JP7180520B2 - 更新プログラム、更新方法および情報処理装置 - Google Patents
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Description
図1は、実施例1にかかる因果関係の推定を説明する図である。実施例1で説明する情報処理装置は、データ間の因果探索を実行するコンピュータ装置である。具体的には、情報処理装置は、データ間の因果関係を表すPNL(Post NonLiner)モデルに適応する関数を推定するモデル推定(以下では、関数探索、関数推定と記載する場合がある)を実行し、推定された関数を適応したPNLモデルを用いて、データ間の因果関係を探索する。すなわち、情報処理装置は、データ間の因果探索において、PNLモデルが満たすべきすべての仮定を充足するようなパラメータを最適化により推定することで、その充足の度合いに応じて因果方向を判定する。
ここで、一般的な関数探索によるモデル推定の問題点について説明する。まず、PNLモデルについて説明する。PNLモデルは、データ間の因果関係を表すモデル(関数)である。例えば、xからy(x→y)に因果関係があるとすると、非線形関数f1とf2を用いて、式(1)と定義できるとする。このとき、[仮定1]原因xとノイズeは独立、[仮定2]f2は可逆関数の両仮定を満たすとする。
次に、図2を用いて、一般的なモデル推定を説明する。図2は、一般的なモデル推定を説明する図である。具体的には、PNLモデルの[仮定1]を満たすモデル推定を実行する。ここでは、式(1)に示したPNLモデルの式(2)における2つの関数を推定する。例えば、関数f1と関数f2 -1をパラメトリックモデルとして定めることで式(2)のパラメータを、[仮定1:原因xとノイズeは独立]が満たされるように、最適化で求める。なお、パラメトリックモデルとしては、ニューラルネットワークや線形モデルなどの学習モデル(機械学習)を利用することができる。
次に、具体的な例を用いて、問題点1を説明する。一例として、xからy(x→y)に因果関係があり、本来は未知であるが真の関係が上記式(1)で表されるものとする。つまり、ここでは、この因果の方向(x→y)をモデル推定から判定する例を説明する。
次に、上記問題点1と同様の条件を用いて、問題点2を説明する。具体的には、あらかじめ関数f2 -1のモデルに制約を課すことで、取りうる関数の範囲を限定する。
上述したように、一般的なモデル推定では、PNLモデルの制約を満たせない場合が発生するので、判定された因果の方向が正しい判定なのかを保証できない。そこで、実施例1では、逆変換器を追加し、逆関数になるように学習することで、結果的に[仮定2]の逆関数が存在する範囲でモデル推定を実行する。
次に、図1で説明した情報処理装置について説明する。図3は、実施例1にかかる情報処理装置10の機能構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、制御部20を有する。
次に、実施例1による手法により、同様の条件で、一般手法で発生する問題点1および問題点2が改善することを説明する。ここでは、関数f1、f2、f2 -1をNNでモデル化し、独立性評価指標I(x,e)としてHSICを利用し、可逆性評価指標S(y,y´)として二乗誤差を利用し、勾配法で各NNを推定する。
図5は、実施例1にかかる処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、学習処理を実行した後に、因果関係の判定処理を行う一連の流れを説明するが、これに限定されず、各処理は別々のタイミングで実行することができる。
上述したように、情報処理装置10は、PNLモデルを仮定してデータから因果探索をする際、逆変換器を同時に学習することで逆関数の存在仮定を満たす関数を推定することができる。したがって、情報処理装置10は、逆関数の存在性の度合いを定量化することができ、関数を正解に推定することができる。この結果、情報処理装置10は、データ間の因果方向の判定のためにPNLモデルを仮定してデータ間の因果関係をデータから判定することができる。
上記実施例で用いたデータ例、数値例、表示例等は、あくまで一例であり、任意に変更することができる。また、入力データや学習方法などもあくまで一例であり、任意に変更することができる。
上記学習データには様々な分野のデータを採用することができるので、その一例を説明するが、あくまで一例であり、これらに限定されるものではない。ここでは、xからyに因果関係(x→y)があるもしくはあると想定される例を例示する。
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
図6は、ハードウェア構成例を説明する図である。図6に示すように、情報処理装置10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図6に示した各部は、バス等で相互に接続される。
11 通信部
12 記憶部
13 学習データDB
14 学習結果DB
15 判定結果DB
20 制御部
21 構築部
22 学習部
23 判定部
Claims (9)
- コンピュータに、
第1変数を第1のモデルの入力変数とした場合の出力値から第2変数を第2のモデルの入力変数としたときに得られる出力値を減じた値を第3変数の推定値とした場合に、前記第2変数と前記第3変数の推定値との独立性が最大となるように、前記第1のモデルおよび前記第2のモデルのパラメータである第1のパラメータを更新し、
前記第1のパラメータの更新過程において、前記第1変数を前記第1のモデルの入力変数とした場合に得られる出力値を第3のモデルの入力変数として得られる出力値が前記第1変数に近づくように前記第1のモデルのパラメータである第2のパラメータおよび前記第3のモデルのパラメータである第3のパラメータを更新する、
処理を実行させることを特徴とする更新プログラム。 - 前記更新する処理は、前記第1のパラメータを更新する第1パラメータ更新過程に、前記第2のパラメータおよび前記第3のパラメータを更新する第1パラメータ更新処理を組み込んで、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータと前記第3のパラメータとを同時に更新することを特徴とする請求項1に記載の更新プログラム。
- 第1データと第2データとの間の因果関係を判定する場合、パラメータ更新済みの前記第1のモデルとパラメータ更新済みの第2のモデルとを用いてPNL(Post NonLinear)モデルを構築し、
前記第1データと前記第2データとを前記PNLモデルに入力して得られる結果に基づいて、前記第1データと前記第2データとの間の因果関係を判定することを特徴とする請求項1に記載の更新プログラム。 - 前記第2変数と前記第3変数の推定値との第1誤差が最小化するように前記第1のパラメータの更新を実行するとともに、前記出力値と前記第1変数との第2誤差が最小化するように前記第2のパラメータおよび前記第3のパラメータの更新を実行する、処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の更新プログラム。
- 前記第1のモデル、前記第2のモデル、前記第3のモデルそれぞれを、ニューラルネットワークまたは線形モデルを用いてモデル化する処理を、処理を前記コンピュータに実行させ、
前記実行する処理は、予め用意された学習データを用いて、前記第1誤差が最小化するように、前記ニューラルネットワークまたは前記線形モデルのパラメータを学習し、
前記実行する処理は、前記学習データを用いて、前記第2誤差が最小化するように、前記ニューラルネットワークまたは前記線形モデルのパラメータを学習することを特徴とする請求項4に記載の更新プログラム。 - 前記実行する処理は、相互情報量またはHSIC(Hilbert-Schmidt Independence Criterion)を用いて、前記第1誤差が最小化するように学習し、
前記実行する処理は、二乗誤差を用いて、前記第2誤差が最小化するように学習することを特徴とする請求項5に記載の更新プログラム。 - 第1データと第2データとの間の因果関係を判定する場合、学習済みの前記第1のモデルと学習済みの第2のモデルとを用いてPNLモデルを構築し、
前記第1データと前記第2データとを前記PNLモデルに入力して得られる結果に基づいて、前記第1データと前記第2データとの間の因果関係を判定することを特徴とする請求項6に記載の更新プログラム。 - コンピュータが、
第1変数を第1のモデルの入力変数とした場合の出力値から第2変数を第2のモデルの入力変数としたときに得られる出力値を減じた値を第3変数の推定値とした場合に、前記第2変数と前記第3変数の推定値との独立性が最大となるように、前記第1のモデルおよび前記第2のモデルのパラメータである第1のパラメータを更新し、
前記第1のパラメータの更新過程において、前記第1変数を前記第1のモデルの入力変数とした場合に得られる出力値を第3のモデルの入力変数として得られる出力値が前記第1変数に近づくように前記第1のモデルのパラメータである第2のパラメータおよび前記第3のモデルのパラメータである第3のパラメータを更新する、
処理を実行することを特徴とする更新方法。 - 第1変数を第1のモデルの入力変数とした場合の出力値から第2変数を第2のモデルの入力変数としたときに得られる出力値を減じた値を第3変数の推定値とした場合に、前記第2変数と前記第3変数の推定値との独立性が最大となるように、前記第1のモデルおよび前記第2のモデルのパラメータである第1のパラメータを更新する第1更新部と、
前記第1のパラメータの更新過程において、前記第1変数を前記第1のモデルの入力変数とした場合に得られる出力値を第3のモデルの入力変数として得られる出力値が前記第1変数に近づくように前記第1のモデルのパラメータである第2のパラメータおよび前記第3のモデルのパラメータである第3のパラメータを更新する第2更新部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
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