JP7191631B2 - 樹脂製袋状容器及びその使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ケミカルタンカーの液状積載物を積載するカーゴタンク内部に設置する樹脂製の袋状容器に関するものである。
ケミカルタンカーは、硫酸、燐酸、苛性ソーダ等の化学薬品や、ベンゼン、トルエン、アルコール類等の石油製品、白油、食油等の食品原料などを主に運搬するタンカーである。多くのケミカルタンカーは、多種類の液状積載物を混ざり合うことなく一度に運搬することができるように、それぞれに独立したカーゴポンプ及びパイプラインを備えた複数のカーゴタンクを設けている。ところが、液状積載物の中には、硫酸、塩酸や苛性ソーダ等のような、カーゴタンク及びパイプラインを腐食させる腐食性物質が含まれているため、ケミカルタンカーのカーゴタンク及びパイプラインは、ステンレス等のような腐食に強い素材を用いたり、内部に特別なコーティングを施すことにより、腐食性物質に対する耐性を強化している。
また、ケミカルタンカーでは、液状積載物の荷揚げ後、異なる液状積載物に積み替える場合や、液状積載物に高品質・高純度が要求される場合には、品質や純度の低下を防ぐために、カーゴタンク内の残留物を完全に除去する必要がある。従来のカーゴタンク内の洗浄方法としては、液状積載物の荷揚げ後の残液を清水により洗浄し、その後、作業員がタンク内に入り込み、液状積載物の残液や残滓を手作業で拭き取っていた。
しかしながら、ケミカルタンカーが取扱う液状積載物には、揮発して火災や爆発を引き起こすおそれのある化合物や、人体に対して有害な化合物も多く含まれるため、上記のような洗浄方法は、作業員にとって安全上問題を有するものであった。
このような問題に対しては、洗浄処理方式を複数用意し、これらの中から洗浄対象に応じて適切な方式を選択し、自動化、無人化、遠隔操作によって、この方式の洗浄処理を行う、ケミカルタンカーのタンクの洗浄方法が報告されている(例えば特許文献1参照)。また、硝酸、フッ酸、硫酸、有機酸、多価アルコール、粘性助剤、錯化合物、消泡剤を含有した構成をもつ酸洗浄剤及びタンク洗浄装置を使用して、無人化、自動化によるタンク洗浄を行う、ケミカルタンカーのステンレス製カーゴタンクの自動酸洗方法が報告されている(例えば特許文献2参照)。
特開昭62-149597号公報 特開2012-46817号公報
しかしながら、上記のような洗浄方法では、大量の洗浄廃液が生成されることとなるが、これらは一定の条件下で海洋投棄されるといった環境上非常に重大な問題を有していた。
そこで、本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたもので、ケミカルタンカーのカーゴタンクにおいて、荷揚げ後の洗浄工程の簡素化が図られることにより、作業員の安全性が向上するとともに、洗浄コストを大幅に削減することができる樹脂製袋状容器を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決するために、ケミカルタンカーのカーゴタンクにおいて、荷揚げ後の液状積載物の残液及びこの残液の除去について鋭意研究を行った結果、カーゴタンク内部に樹脂製の袋状容器を設置することにより、液状積載物をカーゴタンクの内壁に接触させることなく運搬することができ、これにより、荷揚げ後のカーゴタンク内の洗浄工程を簡素化することができることを見出し、本発明の樹脂製袋状容器を発明するに至った。
したがって、本発明の樹脂製袋状容器は、ケミカルタンカーのディープウエルカーゴポンプを用いたカーゴタンク内部に設置され、液体状積載物をその内部に積載し、運搬することを目的とした樹脂製袋状容器であって、前記樹脂製袋状容器は、液状積載物を積載する袋体と、前記カーゴタンクのマンホール・ハッチに固定可能な荷積み開口部と、カーゴポンプの吸込口と連結可能な荷揚げ開口部とを備え、前記樹脂製袋状容器は、液体状積載物の荷揚げ毎に、収縮又は折り畳まれ、前記カーゴタンク内部から取り出されることを特徴としている。
また、本発明の樹脂製袋状容器においては、前記袋体は、断面形状が前記マンホール・ハッチの開口部よりも小さく折り畳まれていることが好ましい。
さらに、本発明の樹脂製袋状容器においては、前記吸込口及び前記荷揚げ開口部が、差し込み式又はネジ式に連結されることが好ましい。
また、本発明の樹脂製袋状容器においては、前記カーゴタンクの内壁と前記袋体との間に空気を吹き込み、前記袋体を前記カーゴタンク内壁から剥すことにより、前記樹脂製袋状容器が、前記カーゴタンクから取り外されることが好ましい。
また、本発明の樹脂製袋状容器の使用方法は、
上記の本発明の樹脂製袋状容器の使用方法であって、
前記樹脂製袋状容器の使用方法は、
前記液体状積載物を前記樹脂製袋状容器内に荷積みする前に、前記カーゴタンク内に前記樹脂製袋状容器を設置する工程と、
前記液体状積載物を前記樹脂製袋状容器内に荷揚げした後に、前記カーゴタンク内から前記樹脂製袋状容器を取り外す工程とを備え、
前記樹脂製袋状容器を設置する工程は、
前記荷積み開口部を前記マンホール・ハッチに固定しつつ、前記荷揚げ開口部を先頭にして前記樹脂製袋状容器を前記カーゴタンク内に挿入し、
前記荷揚げ開口部を前記カーゴタンクの前記吸込口に連結し、
前記袋体を不活性ガス又は窒素ガスにより前記カーゴタンクの内壁に接するように拡張し、
前記樹脂製袋状容器を取り外す工程は、
前記カーゴタンクの内壁と前記袋体との間に空気を吹き込み、前記袋体を前記カーゴタンク内壁から剥し、
前記荷揚げ開口部を前記カーゴポンプの前記吸込口から取り外し、
前記袋体を、断面形状を前記マンホール・ハッチの開口部よりも小さく折り畳み又は押し潰し、
前記マンホール・ハッチの開口部から前記樹脂製袋状容器を取り出す
ことを特徴としている。
また、本発明の樹脂製袋状容器の使用方法においては、前記樹脂製袋状容器を取り外す工程は、前記液体状積載物の荷揚げ毎に行われることが好ましい。
このような構成の本発明の樹脂製袋状容器及びその使用方法によれば、ケミカルタンカーのディープウエルカーゴポンプを用いたカーゴタンク内部に設けられた樹脂製の袋状容器により、カーゴタンクの内壁に液状積載物が直接接触されないため、カーゴタンク内が液状積載物により汚れることがない。そのため、荷揚げ後のカーゴタンク内の洗浄作業において、液状積載物の残液の除去という作業が必要なくなる。すなわち、本発明の樹脂製袋状容器及びその使用方法によれば、ケミカルタンカーのカーゴタンクにおいて、荷揚げ後の洗浄工程の簡素化が図られる。これにより、有害な液状積載物残液との接触や液状積載物に起因する火災や爆発を防止することができ、作業員の安全性が向上される。また、液状積載物残液の除去作業により生成される洗浄廃液を無くすことができ、洗浄廃液の海洋投棄といった環境上非常に重大な問題を解消できる。さらに、荷揚げ後のカーゴタンク内の洗浄コストを大幅に削減することができるといった効果も奏する。
本発明の樹脂製袋状容器及びその使用方法によれば、ケミカルタンカーのカーゴタンクにおいて、荷揚げ後の洗浄工程の簡素化が図られることにより、作業員の安全性が向上するとともに、洗浄コストを大幅に削減することができる。
本発明の樹脂製袋状容器をカーゴタンク内部で使用する一実施形態を示す模式図である。 本発明の樹脂製袋状容器をカーゴタンク内部で使用する他の一実施形態を示す模式図である。 本発明の樹脂製袋状容器をカーゴタンク内部で使用する他の一実施形態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態に係る樹脂製袋状容器について図面を用いて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。図1は、本発明の樹脂製袋状容器をカーゴタンク内部で使用する第1実施形態を示す模式図であり、図2は、本発明の樹脂製袋状容器をカーゴタンク内部で使用する第2実施形態を示す模式図であり、図3は、本発明の樹脂製袋状容器をカーゴタンク内部で使用する第3実施形態を示す模式図である。
ケミカルタンカーには、多種類の液状積載物を混ざり合うことなく一度に運搬することができるように、独立したカーゴポンプ及びパイプラインを備えた複数のカーゴタンクが設けられている。このカーゴタンクは、素材をステンレス等のような腐食に強いものとしたり、あるいは、内部に特別なコーティングを施したりすることにより、腐食性物質を積載することができるように構成されている。このように液状積載物に接触する内壁を強化したカーゴタンクは、様々な種類の液状積載物を運搬することを可能としているが、荷揚げ後には、液状積載物の残液が残ってしまうため、これを除去する作業が必要となっている。この液状積載物の残液が揮発して火災や爆発を引き起こすおそれのある化合物や、人体に対して有害な化合物の場合には、作業員に危険を及ぼす場合がある。そこで、荷揚げ後の洗浄工程を簡易化し得る本発明の樹脂製袋状容器を開発した。
カーゴタンク2は、ケミカルタンカーによって様々なサイズのものがあるが、500~1500m程度の容積を有するものが一般的である。このようなカーゴタンク2には、図1~3に示すように、液状積載物を荷積みするマンホール・ハッチ3と、液状積載物を荷揚げするカーゴポンプ4とが備えられている。マンホール・ハッチ3は、ケミカルタンカーの甲板上に配置され、液状積載物を荷積みする際に開けられる開閉自在な蓋部を備えた開口部である。カーゴポンプ4は、カーゴタンク2から液状積載物を荷揚げラインに送り出す装置である。カーゴポンプ4としては、図1に示したような、タンク上方の甲板上からタンク底面に向かって垂直方向に延在し、吸込口5がカーゴタンク2の底面近傍に配置されたディープウエルカーゴポンプや、図2及び3に示したような、カーゴタンク2の側面底部や底面に設けられた吸込口5から開閉弁等を備えた荷揚げラインを介してカーゴタンク2外に液状積載物を吸い出す外部設置ポンプなどが挙げられる。
1.樹脂製袋状容器
本発明の樹脂製袋状容器1は、図1~3に示されているように、ケミカルタンカーのカーゴタンク2内部に設置されて使用されるものである。本発明の樹脂製袋状容器1は、液状積載物を積載する袋体6と、カーゴタンク2のマンホール・ハッチ3に固定可能な荷積み開口部7と、カーゴポンプ4の吸込口5と連結可能な荷揚げ開口部8とを備えている。
本発明の樹脂製袋状容器1は、設置するカーゴタンク2の形状を予め3Dスキャン等によって測定し、この測定結果及びカーゴタンク2内に設けられたカーゴポンプや配管等の設置位置の情報に基づいて、袋体6の形状を決定する。ここで、カーゴタンク2の形状は、現在、ケミカルタンカーによって、又は、個々のカーゴタンクによって、それぞれ異なっているが、今後、統一規格のカーゴタンクが設置されるようになれば、上記の形状測定を行う必要がなくなり、本発明の樹脂製袋状容器1の形状をその都度測定せずに、既製品とすることが可能となる。
このように決定された袋体6の形状において、カーゴタンク2のマンホール・ハッチ3に対向する位置に、荷積み開口部7が設けられる。荷積み開口部7は、カーゴタンク2内部に樹脂製袋状容器1を設置した際に、カーゴタンク2のマンホール・ハッチ3に固定することが可能な機構を備え、さらに、荷積みライン9に連結可能な構造を有する。上記のマンホール・ハッチ3に固定可能な機構としては、荷積み開口部7の配置を保持し得るものであれば特に限定されるものではないが、例えば一つ以上のフックを備えたものや、荷積み開口部7をマンホール・ハッチ3の外径よりも大きく、その機構がマンホール・ハッチ3内に入り込まない形状を有するもの等が挙げられる。また、荷積みライン9に連結可能な構造としては、荷積みの際に、液状積載物が樹脂製袋状容器1外に漏出しないものであればよく、それほど高い密閉性を必要とはしない。なお、荷積みライン9は、ケミカルタンカー内に液状積載物を荷積みするパイプラインである。
また、袋体6の形状において、カーゴポンプ4の吸込口5に対向する位置に、荷揚げ開口部8が設けられる。荷揚げ開口部8は、カーゴタンク2内部に樹脂製袋状容器1を設置した際に、カーゴポンプ4の吸込口5に連結可能な構造を有する。カーゴポンプ4の吸込口5に連結可能な構造としては、液状積載物が漏出しない程度に密閉的に、荷揚げ開口部8とカーゴポンプ4の吸込口5とを連結する必要がある。このような構造としては、例えば、差し込み式、ネジ式等の既存の構造を適用することができる。
袋体6は、様々な液状積載物に対する耐性、少なくとも液状積載物を透過させることがなく、液状積載物により変質することのない特性と、カーゴタンク内において設置及び拡張し得るような可撓性とを兼ね備えた素材で作製されたものである必要がある。また、袋体6は、拡張された際にカーゴタンク2の内部構造に対してよりフィットするように、適切な伸縮性を有することが好ましい。袋体6の厚さは、液状積載物を荷役・運搬し得る強度が保持できれば、特に限定されるものではなく、軽量化の観点から極力薄くすることが好ましい。袋体6の構成としては、単一の一層構成であってもよく、強度や液状積載物に対する耐性を強化するために、複数の層を積層した多層構成であってもよい。
本発明の樹脂製袋状容器1は、カーゴタンク2内部に設置する前には、荷揚げ開口部8を先頭にしてカーゴタンク2内に挿入し得るように、マンホール・ハッチ3の開口部を通過可能なサイズに、すなわち、袋体6の断面形状がマンホール・ハッチ3の開口部よりも小さく折り畳まれている。ここで、荷積み開口部7をマンホール・ハッチ3の外径よりも大きくした態様においては、荷積み開口部7を除いた荷揚げ開口部8及び袋体6がマンホール・ハッチ3の開口部を通過可能なサイズに折り畳まれている。この樹脂製袋状容器1の折り畳み方法は、特に限定されるものではないが、カーゴタンク2内部で樹脂製袋状容器1が容易に拡張し得る方法であることが好ましい。
本発明の樹脂製袋状容器1は、液状積載物の荷揚げ後に、液状積載物の残液ごとカーゴタンク2から取り出され、廃棄される。樹脂製袋状容器1における袋体6、荷積み開口部7及び荷揚げ開口部8が可燃性素材からなる場合には、焼却処分される。したがって、荷揚げ後のカーゴタンク内の洗浄作業において、液状積載物の残液の除去という作業が必要なくなる。その結果、以下の3つの効果が奏される。
(1)有害な液状積載物残液との接触や液状積載物に起因する火災や爆発を防止すること
ができ、作業員の安全性が向上する。
(2)液状積載物残液の除去作業により生成される洗浄廃液を無くすことができ、洗浄廃液の海洋投棄といった環境上非常に重大な問題が解消される。
(3)荷揚げ後のカーゴタンク内の洗浄作業の所要時間及びコストが大幅に削減される。
2.樹脂製袋状容器の使用方法
(1)第1実施形態
タンク上方の甲板上からタンク底面に向かって垂直方向に延在し、吸込口5がカーゴタンク2の底面近傍に配置されたディープウエルカーゴポンプを用いたカーゴタンク2において、本発明の樹脂製袋状容器1を設置し、液状積載物を荷役する態様について説明する。
まず、図1(a)に示されているように、樹脂製袋状容器1の荷積み開口部7をマンホール・ハッチ3に固定しつつ、折り畳まれた樹脂製袋状容器1を、荷揚げ開口部8を先頭にしてマンホール・ハッチ3の開口部からカーゴタンク2内に挿入する。そして、装入された荷揚げ開口部8をカーゴポンプ4の吸込口5に連結する。この連結は、作業員が手作業で行ってもよいが、連結機構によっては、機械的に又はロボットを用いて行ってもよい。
次いで、樹脂製袋状容器1の荷積み開口部7に荷積みライン9を連結する。この荷積みライン9は、外部設置ポンプ等によりケミカルタンカー内に液状積載物を荷積みするパイプラインであるが、本実施態様においては、不活性ガス又は窒素ガスを送り込む機能も兼ね備えている。また、荷積みライン9の荷積み開口部7への連結は、不活性ガス又は窒素ガスにより樹脂製袋状容器1の袋体6を膨らませることが可能な程度の密閉性を有する必要がある。なお、本実施形態においては、荷積みライン9から樹脂製袋状容器1内に不活性ガス又は窒素ガスを送り込んでいるが、他の手段を用いて不活性ガス又は窒素ガスを送り込む態様とすることも可能である。
この機能により、荷積みライン9から樹脂製袋状容器1の袋体6内に、不活性ガス又は窒素ガスを送り込む。すると、袋体6は、図1(b)に示されているように、カーゴポンプ4を避けつつ、カーゴタンク2の内壁に接するように拡張される。このようにして、本発明の樹脂製袋状容器1をカーゴタンク2内部に設置する。この実施形態においては、樹脂製袋状容器1の容積は、カーゴタンク2よりも小さくなる。
次に、この拡張された状態の樹脂製袋状容器1において、荷積みライン9から袋体6内に液状積載物を荷積みしていく。所定量の液状積載物を積載した後、図1(c)に示されているように、荷積みライン9を取外し、マンホール・ハッチ3を閉じる。これにより、ケミカルタンカーのカーゴタンク2内への液状積載物の積載が完了し、この状態で運搬が行われる。
そして、目的地への運搬後、図1(d)に示されているように、カーゴポンプ4により吸込口5から液状積載物を吸い上げ、荷揚げを行う。荷揚げ完了後、カーゴタンク2の内壁と袋体6との間に空気を吹き込み、袋体6をカーゴタンク2内壁から剥がす。なお、空気を吹き込む手段としては、特に限定されるものではなく、既存の手段を適用できる。次いで、荷揚げ開口部8をカーゴポンプ4の吸込口5から取り外す。この取外しは、作業員が手作業で行ってもよいが、連結機構によっては、機械的に又はロボットを用いて行ってもよい。そして、袋体6を、断面形状をマンホール・ハッチ3の開口部よりも小さく折り畳み又は押し潰した後、マンホール・ハッチ3の開口部から樹脂製袋状容器1を取り出す。取り出された樹脂製袋状容器1は廃棄されるが、袋体6、荷積み開口部7及び荷揚げ開口部8が可燃性素材からなる場合には、焼却処分することもできる。
(2)第2実施形態及び第3実施形態
第2実施形態は、図2に示されているように、カーゴタンク2の側面底部に設けられた吸込口5から開閉弁等を備えた荷揚げラインを介してカーゴタンク2外に液状積載物を吸い出す外部設置ポンプを用いたカーゴタンク2において、本発明の樹脂製袋状容器1を設置し、液状積載物を荷役する態様である。また、第3実施形態は、図3に示されているように、カーゴタンク2の底面に設けられた吸込口5から開閉弁等を備えた荷揚げラインを介してカーゴタンク2外に液状積載物を吸い出す外部設置ポンプを用いたカーゴタンク2において、本発明の樹脂製袋状容器1を設置し、液状積載物を荷役する態様である。
第2実施形態及び第3実施形態は、上記の第1実施形態とほぼ同様に液状積載物の荷役が行われるため、相違する事項についてのみ以下に説明する。なお、図2及び3における(a)~(d)の各工程及び符号については、図1における(a)~(d)の各工程及び符号に対応している。
第2実施形態及び第3実施形態においては、カーゴポンプ4のタイプが異なるため、不活性ガス又は窒素ガスによりカーゴタンク2内で樹脂製袋状容器1を拡張すると、袋体6は、図2(b)及び図3(b)に示されているように、カーゴタンク2の内壁に接するように、すなわち、カーゴタンク2とほぼ同じ容積を有するまで拡張される。したがって、第2実施形態及び第3実施形態のようなカーゴポンプ4を備えたカーゴタンク2においては、第1実施形態における本発明の樹脂製袋状容器1の設置よりもデッドスペースが少ないため、液状積載物の積載量が多く、しかも、カーゴタンク2の全側面で樹脂製袋状容器1が支持されるため、積載状態がより安定的であるという利点がある。
以上のように、本発明の樹脂製袋状容器1を用いることにより、液状積載物の荷役によっても、カーゴタンク2の内部を汚すことがないため、荷揚げ後のカーゴタンク内の洗浄作業において、液状積載物の残液の除去という作業が必要なくなる。その結果、上記の本発明の樹脂製袋状容器1の説明においても示したが、以下の3つの効果が奏される。
(1)有害な液状積載物残液との接触や液状積載物に起因する火災や爆発を防止することができ、作業員の安全性が向上する。
(2)液状積載物残液の除去作業により生成される洗浄廃液を無くすことができ、洗浄廃液の海洋投棄といった環境上非常に重大な問題が解消される。
(3)荷揚げ後のカーゴタンク内の洗浄作業の所要時間及びコストが大幅に削減される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
1 樹脂製袋状容器
2 カーゴタンク
3 マンホール・ハッチ
4 カーゴポンプ
5 吸込口
6 袋体
7 荷積み開口部
8 荷揚げ開口部
9 荷積みライン

Claims (6)

  1. ケミカルタンカーのディープウエルカーゴポンプを用いたカーゴタンク内部に設置され、液体状積載物をその内部に積載し、運搬することを目的とした樹脂製袋状容器であって、
    前記樹脂製袋状容器は、液状積載物を積載する袋体と、前記カーゴタンクのマンホール・ハッチに固定可能な荷積み開口部と、カーゴポンプの吸込口と連結可能な荷揚げ開口部とを備え、
    前記樹脂製袋状容器は、液体状積載物の荷揚げ毎に、収縮され又は折り畳まれ、前記カーゴタンク内部から取り出されることを特徴とする樹脂製袋状容器。
  2. 前記袋体は、断面形状が前記マンホール・ハッチの開口部よりも小さく折り畳まれていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製袋状容器。
  3. 前記吸込口及び前記荷揚げ開口部は、差し込み式又はネジ式に連結されることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製袋状容器。
  4. 前記樹脂製袋状容器は、前記カーゴタンクの内壁と前記袋体との間に空気を吹き込み、前記袋体を前記カーゴタンク内壁から剥すことにより、前記カーゴタンクから取り外されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の樹脂製袋状容器。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の樹脂製袋状容器の使用方法であって、
    前記樹脂製袋状容器の使用方法は、
    前記液体状積載物を前記樹脂製袋状容器内に荷積みする前に、前記カーゴタンク内に前記樹脂製袋状容器を設置する工程と、
    前記液体状積載物を前記樹脂製袋状容器内に荷揚げした後に、前記カーゴタンク内から前記樹脂製袋状容器を取り外す工程とを備え、
    前記樹脂製袋状容器を設置する工程は、
    前記荷積み開口部を前記マンホール・ハッチに固定しつつ、前記荷揚げ開口部を先頭にして前記樹脂製袋状容器を前記カーゴタンク内に挿入し、
    前記荷揚げ開口部を前記カーゴタンクの前記吸込口に連結し、
    前記袋体を不活性ガス又は窒素ガスにより前記カーゴタンクの内壁に接するように拡張し、
    前記樹脂製袋状容器を取り外す工程は、
    前記カーゴタンクの内壁と前記袋体との間に空気を吹き込み、前記袋体を前記カーゴタンク内壁から剥し、
    前記荷揚げ開口部を前記カーゴポンプの前記吸込口から取り外し、
    前記袋体を、断面形状を前記マンホール・ハッチの開口部よりも小さく折り畳み又は押し潰し、
    前記マンホール・ハッチの開口部から前記樹脂製袋状容器を取り出すことを特徴とする樹脂製袋状容器の使用方法。
  6. 前記樹脂製袋状容器を取り外す工程は、前記液体状積載物の荷揚げ毎に行われることを特徴とする請求項5に記載の樹脂製袋状容器の使用方法。
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