JP7186698B2 - ワイヤレス電力送信機、ワイヤレス電力送信システム及びワイヤレス電力送信システム駆動方法 - Google Patents

ワイヤレス電力送信機、ワイヤレス電力送信システム及びワイヤレス電力送信システム駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤレス電力送信機、例えばワイヤレス電力送信システムにおいて利用可能な送信機、及び2つのワイヤレス電力送信システム駆動方法を指す。特に、本発明は、ワイヤレス電力受信機への電力送信を改善するワイヤレス電力送信機に関する。
関連技術
ワイヤレス電力送信機及びワイヤレス電力送信システムは、物理的接続を必要とせずにデバイスに電力を伝送するために使用することができる。例えば、移動通信デバイスのようなハンドヘルドデバイスまたは自動車は、このような送信機および送信システムを介して電力を供給されることができる。
ワイヤレス電力送信システムの本質的な問題は、一般に、電力受信機に対する電力送信機の再現不可能な配置である。例えば、電力送信機が電力受信機を有する自動車に電力を送信するために使用される場合、横方向および水平方向の距離および方向の偏差は、実質的に避けられない。しかし、送信機と受信機との間の距離の偏差は、送信システムのインダクタンスを変化させ、送信システムと受信機システムとの間の磁気結合を変化させ、電流損失を増加させ、効率を低下させる。
特許文献1により誘導電力受信機が知られている。特許文献2により誘導電源システムは公知である。
しかしながら、電流損失を低減し、効率を高め、信頼性を改善するが、追加スペースを必要とせず、容易に実行可能な制御システムを有する電力送信機及び電力送信システムに対する必要性は依然として存在している。さらに、相互運用性をサポートするシステムの必要性、すなわち、複数の異なる環境における異なる電力受信機と異なる電力送信機との協調、および送信機と受信機との間の相対配置の必要性が存在する。
米国特許出願公開第2012/OO25623A1号 国際出願公開第2009/114671A1号
この目的のために、独立請求項1に記載のワイヤレス電力送信機、ワイヤレス電力送信システム、およびワイヤレス電力送信システム駆動方法が提供される。従属請求項は、好ましい実施形態を提供する。
ワイヤレス電力送信機であって、インバータと、インピーダンス回路と、第1送信コイルと第2送信コイルとを有するインダクタンス回路とを含む。さらに、ワイヤレス電力送信機は、スイッチ回路を含む。前記インピーダンス回路と前記インダクタンス回路が共振回路を構成する。前記インバータが前記共振回路にAC電力を供給する。前記スイッチ回路は、前記第1送信コイルおよび/または前記第2送信コイルを前記インピーダンス回路に結合して、前記共振回路の共振周波数を変更し、前記AC電力の周波数を所定範囲内に維持することができる。
ワイヤレス電力送信機のインバータは電源として働く。インバータは、外部回路環境から電力を受け取る。環境から受け取る電力は、従来の周波数、例えば50Hzまたは60Hzで供給される電力とすることができる。満たすべき仕様は、インバータの動作周波数を、81~90kHzの周波数を含み得る一定の周波数範囲に制限することであろう。インバータは、低周波数の電力を、例えばDC電力を、前記周波数範囲の電力に変換するHブリッジ回路を含んでいてもよい。AC電力を発生するHブリッジ回路は、その動作周波数が、前記周波数範囲内の周波数を維持するように変更される要素である。
インダクタンス回路は、さらに別の送信コイルを含むことができる。インダクタンス回路の送信コイルは異なるタイプのものであってもよい。第1送信コイル及び第2送信コイル及び場合によってさらに別の送信コイルの各々は、例えば、単一螺旋型コイルであっても、又は二重螺旋型コイルであってもよい。二重螺旋型コイルは、2つのコイルセグメントが互いに隣り合って配置されたものである。二重螺旋型コイルの2つのコイルセグメントは、電気的に直列に接続され、互いに協働して、望ましくない位置で磁場強度を減少させた好ましい形状を結合磁場に与えることができる。
したがって、前記インダクタンス回路の送信コイルは、単一螺旋型コイルおよび二重螺旋型コイルから選択されることが可能となる。
電力送信機とワイヤレス電力受信機との間の距離の変動、またはワイヤレス電力送信機に対するワイヤレス電力受信機の方向の変動は、電力伝達効率の低下だけでなく、共振回路の共振周波数の変化にもつながることを見出した。送信効率の低下は一般に望ましくないものの、効率が過度に低下しなければ、許容可能であるが、インバータの動作周波数を上記周波数範囲からシフトさせる周波数変動は許容できない。上述のワイヤレス電力送信機は、送信機が少なくとも2つの送信コイルを有し、共振回路の共振周波数を変えることができるので、動作周波数を上記の許容周波数範囲内に維持する能力を有する。スイッチ回路は、第1送信コイルをインピーダンス回路に結合することができ、その結果、第1共振周波数を有する共振回路となる。さらに、スイッチ回路は、第1送信コイルの代わりに第2送信コイルをインピーダンス回路に結合して、第2共振周波数を有する共振回路を提供することができる。 第2共鳴周波数は第1共鳴周波数と異なってもよい。AC電力を2つのコイルに供給するインバータの動作周波数が、動作周波数を許容周波数範囲内に維持できないことが判明した場合、もう一方の送信コイルを使用して、動作周波数を許容周波数範囲にシフトさせることができる。さらに、第1送信コイルと第2送信コイルが異なる幾何学的形状、例えば内径と外径を有する場合、スイッチの位置を変えることにより、送信システムと受信機システムとの間の磁気結合を変えることが可能となる。
従って、本ワイヤレス電力送信機と共に、周波数要求に適合するために共振周波数を変えることができる共振回路が提供され、又は全体的な効率を改善するために結合係数を変えることができる共振回路が提供される。
スイッチ回路は、第1送信コイルのみがインピーダンス回路に電気的に接続される動作モードを提供することができる。さらに、スイッチ回路は、第2送信コイルのみがインピーダンス回路に電気的に接続される動作モードを提供することができる。ワイヤレス電力送信器は、さらに別の送信コイルを含むことができ、各送信コイルに対して、スイッチ回路は、各送信コイルがインピーダンス回路に排他的に接続され、最適な共振周波数および磁気結合係数を有する共振回路を得る動作モードを提供することができる。
しかし、スイッチ回路は、2つ以上の送信コイルをインピーダンス回路に同時に接続するように設けることができる。その後、動作モードの数が大幅に増加する。
インピーダンス回路は、1つ以上の容量性要素および/または1つ以上の誘導性要素から、または容量性および誘導性の回路要素を含むネットワークから選択され得るインピーダンス要素を含む。インピーダンス回路の回路要素は、それらのインピーダンスが、誘導回路のアクティブな送信コイルと共に、適切な共振周波数を有する共振回路を構成(establish)するように選択することができる。
前記スイッチ回路は、前記第1送信コイルを前記第2送信コイルと平行に、または直列に結合することができてもよい。
複数の送信コイルが存在する場合の多数の異なる動作モードは、送信コイルまたは送信コイルグループが、他の送信コイルまたは他の送信コイルグループに並列または直列に電気的に接続され得るという事実によってさらに増大される。
スイッチ回路は、それぞれの他の送信コイルがインピーダンス回路から分離されている間に、1つの送信コイルをインピーダンス回路に結合することができる。例えば、第1送信コイルがインピーダンス回路に電気的に接続されている場合、第2送信コイル(及び、存在する場合、それぞれの他の送信コイル)は、インピーダンス回路から減結合(decouple)される。
インダクタンス回路の複数の送信コイルから選択された1つの送信コイルのみが共振回路の一部である動作モードが好ましいが、その理由は、異なるアクティブな送信コイル間の電磁相互作用が減少するからである。
スイッチ回路が第1スイッチと第2スイッチとを含み、第1送信コイルと第2送信コイルのそれぞれが第1スイッチと第2スイッチとの間に結合されることが可能である。
このようなスイッチ回路は、第1送信コイルの第1電極と、第2送信コイルの第1電極と、インピーダンス回路の1つのポートとに電気的に接続された第1スイッチを有することができる。スイッチ回路は、さらに、第1送信コイルの第2電極と、第2送信コイルの第2電極と、インピーダンス回路の第2ポートとに電気的に接続された第2スイッチを有することができる。第1スイッチは、インピーダンス回路の第1ポートを、第1送信コイルの第1電極または第2送信コイルの第1電極のいずれかに選択的に接続することができる。さらに、第2スイッチは、インピーダンス回路の第2ポートを、第1送信コイルの第2電極または第2送信コイルの第2電極のいずれかに電気的に接続することができる。もちろん、ワイヤレス電力送信機が3つ以上の送信コイルを有する場合、それぞれのスイッチは、1つの共通端子および3つ以上の選択可能な端子を含むことができる。インピーダンス回路の場合、共通端子はポートに接続される。選択可能な端子は、それぞれの送信コイルに接続される。各スイッチは、選択可能な端子のいずれかに共通端子を接続することができる。
さらに、スイッチ回路は、異なる送信コイル間の電気的接続を確立するさらに別のスイッチを含み、2つ以上の送信コイルがアクティブである動作モードを提供することができる。
前記インピーダンス回路は、第1容量性要素と第2容量性要素とを含むことができる。2つの容量性要素は、それぞれ、第1スイッチおよび第2スイッチに結合される。
特に、第1容量性要素は、インピーダンス回路の第1ポートとインバータとの間に電気的に接続可能である。第2容量性要素は、インピーダンス回路の第2ポートとインバータとの間に電気的に接続することができる。次いで、ワイヤレス電力送信機は、第1送信コイルまたは第2送信コイルのいずれかが、2つの容量性要素間に電気的に直列に接続される動作モードを提供することができる。
ワイヤレス電力送信器が3つ以上の送信コイルを含む場合、各送信コイルに対して、スイッチ回路は、それぞれの送信コイルが第1容量性要素と第2容量性要素との間に電気的に直列に接続される1つの動作モードを含むことができる。
従って、ワイヤレス電力送信機は、スイッチ回路に第1スイッチと第2スイッチとを有し、インピーダンス回路に第1コンデンサと第2コンデンサとを有し、一方インダクタンス回路に2つ以上の送信コイルを有することが可能である。スイッチ回路は、第1容量性要素と第2容量性要素との間に第1送信コイルを直列に、または第1容量性要素と第2容量性要素との間に第2送信コイルを直列に、電気的に接続することができる。
送信コイルは、対応するワイヤレス電力受信機に対してアライメントされ配置される必要があるため、送信コイルを統合するためのスペースが制限されるが、その理由は、すべての送信コイルは、受信機に効率的に作用するように同じ位置に配置されるべきだからである。従って、より多くの送信コイルは、膨大な数の異なる動作モードを可能にするが、送信コイルの数は、任意に選択することはできない。本発明者の詳細な分析の結果では、2つの送信コイルのみからなるワイヤレス電力送信器は、受信器から送信器までの距離またはアライメント角度に対して十分大きな偏差が存在する状況において、好ましい周波数範囲への制限を既に可能にする。
前記インピーダンス回路は、前記スイッチ回路とインバータとの間に電気的に接続されてもよい。前記スイッチ回路は、前記インダクタンス回路とインピーダンス回路との間に電気的に接続される。
したがって、スイッチ回路とインピーダンス回路は、送信コイルを含むインダクタンス回路とインバータとの間に電気的に接続される。スイッチ回路を介して、インピーダンス回路の要素及びインダクタンス回路の要素(特に、送信コイル)は、状況に応じて共振周波数を容易にシフトできる共振回路を構成(establish)する。
ワイヤレス電力送信器は、スイッチ回路に電気的に結合されたICチップを有する制御回路を含むことができる。さらに、ワイヤレス電力送信機は、インダクタンス回路に印加される電圧、インダクタンス回路に供給される電流、送信信号と反射信号との間の位相角、およびもちろん動作周波数などの中央電力送信パラメータを監視する回路要素を含むことができる。ワイヤレス電力送信機は、動作周波数を許容周波数範囲に適応的にシフトさせる、監視回路及び制御ループ内のIC回路を有することができる。
第1送信コイルと第2送信コイルとは同心円状に巻かれていてもよい。特に、2つのコイルは、実質的に同じ平面内で同心円状に巻かれていてもよい。送信コイルのコイル巻線の開始または終了は、その送信コイルの開始または終了とは異なる位置にあってもよい。
すでに述べたように、送信コイルを配置するためのスペースは制限され、同心巻線は、従来の電力送信コイルの直径寸法から著しくは逸脱しない幾何学的寸法であり得る。
特に、送信コイルの巻線をインターリーブすることも可能である。
前記第1送信コイルの巻数は前記第2送信コイルの巻数より大きくてもよい。
第1送信コイルの巻線数が、第2送信コイルの巻線数よりも多く、かつ送信コイルと同じ種類のワイヤが使用される場合、第1送信コイルは、通常、より大きなインダクタンスを有する。
異なるインダクタンスを有する異なる送信コイルが好ましいのは、送信コイルが排他的にインピーダンス回路に結合され、動作モードで排他的に駆動される場合である。動作モードが2つ以上のアクティブな送信コイルで利用される場合、次の大きいインダクタンス値が2倍にされる等しいインダクタンス(単純な制御アルゴリズムを提供する)または複数のインダクタンスが、単純な方法で、誘導率範囲を等しくカバーすることを可能にするインダクタンス値2、2、2、2、....を有する送信コイルとして好ましい。
第1および/または第2送信コイルのワイヤは、リッツワイヤであることが可能である。リッツワイヤでは、互いに個別に絶縁された複数の絶縁されたワイヤストランドを組み合わせて、スキン効果によって生じる損失を低減する。
ワイヤレス電力送信機は、フェライト材料を備えたシートをさらに備えることが可能である。このフェライトシートは、第1送信コイルと第2送信コイルとを含むコイル層の下に配置されてもよい。
このフェライトシートは、送信機によって放出される磁場の形状を形成するために使用され得る。高い送信効率を得るために、磁場は、ワイヤレス電力送信機の下または上方に配置され得る受信機に向けられるべきである。受信機が送信機より上に配置される場合、送信機より下の方向に放射される磁場の量が最小になることが好ましい。従って、フェライトシートは、受信機から離れすぎる位置での磁場分布を防止することにより、送信機の効率を高めるのに役立つ。
さらに、ワイヤレス電力送信機は、誘電体材料を含む誘電体シートを有してもよい。誘電体シートは、存在する場合、コイル層とフェライトシートとの間に配置することができる。
誘電体シートは、送信コイルをフェライトシートの材料から絶縁する。
フェライトシートは、フェライトバーを含んでもよく、またはフェライトバーから成ってもよい。
インダクタンス回路は、金属を含む金属シートを有してもよい。金属シートは、フェライトシートの下に配置されてもよい。
金属シートはアルミニウムを含んでいてもよい。
さらに、ワイヤレス電力送信機は、誘電体材料を含む追加的な誘電体シートを有してもよい。追加の誘電体シートは、フェライトシートと金属シートとの間に配置されてもよい。
ワイヤレス電力送信システムは、上述のように、ワイヤレス電力送信器を備える。さらに、送信システムは、受信コイルを有するワイヤレス電力受信機を備える。受信コイルは、インダクタンス回路の受信コイルと送信コイルが互いに対して完全に配置されていない場合でも、電力を受け取ることができる。
もちろん、ワイヤレス電力受信機は、受信機コイルによって受信された電力エネルギーを整流し、バッテリを充電するために利用できるDC電力を供給する整流器を含むこともできる。
送信機のインダクタンス回路の送信コイルと電力受信機の受信コイルは、単一螺旋コイルと二重螺旋型コイルから選択することができる。次に、送信機と受信機が単一螺旋コイルおよび/または二重螺旋型コイルで動作できるため、相互運用性が改善される。
このような電力送信機、受信機および送信システムは、電力レベルの電力を移動通信システムまたは自動車に充電するため、またはその間の電力レベルの電力を送信するために使用することができる。したがって、電力レベルは、1Wから10kWの範囲であり得る。
相互運用性が向上しているため、送信機と受信機は同一の製造者または同一の製造日のものである必要はない。スイッチ可能コイルは、送信機側および受信機側とすることができる。その結果、柔軟性が増大するため、古い受信機でもより新しい送信機から電力を供給され得るし、その逆も可能である。
ワイヤレス電力受信機はまた、フェライトシート、金属シート、および第1および/または第2誘電体シートを含むことができる。ワイヤレス電力送信機のフェライトシートは、長方形の形状で、長さ600mm、幅500mmを有することが可能である。レシーバのフェライトシートは、長方形の形状で、長さ300mmおよび幅290mmを有することもできる。
第1送信コイルは、15巻きを有することができる。第2送信コイルは、14巻きを有することができる。第1送信コイルのインダクタンスは、180~190μHの範囲であり得る。第2送信コイルのインダクタンスは、150μH~156μHの範囲であり得る。上述のワイヤレス電力送信システムは、150mmを超える送信コイルと受信コイルとの間の距離で90%の電力効率で、許容周波数範囲、例えばSAE周波数範囲で動作させることができる。
ワイヤレス電力送信システムを駆動する方法は、
複数の送信コイルから1つの送信コイルを選択するステップと、
選択された送信コイルをインピーダンス回路に結合するステップと、
第1電力量を送信するステップと、
電圧、電流、位相角、共振周波数から選択される少なくとも1つの送信パラメータを決定するステップと、
選択された送信コイルを前記インピーダンス回路から減結合するステップと、
前記第1送信コイルと前記第1送信コイルに結合した第2送信コイルとを、前記インピーダンス回路に直列に結合するステップと、
第2電力量を送信するステップと、
電圧、電流、位相角、共振周波数から選択される少なくとも1つの送信パラメータを決定するステップと、
伝送された電力、送信効率、および動作周波数のうちから選択される良好な送信パラメータを有する送信コイルを利用して、前記第1電力量および前記第2電力量より大きい電力量を送信するステップとを含む。
例えば、動作周波数を監視するために電流が選択されている場合、電流に基づいて制御される。
基本動作原理および概略等価回路図ならびに非限定的な実施形態を添付図面に示す。
具体的に、
インバータ、インピーダンス回路、スイッチ回路およびインダクタンス回路の考えられる構成を示す。 ワイヤレス電力送信システムの基本回路要素の等価回路ブロックを示す。 2つの送信コイル、2つのスイッチおよび2つのインピーダンス要素を有する一実施形態の等価回路図を示す。 送信機のコイル及びシートを含む層の可能な構成を示す。 受信機のコイル及びシートを含む層の可能な構成を示す。 ワイヤレス電力伝送システムにおける不整合の本質的な問題を示す。 送信機が追加的誘電体層を有する別の不整合システムを示す。 周波数要求に応じた可能な周波数シフトを示す。 二重螺旋型コイルのセグメントの可能な構成を示す。
図1は、インバータINV、インピーダンス回路Z、スイッチ回路SWC、インダクタンス回路INCを含むワイヤレス電力送信機WPTの基本構成を示している。インバータINVは、外部回路環境から電力を受け取り、受信機に送電される電力を供給する。インバータINVは、約85kHzの動作周波数で電力を供給する。電力はインピーダンス回路Zに送信される。スイッチ回路SWCはインダクタンス回路INCをインピーダンス回路Zに電気的に接続する。インダクタンス回路INCは第1送信コイルTC1及び第2送信コイルTC2を含む。インダクタンス回路は、図1に示されていないさらに別の送信コイルを含んでいてもよい。送信コイルは同心円状に巻くことができる。インダクタンスINC回路の送信コイルおよびインピーダンス回路Zの回路要素は、インバータINVからAC電力が供給される共振回路を構成(establish)する。インバータINVは、AC電源の動作周波数を制御する。インダクタンス回路INCは少なくとも2つの送信コイルを有し、スイッチ回路SWCはインピーダンス回路Zをインダクタンス回路INCの異なるインダクタンスに接続するためのスイッチングが可能なので、共振回路の共振周波数を操作することができる。インバータINVは、共振回路の共振周波数の変化に応じて動作周波数を操作するが、インバータINVは、変化が大きすぎると許容周波数範囲内で動作周波数を操作することができない。従って、スイッチ回路SWCは、送信機の環境からの影響を減少させるために、送信コイルを変更する。その結果、動作周波数は周波数需要に応じたものになる。
図2は、ワイヤレス電力送信システムWPTSの基本回路要素を示す。このシステムは、ワイヤレス電力送信機WPTおよびワイヤレス電力受信機WPRを有する。トランシーバWPTのインダクタンス回路INCの送信コイルは、磁場Mを発生し、この磁場Mは受信コイルを含むインダクタンス回路INCによって受信される。受信された電力は、整流器RECTによって直流電力に変換することができる。直流電力は、バッテリを充電するために利用できる。
図3は、インダクタンス回路INCが2つの送信コイルTC1、TC2を含む可能な実施形態を示す。各送信コイルは、第1電極と第2電極とを有する。送信コイルは、同心円状に巻かれ、基本的に同一平面内に配置され、垂直寸法が小さい部品となっている。スイッチ回路SWCは、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2を含む。インピーダンス回路Zは、第1容量性要素CE1及び第2容量性要素CE2を有する。2つの容量性要素は、インバータINVに結合され、約85KHzの周波数でAC電力を受け取る。スイッチ回路SWCは2つのモードを可能にする。第1動作モードでは、第1スイッチは、第1容量性要素CE1を第1送信コイルTC1の第1電極に電気的に接続する。同時に、第2スイッチSW2は、第2容量性要素CE2を第1送信コイルTC1の第2電極に電気的に接続する。AC電力は、第1送信コイルTC1をアンテナとして使用して磁場エネルギーに変換される。この動作モードは、図3においてアクティブである。同時に、第2スイッチSW2は、第2容量性要素CE2を第2送信コイルTC2の第2電極に電気的に接続する。従って、2つの動作モードは、使用される送信コイルが異なる。2つの送信コイルTC1、TC2は、異なる巻数と異なるインダクタンスを有する。2つの送信コイルTC1とTC2の一方を選択するオプションを有することにより、高いレベルの送信効率を得ることができるが、変化する外部環境は、共振回路の共振周波数に影響を及ぼすが、許容される周波数範囲は残らない。
図4は、コイル層CL、フェライト層FL、および金属層MLを備える送信コイル上の上面図(図4の上部)と、同じ層が積み重なって配置されている送信コイルを通る断面(図4の下部)とを示す。コイル層CLは、同心円状に巻かれてもよい少なくとも2つの送信コイルを含む。フェライト層FLは、コイル層CLと金属層MLとの間に構成され、ワイヤレス電力受信機が期待されない位置には少量の磁場のみが配置されるように磁場の密度を形成する。
図5は、コイル層CL、フェライト層FLおよび金属層MLを含む受信機コイルの対応する構成を示す。フェライト層FLは、コイル層CLと金属層MLとの間に構成される。コイル層CLは、送信効率を向上させるために、送信機のコイル層の上に構成される。受信機コイルのフェライト層FLは、ワイヤレス電力受信機のコイル層CLを通る磁場とその束を主に制限することにより、送信効率を改善する。
図6は、ワイヤレス電力伝送の基本的な固有問題、すなわち、送信機(下部)に対する受信機(上部)の方向がずれている可能性を示す。このようにアライメントが不完全だと、動作周波数の強い周波数シフトが生じる。しかしながら、スイッチング能力と異なる動作モードの現実性により、許容周波数範囲における高い電力送信効率は、完全なアライメントからかなり強く逸脱していても維持することができる。
図7は、電力送信機のアンテナモジュールが、コイル層CLとフェライト層FLとの間に配置されたさらに別の誘電体層DLを有する他の位置合わせ不良のシステムを示す。追加の誘電体層(図7には図示せず)は、フェライト層FLと金属層MLとの間に構成することができる。
図8は、上記のワイヤレス電力送信機の有効性を示す。矢印は許容周波数範囲(81kHz~90kHz)の限界を示す。グラウンドクリアランスGC(すなわち、送信機と受信機との間の距離)は、100mmから200mmの間の幾つかのミスアライメントされた構成に対して変化する。Y方向のオフセットは、0または100mmに選択される。X方向のオフセットは、75または0mmに選択される。図の下部に隣接して配置された6つの図示したジオメトリのそれぞれについて示す。動作周波数は、所定の電力が送信されるように操作する。例えば、グラウンドクリアランスが100mmで、受信機と送信機が水平にアライメントされている場合、第1動作モードでは1動作周波数が約89.5kHzであり、第2動作モードでは他の動作周波数が97.5kHzとなる。次に、第1動作モードを選択することができ、結果として得られる動作周波数は許容周波数範囲内にある。
グラウンドクリアランスが200mmであり、Y方向のオフセットが100mmであり、X方向のオフセットが75mm(最後のコイル)の場合、第1動作モードの動作周波数は許容範囲を下回る。ただし、第2動作モードの動作周波数は許容範囲内にある。送信機に対する受信機の提示されたアライメントのそれぞれについて、2つの送信コイルのみが排他的に利用されるが、許容される周波数範囲に準拠する動作モードを見出すことができる。
図9は、二重螺旋型コイルの要素の可能な構成を示す。二重螺旋型コイルは、送信コイルTCのための可能なコイルタイプである。二重螺旋型コイルタイプの送信コイルTCは、第1コイルセグメントTCAおよび第2コイルセグメントTCBを有する。2つのコイルセグメントTCAおよびTCBは、好ましくは直列に電気的に接続される。対照的に、図3に示した2つの送信コイルTC1、TC2は、単一螺旋型のコイルである。
ワイヤレス電力送信機、ワイヤレス送信システム及びかかるシステムの駆動方法は、上述し図示したデバイス及び回路に限定されない。例えばインダクタンス回路内のさらに別のインダクタンスまたはキャパシタンス要素、さらに別の送信コイル、動作周波数を適応的に制御するさらに別のスイッチまたは追加的構成要素などの回路要素を含む送信器およびシステムも含まれる。これに応じて、例えば、さらに別の送信コイルをテストするさらに別のステップを含む、かかるシステムの駆動方法もまた含まれる。
CE1: 第1容量性要素
CE2: 第2容量性要素
CL: コイル層
DL: 誘電体層
FL: フェライト層
GC: グラウンドクリアランス/送信機と受信機間の距離
INC: インダクタンス回路
INV: インバータ
M: 磁場
ML: 金属層
RECT: 整流器
SW1: 第1スイッチ
SW2: 第2スイッチ
SWC: スイッチ回路
TC: 送信コイル
TC1: 第1送信コイル
TC2: 第2送信コイル
TCA: 二重螺旋型コイルの第1セグメント
TCB: 二重螺旋型コイルの第2セグメント
WPR: ワイヤレス電力受信機
WPT: ワイヤレス電力送信機
WPTS: ワイヤレス電力送信システム
Z: インピーダンス回路

Claims (14)

  1. ワイヤレス電力送信機であって、
    インバータと、
    インピーダンス回路と、
    第1送信コイルと第2送信コイルとを有するインダクタンス回路と、
    スイッチ回路とを有し、
    前記インピーダンス回路と前記インダクタンス回路が共振回路を構成し、
    前記インバータが前記共振回路にAC電力を供給し、
    前記スイッチ回路は、前記第1送信コイルたは前記第2送信コイルを前記インピーダンス回路に結合することができ、前記スイッチ回路を使用して前記第1送信コイルおよび前記第2送信コイルを切り替えることにより、前記ワイヤレス電力送信機と、前記ワイヤレス電力送信機から送信される電力を受信する電力受信機との間の配置の変動による共振周波数の変化に基づく周波数要求に適合するように前記共振回路の共振周波数を変更することで、前記AC電力の周波数を所定範囲内に維持することができ、
    フェライト材料を含むフェライトシートが、前記第1送信コイルと前記第2送信コイルとを含むコイル層の下に構成され、
    誘電体材料を含む誘電体シートが前記コイル層と前記フェライトシートとの間に配置され
    前記スイッチ回路に第1スイッチと第2スイッチとを有し、前記インピーダンス回路に第1容量性要素と第2容量性要素とを有し、
    前記スイッチ回路は、
    前記第1送信コイルを前記第1容量性要素と前記第2容量性要素との間に直列に、または
    前記第2送信コイルを前記第1容量性要素と前記第2容量性要素との間に直列に、
    電気的に接続できる、
    ワイヤレス電力送信機。
  2. スイッチ回路は、前記第1送信コイルまたは前記第2送信コイルを選択して、受信コイルに最良の磁気結合を提供することができる、
    請求項1に記載のワイヤレス電力送信機。
  3. 前記インダクタンス回路の送信コイルは、単一螺旋型コイルおよび二重螺旋型コイルから選択される、
    請求項1または2に記載のワイヤレス電力送信機。
  4. 前記スイッチ回路は、前記第1送信コイルを前記第2送信コイルと平行に、または直列に結合することができる、
    請求項1ないし3いずれか一項に記載のワイヤレス電力送信機。
  5. 前記スイッチ回路は、前記第1送信コイルおよび前記第2送信コイルから選択される一方の送信コイルを前記インピーダンス回路に結合し、他方の送信コイルは前記インピーダンス回路から離される、
    請求項1ないし4いずれか一項に記載のワイヤレス電力送信機。
  6. 前記スイッチ回路は第1スイッチと第2スイッチとを有し、
    前記第1送信コイルと前記第2送信コイルの各々は、前記第1スイッチまたは前記第2スイッチに結合される、
    請求項1ないし5いずれか一項に記載のワイヤレス電力送信機。
  7. 前記インピーダンス回路は、第1容量性要素と第2容量性要素とを含み、
    前記第1容量性要素と前記第2容量性要素はそれぞれ、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチに結合される、
    請求項6に記載のワイヤレス電力送信機。
  8. 前記インピーダンス回路は、前記スイッチ回路とインバータとの間に電気的に接続され、
    前記スイッチ回路は、前記インダクタンス回路とインピーダンス回路との間に電気的に接続される、
    請求項1ないしいずれか一項に記載のワイヤレス電力送信機。
  9. 前記第1送信コイルと前記第2送信コイルは、基本的に同一平面内に同心円状に巻かれる、請求項1ないしいずれか一項に記載のワイヤレス電力送信機。
  10. 前記第1送信コイルの巻数は前記第2送信コイルの巻数より大きい、
    請求項1ないしいずれか一項に記載のワイヤレス電力送信機。
  11. 前記第1送信コイルおよび/または第2送信コイルのワイヤはリッツワイヤである、
    請求項1ないし10いずれか一項に記載のワイヤレス電力送信機。
  12. 金属を含む金属シートが前記フェライトシートの下に構成される、
    請求項1ないし11いずれか一項に記載のワイヤレス電力送信機。
  13. 誘電体材料を含む追加の誘電体シートが前記フェライトシートと前記金属シートとの間に配置される、
    請求項12に記載のワイヤレス電力送信機。
  14. ワイヤレス電力送信システムであって、
    請求項1ないし13いずれか一項に記載のワイヤレス電力送信機と、
    受信コイルを有する電力受信機であって、前記受信コイルと前記インダクタンス回路とが互いに完全に配置されていない場合であっても、電力を受信できる電力受信機とを有する、ワイヤレス電力送信システム。
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