JP7180332B2 - 排気浄化装置および内燃機関システム - Google Patents

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Description

本発明は、排気浄化装置および内燃機関システムに関する。
アンモニア(NH3)ガスを燃焼させて、駆動力を得る内燃機関(以降、「アンモニアエンジン」とも呼ぶ。)が知られている。アンモニアエンジンが稼働すると、ガソリンエンジンと同じく窒素酸化物(NOX)が排出される。例えば、特許文献1には、ガソリンエンジンの排気ガス(排ガス)に含まれる窒素酸化物を浄化するための排気浄化装置が開示されている。この排気浄化装置は、窒素酸化物を浄化する触媒担体として表面に塩基点が存在するアルミナを備えている。
特開2004-100586号公報
アンモニアエンジンは排気ガスの空燃比を量論比に制御することにより、触媒による窒素酸化物と未燃アンモニアとの浄化が可能である。しかし、アンモニアエンジンの始動時など触媒温度が充分高くない条件では、アンモニア浄化がより進むように、空燃比を希薄化する方法がとられる場合がある。この場合に、触媒温度の上昇とともに、空燃比を希薄化から量論比に変化させる。このとき、触媒表面が酸素で覆われる酸素被毒のために、窒素酸化物の浄化がなかなか進まない課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、アンモニアエンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物およびアンモニアを速やかに浄化する排気浄化装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。アンモニアを燃料とする内燃機関の排気ガスを浄化する排気浄化装置であって、窒素酸化物を還元する機能およびアンモニアを酸化する機能を有する触媒と、前記触媒の下流側に配置され、前記排気ガス中のアンモニアを吸着する吸着材と、前記触媒の活性状態を検出する活性状態検出部と、前記吸着材の下流側における前記排気ガス中の窒素酸化物およびアンモニアの濃度を取得する濃度取得部と、前記内燃機関にアンモニアを供給する燃料供給部によるアンモニアの供給量を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記触媒が活性状態であり、かつ、前記濃度取得部により取得された窒素酸化物の濃度が所定の第1閾値以上である場合に、前記内燃機関に供給される混合気の空燃比を量論比よりも過濃な空燃比になるように、アンモニアの供給量を増加させ、前記触媒が活性状態であり、かつ、前記濃度取得部により取得されたアンモニアの濃度が所定の第2閾値以上の場合に、前記混合気の空燃比を量論比未満の希薄な空燃比になるように、アンモニアの供給量を減少させる、排気浄化装置。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
(1)本発明の一形態によれば、アンモニアを燃料とする内燃機関の排気ガスを浄化する排気浄化装置が提供される。この排気浄化装置は、窒素酸化物を還元する機能およびアンモニアを酸化する機能を有する触媒と、前記触媒の下流側に配置され、前記排気ガス中のアンモニアを吸着する吸着材と、前記触媒の活性状態を検出する活性状態検出部と、前記吸着材の下流側における前記排気ガスの濃度を取得する濃度取得部と、前記内燃機関にアンモニアを供給する燃料供給部によるアンモニアの供給量を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記触媒が活性状態である場合に、前記濃度取得部により取得された前記排気ガスの濃度を用いて、前記吸着材の下流側における排気ガスの濃度を一定に保つように、アンモニアの供給量を制御する。
アンモニアエンジンは排気ガスの空燃比を量論比に制御することにより、触媒による窒素酸化物と未燃アンモニアとの浄化が可能であるが、触媒が充分な活性状態に至るまでは(例えば、始動時など触媒温度が充分高くない条件下の場合)、アンモニア浄化がより進むよう、空燃比を希薄化する場合がある。この際、希薄状態の排気ガスには多くの酸素が含まれることから、触媒表面が酸素で覆われる酸素被毒が生じることがある。一方、触媒の温度上昇に伴う触媒の活性後は、窒素酸化物を浄化するために排気ガスの空燃比を希薄から量論比へと変化させる。しかし、触媒に酸素被毒が既に発生している場合には、触媒における窒素酸化物の浄化(還元)が進行しづらい。このような触媒の酸素被毒は、排気ガスを一時的に過濃として、排気ガスに含まれるアンモニアの量を一時的に増加させることで、排気ガス中のアンモニアと触媒の表面に付着した酸素とを反応させることで解消できる。この構成によれば、排気浄化装置は、触媒の下流側にアンモニアを吸着する吸着材が配置されているため、酸素被毒解消のために排気ガスに含まれるアンモニアの量を一時的に増加させた場合に、酸素と反応しなかったアンモニアが存在しても、この未反応のアンモニアを吸着することで、排気浄化装置の外部へ漏出することを抑制できる。また、制御部は、触媒が活性状態になったのち、吸着材の下流側における排気ガスの濃度が一定を保つように、アンモニアの供給量を制御するため、例えば排気ガスの濃度が濃すぎることによって未反応のアンモニアが漏出することや、例えば排気ガスの濃度が薄すぎることによって触媒が酸素被毒して窒素酸化物を浄化できず、窒素酸化物が漏出することを抑制することができる。この結果、本構成の排気浄化装置では、窒素酸化物とアンモニアの浄化率の両立を図ることができる。すなわち、本構成の排気浄化装置は、アンモニアおよび窒素酸化物を速やかに浄化できると共に、窒素酸化物とアンモニアの浄化率の両立を図ることができる。
(2)上記形態の排気浄化装置において、前記濃度取得部は、前記吸着材の下流側における前記排気ガス中の窒素酸化物の濃度を取得し、前記制御部は、前記触媒が活性状態であり、かつ、前記濃度取得部により取得された窒素酸化物の濃度が所定の第1閾値以上である場合に、前記内燃機関に供給される混合気の空燃比を量論比よりも過濃な空燃比になるように、アンモニアの供給量を増加させてもよい。
この構成によれば、触媒が活性化している状態で、濃度取得部により第1閾値以上の窒素酸化物の濃度が取得される場合、すなわち、触媒に酸素被毒が発生している場合に、混合気の空燃比が過濃になるように、アンモニアの供給量が増加する。これにより、内燃機関で未反応のアンモニアによって、触媒の酸素被毒を解消できるため、排気浄化装置は、速やかに窒素酸化物を浄化できる。
(3)上記形態の排気浄化装置において、前記濃度取得部は、前記吸着材の下流側における前記排気ガス中のアンモニアの濃度を取得し、前記制御部は、前記濃度取得部により取得されたアンモニアの濃度が所定の第2閾値以上の場合に、前記混合気の空燃比を量論比未満の希薄な空燃比になるように、アンモニアの供給量を減少させてもよい。
この構成によれば、混合気の空燃比が過濃の状態で、内燃機関で未反応のアンモニアによって触媒の酸素被毒が解消されると、酸素被毒の解消に用いられなかったアンモニアは、吸着材に吸着される。吸着材に多くのアンモニアが吸着し、吸着材がそれ以上のアンモニアの吸着できない場合に、濃度取得部により取得されるアンモニアの濃度が高くなる。ここで、第2閾値以上のアンモニアの濃度が取得された場合に、制御部は、混合気の空燃比を希薄な空燃比まで低下するように、アンモニアの供給量を減少させる。これにより、排気ガスに多く含まれる酸素が、吸着材に吸着されたアンモニアと反応して、吸着材に吸着されていたアンモニアを減少させることができる。
(4)上記形態の排気浄化装置において、前記濃度取得部は、前記吸着材の下流側における前記排気ガス中の酸素の濃度を検出する第1空燃比センサと、前記第1空燃比センサにより検出された酸素の濃度を用いて、前記吸着材の下流側における前記排気ガス中の窒素酸化物の濃度を算出する濃度算出部と、を有していてもよい。
この構成によれば、第1空燃比センサによって検出された酸素の濃度に基づいて、排気ガスの窒濃度が算出される。これにより、濃度取得部は、安価なセンサを用いて排気ガスの濃度を取得できる。また、第1空燃比センサの検出値が用いられることにより、濃度算出部は、第1空燃比センサの検出値から排気ガスの窒素酸化物の濃度およびアンモニアなどの濃度を算出できる。
(5)上記形態の排気浄化装置において、前記活性状態検出部は、前記触媒の温度を検出する温度センサであってもよい。
触媒は、触媒ごとに定まる温度以上で活性化する。そのため、温度センサにより検出された温度と、触媒ごとに定められた温度とを比較することにより、触媒の活性状態を簡単に判断できる。
(6)上記形態の排気浄化装置において、さらに、前記触媒の下流側かつ前記吸着材の上流側における前記排気ガス中、または、前記触媒の上流側における前記排気ガス中の酸素の濃度を検出する第2空燃比センサを備え、前記制御部は、前記温度センサにより検出された前記触媒の温度が所定温度以上の場合に、前記第1空燃比センサの代わりに前記第2空燃比センサにより検出される酸素の濃度を用いて、アンモニアの供給量を制御してもよい。
触媒の温度が所定温度以上である場合には、触媒の表面を覆う酸素被毒が発生しなくなり、窒素酸化物およびアンモニアのほとんどが触媒により浄化される。この構成によれば、制御部は、触媒の温度が所定温度以上である場合には、第1空燃比センサよりも上流側の排気ガス中の酸素の濃度を検出する第2空燃比センサの検出値を用いて、アンモニアの供給量を制御する。そのため、排気浄化装置は、排気ガス中の濃度検出からアンモニアの供給量の制御までを短時間で行うことができる。
(7)上記形態の排気浄化装置において、前記吸着材は、窒素酸化物を還元する機能およびアンモニアを酸化する機能を有していてもよい。
この構成によれば、吸着材は、未反応のアンモニアを吸着し、さらに、触媒によって還元されなかった窒素酸化物および酸化されなかったアンモニアを浄化できる。
(8)本発明の他の一形態によれば、内燃機関システムが提供される。この内燃機関システムは、アンモニアを燃料とする内燃機関と、前記内燃機関にアンモニアを供給する燃料供給部と、上記形態の排気浄化装置と、を備える。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、排気浄化装置および排気浄化方法、内燃機関システム、これら装置およびシステムや方法を実行するためのコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての排気浄化装置を備えるエンジンシステムにおける一部の概略図である。 混合気の空燃比に対する触媒での窒素酸化物およびアンモニアの浄化率を示すグラフである。 燃料噴射量の変化に対する空燃比センサのそれぞれの検出値の時間変化の一例を示すグラフである。 図3に示される各状態における触媒および吸着材における反応のイメージ図である。 制御部によるアンモニアの供給量の制御についてのフローチャートである。 本実施形態の排気浄化装置による効果を示すグラフである。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての排気浄化装置10を備えるエンジンシステム100における一部の概略図である。エンジンシステム(内燃機関システム)100は、例えば車両に搭載されて、アンモニアガス(NH3)を燃料として車両を駆動させるための駆動力を生み出す。エンジンシステム100は、機関本体(内燃機関)50と、燃料のアンモニアガスを貯留している燃料タンク(燃料供給部)61と、燃料タンク61から機関本体50にアンモニアガスを噴射する噴射弁62(燃料供給部)と、機関本体50から排出される排気ガス(排ガス)を浄化する排気浄化装置10とを備える。本実施形態の燃料タンク61の内部は、加圧されており、燃料タンク61は、気体のアンモニアガスを貯留している。以降、アンモニアガスを単に「アンモニア」と呼ぶ。
機関本体50は、アンモニアを燃焼させて駆動力を得る。本実施形態の機関本体50は火花点火式である。機関本体50は、シリンダブロック51と、シリンダヘッド52と、ピストン53とを備える。ピストン53の冠面、シリンダブロック51、およびシリンダヘッド52は、燃焼室CCを形成する。燃焼室CCはそれぞれの気筒ごとに形成されている。
機関本体50は、外気から取り込んだ空気AIRを燃焼室CCに流入させる吸気管54と、燃焼後の排ガスを燃焼室CCから排気させる排気管55と、燃焼室CCと吸気管54との吸気経路を開閉する吸気弁56と、燃焼室CCと排気管55との排気経路を開閉する排気弁57と、燃焼室CC内の混合に点火する点火プラグ58とを備えている。点火プラグ58は、火花放電を発生させることで、燃焼室CC内の燃料に着火し、燃料を燃焼させる。
排気浄化装置10は、機関本体50から排出される排ガスDG中の有害物質や燃料の燃え残り、例えば、窒素酸化物(NOX)およびアンモニアを浄化する。本実施形態の排気浄化装置10は、排気管55の途中に配置された触媒12および吸着材13と、排気管55を流れる排ガスDGの温度を測定する温度センサ15と、排気管55を流れる排ガスDGに含まれる酸素の濃度を検出する酸素濃度検出部14と、温度取得部15および酸素濃度検出部14の検出値に基づいて噴射弁62を制御する制御部11とを備えている。なお、本実施形態のエンジンシステム100では、空気AIRが吸い込む吸気管54側を上流側、排ガスDGが排出される排気管55側を下流側として定義する。
触媒12は、窒素酸化物を還元する機能と、アンモニアを酸化する機能とを有している。触媒12は、活性化する温度以上の環境下で、酸化および還元の浄化機能を発揮する。触媒12として、例えば、三元触媒が用いられる。触媒12は、セラミックスや酸化チタン等を担体として、例えば、白金、ロジウム、パラジウム等の貴金属を活性触媒成分として担持させることにより形成される。なお、三元触媒機能を実現させる活性触媒成分は、被毒劣化耐性と熱劣化耐性を有する限りにおいて、貴金属には限定されない。三元触媒機能は、排ガスDG中のアンモニア、NOX、水素(H2)を酸化還元反応によって浄化できる。
吸着材13は、触媒12よりも下流側に配置され、触媒12を経由した排ガスDGが流入する。吸着材13は、排ガスDG中に含まれるアンモニア、例えば、触媒12によって酸化されなかったアンモニアを吸着することで、アンモニアが排気浄化装置10の外部へ漏出することを抑制する。吸着材13は、例えば、セラミックスや酸化チタン等を担体として、種々のゼオライト、活性炭等を活性触媒成分として担持させることにより形成される。
図1に示されるように、酸素濃度検出部14は、触媒12と吸着材13との間に配置された上流側空燃比センサ(第2空燃比センサ)141と、吸着材13の下流側に配置された下流側空燃比センサ(第1空燃比センサ)142とを備えている。上流側空燃比センサ141および下流側空燃比センサ142は、排ガスDGの酸素(O2)濃度を取得する空燃比センサ(A/F(Air / fuel ratio))である。上流側空燃比センサ141は、触媒12の酸化還元反応によって浄化された排ガスDG中の酸素濃度を検出する。下流側空燃比センサ142は、吸着材13の酸化還元反応およびアンモニアの吸着によって浄化された排ガスDG中の酸素濃度を検出する。下流側空燃比センサ142によって検出された排ガスDG中の酸素濃度を用いて、制御部11は、排ガスDG中の窒素酸化物の濃度およびアンモニアの濃度を算出する。この場合、酸素濃度検出部14は「濃度取得部」としても機能し、制御部11は「濃度算出部」としても機能する。
温度取得部15は、図1に示されるように、触媒12の上流側における排ガスDGの温度を検出する上流側温度センサ(温度センサ)151と、触媒12の下流側(吸着材13の上流側)における排ガスDGの温度を検出する下流側温度センサ152とを備えている。本実施形態では、上流側温度センサ151の検出値が、触媒12の温度として取り扱われる。また、下流側温度センサ152の検出値が、吸着材13の温度として取り扱われる。なお、他の実施形態では、上流側温度センサ151または下流側温度センサ152がなくてもよいし、別の方法によって触媒12の温度が検出されてもよい。
制御部11は、酸素濃度検出部14の検出値と、上流側温度センサ151による触媒12の温度とに基づいて、噴射弁62から噴射されるアンモニアの量を変化させる。制御部11は、上流側温度センサ151の検出値が、触媒12が活性化する温度以上であるか否かを判定する。制御部11は、触媒12が活性化していると判定した場合には、酸素濃度検出部14によって検出された酸素濃度に基づいて、噴射弁62を制御する。制御部11は、触媒12が活性化する活性化温度よりも高い所定温度(例えば、摂氏500度)未満の場合に、下流側空燃比センサ142の検出値を用いて、噴射弁62を制御する。一方で、制御部11は、触媒12が活性化温度よりも高い所定温度以上の場合に、上流側空燃比センサ141の検出値を用いて、噴射弁62を制御する。
制御部11は、上流側空燃比センサ141または下流側空燃比センサ142(以降では、単に「空燃比センサ141,142」とも呼ぶ)の検出値を用いて、排ガスDG中の窒素酸化物の濃度およびアンモニアの濃度を算出する。制御部11は、算出した窒素酸化物の濃度が予め設定された第1閾値以上であるか否かを判定する。また、制御部11は、算出したアンモニアの濃度が予め設定された第2閾値以上であるか否かを判定する。制御部11は、排ガスDG中の窒素酸化物およびアンモニアを浄化するために、判定結果に基づいて、噴射弁62から噴射されるアンモニアの量を変化させる。
図2は、混合気の空燃比に対する触媒12での窒素酸化物およびアンモニアの浄化率を示すグラフである。図2には、触媒12が活性化している場合において、燃焼室CCから排出される排ガスDGに含まれる窒素酸化物およびアンモニアの浄化率が示されている。窒素酸化物の浄化率が破線で示され、アンモニアの浄化率が実線で示されている。図2に示されるように、混合気の空燃比が量論比の場合に、窒素酸化物およびアンモニアの浄化率がほぼ100パーセント(%)になる。一方で、混合気の空燃比が希薄(リーン)である場合に、アンモニアの浄化率はほぼ100%になるが、窒素酸化物の浄化率は希薄になるにつれて小さくなる。逆に、混合気の空燃比が量論比よりも過濃(リッチ)である場合に、窒素酸化物の浄化率はほぼ100%になるが、アンモニアの浄化率は過濃になるにつれて小さくなる。このように、触媒12が活性化している状態では、混合気の空燃比が量論比の場合に、窒素酸化物およびアンモニアが共にほぼ100%浄化される。そのため、理論上では、混合気が希薄の場合に、排ガスDG中の窒素酸化物の濃度が高くなり、混合気が過濃の場合に、排ガスDG中のアンモニアの濃度が高くなる。
制御部11は、触媒12が活性化していると判定し、かつ、空燃比センサ141,142の検出値に基づいて算出した窒素酸化物の濃度が第1閾値以上の場合に、混合気の空燃比が過濃な空燃比になるように、噴射弁62によるアンモニアの燃料噴射量を増加させる。また、制御部11は、空燃比センサ141,142の検出値に基づいて算出したアンモニアの濃度が第2閾値以上の場合に、混合気の空燃比が希薄な空燃比になるように、噴射弁62からのアンモニアの燃料噴射量を減少させる。このようにすることで、制御部11は、吸着材13の下流側における排ガスDGの濃度を一定に維持できる。
図3は、燃料噴射量ANの変化に対する空燃比センサ141,142のそれぞれの検出値の時間変化の一例を示すグラフである。図4は、図3に示される各状態における触媒12および吸着材13における反応のイメージ図である。図3には、上段に燃料噴射量ANの時間変化が、下段に上流側空燃比センサ141により検出された上流側空燃比AF1および下流側空燃比センサ142により検出された下流側空燃比AF2が、それぞれ示されている。また、図3には、空燃比が量論比となる数値が破線によって示されている。図3および図4に示される状態では、触媒12が活性状態であり、かつ、触媒12の温度が活性化温度よりも高い所定温度未満の場合である。そのため、制御部11は、下流側空燃比センサ142により検出される下流側空燃比AF2が量論比を保つように、下流側空燃比AF2を用いて、燃料噴射量ANを制御する。換言すると、制御部11は、吸着材13の下流側における排ガスDGの空燃比が一定の量論比に保たれるように、アンモニアの供給量を制御する。
以下、図3および図4を用いて、制御部11による制御について説明する。なお、図3に示す各時刻t1~t5における噴射量及び検出値と、図4に示す各時刻t1~t5における様子とは、それぞれ対応している。図3に示される時刻t1の状態は、上流側空燃比AF1および下流側空燃比AF2が希薄状態である。アンモニアエンジンの始動時など触媒12の温度が充分高くない条件では、アンモニアの浄化がより進むように、混合気の空燃比を希薄化する場合がある。このような場合、触媒12に流入する排ガスDGには多くの酸素が含まれるため、酸素が触媒12の表面を覆う、いわゆる酸素被毒が発生する。
図4の時刻t1では、触媒12に酸素被毒が発生している様子を表す。時刻t1の場合、燃焼室CCから排出される排ガスDGの大部分は、水および窒素であるが、排ガスDGは、微量のアンモニアと、水素と、窒素酸化物とを含んでいる。触媒12には、十分な酸素が流入しているため、アンモニアおよび水素は、酸化される。触媒12の表面に酸素被毒が発生しているため、窒素酸化物(図中NOX)は、触媒12によって還元されづらい。そのため、窒素酸化物の一部は、触媒12によって酸化されずに吸着材13へと流入する。触媒12から流出される排ガスDGにはアンモニアがほぼ含まれていないため、吸着材13に対するアンモニアの吸着は生じず、吸着材13から流出する排ガスDGには、触媒12からの排ガスDGと同様の気体が含まれる。この結果、時刻t1における下流側空燃比AF2から算出される窒素酸化物の濃度が第1閾値以上となるため、制御部11は、混合気の空燃比が過濃になるように、燃料噴射量ANを増加させ始める。
図3および図4に示される時刻t2の状態は、図3に示されるように、燃料噴射量ANが増加し、下流側空燃比AF2が量論比に変化した状態である。この状態では、制御部11は、混合気の空燃比が過濃になるように、燃料噴射量ANを増加させ続けている。このとき、図4に示されるように、触媒12に流入するアンモニアは、増加し、排ガスDG中の酸素だけでなく、触媒12の表面に付着していた酸素と反応する。これにより、触媒12の酸素被毒が徐々に解消し始める。触媒12により酸化されなかった一部のアンモニアは、吸着材13により吸着されるため、吸着材13から排出される排ガスDGには、アンモニアが含まれない。この結果、図3に示されるように、下流側空燃比センサ142により検出される下流側空燃比AF2は、量論比になる。一方で、上流側空燃比センサ141により検出される上流側空燃比AF1は、過濃になる。
図3および図4に示される時刻t3の状態は、時刻t2の状態から、燃料噴射量ANが変化せずに、一定時間経過した状態である。混合気の空燃比が過濃のままであるため、図4に示されるように、触媒12内は、徐々に過濃な状態に移行して、酸素不足に転じる。触媒12に付着していた酸素がアンモニアと反応することにより酸素被毒が解消される。また、触媒12内が過濃であるため、窒素酸化物の還元が促進される。触媒12から排出されたアンモニアは、時刻t2の状態から引き続き、吸着材13に吸着され、吸着されたアンモニアは増え続ける。吸着材13によるアンモニアの吸着により、吸着材13から排出される排ガスDGには、アンモニアが含まれない。そのため、図3に示されるように、時刻t3における下流側空燃比AF2は、時刻t2と同じ量論比で保たれている。制御部11は、下流側空燃比AF2を量論比に保っているため、噴射弁62による燃料噴射量ANを変更せずに維持する。すなわち、上流側空燃比AF1は、過濃のままでエンジンシステム100は稼働する。
図3および図4に示される時刻t4の状態は、図3に示されるように、下流側空燃比AF2が過濃になった状態である。図4に示されるように、時刻t4では、吸着材13に吸着されたアンモニアが増え、吸着材13に吸着しきれなくなったアンモニアが、吸着材13から流出し始める。この場合に、図3に示されるように、下流側空燃比センサ142は、過濃な空燃比を検出する。この結果、検出された過濃な空燃比から算出されるアンモニアの濃度が第2閾値以上となるため、制御部11は、過濃であった混合気の空燃比を希薄にするために、噴射弁62による燃料噴射量ANを減少させ始める。この制御により、図3に示されるように、時刻t4以降の上流側空燃比AF1および下流側空燃比AF2は、下がり始める。
図3および図4に示される時刻t5の状態は、図3に示されるように、燃料噴射量ANが減少し続けて、下流側空燃比AF2が量論比に変化した状態である。時刻t5では、燃焼室CCに流入するアンモニアの量が減少しているため、触媒12に流入する酸素が時刻t4のときよりも増加する。図4に示されるように、増加した酸素の一部と、触媒12で還元されなかった窒素酸化物とは、触媒12を通過して吸着材13へと流入する。流入した酸素および窒素酸化物は、酸化剤として機能し、吸着材13に吸着されていたアンモニアと反応する。吸着材13に流入した窒素酸化物と、吸着材13に吸着されていたアンモニアとが反応するため、下流側空燃比AF2は量論比になる。
図3および図4に示される時刻t6の状態は、時刻t5の後に、噴射弁62からのアンモニアの噴射量が減少した状態が続き、上流側空燃比AF1および下流側空燃比AF2が希薄に変化した状態である。燃料噴射量ANが減少し続けると、吸着材13に吸着されていたアンモニアの全てが酸素および窒素酸化物と反応する。その結果、排ガスDGに含まれる酸素により、下流側空燃比AF2は、量論比よりも希薄な空燃比に変化する。また、排ガスDGに含まれる酸素によって、触媒12に再び酸素被毒が発生し始める。すなわち、上流側空燃比AF1および下流側空燃比AF2が希薄な時刻t6の状態は、時刻t1の状態と同じである。以降、時刻t1以降の状態が繰り返される。
ここからは、エンジンシステム100が起動してから制御部11により行われる制御フローについて説明する。図5は、制御部11によるアンモニアの供給量の制御についてのフローチャートである。エンジンシステム100が起動すると、制御部11は、空燃比センサ141,142の検出値を取得する(ステップS11)。以降、制御部11は、空燃比センサ141,142の検出値を取得し続ける。制御部11は、上流側温度センサ151に基づき触媒12が活性化しているか否かを判定する(ステップS12)。制御部11は、触媒12が活性化していないと判定した場合には(ステップS12:NO)、触媒12の活性状態への変化を待機する。なお、以降では、触媒12の温度が活性化温度よりも高い所定温度未満を維持している場合の制御フローについて説明する。
制御部11は、触媒12が活性化していると判定した場合には(ステップS12:YES)、下流側空燃比センサ142の検出値である下流側空燃比AF2が希薄か否かを判定する(ステップS13)。すなわち、制御部11は、吸着材13からの排ガスDG中に含まれる窒素酸化物の濃度が第1閾値以上であるか否かを判定する。制御部11は、下流側空燃比AF2が希薄ではないと判定した場合には(ステップS13:NO)、アンモニアの供給量を変化させずに供給し続ける。制御部11は、下流側空燃比AF2が希薄であると判定した場合には(ステップS13:YES)、混合気に噴射するアンモニアの噴射量を増加させる(ステップS14)。
次に、制御部11は、下流側空燃比センサ142の検出値である下流側空燃比AF2が量論比へ変化することを監視する(ステップS15)。制御部は、下流側空燃比AF2が量論比に変化していないと判定した場合には(ステップS15:NO)、アンモニアの噴射量を増加させ続ける(ステップS14)。制御部11は、下流側空燃比AF2が量論比に変化したと判定すると(ステップS15:YES)、アンモニアの噴射量の増加を停止して、その時点でのアンモニアの噴射量を一定にして供給し続ける(ステップS16)。これにより、下流側空燃比AF2が一定の量論比に保たれる。
次に、制御部11は、下流側空燃比センサ142の検出値である下流側空燃比AF2が過濃へと変化することを監視する(ステップS17)。すなわち、制御部11は、吸着材13からの排ガスDG中に含まれるアンモニアの濃度が第2閾値以上であるか否かを判定する。制御部11は、下流側空燃比AF2が過濃ではないと判定した場合には(ステップS17:NO)、下流側空燃比AF2が過濃へと変化することを監視し続ける。制御部11は、下流側空燃比AF2が過濃に変化したと判定した場合には(ステップS17:YES)、混合気に噴射するアンモニアの噴射量を減少させ始める(ステップS18)。
次に、エンジンシステム100の稼働を終了する所定の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS19)。なお、所定の操作の受付は、制御フローのいずれのタイミングでも受付可能であり、一例としてステップS19に示している。制御部11は、所定の操作を受け付けていない場合には(ステップS19:NO)、ステップS12以降の処理を繰り返す。制御部11は、所定の操作を受け付けた場合には(ステップS19:YES)、アンモニアの供給量の制御フローを終了する。
図6は、本実施形態の排気浄化装置10による効果を示すグラフである。図6には、エンジンシステム100が起動してから、触媒12が活性化した時点を起点とする各種濃度の時間変化が示されている。図6には、窒素酸化物NOXの濃度、アンモニアNH3の濃度、上流側空燃比AF1、および下流側空燃比AF2のそれぞれの時間推移が示されている。ここで、アンモニアエンジンでは、刺激臭の強いアンモニアの排出を抑えるために、始動時などの過渡状態においては、混合気の空燃比が量論比よりも希薄に制御されている。そのため、図6における時間軸(横軸)の起点を、混合気の空燃比が量論比になった時点とした。
本実施形態の制御部11は、図6における時刻T1のように、吸着材13の下流側の排ガスDG中から第1閾値以上の窒素酸化物の濃度を取得すると、混合気の空燃比を過濃にする。混合気の空燃比が過濃になると、図6に示される時刻T1以降のように、下流側空燃比AF2は、希薄から量論比に近づいていく。また、混合気の空燃比が過濃になることによって、触媒12の酸素被毒が速やかに解消されて、窒素酸化物の浄化速度が上昇する。そのため、図6に示されるように、排ガスDG中の窒素酸化物の濃度は、急激に減少する。
以上説明したように、本実施形態の排気浄化装置10では、触媒12の下流側にアンモニアを吸着する吸着材13が配置されているため、酸素被毒解消のために排ガスDGに含まれるアンモニアの量を一時的に増加させた場合に、酸素と反応しなかったアンモニアが存在しても、この未反応のアンモニアを吸着することで、排気浄化装置10の外部へ漏出することを抑制できる。また、制御部11は、触媒12が活性状態になったのち、吸着材13の下流側における排ガスDGの濃度が一定を保つように、アンモニアの供給量を制御するため、例えば排ガスDGの濃度が濃すぎることによって未反応のアンモニアが漏出することや、例えば排ガスDGの濃度が薄すぎることによって触媒12が酸素被毒して窒素酸化物を浄化できず、窒素酸化物が漏出することを抑制することができる。この結果、本実施形態の排気浄化装置10では、窒素酸化物とアンモニアの浄化率の両立を図ることができる。すなわち、本実施形態の排気浄化装置10は、アンモニアおよび窒素酸化物を速やかに浄化できると共に、窒素酸化物とアンモニアの浄化率の両立を図ることができる。
また、本実施形態の排気浄化装置10では、触媒12が活性化しているときに、制御部11は、空燃比センサ141,142により取得される下流側空燃比AF2から算出した窒素酸化物の濃度が第1閾値以上である場合に、混合気の空燃比を過濃な空燃比にする。これにより、触媒12に酸素被毒が発生している場合に、未燃アンモニアが触媒12に吸着している酸素と反応して、酸素被毒が解消する。そのため、排気浄化装置10は、速やかに窒素酸化物を浄化できる。
また、本実施形態の排気浄化装置10では、制御部11は、空燃比センサ141,142の検出値を用いて、外部に排出される排ガスDGに含まれるアンモニアの濃度を取得する。制御部11は、取得したアンモニアの濃度が第2閾値以上の場合に、アンモニアの供給量を減少させる。これにより、触媒12の酸素被毒の解消に用いられずに外部へと流出するアンモニアの量が減少する。また、排ガスDGに含まれる酸素が増えることにより、吸着材13に流入した酸素および窒素酸化物が、吸着材13に吸着しているアンモニアと反応する。この反応により、吸着材13に吸着しているアンモニアが減少して、吸着材13は、アンモニアを吸着できる状態に戻る。よって、排気浄化装置10は、速やかに窒素酸化物およびアンモニアを浄化できる。
また、本実施形態の排気浄化装置10では、上流側温度センサ151の検出値によって、触媒12が活性しているか否かが判定される。これにより、排気浄化装置10は、安価なセンサを用いて、触媒12の活性状態を簡単に判定できる。また、窒素酸化物およびアンモニアの濃度を取得するために、空燃比センサ141,142により検出された空燃比が用いられている。これにより、排気浄化装置10は、安価な1種類のセンサを用いて、窒素酸化物およびアンモニアの両方の濃度を取得できる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上記実施形態は、排気浄化装置10およびエンジンシステム100の一例であり、排気浄化装置10およびエンジンシステム100の構成については、種々変形可能である。例えば、実施形態の吸着材13は、窒素酸化物を還元する機能およびアンモニアを酸化する機能を有していてもよい。この場合、触媒12に加えて、吸着材13が窒素酸化物およびアンモニアを浄化できるため、排気浄化装置10は、速やかに窒素酸化物およびアンモニアを浄化できる。また、触媒12および吸着材13の数については、2つ以上であってもよい。上流側温度センサ151は、排気管55の途中ではなく、触媒12自体に取り付けられていてもよい。
また、触媒12の活性状態を検出する活性状態検出部として、上流側温度センサ151の検出値ではなく、例えば、第1実施形態の上流側空燃比センサ141と、燃焼室CCに供給される混合気との比較に基づいて、触媒12の活性状態が判定されてもよい。排ガスDG中の窒素酸化物の濃度およびアンモニアの濃度を取得する手段として、空燃比センサ141,142の代わりに、NOXセンサやアンモニアセンサが用いられてもよい。空燃比センサ141,142は、排気管55に配置されるのではなく、触媒12や吸着材13に直接取り付けられていてもよい。触媒12の活性状態を検出するセンサおよび排ガスDG中の各種濃度を取得するための手段の数や配置については、種々変形可能である。
上記実施形態では、触媒12の温度が活性化温度よりも高い所定温度未満の例について説明したが、制御部11は、触媒12の温度が所定温度以上の場合には、下流側空燃比センサ142の代わりに上流側空燃比センサ141により取得された上流側空燃比AF1を用いて、アンモニアの供給量を制御してもよい。触媒12の温度が所定温度以上の場合には、触媒12に酸素被毒が発生しなくなる。この場合、混合気の空燃比が量論比に設定されると、アンモニアおよび窒素酸化物のほとんどは、触媒12により浄化される。そのため、触媒12の温度が所定温度以上の場合に、上流側空燃比AF1によりアンモニアの供給量が制御されることにより、排ガスDGの濃度の検出からアンモニアの供給量の決定までの時間を短縮し、迅速な制御を行うことができる。また、他の実施形態では、触媒12の温度が所定温度以上であっても、制御部11は、下流側空燃比センサ142の検出値を用いて、アンモニアの供給量を制御してもよい。
[変形例2]
制御部11が行う制御についても、種々変形可能である。上記第1実施形態の制御部11は、図3に示されるように、下流側空燃比AF2が一定になるまでアンモニアの供給量を増加させ又は減少させたが、下流側空燃比AF2を一定に保つ制御については、種々変形可能である。例えば、制御部11は、排ガスDGに含まれる窒素酸化物の濃度が第1閾値以上だった場合に、アンモニアの噴射量を、混合気の空燃比が過濃な所定の空燃比に増加させ、所定の空燃比を保ってもよい。また、所定の空燃比に設定してから経過した時間に応じて、段階的にアンモニアの供給量が変化してもよい。アンモニアの供給量が減少する場合にも、増加する場合と同じように、例えば、段階的に変化する制御が行われてもよい。また、制御部11は、第1閾値および第2閾値以外の基準によってアンモニアの供給量を制御し、下流側空燃比AF2を一定に保ってもよい。一定に保たれる下流側空燃比AF2は、必ずしも量論比である必要はなく、量論比よりも若干過濃であってもよい。
制御部11は、下流側空燃比センサ142により取得される下流側空燃比AF2を一定に保つために、アンモニアの噴射量の制御を変更できる。図5には、アンモニアの供給量についての制御フローの一例を挙げたが、制御フローは、空燃比センサ141,142の検出値の取得処理、触媒12の活性状態の判定処理、および、アンモニアの供給量の制御処理を含んでいればよい。制御フローは、その他の処理の一部を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。制御部11は、空燃比センサ141,142の検出値および触媒12の活性状態の判定結果に基づいて、吸着材13の下流側における排ガスDGの濃度を一定に保つ範囲で、種々の処理を行ってもよい。
制御部11は、混合気に燃料のアンモニアを供給する方法については、必ずしも噴射弁62を用いる必要はなく、周知の方法を適用できる。制御部11は、混合気の空燃比を過濃にするための噴射弁62の制御については、種々変形可能である。例えば、制御部11は、噴射弁62から噴射される複数回の噴射量のみを、混合気の空燃比が過濃になるように設定してもよい。この場合に、制御部11は、一番初めに噴射される噴射量のアンモニアの濃度を最大にして、回数を重ねるにつれて、アンモニアの濃度を小さくしていってもよい。これにより、一定時間同じ濃度のアンモニアを供給し続ける場合と比較して、触媒12の酸素被毒を短時間で解消できる。また、1回の噴射で多くのアンモニアを供給する場合と比較して、燃焼室CCにおける燃焼ムラを減少できる。なお、制御部11は、1回の噴射弁62からの噴射量のみを増加させることによって、混合気の空燃比を過濃にしてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
10…排気浄化装置
11…制御部
12…触媒
13…吸着材
14…酸素濃度検出部(濃度取得部)
15…温度取得部
50…機関本体
61…燃料タンク(燃料供給部)
62…噴射弁(燃料供給部)
100…エンジンシステム(内燃機関システム)
141…上流側空燃比センサ(第2空燃比センサ)
142…下流側空燃比センサ(第1空燃比センサ)
151…上流側温度センサ(温度センサ)
152…下流側温度センサ
AF1…上流側空燃比
AF2…下流側空燃比
AIR…空気
AN…燃料噴射量
CC…燃焼室
DG…排ガス

Claims (6)

  1. アンモニアを燃料とする内燃機関の排気ガスを浄化する排気浄化装置であって、
    窒素酸化物を還元する機能およびアンモニアを酸化する機能を有する触媒と、
    前記触媒の下流側に配置され、前記排気ガス中のアンモニアを吸着する吸着材と、
    前記触媒の活性状態を検出する活性状態検出部と、
    前記吸着材の下流側における前記排気ガス中の窒素酸化物およびアンモニアの濃度を取得する濃度取得部と、
    前記内燃機関にアンモニアを供給する燃料供給部によるアンモニアの供給量を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記触媒が活性状態であり、かつ、前記濃度取得部により取得された窒素酸化物の濃度が所定の第1閾値以上である場合に、前記内燃機関に供給される混合気の空燃比を量論比よりも過濃な空燃比になるように、アンモニアの供給量を増加させ、
    前記触媒が活性状態であり、かつ、前記濃度取得部により取得されたアンモニアの濃度が所定の第2閾値以上の場合に、前記混合気の空燃比を量論比未満の希薄な空燃比になるように、アンモニアの供給量を減少させる、排気浄化装置。
  2. 請求項に記載の排気浄化装置であって、
    前記濃度取得部は、
    前記吸着材の下流側における前記排気ガス中の酸素の濃度を検出する第1空燃比センサと、
    前記第1空燃比センサにより検出された酸素の濃度を用いて、前記吸着材の下流側における前記排気ガス中の窒素酸化物の濃度を算出する濃度算出部と、を有する、排気浄化装置。
  3. 請求項に記載の排気浄化装置であって、
    前記活性状態検出部は、前記触媒の温度を検出する温度センサである、排気浄化装置。
  4. 請求項に記載の排気浄化装置であって、さらに、
    前記触媒の下流側かつ前記吸着材の上流側における前記排気ガス中、または、前記触媒の上流側における前記排気ガス中の酸素の濃度を検出する第2空燃比センサを備え、
    前記制御部は、前記温度センサにより検出された前記触媒の温度が前記触媒が活性化すると共に前記触媒に酸素被毒を発生させない所定温度以上の場合に、前記第1空燃比センサの代わりに前記第2空燃比センサにより検出される酸素の濃度を用いて、アンモニアの供給量を制御する、排気浄化装置。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の排気浄化装置であって、
    前記吸着材は、窒素酸化物を還元する機能およびアンモニアを酸化する機能を有する、排気浄化装置。
  6. 内燃機関システムであって、
    アンモニアを燃料とする内燃機関と、
    前記内燃機関にアンモニアを供給する燃料供給部と、
    請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の排気浄化装置と、を備える、内燃機関システム。
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