JP7177753B2 - 材料分離評価方法及び材料分離評価システム - Google Patents

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Description

本発明は、材料分離評価方法及び材料分離評価システムに関するものである。
コンクリートの材料分離とは、コンクリートの運搬中、打込み中、又は打込み後において、フレッシュコンクリートの構成材料の分布が不均一になる現象をいう。材料分離は、強度低下やひび割れ、豆板、耐久性低下などの品質トラブルの原因になるので、現場でのコンクリートの受入検査時には、材料分離が発生していないことの確認作業が行われている。このような材料分離の判定に関する技術として、下記特許文献1,2に記載の評価方法が知られている。特許文献1には、コンクリートを撮像しコンクリート画像の内側部分と外側部分の粗骨材密度が等しいか否かを材料分離の一つの指標とすることが記載されている。特許文献2では、コンクリートの撮像データを二値化し、二値化データに含まれる暗部の面積率に基づいて、コンクリートの施工性を評価している。
特開平10-267921号公報 特開2015-81907号公報
しかしながら、特許文献1の評価方法において、コンクリート画像から安定して粗骨材を検出し再現性が高い評価結果を得るためには、常に同じ外部光でコンクリートを撮像する必要がある。同様に、特許文献2の評価方法においても、コンクリート画像の明暗に基づいて評価が実行されるので、常に同じ外部光でコンクリートを撮像する必要がある。すなわちこれらの方法では、撮像時の条件を調整する必要があるので作業負担が大きい。本発明は、コンクリートの簡易な撮像によってコンクリートの材料分離を評価する材料分離評価方法及び材料分離評価システムを提供することを目的とする。
本発明の材料分離評価方法は、コンクリートの材料分離を評価する材料分離評価方法であって、スランプ試験時又はスランプフロー試験時のコンクリートの画像を含む撮像データを取得し、撮像データからコンクリートの画像に対応して切り出されるコンクリート切出領域を設定し、コンクリート切出領域が同一面積で複数に分割されてなると共に二値化された複数の分割領域を設定し、分割領域に含まれる、2種類の画素のうちの一方の種類の画素数のバラツキに基づいてコンクリートの材料分離の有無を判定する。
また、コンクリート切出領域は円形をなし、分割領域は、コンクリート切出領域が同心円を境界として分割されてなることとしてもよい。
本発明の材料分離評価システムは、コンクリートの材料分離を評価する材料分離評価システムであって、スランプ試験時又はスランプフロー試験時のコンクリートの画像を含む撮像データを取得する撮像データ取得部と、撮像データからコンクリートの画像に対応して切り出されるコンクリート切出領域を設定する領域切出部と、コンクリート切出領域が同一面積で複数に分割されてなると共に二値化された複数の分割領域を設定する領域分割部と、分割領域に含まれる、2種類の画素のうちの一方の種類の画素数のバラツキに基づいてコンクリートの材料分離の有無を判定する材料分離判定部と、を備える。
本発明によれば、コンクリートの簡易な撮像によってコンクリートの材料分離を評価する材料分離評価方法及び材料分離評価システムを提供することができる。
材料分離評価システムの構成を示すブロック図である。 (a)は、撮像データの一例であり、(b)は、撮像データ中のコンクリート部分と、コンクリート部分から切り出されるコンクリート切出領域の一例である。 (a)は、二値化画像データの一例であり、(b)は、分割領域A1~A20の一例である。 (a)は、分割領域A1~A20と累積低輝度画素数Q1~Q20との関係を示すグラフである。(b)は、第1閾値及び第2閾値の設定方法を示す図である。 (a)~(f)は、本発明者らが作製したコンクリートの各サンプルの二値化画像データであり、(g)は、上記各サンプルにおける、分割領域A1~A20と累積低輝度画素数Q1~Q20との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る材料分離評価方法及び材料分離評価システムの実施形態について詳細に説明する。
図1に示されるように、材料分離評価システム1は、ユーザ端末3とサーバ5とを備えている。ユーザ端末3とサーバ5は所定のネットワーク7(例えばインターネット)を介して接続され、互いにデータ授受が可能である。ユーザ端末3は、材料分離評価の作業時にユーザが操作するコンピュータ端末であり、撮像により画像データを得るカメラ9(撮像データ取得部)と、各種の情報を画面表示する表示部11と、ネットワーク7経由でサーバ5との通信を実行する通信部13と、を備えている。表示部11は、例えば液晶ディスプレイ装置であり、例えばカメラ9で得られた画像データ等を表示する。通信部13は、例えば、カメラ9で得られた画像データをネットワーク7経由でサーバ5に送信可能である。
上記のユーザ端末3として、スマートフォンやタブレット型端末といったような携帯型端末が採用可能である。なお、ユーザ端末3は、上記の例の携帯型端末のように1つのデバイスでカメラ9と表示部11と通信部13とを備える必要はなく、複数のデバイスを組み合わせてユーザ端末3が構成されてもよい。
サーバ5は、ネットワーク7経由でユーザ端末3との通信を実行する通信部15と、所定の演算を実行する演算部17と、を備えている。通信部15はユーザ端末3から送信された画像データを受信し、演算部17は上記画像データに基づく演算を実行する。演算部17で得られた演算結果は通信部15によりネットワーク7経由でユーザ端末3に送信される。演算部17は、コンクリート認識部21と、領域切出部23と、二値化処理部25と、領域分割部27と、材料分離判定部29と、閾値設定部30と、を備えている。これらの各機能部21~30の機能については後述する。
サーバ5は、物理的には、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、ハードディスク等の補助記憶装置、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置、ディスプレイ等の出力装置、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュールなどを含むコンピュータシステムとして構成されている。サーバ5が備える上記の通信部15、演算部17、コンクリート認識部21、領域切出部23、二値化処理部25、領域分割部27、材料分離判定部29、閾値設定部30等の各機能は、CPU、RAM等のハードウエア上に所定のコンピュータソフトウエアを読み込ませることにより、CPUの制御のもとで通信モジュール、入力装置、出力装置を動作させるとともに、RAMや補助記憶装置におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
続いて、この材料分離評価システム1を用いて実行される生コンクリートCの材料分離評価方法について説明する。
〔スランプ試験又はスランプフロー試験〕
まず、評価対象の生コンクリートCについて、スランプ試験又はスランプフロー試験が実行される。スランプ試験は、JIS A 1101に従って実行され、スランプフロー試験は、JIS A 1150に従って実行される。
〔撮像工程〕
スランプ試験又はスランプフロー試験では、スランプコーンの除去後、台板19の上に平面視略円形の生コンクリートCが現われる。この状態の生コンクリートCが、ユーザ端末3のユーザによって撮像される。具体的には、台板19上の上記生コンクリートCが、鉛直上方から、ユーザ端末3のカメラ9によって撮像される。これにより、図2(a)に示されるように、略円形をなす上記生コンクリートCの画像を含むと共に、台板19を背景として含む撮像データ31が得られる。なおここでは、日光による陰影ができるのを避けるため、生コンクリートCに直射日光が当たらないようにして撮像すること(例えば、屋根がある場所で撮像する、日除け板で日光を遮って撮像するなど)が好ましい。上記の撮像データ31は、ユーザ端末3の通信部13によってネットワーク7経由でサーバ5に送信される。
〔演算工程〕
サーバ5は、通信部15によって上記撮像データ31を受信し、演算部17により撮像データ31に基づく所定の演算を実行して、生コンクリートCに材料分離が発生しているか否かを判定する。以下、演算部17が実行する演算工程について具体的に説明する。演算部17による演算工程は、以下に説明する生コンクリート認識工程と、生コンクリート領域切出し工程と、二値化処理工程と、領域分割工程と、材料分離判定工程と、判定結果表示工程と、閾値設定工程と、を備えている。
(生コンクリート認識工程)
演算部17のコンクリート認識部21は、通信部15で得た撮像データ31から、図2(b)に示されるように、生コンクリートCが存在するコンクリート部分33を台板19等の背景から分離して認識する。スランプ試験等におけるスランプコーン除去後の生コンクリートCは台板19上で平面視略円形を呈するので、認識されるコンクリート部分33は略円形をなす。ここでは、公知の画像処理手法を用いればよい。なお、生コンクリートCの外縁部に薄い水の層が存在するときには、当該水の層もコンクリート部分33に含まれる。
撮像データ31中の生コンクリートCと背景(台板19や地面等)とを分離するために、事前に、次のような手法でデータベースが作成されている。まず、事前に準備された撮像データ31の種々のサンプルについて、例えば公知の画像処理ソフトウエアの機能を用いて、作業者(人間)の入力により生コンクリートCと背景とが指定されると、画像解析により生コンクリートCと背景とのそれぞれの特徴量が求められる。なお、特徴量とは、画像に種々のフィルタを適用した後の当該画像の各ピクセルの色、輝度、隣接ピクセルからの変化量など、画像から取出される多様な情報を言う。その後、生コンクリートCの情報と背景の情報とが、機械学習などの統計的な手法を用いてデータベース化される。このデータベースを用いて、コンクリート認識部21は、前述のように生コンクリートCが存在するコンクリート部分33を台板19等の背景から分離して認識する。
(生コンクリート領域切出し工程)
次に、演算部17の領域切出部23は、図2(b)に示されるように、上記のコンクリート部分33に内包される可能な限り大径の正円形の領域を切り出し、コンクリート切出領域35として設定する。ここでは、公知の画像処理手法を用いればよい。また、前述の撮像工程において、ユーザが台板19上の生コンクリートCの周縁部に複数のマーカを設置し、マーカを含む撮像データ31を得るようにしてもよい。そして、当該複数のマーカに内接する正円形の内部領域を切り出してコンクリート切出領域35として設定するようにしてもよい。
(二値化処理工程)
次に、演算部17の二値化処理部25は、コンクリート切出領域35の画像データに所定のフィルタを適用した後、当該画像データを二値化処理し、図3(a)に例示されるような二値化画像データ39に変換する。二値化画像データ39は、所定輝度よりも低輝度の低輝度画素と、所定輝度よりも高輝度の高輝度画素と、の2種類の画素で構成されている。ここでは、二値化処理に関する公知の画像処理手法を用いればよい。
(領域分割工程)
次に、演算部17の領域分割部27は、図3(b)に例示されるように、二値化画像データ39を、径方向に複数(ここでは20とする)の領域に分割し、分割領域A1~A20を設定する。分割領域A1~A20は、二値化画像データ39の同心円を境界として分割された円環形の領域である(但し、最内周側の分割領域A1は円形の領域)。ここでは、分割領域A1~A20の各面積がすべて同一であるように分割される。なお、図3(b)は、領域分割工程の説明のために分割領域A1~A20の特徴が誇張して描写されており、上記のような面積の関係が必ずしも正確に示されているものではない。
(材料分離判定工程)
次に、材料分離判定部29は、各分割領域A1~A20に含まれる低輝度画素の画素数のバラツキに基づいてコンクリートの材料分離の有無を判定する、具体的な判定のアルゴリズムの一例について、以下に説明する。
演算部17の材料分離判定部29は、各々の分割領域A1~A20に含まれる低輝度画素の画素数を計数する。以下、二値化画像データ39全体に含まれる低輝度画素の画素数を1としたときの、
分割領域A1に含まれる低輝度画素の画素数をP1とし、
分割領域A2に含まれる低輝度画素の画素数をP2とし、
分割領域A3に含まれる低輝度画素の画素数をP3とし、
…、
分割領域A20に含まれる低輝度画素の画素数をP20とする。
また、二値化画像データ39全体に含まれる低輝度画素の画素数を1としたときの、分割領域Akを含めその内側の領域(A1~Ak)に含まれる低輝度画素の画素数を、「累積低輝度画素数Qk」と定義する(但し、k=1~20)。すなわち、累積低輝度画素数Qkは、
Qk=P1+P2+…+Pk と表される。
図4(a)は、横軸を分割領域A1~A20とし縦軸を累積低輝度画素数Q1~Q20としたグラフである。仮に、低輝度画素が二値化画像データ39全体に均等に存在しP1~P20のバラツキがないとすれば、分割領域A1~A20と累積低輝度画素数Q1~Q20との関係は、図中の直線G1で表される。
これに対し、評価対象の生コンクリートCについては、分割領域A1~A20と累積低輝度画素数Q1~Q20との関係が曲線G2で表されるものとする。材料分離判定部29は、図に示されるように、各分割領域A1~A20において、曲線G2と直線G1との差Δ1~Δ20を取り、下式で表される指標値Xを、生コンクリートCの材料分離の程度を表す指標とする。
指標値X=Δ1+Δ2+…+Δ20
そして、材料分離判定部29は、上記指標値Xが所定の第1閾値よりも小さい場合には、生コンクリートCの材料分離が発生していないと判定し、上記指標値Xが所定の第2閾値よりも大きい場合には、生コンクリートCの材料分離が発生していると判定する(但し、第1閾値<第2閾値)。また、指標値Xが第1閾値と第2閾値との間にある場合には、材料分離が発生している疑いがある旨判定する。第1閾値及び第2閾値の詳細については後述する。なお、図4のグラフは、材料分離判定部29による判定のアルゴリズムを視覚的に説明するために使用したものであって、材料分離判定部29は、このようなグラフを実際に描写する必要はなく、上述のようなアルゴリズムで判定結果を導出するものであればよい。
(判定結果表示工程)
その後、材料分離判定部29による上記判定結果の情報が、サーバ5の通信部15からネットワーク7経由でユーザ端末3に送信される。ユーザ端末3では、通信部13が上記判定結果の情報を受信し、表示部11が判定結果(例えば、「材料分離なし」、「材料分離あり」、「材料分離の疑いあり」など)を画面表示する。なお、上記判定結果と一緒に二値化画像データ39がサーバ5に送信され、判定結果と二値化画像データ39とが表示部11で一緒に画面表示されるようにしてもよい。この場合、二値化画像データ39の画面表示においては、低輝度画素と高輝度画素とをそれぞれ黒、白で表わしてもよいし、黒、白以外の色を適宜用いてもよい。
(閾値設定工程)
上記の第1閾値及び第2閾値を設定する閾値設定工程について説明する。上述したような材料分離評価方法が予め種々の多数の生コンクリートのサンプルについて実行され、各サンプルについて指標値Xが算出されると共に、別途、所定の評価者(人間)が生コンクリートCを直接目視して材料分離の発生の有無が判断される。そうすると、図4(b)に例示されるように、評価者による判断結果と指標値Xとの関係が蓄積される。なお、図4(b)は指標値Xを横軸とし当該指標値Xが現われたサンプル数を縦軸とする。図4(b)の曲線H1は評価者により「材料分離なし」と判断されたサンプルの指標値Xの分布を示し、図4(b)の曲線H2は評価者により「材料分離あり」と判断されたサンプルの指標値Xの分布を示す。
演算部17の閾値設定部30は、予め蓄積された上記のような情報に基づいて、第1閾値及び第2閾値を設定する。具体的には、評価者により「材料分離なし」と判断されるサンプルのうちの所定の割合J(例えば90%)が第1閾値よりも低指標値X側(図中のハッチング領域)に含まれるように、閾値設定部30が第1閾値を設定する。同様にして、評価者により「材料分離あり」と判断されるサンプルのうちの所定の割合K(例えば90%)が第2閾値よりも高指標値X側(図中のハッチング領域)に含まれるように、閾値設定部30が第2閾値を設定する。なおこのとき、閾値設定部30は、曲線H1,H2を正規分布曲線とみなして第1閾値及び第2閾値を算出してもよい。本発明者らの実験では、上記の割合J,Kを、J=90%、K=90%とすることで、第1閾値<第2閾値となる各閾値が得られた。なお、第1閾値=第2閾値になるように割合J,Kが設定されてもよい。
また、閾値設定部30は、材料分離評価システム1の実際の使用中においても、人間による判定結果と指標値Xとの関係を蓄積してもよい。例えば、前述の判定結果表示工程において、材料分離評価システム1による判定結果を表示部11でユーザに提示すると共に、ユーザ自身の目視による材料分離有無の判断結果をユーザ端末3に入力させ、入力結果を指標値Xと関連づけてサーバ5に蓄積するようにしてもよい。この手法によれば、材料分離評価システム1の使用に伴って情報が蓄積され、蓄積された情報に基づいて第1閾値及び第2閾値を適宜更新することができ、判定精度の向上を図ることができる。
続いて、以上説明した材料分離評価システム1及びその評価方法による作用効果について説明する。
材料分離評価システム1及びその評価方法においては、前述したような材料分離有無の判定のアルゴリズムから理解されるように、撮像データ31全体としての明暗は、最終的な判定結果にはほとんど影響しないと考えられる。従って、撮像工程においては、撮像現場の明暗のバラツキの許容範囲は大きく、撮像時の条件を厳しく調整する必要性は低い。よって、材料分離評価システム1及びその評価方法によれば、ユーザがスランプ試験時又はスランプフロー試験時の生コンクリートCを簡易に撮像して材料分離評価を実行することができ、作業負担が抑えられる。
一般的に、生コンクリートCに材料分離が発生すると、生コンクリートCに含まれる材料(骨材等)の分布にムラが発生し、撮像データ31に現われる明暗の分布も不均一になる。材料分離評価システム1によれば、上記の分布の不均一性が二値化画像データ39に含まれる領域ごとの低輝度画素の分布の不均一性として検出され、その結果、材料分布の発生が検出されるので、妥当な判定結果が得られる。このように、材料分離評価システム1及びその評価方法では、生コンクリートCの撮像データ31に基づいて客観的に材料分離の有無が判定されるので、判定を実行するユーザごとの判定結果のバラツキが抑えられる。
なお、材料分離評価システム1及びその評価方法においては、台板19から盛り上がった生コンクリートC自体の陰影が判定結果に影響を及ぼす可能性があるので、生コンクリートCの盛り上がりが小さい方がより妥当な判定結果が得られると考えられる。従って、材料分離評価システム1及びその評価方法では、スランプフロー試験の対象になるような中高流動コンクリートの評価において、より妥当な判定結果が得られる。
また、スランプ試験又はスランプフロー試験において、スランプコーン除去直後の生コンクリートCは、径方向外側に向けて放射状に広がるので、台板19上に広がった生コンクリートCの材料の分布は回転対称に近いと考えられる。従って、生コンクリートCの材料分離が発生しているとすれば、材料分布の不均一性は、周方向よりも径方向に現われ易いと考えられる。これに対し、材料分離評価システム1及びその評価方法によれば、前述の分割領域A1~A20が径方向に分割されることに起因して、材料分布の径方向の不均一性について検出感度が高い。従って、生コンクリートCの材料分離を感度良く検出することができる。
ここで、本発明者らが行った材料分離評価システム1による判定の実験について説明する。図5(a)~(f)は、本発明者らが作製し撮像した生コンクリートCを基に材料分離評価システム1が作成した各サンプルの二値化画像データ39である。図5(g)は、これらの各サンプルに対応する累積低輝度画素数のグラフである。材料分離評価システム1は、図5(a),(b),(c)のサンプルを「材料分離なし」と判定し、図5(d),(e),(f)のサンプルを「材料分離あり」と判定した。この判定結果と図5(a)~(f)の二値化画像データの状態とを比較してみれば、材料分離評価システム1によって比較的妥当な判定結果が得られたと考えられる。
本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。また、上述した実施形態に記載されている技術的事項を利用して変形例を構成することも可能である。各実施形態の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。
例えば、上述の実施形態では、材料分離判定工程において各分割領域A1~A20に含まれる低輝度画素を計数し、それ以降の工程においても計数された低輝度画素数に基づく処理を行っているが、これらの一連の処理における「低輝度画素」が「高輝度画素」に置き換えられてもよい。
また、上述の実施形態では、評価対象の生コンクリートCについて、スランプ試験又はスランプフロー試験を実行しているが、材料分離評価システム1及びその評価方法における判定においては、スランプ試験時又はスランプフロー試験時の生コンクリートCの画像が得られさえすればよい。従って、実際にスランプ値やスランプフロー値の測定までを完了する必要はなく、これらの値の測定は省略してもよい。
すなわち、前述したようなスランプ試験又はスランプフロー試験の規格に従って台板19上のスランプコーンに評価対象の生コンクリートCを充填し、スランプコーンを除去した後には、スランプ値やスランプフロー値の測定を行わずに(或いは測定を行う前に)、カメラ9による撮像工程を実行することで、スランプ試験時又はスランプフロー試験時の生コンクリートCの画像を含む撮像データ31を取得してもよい。
また、上述の実施形態では、ユーザ端末3で撮像データ31を取得し、サーバ5で撮像データ31に基づく演算を実行しているが、ユーザ端末3内で上記演算が実行されてもよい。すなわち、演算部17がユーザ端末3に備えられていてもよい。この場合、ユーザ端末3のカメラ9で撮像データ31が取得され、ユーザ端末3の演算部17によって撮像データ31に基づく判定結果が導出され、この判定結果がユーザ端末3の表示部11に表示される。また、ユーザ端末3又はサーバ5の何れか一方に演算部17のすべての機能部21~30を持たせる必要はなく、演算部17の各機能部21~30が、ユーザ端末3及びサーバ5に適宜配分されてもよい。
また、演算部17のうちコンクリート認識部21がユーザ端末3に備えられる場合、生コンクリート認識工程では、撮像データ31中の生コンクリートCと背景(台板19や地面等)とを分離するために、生コンクリートCと背景との境界線をユーザに指定入力させてもよい。この場合、例えば、ユーザ端末3の表示部11は、ユーザの入力を受け付ける入力受付部を兼ね備えたタッチパネルディスプレイであってもよい。そして、タッチパネル入力機能を持つ表示部11に撮像データ31が表示され、ユーザは、表示された撮像データ31上に生コンクリートCと背景との境界線を指等で描写することを以て境界線の指定入力を実行してもよい。
また、各分割領域A1~A20は、同心円を境界とする円環形(但し、最内側の分割領域A1は円形)には限定されない。例えば、同心円に代えて同心の楕円を境界とする楕円環形(但し、最内側の分割領域A1は楕円形)であってもよい。この場合、コンクリート切出領域35が楕円形に切り出されてもよい。
また、各分割領域A1~A20は、例えば二値化画像データ39の各半径を境界として分割された扇形であってもよい。この場合、周方向の材料分布の不均一性を発生させるような材料分離について検出感度が高くなる。また、分割領域A1~A20の形状としては、例えば格子状に分割された形状であってもよい。要するに、分割領域A1~A20の形状としては、互いに同一面積の領域であれば、種々の形状を採用してもよい。また、分割領域の数は20個には限定されず適宜設定されればよい。なお、分割領域の数は、判定精度を向上するために、15~25に設定されることが好ましい。
また、材料分離判定工程においては、累積低輝度画素数Q1~Q20を利用することに代えて、累積低輝度画素数Q1~Q20の平均を用いる演算や、各分割領域A1~A20に含まれる低輝度画素数P1~P20同士を直接比較する演算を採用してもよい。要するに、分割領域A1~A20の領域ごとに含まれる低輝度画素数P1~P20のバラツキが反映される指標であれば、種々の指標値を前述の指標値Xに代えて採用することができる。
また、指標値Xの演算には、各低輝度画素数P1~P20ごとに所定の重みを付ける要素が含まれてもよい。例えば、前述したように、生コンクリートCの外縁部に存在する薄い水の層がコンクリート部分33の外周側に含まれる場合がある。このような水の層の判定結果への影響を鑑みて、指標値Xの算出には、コンクリート部分33の外周側の状態に関連するパラメータ(例えば、画素数P18~P20)に所定の係数を掛けるなどの演算が含まれてもよい。
また、閾値設定工程では、前述のとおり正規分布を利用して第1閾値及び第2閾値を設定する例を示したが、第1閾値及び第2閾値は、経験的に一意に決定してもよいし、機械学習等に基づいて決定してもよい。
材料分離評価システム1及びこれを用いる評価方法は、中高流動コンクリート、通常のスランプコンクリート、フライアッシュ等の混和剤を用いたコンクリート、などの種々のコンクリートへの適用が可能である。
1…材料分離評価システム、9…カメラ(撮像データ取得部)、23…領域切出部、27…領域分割部、29…材料分離判定部、31…撮像データ、33…コンクリート部分(コンクリートの画像)、35…コンクリート切出領域、A1~A20…分割領域、C…生コンクリート。

Claims (3)

  1. コンクリートの材料分離を評価する材料分離評価方法であって、
    スランプ試験時又はスランプフロー試験時の前記コンクリートの画像を含む撮像データを取得し、
    前記撮像データから前記コンクリートの画像に対応して切り出されるコンクリート切出領域を設定し、
    前記コンクリート切出領域が同一面積で複数に分割されてなると共に二値化された複数の分割領域を設定し、
    前記分割領域に含まれる、2種類の画素のうちの一方の種類の画素数のバラツキに基づいて前記コンクリートの材料分離の有無を判定する、材料分離評価方法。
  2. 前記コンクリート切出領域は円形をなし、
    前記分割領域は、前記コンクリート切出領域が同心円を境界として分割されてなる、請求項1に記載の材料分離評価方法。
  3. コンクリートの材料分離を評価する材料分離評価システムであって、
    スランプ試験時又はスランプフロー試験時の前記コンクリートの画像を含む撮像データを取得する撮像データ取得部と、
    前記撮像データから前記コンクリートの画像に対応して切り出されるコンクリート切出領域を設定する領域切出部と、
    前記コンクリート切出領域が同一面積で複数に分割されてなると共に二値化された複数の分割領域を設定する領域分割部と、
    前記分割領域に含まれる、2種類の画素のうちの一方の種類の画素数のバラツキに基づいて前記コンクリートの材料分離の有無を判定する材料分離判定部と、を備える材料分離評価システム。
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