[本開示に至る経緯]
まず、本開示に至る経緯について説明する。
TDD(Time Division Duplex)システムにおけるSelf-contained動作が可能なタイムユニット構成として、図1A及び図1Bに示す構成が検討されている(例えば、非特許文献2を参照)。図1Aは、DL self-contained動作が可能なタイムユニット構成を示し、図1Bは、UL self-contained動作が可能なタイムユニット構成を示している。
下り送信領域(図1A、図1Bの「DL」と示した区間)と、上り送信領域(図1A、図1Bで「UL」と示した区間)との間のギャップ(図1A,図1Bの1msの各タイムユニット内で1番目に配置されるGap)は、基地局と端末との間の伝搬遅延時間、及び、端末の処理時間(UE processing time)を考慮して設定される。ここで、端末の処理時間とは、DL self-contained動作の場合(図1A)、端末がDL dataを復号し、応答信号(Ack)を生成する処理時間を指し、UL self-contained動作の場合(図1B)、端末が制御信号(UL assignment)を復号し、UL dataを生成する処理時間を指す。
また、上り送信領域の末尾のギャップ(図1A、図1Bの1msの各タイムユニット内で2番目に配置されるGap)は、基地局の処理時間(eNB processing time)を考慮して設定される。ここで、基地局の処理時間とは、DL self-contained動作の場合、基地局が応答信号を復号し、次のタイムユニットのスケジューリングと制御信号(DL assignment)を生成する処理時間を指し、UL self-contained動作の場合、基地局がUL dataを復号し、次のタイムユニットのスケジューリングと制御信号(UL assignment)を生成する処理時間を指す。
図1A及び図1Bに示すタイムユニット構成の平均遅延時間(Average latency)は以下のように推定される。
なお、ここでは、図2Aに示すように、図1AのDL self-contained動作において、DL assignment + DL dataのsymbol長が11symbol、1番目のGapのsymbol長が1symbol、ACK(応答信号)のsymbol長が1symbol、2番目のGapのsymbol長が1symbolという、1msecあたり14symbolのタイムユニット構成を想定する。
このとき、基地局の送信バッファが生成されてから基地局が下りデータに対する応答信号を端末から受信するまでの平均遅延時間は、14/2 symbol(バッファ生成から下りデータ割当までの平均時間)+ 13symbol(下りデータ割当からACK受信までの時間)= 20symbolとなる。
また、図2Bに示すように、図1BのUL self-contained動作において、UL assignmentのsymbol長が1symbol、1番目のGapのsymbol長が1symbol、UL dataのsymbol長が11symbol、2番目のGapのsymbol長が1symbolという、1msecあたり14symbolのタイムユニット構成を想定する。
このとき、端末の送信バッファが生成されてから端末が初回の上りデータの送信を完了するまでの平均遅延時間は、14/2 symbol(バッファ生成から次の上りデータ送信までの平均時間)+ 14symbol(上りデータでスケジューリング要求をする時間)+13symbol(端末が無線リソース割当情報を受信し、上りデータの送信を完了するまでの時間)= 34symbolとなる。
また、図2A及び図2Bに示した想定では、タイムユニット構成のギャップ区間のオーバーヘッドは、図1A及び図1Bとも、2/14 = 14%となる。
また、図2A及び図2Bに示した想定のタイムユニット構成で許容される処理時間は、図1A及び図1Bとも、端末の処理時間が1symbolとなり、基地局の処理時間が1symbolとなる。
図1A及び図1Bのタイムユニット構成では、タイムユニットの末尾に基地局の処理時間を考慮したギャップ区間が設けられることで、次のタイムユニットでデータ再送が可能となるため、データ通信の遅延が低減できる。
しかしながら、図1A及び図1Bに示すSelf-contained動作に用いるタイムユニット構成について、HARQプロセスを用いた制御に関しては十分に検討がなされていない。このため、HARQプロセスの設定によっては、各タイムユニットにおいて複数のHARQプロセスが適用される場合に、ギャップ区間のオーバーヘッドの増大、平均遅延時間の増大、又は、端末及び基地局に許容される処理時間の短縮などの性能劣化のおそれがある。
そこで、本開示の一態様は、HARQプロセスを考慮したSelf-contained動作用のタイムユニット構成によって、上述した性能を向上させることである。
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係るDL Self-contained動作を行う通信システムは、基地局100及び端末200を備える。また、本開示の各実施の形態に係るUL Self-contained動作を行う通信システムは、基地局300及び端末400を備える。
なお、以下では、TDDシステムを前提として説明する。ただし、本開示の一態様は、後述するようにFDDシステムでも同様に適用することができる。
また、1つのeNBが基地局100及び基地局300の双方の構成を有してもよく、何れか一方の構成を有してもよい。同様に、1つのUEが端末200及び端末400の双方の構成を有してもよく、何れか一方の構成を有してもよい。
図3は、本開示の各実施の形態に係る基地局100,300の要部構成を示すブロック図である。図3に示す基地局100,300において、送信部109は、下り送信領域と、上り送信領域と、下り送信領域から上り送信領域への切替点であるギャップ区間と、から構成されるタイムユニットにおいて、下り送信領域で下り信号を送信し、受信部111は、タイムユニットにおいて、上り送信領域で上り信号を受信する。
図4は、本開示の各実施の形態に係る端末200,400の要部構成を示すブロック図である。図4に示す端末200,400において、受信部202は、下り送信領域と、上り送信領域と、下り送信領域から上り送信領域への切替点であるギャップ区間と、を含むタイムユニットにおいて、下り送信領域で下り信号を受信し、送信部212は、タイムユニットにおいて、上り送信領域で上り信号を送信する。
ここで、各タイムユニットには、複数のHARQプロセスに対する前記下り送信領域及び前記上り送信領域がそれぞれ含まれる。
(実施の形態1)
[基地局の構成(DL Self-contained動作時)]
図5は、本実施の形態に係るDL Self-contained動作を行う基地局100の構成を示すブロック図である。図5において、基地局100は、タイムユニット構成記憶部101と、スケジューリング部102と、制御信号生成部103と、制御信号変調部104と、データ符号化部105と、再送制御部106と、データ変調部107と、信号割当部108と、送信部109と、アンテナ110と、受信部111と、信号抽出部112と、復調・復号部113と、判定部114と、を有する。
図5に示す基地局100は、「下り送信領域」と、「上り送信領域」と、下り送信領域から上り送信領域への切換点である「ギャップ区間」とから構成されるタイムユニット(Self-contained time unit)において、下り送信領域でDL assignmentとDL dataを送信する。また、基地局100は、タイムユニットにおいて、上り送信領域で端末200から送信されるACK/NACKを含む応答信号(さらに、UCIを含んでもよい)を受信する。
基地局100において、タイムユニット構成記憶部101は、複数のHARQプロセスを含むタイムユニット構成を予め記憶している。タイムユニット構成記憶部101は、DL self-contained time unitの場合、下り送信領域(DL assignment、DL dataを含む)、ギャップ区間(Gap)、上り送信領域(ACKを含む)の各領域における信号配置をHARQプロセス番号(HARQプロセス)毎に記憶している。そして、タイムユニット構成記憶部101は、記憶しているタイムユニット構成をスケジューリング部102へ出力する。なお、タイムユニット構成記憶部101が記憶している、複数のHARQプロセスを含むタイムユニット構成の詳細については後述する。
スケジューリング部102は、端末200に対して、DL Self-contained time unitにおけるDL assignment及びDL dataに関するスケジューリング情報(例えば、割当端末のID、端末200への割当リソース情報(周波数、時間、符号リソース)、DL dataの変調・符号化方式、応答信号の割当リソース情報、再送制御情報(New data Indicator、Redundancy Version等)など)を決定する。
また、スケジューリング部102は、タイムユニット内の時間リソース割当を、タイムユニット構成記憶部101から出力されたタイムユニット内のHARQプロセス番号毎のDL assignment、DL data、Gap、ACKの信号配置に基づいて決定する。また、スケジューリング部102は、新規パケットを端末200へ割り当てる場合、任意のHARQプロセス番号を適用し、再送パケットを端末200へ割り当てる場合、前回送信時のHARQプロセス番号を適用する。
ここで、1つのタイムユニット内で適用するHARQプロセス数は、所定のルールに従ってスケジューリング部102によって決定される。例えば、スケジューリング部102は、割当端末のDL dataサイズ等を考慮してHARQプロセス数を決定する。HARQプロセス数の更新頻度は、収容端末の送信バッファサイズの情報等を考慮し、セミスタティック(準静的)に更新され、決定されたHARQプロセス数は報知チャネルを用いて端末200へ通知されてもよい。または、HARQプロセス数は、ダイナミック(タイムユニット毎)に更新され、DL assignmentを用いて端末200へ通知されてもよい。あるいは、HARQプロセス数は、仕様によって予め規定された固定値としてもよい。
なお、タイムユニット内では各HARQプロセス番号の各信号配置が固定であるため、端末200(受信側)は、タイムユニットの同期が取れれば、タイムユニット内の信号配置からHARQプロセス番号を一意に把握できる。よって、基地局100は、DL assignmentにHARQ process番号を含めて端末200へ通知する必要はない。
スケジューリング部102は、スケジューリング情報を、制御信号生成部103、データ符号化部105、信号割当部108及び信号抽出部112に出力する。
制御信号生成部103は、端末200向けの制御信号(DL assignment)を生成する。DL assignmentには、セル固有の上位レイヤの信号、グループ又はRAT固有の上位レイヤの信号、端末固有の上位レイヤの信号、DL dataの割当リソース情報、応答信号の割当リソース情報、再送制御情報等が含まれる。なお、応答信号の割当リソース(周波数、時間、符号)は、上位レイヤ通知等によって基地局100から端末200へ事前に設定されてもよい。また、DL data等の割当リソースから所定のルールに従って間接的に応答信号の割当リソースを決定する場合、応答信号の割当リソース情報は、DL assignment信号に含める必要はない。制御信号生成部103は、これらの制御情報を用いて、制御情報ビット列を生成し、生成された制御情報ビット列を符号化し、符号化後の制御信号を制御信号変調部104へ出力する。
制御信号変調部104は、制御信号生成部103から受け取るDL assignmentを変調し、変調後のDL assignmentを信号割当部108へ出力する。
データ符号化部105は、スケジューリング部102から受け取る符号化方式に従って、DL data(送信データ)に対して誤り訂正符号化を施し、符号化後のDL dataを再送制御部106へ出力する。
再送制御部106は、初回送信時にはデータ符号化部105から受け取る符号化後のDL dataを、保持するとともにデータ変調部107へ出力する。また、再送制御部106は、再送時には、判定部114からの判定結果に基づいて保持データを制御する。具体的には、再送制御部106は、DL dataに対するNACKを受け取ると、対応する保持データをデータ変調部107へ出力する。また、再送制御部106は、DL dataに対するACKを受け取ると、対応する保持データを破棄し、DL dataの送信を終了する。
データ変調部107は、再送制御部106から受け取るDL dataを変調して、変調後のDL dataを信号割当部108へ出力する。
信号割当部108は、制御信号変調部104から受け取るDL assignment及びデータ変調部107から受け取るDL dataを、スケジューリング部102から指示される無線リソース(割当時間・周波数・符号リソース)にマッピングする。信号割当部108は、信号がマッピングされた下り信号を送信部109に出力する。
送信部109は、信号割当部108から受け取る信号に対してD/A(Digital-to-Analog)変換、アップコンバート等のRF(Radio Frequency)処理を行い、アンテナ110を介して端末200に無線信号を送信する。
受信部111は、アンテナ110を介して受信された端末200からの上りリンク信号の応答信号波形に対して、ダウンコンバート又はA/D(Analog-to-Digital)変換などのRF処理を行い、得られる受信信号を信号抽出部112に出力する。
信号抽出部112は、スケジューリング部102から指示される無線リソース(割当時間・周波数・符号リソース)に基づいて、受信信号から、端末200からの応答信号が送信された無線リソース部分を抽出し、受信応答信号を復調・復号部113に出力する。
復調・復号部113は、信号抽出部112から受け取る受信応答信号に対して、等化、復調及び復号を施し、復号後のビット系列を判定部114へ出力する。
判定部114は、復調・復号部113から入力されるビット系列に基づいて、端末200から送信された、DL dataに対する応答信号が、DL dataに対してACK又はNACKの何れを示しているかを判定する。判定部114は、判定結果(ACK又はNACK)を再送制御部106に出力する。
[端末の構成(DL Self-contained動作時)]
図6は、本実施の形態に係るDL Self-contained動作を行う端末200の構成を示すブロック図である。図6において、端末200は、アンテナ201と、受信部202と、タイムユニット構成記憶部203と、信号抽出部204と、制御信号復調・復号部205と、データ復調部206と、データ復号部207と、誤り検出部208と、応答信号生成部209と、符号化・変調部210と、信号割当部211と、送信部212と、を有する。
図6に示す端末200は、「下り送信領域」と「ギャップ区間」と「上り送信領域」とから構成されるタイムユニット(Self-contained time unit)において、下り送信領域で基地局100から送信されたDL assignmentとDL dataを受信する。また、端末200は、タイムユニットにおいて、上り送信領域でDL dataに対するACK/NACKを含む応答信号(さらに、UCIを含んでもよい)を送信する。
端末200において、受信部202は、基地局100から送信されたDL assignment及びDL dataを、アンテナ201を介して受信し、無線受信信号に対してダウンコンバート又はAD変換などのRF処理を行い、ベースバンドの信号を得る。受信部202は、ベースバンド信号を信号抽出部204へ出力する。
タイムユニット構成記憶部203は、基地局100のタイムユニット構成記憶部101と同様、複数のHARQプロセスを含むタイムユニット構成を予め記憶している。上述したように、1つのタイムユニット内で適用するHARQプロセス数は、基地局100によって決定され、端末200へ予め通知されてもよい。または、HARQプロセス数は、システムによって予め規定された固定値としてもよい。タイムユニット構成記憶部203は、適用されるHARQプロセス数に応じたタイムユニット構成を信号抽出部204及び信号割当部211へ出力する。
信号抽出部204は、タイムユニット構成記憶部203から出力されたタイムユニット構成に基づいて、受信部202から受け取るベースバンド信号から、HARQプロセス毎のDL assignment及びDL dataを抽出し、DL assignmentを制御信号復調・復号部205へ出力し、DL dataをデータ復調部206へ出力する。
制御信号復調・復号部205は、信号抽出部204から受け取るDL assignmentに対してブラインド復号を行い、自機宛てのDL assignmentの復号を試みる。制御信号復調・復号部205は、ブラインド復号した結果、自機宛てのDL assignmentであると判定した場合、当該DL assignmentに含まれるスケジューリング情報(例えば、DL dataの割当リソース情報、又は、応答信号の割当周波数・符号リソースなど)をデータ復調部206及び信号割当部211へ出力する。
データ復調部206は、制御信号復調・復号部205から受け取る、DL dataの割当リソース情報に基づいて、信号抽出部204から受け取るDL dataを復調し、復調後のDL dataをデータ復号部207へ出力する。
データ復号部207は、データ復調部206から受け取るDL dataを復号し、復号後のDL dataを誤り検出部208へ出力する。
誤り検出部208は、データ復号部207から受け取るDL dataに対して、例えば、CRCによる誤り検出を行い、誤り検出結果(ACK又はNACK)を応答信号生成部209へ出力する。また、誤り検出部208は、誤り検出の結果、誤り無しと判定したDL dataを受信データとして出力する。
応答信号生成部209は、誤り検出部208から受け取る誤り検出結果(ACK又はNACK)を用いて、受信したDL dataに対する応答信号(ビット系列)を生成し、応答信号を符号化・変調部210へ出力する。
符号化・変調部210は、応答信号生成部209から受け取る応答信号(ビット系列)に対して誤り訂正符号化を行い、符号化後のビット系列を変調して、変調後のシンボル系列を信号割当部211へ出力する。
信号割当部211は、符号化・変調部210から受け取る信号を、タイムユニット構成記憶部203から指示されたHARQプロセス番号に応じた割当時間リソースにマッピングする。また、この際、信号割当部211は、制御信号復調・復号部205から指示されるスケジューリング情報に含まれる割当周波数・符号リソースに応答信号をマッピングする。
送信部212は、信号割当部211から受け取る信号に対してD/A変換、アップコンバート等のRF処理を行い、アンテナ201を介して基地局100に無線信号を送信する。
[基地局の構成(UL Self-contained動作時)]
図7は、本実施の形態に係るUL Self-contained動作を行う基地局300の構成を示すブロック図である。図7において、基地局300は、タイムユニット構成記憶部301と、スケジューリング部302と、制御信号生成部303と、制御信号変調部304と、信号割当部305と、送信部109と、アンテナ110と、受信部111と、信号抽出部306と、データ復調部307と、再送合成復号部308と、誤り検出部309と、を有する。
図7に示す基地局300は、「下り送信領域」と「ギャップ区間」と「上り送信領域」から構成されるタイムユニット(Self-contained time unit)において、下り送信領域でUL assignmentを送信する。また、基地局300は、タイムユニットにおいて、上り送信領域で端末400から送信されたUL data(さらに、UCIを含んでもよい)を受信する。
基地局300において、タイムユニット構成記憶部301は、複数のHARQプロセスを含むタイムユニット構成を予め記憶している。タイムユニット構成記憶部301は、UL self-contained time unitの場合、下り送信領域(UL assignmentを含む)、ギャップ区間(Gap)、上り送信領域(UL dataを含む)の各領域における信号配置をHARQプロセス番号(HARQプロセス)毎に記憶している。そして、タイムユニット構成記憶部301は、記憶しているタイムユニット構成をスケジューリング部302へ出力する。なお、タイムユニット構成記憶部301が記憶している、複数のHARQプロセスを含むタイムユニット構成の詳細については後述する。
スケジューリング部302は、前回のUL dataに対して誤り有りの誤り検出結果が誤り検出部309から入力される場合、端末400の前回送信時のHARQプロセス番号を用いて、UL dataの再送をスケジューリングする。また、スケジューリング部302は、前回のUL dataに対して誤り無しの誤り検出結果が誤り検出部309から入力される場合、端末400に対して新規パケットを任意のHARQプロセス番号にスケジューリングする。
スケジューリング部302は、端末400に対して、UL Self-contained time unitにおけるUL assignment及びUL dataに関するスケジューリング情報(例えば、割当端末のID、端末400への割当リソース情報(周波数、時間、符号リソース)、UL dataの変調・符号化方式、応答信号の割当リソース情報、再送制御情報(New data Indicator、Redundancy Version等)など)を決定する。
また、スケジューリング部302は、タイムユニット内の時間リソース割当を、タイムユニット構成記憶部301から出力されたタイムユニット内のHARQプロセス番号毎のUL assignment、Gap、UL dataの信号配置に基づいて決定する。
ここで、1タイムユニット内で適用するHARQプロセス数は、基地局100(スケジューリング部102)と同様の方法に従ってスケジューリング部302によって決定される。
なお、基地局100と同様、タイムユニット内では各HARQプロセス番号の各信号配置が固定であるため、端末400(受信側)は、タイムユニットの同期が取れれば、タイムユニット内の信号配置からHARQプロセス番号を一意に把握できる。よって、基地局300は、UL assignmentにHARQ process番号を含めて端末400へ通知する必要はない。
スケジューリング部302は、スケジューリング情報を、制御信号生成部303、信号割当部305及び信号抽出部306に出力する。
制御信号生成部303は、端末400向けの制御信号(UL assignment)を生成する。UL assignmentには、セル固有の上位レイヤの信号、グループ又はRAT固有の上位レイヤの信号、端末固有の上位レイヤの信号、UL dataの割当リソース情報、再送制御情報等が含まれる。制御信号生成部303は、これらの制御情報を用いて、制御情報ビット列を生成し、生成された制御情報ビット列を符号化し、符号化後の制御信号を制御信号変調部304へ出力する。
制御信号変調部304は、制御信号生成部303から受け取るUL assignmentを変調し、変調後のUL assignmentを信号割当部305へ出力する。
信号割当部305は、制御信号変調部304から受け取るUL assignmentを、スケジューリング部302から指示される、HARQプロセス番号毎の無線リソース(割当時間・周波数・符号リソース)にマッピングする。信号割当部305は、信号がマッピングされた下り信号を送信部109に出力する。
送信部109、アンテナ110、受信部111は、基地局100が具備する送信部109、アンテナ110、受信部111と同様に動作する。
信号抽出部306は、スケジューリング部302から指示される無線リソース(割当時間・周波数・符号リソース)に基づいて、受信信号から、端末400からのUL dataが送信された無線リソース部分をHARQプロセス番号毎に抽出し、受信したUL dataをデータ復調部307へ出力する。
データ復調部307は、信号抽出部306から受け取るUL dataに対して等化、復調処理を施し、復調後のUL dataを再送合成復号部308へ出力する。
再送合成復号部308は、端末400の復号対象のHARQプロセス番号のUL dataを保持している場合(UL dataが再送データの場合)、保持するUL dataと、データ復調部307から出力されたUL dataとをCC(Chase Combining)又はIR(Incremental Redundancy)等の所定のHARQ合成方式に従って合成し、合成後のUL dataに対して復号処理を施す。再送合成復号部308は、端末400の当該HARQプロセス番号のUL dataを保持していない場合(UL dataが初回パケットの場合)、UL dataの合成処理を行わずに復号処理を施す。そして、再送合成復号部308は、復号後のUL dataを誤り検出部309へ出力する。また、再送合成復号部308は、誤り検出部309からの検出結果が誤り無しの場合、端末400の保持している当該HARQプロセス番号のUL dataを削除する。
誤り検出部309は、再送合成復号部308から受け取るUL dataに対して、例えば、CRCによる誤り検出を行い、誤り検出結果(ACK又はNACK)をスケジューリング部302及び再送合成復号部308へ出力する。また、誤り検出部309は、誤り検出の結果、誤り無しと判定したUL dataを受信データとして出力する。
[端末の構成(UL Self-contained動作時)]
図8は、本実施の形態に係るUL Self-contained動作を行う端末400の構成を示すブロック図である。図8において、端末400は、アンテナ201と、受信部202と、タイムユニット構成記憶部401と、信号抽出部402と、制御信号復調・復号部403と、データ符号化部404と、再送制御部405と、データ変調部406と、信号割当部407と、送信部212と、を有する。
図8に示す端末400は、「下り送信領域」と「ギャップ区間」と「上り送信領域」とから構成されるタイムユニット(Self-contained time unit)において、下り送信領域で基地局300から送信されたUL assignmentを受信する。また、端末400は、タイムユニットにおいて、上り送信領域でUL data(さらに、UCIを含んでもよい)を送信する。
端末400において、アンテナ201及び受信部202は、端末200が具備するアンテナ201、受信部202と同様に動作する。
タイムユニット構成記憶部401は、基地局300のタイムユニット構成記憶部301と同様、複数のHARQプロセスを含むタイムユニット構成を予め記憶している。上述したように、1つのタイムユニット内で適用するHARQプロセス数は、基地局300によって決定され、端末400へ予め通知されてもよい。または、HARQプロセス数は、システムによって予め規定された固定値としてもよい。タイムユニット構成記憶部401は、適用されるHARQプロセス数に応じたタイムユニット構成を信号抽出部402及び信号割当部407へ出力する。
信号抽出部402は、タイムユニット構成記憶部401から出力されたタイムユニット構成に基づいて、受信部202から受け取るベースバンド信号から、HARQプロセス毎のUL assignmentを抽出し、UL assignmentを制御信号復調・復号部403へ出力する。
制御信号復調・復号部403は、信号抽出部402から受け取るUL assignmentに対してブラインド復号を行い、自機宛てのUL assignmentの復号を試みる。制御信号復調・復号部403は、ブラインド復号した結果、自機宛てのUL assignmentであると判定した場合、当該UL assignmentに含まれるスケジューリング情報をデータ符号化部404、再送制御部405及び信号割当部407へ出力する。
データ符号化部404は、制御信号復調・復号部403から受け取るUL assignmentに含まれる符号化方式に従って、UL data(送信データ)に対して誤り訂正符号化を施し、符号化後のUL dataを再送制御部405へ出力する。
再送制御部405は、制御信号復調・復号部403から受け取るUL assignmentに含まれるNew data indicatorに基づいて、UL dataが初回パケットであるか再送パケットであるか否かを判断する。初回パケットの場合、再送制御部405は、データ符号化部404から受け取る符号化後のUL dataを保持するとともにデータ変調部406へ出力する。また、初回パケットの場合、再送制御部405は、前回送信パケットの送受信が成功したと判断し、対応するHARQプロセス番号の保持データを破棄する。一方、再送パケットの場合、再送制御部405は、対応するHARQプロセス番号の保持データから、UL assignmentに含まれる再送制御情報(Redundancy Version)によって指示された送信データを抽出し、データ変調部406へ出力する。
データ変調部406は、再送制御部405から受け取るUL dataを変調して、変調後のUL dataを信号割当部407へ出力する。
信号割当部407は、データ変調部406から受け取るUL dataを、制御信号復調・復号部403から受け取るUL assignmentに含まれる無線リソース(周波数・符号リソース)にマッピングする。また、この際、信号割当部407は、タイムユニット構成記憶部401から指示された、HARQプロセス番号に応じた割当時間リソースにUL dataをマッピングする。信号割当部407は、信号がマッピングされた上り信号を送信部212へ出力する。
送信部212は、端末200が具備する送信部212と同様に動作する。
[基地局100,300及び端末200,400の動作]
以上の構成を有する基地局100,300及び端末200,400における動作について詳細に説明する。
タイムユニット構成記憶部101,203,301,401で記憶されるタイムユニット構成に共通している特徴は、「下り送信領域」と「ギャップ区間」と「上り送信領域」とから構成されるタイムユニット(Self-contained time unit)において、1つのタイムユニット内に、複数のHARQプロセス番号の各々に対応する「DL assignmentとDL dataとACK(DL dataに対する応答信号)」又は「UL assignmentとUL data」の信号セットが含まれることである。
つまり、本実施の形態では、各タイムユニットには、複数のHARQプロセスに対する下り送信領域及び上り送信領域がそれぞれ含まれる。具体的には、DL self-contained time unitの場合、あるHARQプロセス番号に対応した「DL assignmentとDL dataとACK(DL dataに対する応答信号)」の信号セットが1つのタイムユニット内に複数含まれる。また、UL self-contained time unitの場合、あるHARQプロセス番号に対応した「UL assignmentとUL data」の信号セットが1つのタイムユニット内に複数含まれる。
また、タイムユニット内では、各信号(「DL assignmentとDL dataとACK(DL dataに対する応答信号)」又は「UL assignmentとUL data」)の信号配置は固定である。つまり、タイムユニット内では、複数のHARQプロセスの各々に対する、下り送信領域の配置位置及び上り送信領域の配置位置は固定されている。換言すると、タイムユニット内では、データ(DL data、UL data)の再送タイミングは、HARQプロセス番号に応じて固定である。
一方で、データ(DL data、UL data)は、任意のタイムユニットで再送可能である。すなわち、本実施の形態では、データ(DL data, UL data)に対して、タイムユニット内の送信タイミングがHARQプロセス(HARQプロセス番号)に応じて固定されているのに対して、タイムユニット間での送信タイミング(再送タイミングを含む)が固定されていない。
ここで、「タイムユニット」とは、HARQプロセス番号毎の「DL assignmentとDL dataとACK(DL dataに対する応答信号)」又は「UL assignmentとUL data」の信号配置(送信タイミング)が定義される時間単位を指す。または、「タイムユニット」とは、LTEの1 subframe (1ms)と定義してもよい。または、「タイムユニット」とは、サブキャリア間隔が15kHzで14 symbol (所定の固定数)を含む時間単位と定義してもよい。または、「タイムユニット」とは、サブキャリア間隔によらず、14 symbol (所定の固定数)を含む時間単位と定義してもよい。
以下、基地局100,300及び端末200,400におけるタイムユニット構成記憶部101,203,301,401で記憶されるタイムユニット構成1~3について詳細な特徴を説明する。
<タイムユニット構成1(図9A、図9B)>
タイムユニット構成1は、「下り送信領域」から「上り送信領域」への切替点(ギャップ区間)をタイムユニット内に1つのみ定義する。例えば、当該ギャップ区間のギャップ長は、基地局100,300と端末200,400との間の伝搬遅延を考慮して設定されている。
図9A及び図9Bは、HARQプロセス数が2個のタイムユニット構成例を示す。図9Aは、DL self-contained動作時のタイムユニット構成例を示し、図9Bは、UL self-contained動作時のタイムユニット構成例を示す。
図9Aに示すように、DL self-contained time unitの場合、タイムユニットの末尾にHARQプロセス番号2(process 2)の応答信号(ACK#2と呼ぶ)が配置される。つまり、図9Aでは、タイムユニットの末尾には、図1AのようなeNBの処理時間の確保のために配置されたギャップ区間(gap)の代わりに、一方のHARQプロセス番号の上り送信領域(応答信号)が配置される。
これにより、eNB(基地局100)におけるHARQプロセス番号1(process 1)の応答信号(ACK#1)の復号処理、及び、次のタイムユニットのスケジューリング処理は、HARQプロセス番号2(process 2)の上り送信領域であるACK#2の送信時間で実行可能となる。よって、図9Aでは、図1Aのようなタイムユニットの末尾のギャップ区間を排除しつつ、次のタイムユニットでのDL dataの再送が可能となる。
また、図9Bに示すように、UL self-contained time unitの場合、タイムユニットの末尾にHARQプロセス番号2(process 2)のUL data(UL data#2と呼ぶ)が配置される。つまり、図9Bでは、タイムユニットの末尾には、図1BのようなeNBの処理時間の確保のために配置されたギャップ区間(gap)の代わりに、一方のHARQプロセス番号の上り送信領域(UL data)が配置される。
これにより、eNB(基地局300)におけるHARQプロセス番号1(process 1)のUL data(UL data#1と呼ぶ)の復号処理、及び、次のタイムユニットのスケジューリング処理は、HARQプロセス番号2(process 2)の上り送信領域であるUL data#2の送信時間で実行可能となる。よって、図9Bでは、図1Bのようなタイムユニットの末尾のギャップ区間を排除しつつ、次のタイムユニットでのUL dataの再送が可能となる。
このように、タイムユニット内の複数のHARQプロセスの何れか一つのHARQプロセスを用いる端末200,400は、当該HARQプロセスに対応する下り送信領域と上り送信領域との間に配置された他のHARQプロセスに対応する送信領域を当該HARQプロセスに対する処理時間として用いる。
図10A及び図10Bは、タイムユニット構成1(図9A及び図9B)における各HARQプロセスの各信号の対応関係を示す。図10A及び図10Bにおいて、実線矢印がHARQプロセス番号1の各信号の対応関係を示し、破線矢印がHARQプロセス番号2の各信号の対応関係を示す。
例えば、図10Aにおいて、あるタイムユニットのHARQプロセス番号1のDL data#1(図10Aの「DL assignment + data HARQ process 1”で送信される信号」)に対するACK#1がNACKの場合、基地局100は、次のタイムユニットのDL assignment#1(図10Aの「DL assignment + data HARQ process 1」で送信される信号)でDL dataの再送をスケジューリングする。HARQプロセス番号2の信号についても同様である。
また、例えば、図10Bにおいて、あるタイムユニットのHARQプロセス番号2のUL data#2(図10Bの「UL data HARQ process 2”で送信される信号」)の復号結果がNACKの場合、基地局300は、次のタイムユニットのUL assignment#2(図10Bの「Assignment 2」で送信される信号)でUL data#2の再送をスケジューリングする。HARQプロセス番号1の信号についても同様である。
図9A及び図9Bに示すタイムユニット構成の平均遅延時間(Average latency)は以下のように推定される。
なお、図9A(DL self-contained time unit)では、図2Aに示すDL self-contained time unitの各信号のsymbol長を有するタイムユニット構成を想定する。また、図9B(UL self-contained time unit)では、図2Bに示すUL self-contained time unitの各信号のsymbol長を有するタイムユニット構成を想定する。
図9Aでは、基地局100の送信バッファが生成されてから基地局100が下りデータに対する応答信号を端末200から受信するまでの平均遅延時間(HARQプロセス番号1、2の平均遅延時間の平均値)は、(8/2 + 13) * (8/14) + (6/2 + 8) * (6/14) = 14.4symbolとなる。よって、図9Aでは、図1Aに示すタイムユニットの平均遅延時間(20 symbol)と比較して、平均遅延時間が低減される。
図9Bでは、端末400の送信バッファが生成されてから端末400が初回の上りデータの送信を完了するまでの平均遅延時間(HARQプロセス番号1、2の平均遅延時間の平均値)は、(8/2 + 14 + 9) * (8/14) + (6/2 + 14 + 13) * (6/14) = 28.3 symbolとなる。よって、図9Bでは、図1Bに示すタイムユニットの平均遅延時間(34 symbol)と比較して、平均遅延時間が低減される。
また、図2A及び図2Bに示した想定では、タイムユニット構成のギャップ区間のオーバーヘッドは、図9A及び図9Bとも、1/14 = 7%となる。よって、図9A及び図9Bのタイムユニット構成では、図1A及び図1Bのタイムユニット構成と比較して、ギャップ区間のオーバーヘッドが低減される。
また、DL Self-contained動作では、図9Aに示すように、図2A及び図2Bに示した想定のタイムユニット構成で許容される端末200の処理時間は、HARQプロセス番号1、2の各々で5symbol、1symbolとなる。よって、図9Aでは、図1Aにおける端末の処理時間(1symbol)と比較して、端末200のHARQプロセス番号1の処理時間を延長することができる。
また、図9Aに示すように、図2A及び図2Bに示した想定のタイムユニット構成で許容される基地局100の処理時間は、HARQプロセス番号1、2の各々で1symbol、6symbolとなる。よって、図9Aでは、図1Aにおける基地局の処理時間(1symbol)と比較して、基地局100のHARQプロセス番号2の処理時間を延長することができる。
同様に、UL Self-contained動作では、図9Bに示すように、図2A及び図2Bに示した想定のタイムユニット構成で許容される端末400の処理時間は、HARQプロセス番号1、2の各々で1symbol、6symbolとなる。よって、図9Bでは、図1Bにおける端末の処理時間(1symbol)と比較して、端末400のHARQプロセス番号2の処理時間を延長することができる。
また、図9Bに示すように、図2A及び図2Bに示した想定のタイムユニット構成で許容される基地局300の処理時間は、HARQプロセス番号1、2の各々で5symbol、1symbolとなる。よって、図9Bでは、図1Bにおける基地局の処理時間(1symbol)と比較して、基地局300のHARQプロセス番号1の処理時間を延長することができる。
以上のように、タイムユニット構成1(図9A、図9B)では、各タイムユニットは、同一HARQプロセス番号の「DL assignmentとDL dataと応答信号(DL dataに対する応答信号)」又は「UL assignmentとUL data」の信号セットを複数含むように構成される。さらに、タイムユニット構成1では、各タイムユニット内に、「下り送信領域」から「上り送信領域」への切替点(ギャップ区間)が1つのみ定義される。また、タイムユニット構成1では、タイムユニットの末尾には、上り送信領域が配置され、ギャップ区間は配置されない。
これにより、タイムユニット構成1では、図1A及び図1Bに示すタイムユニットと比較して、ギャップ区間のオーバーヘッドを低減でき、かつ、平均遅延時間を短縮できる。また、タイムユニット構成1によれば、基地局100,300及び端末200,400に対して許容される処理時間を延長できる効果が得られる。また、タイムユニット構成1によれば、あるタイムユニットで送信されたデータ信号に対して、次のタイムユニットで再送が可能となる。
<タイムユニット構成2(図11)>
タイムユニット構成2は、タイムユニット構成1(図9A)と同様、「下り送信領域」から「上り送信領域」への切替点(ギャップ区間)をタイムユニット内に1つのみ定義する。
さらに、タイムユニット構成2では、DL Self-contained動作時のタイムユニット(DL self-contained time unit)内において、複数のHARQプロセスのうち少なくとも1つのHARQプロセス(HARQプロセス番号)に対応する上り送信領域が、当該HARQプロセスに対応する下り送信領域よりも早いタイミングに配置される。つまり、タイムユニット内で、応答信号がDL assignmentとDL dataより前に送信されることを特徴とする。
図11は、HARQプロセス数が2個の場合のDL self-contained動作時のタイムユニット構成例を示す。
図11に示すように、DL self-contained time unitの場合、各タイムユニットにおいて、HARQプロセス番号2の上り送信領域(応答信号(ACK#2))は、HARQプロセス番号2の下り送信領域(DL assignment + data HARQ process 2(DL assignment#2, DL data#2))よりも前のタイミングに配置される。
これにより、端末200のHARQプロセス番号2のDL assignment#2及びDL data#2の復号処理は、次のタイムユニットのDL assignment#1及びDL data#1の送信時間(DL assignment + data HARQ process 1)で実行可能となる。図11では、端末200のHARQプロセス番号2の処理時間が7 symbol確保される。よって、図11では、図1Aにおける端末の処理時間(1 symbol)と比較して、端末200のHARQプロセス番号2の処理時間を延長できる。
以上のように、タイムユニット構成2(図11)では、各タイムユニットは、同一HARQプロセス番号の「DL assignmentとDL dataと応答信号(DL dataに対する応答信号)」の信号セットを複数含むように構成される。さらに、各タイムユニットでは、少なくとも1つのHARQプロセスに対して、応答信号(上り送信領域)がDL assignment及びDL data(下り送信領域)よりも前のタイミングに配置される。
これにより、タイムユニット構成2では、図1Aに示すタイムユニットと比較して、端末200に対して許容される処理時間を延長できる効果が得られる。また、タイムユニット構成2では、タイムユニット構成1と同様、ギャップ区間のオーバーヘッドを低減でき、かつ、平均遅延時間を短縮できる。また、タイムユニット構成2によれば、タイムユニット構成1と同様、あるタイムユニットで送信されたデータ信号に対して、次のタイムユニットで再送が可能となる。
<タイムユニット構成3(図12A、図12B)>
タイムユニット構成3は、「下り送信領域」から「上り送信領域」への切替点(ギャップ区間)の数を、タイムユニット内で用いるHARQプロセス数と等しくすることを特徴とする。
図12A及び図12Bは、HARQプロセス数が2個のタイムユニット構成例を示す。図12Aは、DL self-contained動作時のタイムユニット構成例を示し、図12Bは、UL self-contained動作時のタイムユニット構成例を示す。
図12Aに示すように、DL self-contained time unitの場合、タイムユニットの前半にHARQプロセス番号1の信号セット(DL assignment#1、DL data#1、ACK#1)が配置され、タイムユニットの後半にHARQプロセス番号2の信号セット(DL assignment#2、DL data#2、ACK#2)が配置される。すなわち、タイムユニットの末尾にはHARQプロセス番号2の上り送信領域が配置される。
これにより、eNB(基地局100)におけるHARQプロセス番号1に対する、ACK#1の復号処理及び次のタイムユニットのスケジューリング処理は、HARQプロセス番号2の下り送信領域及び上り送信領域である信号セットの送信時間で実行可能となる。よって、図12Aでは、図1Aのようなタイムユニットの末尾のギャップ区間(eNBの処理時間を確保するための区間)を排除しつつ、次のタイムユニットでのDL data#1の再送が可能となる。なお、HARQプロセス番号2の信号についても同様である。
また、図12Bに示すように、UL self-contained time unitの場合、タイムユニットの前半にHARQプロセス番号1の信号セット(UL assignment#1、UL data#1)が配置され、タイムユニットの後半にHARQプロセス番号2の信号セット(UL assignment#2、UL data#2)が配置される。すなわち、タイムユニットの末尾にはHARQプロセス番号2の上り送信領域が配置される。
これにより、eNB(基地局300)におけるHARQプロセス番号1に対する、UL data#1の復号処理及び次のタイムユニットのスケジューリング処理は、HARQプロセス番号2の下り送信領域及び上り送信領域である信号セットの送信時間で実行可能となる。よって、図12Bでは、図1Bのようなタイムユニットの末尾のギャップ区間(eNBの処理時間を確保するための区間)を排除しつつ、次のタイムユニットでのUL data#1の再送が可能となる。なお、HARQプロセス番号2の信号についても同様である。
このように、図12A及び図12Bに示す各タイムユニットには、ギャップ区間が複数のHARQプロセスの数(2個)と同数含まれる。また、各タイムユニットにおいて、複数のHARQプロセス毎の下り送信領域と上り送信領域との間に当該ギャップ区間がそれぞれ配置される。
図12A及び図12Bに示すタイムユニット構成の平均遅延時間(Average latency)は以下のように推定される。
なお、図12A(DL self-contained time unit)では、図2Aに示すDL self-contained time unitの各信号のsymbol長を有するタイムユニット構成を想定する。また、図12B(UL self-contained time unit)では、図2Bに示すUL self-contained time unitの各信号のsymbol長を有するタイムユニット構成を想定する。
図12Aでは、基地局100の送信バッファが生成されてから基地局100が下りデータに対する応答信号を端末200から受信するまでの平均遅延時間は、HARQプロセス番号1、2の平均遅延時間ともに、(7/2 + 7) = 10.5symbolとなる。よって、図12Aでは、図1Aに示すタイムユニットの平均遅延時間(20 symbol)と比較して、平均遅延時間が低減される。
図12Bでは、端末400の送信バッファが生成されてから端末400が初回の上りデータの送信を完了するまでの平均遅延時間は、HARQプロセス番号1、2の平均遅延時間ともに、(7/2 + 14 + 7) = 24.5 symbolとなる。よって、図12Bでは、図1Bに示すタイムユニットの平均遅延時間(34 symbol)と比較して、平均遅延時間が低減される。
また、図12A及び図12Bにおいて、図2A及び図2Bに示した想定のタイムユニット構成で許容される基地局100の処理時間は、HARQプロセス番号1、2の双方とも7symbolとなる。よって、図12A及び図12Bのタイムユニット構成では、図1A及び図1Bのタイムユニット構成における基地局の処理時間(1symbol)と比較して、基地局100,300のHARQプロセス番号1、2の双方の処理時間を延長することができる。
なお、図2A及び図2Bに示した想定では、図12A及び図12Bに示すタイムユニット構成のギャップ区間のオーバーヘッド、及び、端末200,400の処理時間は、図1A及び図1Bと同等である。
以上のように、タイムユニット構成3(図12A、図12B)では、各タイムユニットは、同一HARQプロセス番号の「DL assignmentとDL dataと応答信号(DL dataに対する応答信号)」又は「UL assignmentとUL data」の信号セットを複数含むように構成される。また、タイムユニット構成3では、タイムユニットの末尾には、上り送信領域が配置され、ギャップ区間は配置されない。さらに、各タイムユニットでは、「下り送信領域」から「上り送信領域」への切替点(ギャップ区間)の数を、タイムユニット内で適用されるHARQプロセス数と等しくする。
これにより、タイムユニット構成3では、図1A及び図1Bに示すタイムユニットと比較して、平均遅延時間を短縮できる。また、タイムユニット構成3によれば、基地局100,300に対して許容される処理時間を延長できる効果が得られる。また、タイムユニット構成3によれば、タイムユニット構成1と同様、あるタイムユニットで送信されたデータ信号に対して、次のタイムユニットで再送が可能となる。
なお、図12Aに示すDL self-contained time unitと、図12Bに示すUL self-contained time unitとにおいて、「上り送信領域」から「下り送信領域」の切替タイミングを一致させてもよい。こうすることで、例えば、図13に示すように、タイムユニットよりも短い時間間隔でDL self-contained time unitと、UL self-contained time unitとの切替を行うことができる。図13では、各タイムユニットの前半にDL self-contained time unitが配置され、各タイムユニットの後半にUL self-contained time unitが配置されている。これにより、DLとULとのトラフィック量に偏りがある場合に、効率的に無線リソースを割り当てることができる。
以上、タイムユニット構成1~3について説明した。
このように、本実施の形態では、各タイムユニットには、複数のHARQプロセスに対する下り送信領域及び上り送信領域がそれぞれ含まれ、HARQプロセスを考慮したタイムユニット構成を用いてSelf-contained動作を行うことができる。このように、HARQプロセスを考慮したSelf-contained動作用のタイムユニット構成によって、ギャップ区間のオーバーヘッドの増大及び平均遅延時間の増大を抑え、かつ、端末200,400及び基地局100,300に許容される処理時間の拡大などの性能向上を図ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、タイムユニット内の複数のHARQプロセスの中から、UEの処理能力に応じて当該UEが用いるHARQプロセス(HARQプロセス番号)を決定することに特徴がある。
[基地局の構成(DL self-contained動作時)]
本実施の形態に係るDL self-contained動作を行う基地局100の構成は実施の形態1(図5)と同様であるが、スケジューリング部102の動作に差異がある。
具体的には、スケジューリング部102は、端末200に対して、DL self-contained time unitにおけるDL assignment及びDL dataに関するスケジューリング情報を決定する。スケジューリング部102は、タイムユニット内の時間リソース割当を、タイムユニット構成記憶部101から出力されたタイムユニット内のHARQプロセス番号毎の信号セットの配置(送信タイミング)に基づいて決定する。
ここで、スケジューリング部102は、新規パケット送信時には、端末200の処理能力に応じて、タイムユニット内で当該端末200に割り当てるHARQプロセス番号(時間リソース)を決定する。ここで、端末200の処理能力は、例えば、基地局100と端末200との接続時に通知される3GPPで定義されたUEカテゴリ(User Equipment Category)から求めてもよい。スケジューリング部102のその他の動作は、実施の形態1と同様である。なお、スケジューリング部102における、端末200の処理能力に応じたタイムユニット内のHARQプロセス番号の割当方法の詳細については後述する。
[端末の構成(DL self-contained動作時)]
本実施の形態に係るDL self-contained動作を行う端末200の構成は実施の形態1(図6)と同様であるが、信号抽出部204の動作に差異がある。
具体的には、信号抽出部204は、タイムユニット構成記憶部203から出力されたタイムユニット構成に基づいて、受信部202から受け取るベースバンド信号から、自端末の処理能力に応じたHARQプロセス番号のDL assignment及びDL dataを抽出する。信号抽出部204のその他の動作は、実施の形態1と同様である。
ここで、信号抽出部204において自端末の処理能力に応じて割り当てるHARQプロセス番号(時間リソース)の決定方法は、基地局100(スケジューリング部102)と同様とする。なお、HARQプロセス番号の決定方法は、仕様で規定されてもよく、報知チャネルを用いて基地局100から端末200へ事前に通知されてもよい。
[基地局の構成(UL self-contained動作時)]
本実施の形態に係るUL self-contained動作を行う基地局300の構成は実施の形態1(図7)と同様であるが、スケジューリング部302の動作に差異がある。
具体的には、スケジューリング部302は、新規パケット送信時には、端末400の処理能力に応じたHARQプロセス番号に、当該端末400のパケットをスケジューリングする。スケジューリング部302のその他の動作は、実施の形態1と同様である。なお、スケジューリング部302における、端末400の処理能力に応じたタイムユニット内のHARQプロセス番号の割当方法の詳細については後述する。
[端末の構成(UL self-contained動作時)]
本実施の形態に係るUL self-contained動作を行う端末400の構成は実施の形態1(図8)と同様であるが、信号抽出部402の動作に差異がある。
具体的には、信号抽出部402は、タイムユニット構成記憶部401から出力されたタイムユニット構成に基づいて、受信部202から受け取るベースバンド信号から、自端末の処理能力に応じたHARQプロセス番号のUL assignmentを抽出する。信号抽出部402のその他の動作は、実施の形態1と同様である。
ここで、信号抽出部402において自端末の処理能力に応じて割り当てるHARQプロセス番号(時間リソース)の決定方法は、基地局300(スケジューリング部302)と同様とする。
[HARQプロセス番号の決定方法]
次に、基地局100,300のスケジューリング部102,302における端末200,400の処理能力に応じたHARQプロセス番号の決定方法について説明する。
タイムユニット内に、同一HARQプロセス番号の「DL assignmentとDL dataと応答信号(DL dataに対する応答信号)」又は「UL assignmentとUL data」の信号セットを複数含む場合、実施の形態1で説明したタイムユニット構成1(図9A、図9Bを参照)又はタイムユニット構成2(図11を参照)のように、UEに対して許容される処理時間は、HARQプロセス番号によって異なる場合がある。
そこで、本実施の形態では、上記特徴に着眼し、スケジューリング部102,302は、処理能力が低い端末200,400(例えばUEカテゴリ1~4)に対して、許容される処理時間が長いHARQプロセス番号に限定して、HARQプロセス番号を決定する。一方、スケジューリング部102,302は、処理能力が高い端末200,400(例えばUEカテゴリ1~4以外)に対して、任意のHARQプロセス番号を決定する。
例えば、図9Aに示すタイムユニット構成1(DL Self-contained time unit)の場合、スケジューリング部102は、処理能力が低い端末200に対して、5 symbolの遅延が許容されるHARQプロセス番号1に限定して割り当てる。つまり、処理能力が低い端末200に対して、1 symbolの遅延しか許容されないHARQプロセス番号2は割り当てられない。一方、スケジューリング部102は、処理能力が高い端末200に対して、5 symbolの遅延が許容されるHARQプロセス番号1と、1 symbolの遅延しか許容されないHARQプロセス番号2の何れか一方を割り当てる。
同様に、例えば、図9Bに示すタイムユニット構成1(UL Self-contained time unit)の場合、スケジューリング部302は、処理能力が低い端末400に対して、6 symbolの遅延が許容されるHARQプロセス番号2に限定して割り当てる。つまり、処理能力が低い端末400に対して、1 symbolの遅延しか許容されないHARQプロセス番号1は割り当てられない。一方、スケジューリング部302は、処理能力が高い端末400に対して、1 symbolの遅延しか許容されないHARQプロセス番号1と、6 symbolの遅延が許容されるHARQプロセス番号2の何れか一方を割り当てる。
ここでは、タイムユニット構成1(図9A、図9B)を用いて説明したが、タイムユニット構成2(図11)についても同様である。
このように、本実施の形態では、タイムユニット内の複数のHARQプロセスの中から、端末200,400の能力が低いほど、処理時間が長いHARQプロセスを当該端末200,400に対して割り当てられる。以上の動作により、処理能力が低い端末200,400の処理時間が緩和できるため、処理能力が低い端末200,400もSelf-contained動作が可能となり、低遅延通信が実現できる。また、処理能力が低い端末200,400は、基地局100,300からの信号を受信すべきHARQプロセス番号(時間リソース)を制限できるため、消費電力を低減できる。
なお、本実施の形態では、端末200,400の処理能力に応じて適用するHARQプロセス番号を制限する方法について説明したが、HARQプロセス番号の決定方法はこれに限定されない。例えば、スケジューリング部102,302は、DL dataに対して必要な復号処理量に応じて、当該端末200,400に対して適用するHARQプロセス番号を制限してもよい。具体的には、スケジューリング部102,302は、必要な復号処理量が大きいDL dataに対して、より長い遅延が許容されるHARQプロセス番号を割り当ててもよい。例えば、図9Aに示すタイムユニット構成1の場合、スケジューリング部102は、MIMOの空間多重レイヤ数が所定閾値以上のDL dataに対して、5 symbolの遅延が許容されるHARQプロセス番号1に限定して割り当てる。これにより、端末200,400の処理時間が緩和できる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態で説明したタイムユニット構成1(図9A,図9B)と、タイムユニット構成3(図12A、図12B)を所定のルールに基づいて切り替えて選択することに特徴がある。
[基地局の構成(DL self-contained動作時)]
本実施の形態に係るDL self-contained動作を行う基地局100の構成は実施の形態1(図5)と同様であるが、スケジューリング部102の動作に差異がある。
具体的には、スケジューリング部102は、所定のルールに基づいて、タイムユニット構成1とタイムユニット構成3の何れか一方を選択する。所定のルールとしては、例えば、タイムユニット内で必要となるギャップ長の大小(例えば、ギャップ長が所定の閾値以上であるか否か)が挙げられる。スケジューリング部102のその他の動作は、実施の形態1と同様である。なお、スケジューリング部102におけるタイムユニット構成の選択方法の詳細は後述する。
[端末の構成(DL self-contained動作時)]
本実施の形態に係るDL self-contained動作を行う端末200の構成は実施の形態1(図6)と同様であるが、信号抽出部204の動作に差異がある。
具体的には、信号抽出部204は、タイムユニット構成記憶部203から出力されたタイムユニット構成1とタイムユニット構成3の何れか一方を、基地局100からの指示に基づいて選択する。当該基地局100からの指示は、報知チャネルを用いて準静的(semi-static)に通知されてもよく、DL assignment等に含めて動的(タイムユニット毎)に通知されてもよい。そして、信号抽出部204は、選択したタイムユニット構成に基づいて、受信部202から受け取るベースバンド信号から、HARQプロセス番号毎のDL assignment及びDL dataを抽出する。信号抽出部204のその他の動作は、実施の形態1と同様である。
[基地局の構成(UL self-contained動作時)]
本実施の形態に係るUL self-contained動作を行う基地局300の構成は実施の形態1(図7)と同様であるが、スケジューリング部302の動作に差異がある。
具体的には、スケジューリング部302は、所定のルール(例えば、必要なギャップ長の大小)に基づいて、タイムユニット構成1とタイムユニット構成3の何れか一方を選択する。スケジューリング部302のその他の動作は、実施の形態1と同様である。なお、スケジューリング部302におけるタイムユニット構成の選択方法の詳細は後述する。
[端末の構成(UL self-contained動作時)]
本実施の形態に係るUL self-contained動作を行う端末400の構成は実施の形態1(図8)と同様であるが、信号抽出部402の動作に差異がある。
具体的には、信号抽出部402は、タイムユニット構成記憶部401から出力されたタイムユニット構成1とタイムユニット構成3の何れか一方を、基地局300からの指示に基づいて選択する。当該基地局300からの指示は、報知チャネルを用いて準静的に通知されてもよく、UL assignment等に含めて動的(タイムユニット毎)に通知されてもよい。そして、信号抽出部402は、選択したタイムユニット構成に基づいて、受信部202から受け取るベースバンド信号から、HARQプロセス番号毎のUL assignmentを抽出する。信号抽出部402のその他の動作は、実施の形態1と同様である。
[タイムユニット構成の選択方法]
次に、基地局100,300のスケジューリング部102,302におけるタイムユニット構成の選択方法について説明する。
具体的には、スケジューリング部102,302は、1つのギャップ区間あたりに必要なギャップ長を推定する。そして、スケジューリング部102,302は、推定したギャップ長が所定の閾値以上の場合にはタイムユニット構成1(図9A、図9B)を選択し、推定したギャップ長が所定の閾値未満の場合にはタイムユニット構成3(図12A、図12B)を選択する。
実施の形態1で説明したように、タイムユニット構成1は、タイムユニット構成3と比較して、ギャップのオーバーヘッドが小さい利点がある。一方、タイムユニット構成3は、タイムユニット構成1と比較して、平均遅延時間が短い利点がある。よって、本実施の形態では、ギャップ区間において必要なギャップ長の大小に応じてタイムユニット構成を切り替えることで、ギャップのオーバーヘッドの増加を抑えながら、平均遅延時間の低減を図ることができる。
一例として、所定の閾値が2 symbolの場合について説明する。
図14Aに示すように、1つのギャップ区間あたりに必要なギャップ長が2 symbol未満の場合、スケジューリング部102は、タイムユニット構成3を選択することにより、平均遅延時間の短縮を図る。ギャップ長が閾値未満の場合には、タイムユニット構成3を用いることで、ギャップ区間の数が増えるものの、ギャップのオーバーヘッドの影響は小さい。
一方、図14Bに示すように、1つのギャップ区間あたりに必要なギャップ長が2 symbol以上の場合、スケジューリング部102は、タイムユニット構成1を選択することにより、ギャップのオーバーヘッド増加の抑制を図る。
なお、図14A、図14Bでは、DL self-contained time unitについて説明したが、UL self-contained time unit(例えば、図9B、図12B)についても同様である。
ここで、タイムユニット構成の選択は、動的に(DL assignmentあるいはUL assignmentによる通知でタイムユニット毎に)制御されてもよい。動的制御の場合、制御用の通知量が増えるが、通信相手の端末毎に伝搬遅延量が変わり、必要なギャップ長が変わるため、基地局100,300は、通信相手の端末200,400毎に最適なタイムユニット構成を選択することができる。
または、タイムユニット構成の選択は、準静的に(報知チャネルによる通知で数時間、数日毎に)制御されてもよい。例えば、基地局100,300は、収容する全端末の最大遅延時間又は平均遅延時間に基づいて必要となるギャップ長を求め、収容する端末200,400の分布が変わる時間単位でタイムユニット構成を切り替えてもよい。準静的な制御の場合、制御用の通知量が低減でき、基地局100,300は、収容する端末200,400の分布に応じたタイムユニット構成を選択できる。また、準静的にタイムユニット構成を切り替えることでセル間干渉の変動が抑えられる。
このようにして、本実施の形態では、基地局100,300は、1つのギャップ区間あたりのギャップ長が所定の閾値以上の場合にタイムユニット構成1に基づいて端末200,400のスケジューリングを行い、ギャップ長が所定の閾値未満の場合にタイムユニット構成3に基づいて端末200,400のスケジューリングを行う。以上の動作により、基地局100,300が、1つのギャップ区間あたりに必要なギャップ長の大小に応じて、ギャップのオーバーヘッドの増加を抑えつつ、平均遅延時間を低減することができる。
以上、本開示の実施の形態について説明した。
[他の実施の形態]
(1)上記実施の形態では、一例として、タイムユニット内のHARQプロセス数が2個の場合のタイムユニット構成について説明したが、本開示はHARQプロセス数が3個以上の場合にも適用でき、同様の効果が得られる。一例として、図15A及び図15Bは、実施の形態1のタイムユニット構成1(図9A及び図9Bを参照)において、HARQプロセス数=3とした場合のタイムユニット構成例を示す。
(2)上記実施の形態では、TDDシステムを想定したタイムユニット構成について説明したが、本開示はFDDシステムでも同様に適用でき、同様の効果が得られる。図16A及び図16Bは、実施の形態1のタイムユニット構成1をFDDシステムに適用した場合のタイムユニット構成例を示す。図16Aは、FDDシステムの下り通信用帯域(FDD DL band)におけるフレーム構成を示し、図16Bは、FDDシステムの上り通信用帯域(FDD UL band)のフレーム構成を示す。
FDDシステムでは、伝搬遅延を考慮したギャップが不要となる。つまり、図16A及び図16BのFDDシステムのタイムユニット構成は、図9A及び図9BのTDDシステムのタイムユニット構成からギャップを無くし、DL self-contained time unit及びUL self-contained time unitの各々において、上り送信領域と下り送信領域とを時間的に分けて、それぞれFDDシステムの下り通信用帯域、上り通信用帯域に配置した構成である。FDDシステムに適用した場合でも、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
(3)上記実施の形態では、1タイムユニットを、サブキャリア間隔が15kHzで14 symbol (OFDM symbol)を含む時間単位(=1ms)として説明したが、一タイムユニットはこの時間単位に限定されない。例えば、1タイムユニットは、サブキャリア間隔に依らず、14 symbolを含む時間単位と定義してもよい。
例えば、図17Aは、1タイムユニットを、サブキャリア間隔が15kHzであり、14 symbol(OFDM symbol)を含む時間単位(=1ms)と定義した場合のタイムユニット構成例を示す。また、図17Bは、1タイムユニットを、サブキャリア間隔が60kHzであり、14 symbol (OFDM symbol)を含む時間単位(=0.25ms)と定義した場合のタイムユニット構成例を示す。
図17B(サブキャリア間隔:60kHz)では、図17A(サブキャリア間隔:15kHz)と比較して、1タイムユニットの時間長が1/4に短くなるため、DL data又はUL dataの平均遅延時間を短くすることができる。
また、図17Bのタイムユニット構成では、DL self-contained time unitとUL self-contained time unitの切替周期を短くできるので、上りと下りのトラフィック量に偏りがある場合でも無線リソースを効率良く割り当てることができる。
(4)また、上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示の基地局は、下り送信領域と、上り送信領域と、前記下り送信領域から前記上り送信領域への切替点であるギャップ区間と、から構成されるタイムユニットにおいて、前記下り送信領域で下り信号を送信する送信部と、前記タイムユニットにおいて、前記上り送信領域で上り信号を受信する受信部と、を具備し、各タイムユニットには、複数のHARQプロセスに対する前記下り送信領域及び前記上り送信領域がそれぞれ含まれる。
本開示の基地局において、前記タイムユニット内では、前記複数のHARQプロセスの各々に対する、前記下り送信領域の配置位置及び前記上り送信領域の配置位置は固定されている。
本開示の基地局において、前記タイムユニットの末尾には、前記上り送信領域が配置される。
本開示の基地局において、前記タイムユニット内において、前記複数のHARQプロセスのうち少なくとも1つのHARQプロセスに対応する前記上り送信領域は、当該少なくとも1つのHARQプロセスに対応する前記下り送信領域よりも早いタイミングに配置される。
本開示の基地局において、各タイムユニットには、前記ギャップ区間が1つのみ含まれる。
本開示の基地局において、前記複数のHARQプロセスの中から、端末の処理能力に応じて当該端末が用いるHARQプロセスが決定される。
本開示の基地局において、各タイムユニットには、前記ギャップ区間が前記複数のHARQプロセスの数と同数含まれ、各タイムユニットにおいて、前記複数のHARQプロセス毎の前記下り送信領域と前記上り送信領域との間に前記ギャップ区間がそれぞれ配置される。
本開示の基地局において、下りリンクデータの通信のための前記タイムユニットにおける前記上り送信領域と前記下り送信領域との切替タイミングと、上りリンクデータの通信のための前記タイムユニットにおける前記上り送信領域と前記下り送信領域との切替タイミングと、は一致する。
本開示の基地局において、前記複数のHARQプロセスには、各タイムユニットに前記ギャップ区間が1つのみ含まれる第1の構成と、各タイムユニットに前記ギャップ区間が前記複数のHARQプロセスの数と同数含まれる第2の構成と、が含まれ、1つの前記ギャップ区間あたりのギャップ長が所定の閾値以上の場合に前記第1の構成に基づいて端末のスケジューリングを行い、前記ギャップ長が前記所定の閾値未満の場合に前記第2の構成に基づいて端末のスケジューリングを行うスケジューリング部と、をさらに具備する。
本開示の端末は、下り送信領域と、上り送信領域と、前記下り送信領域から前記上り送信領域への切替点であるギャップ区間と、から構成されるタイムユニットにおいて、前記下り送信領域で下り信号を受信する受信部と、前記タイムユニットにおいて、前記上り送信領域で上り信号を送信する送信部と、を具備し、各タイムユニットには、複数のHARQプロセスに対する前記下り送信領域及び前記上り送信領域がそれぞれ含まれる。
本開示の通信方法は、下り送信領域と、上り送信領域と、前記下り送信領域から前記上り送信領域への切替点であるギャップ区間と、から構成されるタイムユニットにおいて、前記下り送信領域で下り信号を送信し、前記タイムユニットにおいて、前記上り送信領域で上り信号を受信し、各タイムユニットには、複数のHARQプロセスに対する前記下り送信領域及び前記上り送信領域がそれぞれ含まれる。
本開示の通信方法は、下り送信領域と、上り送信領域と、前記下り送信領域から前記上り送信領域への切替点であるギャップ区間と、から構成されるタイムユニットにおいて、前記下り送信領域で下り信号を受信し、前記タイムユニットにおいて、前記上り送信領域で上り信号を送信し、各タイムユニットには、複数のHARQプロセスに対する前記下り送信領域及び前記上り送信領域がそれぞれ含まれる。