JP7184708B2 - 交流電力変換装置 - Google Patents

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本発明は、系統連系運転と自立運転の切り替えが可能で、定常時は三相交流で商用電力系統と系統連系運転し、自立運転時には三相交流とともに単相交流を出力可能な交流電力変換装置に関する。
常時は系統連系運転を行い、停電時には蓄電器の電力を用いて自立運転を行う電源システムに関して、系統連系運転では三相交流を用いる一方、自立運転では三相交流と共に単相交流を出力する交流電力変換装置が知られている。その場合の構成法として、三相インバータにスコットトランスなどの三相交流を単相交流に変換する三相‐単相電力変換器を接続して単相交流を生成する手法がある(例えば特許文献1参照)。
特開平7-107744号公報
従来、自立運転時に三相インバータの電圧制御を行い、スコットトランスなどの三相‐単相電力変換器にて単相交流を生成した後の電圧に関して、この単相交流電圧を無制御で出力するという方式が考えられていた。
しかしながら、このような無制御方式の場合には、自立運転状態で単相負荷が大きいときには、三相側で電圧実効値を制御するだけでは単相負荷の電圧レベルを規定値に制御することが難しいという問題がある。
一方、無制御方式に代えて、自立運転時に三相‐単相電力変換器にて単相交流を生成した後の電圧を検出して制御することが考えられる。
しかしながら、この制御方式の場合には、三相‐単相電力変換器の出力側に電圧センサを配置するとともに、電圧センサと三相インバータとを結ぶ電源供給・データ信号送受用等のワイヤーハーネスを用いることが必要となり、構造の複雑化やコストアップという別の問題が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みて創作したものであり、交流電力変換装置に関して、三相‐単相電力変換器の出力側の電圧センサやこの電圧センサと三相インバータとを結ぶワイヤーハーネスを追加することのない簡単かつ低コストな構成で三相交流から安定した電圧の単相交流を生成できるようにすることを目的としている。
本発明は、次の手段を講じることにより上記の課題を解決する。
本発明による交流電力変換装置は、
蓄電部を含む三相インバータと出力側の三相交流系統とが相互に接続されるとともに、入力側の三相交流系統に対して停電時に解列する開閉器を介して接続され、
前記出力側の三相交流系統と前記三相インバータとの接続線路に三相交流を単相交流に変換する三相‐単相電力変換器が接続され、
前記開閉器による解列状態で生成した基準位相と前記三相インバータが生成する三相交流により前記接続線路に現れる相電圧および線間電圧の検出電圧値とに基づいて第1および第2の指令ベクトルを演算し、これら両指令ベクトルから前記三相インバータが出力すべき三相それぞれの出力電圧ベクトルを求め、その出力電圧ベクトルに従って前記三相インバータを制御する制御部を備えていることを特徴とする。
上記構成の本発明の交流電力変換装置には、次のようないくつかの好ましい態様がある。
(1)前記三相インバータは、第1ないし第3のスイッチングアームと前記蓄電部とが並列接続されて構成され、
前記出力側の三相交流系統における第1ないし第3の三相母線はそれぞれ前記第1ないし第3のスイッチングアームの交流入出力端子に接続され、
前記制御部は、位相生成部と第1の電圧制御演算部と第2の電圧制御演算部とスイッチング制御信号生成部とを備え、
前記位相生成部は、前記相電圧および前記線間電圧それぞれの位相を生成する機能を有し、
前記第1の電圧制御演算部は、前記相電圧の検出電圧値と前記相電圧の位相から前記第1の指令ベクトルを求める機能を有し、
前記第2の電圧制御演算部は、前記線間電圧の検出電圧値と前記線間電圧の位相から前記第2の指令ベクトルを求める機能を有し、
前記スイッチング制御信号生成部は、前記第1の指令ベクトルと前記第2の指令ベクトルとに基づいて、前記出力側の三相交流系統の第1ないし第3の接続線路の前記出力電圧ベクトルが所定の大きさと位相をもつように、前記第1ないし第3のスイッチングアームに対するスイッチング制御信号を生成出力する機能を有している、という態様がある。
(2)また、前記位相生成部は、前記生成した基準位相から演算によって前記線間電圧の位相と前記相電圧の位相とを生成する機能を有し、
前記第1の電圧制御演算部は、前記相電圧の検出電圧値と所定の目標電圧値との偏差を小さくするフィードバック制御によって電圧ピーク指令値を求め、この電圧ピーク指令値と前記相電圧の位相から前記第1の指令ベクトルを求める機能を有し、
前記第2の電圧制御演算部は、前記線間電圧の検出電圧値と所定の目標電圧値との偏差を小さくするフィードバック制御によって電圧ピーク指令値を求め、この電圧ピーク指令値と前記線間電圧の位相から前記第2の指令ベクトルを求める機能を有している、という態様がある。
本発明の上記の構成によれば、停電時の自立運転状態において、制御部は生成した基準位相と三相インバータが生成する三相交流の相電圧と線間電圧の検出電圧値とに基づいて第1および第2の指令ベクトルを演算し、これら両指令ベクトルからさらに三相インバータが出力すべき三相それぞれの出力電圧ベクトルを求め、その出力電圧ベクトルに従って三相インバータを制御する。その結果、三相‐単相電力変換器の出力側の電圧センサやこの電圧センサと三相インバータとを結ぶ電源供給・データ信号送受用等のワイヤーハーネスを用いることのない状態で、簡単かつ低コストな構成で三相交流から単相交流を生成することが可能となる。
本発明によれば、停電時の自立運転モードを有し、蓄電部を含む三相インバータで生成した三相交流を三相‐単相電力変換器によって単相交流に変換する方式の交流電力変換装置に関し、三相‐単相電力変換器の出力側からの電圧センサやワイヤーハーネスを介してのフィードバック制御ではなく、三相インバータに近い側で相電圧、線間電圧を検出し、それらの検出値を基にした演算によって三相インバータを制御することとしたので、簡単かつ低コストな構成で三相交流から安定した電圧の単相交流を生成することができる。
本発明の実施例における交流電力変換装置の構成を示す回路図 本発明の実施例における交流電力変換装置のLC等フィルタの内部構成を示す回路図 本発明の実施例における交流電力変換装置の三相‐単相電力変換器(スコットトランス)の内部構成を示す回路図 本発明の実施例における交流電力変換装置の第1の電圧制御演算部の内部構成を示すブロック図 本発明の実施例における交流電力変換装置の第2の電圧制御演算部の内部構成を示すブロック図 本発明の実施例における交流電力変換装置のスイッチング制御信号生成部の内部構成を示すブロック図 本発明の実施例における交流電力変換装置の動作を説明するためのベクトル図
以下、上記構成の本発明の交流電力変換装置につき、その実施の形態を具体的な実施例のレベルで詳しく説明する。
図1は本発明の実施例における交流電力変換装置の構成を示す回路図である。図1において、30は入力側の三相交流系統、40は出力側の三相交流系統、50は三相インバータ、60はPWM制御の制御部である。31は入力側の三相交流系統30における第1の三相母線、32は第2の三相母線、33は第3の三相母線、41は出力側の三相交流系統40における第1の三相母線、42は第2の三相母線、43は第3の三相母線である。入力側の三相交流系統30と出力側の三相交流系統40との間には、停電時に両者(30,40)間を解列するための開閉器20が介装されている。
51は三相インバータ50における第1のスイッチングアーム、52は第2のスイッチングアーム、53は第3のスイッチングアーム、54は蓄電池またはコンデンサ等の蓄電部である。61は制御部60における位相生成部、62は第1の電圧制御演算部、63は第2の電圧制御演算部、64はスイッチング制御信号生成部である。
開閉器20と出力側の三相交流系統40との間の配線部分に接続された三相インバータ50は、第1ないし第3のスイッチングアーム51,52,53と蓄電部54とが並列接続されて構成されている。これは、一般的な三相インバータと変わるところがない。
出力側の三相交流系統40の第1ないし第3の3つの三相母線41,42,43はそれぞれ入力側の三相交流系統30の第1ないし第3の3つの三相母線31,32,33に対して開閉器20を介して個別的に接続され、それぞれU相、V相、W相を構成している。
本実施例にあっては、三相交流における3つの相(U相・V相・W相)と第1ないし第3の三相母線41,42,43との対応関係につき、一例として、U相を第1の三相母線41に対応させ、V相を第2の三相母線42に対応させ、W相を第3の三相母線43に対応させることにする。
三相インバータ50の構成について、第1のスイッチングアーム51はハイサイドのスイッチング素子Q1aとローサイドのスイッチング素子Q1bとが交流入出力端子N1を介して直列に接続され、第2のスイッチングアーム52はハイサイドのスイッチング素子Q2aとローサイドのスイッチング素子Q2bとが交流入出力端子N2を介して直列に接続され、第3のスイッチングアーム53はハイサイドのスイッチング素子Q3aとローサイドのスイッチング素子Q3bとが交流入出力端子N3を介して直列に接続され、さらにこれら第1ないし第3のスイッチングアーム51,52,53が互いに並列に接続され、加えて蓄電部54も並列に接続されている。
出力側の三相交流系統40と三相インバータ50の関係について、第1の三相母線41(U相)は第1のスイッチングアーム51の交流入出力端子N1に接続され、第2の三相母線42(V相)は第2のスイッチングアーム52の交流入出力端子N2に接続され、第3の三相母線43(W相)は第3のスイッチングアーム53の交流入出力端子N3に接続されている。
交流入出力端子N1,N2,N3の直近で第1ないし第3の三相母線41(U相),42(V相),43(W相)の相互間にLC等のフィルタ44が接続されている。このフィルタ44は、三相インバータ50のスイッチング動作によって生成される三相交流の電圧波形を正弦波に成形するためのものである。
フィルタ44の詳しい回路構成の例を図2に示している。第1の三相母線41にはコイルL1a,L1bが挿入され、第2の三相母線42にはコイルL2a,L2bが挿入され、第3の三相母線43にはコイルL3a,L3bが挿入されている。また、第1・第2の三相母線41,42間にはコンデンサC12が接続され、第2・第3の三相母線42,43間にはコンデンサC23が接続され、第3・第1の三相母線43,41間にはコンデンサC31が接続されている。
開閉器20が閉路[入]状態にある定常時において、入力側の三相交流系統30と出力側の三相交流系統40との間で三相インバータ50を介しての系統連系運転が実行され、三相インバータ50により直流化された電力によって蓄電部54に対する充電が行われる。この状態では、三相‐単相電力変換器70も動作を継続し、その一次側はインピーダンスが低い状態で系統されるので、二次電圧は安定することになる。図3は三相‐単相電力変換器70の構成の一例を示す。
入力側の三相交流系統30の停電時には開閉器20における開路[切]状態への切り替え動作によって、出力側の三相交流系統40が入力側の三相交流系統30から解列され、負荷に対しては三相インバータ50の蓄電部54を電源として給電が行われる。すなわち、自立運転状態となる。自立運転状態では、制御部60における制御により三相‐単相電力変換器70にて単相交流を生成し、単相負荷への給電を実行する。なお、三相負荷としては三相交流モータを、単相負荷としては照明装置をそれぞれ典型例として挙げることができる。
このような三相インバータ50の蓄電部54を駆動源とする自立運転状態での単相負荷への単相交流電圧の供給において、本実施例では、三相‐単相電力変換器70の出力側で電圧センシングをせず、またフィードバック制御のためのハーネスを用いることなく電圧供給を実現する。その実現のための三相インバータ50における第1ないし第3のスイッチングアーム51,52,53に対するPWM制御の制御部60を次のように構成している。
すなわち、制御部60は、位相生成部61と第1の電圧制御演算部62と第2の電圧制御演算部63とスイッチング制御信号生成部64とを備えており、これらの各構成要素はそれぞれ次のように構成されている。
位相生成部61は、基準位相を生成し、その基準位相からの演算によって、第2の三相母線42(V相)と第3の三相母線43(W相)との間の線間電圧VVWの位相θVWと第1の三相母線41(U相)の電圧VU の位相θU を生成する機能を有している。位相θVWの信号は第2の電圧制御演算部63に送られ、位相θU の信号は第1の電圧制御演算部62に送られる。
上記の位相の演算において、本実施例では時計方向を位相の正方向としている。
第1の電圧制御演算部62は、第1の三相母線41(U相)について、検出電圧値VU を所定の大きさに維持するフィードバック制御部62aと、第1の三相母線41(U相)の電圧VU に対する指令ベクトルVα(第1の指令ベクトルVαとする)を求めるための指令ベクトル演算部62bとを備えている。
前記構成要素としてのフィードバック制御部62aは、図4に詳しく示すように、第1の三相母線41(U相)の検出電圧値VU について実効値演算を行い、これと所定の目標電圧値との偏差をとり、その偏差が限りなく最小化するようにフィードバック制御を行い、その結果得られた情報を第1の三相母線41(U相)に対する電圧ピーク指令値VUrefとして後段の指令ベクトル演算部62bへと送出する。
前記構成要素としての指令ベクトル演算部62bは、位相生成部61から第1の三相母線41(U相)の電圧VU の位相θU を受け取り、これに対して余弦関数演算(cos演算)を作用させて余弦関数cosθU を生成するとともに、前段のフィードバック制御部62aから電圧ピーク指令値VUrefを受け取って、これに前記の余弦関数cosθU を乗算して、第1の三相母線41(U相)の電圧VU に対する指令ベクトルVα(第1の指令ベクトル)つまり、
α=VUref・cosθU
を求める機能を有するものとして構成されている。第1の指令ベクトルVαの信号はスイッチング制御信号生成部64に送られる。
第2の電圧制御演算部63は、上記の第1の電圧制御演算部62と類似した構造を有している。すなわち、第2の電圧制御演算部63は、第2の三相母線42(V相)と第3の三相母線43(W相)との間の線間電圧VVWを所定の大きさに維持するフィードバック制御部63aと、線間電圧VVWに対する指令ベクトルVβ(第2の指令ベクトルVβとする)を求めるための指令ベクトル演算部63bとを備えている。
前記構成要素としてのフィードバック制御部63aは、図5に詳しく示すように、線間電圧VVWについて実効値演算を行い、これと所定の目標電圧値との偏差をとり、その偏差が限りなく最小化するようにフィードバック制御を行い、その結果得られた情報を線間電圧VVWに対する電圧ピーク指令値VVWrefとして後段の指令ベクトル演算部63bへと送出する。
前記構成要素としての指令ベクトル演算部63bは、位相生成部61から線間電圧VVWの位相θVWを受け取り、これに対して余弦関数演算(cos演算)を作用させて余弦関数cosθVWを生成するとともに、前段のフィードバック制御部63aから電圧ピーク指令値VVWrefを受け取って、これに前記の余弦関数cosθVWを乗算して、第2の三相母線42(V相)と第3の三相母線43(W相)との間の線間電圧VVWに対する指令ベクトルVβ(第2の指令ベクトル)つまり、
β=VVWref・cosθVW
を求める機能を有するものとして構成されている。第2の指令ベクトルVβの信号はスイッチング制御信号生成部64に送られる。
以上により、第1の指令ベクトルVαの位相に対する第2の指令ベクトルVβの位相の相対的な関係は、第1の三相母線41(U相)の電圧VU の位相θU に対する第2および第3の三相母線42,43間(V相W相間)の線間電圧VVWの位相θVWの相対的な関係と等価なものになる。
スイッチング制御信号生成部64は、上記で求めた第1の指令ベクトルVαと第2の指令ベクトルVβとに基づいて、第1、第2および第3の3つの三相母線41,42,43それぞれの出力電圧ベクトルが所定の大きさと位相をもつように、第1ないし第3のスイッチングアーム51,52,53に対するスイッチング制御信号を生成出力する機能を有している。
すなわち、三相インバータ50における第1のスイッチングアーム51(U相)の交流入出力端子N1からの出力電圧ベクトルVinvUについて指令ベクトルVαに一致するように制御し、併せて第2のスイッチングアーム52(V相)の交流入出力端子N2からの出力電圧ベクトルVinvVおよび第3のスイッチングアーム53(W相)の交流入出力端子N3からの出力電圧ベクトルVinvWについてそれぞれ第1の指令ベクトルVαと第2の指令ベクトルVβとから次の演算に従うように制御を行う(図6)。
invU=Vα
invV=-(1/2)Vα+(√3/2)Vβ
invW=-(1/2)Vα-(√3/2)Vβ
これらの3つのベクトル演算が同時的に成立するように、スイッチング制御信号生成部64は、第1ないし第3のスイッチングアーム51,52,53におけるハイサイドおよびローサイドのスイッチング素子Q1a,Q1b,Q2a,Q2b,Q3a,Q3bに対するPWM制御信号を生成して出力する機能を有している。なお、上記の数式において、「√3」の表記は「3の平方根」(square root 3)を意味している。
第1の指令ベクトルVαは、
α=VUref・cosθU
となっている。第2の指令ベクトルVβは、
β=VVW・cosθVW
となっている。位相θU と位相θVWの関係は、前述の通り、
θU =θVW+90°
となっている。
ベクトル図(複素数表示)を用いて第1の指令ベクトルVαと第2の指令ベクトルVβとの相対関係を表すと、図7(a)のようになる。横軸は実軸であり、縦軸は虚軸である。第2の指令ベクトルVβの位相θβは第1の指令ベクトルVαの位相θαよりも負方向(反時計方向)にずれている。そのずれ位相は90°となる。
第1の指令ベクトルVαを実軸に沿わせる正規化を行うと、図7(b)のようになり、第2の指令ベクトルVβは虚軸(上側)に沿う状態となる。
この状態において、上記の式、
invV=-(1/2)Vα+(√3/2)Vβ
invW=-(1/2)Vα-(√3/2)Vβ
に従う第2のスイッチングアーム52(V相)からの出力電圧ベクトルVinvVと第3のスイッチングアーム53(W相)からの出力電圧ベクトルVinvWを描くと、図7(c)のようになる。第1のスイッチングアーム51(U相)からの出力電圧ベクトルはVinvU=Vαである。
V相の出力電圧ベクトルVinvVもW相の出力電圧ベクトルVinvWもその大きさはU相の出力電圧ベクトルVinvUの大きさと同じになっている。V相の出力電圧ベクトルVinvVの位相θinvVはU相の出力電圧ベクトルVinvUの位相θinvUから120°の遅れをもち、W相の出力電圧ベクトルVinvWの位相θinvWはV相の出力電圧ベクトルVinvVの位相θinvVから120°の遅れをもっている(時計方向が位相の正方向)。
W相の出力電圧ベクトルVinvWのベクトル先端からV相の出力電圧ベクトルVinvVのベクトル先端を結ぶ線間電圧VinvVWのベクトルは虚軸に沿う第2の指令ベクトルVβと平行であり、U相の出力電圧ベクトルVinvUのベクトルに対して垂直の関係となっている。線間電圧VinvVWのベクトルの大きさは第2の指令ベクトルVβの√3倍である。
上記のように制御することにより、三相‐単相電力変換器70から出力される2つの単相交流は、一方が第1の指令ベクトルVαに対応したものとなり、他方が第2の指令ベクトルVβに対応したものとなり、これら2つの単相交流は互いに位相が90°ずれたものとなっている。
電気設備技術基準では、100V系の場合は基準値(101±6[V])に維持しなければならないのに対し、200V系の場合は基準値(202±20[V]]で良いとしている。そこで、上記実施例では、100V系を優先して制御し、100V系、200V系をともに規定値内に納めることができるようになっている。
以上のように、本実施例によれば、三相‐単相電力変換器70の出力側に電圧センサを設けたり、その電圧センサと三相インバータ50とを結ぶ電源供給・データ信号送受用等のワイヤーハーネスを用いたりすることなく、簡単かつ低コストな構成で三相交流から単相交流を生成することができる。
なお、上記実施例では、相電圧と線間電圧との組み合わせとして、第1の三相母線41(U相)の電圧VU と第2の三相母線42(V相)と第3の三相母線43(W相)との間の線間電圧VVWとの組を例示したが、もちろんほかの組み合わせであってもよく、さらには線間電圧の一方をなす三相母線として相電圧VU に対応した第1の三相母線41を選んでもよい。つまり、相電圧VU と線間電圧VVWの組み合わせ(添え字がすべて異なる)に代えて、相電圧VU と線間電圧VUVの組み合わせや相電圧VU と線間電圧VWUの組み合わせ(添え字が一部一致する)を用いてもよい。
本発明は、停電時の自立運転モードを有し、蓄電部を含む三相インバータで生成した三相交流を三相‐単相電力変換器によって単相交流に変換する方式の交流電力変換装置に関し、三相‐単相電力変換器の出力側の電圧センサやこの電圧センサと三相インバータとを結ぶ電源供給・データ信号送受用等のワイヤーハーネスを用いることのない状態で、簡単かつ低コストな構成で三相交流から安定した電圧の単相交流を生成する技術として有用である。
20 開閉器
30 入力側の三相交流系統
40 出力側の三相交流系統
41 第1の三相母線
42 第2の三相母線
43 第3の三相母線
50 三相インバータ
51 第1のスイッチングアーム
52 第2のスイッチングアーム
53 第3のスイッチングアーム
54 蓄電部
60 制御部
61 位相生成部
62 第1の電圧制御演算部
63 第2の電圧制御演算部
64 スイッチング制御信号生成部
70 三相‐単相電力変換器(スコットトランス)
N1,N2,N3 交流入出力端子

Claims (3)

  1. 蓄電部を含む三相インバータと出力側の三相交流系統とが相互に接続されるとともに、入力側の三相交流系統に対して停電時に解列する開閉器を介して接続され、
    前記出力側の三相交流系統と前記三相インバータとの接続線路に三相交流を単相交流に変換する三相‐単相電力変換器が接続され、
    前記開閉器による解列状態で生成した基準位相と前記三相インバータが生成する三相交流により前記接続線路に現れる相電圧および線間電圧の検出電圧値とに基づいて第1および第2の指令ベクトルを演算し、これら両指令ベクトルから前記三相インバータが出力すべき三相それぞれの出力電圧ベクトルを求め、その出力電圧ベクトルに従って前記三相インバータを制御する制御部を備えていることを特徴とする交流電力変換装置。
  2. 前記三相インバータは、第1ないし第3のスイッチングアームと前記蓄電部とが並列接続されて構成され、
    前記出力側の三相交流系統における第1ないし第3の三相母線はそれぞれ前記第1ないし第3のスイッチングアームの交流入出力端子に接続され、
    前記制御部は、位相生成部と第1の電圧制御演算部と第2の電圧制御演算部とスイッチング制御信号生成部とを備え、
    前記位相生成部は、前記相電圧および前記線間電圧それぞれの位相を生成する機能を有し、
    前記第1の電圧制御演算部は、前記相電圧の検出電圧値と前記相電圧の位相から前記第1の指令ベクトルを求める機能を有し、
    前記第2の電圧制御演算部は、前記線間電圧の検出電圧値と前記線間電圧の位相から前記第2の指令ベクトルを求める機能を有し、
    前記スイッチング制御信号生成部は、前記第1の指令ベクトルと前記第2の指令ベクトルとに基づいて、前記出力側の三相交流系統の第1ないし第3の接続線路の前記出力電圧ベクトルが所定の大きさと位相をもつように、前記第1ないし第3のスイッチングアームに対するスイッチング制御信号を生成出力する機能を有している請求項1に記載の交流電力変換装置。
  3. 前記位相生成部は、前記生成した基準位相から演算によって前記線間電圧の位相と前記相電圧の位相とを生成する機能を有し、
    前記第1の電圧制御演算部は、前記相電圧の検出電圧値と所定の目標電圧値との偏差を小さくするフィードバック制御によって電圧ピーク指令値を求め、この電圧ピーク指令値と前記相電圧の位相から前記第1の指令ベクトルを求める機能を有し、
    前記第2の電圧制御演算部は、前記線間電圧の検出電圧値と所定の目標電圧値との偏差を小さくするフィードバック制御によって電圧ピーク指令値を求め、この電圧ピーク指令値と前記線間電圧の位相から前記第2の指令ベクトルを求める機能を有している請求項2に記載の交流電力変換装置。
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