JP7180705B2 - 材料評価装置、及び材料観察方法 - Google Patents

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Description

本発明は、腐食環境下での金属材料の腐食・割れを観察し解析(評価)するための、材料評価装置、及び材料観察方法に関する。
社会基盤に幅広く活用される金属材料では、腐食現象を起因とした減肉による短寿命化や割れの事故に至る問題があり、耐食性の向上は極めて重要な課題である。耐食性を評価する方法として、使用環境で実際に曝露試験を実施する他、評価試験片に噴霧などによって塩水などの試験液を付与して模擬環境で試験を実施する方法がある。とりわけ後者の模擬試験では、温度・湿度等の環境パラメータを系統的に制御・影響が把握できる上、更に腐食の形態を同時に直接観察すれば、腐食・耐食性のメカニズム解明に役立つことが期待される。例えば、特許文献1には、鋼板表面のその場解析技術として、金属材料の一部に溶液を滴下することで高温多湿の大気腐食環境下を部分的に形成し、鋼板表面の孔食形成過程を乾燥・湿潤サイクル内において、光学系装置により試験槽の外側からその場観察する方法が開示されている。
また、金属材料における腐食現象の中でも、引張応力が作用して生じる割れ現象は、応力腐食割れと呼ばれている。応力腐食割れは、材料因子、力学因子(応力)、環境因子の3因子が揃った条件で起こるとされる。
一般的に応力腐食割れは、主にステンレス、銅合金等の合金で発生し易く、自動車、プラント設備、原子力発電所等の安全上の大きな課題となっており、ショットピーニングによる引張残留応力の緩和や、応力腐食割れの発生を早期に発見する予測技術を用いて予防保全を図る等の対策が講じられている。
応力腐食割れの形態は、割れの進展経路や環境によって大別されており、溶接影響部で起こり易い粒界型応力腐食割れ、表面硬化部で起こり易い粒内型応力腐食割れ等が知られている。更に環境因子として、中性子線やガンマ線照射環境下で起こる照射誘起応力腐食割れ、流速が加わることで腐食が加速する流れ加速型腐食が重畳するなど、従来にあっては、応力腐食割れの全貌を把握するのは容易ではなかった。
この応力腐食割れの発生過程を調べる方法として、例えば特許文献2に記載の方法がある。特許文献2には、金属材料の応力腐食割れや孔食の発生過程を視覚化するため、金属材料の主要成分の陽イオンと発色反応する金属陽イオン反応性発色剤を用いて、皮膜破壊箇所から溶出した金属イオンによる発色反応を活用する方法が開示されている。
応力腐食割れの中でも、使用環境として、例えば硫化水素HSを含むサワー環境下で割れる現象は、硫化物応力腐食割れと呼ばれる。硫化物応力腐食割れは、石油・天然ガス向け油井管材料・ラインパイプ等のエネルギー分野における重要課題の一つとなっており、井戸毎など使用環境に応じた最適な材料設計が求められている。
各使用環境への材料適正については、主に、NACE TM 0177 Method A に規定されている定荷重試験による硫化物応力腐食割れ評価が知られている。この試験は、地層水又は凝縮水を模擬した試験液のpH及びHS濃度の各条件下で、試験片に負荷応力を与えた状態で720時間(約1ヶ月)試験を行った後の試験片の破断又はクラックの発生有無で試験片の硫化物応力腐食割れを評価する方法である。大型HS設備を用いて様々な環境条件で、かつ各種ステンレス、強度グレード等の様々な多種材料を硫化物応力腐食割れ試験に供して判定を行い、また他試験・評価方法と組み合わせて、硫化物応力腐食割れの各素過程に関する知見が集積され、材料設計に反映されてきた。
現状、以上に述べた応力腐食割れや硫化物応力腐食割れを始めとした腐食現象・割れ現象の本質的解明が十分に進んでいない。その最大の理由の一つに、割れの発生起点が腐食・割れ成長と共にすぐ消失してしまい、割れに繋がる発生起点の特定が困難であるという点が挙げられる。割れ起点となる孔食の発生過程については、金属表面の介在物やミクロ組織の腐食、不動態皮膜の劣化・破壊や再不動態化の中で、孔食萌芽(孔食となる初期腐食)の発生と成長が過渡的かつ複雑に起こっていると考えられる。
そこで、実環境下での腐食及び割れの発生から成長までの実態をその場解析技術によって明らかにできれば、腐食起点の特定や割れと材料因子の確証的データに基づく新材料設計に繋がり、耐食性のみならず、耐応力腐食割れ性や耐硫化物応力腐食割れ性等の腐食を起因とした種々の耐割れ性を、飛躍的に向上できることが期待される。
特開2019-178997号公報 特開2008-216232号公報
特許文献1に記載の大気腐食のその場観察装置及び観察方法では、複合サイクル腐食試験(CCT)や飛来海塩を想定しており、応力環境下の応力腐食割れ、特にサワー環境での応力腐食割れについて一切言及されていない。加えて、特許文献1は、流速などの環境制御も想定されておらず、各環境制御下で応力負荷された鋼板表面のミクロスケールその場解析技術が未確立であるという課題があった。
また、特許文献2に記載の応力腐食割れ及び孔食の発生過程を検知する方法では、リアルタイムで応力腐食割れ及び孔食の発生過程を観察できることが期待できる。しかしながら、特許文献2では、金属陽イオン反応性発色剤を試験環境の水溶液に添加する必要があるため、実腐食環境を模擬し難いという問題があった。また、特許文献2の方法では、増粘剤の使用により改善されるものの、発色箇所が水溶液中で拡散する点や、アノード溶解反応を利用しているため、検出にはある程度の溶解(腐食)が進行しなければならない点等から、孔食萌芽の初期腐食のようなミクロスケールの微小な発生点を検出し難いという課題があった。
また、一般的に、割れの試験を一時中止して取り出せば、その時点での孔食や孔食底部に割れが生じたものなど、それらを解析することで途中の成長過程を推察できるが、割れが起きる箇所の同一箇所の初期過程を捉えている訳ではない。また、取り出して応力負荷のまま試料を観察後、再度試験に供する場合、不連続な試験となり実際の現象を再現できない。このように同一対象物での追跡が難しく、割れに繋がる孔食が結局どのような箇所の条件で発生しているかについて情報を取得することは困難を極める。また、割れ発生の各素過程(孔食発生・成長、き裂発生・伝播等)に焦点を当てて、検証の試験・解析を行って割れ現象を推察しているのが実状であり、腐食発生から割れに至るまでの連続した応力腐食割れの実態を十分掴めていない。加えて、材料因子側としても、低炭素鋼、ステンレスや溶接影響部のみならず異種複合材料も含め多種の材料・部位が存在する。その結果として、多種の材料・部位に対して、様々な条件下で起きる割れの原因究明の対応に追われ、莫大な時間とコストを費やしていることが大きな課題となっている。
ここで、安全・安心な社会基盤の構築に向けて、金属材料の耐応力腐食割れ性(耐食性)の向上を図り、より良い材料を社会に提供するためには、孔食発生起点から割れに至るまでの詳細な現象を連続的にミクロスケールで突き止め抜本的対策を打ち立て、様々な環境と多種ある材料の組み合わせで起きる応力腐食割れ形態を模擬できる包含した割れその場解析技術が必要不可欠である。
本発明は、上記のような点を鑑みてなされたもので、金属材料の腐食及び割れの発生過程をその場で解析可能とする技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、応力腐食割れに繋がる腐食・孔食・き裂発生のごく初期段階から捉えることが可能な装置及び方法について鋭意研究を実施した。そして、本発明者らは、かかる鋭意研究から得られた知見に基づき、更に検討を加えて本発明を完成させたものである。
そして、課題解決のために、本発明の一態様は、金属材料からなる試験片の応力環境下の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察可能な材料評価装置であって、容器内を観察可能な観察窓を有する密閉容器であって、容器内に上記試験片を配置する試験容器と、上記試験容器内に配置される上記試験片に応力を負荷する応力負荷治具と、上記観察窓を介して上記試験容器内に配置した上記試験片を観察する光学系プローブと、上記試験容器内に導入されて容器内に配置された上記試験片を浸漬し、上記試験片の腐食を促進可能な試験液と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、金属材料からなる試験片の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察可能な材料評価装置であって、容器内を観察可能な観察窓を有する密閉容器であって、容器内に上記試験片を配置する試験容器と、上記観察窓を介して上記試験容器内に配置した上記試験片を観察する光学系プローブと、上記試験容器内に導入されて容器内に配置された上記試験片を浸漬し、上記試験片の腐食を促進可能な試験液と、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様は、上記試験液は、上記試験容器内に充填されていることを特徴としても良い。
また、本発明の一態様は、上記試験容器内に配置された上記試験片の観察面は、上記観察窓に対向配置され、上記観察面と上記観察窓との間に存在する上記試験液に対し、上記観察面に沿った流れを形成する流れ形成装置を備えることを特徴としてもよい。
また、本発明の一態様は、上記流れ形成装置は、上記試験容器内に連通し試験液を上記試験容器内に流し込むための導入管と、試験液を上記試験容器内から排出する排出管と、を備え、上記導入管及び上記排出管の少なくとも一方の管の上記試験容器内に臨む方向が、上記観察面と上記観察窓との間に向けられていることを特徴としても良い。
また、本発明に一態様は、上記観察窓を介して、上記試験片の観察面に上記試験片の腐食に影響を与える光又は放射線を照射する照射器を備えることを特徴としても良い。
また、本発明の一態様は、上記試験液は、溶質として硫化水素HS、二酸化炭素CO、及び塩化物イオンのいずれか1つ以上を含むことを特徴としてもよい。
また、本発明の一態様は、上記試験容器内に配置された上記試験片の観察面と上記観察窓とが、横方向で対向配置していることを特徴としてもよい。
また、本発明の一態様は、上記光学系プローブの受光部を除き、当該光学系プローブの周りを密閉状態で覆う被覆材と、上記光学系プローブと上記被覆材との間の密閉空間を陽圧とする陽圧形成装置と、を備えることを特徴としてもよい。
また、本発明の一態様は、上記試験容器及び光学系プローブを支持する除振台を備えることを特徴としてもよい。
また、本発明の一態様は、上記試験容器に、上記試験片の電気化学測定を行うための試料電極、参照電極、及び対極を設けることを特徴としてもよい。
また、本発明の一態様は、上記試験片を形成する金属材料が、鉄鋼材料であることを特徴としてもよい。
また、本発明の他の態様は、金属材料からなる試験片の応力環境下で腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察する材料観察方法であって、上記試験片を、当該試験片の腐食を促進可能な試験液中に、応力を負荷した状態で浸漬し、上記試験液の外に配置した光学系プローブで、上記試験片の観察面の腐食及び割れ過程を観察することを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、金属材料からなる試験片の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察する材料観察方法であって、上記試験片を、当該試験片の腐食を促進可能な試験液中に浸漬し、上記試験液の外に配置した光学系プローブで、上記試験片の観察面の腐食及び割れの少なくとも一方の過程を観察することを特徴とする。
本発明の他の態様は、上記試験片及び試験液は、密閉容器からなる試験容器内に収容され、上記光学系プローブは、上記試験容器の外から上記試験片を観察することを特徴としてもよい。
また、本発明の他の態様は、上記試験片の観察面上に位置する上記試験液に対し、上記観察面に沿った流れを連続的若しくは間欠的に形成することを特徴としてもよい。
また、本発明の他の態様は、上記試験片の観察面に上記試験片の腐食に影響を与える光又は放射線を照射することを特徴としてもよい。
また、本発明の他の態様は、上記試験液は、溶質として硫化水素HS、二酸化炭素CO、及び塩化物イオンのいずれか1つ以上を含むことを特徴としてもよい。
また、本発明の他の態様は、上記光学系プローブの受光部と上記試験片の観察面とを横方向で対向させた状態で、上記光学系プローブで上記試験片を観察することを特徴としてもよい。
本発明の態様によれば、腐食及び割れの発生起点・成長過程をミクロスケールでその場解析可能とする装置及び解析方法を提供することができる。
その結果、本発明の態様を採用することで、自動車、プラント、原子力発電所、ラインパイプを始めとした移動媒体、構造物、インフラ設備等の様々な環境に応じた応力腐食割れの根本原因を突き止めることが可能となって、実態・本質解明が進み、耐食性や耐応力腐食割れ性を向上した材料開発指針の策定に大きく寄与し、安全・安心な社会基盤の構築に資する。
本発明に基づく第1実施形態に係る装置構成を示す概略図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る別の装置構成を示す概略図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る装置構成を示す概略図である。 実施例2における、マルテンサイト鋼からなる試験片表面の微小き裂進展のリアルタイム観察の結果を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の装置は、金属材料からなる試験片の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察可能な材料評価装置に関する。本実施形態の装置は、例えば、腐食により割れに進行する過程や、割れ発生後の応力などによる割れの進展挙動などを観察するための装置である。
「第1実施形態」
まず、第1実施形態について説明する。
本実施形態の材料評価装置は、図1及び図2に示すように、試験容器1、応力負荷治具3、光学系測定装置の光学系プローブ7、流れ形成装置20、照射器11、及び除振台12を備える。応力負荷治具3を省略した構成でもよい。
(試験片4)
評価する試験片4は金属材料からなる。評価対象となる金属材料は、特に限定されない。すなわち、試験片4は、経時的な使用によって、腐食や割れが発生するおそれのある材料であれば、特に限定されない。金属材料としては、ステンレス等の高合金、炭素鋼等の低合金の鉄鋼材料、銅合金等の合金などが例示できる。本実施形態では、金属材料は鉄鋼材料とする。
試験片4の形状は、特に限定されない。本実施形態では、長方形形状の平板(短冊形状)とする。
(試験容器1)
試験容器1は、容器内を観察可能な観察窓5を有する密閉容器である。試験容器1は、容器内に試験片4を配置可能となっている。試験容器1は、除振台12の上に設置されている。
観察面4aを側方に向ける場合には、例えば図2のように、容器固定台13を介して除振台12に支持させる。容器固定台13は、試験容器1を支える強度があればよく、耐食性を有すると更に好ましい。容器固定台13の材料として、例えばステンレス鋼が挙げられる。
試験容器1は、密閉性が保たれ観察窓5が1側面以上に備え且つ試験片4を配置可能な大きさであればよい。試験容器1は、容器形状も特に限定されなく、立方体、円筒などとして良い。観察窓5以外の材質は、試験液30に対する耐液性があれば、特に限定はされないが、操作性及び価格の観点から、透明なアクリルが好ましい。
<観察窓5>
観察窓5は、光学系プローブ7による試験片4の観察が可能なだけの光透過性を有する材料、例えばガラスからなる。
観察窓5は、光学系プローブ7による高倍でのミクロスケール観察と解析の観点から、高い透明性を有し、光透過性に優れた材質が望ましい。観察窓5は、屈折、減衰の影響を小さくするため、肉厚は限定されないが、強度と耐久性が得られる範囲で薄い方が好ましい。より好ましくは、観察窓5は、厚さ2mm以上4mm未満の石英ガラスが好ましい。
観察窓5の位置(向き)は、容器内が観察可能であれば、特に限定されない。観察窓5は、例えば、試験容器1の上面又は側面に形成される。
図1では、観察窓5を試験容器1の上面に形成した場合を例示している。
ただし、試験液30をバブリングして飽和状態にしながら試験を実施する等により、容器内に気相空間が生まれる場合は、気相空間が観察を阻害、又は試験液30中の気泡の影響を極力小さくする。このような悪影響を抑える観点からは、図2のように、観察窓5は側面に設けた方が好ましい。
すなわち、COガスなどが飽和してガスとなって気泡が発生し易い条件、また試験液30をバブリングして飽和状態にしながら試験を実施する条件等では、試験容器1内に気泡や気相空間が生まれて観察を阻害する。このため、試験液30中の気泡の影響を極力小さく回避する観点から、観察窓5は側面に設け、応力負荷治具3に取り付けられた試験片4の観察面4aを、水平面から左右に傾け、例えば鉛直方向に設置して、容器側面から光学系プローブ7で観察することが好ましい。
(応力負荷治具3)
応力負荷治具3は、試験容器1内に配置される試験片4を支持し且つ試験片4に応力を負荷する治具である。応力負荷治具3は、試験片4に引張応力が付与できかつ試験容器1内に導入できれば任意の形状で良い。
応力負荷治具3は、短冊形状の試験片4を小型の3点曲げ、又は4点曲げ治具で付与するもの、もしくは、薄片状の試験片4を小型の引張治具で付与するものがより好ましい。
図1では、4点曲げによって、試験片4の長手方向中央が上方へ凸となるように反らした場合が例示され、その試験片4の上面が観察面4aとなる。
応力負荷治具3の材質は、耐食性と剛性があればよく、SUS316L等が使用できる。また、試験片4を設置した際に、引張面が観察窓5から30mm以上離れすぎないよう、治具の大きさは最低限に留めた方がより望ましい形態となる。また、応力条件を大きく3パターン(負荷しない、弾性域、塑性域)で変えることで、応力有無、応力の影響の詳細な調査が可能である。
更に、応力負荷治具3を用いて、短冊形状の試験片4に応力を付与し、試験片4の片側の側面にガラス等の透明材料を接着させ、この試験片4の片側の側面が観察面4aになるよう応力負荷治具3を配置しても良い。この場合には、試験片4の表面変化だけでなく、透明材料を通して、深さ方向への腐食及び割れの発生・成長過程等の動的挙動について連続的な可視化が可能となる。
(試料台2)
試料台2は、試験容器1内に設置される。本実施形態では、図1及び図2に示すように、試験容器1内に設置した試料台2の上に、応力負荷治具3で引張応力が付与された試験片4を、設置可能となっている。
試料台2は、使用する腐食性の試験液30に対して耐食性を有し、構造的に安定性を有していれば材質及び形状は特に限定されなく、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
この試料台2に、応力負荷治具3で引張応力が付与された試験片4を設置することで、試験片4の上面からなる観察面4aが、所定の距離を開けて、光学系プローブ7の受光部7aと上下に対向するように設定される。
なお、試験片4と観察面4aとが所定の距離を開けて対向配置可能であれば、試料台2の形状や構造は特に限定されない。
観察面4aと光学系プローブ7の受光部7aとの上記距離は、例えば30mm未満、好ましくは15mmである。
なお、試験片4の観察面4aは、観察窓5と非接触状態に配置する。
(光学系プローブ7)
光学系プローブ7は、観察窓5を介して、試験容器1内に配置した上記試験片4を観察する光学系測定器の測定部である。光学系プローブ7は、試験容器1の外側に配置されて、プローブ固定台6を介して除振台12に支持されている。プローブ固定台6は、安定性の観点から金属製が好ましく、耐食性の観点からステンレスがより好ましい。
光学系プローブ7は、試験片4の腐食環境下及び応力下で起こる腐食及び割れのミクロスケール観察が可能な、長作動距離光学系プローブが好ましい。
光学系プローブ7の受光部7aは、試験片4の観察面4aと対向可能な位置で、観察窓5に近接して配置される。
観察窓5が側方に配置されている場合には、図2に示すように、光学系プローブ7の受光部7aも横方向から観察窓5に対向配置すればよい。
プローブ7が長作動距離光学系プローブの場合には、プローブ7としては、デジタル顕微鏡システム(マイクロスコープ)が使用でき、例えば、KEYENCE製、HiROX製、OLYMPUS製が挙げられる。各種の長作動距離レンズに合わせて、試験容器1内に設置された応力付与した試験片4の引張面と、外側に設置されたレンズ(受光部7a)の距離を調整する。観察窓5を介した、レンズ先端と試験片4の引張面(観察面4a)との距離は、屈折、減衰の影響の観点から5mm以上60mm以下が好ましく、より好ましくは10mm以上20mm以下である。
また、プローブ7としてデジタル顕微鏡の長作動距離光学系を活用することで、リアルタイム観察中でも測定環境下に外乱を与えることなく、必要に応じて低倍観察から高倍観察に自由に切替えが可能である。そのため、始めは低倍観察でマクロ現象を捉えつつ、特定の腐食発生箇所を選定して更にミクロ現象の追跡が可能となり、シームレスにマルチスケール解析ができる点が、本構成上の大きな特徴の一つである。
(試験液30)
試験液30が、試験容器1内に導入されている。試験液30は、試験容器1内に配置された試験片4を浸漬する。試験液30は、試験容器1内に充填された状態になってことが好ましい。充填されていることで、試験液30の界面の揺れによる精度低下を抑えることができる。
なお、試験液30を試験容器1内に充填した場合でも、容器上部には気相ガス空間が形成されている。
試験液30は、試験片4の腐食を促進可能な液体からなる。
試験環境としてサワー環境下を再現する場合には、試験液30は、例えば、溶質として硫化水素HS、二酸化炭素CO、及び塩化物イオンのいずれか1つ以上を含む液体を採用する。なお、この試験液30を用いた場合、気泡が発生する。
もっとも、試験液30は、応力腐食割れ発生条件又は検証条件であれば特に限定されない。
試験液30の温度は、例えば、恒温槽等を用いて-10~90℃の範囲に保持する。塩化物イオン存在下ではその濃度にも依るが低温側の場合、凍結防止のためにジメチルスルホキシドDMSO等の不凍液を添加しても良い。
(流れ形成装置20)
流れ形成装置20は、少なくとも、試験片4の観察面4aと観察窓5との間に存在する試験液30に対し、観察面4aに沿った液体の流れを形成する装置である。流れ形成装置20は、例えば、試験容器1内に連通し試験液30を上記試験容器1内に流し込むための導入管8と、試験液30を上記試験容器1内から排出する排出管9と、を備え、導入管8及び排出管9の少なくとも一方の管の試験容器1内に臨む方向が、上記観察面4aと上記観察窓5との間に向けられていることが好ましい。
ここで、観察面4aと観察窓5は対向して配置される。観察面4aと観察窓5とは互いに平行に配置されていることが好ましい。
本実施形態の流れ形成装置20は、試験容器1に連通する流出入口を形成する導入管8及び排出管9とを有する。導入管8及び排出管9は、不図示の液体タンクに連通して循環路を形成する。液体タンク内には試験液30が収容されて、試験液30を循環して試験容器1に供給可能となっている。導入管8には、流量制御系10が接続されて、試験容器1に導入する試験液30の流量が調整可能となっている。流量制御系10として、循環路に、送液ポンプや液体流量計を設けて良く、流量制御のためのインバータ制御等を備えることが好ましい。
この構成によれば、試験液30を導入管8から供給し排出管9から排出されることで、試験容器1内に試験液30の対流が発生することで、試験片4の観察面4aと観察窓5との間に存在する試験液30に対し、観察面4aに沿った液体の流れが形成される。
より効果的に、試験片4の観察面4aと観察窓5との間に存在する試験液30に対し、観察面4aに沿った液体の流れするためには、導入管8及び排出管9の少なくとも一方の管の試験容器1内に臨む方向が、上記観察面4aと上記観察窓5との間に向けられていることが好ましい。この場合、例えば、導入管8から観察面4aと上記観察窓5との間に向けて試験液30が注入されたり、観察面4aと上記観察窓5との間の試験液30が排出管9から排出されたりすることで、観察面4aに沿った液体の流れが効率的に形成される。
流れ形成装置20の構成は、以上の構成に限定されない。
(照射器11)
照射器11は、観察窓5を介して、試験片4の観察面4aに上記試験片4の腐食に影響を与える光又は放射線を照射する光源又は線源からなる。「腐食に影響を与える」には、例えば、腐食を促進する場合と、腐食の進行を抑える場合とがある。
なお、図2では、照射器11の図示を省略しているが、照射器11を設けても良い。逆に、図1の構成において、照射器11を省略した構成でもよい。
光源・線源は、光学系プローブ7と同時に使用できるよう、試験片4観察面4aの斜め方向から照射する。又は、光学系プローブ7は観察する場合にだけ観察窓5に近接させ、光源・線源を観察窓5の正面に設置しても良く、配置は自由に決めて良い。
光源・線源の種類は、照射による腐食環境を模擬できれば限定されない。例えば、照射する光源として、可視光域から短波長側の紫外域を有する光源、線源として、X線、γ線、中性子線が挙げられる。
(除振台12)
除振台12は、試験容器1及び光学系プローブ7を支持し、試験容器1及び光学系プローブ7への機械振動などの周りからの振動入力を緩和する機器である。すなわち、除振台12は、光学系プローブ7及び試験容器1に対する架台として設置される。
除振台12は、特に高倍観察時に機械振動の影響が顕著になるため、振動の影響を緩和させるため、試験容器1の架台として設置される。除振台12の種類は、ゴム式、バネ式、空気式等が挙げられる。
(被覆材21、陽圧形成装置22)
ここで、光学系プローブ7は、図2に示すように、被覆材21によって、受光部7aを除き、当該光学系プローブ7の周りを密閉状態に覆われていてもよい。
被覆材21は、光学系プローブ7を密閉できれば形状及び材質は問わないが、操作性の観点から透明なものが望ましい。例えば、アクリル製ボックス、又は手袋付のビニール製グローブバッグ等の袋状のシート体が挙げられる。
このとき、光学系プローブ7と被覆材21との間の密閉空間を陽圧とする陽圧形成装置22を備えることが好ましい(図2参照)。
陽圧形成装置22は、硫化水素等の腐食性ガスを用いる試験の場合、特に必要とされる。近年の電子回路の微細化が進み、ppbオーダーの極僅かな腐食性ガスでさえもCu配線に影響を及ぼし計測機器故障の原因となる。そのため、陽圧形成装置22は、計測機器類を腐食性ガス試験環境下へ導入するための必須要件の一つであり、光学系プローブ7と被覆材21との間の密閉空間に気体を供給可能な機器であればよく、例えば、空気循環ポンプで構成する。空気循環ポンプは、被覆材21の密閉空間に外気を導入し陽圧にできればよく、ポンプの種類は特に限定されない。
腐食試験条件が高温側で行われる場合は、光学系プローブ7の温度上昇を回避する観点から、恒温制御装置を接続して供給する空気の温度制御を適宜行ってもよい。すなわち、試験環境よりも低温の気体を上記密閉空間に供給するように構成すればよい。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態について、図3を参照して説明する。
本実施形態の材料評価装置の基本構成は、第1実施形態と同様であるが、図3に示すように、試験容器1に、上記試験片4の電気化学測定を行うための試料電極、参照電極、及び対極を設けた点が、第1実施形態と異なる。図3では、図2の構成に電気化学測定用の治具を設けた例であるが、材料評価装置の基本構成は、図2の構成に限定されず、図1などの他の構成であっても良い。
電気化学測定のための試料電極は、応力負荷治具3で応力負荷された試験片4に、被覆されたリード配線を接続して観察窓5の近傍に設置する。参照電極と対極は、市販品の電極を用いれば良い。例えば、銀-塩化銀参照電極(Ag/AgCl)、白金(Pt)対極が挙げられ、ポテンショスタット装置を用いて一般的な電気化学測定が適用できる。
更に、具体的に説明する。
電気化学測定用の装置は、汎用の電気化学測定装置が適用できる。電気化学測定は、腐食の酸化反応・還元反応に相当するアノード・カソード分極測定や浸漬電位測定、インピーダンス測定等が挙げられる。試験片4からなる試料電極は、被覆されたリード線15を応力負荷治具3で応力負荷された試験片4に接続して、試料電極ポート16から試験容器1内の観察窓5の近傍に設置され、参照電極17と対極18も同様に試験容器1内に挿入され、ポテンショスタット19を用いて電圧・電流信号を制御・取得する。参照電極及び対極は、市販品を用いれば良く、例えば、銀-塩化銀参照電極(Ag/AgCl)、白金(Pt)対極が挙げられる。
また、水素脆性による割れ評価として、本実施形態の材料評価装置を用い、一般的に知られる電気化学的水素添加法を用いて材料中に水素を導入すれば、自動車分野等の高強度材料における耐水素脆性材料の割れ評価・解析に適用可能である。
ここで、本実施形態は、上記に示す実施形態に限定されない。例えば、光学系プローブ7として、長作動距離光学系の代わりにレーザー顕微鏡による微細形状解析、Ramanによる構造解析等の各解析への拡張が可能である。また、本発明の割れその場解析装置をより高温高圧側で使用する場合は、試験容器1を金属製、観察窓5を耐熱及び耐圧ガラスに代替すればよく、必要に応じて適宜材質を選択すれば良い。
「効果」
次に、本発明に基づく態様(実施態様)の効果等について説明する。
上述の課題に対し、本発明に基づく態様を用いることで、割れ起点となる孔食の発生過程をリアルタイムで連続的にその場観察可能となる。すなわち、本発明の態様によれば、種々形態の応力腐食割れの発生起点・成長過程をミクロスケールでその場解析可能とする装置及び解析方法を提供することができる。
その結果、本発明の態様を採用することで、自動車、プラント、原子力発電所を始めとした移動媒体、構造物、インフラ設備等の様々な環境に応じた応力腐食割れの根本原因を突き止めることが可能となる。そして、実態・本質解明が進み、耐食性や耐応力腐食割れ性を向上した材料開発指針の策定に大きく寄与し、安全・安心な社会基盤の構築に資することができる。
すなわち、本実施態様は、次のような効果を奏する。
(1)本実施態様は、金属材料からなる試験片の応力環境下の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察する材料観察方法であって、上記試験片4を、当該試験片4の腐食を促進可能な試験液30中に、応力を負荷した状態で浸漬し、上記試験液30の外に配置した光学系プローブ7で、上記試験片4の観察面の腐食及び割れの少なくとも一方の過程を観察する。
例えば、本実施態様は、金属材料からなる試験片4の応力環境下の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察可能な材料評価装置であって、容器内を観察可能な観察窓5を有する密閉容器であって、容器内に上記試験片4を配置する試験容器1と、上記試験容器1内に配置される上記試験片4に応力を負荷する応力負荷治具3と、上記観察窓5を介して上記試験容器1内に配置した上記試験片4を観察する光学系プローブ7と、上記試験容器1内に導入されて容器内に配置された上記試験片4を浸漬し、上記試験片4の腐食を促進可能な試験液30と、を備える構成とする。
この構成によれば、応力腐食環境下における、割れ起点となる孔食の発生過程をリアルタイムで連続的にその場観察可能となる。すなわち、本発明の態様によれば、応力腐食割れの発生起点・成長過程をミクロスケールでその場解析可能とする装置及び解析方法を提供することができる。
(2)また、本実施態様は、金属材料からなる試験片4の腐食の発生過程を観察する材料観察方法であって、上記試験片4を、当該試験片4の腐食を促進可能な試験液30中に浸漬し、上記試験液30の外に配置した光学系プローブ7で、上記試験片4の観察面4aの腐食及び割れの少なくとも一方の過程を観察する。
例えば、本実施態様は、金属材料からなる試験片4の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察可能な材料評価装置であって、容器内を観察可能な観察窓5を有する密閉容器であって、容器内に上記試験片4を配置する試験容器1と、上記観察窓5を介して上記試験容器1内に配置した上記試験片4を観察する光学系プローブ7と、上記試験容器1内に導入されて容器内に配置された上記試験片4を浸漬し、上記試験片4の腐食を促進可能な試験液30と、を備える構成とする。
この構成によれば、腐食環境下における、割れ起点となる孔食の発生過程をリアルタイムで連続的にその場観察可能となる。すなわち、本発明の態様によれば、腐食の発生起点・成長過程をミクロスケールでその場解析可能とする装置及び解析方法を提供することができる。
(3)また、本実施態様は、上記試験液30は、上記試験容器1内に充填されていると良い。
この構成では、例えば、観察面4aと試験液30間の界面に所定容量以上の空気層が形成されず、また、試験容器1内の試験液30が安定する結果、より観察精度が向上する。なお、試験液30を充填した場合であっても発生ガス等によって、容器上部に気相ガス空間は形成される。
(4)また、本実施態様は、上記試験片4及び試験液30は、密閉容器からなる試験容器1内に収容され、上記光学系プローブ7は、上記試験容器1の外から上記試験片4を観察する。
この構成によれば、腐食環境に対する、光学系プローブ7への影響を抑えることが可能となる。
(5)また、本実施態様は、上記試験片4の観察面4a上に位置する上記試験液30に対し、上記観察面4aに沿った流れを連続的若しくは間欠的に形成する。
例えば、本実施態様は、上記試験容器1内に配置された上記試験片4の観察面4aは、上記観察窓5に対向配置され、上記観察面4aと上記観察窓5との間に存在する上記試験液30に対し、上記観察面4aに沿った流れを形成する流れ形成装置20を備える構成とする。
このとき、上記流れ形成装置20は、上記試験容器1内に連通し試験液30を上記試験容器1内に流し込むための導入管8と、試験液30を上記試験容器1内から排出する排出管9と、を備え、上記導入管8及び上記排出管9の少なくとも一方の管の試験容器1内に臨む方向が、上記観察面4aと上記観察窓5との間に向けられていると良い。
この構成は、気泡が発生するサワー環境下を再現した試験で特に有効である。
この構成によれば、試験液30の反応によって、試験容器1内に気泡が発生することがあっても、上記の液体の流れによって、観察面4aと上記観察窓5との間に存在する試験液30に含有する気泡を抑えることができる。また観察窓5の内面に付着した気泡を除去する作用もある。この結果、観察精度が向上する。
(6)また、本実施態様は、上記試験片4の観察面4aに上記試験片4の腐食に影響を与える光又は放射線を照射する。
例えば、本実施態様は、上記観察窓5を介して、上記試験片4の観察面4aに上記試験片4の腐食に影響を与える光又は放射線を照射する照射器11を備える。
この構成によれば、腐食環境の設定条件をより細かく設定でき、金属材料を用いる環境により近づけることが可能となる。この結果、観察精度が向上する。
(7)また、本実施態様は、上記試験液30は、溶質として硫化水素HS、二酸化炭素CO、及び塩化物イオンのいずれか1つ以上を含む。
このような溶質を含む試験液30を使用することで、サワー・スイート環境等を再現することが可能となる。
ここで、サワー・スイート環境下は、気泡が発生しやすい環境となる。
(8)また、本実施態様は、上記光学系プローブ7の受光部7aと上記試験片4の観察面4aとを横方向で対向させた状態で、上記光学系プローブ7で上記試験片4を観察する。
例えば、本実施態様は、上記試験容器1内に配置された上記試験片4の観察面4aと上記観察窓5とが、横方向で対向配置している構成とする。
この構成によれば、試験液30内に気泡が発生しても、気泡が上方に移動して、観察窓5と観察面4aとの間に位置することを低減可能となる。この構成は、上記サワー環境下を再現した試験で特に有効である。
(9)また、本実施態様は、上記光学系プローブ7の受光部7aを除き、当該光学系プローブ7の周りを密閉状態で覆う被覆材21と、上記光学系プローブ7と上記被覆材との間の密閉空間を陽圧とする陽圧形成装置22と、を備える。
密閉容器であっても、試験液や試料の交換による容器開閉時、または試験中も含め、不可避的に僅かながら密閉容器などから試験液30の気化したガスが容器外に微量に含まれることがある。これに対し、被覆材21で光学系プローブ7を保護することができる。
特に密閉空間を陽圧とすることで、より確実に被覆材21で光学系プローブ7を保護することができる。
またこのとき、陽圧とする雰囲気の温度を、常温など、試験液30の温度よりも低温に設定することで、光学系プローブ7を熱から保護することも可能である。
(10)また、本実施態様は、上記試験容器1及び光学系プローブ7を支持する除振台12を備える。
この構成によれば、観察時に入力する振動が抑えられて、ミクロスケールでの観察を精度良く実施可能となる。
(11)また、本実施態様は、上記試験容器1に、上記試験片4の電気化学測定を行うための試料電極、参照電極、及び対極を設ける。
この構成によれば、光学的な観察と共に電気化学測定による観察も可能となる。
(12)また、本実施態様は、上記の実施態様の材料評価装置を用い、光学系プローブ7で試験片4を連続して観察することで、上記試験液30中で発生する上記試験片4の腐食による割れに至るまでの過程を観察する。
この構成によれば、腐食や割れの発生起点・成長過程をその場解析することが可能となる。
以下に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
実施例1では、図1に示す装置構成を採用した。
試験片4をSUS304のオーステナイト系ステンレス鋼からなる短冊形状の形状とした。その試験片4を、小型の4点曲げ治具で応力を付与した状態で試験容器1内に配置した。塩化物イオン濃度10000ppmの試験液30を用意した。そして、温度80℃の試験液30を試験容器1に導入し、試験片4を完全に浸漬させた。
試験片4の観察には、KEYENCE製の長作動距離光学系を使用し、試験片4の引張面(観察面4a)を低倍から高倍(視野200μm角)まで、応力腐食割れその場観察を実施した。
そして、本実施例1の応力腐食割れの観察では、鋼板表面のごく初期の腐食の発生から数μmオーダーの微小き裂の進展過程まで連続的に観察することができた。
「実施例2」
実施例2では、図2に示す装置構成を採用した。
試験片4として、マルテンサイト相を主相とする質量%でCr:13%の高Crステンレス鋼からなる短冊状の形状を採用した。
試験片4の観察には、KEYENCE製の長作動距離光学系を使用し、試験片4の引張面(観察面4a)を低倍から高倍(視野200μm角)まで、硫化物応力腐食割れその場観察を実施した。そして、連続して観察して、試験片4に生じた微小き裂進展をリアルタイムで追跡した。
ここで、試験条件は、次の通りである。
すなわち、観察する試験片4の観察面は鏡面研磨した。その試験片4に、4点曲げ治具を用いて負荷応力90%実YSを付与した。また、Formation water(地層水模擬環境:20%NaCl+0.5%CHCOOH+CHCOONa、pH3.5、HS 0.15気圧)を試験液30として、試験片4を完全に浸漬させた。
観察の結果、長作動距離レンズを通して、鋼板表面上から孔食が発生する様相が明瞭に捉えることができた。加えて、孔食発生部において、引張応力方向に対し鉛直方向に微小き裂が進展していく様相をリアルタイムで観察できた。
図4に、その観察結果の一例を示す。図4は、孔食部から約1mm離れた箇所の微小き裂先端部において10分間隔で切り出した像をそれぞれ示している。
図4から分かるように、孔食部から発生したき裂が1mmまで達した時点をゼロと定義し、そこから10分毎に切り出した像を示している。また、図4中の矢印(→)は、各像におけるき裂先端部の位置を示している。このように、本発明に基づけば、数μmの微小き裂が明瞭に捉えられ、サワー応力環境下の鋼板表面をミクロスケールで観察できた。更に、微小き裂が進展していく動的挙動が捉えられ、硫化物応力腐食割れの発生点の解明のみならず、孔食成長、き裂進展過程に至る事象を同一視野かつシームレスで把握でき、これら知見は硫化物応力腐食割れ実態解明に大きく寄与できることが分かった。
1 試験容器
2 試料台
3 応力負荷治具
4 試験片
4a 観察面
5 観察窓
6 プローブ固定台
7 光学系プローブ
7a 受光部
8 導入管
9 排出管
10 流量制御系
11 照射器
12 除振台
13 容器固定台
15 リード線
16 試料電極ポート
17 参照電極
18 対極
19 ポテンショスタット
20 流れ形成装置
21 被覆材
22 陽圧形成装置
30 試験液

Claims (18)

  1. 金属材料からなる試験片の応力環境下の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察可能な材料評価装置であって、
    容器内を観察可能な観察窓を有する密閉容器であって、容器内に上記試験片を配置する試験容器と、
    上記試験容器内に配置される上記試験片に応力を負荷する応力負荷治具と、
    上記観察窓を介して上記試験容器内に配置した上記試験片を観察する光学系プローブと、
    上記試験容器内に導入されて容器内に配置された上記試験片を浸漬し、上記試験片の腐食を促進可能な試験液と、
    を備え
    更に、
    上記試験容器内に配置された上記試験片の観察面は、上記観察窓に対向配置され、
    上記観察面と上記観察窓との間に存在する上記試験液に対し、上記観察面に沿った流れを形成する流れ形成装置を備え、
    上記流れ形成装置は、上記試験容器内に連通し試験液を上記試験容器内に流し込むための導入管と、試験液を上記試験容器内から排出する排出管と、を備え、
    上記導入管及び上記排出管の少なくとも一方の管の上記試験容器内に臨む方向が、上記観察面と上記観察窓との間に向けられている、
    ことを特徴とする材料評価装置。
  2. 金属材料からなる試験片の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察可能な材料評価装置であって、
    容器内を観察可能な観察窓を有する密閉容器であって、容器内に上記試験片を配置する試験容器と、
    上記観察窓を介して上記試験容器内に配置した上記試験片を観察する光学系プローブと、
    上記試験容器内に導入されて容器内に配置された上記試験片を浸漬し、上記試験片の腐食を促進可能な試験液と、
    を備え
    更に、
    上記試験容器内に配置された上記試験片の観察面は、上記観察窓に対向配置され、
    上記観察面と上記観察窓との間に存在する上記試験液に対し、上記観察面に沿った流れを形成する流れ形成装置を備え、
    上記流れ形成装置は、上記試験容器内に連通し試験液を上記試験容器内に流し込むための導入管と、試験液を上記試験容器内から排出する排出管と、を備え、
    上記導入管及び上記排出管の少なくとも一方の管の上記試験容器内に臨む方向が、上記観察面と上記観察窓との間に向けられている、
    ことを特徴とする材料評価装置。
  3. 上記試験液は、上記試験容器内に充填されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した材料評価装置。
  4. 上記光学系プローブは長作動距離光学系プローブである、ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載した材料評価装置。
  5. 上記観察窓を介して、上記試験片の観察面に上記試験片の腐食に影響を与える光又は放射線を照射する照射器を備えることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した材料評価装置。
  6. 上記試験液は、溶質として硫化水素HS、二酸化炭素CO、及び塩化物イオンのいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した材料評価装置。
  7. 上記試験容器内に配置された上記試験片の観察面と上記観察窓とが、横方向で対向配置していることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した材料評価装置。
  8. 上記光学系プローブの受光部を除き、当該光学系プローブの周りを密閉状態で覆う被覆材と、
    上記光学系プローブと上記被覆材との間の密閉空間を陽圧とする陽圧形成装置と、
    を備えることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した材料評価装置。
  9. 上記試験容器及び光学系プローブを支持する除振台を備えることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した材料評価装置。
  10. 上記試験容器に、上記試験片の電気化学測定を行うための試料電極、参照電極、及び対極を設けることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか1項に記載した材料評価装置。
  11. 上記試験片を形成する金属材料が、鉄鋼材料であることを特徴とする請求項1~請求項10のいずれか1項に記載した材料評価装置。
  12. 金属材料からなる試験片の応力環境下の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察する材料観察方法であって、
    容器内を観察可能な観察窓を有する密閉容器内に配置した上記試験片を、当該試験片の腐食を促進可能な試験液中に、応力を負荷した状態で浸漬し、上記試験液の外に配置した光学系プローブで、上記観察窓を介して上記試験片の観察面の腐食及び割れの少なくとも一方の過程を観察し、
    上記試験容器内に配置された上記試験片の観察面は、上記観察窓に対向配置され、
    上記観察面と上記観察窓との間に存在する上記試験液に対し、上記観察面に沿った流れを形成する流れ形成装置を備え、
    上記流れ形成装置は、上記試験容器内に連通し試験液を上記試験容器内に流し込むための導入管と、試験液を上記試験容器内から排出する排出管と、を備え、
    上記導入管及び上記排出管の少なくとも一方の管の上記試験容器内に臨む方向が、上記観察面と上記観察窓との間に向けられている、
    ことを特徴とする材料観察方法。
  13. 金属材料からなる試験片の腐食及び割れの少なくとも一方の発生過程を観察する材料観察方法であって、
    容器内を観察可能な観察窓を有する密閉容器内に配置した上記試験片を、当該試験片の腐食を促進可能な試験液中に浸漬し、上記試験液の外に配置した光学系プローブで、上記観察窓を介して上記試験片の観察面の腐食及び割れの少なくとも一方の過程を観察し、
    上記試験容器内に配置された上記試験片の観察面は、上記観察窓に対向配置され、
    上記観察面と上記観察窓との間に存在する上記試験液に対し、上記観察面に沿った流れを形成する流れ形成装置を備え、
    上記流れ形成装置は、上記試験容器内に連通し試験液を上記試験容器内に流し込むための導入管と、試験液を上記試験容器内から排出する排出管と、を備え、
    上記導入管及び上記排出管の少なくとも一方の管の上記試験容器内に臨む方向が、上記観察面と上記観察窓との間に向けられている、
    ことを特徴とする記載した材料観察方法。
  14. 上記光学系プローブは長作動距離光学系プローブである、ことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載した材料観察方法。
  15. 上記試験片の観察面上に位置する上記試験液に対し、上記観察面に沿った流れを連続的若しくは間欠的に形成することを特徴とする請求項12~請求項14のいずれか1項に記載した材料観察方法。
  16. 上記試験片の観察面に上記試験片の腐食に影響を与える光又は放射線を照射することを特徴とする請求項12~請求項15のいずれか1項に記載した材料観察方法。
  17. 上記試験液は、溶質として硫化水素HS、二酸化炭素CO、及び塩化物イオンのいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項12~請求項16のいずれか1項に記載した材料観察方法。
  18. 上記光学系プローブの受光部と上記試験片の観察面とを横方向で対向させた状態で、上記光学系プローブで上記試験片を観察することを特徴とする請求項12~請求項17のいずれか1項に記載した材料観察方法。
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