以下に、図面を用いて、本発明の一実施形態にかかる地物管理システム10について説明する。この地物管理システム10は、図1に示すように、世界的規模のコンピュータ・ネットワークであるインターネット10Aを介して接続されたサーバー11、タブレット端末12、スマートフォン13、および、パーソナルコンピュータ14を協働させたものである。この地物管理システム10は、不動産会社が、所定の地理的範囲内にて定着された特定種類の地物(具体的には例えば不動産の物件としての駐車場。以下、単に「地物」とも称する。)を調査して登録管理する業務において使用される。ここで、地物管理システム10は、地物のデータを自社所属の物件か他社所属の物件かを表す所属データを付した状態で登録して、この地物のデータの管理を実現させるために使用される。
サーバー11は、その内部に記録媒体であるストレージ(図示せず)を備えている。このストレージには、地物管理システム10におけるサーバーとしての機能をサーバー11に実現させるためのサーバー用プログラムが、コンピュータ読み取り可能に記録されている。このサーバー用プログラムは、サーバー11の起動時に自動的に実行されるように設定されている。また、サーバー用プログラムは、外部機器のウェブブラウザー(図示せず)によるアクセスに対して、このウェブブラウザーに所定のスクリプトファイルとこのスクリプトファイルを使用するHTMLテキストとを転送する機能を、サーバー11に実現させる。ここで、上記スクリプトファイルおよびHTMLテキストは、サーバー用プログラムがサーバー11にアプリケーションサービスプロバイダーとしての機能を実現させることにより用意されるものである。
また、サーバー11のストレージには、所定の地理的範囲内にて定着された複数の地物の情報がコンピュータ読み取り可能に記録されている。ここで、ストレージに記録された地物の情報には、地物の特定を可能とする特定情報と、地物が自社所属の物件、他社所属の物件、あるいは、管理対象外のランドマークのいずれであるかを表す所属データとが含まれている。また、ストレージに記録された地物の情報には、地物が定着された場所の位置情報と、この場所の状況を表す状況データと、この状況データの更新日時を表す更新日時情報とが含まれている。上記状況データは、例えば地物の物件名称および住所(地番)、地物の外観を写した写真画像のデータ、地物が調査された調査日および調査担当者の氏名、当該調査担当者のコメントなど、種々のデータを含みうるものである。
また、サーバー11には、インターネット10A、および、専用線で構築されたコンピュータ・ネットワークであるイントラネット10Bの両方が接続されている。このイントラネット10Bは、サーバー11にこのサーバー11とは別個に存在するデータセンター11Aを接続可能とするように構築されている。このデータセンター11Aには、所定の地理的範囲内にて定着された地物の情報を集積したデータベースが、コンピュータ読み取り可能に記録されている。なお、上記データベースにおける地物の情報には、地物の特定を可能とする特定情報と、地物が定着された場所の位置情報とが含まれている。
タブレット端末12は、画像または映像を出力する出力機器としての機能と、文字入力を含む種々の操作入力を受け付ける入力機器としての機能とを兼ね備えたタッチパネル12Aを備えている。このタッチパネル12Aは、タブレット端末において一般的に使用されているものであり、タップ、ダブルタップ、パン、ピンチなどの種々の操作入力を行うことができるものである。
また、タブレット端末12は、その固有の機能として、外部からの信号(具体的には例えば衛星測位システムにおける航法信号の電波)を受けて、この信号からタブレット端末12の現在位置を割り出す測位機能を備えている。また、タブレット端末12は、その固有の機能として、インターネット10Aにおける無線アクセスポイント(図示せず)に対して無線でアクセスして、タブレット端末12をインターネット10Aに接続された状態にする接続機能を備えている。
また、タブレット端末12は、その内部に記録媒体であるソリッドステートドライブ(図示せず)を備えている。このソリッドステートドライブには、インターネット10A経由でサーバー11にアクセスする機能をタブレット端末12に実現させるためのウェブブラウザーが、コンピュータ読み取り可能に記録されている。このウェブブラウザーは、タブレット端末12にインストールされた状態とされて、このタブレット端末12がインターネット10Aに接続されているときに実行できるようになっている。
スマートフォン13は、画像または映像を出力する出力機器としての機能と、文字入力を含む種々の操作入力を受け付ける入力機器としての機能とを兼ね備えたタッチパネル13Aを備えている。このタッチパネル13Aは、スマートフォンにおいて一般的に使用されているものであり、タップ、ダブルタップ、パン、ピンチなどの種々の操作入力を行うことができるものである。
また、スマートフォン13は、その固有の機能として、外部からの信号(具体的には例えば衛星測位システムにおける航法信号の電波)を受けて、この信号からスマートフォン13の現在位置を割り出す測位機能を備えている。また、スマートフォン13は、その固有の機能として、インターネット10Aにおける無線アクセスポイント(図示せず)に対して無線でアクセスして、スマートフォン13をインターネット10Aに接続された状態にする接続機能を備えている。
また、スマートフォン13は、その内部に記録媒体である内蔵メモリー(図示せず)を備えている。この内蔵メモリーには、インターネット10A経由でサーバー11にアクセスする機能をスマートフォン13に実現させるためのウェブブラウザーが、コンピュータ読み取り可能に記録されている。このウェブブラウザーは、スマートフォン13にインストールされた状態とされて、このスマートフォン13がインターネット10Aに接続されているときに実行できるようになっている。
パーソナルコンピュータ14は、画像または映像を出力する出力機器であるディスプレイ14Aと、文字入力のための入力機器であるキーボード14Bと、ディスプレイ14Aに表示されるポインタ(図示せず)を操作するための入力機器であるマウス14Cとを備えている。このマウス14Cは、一般に流通している2ボタン型のホイールマウスであり、クリック、ダブルクリック、ドラッグ、パンなどの種々の操作入力を行うことができるものである。
また、パーソナルコンピュータ14は、インターネット10Aにおけるアクセスポイント(図示せず)に対して有線でアクセスして、パーソナルコンピュータ14をインターネット10Aに接続された状態にするためのインターフェース(図示せず)を備えている。また、パーソナルコンピュータ14には、そのオペレーティングシステムとしてWindows 10(Windowsは登録商標)がインストールされている。これにより、パーソナルコンピュータ14においては、インターネット10Aからの信号を受けて、この信号からパーソナルコンピュータ14の現在位置を割り出す測位機能が実現されている。なお、パーソナルコンピュータ14におけるオペレーティングシステムは、上記測位機能をパーソナルコンピュータ14に実現させることが可能な任意の種類のオペレーティングシステムに変更することができる。
また、パーソナルコンピュータ14は、その内部に記録媒体であるハードディスクドライブ(図示せず)を備えている。このハードディスクドライブには、インターネット10A経由でサーバー11にアクセスする機能をパーソナルコンピュータ14に実現させるためのウェブブラウザーが、コンピュータ読み取り可能に記録されている。このウェブブラウザーは、パーソナルコンピュータ14にインストールされた状態とされて、このパーソナルコンピュータ14がインターネット10Aに接続されているときに実行できるようになっている。
ここで、サーバー11は、タブレット端末12、スマートフォン13、または、パーソナルコンピュータ14におけるウェブブラウザーのアクセスに対して、所定のスクリプトファイルとこのスクリプトファイルを使用するHTMLテキストとを転送する。このHTMLテキストおよびスクリプトファイルは、転送先のウェブブラウザー上において、このウェブブラウザーの実行環境(タブレット端末12、スマートフォン13、または、パーソナルコンピュータ14)を、地物管理システム10におけるクライアントマシンとして機能させるクライアントマシン用プログラムとして動作する。ここで、クライアントマシン用プログラムは、その実行時において自身の実行環境を取得し、この取得結果に基づいて具体的な処理内容を変更することで、タブレット端末12、スマートフォン13、および、パーソナルコンピュータ14のいずれをもクライアントマシンとして機能させることができるようになっている。
続いて、地物管理システム10における各クライアントマシン(タブレット端末12、スマートフォン13、および、パーソナルコンピュータ14)に上記クライアントマシン用プログラムが実行させる一連の各ステップについて、図2および図3に示すフローチャートを用いて説明する。この一連の各ステップにおいて、クライアントマシンは、まず、図2のステップC10を実行する。
ステップC10において、クライアントマシンは、後述する各ステップを実行するために必要となる初期設定を行い、ステップC20に進む。この初期設定には、クライアントマシン用プログラムの実行環境を取得し、この取得結果に基づいてクライアントマシンにおいて有効となる操作入力を設定する処理が含まれる。この設定の具体例としては、クライアントマシンがパーソナルコンピュータ14である場合はそのマウス14Cの左クリックを、クライアントマシンがタブレット端末12またはスマートフォン13である場合はそのタッチパネル(タッチパネル12Aまたはタッチパネル13A)のタップを、それぞれ対象を選択する操作における有効な操作入力とする設定が挙げられる。また、上記初期設定には、上記実行環境の取得結果に基づいて、後述する地図20(図6参照)が表示されるべき画面領域を設定する処理が含まれる。
ステップC20において、クライアントマシンは、後述するステップC30からステップC110に至る一連の処理を繰り返し実行する。この一連の処理は、ステップC10の初期設定において設定された有効な操作入力がクライアントマシンに入力されるまでの間繰り返し実行される。なお、クライアントマシンは、上記有効な操作入力がクライアントマシンに入力されると、ステップC20の繰り返し処理をストップさせてその処理をステップC120に進める。
ステップC30において、クライアントマシンは、その出力機器にて、現時点において設定されている地図中心位置を中心とした地理的範囲を表した地図20(図6参照)を表示する地図表示機能を実現させ、ステップC40に進む。本実施形態においては、クライアントマシンは、上記地図表示機能の実現に際して、クライアントマシン用プログラムを終了させる終了命令を入力するためのオブジェクトである閉じるボタン20A(図6参照)を、地図20と一緒に表示する。また、クライアントマシンがパーソナルコンピュータ14である場合、このパーソナルコンピュータ14は、上記地図表示機能の実現に際して、表示される地図20の地理的範囲の変更を可能とするオブジェクトである拡大/縮小ボタン(図示せず)を、地図20と一緒に表示する。
ここで、上記出力機器は、クライアントマシンがパーソナルコンピュータ14である場合はディスプレイ14Aであり、クライアントマシンがタブレット端末12である場合はタッチパネル12Aであり、クライアントマシンがスマートフォン13である場合はタッチパネル13Aである。また、上記地図中心位置は、上述したステップC10の初期設定において、クライアントマシンがその測位機能を実現させることで得た現在位置が設定されるものである。また、上記地図20の地理的範囲は、そのサイズが変数として定義されるものである。このサイズは、上述したステップC10の初期設定において、上記実行環境の取得結果に基づいて初期化される。また、上記地図表示機能において、地図20は、その全体が上述した画面領域を占めるように、縮小あるいは拡大がなされた状態で表示される。
ステップC40において、クライアントマシンは、サーバー11に記録された地物の情報を参照したい旨のリクエストをサーバー11に向けて送り、このサーバー11から返されるレスポンスを取得する。これにより、クライアントマシンは、サーバー11に記録された地物の情報をリアルタイムで取得する情報取得機能を実現させる。本実施形態においては、クライアントマシンは、上記情報取得機能の実現に際して、サーバー11に記録された地物の情報のうち、上記地図20の地理的範囲に含まれる地物の情報のみを取得する。なお、ステップC40を実行したクライアントマシンは、その処理を後述するステップC50の繰り返し処理に進める。
ステップC50において、クライアントマシンは、直近に実行されたステップC40において情報を取得した全ての地物に対して、後述するステップC60からステップC100に至る一連の処理を1回ずつ行う繰り返し処理を実行する。なお、クライアントマシンは、ステップC50において上記全ての地物に対して上記一連の処理を行うと、ステップC50の繰り返し処理を終了させてステップC120を実行する。
ステップC60において、クライアントマシンは、上記全ての地物のうち、上記一連の処理が未処理の状態である地物を1つ選択する。そして、クライアントマシンは、ステップC70を実行する。
ステップC70において、クライアントマシンは、直近に実行されたステップC40により取得された地物の情報のうち、直前に実行されたステップC60において選択された地物に対応する情報から地物の位置情報を抽出する。この機能は、本発明における「位置情報抽出機能」に相当し、この位置情報抽出機能を実現させたクライアントマシンは、その処理をステップC90に進める。
ステップC90において、クライアントマシンは、現時点で表示されている地図20上における、直前に実行されたステップC70において抽出された位置情報に示された地物の位置21B(図9参照)に、操作可能なオブジェクト21(図10参照)をプロットする。この機能は、本発明における「オブジェクトプロット機能」に相当し、このオブジェクトプロット機能を実現させたクライアントマシンは、その処理をステップC100に進める。
なお、クライアントマシンは、上記オブジェクトプロット機能の実現に際して、プロットされるオブジェクト21に対応する地物の情報に含まれる所属データを参照する。そして、クライアントマシンは、参照した所属データに応じて異なる外観を呈するオブジェクト21をプロットする。本実施形態においては、図6に示すように、上記所属データが自社所属である場合は四角いアイコンが、上記所属データが他社所属である場合は丸いアイコンが、上記所属データが管理対象外である場合は三角形のアイコン(図示せず)が、オブジェクト21としてプロットされる。
また、クライアントマシンがタブレット端末12またはパーソナルコンピュータ14のいずれかである場合、クライアントマシンは、オブジェクト21のプロットに際し、このオブジェクト21に対応する地物の所属データを表した凡例21A(図7参照)をあわせてプロットする。
ステップC100は、上述したステップC50の繰り返し処理における戻り処理である。すなわち、クライアントマシンは、直近に実行されたステップC40において情報を取得した全ての地物に対して処理を行っている場合はステップC60を実行し、そうでない場合はステップC110を実行する。
ステップC110は、上述したステップC20の繰り返し処理における戻り処理である。すなわち、クライアントマシンは、上述した有効な操作入力がクライアントマシンに入力されている場合はステップC120を実行し、そうでない場合はステップC30を実行する。
ステップC120において、クライアントマシンは、上述したステップC20の繰り返し処理を終了させる要因となった操作入力の種類について判定を行う。本実施形態においては、上記操作入力は、「地理的範囲の変更」、「地物が存在する場所の指定」、「オブジェクトの操作」、「地図中心の移動」、または、「終了命令」のいずれかの操作入力である。ここで、「地物が存在する場所の指定」は、地図20上において任意に指定可能な指定ポイント20B(図6参照)を選択する操作入力であり、この操作入力を受け付ける機能は、本発明における「入力受け付け機能」に相当する。また、「オブジェクトの操作」は、地図20上にプロットされたオブジェクト21(図6参照)を選択する操作入力である。また、「地図中心の移動」は、地図20をこの地図20の中心を移動させるようにパンする操作入力である。また、「終了命令」は、地図20と一緒に表示された閉じるボタン20A(図6参照)を選択する操作入力である。また、「地理的範囲の変更」は、クライアントマシンがパーソナルコンピュータ14である場合は、地図20と一緒に表示された拡大/縮小ボタン(図示せず)を操作する操作入力である。また、「地理的範囲の変更」は、クライアントマシンがタブレット端末12またはスマートフォン13のいずれかである場合は、地図20を引き延ばす、もしくは、地図20を押し縮めるように、この地図20をピンチする操作入力である。
ステップC120の判定において、上記操作入力が「地図中心の移動」であった場合、クライアントマシンは、その処理をステップC130に進める。また、ステップC120の判定において、上記操作入力が「地物が存在する場所の指定」であった場合、クライアントマシンは、その処理をステップC140に進める。また、ステップC120の判定において、上記操作入力が「オブジェクトの操作」であった場合、クライアントマシンは、その処理を図3に示すステップC180に進める。また、ステップC120の判定において、上記操作入力が「終了命令」であった場合、クライアントマシンは、クライアントマシン用プログラムを終了させる終了処理を行う。また、ステップC120の判定において、上記操作入力が「地理的範囲の変更」であった場合、クライアントマシンは、その処理をステップC80に進める。
ステップC80において、クライアントマシンは、直近に実行された操作入力の内容に応じて上述した地図20の地理的範囲のサイズを変更する処理を行い、ステップC20に進む。
ステップC130において、クライアントマシンは、直近に実行されたパンの操作量に応じて上述した地図中心位置を移動させる処理を行い、ステップC20に進む。
ステップC140において、クライアントマシンは、このクライアントマシンの操作者(図示せず)に、選択された指定ポイント20Bの場所の状況を表す状況データの入力を求める。そして、クライアントマシンは、上記操作者によって状況データが入力されると、その処理をステップC150に進める。
本実施形態においては、ステップC140において、クライアントマシンは、まず、所属データの選択肢を表示して所属データの入力を促すメニュー20C(図7参照)を、地図20の上に表示する。そして、上記選択肢の1つが選択されて所属データが入力されると、クライアントマシンは、その地図20およびメニュー20Cの表示(図7参照)を、状況データのうち所属データを除くデータを入力するためのフォームページ22(図8参照)に切り替える。このフォームページ22は、入力されるべきデータの量に応じて適宜にスクロールさせることが可能な態様で表示される。
フォームページ22には、図8に示すように、複数の入力フォーム22Aと、プレビュー22Bと、ファイル選択ボタン22Cと、サブミットボタン22Dとが配置されている。各入力フォーム22Aには、この入力フォーム22Aに入力すべき事項がプレースホルダーテキストによって表されている。プレビュー22Bにおいては、地図上における指定ポイント20Bの場所が、視覚的に確認できる態様で表示されている。ファイル選択ボタン22Cは、クライアントマシンが備える記録媒体に記録された画像ファイルをサーバー11に送信可能な状態にセットするためのインターフェースであり、セットされた画像ファイルのサムネイル22Eをファイル選択ボタン22Cの隣に表示するようになっている。サブミットボタン22Dは、フォームページ22における入力を完了させるためのインターフェースであり、操作時に確認ダイアログ(図示せず)を表示して、「OK」の操作がなされた場合にクライアントマシンの処理をステップC150に進めるようになっている。なお、上記確認ダイアログにおいては、この確認ダイアログをキャンセルする操作をしたときに、フォームページ22における入力の内容を破棄してクライアントマシンの処理をステップC170に進めるようにしてもよい。
ステップC150において、クライアントマシンは、直前に実行されたステップC140にて入力された状況データに、現在の時刻の情報を更新日時情報として付加する。続いて、クライアントマシンは、上述した「地物が存在する場所の指定」の入力により指定された場所(すなわち指定ポイント20Bの場所)を位置情報とし、上記更新日時情報が付加された状況データにひもづけることで、サーバー11に記録されるべき地物の情報を作成する。この機能は、本発明における「情報作成機能」に相当し、ステップC150を実行したクライアントマシンは、その処理をステップC160に進める。
ステップC160において、クライアントマシンは、直前に実行されたステップC150にて作成された地物の情報をサーバー11に送信して取得させ、その処理を図3に示すステップC170に進める。この際、クライアントマシンは、上記地物の情報を、この情報が「第1の送信機能」によって送信されたことを示すフラグを付した状態でサーバー11に送信する。
ステップC170において、クライアントマシンは、その出力機器にて表示されている画面表示をリセットし、その処理を図2に示すステップC20に進める。
ステップC180において、クライアントマシンは、上述したステップC20の繰り返し処理を終了させる要因となった、「オブジェクトの操作」の操作入力にて選択されたオブジェクト21(図10参照)の位置21B(図9参照)の位置情報を取得する。そして、クライアントマシンは、図3に示すステップC190を実行する。
ステップC190において、クライアントマシンは、サーバー11に記録された地物の情報を参照したい旨のリクエストをサーバー11に向けて送り、このサーバー11から返されるレスポンスを取得する。これにより、クライアントマシンは、直前に実行されたステップC180にて位置情報を取得した、オブジェクト21がプロットされた位置21Bに存在する地物の特定情報を取得する。そして、クライアントマシンは、ステップC200を実行する。
ステップC200において、クライアントマシンは、後述するステップC210からステップC230に至る一連の処理を繰り返し実行する。この一連の処理は、ステップC10の初期設定において設定された有効な操作入力がクライアントマシンに入力されるまでの間繰り返し実行される。なお、クライアントマシンは、上記有効な操作入力がクライアントマシンに入力されると、ステップC200の繰り返し処理をストップさせてその処理をステップC240に進める。
ステップC210において、クライアントマシンは、サーバー11に記録された地物の情報を参照したい旨のリクエストをサーバー11に向けて送り、このサーバー11から返されるレスポンスを取得する。これにより、クライアントマシンは、サーバー11に記録された地物の情報をリアルタイムで取得する情報取得機能を実現させる。なお、ステップC210を実行したクライアントマシンは、その処理をステップC220に進める。
ステップC220において、クライアントマシンは、直前に実行されたステップC210において取得した地物の情報から、直近に実行されたステップC190において特定情報を取得した地物の情報を抽出して表示する。この機能は、オブジェクト21が操作された際に、このオブジェクト21がプロットされた位置21Bに存在する地物の情報23A(図11参照)を表示する機能であり、本発明における「情報表示機能」に相当する。そして、クライアントマシンは、ステップC230を実行する。
なお、本実施形態においては、図11に示すように、クライアントマシンは、上記情報表示機能を、情報23Aが記載されたバルーン23をオブジェクト21に重ねて表示させるバルーン表示の態様で実現させる。ここで、バルーン23は、情報23Aの量に応じて適宜にスクロールさせることが可能なオブジェクトとして表示される。また、バルーン23には、上述したステップC200の繰り返し処理を終了させる有効な操作入力を行うためのリストボックス(図示せず)が設けられる。
ステップC230は、上述したステップC200の繰り返し処理における戻り処理である。すなわち、クライアントマシンは、上述した有効な操作入力がクライアントマシンに入力されている場合はステップC210を実行し、そうでない場合はステップC240を実行する。
ステップC240において、クライアントマシンは、上述したステップC200の繰り返し処理を終了させる要因となった操作入力の種類について判定を行う。本実施形態においては、上記操作入力は、「地物の分割」、「状況データの編集」、「地物の併合」、「状況データの追加」、または、「終了命令」のいずれかの操作入力である。これらの操作入力は、いずれも、バルーン23のリストボックス(図示せず)において選択肢として示されたものである。
ステップC240の判定において、上記操作入力が「終了命令」であった場合、クライアントマシンは、その処理をステップC170に進める。また、ステップC240の判定において、上記操作入力が「状況データの追加」であった場合、クライアントマシンは、その処理をステップC250に進める。また、ステップC240の判定において、上記操作入力が「地物の併合」であった場合、クライアントマシンは、その処理をステップC280に進める。また、ステップC240の判定において、上記操作入力が「状況データの編集」であった場合、クライアントマシンは、その処理をステップC300に進める。また、ステップC240の判定において、上記操作入力が「状況データの編集」であった場合、クライアントマシンは、その処理をステップC330に進める。
ステップC250において、クライアントマシンは、データの入力フォーム(図示せず)を地図20上に表示して、状況データに追加されるべきデータの入力をクライアントマシンの操作者(図示せず)に求める。そして、クライアントマシンは、上記操作者によってデータが入力されると、その処理をステップC260に進める。
ステップC260において、クライアントマシンは、上述した情報表示機能により表示されている地物の情報23A(図11参照)に状況データの追加を行う追加機能を実現させ、ステップC270に進む。
ステップC270において、クライアントマシンは、直前に実行されたステップC260にて状況データが追加された地物の情報をサーバー11に送信して取得させ、その処理をステップC170に進める。この際、クライアントマシンは、上記地物の情報を、この情報が「第2の送信機能」によって送信されたことを示すフラグを付した状態でサーバー11に送信する。このため、サーバー11においては、第2の送信機能による情報の取得によって、同一の特定情報を含む地物の情報が複数存在することになる。
ステップC280において、クライアントマシンは、データの入力フォーム(図示せず)を地図20上に表示して、上述した情報表示機能により表示されている地物の併合先となる別の地物について、その特定情報の入力をクライアントマシンの操作者(図示せず)に求める。そして、クライアントマシンは、上記操作者によって上記別の地物の特定情報が入力されると、その処理をステップC290に進める。
ステップC290において、クライアントマシンは、上述した情報表示機能により表示されている地物の特定情報を、直前に実行されたステップC280にて入力された別の地物の特定情報に書き換えるパッチデータを作成する。そして、クライアントマシンは、作成したパッチデータを状況データに追加されるべきデータとしてステップC260を実行する。
ステップC300において、クライアントマシンは、データの入力フォーム(図示せず)を地図20上に表示して、上述した情報表示機能により表示されている地物の状況データにおける編集内容の入力をクライアントマシンの操作者(図示せず)に求める。そして、クライアントマシンは、上記操作者によって編集内容が入力されると、その処理をステップC310に進める。
ステップC310において、クライアントマシンは、上述した情報表示機能により表示されている地物の情報23A(図11参照)を、前もって用意された編集内容にしたがって編集する編集機能を実現させ、ステップC320に進む。
ステップC320において、クライアントマシンは、直前に実行されたステップC310にて編集が行われた地物の情報をサーバー11に送信して取得させ、その処理をステップC170に進める。この際、クライアントマシンは、上記地物の情報を、この情報が「第3の送信機能」によって送信されたことを示すフラグを付した状態でサーバー11に送信する。
ステップC330において、クライアントマシンは、地図20上において任意に指定可能な指定ポイントを選択する操作入力を受け付ける入力受け付け機能を実現させ、ステップC340に進む。ここで、ステップC340にて指定される指定ポイントは、分割される地物が存在する場所として指定されるものである。
ステップC340において、クライアントマシンは、上述した情報表示機能により表示されている地物の情報を分節してセレクトリスト(図示せず)に表示し、この地物の情報において地物の分割により削除されるべき状況データの指定をクライアントマシンの操作者(図示せず)に求める。そして、クライアントマシンは、上記操作者による状況データの指定が完了すると、その処理をステップC350に進める。
ステップC350において、クライアントマシンは、まず、分割される地物の情報を格納するための変数群を用意する。続いて、クライアントマシンは、直前に実行されたステップC340において指定された状況データを切り取り、切り取られた状況データを上記変数群に貼り付けて格納するカット&ペーストを実行する。そして、クライアントマシンは、ステップC360を実行する。なお、クライアントマシンは、上記状況データの切り取りを、上述した情報表示機能により表示されている地物の情報23A(図11参照)に対して適用されるべき編集内容として設定する。
ステップC360において、クライアントマシンは、直前に実行されたステップC350にて上記変数群に貼り付けられた状況データに、現在の時刻の情報を更新日時情報として付加する。続いて、クライアントマシンは、直近に実行されたステップC330にて指定された指定ポイントの場所を位置情報とし、上記更新日時情報が付加された状況データにひもづけることで、分割される地物の情報を作成する。この機能は、本発明における「情報作成機能」に相当し、ステップC360を実行したクライアントマシンは、その処理をステップC310に進める。
続いて、地物管理システム10のサーバー11(図1参照)に上述したサーバー用プログラムが実行させる一連の各ステップについて、図4および図5に示すフローチャートを用いて説明する。この一連の各ステップにおいて、サーバー11は、まず、図4のステップS10を実行する。
ステップS10において、サーバー11は、後述する各ステップを実行するために必要となる初期設定を行い、ステップS20に進む。この初期設定には、サーバー11がイントラネット10Bを介してサーバー11に接続されているデータベースの情報を収集する処理が含まれる。
ステップS20において、サーバー11は、後述するステップS30からステップS80に至る一連の処理を繰り返し実行する。この一連の処理は、有効なリクエストがサーバー11に入力されるまでの間繰り返し実行される。なお、サーバー11は、上記有効なリクエストがサーバー11に入力されると、ステップS20の繰り返し処理をストップさせてその処理をステップS90に進める。
ステップS30において、サーバー11は、このサーバー11が収集したデータベースの情報を参照し、サーバー11が自身以外のデータベース(具体的には例えば図1に示すデータセンター11Aに記録されたデータベース)に接続されているか否かを判定する。サーバー11が自身以外のデータベースに接続されている場合、サーバー11は、その処理をステップS40に進める。サーバー11が自身以外のデータベースに接続されていない場合、サーバー11は、その処理をステップS80に進める。
ステップS40において、サーバー11は、このサーバー11に接続されている自身以外のデータベース(すなわちサーバー11とは別個に存在するデータベース)にアクセスするアクセス機能を実現させ、ステップS50に進む。
ステップS50において、サーバー11は、直前に実行されたステップS40にてアクセスしたデータベースに含まれるデータから地物の情報を抽出する情報抽出機能を実現させ、ステップS60に進む。本実施形態においては、ステップS40にてサーバー11がアクセスしたデータベースに複数の地物の情報が含まれている場合、サーバー11は、ステップS50において1つの地物の情報のみを抽出することで、上記データベースに対する負荷の集中を回避するようになっている。
ステップS60において、サーバー11は、直前に実行されたステップS50にて抽出した地物の情報がサーバー11内に存在するか否かを判定する。抽出した情報がサーバー11内に存在する場合、サーバー11は、その処理をステップS70に進める。抽出した情報がサーバー11内に存在しない場合、サーバー11は、その処理をステップS80に進める。
ステップS70において、サーバー11は、上記情報抽出機能により抽出された地物の情報をサーバー11のストレージに記録する第2の記録機能を実現させ、ステップS80に進む。
ステップS80は、上述したステップS20の繰り返し処理における戻り処理である。すなわち、サーバー11は、上述した有効なリクエストがサーバー11に入力されている場合はステップS90を実行し、そうでない場合はステップS30を実行する。
ステップS90において、サーバー11は、上述したステップS20の繰り返し処理を終了させる要因となったリクエストの種類について判定を行う。本実施形態においては、上記リクエストは、「情報の送信」、「情報の参照」、または、「終了命令」のいずれかのリクエストである。ここで、「情報の送信」は、サーバー11に地物の情報を取得させるべく、この情報をクライアントマシンがサーバー11に送信するリクエストである。また、「情報の参照」は、クライアントマシンから送信される、サーバー11に記録された地物の情報を参照したい旨のリクエスト、あるいは、現時点ではクライアントマシンとして動作していない外部機器のウェブブラウザー(図示せず)から送信される、サーバー11にリソースとして記録された情報を参照したい(すなわちサーバー11にアクセスしたい)旨のリクエストである。また、「終了命令」は、サーバー11に備えられた電源ボタン(図示せず)をオフにする操作入力である。
ステップS90の判定において、上記リクエストが「情報の参照」であった場合、サーバー11は、その処理をステップS100に進める。また、ステップS90の判定において、上記リクエストが「情報の送信」であった場合、サーバー11は、その処理を図5に示すステップS110に進める。また、ステップS90の判定において、上記リクエストが「終了命令」であった場合、サーバー11は、サーバー用プログラムを終了させる終了処理を行い、さらにサーバー11自身のシャットダウン処理を実行する。
ステップS100において、サーバー11は、リクエストの送信元にそのリクエストを満足するレスポンスを送信し、ステップS20に進む。ここで、現時点ではクライアントマシンとして動作していない外部機器のウェブブラウザーがリクエストの送信元である場合、サーバー11は、このウェブブラウザーの実行環境を地物管理システム10におけるクライアントマシンとして機能させるスクリプトファイルおよびHTMLテキストを上記送信元に転送する処理を、上記レスポンスの送信として実行する。
ステップS110において、サーバー11は、クライアントマシンから送信された地物の情報を取得する取得機能を実現させ、ステップS120に進む。
ステップS120において、サーバー11は、直前に実行されたステップS110にて取得した地物の情報から、地物の特定情報を抽出して、ステップS130に進む。
ステップS130において、サーバー11は、そのストレージに記録されたデータを検索して、直前に実行されたステップS120にて抽出された地物の特定情報と同一の特定情報を含む地物の情報がサーバー11内に存在するか否かを判定する。抽出された地物の特定情報と同一の特定情報を含む地物の情報がサーバー11内に存在しない場合、サーバー11は、その処理をステップS140に進める。抽出された地物の特定情報と同一の特定情報を含む地物の情報がサーバー11内に存在する場合、サーバー11は、その処理をステップS150に進める。
ステップS140において、サーバー11は、直近に実行されたステップS110にて取得した地物の情報をサーバー11のストレージに記録する第1の記録機能を実現させ、ステップS20に進む。
ステップS150において、サーバー11は、直近に実行されたステップS110にて取得した地物の情報に付されたフラグを参照し、この地物の情報を送ったクライアントマシンの機能が「第1の送信機能」、「第2の送信機能」、または、「第3の送信機能」のいずれであるかを判定する。上記クライアントマシンの機能が「第1の送信機能」である場合、サーバー11は、その処理をステップS20に進める。上記クライアントマシンの機能が「第2の送信機能」である場合、サーバー11は、その処理をステップS160に進める。上記クライアントマシンの機能が「第3の送信機能」である場合、サーバー11は、その処理をステップS170に進める。
ステップS160において、サーバー11は、直近に実行されたステップS110にて取得した地物の情報と、この地物の特定情報と同一の特定情報を含む地物の情報とを、各情報に含まれる更新日時情報を保持したまま1つにマージさせるマージ機能を実現させ、ステップS20に進む。
なお、本明細書において、「マージ」とは、複数のデータを、これらのデータに含まれる内容について一切の改変および切除を行うことなく、1つにつなげられたデータとしてまとめる処理のことをいう。例えば、「(内容A)更新日時:2018年1月1日(改行)」という内容のデータと、「(内容B)更新日時:2018年1月2日(改行)」という内容のデータとをマージさせると、「(内容A)更新日時:2018年1月1日(改行)(内容B)更新日時:2018年1月2日(改行)」という内容の、1つにつなげられたデータが得られる。
ステップS170において、サーバー11は、直近に実行されたステップS110にて取得した地物の情報によって、この地物の特定情報と同一の特定情報を含むサーバー11内の地物の情報を上書きする上書き機能を実現させ、ステップS20に進む。
上述した地物管理システム10によれば、複数のクライアントマシンの1つにおいて地物が存在する旨の入力が行われた場合(図6ないし図8を参照)に、この地物に対応するオブジェクトが、複数のクライアントマシンの各地図20上にリアルタイムでプロットされる(例えば地図20上の位置21B(図9参照)にプロットされるオブジェクト21(図10参照)を参照)。さらに、各クライアントマシンにおいて、表示されたオブジェクトを操作することで、入力された地物の情報が表示される(例えば図11に示す、オブジェクト21を操作して表示される情報23Aを参照)。これにより、地物に関して登録された情報を、複数のクライアントマシンのそれぞれで確認できるようにして、地物に関する情報の管理の効率を向上させることができる。
また、上述した地物管理システム10によれば、各クライアントマシンの地図上には、地物に対応するオブジェクトが、この地物の所属を視覚的に識別することが可能な態様で表示される(例えば図6に示す、アイコンの形状が異なる複数のオブジェクト21を参照)。これにより、管理するべき地物の識別を容易にすることができる。
また、上述した地物管理システム10によれば、複数のクライアントマシンの1つにおいて地物の情報に状況データを追加した場合に、各クライアントマシンにおいて、状況データが追加される前の地物の情報と状況データが追加された後の地物の情報とが、それぞれの更新日時情報が含まれた態様で表示される。これにより、管理するべき地物に変化が生じた場合に、この変化の履歴を後から確認することができる。
また、上述した地物管理システム10によれば、複数の地物として入力された情報を、パッチデータを追加して特定情報を書き換えることで、1つの地物の情報としてマージさせることができる。これにより、複数の地物の情報を1つに結合された地物の情報として管理することができる。また、マージにおいては1つにつなげられる各データの内容について一切の改変および切除が行われないため、複数の地物を1つにまとめたグループを1つの地物とし、このグループおよびこのグループに含まれる各地物を管理することもできる。
また、上述した地物管理システム10によれば、複数のクライアントマシンの1つにおいて地物の情報を編集した場合に、各クライアントマシンにおいて、編集後の地物の情報が表示される。これにより、地物に関して編集された情報を、複数のクライアントマシンのそれぞれで確認できるようにして、地物に関する情報の管理の効率を向上させることができる。
また、上述した地物管理システム10によれば、1つの地物として入力された情報を、そのデータの一部を削除して別の地物における情報の状況データとすることで、2つの地物の情報として分割させることができる。これにより、例えば1つの地物の一部が当初の用途とは別の用途に転用された場合などに、転用された地物の一部を別の地物とすることで、地物に関する情報の管理をより柔軟に行うことが可能となる。
また、上述した地物管理システム10によれば、この地物管理システム10とは別個に存在するデータベースが接続されるときに、このデータベースに含まれる地物の情報が地物管理システム10のサーバー11に記録される。これにより、地物管理システム10とは別に地物のデータベースが存在する場合に、この地物のデータベースに入力されたデータを活かして、地物管理システム10において地物の情報を入力する作業をより少なくすることができる。
また、上述した地物管理システム10によれば、サーバー11に記録された地物の情報のうち、クライアントマシンにて表示される地図20の地理的範囲に含まれる地物の情報のみがクライアントマシンに取得される。これにより、地物管理システム10におけるサーバー11と各クライアントマシンとの間の情報転送量を減らすことができる。
本発明は、上述した一実施形態で説明した外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、以下のような各種の形態を実施することができる。
(1)本発明は、不動産の物件としての駐車場を登録管理するための地物管理システムに限定されず、例えば任意の建築物または地目など、任意の種類の地物を登録管理する地物管理システムに適用することができる。また、地物管理システムにおいて管理される地物は実体を有する地物に限定されず、例えば小学校の学区の境界線など、実体のない地物であってもよい。また、本発明の地物管理システムは、実体を有する被災建築物と実体のない規制区域とをともに地物として一元管理することで、災害の被害状況を共有可能な形で提供する業務に供することもできる。
(2)地物管理システムにおいて管理される地物の情報は、管理される地物の性質に応じて適宜変更することができる。例えば、地物管理システムが畑の地目を地物として管理するものである場合、畑の作付け状況を状況データとした地物の情報を管理するようにすることができる。
(3)上述した地物管理システム10は、サーバー11が各ウェブブラウザーの実行環境に同一のHTMLテキストおよびスクリプトファイルを転送するため、各クライアントマシンが有する機能が同一となるものである。しかしながら、本発明の地物管理システムは、複数のウェブブラウザーの実行環境にそれぞれ異なるHTMLテキストおよびスクリプトファイルを転送することで、一部のクライアントマシンにおいてその機能を制限もしくは拡充したものであってもよい。例えば、地物の状況データを現地にて調査して地物を登録管理する業務に本発明の地物管理システムを使用する場合、現地に出向く調査担当者が所持するクライアントマシンにおいて、状況データの改変および切除につながるおそれのある追加機能および編集機能を無効にすることができる。また、例えば撮影機能を有するウェブブラウザーの実行環境にその撮影機能と連携可能なHTMLテキストおよびスクリプトファイルを転送することで、状況データの入力の際に上記撮影機能を実現させ、この撮影機能により撮影される画像または映像をそのまま状況データとして入力できるようにすることができる。
(4)クライアントマシンは、情報取得機能の実現に際して、サーバーに記録された全ての地物の情報を取得するものであってもよい。この場合、クライアントマシンは、オブジェクトプロット機能の実現に際して、情報取得機能により取得した地物のうち、その位置情報に示されている地物の位置が、地図表示機能により表示されている地図の地理的範囲に含まれる地物を選択して、この地物についてのオブジェクトをプロットする。
(5)クライアントマシンは、その機能が、ウェブブラウザーの実行環境に転送されたHTMLテキストおよびスクリプトファイルがクライアントマシン用プログラムとして動作することによって実現されるものに限定されない。すなわち、本発明の地物管理システムにおいては、サーバーと協働されるべき端末(タブレット端末、スマートフォン、あるいは、パーソナルコンピュータ)に対し、その記録媒体にクライアントマシン用プログラムをコンピュータ読み取り可能に記録してインストールされた状態とすることで、上記端末をクライアントマシンとして機能させる手法を採用することができる。