JP7176490B2 - 燃料電池スタック - Google Patents
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Description
ところが、各酸化剤ガス供給口が単セルの長辺の長さ方向に互いに間隔をおいて設けられていることから、互いに隣り合う酸化剤ガス供給口の間には、これら酸化剤ガス供給口を仕切る仕切り部が存在する。このため、酸化剤ガス供給口からガス流路部を通じて酸化剤ガス排出口に向かう酸化剤ガスは、上記仕切り部と隣り合う部分には流れにくい。したがって、ガス流路部のより広い範囲に反応ガスを行き渡らせる、すなわち反応ガスの分配性を高める上では、なお、改善の余地がある。
同構成によれば、流れ方向に沿って流れる反応ガスが段差部に衝突するため、第1流路部と第3流路部との境界部分における反応ガスの圧力損失が大きくなりやすい。これにより、第1流路部と第3流路部との反応ガスの圧力損失差を大きくすることができる。
各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については実際と異なる場合がある。
図2に示すように、ガス流路形成板50の周囲には、樹脂材料からなり、平面視略長方形板状をなす枠部材60が設けられている。本実施形態の枠部材60には、MEGA20とガス流路形成板50とが重ね合わされた状態で嵌め込まれている。枠部材60は、第1セパレータ30と第2セパレータ40とにより厚さ方向において挟持されている。
以降において、酸化剤ガス供給口16から酸化剤ガス排出口17に向かう酸化剤ガスの流れ方向を流れ方向Xと称し、発電部11とガス流路形成板50のガス流路部51とが対向する方向を対向方向Yと称する。また、流れ方向Xと対向方向Yとの双方に直交する方向を直交方向Zと称する。
<MEGA20>
図1に示すように、MEGA20は、膜電極接合体21と、いずれも炭素繊維からなり、膜電極接合体21を挟持するアノード側ガス拡散層24及びカソード側ガス拡散層25とを備えている。膜電極接合体21は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を有する固体高分子材料からなる電解質膜22と、電解質膜22を挟持する一対の電極触媒層23とを備えている。各電極触媒層23には、燃料電池における反応ガスの電気化学反応を促進するために例えば白金などの触媒が担時されている。
図1に示すように、第1セパレータ30は、ステンレス鋼などの金属板材をプレス成形することにより形成されている。第1セパレータ30の中央部は、MEGA20のアノード側ガス拡散層24に当接している。また、図示は省略するが、第1セパレータ30の中央部よりも外周側の部分は、枠部材60に当接している。
図1に示すように、第2セパレータ40は、ステンレス鋼などの金属板材をプレス成形することにより形成されている。第2セパレータ40の対向方向Yの一方側の面は、ガス流路形成板50に当接している。第2セパレータ40の対向方向Yの他方側の面は、当該第2セパレータ40を備える単セル10に隣接する単セル10における第1セパレータ30に当接している。
図3に示すように、ガス流路形成板50は、例えばステンレス鋼などの金属板材をロール成形することにより形成される。
<第1流路部151>
図3、図5、及び図6に示すように、第1流路部151は、流れ方向Xに沿って延在するとともに直交方向Zにおいて互いに並列して設けられ、発電部11に対向する複数の対向部160を有している。各対向部160は、略四角棒状をなしている。なお、図3は、ガス流路部51の基本的な形状である第1流路部151を示す斜視図である。
各波状部170,180は、同一の形状を有している。このため、以降では、波状部170の構成についてのみ説明し、波状部180の構成については、波状部170の符号「17*」に「10」を加算した符号「18*」を付すことにより重複した説明を省略する。
各対向部160と第2セパレータ40との間には、発電部11における電気化学反応により生成された生成水が流れる水路153が形成されている。
第2流路部251の形状は、第1流路部151の形状に類似している。以降においては、第1流路部151の構成を示す符号「1**」に「100」を加算した符号「2**」を付すことにより、重複した説明を省略する場合がある。
第3流路部351の形状は、第1流路部151の形状に類似している。以降においては、第1流路部151の構成を示す符号「1**」に「200」を加算した符号「3**」を付すことにより、重複した説明を省略する場合がある。
第2流路部251における各主流路252の流路断面積が、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きい。このため、第2流路部251の各主流路252における酸化剤ガスの圧力損失は、第1流路部151の各主流路152における酸化剤ガスの圧力損失よりも小さくなる。これにより、図12に矢印Aにて示すように、酸化剤ガス供給口16から第1流路部151の各主流路152に流入した酸化剤ガスは、各連通路154を通じて第2流路部251の各主流路252に向かって流れやすくなる(以上、作用1)。
(1)ガス流路部51は、流れ方向Xに沿って延びるとともに直交方向Zにおいて互いに並列して設けられ、発電部11に対向する複数の対向部160,260を有している。各対向部160,260と発電部11との間には複数の主流路152,252が形成されている。ガス流路部51には、各主流路152,252を連通するとともに流れ方向Xに互いに間隔をおいて設けられる複数の連通路154,254が形成されている。第2流路部251における各主流路252の流路断面積は、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きい。
こうした構成によれば、第2流路部251の各主流路252を形成する対向部260が、第1流路部151の各主流路152を形成する対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11から離間した位置に設けられている。このため、第2流路部251における各主流路252の流路断面積が、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きくなる。
こうした構成によれば、第2流路部251の各主流路252を形成する対向部260の幅W2が、第1流路部151の各主流路152を形成する対向部160の幅W1よりも大きい。このため、第2流路部251における各主流路252の流路断面積が、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも大きくなる。
こうした構成によれば、上記作用2を奏することから、酸化剤ガスの分配性を一層高めることができる。
こうした構成によれば、第3流路部351の各主流路352を形成する対向部360が、第1流路部151の各主流路152を形成する対向部160よりも対向方向Yにおいて発電部11に近接した位置に設けられている。このため、第3流路部351における各主流路352の流路断面積が、第1流路部151における各主流路152の流路断面積よりも小さくなる。
こうした構成によれば、流れ方向Xに沿って流れる反応ガスが段差部52に衝突するため、第1流路部151と第3流路部351との境界部分における酸化剤ガスの圧力損失が大きくなりやすい。これにより、第1流路部151と第3流路部351との酸化剤ガスの圧力損失差を大きくすることができる。
こうした構成によれば、上記作用3を奏することから、酸化剤ガスの分配性を一層高めることができる。
こうした構成によれば、上記作用4を奏することから、酸化剤ガスの分配性を一層高めることができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態では、第1流路部151の各副流路155の流路断面積と、第2流路部251の各副流路255の流路断面積とは同一であったが、図15に示すように、各副流路255の流路断面積を、各副流路155の流路断面積よりも大きくすることもできる。この場合、第2流路部251の各副流路255における酸化剤ガスの圧力損失は、第1流路部151の各副流路155における酸化剤ガスの圧力損失よりも小さくなる。これにより、酸化剤ガス供給口16から第1流路部151に流入した酸化剤ガスは、第2流路部251における各副流路255を介して第2流路部251に流入しやすくなる。すなわち、酸化剤ガス供給口16から流入した酸化剤ガスが第1流路部151から第2流路部251に向かって流れやすくなり、ガス流路部51のより広い範囲に酸化剤ガスを行き渡らせることができる。なお、本変更例では、各傾斜部273,283の対向方向Yに対する傾斜角度を、各傾斜部173,183の対向方向Yに対する傾斜角度よりも小さくすることにより、各副流路255の流路断面積が、各副流路155の流路断面積よりも大きくされている。
・本実施形態において、第1流路部151では、直交方向Zにおいて並ぶ2つの対向部160同士の間には、波状部170と波状部180とが設けられるものであった。これらに代えて、2つの対向部160同士の間に、1つの波状部170または1つの波状部180のみを設けるようにしてもよいし、3つ以上の波状部170,180を設けるようにしてもよい。また、第2流路部251及び第3流路部351においても同様の変更を行うことができる。
・ガス流路部51のうち、第1流路部151、第2流路部251、及び第3流路部351以外の部分の形状は適宜変更可能である。例えば、上記部分を第1流路部151と同一の形状とすることもできる。
Claims (8)
- シート状の発電部と、前記発電部を厚さ方向において挟持する一対のセパレータと、前記一対のセパレータの少なくとも一方と前記発電部との間に設けられ、反応ガスが流通するガス流路部を構成するガス流路形成板と、前記ガス流路形成板の周囲に設けられ、前記ガス流路部に対して前記反応ガスを供給する供給口及び前記ガス流路部から前記反応ガスを排出する排出口を有する枠部材と、を備える単セルが複数積層されてなる燃料電池スタックにおいて、
前記供給口から前記排出口に向かう前記反応ガスの流れ方向を流れ方向とし、前記発電部と前記ガス流路部とが対向する方向を対向方向とし、前記流れ方向と前記対向方向との双方に直交する方向を直交方向とするとき、
前記ガス流路部は、前記流れ方向に沿って延びるとともに前記直交方向において互いに並列して設けられ、前記発電部に対向する複数の対向部を有しており、
前記対向部の各々と前記発電部との間には複数の主流路が形成されており、
前記ガス流路部には、前記主流路の各々を連通するとともに前記流れ方向に互いに間隔をおいて設けられる複数の連通路が形成されており、
前記ガス流路部のうち、前記流れ方向において前記供給口に隣接する部分を第1流路部とし、前記直交方向において前記第1流路部に隣接する部分を第2流路部とするとき、
前記第2流路部における前記主流路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記主流路の各々の流路断面積よりも大きい、
燃料電池スタック。 - 前記第2流路部の前記対向部の各々は、前記第1流路部の前記対向部の各々よりも前記対向方向において前記発電部から離間した位置に設けられている、
請求項1に記載の燃料電池スタック。 - 前記第2流路部の前記対向部の各々における前記直交方向の幅は、前記第1流路部の前記対向部の各々における前記直交方向の幅よりも大きい、
請求項1または請求項2に記載の燃料電池スタック。 - 前記ガス流路部のうち、前記流れ方向の下流側において前記第1流路部に隣接する部分を第3流路部とするとき、
前記第3流路部における前記主流路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記主流路の各々の流路断面積よりも小さい、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。 - 前記第3流路部の前記対向部の各々は、前記第1流路部の前記対向部の各々よりも前記対向方向において前記発電部に近接した位置に設けられている、
請求項4に記載の燃料電池スタック。 - 前記第1流路部の前記対向部の各々と、前記第3流路部の前記対向部の各々とは、段差部を介して連なっている、
請求項5に記載の燃料電池スタック。 - 前記主流路の各々は、前記対向部の前記直交方向の両側に一体に設けられ、前記直交方向に直交する断面形状が波形状をなす一対の波状部同士の間であって、前記対向部と前記発電部との間に形成されており、
前記波状部は、前記対向部よりも前記発電部側に突出するとともに前記発電部に当接する第1凸部と、前記対向部よりも前記セパレータ側に突出するとともに前記セパレータに当接する第2凸部とが前記流れ方向に交互に並んで設けられるものであり、
前記連通路の各々は、前記第1凸部と前記対向部とにより区画されており、
前記第2流路部における前記連通路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記連通路の各々の流路断面積よりも大きい、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。 - 前記ガス流路部のうち、前記流れ方向の下流側において前記第1流路部に隣接する部分を第3流路部とするとき、
前記第3流路部における前記連通路の各々の流路断面積は、前記第1流路部における前記連通路の各々の流路断面積よりも小さい、
請求項7に記載の燃料電池スタック。
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