以下、本発明の実施の形態に係る映像表示システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の実施の形態では、映像表示システムにHEMS(Home Energy Management System)を適用した場合を例に説明する。
(実施の形態1)
映像表示システム1は、図1に示すように、映像を表示する映像表示装置100と、周囲を照明する照明装置200と、映像表示装置100と照明装置200とを相互にデータ通信可能に接続する通信ネットワークNWとを有する。
映像表示装置100は、映像を表示画面に表示する。また、本実施の形態において、映像表示装置100は、照明装置200の照明光によって照明される部屋空間に配置され、デジタルテレビ放送信号を受信し、受信したデジタルテレビ放送信号に基づく映像を表示画面に表示するテレビジョン受信機である。また、映像表示装置100は、住宅内の各種の設備機器を一括管理するHEMSコントローラとして機能する。なお、以下の説明では、デジタルテレビ放送信号を、単に「放送信号」と称することがある。また、映像表示装置100の表示映像の明るさを表す指標として輝度を用い、表示映像の色合いを表す指標として色温度を用いる。また、映像表示装置100の表示映像の輝度を映像輝度と称し、映像表示装置100の表示映像の色温度を映像色温度と称する。
照明装置200は、照明光を出射することにより周囲を照明する。照明装置200は、ユーザによる設定変更に応じて、出射する照明光の光束および色温度を調整する機能を有する。本実施の形態において、照明装置200は、映像表示装置100が配置された部屋空間の天井部分に設置され、この部屋空間全体を照明する。なお、照明装置200が出射する照明光の明るさを表す指標として光束を用い、照明光の色合いを表す指標として色温度を用いる。また、照明装置200の照明光の輝度を照明光束と称し、照明装置200の照明光の色温度を照明色温度と称する。
通信ネットワークNWは、有線または無線の通信回線を介して、映像表示装置100と照明装置200とを通信可能に接続する。HEMSでは、システム内の装置間の通信プロトコルとして、通常、ECHONET Lite(登録商標)が用いられる。したがって、映像表示システム1は、ECHONET Liteに則ってデータ通信を行う。
次に、映像表示システム1に含まれる映像表示装置100、照明装置200の各構成について説明する。
映像表示装置100は、図2に示すように、操作入力部110、放送受信部120、制御部130、通信部140、記憶部150、表示部160、音声出力部170を備える。
操作入力部110は、電源オン/オフ、チャンネル選択、音量調節等のユーザによる各種の操作を受け付ける。操作入力部110は、例えば、映像表示装置100を遠隔操作する機能を有するリモートコントローラ、携帯電話、タブレット端末等の操作機器RCから赤外線通信、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて送信される操作信号を受信する通信インタフェースを備える。なお、操作入力部110は、特許請求の範囲における映像表示装置の操作入力手段の一例である。
操作入力部110は、受信した操作信号を制御部130の構成部位に適宜出力する。例えば、操作入力部110は、チャンネル選択の操作信号を受信した場合、制御部130の選局部131に受信した操作信号を出力する。また、操作入力部110は、表示映像の明るさを調整する操作信号を受信した場合、映像制御部134に受信した操作信号を出力し、音量を調整する操作信号を受信した場合、音声制御部135に受信した操作信号を出力する。なお、操作入力部110は、ユーザによる操作を受け付けるためのボタン、キー、つまみ等の物理的な部材を備え、これらの部材を用いた操作に応じた操作信号を生成してもよい。操作入力部110は、特許請求の範囲における映像表示装置の操作入力手段の一例である。
放送受信部120は、放送信号を受信するチューナを備える。放送受信部120は、例えば、アンテナANTを介して、放送局から送信される地上波、衛星が中継する衛星波等の無線放送信号を受信する。また、放送受信部120は、後述する選局部131から入力した選局信号が示すチャンネルに対応する周波数帯域の放送信号を受信し、受信した放送信号を後述する復調部132に出力する。なお、放送受信部120は、放送局から光ケーブルや同軸ケーブル等を介して伝送される有線放送信号を受信してもよい。
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有するコンピュータを備える。制御部130は、ROMに記憶された各種の動作プログラムを読み出してRAM上で実行することにより、映像表示装置100の各構成部位を制御する。
制御部130は、機能的には、選局部131、復調部132、分離部133、映像制御部134、音声制御部135を有する。
選局部131は、操作入力部110から入力した操作信号に基づき、ユーザにより選択された選局チャンネルを特定する。また、選局部131は、特定した選局チャンネルを示す選局信号を生成し、放送受信部120に出力する。
復調部132は、放送受信部120から入力した放送信号の復調および誤り訂正を行い、多重信号を取得する。本実施の形態において、多重信号は、国際規格MPEG-2(Moving Picture Experts Group phase 2)システムで規定されたトランスポートストリーム(Transport Stream:TS)と呼ばれる多重信号形式で多重化された信号である。
分離部133は、復調部132が取得した多重信号に含まれる各種信号を分離する。分離部133は、例えば、多重信号に含まれる映像信号および音声信号を抽出し、映像信号を映像制御部134に出力し、音声信号を音声制御部135に出力する。
映像制御部134は、分離部133から入力した映像信号に各種の映像処理を施して表示用映像信号を生成し、表示部160に出力する。より具体的には、映像制御部134は、分離部133から入力した映像信号を復号し、復号した映像信号を輝度信号と色信号とに分離する。映像制御部134は、輝度信号と色信号の各々にゲイン調整、ガンマ補正等の映像処理を施す。映像制御部134は、映像処理が施された輝度信号および色信号をRGB(Red, Green, Blue)信号に変換し、表示用映像信号として表示部160に出力する。なお、映像制御部134は、特許請求の範囲における映像表示装置の制御手段の一例である。
音声制御部135は、分離部133から入力した音声信号を復号し、復号した音声信号に音量調整、音質調整等の各種音声処理を施した後、音声出力部170が出力可能な音声フォーマットに変換し、出力用音声信号として音声出力部170に出力する。
なお、選局部131、復調部132、分離部133、映像制御部134、音声制御部135は、1つのコンピュータにより実現されてもよいし、それぞれが別個のコンピュータにより実現されてもよい。
通信部140は、通信ネットワークNWを介して、照明装置200とデータ通信するための通信インタフェースである。通信部140は、例えば、照明装置200から照明光情報を受信する。なお、通信部140は、特許請求の範囲における映像表示装置の取得手段の一例である。
記憶部150は、記憶内容が書き換え可能な不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等を備え、演算データ、送受信データ等の各種データを記憶する。記憶部150は、例えば、映像輝度の設定値と照明光束の設定値とが対応付けられた輝度光束対応情報、映像色温度の設定値と照明色温度の設定値とが対応付けられた色温度対応情報、映像輝度の調整設定の状態を表す輝度調整フラグ、映像色温度の調整設定の状態を表す色温度調整フラグ等を予め定められた記憶領域に記憶する。ここで、記憶部150は、特許請求の範囲における映像表示装置の記憶手段の一例である。また、輝度光束対応情報は、特許請求の範囲における第1の対応情報の一例であり、色温度対応情報は、特許請求の範囲における第2の対応情報の一例である。
記憶部150は、輝度光束対応情報として、例えば、図3(A)に示す輝度光束対応テーブルを記憶する。この輝度光束対応テーブルでは、映像輝度の設定値と照明光束の設定値とが複数の範囲に区分されて対応付けられている。例えば、映像輝度150~249cd/m2の範囲には、照明光束3000-4499lmの範囲が対応付けられている。なお、輝度光束対応情報として、輝度光束対応テーブルに替えて、映像輝度の設定値と照明光束の設定値との関係を定めた関数等を用いてもよい。
また、記憶部150は、色温度対応情報として、例えば、図3(B)に示す色温度対応テーブルを記憶する。この色温度対応テーブルでは、映像色温度の設定値と照明色温度の設定値とが複数の範囲に区分されて対応付けられている。例えば、映像色温度6000-8499Kの範囲には、照明色温度3500-4199Kの範囲が対応付けられている。なお、色温度対応情報として、輝度光束対応テーブルに替えて、映像色温度の設定値と照明色温度の設定値との関係を定めた関数等を用いてもよい。
なお、図3(A)に示す輝度光束対応テーブルは、映像輝度と照明光束との対応関係を規定したテーブルの一例であり、図3(B)に示す色温度対応テーブルは、映像色温度と照明色温度との対応関係を規定したテーブルの一例であって、こられに限定されない。例えば、映像表示装置100が映像輝度の設定値を、「高」、「中」、「低」等の複数のレベル区分によって取り扱う一方、照明装置200が照明光束を、基準値に対する割合で取り扱う場合には、映像輝度のレベル区分と照明光束の割合とを対応付けたテーブルを輝度光束対応テーブルとして用いることもできる。
また、記憶部150は、上述したように、映像輝度の調整設定の状態を示す輝度調整設定フラグ、映像色温度の調整設定の状態を示す色温度調整設定フラグを記憶する。映像制御部134は、操作入力部110から入力した映像輝度の自動調整またはユーザ調整の設定を指示する操作信号に応じて、輝度調整設定フラグを更新する。映像制御部134は、映像輝度を照明光束に応じて自動的に調整する自動調整に設定することを指示する操作信号を入力した場合、輝度調整設定フラグの値を「1」に設定し、オン状態にセットする。一方、映像制御部134は、映像輝度の調整設定をユーザ調整に設定することを指示する操作信号を取得した場合、輝度調整フラグの値を「0」に設定し、オフ状態にセットする。映像制御部134は、映像表示装置100の電源投入時に輝度調整設定フラグの内容を記憶部150から読み出し、稼働中は輝度調整設定フラグをRAMに記憶して適宜更新し、電源遮断時に輝度調整設定フラグを記憶部150に書き込む。色温度調整設定フラグについても同様である。
表示部160は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイデバイスを備え、映像制御部134から供給された表示用映像信号に基づく映像を表示する。
音声出力部170は、スピーカを備え、音声制御部135から供給された出力用音声信号に基づく音声を出力する。
照明装置200は、図4に示すように、操作入力部210、制御部220、通信部230、記憶部240、照明部250を備える。
操作入力部210は、照明装置200の電源オン/オフ、照明装置200の照明光の明るさ、色調の調整等のユーザによる各種の操作を受け付ける。操作入力部210は、例えば、照明装置200を遠隔操作する機能を有するリモートコントローラ、携帯電話、タブレット端末等の操作機器RCから赤外線通信、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて送信される操作信号を受信する通信インタフェースを備える。なお、操作入力部210は、配電線により有線接続され、照明装置200が取り付けられた部屋の壁面に設けられたコントロールユニットから操作信号を受け付けてもよい。
制御部220は、CPU、ROM、RAM等を有するコンピュータを備え、照明部250が出射する照明光を制御する。制御部220は、操作入力部210を介して受け付けたユーザ操作に応じて、点灯、消灯、調光、調色等を行うための制御信号を照明部250に出力する。制御部220は、照明部250に出力した制御信号をRAMに記憶する。この制御信号には、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号が用いられる。制御部220は、PWM信号のデューティ比を調整し、照明部250に流れる電流を調整することにより、照明部250が出射する出射光を制御する。なお、制御部220は、特許請求の範囲における照明装置の制御手段の一例である。
制御部220は、ユーザ操作により照明光の設定が変更されたとき、または、映像表示装置100からの送信要求に応じて、RAMに記憶された制御信号に基づいて照明光情報を生成し、通信部230を制御して照明光情報を映像表示装置100に送信する。照明光情報は、照明光の光束の設定値を示す照明光束情報および照明光の色温度の設定値を示す照明色温度情報とを含む。
通信部230は、通信ネットワークNWを介して、映像表示装置100とデータ通信するための通信インタフェースである。通信部230は、例えば、制御部220の制御のもと、照明光情報を映像表示装置100に送信する。なお、通信部230は、特許請求の範囲における照明装置の取得手段の一例である。
記憶部240は、記憶内容が書き換え可能な不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等を備え、演算データ、送受信データ等の各種データを記憶する。記憶部240は、例えば、映像表示装置100に送信された照明光情報を適宜更新して記憶する。なお、記憶部240は、特許請求の範囲における照明装置の記憶手段の一例である。
照明部250は、制御部220から入力した制御信号に基づいて、照明光を出射する。照明部250は、例えば、制御信号に応じて光束および色温度を調整可能な単一または複数のLED(Light Emitting Diode)デバイスを備える。照明部250から出射される照明光により、映像鑑賞空間である部屋空間が照明される。なお、照明部250は、特許請求の範囲における照明手段の一例である。
通信ネットワークNWは、例えば、宅内に構築された有線または無線のLAN(Local Area Network)であって、HEMSの標準通信プロトコルであるECHONET Liteに則してデータ通信を行う。
次に、図5を参照しながら、映像表示装置100の制御部130が実行する映像表示制御処理について説明する。映像表示制御処理は、照明装置200の照明光の光束および色温度の設定に応じて、映像表示装置100が表示する映像の輝度および色温度を調整する処理である。制御部130は、映像表示装置100の電源が投下されたことに応答して、映像表示制御処理を開始する。
制御部130は、映像表示制御処理を開始すると、まず、照明光情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。制御部130は、照明装置200から送信された照明光情報を通信部140を介して受信したか否かに応じて判定する。照明光情報を取得していないと判定した場合(ステップS101:NO)、制御部130は、ステップS101の処理を繰り返し実行し、照明光情報を取得するまで待機する。なお、制御部130は、一定時間待機しても照明光情報を取得できない場合は、照明装置200に対して照明光情報の送信要求を送信してもよい。
一方、照明光情報を取得したと判定した場合(ステップS101:YES)、制御部130は、映像輝度と照明光束とが適合しているか否かを判定する(ステップS102)。制御部130は、まず、現状の映像輝度を取得する。例えば、制御部130の映像制御部134が表示部160に出力する表示用映像信号から1~数フレーム分の平均輝度レベル(Average Picture Level:APL)を算出することにより、映像輝度情報を取得する。続いて、制御部130は、記憶部150に記憶された輝度光束対応テーブルを参照し、現状の映像輝度とステップS101において取得した照明光情報に含まれる照明光束情報が示す照明光束とが対応付けられているか否かに応じて、映像輝度と照明光束とが適合しているか否かを判定する。映像輝度と照明光束とが適合していると判定した場合(ステップS102:YES)、制御部130は、ステップS105に処理を進める。
一方、映像輝度と照明光束とが適合していないと判定した場合(ステップS102:NO)、制御部130は、映像輝度の調整設定が自動調整であるか否かを判定する(ステップS103)。制御部130は、記憶部150またはRAMに記憶された輝度調整設定フラグの値を参照し、「1」(オン状態)にセットされているか否かに応じて判定する。映像輝度の調整設定が自動調整ではないと判定した場合(ステップS103:NO)、すなわち、輝度調整設定フラグの値が「0」(オフ状態)にセットされており、映像輝度の調整設定がユーザ調整であると判定した場合、制御部130は、ステップS105に処理を進める。
一方、映像輝度の調整設定が自動調整であると判定した場合(ステップS103:YES)、制御部130は、映像輝度を照明光束に適合させるための輝度調整量を決定する(ステップS104)。制御部130の映像制御部134は、輝度光束対応テーブルにおいて照明光束情報が示す照明光束に対応付けられた映像輝度に調整するためのゲイン調整量を算出し、輝度調整量を決定する。
次に、制御部130は、映像色温度と照明色温度とが適合しているか否かを判定する(ステップS105)。制御部130は、まず、現状の映像色温度を取得する。例えば、制御部130の映像制御部134が表示部160に出力する表示用映像信号から1~数フレーム分の平均色温度を算出することにより、現状の映像色温度を取得する。続いて、制御部130は、記憶部150に記憶された色温度対応テーブルを参照し、現状の映像色温度とステップS101において取得した照明光情報に含まれる照明色温度情報が示す照明色温度とが対応付けられているか否かに応じて、映像色温度と照明色温度とが適合しているか否かを判定する。映像色温度と照明色温度とが適合していると判定した場合(ステップS105:YES)、制御部130は、ステップS108に処理を進める。
一方、映像色温度と照明色温度とが適合していないと判定した場合(ステップS105:NO)、制御部130は、映像色温度の調整設定が自動調整であるか否かを判定する(ステップS106)。制御部130は、記憶部150またはRAMに記憶された色温度調整設定フラグの値を参照し、「1」(オン状態)にセットされているか否かに応じて判定する。映像色温度の調整設定が自動調整ではないと判定した場合(ステップS106:NO)、すなわち、色温度調整設定フラグの値が「0」(オフ状態)にセットされており、映像色温度の調整設定がユーザ調整であると判定した場合、制御部130は、ステップS108に処理を進める。
一方、映像色温度の調整設定が自動調整であると判定した場合(ステップS106:YES)、制御部130は、映像色温度を照明色温度に適合させるための色温度調整量を決定する(ステップS107)。制御部130の映像制御部134は、例えば、色温度対応テーブルにおいて照明色温度情報が示す照明光束に対応付けられた映像輝度に調整するためのR,G,Bの各ゲイン調整量を算出し、色温度調整量を決定する。
続いて、制御部130は、決定した輝度調整量および色温度調整量に基づいて、表示映像を調整して表示する(ステップS108)。映像制御部134は、ステップS104において算出したゲイン調整量を用いて映像信号の輝度信号にゲイン処理を施すことにより、表示映像の輝度を調整する。また、映像制御部134は、ステップS107において算出したゲイン調整量を用いて映像信号の各色信号にそれぞれゲイン処理を施すことにより、表示映像の色温度を調整する。
なお、ステップS102においてYESと判定した場合またはステップS103においてNOと判定した場合には、制御部130は、予め定められた標準的な輝度調整量に基づいて、表示映像を調整して表示する。また、S105においてYESと判定した場合やS106においてNOと判定した場合には、制御部130は、予め定められた標準的な色温度調整量に基づいて表示映像を調整して表示する。
ステップS108の処理を実行した後、制御部130は、処理をステップS101に戻し、電源遮断されるまで映像表示制御処理を継続して実行する。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、映像表示装置100は、照明装置200から取得した照明光情報に基づき、映像信号に施す映像処理を調整することにより、照明装置200の照明光の光束および色温度の少なくともいずれか一方に適合した映像を表示する。これにより、鑑賞空間内の明るさや色合い等を検知するためのセンサを要することなく、表示映像と照明光とのずれを小さくすることができ、照明装置200の照明のもとで映像表示装置100の表示映像を鑑賞するユーザに対して、コストアップを抑制しつつ適切な鑑賞環境を提供することができる。
また、映像表示装置100は、表示映像を照明光に応じて自動調整するかユーザ調整するかを選択設定することができる機能を有し、記憶部150は、表示映像の調整設定の状態を示す輝度調整設定フラグおよび色温度調整設定フラグを記憶する。これにより、ユーザは、照明光に応じた表示画像の調整を自動的に調整するか、自らが調整するかを設定することができる。
なお、本実施の形態において、輝度光束対応テーブルおよび色温度対応テーブルが、映像表示装置100の記憶部150に予め記憶されている例について説明した。これに限られず、例えば、映像表示装置100の通信部140が、通信ネットワークNWを介して、照明装置200から照明光の照明光束の範囲と照明色温度の範囲を取得し、映像表示装置100の映像制御部134が映像輝度の範囲と映像色温度の範囲とをそれぞれ対応付けた輝度光束対応テーブルと色温度対応テーブルとを生成してもよい。
また、映像表示装置100は、映像輝度または映像色温度のいずれかに特化して表示映像を調整してもよい。例えば、映像表示装置100が照明装置200の照明光束に応じて映像輝度のみを調整する場合には、照明装置200は、照明光の光束の設定値を示す照明光束情報のみを照明光情報として送信すればよく、映像表示装置100の記憶部150は、輝度光束対応情報として、図3(A)に示す輝度光束対応テーブルのみを記憶していればよい。一方、映像表示装置100が照明装置200の映像色温度に応じて映像色温度のみを調整する場合には、照明装置200は、照明光の色温度の設定値を示す照明色温度情報のみを照明光情報として送信すればよく、映像表示装置100の記憶部150は、色温度対応情報として、図3(B)に示す色温度対応テーブルのみを記憶していればよい。
また、上記の実施の形態では、映像表示装置100の映像輝度と映像色温度の少なくともいずれか一方を照明装置200の照明輝度と照明色温度の少なくともいずれか一方に適合させる手段として映像信号に施す映像処理を調整する方法について説明した。しかし、これに限らず、例えば、映像表示装置100が液晶ディスプレイを備える表示装置である場合、液晶パネルのバックライトの輝度や色温度を調整する方法、若しくは、映像処理の調整とバックライトの調整を組み合わせる方法を用いてもよい。
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、照明装置200の照明光の光束および色温度の少なくとも一方に応じて、映像表示装置100の表示映像の輝度および色温度の少なくとも一方を調整した。本実施の形態では、映像表示装置100の表示映像の輝度および色温度に応じて、照明装置200の照明光の光束および色温度を調整する。
映像制御部134は、ユーザ操作により表示映像の輝度または色温度の設定が変更されたとき、あるいは、照明装置200からの送信要求に応じて、表示映像情報を生成し、通信部230を制御して表示映像情報を照明装置200に送信する。表示映像情報は、表示映像の輝度の設定値を示す映像輝度情報および表示映像の色温度の設定値を示す映像色温度情報を含む。
照明装置200の記憶部240は、輝度光束対応情報および色温度対応情報として、例えば、図3(A),(B)に示す輝度光束対応テーブルおよび色温度対応テーブルを予め定められた記憶領域に記憶する。制御部220は、通信部230を介して映像表示装置100から表示映像情報を取得すると、記憶部240に記憶された輝度光束対応テーブルおよび色温度対応テーブルを参照し、表示映像の輝度および色温度の少なくとも一方に適合する照明光を出射するべく照明部250を制御する。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、照明装置200は、映像表示装置100から取得した表示映像情報に基づき、映像表示装置100の表示映像の輝度および色温度の少なくとも一方に適合した照明光を出射する。これにより、鑑賞空間内の明るさや色合い等を検知するためのセンサを要することなく、表示映像と照明光とのずれを小さくすることができ、照明装置200の照明のもとで映像表示装置100の表示映像を鑑賞するユーザに対して、コストアップを抑制しつつ適切な鑑賞環境を提供することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1では、映像表示装置100の表示映像の輝度および色温度の少なくともいずれか一方を、照明装置200の照明光の光束および色温度の少なくともいずれか一方に適合するべく調整した。しかし、部屋に差し込む外光と照明装置200の照明光とを併用して部屋を照明する場合には、部屋空間の明るさや色合いは照明装置200の照明光の光束や色温度のみで決定されるわけではない。したがって、実施の形態3では、映像表示装置100は、ユーザに照明光との適合度合いが異なる複数の映像を提示し、選択された映像の調整量に基づく映像を表示する。
図6を参照しながら、本実施の形態において映像表示装置100の制御部130が実行する映像表示制御処理について説明する。なお、図6のフローチャートのステップS201~203、S207,208は、図5のフローチャートのステップS101~103、S105,S106と同様である。そのため、図5のフローチャートと同様のステップについては、その説明を簡略化する。制御部130は、映像表示装置100の電源が投下されたことに応答して、映像表示制御処理を開始する。
制御部130は、映像表示制御処理を開始すると、まず、照明光情報を取得したか否かを判定する(ステップS201)。照明光情報を取得していないと判定した場合(ステップS201:NO)、制御部130は、ステップS201の処理を繰り返し実行し、照明光情報を取得するまで待機する。
一方、照明光情報を取得したと判定した場合(ステップS201:YES)、制御部130は、映像輝度と照明光束とが適合しているか否かを判定する(ステップS202)。映像輝度と照明光束とが適合していると判定した場合(ステップS202:YES)、制御部130は、ステップS207に処理を進める。
一方、映像輝度と照明光束とが適合していないと判定した場合(ステップS202:NO)、制御部130は、映像輝度の調整設定が自動調整であるか否かを判定する(ステップS203)。映像輝度の調整設定が自動調整ではないと判定した場合(ステップS203:NO)、制御部130は、ステップS207に処理を進める。
映像輝度の調整設定が自動調整であると判定した場合(ステップS203:YES)、制御部130は、輝度調整量が異なる複数のサンプル映像を表示させる(ステップS204)。制御部130の映像制御部134は、照明光束情報が示す照明光束との適合程度が異なる複数のゲイン調整量を算出する。続いて、映像制御部134は、算出したゲイン調整量の各々を用いて映像信号の輝度信号にゲイン処理を施して複数の表示用映像信号を生成し、表示部160を制御して、輝度調整量が異なる複数のサンプル映像を順次表示させる。例えば、図7(A)~(C)に示すように、輝度調整量が異なる3つのサンプル映像A,B,Cが映像表示装置100の表示画面に順次表示される。サンプル映像を表示させた後、映像制御部134は、サンプル映像のいずれかの選択を促すメッセージを表示させる。例えば、図7(D)に示すように、「サンプル映像A,B,Cのどれを選びますか?」といった文字列を含む選択促進画像が映像表示装置100の表示画面に表示される。
次に、制御部130は、サンプル映像のいずれかが選択されたか否かを判定する(ステップS205)。制御部130は、操作入力部110を介して、サンプル映像のいずれかを選択する操作信号を入力したか否かに応じて判定する。サンプル映像が選択されていないと判定した場合(ステップS205:NO)、制御部130は、ステップS205の処理を繰り返し、サンプル映像のいずれかが選択されるまで待機する。
一方、サンプル映像のいずれかが選択されたと判定した場合(ステップS205:YES)、制御部130は、選択されたサンプル映像に応じて、表示映像の輝度調整量を決定する(ステップS206)。
続いて、制御部130は、映像色温度と照明色温度とが適合しているか否かを判定する(ステップS207)。映像色温度と照明色温度とが適合していると判定した場合(ステップS207:YES)、制御部130は、ステップS212に処理を進める。
一方、映像色温度と照明色温度とが適合していないと判定した場合(ステップS207:NO)、制御部130は、映像色温度の調整設定が自動調整であるか否かを判定する(ステップS208)。映像色温度の調整設定が自動調整ではないと判定した場合(ステップS208:NO)、制御部130は、ステップS212に処理を進める。
映像色温度の調整設定が自動調整であると判定した場合(ステップS208:YES)、制御部130は、色温度調整量が異なる複数のサンプル映像を表示させる(ステップS209)。制御部130の映像制御部134は、照明色温度情報が示す照明色温度との適合程度が異なる複数のゲイン調整量を算出する。続いて、映像制御部134は、算出したゲイン調整量の各々を用いて映像信号の各色信号にゲイン処理を施して複数の表示用映像信号を生成し、表示部160を制御して、色温度調整量が異なる複数のサンプル映像を順次表示させる。また、サンプル映像を表示させた後、映像制御部134は、サンプル映像のいずれかの選択を促すメッセージを表示させる。
次に、制御部130は、サンプル映像のいずれかが選択されたか否かを判定する(ステップS210)。制御部130は、操作入力部110を介して、サンプル映像のいずれかを選択する操作信号を入力したか否かに応じて判定する。サンプル映像が選択されていないと判定した場合(ステップS210:NO)、制御部130は、ステップS210の処理を繰り返し、サンプル映像のいずれかが選択されるまで待機する。
一方、サンプル映像のいずれかが選択されたと判定した場合(ステップS210:YES)、制御部130は、選択されたサンプル映像に応じて、表示映像の色温度調整量を決定する(ステップS211)。
次に、制御部130は、決定した輝度調整量および色温度調整量に基づいて、表示映像を調整して表示する(ステップS212)。映像制御部134は、ステップS206において決定した輝度調整量を用いて映像信号の輝度信号にゲイン処理を施すことにより、表示映像の輝度を調整する。また、映像制御部134は、ステップS211において決定した色温度調整量を用いて映像信号の各色信号にそれぞれゲイン処理を施すことにより、表示映像の色温度を調整する。
ステップS212の処理を実行した後、制御部130は、処理をステップS201に戻し、電源遮断されるまで映像表示制御処理を継続して実行する。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、映像表示装置100は、照明装置200の照明光の光束および色温度との適合度合いが異なる複数のサンプル映像を提示し、選択されたサンプル映像に施された輝度調整量および色温度調整量に基づいて、表示映像の輝度および色温度を調整して表示する。このように、ユーザは、自らの好みや部屋空間の照明状況に合わせて表示映像を選択することが可能となり、適切な映像鑑賞環境で映像を鑑賞することができる。
なお、制御部130が映像表示制御処理のステップS204において、表示部160に表示させる輝度調整量が異なる複数のサンプル映像は、例えば、放送信号に基づく映像が望ましい。また、制御部130がステップS209において、表示部160に表示させる色温度調整量が異なる複数のサンプル映像は、例えば、ユーザが色温度の違いを識別しやすい白色系画像が望ましい。
また、サンプル映像の表示態様や選択方法は、例えば、複数のサンプル映像を一定期間または一定回数サイクリックに順次表示させ、ユーザに所望のサンプル映像の表示中に選択操作させてもよい。また、図7(E)に示すように、複数のサンプル映像を同時に表示させて、ユーザが各サンプル映像の差異を認識しやすくしてもよい。
また、本実施の形態では、ユーザが好みや部屋空間の照明状況に合わせて表示映像を選択する例を説明した。映像表示装置100は、外光が差し込むことにより部屋空間の照明状況が変化しやすい昼間の時間帯のみ、ユーザに所望の映像輝度や映像色温度をサンプル映像から選択させてもよい。
ここで、本実施の形態の変形例として、図8を参照しながら、映像表示装置100の制御部130が実行する映像表示制御処理について説明する。なお、図8のフローチャートのステップS301~303、S306~S310,S313~S316の各々は、図6のフローチャートのステップS201~203、S204~208,S209~S212の各々と同様である。そのため、図6のフローチャートと同様のステップについては、その説明を簡略化する。制御部130は、映像表示装置100の電源が投下されたことに応答して、映像表示制御処理を開始する。
制御部130は、映像表示制御処理を開始すると、まず、照明光情報を取得したか否かを判定する(ステップS301)。照明光情報を取得していないと判定した場合(ステップS301:NO)、制御部130は、ステップS301の処理を繰り返し実行し、照明光情報を取得するまで待機する。
一方、照明光情報を取得したと判定した場合(ステップS301:YES)、制御部130は、映像輝度と照明光束とが適合しているか否かを判定する(ステップS302)。映像輝度と照明光束とが適合していると判定した場合(ステップS302:YES)、制御部130は、ステップS309に処理を進める。
一方、映像輝度と照明光束とが適合していないと判定した場合(ステップS302:NO)、制御部130は、映像輝度の調整設定が自動調整であるか否かを判定する(ステップS303)。映像輝度の調整設定が自動調整ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、制御部130は、ステップS309に処理を進める。
映像輝度の調整設定が自動調整であると判定した場合(ステップS303:YES)、制御部130は、昼間の時間帯であるか否かを判定する(ステップS304)。制御部130は、例えば、CPUに内蔵されたRTC(Real Time Clock)が計時する時刻や照明装置200が計時機能を有する場合には通信ネットワークNWを介して照明装置200から取得した時刻を用いて昼間の時間帯であるか否かを判定すればよい。また、昼間の時間帯とは、例えば、部屋に差し込む外光によって照明装置200の照明光束や照明色温度が部屋の明るさや色合いに対して支配的でない時間帯であり、逆に、照明装置200の照明光束や照明色温度が部屋の明るさや色合いに対して支配的である時間帯を夜間の時間帯といえる。昼間の時間帯と夜間の時間帯は、予め定められていればよい。昼間の時間帯ではないと判定した場合(ステップS304:NO)、制御部130は、記憶部150に記憶された輝度光束対応テーブルを参照して、映像輝度をステップS301において取得した照明光情報の照明光束情報が示す照明光束に適合させるための輝度調整量を決定し(ステップS305)、処理をステップS309に進める。
一方、ステップS304において、昼間の時間帯であると判定した場合(ステップS304:YES)、制御部130は、輝度調整量が異なる複数のサンプル映像を表示させ(ステップS306)、サンプル映像のいずれかが選択されたか否かを判定する(ステップS307)。サンプル映像が選択されていないと判定した場合(ステップS307:NO)、制御部130は、ステップS307の処理を繰り返し、サンプル映像のいずれかが選択されるまで待機する。
一方、サンプル映像のいずれかが選択されたと判定した場合(ステップS307:YES)、制御部130は、選択されたサンプル映像に応じて、表示映像の輝度調整量を決定する(ステップS308)。
次に、制御部130は、映像色温度と照明色温度とが適合しているか否かを判定する(ステップS309)。映像色温度と照明色温度とが適合していると判定した場合(ステップS309:YES)、制御部130は、ステップS316に処理を進める。
一方、映像色温度と照明色温度とが適合していないと判定した場合(ステップS309:NO)、制御部130は、映像色温度の調整設定が自動調整であるか否かを判定する(ステップS310)。映像色温度の調整設定が自動調整ではないと判定した場合(ステップS310:NO)、制御部130は、ステップS316に処理を進める。
映像色温度の調整設定が自動調整であると判定した場合(ステップS310:YES)、制御部130は、昼間の時間帯であるか否かを判定する(ステップS311)。昼間の時間帯ではないと判定した場合(ステップS311:NO)、制御部130は、記憶部150に記憶された輝度光束対応テーブルを参照して、映像色温度をステップS301において取得した照明光情報の照明色温度情報が示す照明色温度に適合させるための色温度調整量を決定し(ステップS312)、処理をステップS316に進める。
昼間の時間帯であると判定した場合(ステップS311:YES)、制御部130は、色温度調整量が異なる複数のサンプル映像を表示させ(ステップS313)、サンプル映像のいずれかが選択されたか否かを判定する(ステップS314)。サンプル映像が選択されていないと判定した場合(ステップS314:NO)、制御部130は、ステップS314の処理を繰り返し、サンプル映像のいずれかが選択されるまで待機する。
一方、サンプル映像のいずれかが選択されたと判定した場合(ステップS314:YES)、制御部130は、選択されたサンプル映像に応じて、表示映像の色温度調整量を決定する(ステップS315)。
次に、制御部130は、決定した輝度調整量および色温度調整量に基づいて、表示映像を調整して表示する(ステップS316)。映像制御部134は、ステップS305またはステップS308において決定した輝度調整量を用いて映像信号の輝度信号にゲイン処理を施すことにより、表示映像の輝度を調整する。また、映像制御部134は、ステップS312またはステップS315において決定した色温度調整量を用いて映像信号の各色信号にそれぞれゲイン処理を施すことにより、表示映像の色温度を調整する。
ステップS316の処理を実行した後、制御部130は、処理をステップS301に戻し、電源遮断されるまで映像表示制御処理を継続して実行する。
このように、本変形例では、映像表示装置100は、昼間の時間帯のみ照明装置200の照明光の光束および色温度との適合度合いが異なる複数のサンプル映像を提示し、選択されたサンプル映像に施された輝度調整量および色温度調整量に基づいて、表示映像の輝度および色温度を調整して表示する。これにより、ユーザは、上記の実施の形態と同様、自らの好みや部屋空間の照明状況に合わせて表示映像を選択することが可能となり、適切な映像鑑賞環境で映像を鑑賞することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る映像表示システム2は、図9に示すように、映像表示装置100、照明装置200、通信ネットワークNWに加え、制御装置300を備える。なお、実施の形態4の映像表示装置100および照明装置200は、以下で説明する点を除き、実施の形態1の映像表示装置100および照明装置200と同様の機能を有する。
制御装置300は、映像表示装置100および照明装置200を統括的に制御する。制御装置300は、通信ネットワークNWを介して、映像表示装置100、照明装置200のそれぞれと相互にデータ通信可能に接続されている。制御装置300は、HEMSコントローラとしての機能を有する。
ここで、制御装置300の構成について説明する。制御装置300は、図10に示すように、操作入力部310、制御部320、通信部330、記憶部340を備える。
操作入力部310は、ユーザによる各種の操作を受け付ける。操作入力部310は、例えば、照明装置200を遠隔操作する機能を有するリモートコントローラ、携帯電話、タブレット端末等の操作機器RCから赤外線通信、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて送信される操作信号を受信する通信インタフェースを備える。なお、操作入力部310は、ユーザによる操作を受け付けるためのボタン、キー、つまみ等の物理的な部材を備え、これらの部材を用いた操作に応じた操作信号を生成してもよい。
制御部320は、CPU、RAM、ROM等を有するコンピュータを備える。制御部320は、ROMに記憶された各種の動作プログラムを読み出してRAM上で実行することにより、制御装置300の各構成部位を制御する。制御部320は、定期的または必要に応じて、通信部330を制御して照明装置200に対して照明光情報の送信要求を送信する。なお、制御部320は、特許請求の範囲における制御装置の制御手段の一例である。
通信部330は、通信ネットワークNWを介して、映像表示装置100、照明装置200のそれぞれとデータ通信するための通信インタフェースである。通信部330は、例えば、制御部320の制御のもと、映像表示装置100、照明装置200のそれぞれに各種の制御情報を送信する。また、通信部330は、映像表示装置100から表示映像情報を受信し、照明装置200から照明光情報を受信する。なお、通信部330は、特許請求の範囲における制御装置の取得手段の一例である。
記憶部340は、記憶内容が書き換え可能な不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等を備え、演算データ、送受信データ等の各種データを記憶する。記憶部340は、輝度光束対応情報および色温度対応情報として、例えば、図3(A),(B)に示す輝度光束対応テーブルおよび色温度対応テーブルを予め定められた記憶領域に記憶する。なお、記憶部340は、特許請求の範囲における制御装置の記憶手段の一例である。
このように、本実施の形態では、照明装置200は、実施の形態1とは異なり、ユーザ操作により照明光の設定が変更されたとき、または、制御装置300からの送信要求に応じて、制御装置300に対して照明光情報を送信する。また、映像表示装置100の記憶部150は、実施の形態1とは異なり、輝度光束対応テーブルおよび色温度対応テーブルを記憶しない。
次に、制御装置300の動作について説明する。制御部320は、通信部330を介して照明装置200から照明光情報を取得すると、記憶部340に記憶された輝度光束対応テーブルおよび色温度対応テーブルを参照し、照明光情報の照明光束情報が示す照明光束に対応付けられた映像輝度、照明光情報の照明色温度情報が示す照明色温度に対応付けられた映像色温度で映像を表示させるための映像表示制御情報を生成し、映像表示装置100に送信する。
映像表示制御情報を受信した映像表示装置100は、映像表示制御情報に従って、照明装置200の照明光の光束および色温度の少なくとも一方に適合するべく輝度および色温度の少なくとも一方が調整された映像を表示する。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、制御装置300は、照明装置200から取得した照明光情報と記憶部340に記憶された輝度光束対応テーブルおよび色温度対応テーブルに基づき、照明光に適合する映像を表示させるための映像表示制御情報を映像表示装置100に送信する。このように、制御装置300が表示映像と照明光とを適合させるための制御を行うため、映像表示装置100および照明装置200は、少なくとも主機能と通信機能を備えていればよい。したがって、映像表示システム2を構成する映像表示装置100と照明装置200の選択可能な機種が多くなり、コストアップを抑制しつつ適切な鑑賞環境を提供することができる。
なお、制御装置300は、映像表示装置100から取得した表示映像情報と記憶部340に記憶された輝度光束対応テーブルおよび色温度対応テーブルに基づき、表示映像に適合する照明光を出射させるための照明光制御情報を照明装置200に送信することにより、照明装置200を制御してもよい。また、制御装置300は、表示映像と出射光とを適合させるべく、適宜、映像表示制御情報と照明光制御情報をそれぞれ映像表示装置100と照明装置200に送信することにより、映像表示装置100と照明装置200の双方を制御してもよい。
最後に、図11を参照して、実施の形態1~4に係る映像表示装置100、照明装置200、制御装置300のハードウェア構成例を説明する。映像表示装置100、照明装置200、制御装置300は、各装置内の各部を制御するプロセッサ400、各種データを記憶するメモリ500、他の装置と情報の入出力を行うインタフェース600を備え、これらの構成要素は、バスラインBLを介して相互に電気的に接続されている。
映像表示装置100の制御部130、照明装置200の制御部220、制御装置300の制御部320の各機能は、プロセッサ400により実現される。プロセッサ400は、例えば、メモリ500に記憶されているプログラムを実行するCPUである。なお、プロセッサ400は、CPUに加えて、または、CPUに替えて、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等であってもよい。
映像表示装置100の記憶部150、照明装置200の記憶部240、制御装置300の記憶部340は、メモリ500により実現される。メモリ500は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等である。
映像表示装置100におけるメモリ500には、プロセッサ400が実行するプログラム、輝度光束対応テーブル、色温度対応テーブル、輝度調整フラグ、色温度調整フラグ等を記憶される。また、照明装置200におけるメモリ500には、プロセッサ400が実行するプログラム、照明光情報等が記憶される。制御装置300におけるメモリ500には、プロセッサ400が実行するプログラム、輝度光束対応テーブル、色温度対応テーブル等が記憶される。
映像表示装置100の操作入力部110、放送受信部120,通信部140、照明装置200の操作入力部210、通信部230,制御装置300の操作入力部310、通信部330は、インタフェース600により実現される。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変形および応用が可能である。
例えば、上記の実施の形態において、映像表示装置100は、照明装置200の照明光の明るさや色合いに応じて、表示映像の明るさや色合いを調整した。しかし、照明装置200の照明光の明るさや色合いに応じて、表示映像の調整に加えて、出力音声の音量、音質等を調整してもよい。
また、上記の実施の形態において、映像表示システム1および映像表示システム2に含まれる装置間で用いられる通信プロトコルはECHONET Liteである例について説明したが、これに限らず、他の通信プロトコルを使用してもよい。
また、上記の実施の形態において、映像表示装置100がテレビジョン受信機である例について説明したが、これに限らず、映像表示装置100は、例えば、放送受信機能を備えていないディスプレイモニタ、または、スマートフォン等の携帯情報端末であってもよい。
また、上記の実施の形態において、制御部130,220,320のCPUが実行する動作プログラムは、あらかじめROMに記憶されていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、上記の各種処理を実行させるための動作プログラムを、既存の汎用コンピュータや、フレームワーク、ワークステーション等に実装することにより、上記の実施の形態に係る映像表示装置100、照明装置200、制御装置300に相当する装置として機能させてもよい。
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えば、コンピュータが読取可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD-ROM)等に格納して配布してもよいし、インターネットをはじめとするネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより提供してもよい。
また、上記の処理をOS(Operating System)とアプリケーションプログラムとの分担、または、OSとアプリケーションプログラムとの協働によって実行する場合には、アプリケーションプログラムのみを記録媒体やストレージに格納してもよい。また、搬送波にプログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(Bulletin Board System:BBS)に上記プログラムを掲示し、ネットワークを介してプログラムを配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行するべく構成してもよい。