JP7180447B2 - 方位推定装置、方位推定システム、方位推定方法およびプログラム - Google Patents

方位推定装置、方位推定システム、方位推定方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、信号の到来方位を推定する方位推定装置、方位推定システム、方位推定方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
DIFAR(Directional Frequency Analysis and Recording)ソノブイが受信した音響信号から狭帯域信号の到来方位を推定する方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に開示された方法では、OMNI指向性受波器出力のレベル、NS指向性受波器出力のレベルおよびEW指向性受波器出力レベルを入力として、これらのレベル比に基づいて、狭帯域信号の到来方位が推定される。
Abdall Osman, Aboelamgd Nourledin, Naser El-Sheimy, Jim Theriault and Scott Campbell, "Improved target detection and bearing estimation utilizing fast orthogonal search for real-time spectral analysis", Meas.Sci.Technol.20(2009),27 April 2009
しかし、従来の方法では、方位推定処理対象の信号にレベルの大きな広帯域信号とレベルの小さな狭帯域信号とが混在する場合、狭帯域信号の方位を適切に推定できないという問題があった。
本発明に係る方位推定装置は、無指向性音響センサ、前記無指向性音響センサの中心を通る直線に線対称の指向性を備えた第1の指向性音響センサ、および前記第1の指向性音響センサの指向性と直交する指向性を備えた第2の指向性音響センサからなる3つの音響センサの出力を用いて、複数の方位に対応する複数のビーム波形を生成するビームフォーミング部と、前記3つの音響センサの出力に対して、前記ビームフォーミング部から出力される前記複数のビーム波形に基づいて広帯域信号を減算および抑制の一方または両方を行ってから、狭帯域信号の到来方位を推定する狭帯域信号推定部と、を有するものである。
本発明に係る方位推定システムは、無指向性音響センサ、前記無指向性音響センサの中心を通る直線に線対称の指向性を備えた第1の指向性音響センサ、および前記第1の指向性音響センサの指向性と直交する指向性を備えた第2の指向性音響センサを含むダイファーセンサと、上記の方位推定装置と、を有するものである。
本発明に係る方位推定方法は、無指向性音響センサ、前記無指向性音響センサの中心を通る直線に線対称の指向性を備えた第1の指向性音響センサ、および前記第1の指向性音響センサの指向性と直交する指向性を備えた第2の指向性音響センサからなる3つの音響センサの出力を用いて狭帯域信号の到来方位を推定する方位推定方法であって、前記3つの音響センサの出力を用いて、複数の方位に対応する複数のビーム波形を生成し、前記3つの音響センサの出力に対して、生成された前記複数のビーム波形に基づいて広帯域信号を減算および抑制の一方または両方を行った後、前記狭帯域信号の到来方位を推定するものである。
本発明に係るプログラムは、無指向性音響センサ、前記無指向性音響センサの中心を通る直線に線対称の指向性を備えた第1の指向性音響センサ、および前記第1の指向性音響センサの指向性と直交する指向性を備えた第2の指向性音響センサからなる3つの音響センサの出力を用いて狭帯域信号の到来方位を推定するコンピュータに、前記3つの音響センサの出力を用いて、複数の方位に対応する複数のビーム波形を生成する手段と、前記3つの音響センサの出力に対して、生成された前記複数のビーム波形に基づいて広帯域信号を減算および抑制の一方または両方を行った後、前記狭帯域信号の到来方位を推定する手段として機能させるものである。
本発明によれば、無指向性音響センサ、第1の指向性音響センサおよび第2の指向性音響センサの各音響センサの出力に対して、広帯域信号の減算および抑制のうち、少なくとも一方が行われるため、狭帯域信号の到来方位の推定能力が向上する。
本発明の実施の形態1に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。 DIFARセンサに含まれる各音響センサの指向性を表す模式図である。 比較例の方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。 図3に示す比較例の方位推定装置の動作手順を示すフローチャートである。 図2に示した各音響センサの指向性を示す模式図において、狭帯域信号と広帯域信号とが混在する場合の推定方位の結果を示すイメージである。 図1に示した方位推定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図1に示した方位推定装置の動作手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る方位推定システムの一構成例を示すブロック図である。 図8に示したDIFARセンサを有するDIFARソノブイの一構成例を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。 図10に示した方位推定装置の動作手順を示すフローチャートである。 図11に示した周波数分析部の出力の一例を示すイメージである。 図12に示した周波数分析の出力に対して、周波数方向の正規化処理を適用したときの結果を示すイメージである。 本発明の実施の形態3に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。 図14に示した方位推定装置の動作手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。 図16に示した方位推定装置の動作手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態5に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。
実施の形態1.
本実施の形態1の方位推定装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。図1に示すように、方位推定装置1は、広帯域信号推定部2と、狭帯域信号推定部3とを有する。
方位推定装置1には、図に示さないDIFAR(ダイファー)センサを有するDIFARソノブイから、OMNI指向性(無指向性)音響センサ、NS指向性音響センサおよびEW指向性音響センサの3つの音響センサの出力が入力される。DIFARソノブイは、海に投下され、航行する船舶等が発生する音を検出するソナーの一例である。時間をtとすると、OMNI指向性音響センサの出力波形をSo(t)と表し、NS指向性音響センサの出力波形をSns(t)と表し、EW指向性音響センサの出力波形をSew(t)と表す。
ここで、本実施の形態1の方位推定装置1の構成を詳しく説明する前に、比較例の方位推定装置の構成を説明する。
(比較例の方位推定装置の構成)
図2は、DIFARセンサに含まれる各音響センサの指向性を表す模式図である。図3は、比較例の方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。図2では、OMNI指向性を実線で示し、NS指向性を破線で示し、EW指向性を一点鎖線で示している。図2では、各種センサの指向性の説明のために、DIFARセンサの基準点と、この基準点を通り、磁北を向くNS軸と、基準点を通り、NS軸に直交するEW軸とを仮定している。
図2を参照すると、OMNI指向性は、無指向性なので、DIFARセンサの基準点を中心として円で表されている。NS指向性は、DIFARセンサの基準点を接点とし、NS軸に沿って配置された2つの円で表されている。これらの2つの円はOMNI指向性を表す円に内接している。EW指向性は、DIFARセンサの基準点を接点とし、EW軸に沿って配置された2つの円で表されている。これらの2つの円もOMNI指向性を表す円に内接している。NS指向性音響センサは、無指向性音響センサの中心を通る直線に線対称の指向性を備えた第1の指向性音響センサの一例である。EW指向性音響センサは、第1の指向性音響センサの指向性と直交する指向性を備えた第2の指向性音響センサの一例である。
図3に示すように、比較例の方位推定装置100は、周波数分析部32と、相互相関計算部33と、方位算出部35とを有する。周波数分析部32は、各音響センサの出力に対して周波数を分析する。相互相関計算部33は、無指向性音響センサの出力とNS指向性音響センサの出力との相互相関である第1相関を算出する。また、相互相関計算部33は、無指向性音響センサの出力とEW指向性音響センサの出力との相互相関である第2相関を算出する。方位算出部35は、相互相関計算部33によって算出された第1相関および第2相関に逆三角関数を用いて、狭帯域信号の到来方位を算出する。方位算出部35は、例えば、逆三角関数としてarctanを用いて到来方位を算出する。
(比較例の方位推定方法)
次に、比較例の方位推定装置100の動作を説明する。方位推定装置100がDIFARソノブイの各音響センサの出力を用いて、図4に示すフローにしたがって、狭帯域信号の到来方位を推定する。図4は、図3に示す比較例の方位推定装置の動作手順を示すフローチャートである。
周波数分析部32は、各音響センサ出力の波形に対して,周波数分析処理適用し、各音響センサ出力の周波数領域データXo(f)、Xns(f)、Xew(f)を求める(ステップS801)。周波数分析処理には、例えば、FFT(Fast Fourier Transform)およびDFT(Discrete Fourier Transform)が用いられる。
ステップS802において、相互相関計算部33は、OMNI指向性音響センサの周波数領域データXo(f)およびNS指向性音響センサの周波数領域データXns(f)から、これらの相互相関Yno(f)=E[Xns(f)Xo(f)]を計算する。ここで、E[ ]は期待値演算を表し、一般的には時間平均が適用される。*は複素共役演算を表す。相互相関Yno(f)が第1相関に相当する。また、相互相関計算部33は、第1相関Yno(f)の算出と同様の演算を、OMNI指向性音響センサの周波数領域データXo(f)およびEW指向性音響センサの周波数領域データXew(f)を用いて行う。つまり、相互相関計算部33は、第2相関に相当する相互相関Yeo(f)=E[Xew(f)Xo(f)]を計算する。このようにして、2つの相互相関の期待値が算出される。
続いて、方位算出部35は、ステップS802で算出された第1相関Yno(f)および第2相関Yeo(f)にarctanを用いて、式(1)にしたがって、周波数ごとに到来方位θ^(f)を推定する(ステップS803)。キャレット記号(^)は推定値であることを意味する。
Figure 0007180447000001
図5は、図2に示した各音響センサの指向性の模式図において、狭帯域信号と広帯域信号とが混在する場合の推定方位の結果を示すイメージである。DIFARソノブイの各音響センサが受信する信号には、図5に示すように、狭帯域信号だけでなく広帯域信号も含まれるのが一般的である。この場合、比較例の方位推定方法では、レベルの高い信号の影響が大きく反映された方位推定結果が得られることになる。
ここで、DIFARソノブイが狭帯域信号を1つ受信し、広帯域信号を1つ受信している状況を仮定し、これらの信号が互いに無相関であるとする。このときの、各音響センサの周波数領域データを次の式(2)~(4)のように表す。
Figure 0007180447000002
Figure 0007180447000003
Figure 0007180447000004
ここで、BB(f)は広帯域信号の周波数領域データであり、NB(f)は狭帯域信号の周波数領域データである。θBBは広帯域信号の真の到来方位であり、θNBは狭帯域信号の真の到来方位である。このときのOMNI指向性音響センサとNS指向性音響センサとの相互相関の期待値Yno(f)は、式(5)によって求められる。また、OMNI指向性音響センサとEW指向性音響センサとの相互相関の期待値Yeo(f)は、式(6)によって求められる。
Figure 0007180447000005
Figure 0007180447000006
このとき、式(1)によって推定される信号の到来方位は、広帯域信号のレベル|BB(f)|と狭帯域信号のレベル|NB(f)|の比によって決まり、θBBとθNBの中間方位が推定値として得られる。したがって、広帯域信号のレベルが狭帯域信号のレベルより大きい場合、図5に示すように、式(1)によって推定される信号の方位はθBBに近づき、狭帯域信号の到来方位を適切に推定できない。
(実施の形態1の構成)
本実施の形態1の方位推定装置1の構成を、図1を参照して説明する。広帯域信号推定部2は、ビームフォーミング部21と、帯域加算部22と、最大レベル検出部23と、方位選択部24とを有する。
ビームフォーミング部21は、3つの指向性音響センサの出力波形を入力として、式(7)による計算によって、予め指定された複数の方位へ向けた複数のビーム波形のビームフォーミング出力を得る。
Figure 0007180447000007
ここで、ビーム数Sb=Mとすると、mは予め指定された方位に対応するビーム番号(m=1,・・・,M)である。w(m)、wns(m)、wew(m)は各指向性音響センサに与える重みである。ビームフォーミングに用いられる重みの計算方法として、大きく分けて、従来型ビームフォーミング(CBF:Conventional Beam Forming)方式と適応型ビームフォーミング(ABF:Adaptive Beam Forming)方式との2方式がある。本実施の形態1では、これら2方式のうち、どちらの方式も適用することができる。ビームフォーミングの方式については、本実施の形態1の方位推定方法において、主題ではないので、詳細な説明を省略する。
帯域加算部22は、ビームフォーミング部21が生成した各ビーム波形出力のパワー値を計算する。帯域加算部22において、パワー値計算の前にバンドパスフィルタなどのフィルタ部が設けられていてもよい。この場合、フィルタ部が所定の周波数帯域の成分のみを抽出した後に帯域加算部22がビーム波形のパワー値を計算する。図1では、帯域加算部22がビーム波形毎に帯域加算処理を行うことを模式的に示している。
最大レベル検出部23は、帯域加算部22の出力を用いて、ビーム波形のパワー値が最大となる方位を検出し、その方位を広帯域信号の推定方位θBBとして出力する。方位選択部24は、ビームフォーミング部21の出力から、広帯域信号の推定方位に対応するビーム波形を抽出し、抽出した波形を狭帯域信号推定部3に出力する。
図1に示した狭帯域信号推定部3は、DIFARセンサの各音響センサの出力から狭帯域信号の到来方位を推定する装置である。狭帯域信号推定部3は、図3に示した周波数分析部32相互相関計算部33および方位算出部35の他に、減算処理部31を有する。減算処理部31は、OMNI指向性音響センサの出力から広帯域信号を減算する減算処理(OMNI)、NS指向性音響センサの出力から広帯域信号を減算する減算処理(NS)およびEW指向性音響センサの出力から広帯域信号を減算する減算処理(EW)を行う。
方位選択部24が出力する広帯域信号の抽出波形をSBB(t)と表す。減算処理部31は、減算処理(OMNI)として、式(8)の計算を行うことで、OMNI指向性音響センサの出力から広帯域信号の波形を減算した推定値So^(t)を出力する。
Figure 0007180447000008
ここで、記号*は畳み込み演算を表し、ho(t)は広帯域信号の抽出波形SBB(t)に適用するフィルタのインパルス応答である。式(8)の計算は、OMNI指向性音響センサの出力から、広帯域信号の成分を除去するためのものである。ここで、フィルタho(t)は、固定的なものであってもよく、広帯域信号の成分を効果的に除去するために適応的なものであってもよい。
減算処理部31は、減算処理(OMNI)と同様に、減算処理(NS)として式(9)の計算を行うことで、NS指向性音響センサの出力から広帯域信号の波形を減算した推定値Sns^(t)を出力する。
Figure 0007180447000009
また、減算処理部31は、減算処理(EW)について、式(10)の計算を行うことで、EW指向性音響センサの出力から広帯域信号の波形を減算した推定値Sew^(t)を出力する。
Figure 0007180447000010
ここで、hns(t)およびhew(t)のそれぞれは、広帯域信号の抽出波形SBB(t)に適用するフィルタのインパルス応答である。
周波数分析部32、相互相関計算部33および方位算出部35の構成は、図3を参照して説明した構成と同様になるため、ここでは、その詳細な説明を省略する。減算処理部31は、3つの減算処理により、So^(t)、Sns^(t)およびSew^(t)を出力する。減算処理部31の出力に対して、周波数分析部32が周波数分析を行い、周波数分析部32の出力に対して、相互相関計算部33が相互相関の期待値演算を行う。方位算出部35は、算出された相互相関の期待値に対して、arctanによる到来方位推定を適用し、狭帯域信号の推定方位を求める。
図6は、図1に示した方位推定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。方位推定装置1は、例えば、コンピュータを含む情報処理装置である。記憶部11は、制御部12が実行する演算処理の結果を記憶する。記憶部11は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)装置である。制御部12は、プログラムを記憶するメモリ14と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)13とを有する。CPU13がプログラムを実行することで、図1に示した広帯域信号推定部2および狭帯域信号推定部3が構成される。
なお、広帯域信号推定部2および狭帯域信号推定部3が備える機能のうち、一部または全部が専用回路で構成されてもよい。専用回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。信号処理の一部または全部を専用回路で構成することで、信号処理の高速化を図ることができる。
(実施の形態1の方位推定方法)
次に、本実施の形態1の方位推定装置1が実行する方位推定方法を説明する。図7は、図1に示した方位推定装置の動作手順を示すフローチャートである。図7に示すステップS105~S107は図4に示したステップS801~S803と同様な処理になるため、その詳細な説明を省略する。
ビームフォーミング部21は、3つの指向性音響センサ出力波形を入力として、式(7)による計算を行うことで、複数の方位に対応する複数のビーム波形を生成するビームフォーミング出力を行う(ステップS101)。帯域加算部22は、ビームフォーミング部21が生成した各ビーム波形出力のパワー値を計算する。
最大レベル検出部23は、帯域加算部22の出力を用いて、ビーム波形のパワー値が最大となる方位を検出し、その方位を広帯域信号の推定方位θBBとして出力する(ステップS102)。方位選択部24は、ビームフォーミング部21の出力から、広帯域信号の推定方位に対応するビーム波形を抽出し、抽出した波形を狭帯域信号推定部3に出力する(ステップS103)。
減算処理部31は、減算処理(OMNI)、減算処理(NS)および減算処理(EW)として式(8)~(10)による計算を行うことで(ステップS104)、So^(t)、Sns^(t)およびSew^(t)を出力する。減算処理部31の出力に対して、周波数分析部32が周波数分析を行い(ステップS105)、周波数分析部32の出力に対して、相互相関計算部33が相互相関の期待値演算を行う(ステップS106)。方位算出部35は、算出された相互相関の期待値に対して、arctanによる到来方位推定を適用し、狭帯域信号の推定方位を求める(ステップS107)。
(実施の形態1の効果)
本実施の形態1の方位推定方法では、式(8)~(9)の処理によって広帯域信号が除去される。そのため、式(2)~(4)で表現されていたOMNI指向性音響センサ出力の周波数領域データXo(f)、NS指向性音響センサ出力の周波数領域データXns(f)およびEW指向性音響センサ出力の周波数領域データXew(f)は、式(11)~(13)のようになる。
Figure 0007180447000011
Figure 0007180447000012
Figure 0007180447000013
これらの結果を用いて、方位算出部35が式(1)によるarctanによる到来方位推定の処理を行うことで、広帯域信号の影響が抑制され、狭帯域信号の到来方位θNBが適切に推定される。3つの音響センサの各音響センサの出力に対して、広帯域信号が減算されるため、狭帯域信号の到来方位の推定能力が向上する。
なお、本実施の形態1では、方位推定装置1について説明したが、方位推定装置1を有する方位推定システムにおいても、本実施の形態1と同様な効果が得られる。図8は、本発明の実施の形態1に係る方位推定システムの一構成例を示すブロック図である。図8に示すように、方位推定システム5は、DIFARセンサ60と、方位推定装置1とを有する。DIFARセンサ60は、OMNI指向性音響センサ61、NS指向性音響センサ62およびEW指向性音響センサ63を有する。
図9は、図8に示したDIFARセンサを有するDIFARソノブイの一構成例を示す模式図である。DIFARソノブイ65は、DIFARセンサ60と、送信部67を含むフローティング部66とを有する。DIFARセンサ60および送信部67は、防水性のケーブル68で通信接続されている。フローティング部66は、浮力を有し、DIFARソノブイ65が海に投下されると、送信部67の一部を海面の上に出した状態で浮く。DIFARセンサ60の各音響センサは検出した信号を、ケーブル68を介して送信部67に送る。送信部67は、DIFARセンサ60の各音響センサから受信した信号を無線信号に変換して出力する。送信部67は、例えば、方位推定装置1を備えた航空機に無線信号を出力する。
実施の形態2.
実施の形態1は、3つの指向性音響センサの出力波形から、広帯域信号の成分を波形として除去することによって、arctanによる到来方位推定を用いて狭帯域信号の到来方位を推定するものである。本実施の形態2は、実施の形態1とは異なる方法で、広帯域信号の成分を抑制して、狭帯域信号の到来方位を推定するものである。
本実施の形態2の方位推定装置の構成を説明する。本実施の形態2では、実施の形態1で説明した構成と同一の構成について同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図10は、本発明の実施の形態2に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、方位推定装置1aは、ビームフォーミング部21と、狭帯域信号推定部3aとを有する。ビームフォーミング部21が生成するビーム数SbをMとする。狭帯域信号推定部3aは、周波数分析部41、正規化処理部42、抽出部43および方位変換部44を有する。本実施の形態2においても、方位推定装置1aは、図6に示した情報処理装置でもよく、方位推定装置1aが備える機能の全部または一部が専用回路で構成されてもよい。
周波数分析部41は、ビームフォーミング部21で出力されるM個のビーム出力波形に対して周波数分析処理を適用し、1~B番の合計B個の周波数に分割した結果を得る。周波数分析で用いる具体的な方式として、例えば、DFT(Discrete Fourier Transform)、FFT(Fast Fourier Transform)など種々の方式がある。本実施の形態2では、周波数分析に用いられる方式は限定されない。周波数分析の方式については、本実施の形態2の主題ではないので、詳細な説明を省略する。
正規化処理部42は、ビーム波形ごとの周波数分析結果に対して周波数方向の正規化処理によって、周波数-パワー値の関係を、周波数-SNRの関係に変換する。この正規化処理は、広帯域信号を抑制し、狭帯域信号を浮き上がらせる。周波数方向の正規処理で用いる方式として、例えば、OTA(Order Truncate Average)、SAXA(Split Average eXclude Average)など種々の方式がある。本実施の形態2では、正規化処理に用いられる方式は限定されない。周波数方向の正規化処理の方式については、本実施の形態2の主題ではないので、詳細な説明を省略する。
抽出部43は、周波数方向の正規化された出力について、周波数ごとに値が最大となるビーム番号を抽出し、抽出したビーム番号を出力する。方位変換部44は、抽出部43から出力されたビーム番号を用いて、周波数ごとにビーム番号を方位に変換する。例えば、方位変換部44は、ビーム番号に対応して、方位角0度~360度の範囲において角度xx単位で方位に変換する。変換後の方位が狭帯域信号の推定方位となる。
次に、本実施の形態2の方位推定装置1aが実行する方位推定方法を説明する。図11は、図10に示した方位推定装置の動作手順を示すフローチャートである。ステップS201のビームフォーミングは、図7で説明したステップS101と同様な処理になるため、ここではその詳細な説明を省略する。
ステップS202において、周波数分析部41は、ビームフォーミング部21から出力されるM個のビーム出力波形に対して周波数分析処理を適用し、1~B番の合計B個の周波数に分割する。続いて、正規化処理部42が、ビーム波形ごとの周波数分析結果に対して周波数方向の正規化処理を行うことで(ステップS203)、周波数-パワー値の関係を、周波数-SNRの関係に変換する。その結果、広帯域信号が抑制され、狭帯域信号が浮き上がる。
その後、抽出部43が、周波数方向の正規化された出力について、周波数ごとに値が最大となるビーム番号を抽出し(ステップS204)、抽出したビーム番号を出力する。方位変換部44は、抽出部43が抽出したビーム番号を用いて、周波数ごとにビーム番号を方位角0度~360度の範囲において角度xx刻みの方位に変換する(ステップS205)。この変換後の方位が狭帯域信号の推定方位となる。
本実施の形態2の方位推定方法の効果を、図を参照して説明する。図12は、図11に示した周波数分析部の出力の一例を示すイメージである。図12は、レベルの大きな広帯域信号と、広帯域信号の方位とは異なる方位にレベルの小さな狭帯域信号が存在している場合を示す。ここで注目すべきは、狭帯域信号の周波数に対する方位推定の能力である。図12に示した状況で、比較例の方位推定では、式(5)および(6)において広帯域信号の成分が支配的となるため、レベルの大きな広帯域信号の到来方位に偏った推定方位が得られることになってしまう。
そこで、本実施の形態2では、周波数分析処理の出力に対して、周波数方向の正規化処理の出力を用いて狭帯域信号の方位を推定する。図13は、図12に示した周波数分析の出力に対して、周波数方向の正規化処理を適用したときの結果を示すイメージである。図13に示すように、周波数方向の正規化処理によって、広帯域信号が抑制され、その結果、狭帯域信号のみが浮き上がっている。
さらに、図13に示すような結果を入力として、正規化出力最大のビーム番号抽出の処理において、抽出部43が、ビーム番号1~Mのうち、周波数ごとに正規化出力が最大となるビーム番号を見つける。このようにして出力されるビーム番号を、周波数fの関数としてindex(f)と表す。図13から明らかなように、狭帯域信号が存在している周波数について、正規化処理の結果が最大となる方位は、狭帯域信号が実際に到来する方位である。このことから、比較例による、狭帯域信号の方位推定結果と比べて、本実施の形態2では、より正確に方位推定できることがわかる。
最終的には、ビーム番号index(f)を入力として、方位変換部44は、方位変換の処理として、次の式(14)で周波数ごとの推定方位theta(f)を計算する。
Figure 0007180447000014
ここで、Mはビーム数であり、Rはビームを形成している方位範囲[deg]であり、thetaはビーム形成のオフセットである。全方位に渡ってビーム形成する場合は、R=360、theta=0となる。本実施の形態2では、3つの音響センサの各音響センサの出力に対して、正規化処理により広帯域信号が抑制されるため、狭帯域信号の到来方位の推定能力が向上する。
実施の形態3.
本実施の形態3は、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせたものである。本実施の形態3では、例えば、方位推定処理対象の信号に広帯域信号が複数個存在し、方位推定処理対象の信号から複数個の広帯域信号の成分を除去仕切れないような場合に有効である。
本実施の形態3の方位推定装置の構成を説明する。本実施の形態3では、実施の形態1および2で説明した構成と同一の構成について同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図14は、本発明の実施の形態3に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。
図14に示すように、方位推定装置1bは、広帯域信号推定部2と、狭帯域信号推定部3bとを有する。狭帯域信号推定部3bは、図10に示した狭帯域信号推定部3aと比較すると、減算処理部31および補助ビームフォーミング部40が追加された構成である。補助ビームフォーミング部40は、減算処理部31の出力So^(t)、Sns^(t)およびSew^(t)を入力として、式(7)による計算によって、予め指定された複数の方位へ向けた複数のビーム波形のビームフォーミング出力を得る。ビーム数Sb=Mとする。補助ビームフォーミング部40の構成は、ビームフォーミング部21と比較して入力が異なるだけで、ビームフォーミング部21と同様なため、ここでは、その詳細な説明を省略する。本実施の形態3においても、方位推定装置1bは、図6に示した情報処理装置でもよく、方位推定装置1bが備える機能の全部または一部が専用回路で構成されてもよい。
図15は、図14に示した方位推定装置の動作手順を示すフローチャートである。図15に示すステップS301~S304の処理は図7を参照して説明したステップS101~S104と同様な処理である。また、図15に示すステップS305~S309の処理は図11を参照して説明したステップS201~S205と同様な処理である。そのため、本実施の形態3では、方位推定方法の動作についての詳細な説明を省略する。
本実施の形態3の方位推定方法の効果を説明する。図1に示した方位推定装置1において、減算処理部31による減算処理(OMNI)、減算処理(NS)および減算処理(EW)までの処理によって、最も強い広帯域信号が除去されるが、別の方位から到来する広帯域信号が残る可能性がある。このような場合、実施の形態1では、狭帯域信号の到来方位を推定する際に、方位推定処理対象の信号が減算処理部31で除去できなかった広帯域信号の影響を受けてしまうことがある。
一方、実施の形態2では、強い広帯域信号の到来方位と弱い狭帯域信号の到来方位が近接している場合、周波数方向の正規化処理の時点で狭帯域信号が検出できず、その狭帯域信号の到来方位が推定できない場合がある。
これに対して、本実施の形態3によれば、3つの指向性音響センサ出力から強い広帯域信号の成分を波形として除去する処理を適用することによって、強い広帯域信号でマスクされるような近接した狭帯域信号を浮き上がらせる効果がある。さらに、周波数方向の正規化処理を適用することによって、除去仕切れなかった広帯域信号が抑制され、狭帯域信号の到来方位の推定精度の向上を図ることができる。
実施の形態4.
本実施の形態4は、実施の形態3と同様に方位推定処理対象の信号に広帯域信号が複数個存在する場合に有効であるが、実施の形態3とは別の構成である。本実施の形態4では、実施の形態1~3で説明した構成と同一の構成について同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態4の方位推定装置の構成を説明する。図16は、本発明の実施の形態4に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。
図16に示す方位推定装置1cは、図10に示した方位推定装置1bと比較すると、抽出部43の代わりに2次関数フィッティング部45が設けられた構成である。2次関数フィッティング部45は、正規化処理部42から周波数ごとに出力される複数の正規化処理の結果を2次関数にフィッティングすることで、最大の正規化出力のビーム番号を抽出する。2次関数フィッティング部45の動作の詳細は、後述する。本実施の形態4においても、方位推定装置1cは、図6に示した情報処理装置でもよく、方位推定装置1cが備える機能の全部または一部が専用回路で構成されてもよい。
次に、本実施の形態4の方位推定装置1cが実行する方位推定方法を説明する。図17は、図16に示した方位推定装置の動作手順を示すフローチャートである。図17に示すステップS401~S403の処理は図11を参照して説明したステップS201~S203と同様になるため、その詳細な説明を省略する。ここでは、図17に示すステップS404およびS405の処理について詳細に説明する。
ステップS404において、2次関数フィッティング部45には、正規化処理部42から周波数方向の正規化処理の結果が入力される。図13に示したイメージは、周波数方向の正規化処理の結果の一例である。ここでは、狭帯域信号が存在している周波数fに対する処理を例として、2次関数フィッティング部45が行う処理を説明する。
2次関数フィッティング部45は、周波数fの正規化出力に対して、出力が最大となるビーム番号をindex(f)とすると、正規化出力の大きさSNR(f,index(f))を抽出する。このとき、2次関数フィッティング部45は、ビーム番号index(f)の前後のビーム番号index(f)-1およびindex(f)+1と、各ビーム番号に対応する正規化出力SNR(f,index(f)-1)およびSNR(f,index(f)+1)も抽出する。これにより、3組のビーム番号と正規化出力が得られたことになる。
続いて、2次関数フィッティング部45は、この3組のデータが2次関数上の3点であるとして、次の式(15)~(21)を用いて正規化出力が最大となるビーム番号(整数とは限らない)を計算する。
Figure 0007180447000015
Figure 0007180447000016
Figure 0007180447000017
Figure 0007180447000018
Figure 0007180447000019
Figure 0007180447000020
Figure 0007180447000021
ステップS405において、方位変換部44は、式(15)で計算されたビーム番号index2(f)を入力として、次の式(22)によって、周波数ごとの推定方位theta(f)を計算する。
Figure 0007180447000022
ここで、Mはビーム数Sbであり、Rはビームを形成している方位範囲[deg]、thetaはビーム形成のオフセットである。
本実施の形態4の方位推定方法の効果を説明する。実施の形態2で説明した方位推定装置1aにおいて、ビーム数Sb=Mが十分に多い場合には、推定方位の刻みを細かく設定できる。しかしながら、例えば、M=4の場合には、推定方位の刻みが90[deg]であり、DIFARセンサに求められる狭帯域信号の推定方位刻みとしては粗すぎる。
これに対して、本実施の形態4によれば、例えば、M=4の場合であっても、2次関数フィッティング処理によって、90[deg]以下の刻みで推定方位を計算することができる。そのため、狭帯域信号の到来方位の推定精度の向上を図ることができる。
実施の形態5.
実施の形態2では、ビームフォーミングで生成されるビーム数Sb=Mで、ビーム数Sbが固定の場合である。本実施の形態5は、ビームフォーミング部の後段にビーム補間処理部を設け、補間処理によってビーム数を増加させるものである。本実施の形態5では、実施の形態1~4で説明した構成と同一の構成について同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態5の方位推定装置の構成を説明する。図18は、本発明の実施の形態5に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。図18に示す方位推定装置1dは、図10に示した方位推定装置1bと比較すると、ビームフォーミング部21と狭帯域信号推定部3aとの間にビーム補間部50が設けられた構成である。ビーム補間部50は、ビームフォーミング部21から入力される複数のビーム波形のビーム数に対して、ビーム数を増加させる補間処理を行う。例えば、ビーム補間部50は、入力される複数のビーム波形に対して、方位角が近接する2つのビーム波形の間を補間するビーム波形を補充する。図18は、ビーム補間部50がビーム数SbをMからMに増加させた場合を示す。MとMは、M>Mの関係である。本実施の形態5においても、方位推定装置1dは、図6に示した情報処理装置でもよく、方位推定装置1dが備える機能の全部または一部が専用回路で構成されてもよい。
本実施の形態5の方位推定方法は、図11を参照して説明した手順において、ステップS201とS202との間でビーム数を増加させる補間処理を行うことを除いて、同様な処理になるため、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態5のメリットは、DIFARソノブイの各指向性音響センサ出力を用いて、ABFを実施するときに顕著になる。一般的には、ABFはビーム形成の計算コストが大きく、ビームフォーミングで多くのビーム形成をすることが難しい場合がある。このような場合であっても、本実施の形態5では、ビーム数を増加させることができる。その結果、より細かい刻みで狭帯域信号の方位推定を行うことができる。
実施の形態6.
実施の形態4では、ビームフォーミングで生成されるビーム数Sb=Mで、ビーム数Sbが固定の場合である。本実施の形態6は、実施の形態5と同様に、ビームフォーミング部の後段にビーム補間処理部を設け、補間処理によってビーム数を増加させるものである。本実施の形態6では、実施の形態1~5で説明した構成と同一の構成について同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態6の方位推定装置の構成を説明する。図19は、本発明の実施の形態6に係る方位推定装置の一構成例を示すブロック図である。図19に示す方位推定装置1eは、図16に示した方位推定装置1cと比較すると、ビームフォーミング部21と狭帯域信号推定部3cとの間にビーム補間部50が設けられた構成である。本実施の形態6においても、方位推定装置1eは、図6に示した情報処理装置でもよく、方位推定装置1eが備える機能の全部または一部が専用回路で構成されてもよい。
本実施の形態6の方位推定方法は、図17を参照して説明した手順において、ステップS401とS402との間でビーム数を増加させる補間処理を行うことを除いて、同様な処理になるため、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態6は、DIFARソノブイの各指向性音響センサ出力を用いてABFを実施するときにメリットが顕著となり、実施の形態5と同様な効果が得られる。ビームフォーミングで多くのビーム形成をすることが難しい場合であっても、本実施の形態6では、ビーム数を増加させることができる。その結果、より細かい刻みで狭帯域信号の方位推定を行うことができる。
なお、実施の形態5では、実施の形態2の方位推定装置1aにビーム補間部50を設ける場合について説明し、実施の形態6では、実施の形態4の方位推定装置1cにビーム補間部50を設ける場合について説明したが、これらの場合に限らない。例えば、実施の形態3の方位推定装置1bにおいて、補助ビームフォーミング部40と周波数分析部41との間にビーム補間部50を設けてもよい。また、実施の形態3の方位推定装置1bにおいて、抽出部43の代わりに2次関数フィッティング部45が設けられていてもよい。
1、1a~1e 方位推定装置
2 広帯域信号推定部
3、3a~3c 狭帯域信号推定部
5 方位推定システム
11 記憶部
12 制御部
13 CPU
14 メモリ
21 ビームフォーミング部
22 帯域加算部
23 最大レベル検出部
24 方位選択部
31 減算処理部
32 周波数分析部
33 相互相関計算部
35 方位算出部
40 補助ビームフォーミング部
41 周波数分析部
42 正規化処理部
43 抽出部
44 方位変換部
45 2次関数フィッティング部
50 ビーム補間部
60 DIFARセンサ
61 OMNI指向性音響センサ
62 NS指向性音響センサ
63 EW指向性音響センサ
65 DIFARソノブイ
66 フローティング部
67 送信部
68 ケーブル
100 方位推定装置

Claims (10)

  1. 無指向性音響センサ、前記無指向性音響センサの中心を通る直線に線対称の指向性を備えた第1の指向性音響センサ、および前記第1の指向性音響センサの指向性と直交する指向性を備えた第2の指向性音響センサからなる3つの音響センサの出力を用いて、複数の方位に対応する複数のビーム波形を生成するビームフォーミング部と、
    前記3つの音響センサの出力に対して、前記ビームフォーミング部から出力される前記複数のビーム波形に基づいて広帯域信号を減算および抑制の一方または両方を行ってから、狭帯域信号の到来方位を推定する狭帯域信号推定部と、
    を有する方位推定装置。
  2. 前記ビームフォーミング部を含み、前記複数のビーム波形から前記広帯域信号の到来方位を推定し、推定した到来方位に基づいて前記広帯域信号の波形を抽出する広帯域信号推定部をさらに有し、
    前記狭帯域信号推定部は、
    前記各音響センサの出力から前記広帯域信号の波形を減算する減算処理部と、
    前記減算処理部による前記各音響センサの出力の減算結果に対して周波数を分析する周波数分析部と、
    前記無指向性音響センサの出力と前記第1の指向性音響センサの出力との相互相関である第1相関、および前記無指向性音響センサの出力と前記第2の指向性音響センサの出力との相互相関である第2相関を算出する相互相関計算部と、
    前記相互相関計算部によって算出された前記第1相関および前記第2相関に逆三角関数を用いて前記狭帯域信号の到来方位を算出する方位算出部と、
    を有する、請求項1に記載の方位推定装置。
  3. 前記狭帯域信号推定部は、
    前記ビームフォーミング部から出力される前記複数のビーム波形ごとに周波数を分析する周波数分析部と、
    前記周波数分析部が分析した周波数ごとに前記ビーム波形を周波数方向に正規化処理する正規化処理部と、
    前記正規化処理部から前記周波数ごとに出力される複数の正規化処理の結果のうち、最大の正規化出力を抽出する抽出部と、
    前記抽出部によって抽出された最大の正規化出力の方位を前記狭帯域信号の方位に変換する方位変換部と、
    を有する、請求項1に記載の方位推定装置。
  4. 前記ビームフォーミング部を含み、前記複数のビーム波形から前記広帯域信号の到来方位を推定し、推定した到来方位に基づいて前記広帯域信号の波形を抽出する広帯域信号推定部をさらに有し、
    前記狭帯域信号推定部は、
    前記各音響センサの出力から前記広帯域信号推定部によって抽出された前記広帯域信号の波形を減算する減算処理部と、
    前記減算処理部による前記各音響センサの出力の減算結果を用いて複数のビーム波形を生成する補助ビームフォーミング部と、
    前記補助ビームフォーミング部から出力される前記複数のビーム波形ごとに周波数を分析する周波数分析部と、
    前記周波数分析部が分析した周波数ごとに周波数方向に正規化処理を行う正規化処理部と、
    前記正規化処理部から前記周波数ごとに出力される複数の正規化処理の結果のうち、最大の正規化出力を抽出する抽出部と、
    前記抽出部によって抽出された最大の正規化出力の方位を前記狭帯域信号の方位に変換する方位変換部と、
    を有する、請求項1に記載の方位推定装置。
  5. 前記狭帯域信号推定部は、
    前記ビームフォーミング部から出力される前記複数のビーム波形ごとに周波数を分析する周波数分析部と、
    前記周波数分析部が分析した周波数ごとに周波数方向に前記ビーム波形を正規化処理する正規化処理部と、
    前記正規化処理部から前記周波数ごとに出力される複数の正規化処理の結果を2次関数にフィッティングすることで最大の正規化出力を抽出する2次関数フィッティング部と、
    前記2次関数フィッティング部によって抽出された最大の正規化出力の方位を前記狭帯域信号の方位に変換する方位変換部と、
    を有する、請求項1に記載の方位推定装置。
  6. 前記ビームフォーミング部と前記狭帯域信号推定部との間に設けられたビーム補間部をさらに有し、
    前記ビーム補間部は、前記ビームフォーミング部から入力される複数のビーム波形のビーム数に対して、前記ビーム数を増加させる補間処理を行う、請求項3または5に記載の方位推定装置。
  7. 前記広帯域信号推定部は、
    前記ビームフォーミング部と、
    前記ビームフォーミング部から出力される前記複数のビーム波形のパワー値を算出する帯域加算部と、
    前記帯域加算部で算出された前記複数のビーム波形のパワー値のうち、最大のパワー値となる方位を検出し、検出した方位を前記広帯域信号の推定方位として出力する最大レベル検出部と、
    前記広帯域信号の推定方位に対応するビーム波形を抽出し、抽出したビーム波形を前記狭帯域信号推定部に出力する方位選択部と、
    を有する、請求項2または4に記載の方位推定装置。
  8. 無指向性音響センサ、前記無指向性音響センサの中心を通る直線に線対称の指向性を備えた第1の指向性音響センサ、および前記第1の指向性音響センサの指向性と直交する指向性を備えた第2の指向性音響センサを含むダイファーセンサと、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の方位推定装置と、
    を有する方位推定システム。
  9. 無指向性音響センサ、前記無指向性音響センサの中心を通る直線に線対称の指向性を備えた第1の指向性音響センサ、および前記第1の指向性音響センサの指向性と直交する指向性を備えた第2の指向性音響センサからなる3つの音響センサの出力を用いて狭帯域信号の到来方位を推定する方位推定方法であって、
    前記3つの音響センサの出力を用いて、複数の方位に対応する複数のビーム波形を生成し、
    前記3つの音響センサの出力に対して、生成された前記複数のビーム波形に基づいて広帯域信号を減算および抑制の一方または両方を行った後、前記狭帯域信号の到来方位を推定する、
    方位推定方法。
  10. 無指向性音響センサ、前記無指向性音響センサの中心を通る直線に線対称の指向性を備えた第1の指向性音響センサ、および前記第1の指向性音響センサの指向性と直交する指向性を備えた第2の指向性音響センサからなる3つの音響センサの出力を用いて狭帯域信号の到来方位を推定するコンピュータに、
    前記3つの音響センサの出力を用いて、複数の方位に対応する複数のビーム波形を生成する手段と、
    前記3つの音響センサの出力に対して、生成された前記複数のビーム波形に基づいて広帯域信号を減算および抑制の一方または両方を行った後、前記狭帯域信号の到来方位を推定する手段として機能させるためのプログラム。
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