JP7179643B2 - 蔓豆の栽培方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、簡単に蔓豆を栽培することができる蔓豆の栽培方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の蔓豆の栽培方法は、圃場に播種機を走行させて蔓豆の種子を播種する播種工程と、前記播種工程後に、前記種子を播種した方向に土堀機を走行させて、前記種子の播種位置の側方に、前記土堀機により支柱を挿入する穴を形成する作業を含んだ支柱立て工程と、前記支柱立て工程後に、所定の間隔で立てられている複数の前記支柱間に張られている誘引ネットに沿って草刈機を走行させて、前記誘引ネットで誘引された前記蔓豆のつるの根元を前記草刈機によって切断するつる切り工程と、前記つる切り工程後に、前記誘引ネットに沿ってネット巻き取り機を走行させて、前記ネット巻き取り機により前記誘引ネットに誘引された蔓豆を前記誘引ネットごと収穫する収穫工程と、を備えている。
を備えている。
さらに、本発明の一態様では、前記蔓豆の栽培方法は、前記支柱立て工程後で且つ前記つる切り工程前に、前記誘引ネットに沿って肥料散布機を走行させて、肥料の散布を行う施肥工程を備えている。
蔓豆の栽培方法は、白花豆、紫花豆、虎豆、大福豆等を栽培する方法である。言い換えれば、蔓豆の栽培方法は、生育時の茎が自立せずに、支柱等によって誘引が必要な豆を栽培する方法である。
蔓豆の栽培では、様々な機械(農業機械)を用いて栽培を行う。
まず、蔓豆の栽培で用いる農業機械について説明する。
図1A及び図1Bは、農業機械の1つであるトラクタ1に耕耘機20を装着した図を示している。トラクタは、自立走行が行えない非自立走行型の農業機械を牽引する車両である。
トラクタ1は、車体3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。車体3は走行装置7を有していて走行可能である。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7Rも、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。
原動機4は、ディーゼルエンジン、電動モータ等であって、この実施形態ではディーゼルエンジンで構成されている。変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。また、変速装置5は、原動機4の動力をPTO軸6に伝達して、PTO軸6を回転させる。
連結部8は、車体3の後部に設けられた一対のロアリンク8aと、ロアリンク8aの上部で車体3の後部に設けられたトップリンク8bと、ロアリンク8a及びトップリンク8bが連結された連結枠8cを有している。ロアリンク8aの前端は、車体3の後部に回動自在に設けられている。ロアリンク8aの後端は、連結枠8cに回動自在に設けられている。また、トップリンク8bの前端は、車体3の後部であってロアリンク8aの上部で回動自在に設けられている。トップリンク8bの後端は、連結枠8cに回動自在に設けられている。なお、この実施形態では、連結部8は3点リンク機構で構成しているが、2点リンク機構であってもその他の機構であってもよく限定されない。
図1A、図1Bは、耕耘機20を示している。耕耘機20は、トラクタ1によって牽引される牽引型の耕耘機である。耕耘機20は、自立して走行することができる非自立走行型であってもよい。
耕耘機20は、耕耘を行う耕耘爪21と、耕耘爪21を支持するフレーム22とを備えている。フレーム22は、連結部8を介して車体3に連結される。フレーム22は、PTO軸6の回転動力が伝達される動力入力部22aと、動力入力部22aから幅方向に延びるサポートアーム22b、22cと、サポートアーム22bに設けられた伝動ケース22dと、サポートアーム22cに設けられたサイドフレーム22eとを含んでいる。動力入力部22a、サポートアーム22b、伝動ケース22dには、PTO軸6の動力を耕耘爪21に向けて伝達する動力伝達機構が設けられている。サポートアーム22b、22c(サポートアーム22b、22cから前方に突出したブラケット)がロアリンク8aに連結され、動力入力部22aに設けられたマスト22fが連結枠8cに連結される。フレーム22には、耕耘爪21の上方を覆うカバー23が設けられている。
図2A~図2Cは、農業機械の1つである播種機30を示している。図2A~図2Cに示された播種機30は、トラクタ1によって牽引される牽引型の播種機である。播種機30は、自立して走行することができる非自立走行型であってもよい。
播種機30は、播種を行う播種装置31と、播種装置31を支持するフレーム32とを備えている。フレーム32は、連結部8を介して車体3に連結される。フレーム32は、複数の角材等を組み合わせることにより構成されていて、前枠32aと、後枠32bとを含んでいる。前枠32aには、PTO軸6の回転動力が伝達される動力入力部32cと、マスト32dが設けられている。マスト32dは、トップリンク8bに連結される。後枠32bには、複数の播種装置31が所定の間隔で幅方向に並んでいる。播種装置31は、後枠32bに対して幅方向の位置を変更可能であって、播種装置31の幅方向の間隔を調整することにより、播種を行う条間の設定が可能である。また、複数の播種装置31において、所定の播種装置31を駆動させることも可能であり、任意の播種装置31の駆動を設定することによっても条間を変更可能である。
図3A、図3Bは、農業機械の1つである土堀機40を示している。図3A、図3Bに
示された土堀機40は、トラクタ1によって牽引される牽引型の土堀機である。土堀機40は、自立して走行することができる非自立走行型であってもよい。
土堀機40は、土を掘り起こす掘削装置41と、掘削装置41を支持するフレーム42とを備えている。フレーム42は、連結部8を介して車体3に連結される。フレーム42は、PTO軸6の回転動力が伝達される動力入力部42aと、メインフレーム42bと、サブフレーム42cとを含んでいる。動力入力部42a、メインフレーム42b及びサブフレーム42cには、PTO軸6の動力を掘削装置41に向けて伝達する動力伝達機構が設けられている。
サブフレーム42cは、メインフレーム42bの後方に位置していて、複数の掘削装置41を支持している。サブフレーム42cには、複数の掘削装置41が所定の間隔で幅方向に並んでいる。
図4A、図4Bは、農業機械の1つである散布機50を示している。図4A、図4Bに示された散布機50は、トラクタ1によって牽引される牽引型の散布機である。散布機50は、自立して走行することができる非自立走行型であってもよい。
散布機50は、散布を行う散布装置51と、散布装置51を支持するフレーム52とを備えている。フレーム52は、連結部8を介して車体3に連結される。フレーム52は、複数の角材等を組み合わせることにより構成されている。フレーム32の前部であって、左側及び左側は、ロアリンク8aに連結される。
したがって、駆動部51dを駆動することによって、左側に設けられた散布管51bのノズル51cと、右側に設けられた散布管51bのノズル51cとによって、幅方向に同時に散布を行うことができる。また、散布管51bが垂直方向に延びているため、垂直方向の範囲を散布することができる。
図5A、図5Bは、農業機械の1つである草刈機60を示している。図5A、図5Bに示された草刈機60は、トラクタ1によって牽引される牽引型の草刈機である。草刈機60は、自立して走行することができる非自立走行型であってもよい。
草刈機60は、植物の切断が可能な草刈装置61と、草刈装置61を支持するフレーム62とを備えている。フレーム62は、連結部8を介して車体3に連結される。フレーム62は、第1アーム62aと、第2アーム62bと、第3アーム62cとを有している。第1アーム62aは、連結部8に連結されている。第2アーム62bの基端部は、第1アーム62aに連結されている。第2アーム62bと第1アーム62aとの間には、油圧シリンダ63が設けられ、当該油圧シリンダ63の伸縮によって、第2アーム62bは、第1アーム62aに対して垂直方向に揺動可能である。第2アーム62bの先端部には、第3アーム62cの基端部が連結されている。第3アーム62cと第2アーム62bとの間には、油圧シリンダ64が設けられ、当該油圧シリンダ64の伸縮によって、第3アーム62cは、第2アーム62bに対して幅方向に揺動可能である。
カバー61aは、上部及び側部の一部が閉塞され且つ、下部及び側部の他部(一部を除く部分)が開放された形状である。駆動部61dは、電動モータ、油圧モータ等であって、電力又は油圧によって駆動して回転軸61bを回転させる。草刈体61cは、一端が回転軸61bに取付けられ、他端が自由端となったワイヤ型である。
図6A、図6Bは、農業機械の1つであるネット巻き取り機70を示している。図6A、図6Bに示されたネット巻き取り機70は、トラクタ1によって牽引される牽引型のネット巻き取り機である。ネット巻き取り機70は、自立して走行することができる非自立走行型であってもよい。
ネット巻き取り機70は、誘引ネットを巻き取る巻き取り装置71と、巻き取り装置71を支持するフレーム72とを備えている。フレーム72は、メインフレーム72aと、サブフレーム72bとを有敷いている。メインフレーム72aは、複数の角材等を組み合わせることにより構成されている。メインフレーム72aの前部であって、左側及び左側は、ロアリンク8aに連結される。メインフレーム72aは、下方から上方に行くにしたがって後方に移行していて、当該メインフレーム72aの後部に、サブフレーム72bが連結されている。サブフレーム72bは、メインフレーム72aの後部において、左側と右側とのそれぞれから下方に延びていて、下端で巻き取り装置71を支持している。
したがって、駆動部71bを駆動すると、回転軸71a3の回転によって、第1円形体71a1、第2円形体71a2及び引っかけ部71a4が一体的に回転して、引っかけ部71a4に引っかけた誘引ネットを巻き取ることができる。
次に、蔓豆の栽培方法について詳しく説明する。蔓豆の栽培方法の説明では、白花豆の栽培について説明するが、紫花豆、虎豆、大福豆であってもよい。
図7に示すように、蔓豆の栽培方法は、耕耘工程Q1、播種工程Q2、支柱立て工程Q3、施肥工程Q4、防除工程Q5、つる切り工程Q6、収穫工程Q7を含んでいる。なお、蔓豆の栽培方法において、工程Q1~工程Q7のうち、一部の工程を除いてもよい。
図8Aに示すように、耕耘工程Q1では、蔓豆の栽培、例えば、白花豆の栽培を行う圃場K1の耕耘を耕耘機20で行う。図8Aに示すように、圃場K1において、耕耘機20を駆動させた状態でトラクタ1を直進させ、栽培エリアK2の耕耘を行う。栽培エリアK2は、圃場K1の全体に設定してもよいし、幅方向に所定の間隔で離れていてもよい。この実施形態では、圃場K1において、旋回用のエリアK3を除く部分を栽培エリアK2として耕耘する。
播種装置31の播種板34bは、トラクタ1(播種機30)が進むにしたがって回動するため、図8Bに示すように、播種ピッチL2は同一となる。なお、播種装置31において、播種板34bは、取り換えが可能であり、播種ピッチL2を変更することが可能である。白花豆の播種ピッチL2は、75cm~85cmに設定することが好ましい。
なお、上述した実施形態では、散布機50の容器51aに、散布する散布物の種類を変更することにより、当該散布機50を施肥装置としたり、薬剤散布装置としているが、施肥散布装置と薬剤散布装置とは別々の散布機50で構成することが好ましい。また、肥料散布機は、ノズル51cによって散布する噴霧型に限定されず、回転ブレードを用いて肥料を散布する散布機であっても、肥料を繰り出す繰り出しローラによって肥料を散布する散布機であってもよく、施肥工程Q4で用いられる施肥散布機は上述したものに限定されない。
詳しくは、誘引ネットN1の間にトラクタ1(草刈機60)を位置させた状態で、草刈機60の草刈装置61をつるW1に近づける。このとき、草刈装置61を、誘引ネットN1と地面F1との隙間H3に差し込む。言い換えれば、草刈装置61のカバー61aを誘引ネットN1の下端よりも下側に位置させる。
トラクタ1(草刈機60)が走行中に、障害物検出部61eが支柱80に接触することにより、支柱80を検出すると、草刈装置61は自動的に一但、支柱80(誘引ネットN1)から遠ざかる方向(幅方向)に退避する。また、障害物検出部61eと支柱80との接触が解除されると、草刈装置61は自動的に、誘引ネットN1に近づき、つるW1の根元W2を切断する位置に復帰する。
蔓豆の栽培方法は、つる切り工程Q6後であって、誘引ネットN1に沿ってネット巻き取り機70を走行させて、誘引ネットN1に誘引された蔓豆を誘引ネットN1ごと収穫する収穫工程を備えている。
蔓豆の栽培方法は、支柱立て工程Q3後であってつる切り工程Q6前に、誘引ネットN1に沿って肥料散布機を走行させて、肥料の散布を行う施肥工程Q4を備えている。これによれば、肥料散布機を走行させるだけで簡単に施肥を行うことができる。
20 :耕耘機
30 :播種機
40 :土堀機
50 :散布機(肥料散布機、薬剤散布機)
Q1 :耕耘工程
Q2 :播種工程
Q3 :支柱立て工程
Q4 :施肥工程
Q5 :防除工程
Q6 :つる切り工程
Q7 :収穫工程
W2 :根元
Claims (4)
- 圃場に播種機を走行させて蔓豆の種子を播種する播種工程と、
前記播種工程後に、前記種子を播種した方向に土堀機を走行させて、前記種子の播種位置の側方に、前記土堀機により支柱を挿入する穴を形成する作業を含んだ支柱立て工程と、
前記支柱立て工程後に、所定の間隔で立てられている複数の前記支柱間に張られている誘引ネットに沿って草刈機を走行させて、前記誘引ネットで誘引された前記蔓豆のつるの根元を前記草刈機によって切断するつる切り工程と、
前記つる切り工程後に、前記誘引ネットに沿ってネット巻き取り機を走行させて、前記ネット巻き取り機により前記誘引ネットに誘引された蔓豆を前記誘引ネットごと収穫する収穫工程と、
を備えている蔓豆の栽培方法。 - 圃場に播種機を直進走行させて、前記播種機により蔓豆の種子を所定の間隔で複数回播種する播種工程と、
前記播種工程後に、前記種子の複数の播種位置を結んだ直線状の播種ラインに沿って土堀機を走行させて、前記播種ラインから所定距離離れた目標ラインに沿って、前記土堀機により支柱を挿入するための溝状の穴を形成する支柱立て工程と、
前記穴に所定の間隔で複数の前記支柱が挿入されて、前記穴を埋めることにより複数の前記支柱が立てられ、前記支柱間に誘引ネットが設けられた後に行うつる切り工程と、を備え、
前記つる切り工程では、前記誘引ネットと地面との隙間に草刈装置を差し込んだ状態で、前記誘引ネットに沿って前記草刈装置を備えた草刈機を走行させて、前記誘引ネットで誘引された前記蔓豆のつるの根元を前記草刈装置によって切断し、前記草刈装置の前方に設けられた障害物検出部が前記支柱を検出すると、前記草刈装置が前記誘引ネットと地面とのすき間から退避し、前記障害物検出部が前記支柱を検出しなくなると、前記草刈装置が前記誘引ネットと地面とのすき間に自動的に復帰する蔓豆の栽培方法。 - 前記支柱立て工程後で且つ前記つる切り工程前に、前記誘引ネットに沿って薬剤散布機を走行させて、防除を行う防除工程を備えている請求項1又は2に記載の蔓豆の栽培方法
。 - 前記支柱立て工程後で且つ前記つる切り工程前に、前記誘引ネットに沿って肥料散布機を走行させて、肥料の散布を行う施肥工程を備えている請求項1~3のいずれかに記載の蔓豆の栽培方法。
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