JP7190200B2 - 加速器を用いた放射性核種の製造装置、製造方法、および放射性核種製造用容器 - Google Patents
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Description
図1は、放射性核種の製造装置1の全体構成を示す構成図である。放射性核種の製造装置1は、粒子を加速させて粒子ビーム21とする加速器2と、電着可能なターゲット電着用電極32とターゲット電着用電極32と異極となる内部電極33を有し電着によりターゲットを形成し、当該ターゲットに粒子ビーム21を照射して放射性核種を生成する放射性核種製造用容器3と、ターゲットを形成するために放射性核種製造用容器3内にターゲットに電着液を供給し、電着後の残液を回収する電着液供給回収部4aと、放射性核種を溶解する溶解液を放射性核種製造用容器3内に供給し当該溶解液と共に放射性核種を回収する溶解液供給回収部4bと、放射性核種製造用容器3で発生した気体を排出する気体排出部5と、ターゲット電着用電極32と内部電極33との間に直流電圧を印加してターゲット電着用電極32にターゲットを電着させる直流電源部6と、放射性核種製造用容器3を加熱する加熱部7と、ターゲット電着用電極32に到達する粒子ビーム21の照射電流値を計測する照射電流計測部8と、加速器2、電着液供給回収部4a、溶解液供給回収部4b、気体排出部5、直流電源部6、加熱部7および照射電流計測部8と、それぞれ信号線(図示せず)で接続され、これらを制御するコンピュータ(PC)9とを、備えている。
加速器2には、例えば、サイクロトロン、シンクロトロン、あるいは線形加速器などを用いることができる。加速器2が放射する粒子ビーム21には、陽子、重陽子、あるいはヘリウム原子核などの粒子が利用できる。粒子ビーム21は、加速器2から水平方向に放射される。目的とする放射性核種を核反応により高純度、高収率で製造するために、ターゲットの種類やその厚さに応じて適宜、粒子の種類や、加速エネルギー、照射電流値(ターゲット電着用電極32に到達する粒子ビーム21の照射電流値)、照射時間を決定する。例えば、Ni(ニッケル)をターゲットにして放射性核種Co(コバルト)55を生成する場合、粒子ビーム21の粒子に陽子を用いると良い。粒子ビーム21の照射条件は特に限定されず、Niの厚さにも依るが、加速エネルギーを5~20MeV、照射電流値を0.05~500μA、照射時間を5分~12時間にして、粒子ビーム21の照射をするのが好ましい。なお、加速器2には、図示省略するイオン源から粒子が供給される。
図2は、放射性核種製造用容器3の全体構成を示す分解断面図である。
放射性核種製造用容器3は、中央に左右の両端面が開放された肉厚の周壁で形成された略円筒状の胴部34を有している。胴部34の右端面側は、隣接する右スペーサ35を介してビーム入射窓31dにより蓋をされている。また、胴部34の左端面側は、隣接する左スペーサ36を介してターゲット電着用電極32により蓋をされている。このような放射性核種製造用容器3は、全体として横に寝かせた両端が閉鎖された略円筒状に形成されている。これにより、放射性核種製造用容器3内は密閉されており、気体や液体が意図せず漏れ出ることが無いように構成されている。
胴部34は、外径D1、内径d1の円筒状の周壁を有している。
胴部34には、周壁を垂直に貫通する貫通孔であって、電着液や溶解液を放射性核種製造用容器3の内外に通流させる通液部34cが設けられている。通液部34cは、放射性核種製造用容器3を横に寝かせた状態で下方に位置するようになっている。通液部34cは、周壁を鉛直方向に向けて貫通している。通液部34cは、中央よりターゲット電着用電極32寄りに設けられている。通液部34cには、電流を流すことのできる導体管が内挿され当該導体管の外側の隙間に液体を流動させることのできる導体管内挿配管44が下方に向けて接続されている。
右スペーサ35は、中央に直径d2の孔を有する外径D1の円板形状を有している。孔の直径d2は、胴部34の内径d1より小さい。右スペーサ35は、粒子ビーム21に対する耐性を有しているのが好ましい。右スペーサ35は、絶縁体で化学的な耐腐食性を有するのが好ましい。右スペーサ35に用いる絶縁体には、ポリイミド樹脂,ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂あるいは絶縁性セラミックス(炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ)などがある。
ビーム入射窓31dは、直径D2の円板状で粒子ビーム21を透過させる薄膜の窓材31と、外径D1の円板状の枠材であって、当該薄膜の窓材31の外縁部を前後から挟み込むようにして固定する表枠材31aと裏枠材31bの2つの枠材を備えている。表枠材31aと裏枠材31bは、中央に直径D2より小さな直径d3の表枠材31a、裏枠材31bと同心円状の孔を有する。
左スペーサ36は、右スペーサ35と同様に、中央に直径d4の同心円状の孔を有する外径D1の円板形状を有している。当該孔の直径d4は、胴部34の内径d1より小さいが、ビーム入射窓31dの表枠材31aおよび裏枠材31bの中央の孔の直径d3より大きくなっている。これにより、ビーム入射窓31dの薄膜の窓材31を通過して放射性核種製造用容器3内に入射した粒子ビーム21が広がって左スペーサ36に無駄に照射される恐れが小さくなる(図1参照)。
ターゲット電着用電極32は、母材32bと接液部材32aとを備えている。ここでは、母材32bは、電気抵抗の小さなAg(銀)素材で形成されている。また、接液部材32aは、電着液と溶解液と粒子ビーム21に対して化学的・電気的に不活性な貴金属素材などにより形成される。この素材としては、例えば、Au(金)、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、C(グラファイト)、あるいは導電性セラミックなどを使用することができる。本実施例では、Au(金)素材を使用している。母材32bは、外径D1の厚みのある円板形状であり、背面側の中央に直径d6の母材32bと同心円状の凹部32cを有し、前面側の中央には底面が直径d5の円錐状で照射される粒子ビーム21に向かって凸な円錐状凸部32dを有している。母材32bの前面には円錐状凸部32dの底面の外周に円環状の平底溝32eが形成されている。
内部電極33は、ターゲット電着用電極32との間に直流電圧を印加してターゲット電着用電極32にターゲットを電着させるためのもう一方の電極である。内部電極33は、ここでは、円環状に形成されている。
図1に示すように、電着液供給回収部4aは、電着液容器41aと、モータ駆動の注射筒43とを備えている。注射筒43は、電着液容器41aに、配管46a、電動バルブ42d、配管44d、電動三方バルブ42b、配管44c、電動三方バルブ42a、および配管44bを介して接続されている。放射性核種製造用容器3の胴部34に接続された導体管内挿配管44の下端には、ティーズ継手45が設けられている。
電着液容器41aには、電着によりターゲット形成するための電着液を入れておく。
ターゲットを形成するために放射性核種製造用容器3内に電着液を供給する場合には、まず、配管(46a、44d、44c、44h)が連通するように、電動バルブ42d、電動三方バルブ42b、および電動三方バルブ42aに開閉動作をさせる。そして、モータ駆動の注射筒43に電着液容器41aから電着液を吸引する動作をさせる。次に、配管(44h、44a)が連通するように、電動三方バルブ42aに開閉動作をさせる。そして、モータ駆動の注射筒43に注入動作をさせれば、放射性核種製造用容器3内に電着液を供給することができる。
放射性核種製造用容器3内から電着後の残液を回収するためには、上述の電着液の供給動作の逆の動作を行えばよい。すなわち、配管(44h、44a)が連通するように、電動三方バルブ42aに開閉動作をさせる。そして、モータ駆動の注射筒43に放射性核種製造用容器3内から電着後の残液を吸引する動作をさせる。次に、配管(46a、44d、44c、44h)が連通するように、電動バルブ42d、電動三方バルブ42b、および電動三方バルブ42aに開閉動作をさせる。そして、モータ駆動の注射筒43に注入動作をさせれば、電着後の残液を電着液容器41a内に回収することができる。
溶解液供給回収部4bは、電着液供給回収部4aの一部である、電動三方バルブ42b、配管44c、電動三方バルブ42a、配管44b、モータ駆動の注射筒43、および配管44aを共通して使用している。そして、溶解液供給回収部4bは、溶解液用容器41c、溶解液用容器41cと電動三方バルブ42bとの間を接続する配管46c、電動バルブ42f、配管44fを備えている。さらに、溶解液供給回収部4bは、放射性物質取り扱い場所であるホットセルに設置された放射性核種回収容器41dと、放射性核種回収容器41dと電動三方バルブ42bとの間を接続する配管46d、電動バルブ42g、配管44gとを備えている。
放射性核種を溶解する溶解液を放射性核種製造用容器3内に供給する場合は、上述の電着液の供給動作と同様に、まず、溶解液用容器41cに、粒子ビーム21の照射により生成された放射性核種を溶解する溶解液を入れておく。そして、配管(46c、44f、44c、44h)が連通するように、電動バルブ42f、電動三方バルブ42b、および電動三方バルブ42aに開閉動作をさせる。そして、モータ駆動の注射筒43に溶解液用容器41cから溶解液を吸引する動作をさせる。次に、配管(44h、44a)が連通するように、電動三方バルブ42aに開閉動作をさせる。そして、モータ駆動の注射筒43に注入動作をさせれば、放射性核種製造用容器3内に溶解液を供給することができる。
放射性核種製造用容器3内から放射性核種が溶解した溶解後の溶解液を回収するためには、まず、配管(44h、44a)が連通するように、電動三方バルブ42aに開閉動作をさせる。そして、モータ駆動の注射筒43に放射性核種製造用容器3内から放射性核種が溶解した溶解後の溶解液を吸引する動作をさせる。次に、配管(46d、44g、44c、44h)が連通するように、電動バルブ42g、電動三方バルブ42b、および電動三方バルブ42aに開閉動作をさせる。そして、モータ駆動の注射筒43に注入動作をさせれば、溶解に使用した後の溶解液と共に放射性核種を放射性核種回収容器41d内に回収することができる。
気体排出部5は、放射性核種製造用容器3の胴部34の通気部34bに接続された排気管53aと、排気管53aが下方に接続され上方に排気管53bが接続された過剰溶液貯留槽51と、排気管53bに電動バルブ52を介して接続された排気管53cとを備えている。
直流電源部6は、直流電源61と、一端が直流電源61の一方の極に直列接続された電源スイッチ62を備えている。直流電源61の他方の極は、内部電極33に連結された導体管内挿配管44内の導体管33aに接続され、電源スイッチ62の他端はターゲット電着用電極32に接続されている。ここで、ターゲット電着用電極32の極性は、電着液内にあるターゲット物質のイオンが持つ極性と反対になるように設定する。これにより、ターゲット電着用電極32に、ターゲット物質を電着することができる。直流電源61から印加される電圧は可変で、0.01~20Vの範囲内が好ましく,また,流れる電流は一定で、1~1000mAの範囲内が好ましい。
加熱部7は、放射性核種製造用容器3の外部に設けた発熱体71とパワー制御可能な交流電源72と電源スイッチ73を備え、これらはこの順に直列に接続されている。発熱体71には、絶縁性に優れたセラミックヒータが使用されている。加熱部7は、電源スイッチ73がONされ、交流電源72から電力の供給を受けた発熱体71が発熱し、放射性核種製造用容器3全体を外部から加熱する。これにより、例えば、放射性核種製造用容器3内部の溶解液を加熱して溶解反応を促進する、あるいは、液体排出後の内部を素早く乾燥することができる。
照射電流計測部8は、ターゲット電着用電極32に接続された回路スイッチ82と、一端が回路スイッチ82に接続され他端が接地された電流計81を備えている。照射電流計測部8は、加速器2が粒子ビーム21をターゲット電着用電極32に照射する直前に回路スイッチ82をONにするよう制御され、粒子ビーム21がターゲット電着用電極32に照射されている間の照射電流値を電流計81で計測する。そして、照射電流計測部8は、粒子ビーム21の照射が終了すると回路スイッチ82をOFFにするように制御されている。
コンピュータ(PC)9は、CPU、メモリおよび入出力部を備え、加速器2、電着液供給回収部4a、溶解液供給回収部4b、気体排出部5、直流電源部6、加熱部7および照射電流計測部8と、それぞれ信号線(図示せず)で接続され、これらを制御する。これにより、遠隔操作が可能となり、作業者は、放射性核種の製造に由来する被ばくを避けることができる。
放射性核種の製造は、次の電着液供給工程、ターゲットの電着工程、電着後の残液の回収工程、粒子ビームの照射工程、放射性核種の溶解工程、および回収工程を経て行われる。ここでは、Ni(ニッケル)から放射性核種Co(コバルト)55を製造する場合を例として説明する。
製造対象となる放射性核種の原料(ターゲット)を含む溶液,すなわち,ターゲット溶液(電着液)を事前に準備し、電着液容器41aに充填する。ターゲット溶液(電着液)は、溶質及び溶媒の組成は任意であり、ターゲットとなる元素を有意に含めばよい。
次に、電着サブルーチンに移行する。
まず、電着液が放射性核種製造用容器3内に充填された状態で、直流電源部6の電源スイッチ62をONにし、内部電極33とターゲット電着用電極32との間に直流電流を通電する。これにより、ターゲット電着用電極32の電着面32hにターゲットを形成することができる。ここで、電着液に含まれる溶質および溶媒の種類によっては、通電を開始すると内部電極33やターゲット電着用電極32の表面から気体が発生することがある。
電着が完了した後、電着液供給回収部4aに電着後の残液の回収動作をさせ、放射性核種製造用容器3内から電着後の残液を回収する。
照射電流計測部8の回路スイッチ82をONにし、電流計81で粒子ビーム21がターゲット電着用電極32に照射している間の照射電流値を計測できるようにする。
例として、ターゲットのNi(ニッケル)には、11.2MeVの陽子ビームを、0.1μAで、15分間照射した。
ターゲット電着用電極32の電着面32hに形成されているターゲットや、少なくとも生成された放射性核種を溶解しやすい、酸、アルカリ、純水、有機溶媒などの溶媒を溶解液として選択し、溶解液用容器41cに充填する。
上述の溶解工程での処理を一定時間行った後、溶解液供給回収部4bに放射性核種の回収動作をさせ、放射性核種が溶解した溶解後の溶解液を放射性核種製造用容器3内から排出し放射性核種回収容器41dに回収する。あるいは、排気管53bの先に適宜接続する高圧の圧縮空気を送気する装置(図示せず)を用いて、放射性核種製造用容器3内に高圧の圧縮空気を送気し、放射性核種が溶解した溶解後の溶解液を放射性核種回収容器41dに圧送するようにして回収してもよい。
以上の各工程は、コンピュータ(PC)9の制御による遠隔操作で行われる。そのため、作業者による直接的な手作業はほとんど必要としない。
図3(A)~図3(D)は、実施例2~実施例5のターゲット電着用電極の電着面の表面形状を示す図である。各図中のターゲット電着用電極(32、132、232、332)は、それぞれ母材(32b、132b、232b、332b)と接液部材(32a、132a、232a、332a)を備え、隣接する左スペーサ36の孔から露出する接液部材(32a、132a、232a、332a)の表面の電着面(32h、132h、232h、332h)を有している。
図3(B)に示す実施例3のターゲット電着用電極132の電着面132hの表面形状は、照射される粒子ビーム21に向かって上がっていく階段状となっている。
図3(C)に示す実施例4のターゲット電着用電極232の電着面232hの表面形状は、照射される粒子ビーム21に向かって垂直な平面状となっている。
図3(D)に示す実施例5のターゲット電着用電極332の電着部332hの表面形状は、照射される粒子ビーム21に向かって凹な円錐状となっている。
図4(A)~図4(D)は、実施例6~実施例9のターゲット電着用電極における、母材に接液部材を取り付ける方法を示す図である。
図4(B)に示す実施例7のターゲット電着用電極432は、母材432bと接液部材432aとが一体として形成され、接液部材432aに用いる素材で形成されている。
図4(C)に示す実施例8のターゲット電着用電極532は、母材532bに接液部材532aをねじ込む、あるいは機械的に嵌め合わせて組み立てられている。
図4(D)に示す実施例9のターゲット電着用電極632は、母材632bに接液部材632aを溶接、あるいは導電性の接着剤により結合されている。
実施例6~実施例9の何れの例の方法によっても、母材432bと接液部材432aとの間の機械的強度は小さくなく、電気的抵抗も大きくなることはない。
図5(A)、図5(B)及び図5(C)は、実施例10の放射性核種製造用容器3の胴部134を示す図である。
胴部134は、外側面が外径D1の円筒状で、内側面134dが両端からターゲット電着用電極32寄りの中央に向かって拡径する周壁を有している。すなわち、周壁の内側面134dは、両端の直径が同じd1であり、ターゲット電着用電極32寄りの中央の直径が最大のd7になっている。
図7(A)~図7(H)は、実施例12~実施例19の内部電極の形状を示す図である。
2...加速器
3...放射性核種製造用容器
4a...電着液供給回収部
4b...溶解液供給回収部
5...気体排出部
6...直流電源部
7...加熱部
8...電流照射計測部
9...コンピュータ(PC)
21...粒子ビーム
31d...ビーム入射窓
32...ターゲット電着用電極
33...内部電極
Claims (13)
- 粒子を加速させて粒子ビームとする加速器と、
前記粒子ビームが入射するビーム入射窓と前記粒子ビームが照射されるターゲットを電着可能とするターゲット電着用電極と該ターゲット電着用電極と異極となる内部電極とを有する放射性核種製造用容器と、
前記放射性核種製造用容器内に前記ターゲットに電着液を供給し回収する電着液供給回収部と、
前記ターゲット電着用電極と前記内部電極との間に直流電圧を印加して前記ターゲット電着用電極に前記ターゲットを電着させる直流電源部と、
前記放射性核種製造用容器に前記ターゲットを溶解する溶解液を供給し回収する溶解液供給回収部と、を備え、
前記電着液供給回収部は、前記電着液が充填される電着液容器と、モータ駆動の第1の注射筒と、を備え、
前記第1の注射筒は、前記電着液容器に充填された前記電着液を吸引して前記放射性核種製造用容器に供給する動作、および前記放射性核種製造用容器から前記電着液を吸引する動作を行う、放射性核種の製造装置。 - 前記溶解液供給回収部は、前記溶解液が充填される溶解液用容器と、モータ駆動の第2の注射筒と、を備え、
前記第2の注射筒は、前記溶解液用容器に充填された前記溶解液を吸引して前記放射性核種製造用容器に供給する動作、および前記放射性核種製造用容器から前記溶解液を吸引する動作を行う、請求項1に記載の放射性核種の製造装置。 - 前記第1の注射筒および前記第2の注射筒として共用される注射筒を有する、請求項2に記載の放射性核種の製造装置。
- 前記ターゲット電着用電極に接続され、前記ターゲット電着用電極に到達する前記粒子ビームの電流値を計測する電流計と、前記電流計と前記ターゲット電着用電極との間の通電を、前記粒子ビームを照射するときはONにし、前記ターゲットを前記ターゲット電着用電極に電着させるときはOFFにする切り替えスイッチと、をさらに備えた、請求項1乃至3の何れか一項に記載の放射性核種の製造装置。
- 請求項1乃至4の何れか一項に記載の放射性核種の製造装置により、放射性核種を製造する方法であって、
前記第1の注射筒に前記電着液容器から前記電着液を吸引する動作をさせた後、前記第1の注射筒に注入動作をさせることにより前記放射性核種製造用容器に前記電着液を供給し、
前記直流電源部は、前記電着液中の前記ターゲット電着用電極と前記内部電極との間に直流電圧を印加し、前記ターゲットを前記ターゲット電着用電極に析出させ、
前記第1の注射筒に前記放射性核種製造用容器から使用済みの前記電着液を吸引する動作をさせることで前記電着液を前記電着液容器に回収し、
前記加速器は、前記ターゲット電着用電極に析出させた前記ターゲットに前記粒子ビームを照射し前記放射性核種を生成し、
前記溶解液供給回収部は、前記放射性核種製造用容器に前記溶解液を供給して前記放射性核種を溶解し、前記放射性核種製造用容器から前記放射性核種が溶解した前記溶解液を回収する、
放射性核種の製造方法。 - 前記放射性核種の製造装置が備える前記溶解液供給回収部は、前記溶解液が充填される溶解液用容器と、前記溶解液用容器または前記放射性核種製造用容器から前記溶解液を吸引するモータ駆動の第2の注射筒とを備え、
前記溶解液供給回収部において、前記第2の注射筒に前記溶解液用容器から前記溶解液を吸引する動作をさせた後、前記第2の注射器に注入動作をさせることにより前記放射性核種製造用容器に前記溶解液を供給して前記放射性核種を溶解し、前記第2の注射筒に前記放射性核種製造用容器から前記放射性核種が溶解した前記溶解液を吸引する動作をさせることで前記溶解液とともに前記放射性核種を放射性核種回収容器に回収する、請求項5に記載の放射性核種の製造方法。 - 電着により形成された内部のターゲットに加速器からの粒子ビームの照射を受けて放射性核種が製造される放射性核種製造用容器であって、
前記加速器からの前記粒子ビームが入射する入射側に配置されたビーム入射窓と、
前記ビーム入射窓に対向する対向面側に配置され、前記粒子ビームが照射される前記ターゲットを電着可能とするターゲット電着用電極と、
内部に設けられた前記ターゲット電着用電極と異極となる内部電極と、
前記ターゲットの電着液および前記放射性核種の溶解液を内部に流入し、内部から流出する通液部と、
少なくとも気体を内部から流出し、内部に流入する通気部と、
を備え、
前記ビーム入射窓と前記ターゲット電着用電極が略水平方向に配置されることにより横向きに設置された状態で、前記通液部が下方に設けられ、
前記通気部は、上方で、かつ、前記通液部による前記電着液および前記溶解液の内部への流入方向の直線上ではない位置に設けられた、放射性核種製造用容器。 - 電着により形成された内部のターゲットに加速器からの粒子ビームの照射を受けて放射性核種が製造される放射性核種製造用容器であって、
前記加速器からの前記粒子ビームが入射する入射側に配置されたビーム入射窓と、
前記ビーム入射窓に対向する対向面側に配置された前記粒子ビームが照射される前記ターゲットを電着可能とするターゲット電着用電極と、
内部に設けられた前記ターゲット電着用電極と異極となる内部電極と、
前記ターゲットの電着液および前記放射性核種の溶解液を内部に流入し、内部から流出する通液部と、
少なくとも気体を内部から流出し、内部に流入する通気部と、を備え、
上方に気体をためる気体退避部をさらに備えた、放射性核種製造用容器。 - 前記ターゲット電着用電極は、前記粒子ビームが照射される中央部が前記ビーム入射窓に向かって凸状である、請求項7または8に記載の放射性核種製造用容器。
- 電着により形成されたターゲットに加速器からの粒子ビームの照射を受けて放射性核種が製造される放射性核種の製造装置であって、
粒子を加速させて粒子ビームとする加速器と、
前記加速器からの前記粒子ビームが入射するビーム入射窓と前記粒子ビームが照射されるターゲットを電着可能とするターゲット電着用電極と該ターゲット電着用電極と異極となる内部電極と前記ターゲットの電着液および前記放射性核種の溶解液を内部に流入し内部から流出する通液部と少なくとも気体を内部から流出し内部に流入する通気部とを有する放射性核種製造用容器と、
前記放射性核種製造用容器内に前記ターゲットに電着液を供給し回収する電着液供給回収部と、
前記ターゲット電着用電極と前記内部電極との間に直流電圧を印加して前記ターゲット電着用電極に前記ターゲットを電着させる直流電源部と、
前記放射性核種製造用容器に前記ターゲットを溶解する溶解液を供給し回収する溶解液供給回収部と、を備え、
前記ビーム入射窓と前記ターゲット電着用電極が略水平方向に配置されることにより横向きに設置された状態で、前記通液部が下方に設けられており、
前記通気部は、上方で、かつ、前記通液部による前記電着液および前記溶解液の内部への流入方向の直線上ではない位置に設けられている放射性核種の製造装置。 - 電着により形成されたターゲットに加速器からの粒子ビームの照射を受けて放射性核種が製造される放射性核種の製造装置を用いて放射性核種を製造する方法であって、
前記放射性核種の製造装置は、粒子を加速させて粒子ビームとする加速器と、前記加速器からの前記粒子ビームが入射するビーム入射窓と前記粒子ビームが照射されるターゲットを電着可能とするターゲット電着用電極と該ターゲット電着用電極と異極となる内部電極と前記ターゲットの電着液および前記放射性核種の溶解液を内部に流入し内部から流出する通液部と少なくとも気体を内部から流出し内部に流入する通気部とを有する放射性核種製造用容器と、前記放射性核種製造用容器内に前記ターゲットに電着液を供給し回収する電着液供給回収部と、前記ターゲット電着用電極と前記内部電極との間に直流電圧を印加して前記ターゲット電着用電極に前記ターゲットを電着させる直流電源部と、前記放射性核種製造用容器に前記ターゲットを溶解する溶解液を供給し回収する溶解液供給回収部と、を備え、
前記放射性核種製造用容器は、前記ビーム入射窓と前記ターゲット電着用電極が略水平方向に配置されることにより横向きに設置された状態で、前記通液部が下方に設けられており、前記通気部は、上方で、かつ、前記通液部による前記電着液および前記溶解液の内部への流入方向の直線上ではない位置に設けられており、
前記電着液供給回収部は、前記放射性核種製造用容器に前記電着液を供給し、
前記直流電源部は、前記電着液中の前記ターゲット電着用電極と前記内部電極との間に直流電圧を印加し、前記ターゲットを前記ターゲット電着用電極に析出させ、
前記電着液供給回収部は、前記放射性核種製造用容器から使用済みの前記電着液を回収し、
前記加速器は、前記ターゲット電着用電極に析出させた前記ターゲットに前記粒子ビームを照射し前記放射性核種を生成し、
前記溶解液供給回収部は、前記放射性核種製造用容器に前記溶解液を供給し、前記放射性核種を溶解し、前記放射性核種製造用容器から前記放射性核種が溶解した前記溶解液を回収する、
放射性核種の製造方法。 - 電着により形成されたターゲットに加速器からの粒子ビームの照射を受けて放射性核種が製造される放射性核種の製造装置であって、
粒子を加速させて粒子ビームとする加速器と、
前記加速器からの前記粒子ビームが入射するビーム入射窓と前記粒子ビームが照射されるターゲットを電着可能とするターゲット電着用電極と該ターゲット電着用電極と異極となる内部電極と前記ターゲットの電着液および前記放射性核種の溶解液を内部に流入し、内部から流出する通液部と、少なくとも気体を内部から流出し、内部に流入する通気部と上方に気体をためる気体退避部とを有する放射性核種製造用容器と、
前記放射性核種製造用容器内に前記ターゲットに電着液を供給し回収する電着液供給回収部と、
前記ターゲット電着用電極と前記内部電極との間に直流電圧を印加して前記ターゲット電着用電極に前記ターゲットを電着させる直流電源部と、
前記放射性核種製造用容器に前記ターゲットを溶解する溶解液を供給し回収する溶解液供給回収部と、を備えた、放射性核種の製造装置。 - 電着により形成されたターゲットに加速器からの粒子ビームの照射を受けて放射性核種が製造される放射性核種の製造装置を用いて放射性核種を製造する方法であって、
前記放射性核種の製造装置は、粒子を加速させて粒子ビームとする加速器と、前記加速器からの前記粒子ビームが入射するビーム入射窓と前記粒子ビームが照射されるターゲットを電着可能とするターゲット電着用電極と該ターゲット電着用電極と異極となる内部電極と前記ターゲットの電着液および前記放射性核種の溶解液を内部に流入し内部から流出する通液部と少なくとも気体を内部から流出し内部に流入する通気部と上方に気体をためる気体退避部とを有する放射性核種製造用容器と、前記放射性核種製造用容器内に前記ターゲットに電着液を供給し回収する電着液供給回収部と、前記ターゲット電着用電極と前記内部電極との間に直流電圧を印加して前記ターゲット電着用電極に前記ターゲットを電着させる直流電源部と、前記放射性核種製造用容器に前記ターゲットを溶解する溶解液を供給し回収する溶解液供給回収部と、を備え、
前記電着液供給回収部は、前記放射性核種製造用容器に前記電着液を供給し、
前記直流電源部は、前記電着液中の前記ターゲット電着用電極と前記内部電極との間に直流電圧を印加し、前記ターゲットを前記ターゲット電着用電極に析出させ、
前記電着液供給回収部は、前記放射性核種製造用容器から使用済みの前記電着液を回収し、
前記加速器は、前記ターゲット電着用電極に析出させた前記ターゲットに前記粒子ビームを照射し前記放射性核種を生成し、
前記溶解液供給回収部は、前記放射性核種製造用容器に前記溶解液を供給し、前記放射性核種を溶解し、前記放射性核種製造用容器から前記放射性核種が溶解した前記溶解液を回収する、
放射性核種の製造方法。
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