JP7174608B2 - 補強シートおよび補強構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、補強シートおよび補強構造体、詳しくは、各種産業製品に貼着して、その製品を補強するための補強シート、および、その補強シートを用いた補強構造体に関する。
従来より、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機などの輸送機器、ホームドアなどの取付構造物に対し、補強のために、補強シートを、輸送機器などの金属パネルに貼着することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1には、エポキシ樹脂、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、硬化剤および発泡剤を含有する鋼板補強用樹脂組成物からなる樹脂層と、ガラスクロスからなる拘束層とを備える鋼板補強シートが記載されている。
特許文献1に記載の補強シートでは、高温加熱によって樹脂層を発泡させて、被着体(鋼板)に貼着する。この補強シートは、樹脂層が発泡により厚くなるため、曲げ強度が向上している。
特開2005-139218号公報
しかしながら、特許文献1の補強シートでは、樹脂層の上面にガラスクロスが配置されているため、樹脂層の発泡の際に、発泡剤から生じる気体がガラスクロスを透過する。そのため、所望の厚みに達成せず、曲げ強度が低下する不具合が生じる。
また、特許文献1の補強シートは、加熱硬化の際に樹脂層が面方向に収縮または膨張するため、金属パネルに歪みを生じる。特に近年、軽量化のため、金属パネルとして、鋼板の代わりにアルミニウム板が用いられたり、薄型の鋼板が用いられることがあり、このような金属パネルは、特に歪みが生じ易い。
本発明は、曲げ強度に優れ、パネルの歪みを抑制できる補強シートおよび補強構造体を提供することにある。
本発明[1]は パネルに貼着される補強シートであって、 発泡剤を含有し、単層からなる発泡性樹脂層と、 前記発泡性樹脂層の厚み方向一方側に配置される金属層とを備え、厚み方向に前記補強シートを貫通する貫通孔を有する、補強シートを含んでいる。
本発明[2]は、前記金属層の線熱膨張係数が、5×10-6以上、30×10-6以下である、[1]に記載の補強シートを含んでいる。
本発明[3]は、前記金属層の厚みが、0.01mm以上、3mm以下である、[1]または[2]に記載の補強シートを含んでいる。
本発明[4]は、前記補強シートの平面視面積に対する前記貫通孔の平面視面積の割合が、10%以上、80%以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の補強シートを含んでいる。
本発明[5]は、前記貫通孔が、略楕円形状または略円形状である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の補強シートを含んでいる。
本発明[6]は、前記貫通孔が、少なくとも中心領域に形成されている、[1]~[5]のいずれか一項に記載の補強シートを含んでいる。
本発明[7]は、前記パネルが、金属パネルである、[1]~[6]のいずれか一項に記載の補強シートを含んでいる。
本発明[8]は、パネルと、前記パネルの厚み方向一方側に配置される補強シートと
を備える補強構造体であって、前記補強シートは、前記パネルの厚み方向一方側に配置され、単層からなる発泡体層と、前記発泡体層の厚み方向一方側に配置される金属層とを備え、前記補強シートは、厚み方向に貫通する貫通孔を有する、補強構造体を含んでいる。
本発明[9]は、前記パネルが、金属パネルである、[8]に記載の補強構造体を含んでいる。
本発明[10]は、前記金属層の線熱膨張係数Cに対する、前記パネルの線熱膨張係数Cの比(C/C)が、0.4以上、3以下であることを特徴とする、[8]または[9]に記載の補強構造体を含んでいる。
本発明の補強シートによれば、発泡剤を含有し、単層からなる発泡性樹脂層と、発泡性樹脂層の厚み方向一方側に配置される金属層とを備えるため、発泡性樹脂層が発泡する際に、発泡剤からの気体が金属層を透過することを抑制することができる。そのため、発泡性樹脂層の発泡性に優れ、所望の厚みの発泡体層を得ることができる。したがって、補強シートの曲げ強度に優れる。
また、補強シートは、貫通孔を有するため、パネルの歪みを抑制することができる。
本発明の補強構造体は、歪みが抑制されつつ、強度が向上している。
図1A-Bは、本発明の一実施形態の補強シートであって、図1Aは、平面視、図1Bは、図1AのA-A断面図を示す。 図2A-Bは、図1に示す補強シートを用いて金属パネル構造体を製造する工程図であって、図2Aは、金属パネルに補強シートを配置する工程、図2Bは、補強シートを発泡する工程を示す。 図3は、補強シートの一実施形態の変形例(貫通孔が円形状である形態)を示す。 図4は、補強シートの一実施形態の変形例(中心領域のみに、複数の貫通孔が形成されている形態)を示す。 図5は、補強シートの一実施形態の変形例(第1方向に延びる複数の貫通孔が形成されている形態)を示す。 図6は、補強シートの一実施形態の変形例(中心領域および外側領域に、複数の貫通孔が形成されている形態)を示す。 図7は、補強シートの一実施形態の変形例(補強シートの外形が、楕円形状である形態)を示す。 図8A-Bは、歪み試験を実施する際の模式図であって、図8Aは、平面図、図8Bは、底面図を示す。
図1Aにおいて、紙面上下方向は、第1方向であり、紙面上側が第1方向一方側、紙面下側が第1方向他方側である。紙面左右方向は、第2方向(第1方向に直交する方向)であり、紙面左側が第2方向一方側、紙面右側が第2方向他方側である。紙厚方向は、第3方向(第1方向および第2方向に直交する方向)であり、紙面手前側が第3方向一方側(厚み方向一方側)、紙面奥側が第3方向他方側(厚み方向他方側)である。他の図面についても図1Aの方向に準拠する。
<第1実施形態>
1.補強シート
本発明の第1実施形態の一実施形態である補強シート1は、図1Aに示すように、面方向(第1方向および第2方向)に延びるシート形状を有する。
補強シート1は、厚み方向から視認した際に(平面視において)、外形が、第2方向(面方向一方向の一例)に長尺な略矩形状である。
補強シート1は、第1方向対称(図1Aの紙面上では、上下対称)であり、かつ、第2方向対称(図1Aの紙面上では、左右対称)である。
補強シート1は、中心領域9に、1つの大貫通孔2(貫通孔の一例)を有する。大貫通孔2は、図1Bに示すように、補強シート1を厚み方向(第3方向)に貫通する。大貫通孔2は、中心領域9内に包含される。
大貫通孔2は、第2方向に長尺な略楕円形状である。大貫通孔2は、厚み方向に投影したときに、補強シート1の中心Cと重複しており、大貫通孔2の中心は、補強シート1の中心Cと一致する。
中心領域9とは、補強シート1の中心Cを中心領域の中心として、補強シート1の平面視面積に対して50%(好ましくは、30%)の面積を有する相似形状(矩形状)の範囲内である(図1Aの仮想線を参照)。なお、補強シート1の中心Cは、補強シート1を均一な素材と仮定した際の補強シート1の重心とする。
補強シート1の平面視面積(補強シート1の外形で囲まれた面積であって、大貫通孔2の面積を含む。)は、例えば、25cm以上、好ましくは、200cm以上、より好ましくは、400cm以上であり、また、例えば、6000cm以下、好ましくは、4500cm以下、より好ましくは、3200cm以下である。
補強シート1の第1方向長さ(短手方向長さ)L1は、例えば、5cm以上、好ましくは、10cm以上、より好ましくは、15cm以上であり、また、例えば、60cm以下、好ましくは、50cm以下、より好ましくは、40cm以下である。
補強シート1の第2方向長さ(長手方向長さ)L2は、例えば、5cm以上、好ましくは、20cm以上、より好ましくは、30cm以上であり、また、例えば、100cm以下、好ましくは、90cm以下、より好ましくは、80cm以下である。
補強シート1の平面視面積に対する大貫通孔2の平面視面積の割合は、例えば、5%以上、好ましくは、10%以上、より好ましくは、20%以上であり、また、例えば、90%以下、好ましくは、80%以下、より好ましくは、70%以下、さらに好ましくは、40%以下である。
面積割合や長さが上記範囲内であれば、パネルの歪みを均一に抑制することができる。
補強シート1は、図1Bに示すように、発泡性樹脂層3と、発泡性樹脂層3の厚み方向一方側に配置される金属層4とを備える。すなわち、補強シート1は、発泡性樹脂層3および金属層4を厚み方向に備える。
発泡性樹脂層3は、補強シート1を被着体に接着するための接着層である。発泡性樹脂層3は、補強シート1の外形をなし、第1方向および第2方向に延びるシート状に形成されている。また、発泡性樹脂層3は、単層からなる。このため、発泡性樹脂層3を均一に発泡して、単層からなる発泡体層13を形成して、補強シート1の曲げ強度を確実に向上させることができる。
発泡性樹脂層3は、樹脂および発泡剤を含有する。このため、発泡によって発泡性樹脂層3の厚みを増大させ、補強シート1の曲げ強度を確実に向上させることができる。
発泡性樹脂層3は、樹脂および発泡剤を含有する発泡性樹脂組成物から形成されている。
樹脂としては、好ましくは、熱硬化性樹脂が挙げられる。これにより、発泡性樹脂層3は、熱硬化性を有することができる。そのため、加熱によって補強シート1を金属パネル(被着体)に確実に貼り付けて、強固に固定することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、ナフタレン型エポキシ樹脂などの芳香族系エポキシ樹脂、例えば、トリエポキシプロピルイソシアヌレート樹脂などの含窒素環エポキシ樹脂、例えば、脂肪族系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(例えば、ジシクロ環型エポキシ樹脂など)、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
発泡剤は、加熱により発泡する加熱発泡剤であって、例えば、無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。
無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。
有機系発泡剤としては、例えば、N-ニトロソ系化合物(N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミンなど)、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリルなど)、フッ化アルカン(トリクロロモノフルオロメタンなど)、ヒドラジン系化合物(4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)など)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)など)、セミカルバジド系化合物(p-トルイレンスルホニルセミカルバジドなど)、トリアゾール系化合物(5-モルホリル-1,2,3,4-チアトリアゾールなど)などが挙げられる。好ましくは、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)が挙げられる。
発泡剤の配合割合は、樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、20質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
発泡性樹脂組成物は、好ましくは、さらにゴムを含有する。これにより、発泡性樹脂層3に柔軟性を付与することができる。また、発泡性樹脂層3を、好ましくは、発泡性の熱硬化性弾性樹脂層である。発泡性樹脂層3が弾性体層であれば、金属パネルの歪みをより一層抑制することができる。
ゴムとしては、例えば、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴムなどが挙げられる。好ましくは、NBRおよびポリブタジエンゴムの併用が挙げられる。
ゴムの配合割合は、樹脂100質量部に対して、例例えば、10質量部以上、好ましくは、20質量部以上、好ましくは、40質量部以上であり、また、例えば、500質量部以下、好ましくは、300質量部以下、好ましくは、100質量部以下である。
また、発泡性樹脂組成物には、上記成分に加えて、粘着付与剤、充填材、エポキシ樹脂硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、顔料、チクソ材などの添加剤を適宜の割合で添加することもできる。
発泡性樹脂層3(発泡前)の厚みは、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.2mm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、5mm以下である。
金属層4は、発泡性樹脂層3(または後述する発泡体層13)を拘束し、発泡性樹脂層3に靱性を付与して強度の向上を図るための拘束層である。金属層4は、発泡性樹脂層3の上面に積層されている。金属層4は、補強シート1の外形をなすシート状に形成され、詳しくは、金属層4は、平面視において、発泡性樹脂層3と同一形状に形成されている。すなわち、金属層4の外周端縁は、厚み方向において、発泡性樹脂層3の外周端縁と面一であり、また、金属層4の内周端縁(大貫通孔2の周端縁)は、それぞれ、厚み方向において、発泡性樹脂層3の内周端縁と面一である。
金属層4としては、例えば、アルミニウム箔、鋼箔などが挙げられる。
金属層4の線熱膨張係数Cは、例えば、5×10-6以上、好ましくは、7×10-6以上、より好ましくは、10×10-6以上であり、また、例えば、30×10-6以下、好ましくは、25×10-6以下である。
金属層4の厚みは、例えば、0.01mm以上、好ましくは、0.05mm以上であり、また、例えば、3mm以下、好ましくは、1mm以下である。
補強シート1は、金属層4と発泡性樹脂層3との積層体を作製し、パンチング、トムソン加工、レーザー加工などによって、積層体の外形加工および貫通孔の形成を実施することにより、得られる。積層体は、特開2010-56112号公報などに記載の方法によって得ることができる。
2.補強シートの使用方法
補強シート1は、パネルを補強するために用いられ、具体的には、例えば、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機などの輸送機器を構成する輸送機器パネル(部品)、例えば、ホームドアなどの取付構造物を構成する取付機器パネル(部品)などを補強するために用いられる。
輸送機器パネルとしては、例えば、自動車用途では、ドアパネル、ルーフパネル、フェンダー、ボンネット、バンパーなどが挙げられる。
機械部品パネルや取付機器パネルは、パネルから構成されており、好ましくは、金属パネルから構成されている。金属パネルとしては、例えば、アルミニウム板、鋼板、銅板、亜鉛板、真鍮板などが挙げられる。好ましくは、軽量化の観点から、アルミニウム板が挙げられる。
パネルの厚みは、例えば、2mm以下、好ましくは、1.5mm以下であり、また、例えば、0.1mm以上である。
補強シート1を用いてパネルを補強する方法の一実施形態を、図2A~図2Bを参照して説明する。
まず、図2Aに示すように、金属パネル5の厚み方向一方側に、補強シート1を配置する。具体的には、補強シート1の発泡性樹脂層3の厚み方向他方面を金属パネル5の厚み方向一方面に接触させる。
次いで、図2Bに示すように、補強シート1が配置された金属パネル5を加熱する。これにより、発泡性樹脂層3は、発泡して、発泡体層13となり、その結果、発泡補強シート11が得られる。また、発泡性樹脂層3が熱硬化性を有する場合は、発泡性樹脂層3は、硬化されて、硬化発泡体層13となり、発泡補強シート11が金属パネル5に固定される。
加熱温度は、例えば、140℃以上、好ましくは、160℃以上であり、また、例えば、220℃以下、好ましくは、200℃以下である。
加熱時間は、例えば、5分以上、好ましくは、10分以上であり、また、例えば、60分以下、好ましくは、30分以下である。
発泡性樹脂層3の発泡倍率は、発泡性樹脂層3が金属層4に積層されているため、発泡樹脂層3にガラスクロスが積層されている場合よりも大きい。具体的には、例えば、2.0倍以上、好ましくは、3.0倍以上であり、また、例えば、10倍以下である。発泡倍率は、発泡前の発泡性樹脂層3の厚みに対する発泡体層13(発泡後の発泡性樹脂層)の厚みの比(発泡後の厚み/発泡前の厚み)によって算出される。
これにより、金属パネル5と、その厚み方向一方側に配置される発泡補強シート11とを備える補強構造体6が得られる。
発泡補強シート11は、発泡体層13と、その厚み方向一方側に配置される金属層4とを備える。発泡補強シート11は、中心領域9に、1つの大貫通孔2を有する。
発泡体層13は、発泡性樹脂層3が発泡することにより得られる発泡体である。発泡体層13は、平面視において、金属層4と略同一形状に形成されている。また、発泡体層13は、単層からなる。
発泡体層13の厚みは、例えば、0.3mm以上、好ましくは、1.5mm以上であり、また、例えば、15mm以下、好ましくは、9mm以下である。
金属層4の線熱膨張係数Cに対する、金属パネル5の線熱膨張係数Cの比(C/C)は、例えば、0.4以上、好ましくは、0.6以上、より好ましくは、0.8以上であり、また、例えば、3以下、好ましくは、2以下、より好ましくは、1.5以下である。これにより、金属パネル5の歪みを抑制することができる。
この補強シート1は、発泡性樹脂層3と、その厚み方向一方側に配置される金属層4とを備える。このため、発泡性樹脂層3が発泡する際に、発泡剤からの気体が金属層4を透過することを抑制することができる。そのため、発泡性樹脂層3の発泡性に優れ、所望の厚みの樹脂層(具体的には、発泡体層13)を得ることができる。したがって、補強シート1の曲げ強度に優れる。
また、補強シート1は、大貫通孔2を有するため、補強シート1を金属パネル5に配置して、発泡性樹脂層3を発泡させた際に、発泡性樹脂層3が面方向に収縮または膨張することによって生じる応力(特に、金属層4や金属パネル5の中心領域に向かって集中する応力)を緩和することができるため、金属パネル5の歪みを抑制することができる。
また、大貫通孔2が、少なくとも中心領域9に形成されている。このため、金属層4の中心に集中する応力を確実に緩和することができ、均一かつ確実に金属パネル5の歪みを抑制することができる。
金属パネル構造体6は、補強シート1を金属パネル5に貼着して、発泡および固定したものである。すなわち、金属パネル構造体6は、金属パネル5と、その厚み方向一方側に配置される発泡補強シート11とを備える。また、発泡補強シート11は、金属パネル5の厚み方向一方側に配置される発泡体層13と、その厚み方向方側に配置される金属層4とを備え、発泡補強シート11は、大貫通孔2を有する。そのため、金属パネル構造体6は、歪みが抑制されており、かつ、強度が向上している。
3.変形例
図3~図7を参照して、第1実施形態の補強シート1の変形例について説明する。なお、変形例において、上記した第1実施形と同様の部材には、同様の符号を付し、その説明を省略する。実施形態および変形例は適宜組み合わせることもできる。
(1)図1Aに示す実施形態では、補強シート1は、略楕円形状の大貫通孔2を有しているが、補強シート1は、図3に示すように、略円形状(略真円形状)の大貫通孔2を有することもできる。すなわち、図1Aの大貫通孔2の形状は、平面上の2定点からの距離の和が実質的に一定となる点の集合から作られる曲線であって、長径および短径を有する。一方、図3の大貫通孔2の形状は、平面上の1定点からの距離が実質的に一定となる点の集合から作られる曲線である。
図3に示す実施形態も図1Aと同様の作用効果を奏する。好ましくは、補強シート1の第2方向に沿って、歪みを抑制できる観点から、図1Aに示す実施形態が挙げられる。
(2)図1Aに示す実施形態では、補強シート1は、一の大貫通孔2を有しているが、例えば、図4~図6に示すように、複数の小貫通孔8(貫通孔の一例)を有していてもよい。
図4に示す実施形態では、複数(5つ)の小貫通孔8が中心領域9(仮想線内)のみに形成されている。各小貫通孔8は、互いに同一形状であり、互いに円周向に沿って等間隔に配置されている。小貫通孔8は、円形状である。
図5に示す実施形態では、複数(4つ)の一方向(第1方向)に長尺な小貫通孔8が中心領域9およびその外周領域に形成されている。各小貫通孔8は、互いに同一形状であり、第2方向に沿って等間隔に配置されている。
図6に示す実施形態では、複数(15)の小貫通孔8が中心領域およびその外周領域に形成されている。各小貫通孔8は、互いに同一形状であり、第1方向および第2方向に沿って等間隔に整列配置されている。
なお、図4~図6に示す実施形態において、貫通孔の面積とは、小貫通孔8の総面積をいう。
小貫通孔8の個数は限定されず、適宜決定することができる。また、小貫通孔8の面積も限定されず、適宜決定することができるが、好ましくは、小貫通孔8の面積は、大貫通孔2の面積と略同一である。
図4~図6に示す実施形態も図1Aと同様の作用効果を奏する。好ましくは、製造適性(加工性)の観点から、図1Aに示す実施形態が挙げられる。
(3)図1Aに示す実施形態では、補強シート1の外形は、略矩形状であるが、その外形は特に制限されず、例えば、図7に示すように、補強シート1は、略楕円形状であってもよく、また、図示しないが、略円形状であってもよい。これらの実施形態も図1Aと同様の作用効果を奏する。
また、図1Aに示す実施形態では、大貫通孔2の中心は、補強シート1の中心Cと一致している(同一円)が、例えば、図示してないが、大貫通孔2の中心は、補強シート1の中心Cと一致しなくてもよい(偏心していてもよい)。
(4)図示しないが、補強シート1は、発泡性樹脂層3の厚み方向他方側に、セパレータを備えていてもよい。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1
平面視略矩形状のアルミニウム箔(第1方向長さ50mm、第2方向長さ100mm、厚み0.2mm、UACJ社製、「3003」、線熱膨張係数24×10-6)の一方面全面に、発泡性の接着テープ(発泡性の熱硬化性弾性樹脂層、単層、第1方向長さ50mm、第2方向長さ100mm、厚み1.0mm)を貼り付け、中心領域に、楕円形状(短軸長さ20mm×長軸長さ40mm)の貫通孔を形成した。これにより、実施例1の補強シートを製造した(図1A参照)。
なお、発泡性の熱硬化性弾性樹脂層は、以下の材料から形成されている。
・ビスフェノール型エポキシ樹脂70質量部(ジャパンエポキシレジン社製、「エピコート#872」)
・ビスフェノール型エポキシ樹脂30質量部(ADEKA社製、「EP-4080E」)
・ポリブタジエンゴム40質量部(旭化成ケミカルズ社製、「タフデン2003」)
・アクリロニトリルブタジエンゴム10質量部(日本ゼオン社製、「Nipol 1052J」)
・発泡剤2.5質量部(永和化成工業社製、「N#10000S」)
・粘着付与剤50質量部(東ソー社製、石油樹脂、「ペトロタック90V」)
・充填材50質量部(丸尾カルシウム社製、重質炭酸カルシウム)
・硬化剤3質量部(日本カーバイド鉱業社製、ジシアンジアミド)
・加硫剤12質量部(鶴見化学工業社製、「金華印微粉硫黄」)
・加硫促進剤6質量部(大内新興化学社製、「ノクセラーDM」)
比較例1
貫通孔を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の補強シートを製造した。
比較例2
アルミニウム箔をガラスクロス(厚み0.2mm)に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2の補強シートを製造した。
(発泡性試験)
実施例および各比較例の補強シートを、発泡性樹脂層が接触するように、アルミニウム板(第1方向長さ50mm、第2方向長さ100mm、厚み1mm)の全面に貼着し、続いて、180℃で20分間加熱して、発泡性樹脂層を発泡させた。これにより、金属パネル構造体を作製した。このときの発泡倍率(発泡体層の厚み/発泡性樹脂層の厚み)を測定した。結果を表1に示す。
(曲げ強度試験)
実施例または各比較例の補強シートを、アルミニウムパネル(「A6061」、第1方向長さ25mm、第2方向長さ150mm、厚み1.0mm、線熱膨張係数24×10-6)の一方面全面に、20℃雰囲気下で貼着し、180℃で20分加熱した。これにより、発泡性樹脂層を発泡硬化させて、試験片(補強構造体)を得た。
その後、アルミニウムパネルが上向きとなる状態で、各試験片を100mmの間隔で支持し、その長さ方向中央において、テスト用バーを垂直方向上方から圧縮速度5mm/分にて降下させ、アルミニウムパネルに接触してから、補強シートが1mmまたは2mmに変位したときの曲げ強度(N)を測定した。結果を表1に示す。
(歪み試験)
実施例または各比較例の補強シート1(第1方向長さ50mm、第2方向長さ100mm)を、アルミニウムパネル5(「A6061」、第1方向長さ200mm、第2方向長さ300mm、厚み1mm)の上面の中央部分に、20℃雰囲気下で、貼着した(図8A参照)。次いで、第1方向180mm幅において1mmピッチで、第2方向200mm幅において5mmピッチで、アルミニウムパネルの下面の測定箇所10を決定し(図8B参照)、その表面凹凸の変位を、レーザー変位計を用いて測定した。
その後、補強シート貼着アルミニウムパネルを垂直に立てた状態で、180℃、20分加熱することにより、発泡性樹脂層を発泡硬化させて、補強構造体を得た。補強構造体のアルミニウムパネルの下面に対して、再度、同条件で、表面凹凸の変位を測定した。
加熱後の変位と加熱前の変位との差を計算し、最大値を歪み量とした。結果を表1に示す。
Figure 0007174608000001
表1から、実施例1および比較例1を比較すると、実施例1の方が、歪み量が小さくなっていることが分かる。また、比較例1および比較例2を比較すると、拘束層を金属層とすることによって発泡倍率が上昇していることが分かる。さらに、補強シートに貫通孔を有する実施例1であっても、比較例2と比べて発泡倍率が上昇していることが分かる。
1 補強シート
2 大貫通孔
3 発泡性樹脂層
4 金属層
5 金属パネル
6 金属パネル構造体
8 小貫通孔
9 中心領域
13 発泡体層

Claims (9)

  1. パネルに貼着される補強シートであって、
    発泡剤を含有し、単層からなる発泡性樹脂層と、
    前記発泡性樹脂層の厚み方向一方側に配置される金属層と
    を備え、
    厚み方向に前記補強シートを貫通する貫通孔を有し、
    前記貫通孔が、少なくとも中心領域に形成されていることを特徴とする、補強シート。
  2. 前記金属層の線熱膨張係数が、5×10-6以上、30×10-6以下であることを特徴とする、請求項1に記載の補強シート。
  3. 前記金属層の厚みが、0.01mm以上、3mm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の補強シート。
  4. 前記補強シートの平面視面積に対する前記貫通孔の平面視面積の割合が、10%以上、80%以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の補強シート。
  5. 前記貫通孔が、略楕円形状または略円形状であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の補強シート。
  6. 前記パネルが、金属パネルであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の補強シート。
  7. パネルと、
    前記パネルの厚み方向一方側に配置される補強シートと
    を備える補強構造体であって、
    前記補強シートは、
    前記パネルの厚み方向一方側に配置され、単層からなる発泡体層と、
    前記発泡体層の厚み方向一方側に配置される金属層と
    を備え、
    前記補強シートは、厚み方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記貫通孔が、少なくとも中心領域に形成されていることを特徴とする、補強構造体。
  8. 前記パネルが、金属パネルであることを特徴とする、請求項7に記載の補強構造体。
  9. 前記金属層の線熱膨張係数C1に対する、前記パネルの線熱膨張係数C2の比(C2/C1)が、0.4以上、3以下であることを特徴とする、請求項7まは8に記載の補強構造体。
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