JP7186900B2 - コネクタ嵌合装置およびコネクタ嵌合方法 - Google Patents
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Description
本開示は、コネクタ嵌合装置およびコネクタ嵌合方法に関する。
特開2015-168017号公報(特許文献1)には、雌コネクタと雄コネクタとを嵌合させるロボットが開示される。このロボットは、嵌合作業を行なうのと同時に、嵌合状態の良否を判定することが可能に構成される。
具体的には、ロボットは、把持部と、アーム部と、力覚センサとを有する。把持部は、力覚センサを介してアーム部の先端に設けられており、3つの指によって雄コネクタを把持するように構成される。力覚センサは、把持部とアーム部との間に設けられ、把持部とアーム部との間で作用している3軸方向の力と、把持部の取付方向の軸回りのモーメントとを検出する。ロボットは、位置および向きが固定された雌コネクタに対して雄コネクタを相対移動させることにより、嵌合作業を行なう。ロボットはさらに、力覚センサの力覚情報と、把持部の位置情報とを用いて、嵌合状態の良否を判定する。
上述したコネクタ嵌合装置では、各タイミングにおける力覚センサの出力および把持部の位置について目標値を生成し、力覚センサの出力および把持部の位置が目標値となるようにロボットの動作を制御する。また、力覚センサの出力および把持部の位置の各々に許容範囲を予め設定しておき、力覚センサの出力および把持部の位置が許容範囲にあるか否かに基づいて嵌合状態の良否を判定する。
しかしながら、このようなロボットの動作の制御および嵌合状態の良否の判定は、コネクタを把持する把持部を有さないコネクタ嵌合装置に対しては適用することができない。雌コネクタに対する雄コネクタの相対位置にずれが生じている場合において、把持部を操作して相対位置のずれを修正することができないためである。その結果、ロボットは、相対位置のずれを有している状態で雌コネクタに対して雄コネクタを相対移動させることになる。また、嵌合状態の良否を判定するためには、相対位置の最大ずれを推定し、最大ずれを考慮して力覚センサの出力およびコネクタの位置に対して許容範囲を設定することが必要となる。これによると、推定される最大ずれが大きい場合には、許容範囲も大きくなってしまうため、嵌合状態の良否を判定することが難しくなる。
本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、コネクタを把持することなく第1コネクタおよび第2コネクタを嵌合する構成において、第1コネクタに対する第2コネクタの相対位置の大きさに依存せず、嵌合動作および嵌合状態の良否の判定を安定して行なうことができるコネクタ嵌合装置およびコネクタ嵌合方法を提供することである。
本開示に係るコネクタ嵌合装置は、第1コネクタと第2コネクタとを嵌合させるコネクタ嵌合装置である。第2コネクタは、第1コネクタと導通接触する可動部と、可動部を収容するハウジングと、ハウジングと可動部とを連結する端子とを有する。第2コネクタは、端子が有する可撓部の弾性変形により可動部がハウジングに対して可動するフローティングコネクタである。コネクタ嵌合装置は、第1コネクタを位置決めする位置決め機構と、ロボット装置と、力センサと、コントローラとを備える。ロボット装置は、エンドエフェクタと、エンドエフェクタを移動させるロボットアームとを有する。力センサは、エンドエフェクタに作用する荷重を検出する。コントローラは、力センサの検出値に基づいて、ロボットアームの動作を制御する。ロボット装置は、エンドエフェクタが嵌合方向に移動して第2コネクタを押圧することにより、第1コネクタに第2コネクタを押し込むように構成される。コントローラは、エンドエフェクタを二段階に分けて嵌合方向に移動させる。コントローラは、一段目の移動と二段目の移動との間に、エンドエフェクタによる第2コネクタへの押圧力を軽減するようにエンドエフェクタを嵌合方向とは反対方向に移動させる。
本開示によれば、コネクタを把持することなく第1コネクタおよび第2コネクタを嵌合する構成において、第1コネクタに対する第2コネクタの相対位置のずれの大きさに依存せず、嵌合動作および嵌合状態の良否の判定を安定して行なうことができるコネクタ嵌合装置およびコネクタ嵌合方法を提供することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
実施の形態1.
(コネクタ嵌合装置の全体構成)
図1は、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100を示す斜視図である。図2は、図1中のワーク6,8およびコネクタ10,20を拡大して示す上面図である。
(コネクタ嵌合装置の全体構成)
図1は、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100を示す斜視図である。図2は、図1中のワーク6,8およびコネクタ10,20を拡大して示す上面図である。
実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100は、工業製品の生産現場などに適用され、第1ワーク6に設けられた第1コネクタ10に、第2ワーク8に設けられた第2コネクタ20を挿入することにより、第1コネクタ10と第2コネクタ20とを嵌合させるように構成される。コネクタ嵌合装置100は、第1コネクタ10および第2コネクタ20の嵌合作業にロボット装置1を用いる。
第1ワーク6および第2ワーク8は、矩形平板状の形状を有している。第1ワーク6および第2ワーク8の各々は、例えばプロセッサおよびメモリ等が実装されたプリント回路基板である。
第1コネクタ10は、第1ワーク6の一方の表面である第1面6Aに取り付けられている。第2コネクタ20は、第2ワーク8の一方の表面である第1面8Aに取り付けられている。第1コネクタ10と第2コネクタ20とを嵌合することにより、第1ワーク6と第2ワーク8とを電気的に接続することができる。
図1の例では、第1ワーク6および第2ワーク8は、第1面6Aと第1面8Aとが同じ方向を向いて互いに隣り合うように、水平方向に並べて配置されている。第1コネクタ10および第2コネクタ20は、第1面6Aおよび第1面8Aの隣り合う第1辺61,81において、互いに向き合うようにそれぞれ配置されている。第1コネクタ10は雌コネクタであり、第2コネクタ20は雄コネクタである。第1コネクタ10および第2コネクタ20は、直方体状の形状を有している。
ロボット装置1は、第2コネクタ20を第1コネクタ10に対して相対移動させることにより、第1コネクタ10に第2コネクタ20を挿入するように構成される。具体的には、コネクタ嵌合装置100は、ロボット装置1と、力覚センサ3と、位置決め機構5とを備える。
ロボット装置1は、支持台1Aと、ロボットアーム1Bと、エンドエフェクタ2とを有する。支持台1Aは、ロボットアーム1Bを支持する。ロボットアーム1Bは、複数の関節を有しており、各関節にて互いに接続される複数のアームを有する。図1の例では、ロボットアーム1Bは、第1アーム1b1、第2アーム1b2および第3アーム1b3を有する。第1アーム1b1は、図示しない第1可動軸を介して支持台1Aに接続されており、支持台1Aに対して第1可動軸の回転軸回りに可動する。第2アーム1b2は、図示しない第2可動軸を介して第1アーム1b1に接続されており、第1アーム1b1に対して第2可動軸の回転軸回りに可動する。第3アーム1b3は、図示しない第3可動軸を介して第2アーム1b2に接続されており、第2アーム1b2に対して第3可動軸の回転軸回りに可動する。エンドエフェクタ2は、図示しない第4可動軸を介して第3アーム1b3に接続されており、第3アーム1b3に対して第4可動軸の回転軸回りに可動する。第1可動軸、第2可動軸、第3可動軸および第4可動軸は、図示しない軸駆動モータ等の駆動源により駆動する。軸駆動モータは、例えばサーボモータである。各可動軸が駆動することにより、第1アーム1b1、第2アーム1b2および第3アーム1b3の姿勢は自由に変化する。
エンドエフェクタ2は、ロボットアーム1Bの先端に設けられる。エンドエフェクタ2は、基部2Aと、突出部2Bとを有する。基部2Aは、平板状に形成されており、略矩形板状の形状を有する。基部2Aは、ロボットアームに接合される第1面と、第1面と反対側の第2面とを有する。突出部2Bは、基部2Aの第2面に対して垂直に突出している。図1の例では、略矩形形状の基部2Aの第1辺において2本の突出部2Bが並べて配置されているが、突出部2Bの形状、位置および本数はこれに限定されない。
ロボットアーム1Bの第1アーム1b1、第2アーム1b2および第3アーム1b3の姿勢が自由に変化することに伴い、エンドエフェクタ2の姿勢も自由に変化し得る。後述するように、コネクタ嵌合動作において、エンドエフェクタ2の突出部2Bは、第2ワーク8の、第2コネクタ20が配置される第1辺81に対向する第2辺82に当接される。突出部2Bは、第2ワーク8の第2辺82を押圧することにより、第2ワーク8および第2コネクタ20を、第1ワーク6および第1コネクタ10に向けて移動させる。これにより、ロボット装置1は、第2ワーク8および第2コネクタ20を把持することなく、第2コネクタ20を第1コネクタ10に向けて押し込むことができる。コネクタ10,20の構成例およびコネクタ嵌合動作については後述する。
力覚センサ3は、ロボットアーム1Bの第3アーム1b3とエンドエフェクタ2との間に設けられる。力覚センサ3は、ロボットアーム1Bの手首に相当する位置に配置されている。力覚センサ3は、エンドエフェクタ2作用する力(荷重)を検出し、検出値を示す信号をコントローラ30へ送信する。力覚センサ3は、互いに直交する3軸方向に作用する力を検出するように構成される。力覚センサ3は、さらに、3軸の各々の発生するモーメント荷重つまりトルクを検出する機能を有していてもよい。力覚センサ3は「力センサ」の一実施例に対応する。
位置決め機構5は、第1ワーク6および第1コネクタ10の位置および姿勢を固定するとともに、第2ワーク8および第2コネクタ20の移動方向を規制するためのものである。位置決め機構5は、図示しない支持部材により固定されている。位置決め機構5は、第1ワーク6の、第1コネクタ10が配置される第1辺61に対向する第2辺62を支持する第1部分5Aと、第1部分5Aに対して垂直に延在する第2部分5Bおよび第3部分5Cとを有する。位置決め機構5の第2部分5Bおよび第3部分5Cは、互いに平行に配置されており、第1ワーク6の互いに対向する第3辺63および第4辺64を支持するように構成される。
位置決め機構5の第2部分5Bおよび第3部分5Cはさらに、第2ワーク8の互いに対向する第3辺83および第4辺84を支持するように構成される。ただし、第2部分5Bよび第3部分5Cは、第2ワーク8を第1ワーク6に向けて移動させるための「ガイド部」としての機能を果たすように構成されている。例えば、第2部分5Bおよび第3部分5Cの各々は、長手方向(Y軸方向)に沿って延在する溝部が形成されたガイドレールである。第2ワーク8は、ガイドレールの溝部に沿って摺動可能なように、第2部分5Bおよび第3部分5Cによって支持される。
図3は、図2のIII-III線における断面図である。図4は、図2のIV-IV線における断面図である。
図3を参照して、第1コネクタ10は、直方体状に形成されており、ハウジング12と、導通端子14とを有する。ハウジング12は、頂面に開口部が形成された中空の箱型形状を有している。ハウジング12は、例えば絶縁性樹脂により形成されている。ハウジング12は、開口部が第2コネクタ20に対向するように、第1ワーク6の第1面6Aに固定されている。
導通端子14は、ハウジング12の頂面と反対側の底面から垂直に突出するように、ハウジング12に固定されている。導通端子14は、幅狭の矩形板状の形状を有し、第1ワーク6の第1面6Aの延在方向に延びる。矩形板状の導通端子14には、第2コネクタ20の導通端子と導通接触するための接触子(図示せず)が設けられている。接触子は、導電性金属板により形成されており、第1ワーク6の第1面6A上に搭載された電子部品と電気的に接続されている。
第2コネクタ20は、直方体状に形成されており、ハウジング22と、可動部24と、端子26とを有する。第2コネクタ20は、フローティングコネクタである。フローティングとは、雄コネクタと雌コネクタとの間に嵌合軸のズレがある状態においても、コネクタが可動することでそのズレを吸収して嵌合を可能にする機能である。
ハウジング22は、頂面に開口部が形成された中空の箱型形状を有している。ハウジング22は、例えば絶縁性樹脂により形成されている。ハウジング22は、開口部が第1コネクタ10に対向するように、第2ワーク8の第1面8Aに固定されている。
可動部24は、頂面に開口部が形成された溝型形状を有している。可動部24の開口部は、第2ワーク8の第1面8Aに対して平行に延在する。可動部24は、開口部が第1コネクタ10に対向するように、ハウジング22の開口部内に収容されている。可動部24は、第1コネクタ10の導通端子14が挿入される「嵌合部」を構成する。
端子26は、可動部24に固定されて第1コネクタ10の導通端子14と導通接触するための接触子と、ハウジング22に固定される固定部と、接触子と固定部との間に接続される可撓部とを有する。端子26は、導電性金属板を板厚方向に折り曲げて形成される。固定部は、第2ワーク8の第1面8A上に搭載された電気部品と電気的に接続されている。可撓部は、弾性変形可能であり、可動部24とハウジング22とを弾性的に繋ぐことにより、可動部24をハウジング22に対して変位可能に支持する。
図4に示すように、フローティングコネクタである第2コネクタ20において、ハウジング22の内周面と可動部24の外周面との間には、隙間が形成されている。図4の例では、第2ワーク8の第1面8Aに平行な方向(X軸方向)に沿って隙間X2が形成され、第2面8Aに垂直な方向(Z軸方向)に沿って隙間Z2が形成されている。隙間X2,Z2は0.5mm程度の大きさを有している。端子26の可撓部が弾性変形することにより、可動部24は、隙間X2,Z2の内部で、第1面8Aに対して平行および垂直な方向に変位することができる。
位置決め機構5において、第2部分5Bおよび第3部分5Cの溝部の内周面と第2ワーク8の外周面との間には、隙間が形成されている。図4の例では、第2ワーク8の第1面8Aに平行な方向(X軸方向)に沿って隙間X1が形成され、第1面8Aに垂直な方向(Z軸方向)に沿って隙間Z1が形成されている。隙間X1,Z1は0.2mm程度の大きさを有している。第2ワーク8は、隙間X1,Z1の内部で、第1面8Aに対して平行および垂直な方向に変位することができる。したがって、第2ワーク8を、隙間X1,Z1の内部で第1ワーク6に対して変位させることができる。
実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100においては、第1ワーク6が位置決め機構5に固定されて支持されているため、第1コネクタ10の位置および姿勢が固定されている。一方、第2ワーク8は、位置決め機構5により、第1ワーク6に向かう方向(図2および図3の矢印A1の方向)に沿って移動可能に支持されている。したがって、ロボット装置1のエンドエフェクタ2を方向A1に沿って移動させ、エンドエフェクタ2に設けられた突出部2Bによって第2ワーク8を押圧することにより、第2ワーク8および第2コネクタ20を、第1ワーク6および第1コネクタ10に向けて移動させるとともに、第2コネクタ20を第1コネクタ10に挿入して第1コネクタ10および第2コネクタ20を嵌合することができる。以下の説明では、図2および図3の矢印A1の方向を「嵌合方向」とも称する。
図5は、第1コネクタ10および第2コネクタ20の嵌合動作を説明するための図である。図5には、図3に示した状態から第2ワーク8を嵌合方向A1に移動させたときの、第1コネクタ10および第2コネクタ20の嵌合の状態が段階的に示されている。
図5(A)は、嵌合動作を開始したときの第1コネクタ10および第2コネクタ20の嵌合の状態を示す図である。図5(A)に示すように、第2コネクタ20の可動部24の開口部に第1コネクタ10の導通端子14の先端部分が挿入される。可動部24の開口部の内周面と導通端子14とが接触することにより、嵌合方向A1と反対方向の荷重が可動部24に作用する。この荷重を受けて、可動部24とハウジング22とを繋ぐ端子26が弾性変形する。これにより、可動部24はハウジング22に向かう方向(嵌合方向A1とは反対の方向)に変位する。
エンドエフェクタ2をさらに嵌合方向A1に移動させると、図5(B)に示すように、第2コネクタ20の可動部24は、導通端子14に接触しながら嵌合方向A1に移動する。そして、可動部24に設けられた接触子が、導通端子14に設定された初期接触位置において、導通端子14の接触子と導通接触する。本願明細書では、嵌合動作を開始してから第2コネクタ20の可動部24が初期接触位置に至るまでの第1コネクタ10および第2コネクタ20の嵌合の状態を「初期嵌合状態」とも称する。
図5(B)に示す初期嵌合状態からさらにエンドエフェクタ2を嵌合方向A1に移動させると、第2コネクタ20の可動部24がさらに嵌合方向A1に移動する(図5(C)参照)。可動部24の接触子は、第1コネクタ10の導通端子14の接触子と接触しながら導通端子14上を摺動する。このとき、可動部24の接触子は、導通端子14の「有効嵌合長」の領域を移動する。有効嵌合長とは、第2コネクタ20の可動部24の接触子が、第2コネクタ20の挿入または引き抜きの間において、第1コネクタ10の接触子と接触して移動する距離を示している。すなわち、有効嵌合長は、第1コネクタ10および第2コネクタ20の嵌合の状態において、両者の接触子が導通接触可能な長さに相当する。有効嵌合長は、初期接触位置と正規接触位置との間の距離に相当する。
第2コネクタ20の可動部24の接触子が、第1コネクタ10の導通端子14に設定された正規接触位置に到達すると、第1コネクタ10および第2コネクタ20は「嵌合完了状態」に移行する(図5(D)参照)。嵌合完了状態では、第1ワーク6の第1辺61と第2ワーク8の第1辺81とが接触する。また、第1コネクタ10のハウジング12の開口縁部と第2コネクタ20のハウジング22の開口縁部とが接触する。
以上に示す嵌合動作において、第2コネクタ20の可動部24は、第1コネクタ10の導通端子14と接触することにより、嵌合方向A1と反対方向の荷重を受ける。この荷重は、可動部24から端子26を経由してハウジング22に作用する。ハウジング22に作用する荷重は、さらに第2ワーク8を介してロボット装置1のエンドエフェクタ2に作用する。エンドエフェクタ2に作用する荷重は、力覚センサ3によって検出される。
嵌合動作中に力覚センサ3によって検出される荷重は、第1コネクタ10および第2コネクタ20の嵌合の状態の変化とともに変化する。図5の例では、初期嵌合状態(図5(A)および図5(B))において、荷重は、嵌合動作を開始してから単調に増加し、可動部24が初期接触位置に至る直前においてピーク値を示す。そして、初期嵌合状態を超えると、荷重は徐々に低下し、可動部24が有効嵌合長領域を移動している間(図5(C))、荷重はピーク値よりも小さい値でほとんど変化しない。そして、嵌合完了状態(図5(D))になると、例えばワーク6,8の第1辺61,81同士および/またはコネクタ10,20の開口縁部同士が接触することにより、荷重が再び増加する。
ここで、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100において、ロボット装置1は、第2ワーク8および第2コネクタ20を把持する機構を有していないため、嵌合動作の開始前または嵌合動作中、把持部を操作して第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置を調整することができない。そのため、上述した嵌合動作を行なう際に、第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置が正規の位置からずれている場合が少なからず起こり得る。この場合、相対位置がずれている状態で嵌合動作が行なわれることにより、第1コネクタ10と第2コネクタ20とを適切に嵌合することができず、コネクタ10,20および/またはワーク6,8を損傷させることが懸念される。
そこで、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100では、嵌合動作中における力覚センサ3の検出値に基づいて、ロボット装置1のエンドエフェクタ2の動作を制御することにより、第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置のずれを修正する。
以下、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100の構成および動作について詳細に説明する。
(コントローラのハードウェア構成)
まず、図6を参照して、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100のハードウェア構成について説明する。図6は、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
まず、図6を参照して、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100のハードウェア構成について説明する。図6は、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100は、ロボット装置1を含むコネクタ嵌合装置100全体を制御するコントローラ30を備える。コントローラ30は、主な構成要素として、プロセッサ32と、メモリ34と、通信インターフェイス(I/F)36と、入出力I/F38とを有する。これらの各部はバスを介して通信可能に接続されている。
プロセッサ32は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processor Unit)などの演算処理部である。プロセッサ32は、メモリ34に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、コネクタ嵌合装置100の各部の動作を制御する。具体的には、プロセッサ32は、当該プログラムを実行することによって、後述するコネクタ嵌合処理を実現する。なお、図6の例では、プロセッサ32が単数である構成を示しているが、コントローラ30は複数のプロセッサを有していてもよい。
メモリ34は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって実現される。メモリ34は、プロセッサ32によって実行されるプログラム、またはプロセッサによって用いられるデータなどを記憶する。
入出力I/F38は、プロセッサ32とロボット装置1および力覚センサ3との間で各種データを遣り取りするためのインターフェイスである。入出力I/F38には、操作部40および表示部42が接続される。表示部42は、液晶パネルディスプレイなどで構成される。操作部40は、コネクタ嵌合装置100に対するユーザの操作入力を受け付ける。操作部40は、典型的には、タッチパネル、キーボードおよびマウスなどにより構成される。
通信I/F36は、コネクタ嵌合装置100と他の装置との間で各種データを遣り取りするための通信インターフェイスである。他の装置には、工業製品の生産現場を統括制御するPLC(Programmable Logic Controller)50などが含まれる。PLC50は、コネクタ嵌合装置100に対し、嵌合動作の開始指令を含む動作指令を出力する。なお、通信I/F36の通信方式は、無線LAN(Local Area Network)などによる無線通信方式であってもよいし、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信方式であってもよい。
(コントローラの機能構成)
図7は、図6に示したコントローラ30の機能構成を示すブロック図である。
図7は、図6に示したコントローラ30の機能構成を示すブロック図である。
図7を参照して、コントローラ30は、制御部70と、動作制御部72と、力覚検出部74と、波形処理部76と、良否判定部78とを有する。これらは、プロセッサ32がメモリ34に格納されたプログラムを実行することによって実現される機能ブロックである。
制御部70は、通信I/F36を経由してPLC50からの動作指令を受け付けると、PLC50からの制御指令に従ってロボット装置1の動作を制御するための制御信号を生成する。具体的には、制御部70は、PLC50から動作指令を受け、力覚検出部74から力覚情報を受け、良否判定部78から判定結果情報を受ける。力覚情報は、力覚センサ3により検出されたエンドエフェクタ2に作用する荷重を示す情報である。判定結果情報は、第1コネクタ10および第2コネクタ20が正常に嵌合したか否かの良否判定を行なった結果を示す情報である。制御部70は、動作指令、力覚情報および判定結果情報に基づいて制御信号を生成し、生成した制御信号を動作制御部72へ出力する。
具体的には、制御部70は、メモリ34に予め記憶されている動作シーケンスを読み出し、それに従い嵌合動作の各動作タイミングにおける目標値を設定する。目標値は、力覚センサ3により検出される荷重の目標値を含む。目標値は、例えば、初期嵌合状態(図5(A),(B))における荷重の目標値、有効嵌合長領域(図5(C))における荷重の目標値、および嵌合完了状態(図5(D))における荷重の目標値を含む。
嵌合動作時には、制御部70は、各動作タイミングにおいて、力覚センサ3の検出値が目標値に近づくように、ロボット装置1の動作をフィードバック制御する。具体的には、制御部70は、目標値に対する力覚センサ3の検出値の偏差に応じた制御演算を実行することによって制御信号を生成し、生成した制御信号を動作制御部72へ出力する。
動作制御部72は、制御部70により生成された制御信号に基づいて、ロボット装置1の動作を制御する。これにより、支持台1Aおよびロボットアーム1Bが動作する。
力覚検出部74は、力覚センサ3の出力信号に基づいて、ロボット装置1のエンドエフェクタ2に作用する力(荷重)を検出し、検出結果を示す信号を制御部70および波形処理部76へ出力する。
波形処理部76は、力覚情報に含まれる、エンドエフェクタ2に作用する荷重のプロファイルを波形処理する。具体的には、波形処理部76は、荷重のプロファイルに対してピーク値、最大値、最小値、平均値、標準偏差、変動係数(標準偏差/平均値)などの特徴量を波形処理により求める。
良否判定部78は、波形処理部76から出力される荷重のプロファイルに基づいて、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定する。具体的には、メモリ34には、コネクタ嵌合動作中に作用する荷重に関する閾値および許容範囲が記憶されている。良否判定部78は、メモリ34から閾値および許容範囲を読み出し、これらの値を用いて第1コネクタ10および第2コネクタ20が正常に嵌合しているか否かの良否判定を行なう。良否判定部78は、判定結果情報を制御部70へ出力するとともに、表示部42に表示する。
(コネクタ嵌合処理)
次に、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100におけるコネクタ嵌合処理の手順について説明する。
次に、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100におけるコネクタ嵌合処理の手順について説明する。
図8は、実施の形態1に係るコネクタ嵌合処理を説明するためのフローチャートである。図9は、実施の形態1に係るコネクタ嵌合処理を説明するための模式図である。図9には、第1ワーク6および第1コネクタ10、第2ワーク8および第2コネクタ20、エンドエフェクタ2の上面図が模式的に示されている。図9には、コネクタ嵌合処理の実行中における第1コネクタ10および第2コネクタ20の嵌合状態が段階的に示されている。
図8を参照して、コントローラ30は、ステップS01にて、PLC50(図6)からの嵌合開始指令を受信すると(S01にてYES)、コネクタ嵌合処理を開始する。コネクタ嵌合処理の開始時には、図9(A)に示すように、第1ワーク6および第1コネクタ10が位置決め機構5によって固定されている状態において、第1コネクタ10と第2コネクタ20とが対向するように、位置決め機構5に第2ワーク8が設置されている。嵌合開始指令を受信すると、コントローラ30は、ステップS02に進み、第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の押し込みを開始する。
具体的には、コントローラ30は、図9(A)の状態からエンドエフェクタ2が嵌合方向A1に沿って移動するように、ロボット装置1を制御する。エンドエフェクタ2からの押し込み力F1受けて第2ワーク8が嵌合方向A1に移動すると、エンドエフェクタ2には、第2ワーク8と位置決め機構5との間の摩擦力が作用する。力覚センサ3は、エンドエフェクタ2に作用する荷重を検出し、検出値をコントローラ30へ出力する。コントローラ30は、目標値に対する検出値の偏差に応じて押し込み力F1を調整することにより、エンドエフェクタ2の動作を制御する。
図9(B)に示すように、第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の挿入が開始されると、コネクタ10,20の嵌合の状態は初期嵌合状態に移行する。初期嵌合状態では、エンドエフェクタ2には、第1コネクタ10の導通端子14と第2コネクタ20の可動部24との間の摩擦力が作用する。そのため、エンドエフェクタ2の移動に従ってエンドエフェクタ2に作用する荷重が徐々に大きくなる。力覚センサ3は、エンドエフェクタ2に作用する荷重を検出し、検出値をコントローラ30へ出力する。
コントローラ30は、力覚センサ3による荷重の検出値が予め設定された第1閾値N1に達するまで、第1コネクタ10に対して第2コネクタ20を押し込む。第1閾値N1は、位置決め機構5と第2ワーク8との間の摩擦力よりも大きく、かつ、コネクタ10,20が破壊されない程度の荷重に設定されている。図9(B)では、力覚センサ3の検出値が第1閾値N1となるときの第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置を「相対位置P1」とする。すなわち、相対位置P1は固定値ではなく、力覚センサ3の検出値に応じて変化する可変値である。
具体的には、図8を参照して、コントローラ30は、ステップS02による押し込みの実行中、ステップS03により、力覚センサ3による荷重の検出値が第1閾値N1を超えたか否かを判定する。力覚センサ3の検出値が第1閾値N1より小さい場合(S03にてNO)、コントローラ30は、ステップS04に進み、力覚センサ3の検出値が予め設定されている許容範囲から外れているか否かを判定する。ステップS04における許容範囲は、コネクタ10,20が正常に嵌合されたときの力覚センサ3の検出値のプロファイルに基づいて設定することができる。
ステップS04にて力覚センサ3の検出値が許容範囲から外れている場合(S04にてYES)、コントローラ30は、ステップS16により、コネクタ10,20の嵌合が不良であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。これに対して、力覚センサ3の検出値が許容範囲から外れていない場合には(S04にてNO)、コントローラ30は、ステップS02に戻り、第2コネクタ20の押し込みを継続する。
力覚センサ3の検出値が第1閾値N1より大きくなると(S03にてYES)、コントローラ30は、ステップS05により、エンドエフェクタ2による第2コネクタ20の押し込みを停止する。コントローラ30はさらに、図9(C)に示すように、エンドエフェクタ2を嵌合方向A1とは反対方向に移動させる。これにより、エンドエフェクタ2は、第2ワーク8への押し付け力が軽減もしくは第2ワーク8との接触が解除される。
ステップS05では、エンドエフェクタ2による第2コネクタ20の押し込みが停止されることによって、第2コネクタ20の可動部24への押し込み力が軽減される。これにより、第2コネクタ20の可動部24には、端子26の可撓部の付勢力が作用することになる。端子26の可撓部は、ハウジング22に対する可動部24の相対位置が元の位置に戻る方向に、可動部24に対して付勢力を加える。この可撓部の付勢力を利用して、第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置のずれを修正することができる。
図10は、図8のステップS05における第2コネクタ20の相対位置のずれの修正の第1例を模式的に示す図である。図10には、第1ワーク6、第1コネクタ10、第2ワーク8および第2コネクタ20の上面図が示されている。
図10(A)には、第1コネクタ10のX軸方向の中心軸(嵌合軸)C1と、第2コネクタ20のX軸方向の中心軸(嵌合軸)C2とが互いにずれている状態が示されている。このような状態で、エンドエフェクタ2によって第1コネクタ10に対して第2コネクタ20を押し込むと、図10(B)に示すように、第2コネクタ20では、可動部24が第1コネクタ10の導通端子14と係合するように、ハウジング22に対してX軸方向に変位する。したがって、端子26の可撓部には、ハウジング22に対する可動部24の位置を元の位置に戻そうとする付勢力が変位方向とは反対方向に生じることになる。
図8のステップS04によりエンドエフェクタ2を嵌合方向A1とは反対方向に移動させると、可動部24への押し込み力が軽減される。しかしながら、可動部24は、その一部分が第1コネクタ10の導通端子14と係合しているため、可動不能となっている。その結果、可動部24に代えて、ハウジング22に可撓部の付勢力が作用することになる。端子26の可撓部の付勢力を受けてハウジング22が可動部24の変位方向に移動することにより、図10(C)に示すように、第1コネクタ10の嵌合軸C1および第2コネクタ20の嵌合軸C2が一致する。これにより、第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置のずれが修正される。位置決め機構5と第2ワーク8との間に設けた隙間X1,Z1によって相対位置の修正が可能となる。
図11は、図8のステップS05における第2コネクタ20の相対位置のずれの修正の第2例を模式的に示す図である。図11には、第1ワーク6、第1コネクタ10、第2ワーク8および第2コネクタ20の斜視図が示されている。
図11(A)には、第2コネクタ20が嵌合軸回りに回転しており、第1コネクタ10に対して傾斜している状態が示されている。このような状態で、エンドエフェクタ2によって第1コネクタ10に対して第2コネクタ20を押し込むと、第2コネクタ20の傾斜角度および第2ワーク8における押し込みの位置によって、第2コネクタ20には嵌合軸回りにモーメントが作用する。図11(A)の例では、第2ワーク8に対する押し込み力F1により、第1コネクタ10および第2コネクタ20の水平方向の一方端部に衝突が生じており、その結果、矢印A1方向のモーメントが第2コネクタ20に作用する。一方、第2コネクタ20の傾斜を修正するためには、矢印A2方向に第2コネクタ20を回転させる必要があるが、第2コネクタ20に作用するモーメントとは反対方向となるため、傾斜を修正することができない。
図11(A)の状態からさらに押し込みを続けると、図11(B)に示すように、押し込み荷重から逃れるために、第2ワーク8全体が上方に持ち上がる。さらに、第2コネクタ20の可動部24は、矢印A4に示すように嵌合方向A1に圧縮される。第2コネクタ20の可動部24は、矢印A5に示すように、水平方向にのみ移動する。可動部24は、第1コネクタ10および第2コネクタ20の端部同士の衝突を解消するように、水平方向に微少量移動する。
ここで、図8のステップS04によりエンドエフェクタ2を嵌合方向A1とは反対方向に移動させると、図11(C)に示すように、第2コネクタ20の可動部24が押し込み力F1から解放されることによって、可動部24は嵌合方向A1とは反対方向に変位する。これにより、第2ワーク8の持ち上がりが解消される。また、可動部24の嵌合方向A1における圧縮は第2コネクタ20の一方端部のみであるため、押し込み力F1から解放されることによって、第2コネクタ20の傾きも補正される。
なお、第2ワーク8の持ち上がりが解消される際には、図11(D)に示すように、水平方向のフローティングおよびモーメントが解放されたことによる面取り効果によって、第2ワーク8が適正な位置に移動する。その結果、図11(E)に示すように、第1コネクタ10の導通端子14および第2コネクタ20の可動部24の先端部同士が係合された状態となるため、再度第2コネクタ20の押し込みを行なうと、第1コネクタ10に対して第2コネクタ20を挿入することが可能となる。
図8に戻って、ステップS05において第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置のずれが修正されると、コントローラ30は、ステップS06に進み、再び第2コネクタ20の押し込みを行なう。エンドエフェクタ2の移動によって第2コネクタ20を押し込むことにより、エンドエフェクタ2に作用する荷重は単調に増加する。力覚センサ3は、エンドエフェクタ2に作用する荷重を検出し、検出値をコントローラ30へ出力する。
コントローラ30は、図8のステップS07により、力覚センサ3による荷重の検出値が予め設定された第2閾値N2を超えたか否かを判定する。第2閾値N2は、第1コネクタ10と第2コネクタ20との初期嵌合に必要とされる荷重に設定されている。すなわち、コントローラ30は、コネクタ10,コネクタ20の嵌合の状態が初期嵌合状態となっているか否かを判定する。
力覚センサ3の検出値が第2閾値N2より小さい場合(S07にてNO)、コントローラ30は、ステップS08に進み、力覚センサ3の検出値が許容範囲から外れているか否かを判定する。許容範囲は、コネクタ10,20が正常に嵌合されたときの力覚センサ3の検出値のプロファイルに基づいて設定することができる。
力覚センサ3の検出値が許容範囲から外れている場合(S08にてYES)、コントローラ30は、ステップS16により、コネクタ10,20の嵌合が不良であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。一方、力覚センサ3の検出値が許容範囲から外れていない場合(S08にてNO)、コントローラ30は、ステップS06に戻り、第2コネクタ20の押し込みを継続する。
力覚センサ3の検出値が第2閾値N2より大きくなると(S07にてYES)、コントローラ30は、コネクタ10,20の嵌合の状態が初期嵌合状態であると判定する。コントローラ30は、ステップS09に進み、第2コネクタ20が嵌合方向A1に沿って予め設定されている距離D1だけ移動するように、エンドエフェクタ2を動作させる。
具体的には、図9(D)では、力覚センサ3の検出値が第2閾値N2となるときの第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置を「相対位置P2」とする。相対位置P2は固定値ではなく、力覚センサ3の検出値に応じて変化する可変値である。コントローラ30は、第2コネクタ20を、相対位置P2から予め設定した距離D1だけ嵌合方向A1に沿って移動させる。図9(E)では、相対位置P2から距離D1だけ第2コネクタ20を移動させたときの、第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置を「相対位置P3」とする。第2コネクタ20を移動させる距離D1は、相対位置P2にいる第2コネクタ20と第1コネクタ10との嵌合の状態を初期嵌合状態から有効嵌合長領域に移行させることができる距離に設定されている。
コントローラ30は、図8のステップS09により、第2コネクタ20を相対位置P2から距離D1だけ離れた相対位置P3まで移動させると、ステップS10により、相対位置P3における力覚センサ3の検出値N3と、第2閾値N2(相対位置P2における力覚センサ3の検出値に相当)とを比較する。
相対位置P3における力覚センサ3の検出値N3が第2閾値N2より小さい場合(S10にてYES)、コントローラ30は、コネクタ10,20の嵌合の状態が初期嵌合状態から有効嵌合長領域に移行したと判定する。この場合、コントローラ30は、ステップS11により、エンドエフェクタ2の移動により第2コネクタ20の押し込みを継続する。有効嵌合長領域では、エンドエフェクタ2に作用する荷重は、初期嵌合状態のピーク値よりも小さく、ほとんど変化しない。力覚センサ3は、エンドエフェクタ2に作用する荷重を検出し、検出値をコントローラ30へ出力する。
コントローラ30は、ステップS12により、力覚センサ3による荷重の検出値が予め設定された第4閾値N4を超えたか否かを判定する。「第4閾値N4」は、第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合が完了した状態であって、ワーク6,8の第1辺61,81同士および/またはコネクタ10,20の開口縁部同士が接触しているときの荷重に設定されている。図9(F)では、力覚センサ3の検出値が第4閾値N4となるときの第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置を「相対位置P4」とする。相対位置P4は固定値ではなく、力覚センサ3の検出値に応じて変化する可変値である。すなわち、ステップS12では、コントローラ30は、コネクタ10,20の嵌合の状態が嵌合完了状態となっているか否かを判定する。
力覚センサ3の検出値が第4閾値N4より小さい場合(S12にてNO)、コントローラ30は、ステップS13に進み、力覚センサ3の検出値が許容範囲から外れているか否かを判定する。許容範囲は、コネクタ10,20が正常に嵌合されたときの力覚センサ3の検出値のプロファイルに基づいて設定することができる。力覚センサ3の検出値が許容範囲から外れている場合(S13にてYES)、コントローラ30は、ステップS16により、コネクタ10,20の嵌合が不良であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。
一方、ステップS13において力覚センサ3の検出値が許容範囲から外れていない場合(S13にてNO)、コントローラ30は、ステップS11に戻り、第2コネクタ20の押し込みを継続する。力覚センサ3の検出値が第4閾値N4よりも大きくなると(S12にてYES)、コントローラ30は、ステップS14により、コネクタ10,20の嵌合が正常であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。続いてコントローラ30は、ステップS15により、エンドエフェクタ2を嵌合方向A1と反対方向に移動させることにより、第2コネクタ20からエンドエフェクタ2を退避させる。
これに対して、ステップS10に戻って、相対位置P3における力覚センサ3の検出値N3が第2閾値N2より大きい場合(S10にてNO)、コントローラ30は、コネクタ10,20の嵌合の状態が初期嵌合状態から有効嵌合長領域に移行していないと判定する。この場合、コントローラ30は、ステップS16により、コネクタ10,20の嵌合が不良であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。
以上説明したように、コントローラ30は、コネクタ嵌合処理の実行中、力覚センサ3による荷重の検出値と予め設定された複数の閾値N2,N3,N4とを比較した結果に基づいて、コネクタ10,20の嵌合の状態を判定する。そしてコントローラ30は、判定された嵌合の状態に基づいて、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定する。
図12は、図8に示したコネクタ嵌合処理の実行中に力覚センサ3により検出される荷重のプロファイルの第1例を示す図である。プロファイルの縦軸は力覚センサ3の検出値を示し、横軸は第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置を示す。図12に例示する力覚センサ3の検出値のプロファイルは、コネクタ10,20が正常に嵌合されたときに取得されたものであり、図8のステップS06,S09,S11にて第2コネクタ20を押し込んだときにエンドエフェクタ2に作用する荷重のプロファイルを示している。
図12に示すように、コネクタ10,20の嵌合が正常である場合には、初期嵌合状態のときの力覚センサ3の検出値は単調に増加し、その終盤にてピークが発生する。そして、コネクタ10,20の嵌合の状態が有効嵌合長領域に移行すると、力覚センサ3の検出値は、初期嵌合状態に比べて小さい値となり、ほとんど変化することがない。さらにコネクタ10,20の嵌合の状態が嵌合完了状態になると、力覚センサ3の検出値は再び増加し始める。
図13は、図8に示したコネクタ嵌合処理の実行中に力覚センサ3により検出される荷重のプロファイルの第2例を示す図である。プロファイルの縦軸は力覚センサ3の検出値を示し、横軸は第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置を示す。図13に例示する力覚センサ3の検出値のプロファイルは、コネクタ10,20の嵌合が不良であるときに取得されたものであり、図8のステップS06,S09にて第2コネクタ20を押し込んだときにエンドエフェクタ2に作用する荷重のプロファイルを示している。
図12に示すプロファイルと図13に示すプロファイルとを比較すると、コネクタ10,20の嵌合が不良であるときには、コネクタ10,20の嵌合が正常であるときとは全く異なるプロファイルを示していることが分かる。詳細には、図13の例では、初期嵌合状態において力覚センサ3の検出値は増加し続けており、ピークが発生していない。またピーク発生後に、力覚センサ3の検出値がピーク値よりも小さい値でほとんど変化しないという特徴が見られない。なお、図13のプロファイルは、コネクタ10,20が適切に嵌合されず、第2コネクタ20が第1コネクタ10または第1コネクタ10とは別の部品と衝突している場合に取得され得る。
実施の形態1では、コネクタ10,20の嵌合が正常であるときの力覚センサ3の検出値のプロファイル(図12参照)の特徴に対応させて、図8のステップS07における第2閾値N2およびステップS12における第4閾値N4を設定するとともに、ステップS09における距離D1を設定する。
具体的には、第2閾値N2は、初期嵌合状態において単調増加しているときにエンドエフェクタ2に作用する荷重に対応するように設定される。距離D1は、初期嵌合状態に現れる荷重のピークの幅よりも大きい値に設定される。これによると、エンドエフェクタ2に作用する荷重が第2閾値N2となるときの第2コネクタ20の相対位置P2から距離D1だけ第2コネクタ20を移動させたときの相対位置P3における荷重N3は、第2閾値N2に比べて小さくなる。したがって、図8のステップS10では、相対位置P3における力覚センサ3の検出値N3が第2閾値N2よりも小さいときには、コネクタ10,20の嵌合の状態が初期嵌合状態のピークを越えて有効嵌合長領域に移行したと判断することができる。
また第4閾値N4は、嵌合完了状態において単調増加しているときにエンドエフェクタ2に作用する荷重に対応するように設定される。これによると、図8のステップS12では、力覚センサ3の検出値が第4閾値N4より大きいときには、コネクタ10,20の嵌合が完了したと判断することができる。
このようにコネクタ10,20の嵌合が正常であるときの力覚センサ3の検出値のプロファイル(図12参照)の特徴に対応させて複数の閾値を設定することにより、コントローラ30は、嵌合動作中に取得される力覚センサ3の検出値のプロファイルと複数の閾値とを比較することにより、エンドエフェクタ2に作用する荷重が正常時と同様の変化を示しているかどうかを判定することができる。これにより、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定することが可能となる。
以上説明したように、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置は、エンドエフェクタを嵌合方向に移動してフローティングコネクタである第2コネクタを押圧することにより、第2コネクタを押し込む構成において、エンドエフェクタを二段階に分けて嵌合方向に移動させるとともに、一段目の移動と二段目の移動との間にエンドエフェクタを嵌合方向とは反対方向に移動させる。エンドエフェクタを嵌合方法とは反対方向に移動させ、第2コネクタを押圧力から解放することによって、第2コネクタの可動部に作用する付勢力を利用して第1コネクタに対する第2コネクタの相対位置のずれを修正することができる。その結果、第2コネクタを把持する把持部を有さないロボット装置を用いて、第1コネクタに対する第2コネクタの相対位置に依存せずに、第1コネクタおよび第2コネクタの嵌合動作を行なうことができる。
また、嵌合動作中の力覚センサの検出値のプロファイルに基づいて、エンドエフェクタに作用する荷重が正常時と同様の変化を示しているか否かを判定することにより、第1コネクタに対する第2コネクタの相対位置に依存せずに、第1コネクタおよび第2コネクタの嵌合の良否を判定することができる。
なお、上述した実施の形態1では、第1コネクタ10を雌コネクタとし、第2コネクタ20を雄コネクタとする構成について例示したが、第1コネクタ10を雄コネクタとし、第2コネクタ20を雌コネクタとする構成としても上述したコネクタ嵌合処理を実行することができる。また、第2コネクタ20をフローティングコネクタとする構成について例示したが、第1コネクタ10をフローティングコネクタとする構成としても、エンドエフェクタ2を嵌合方向とは反対方向に移動させることにより、第1コネクタ10の可動部に作用する付勢力を利用して第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置のずれを修正することができる。
また、上述した実施の形態1では、嵌合動作中の力覚センサによる荷重の検出値に基づいて、第1コネクタおよび第2コネクタの嵌合の良否を判定する構成としたが、力覚センサの検出値に加えて、エンドエフェクタ2の位置を示す情報に基づいて、嵌合の良否を判定する構成としてもよい。
図14は、実施の形態1の第1変形例に係るコネクタ嵌合処理を説明するためのフローチャートである。図14に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートに対し、ステップS071,S101,S102を追加したものである。なお、ステップS01~S05については図8と同じであるため、図示を省略している。
図14を参照して、第1変更例では、コントローラ30は、力覚センサ3による荷重の検出値が第2閾値N2より大きい場合(S07にてYES)、コネクタ10,20の嵌合の状態が初期嵌合状態であると判定するとともに、ステップS071により、このときのエンドエフェクタ2の位置E2を検出する。エンドエフェクタ2の位置Eは、嵌合方向A1に沿って第1コネクタ10に向かう方向を正方向とする。すなわち、エンドエフェクタ2が第1コネクタ10に近づくに従って、エンドエフェクタ2の位置Eの値が大きくなる。
次に、コントローラ30は、ステップS09により、第2コネクタ20を相対位置P2から距離D1だけ離れた相対位置P3に移動させ、ステップS10により、相対位置P3における力覚センサ3の検出値N3と、第2閾値N2とを比較する。
相対位置P3における力覚センサ3の検出値N3が第2閾値N2より小さい場合(S10にてYES)、コントローラ30は、ステップS101により、このときのエンドエフェクタ2の位置E3を検出する。コントローラ30は、ステップS102により、現在のエンドエフェクタ2の位置E3と、ステップS071にて検出したエンドエフェクタ2の位置E2とを比較する。位置E2は、ステップS09により第2コネクタ20を距離D1だけ移動させる前のエンドエフェクタ2の位置である。
位置E2より位置E3が大きい場合(S102にてYES)、コントローラ30は、エンドエフェクタ2が第1コネクタ10に向かって移動しており、エンドエフェクタ2による第2コネクタ20の押し込みが嵌合方向A1に沿って正常に行なわれていると判定する。この場合、コントローラ30は、ステップS11に進み、エンドエフェクタ2をさらに嵌合方向A1に向けて移動させて、第2コネクタ20の押し込みを継続する。
一方、ステップS102にて位置E2より位置E3が小さい場合(S102にてNO)、コントローラ30は、エンドエフェクタ2が第1コネクタ10に向かって正常に移動していないと判定する。この場合、コントローラ30は、ステップS16により、コネクタ10,20の嵌合が不良であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。
図15は、実施の形態1の第2変更例に係るコネクタ嵌合処理を説明するためのフローチャートである。図15に示すフローチャートは、図14に示すフローチャートに対し、ステップS103を追加したものである。なお、図14と同様、ステップS01~S05については図8と同じであるため、図示を省略している。
図15を参照して、第2変更例では、ステップS102にて、位置E2より位置E3が大きいことにより(S102にてYES)、エンドエフェクタ2による第2コネクタ20の押し込みが嵌合方向A1に沿って正常に行なわれていると判定されると、コントローラ30は、さらにステップS103により、エンドエフェクタ2の位置E3は予め設定された許容範囲内に入っているか否かを判定する。ステップS103における許容範囲は、コネクタ10,20の嵌合の状態が有効嵌合長領域となるときのエンドエフェクタ2の位置Eに基づいて設定することができる。
エンドエフェクタ2の位置E3が許容範囲内に入っている場合(S103にてYES)、コントローラ30は、エンドエフェクタ2による第2コネクタ20の押し込みが正常に行なわれていると判定し、ステップS11に進み、エンドエフェクタ2をさらに嵌合方向A1に向けて移動させて、第2コネクタ20の押し込みを継続する。
一方、ステップS103にて位置E3が許容範囲から外れている場合(S103にてNO)、コントローラ30は、エンドエフェクタ2による第2コネクタ20の押し込みが正常に行なわれていないと判定する。この場合、コントローラ30は、ステップS16により、コネクタ10,20の嵌合が不良であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。
第1変更例および第2変更例に係るコネクタ嵌合処理によれば、嵌合動作中のエンドエフェクタ2の位置情報からエンドエフェクタ2による第2コネクタ20の押し込みの方向が正常であるか否かを判定することができる。また第2変更例に係るコネクタ嵌合処理によれば、エンドエフェクタ2による第2コネクタ20の押し込みの量が正常であるか否かを判定することができる。これによると、嵌合方向A1とは異なる方向に第2コネクタ20が押し込まれること、または嵌合方向A1に許容量を超えて第2コネクタ20が押し込まれることによる、コネクタ10,20の破損を未然に防ぐことができる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、コネクタ10,20の嵌合が正常であるときの力覚センサ3の検出値のプロファイルの特徴に対応させて複数の閾値を設定し、嵌合動作中に取得される力覚センサ3の検出値のプロファイルと当該複数の閾値とを比較することにより、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定する構成について説明した。
上述した実施の形態1では、コネクタ10,20の嵌合が正常であるときの力覚センサ3の検出値のプロファイルの特徴に対応させて複数の閾値を設定し、嵌合動作中に取得される力覚センサ3の検出値のプロファイルと当該複数の閾値とを比較することにより、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定する構成について説明した。
実施の形態2では、力覚センサ3の検出値のプロファイルを微分処理して得られる微分値のプロファイルに基づいて、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定する構成について説明する。なお、微分値のプロファイルは、コントローラ30の波形処理部76(図7)により生成することができる。
図16は、コネクタ嵌合処理の実行中における力覚センサ3の検出値の微分値のプロファイルの第1例を示す図である。プロファイルの縦軸は力覚センサ3の検出値の微分値を示し、横軸は第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置を示す。図16に例示する微分値のプロファイルは、コネクタ10,20が正常に嵌合されたときに取得されたものであり、図8のステップS06,S09,S11にて第2コネクタ20を押し込んだときにエンドエフェクタ2に作用する荷重の微分値のプロファイルを示している。
図16に示すように、コネクタ10,20の嵌合が正常である場合には、初期嵌合状態のときの力覚センサ3の検出値のピークに対応して、微分値は極小値を示している。そして、コネクタ10,20の嵌合の状態が有効嵌合長領域に移行すると、微分値は0近傍の値となり、ほとんど変化することがない。さらにコネクタ10,20の嵌合の状態が嵌合完了状態になると、微分値は再び増加し始める。
図17は、コネクタ嵌合処理の実行中における力覚センサ3の検出値の微分値のプロファイルの第2例を示す図である。プロファイルの縦軸は力覚センサ3の検出値の微分値を示し、横軸は第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置を示す。図17に例示する微分値のプロファイルは、コネクタ10,20の嵌合が不良であるときに取得されたものであり、図8のステップS06,S09にて第2コネクタ20を押し込んだときにエンドエフェクタ2に作用する荷重の微分値のプロファイルを示している。
図16に示すプロファイルと図17に示すプロファイルとを比較すると、コネクタ10,20の嵌合が不良であるときには、コネクタ10,20の嵌合が正常であるときとは全く異なるプロファイルを示していることが分かる。詳細には、図17の例では、初期嵌合状態において微分値は極小値を示していない。また、極小値を示した後に、微分値が再び増加するという特徴が見られない。
本実施の形態2では、コネクタ10,20の嵌合が正常であるときの力覚センサ3の検出値の微分値のプロファイル(図16参照)の特徴に対応させて複数の閾値を設定する。具体的には、第2閾値D2は、初期嵌合状態において単調増加しているときにエンドエフェクタ2に作用する荷重の微分値に対応するように設定される。なお、実施の形態1と同様に、距離D1は、初期嵌合状態に現れる荷重のピークの幅よりも大きい値に設定される。これによると、エンドエフェクタ2に作用する荷重の微分値が第2閾値D2となるときの第2コネクタ20の相対位置P2から距離D1だけ第2コネクタ20を移動させたときの相対位置P3までの微分値のプロファイルには極小値が現れる。したがって、相対位置P2から距離D1だけ第2コネクタ20を移動させたときの微分値のプロファイルに極小値が現れたときには、コネクタ10,20の嵌合の状態が初期嵌合状態のピークを越えて有効嵌合長領域に移行したと判断することができる。
また第4閾値D4は、嵌合完了状態において単調増加しているときにエンドエフェクタ2に作用する荷重の微分値に対応するように設定される。これによると、力覚センサ3の検出値の微分値が第4閾値D4より大きいときには、コネクタ10,20の嵌合が完了したと判断することができる。
このようにコネクタ10,20の嵌合が正常であるときの力覚センサ3の検出値の微分値のプロファイル(図16参照)の特徴に対応させて複数の閾値を設定することにより、コントローラ30は、嵌合動作中に取得される力覚センサ3の検出値の微分値のプロファイルと複数の閾値とを比較することにより、エンドエフェクタ2に作用する荷重の微分値が正常時と同様の変化を示しているかどうかを判定することができる。これにより、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定することが可能となる。
図18は、実施の形態2に係るコネクタ嵌合処理を説明するためのフローチャートである。図18に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートにおけるステップS07,S10,S12をそれぞれ、ステップS07A,S10A,S12Aに置き換えたものである。
図18を参照して、実施の形態2に係るコネクタ嵌合処理は、実施の形態1に係るコネクタ嵌合処理と同様に、エンドエフェクタ2を二段階に分けて嵌合方向A1に移動させるとともに、一段目の移動と二段目の移動との間にエンドエフェクタ2を嵌合方向A1とは反対方向に移動させて第1コネクタ10に対する第2コネクタ20の相対位置のずれを修正するように構成される。具体的には、コントローラ30は、図8と同じステップS01~S06の処理を実行することにより、一段目の移動と相対位置のずれの修正とを行なう。
実施の形態2では、コントローラ30は、二段目の移動における力覚センサ3の検出値の微分値のプロファイルに基づいて、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定する。具体的には、コントローラ30は、ステップS06に進み、再び第2コネクタ20の押し込みを行なう。力覚センサ3は、エンドエフェクタ2に作用する荷重を検出し、検出値をコントローラ30へ出力する。
コントローラ30は、ステップS07Aにより、力覚センサ3による荷重の検出値の微分値が予め設定された第2閾値D2を超えたか否かを判定する。第2閾値D2は、第1コネクタ10と第2コネクタ20との初期嵌合において単調増加する荷重の微分値に設定されている。すなわち、コントローラ30は、コネクタ10,コネクタ20の嵌合の状態が初期嵌合状態となっているか否かを判定する。
力覚センサ3の検出値の微分値が第2閾値D2より小さい場合(S07AにてNO)、コントローラ30は、ステップS08に進み、微分値が許容範囲から外れているか否かを判定する。許容範囲は、コネクタ10,20が正常に嵌合されたときの力覚センサ3の検出値の微分値のプロファイルに基づいて設定することができる。
微分値が許容範囲から外れている場合(S08にてYES)、コントローラ30は、ステップS16により、コネクタ10,20の嵌合が不良であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。一方、微分値が許容範囲から外れていない場合(S08にてNO)、コントローラ30は、ステップS06に戻り、第2コネクタ20の押し込みを継続する。
微分値が第2閾値D2より大きくなると(S07AにてYES)、コントローラ30は、コネクタ10,20の嵌合の状態が初期嵌合状態であると判定する。コントローラ30は、ステップS09に進み、第2コネクタ20が嵌合方向A1に沿って予め設定されている距離D1だけ移動するように、エンドエフェクタ2を動作させる。
第2コネクタ20を相対位置P2から距離D1だけ離れた相対位置P3まで移動させると、コントローラ30は、ステップS10Aにより、相対位置P2から相対位置P3までの微分値のプロファイルに極小値が現れたか否かを判定する。
微分値のプロファイルに極小値が現れた場合(S10AにてYES)、コントローラ30は、コネクタ10,20の嵌合の状態が初期嵌合状態から有効嵌合長領域に移行したと判定する。この場合、コントローラ30は、ステップS11により、エンドエフェクタ2の移動により第2コネクタ20の押し込みを継続する。有効嵌合長領域では、エンドエフェクタ2に作用する荷重は、初期嵌合状態のピーク値よりも小さく、ほとんど変化しない。力覚センサ3は、エンドエフェクタ2に作用する荷重を検出し、検出値をコントローラ30へ出力する。
コントローラ30は、ステップS12Aにより、力覚センサ3による荷重の検出値の微分値が予め設定された第4閾値D4を超えたか否かを判定する。微分値が第4閾値D4より小さい場合(S12AにてNO)、コントローラ30は、ステップS13に進み、微分値が許容範囲から外れているか否かを判定する。許容範囲は、コネクタ10,20が正常に嵌合されたときの力覚センサ3の検出値のプロファイルに基づいて設定することができる。微分値が許容範囲から外れている場合(S13にてYES)、コントローラ30は、ステップS16により、コネクタ10,20の嵌合が不良であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。
一方、ステップS13において微分値が許容範囲から外れていない場合(S13にてNO)、コントローラ30は、ステップS11に戻り、第2コネクタ20の押し込みを継続する。微分値が第4閾値D4よりも大きくなると(S12AにてYES)、コントローラ30は、ステップS14により、コネクタ10,20の嵌合が正常であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。続いてコントローラ30は、ステップS15により、エンドエフェクタ2を嵌合方向A1と反対方向に移動させることにより、第2コネクタ20からエンドエフェクタ2を退避させる。
これに対して、ステップS10Aに戻って、相対位置P2から相対位置P3までの微分値のプロファイルに極小値が現れていない場合には(S10AにてNO)、コントローラ30は、コネクタ10,20の嵌合の状態が初期嵌合状態から有効嵌合長領域に移行していないと判定する。この場合、コントローラ30は、ステップS16により、コネクタ10,20の嵌合が不良であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。
以上説明したように、実施の形態2に係るコネクタ嵌合装置によれば、嵌合動作中の力覚センサの検出値の微分値のプロファイルが正常時と同様の変化を示しているか否かを判定することにより、実施の形態1と同様に、第1コネクタに対する第2コネクタの相対位置に依存せずに、第1コネクタおよび第2コネクタの嵌合の良否を判定することができる。
すなわち、力覚センサの検出値の微分値は、力覚センサの検出値のプロファイルの特徴を表現するパラメータであるため、正常時の微分値のプロファイル(図16)の特徴に対応させて複数の閾値を設定することにより、実施の形態2においても実施の形態1と同様に、嵌合動作中にエンドエフェクタに作用する荷重が正常時と同様の変化を示しているか否かを判定することができる。
さらに実施の形態2に係るコネクタ嵌合装置によると、コネクタ10,20の嵌合が正常であるときの力覚センサの検出値の大きさにばらつきが生じる場合においても、検出値のプロファイルの変化を表す微分値のプロファイルは普遍的であることから、検出値のばらつきに影響されることなく、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定することができる。
なお、実施の形態2では、力覚センサの検出値のプロファイルの特徴を表現するパラメータとして、力覚センサの検出値の微分値を用いる構成について説明したが、微分値以外のパラメータを用いることによっても、当該パラメータのプロファイルに基づいてコネクタ10,20の嵌合の良否を判定することができる。また、実施の形態2では、複数の閾値を絶対値とする構成としたが、複数の閾値を相対値としてもよい。
実施の形態3.
実施の形態1および2では、力覚センサ3の検出値または検出値の微分値に基づいてコネクタ10,20の嵌合の良否を判定する構成について説明したが、力覚センサ3の検出値および検出値の微分値の組み合わせに基づいて、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定する構成としてもよい。もしくは、力覚センサ3の検出値およびその微分値と、他の波形処理に基づく値との組み合わせに基づいて、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定する構成としてもよい。
実施の形態1および2では、力覚センサ3の検出値または検出値の微分値に基づいてコネクタ10,20の嵌合の良否を判定する構成について説明したが、力覚センサ3の検出値および検出値の微分値の組み合わせに基づいて、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定する構成としてもよい。もしくは、力覚センサ3の検出値およびその微分値と、他の波形処理に基づく値との組み合わせに基づいて、コネクタ10,20の嵌合の良否を判定する構成としてもよい。
このような構成とすることにより、実施の形態1および2による効果に加えて、力覚センサ3の検出値にばらつきがある場合、または検出値にノイズが重畳している場合においても、コネクタ10,20の嵌合の良否を安定して判定することができる。
実施の形態4.
実施の形態1では、図8のステップS07,S12においてコネクタ10,20の嵌合の状態を判定するための閾値N2,N4を予め設定された固定値とする構成について説明したが、これらの閾値を直前のステップまでに取得された力覚センサ3の検出値を用いた変動値とする構成としてもよい。
実施の形態1では、図8のステップS07,S12においてコネクタ10,20の嵌合の状態を判定するための閾値N2,N4を予め設定された固定値とする構成について説明したが、これらの閾値を直前のステップまでに取得された力覚センサ3の検出値を用いた変動値とする構成としてもよい。
例えば、図8のステップS10において、相対位置P3における荷重N3が、直前に得られた力覚センサ3の検出値のピーク値の50%以下となっているか否かを判定する構成としてもよい。または、図8のステップS12における第4閾値N4を、直前の有効嵌合長領域における力覚センサ3の検出値の平均値を数倍(例えば2倍)した値に設定する構成としてもよい。
あるいは、図8のステップS10およびS12における閾値を、直前のステップまでに得られた力覚センサ3の検出値のプロファイルの特定の領域または特定の相対位置における検出値との割合に基づいて設定してもよいし、当該検出値に対する増減に基づいて設定してもよい。
このような構成とすることにより、力覚センサ3の検出値にばらつきがある場合においても、コネクタ10,20の嵌合の良否を安定して判定することができる。
実施の形態5.
実施の形態1では、コネクタ10,20の嵌合作業にロボット装置1を用いる構成について説明したが、ロボット装置1に代えて、サーボモータを備えた1軸のアクチュエータを用いてもよい。この場合、コントローラ30は、サーボモータによるトルク値を実施の形態1における力覚センサ3の検出値と同義と捉え、図8のフローチャートと同様のフローチャートを実行する。これによると、実施の形態1による効果に加えて、コネクタ嵌合装置をより安価に構成することが可能となる。
実施の形態1では、コネクタ10,20の嵌合作業にロボット装置1を用いる構成について説明したが、ロボット装置1に代えて、サーボモータを備えた1軸のアクチュエータを用いてもよい。この場合、コントローラ30は、サーボモータによるトルク値を実施の形態1における力覚センサ3の検出値と同義と捉え、図8のフローチャートと同様のフローチャートを実行する。これによると、実施の形態1による効果に加えて、コネクタ嵌合装置をより安価に構成することが可能となる。
実施の形態6.
実施の形態1では、コネクタ10,20の嵌合作業において、力覚センサ3の検出値を用いる判定によって嵌合完了を判定する構成について説明した。
実施の形態1では、コネクタ10,20の嵌合作業において、力覚センサ3の検出値を用いる判定によって嵌合完了を判定する構成について説明した。
実施の形態6では、実施の形態1に係るコネクタ嵌合装置100に画像センサを追加する構成を採用し、当該画像センサによる嵌合量検出値を用いて、コネクタ10,20の嵌合完了を判定する構成について説明する。
図19は、実施の形態6に係るコネクタ嵌合装置101を示す斜視図である。図19に示すように、実施の形態6に係るコネクタ嵌合装置101は、図1に示したコネクタ嵌合装置100に画像センサ9を追加したものである。画像センサ9は、コネクタ10,20の嵌合完了位置の直上に配置されている。画像センサ9は、コネクタ10,20を撮像し、撮像した画像を示すデータをコントローラ30へ出力する。
図20は、実施の形態6に係るコネクタ嵌合処理を説明するためのフローチャートである。図20に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートにおけるステップS11~S13を、ステップS61~S64に置き換えたものである。
図20を参照して、図8と同じステップS09により、第2コネクタ20を相対位置P2から距離D1だけ離れた相対位置P3まで移動させると、ステップS10により、相対位置P3における力覚センサ3の検出値N3と、第2閾値N2(相対位置P2における力覚センサ3の検出値に相当)とを比較する。
相対位置P3における力覚センサ3の検出値が第2閾値N2より小さい場合(S10にてYES)、コントローラ30は、ステップS61により、画像センサ9によりコネクタ10,20を撮像し、撮像画像を示すデータを取得する。ステップS61では、コントローラ30は、取得した撮像画像を用いて、第1コネクタ10および第2コネクタ20の相対距離を測定する。図21は、画像センサ9(図19)による撮像画像を模式的に示す図である。図21において、M1はコネクタ10,20の適正な嵌合位置での相対距離を示し、M2は第1コネクタ10および第2コネクタ20の現在の相対位置を示している。
コントローラ30は、ステップS62により、ステップS61で得られたコネクタ10,20の相対位置M2と、予め設定した適正な相対位置M1との差分M3を算出する。
コントローラ30は、ステップS63により、算出した差分M3が予め設定された許容範囲内であるか否かを判定する。ステップS63における許容範囲は、適正な相対位置M1の許容範囲に基づいて設定することができる。
差分M3が許容範囲内にある場合(S63にてYES)、コントローラ30は、ステップS14により、コネクタ10,20の嵌合が正常であると判定し、判定結果を表示部42に表示する。続いてコントローラ30は、ステップS15により、エンドエフェクタ2を嵌合方向A1と反対方向に移動させることにより、第2コネクタ20からエンドエフェクタ2を退避させる。
これに対して、ステップS63において、差分M3が許容範囲外である場合(S63にてNO)、コントローラ30は、コネクタ10,20の嵌合の状態が初期嵌合状態から有効嵌合長領域に移行していないと判定する。この場合、コントローラ30は、ステップS64に進み、エンドエフェクタ2を嵌合方向に移動させる。ステップS64では、コントローラ30は、コネクタ10,20の相対位置が適正な相対位置となるように、ステップS62で算出した差分M3を移動量とする。エンドエフェクタ2を移動させた後、コントローラ30はステップS61に戻る。
実施の形態6に係るコネクタ嵌合装置によると、コネクタの形状が、適切な嵌合位置においてハウジング同士の衝突が発生しないような形状である場合、または、コネクタの形状が、適切な嵌合位置での反力と有効嵌合領域での反力との間に大きな差が生じないような形状である場合において、適切なコネクタ嵌合量での嵌合動作を可能とする。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的な物ではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ロボット装置、1A 支持台、1B ロボットアーム、2 エンドエフェクタ、3 力覚センサ、5 位置決め機構、6 第1ワーク、8 第2ワーク、9 画像センサ、10 第1コネクタ、20 第2コネクタ、12,22 ハウジング、14 導通端子、24 可動部、26 端子、30 コントローラ、32 プロセッサ、34 メモリ、36 通信I/F、38 入出力I/F、40 操作部、42 表示部、70 制御部、72 動作制御部、74 力覚検出部、76 波形処理部、78 良否判定部、100 コネクタ嵌合装置。
Claims (11)
- 第1コネクタと第2コネクタとを嵌合させるコネクタ嵌合装置であって、
前記第2コネクタは、前記第1コネクタと導通接触する可動部と、前記可動部を収容するハウジングと、前記ハウジングと前記可動部とを連結する端子とを有し、前記端子が有する可撓部の弾性変形により前記可動部が前記ハウジングに対して可動するフローティングコネクタであり、
前記第1コネクタを位置決めする位置決め機構と、
エンドエフェクタと、前記エンドエフェクタを移動させるロボットアームとを有するロボット装置と、
前記エンドエフェクタに作用する荷重を検出する力センサと、
前記力センサの検出値に基づいて、前記ロボットアームの動作を制御するコントローラとを備え、
前記ロボット装置は、前記エンドエフェクタが嵌合方向に移動して前記第2コネクタを押圧することにより、前記第1コネクタに前記第2コネクタを押し込むように構成され、
前記コントローラは、前記エンドエフェクタを二段階に分けて前記嵌合方向に移動させるとともに、一段目の移動と二段目の移動との間に、前記エンドエフェクタによる前記第2コネクタへの押圧力を軽減するように前記エンドエフェクタを前記嵌合方向とは反対方向に移動させる、コネクタ嵌合装置。 - 前記位置決め機構は、前記第2コネクタを有するワークを前記嵌合方向に直交する水平方向に支持するとともに、前記ワークを前記嵌合方向に摺動可能に構成され、
前記位置決め機構の前記水平方向における端部と前記ワークとの間には隙間が形成されている、請求項1に記載のコネクタ嵌合装置。 - 前記コントローラは、前記二段目の移動のときの前記力センサの検出値のプロファイルに基づいて、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合の良否を判定する、請求項1または2に記載のコネクタ嵌合装置。
- 前記コントローラは、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合が正常であるときの前記力センサの検出値のプロファイルの特徴に対応する複数の閾値を設定し、前記二段目の移動のときの前記力センサの検出値のプロファイルと前記複数の閾値とを比較することにより、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合の良否を判定する、請求項3に記載のコネクタ嵌合装置。
- 前記コントローラは、
前記二段目の移動のときの前記力センサの検出値のプロファイルを波形処理する波形処理部と、
前記波形処理部から出力されるプロファイルに基づいて、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合の良否を判定する判定部とを含む、請求項3または4に記載のコネクタ嵌合装置。 - 前記波形処理部は、前記二段目の移動のときの前記力センサの検出値の微分値のプロファイルを生成するように構成され、
前記判定部は、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合が正常であるときの前記力センサの検出値の微分値のプロファイルの特徴に対応する複数の閾値を設定し、前記二段目の移動のときの前記力センサの検出値の微分値のプロファイルと前記複数の閾値とを比較することにより、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合の良否を判定する、請求項5に記載のコネクタ嵌合装置。 - 第1コネクタと第2コネクタとを嵌合させるコネクタ嵌合方法であって、
前記第2コネクタは、前記第1コネクタと導通接触する可動部と、前記可動部を収容するハウジングと、前記ハウジングと前記可動部とを連結する端子とを有し、前記端子が有する可撓部の弾性変形により前記可動部が前記ハウジングに対して可動するフローティングコネクタであり、
前記第1コネクタを位置決めするステップと、
エンドエフェクタと、前記エンドエフェクタを移動させるロボットアームとを有するロボット装置を用いて、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタを相対移動させるステップとを備え、
前記第2コネクタを相対移動させるステップは、前記エンドエフェクタが嵌合方向に移動して前記第2コネクタを押圧することにより、前記第1コネクタに前記第2コネクタを押し込むステップを含み、
前記押し込むステップは、前記エンドエフェクタを二段階に分けて前記嵌合方向に移動させるとともに、一段目の移動と二段目の移動との間に、前記エンドエフェクタによる前記第2コネクタへの押圧力を軽減するように前記エンドエフェクタを前記嵌合方向とは反対方向に移動させる、コネクタ嵌合方法。 - 力センサにより前記エンドエフェクタに作用する荷重を検出するステップと、
前記二段目の移動のときの前記力センサの検出値のプロファイルに基づいて、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合の良否を判定するステップとをさらに備える、請求項7に記載のコネクタ嵌合方法。 - 前記判定するステップは、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合が正常であるときの前記力センサの検出値のプロファイルの特徴に対応する複数の閾値を設定するステップと、
前記二段目の移動のときの前記力センサの検出値のプロファイルと前記複数の閾値とを比較することにより、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合の良否を判定するステップとを含む、請求項8に記載のコネクタ嵌合方法。 - 前記二段目の移動のときの前記力センサの検出値のプロファイルを波形処理するステップをさらに備え、
前記判定するステップは、波形処理された前記力センサの検出値のプロファイルに基づいて、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合の良否を判定するステップを含む、請求項8または9に記載のコネクタ嵌合方法。 - 前記波形処理するステップは、前記二段目の移動のときの前記力センサの検出値の微分値のプロファイルを生成するステップを含み、
前記判定するステップは、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合が正常であるときの前記力センサの検出値の微分値のプロファイルの特徴に対応する複数の閾値を設定するステップと、
前記二段目の移動のときの前記力センサの検出値の微分値のプロファイルと前記複数の閾値とを比較することにより、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの嵌合の良否を判定するステップとを含む、請求項10に記載のコネクタ嵌合方法。
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