JP7176490B2 - 燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池スタックに関する。
固体高分子形燃料電池は、複数の単セルを積層して構成される燃料電池スタックを備えている(例えば、特許文献1参照)。同文献1に記載の単セルは、膜電極接合体を有する発電部、発電部を挟持する一対のセパレータ、及び発電部と一対のセパレータとの間に設けられたガス流路形成板を備えている。
上記ガス流路形成板は、複数の凹部及び凸部が交互に並んだ網目状のガス流路部を有している。ガス流路部は、上記凹部及び凸部と、発電部とにより区画される部分により構成されており、燃料ガスや酸化剤ガスなどの反応ガスが流通する。
上記単セルは、平面視長方形状をなしている。同単セルの短辺側の両端部には、燃料ガスを供給する燃料ガス供給口と、燃料ガスを排出する燃料ガス排出口とが発電部を挟んで設けられている。また、同単セルの長辺側の両端部には、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給口と、酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス排出口とが発電部を挟んで設けられている。酸化剤ガス供給口は、単セルの長辺の長さ方向に互いに間隔をおいて複数設けられている。同様に、酸化剤ガス排出口は、単セルの長辺の長さ方向に互いに間隔をおいて複数設けられている。
各酸化剤ガス供給口から供給される酸化剤ガスは、ガス流路形成板のガス流路部を通じて発電部に供給される。そして、発電部において酸化剤ガスと燃料ガスとが電気化学反応することにより発電が行われる。一方、発電部での発電に供されなかった酸化剤ガスは、ガス流路部を通じて各酸化剤ガス排出口から外部に排出される。
特開2016-21339号公報
ところで、燃料電池スタックにおいては、発電効率を高める上で、発電部のより広い範囲、すなわち、ガス流路部のより広い範囲に反応ガスを行き渡らせることが好ましい。
ところが、各酸化剤ガス供給口が単セルの長辺の長さ方向に互いに間隔をおいて設けられていることから、互いに隣り合う酸化剤ガス供給口の間には、これら酸化剤ガス供給口を仕切る仕切り部が存在する。このため、酸化剤ガス供給口からガス流路部を通じて酸化剤ガス排出口に向かう酸化剤ガスは、上記仕切り部と隣り合う部分には流れにくい。したがって、ガス流路部のより広い範囲に反応ガスを行き渡らせる、すなわち反応ガスの分配性を高める上では、なお、改善の余地がある。
本発明の目的は、反応ガスの分配性を高めることのできる燃料電池スタックを提供することにある。
上記目的を達成するための燃料電池スタックは、シート状の発電部と、前記発電部を厚さ方向において挟持する一対のセパレータと、前記一対のセパレータの少なくとも一方と前記発電部との間に設けられ、反応ガスが流通するガス流路部を構成するガス流路形成板と、前記ガス流路形成板の周囲に設けられ、前記ガス流路部に対して前記反応ガスを供給する供給口及び前記ガス流路部から前記反応ガスを排出する排出口を有する枠部材と、を備える単セルが複数積層されてなるものであり、前記供給口から前記排出口に向かう前記反応ガスの流れ方向を流れ方向とし、前記発電部と前記ガス流路部とが対向する方向を対向方向とし、前記流れ方向と前記対向方向との双方に直交する方向を直交方向とするとき、前記ガス流路部は、前記流れ方向に沿って延びるとともに前記直交方向において互いに並列して設けられ、前記発電部に対向する複数の対向部を有しており、前記対向部の各々と前記発電部との間には複数の主流路が形成されており、前記ガス流路部には、前記主流路の各々を連通するとともに前記流れ方向に互いに間隔をおいて設けられる複数の連通路が形成されており、前記ガス流路部のうち、前記流れ方向において前記供給口に隣接する部分を第1流路部とし、前記直交方向において前記第1流路部に隣接する部分を第2流路部とするとき、前記第2流路部における前記主流路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記主流路の各々の流路断面積よりも大きい。
同構成によれば、第2流路部における各主流路の流路断面積が、第1流路部における各主流路の流路断面積よりも大きい。このため、第2流路部の各主流路における反応ガスの圧力損失は、第1流路部の各主流路における反応ガスの圧力損失よりも小さくなる。これにより、供給口から第1流路部の各主流路に流入した反応ガスは、各連通路を通じて第2流路部の各主流路に向かって流れやすくなる。すなわち、供給口から流入した反応ガスが第1流路部から第2流路部に向かって流れやすくなり、ガス流路部のより広い範囲に反応ガスを行き渡らせることができる。したがって、反応ガスの分配性を高めることができる。
上記燃料電池スタックにおいて、前記第2流路部の前記対向部の各々は、前記第1流路部の前記対向部の各々よりも前記対向方向において前記発電部から離間した位置に設けられていることが好ましい。
同構成によれば、第2流路部の各主流路を形成する対向部が、第1流路部の各主流路を形成する対向部よりも対向方向において発電部から離間した位置に設けられている。このため、第2流路部における各主流路の流路断面積が、第1流路部における各主流路の流路断面積よりも大きくなる。
このように、上記構成によれば、発電部からの対向部の距離を変更するという簡単な構成の変更により、第2流路部における各主流路の流路断面積を、第1流路部における各主流路の流路断面積よりも大きくすることができる。
上記燃料電池スタックにおいて、前記第2流路部の前記対向部の各々における前記直交方向の幅は、前記第1流路部の前記対向部の各々における前記直交方向の幅よりも大きいことが好ましい。
同構成によれば、第2流路部の各主流路を形成する対向部の幅が、第1流路部の各主流路を形成する対向部の幅よりも大きい。このため、第2流路部における各主流路の流路断面積が、第1流路部における各主流路の流路断面積よりも大きくなる。
このように、上記構成によれば、対向部の直交方向における幅を変更するという簡単な構成の変更により、第2流路部における各主流路の流路断面積を、第1流路部における各主流路の流路断面積よりも大きくすることができる。
上記燃料電池スタックにおいて、前記ガス流路部のうち、前記流れ方向の下流側において前記第1流路部に隣接する部分を第3流路部とするとき、前記第3流路部における前記主流路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記主流路の各々の流路断面積よりも小さいことが好ましい。
同構成によれば、第3流路部における各主流路の流路断面積が、第1流路部における各主流路の流路断面積よりも小さい。このため、第3流路部の各主流路における反応ガスの圧力損失は、第1流路部の各主流路における反応ガスの圧力損失よりも大きくなる。これにより、供給口から第1流路部の各主流路に流入した反応ガスは、圧力損失が大きい第3流路部よりも圧力損失が小さい第2流路部に向かって流れやすくなる。したがって、反応ガスの分配性を一層高めることができる。
上記燃料電池スタックにおいて、前記第3流路部の前記対向部の各々は、前記第1流路部の前記対向部の各々よりも前記対向方向において前記発電部に近接した位置に設けられていることが好ましい。
同構成によれば、第3流路部の各主流路を形成する対向部が、第1流路部の各主流路を形成する対向部よりも対向方向において発電部に近接した位置に設けられている。このため、第3流路部における各主流路の流路断面積が、第1流路部における各主流路の流路断面積よりも小さくなる。
このように、上記構成によれば、発電部からの対向部の距離を変更するという簡単な構成の変更により、第3流路部における各主流路の流路断面積を、第1流路部における各主流路の流路断面積よりも小さくすることができる。
上記燃料電池スタックにおいて、前記第1流路部の前記対向部の各々と、前記第3流路部の前記対向部の各々とは、段差部を介して連なっていることが好ましい。
同構成によれば、流れ方向に沿って流れる反応ガスが段差部に衝突するため、第1流路部と第3流路部との境界部分における反応ガスの圧力損失が大きくなりやすい。これにより、第1流路部と第3流路部との反応ガスの圧力損失差を大きくすることができる。
上記燃料電池スタックにおいて、前記主流路の各々は、前記対向部と、前記対向部の前記直交方向の両側に一体に設けられ、前記直交方向に直交する断面形状が波形状をなす波状部と、により構成されており、前記波状部は、前記対向部よりも前記発電部側に突出するとともに前記発電部に当接する第1凸部と、前記対向部よりも前記セパレータ側に突出するとともに前記セパレータに当接する第2凸部とが前記流れ方向に交互に並んで設けられるものであり、前記連通路の各々は、前記第1凸部と前記対向部とにより区画されており、前記第2流路部における前記連通路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記連通路の各々の流路断面積よりも大きいことが好ましい。
同構成によれば、第2流路部における各連通路の流路断面積が、第1流路部における各連通路の流路断面積よりも大きい。このため、第2流路部の各連通路における反応ガスの圧力損失は、第1流路部の各連通路における反応ガスの圧力損失よりも小さくなる。これにより、供給口から第1流路部に流入した反応ガスは、第2流路部の各連通路を通じて第2流路部に流入しやすくなる。すなわち、供給口から流入した反応ガスが第1流路部から第2流路部に向かって流れやすくなる。したがって、反応ガスの分配性を一層高めることができる。
上記燃料電池スタックにおいて、前記ガス流路部のうち、前記流れ方向の下流側において前記第1流路部に隣接する部分を第3流路部とするとき、前記第3流路部における前記連通路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記連通路の各々の流路断面積よりも小さいことが好ましい。
同構成によれば、第3流路部における各連通路の流路断面積が、第1流路部における各連通路の流路断面積よりも小さい。このため、第3流路部の各連通路における反応ガスの圧力損失は、第1流路部の各連通路における反応ガスの圧力損失よりも大きくなる。これにより、供給口から第1流路部に流入した反応ガスは、第3流路部における各連通路よりも第2流路部における各連通路を通じて第2流路部に向かって流れやすくなる。したがって、反応ガスの分配性をより一層高めることができる。
本発明によれば、反応ガスの分配性を高めることができる。
燃料電池スタックの一実施形態を示す断面図。 同実施形態のガス流路形成板及び枠部材を示す平面図。 同実施形態の第1流路部におけるガス流路形成板及び第2セパレータの一部を示す断面斜視図。 同実施形態の第1流路部、第2流路部及び第3流路部における互いの位置関係を示す平面図。 図4の5-5線に沿った断面図。 図4の6-6線に沿った断面図。 図4の7-7線に沿った断面図。 図4の8-8線に沿った断面図。 図4の9-9線に沿った断面図。 図4の10-10線に沿った断面図。 図4の11-11線に沿った断面図。 同実施形態の酸化剤ガスの流れを示すガス流路形成板の平面図。 第1変更例の第1流路部、第2流路部及び第3流路部における互いの位置関係を示す平面図。 第2変更例の第1流路部、第2流路部及び第3流路部における互いに位置関係を示す平面図。 第3変更例における図8に対応した断面図。 第4変更例における図10に対応した断面図。
以下、図1~図12を参照して、一実施形態について説明する。
各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については実際と異なる場合がある。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池スタックは、固体高分子形燃料電池を構成するものであり、平面視略長方形板状をなす複数の単セル10が積層された構造を有している。単セル10は、シート状の発電部11を構成する膜電極ガス拡散層接合体(Membrane Electrode Gas Diffusion Layer Assembly、以下、MEGA20)と、MEGA20を厚さ方向において挟持する第1セパレータ30及び第2セパレータ40とを備えている。MEGA20と第2セパレータ40との間には、反応ガスが流通するガス流路部51を構成するガス流路形成板50が設けられている。
第1セパレータ30は、発電部11のアノード側に配置される。また、第2セパレータ40は、発電部11のカソード側に配置されている。
図2に示すように、ガス流路形成板50の周囲には、樹脂材料からなり、平面視略長方形板状をなす枠部材60が設けられている。本実施形態の枠部材60には、MEGA20とガス流路形成板50とが重ね合わされた状態で嵌め込まれている。枠部材60は、第1セパレータ30と第2セパレータ40とにより厚さ方向において挟持されている。
以降において、図2の説明に限っては、同図の上下方向を単に上下方向とし、同図の左右方向を単に左右方向として説明する。なお、上下方向及び左右方向は、枠部材60の実際の姿勢を示すものではない。
枠部材60には、反応ガスとして燃料ガスを供給する燃料ガス供給口12と、燃料ガスを排出する燃料ガス排出口13とが左右方向にガス流路形成板50を挟んで設けられている。本実施形態の燃料ガスは、例えば水素ガスである。燃料ガス供給口12は、ガス流路形成板50の左側であって、上下方向におけるガス流路形成板50の中央よりも上側に偏倚した位置に設けられている。また、燃料ガス排出口13は、ガス流路形成板50の右側であって、上下方向におけるガス流路形成板50の中央よりも下側に偏倚した位置に設けられている。
燃料ガス供給口12の下側の部分には、発電部11に向けて冷却水を供給する3つの冷却水供給口14が上下方向に互いに間隔をおいて設けられている。また、燃料ガス排出口13の上側の部分には、発電部11から冷却水を排出する3つの冷却水排出口15が上下方向に互いに間隔をおいて設けられている。
また、枠部材60には、反応ガスとして酸化剤ガスを供給する複数の酸化剤ガス供給口16と、酸化剤ガスを排出する複数の酸化剤ガス排出口17とが上下方向にガス流路形成板50を挟んで設けられている。本実施形態の酸化剤ガスは、例えば空気である。本実施形態では、6つの酸化剤ガス供給口16が左右方向に互いに間隔をおいて設けられている。同様に、6つの酸化剤ガス排出口17が左右方向に互いに間隔をおいて設けられている。隣り合う2つの酸化剤ガス供給口16同士の間には、これらの酸化剤ガス供給口16を仕切る仕切り部18が形成されている。
なお、図示は省略するが、第1セパレータ30及び第2セパレータ40には、上述した各供給口12,14,16及び各排出口13,15,17に対応する位置にそれぞれ貫通孔が形成されている。
各酸化剤ガス供給口16から供給される酸化剤ガスは、ガス流路形成板50に流通した後、各酸化剤ガス排出口17から排出される。
以降において、酸化剤ガス供給口16から酸化剤ガス排出口17に向かう酸化剤ガスの流れ方向を流れ方向Xと称し、発電部11とガス流路形成板50のガス流路部51とが対向する方向を対向方向Yと称する。また、流れ方向Xと対向方向Yとの双方に直交する方向を直交方向Zと称する。
次に、単セル10の各構成について詳細に説明する。
<MEGA20>
図1に示すように、MEGA20は、膜電極接合体21と、いずれも炭素繊維からなり、膜電極接合体21を挟持するアノード側ガス拡散層24及びカソード側ガス拡散層25とを備えている。膜電極接合体21は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を有する固体高分子材料からなる電解質膜22と、電解質膜22を挟持する一対の電極触媒層23とを備えている。各電極触媒層23には、燃料電池における反応ガスの電気化学反応を促進するために例えば白金などの触媒が担時されている。
<第1セパレータ30>
図1に示すように、第1セパレータ30は、ステンレス鋼などの金属板材をプレス成形することにより形成されている。第1セパレータ30の中央部は、MEGA20のアノード側ガス拡散層24に当接している。また、図示は省略するが、第1セパレータ30の中央部よりも外周側の部分は、枠部材60に当接している。
第1セパレータ30の上記中央部には、少なくとも流れ方向Xに沿って延びる部分を有する溝状の複数の燃料ガス流路31が形成されている。燃料ガス流路31は、燃料ガス供給口12及び燃料ガス排出口13に連通されている。
第1セパレータ30における燃料ガス流路31とは反対側の面には、溝状の複数の冷却水流路32が形成されている。冷却水流路32は、互いに隣り合う燃料ガス流路31同士の間の部分に1つずつ形成されており、冷却水供給口14及び冷却水排出口15に連通されている。
<第2セパレータ40>
図1に示すように、第2セパレータ40は、ステンレス鋼などの金属板材をプレス成形することにより形成されている。第2セパレータ40の対向方向Yの一方側の面は、ガス流路形成板50に当接している。第2セパレータ40の対向方向Yの他方側の面は、当該第2セパレータ40を備える単セル10に隣接する単セル10における第1セパレータ30に当接している。
<ガス流路形成板50>
図3に示すように、ガス流路形成板50は、例えばステンレス鋼などの金属板材をロール成形することにより形成される。
図4に示すように、ガス流路部51は、互いに形状の異なる領域を複数有している。より詳しくは、ガス流路部51のうち、流れ方向Xにおいて酸化剤ガス供給口16に隣接する第1流路部151と、直交方向Zにおいて第1流路部151に隣接する第2流路部251と、流れ方向Xの下流側において第1流路部151に隣接する第3流路部351とにおいてガス流路部51の形状が互いに異なっている。
なお、本実施形態における第1流路部151と酸化剤ガス供給口16との直交方向Zにおける長さは略同一である。また、第2流路部251と仕切り部18との直交方向Zにおける長さは略同一である。また、第3流路部351と第1流路部151との直交方向Zにおける長さは略同一である。また、第1流路部151と第2流路部251との流れ方向Xにおける長さは略同一である。
次に、第1流路部151、第2流路部251、及び第3流路部351の形状について説明する。
<第1流路部151>
図3、図5、及び図6に示すように、第1流路部151は、流れ方向Xに沿って延在するとともに直交方向Zにおいて互いに並列して設けられ、発電部11に対向する複数の対向部160を有している。各対向部160は、略四角棒状をなしている。なお、図3は、ガス流路部51の基本的な形状である第1流路部151を示す斜視図である。
各対向部160の直交方向Zの両側には、直交方向Zに直交する断面形状が波形状をなす波状部170,180が一体に設けられている。
各波状部170,180は、同一の形状を有している。このため、以降では、波状部170の構成についてのみ説明し、波状部180の構成については、波状部170の符号「17*」に「10」を加算した符号「18*」を付すことにより重複した説明を省略する。
各波状部170は、対向部160よりも発電部11側に突出するとともに発電部11、より詳しくは、カソード側ガス拡散層25に当接する第1凸部171と、対向部160よりも第2セパレータ40側に突出するとともに第2セパレータ40に当接する第2凸部172とを有している。第1凸部171及び第2凸部172は、流れ方向Xに沿って延びる平坦な頂部を有している。第1凸部171と第2凸部172とは、流れ方向Xに交互に並んで設けられている。各第1凸部171は、各第1凸部171の流れ方向Xの両側に形成され、対向方向Yに対して傾斜するとともに第2凸部172に連結される一対の傾斜部173を有している。
第1凸部171と第2凸部182とが直交方向Zにおいて隣り合うとともに、第2凸部172と第1凸部181とが直交方向Zにおいて隣り合うように、波状部170と波状部180とが直交方向Zにおいて隣り合って設けられている。
図5に示すように、各対向部160と発電部11との間には、各酸化剤ガス供給口16から供給された酸化剤ガスが流れる複数の主流路152が形成されている。各主流路152は、各対向部160に対応して形成されているため、直交方向Zにおいて互いに並列している。
なお、以降において、主流路152の流路断面積とは、流れ方向Xに直交する面における主流路152の流路断面積を指すものとする。
各対向部160と第2セパレータ40との間には、発電部11における電気化学反応により生成された生成水が流れる水路153が形成されている。
図6に示すように、第1流路部151には、各主流路152を連通する複数の連通路154が流れ方向Xに互いに間隔をおいて形成されている。各連通路154は、直交方向Zに直交する面において、各波状部170,180の各第1凸部171,181と、対向部160とにより区画される部分により構成されている。
流れ方向Xにおいて隣り合う2つの連通路154の間には、これら2つの連通路154を連通する副流路155が形成されている。各副流路155は直交方向Zに直交する面において、互いに隣接する波状部170及び波状部180の第1凸部171及び第1凸部181、より詳しくは、傾斜部173及び傾斜部183、並びに発電部11により区画される部分により構成されている。
なお、以降において、連通路154の流路断面積とは、直交方向Zに直交する面における連通路154の流路断面積を指し、副流路155の流路断面積とは、直交方向Zに直交する面における副流路155の流路断面積を指すものとする。
波状部170及び波状部180は、連通路154の流路断面積が副流路155の流路断面積よりも大きくなるように設けられている。このため、連通路154を流れる酸化剤ガスの圧力損失は、副流路155を流れる酸化剤ガスの圧力損失よりも小さくなる。したがって、主流路152を流れる酸化剤ガスの多くは、連通路154を通じて、当該主流路152に隣り合う主流路152に流れることとなる。
<第2流路部251>
第2流路部251の形状は、第1流路部151の形状に類似している。以降においては、第1流路部151の構成を示す符号「1**」に「100」を加算した符号「2**」を付すことにより、重複した説明を省略する場合がある。
図5及び図7に示すように、第2流路部251における各対向部260の直交方向Zの幅W2は、第1流路部151における各対向部160の直交方向Zの幅W1よりも大きい。また、各対向部260は、各対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11から離間した位置に設けられている。これらにより、第2流路部251における各主流路252の流路断面積は、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きくなる。
図6及び図8に示すように、第2流路部251における第1凸部271の頂部及び第1凸部281の頂部の流れ方向Xの長さL2は、第1流路部151における第1凸部171の頂部及び第1凸部181の頂部の流れ方向Xの長さL1よりも長い。これにより、第2流路部251における各連通路254の流路断面積は、第1流路部151における各連通路154の流路断面積よりも大きくなる。
なお、第2流路部251における各傾斜部273,283と、第1流路部151における各傾斜部173,183とは同一の形状をなしている。このため、第2流路部251における各副流路255の流路断面積は、第1流路部151における各副流路155の流路断面積と同一である。
<第3流路部351>
第3流路部351の形状は、第1流路部151の形状に類似している。以降においては、第1流路部151の構成を示す符号「1**」に「200」を加算した符号「3**」を付すことにより、重複した説明を省略する場合がある。
図5及び図9に示すように、第3流路部351における各対向部360の直交方向Zの幅W3は、第1流路部151における各対向部160の直交方向Zの幅W1と同一である。また、各対向部360は、各対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11に近接した位置に設けられている。これにより、第3流路部351における各主流路352の流路断面積は、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも小さくなる。
図6及び図10に示すように、第3流路部351における第1凸部371の頂部及び第1凸部381の頂部の流れ方向Xの長さL3は、第1流路部151における第1凸部171の頂部及び第1凸部181の頂部の流れ方向Xの長さL1よりも短い。これにより、第3流路部351における各連通路354の流路断面積は、第1流路部151における各連通路154の流路断面積よりも小さくなる。
なお、第3流路部351における各傾斜部373,383と、第1流路部151における各傾斜部173,183とは同一の形状をなしている。このため、第3流路部351における各副流路355の流路断面積は、第1流路部151における各副流路155の流路断面積と同一である。
図11に示すように、それぞれ流れ方向Xに沿って延在する各対向部160と各対向部360とは、発電部11からの距離が異なる。このため、これらの境界部分においては、段差部52が形成されている。
本実施形態の作用について説明する。
第2流路部251における各主流路252の流路断面積が、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きい。このため、第2流路部251の各主流路252における酸化剤ガスの圧力損失は、第1流路部151の各主流路152における酸化剤ガスの圧力損失よりも小さくなる。これにより、図12に矢印Aにて示すように、酸化剤ガス供給口16から第1流路部151の各主流路152に流入した酸化剤ガスは、各連通路154を通じて第2流路部251の各主流路252に向かって流れやすくなる(以上、作用1)。
また、第3流路部351における各主流路352の流路断面積が、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも小さい。このため、第3流路部351の各主流路352における酸化剤ガスの圧力損失は、第1流路部151の各主流路152における酸化剤ガスの圧力損失よりも大きくなる。これにより、酸化剤ガス供給口16から第1流路部151の各主流路152に流入した酸化剤ガスは、図12に矢印Aにて示すように、圧力損失が大きい第3流路部351よりも圧力損失が小さい第2流路部251に向かって流れやすくなる(以上、作用2)。
また、第2流路部251における各連通路254の流路断面積が、第1流路部151における各連通路154の流路断面積よりも大きい。このため、第2流路部251の各連通路254における酸化剤ガスの圧力損失は、第1流路部151の各連通路154における酸化剤ガスの圧力損失よりも小さくなる。これにより、図12に矢印Aにて示すように、酸化剤ガス供給口16から第1流路部151に流入した酸化剤ガスは、第2流路部251の各連通路254を通じて第2流路部251に流入しやすくなる。すなわち、酸化剤ガス供給口16から流入した酸化剤ガスが第1流路部151から第2流路部251に向かって流れやすくなる。(以上、作用3)。
また、第3流路部351における各連通路354の流路断面積が、第1流路部151における各連通路154の流路断面積よりも小さい。このため、第3流路部351の各連通路354における酸化剤ガスの圧力損失は、第1流路部151の各連通路154における酸化剤ガスの圧力損失よりも大きくなる。これにより、図12に矢印Aにて示すように、酸化剤ガス供給口16から第1流路部151に流入した酸化剤ガスは、第3流路部351における各連通路354よりも第2流路部251における各連通路254を通じて第2流路部251に向かって流れやすくなる。(以上、作用4)。
本実施形態の効果について説明する。
(1)ガス流路部51は、流れ方向Xに沿って延びるとともに直交方向Zにおいて互いに並列して設けられ、発電部11に対向する複数の対向部160,260を有している。各対向部160,260と発電部11との間には複数の主流路152,252が形成されている。ガス流路部51には、各主流路152,252を連通するとともに流れ方向Xに互いに間隔をおいて設けられる複数の連通路154,254が形成されている。第2流路部251における各主流路252の流路断面積は、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きい。
こうした構成によれば、上記作用1を奏することから、酸化剤ガス供給口16から流入した酸化剤ガスが第1流路部151から第2流路部251に向かって流れやすくなり、ガス流路部51のより広い範囲に酸化剤ガスを行き渡らせることができる。したがって、酸化剤ガスの分配性を高めることができる。
(2)第2流路部251の各対向部260は、第1流路部151の各対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11から離間した位置に設けられている。
こうした構成によれば、第2流路部251の各主流路252を形成する対向部260が、第1流路部151の各主流路152を形成する対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11から離間した位置に設けられている。このため、第2流路部251における各主流路252の流路断面積が、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きくなる。
このように、上記構成によれば、発電部11からの対向部260の距離を変更するという簡単な構成の変更により、第2流路部251における各主流路252の流路断面積を、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きくすることができる。
(3)第2流路部251の各対向部260における直交方向Zの幅W2は、第1流路部151の各対向部160における直交方向Zの幅W1よりも大きい。
こうした構成によれば、第2流路部251の各主流路252を形成する対向部260の幅W2が、第1流路部151の各主流路152を形成する対向部160の幅W1よりも大きい。このため、第2流路部251における各主流路252の流路断面積が、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きくなる。
このように、上記構成によれば、対向部260の直交方向Zにおける幅W2を変更するという簡単な構成の変更により、第2流路部251における各主流路252の流路断面積を、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きくすることができる。
(4)第3流路部351における各主流路352の流路断面積は、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも小さい。
こうした構成によれば、上記作用2を奏することから、酸化剤ガスの分配性を一層高めることができる。
(5)第3流路部351の各対向部360は、第1流路部151の各対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11に近接した位置に設けられている。
こうした構成によれば、第3流路部351の各主流路352を形成する対向部360が、第1流路部151の各主流路152を形成する対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11に近接した位置に設けられている。このため、第3流路部351における各主流路352の流路断面積が、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも小さくなる。
このように、上記構成によれば、発電部11からの対向部360の距離を変更するという簡単な構成の変更により、第3流路部351における各主流路352の流路断面積を、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも小さくすることができる。
(6)第1流路部151の各対向部160と、第3流路部351の各対向部360とは、段差部52を介して連なっている。
こうした構成によれば、流れ方向Xに沿って流れる反応ガスが段差部52に衝突するため、第1流路部151と第3流路部351との境界部分における酸化剤ガスの圧力損失が大きくなりやすい。これにより、第1流路部151と第3流路部351との酸化剤ガスの圧力損失差を大きくすることができる。
(7)第2流路部251における各連通路254の流路断面積は、第1流路部151における各連通路154の流路断面積よりも大きい。
こうした構成によれば、上記作用3を奏することから、酸化剤ガスの分配性を一層高めることができる。
(8)第3流路部351における各連通路354の流路断面積は、第1流路部151における各連通路154の流路断面積よりも小さい。
こうした構成によれば、上記作用4を奏することから、酸化剤ガスの分配性を一層高めることができる。
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図13に示すように、流れ方向Xの下流側において第1流路部151及び第2流路部251の双方に隣接する部分を第3流路部351とすることもできる。この場合、酸化剤ガスは第2流路部251から第3流路部351に向かって流れにくくなるため、直交方向Zに流れやすくなる。
・図14に示すように、ガス流路部51のうち、第1流路部151の直交方向Zの両側に隣接する部分に第2流路部251を設けることもできる。
・本実施形態では、第1流路部151の各副流路155の流路断面積と、第2流路部251の各副流路255の流路断面積とは同一であったが、図15に示すように、各副流路255の流路断面積を、各副流路155の流路断面積よりも大きくすることもできる。この場合、第2流路部251の各副流路255における酸化剤ガスの圧力損失は、第1流路部151の各副流路155における酸化剤ガスの圧力損失よりも小さくなる。これにより、酸化剤ガス供給口16から第1流路部151に流入した酸化剤ガスは、第2流路部251における各副流路255を介して第2流路部251に流入しやすくなる。すなわち、酸化剤ガス供給口16から流入した酸化剤ガスが第1流路部151から第2流路部251に向かって流れやすくなり、ガス流路部51のより広い範囲に酸化剤ガスを行き渡らせることができる。なお、本変更例では、各傾斜部273,283の対向方向Yに対する傾斜角度を、各傾斜部173,183の対向方向Yに対する傾斜角度よりも小さくすることにより、各副流路255の流路断面積が、各副流路155の流路断面積よりも大きくされている。
・本実施形態では、第1流路部151の各副流路155の流路断面積と、第3流路部351の各副流路355の流路断面積とは同一であったが、図16に示すように、各副流路355の流路断面積を、各副流路155の流路断面積よりも小さくすることもできる。この場合、第3流路部351の各副流路355における酸化剤ガスの圧力損失は、第1流路部151の各副流路155における酸化剤ガスの圧力損失よりも大きくなる。これにより、酸化剤ガス供給口16から第1流路部151に流入した酸化剤ガスは、第3流路部351における各副流路355よりも第2流路部251における各副流路255を通じて第2流路部251に流入しやすくなる。すなわち、酸化剤ガス供給口16から流入した酸化剤ガスが第1流路部151から第2流路部251に向かって流れやすくなり、ガス流路部51のより広い範囲に酸化剤ガスを行き渡らせることができる。なお、本変更例では、各傾斜部373,383の対向方向Yに対する傾斜角度を、各傾斜部173,183の対向方向Yに対する傾斜角度よりも大きくすることにより、各副流路355の流路断面積が、各副流路155の流路断面積よりも小さくされている。
・第1流路部151における各第1凸部171,181の頂部の長さL1と、第3流路部351における各第1凸部371,381の頂部の長さL3とを同一にすることもできる。この場合であっても、第3流路部351の各対向部360は、第1流路部151の各対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11に近接しているため、第3流路部351における各主流路352の流路断面積は、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも小さくなる。したがって、上記効果(4)を奏することができる。
・第1流路部151における各第1凸部171,181の頂部の長さL1と、第2流路部251における各第1凸部271,281の頂部の長さL2とを同一にすることもできる。この場合であっても、第2流路部251の各対向部260が、第1流路部151の各対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11から離間するとともに、各対向部260の幅W2が各対向部160の幅W1よりも大きい。このため、第2流路部251における各主流路252の流路断面積は、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きくなる。したがって、上記効果(1)~効果(3)を奏することができる。
・各傾斜部173,183,273,283,373,383の傾斜角度を変更することにより、各連通路154,254,354の流路断面積を変更することもできる。
・本実施形態において、第1流路部151では、直交方向Zにおいて並ぶ2つの対向部160同士の間には、波状部170と波状部180とが設けられるものであった。これらに代えて、2つの対向部160同士の間に、1つの波状部170または1つの波状部180のみを設けるようにしてもよいし、3つ以上の波状部170,180を設けるようにしてもよい。また、第2流路部251及び第3流路部351においても同様の変更を行うことができる。
・対向部160,260,360は、流れ方向Xの下流側に向かうほど対向方向Yにおいて発電部11側に近接するように傾斜していてもよい。この場合、流れ方向Xの下流側に向かうほど酸化剤ガスの圧力損失が徐々に大きくなる。
・第3流路部351の各対向部360の発電部11からの距離と、第1流路部151の各対向部160の発電部11からの距離とは同一であってもよい。この場合であっても、第3流路部351における各第1凸部371,381の頂部の長さL3が、第1流路部151における各第1凸部171,181の頂部の長さL1よりも短い。このため、第3流路部351の各連通路354の流路断面積は、第1流路部151の各連通路154の流路断面積よりも小さくなる。したがって、上記効果(8)を奏することができる。
・第3流路部351の各対向部360の発電部11からの距離と、第1流路部151の各対向部160の発電部11からの距離とを同一にするとともに、第3流路部351における各第1凸部371,381の頂部の長さL3と、第1流路部151における各第1凸部171,181の頂部の長さL1とを同一にすることもできる。この場合であっても、第2流路部251の各対向部260が、第1流路部151の各対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11から離間するとともに、各対向部260の幅W2が各対向部160の幅W1よりも大きい。また、第2流路部251における各第1凸部271,281の頂部の長さL2が、第1流路部151における各第1凸部171,181の頂部の長さL1よりも長い。これらのため、第2流路部251における各主流路252の流路断面積は、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きくなる。したがって、上記効果(1)~効果(3)を奏することができる。
・第2流路部251の各対向部260が、第1流路部151の各対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11から離間した位置に設けられていれば、各対向部260の幅W2と、各対向部160の幅W1とは同一であってもよい。
・第2流路部251の各対向部260の幅W2が、第1流路部151の各対向部160の幅W1よりも大きければ、各対向部260の発電部11からの距離と、各対向部160の発電部11からの距離とは同一であってもよい。
・本実施形態のガス流路形成板50は、酸化剤ガスが供給されるカソード側に設けられるものであったが、燃料ガスが供給されるアノード側に設けることもできる。
・ガス流路部51のうち、第1流路部151、第2流路部251、及び第3流路部351以外の部分の形状は適宜変更可能である。例えば、上記部分を第1流路部151と同一の形状とすることもできる。
10…単セル、11…発電部、12…燃料ガス供給口、13…燃料ガス排出口、14…冷却水供給口、15…冷却水排出口、16…酸化剤ガス供給口、17…酸化剤ガス排出口、18…仕切り部、20…MEGA、21…膜電極接合体、22…電解質膜、23…電極触媒層、24…アノード側ガス拡散層、25…カソード側ガス拡散層、30…第1セパレータ、31…燃料ガス流路、32…冷却水流路、40…第2セパレータ、50…ガス流路形成板、51…ガス流路部、52…段差部、60…枠部材、151…第1流路部、152,252,352…主流路、153,253,353…水路、154,254,354…連通路、155,255,355…副流路、160,260,360…対向部、170,270,370…波状部、171,271,371…第1凸部、172,272,372…第2凸部、173,273,373…傾斜部、180,280,380…波状部、181,281,381…第1凸部、182,282,382…第2凸部、183,283,383…傾斜部、251…第2流路部、351…第3流路部。

Claims (8)

  1. シート状の発電部と、前記発電部を厚さ方向において挟持する一対のセパレータと、前記一対のセパレータの少なくとも一方と前記発電部との間に設けられ、反応ガスが流通するガス流路部を構成するガス流路形成板と、前記ガス流路形成板の周囲に設けられ、前記ガス流路部に対して前記反応ガスを供給する供給口及び前記ガス流路部から前記反応ガスを排出する排出口を有する枠部材と、を備える単セルが複数積層されてなる燃料電池スタックにおいて、
    前記供給口から前記排出口に向かう前記反応ガスの流れ方向を流れ方向とし、前記発電部と前記ガス流路部とが対向する方向を対向方向とし、前記流れ方向と前記対向方向との双方に直交する方向を直交方向とするとき、
    前記ガス流路部は、前記流れ方向に沿って延びるとともに前記直交方向において互いに並列して設けられ、前記発電部に対向する複数の対向部を有しており、
    前記対向部の各々と前記発電部との間には複数の主流路が形成されており、
    前記ガス流路部には、前記主流路の各々を連通するとともに前記流れ方向に互いに間隔をおいて設けられる複数の連通路が形成されており、
    前記ガス流路部のうち、前記流れ方向において前記供給口に隣接する部分を第1流路部とし、前記直交方向において前記第1流路部に隣接する部分を第2流路部とするとき、
    前記第2流路部における前記主流路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記主流路の各々の流路断面積よりも大きい、
    燃料電池スタック。
  2. 前記第2流路部の前記対向部の各々は、前記第1流路部の前記対向部の各々よりも前記対向方向において前記発電部から離間した位置に設けられている、
    請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記第2流路部の前記対向部の各々における前記直交方向の幅は、前記第1流路部の前記対向部の各々における前記直交方向の幅よりも大きい、
    請求項1または請求項2に記載の燃料電池スタック。
  4. 前記ガス流路部のうち、前記流れ方向の下流側において前記第1流路部に隣接する部分を第3流路部とするとき、
    前記第3流路部における前記主流路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記主流路の各々の流路断面積よりも小さい、
    請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
  5. 前記第3流路部の前記対向部の各々は、前記第1流路部の前記対向部の各々よりも前記対向方向において前記発電部に近接した位置に設けられている、
    請求項4に記載の燃料電池スタック。
  6. 前記第1流路部の前記対向部の各々と、前記第3流路部の前記対向部の各々とは、段差部を介して連なっている、
    請求項5に記載の燃料電池スタック。
  7. 前記主流路の各々は、前記対向部の前記直交方向の両側に一体に設けられ、前記直交方向に直交する断面形状が波形状をなす一対の波状部同士の間であって、前記対向部と前記発電部との間に形成されており、
    前記波状部は、前記対向部よりも前記発電部側に突出するとともに前記発電部に当接する第1凸部と、前記対向部よりも前記セパレータ側に突出するとともに前記セパレータに当接する第2凸部とが前記流れ方向に交互に並んで設けられるものであり、
    前記連通路の各々は、前記第1凸部と前記対向部とにより区画されており、
    前記第2流路部における前記連通路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記連通路の各々の流路断面積よりも大きい、
    請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
  8. 前記ガス流路部のうち、前記流れ方向の下流側において前記第1流路部に隣接する部分を第3流路部とするとき、
    前記第3流路部における前記連通路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記連通路の各々の流路断面積よりも小さい、
    請求項7に記載の燃料電池スタック。
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