JP7178542B2 - 回転子の組立方法およびモータ - Google Patents

回転子の組立方法およびモータ Download PDF

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Description

本発明は、モータに用いられる回転子及び回転子の組立方法に関する。
家電分野や産業機器分野、電装分野等のモータにおいて、その運転効率の高さや堅牢性から磁石埋込型モータ(以降、IPMモータという)が用いられている。IPMモータの回転子は、電磁鋼板を積層してなる回転子鉄心に形成された磁石埋設孔に永久磁石が埋設されてなり、磁石埋設孔への樹脂注入やカシメ方式により、永久磁石が回転子鉄心に固定される構成が主流となっている。
しかし、回転子鉄心に形成された磁石埋設孔に永久磁石を挿入して固定する際、各磁石埋設孔内での永久磁石の固定位置がばらつくことが多く、この固定位置のずれに伴い、回転子のアンバランスやトルクリプルの増大及び誘起電圧の低下等を生じ、モータ特性が低下することが知られている。従来、この課題を解決するために種々の検討がなされてきた。
例えば、特許文献1には、磁石埋設孔の内壁の角部に溝を設け、その溝に永久磁石を固定するためにバネ等の弾性体を圧入装着することで、永久磁石を半径方向外側に押圧した状態で磁石埋設孔内に固定した回転子を有するモータが開示されている。特許文献2には、磁石埋設孔と永久磁石との隙間に、回転子の軸方向に伸張した状態で紐状のゴム弾性体を挿入することにより、永久磁石を半径方向外側に押圧した状態で磁石埋設孔内に保持したIPMモータの回転子構造が開示されている。
また、特許文献3には、磁石埋設孔の内側に、磁石埋設孔と連通する樹脂注入用の穴部を設け、その穴部から金型を用いて樹脂を注入することで、永久磁石を半径方向外側に押圧した状態で磁石埋設孔内に固定したIPMモータの回転子構造が開示されている。
特許文献4には、接着剤からなる接着シートを介して永久磁石を磁石埋設孔に接着固定した回転子構造が開示されている。特許文献5には、永久磁石の半径方向外周側の面に熱膨張接着シートや熱膨張接着剤とガイド部材とを配置し、磁石埋設孔に永久磁石を挿入し、加熱して永久磁石を磁石埋設孔に接着固定した回転子構造が開示されている。
特開2000-341920号公報 特許第5490056号公報 特許第3585814号公報 特許第3277780号公報 特許第5609330号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示された従来技術では、耐衝撃性や耐環境性の面から長期的な信頼性を確保することは困難であった。また、回転子鉄心のブリッジ部を薄肉化した回転子に上記の従来技術を適用すると、弾性体からの圧力により、ブリッジ部が変形し、モータ特性及びモータの信頼性の低下を招くおそれがあった。
また、特許文献4,5に開示された従来技術では、永久磁石が回転子の半径方向内側に寄るため、永久磁石と固定子の間のギャップ(以下、エアギャップという)が大きくなり、エアギャップでの磁束密度が低下して、モータの性能低下を招くおそれがあった。
本発明はかかる点に鑑みなされたもので、その目的は、永久磁石を回転子鉄心の磁石埋設孔の所望の位置に信頼性の高い方法で固定する回転子の組立方法及び回転子、モータを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る回転子は、周方向に所定の間隔をあけて設けられた複数の磁石埋設孔を有する回転子鉄心と、前記複数の磁石埋設孔のそれぞれに挿入固定された複数の永久磁石と、を少なくとも備えた回転子であって、前記永久磁石は、互いに対向する第1及び第2面のうちの第1面と前記回転子鉄心とが加熱により発泡しかつ硬化する発泡接着剤を介して接着固定される一方、前記第2面と前記回転子鉄心とが加熱により発泡しない熱硬化性接着剤を介して接着固定されていることを特徴とする。
この構成によれば、磁石埋設孔内での永久磁石の位置を、発泡接着剤の発泡倍率に応じて一定にすることができ、固定子と永久磁石との間のエアギャップを小さく、かつ一定にできる。
本発明に係る回転子の組立方法は、周方向に所定の間隔をあけて設けられた複数の磁石埋設孔を有する回転子鉄心の前記各磁石埋設孔に永久磁石を挿入して固定する回転子の組立方法であって、第1面と該第1面に対向する第2面とを有する永久磁石の前記第1面に、加熱により発泡しかつ硬化する発泡接着剤を塗布する発泡接着剤塗布工程と、前記発泡接着剤の厚みを所定の値に調整する厚み調整工程と、前記発泡接着剤が塗布された前記永久磁石を熱処理して前記発泡接着剤を仮硬化する仮硬化工程と、前記仮硬化工程の後に、前記発泡接着剤が塗布された前記永久磁石を前記複数の磁石埋設孔のそれぞれに挿入する磁石挿入工程と、前記磁石挿入工程の後に、前記永久磁石が挿入された前記回転子鉄心を熱処理して、前記発泡接着剤を本硬化し、前記永久磁石を前記磁石埋設孔内の所定の位置に接着固定する本硬化工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、発泡接着剤の所定の発泡倍率に応じて磁石埋設孔内で永久磁石の位置を確定させて、接着固定することができる。また、発泡接着剤の体積膨張を利用して永久磁石の位置を調整しているため、磁石埋設孔に別部材を配置することで発生する余分な応力が加わらず、回転子の信頼性低下を抑制できる。
本発明に係るモータは、上記の回転子と、前記回転子と同軸にかつ、前記回転子と所定の間隔をあけて設けられた固定子と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
この構成によれば、回転子に設けられた永久磁石と固定子との間のエアギャップを小さく、かつ一定にできるため、エアギャップでの磁束密度を高めることができる。また、回転子のアンバランスやトルクリプルの増大を抑制して、良好な特性のモータを実現できる。
以上、説明したように、本発明によれば、磁石埋設孔内での永久磁石の位置を一定にでき、モータの性能を向上できる。また、回転子の信頼性低下を抑制できる。
本発明の一実施形態に係るモータの側面図である。 本発明の一実施形態に係るモータの断面図である。 本発明の一実施形態に係る回転子の斜視図である。 図2のIII-III線での断面図である。 回転子の組立方法を説明するフロー図である。 変形例に係る回転子の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態)
[モータ構造]
図1A,1Bは、本実施形態に係るモータを示す側面図、断面図をそれぞれ示す。ただし、いずれにおいても、カバーケース等は図示していない。このモータ1は、カバーケース(図示せず)の内部に、回転軸2と、回転子3と、固定子4と、コイルU11~W41と、バスバー51~54と、を備えている。また、このモータ1はIPMモータである。
なお、図1A,1Bに示すように、回転軸2の長手方向をZ方向と呼び、これに直交する方向をX方向と呼び、また、X及びZ方向に直交する方向をY方向と呼ぶことがある。
回転子3は、回転軸2と回転子鉄心31と永久磁石34とを有している。回転子鉄心31は回転軸2に外嵌されており、固定子4に対向してN極、S極が回転子鉄心31の外周方向に沿って交互に配置された永久磁石34,34・・・が内部に埋設されている。なお、回転軸2を除く回転子3の構造については後述する。また、以降の説明において、回転子鉄心31の外周方向を単に「周方向」と呼び、半径方向を「径方向」と呼ぶことがある。
また、径方向において、固定子4の中心側、つまり、回転軸2及び回転子3が設けられた側を「内」と、その反対側、つまり、固定子コア41側を「外」と呼ぶことがある。
なお、後述する電磁鋼板の積層する方向と、上記の軸方向とは、同方向であり、同義である。
また、円環状の固定子コア41の中心方向に突出する複数の歯部は、ティース(teeth:toothの複数型)と呼称されるものである。このティース(teeth:toothの複数型)のうち、一つの歯部については、英原語の表記に準じて、トゥース(tooth)と記す。以降の記述においては、ティース(teeth:toothの複数型)又はトゥース(tooth)という用語を適宜に使い分けて記す。
固定子4は、略円環状の固定子鉄心41と、その内周に沿って等間隔に設けられた複数のトゥース42と、トゥース42,42・・・間にそれぞれ設けられたスロット43,43・・・とを有しており、Z方向から見て、回転子3と同軸に、かつ回転子3の径方向外側に回転子3と所定の間隔をあけて配置されている。固定子鉄心44は、固定子ヨーク41とトゥース42,42・・・とから構成されている。固定子ヨーク41及びトゥース42は、例えば、ケイ素等を含有した電磁鋼板を所望の形状に打ち抜き加工して複数の電磁鋼片を作成し、更に、この複数の電磁鋼板片を積層して、固定子ヨーク41及びトゥース42を構成する。また、固定子ヨーク41は、本実施形態の電動機における、固定子コア44の外枠部を構成する継鉄(back yoke)である。
なお、本実施形態において、回転子3の磁極数は、固定子4に対向するN極が5個、S極が5個の計10極であり、スロット43の数は12個であり、所謂、10極12スロットと呼称される構成である。なお、10極12スロットに限定されるものではなく、その他の磁極数とスロット数との組合せについても適用できる。例えば、10極9スロットの構成、8極12スロットの構成、12極9スロットの構成、14極12スロットの構成など、いずれにも適用可能である。
また、固定子4は12個のコイルU11~W41を有しており、これらのコイルは各トゥース42,42・・・に対して装着されて、Z方向から見て、各スロット43,43・・・内に配置されている。つまり、コイルU11~W41はトゥース42,42・・・に対して集中巻になっている。ただし、分布巻きにしていてもよい。また、図示しないが、バスバー51はコイルU11~W41に、バスバー52はコイルV12~V42に、バスバー53はコイルW11~W41にそれぞれ接続されている。同様に図示しないが、バスバー54の電位は、モータ1の中性点電位に対応している。
ここで、コイルを表わす符号UXY、VXY、WXYのうち、最初の文字はモータ1の各相(本実施形態の場合は、U相、V相、W相)を表わし、2番目の文字は同相内のコイルの配列順を表わす。3番目の文字はコイルの巻回方向を表わし、本実施形態では、1は時計回り方向、2は反時計回り方向である。従って、コイルU11は、U相の配列順が1番目のコイルで、巻回方向が時計回り方向であることを表わし、コイルV42は、V相の配列順が4番目のコイルで、巻回方向が反時計回り方向であることを表わす。なお、「時計回り」とは、モータ1の中心から見て右回りをいい、「反時計回り」とはモータ1の中心から見て左回りをいう。また、厳密には、コイルU11,U41はU相のコイルであり、コイルU22,U32はUバー相(U相コイルと発生する磁界の向きが逆)のコイルであるが、以降の説明では、特に断らない限り、U相のコイルと総称する。コイルV12~V42及びコイルW11~W41についても同様に、V相のコイル、W相のコイルとそれぞれ総称する。
互いに電気角で120°の位相差を有するU,V,W相の3相の電流がそれぞれコイルU11~U41,V12~V42,W11~W41に供給されて固定子4が励磁され、回転磁界が発生する。この回転磁界により、回転子3に回転トルクが発生し、回転軸2が図示しない軸受に支持されて軸線周りに回転する。
[回転子構造及び回転子の組立方法]
図2は、本実施形態に係る回転子の斜視図を示し、図3は図2のIII-III線での断面図を示す。ただし、図2,3において、回転軸2の図示及び説明を省略している。
回転子鉄心31は、例えば、ケイ素等を含有した電磁鋼板を所望の形状に打ち抜き加工して複数の電磁鋼片を作成し、更に、この複数の電磁鋼板片を積層して形成されており、周方向に所定の間隔をあけて複数の磁石埋設孔32が形成されている。また、磁石埋設孔32は、Z方向の両端が開口されているか一端のみが開口されており、回転子鉄心31において径方向外側に寄った位置に配置されている。また、隣り合う磁石埋設孔32の間にはブリッジ部33が形成されており、回転子鉄心31の他の部分よりも薄肉化されている。
永久磁石34は、複数の磁石埋設孔32のそれぞれに埋設固定されている。また、永久磁石34は、回転子鉄心31に固定された後に着磁される。なお、本実施形態において、永久磁石34の径方向の断面形状は四角形であるが、特にこれに限定されず、モータ1の仕様等によって適宜変更されうる。例えば、断面形状が弓形や半円形であってもよいし、かまぼこ型や半楕円形状であってもよく、これに対応して、磁石埋設孔32の径方向の断面形状も変更されうる。また、永久磁石34として、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石等の永久磁石が用いられる。なお、ネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石は、腐食に弱いため、腐食防止のために、図示しないNiメッキやエポキシ電着コーティングを施して使用される。
また、永久磁石34の表面(第1面)34aと磁石埋設孔32の内壁における径方向内側の壁面32a(以下、磁石埋設孔32の径方向内側の内壁面32aという。)との間に発泡接着剤60が設けられており、表面34aと対向する永久磁石34の裏面(第2面)34bと磁石埋設孔32の内壁における径方向外側の壁面32b(以下、磁石埋設孔32の径方向外側の内壁面32bという。)との間に熱硬化性接着剤61が設けられている。なお、永久磁石34の両側面には、後述する本硬化工程で体積膨張した発泡接着剤60が回り込んでおり、永久磁石34は、発泡接着剤60と熱硬化性接着剤61とにより、磁石埋設孔32の内壁に接着固定されている。
発泡接着剤60は、例えば、ベースとなる接着剤に発泡剤(図示せず)が分散されてなる。発泡剤としては、低融点の有機溶剤、例えば、アルコール等を内包するマイクロカプセルが良く用いられる。また、本実施形態において、ベースとなる接着剤は、熱硬化性接着剤であることが好ましく、接着強度や耐薬品に優れたエポキシ系接着剤がより好ましい。その他の種類の接着剤を用いると硬化不良を起こすおそれがあるからである。例えば、嫌気性接着剤を用いた場合、回転子鉄心31を構成する積層電磁鋼板の隙間に空気層が残存していると硬化不良が起こる。また、後述するように、永久磁石34に発泡接着剤60を塗布して磁石埋設孔32に挿入した場合、磁石埋設孔32と永久磁石34との間に空気が残存すると硬化不良が起こる。同様に、湿気硬化型接着剤を用いた場合、積層電磁鋼板の隙間等の空気に触れない箇所があると硬化不良が起こる。また、紫外線硬化型の接着剤を用いた場合、磁石埋設孔32の内部に紫外線が照射されない部分ができてしまうため、発泡接着剤60の硬化不良が発生する。また、2液性接着剤は作業性が悪く生産性を低下させるため、本実施形態に示すような、磁石埋設孔32内への永久磁石34の接着固定には適していない。上記のように発泡接着剤60に硬化不良が発生した場合、モータ1を駆動して回転子3を回転させたときに、未硬化状態の接着剤が遠心力によって回転子3から飛散し、モータ1をロックする等の不具合を起こす可能性があり、モータ1の信頼性を低下させる原因となりうる。
熱硬化性接着剤61は、発泡性を有していない。つまり、発泡剤を含まない接着剤が用いられる。
図4は、本実施形態における回転子の組立方法を説明するフロー図を示す。なお、図4に示すフローは、回転子3の組立方法の一部であり、例えば、回転子鉄心31と回転軸2との連結工程や永久磁石34の着磁工程等は図示及びその説明を省略している。
まず、着磁されていない永久磁石34の第1面34aに発泡接着剤60を塗布する(ステップS1:発泡接着剤塗布工程)。ここで、発泡接着剤60として、熱硬化性のエポキシ系接着剤にアルコールを内包したマイクルカプセルが分散されたものを用いる。本実施形態では、永久磁石34の厚みが2.9±0.05mm、磁石埋設孔3の径方向の幅が3.0mm~3.1mmの範囲となるように設定されている。また、ステップS1において、厚さが0.14mm以上となる様に永久磁石4に発泡接着剤5を塗布する。
次に、スキージ等を用いて永久磁石34に塗布された発泡接着剤60の厚みを調整する(ステップS2:発泡接着剤厚み調整工程)。具体的には、永久磁石34と発泡接着剤60のトータルの厚みが2.99mmになる様に発泡接着剤60の厚みを調整する。永久磁石34の厚みの範囲が上記の通りであるため、調整後の発泡接着剤60の厚み範囲は、0.04mm~0.14mmとなる。
発泡接着剤60が塗布された永久磁石34を90℃で10分間加熱して、液状の発泡接着剤60を固化させて粘着性が無くなる仮硬化状態にする(ステップS3:発泡接着剤仮硬化工程)。この仮硬化状態では、発泡接着剤60は固化するか、まだ発泡はしていない。つまり、マイクロカプセル内の有機溶剤が気化してマイクロカプセルが破裂する状態には到っていない。また、この状態では架橋反応があまり進んでいないため、発泡接着剤60のベースであるエポキシ系接着剤が本来有する接着強度は発揮されていない。
さらに、永久磁石34の裏面34bに熱硬化性接着剤61を塗布する(ステップS4:接着剤塗布工程)。熱硬化性接着剤61は発泡性を有していない。また、塗布厚みの範囲は発泡接着剤60の厚みよりも十分に薄くなるように熱硬化性接着剤61を塗布する。
次に、仮硬化されて固化した発泡接着剤60が塗布された永久磁石34を回転子鉄心31の磁石埋設孔32に挿入する(ステップS5:永久磁石挿入工程)。このとき、磁石埋設孔32の径方向内側の内壁面32aに発布接着剤60の表面が当接するように永久磁石34を磁石埋設孔32内に配置する。
永久磁石34が挿入された回転子鉄心31を、150℃で30分間加熱する。この熱処理により、マイクロカプセル内の溶剤が気化し、体積膨張してマイクロカプセルが破裂する。マイクロカプセルがあった部分に空隙を生じる。また、発泡接着剤60のベース材である熱硬化性のエポキシ系接着剤において架橋反応が十分に進行し、均一に熱硬化することで発泡接着剤60が本来有する接着強度が得られる。また、発泡接着剤60の体積膨張により、永久磁石34は磁石埋設孔32内で径方向外側に寄せられて回転子鉄心31に接着固定される(ステップS6:発泡及び本体硬化工程)。
本実施形態において、発泡接着剤60は、発泡倍率、つまり、発泡後の体積膨張率が4倍となるように設定されている。例えば、発泡接着剤60の塗布厚みが0.04mmで、磁石埋設孔3の径方向の幅が3.1mmとなる組み合わせであっても、本硬化時に発泡接着剤60が4倍に体積膨張することで、永久磁石34と発泡接着剤60のトータルの厚みは、3.06mm±0.05mmとなる。つまり、本硬化時に発泡接着剤60が発泡することで、永久磁石34が磁石埋設孔32内で径方向外側に寄った位置に配置されるようになる。また、発泡接着剤60は発泡して体積膨張することで、永久磁石34の両側面に回り込むようになり、発泡接着剤60を介して、永久磁石34の両側面が磁石埋設孔の内壁に接着固定される。
なお、本硬化後の発泡接着剤60は、接着強度が回転子鉄心31と永久磁石34との間に働く磁気的吸引力よりも高くなるように、また、ガラス転移温度がモータ1の動作時に回転子3が到達する最高温度よりも高くなるように構成されている。また、本硬化時に永久磁石34が磁石埋設孔32内で径方向外側に寄った位置に配置されるように、永久磁石34の裏面34bに塗布される熱硬化性接着剤61の厚みを調整する必要がある。
[効果等]
以上説明したように、本実施形態に係るモータ1の回転子3は、複数の磁石埋設孔32を有する回転子鉄心31に永久磁石34を接着固定して組み立てられる。この組立方法は、永久磁石34を準備し、その表面34aに発泡接着剤60を塗布する発泡接着剤塗布工程(ステップS1)と、発泡接着剤60の厚みを所定の値に調整する厚み調整工程(ステップS2)と、発泡接着剤60が塗布された永久磁石34を熱処理して発泡接着剤60を仮硬化する仮硬化工程(ステップS3)と、仮硬化工程の後に、発泡接着剤60が塗布された永久磁石34を複数の磁石埋設孔32のそれぞれに挿入する磁石挿入工程(ステップS5)と、磁石挿入工程の後に、永久磁石34が挿入された回転子鉄心31を熱処理して、発泡接着剤60を本硬化し、永久磁石34を磁石埋設孔32内の所定の位置、この場合は、径方向外側に寄った位置に接着固定する本硬化工程(ステップS6)と、を備えている。また、仮硬化工程の後に、永久磁石34の裏面34bに熱硬化性接着剤61を塗布する接着剤塗布工程(ステップS4)をさらに備え、この工程の後に永久磁石34が磁石埋設孔32に挿入される。
本実施形態によれば、永久磁石34に塗布された発泡接着剤60の厚みを調整し、さらに仮硬化することで、磁石埋設孔32内に永久磁石34を挿入する際、その位置を調整しやすくなるとともに、ハンドリングが容易になる。また、磁石挿入工程の後に熱処理を行い、発泡接着剤60を発泡させて本硬化することで、発泡接着剤60の所定の発泡倍率に応じて磁石埋設孔32内での永久磁石34の位置を確定させることができるとともに、永久磁石34を磁石埋設孔34内に接着固定することができる。
例えば、特許文献4,5に開示された従来技術では、接着シートや熱膨張接着剤及びガイド部材等を用いて、磁石埋設孔32の内壁に永久磁石34を固定していたが、これらの技術では、永久磁石34が回転子鉄心31の径方向内側に寄せられていたため、エアギャップでの磁束密度、ひいてはモータ1の誘起電圧を高められず、モータ1の特性低下を招いていた。一方、本実施形態によれば、永久磁石34が、磁石埋設孔34内で径方向外側に寄った位置に配置されるため、エアギャップでの磁束密度を高められ、モータ1の特性を向上することができる。
また、本実施形態によれば、発泡接着剤60の体積膨張を利用して永久磁石34の位置を調整しているため、回転子3の信頼性低下を抑制できる。例えば、特許文献1,2に開示された従来技術のように、磁石埋設孔32内に、永久磁石34を押圧するためのゴムやバネ等の弾性体を設ける必要が無く、また、特許文献3に開示された従来技術のように、磁石埋設孔32内に樹脂を注入し成形する必要が無い。このことにより、回転子鉄心31のブリッジ部33に過度な応力が加わらず、ブリッジ部33の変形を抑制して、高信頼性の回転子3を実現できる。また、ガイド部材やバネ等の部品も不要となり,回転子3の組立コストの上昇を抑制できる。また、回転子鉄心31を構成する積層鋼板の隙間から樹脂が漏れ出して、回転子鉄心31の外径が大きくなり固定子鉄心41と接触する不具合を回避できる。また、樹脂成形用の金型を用いる必要が無く、回転子3の組立設備コストを抑制できる。
仮硬化工程(ステップS3)の後に、永久磁石34の裏面34aに発泡性を有しない熱硬化性接着剤61を塗布する接着剤塗布工程(ステップS4)を行い、この工程の後に磁石挿入工程(ステップS5)を行ってもよい。このことにより、磁石埋設孔32内で永久磁石34を確実に接着固定することができる。
本硬化工程(ステップS6)後の発泡接着剤60の機械強度は、回転子鉄心31と永久磁石34との間の吸引力よりも高いことが好ましい。このことにより、当該吸引力に抗して、永久磁石34を回転子鉄心31の径方向外側に常に寄せて配置することができ、長期間の使用時にもモータ1の特性を高く維持できる。
本硬化工程(ステップS6)後の発泡接着剤60のガラス転移温度は、モータ1の動作時における回転子3の温度よりも高いことが好ましい。例えば、モータ1の動作時に回転子3が到達する最高温度が100℃である場合に、発泡接着剤60のガラス転移温度は、120℃であることが好ましい。このことにより、モータ1の動作時に、磁石埋設孔32内で永久磁石34が移動せず、特性の温度依存性が小さい高信頼性のモータ1を実現できる。
磁石挿入工程(ステップS5)において、磁石埋設孔32の径方向内側の内壁面32aに発泡接着剤60が当接するように永久磁石34を磁石埋設孔32に挿入するのが好ましい。このようにすることで、本硬化工程(ステップS6)時に発泡接着剤60が発泡し体積膨張して、永久磁石34は、磁石埋設孔32内で径方向外側に寄って配置される。このことにより、永久磁石34と固定子4との間のエアギャップを小さくでき、エアギャップでの磁束密度を高めて、モータ性能の低下を抑制することができる。また、発泡接着剤60の厚みが調整されているため、永久磁石34の表面34aと磁石埋設孔32の径方向内側の内壁面32aとの間隔は、発泡接着剤60の所定の発泡倍率に応じて一定とすることができ、回転子鉄心31のアンバランスやトルクリプルの増大が抑制しされて、良好な特性のモータ1が得られる。
また、上記の組立方法によって組み立てられた回転子3は、軸線周りに回転可能な回転軸2と、回転軸2に外嵌される一方、周方向に所定の間隔をあけて設けられた複数の磁石埋設孔32を有する回転子鉄心31と、複数の磁石埋設孔32のそれぞれに埋設された複数の永久磁石34と、を少なくとも備えている。また、永久磁石34は、その表面34aと回転子鉄心とが発泡接着剤60を介して接着固定される一方、裏面34bと回転子鉄心31とが熱硬化性接着剤61を介して接着固定されている。また、複数の磁石埋設孔32は、回転子鉄心31において径方向外側寄りに設けられている。永久磁石34の表面34aと磁石埋設孔32の径方向内側の内壁面32aとの間に発泡接着剤60が設けられることで、永久磁石34は磁石埋設孔32内で径方向外側に寄った位置に固定されている。
回転子3をこのような構成とすることで、永久磁石34を回転子鉄心31の半径方向外側に寄せることが可能となり、固定子4と永久磁石34との間のエアギャップを小さくすることができる。このことにより、エアギャップでの磁束密度を高められ、モータ1の特性を向上することができる。また、磁石埋設孔32内での永久磁石34の位置を一定にできるため、回転子鉄心31のアンバランスやトルクリプルの増大が抑制されて、良好な特性のモータ1が得られる。
また、上記の回転子3を有するモータ1は、回転子3と同軸にかつ、回転子3と所定の間隔をあけて設けられた固定子4を少なくとも備えている。
このような構成のモータ1は、エアギャップでの磁束密度を高められ、特性を向上することができる。また、回転子鉄心31のアンバランスやトルクリプルの増大が抑制されて、良好な特性が得られる。
(変形例)
図5は、変形例に係る回転子の断面図を示す。なお、図5は、図3に示す断面に対応している。
図3に示す構成が、回転子3が軸心に配置され、その径方向外側に所定の間隔をあけて固定子4が配設された、いわゆるインナーロータ型のIPMモータ1における回転子3であるのに対し、図5に示す本変形例の構成は、固定子4が軸心に配置され、その径方向外側に所定の間隔をあけて回転子3が配設された、いわゆるアウターロータ型のIPMモータにおける回転子3である点で異なる。また、図3に示す構成では、発泡接着剤60は、永久磁石34の表面34aに設けられ、磁石埋設孔32内で、永久磁石34の表面34aと磁石埋設孔32の径方向内側の内壁面32aとの間に配されている。一方、図5に示す本変形例の構成では、発泡接着剤60は、永久磁石34の裏面34bに設けられ、磁石埋設孔32内で、永久磁石34の裏面34bと磁石埋設孔32の径方向外側の内壁面32bとの間に配されている。なお、この回転子3の組立、つまり、磁石埋設孔32内への永久磁石34の接着固定は、図4に示す方法と同様に行われる。
本変形例の構成においても、磁石埋設孔32内に永久磁石34を挿入する際、その位置を調整しやすくなるとともに、ハンドリングが容易になる。また、磁石挿入工程の後に熱処理を行い、発泡接着剤60を発泡させて本硬化することで、発泡接着剤60の所定の発泡倍率に応じて磁石埋設孔32内での永久磁石34の位置を確定させることができるとともに、永久磁石34を磁石埋設孔34内に接着固定することができる。また、発泡接着剤60が、永久磁石34の裏面34bと磁石埋設孔32の径方向外側の内壁面32bとの間に配されていることにより、永久磁石34を磁石埋設孔32内で径方向内側に寄った位置に固定することができる。このことにより、永久磁石34と固定子4との間のエアギャップを小さくでき、エアギャップでの磁束密度を高めて、モータの性能を向上することができる。
また、本硬化後の発泡接着剤60の機械強度を回転子鉄心31と永久磁石34との間の吸引力よりも高くなるように設定することで、当該吸引力に抗して、永久磁石34を回転子鉄心31の径方向内側に常に寄せて配置することができる、長期間の使用時にもモータ1の特性を高く維持できる。また、本硬化後の発泡接着剤60のガラス転移温度を、モータ1の動作時における回転子3の温度よりも高くなるように設定することで、モータ1の動作時に、磁石埋設孔32内で永久磁石34が移動せず、特性の温度依存性が小さい高信頼性のモータ1を実現できる。
なお、変形例を含む実施形態において、発泡接着剤60の接着強度が十分に高いか、発泡倍率が所定の値以上に高いか、あるいはその両方の条件を満たす場合には、永久磁石34の裏面34bに熱硬化性接着剤61を設けなくてもよい。この場合、図4に示すフローのステップS4は省略される。
また、本実施形態において、永久磁石34としてネオジム磁石を使用しているが、その材料や形状や材質については、モータ1の出力等に応じて適宜変更しうる。サマリウムコバルト磁石やフェライト磁石等を用いてもよい。なお、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石は、腐食に弱いため、腐食防止のために、図示しないNiメッキやエポキシ電着コーティングを施して使用される。
なお、本実施形態における固定子4におけるコイルの導体部には、不可避不純物を含む銅(Cu)又は不可避不純物を含むアルミニウム(Al)を含む。ここで、不可避不純物とは、製造工程中に、銅(Cu)、アルミニウム(Al)への混入が避けられない微量の不純物元素のことを意味する。銅(Cu)の場合には、不可避不純物は、ヒ砒素(As)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、硫黄(S)、酸素(O)などである。アルミニウム(Al)の場合には、不可避不純物は、珪素(Si)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、銅(Cu)などである。
コイルの導体部は、絶縁性樹脂による絶縁層にて被覆される。絶縁性樹脂は、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド、ポリアミド、ポリヒダントイン、ポリウレタン、ポリアセタール、エポキシ樹脂等が電動機の仕様に応じて適宜選択される。巻線の断面形状は、本実施形態における略長方形のほか、円形、台形、正方形、略六角形など多様であり、特に限定しない。
また、本実施形態においては、コイルU11~W41を、バスバー51~54によって、電気的に接続して、所謂、三相回路におけるY結線又はデルタ結線を構成する。なお、バスバー51~54に換えて、印刷配線板(プリント基板)を用いて配線接続パターンを構成し、この配線接続パターンによって、コイルU11~W41を、電気的に接続しても良い。また、バスバー又は印刷配線板(プリント基板)の配線接続パターンに限らず、何らかの電気的接続による配線を構成しても良い。
また、上述のとおり、本実施形態における磁石34には、希土類系焼結磁石であり、所謂、ネオジム焼結磁石又はネオジウム焼結磁石などと呼称される磁石等を採用するケースが多い。ネオジム焼結磁石の材料成分は、長周期型周期表の第3族に属するスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイド元素を含む。ランタノイド元素は、例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビニウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等であり、これら元素のうち1種または2種以上の元素を含み、更には、鉄(Fe)とホウ素(B)とを含むものである。
また、上述のとおり、本実施形態における磁石34は、サマリウムコバルト磁石でも良い。サマリウムコバルト磁石の材料成分には、コバルト(Co)及びサマリウム(Sm)等の希土類元素を含む。
また、固定子ヨーク41、トゥース42及び回転子コア31の材質として、一般的名称として広く知られた35H300と呼称される電磁鋼板を採用するケースが多い。この電磁鋼板には、主成分として、Fe及びSiを含み、副成分は特に限定しない。そして、電磁鋼板の成分には、特定し得ない微量な不可避不純物を含む。電磁鋼板は、35H300と同等の特性を有するものであれば良く、一例を記すものである。ちなみに、電磁鋼板の呼称は、電磁鋼板の製造企業毎に、独自の名称を付与される傾向があり、その名称は多様である。
また、図示していないが、固定子ヨーク41及びトゥース42とコイル(U11~W41)との間には、固定子ヨーク41及びトゥース42とコイル(U11~W41)との電気的絶縁性を高めるために、絶縁紙や、絶縁性樹脂によるインシュレータ(コイル巻装枠)を配置する構成が一般的である。
本発明の回転子は、永久磁石を回転子鉄心の磁石埋設孔内の所望の位置に安定して固定できるため、小型化、高出力化されたモータ等の機器に適用する上で特に有用である。
1 モータ
2 回転軸
3 回転子
31 回転子鉄心
32 磁石埋設孔
32a 磁石埋設孔32の径方向内側の内壁面
32b 磁石埋設孔32の径方向外側の内壁面
33 ブリッジ部
34 永久磁石
34a 永久磁石34の表面(第1面)
34b 永久磁石34の裏面(第2面)
4 固定子
41 固定子ヨーク
42 トゥース
44 固定子鉄心
43 スロット
U11~W41 コイル
51~54 バスバー
60 発泡接着剤
61 熱硬化性接着剤

Claims (10)

  1. 周方向に所定の間隔をあけて設けられた複数の磁石埋設孔を有する回転子鉄心と、前記複数の磁石埋設孔のそれぞれに挿入固定された複数の永久磁石と、を少なくとも備えた回転子と、
    前記回転子と同軸にかつ、前記回転子と所定の間隔をあけて設けられた固定子と、を少なくとも備え、
    前記永久磁石は、互いに対向する第1及び第2面のうちの第1面の全面と前記回転子鉄心とが加熱により発泡しかつ硬化する発泡接着剤を介して接着固定される一方、前記第2面の全面と前記回転子鉄心とが加熱により発泡しない熱硬化性接着剤を介して接着固定され、
    前記複数の磁石埋設孔において前記永久磁石と前記回転子鉄心との間は、前記発砲接着剤および前記熱硬化性接着剤で埋まっていることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記回転子が軸心に配置され、その径方向外側に所定の間隔をあけて前記固定子が配設され、
    前記複数の磁石埋設孔は、前記回転子鉄心において径方向外側寄りに設けられており、
    前記永久磁石の第1面と前記磁石埋設孔の回転子径方向内側の内壁面とが前記発泡接着剤により接着されることで、前記永久磁石は前記磁石埋設孔内で回転子径方向外側に寄った位置に固定されていることを特徴とするモータ。
  3. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記固定子が軸心に配置され、その径方向外側に所定の間隔をあけて前記回転子が配設され、
    前記複数の磁石埋設孔は、前記回転子鉄心において径方向内側寄りに設けられており、
    前記永久磁石の第1面と前記磁石埋設孔の回転子径方向外側の内壁面とが前記発泡接着剤により接着されることで、前記永久磁石は前記磁石埋設孔内で回転子径方向内側に寄った位置に固定されていることを特徴とするモータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記発泡接着剤の接着強度は、前記回転子鉄心と前記永久磁石との間の吸引力よりも高いことを特徴とするモータ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記発泡接着剤のガラス転移温度は、モータ動作時における前記回転子の温度よりも高いことを特徴とするモータ。
  6. 周方向に所定の間隔をあけて設けられた複数の磁石埋設孔を有する回転子鉄心の前記各磁石埋設孔に永久磁石を挿入して固定する回転子の組立方法であって、
    第1面と該第1面に対向する第2面とを有する永久磁石の前記第1面の全面に、加熱により発泡しかつ硬化する発泡接着剤を塗布する発泡接着剤塗布工程と、
    前記発泡接着剤の厚みを所定の値に調整する厚み調整工程と、
    前記発泡接着剤が塗布された前記永久磁石を熱処理して前記発泡接着剤を仮硬化する仮硬化工程と、
    前記仮硬化工程の後に、前記永久磁石の前記第2面の全面に加熱により発泡しない熱硬化性接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記仮硬化工程および前記接着剤塗布工程の後に、前記発泡接着剤が塗布された前記永久磁石を前記複数の磁石埋設孔のそれぞれに挿入する磁石挿入工程と、
    前記磁石挿入工程の後に、前記永久磁石が挿入された前記回転子鉄心を熱処理して、前記発泡接着剤を本硬化し、前記永久磁石を前記磁石埋設孔内の所定の位置に接着固定し、前記複数の磁石埋設孔において前記永久磁石と前記回転子鉄心との間は、前記発砲接着剤および前記熱硬化性接着剤で埋まるようにする本硬化工程と、を備えたことを特徴とする回転子の組立方法。
  7. 請求項に記載の回転子の組立方法において、
    前記本硬化工程の後の前記発泡接着剤の接着強度は、前記回転子鉄心と前記永久磁石との間の吸引力よりも高いことを特徴とする回転子の組立方法。
  8. 請求項6または7のいずれか1項に記載の回転子の組立方法において、
    前記本硬化工程の後の前記発泡接着剤のガラス転移温度は、モータ動作時における前記回転子の温度よりも高いことを特徴とする回転子の組立方法。
  9. 請求項6ないしのいずれか1項に記載の回転子の組立方法において、
    前記磁石挿入工程において、前記磁石埋設孔の回転子径方向内側の内壁面に前記発泡接着剤が当接するように前記永久磁石を前記磁石埋設孔に挿入することを特徴とする回転子の組立方法。
  10. 請求項6ないしのいずれか1項に記載の回転子の組立方法において、
    前記磁石挿入工程において、前記磁石埋設孔の回転子径方向外側の内壁面に前記発泡接着剤が当接するように前記永久磁石を前記磁石埋設孔に挿入することを特徴とする回転子の組立方法。
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