体的には、ファンファーレ演出の実行中においては、大右打ち促進演出および小右打ち促進演出を実行して右打ち促進を強調することで、それ以降の遊技において右打ちすることを遊技者に確実に認識させ、その後の大当りラウンド中においては、大右打ち促進演出を終了させる一方で小右打ち促進演出をそのまま継続させることで過度に右打ちすることを遊技者にアピールしないようにすることができる。また、大当り遊技状態が終了した後の確変状態や時短状態においても小右打ち促進演出を継続して実行することで、常に右打ちすることを遊技者に促すことができる。さらに、大当りが発生した後、ファンファーレ演出が実行されてから大当りラウンドに切り替わる際に行われる切替表示(フェードアウトやフェードインなど)によって小右打ち促進演出が影響を受けず、また、大当り遊技状態が終了した後の確変状態や時短状態において行われる群予告演出などによる画像表示によっても小右打ち促進演出が影響を受けないため、常に右打ちすることを遊技者に促すことができる。これにより、遊技者に対する右打ちすることの指示を好適に実行することができる。
(3-1) 可変表示を行い、可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技媒体(たとえば、遊技球)を発射可能な発射手段(たとえば、打球操作ハンドル30)と、
前記遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路(たとえば、遊技領域のうちの左側の領域を通る経路)と第2流下経路(たとえば、遊技領域のうちの右側の領域を通る経路)とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを画像表示を用いて遊技者に促す案内表示(たとえば、右打ちを促す画像表示)を行う案内表示手段(たとえば、演出制御用CPU120によって右打ち促進演出を実行する処理)と、
前記第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを発光手段(たとえば、枠右ランプ075F009Rおよび枠左ランプ075F009L)の発光箇所を移動させることで遊技者に促す案内発光を行う案内手段(たとえば、演出制御用CPU120によって枠ランプによる右打ち示唆演出を実行する処理)と、
音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ8L,8R)と、を備え、
前記案内表示は、第1案内表示(たとえば、図40-32(c25)に示す画面中央に位置する大右打ち促進演出に対応する画像表示)と、第2案内表示(たとえば、図40-24(c1)に示す画面右上に位置する小右打ち促進演出に対応する画像表示)とを含み、
前記第1案内表示として、前記第2案内表示よりも強調する態様で、前記第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを遊技者に促す画像表示が行われ(たとえば、大右打ち促進演出は小右打ち促進演出よりも大きな文字および図形の画像表示を用いた態様)、
前記案内表示手段は、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後、前記有利状態の制御の開始を報知する開始演出(たとえば、ファンファーレ演出)の一部である当該有利状態の名称表示(たとえば、大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示)が完了する前から、前記第2案内表示を行い(たとえば、図40-24(c1)に示すように大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示が完了する前から小右打ち促進演出に対応する画像表示を行う部分)、前記有利状態の名称表示の完了以降に前記第1案内表示を行い(図40-25~図40-33に示すように大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示が完了した後に大右打ち促進演出に対応する画像表示を行う部分)、
前記案内手段は、前記第1案内表示に連動して前記案内発光を複数回繰り返して行い(たとえば、図40-25~図40-33に示すように大右打ち促進演出に対応する画像表示に連動して枠ランプを左側から右側に向かってアーチを描くように点灯させることを2回に亘って行う部分)、
前記音出力手段は、
複数回の前記案内発光のうち、最初の前記案内発光が行われることに連動して当該案内発光に対応する対応音を出力し(たとえば、図40-25(c4)~図40-32(c24)に示すように1回目の大右打ち促進演出における枠ランプの点灯時にはスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に応じた態様で音を出力する部分)、
複数回の前記案内発光のうち、最後の前記案内発光が行われるときは前記対応音を出力せず(たとえば、図40-32(c26)~図40-33(c29)に示すように2回目の大右打ち促進演出における枠ランプの点灯時にはスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に応じた態様で音を出力しない部分)、
前記有利状態の制御が開始された以降において、当該有利状態に対応する音を出力し(たとえば、図40-39(e1)に示すように大当りラウンドの開始以降においてスピーカ8L,8Rからラウンド中演出に応じた態様で音を出力する部分)、
前記有利状態とは異なる状態であって当該有利状態の制御が終了した後の遊技者にとって有利な特別状態(たとえば、確変状態、時短状態)において、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となったときは前記対応音を出力しない(たとえば、図40-50(h2)に示すように、特図2当りでの連チャン大当りの場合はスピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力しない部分)。
具体的には、大当りが発生した後、まずは小右打ち促進演出を実行することで控えめに右打ちすることを遊技者に促し、その後、大当り遊技状態の名称を示す名称画像を表示することで大当り遊技状態に制御されることを遊技者に認識させることができる。そして、大当りラウンドが開始することを遊技者に認識させた後で大右打ち促進演出によって強調した態様で右打ちすることを報知することで、それ以降の遊技において右打ちすることを遊技者に確実に認識させることができる。また、大右打ち促進演出を実行している間においては、枠ランプによるランプの点灯箇所が右方向に移動することで右打ち促進が行われるため、より効果的に右打ちすることを遊技者に促すことができる。さらに、1回目の枠ランプによる右打ち促進が行われるときにはそれに連動してスピーカ8L,8Rから右打ち促進に応じた態様で音が出力されるのに対して、最後(本実施の形態においては2回目)の枠ランプによる右打ち促進が行われるときにはスピーカ8L,8Rから右打ち促進に応じた態様で音が出力されないため、大右打ち促進演出が実行された後に出力される大当りラウンド中のBGMに対して右打ち促進に応じた態様の音が被ることがなく、スムーズに大当りラウンド中のBGMを遊技者に聞こえさせることができる。また、大当り遊技状態後の確変状態や時短状態において、特図2当りでの連チャン当りが発生した場合には、既に右打ち促進を行っていることから、特図1当りでの初当り時のように大右打ち促進演出を実行することがなく、それに連動する右打ち促進演出に応じた態様での音も出力されないため、頻繁に強調する態様で右打ち促進が行われることで遊技者が煩わしく感じることを防止することができる。これにより、遊技者に対する右打ちすることの指示を好適に実行することができる。
(3-2) 可変表示を行い、可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技媒体(たとえば、遊技球)を発射可能な発射手段(たとえば、打球操作ハンドル30)と、
前記遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路(たとえば、遊技領域のうちの左側の領域を通る経路)と第2流下経路(たとえば、遊技領域のうちの右側の領域を通る経路)とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを画像表示を用いて遊技者に促す案内表示(たとえば、右打ちを促す画像表示)を行う案内表示手段(たとえば、演出制御用CPU120によって右打ち促進演出を実行する処理)と、
前記第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを発光手段(たとえば、枠右ランプ075F009Rおよび枠左ランプ075F009L)の発光箇所を移動させることで遊技者に促す案内発光を行う案内手段(たとえば、演出制御用CPU120によって枠ランプによる右打ち示唆演出を実行する処理)と、
音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ8L,8R)と、を備え、
前記案内表示は、第1案内表示(たとえば、図40-32(c25)に示す画面中央に位置する大右打ち促進演出に対応する画像表示)と、第2案内表示(たとえば、図40-24(c1)に示す画面右上に位置する小右打ち促進演出に対応する画像表示)とを含み、
前記第1案内表示として、前記第2案内表示よりも強調する態様で、前記第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを遊技者に促す画像表示が行われ(たとえば、大右打ち促進演出は小右打ち促進演出よりも大きな文字および図形の画像表示を用いた態様)、
前記案内表示手段は、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後、前記有利状態の制御の開始を報知する開始演出(たとえば、ファンファーレ演出)の一部である当該有利状態の名称表示(たとえば、大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示)が完了する前から、前記第2案内表示を行い(たとえば、図40-24(c1)に示すように大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示が完了する前から小右打ち促進演出に対応する画像表示を行う部分)、前記有利状態の名称表示の完了以降に前記第1案内表示を行い(図40-25~図40-33に示すように大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示が完了した後に大右打ち促進演出に対応する画像表示を行う部分)、
前記案内手段は、前記第1案内表示に連動して前記案内発光を複数回繰り返して行い(たとえば、図40-25~図40-33に示すように大右打ち促進演出に対応する画像表示に連動して枠ランプを左側から右側に向かってアーチを描くように点灯させることを2回に亘って行う部分)、
前記音出力手段は、
複数回の前記案内発光のうち、最初の前記案内発光が行われることに連動して当該案内発光に対応する対応音を出力し(たとえば、図40-25(c4)~図40-32(c24)に示すように1回目の大右打ち促進演出における枠ランプの点灯時にはスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に応じた態様で音を出力する部分)、
複数回の前記案内発光のうち、最後の前記案内発光が行われるときは前記対応音を出力せず(たとえば、図40-32(c26)~図40-33(c29)に示すように2回目の大右打ち促進演出における枠ランプの点灯時にはスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に応じた態様で音を出力しない部分)、
前記有利状態の制御が開始された以降において、当該有利状態に対応する音を出力し(たとえば、図40-39(e1)に示すように大当りラウンドの開始以降においてスピーカ8L,8Rからラウンド中演出に応じた態様で音を出力する部分)、
前記案内手段は、前記有利状態とは異なる状態であって当該有利状態の制御が終了した後の遊技者にとって有利な特別状態(たとえば、確変状態、時短状態)において、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となったときは前記案内発光を行わない(たとえば、図40-50(h2)に示すように、特図2当りでの連チャン大当りの場合は枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯しない部分)。
具体的には、大当りが発生した後、まずは小右打ち促進演出を実行することで控えめに右打ちすることを遊技者に促し、その後、大当り遊技状態の名称を示す名称画像を表示することで大当り遊技状態に制御されることを遊技者に認識させることができる。そして、大当りラウンドが開始することを遊技者に認識させた後で大右打ち促進演出によって強調した態様で右打ちすることを報知することで、それ以降の遊技において右打ちすることを遊技者に確実に認識させることができる。また、大右打ち促進演出を実行している間においては、枠ランプによるランプの点灯箇所が右方向に移動することで右打ち促進が行われるため、より効果的に右打ちすることを遊技者に促すことができる。さらに、1回目の枠ランプによる右打ち促進が行われるときにはそれに連動してスピーカ8L,8Rから右打ち促進に応じた態様で音が出力されるのに対して、最後(本実施の形態においては2回目)の枠ランプによる右打ち促進が行われるときにはスピーカ8L,8Rから右打ち促進に応じた態様で音が出力されないため、大右打ち促進演出が実行された後に出力される大当りラウンド中のBGMに対して右打ち促進に応じた態様の音が被ることがなく、スムーズに大当りラウンド中のBGMを遊技者に聞こえさせることができる。また、大当り遊技状態後の確変状態や時短状態において、特図2当りでの連チャン当りが発生した場合には、既に右打ち促進を行っていることから、特図1当りでの初当り時のように大右打ち促進演出を実行することがなく、それに連動する右打ち促進演出に応じた態様での枠ランプの点灯も行われないため、頻繁に強調する態様で右打ち促進が行われることで遊技者が煩わしく感じることを防止することができる。これにより、遊技者に対する右打ちすることの指示を好適に実行することができる。
(4-1) 可変表示を行い、可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技媒体(たとえば、遊技球)を発射可能な発射手段(たとえば、打球操作ハンドル30)と、
前記遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路(たとえば、遊技領域のうちの左側の領域を通る経路)と第2流下経路(たとえば、遊技領域のうちの右側の領域を通る経路)とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを画像表示を用いて遊技者に促す案内表示(たとえば、右打ちを促す画像表示)を行う案内表示手段(たとえば、演出制御用CPU120によって右打ち促進演出を実行する処理)と、
前記第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを発光手段(たとえば、枠右ランプ075F009Rおよび枠左ランプ075F009L)の発光箇所を移動させることで遊技者に促す案内発光を行う案内手段(たとえば、演出制御用CPU120によって枠ランプによる右打ち示唆演出を実行する処理)と、
音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ8L,8R)と、を備え、
前記案内表示は、第1案内表示(たとえば、図40-32(c25)に示す画面中央に位置する大右打ち促進演出に対応する画像表示)と、第2案内表示(たとえば、図40-24(c1)に示す画面右上に位置する小右打ち促進演出に対応する画像表示)とを含み、
前記第1案内表示として、前記第2案内表示よりも強調する態様で、前記第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを遊技者に促す画像表示が行われ(たとえば、大右打ち促進演出は小右打ち促進演出よりも大きな文字および図形の画像表示を用いた態様)、
前記案内表示手段は、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後、前記有利状態の制御の開始を報知する開始演出(たとえば、ファンファーレ演出)の一部である当該有利状態の名称表示(たとえば、大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示)が完了する前から、前記第2案内表示を行い(たとえば、図40-24(c1)に示すように大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示が完了する前から小右打ち促進演出に対応する画像表示を行う部分)、前記有利状態の名称表示の完了以降に前記第1案内表示を行い(図40-25~図40-33に示すように大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示が完了した後に大右打ち促進演出に対応する画像表示を行う部分)、
前記案内手段は、前記発光手段を消灯させた後に前記第1案内表示に連動して前記案内発光を行い(たとえば、図40-25~図40-33に示すように一旦消灯した後に大右打ち促進演出に対応する画像表示に連動して枠ランプを左側から右側に向かってアーチを描くように点灯させることを行う部分)、
前記音出力手段は、
前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後、前記案内発光が行われることに連動して当該案内発光に対応する対応音を出力し(たとえば、図40-25(c4)~図40-32(c24)に示すように1回目の大右打ち促進演出における枠ランプの点灯時にはスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に応じた態様で音を出力する部分)、
その後、前記有利状態とは異なる状態であって当該有利状態の制御が終了した後の遊技者にとって有利な特別状態(たとえば、確変状態、時短状態)において、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となったときは前記対応音を出力しない(たとえば、図40-50(h2)に示すように、特図2当りでの連チャン大当りの場合はスピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力しない部分)。
具体的には、大当りが発生した後、まずは小右打ち促進演出を実行することで控えめに右打ちすることを遊技者に促し、その後、大当り遊技状態の名称を示す名称画像を表示することで大当り遊技状態に制御されることを遊技者に認識させることができる。そして、大当りラウンドが開始することを遊技者に認識させた後で大右打ち促進演出によって強調した態様で右打ちすることを報知することで、それ以降の遊技において右打ちすることを遊技者に確実に認識させることができる。また、大右打ち促進演出を実行している間においては、枠ランプが一旦消灯した後にランプの点灯箇所が右方向に移動することで右打ち促進が行われるため、より分かり易くかつ効果的に右打ちすることを遊技者に促すことができる。さらに、枠ランプによる右打ち促進が行われるときにはそれに連動してスピーカ8L,8Rから右打ち促進に応じた態様で音が出力されることで、音によっても右打ちすることを遊技者に促すことができる。また、大当り遊技状態後の確変状態や時短状態において、特図2当りでの連チャン当りが発生した場合には、既に右打ち促進を行っていることから、特図1当りでの初当り時のように大右打ち促進演出を実行することがなく、それに連動する右打ち促進演出に応じた態様での音も出力されないため、頻繁に強調する態様で右打ち促進が行われることで遊技者が煩わしく感じることを防止することができる。これにより、遊技者に対する右打ちすることの指示を好適に実行することができる。
(4-2) 可変表示を行い、可変表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技媒体(たとえば、遊技球)を発射可能な発射手段(たとえば、打球操作ハンドル30)と、
前記遊技領域において遊技媒体が流下可能な第1流下経路(たとえば、遊技領域のうちの左側の領域を通る経路)と第2流下経路(たとえば、遊技領域のうちの右側の領域を通る経路)とのうち、当該第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを画像表示を用いて遊技者に促す案内表示(たとえば、右打ちを促す画像表示)を行う案内表示手段(たとえば、演出制御用CPU120によって右打ち促進演出を実行する処理)と、
前記第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを発光手段(たとえば、枠右ランプ075F009Rおよび枠左ランプ075F009L)の発光箇所を移動させることで遊技者に促す案内発光を行う案内手段(たとえば、演出制御用CPU120によって枠ランプによる右打ち示唆演出を実行する処理)と、
音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ8L,8R)と、を備え、
前記案内表示は、第1案内表示(たとえば、図40-32(c25)に示す画面中央に位置する大右打ち促進演出に対応する画像表示)と、第2案内表示(たとえば、図40-24(c1)に示す画面右上に位置する小右打ち促進演出に対応する画像表示)とを含み、
前記第1案内表示として、前記第2案内表示よりも強調する態様で、前記第2流下経路に向けて遊技媒体を発射させることを遊技者に促す画像表示が行われ(たとえば、大右打ち促進演出は小右打ち促進演出よりも大きな文字および図形の画像表示を用いた態様)、
前記案内表示手段は、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となった後、前記有利状態の制御の開始を報知する開始演出(たとえば、ファンファーレ演出)の一部である当該有利状態の名称表示(たとえば、大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示)が完了する前から、前記第2案内表示を行い(たとえば、図40-24(c1)に示すように大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示が完了する前から小右打ち促進演出に対応する画像表示を行う部分)、前記有利状態の名称表示の完了以降に前記第1案内表示を行い(図40-25~図40-33に示すように大当り遊技状態の名称を示す名称画像の表示が完了した後に大右打ち促進演出に対応する画像表示を行う部分)、
前記案内手段は、
前記発光手段を消灯させた後に前記第1案内表示に連動して前記案内発光を行い(たとえば、図40-25~図40-33に示すように一旦消灯した後に大右打ち促進演出に対応する画像表示に連動して枠ランプを左側から右側に向かってアーチを描くように点灯させることを行う部分)、
その後、前記有利状態とは異なる状態であって当該有利状態の制御が終了した後の遊技者にとって有利な特別状態(たとえば、確変状態、時短状態)において、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となったときは前記案内発光を行わない(たとえば、図40-50(h2)に示すように、特図2当りでの連チャン大当りの場合は枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯しない部分)。
具体的には、大当りが発生した後、まずは小右打ち促進演出を実行することで控えめに右打ちすることを遊技者に促し、その後、大当り遊技状態の名称を示す名称画像を表示することで大当り遊技状態に制御されることを遊技者に認識させることができる。そして、大当りラウンドが開始することを遊技者に認識させた後で大右打ち促進演出によって強調した態様で右打ちすることを報知することで、それ以降の遊技において右打ちすることを遊技者に確実に認識させることができる。また、大右打ち促進演出を実行している間においては、枠ランプが一旦消灯した後にランプの点灯箇所が右方向に移動することで右打ち促進が行われるため、より分かり易くかつ効果的に右打ちすることを遊技者に促すことができる。さらに、枠ランプによる右打ち促進が行われるときにはそれに連動してスピーカ8L,8Rから右打ち促進に応じた態様で音が出力されることで、音によっても右打ちすることを遊技者に促すことができる。また、大当り遊技状態後の確変状態や時短状態において、特図2当りでの連チャン当りが発生した場合には、既に右打ち促進を行っていることから、特図1当りでの初当り時のように大右打ち促進演出を実行することがなく、それに連動する右打ち促進演出に応じた態様での枠ランプの点灯も行われないため、頻繁に強調する態様で右打ち促進が行われることで遊技者が煩わしく感じることを防止することができる。これにより、遊技者に対する右打ちすることの指示を好適に実行することができる。
(5) 前記第2案内表示は、前記開始演出の一部である前記有利状態の名称表示よりも、強調される態様で表示される。
具体的には、図40-25~図40-33に示す大右打ち促進演出における画像表示は、図40-24(c2)に示すファンファーレ演出における名称画像の表示よりも、文字画像が大きく、かつ段階的に1文字ずつ現れ、しかも実行時間が長く、強調された態様で表示される。これにより、右打ちすることを遊技者に強調することができる。
(6) 前記案内手段は、前記第1案内表示に連動して前記案内発光を複数回繰り返して行い、
前記音出力手段は、
複数回の前記案内発光のうち、最初の前記案内発光が行われることに連動して当該案内発光に対応する対応音を出力し、
複数回の前記案内発光のうち、途中の前記案内発光が行われることに連動して当該案内発光に対応する対応音を出力せず、
複数回の前記案内発光のうち、最後の前記案内発光が行われるときは前記対応音を出力しない。
具体的には、複数回に亘る枠ランプによる右打ち促進演出のうち、1回目の右打ち促進に連動してスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に対応する音が出力されるが、2回目以降の右打ち促進についてはスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に対応する音が出力されない。たとえば、枠ランプによる右打ち促進演出が3回に亘って実行される場合、スピーカ8L,8Rは、右打ち促進演出用の音データに基づき1回目の右打ち促進に連動して音を出力するとともに2回目以降の右打ち促進に連動して音を出力しない。つまり、右打ち促進演出用の音データには、1回目の右打ち促進に連動する音データしか含まれない。これにより、大右打ち促進演出が実行された後に出力される大当りラウンド中のBGMに対して右打ち促進に応じた態様の音が被ることがなく、スムーズに大当りラウンド中のBGMを遊技者に聞こえさせることができる。
(7) 前記案内手段は、前記第1案内表示に連動して前記案内発光を複数回繰り返して行い、
前記音出力手段は、
複数回の前記案内発光のうち、最初の前記案内発光が行われることに連動して当該案内発光に対応する対応音を出力し、
複数回の前記案内発光のうち、途中の前記案内発光が行われることに連動して当該案内発光に対応する対応音を出力し、
複数回の前記案内発光のうち、最後の前記案内発光が行われるときは前記対応音を出力しない。
具体的には、複数回に亘る枠ランプによる右打ち促進演出のうち、1回目の右打ち促進に連動してスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に対応する音が出力され、さらにその後の右打ち促進についても連動してスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に対応する音が出力されるが、最後の右打ち促進についてはスピーカ8L,8Rから右打ち促進演出に対応する音が出力されない。たとえば、枠ランプによる右打ち促進演出が3回に亘って実行される場合、スピーカ8L,8Rは、右打ち促進演出用の音データに基づき1回目および2回目の各々の右打ち促進に連動して音を出力するとともに3回目の右打ち促進に連動して音を出力しない。つまり、右打ち促進演出用の音データには、1回目および2回目の各々の右打ち促進に連動する音データしか含まれない。なお、音データには、1回分の右打ち促進に連動する音データしか含まれず、演出制御用CPU120は、1回分の右打ち促進に連動する音データを2ループ実行するものであってもよい。あるいは、音データには、2回分の右打ち促進に連動する音データが含まれ、演出制御用CPU120は、2回分の右打ち促進に連動する音データを1回実行するものであってもよい。これにより、大右打ち促進演出が実行された後に出力される大当りラウンド中のBGMに対して右打ち促進に応じた態様の音が被ることがなく、スムーズに大当りラウンド中のBGMを遊技者に聞こえさせることができる。
(8) 前記発光手段は、複数のランプによって構成され、当該複数のランプの全てを消灯させた後に前記第1案内表示に連動して前記案内発光を行う(たとえば、図40-25(c3)に示すように枠ランプの全てのランプを一旦消灯した後に大右打ち促進演出に応じた態様で枠ランプを点灯させる部分)。
具体的には、枠ランプの全てのランプを一旦消灯した後に大右打ち促進演出に応じた態様で枠ランプを点灯させるため、より分かり易くかつ効果的に右打ちすることを遊技者に促すことができる。
(9) 前記発光手段は、点灯データテーブルによって規定されたデータに基づき前記第1案内表示に連動して前記案内発光を行うものであり、
前記点灯データテーブルは、前記案内発光の実行時間を規定する親テーブル(たとえば、図40-34に示す親テーブル)と、前記発光手段が参照するデータが規定された孫テーブルを示す子テーブル(たとえば、図40-35に示す子テーブル)と、当該孫テーブル(たとえば、図40-36,図40-37に示す子テーブル)とを含む。
具体的には、枠ランプを含む遊技効果ランプ9は、親テーブルを参照することで大右打ち促進演出の実行時間を特定し、子テーブルを参照することで点灯データが規定された孫テーブルを特定し、孫テーブルを参照することで点灯/点滅/消灯を行う。これにより、遊技効果ランプ9は、適切な点灯態様で効率よく点灯することができる。
(10) 前記発光手段のうち、前記案内発光を行わない発光手段に対応する前記孫テーブルについては、前記子テーブルに規定されない。
具体的には、図40-35に示すように、左下ランプ075F009D、アタッカ上ランプ075F009U、および盤左ランプ075F009Eは、大右打ち促進演出において用いられずに消灯するため、孫テーブルが設けられていない。これにより、ROM121において使用される点灯データの容量を極力削減することができる。
(11) 前記案内手段は、遊技者が遊技媒体を発射させる方向に向けて順番に前記発光手段の発光箇所を移動させることで、前記案内発光を行う(たとえば、図40-25~図40-33に示すように遊技領域の左側から右側に向かって枠ランプに含まれる各ランプを順番に点灯させる部分)。
具体的には、図40-25~図40-33に示すように、遊技領域の左側から右側に向かって枠ランプに含まれる各ランプを順番に点灯させることで、大右打ち促進演出を実行することで、遊技者に対して右打ちすることを分かり易く促すことができる。
(12) 前記案内手段は、前記発光手段の発光色を変化させながら、前記案内発光を行う(たとえば、枠ランプを七色に点灯させる部分)。
具体的には、枠ランプは、七色に点灯しながら大右打ち促進演出を実行するため、遊技者に対して右打ちすることをより効果的に促すことができる。
(13) 前記第2案内表示は、前記有利状態の制御に関連して行われる背景画像の切替表示として、フェードインおよびフェードアウトによる切替表示による影響を受けない(たとえば、図40-38(d1)~図40-39(d4)に示すようにフェードインおよびフェードアウトによる背景画像の切替表示に影響されることなく小右打ち促進演出に対応する画像表示を継続する部分)。
具体的には、図40-38(d1)~図40-39(d4)に示すように、小右打ち促進演出は、ファンファーレ演出から大当りラウンドに切り替わる際のフェードインおよびフェードアウトによる背景画像の切替表示に影響されることなく継続される。これにより、背景画像の切替表示によってファンファーレ演出から大当りラウンドに切り替わったとしても、引き続き右打ちすることを遊技者に促すことができる。
(14) 前記第2案内表示は、前記特別状態における演出画像の表示として、可変表示の表示結果が前記特定表示結果となることを示唆する予告演出における表示による影響を受けない(たとえば、図40-49(g5)に示すように群予告演出による画像表示に影響されることなく小右打ち促進演出に対応する画像表示を継続する部分)。
具体的には、図40-49(g5)に示すように、小右打ち促進演出は、大当り有利状態が終了した後の確変状態において、大当りが発生することを示唆する予告演出における表示に影響されることなく継続される。これにより、予告演出が実行されることで飾り図柄の視認性が困難になったとしても、小右打ち促進演出における矢印画像および文字画像は視認性が阻害されることなく表示され続けるため、引き続き右打ちすることを遊技者に促すことができる。
(15) 前記特別状態において、前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となったときは前記対応音を出力しないとともに、前記案内発光も行わない(たとえば、図40-50(h2)に示すように、特図2当りでの連チャン当りの場合はスピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力せず、かつ枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯しない部分)。
具体的には、図40-50(h2)に示すように、特図2当りでの連チャン当りの場合は、初当り時のようにスピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力したり、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯したりしない。これにより、頻繁に強調する態様で右打ち促進が行われることで遊技者が煩わしく感じることを防止することができる。
[特徴部075Fの変形例]
上述した特徴部075Fに係るパチンコ遊技機1の変形例について説明する。
(大右打ち促進演出の実行前の消灯について)
本実施の形態においては、図40-25(c3)に示すように、枠ランプの全てのランプを一旦消灯した後に大右打ち促進演出に応じた態様で枠ランプを点灯させるものであったが、全てのランプを消灯するものに限らず一部のランプについては点灯していてもよい。たとえば、大右打ち促進演出において最初に点灯するランプ(この例では、枠左ランプ075F009Lの第4ランプ)については点灯していてもよい。このようにすれば、その後に大右打ち促進演出に応じた態様で枠ランプを点灯させるときの繋がりをよく見せることができる。
(大当りラウンド中の切替表示について)
本実施の形態においては、図40-38(d1)~図40-39(d4)に示すように、大当りラウンド中の切替表示として、ファンファーレ演出から大当りラウンドへ切り替わる際に、フェードインおよびフェードアウトによる背景画像の切替表示を実行することを例示したが、これに限らない。たとえば、大当りラウンド中の切替表示としては、ファンファーレ演出と大当りラウンドとの間に真っ白な画面を挿入するホワイトアウトや、真っ黒な画面を挿入するブラックアウトなどの演出効果を用いてもよい。
また、大当りラウンド中の切替表示としては、BGM(楽曲)を選択させるためのBGM選択画面を表示し、当該BGM選択画面によって選択されたBGMに対応する背景画像に切り替わるものであったもよい。
また、大当りラウンド中の切替表示としては、演出モードを選択させるためのモード選択画面を表示し、当該モード選択画面によって選択されたモードに対応する背景画像に切り替わるものであったもよい。
いずれにおいても、大当りラウンド中に特殊な切替表示が行われたとしても、小右打ち促進演出に対応する画像表示が影響されないようにすればよい。
(大当り遊技球状態後の確変状態における演出画像の表示について)
本実施の形態においては、図40-49(g5)に示すように、大当り遊技球状態後の確変状態における演出画像の表示として、群予告演出による画像表示を例示したが、これに限らない。たとえば、大当り遊技球状態後の確変状態における演出画像の表示としては、リーチ演出中に真っ白な画面を挿入するホワイトアウトや、真っ黒な画面を挿入するブラックアウトの演出効果を用いてもよいし、複数回の飾り図柄の変動および仮停止を繰り返す擬似連予告の演出効果を用いてもよいし、遊技領域の前面側に設けられた導光板を点灯や点滅させることで飾り図柄の視認性を困難にさせる演出効果を用いてもよい。いずれにおいても、大当り遊技球状態後の確変状態おいて特殊な演出表示が行われたとしても、小右打ち促進演出に対応する画像表示が影響されないようにすればよい。
(Vを狙え演出について)
本実施の形態においては、特定領域として、特別可変入賞球装置075F007Bの内部に設けられたV大入賞口を通過した後のV入賞スイッチ075F024の検出領域を例示するとともに、Vを狙え演出として、図40-43(e13)に示すようにV大入賞口を指す画像を表示するものであった。しかし、これに限らず、特定領域に関する画像表示を用いた第3案内表示であるVを狙え演出における画像表示は、V大入賞口そのものを指すものに限らず、V大入賞口付近を指すものであってもよいし、V大入賞口に至るまでの経路、たとえばV大入賞口の上流側に位置するV大入賞口を開閉させる蓋部分を指すものであってもよい。
(大右打ち促進演出について)
本実施の形態においては、図40-25(c4)~図40-31(c23)に示すように、先に矢印の図形画像が現れ、その後、「右打ちだ!!」の文字画像が現れるものであったが、これに限らない。たとえば、先に「右打ちだ!!」の文字画像が現れ、その後、矢印の図形画像が現れるものであってもよい。また、第1案内表示の一例である大右打ち促進演出の画像表示では、矢印画像および文字画像で構成されるのに対して、第2案内表示の一例である小右打ち促進演出の画像表示では、矢印画像のみ、あるいは文字画像のみで構成されてもよい。
(有利状態について)
本実施の形態においては、「有利状態」の期間として、図40-24(c1)~図40-47(f4)に示す期間(図40-20のt3~図40-21のt16までの期間)を例示したが、これに限らない。たとえば、「有利状態」の期間としては、ファンファーレ演出期間を除く期間、すなわち、図40-39(d3)~図40-47(f4)に示す期間(図40-20のt4~図40-21のt16までの期間)であってもよい。また、ファンファーレ演出および大右打ち促進演出は、大当りが発生する図柄が確定する期間(図柄確定期間)に実行されてもよい。
(初当りの場合の右打ち促進演出について)
本実施の形態においては、特図1当りでの大当りの場合、スピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力したり、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯したりしていたが、これに限らない。たとえば、特図1当りでの大当りの種別に応じて、スピーカ8L,8Rおよび枠ランプの大右打ち促進演出の態様を異ならせてもよい。たとえば、特図1当りでの大当りが通常大当りである場合、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯する一方で、スピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力しないようにし、特図1当りでの大当りが確変大当りである場合、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯するとともに、スピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力してもよい。また、特図1当りでの大当りが通常大当りである場合、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯せず、かつスピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力しないようにしてもよい。
(特図2当りでの連チャン当りの場合の右打ち促進演出について)
本実施の形態においては、図40-50(h2)に示すように、特図2当りでの連チャン当りの場合、スピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力したり、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯したりしないが、これに限らない。たとえば、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯する一方でスピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力しないものであってもよい。
また、特図2当りでの連チャン当りの種別に応じて、スピーカ8L,8Rおよび枠ランプの大右打ち促進演出の態様を異ならせてもよい。たとえば、特図1当りでの大当りが通常大当りである場合、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯する一方で、スピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力しないようにし、特図2当りでの連チャン当りが確変大当りである場合、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯するとともに、スピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力してもよい。また、特図2当りでの連チャン当りが通常大当りである場合、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた態様で点灯せず、かつスピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた態様で音を出力しないようにしてもよい。特図2当りでの連チャン当りが確変大当りである場合、特図1当りでの初当り時とは異なり、枠ランプが大右打ち促進演出に応じた特別な態様(たとえば、金色や七色など)で点灯してもよいし、スピーカ8L,8Rから大右打ち促進演出に応じた特別な態様で音を出力してもよい。また、画像表示装置5の画面上においても、特図1当りでの初当り時とは異なる特別な態様(たとえば、特別なキャラクタが出現するなど)で大右打ち促進演出が実行されてもよい。
(第3案内表示について)
本実施の形態においては、特定領域に関する画像表示を用いた第3案内表示として、確変大当りにおける大当りラウンド中に、V大入賞口を指す画像を例示したが、これに限らない。たとえば、第3案内表示として、大当り遊技状態が終了した後の確変状態において、第2始動入賞口を狙って遊技球を発射させることを遊技者に促す画像を表示すること、あるいは、可変入賞球装置6B(普通電動役物)を狙って遊技球を発射させることを遊技者に促す画像を表示することなどを適用してもよい。たとえば、演出制御用CPU120は、エンディング演出が終了した後、CPU103から、保留記憶数指定コマンド(C2系コマンド)、背景指定コマンド(95系コマンド)、図柄変動指定コマンド(8D系コマンド)、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)、および変動パターン指定コマンド(81系コマンド)を受信したことに基づき、第2始動入賞口や可変入賞球装置6B(普通電動役物)を指す矢印画像とともに「狙え!」の文字画像を画像表示装置5に表示してもよい。このような画像表示が行われたとしても、小右打ち促進演出における図形および文字画像は継続して表示し続ければよい。
(ハズレ図柄の表示による時短状態の制御について)
上記した各特徴部や変形例においては、時短状態(高ベース状態)への移行については、必ず特別可変入賞球装置7や特別可変入賞球装置075F007Aが作動する大当り状態や小当り状態を経由して移行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、特別図柄として時短図柄が導出表示された場合に、特別可変入賞球装置7や特別可変入賞球装置075F007Aを作動させることなく時短状態(高ベース状態)に移行するようにしてもよい。
なお、上記した時短図柄としては、これらの時短図柄をハズレ図柄の一部としてもよいし、小当り図柄の一部としてもよい。
また、時短図柄の導出表示に関する抽選処理を行う場合には、これらの抽選処理に、時短図柄抽選用の専用の乱数を用いて抽選を実行してもよいし、ハズレ図柄の抽選乱数や大当り図柄の抽選乱数や小当り図柄の抽選乱数、大当り抽選判定用乱数、転落抽選の抽選乱数などの他の抽選を行う乱数を用いて抽選を行うようにしてもよい。
また、これら時短図柄については、複数種類の図柄であってよいとともに、その他の図柄である小当り図柄やハズレ図柄で表示される図柄の組合せと併用してもよい。なお、この場合、併用する小当り図柄によって時短状態の移行の有無を決定してもよい。但し、時短図柄に当選した場合に、さらに抽選によって時短状態への移行の有無を抽選することや、時短回数を抽選することは行わない。
また、時短図柄の抽選を行う場合であって、設定値を変更可能である場合には、設定値に応じて時短図柄の抽選確率は変化しない、つまり、全ての設定値において時短図柄の抽選確率は同一とするが、これら時短図柄の抽選確率を第1特図と第2特図とで異なる確率としてもよい。
また、時短図柄の抽選を行う場合の乱数取得のタイミングについては、専用の乱数を使用する場合であっても、他の乱数を使用する場合であっても、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞時でよい。
また、時短図柄の抽選を行う場合の当選については、専用の乱数(時短抽選乱数)を用いる場合は専用の乱数(時短抽選乱数)による抽選結果を当選値とし、時短図柄の抽選に小当り図柄乱数を用いる場合は特定の小当り図柄乱数値を当選値とし、時短図柄の抽選に転落抽選判定値用乱数を用いる場合は転落抽選判定値用乱数を当選値とすることができるとともに、構造物を用いた抽選、たとえば、特別可変入賞球装置7内部に時短領域を設け、該時短領域を遊技球が通過したことを時短図柄の当選としてもよい。
なお、時短図柄の抽選を、構造物を用いて行う場合において小当り図柄が時短図柄を併用する際に、時短状態の可変表示回数(時短回数)は、時短領域の通過の有無で変化しないようにする。
また、時短図柄の抽選を行う場合の当選については、時短図柄の抽選にハズレ図柄乱数を用いる場合は特定のハズレ図柄乱数値を当選値とし、時短図柄の抽選に大当り図柄乱数を用いる場合は特定の大当り図柄乱数値を当選値とすることができる。但し、これらの乱数値を当選値とする場合には、設定によって大当り確率以外の性能に差異がでることから、設定値の変更が不能なものに限り可能である。
また、時短図柄の抽選結果の判定タイミングは、大当り判定後のタイミングにおいて実行すればよい。なお、時短図柄の抽選は、抽選に使用する乱数値がいずれの乱数値であっても、時短状態(高ベース)や高確率時においては実行せずに、低確率低ベース状態においてのみ実行する。但し、既に、時短状態となっている状態で、時短図柄が導出表示された場合に、時短回数の再セットや抽選しないことのずれであっても、遊技機ごとに決まっていればよい。
また、時短図柄が導出表示されたときの時短回数については、当選値(図柄)と遊技状態ごとに応じて、予め定められた複数の時短回数をもつことができる。また、時短図柄ごとに時短の付与条件を異なるようにすることもできる。
また、時短図柄に応じて時短回数が異なるときには、特図1と特図2で、時短図柄の振り分け抽選を変更することができる。
また、同一の時短図柄が導出表示されたときでも、その時の遊技状態に応じて付与される時短回数が異なるようにしてもよい。ただし、遊技状態に対して予め定められたものであることを要する。
また、低確率低ベース状態における時短図柄の抽選結果として「時短回数0回」の抽選結果を含めることができる。
また、時短終了図柄の導出抽選(時短終了抽選)を実行し、時短回数を時短開始後において時短終了図柄が導出表示されるまで、あるいは大当り図柄が導出表示されるまでの回数としてもよい。つまり、時短の回数を設定せずに、原則、無制限としてもよい。
また、時短図柄により制御される時短状態と、大当りの発生によって制御される時短状態とで、時短回数や付与条件を異なるようにしてもよい。
また、時短図柄が導出表示された場合において時短状態に制御されるタイミングは、時短図柄の図柄確定時間が経過した時点となる。但し、時短図柄の抽選に小当り図柄乱数を用いる場合にあって、小当りに当選して時短状態に移行する場合には、小当りの動作終了時が時短状態に制御されるタイミングとなる。
また、構造物を用いた抽選の場合に時短状態に制御されるタイミングは、構造物を動作させる遊技状態(たとえば、小当り状態)における構造物の動作終了時のタイミングとなる。
また、大当り後において所定の可変表示回数に亘って高確率低ベース状態に制御される遊技機(所謂、規定回数確変機(ST機))の場合に、遊技場の開店時に高確率低ベース状態であり、該高確率低ベース状態が規定回数の可変表示が実行されて終了した後、時短状態に制御するようにしてもよい。
また、時短リミッタ機能を搭載する場合にあって、時短図柄が導出表示された場合には、時短リミッタの回数を更新する。また、時短図柄の図柄確定時間を、他の図柄の図柄確定時間と異なる時間としてもよい。
特徴部075Fに係るパチンコ遊技機1においては、遊技状態が時短状態に制御されるためには必ず大当り遊技状態を経由するものであったので、時短状態において右打ちすることを遊技者に促すための大右打ち促進演出や小右打ち促進演出を、大当りが発生したときに実行するファンファーレ演出中において行うことができた。しかし、上述したようなハズレ図柄を時短図柄とした場合、大当り遊技状態を経由せずとも遊技状態が時短状態に制御されるため、ハズレ図柄の表示を契機として時短状態に制御される場合、ハズレ図柄が表示されてから時短状態に制御されるまでの間において大右打ち促進演出や小右打ち促進演出を実行するための時間を確保しなければならない。そこで、以下に示すような手法で大右打ち促進演出や小右打ち促進演出を実行すればよい。
たとえば、時短図柄ではないハズレ図柄の変動が停止するまでの図柄確定時間を0.5秒間とした場合に、時短図柄であるハズレ図柄が停止するまでの図柄確定時間をそれよりも長い30秒間とし、その間に時短状態の制御の開始を報知する時短ファンファーレ演出を実行してもよい。なお、CPU103は、表示結果指定コマンド(8C系コマンド)において、ハズレ指定のコマンドとして、時短が付与されない通常のハズレ変動を示す表示結果指定コマンドとは別に、時短が付与される時短用のハズレ変動を示す表示結果指定コマンドを用意し、時短図柄のハズレ変動であるか否かに応じて両者のコマンドを使い分けて演出制御用CPU120に演出制御コマンドを送信すればよい。そして、演出制御用CPU120は、通常のハズレ変動を示す表示結果指定コマンドを受信すれば図柄確定時間を0.5秒間とし、時短用のハズレ変動を示す表示結果指定コマンドを受信すれば図柄確定時間を30秒間とすればよい。
演出制御用CPU120は、図柄確定時間の30秒間において、時短状態の名称を示す名称画像(たとえば、「時短RUSH」)を画像表示装置5に表示するとともに、スピーカ8L,8Rから時短状態の制御に対応する態様で音を出力し、遊技効果ランプ9を時短状態の制御に対応する態様で点灯させる。このような時短ファンファーレ演出の一部の演出は、図40-24(c2)に示すようなファンファーレ演出の一部の演出に対応させることができる。
そして、図40-24(c1)に示す例と同様に、この時短ファンファーレ演出による名称画像(「時短RUSH」)が表示される前から、時短状態となることを祝福する画像(たとえば、「おめでとー!!」の文字画像)を画像表示装置5に表示したり、時短状態となったことを祝福する音をスピーカ8L,8Rから出力したり、時短状態となったことを祝福する点灯態様となるように遊技効果ランプ9の点灯態様を変化させたりしてもよい。また、小右打ち促進演出として、図形(右方向を示す矢印)および文字(「右打ち」の文字)からなる画像を画像表示装置5の右上に小さく表示させる小右打ち促進演出を実行し、右打ちを促す音をスピーカ8L,8Rから出力したり、右打ち表示部075F030および右打ち表示部075F055の点灯態様を右打ちを促す態様(点灯)に変化したりしてもよい。なお、画像表示装置5の右上に表示された小右打ち促進演出における画像と、右打ち表示部075F030および右打ち表示部075F055による点灯とは、同じタイミングで開始し、同じタイミングで終了する。すなわち、両者は、同じ期間に亘って右打ちをすることを遊技者に促すようになっている。
その後、図40-24(c2)に示す例と同様に、時短ファンファーレ演出による名称画像(「時短RUSH」)が表示される間も引き続き小右打ち促進演出を実行し、その後、図40-25(c3)に示す例と同様に一旦遊技効果ランプ9を消灯させた後に、図40-25(c4)~図40-38(c26)に示す例と同様に時短ファンファーレ演出中において大右打ち促進演出を実行してもよい。この間、小右打ち促進演出は実行され続ける。そして、大右打ち促進演出を実行した後、図40-48~図40-50に示す例と同様に遊技状態を時短状態に制御し、小右打ち促進演出を継続させてもよい。
このように、ハズレ図柄を契機として時短状態に制御される場合であっても、時短図柄でないハズレ図柄における図柄確定時間よりも多くの図柄確定時間を確保することで、当該図柄確定時間において大右打ち促進演出や小右打ち促進演出を実行することができる。
なお、ハズレ図柄を契機として時短状態に制御される場合において、上述したように図柄確定時間を利用して大右打ち促進演出や小右打ち促進演出を実行するものに限らず、時短付与のハズレ図柄が確定した遊技の次の遊技(変動)を行うためのハズレに対応する保留記憶があれば、当該次の遊技(変動)において、時短ファンファーレ演出を実行するとともに大右打ち促進演出や小右打ち促進演出を実行してもよい。具体的には、ハズレ図柄が確定した遊技の次の遊技(変動)がハズレ変動の場合、リーチ演出や予告演出などの当りを期待させるような演出を実行することなく、代わりに時短ファンファーレ演出を実行するとともに大右打ち促進演出や小右打ち促進演出を実行してもよい。但し、ハズレ図柄が確定した遊技の次の遊技(変動)が大当りの場合、その後、図40-24(c1)に示すようなファンファーレ演出が実行されるため、時短ファンファーレ演出を実行しない。
一方、時短付与のハズレ図柄が確定した遊技の次の遊技(変動)を行うための保留記憶がなければ、図柄が変動していない状態で時短ファンファーレ演出を実行するとともに大右打ち促進演出や小右打ち促進演出を実行してもよい。但し、この場合、客待ちデモンストレーション演出が実行されて時短ファンファーレ演出が阻害されないようにするために、CPU103から演出制御用CPU120に対して客待ちデモ指定コマンド(9F系コマンド)を送信しないようにする。あるいは、CPU103から客待ちデモ指定コマンド(9F系コマンド)を受信したとしても、演出制御用CPU120は、客待ちデモンストレーション演出を実行することなく、時短ファンファーレ演出を実行してもよい。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組合せられてもよい。このように組合せられた特徴部、あるいは、組合せられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組合せられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。