以下に、本発明の一実施形態に係る稼働状態情報提供システムの一例を、図面を参照しながら説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
<稼働状態情報提供システムの全体構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る稼働状態情報提供装置を含む稼働状態情報提供システムの全体構成について説明する。図1は、本実施形態の稼働状態情報提供システム100の全体構成を示す概略構成図である。
稼働状態情報提供システム100は、エレベーター1、監視装置2、管制センター装置3、稼働状態情報提供装置4及び端末装置5を含む。
を備える。
エレベーター1及び監視装置2は、不図示の建物の中に設置される。監視装置2は、エレベーター1の運転を制御するとともに、エレベーターの運転状態を監視し、取得したエレベーター1の運転状態の情報を管制センター装置3に送信する。
管制センター装置3は、遠隔地にある不図示の管制センター内に設けられ、監視装置2から送信された情報に基づいて、エレベーター1の運転状態を監視する。管制センター装置3では、図1に示したエレベーター1だけでなく、管制センターが管理する複数のエレベーターの運転状態を監視する。監視装置2及び管制センター装置3間は、無線又は有線よりなる公衆回線網等のネットワークN1を介して接続される。
稼働状態情報提供装置4は、例えば不図示のクラウド内等に設けられ、管制センター装置3と、無線又は有線よりなる公衆回線網等のネットワークN2を介して接続される。稼働状態情報提供装置4は、管制センター装置3から取得したエレベーター1の運転状態の情報を分類することにより、エレベーター1の稼働状況を示す情報である稼働状態情報を生成する。そして、稼働状態情報提供装置4は、生成した稼働状態情報を、管制センター装置3内の表示部33や、顧客Csが操作する端末装置5の画面等に表示させる制御を行う。
顧客Csは、管制センターとの間で締結されるエレベーター1の保守・点検契約の委託者であり、顧客Csには、エレベーター1の所有者兼管理者や、エレベーター1が設置された建物の管理者などが含まれる。
端末装置5は、顧客Csが操作する装置であり、表示部51を備える端末装置5は、例えば、PC(Personal Computer)やスマートフォン、携帯端末などで構成される。端末装置5は、無線よりなる公衆回線網等のネットワークN3を介して稼働状態情報提供装置4と接続される。
エレベーター1が設置された建物内には、地震感知器11が設けられ、地震感知器11は、揺れを感知するとその情報を監視装置2に通知する。地震感知器11によって揺れが検知された場合、エレベーター1の運転は、不図示の制御装置の制御に基づいて地震管制運転に切り替えられる。
監視装置2は、状態監視部21、自動診断部22、運転制御部23及び通信部24を含む。状態監視部21は、例えば、エレベーター1の運転モードを示すコード等の、エレベーター1の運転状態を示す情報をエレベーター1から取得して、エレベーター1の運転状態を監視する。エレベーター1の運転状態には、通常運転状態、地震管制運転状態、自動復旧運転状態等がある。
通常運転状態は、エレベーター1が正常に運転できている状態である。地震管制運転状態は、地震感知器11の動作によりエレベーター1の運転(利用者を乗せた運転)が休止している状態である。自動復旧運転状態は、地震管制運転状態のエレベーター1に対して、監視装置2の自動診断部22による診断が行われた結果、通常運転が可能であると判定されたことにより、エレベーター1の運転が再開された状態である。自動復旧運転状態のエレベーター1は、管制センターから派遣される専門技術者による点検を要する状態ではあるが、点検終了後の本復旧状態(通常運転状態)と同様に、利用者を運ぶことができる。
自動診断部22は、地震管制運転状態のエレベーター1に対して機械的な診断を行い、エレベーター1が通常運転を行うことが可能であるか否かを判定する。運転制御部23は、エレベーター1の運転を制御する。例えば、運転制御部23は、状態監視部21による監視内容や、管制センター装置3からの指示に基づいて、エレベーター1の運転状態を遷移させる。具体的には、運転制御部23は、自動診断部22によって通常運転が可能であると診断されたエレベーター1の運転状態を、自動復旧運転状態に移行させる制御等を行う。通信部24は、ネットワークN1を介して接続される管制センター装置3に対して、エレベーター1の運転状態を送信する。
管制センター装置3は、通信部31、運転状態データベース32、表示部33、作業依頼処理部34、作業登録情報入力部35及び作業進捗データベース36を含む。
通信部31は、ネットワークN1を介して接続される監視装置2から送信される、エレベーター1の運転状態の情報を受信したり、監視装置2に対して指示を送信したりする。
運転状態データベース32には、通信部31が受信したエレベーター1の運転状態の遷移の情報が、遷移した時刻の情報とともに格納される。表示部33は、例えば、LED(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等よりなる。
作業依頼処理部34は、エレベーター1の運転状態が地震管制運転状態又は自動復旧運転状態である場合に、メールやSMS(Short Message Service)等の手段を介して専門技術者に地震復旧作業を依頼する処理を行う。なお、専門技術者に対する地震復旧作業の依頼は、電話等を介して行われてもよい。
作業登録情報入力部35は、地震復旧作業を行う専門技術者によって入力された、点検開始予定時刻、点検完了予定時刻、点検開始実績時刻、点検完了実績時刻の各時刻の情報を受け付け、受け付けたこれらの情報を作業進捗データベース36に登録する。作業進捗データベース36には、専門技術者によって入力された上記各時刻の情報が格納される。
稼働状態情報提供装置4は、通信部41及び表示制御部42を含む。通信部41は、管制センター装置3、又は、顧客Csの操作する端末装置5との間で行われる通信の制御を行う。具体的には、通信部41は、管制センター装置3に対して各種情報の取得を要求したり、管制センター装置3から送信された各種情報を受信したりする。また、例えば、通信部41は、顧客Csが操作する端末装置5から送信される、各種情報の表示要求の指示を受信したり、稼働状態情報提供装置4が、各種情報を端末装置5に送信したりする。
表示制御部42は、統合稼働情報表示制御部421、詳細稼働情報表示制御部422及び地震復旧状態情報表示制御部423を含む。統合稼働情報表示制御部421は、管制センター装置3によって管理される、顧客Csが利用又は契約しているすべてのエレベーターの運転状態の情報を取得して分類する。そして、統合稼働情報表示制御部421は、分類されたエレベーターの運転状態の情報を用いて、エレベーターの稼働の状況を示す稼働状態情報を生成し、生成したエレベーターの稼働状態情報を端末装置5の表示部51に表示させる制御を行う。エレベーターの稼働状態情報は、例えば、各運転状態にあるエレベーター1の台数や、全エレベーター数に対する特定の運転状態にあるエレベーターの割合などの情報である。
具体的には、統合稼働情報表示制御部421は、管制センター装置3から、顧客Csが利用又は契約している全エレベーターの運転状態の情報を取得し、取得した各運転状態のエレベーターを、通常運転状態、運転休止状態、自動復旧運転状態のそれぞれに分類する。具体的には、統合稼働情報表示制御部421は、エレベーター1の運転状態における通常運転状態は通常運転状態に、地震管制運転状態は休止運転状態に、自動復旧運転状態は自動復旧運転状態に分類する。
なお、本実施形態では、統合稼働情報表示制御部421が、地震管制運転状態のエレベーターを運転休止状態に分類する例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。強風や、乗りかご内の乗客の挙動などに基づいて乗りかごの揺れが検知されて、運転が休止されたエレベーター1等を、運転休止状態に分類してもよい。
そして、統合稼働情報表示制御部421は、分類された各エレベーターの情報を、中心部が空洞であるドーナツグラフや、分数、件数等を用いて、稼働状態情報として可視化する。統合稼働情報表示制御部421によって可視化される統合稼働情報の例については、後述の図5を参照して詳述する。
詳細稼働情報表示制御部422は、統合稼働情報を見た顧客Csによって指定された所定の運動状態のエレベーター1の属性情報を、端末装置5の表示部51に表示させる制御を行う。エレベーター1の属性情報には、エレベーター1が設置されている建物の名称や、エレベーターの名称などがある。また、詳細稼働情報表示制御部422は、詳細情報が表示されたエレベーターの中から、顧客Csによって指定された所定のエレベーターに関する稼働率の情報を、端末装置5の表示部51に表示させる制御を行う。
具体的には、詳細稼働情報表示制御部422は、管制センター装置3から、統合稼働情報を見た顧客Csによって指定された所定の運動状態のエレベーターの詳細情報を取得し、取得した詳細情報を、一覧等の形式で可視化する。そして、詳細稼働情報表示制御部422は、可視化した詳細情報を、端末装置5の表示部51に表示させる制御を行う。
また、詳細稼働情報表示制御部422は、詳細情報を見た顧客Csによって指定された所定のエレベーターに関する稼働率の情報を算出し、算出した稼働率の情報を、ドーナツグラフ等を用いて可視化する。稼働率の情報は、エレベーターの総運転時間(運転開始からの経過時間)における、エレベーターが稼働していた時間(以下、「稼働時間」とも称する)と、運転休止状態であった時間(以下、「休止運転時間」とも称する)との割合等によって表示される。もしくは、稼働時間及び休止運転時間は、時間数で示されてもよい。
詳細稼働情報表示制御部422は、エレベーターの稼働時間を、エレベーターが通常運転状態にあった時間の合計時間と、自動復旧運転状態にあった時間の合計時間とを足し合わせることにより算出する。エレベーターが通常運転状態にあった時間、及び、エレベーターが自動復旧運転状態にあった時間は、管制センター装置3の運転状態データベース32における各運転状態と対応付けられた時刻(各運転状態に遷移した時刻)の情報に基づいて算出することができる。
また、詳細稼働情報表示制御部422は、エレベーターの休止運転時間を、エレベーターが地震管制運転状態にあった時間の合計時間を求めることにより算出する。詳細稼働情報表示制御部422によって可視化される詳細情報については、後述の図6を参照して詳述し、稼働率の情報については、後述の図7を参照して詳述する。
地震復旧状態情報表示制御部423は、詳細情報を見た顧客Csによって指定された所定のエレベーター1に関する、運転休止時点から現在までの経過情報、又は、本復旧状態に至るまでの予定情報を含む経過情報を生成して、端末装置5の表示部51に表示させる制御を行う。
具体的には、地震復旧状態情報表示制御部423は、管制センター装置3から、エレベーター1が地震管制運転に移行した時刻、自動診断が開始された時刻、及び、エレベーターの運転状態が自動復旧運転に移行した時刻を取得する。地震復旧状態情報表示制御部423による、これらの情報の取得は、エレベーターの運転状態が正常運転状態(本復旧状態)に移行してからの経過時間が、所定の一定時間内である場合に行われる。一定時間の値には、任意の値を設定可能である。
さらに、地震復旧状態情報表示制御部423は、専門技術者による復旧作業が開始される予定時刻又は作業開始実績時刻、専門技術者による復旧作業が完了する予定時刻又は作業完了実績時刻の各情報を、管制センター装置3から取得する。そして、地震復旧状態情報表示制御部423は、エレベーターの運転状態の遷移の情報及び専門技術者による作業の予定又は実績の情報を、これらの時刻とともに地震復旧状態情報として可視化して端末装置5の表示部51に表示させる。地震復旧状態情報表示制御部423によって可視化される地震復旧状態情報については、後述の図8~図10を参照して詳述する。
端末装置5は、LCDや有機ELディスプレイ等よりなる表示部51を備え、該表示部51には、稼働状態情報提供装置4によって可視化された各種情報が表示される。
<計算機のハードェア構成>
次に、図2を参照して、稼働状態情報提供システム100に含まれる監視装置2、管制センター装置3、稼働状態情報提供装置4のハードウェア構成について説明する。図2は、監視装置2、管制センター装置3、稼働状態情報提供装置4のそれぞれを計算機Cで構成した場合のハードウェアのブロック図である。
計算機Cは、バスC8にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit)C1、ROM(Read Only Memory)C2及びRAM(Random Access Memory)C3を備える。さらに、計算機Cは、バスC8にそれぞれ接続された不揮発性ストレージC4、ネットワークインタフェースC5、入力装置C6及び表示装置C7を備える。なお、図2には、計算機Cが入力装置C6及び表示装置C7を備える例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る稼働状態情報提供装置4は、入力装置C6及び/又は表示装置C7を備えない計算機Cで構成されてもよい。
CPU C1は、計算機Cが備える各種機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードが格納されたROM C2から所定のプログラムコードをRAM C3に読み出して実行する。この際、RAM C3には、CPU C1による演算処理の過程で発生した変数やパラメータなども一時的に書き込まれる。
不揮発性ストレージC4は、例えば、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリ等の記憶装置で構成される。不揮発性ストレージC7には、OS(Operating System)、各種のパラメータの他に、計算機Cを機能させるための各種プログラムが記録される。
ネットワークインタフェースC5は、例えば、NIC(Network Interface Card)等で構成される。計算機Cは、ネットワークインタフェースC5の端子に接続されたLAN(Local Area Network)、専用線等を介して各種のデータを送受信することができる。
入力装置C6は、例えば、キーボード、マウス等の操作装置で構成され、ユーザが計算機Cに対して所定の操作入力、指示を行うことができる。表示装置C7は、例えば、LCDや有機ELディスプレイ等の表示装置で構成され、計算機Cで行われた処理の結果等の情報を表示画面に表示して、ユーザに報知する。
本実施形態では、図1に示す監視装置2中の状態監視部21、自動診断部22、運転制御部23はCPU C1により各機能が実施され、通信部24は、ネットワークインタフェースC5に含まれる。そして、CPU C1は、ROM C2に格納されているプログラムコードをRAM C3に読み出し、当該プログラムコードを実行することにより、エレベーター1の運転の制御や運転状態の監視などの各種制御を行う。
また、図1に示す管制センター装置3中の作業依頼処理部34、作業登録情報入力部35はCPU C1により各機能が実施され、通信部31は、ネットワークインタフェースC5に含まれ、表示部33は表示装置C7に含まれる。また、管制センター装置3中の運転状態データベース32及び作業進捗データベース36は、不揮発性ストレージC4内に構築されるデータベースである。そして、CPU C1は、ROM C2に格納されているプログラムコードをRAM C3に読み出し、当該プログラムコードを実行することにより、エレベーター1の運転状態の監視などの各種制御を行う。
さらに、図1に示す稼働状態情報提供装置4の統合稼働情報表示制御部421、詳細稼働情報表示制御部422及び地震復旧状態情報表示制御部423は、CPU C1により各機能が実施され、通信部41は、ネットワークインタフェースC4に含まれる。そして、CPU C1は、ROM C2に格納されているプログラムコードをRAM C3に読み出し、当該プログラムコードを実行することにより、各種情報を端末装置5の表示部51に表示させる制御を行う。
<運転状態データベースの構成>
次に、図3を参照して、管制センター装置3の運転状態データベース32の構成について説明する。図3は、運転状態データベース32の構成例を示す図である。図3に示すように、運転状態データベース32は、「No.」のフィールド、「運転状態」のフィールド、及び、「時刻」のフィールドを有する。
図3に示す例では、「No.」のフィールドには、通し番号が割り振られる。具体的には、最新の情報を格納したレコードには“1”の番号が割り振られ、各レコードにデータが格納された時間が古いものであるほど、大きな番号が割り振られている。
図3に示す例では、No.5のレコードの「運転状態」のフィールドには「通常」が格納され、「時刻」のフィールドには「2019/1/1 13:00」が格納されている。このNo.5のレコードは、エレベーター1が運転を開始したタイミングで記録される。
次いで、エレベーター1内の地震感知器11(図1参照)の動作によってエレベーター1の運転が地震管制運転に切り替わったタイミングで、No.4のレコードが記録されている。No.4のレコードの「運転状態」のフィールドには「地震管制(休止)」が格納され、「時刻」のフィールドには「2019/5/14 13:00」が格納されている。
次いで、監視装置2の自動診断部22によって自動診断が行われたタイミングで、No.3のレコードが記録される。No.3のレコードの「運転状態」のフィールドには、「自動診断」が格納され、「時刻」のフィールドには「2019/5/14 13:05」が格納されている。
次いで、監視装置2の自動診断部22の診断に基づいて運転制御部23によってエレベーター1の自動復旧運転が行われたタイミングで、No.2のレコードが記録される。No.2のレコードの「運転状態」のフィールドには「自動復旧」が格納され、「時刻」のフィールドには「2019/5/14 13:06」が格納されている。
次いで、専門技術者による点検が終了し、エレベーター1の通常運転が再開したタイミングで、No.1のレコードが記録される。No.1のレコードの「運転状態」のフィールドには「通常」が格納され、「時刻」のフィールドに「2019/5/14 19:15」が格納されている。
<作業進捗データベースの構成>
次に、図4を参照して、管制センター装置3の作業進捗データベース36の構成について説明する。図4は、作業進捗データベース36の構成例を示す図である。図4に示すように、作業進捗データベース36は、「No.」のフィールド、「復旧管理」のフィールド、及び、「時刻」のフィールドを有する。
図4に示す作業進捗データベース36においても、図3に示した運転状態データベース32と同様に、No.のフィールドにおいて、最新の情報を格納したレコードには“1”の番号が割り振られる。そして、各レコードにデータが格納された時間が古いものであるほど、大きな番号が割り振られる。
図4に示す例では、No.5のレコードの「復旧管理」のフィールドには「作業依頼」が格納され、「時刻」のフィールドには「2019/5/14 13:10」が格納されている。このNo.5のレコードは、管制センター装置3の作業依頼処理部34によって、専門技術者に対して、地震復旧作業の依頼が行われたタイミングで記録される。
次いで、管制センター装置3の作業登録情報入力部35に専門技術者による復旧作業の開始予定時刻が入力されたタイミングで、No.4のレコードが記録される。No.4のレコードの「復旧管理」のフィールドには「点検開始予定」が格納され、「時刻」のフィールドには「2019/5/14 19:00」が格納されている。
そして、専門技術者によって点検作業が開始されると、No.3のレコードが記録される。No.3のレコードの「復旧管理」のフィールドには「点検開始実績」が格納され、「時刻」のフィールドには「2019/5/14 19:00」が格納されている。
次いで、専門技術者によって復旧作業の開始終了時刻が入力されたタイミングで、No.2のレコードが記録される。No.2のレコードの「復旧管理」のフィールドには「点検終了予定」が格納され、「時刻」のフィールドには「2019/5/14 19:15」が格納されている。
そして、専門技術者による点検作業が終了すると、No.1のレコードが記録される。No.1のレコードの「復旧管理」のフィールドには「点検終了実績」が格納され、「時刻」のフィールドには「2019/5/14 19:15」が格納されている。
<統合稼働情報表示制御部によって可視化される統合稼働情報>
次に、図5を参照して、統合稼働情報表示制御部421によって可視化される統合稼働情報について説明する。図5は、統合稼働情報表示制御部421によって可視化される統合稼働情報の例を示す図である。
図5に示す例では、統合稼働情報として、顧客Csが利用又は契約している全エレベーターの各稼働状態の情報を、ドーナツグラフ、分数、及び台数で示している。ドーナツグラフには、全エレベーター数に占める通常運転状態、自動復旧運転状態、運転休止状態のエレベーターの割合が、それぞれ異なる模様によって示されている。
このように表示されることにより、顧客Csは、図5の統合稼働情報においてドーナツグラフや数値などによって示される各エレベーターの稼働情報を、容易に、かつ明確に把握することができる。
ドーナツグラフの中心部にある分数は、全エレベーター数に占める通常運転状態及び自動復旧運転状態にあるエレベーターの割合を示す。自動復旧運転状態のエレベーターの台数である2台は、通常運転状態のエレベーターの台数である16台に含まれるものとして、16台の右側に示される括弧内に表示されている。このように表示されることにより、顧客Csは、自動復旧運転状態のエレベーター1が、通常運転状態と同様に乗客を運ぶことができる状態であることを認識することができる。
また、顧客Csは、自動復旧運転状態にあるエレベーターの台数(割合)を把握できるため、エレベーター1の自動診断機能に基づく自動復旧運転がエレベーター1の稼働率に寄与する割合も、把握することができる。つまり、顧客Csは、エレベーター1の自動診断機能に基づく自動復旧運転によって、エレベーター1の運転休止期間の長さを短くできたという実績を、把握することができる。
ドーナツグラフの下方には、全エレベーター数に占める通常運転状態、自動復旧運転状態、運転休止状態の各エレベーターの台数が表示されている。上記の統合稼働情報における、各稼働状態を示す各模様には、ドーナツグラフ、ドーナツグラフの中心部にある分数の分母及び分子の各数字、ドーナツグラフの下方に示される各稼働状態を示す文字及び台数において同じ模様が使用される。このように表示されることにより、統合稼働情報を見る顧客Csが、各稼働状態にあるエレベーターの情報を、即時にかつ明確に把握できるようになる。なお、各稼働状態は、視覚的な表現を異ならせて表現されればよく、その表現は、模様ではなく色等の他のものであってもよい。
また、図5には、統合稼働情報がドーナツグラフ、分数、及び台数で示される例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。統合稼働情報は、これらのうちの一つの手法によって示されてもよく、これらとは異なる手法を加えた複数の手法によって示されてもよい。
<詳細稼働情報表示制御部422によって可視化される詳細情報>
次に、図6を参照して、詳細稼働情報表示制御部422によって可視化される詳細情報について説明する。図6は、詳細稼働情報表示制御部422によって可視化される詳細情報の例を示す図である。
図6に示す詳細情報は、例えば、図5に示した統合稼働情報において、通常運転状態にあるエレベーターが示された箇所が選択されること等により表示される。図6に示す例では、詳細情報として、全エレベーター数に占める通常運転状態にあるエレベーターの台数の情報、通常運転状態にあるエレベーターの属性情報、及び、自動復旧運転状態のエレベーターにおいては「自動復旧運転状態」の情報が示される。
図6に示す例では、通常運転状態にあるエレベーターは、○□ビルに設置された「エレベーター003」、「エレベーター005」~「エレベーター007」の名称の各エレベーターであることが示されている。さらに、「エレベーター003」及び「エレベーター005」の各エレベーターは、自動復旧運転状態にあることが示されている。このように表示されることにより、顧客Csは、各エレベーターのエレベーター名等の詳細な情報を、容易に把握することができる。
また、自動復旧運転状態にあるエレベーター1の詳細の情報が表示されることにより、顧客Csは、後に専門技術者による点検が入る旨を理解することができる。顧客Csが、エレベーター1が設置された建物の管理者である場合には、建物の利用者に対して、点検の案内の通知等を行うことができる。
<詳細稼働情報表示制御部422によって可視化される稼働情報>
次に、図7を参照して、詳細稼働情報表示制御部422によって可視化される稼働情報について説明する。図7は、詳細稼働情報表示制御部422によって可視化される稼働情報の例を示す図である。
図7に示す稼働情報は、所定のエレベーターに関する稼働率の情報を、ドーナツグラフ及びパーセンテージ(割合)で示す。図7に示す稼働情報は、例えば、図6に示した詳細情報において、特定のエレベーターが選択されること等により表示される。図7に示す例では、○□ビルに設置された「エレベーター003」の名称のエレベーターの、稼働開始時から現在に至るまでにおける稼働率は、99.9パーセントであることが示されている。
このように表示されることにより、管制センター装置3による監視、自動診断運転、専門技術者による点検、及び地震復旧作業によって、自動復旧運転状態を含む通常運転状態のエレベーターの割合、すなわち、稼働率が高い水準で維持されていることを、顧客Csが容易かつ明確に把握することができる。
なお、図7に示す例では、所定のエレベーターに関する稼働率の情報において、通常運転状態と自動復旧運転状態とが区別せずに表現されているが、本発明はこれに限定されない。エレベーター1の運転状態が自動復旧運転状態であった時間は、通常運転状態であった時間とは区別して表現されてもよい。
また、図7に示す例では、稼働情報が、ドーナツグラフ及びパーセンテージによって可視化される例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。稼働情報は、これらのうちの一つの手法によって示されてもよく、これらとは異なる手法を加えた複数の手法によって示されてもよい。
<地震復旧状態情報表示制御部によって可視化される地震復旧状態情報>
次に、図8~図10を参照して、地震復旧状態情報表示制御部423によって可視化される地震復旧状態情報について説明する。
図8は、エレベーター1の現在の運転状態が自動復旧運転状態である場合に表示される地震復旧状態情報の例を示す図であり、図9は、エレベーター1の現在の運転状態が運転休止状態である場合に表示される地震復旧状態情報の例を示す図である。図10は、エレベーター1の現在の運転状態が正常運転状態(本復旧状態)である場合に表示される地震復旧状態情報の例を示す図である。
図8~図10に示す地震復旧状態情報は、エレベーター1の運転状態が、運転休止状態から通常運転状態(本復旧状態)に至る各稼働状態にある場合、又は、情報を表示した時点が、通常運転状態に復帰後所定の時間内である場合に、図7に稼働情報とともに表示される。なお、図7に示す稼働情報と、図8~図10に示す地震復旧状態情報とは、それぞれ異なるタイミングで表示されてもよい。
図8~図10に示す各地震復旧状態情報には、所定のエレベーター1に関する、運転休止時点から現在までの経過情報、又は、本復旧状態に至るまでの予定情報を含む経過情報が、図中の左側から右側の方向に時系列で表示される。
図8に示す地震復旧状態情報には、選択された所定のエレベーター1の現在の運転状態は自動復旧運転状態であることが示されている。また、図8に示す地震復旧状態情報には、選択された所定のエレベーター1は、2019年5月14日の13時00分に運転休止状態となり、同日の13時05分に自動診断が行われて自動診断が成功し、自動復旧運転状態になったことが示されている。さらに、図8に示す地震復旧状態情報には、今後の予定も示されている。今後の予定としては、同日の19時に専門作業者による点検(地震復旧作業)が行われ、19時15分に本復旧状態となるという見込みの情報が示されている。
図9に示す地震復旧状態情報には、選択された所定のエレベーター1の現在の運転状態は運転休止状態であることが示されている。また、図9に示す地震復旧状態情報には、選択された所定のエレベーター1は、2019年5月14日の13時00分に運転休止状態となり、同日の13時05分に自動診断が行われたが自動診断は失敗し、依然運転休止状態であることが示されている。さらに、図9に示す地震復旧状態情報には、今後の予定も示されている。今後の予定としては、同日の19時00分に専門作業者による点検(復旧作業)が行われ、19時15分に本復旧状態となるという見込みの情報が示されている。
図10に示す地震復旧状態情報には、選択された所定のエレベーター1の現在の運転状態は通常運転状態(本復旧状態)であることが示されている。また、図10に示す地震復旧状態情報には、選択された所定のエレベーター1は、2019年5月14日の13時00分に運転休止状態となり、同日の13時06分に自動診断が行われて自動診断が成功し、自動復旧運転状態になったことが示されている。さらに、図10に示す地震復旧状態情報には、同日の19時00分に専門作業者による点検(復旧作業)が行われ、19時15分に点検が終了して本復旧状態となったことも示されている。
このように表示されることにより、所定のエレベーター1の現在の運転状態と、現在の状態に至るまでの各稼働状態の遷移の情報を、顧客Csが容易にかつ明確に把握することができる。また、エレベーター1の運転状態が本復旧状態になっていない場合には、今後の予定の情報を、顧客Csが容易にかつ明確に把握することができる。さらに、所定のエレベーター1の稼働状態の遷移の情報が、遷移の時刻の情報とともに表示されるため、顧客Csは、各運転状態の遷移の情報を正確に把握することができる。
<稼働状態情報提供システムによるエレベーターの運転状態の監視方法>
次に、図11及び図12を参照して、本実施形態の稼働状態情報提供システム100によるエレベーター1の運転状態の監視方法について説明する。図11及び図12は、稼働状態情報提供システム100によるエレベーター1の運転状態の監視方法の手順の例を示すフローチャートである。
まず、監視装置2(図1参照)の制御に基づいて、エレベーター1が通常運転を開始する(ステップSE1)。次いで、監視装置2の状態監視部21が、エレベーターの通常運転状態を検知する(ステップSE2)。次いで、監視装置2の通信部24は、状態監視部21がエレベーター1の通常運転状態を検知したことを、管制センター装置3に送信する(ステップSE3)。
管制センター装置3の通信部31は、エレベーター1の通常運転状態の検知の情報を受信する(ステップSC1)。次いで、管制センター装置3の不図示の制御部による制御に基づいて、エレベーター1の通常運転の開始時刻が運転状態データベース32に記録される(ステップSC2)。
監視装置2は、ステップSE3の処理後、エレベーター1の地震感知器11の動作を検知したか否かを判定する(ステップSE4)。ステップSE4で、地震感知器11の動作を検知していない場合(ステップSE4がNO判定の場合)、監視装置2はステップSE4の判定を繰り返す。
一方、ステップSE4で、地震感知器11の動作を検知したと判定された場合(ステップSE4がYES判定の場合)、監視装置2はエレベーター1の運転を地震管制運転に移行させる(ステップSE5)。次いで、監視装置2の通信部24は、エレベーター1における地震管制運転の開始の通知を、管制センター装置3に送信する(ステップSE6)。
管制センター装置3の通信部31は、地震管制運転の開始の通知を受信する(ステップSC3)。次いで、管制センター装置3の不図示の制御部による制御に基づいて、エレベーター1の地震管制運転の開始時刻が運転状態データベース32に記録される(ステップSC4)。
ステップSE6の処理後、エレベーター1は、監視装置2による制御に基づいて、自動診断運転を開始する(ステップSE7)。次いで、監視装置2は、自動診断運転の結果に基づいて、エレベーター1が、機械故障がなく自動復旧運転を開始可能な状態にあるか否かを判定する(ステップSE8)。
ステップSE8で、自動復旧運転を開始可能な状態であると判定された場合(ステップSE8がYES判定の場合)、監視装置2は、エレベーター1の自動復旧運転を開始させる(ステップSE9)。次いで、監視装置2の通信部24は、エレベーター1における自動復旧運転の開始を管制センター装置3に送信する(ステップSE10)。ステップSE8がNO判定の場合にも、ステップSE10の処理が行われる。
管制センター装置3の通信部31は、エレベーター1における自動復旧運転の開始の通知を受信する(ステップSC5)。次いで、管制センター装置3の不図示の制御部による制御に基づいて、エレベーター1の自動復旧運転の開始時刻が運転状態データベース32に記録される(ステップSC6)。
次いで、管制センター装置3の不図示の制御部による制御に基づいて、エレベーター1が現在自動復旧運転中であることが表示部33に表示される(ステップSC7)。次いで、管制センター装置3の作業依頼処理部34は、専門技術者に対して、復旧用の点検作業の依頼を行う(ステップSC8)。次いで、管制センター装置3の不図示の制御部による制御に基づいて、専門技術者への点検依頼時刻の情報が、作業進捗データベース36に記録される(ステップSC9)。
次いで、管制センター装置3は、専門技術者による点検開始予定時刻、点検終了予定時刻(いずれも、「本復旧状態までの予定を示す情報」の一例)の作業登録情報入力部35への入力を受け付けたか否かを判定する(ステップSC10)。点検開始予定時刻、点検終了予定時刻の入力は受け付けていないと判定された場合(ステップSC10がNO判定の場合)、管制センター装置3は、ステップSC10の判定を繰り返す。
一方、点検開始予定時刻、点検終了予定時刻の入力を受け付けたと判定された場合(ステップSC10がYES判定の場合)、管制センター装置3の作業登録情報入力部35は、点検開始予定時刻、点検終了予定時刻の情報を作業進捗データベース36に記録する(ステップSC11)。
次いで、管制センター装置3は、専門技術者による点検開始の入力を受け付けたか否かを判定する(図12のステップSC12)。ステップSC12で、点検開始の入力は受け付けていないと判定された場合(ステップSC12がNO判定の場合)、管制センター装置3はステップSC12の判定を繰り返す。
一方、ステップSC12で、点検開始の入力を受け付けたと判定された場合(ステップSC12がYES判定の場合)、管制センター装置3の作業登録情報入力部35は、専門技術者による点検開始実績時刻を、作業進捗データベース36に記録する(ステップSC13)。
図11のステップSE8で、自動復旧運転を開始可能な状態ではないと判定された場合(ステップSE8がNO判定の場合)、又は、ステップSE10の処理後、監視装置2は、専門技術者による点検作業は終了したか否かを判定する(図12のステップSE11)。ステップSE11で、専門技術者による点検作業は終了していないと判定された場合(ステップSE11がNO判定の場合)、監視装置2は、ステップSE11の判定を繰り返す。
一方、ステップSE11で、専門技術者による点検作業は終了したと判定された場合(ステップSE11がYES判定の場合)、監視装置2は、エレベーター1の通常運転を再開(運転を本復旧)させる(ステップSE12)。次いで、監視装置2の状態監視部21は、エレベーター1の通常運転状態を検知する(ステップSE13)。次いで、監視装置2の通信部24は、エレベーター1の通常運転状態の検知を管制センター装置3に通知する(ステップSE14)。ステップSE14の処理後、監視装置2の処理は終了となる。
管制センター装置3の通信部31は、エレベーター1の通常運転状態の検知の通知を受信する(ステップSC14)。次いで、管制センター装置3の不図示の制御部による制御に基づいて、エレベーター1の通常運転の再開(本復旧)時刻の情報が、運転状態データベース32に記録される(ステップSC15)。
次いで、管制センター装置3は、専門技術者による点検終了時刻の作業登録情報入力部35への入力を受け付けたか否かを判定する(ステップSC16)。点検終了時刻の入力は受け付けていないと判定された場合(ステップSC16がNO判定の場合)、管制センター装置3は、ステップSC16の判定を繰り返す。
一方、点検終了時刻の入力を受け付けたと判定された場合(ステップSC16がYES判定の場合)、管制センター装置3の作業登録情報入力部35は、点検終了実績時刻の情報を作業進捗データベース36に記録する(ステップSC17)。ステップSC17の処理後、管制センター装置3の処理は終了となる。
<稼働状態情報提供装置による稼働状態情報提供方法>
次に、稼働状態情報提供装置4による稼働状態情報提供方法について、図13~図15を参照して説明する。図13は、稼働状態情報提供装置4の統合稼働情報表示制御部421(図1参照)による統合稼働情報の提供処理の手順の例を示すフローチャートである。図14は、稼働状態情報提供装置4の詳細稼働情報表示制御部422による詳細稼働情報の提供処理の手順の例を示すフローチャートである。図15は、稼働状態情報提供装置4の地震復旧状態情報表示制御部423による地震復旧状態情報の提供処理の手順の例を示すフローチャートである。
[統合稼働情報表示制御部による統合稼働情報の提供処理]
まず、図13を参照して、稼働状態情報提供装置4の統合稼働情報表示制御部421による統合稼働情報の提供処理について説明する。
統合稼働情報表示制御部421は、顧客Csの操作する端末装置5(図1参照)より、顧客Csが所持又は契約するエレベーターの稼働状態の表示要求が入力されたか否かを判定する(ステップSVi1)。ステップSVi1で、エレベーターの稼働状態の表示要求は入力されていないと判定された場合(ステップSVi1がNO判定の場合)、統合稼働情報表示制御部421は、ステップSVi1の判定を繰り返す。
一方、ステップSVi1で、エレベーターの稼働状態の表示要求が入力されたと判定された場合(ステップSVi1がYES判定の場合)、統合稼働情報表示制御部421は、該当するエレベーターの情報を、通信部41を介して管制センター装置3の運転状態データベース32から抽出する(ステップSVi2)。
次いで、統合稼働情報表示制御部421は、抽出したエレベーター1の運転状態は通常運転状態であるか否かを判定する(ステップSVi3)。エレベーター1の台数が2台以上である場合には、ステップSVi3の判定は1台ずつ順に行われる。ステップSVi3で、エレベーター1の運転状態は通常運転状態であると判定された場合(ステップSVi3がYES判定の場合)、統合稼働情報表示制御部421は、エレベーター1の運転状態を通常運転状態に分類した後に、分類されたエレベーター1を通常運転台数にカウントする(ステップSVi4)。
一方、ステップSVi3で、エレベーター1の運転状態は通常運転状態でないと判定された場合(ステップSVi3がNO判定の場合)、統合稼働情報表示制御部421は、抽出したエレベーター1の運転状態は自動復旧運転状態であるか否かを判定する(ステップSVi5)。ステップSVi5で、エレベーター1の運転状態は自動復旧運転状態であると判定された場合(ステップSVi5がYES判定の場合)、統合稼働情報表示制御部421は、エレベーター1の運転状態を自動復旧運転状態に分類した後に、分類されたエレベーター1を自動復旧運転台数にカウントする(ステップSVi6)。
一方、ステップSVi5で、エレベーター1の運転状態は自動復旧運転状態でないと判定された場合(ステップSVi5がNO判定の場合)、統合稼働情報表示制御部421は、抽出したエレベーター1の運転状態は地震管制運転状態であるか否かを判定する(ステップSVi7)。ステップSVi7で、エレベーター1の運転状態は地震管制運転状態であると判定された場合(ステップSVi7がYES判定の場合)、統合稼働情報表示制御部421は、エレベーター1の運転状態を休止運転状態に分類した後に、分類されたエレベーター1を休止運転台数にカウントする(ステップSVi8)。
ステップSVi4、6又は8の処理後、もしくは、ステップSVi7がNO判定の場合、統合稼働情報表示制御部421は、ステップSVi2で抽出したすべてのエレベーターの運転状態を確認したか否かを判定する(ステップSVi9)。ステップSVi9で、すべてのエレベーターの運転状態は確認していないと判定された場合(ステップSVi9がNO判定の場合)、統合稼働情報表示制御部421は、次のエレベーターの運転状態を確認する(ステップSVi10)。次いで、ステップSVi3に戻って判定を行う。
一方、ステップSVi9で、すべてのエレベーターの運転状態を確認したと判定された場合(ステップSVi9がYES判定の場合)、統合稼働情報表示制御部421は、通常運転状態のエレベーターの台数、自動復旧運転状態のエレベーターの台数、及び、休止運転状態のエレベーターの台数を、顧客Csの操作する端末装置5の表示部51(図1参照)に表示する制御を行う(ステップSVi11)。ステップSVi11の処理によって、端末装置5の表示部51に、例えば、図5に示した統合稼働情報が表示される。ステップSVi11の処理後、統合稼働情報表示制御部421は、統合稼働情報の提供処理を終了する。
[詳細稼働情報表示制御部による稼働情報の提供処理]
次に、図14を参照して、稼働状態情報提供装置4の詳細稼働情報表示制御部422による稼働情報の提供処理について説明する。
まず、詳細稼働情報表示制御部422は、顧客Csの操作する端末装置5より、選択された特定のエレベーターの詳細稼働情報の表示要求が入力されたか否かを判定する(ステップSVd1)。特定のエレベーターの詳細稼働情報の表示要求とは、例えば、図5に示した統合稼働情報で、特定の運転状態にあるエレベーター1の台数の部分が選択された後に表示される詳細情報(図6参照)において、特定のエレベーター1を選択する操作である。
ステップSVd1で、エレベーター1の詳細稼働情報の表示要求は入力されていないと判定された場合(ステップSVd1がNO判定の場合)、詳細稼働情報表示制御部422は、ステップSVd1の判定を繰り返す。
一方、ステップSVd1で、エレベーター1の詳細稼働情報の表示要求が入力されたと判定された場合(ステップSVd1がYES判定の場合)、詳細稼働情報表示制御部422は、該当するエレベーター1の情報を、通信部41を介して管制センター装置3の運転状態データベース32から抽出する(ステップSVd2)。
次いで、詳細稼働情報表示制御部422は、エレベーター1の運転状態が通常運転状態であった時間を計算する(ステップSVd3)。ステップSVd3では、詳細稼働情報表示制御部422は、エレベーター1の運転開始時から現在に至るまでの、エレベーター1の運転状態が通常運転状態であった時間の累計の時間を計算する。
次いで、詳細稼働情報表示制御部422は、エレベーター1の運転状態が自動復旧運転状態であった時間を計算する(ステップSVd4)。ステップSVd4でh、詳細稼働情報表示制御部422は、エレベーター1の運転開始時から現在に至るまでの、エレベーター1の運転状態が自動復旧運転状態であった時間の累計の時間を計算する。
次いで、詳細稼働情報表示制御部422は、エレベーター1の運転状態が休止運転状態であった時間を計算する(ステップSVd5)。ステップSVd5では、詳細稼働情報表示制御部422は、エレベーター1の運転開始時から現在に至るまでの、エレベーター1の運転状態が休止運転状態であった時間の累計の時間を計算する。
次いで、詳細稼働情報表示制御部422は、ステップSVd4で計算したエレベーター1の運転状態が自動復旧運転状態であった時間を、ステップSVd3で計算したエレベーター1の運転状態が通常運転状態であった時間に加算する(ステップSVd6)。次いで、詳細稼働情報表示制御部422は、該当するエレベーター1の総運転時間、すなわち、エレベーター1の運転開始時から現在に至るまでの時間に占める、通常運転状態であった時間を、割合で表示する(ステップSVd7)。
ステップSVd7の処理によって、端末装置5の表示部51に、例えば、図7に示した稼働情報が表示される。図7に示す例では、ステップSVd7で計算された、エレベーター1の総運転時間に占める通常運転状態であった時間の割合は、エレベーター1が「稼働中」であった割合として、ドーナツグラフ及びパーセンテージ(割合)で示されている。ステップSVd7の処理後、詳細稼働情報表示制御部422は、稼働情報の提供処理を終了する。
[地震復旧状態情報表示制御部による地震復旧状態情報の提供処理]
次に、図15を参照して、稼働状態情報提供装置4の地震復旧状態情報表示制御部423による地震復旧状態情報の提供処理について説明する。
まず、稼働状態情報提供装置4の地震復旧状態情報表示制御部423は、顧客Csの操作する端末装置5より、選択された特定のエレベーターの詳細稼働情報の表示要求が入力されたか否かを判定する(ステップSVe1)。ステップSVe1で、エレベーター1の詳細稼働状態情報の表示要求は入力されていないと判定された場合(ステップSVe1がNO判定の場合)、地震復旧状態情報表示制御部423は、ステップSVe1の判定を繰り返す。
一方、ステップSVe1で、エレベーター1の詳細稼働情報の表示要求が入力されたと判定された場合(ステップSVe1がYES判定の場合)、地震復旧状態情報表示制御部423は、該当するエレベーター1の情報を、通信部41を介して管制センター装置3の運転状態データベース32から抽出する(ステップSVe2)。
次いで、地震復旧状態情報表示制御部423は、抽出したエレベーター1の運転状態は自動復旧運転状態であるか否かを判定する(ステップSVe3)。ステップSVe3で、エレベーター1の運転状態は自動復旧運転状態であると判定された場合(ステップSVe3がYES判定の場合)、地震復旧状態情報表示制御部423は、以下のエレベーター1の運転状態の遷移の情報を、端末装置5の表示部51に表示する(ステップSVe4)。
・休止運転状態に移行した時刻(休止運転開始時刻)
・自動診断運転に移行した時刻(自動診断開始時刻)
・自動復旧運転に移行した時刻(自動復旧運転開始時刻)
・復旧用の点検の開始予定時刻
・復旧用の点検の終了予定時刻
一方、ステップSVe3で、エレベーター1の運転状態は自動復旧運転状態でないと判定された場合(ステップSVe3がNO判定の場合)、地震復旧状態情報表示制御部423は、抽出したエレベーター1の運転状態は休止運転状態であるか否かを判定する(ステップSVe5)。ステップSVe5で、エレベーター1の運転状態は休止運転状態であると判定された場合(ステップSVe5がYES判定の場合)、地震復旧状態情報表示制御部423は、ステップSVe4の処理を行う。なお、エレベーター1の運転状態が休止運転状態である場合であっても、自動復旧運転に移行した実績がない場合には、地震復旧状態情報表示制御部423は、ステップSVe4の処理の際に、自動復旧運転に移行した時刻は表示しない。
一方、ステップSe5で、エレベーター1の運転状態は休止運転状態でないと判定された場合(ステップSVe5がNO判定の場合)、地震復旧状態情報表示制御部423は、エレベーター1の運転状態が、所定の一定期間内において、運転休止状態又は自動復旧運転状態であったか否かを判定する(ステップSVe6)。
ステップSVe6で、所定の一定期間内において、運転休止状態又は自動復旧運転状態である時期はなかったと判定された場合(ステップSVe6がNO判定の場合)、地震復旧状態情報表示制御部423は、地震復旧状態情報の提供処理を終了する。
一方、ステップSVe6で、所定の一定期間内において、運転休止状態又は自動復旧運転状態である時期があったと判定された場合(ステップSVe6がYES判定の場合)、地震復旧状態情報表示制御部423は、以下の情報を端末装置5の表示部51に時系列で表示する(ステップSVe7)。
・休止運転状態に移行した時刻(休止運転開始時刻)
・自動診断運転に移行した時刻(自動診断開始時刻)
・自動復旧運転に移行した時刻(自動復旧運転開始時刻:自動復旧運転状態の履歴がある場合のみ)
・復旧用の点検の開始時刻
・復旧用の点検の終了時刻
その後、地震復旧状態情報表示制御部423は、地震復旧状態情報の提供処理を終了する。
上述した実施形態では、稼働状態情報提供装置4の表示制御部42は、端末装置5からエレベーター1の稼働状態の表示要求が送信された場合に、通信部41を介して管制センター装置3からエレベーター1の運転状態の情報を取得して、エレベーター1の稼働の状況を示す情報である稼働状態情報を生成し、生成した稼働状態情報を端末装置5の表示部51の画面に表示させる制御を行う。このとき、表示制御部42は、取得したエレベーター1の運転状態の情報に、専門技術者による点検を要する状態であるが、自動診断に基づいて運転が再開された状態である自動復旧運転状態の情報が含まれている場合、エレベーター1の稼働状態情報に、自動復旧運転状態の情報を含める。それゆえ、本実施形態によれば、自動復旧運転状態であることを含むエレベーター1の稼働状態情報を、エレベーター1の利用者や管理者などの顧客Csに提供することができる。
[各種変形例]
以上、本発明の一実施形態に係る稼働状態情報提供装置4を含む稼働状態情報提供システム100について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の変形例、応用例を取り得る。例えば、次のような各種変形例も本発明に含まれる。
なお、上述した実施形態及び各種変形例は本発明を分かりやすく説明するためにシステム及び各装置の構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、稼働状態情報提供装置4が不図示のクラウド内等に設けられる例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、稼働状態情報提供装置4は、管制センター装置3内に設けられてもよい。