JP7186662B2 - ショーケース - Google Patents

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Description

この発明は、非冷処理を行うショーケースに関する。
陳列された商品に対して冷蔵又は冷凍を行うショーケースは、基本的に24時間稼働し続けており、食品スーパ等の施設において多くのエネルギーを消費する代表的な設備である。一方で、複数のショーケースに対する制御を行う上位コントローラでは、省エネのため、ショーケースに対して所定期間に非冷処理を実施させる非冷スケジュール制御を行っている。
一方、上位コントローラは、非冷スケジュール制御において、停電等により非冷終了指令を実施できなかった場合、復電等した後でも非冷終了指令を再実施することはない。
例えば図11では、上位コントローラが、あるショーケースに対し、8:00から8:10の期間を非冷処理を実施させる期間として設定している。この状況において、上位コントローラが、8:05に停電し、8:15に復電したとする。この場合、8:10の時点では、上位コントローラは停電状態であるため、上位コントローラからショーケースに対して非冷終了指令は実施されず、ショーケースは8:10以降も非冷処理を継続する。その後、上位コントローラは8:15に復電するが、上位コントローラからショーケースに対して非冷終了指令は再実施されないため、ショーケースは8:15以降も非冷処理を継続する。よって、ショーケースの非冷状態は、次の非冷終了指令を受けるまで又はユーザにより冷却処理に移行されるまで、継続することになる。
このように、図11の例では、非冷処理はたった10分実施される予定であったところ、本来予定していた非冷終了時刻を過ぎても長時間非冷状態のままとなる。よって、ショーケースの庫内温度が上昇し、庫内に陳列された商品の品質を損なう可能性がある。
なお、冷却庫が冷却不良に陥った場合に、自動的に制御方法を切替えることで、冷却不良状態から速やかに状態回復可能とする制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この特許文献1に開示された制御装置は、冷却運転中を対象としており、非冷処理中に対する異常には対応できない。
特開2016-80306号公報
このように、従来技術では、ショーケースが非冷処理中において、上位コントローラから非冷終了指令が実施されなかった場合に、自発的に非冷処理から冷却処理へ移行できない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、上位コントローラから非冷終了指令が実施されなかった場合でも、自発的に非冷処理から冷却処理へ移行可能とするショーケースを提供することを目的としている。
この発明に係るショーケースは、上位コントローラからの非冷開始指令及び非冷終了指令に従って非冷処理を行う制御部と、庫内温度を取得する取得部と、取得部により取得された庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上であるかを判定することで、フェイルセーフ制御の実施要否を判定する判定部とを備え、制御部は、判定部によりフェイルセーフ制御の実施要と判定された場合に、非冷処理を終了して冷却処理を行うことを特徴とする。
この発明によれば、上記のように構成したので、上位コントローラから非冷終了指令が実施されなかった場合でも、自発的に非冷処理から冷却処理へ移行可能となる。
実施の形態1に係る冷却システムの構成例を示す図である。 実施の形態1に係る上位コントローラの構成例を示す図である。 実施の形態1に係るショーケースの構成例を示す図である。 実施の形態1に係るショーケースコントローラの構成例を示す図である。 実施の形態1に係るショーケースコントローラの動作例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るショーケースコントローラの動作例を示す図である。 実施の形態2に係る上位コントローラの構成例を示す図である。 実施の形態2に係るショーケースコントローラの構成例を示す図である。 実施の形態2に係るショーケースコントローラの動作例を示すフローチャートである。 図10A、図10Bは、実施の形態1,2に係るショーケースコントローラのハードウェア構成例を示す図である。 従来の課題を説明するための図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る冷却システムの構成例を示す図である。
冷却システムは、図1に示すように、上位コントローラ1及び複数のショーケース2を備えている。図1では、1台の上位コントローラ1に対して3台のショーケース2が接続された場合を示しているが、1台の上位コントローラ1に対して接続されるショーケース2の台数はこれに限らない。
上位コントローラ1は、複数のショーケース2に対する制御を行う。以下では、上位コントローラ1が有する機能のうち、非冷制御に関する機能についてのみ説明を行う。上位コントローラ1は、図2に示すように、スケジュール設定部101a、非冷電文生成部102a及び通信部103aを備えている。
スケジュール設定部101aは、ショーケース2毎に、ショーケース2に対する非冷制御に関するスケジュールを設定する。
非冷電文生成部102aは、ショーケース2に対する非冷制御に関する指令を示す電文を生成する。すなわち、非冷電文生成部102aは、非冷開始指令を示す電文及び非冷終了指令を示す電文を生成する。非冷開始指令は、ショーケース2に非冷処理を開始させるための指令である。非冷終了指令は、ショーケース2に非冷処理を終了させるための指令である。
通信部103aは、上位コントローラ1とショーケース2との間で通信を行う。この通信部103aは、スケジュール設定部101aにより設定されたスケジュールに従い、非冷電文生成部102aにより生成された電文を該当するショーケース2に送信する。すなわち、通信部103aは、スケジュールが示す非冷開始時刻に、非冷電文生成部102aにより生成された非冷開始指令を示す電文を該当するショーケース2に送信する。また、通信部103aは、スケジュールが示す非冷終了時刻に、非冷電文生成部102aにより生成された非冷終了指令を示す電文を該当するショーケース2に送信する。
ショーケース2は、陳列された商品に対して冷蔵又は冷凍を行う設備である。図1,3では、エアカーテンを形成することで、商品が陳列される陳列棚201を外気と遮断するオープン型のショーケース2を示している。図3に示すショーケース2には、底面、背面及び天面に沿って通風路202が形成されている。通風路202の一端には吹き出し口203が形成され、通風路202の他端には吸込み口204が形成されている。図3に示すショーケース2では、吹き出し口203と吸込み口204との間に冷気を流すことで、エアカーテンが形成される。
また、図3に示すショーケース2には、後述する冷却器205に、冷媒を介して冷凍機3が接続されている。図3では、ショーケース2と冷凍機3とが別体に構成された場合を示しているが、冷凍機3が内蔵されたショーケース2を用いてもよい。
図3に示すショーケース2は、冷却器205、空気循環用ファン206、サーミスタ(温度計測部)207及びショーケースコントローラ208を備えている。
冷却器205は、通風路202内に設けられ、通風路202内の空気を冷却する。冷却器205は蒸発器(不図示)を有し、蒸発器により冷凍機3からの冷媒を気化することで、その際の気化熱により吸熱を行う。
空気循環用ファン206は、通風路202内に設けられ、冷却器205により冷却された空気を循環させるように送風を行う。
サーミスタ207は、ショーケース2の庫内温度を計測する。図3では、サーミスタ207は吹き出し口203付近に設けられている。しかしながら、これに限らず、ショーケース2の庫内温度を計測可能な箇所に配置されていればよく、例えばサーミスタ207は吸込み口204付近に設けられていてもよい。サーミスタ207により計測された庫内温度を示す情報は、ショーケースコントローラ208に出力される。
ショーケースコントローラ208は、ショーケース2に対する冷却制御を行う。以下では、ショーケースコントローラ208が有する機能のうち、非冷制御に関する機能についてのみ説明を行う。ショーケースコントローラ208の詳細については後述する。
また、冷凍機3は、冷却器205との間で冷媒の循環を行う。冷凍機3は、図3に示すように、圧縮機301、ファン302、圧縮機用インバータ303及びファン用インバータ304を備えている。
圧縮機301は、冷却器205により気化された冷媒を圧縮する。
ファン302は、圧縮機301により圧縮された冷媒に対して送風を行う。
その後、冷媒は、凝縮器(不図示)により放熱されて液化され、膨張弁(不図示)により減圧された後、冷却器205に送られる。
圧縮機用インバータ303は、圧縮機301の出力を制御する。圧縮機用インバータ303は、ショーケースコントローラ208からの制御に基づいて、圧縮機301の出力を制御する。
ファン用インバータ304は、ファン302の出力を制御する。ファン用インバータ304は、ショーケースコントローラ208からの制御に基づいて、ファン302の出力を制御する。
次に、ショーケースコントローラ208の詳細について、図4を参照しながら説明する。
ショーケースコントローラ208は、図4に示すように、記憶部2081a、通信部2082a、制御部2083a、制御設定部2084a、閾値設定部2085a、取得部2086a及び判定部2087aを備えている。
記憶部2081aは、ショーケースコントローラ208で扱う各種のデータを記憶する。
記憶部2081aとしては、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
なおここでは、記憶部2081aがショーケース2の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、記憶部2081aはショーケース2の外部に設けられていてもよい。
通信部2082aは、ショーケース2と上位コントローラ1との間で通信を行う。この通信部2082aは、上位コントローラ1から電文を受信する。
制御部2083aは、上位コントローラ1からの指令に従って非冷処理を行う。すなわち、制御部2083aは、上位コントローラ1からの非冷開始指令に従って、冷却処理を終了して非冷処理を開始する。また、制御部2083aは、上位コントローラ1からの非冷終了指令に従って、非冷処理を終了して冷却処理を開始する。
また、制御部2083aは、判定部2087aによりフェイルセーフ制御の実施要と判定された場合に、非冷処理を終了して冷却処理を開始する。
制御設定部2084aは、ユーザによる指示に従い又は自動で、フェイルセーフ制御を有効又は無効に設定する。フェイルセーフ制御は、ショーケース2が、非冷処理を実施中に、上位コントローラ1から非冷終了指令が無い場合でも、自発的に非冷処理を終了して冷却処理を開始する制御を指す。なお、ショーケース2に商品が陳列されていない場合等のように、非冷処理が本来よりも長く継続されても問題がない場合等には、制御設定部2084aは、フェイルセーフ制御を無効に設定してもよい。
なお、制御設定部2084aは、ショーケースコントローラ208に必須の構成ではなく、ショーケースコントローラ208から取除かれていてもよい。この場合、フェイルセーフ制御は常に有効とされる。
閾値設定部2085aは、ユーザによる指示に従い又は自動で、温度閾値を設定する。温度閾値は、設定温度に対する閾値である。また、閾値設定部2085aは、温度閾値の設定に加え、ユーザによる指示に従い又は自動で、時間閾値を設定してもよい。時間閾値は、ショーケース2の庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上である時間に対する閾値である。閾値設定部2085aにより設定される温度閾値及び時間閾値は、ショーケース2の種類及びショーケース2に陳列される商品の種類等に応じて適宜設定される。例えば、閾値設定部2085aは、温度閾値を+5℃程度とする。また、例えば、閾値設定部2085aは、時間閾値を1~3分程度とする。
取得部2086aは、サーミスタ207により計測された庫内温度を取得する。
判定部2087aは、取得部2086aにより取得された庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上であるかを判定することで、フェイルセーフ制御の実施要否を判定する。なお、閾値設定部2085aにより温度閾値及び時間閾値が設定されている場合には、判定部2087aは、取得部2086aにより取得された庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上である時間が時間閾値以上である場合に、フェイルセーフ制御の実施要と判定する。また、判定部2087aは、フェイルセーフ制御が有効である場合にのみ上記判定を行う。
次に、図4に示すショーケースコントローラ208の動作例について、図5を参照しながら説明する。なお、制御設定部2084aはフェイルセーフ制御を有効に設定し、閾値設定部2085aは温度閾値及び時間閾値を設定しているものとする。また、ショーケース2は通常状態では冷却処理を行っているものとする。
ショーケースコントローラ208の動作例では、まず、通信部2082aは、上位コントローラ1から非冷開始指令を示す電文を受信したかを判定する(ステップST501)。ステップST501において通信部2082aが上記電文を受信していないと判定した場合、シーケンスはステップST501に戻る。
一方、ステップST501において通信部2082aが上記電文を受信したと判定した場合、制御部2083aは、当該電文が示す非冷開始指令に従って、冷却処理を終了して非冷処理を開始する(ステップST502)。
次いで、通信部2082aは、上位コントローラ1から非冷終了指令を示す電文を受信したかを判定する(ステップST503)。
ステップST503において通信部2082aが上記電文を受信したと判定した場合、制御部2083aは、当該電文が示す非冷終了指令に従って、非冷処理を終了して冷却処理を開始する(ステップST504)。これにより、ショーケース2は通常状態に戻り、シーケンスは終了する。
一方、ステップST503において通信部2082aが上記電文を受信していないと判定した場合、取得部2086aは、サーミスタ207により計測された庫内温度を取得する(ステップST505)。
次いで、判定部2087aは、取得部2086aにより取得された庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上である時間が時間閾値以上であるかを判定する(ステップST506)。ステップST506において判定部2087aが庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上である時間が時間閾値以上ではないと判定した場合、シーケンスはステップST503に戻る。
一方、ステップST506において判定部2087aが庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上である時間が時間閾値以上であると判定した場合、判定部2087aはフェイルセーフ制御の実施要と判定し、制御部2083aは、非冷処理を終了して冷却処理を開始する(ステップST507)。これにより、ショーケース2は自発的に通常状態に戻り、シーケンスは終了する。
例えば図6では、上位コントローラ1が、あるショーケース2に対し、8:00から8:10の期間を非冷処理を実施させる期間として設定している。この状況において、上位コントローラ1が、8:05に停電し、8:15に復電したとする。この場合、8:10の時点では、上位コントローラ1は停電状態であるため、上位コントローラ1からショーケース2に対して非冷終了指令は実施されず、ショーケース2は8:10以降も非冷処理を継続する。その後、上位コントローラ1は8:15に復電するが、上位コントローラ1からショーケース2に対して非冷終了指令は再実施されない。
一方、実施の形態1に係るショーケース2は、庫内温度に応じてフェイルセーフ制御を実施する。例えば図6に示すように、8:15の時点で、ショーケースコントローラ208は、庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上である場合に、フェイルセーフ制御を実施し、非冷処理を終了して冷却処理を開始する。これにより、ショーケースコントローラ208は、ショーケース2の庫内温度の上昇を回避し、陳列されている商品の品質維持が実現できる。なお図6では、時間閾値が0である場合を想定している。
以上のように、この実施の形態1によれば、ショーケース2は、上位コントローラ1からの非冷開始指令及び非冷終了指令に従って非冷処理を行う制御部2083aと、庫内温度を取得する取得部2086aと、取得部2086aにより取得された庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上であるかを判定することで、フェイルセーフ制御の実施要否を判定する判定部2087aとを備え、制御部2083aは、判定部2087aによりフェイルセーフ制御の実施要と判定された場合に、非冷処理を終了して冷却処理を行う。これにより、実施の形態1に係るショーケース2は、上位コントローラ1から非冷終了指令が実施されなかった場合でも、自発的に非冷処理から冷却処理へ移行可能となる。すなわち、ショーケース2は、上位コントローラ1が停電した場合、上位コントローラ1との間で通信異常が生じた場合、ショーケース2が停電した場合、及びスケジュールの設定ミスにより非冷処理期間が長く設定された場合等であっても、自発的に非冷処理から冷却処理へ移行可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、ショーケース2が、庫内温度に基づいて自発的に非冷処理から冷却処理へ移行する場合を示した。これに対し、実施の形態2では、ショーケース2が、上位コントローラ1との間での通信異常を検知することで自発的に非冷処理から冷却処理へ移行する場合を示す。冷却システムの構成例及びショーケース2の構成例は、図1,3に示す実施の形態1に係る冷却システムの構成例及びショーケース2の構成例と同様である。
図7は実施の形態2に係る上位コントローラ1の構成例を示す図である。
上位コントローラ1は、図7に示すように、スケジュール設定部101b、非冷電文生成部102b、定時電文生成部103b及び通信部104bを備えている。
スケジュール設定部101bは、ショーケース2毎に、ショーケース2に対する非冷制御に関するスケジュールを設定する。
非冷電文生成部102bは、ショーケース2に対する非冷制御に関する指令を示す電文を生成する。すなわち、非冷電文生成部102bは、非冷開始指令を示す電文及び非冷終了指令を示す電文を生成する。
定時電文生成部103bは、ショーケース2毎に、定時電文を生成する。定時電文は、一定の周期でショーケース2に対して送信される電文である。
通信部104bは、上位コントローラ1とショーケース2との間で通信を行う。この通信部104bは、スケジュール設定部101bにより設定されたスケジュールに従い、非冷電文生成部102bにより生成された電文を該当するショーケース2に送信する。すなわち、通信部104bは、スケジュールが示す非冷開始時刻に、非冷電文生成部102bにより生成された非冷開始指令を示す電文を該当するショーケース2に送信する。また、通信部104bは、スケジュールが示す非冷終了時刻に、非冷電文生成部102bにより生成された非冷終了指令を示す電文を該当するショーケース2に送信する。また、通信部104bは、一定の周期で、定時電文生成部103bにより生成された定時電文を該当するショーケース2に送信する。
図8は実施の形態2に係るショーケースコントローラ208の構成例を示す図である。
ショーケースコントローラ208は、図8に示すように、記憶部2081b、通信部2082b、制御部2083b、制御設定部2084b及び判定部2085bを備えている。
記憶部2081bは、ショーケースコントローラ208で扱う各種のデータを記憶する。
記憶部2081bとしては、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD等が該当する。
なおここでは、記憶部2081bがショーケース2の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、記憶部2081bはショーケース2の外部に設けられていてもよい。
通信部2082bは、ショーケース2と上位コントローラ1との間で通信を行う。この通信部2082bは、上位コントローラ1から電文を受信する。
制御部2083bは、上位コントローラ1からの指令に従って非冷処理を行う。すなわち、制御部2083bは、上位コントローラ1からの非冷開始指令に従って、冷却処理を終了して非冷処理を開始する。また、制御部2083bは、上位コントローラ1からの非冷終了指令に従って、非冷処理を終了して冷却処理を開始する。
また、制御部2083bは、判定部2085bによりフェイルセーフ制御の実施要と判定された場合に、非冷処理を終了して冷却処理を開始する。
制御設定部2084bは、ユーザによる指示に従い又は自動で、フェイルセーフ制御を有効又は無効に設定する。フェイルセーフ制御は、ショーケース2が、非冷処理を実施中に、上位コントローラ1から非冷終了指令が無い場合でも、自発的に非冷処理を終了して冷却処理を開始する制御を指す。なお、ショーケース2に商品が陳列されていない場合等のように、非冷処理が本来よりも長く継続されても問題がない場合等には、制御設定部2084bは、フェイルセーフ制御を無効に設定してもよい。
なお、制御設定部2084bは、ショーケースコントローラ208に必須の構成ではなく、ショーケースコントローラ208から取除かれていてもよい。この場合、フェイルセーフ制御は常に有効とされる。
判定部2085bは、制御部2083bによる非冷処理の開始後、通信部2082bによる定時電文の受信が無く且つ非冷終了時刻に相当する時刻を経過した場合に、フェイルセーフ制御の実施要と判定する。また、判定部2085bは、フェイルセーフ制御が有効である場合にのみ上記判定を行う。
次に、図8に示すショーケースコントローラ208の動作例について、図9を参照しながら説明する。なお、制御設定部2084bはフェイルセーフ制御を有効に設定しているものとする。また、ショーケース2は通常状態では冷却処理を行っているものとする。
ショーケースコントローラ208の動作例では、まず、通信部2082bは、上位コントローラ1から非冷開始指令を示す電文を受信したかを判定する(ステップST901)。ステップST901において通信部2082bが上記電文を受信していないと判定した場合、シーケンスはステップST901に戻る。
一方、ステップST901において通信部2082bが上記電文を受信したと判定した場合、制御部2083bは、当該電文が示す非冷開始指令に従って、冷却処理を終了して非冷処理を開始する(ステップST902)。
次いで、通信部2082bは、上位コントローラ1から非冷終了指令を示す電文を受信したかを判定する(ステップST903)。
ステップST903において通信部2082bが上記電文を受信したと判定した場合、制御部2083bは、当該電文が示す非冷終了指令に従って、非冷処理を終了して冷却処理を開始する(ステップST904)。これにより、ショーケース2は通常状態に戻り、シーケンスは終了する。
一方、ステップST903において通信部2082bが上記電文を受信していないと判定した場合、判定部2085bは、通信部2082bにより定時電文が受信されているかを判定する(ステップST905)。ステップST905において判定部2085bが通信部2082bにより定時電文が受信されていると判定した場合、シーケンスはステップST903に戻る。
一方、ステップST905において判定部2085bが通信部2082bにより定時電文が受信されていないと判定した場合、判定部2085bは、非冷終了時刻に相当する時刻を経過したかを判定する(ステップST906)。なお、非冷終了時刻は、例えば、上位コントローラ1がショーケース2に対して送信する電文に情報として含めることで、ショーケース2で把握可能である。このステップST906において判定部2085bが上記時刻を経過していないと判定した場合には、シーケンスはステップST903に戻る。
一方、ステップST906において判定部2085bが上記時刻を経過したと判定した場合、判定部2085bはフェイルセーフ制御の実施要と判定し、制御部2083bは、非冷処理を終了して冷却処理を開始する(ステップST907)。これにより、ショーケース2は自発的に通常状態に戻り、シーケンスは終了する。
以上のように、この実施の形態2によれば、ショーケース2は、上位コントローラ1からの非冷開始指令及び非冷終了指令に従って非冷処理を行う制御部2083bと、上位コントローラ1から定時電文を受信する通信部2082bと、制御部2083bによる非冷処理の開始後、通信部2082bによる定時電文の受信が無く且つ非冷終了時刻に相当する時刻を経過した場合に、フェイルセーフ制御の実施要と判定する判定部2085bとを備え、制御部2083bは、判定部2085bによりフェイルセーフ制御の実施要と判定された場合に、非冷処理を終了して冷却処理を行う。これにより、実施の形態2に係るショーケース2は、上位コントローラ1から非冷終了指令が実施されなかった場合でも、自発的に非冷処理から冷却処理へ移行可能となる。すなわち、ショーケース2は、上位コントローラ1が停電した場合、及び上位コントローラ1との間で通信異常が生じた場合であっても、自発的に非冷処理から冷却処理へ移行可能となる。
なお、実施の形態1に係る冷却システムと実施の形態2に係る冷却システムとを組合わせてもよい。
最後に、図10を参照して、実施の形態1,2に係るショーケースコントローラ208のハードウェア構成例を説明する。なお以下では、実施の形態1に係るショーケースコントローラ208のハードウェア構成例について説明するが、実施の形態2に係るショーケースコントローラ208についても同様である。
ショーケースコントローラ208における通信部2082a、制御部2083a、制御設定部2084a、閾値設定部2085a、取得部2086a及び判定部2087aの各機能は、処理回路51により実現される。処理回路51は、図10Aに示すように、専用のハードウェアであってもよいし、図10Bに示すように、メモリ53に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)ともいう)52であってもよい。
処理回路51が専用のハードウェアである場合、処理回路51は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。通信部2082a、制御部2083a、制御設定部2084a、閾値設定部2085a、取得部2086a及び判定部2087aの各部の機能それぞれを処理回路51で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路51で実現してもよい。
処理回路51がCPU52の場合、通信部2082a、制御部2083a、制御設定部2084a、閾値設定部2085a、取得部2086a及び判定部2087aの機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ53に格納される。処理回路51は、メモリ53に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、ショーケースコントローラ208は、処理回路51により実行されるときに、例えば図5に示した各ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ53を備える。また、これらのプログラムは、通信部2082a、制御部2083a、制御設定部2084a、閾値設定部2085a、取得部2086a及び判定部2087aの手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ53としては、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD等が該当する。
なお、通信部2082a、制御部2083a、制御設定部2084a、閾値設定部2085a、取得部2086a及び判定部2087aの各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、通信部2082aについては専用のハードウェアとしての処理回路51でその機能を実現し、制御部2083a、制御設定部2084a、閾値設定部2085a、取得部2086a及び判定部2087aについては処理回路51がメモリ53に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
このように、処理回路51は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組合わせ、或いは各実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 上位コントローラ、2 ショーケース、3 冷凍機、51 処理回路、52 CPU、53 メモリ、101a スケジュール設定部、102a 非冷電文生成部、103a 通信部、101b スケジュール設定部、102b 非冷電文生成部、103b 定時電文生成部、104b 通信部、201 陳列棚、202 通風路、203 吹き出し口、204 吸込み口、205 冷却器、206 空気循環用ファン、207 サーミスタ(温度計測部)、208 ショーケースコントローラ、301 圧縮機、302 ファン、303 圧縮機用インバータ、304 ファン用インバータ、2081a 記憶部、2082a 通信部、2083a 制御部、2084a 制御設定部、2085a 閾値設定部、2086a 取得部、2087a 判定部、2081b 記憶部、2082b 通信部、2083b 制御部、2084b 制御設定部、2085b 判定部。

Claims (3)

  1. 上位コントローラからの非冷開始指令及び非冷終了指令に従って非冷処理を行う制御部と、
    庫内温度を取得する取得部と、
    前記取得部により取得された庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上であるかを判定することで、フェイルセーフ制御の実施要否を判定する判定部とを備え、
    前記制御部は、前記判定部によりフェイルセーフ制御の実施要と判定された場合に、非冷処理を終了して冷却処理を行う
    ことを特徴とするショーケース。
  2. 前記判定部は、前記取得部により取得された庫内温度が設定温度に対して温度閾値以上である時間が時間閾値以上である場合に、フェイルセーフ制御の実施要と判定する
    ことを特徴とする請求項1記載のショーケース。
  3. 上位コントローラからの非冷開始指令及び非冷終了指令に従って非冷処理を行う制御部と、
    前記上位コントローラから定時電文を受信する通信部と、
    前記制御部による非冷処理の開始後、前記通信部による定時電文の受信が無く且つ非冷終了時刻に相当する時刻を経過した場合に、フェイルセーフ制御の実施要と判定する判定部とを備え、
    前記制御部は、前記判定部によりフェイルセーフ制御の実施要と判定された場合に、非冷処理を終了して冷却処理を行う
    ことを特徴とするショーケース。
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