JP7173965B2 - 試料中の非結合C5aの定量化方法 - Google Patents

試料中の非結合C5aの定量化方法 Download PDF

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Description

配列表の組み込み
本出願は配列表を含んでおり、該配列表はASCIIフォーマットで電子的に提出されたものであり、かつその全体が参照により本明細書に援用される。このASCIIコピーは2017年10月18日に作成され、1900-427PCT_SL.txtという名称であり、サイズは22,607バイトである。
本発明は、免疫関連疾患および遊離(非結合)薬剤標的の定量化アッセイの分野に関する。
補体タンパク質C5aは、代替的な補体カスケードの重要な成分であり、アレクシオン社の薬物、ALXN1007の標的である。この標的が適切に定量化されることは、疾患状態のモニタリング、モデリング、投薬量選択、ラベル・クレームなどの複数の理由にとって不可欠である。ALXN1007は、ヒトC5aに対して60pMの親和性を有するが、ヒトC5に対しては5nMの親和性でもある。C5に対する親和性は、C5転換酵素がC5をC5aおよびC5bに切断する場合のネオエピトープ(neoepitope)アベイラビリティに基づくものであり、また時間の関数である。C5に対するこの低いレベルの親和性により、バイオアッセイにおいてC5aの定量化に対して相加効果を有することができるものであるが、これはALXN1007のように、C5aに対してのみ特異的である二次抗体が存在せず、それらもまたより低い親和性でC5に結合するという理由によるものである。薬剤がリガンド結合アッセイフォーマットにおいて捕捉抗体として使用されるとき、C5がALXN1007によって結合される場合、タンパク質の一部が、抗C5a抗体によって認識および結合されることとなり、それによって真のC5aであるものを過大評価することにつながる。
本開示は、試料からの遊離(非結合)ヒトC5a補体タンパク質(C5a)を定量化する方法を提供するものであって、該方法が、
a.試料からヒトC5を除去することであって、試料を、磁気ビーズに結合したC5特異的ビオチン化抗体と共にインキュベートし、ヒトC5に結合したC5特異的ビオチン化抗体に結合した該磁気ビーズを磁石で捕捉することと、
b.ストレパビジン(strepavidin)被覆粒子に対して、ビオチン化抗C5a捕捉抗体を結合させることであって、前記ビオチン化抗C5a捕捉抗体は、ストレパビジン被覆粒子を含むカラムを備えるGyros Bioaffy 200 CDに毛細管作用によって付着して、該CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、ビオチン化抗C5a捕捉抗体が、カラム中のストレパビジン被覆粒子へと動かされることと、
c.試料中の遊離(非結合)C5aを捕捉抗体上で捕捉することであって、工程aの後の試料が毛細管作用によってCDに付着して、前記CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、工程aの後の試料が、カラム中のストレパビジン被覆粒子上に結合したビオチン化抗C5a捕捉抗体へと動かされることと、
d.捕捉された遊離C5aを検出することであって、アレクサフルオール(AlexaFluor)標識抗C5a検出抗体が、毛細管作用によってCDに付着して、前記抗C5a検出抗体が、捕捉抗体によって結合されるエピトープとは異なるエピトープにおいてC5aに結合し、前記CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、検出抗体が、カラム中のストレパビジン被覆粒子に結合された捕捉抗体に結合された遊離C5aへと動かされることと、
e.レーザー誘発蛍光検出を使用して捕捉された遊離C5aを定量化することと、を含む。
本開示を制限することなく、本開示の多数の実施形態を説明の目的で以下に記載する。
項1 試料からの遊離(非結合)ヒトC5a補体タンパク質(C5a)を定量化する方法であって、該方法が、
a.試料からヒトC5を除去することであって、試料を、磁気ビーズに結合したC5特異的ビオチン化抗体と共にインキュベートし、ヒトC5に結合したC5特異的ビオチン化抗体に結合した該磁気ビーズを磁石で捕捉することと、
b.ストレパビジン(strepavidin)被覆粒子に対して、ビオチン化抗C5a捕捉抗体を結合させることであって、前記ビオチン化抗C5a捕捉抗体は、ストレパビジン被覆粒子を含むカラムを備えるGyros Bioaffy 200 CDに毛細管作用によって付着して、該CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、ビオチン化抗C5a捕捉抗体が、カラム中のストレパビジン被覆粒子へと動かされることと、
c.試料中の遊離(非結合)C5aを捕捉抗体上で捕捉することであって、工程aの後の試料が毛細管作用によってCDに付着して、前記CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、工程aの後の試料が、カラム中のストレパビジン被覆粒子に結合したビオチン化抗C5a捕捉抗体へと動かされることと、
d.捕捉された遊離C5aを検出することであって、アレクサフルオール(AlexaFluor)標識抗C5a検出抗体が、毛細管作用によってCDに付着して、前記抗C5a検出抗体が、捕捉抗体によって結合されるエピトープとは異なるエピトープにおいてC5aに結合し、前記CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、検出抗体が、カラム中のストレパビジン被覆粒子に結合された捕捉抗体に結合された遊離C5aへと動かされることと、
e.レーザー誘発蛍光検出を使用して捕捉された遊離C5aを定量化することと、を含む。
項2 工程cから得た値を、請求項1の方法(少なくとも工程b~eであり、工程aは任意である)を使用してC5a枯渇試料に添加した既知の量のC5aから作成した標準曲線と比較することによって、遊離C5a抗体の濃度または量を計算することをさらに含む、項1記載の方法。
項3 Gyros Evaluatorソフトウェアを用いて遊離C5抗体の濃度を計算することをさらに含む、項1または項2に記載の方法。
項4 試料がヒト患者から獲得される、先行する項のいずれか一つに記載の方法。
項5 前記試料が血清試料である、項4に記載の方法。
項6 患者を抗C5a抗体で治療している、先行する項のいずれか一つに記載の方法。
項7 患者をALXN1007で治療している、項6に記載の方法。
項8 磁気ビーズがDynabead磁気ビーズである、先行する項のいずれか一つに記載の方法。
項9 C5特異的抗体が、ビオチン化N19/8である、先行する項のいずれか一つに記載の方法。
項10 ビオチン化捕捉抗体がALXN1007である、先行する項のいずれか一つに記載の方法。
項11 抗C5a検出抗体がクローン2942である、先行する項のいずれか一つに記載の方法。
項12 試料の希釈に、Rexxip AN緩衝液または1M NaCl/0.5% Tween 20緩衝液が使用され、検出抗体の希釈に、Rexxip F緩衝液が使用される、先行する項のいずれか一つに記載の方法。
項13 Gyros機器を、Bioaffy wash 1およびpH11緩衝液を用いて別個に二回プライミングすることをさらに含む、先行する項のいずれか一つに記載の方法。
本発明のこれらおよびその他の態様に従って、多数のその他の態様が提供される。本発明のその他の特徴および態様は、以下の発明を実施するための形態および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになる。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
試料からの遊離(非結合)ヒトC5a補体タンパク質(C5a)を定量化する方法であって、前記方法が、
a.前記試料からヒトC5を除去することであって、前記試料を、磁気ビーズに連結したC5特異的ビオチン化抗体と共にインキュベートし、ヒトC5に結合したC5特異的ビオチン化抗体に連結した前記磁気ビーズを磁石で捕捉することと、
b.ストレパビジン(strepavidin)被覆粒子に対して、ビオチン化抗C5a捕捉抗体を結合させることであって、前記ビオチン化抗C5a捕捉抗体は、前記ストレパビジン被覆粒子を含むカラムを備えるGyros Bioaffy 200 CDに毛細管作用によって添加されて、前記CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、前記ビオチン化抗C5a捕捉抗体が、前記カラム中の前記ストレパビジン被覆粒子へと動かされることと、
c.前記試料中の前記遊離(非結合)C5aを前記捕捉抗体上で捕捉することであって、工程aの後の前記試料が毛細管作用によって前記CDに添加されて、
前記CDが前記Gyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、前記工程aの後の前記試料が、前記カラム中の前記ストレパビジン被覆粒子上に結合した前記ビオチン化抗C5a捕捉抗体へと動かされることと、
d.捕捉された遊離C5aを検出することであって、アレクサフルオール(AlexaFluor)標識抗C5a検出抗体が、毛細管作用によって前記CDに添加されて、前記抗C5a検出抗体が、前記捕捉抗体によって結合されるエピトープとは異なるエピトープにおいてC5aに結合し、前記CDが前記Gyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、前記検出抗体が、前記カラム中の前記ストレパビジン被覆粒子に結合した前記捕捉抗体に結合した前記遊離C5aへと動かされることと、
e.レーザー誘発蛍光検出を使用して前記捕捉された遊離C5aを定量化することと、を含む、方法。
(項目2)
工程cから得た値を、項目1の方法を使用してC5a枯渇試料に添加した既知の量のC5aから作成した標準曲線と比較することによって、遊離C5a抗体の濃度または量を計算することをさらに含む、項目1記載の方法。
(項目3)
Gyros Evaluatorソフトウェアを用いて遊離C5抗体の濃度を計算することをさらに含む、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記試料がヒト患者から得られる、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記試料が血清試料または血漿試料である、項目4記載の方法。
(項目6)
患者が抗C5a抗体で治療されている、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記患者がALXN1007で治療されている、項目6記載の方法。
(項目8)
前記磁気ビーズがDynabead磁気ビーズである、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記C5特異的抗体が、ビオチン化N19/8である、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記ビオチン化捕捉抗体がALXN1007である、項目1から9のいずれか一項に
記載の方法。
(項目11)
前記抗C5a検出抗体がクローン2942である、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
試料の希釈に、Rexxip AN緩衝液または1M NaCl/0.5% Tween 20緩衝液が使用され、前記検出抗体の希釈に、Rexxip F緩衝液が使用される、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記Gyros機器を、Bioaffy wash 1およびpH11緩衝液を用いて別個に二回プライミングすることをさらに含む、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
図1は、遊離C5aビーズ処理の平行性を示すグラフである。
図2は、三つ組でなされた標準曲線の例である。
図3は、C5aおよびC5に対するビーズの効果を示す。
図4は、Rexxip AN対1M NaCl/0.5% Tween 20でビーズの効果を示す。
図5は、遊離C5aの早期のビーズ処理の選択性を示す。
本明細書で使用される場合、名詞の前の「a」または「複数の」という語は、特定の名詞のうちの一つ以上を表す。例えば、「哺乳動物細胞」という語句は、「一つ以上の哺乳動物細胞」を表す。
「哺乳動物細胞」という語は当技術分野で公知であり、例えば、ヒト、ハムスター、マウス、ミドリザル、ラット、ブタ、ウシ、ハムスター、またはウサギを含む、任意の哺乳動物からのまたは由来の任意の細胞を指すことができる。一部の実施形態では、哺乳動物細胞は、不死化細胞、分化細胞、未分化細胞、幹細胞などであり得る。
本明細書で使用される場合、「対象(subject)」および「患者」という語は区別せずに使用される。患者または対象は、ヒト患者またはヒト対象でありうる。
「組換えタンパク質」という語は当技術分野で公知である。簡潔に述べると、「組換えタンパク質」という語は、細胞培養系を使用して製造することができるタンパク質を指すことができる。細胞培養系の細胞は、例えば、ヒト細胞を含む哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、または細菌細胞に由来することができる。一般的に、細胞培養中の細胞は、関心の組換えタンパク質をコードする導入核酸を含有する(この核酸は、プラスミドベクターなどのベクター上で生じ得る)。組換えタンパク質をコードする核酸は、タンパク質をコードする核酸に動作可能に連結された異種プロモーターを含むこともできる。
「免疫グロブリン」という語は当技術分野で公知である。簡潔に述べると、「免疫グロブリン」という語は、免疫グロブリンタンパク(例えば、可変ドメイン配列、フレームワーク配列、または定常ドメイン配列)の少なくとも15個のアミノ酸(例えば、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、または100個のアミノ酸、または100個以上のアミノ酸)のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指すことができる。例えば、免疫グロブリンは、例えば、軽鎖免疫グロブリンの少なくとも15個のアミノ酸、例えば、CDR H3などの重鎖免疫グロブリンの少なくとも15個のアミノ酸を含むことができる。免疫グロブリンは、単離された抗体(例えば、IgG、IgE、IgD、IgA、またはIgM)であってもよい。免疫グロブリンは、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)のサブクラスであってもよい。免疫グロブリンは、抗体断片、例えば、Fab断片、F(ab’)断片、またはscFvとすることができる。免疫グロブリンはまた、少なくとも一つの免疫グロブリンドメインを含む改変タンパク質とすることができる(例えば、融合タンパク質)。改変タンパク質または免疫グロブリン様タンパク質はまた、二重特異性抗体もしくは三重特異性抗体、または二量体、三量体もしくは多量体の抗体、またはダイアボディ、DVD-Ig、CODV-Ig、Affibody(登録商標)もしくはNanobody(登録商標)とすることができる。免疫グロブリンの非限定的な例が本明細書に記載されており、免疫グロブリンのさらなる例は当技術分野で公知である。
「改変タンパク質(engineered protein)」という語は当技術分野で公知である。簡潔に述べると、「改変タンパク質」という語は、生物体(例えば、哺乳動物)内に存在する内因性核酸によって自然にコードされないポリペプチドを指すことができる。改変タンパク質の例には、改変酵素であって、該改変酵素の安定性および/もしくは触媒活性の増加をもたらす一つ以上のアミノ酸の置換、欠失、挿入または付加を伴う改変酵素、融合タンパク質、ヒト化抗体、キメラ抗体、二価抗体、三価抗体、四結合ドメイン抗体、ダイアボディ、ならびに、少なくとも一つの組換えscaffold配列を含有する抗体結合タンパク質が挙げられる。
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という語は区別なく使用され、当技術分野で公知であり、長さまたは翻訳後修飾に関わらず、アミノ酸の任意のペプチド結合連結鎖を意味することができる。
「抗体」という語は当技術分野で公知である。「抗体」という語は、「免疫グロブリン」という語と区別なく使用されうる。簡潔に述べると、それは、二つの軽鎖ポリペプチドと二つの重鎖ポリペプチドとを含む全抗体を指しうる。全抗体には、IgM、IgG、IgA、IgD、及びIgE抗体を含む異なる抗体アイソタイプが含まれる。「抗体」という語は、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ化抗体またはキメラ抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体(primatized antibody)、脱免疫化抗体、および完全ヒト抗体を含む。抗体は、例えば、ヒトなどの哺乳動物、非ヒト霊長類(例えば、オランウータン、ヒヒ、またはチンパンジー)、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、アレチネズミ(gerbil)、ハムスター、ラット、およびマウスなどの種々の種のいずれかにおいて作られるか、またはそれらに由来しうる。抗体は、精製抗体または組換え抗体とすることができる。
抗体はまた、少なくとも一つの免疫グロブリンドメインを含む改変タンパク質または抗体様タンパク質とすることができる(例えば、融合タンパク質)。改変タンパク質または抗体様タンパク質はまた、二重特異性抗体もしくは三重特異性抗体、または二量体、三量体もしくは多量体の抗体、またはダイアボディ、DVD-Ig、CODV-Ig、Affibody(登録商標)もしくはNanobody(登録商標)とすることができる。
「抗体断片」、「抗原結合断片」という語、または類似の語は、当技術分野で公知であり、例えば、標的抗原(例えば、ヒトC5)に結合して該標的抗原の活性を阻害する能力を保持する抗体の断片を指す。かかる断片としては、例えば、一本鎖抗体、一本鎖Fv断片(scFv)、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、またはF(ab’)2断片が挙げられる。scFv断片は、scFvの由来となる抗体の重鎖可変領域と軽鎖可変領域との両方を含む一本鎖ポリペプチドである。さらに、細胞内抗体(intrabody)、ミニボディ(minibody)、トリアボディ(triabody)、およびダイアボディもまた、抗体の定義内に含まれ、本明細書に記載の方法での使用に適合する。例えば、Todorovska et al.(2001)J Immunol Methods 248(1):47-66;Hudson and Kortt(1999)J Immunol Methods 231(1):177-189;Poljak(1994)Structure 2(12):1121-1123;Rondon and Marasco(1997)Annual Review of Microbiology 51:257-283を参照されたい。抗原結合断片は、重鎖ポリペプチドの可変領域、および軽鎖ポリペプチドの可変領域も含みうる。従って、抗原結合断片は、抗体の軽鎖ポリペプチドおよび重鎖ポリペプチドのCDRを含むことができる。
「抗体断片」という語はまた、例えば、ラクダ化された(camelized)単一ドメイン抗体等である単一ドメイン抗体を含み得る。例えば、Muyldermans et al.(2001)Trends Biochem Sci 26:230-235;Nuttall et al.(2000)Curr Pharm Biotech 1:253-263;Reichmann et al.(1999)J Immunol Meth 231:25-38;PCT出願国際公開第94/04678および第94/25591号、ならびに米国特許第6,005,079号を参照されたい。「抗体断片」という語はまた、単一ドメイン抗体が形成されるように修飾を有する二つのVドメインを含む単一ドメイン抗体を含む。
「抗体」という語はまた、「抗原結合断片」および「抗体断片」を含む。
「k」という語は、当技術分野で周知であり、抗原に対する抗体の会合に関する速度定数を指すことができる。「k」という語もまた、当技術分野で周知であり、抗体/抗原複合体からの抗体の解離に関する速度定数を指すことができる。そして「K」という語は、当技術分野で公知であり、抗体抗原相互作用の平衡解離定数を指すことができる。平衡解離定数は、運動速度定数K=k/kの比から推定される。こうした決定は、典型的には、25℃または37℃で測定される。例えば、ヒトC5に結合する抗体の動態は、抗体を固定する抗Fc抗体捕捉法を使用して、BIAcore 3000機器上の表面プラズモン共鳴(「SPR」)を介して、pH8.0、7.4、7.0、6.5および6.0で決定することができる。
「例えば」および「(例えば)~など(等)の」という語およびそれらと文法的に同等なものに関して、「限定されない」という語句は、別段の明示がない限り、以下に従うことが理解される。本明細書で使用される場合、「約」という語は、実験誤差による変動を考慮することを意味する。本明細書に報告されるすべての測定値は、別段の明示がない限り、「約」という語が明文で用いられていても用いられていなくても、「約」という語によって変形されるものと理解される。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈により別途明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解される意味と同じ意味を有する。本発明で使用するための方法および材料が本明細書に記載されており、当技術分野で公知のその他の適切な方法および材料も使用できる。材料、方法、および実施例は単に例示的なものであり、限定することを意図していない。本明細書に記載されるすべての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリー、およびその他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾する場合、定義を含めて本明細書が考慮される。
捕体系
周知のように、補体系は、体の他の免疫学系と共に作用することで、細胞病原体およびウイルス病原体の侵入に対して防御する。少なくとも25個の補体タンパク質がある。補体成分は、複雑だが正確な一連の酵素的切断および膜結合イベントにおいて相互作用することにより、それらの免疫防御機能を達成する。その結果である補体カスケードが、オプソニン作用、免疫調節作用および溶解作用を有する産物の産生を導く。
補体カスケードは、古典経路(「CP」)、レクチン経路(「LP」)、または副経路(「AP」)を経て進行することができる。レクチン経路は典型的には、高マンノースである基質にマンノース結合レクチン(「MBL」)が結合することにより開始される。APは抗体と独立であることができ、病原体表面上の特定の分子によって開始されうる。CPは、典型的には、標的細胞上の抗原部位の抗体認識および該抗原部位への結合によって開始される。これらの経路は、C3転換酵素に収束するが、これは補体成分C3が活性プロテアーゼによって切断されてC3aおよびC3bが得られる点である。
APのC3転換酵素は、補体成分C3の自発的な加水分解によって始動されるが、これは血液中の血漿内に豊富である。このプロセスはまた、「tickover」としても知られており、C3におけるチオエステル結合の自発的な開裂を経て生じ、C3iまたはC3(HO)を形成する。tickoverは、活性化されたC3の結合をサポートする、および/または中性もしくは陽性の電荷特性を持つ表面(例えば、細菌細胞表面)の存在によって促進される。このC3(HO)の形成が、血漿タンパク質因子Bの結合を可能にし、これは次に因子Dにより因子BがBaおよびBbに切断される。Bb断片はC3に結合したままであり、C3(HO)Bb-「液相(fluid-phase)」または「開始(initiation)」のC3転換酵素、を含有する複合体を形成する。少量で生成されるのみであるが、液相C3転換酵素は、複数のC3タンパク質をC3aおよびC3bに切断することができ、C3bの生成とその後のある表面(例えば、細菌表面)へのC3bの共有結合とが結果として生じる。表面結合性C3bに結合した因子Bは、因子Dによって切断されて、それによってC3b、Bbを含有する表面結合性AP C3転換酵素複合体を形成する。例えば、Muller-Eberhard(1988)Ann Rev Biochem 57:321-347を参照されたい。
APのC5転換酵素-(C3b),Bb-は、第二のC3bモノマーがAP C3転換酵素に付加すると形成される。例えば、Medicus et al.(1976)J Exp Med 144:1076-1093およびFearon et al.(1975)J Exp Med 142:856-863を参照されたい。第二のC3b分子の役割は、C5に結合して、Bbでの切断のためにそれを提示することである。例えば、Isenman et al.(1980)J Immunol 124:326-331を参照されたい。APのC3転換酵素およびC5転換酵素は、例えば、上記したMedicus et al.(1976)に記載されるような、三量体タンパク質プロパージンの付加によって安定化される。しかしながら、プロパージンの結合は、機能的な副経路のC3転換酵素またはC5転換酵素の形成には不用である。例えば、Schreiber et al.(1978)Proc Natl Acad Sci USA 75: 3948-3952、およびSissons et al.(1980)Proc Natl Acad Sci USA 77:559-562を参照されたい。
CPのC3転換酵素は、C1q、C1r、およびC1sの複合体である補体成分C1が、標的抗原(例えば、微生物抗原)に結合している抗体と相互作用することによって形成される。C1のC1q部分が抗体抗原複合体に結合することで、Clrを活性化させるものであるC1の構造変化が生じる。活性C1rは次に、C1に会合したC1sを切断し、それによって活性型セリンプロテアーゼが生成する。活性C1sは、補体成分C4をC4bおよびC4aに切断する。C3bと同様に、新たに生成されたC4b断片は、標的表面(例えば、微生物細胞表面)上の適切な分子とのアミド結合またはエステル結合を容易に形成する非常に反応性の高いチオールを含有する。C1sはまた、補体成分C2をC2bおよびC2aに切断する。C4bおよびC2aによって形成される複合体は、CPのC3転換酵素であり、これはC3をC3aおよびC3bに処理する能力を有する。CPのC5転換酵素-C4b、C2a、C3b-は、C3bモノマーがCPのC3転換酵素に付加すると形成される。例えば、上記したMuller-Eberhard(1988)、およびCooper et al.(1970)J Exp Med 132:775-793を参照されたい。
C3bはまた、C3転換酵素およびC5転換酵素におけるその役割に加えて、マクロファージおよび樹状細胞などの抗原提示細胞の表面上に存在する補体受容体とのその相互作用を通してオプソニンとして機能する。C3bのオプソニン作用は、概して、補体系の最も重要な抗感染機能の一つであると考えられている。C3bの作用を阻害する遺伝子病変を有する患者は、多種多様な病原性生物体に感染しやすく、一方、補体カスケードシーケンス下流の病変を有する患者、すなわち、C5の作用を阻害する病変を有する患者は、ナイセリア(Neisseria)感染のみに対してより感染しやすいため、いくらか感染しやすいのみであることが判明している。
APおよびCPのC5転換酵素は、C5を切断するが、これは正常なヒト血清中において約75μg/ml(0.4μM)で見られる190kDaのベータグロブリンである。C5はグリコシル化されており、その質量の約1.5~3パーセントが炭水化物に起因する。成熟C5は、655アミノ酸の75kDaのベータ鎖にジスルフィド結合している、999アミノ酸の115kDaのアルファ鎖のヘテロ二量体である。C5は、単一コピー遺伝子の一本鎖前駆体タンパク質産物として合成される(Haviland et al.(1991)J Immunol.146:362-368)。このヒト遺伝子の転写物のcDNA配列が、18アミノ酸リーダー配列に加えて1658個のアミノ酸のうちの分泌されたプロC5前駆体を予測する。例えば、米国特許第6,355,245号を参照されたい。
プロC5前駆体は、655アミノ酸および659アミノ酸の後で切断されて、アミノ末端断片(上記配列のアミノ酸残基+1~655)としてのベータ鎖と、カルボキシル末端断片(上記配列のアミノ酸残基660~1658)としてのアルファ鎖とが得られ、この二つの間にある四個のアミノ酸(上記配列のアミノ酸残基656~659)は欠失している。
C5aは、アルファ鎖のうちの最初の74個のアミノ酸(すなわち、上記配列のアミノ酸残基660~733)を含むアミノ末端断片として、副経路または古典経路のいずれかのC5転換酵素によってC5のアルファ鎖から切断される。11kDa質量のC5aの約20パーセントは、炭水化物に起因する。転換酵素作用(convertase action)の切断部位は、アミノ酸残基733においてであるかまたはそれに直接隣接している。この切断部位にまたは隣接して結合することとなる化合物は、C5コンバターゼ酵素が切断部位に接近するのを阻害し、それによって補体阻害剤として作用する可能性がある。切断部位の遠位部位でC5に結合する化合物は、例えば、C5とC5転換酵素との相互作用の立体障害介在性阻害によってC5切断を阻害する可能性もある。化合物はまた、マダニ唾液(tick saliva)の補体阻害剤であるOrnithodoros moubata C阻害剤(OmCI)の作用機序と一致する作用機序において、C5転換酵素のC5切断部位への接近を減少させる、C5のアルファ鎖のC345Cドメインの柔軟性を低下させることによってC5切断を防止しうる。例えば、Fredslund et al.(2008)Nat Immunol 9(7):753-760を参照されたい。
C5はC5転換酵素活性以外の手段によって活性化することもできる。制限されたトリプシン消化(例えば、Minta and Man(1997)J Immunol 119:1597-1602およびWetsel and Kolb(1982)J Immunol 128:2209-2216)および酸処理(Yamamoto and Gewurz(1978)J Immunol 120:2008およびDamerau et al.(1989)Molec Immunol 26:1133-1142)により、C5を切断して活性C5bを産生することもできる。
C5の切断により、強力なアナフィラトキシンおよび走化性因子であるC5aが放出され、溶解性終末補体複合体C5b-9の形成がもたらされる。C5aおよびC5b-9はまた、加水分解酵素、活性酸素種、アラキドン酸代謝産物、および様々なサイトカインなどの下流炎症因子の放出を増幅することによって、多面発現的な細胞活性化特性も有する。
終末補体複合体の形成の第一工程は、C5bをC6、C7、およびC8と組み合わせることを含み、C5b-8複合体を標的細胞表面で形成する。C5b-8複合体がいくつかのC9分子と結合すると、膜傷害複合体(「MAC」、終末補体複合体「TCC」であるC5b-9)が形成される。標的細胞膜に十分な数のMACを挿入すると、それらが作り出す開口(MACポア)が、赤血球などの標的細胞の急速な浸透圧溶解に介在する。非溶解(non-lytic)性の濃度の低いMACは、その他の影響を生じうる。特に、内皮細胞および血小板への少数のC5b-9複合体の膜内挿入は、有害な細胞活性化を引き起こす可能性がある。一部の事例では、活性化が細胞溶解に先行しうる。
C3aおよびC5aはアナフィラトキシンである。これらの活性化された補体成分は、好塩基球および肥満細胞からのヒスタミン、ならびに、平滑筋収縮、血管透過性亢進、白血球活性化、および、細胞過形成をもたらす細胞増殖を含めた他の炎症性の現象をもたらす他の炎症の介在物質が放出される、肥満細胞の脱顆粒を誘発することがある。C5aはまた、炎症促進性顆粒球を補体活性化部位に引き付ける働きをする走化性ペプチドとして機能する。
C5a受容体は、気管支および肺胞の上皮細胞ならびに気管支の平滑筋細胞の表面上で発見される。C5a受容体は、好酸球、肥満細胞、単球、好中球、および活性化リンパ球上でも発見されている。
補体系が適切に機能することで、微生物に感染することに対して頑強な防御がもたらされる一方、補体の不適切な制御または活性化が、例えば、関節リウマチ;ループス腎炎;喘息;虚血再灌流障害;非典型溶血性尿毒症症候群(「aHUS」);デンスデポジット病;発作性夜間血色素尿症(PNH);黄斑変性症(例えば、加齢性黄斑変性;溶血、肝酵素上昇および血小板低下の症候群(HELLP症候群);血小板減少性血栓性紫斑病(TTP);自然死産;Pauci-immune型血管炎;表皮水疱症;習慣性流産;多発性硬化症(MS);外傷性脳損傷;ならびに、心筋梗塞、心肺バイパスおよび血液透析から生じた損傷を含む、様々な障害の発症に関与してきた。例えば、Holers et al.(2008)Immunological Reviews 223:300-316を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「C5a」という用語は、プロテアーゼC5転換酵素によるヒト補体成分C5のC5aおよびC5b断片への切断により放出されるタンパク質断片を指す。ヒトC5のプロフォーム(proform)、1676アミノ酸残基前駆体タンパク質は、一連のタンパク質切断事象によって処理される。最初の18個のペプチド(-18~-1で番号付けられた)は、前駆体タンパク質から切断されるシグナルペプチドを構成する。残りの1658アミノ酸タンパク質は、二箇所で切断されてアルファ鎖およびベータ鎖を形成する。第一の切断事象は、アミノ酸残基655と656との間で発生する。第二の切断は、アミノ酸残基659と660との間で発生する。二つの切断事象が、以下の三つの独立のポリペプチド断片の形成をもたらす:(i)アミノ酸1~655を含む断片、ベータ鎖と称する;(ii)アミノ酸660~1658を含む断片、アルファ鎖と称する;および(iii)アミノ酸656~659からなるテトラペプチド断片。このアルファ鎖およびベータ鎖のポリペプチド断片は、ジスルフィド結合を介して相互に接続され、成熟C5タンパク質を構成する。CPまたはAPのC5転換酵素は、アルファ鎖の残基733と734との間を切断することによって成熟C5を活性化し、結果としてこれがC5a断片(アミノ酸660~733)の遊離をもたらす。成熟C5の残りの部分は断片C5bであり、これはベータ鎖にジスルフィド結合したアルファ鎖の残基734~1658を含有する。生体内では、C5aは血清酵素、カルボキシペプチダーゼBによって、カルボキシル末端のアルギニン残基を欠いているものである「C5a desarg」と称される73アミノ酸形態に急速に代謝される。
抗C5a抗体
本明細書で開示されている方法での使用に適した抗C5a抗体(またはそれから誘導されるV/Vドメイン)は、当技術分野で周知の方法を使用して生成することができる。あるいは、当技術分野で認識されている抗C5a抗体を使用できる。C5aに結合する、これら当技術分野で認識されている抗体のいずれかと競合する抗体もまた使用できる。
例示的な抗C5a抗体は、それぞれ配列番号10および2で示す配列を有する重鎖および軽鎖を含むBNJ383(「ALXN1007」としても知られる)であるか、またはその抗原結合断片および変異体である。BNJ383は、国際特許出願国際公開第2011/137395号(例えば、表2)および米国特許第9,011,852号に記載されており、これらの教示は参照により本明細書に援用される。BNJ383は、補体成分C5aおよびその代謝産物C5a desArgに結合する組換えヒト化モノクローナル抗体である。生体外および生体内での非臨床データおよび進行中の第I相臨床試験からのデータが、BNJ383は、忍容性良好であり、そのエピトープに対して非常に特異的であり、C5a媒介性のシグナル伝達の強力なアンタゴニストであり、また循環からのC5a/C5a desArgを枯渇させるということを実証している。
他の実施形態では、抗体は、BNJ383の重鎖および軽鎖のCDRまたは可変領域を含む。一実施形態では、抗体は、配列番号12に記載された配列を有するBNJ383のV領域のCDR1、CDR2、およびCDR3ドメインと、配列番号4に記載された配列を有するBNJ383のVL領域のCDR1、CDR2、およびCDR3ドメインとを含む。別の実施形態では、抗体は、それぞれ配列番号13、14および15に記載された配列を有する重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3ドメインと、それぞれ配列番号5、6、および7に記載された配列を有する軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3とをそれぞれ含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号12に記載されるアミノ酸配列を有するV領域を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号4に記載されるアミノ酸配列を有するV領域を含む。別の実施形態では、抗体は、それぞれ配列番号12および配列番号4に記載されるアミノ酸配列を有するVHおよびVL領域を含む。
CDRの正確な境界は、異なる方法に従って様々に定義されている。一部の実施形態では、軽鎖もしくは重鎖の可変ドメイン内のCDRまたはフレームワーク領域の位置は、Kabatらによって規定されているとおり[(1991)“Sequences of Proteins of Immunological Interest.”NIH Publication No.91-3242,U.S.Department of Health and Human Services,Bethesda,MD]とすることができる。このような場合には、CDRは、「Kabat CDR(カバットCDR)」(例えば、「Kabat LCDR2」または「Kabat HCDR1」など)と称することができる。一部の実施形態では、軽鎖可変領域または重鎖可変領域のCDRの位置は、Chothia et al.(1989)Nature 342:877-883によって規定されているとおりとすることができる。したがって、これらの領域は、「Chothia CDR」(例えば、「Chothia LCDR2」または「Chothia HCR3」)と称することができる。一部の実施形態では、軽鎖可変領域および重鎖可変領域のCDRの位置は、KabatとChothiaとを(Kabat-Chothia)組み合わせた定義によって規定されているとおりとすることができる。このような実施形態では、これらの領域を「Kabat-ChothiaコンビCDR」と称することがある。Thomasら[(1996)Mol Immunol 33(17/18):1389-1401]は、KabatおよびChothiaの定義に従ってCDR境界の特定を例示する。
抗体がタンパク質抗原に結合しているか否か、および/または、タンパク質抗原に対する抗体の親和性を決定する方法は、当技術分野において公知である。例えば、タンパク質抗原への抗体の結合は、ウェスタンブロット、ドットブロット、表面プラズモン共鳴(SPR)法(例えば、BIAcoreシステム;Pharmacia Biosensor AB社、スウェーデン、ウプサラおよびニュージャージー州ピスカタウェイ)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)などの様々な技術を使用して検出および/または定量化することができる。例えば、Benny K.C.Lo(2004)“Antibody Engineering:Methods and Protocols,”Humana Press(ISBN:1588290921);Johne et al.(1993)J Immunol Meth 160:191-198;Jonsson et al.(1993)Ann Biol Clin 51:19-26、およびJonsson et al.(1991)Biotechniques 11:620-627を参照されたい。
一実施形態では、抗C5a抗体またはその抗原結合断片は、哺乳動物(例えば、ヒト)C5aタンパク質に結合する。例えば、抗C5a抗体またはその抗原結合断片は、以下のアミノ酸配列:TLQKKIEEIAAKYKHSVVKKCCYDGACVNNDETCEQRAARISLGPRCI
KAFTECCVVASQLRANISHKDMQLGR(配列番号17)を有するヒトC5aタンパク質に結合することができる。別の実施形態では、抗C5a抗体またはその抗原結合断片は、以下のアミノ酸配列:TLQKKIEEIAAKYKHSVVKKCCYDGACVNNDETCEQRAARISLGPRCIKAFTECCVVASQLRANISHKDMQLG(配列番号18)を有する脱アルギニン化(desarginated)したヒトC5aタンパク質に結合する。本明細書に記載される抗C5a抗体、またはその抗原結合断片は、完全長ヒトC5aおよび脱アルギニン化ヒトC5aの両方に結合することができる。
一実施形態では、抗C5a抗体またはその抗原結合断片は、遊離ヒトC5a(hC5a、例えば、配列番号17で示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるヒトC5aタンパク質))に結合する。別の実施形態では、抗C5a抗体、またはその抗原結合断片は、例えば配列番号18で示すアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるヒトC5aの脱アルギニン化形態である、遊離C5aの脱アルギニン化形態に結合する。抗体は遊離C5aのネオエピトープに結合することができるが、このエピトープは、切断されていないC5上には存在しないか、または切断されていない全体のC5のうちの小フラクション上のみに存在する。
一実施形態では、抗体は、本明細書に記載される抗体とC5a上の同じエピトープとの結合に競合するか、および/または本明細書に記載される抗体とC5a上の同じエピトープに結合する。二つ以上の抗体に言及して「同じエピトープに結合する」という語は、所与の方法によって決定されるように、抗体がアミノ酸残基のうちの同一セグメントに結合することを意味する。抗体が、本明細書に記載される抗体と「C5a上の同じエピトープ」に結合しているか否かを決定する技術としては、例えば、エピトープの原子解析が提供される抗原抗体複合体の結晶のX線解析などのエピトープマッピング法、および水素/重水素交換質量分析法(HDX-MS)が挙げられる。その他の方法には、抗原配列内のアミノ酸残基の修飾に起因する結合の喪失が、エピトープ成分の表れとしばしばみなされるものである、ペプチド抗原断片または抗原の突然変異型のバリエーションに対する抗体の結合を監視することがある。さらに、エピトープマッピングのための計算的なコンビナトリアル法も使用することができる。これらの方法は、コンビナトリアルファージディスプレイペプチドライブラリから特定の短いペプチドをアフィニティ単離する、関心の抗体の能力に依存している。同じVおよびVまたは同じCDR1、2および3配列を有する抗体は、同じエピトープに結合することが予想される。
「標的との結合に別の抗体と競合する」抗体は、他の抗体の該標的への結合を阻害(一部または完全に)する抗体を指す。二つの抗体が、標的への結合に関して相互に競合するか否か、すなわち、一方の抗体が、もう一方の抗体の標的への結合を阻害するかどうか、そしてどの程度まで阻害するかを、公知の競合実験を使用して決定することができる。特定の実施形態では、抗体は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%だけ、別の抗体と競合して、該別の抗体の標的への結合を阻害する。阻害または競合のレベルは、どの抗体が「阻害している抗体」(すなわち、最初に標的と共にインキュベートされた低温抗体)であるかによって、異なるものでありうる。競合抗体は、同じエピトープ、オーバーラップするエピトープ、または隣接し合うエピトープ(例えば、立体障害から明らかなように)に結合する。
本明細書に記載され、本明細書に記載される方法で使用される抗C5a抗体、またはその抗原結合断片は、当技術分野において認識される様々な技術を使用して生成することができる。
モノクローナル抗体は、当業者によく知られている様々な技術によって得られ得る。簡潔に述べると、所望の抗原で免疫化された動物由来の脾臓細胞は、通常、骨髄腫細胞との融合によって不死化される(Kohler&Milstein,Eur.J.Immunol.6:511-519(1976)を参照されたい)。代替的な不死化法としては、エプスタイン・バーウイルス、癌遺伝子、またはレトロウイルス、または当技術分野で周知の他の方法を用いた形質転換が挙げられる。単一の不死化細胞から生じるコロニーは、抗原に対して所望の特異性および親和性をもつ抗体の産生のためにスクリーニングされ、かかる細胞によって産生されるモノクローナル抗体の産生量は、脊椎動物宿主の腹膜腔への注射を含めた様々な技術によって増強されてもよい。あるいは、Huse,et al.,Science 246:1275-1281(1989)により概説される一般的なプロトコルに従って、ヒトB細胞からのDNAライブラリをスクリーニングすることによって、モノクローナル抗体またはその結合断片をコードするDNA配列を単離してもよい。
抗C5a抗体は、モノクローナル抗体、キメラ化抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、一本鎖抗体、二重特異性抗体などとすることができる。抗C5a抗体は、融合タンパク質であってもよい。融合タンパク質は、融合タンパク質が融合タンパク質をコードする核酸から発現されるように、組換えによって構築されうる。融合タンパク質は、一つ以上のC5a結合ポリペプチドのセグメントを含むことができる。
一部の実施形態では、抗C5抗体は、ターゲティング部分と融合する。例えば、構築物は、C5結合ポリペプチドと、ポリペプチドを補体活性化部位に向かわせるターゲティング部分とを含むことができる。かかるターゲティング部分には、例えば、補体受容体1(CR1)の可溶形態、補体受容体2(CR2)の可溶形態、またはC3bおよび/もしくはC3dに結合する抗体(またはその抗原結合断片)が含まれ得る。
組換えDNA技術を含めて、融合タンパク質(例えば、C5a結合ポリペプチドと、ヒトCR1またはヒトCR2の可溶形態とを含有する融合タンパク質)を生成する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、米国特許第6,897,290号;米国特許出願公開第2005265995号、およびSong et al.(2003)J Clin Invest 11(12):1875-1885に記載されている。
特定の実施形態では、抗C5a抗体は、二重特異性抗体である。二重特異性抗体(例えば、抗C5a抗体と、C3bおよび/またはC3dに結合する抗体とを含む二重特異性抗体)を製造する方法も当技術分野で公知である。C5結合抗体およびその他の抗体を含む二重特異性抗体を意図している。
多種多様な二重特異性抗体の形態は、抗体工学分野で公知であり、二重特異性抗体(例えば、抗C5a抗体[すなわち、C5a結合抗体]と、C3b、C3d、または組織特異的抗原に結合する抗体とを含む二重特異性抗体)の製造方法は、当業者の範囲において周知である。例えば、Suresh et al.(1986)Methods in Enzymology 121:210;PCT出願国際公開第96/27011号を参照されたい。
二重特異性抗体はまた、架橋されたまたは異種結合(heteroconjugate)の抗体も含む。異種結合抗体は、任意の好都合な架橋法を使用して作製されうる。好適な架橋剤は当技術分野で周知であり、米国特許第4,676,980号に、多数の架橋技術と共に開示されている。米国特許第5,534,254号には、例えば、ペプチドカプラー(peptide coupler)、キレート剤、または化学的結合もしくはジスルフィド結合によって共に連結された一本鎖Fv断片を含む、いくつかの異なるタイプの二重特異性抗体が記載されている。別の例では、Segal and Bast[(1995)Curr Protocols Immunol Suppl.14:2.13.1-2.13.16]には、二つの単一特異性抗体を化学的に架橋結合して、それにより二重特異性抗体を形成する方法が記載されている。二重特異性抗体は、例えば、C5結合抗体、および、例えばC3b、C3d、または肺特異的抗原、眼特異的抗原、腎特異的抗原などに結合する抗体から選択される二つの一本鎖抗体を複合化することによって形成することができる。
二重特異性抗体は、リンカー(例えば、ポリペプチドリンカー)によって共有結合した二つの異なるscFv断片を含有する、タンデム一本鎖(sc)Fv断片とすることができる。例えば、Ren-Heidenreich et al.(2004)Cancer 100:1095-1103およびKorn et al.(2004)J Gene Med 6:642-651を参照されたい。
二重特異性抗体はダイアボディとすることもできる。例えば、Hollinger et al.(1993)Proc Natl Acad Sci USA 90:6444-6448に記載のダイアボディ技術では、二重特異性抗体断片を作製するための代替機構が提供されている。この断片は、短すぎて同じ鎖上では二つのドメイン間を結合することができないリンカーによって軽鎖可変ドメイン(V)に接続されている重鎖可変ドメイン(V)を含む。従って、一つの断片のVおよびVドメインは、別の断片の相補的なVおよびVドメインと強制的に結合されて、それによって二つの抗原結合部位を形成する。Zhu et al.(1996)Biotechnology 14:192-196およびHelfrich et al.(1998)Int J Cancer 76:232-239もまた参照されたい。二重特異性一本鎖ダイアボディ(「scDb」)と、scDbを生成するための方法とが、例えば、Brusselbach et al.(1999)Tumor Targeting 4:115-123;Kipriyanov et al.(1999)J Mol Biol 293:41-56、およびNettlebeck et al.(2001)Mol Ther 3:882-891に記載されている。
Wu et al.(2007)Nat Biotechnol 25(11):1290-1297に記載の四価(tetravalent)の二重可変領域免疫グロブリン(DVD-Ig)分子等である二重特異性抗体の異型も本発明の方法で使用することができる。DVD-Ig分子は、二つの異なる親抗体からの二つの異なる軽鎖可変ドメイン(V)が、直接に、または組換えDNA技術による短鎖のリンカーを介して、それに続いて短鎖定常ドメインが、タンデム型に連結されるように設計されている。二つの親抗体からDVD-Ig分子を生成するための方法は、例えば、PCT国際公開第08/024188号および第07/024715号にさらに記載されている。また、例えば、米国特許出願公開第20070004909号に記載されている二重特異性の形態も包含される。使用できる別の二重特異性の形態は、国際公開第2012/135345号に記載された四つのドメイン抗体様分子を改変した形態である、交差二重V領域(Cross-Over Dual V Region)(CODV-Ig)である。CODV-Igは、改変二重特異性抗体様分子に有用であることが証明されており、C末端Vドメイン(内部)での立体障害がDVD-Igの構築を防止できるものである。
二重特異性抗体分子を形成するために使用されるC5a結合抗体および/またはターゲティング部分は、例えば、キメラ、ヒト化、再ヒト化、脱免疫化、または完全ヒトとすることができ、その全てが当技術分野で周知である。
抗C5a抗体は、組換えDNA技術によって産生されてもよい。例えば、C5a結合ポリペプチドをコードする核酸は、例えば、プロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始配列および転写終止配列、翻訳開始配列および翻訳終止配列、転写ターミネーターシグナル、ポリアデニル化シグナル、およびエンハンサー配列または活性化因子配列を含む、転写調節配列ならびに翻訳調節配列を含有する発現ベクターに挿入することができる。調節配列は、プロモーターならびに転写開始および終止配列を含む。さらに、発現ベクターは、例えば、発現のための哺乳動物または昆虫細胞において、ならびにクローニングおよび増幅のための原核宿主において、二つの異なる生物体中で維持され得るように、二つ以上の複製系を含むことができる。
哺乳動物細胞中を含む、多くの細胞中の核酸からの抗C5抗体の発現に関して、当技術分野で周知のいくつかの可能性のあるベクター系(プラスミドベクター系など)が利用可能である。
発現ベクターは、核酸のその後の発現に適した方法で、当技術分野で周知の方法によって細胞内に導入され得る。
抗C5a抗体は、任意の適切な宿主細胞中で発現してもよい。適切な宿主細胞としては、例えば酵母、細菌、昆虫、植物体、および哺乳動物の細胞が挙げられ、これには、大腸菌などの細菌、酵母(Saccharomyces cerevisiae)およびピシア・パストリス(Pichia pastoris)などの真菌、SF9などの昆虫細胞、哺乳動物細胞株(例えば、ヒト細胞株)、初代細胞株(例えば、初代哺乳動物細胞)、チャイニーズハムスター卵巣(「CHO」)細胞、ならびにNSOなどの適切な骨髄腫細胞株が含まれる。
一部の実施形態では、抗C5a抗体は、トランスジェニック動物(例えば、トランスジェニック哺乳動物)内で発現され、それらから精製されてもよい。例えば、抗C5a抗体は、トランスジェニック非ヒト哺乳動物(例えば、げっ歯類、ヒツジまたはヤギ)内で産生され、例えばHoudebine(2002)Curr Opin Biotechnol 13(6):625-629;van Kuik-Romeijn et al.(2000)Transgenic Res 9(2):155-159、およびPollock et al.(1999)J Immunol Methods 231(1-2):147-157に記載されるように乳から単離してもよい。
抗C5a抗体は、タンパク質を発現させるのに十分な条件下および時間の間、ポリペプチドをコードする核酸を含有する発現ベクターにより形質転換された宿主細胞を培養することによって細胞から産生してもよい。タンパク質発現のためのこのような条件は、発現ベクターおよび宿主細胞の選択によって変動し、またルーチンな実験を通して当業者によって容易に確認されることとなる。例えば、組換えDNA技術の包括的開示を有する、Current Protocols in Molecular Biology,Wiley & Sons,and Molecular Cloning--A Laboratory Manual --3rd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York(2001)を参照されたい。
発現後、抗C5a抗体は、当業者に公知の様々な方法で単離または精製されてもよい。
抗C5a抗体は治療剤として使用されてもよく、任意の適切な剤形/組成物として、また任意の適切な経路によって(例えば、IV注射によって)、それを必要とする患者に投与される。抗C5a抗体はまた、本明細書に開示される方法において捕捉抗体または検出抗体としても使用されうる。
逆分離(Back Disassociation)ELSIAアッセイモデリング
標的バイオマーカー/有効性バイオマーカーを定量化する場合、従来のプレートベースのリガンド結合アッセイでは、遊離分析物を過大評価する可能性がある。このような状況での遊離分析物の過大評価は、生体内(in vivo)での真のものよりも有効性の欠如がより低く示唆される。エクリズマブは、2つの極めて稀な疾患の適応症に認可されたmAb治療薬であり、補体因子C5(190kD)を標的とする。薬剤の存在下での遊離C5の適切な定量化が重要である。
実験的証拠は、ELSIAプレートに結合している抗原が、溶液およびプレートに対して平衡に到達するのに少なくとも30時間が必要であることを示す。
臨界パラメータは、インキュベーション時間、希釈時間、希釈温度、および試料対アッセイ範囲である。プレートインキュベーション時間が短いと、解離が減少する場合がある。二つの希釈工程中に冷却することで、速度kを遅くし、抗原-mAbおよび抗原-mAb-抗原が解離しないようにさせることができる。希釈時間を短くすると、解離が減少する場合がある。希釈の不足が解離を減少させうる。可能であれば、純粋な試料を測定する。
抗原濃度及びmAb濃度(PK)のデータの不一致は、以下に原因がある:アッセイの希釈液および時間が異なること;測定された抗原濃度が、遊離抗原の過大評価であること;および測定されたmAb(PK)が、希釈による解離に起因した真の遊離mAbの過大評価であること、および溶液抗原(solution antigen)に起因した総mAbの過小評価であること。
溶血モデリング(C5を含有するヒト血清試料についての溶血アッセイを使用する)が、抗原、PK、および溶血(PD)データの不一致は以下に原因があるということを示唆している:アッセイの希釈および時間が異なること;測定された抗原濃度が、溶血アッセイにおける遊離抗原の過大評価であること;および測定されたmAb-エクリズマブ(Eculzumab)-(PK)が、希釈による解離に起因した真の遊離mAbの過大評価であること、および溶液抗原に起因した総mAbの過小評価であること;ならびに、測定された溶血が、希釈による解離に起因した真の遊離抗原の過大評価であること。
平衡方程式
Figure 0007173965000001
mAb+L=mAb*L
Figure 0007173965000002
=1/k=[Mab]遊離x[L]遊離/[Mab*L]結合
Figure 0007173965000003
=解離定数、K=会合定数
オフ=解離速度、kオン=会合速度
投与後は、生体内(in vivo)の可溶性L(リガンド)に対するmAbの結合は、質量作用の法則に従うものと仮定した。試料採取、保存などの生体外での条件は、生体内(in vivo)とは異なる条件に平衡が移行しうる。
オフの値は多くの場合、温度と緩衝液への感度が高い。平衡時間は、30℃の場合と比較して、0℃で約30倍増加する。解離速度定数は、常にアッセイの条件下で決定する必要がある。
遊離の測定
薬物開発において決定を下すために次第に使用されてきており、用量とスケジュールの選択に有用である。Lの動態を理解することが、有効なmAb遊離レベルの規定の助けとなり得る。
遊離C5Aを定量化する方法の特定の実施形態
標的バイオマーカー/有効性バイオマーカーを定量化する場合、従来のプレートベースのリガンド結合アッセイでは、遊離分析物を過大評価する可能性がある。このような状況での遊離分析物の過大評価は、生体内(in vivo)での真のものよりも有効性の欠如がより低く示唆される。ALXN1007は、移植片対宿主病に罹患しているヒト患者を治療するための臨床試験を受けている治療的なmAbであり、相補因子C5aを標的とする。薬剤の存在下での遊離C5aの適切な定量化が重要である。
C5aに特異的に結合し、かつ、C5に特異的に結合しないという抗体は知られていない。したがって、Gyrosシステムにおいて遊離C5aを捕捉および検出する前に、はじめにC5を試料から除去する。試料を、磁気ビーズに結合したC5特異的抗体と共にインキュベートして、C5特異的抗体およびC5が結合した磁気ビーズを捕捉することによってC5を除去することによって、C5を除去することができ、磁石によりC5aを含む上清が得られる。
本明細書に開示される方法において、Gyrosシステム(スウェーデン、ウプサラのGyros AB社;www.gyros.com)を使用する。Gyrosアッセイは、秒単位で微細構造に沿って試料を通過させるため、逆向きである解離が生じる機会はあり得ない。Gyrosシステムは、アフィニティ流動フォーマットを使用し、インキュベーションを省き、実行時間が短縮される。Gyrosプラットフォームは、Gyrolabプラットフォームに統合される高再現性のナノリットルマイクロ流体工学により設計されたGyros専有CD技術を使用するが、それがレーザー誘導蛍光検出を使用した平行性プロセッシングを伴う免疫アッセイを自動化する。このことは、CD内に含まれるナノリットルスケールのマイクロ流体構造を通る液体の流れを導く、遠心力および毛細管力の正確で自動化された制御を通して可能となる。
円形のBioaffyコンパクトディスク(CD)を使用する。PCRプレートは、試料および試薬のために使用しうる。多くの利用可能なPCRプレートを使用してよい。プレートは箔で封止され、蒸発を防止する。捕捉試薬(ビオチン化抗C5a抗体など)は、毛細管作用によってCDに入る。疎水性部が液体の流れを停止させる。このCDは、Gyrolab xPloreまたはGyrolab XPなどのアッセイ専用の機器の内部で遠心力を受ける。この遠心力により、試薬が、CD内部のカラムの中へと動かされる。捕捉試薬は、カラム内のストレパビジン(strepavidin)被覆粒子に結合する。その後試料が、毛細管作用によってCDに入り、活性化されたカラムに試料が付着する。その後検出試薬(例えば、アレクサフルオール(AlexaFluor)標識抗C5a抗体;捕捉試薬として使用される抗C5a抗体と異なるエピトープに結合するもの)が、毛細管作用によってカラムに入り、カラムに付着する。その後、カラムをレーザーでスキャンする(90秒以内に112カラム)。Rexxip Aは、標準試料、QC、試料に用いられ得、またRexxip Fは、検出Abに用いられ得る。次いで、レーザー誘導蛍光を使用して、試料(例えば、C5a)の濃度または量を測定する。
Gyrosアッセイは、使用するサンプル量が非常に少なく(4μlなど)、所要時間が非常に短い(1.5時間など)。較正範囲は0.78pM~300pMである。
本開示は、試料からの遊離(非結合)ヒトC5a補体タンパク質(C5a)を定量化する方法を提供するものであって、該方法が、
a.試料からヒトC5を除去することであって、試料を、磁気ビーズに結合したC5特異的ビオチン化抗体と共にインキュベートし、ヒトC5に結合したC5特異的ビオチン化抗体に結合した該磁気ビーズを磁石で捕捉することと、
b.ストレパビジン(strepavidin)被覆粒子に対して、ビオチン化抗C5a捕捉抗体を結合させることであって、前記ビオチン化抗C5a捕捉抗体は、ストレパビジン被覆粒子を含むカラムを備えるGyros Bioaffy 200 CDに毛細管作用によって付着して、該CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、ビオチン化抗C5a捕捉抗体が、カラム中のストレパビジン被覆粒子へと動かされることと、
c.試料中の遊離(非結合)C5aを捕捉抗体上で捕捉することであって、工程aの後の試料が毛細管作用によってCDに付着して、前記CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、工程aの後の試料が、カラム中のストレパビジン被覆粒子上に結合したビオチン化抗C5a捕捉抗体へと動かされることと、
d.捕捉された遊離C5aを検出することであって、アレクサフルオール(AlexaFluor)標識抗C5a検出抗体が、毛細管作用によってCDに付着して、該抗C5a検出抗体が、捕捉抗体によって結合されるエピトープとは異なるエピトープにおいてC5aに結合し、前記CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、検出抗体が、カラム中のストレパビジン被覆粒子に結合された捕捉抗体に結合された遊離C5aへと動かされることと、
e.レーザー誘発蛍光検出を使用して捕捉された遊離C5aを定量化することとを含む。
ALXN1007で治療された患者からの血清試料などである試料中のC5aは、遊離(非結合)していてもよく、またはALXN1007に結合していてもよい。
Gyrolab xPloreまたはGyrolab XPなどのGyroアッセイを使用するために適切な任意の機器を使用してもよい。
特定の実施形態では、この方法が、工程eから得た値をC5a枯渇試料に添加した既知の量のC5aから作成した標準曲線と比較することによって、遊離C5a抗体の濃度または量を計算することをさらに含む。コントロールを含む試料は、患者の試料と同じ方法で処理される。特定の実施形態では、この方法は、Gyros Evaluatorソフトウェアまたは別の好適なソフトウェアを用いて遊離C5a抗体の濃度を計算することをさらに含む。
特定の実施形態では、試料はヒト患者から獲得される。特定のさらなる実施形態では、試料は血清試料である。さらに他の実施形態では、試料は、ALXN1007などの抗C5a抗体で治療を受けている患者からのものである。特定の実施形態では、試料はALXN1007での治療前に採取される。他の実施形態では、試料はALXN1007での治療後に採取される。試料は、C5aを含みうる任意の適切な試料であってもよく、血清、血漿、血液、尿、固体試料などであってもよい。試料は、当技術分野で公知の方法に従って、使用のために取得されて調製されてもよい。
特定の実施形態では、磁気ビーズはDynabead磁気ビーズである。任意の適切な磁気ビーズおよび磁石が使用されてもよい。
特定の実施形態では、C5特異的抗体はビオチン化N19/8である。任意の適切なC5特異的抗体を使用してもよい。
特定の実施形態では、ビオチン化捕捉抗体はALXN1007である。ビオチン化捕捉抗体は、任意の抗C5a抗体であってもよい。
特定の実施形態では、抗C5a検出抗体はクローン2942である。抗C5a検出抗体は、任意の抗C5a抗体であってもよい。任意の所与のアッセイにおける抗C5a検出抗体は、そのアッセイで使用される捕捉抗体と比較してC5a上の異なるエピトープを認識するものであり;そのため、C5aへの結合は、捕捉抗体と競合しない。
特定の実施形態では、試料の希釈に、Rexxip AN緩衝液または1M NaCl/0.5% Tween 20緩衝液が使用され、検出抗体の希釈に、Rexxip F緩衝液が使用される。Rexxip AN緩衝液、1M Nacl/0,5%Tween 20緩衝液、またはRexxip F緩衝液をわずかに変化させたものを含めて、任意の適切な緩衝液を用いることができる。
特定の実施形態では、Gyros機器が、Bioaffy wash 1およびpH11緩衝液を用いて別個に二回プライミングされる。任意の適切な緩衝液を使用してもよく、プライミングは省いてもよく、また任意の適切な回数でなされてもよい。
抗体をビオチンまたはアレクサフルオールと複合化する方法は当技術分野で公知である。
例示的な使用
本明細書に開示される方法は、試料中の遊離(非結合)C5aの濃度または量を定量化する必要がある任意の目的に使用されうる。この方法は、例えば、ALXN1007療法によって治療されている患者からのヒト血清試料中の遊離(非結合)C5aの濃度または量を検出するために使用することができる。こうした試料の遊離(非結合)C5aの濃度または量は、患者の疾患状態のモニタリングを可能にする。このアッセイは、治療法として使用されるエクリズマブに結合したC5a分子ではなく、遊離(非結合)C5aを定量化するような例において有利である。ALXN1007は、移植片対宿主病に罹患しているヒト患者を治療するための臨床試験を受けている。
遊離C5aが適切に定量化されることは、疾患状態のモニタリング、モデリング、投薬量選択、ラベル・クレームなどの複数の理由にとって不可欠である。
実施例
本発明についてよりよく理解するために、以下の実施例を説明する。これらの実施例は、説明のみを目的としており、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
実施例1 ヒト血漿中の遊離C5aの定量化のためのGyrosアッセイ
補体タンパク質C5aは、代替的な補体カスケードの重要な成分であり、アレクシオン社の薬物、ALXN1007の標的である。この標的を適切に定量化することは、モデリングおよびラベル・クレームの両方にとって不可欠である。ALXN1007は、C5aに対して60pMの親和性を有するが、C5に対しては5nMの親和性も有する。C5に対する親和性は、C5転換酵素がC5をC5aおよびC5bに切断する場合のネオエピトープ(neoepitope)アベイラビリティに基づくものであり、また時間の関数である。C5に対するこの低いレベルの親和性により、バイオアッセイにおいてC5aの定量化において相加効果を有することができるものであるが、これはALXN1007のように、C5aに対してのみ特異的である二次抗体が存在しないものであり、また同様にそれらも低い親和性でC5に結合するという理由によるものである。薬剤がリガンド結合アッセイフォーマットにおいて捕捉抗体として使用されるとき、C5がALXN1007によって結合される場合、タンパク質の一部が、抗C5a抗体によって認識および結合されることとなり、それによって真のC5aであるものを過大評価することにつながる。
Gyrolab技術は、アッセイ洗浄液、試薬、およびプロスクライブド(proscribed)間隔でディスク上の微細構造の全体にわたってスピンされる試料に基づく。捕捉試薬が固定化された微細構造の全体にわたって、試料がスピンされるのに必要な時間は、約六秒であるため、理論的には、ALXN1007が捕捉抗体である場合に、C5が低い親和性で結合する機会はほとんどないだろう。さらに、C5が結合する可能性をさらに低下させて、アッセイにおいて相加効果をもたせるために、ヒト血漿試料を、C5特異的抗体が結合している磁気ビーズにより前処理し、したがって、アッセイプレートおよびディスクにロードされる前にほとんどのC5が除去される。ビーズ緩衝液は、低い親和性の結合を減少させる塩および洗浄剤を多く含む。
材料および方法
材料:
Bioaffy 1000ディスク、Rexxip AN緩衝液、Rexxip F緩衝液、pH11緩衝液、プレート箔(ニュージャージー州ウォレンのGyros US社)
精製したヒトC5a(テキサス州タイラーのCompTech社)
ビオチン化ALXN1007、ビオチン化N19/8抗体(コネチカット州ニューヘイブン、Alexion Pharmaceuticals社)
アレクサフルオール(AlexaFluor)標識クローン2942(ペンシルベニア州プリマス・ミーティング、Hycult Biotech社)
96ウェルPCRプレート、Bioaffy wash 1(0.1%のTween 20、0.02%のアジ化ナトリウム(洗浄液成分)を含むPBS)、Dynabeads MyOne Streptavidin C、1M NaCl/0.5% Tween 20(緩衝液成分)(マサチューセッツ州ウォルサムのサーモフィッシャー社)
機器:
Gyros xPloreまたはXPワークステーション機器(ニュージャージー州ウォレンのGyros US社)
方法:
Gyros機器は、各緩衝液自身のステーションをもつ、Bioaffy wash 1およびpH11緩衝液を用いて別個に二回プライミングされる。これらのプライミングサイクル中(それぞれ約20分間)に、アッセイ試薬、洗浄液および試料を以下に記載するとおり調製する。実行に必要な数のBioaffy 1000ディスク(Gyros xPloreの場合一枚、Gyros XPワークステーションの場合最大五枚)を、冷蔵庫から取り出して、周囲室温にさせる。
未知のヒト血漿試料は、ビオチン化抗体N19/8と結合したDynabeads中で希釈する。希釈は、ビーズ部2に対して血漿部1の比で行う。この希釈は、激しく振とうしながら室温で一時間、丸底ポリプロピレンプレート中で行う。この一時間のインキュベーション後、プレートを磁石に置き、二分後に、ピペットで希釈血漿試料をビーズペレットと分けて、該試料をPCRプレート上のそれぞれの位置に、必要な量で移す。未知の血漿試料のさらなる希釈は不要である。
アッセイの標準曲線は、精製されたヒトC5aタンパク質から作成し、該精製したヒトC5aタンパク質は、Rexxip AN緩衝液中に60ng/mLでスパイク(添加)され、その後60(初期スパイク)、30、15、7.5、3.75、1.88、0.938、0.469、0.234、0.117、および0.058ng/mLのとおりに2倍希釈される。0.058および60ng/mLの標準試料が、アンカーポイントである。Rexxip AN緩衝液中で調製される場合、曲線は1M NaCl/0.5% Tween 20で1:2希釈され、混合される。希釈した標準試料を、それぞれの位置にそれぞれの必要量でPCRプレートに移す。
品質管理(QC)試料は、標準試料と同じ方法で調製される。精製ヒトC5aは、25、5、及び0.5ng/mLでRexxip AN緩衝液中にスパイクされる。次いで、これらの試料は、標準曲線用試料について説明したように、1M NaCl/0.5% Tween 20中で1:2希釈した。必要に応じて、検出限界における試料(検出上限(ULOQ)は45ng/mL、また検出下限(LLOQ)は0.120ng/mL)を、同様に調製する。希釈されたQCを、それぞれの位置にそれぞれの必要量でPCRプレートに移す。
ビオチン化捕捉試薬(ALXN1007)は、Bioaffy wash 1中で作用濃度100μg/mLに調製されて、アレクサフルオール標識されたクローン2942は、Rexxip F中で作用濃度4μg/mLに調製される。これら試薬の両方を、必要な量でPCRプレート上のそれぞれの所定位置に移す。Bioaffy wash 1はアッセイ緩衝液として使用され、PCRプレート上のそれぞれの所定位置に搭載される。
標準試料、QC、任意の未知の血漿試料、アッセイ試薬、およびアッセイ洗浄液を搭載したPCRプレートを、箔で封止し、その後Gyros機器に搭載する。必要数のBioaffy 1000ディスクもまた当該機器に搭載する。
Gyrosクライアントソフトウェアを使用して、Gyrosシステムでアッセイを行う。これは三工程のアッセイ(捕捉、分析物、検出)であり、捕捉抗体、試料、および検出抗体がプログラムされた間隔で、間欠的な洗浄工程の合間に添加される。アッセイ実行時間は一ディスク当たり約一時間である。データはGyros Evaluatorソフトウェアによって処理されるか、またはWatsonなどのラボ情報システム(LIMS(laboratory information system))へのインポートのためにエクスポート可能である。このアッセイでは、応答の重み付けおよび1%のPMTセッティングを伴う5PLの曲線フィッティングを使用する。標準曲線用試料および血漿試料の希釈の差異(標準試料は1:1、血漿試料は1:2)のために、任意の血漿の結果に、希釈係数1.5が適用される。
結果
ヒト血漿中の遊離C5aの定量化のためのGyrosアッセイは、0.120~45ng/mLのダイナミックレンジを持ち、これは希釈係数補正後は血漿中0.180~67.5ng/mLに変換される。血漿試料に対するビーズ処理の効果は、以下の三つのように確認される:第一が、遊離C5の定量化のためのGyrosアッセイにおいて、捕捉試薬としてエクリズマブ(その試験方法で禁止したように(as proscribed))を使用することで、測定される使用可能なC5が減少することとして、第二が、同じアッセイフォーマットでエクリズマブの代わりに捕捉抗体としてALXN1007を用いる場合に、ALXN1007が結合するC5が減少することとして、および第三に、Gyros遊離C5aアッセイによる結合されたC5aの量においてである。二つのビーズ緩衝液(Rexxip ANまたは1M NaCl/0.5% Tween 20)間の相違は、遊離C5a測定の点では最小であるが、遊離C5測定の点では明らかな違いがある。この理由から、1M NaCl/0.5% Tween 20緩衝液は、血漿試料のビーズ処理用に選択される希釈液であり、標準試料およびQC試料の両方にはアッセイ希釈液を用いる。
表1 ビーズ緩衝液としてRexxip AN緩衝液または1M NaCl/0.5% Tween 20を用いた、遊離C5(エクリズマブ捕捉およびALXN1007捕捉)および遊離C5aにおけるビーズ処理の効果
Figure 0007173965000004
標的バイオマーカーアッセイの選択性は、重要なアッセイパラメータである。表2は、それぞれの試料中に既にある内因性C5aのレベルの測定において相加効果を有する、5ng/mLの精製されたC5aの参照物質でスパイクされたドナー血漿に関するデータを示す。Gyrosアッセイでは、この内因性の結合相手を含む試料中にスパイクさせた精製されたC5aを、試験される小量のサンプルサイズのうちの80%について1%および5%のPMTセッティング両方で、正確に測定した。
表2 ヒト血漿中の遊離C5aのGyros選択性(ng/mL)
Figure 0007173965000005
平行性は、それが代替マトリックス(ここでは、Rexxip AN緩衝液)の標準曲線およびその精製された参照物質(ここでは、精製されたヒトC5a)の適合度を決定しうるものとなるため、バイオマーカーアッセイで決定される重要な要素である。プロスクライブド(proscribed)のビーズ処理の前に追加希釈でマトリックス試料を事前処理することによって、平行性が、代替の曲線とそれから測定された未知試料との間におけるアッセイ応答についての相違を表すことができる。図1は、五人のドナーの血漿についての平行性の結果を示す。これらのデータは、アッセイが平行性を持ち、代替の曲線が適切であることを示唆する。
考察
ヒト血漿中の遊離C5aの定量化のためのGyrosアッセイは、0.120~45ng/mLのダイナミックレンジを有し、これは希釈係数補正後は血漿中0.180~67.5ng/mLに変換される。
アッセイの選択性および平行性が、代替のマトリックスおよび参照物質が、ヒト血漿中で測定される内因性の結合相手に適切であるということを示している。
ビーズ処理ありおよびビーズ処理なしでGyrosアッセイを実行した内因性血漿試料からのデータは、Gyrosアッセイが、結果に対して相加効果を有することができるような、結合する低い親和性のC5の量を減少させるということを示唆している。このビーズ処理によれば、既に非常に短い試料インキュベーション時間であるGyros技術とあわせて、他の方法よりも特異的である遊離C5aの定量化アッセイが得られる。
実施例2 ヒト血漿中の遊離C5aの定量化のためのGyrosアッセイ
ALXN1007は、ヒト化mAbターゲティングC5a/C5a des-Arg(10.4kD、副経路)である。これは、GVHD(移植片対宿主病)の適応型第II/III臨床試験にスケジュールされている。
適切なモデリング/有効性のために、バイオマーカー(ヒトC5a)の正確かつ高感度の定量化が必要である。この課題はまた、C5がC5aよりも数桁小さいにもかかわらず(5nM対60pM)、ALXN1007がC5に結合することであり、このC5の結合は、時間の関数であり、ネオエピトープアベイラビリティである。C5aのみに結合するが、ある程度までC5に結合しないという抗体は実際には存在しない。相加効果はアッセイの感度に影響を与える。
典型的なGyrosアッセイは、秒単位で微細構造に沿って試料を通過させるため、ALXN1007がC5に結合する機会はあり得ない。
図2および表3は、三つ組の重要性を示す。
表3
Figure 0007173965000006
Gyrosアッセイパラメータ
100μg/mLの捕捉Ab
4μg/mLの検出Ab
参照物質としての精製されたヒトC5a
標準試料およびQCの調製のためのRexxip AN
Bioaffy 1000nL ディスク
標準試料、QC、試料(試料希釈2)の希釈のためのRexxip AN
検出AbのためのRexxip F
洗浄液1:Bioaffy wash 1
洗浄液2:pH11緩衝液
3工程アッセイ(C-A-D)
PMT 1%
通例のプレートベースのECLアッセイフォーマットは、0.280~40.0ng/mLのダイナミックレンジを持つ。
試料希釈1:4
提案される曲線範囲 0.117~60.0ng/mL
C5への結合をさらに減少させるために、試料由来のC5タンパク質分子を、ビオチン化抗C5抗体に結合したDynabeadsで除去する。結合ビーズの最終希釈液は、Rexxip ANである。C5枯渇のためのマトリックス試料との結合ビーズの事前インキュベーション。
図3は、C5aおよびC5に対するビーズの効果を示す。図4は、Rexxip AN対1M NaCl/0.5% Tween 20でビーズの効果を示しているが、C5a結合に対する効果はずっと少ないが、C5の薬物結合が影響を受けているように見える。
更新した遊離C5aアッセイパラメータ
100μg/mLの捕捉Ab
4μg/mLの検出Ab
参照物質としての精製されたヒトC5a
標準試料およびQCの調製のためのRexxip AN
Bioaffy 1000nL ディスク
標準試料とQCの希釈(MRD2)のための1M NaCl/0.5% Tween 20
マトリックス試料の希釈のための1M NaCl/0.5% Tween 20中で結合されたDynabeads(20μg/mL Ab)、比2:1、室温で一時間、振とうしながらインキュベーション
検出AbのためのRexxip F
洗浄液1:Bioaffy wash 1
洗浄液2:pH11緩衝液
3工程アッセイ(C-A-D)
PMT 1%
提案される曲線範囲 0.117~60.0ng/mL
マトリックスでは、LLOQ 0.176
図5は、遊離C5aの早期ビーズ処理での選択性を示し、図1は、遊離C5aの早期ビーズ処理での平行性を示す。
遊離標的を捕捉するために薬剤を使用するアッセイのほとんどでは、真に遊離であるものを過大評価する可能性がある。Gyrosでは、試料のインキュベーションを切り詰めることにより、標的バイオマーカーのより正確な定量化を可能にする。同じ理由から、Gyros(単独で、または試料処理と組み合わせて)は、非特異的または低い親和性での結合を減少させることの助けにもなりうる。
その他の実施形態
前述の説明は、本発明の例示的な実施形態のみを開示している。
本発明についてその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は説明を意図しているものであって、添付の特許請求の範囲によって規定されている本発明の範囲を限定するものではないということを理解されたい。その他の態様、利点、および変形は、添付の請求項の範囲内にあるものである。したがって、本発明の特定の特徴のみが図示され、記述されているが、当業者にとっては多くの変形および変更が生じるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨内に収まるものとしてこうした変形および変更のすべてを網羅することが意図されているということを理解されたい。
表4 配列の要約
Figure 0007173965000007
Figure 0007173965000008
Figure 0007173965000009

Claims (12)

  1. 試料からの遊離(非結合)ヒトC5a補体タンパク質(C5a)を定量化する方法であって、前記方法が、
    a.前記試料からヒトC5を除去することであって、前記試料を、磁気ビーズに連結したC5特異的ビオチン化抗体と共にインキュベートし、ヒトC5に結合したC5特異的ビオチン化抗体に連結した前記磁気ビーズを磁石で捕捉することと、
    b.ストレプトアビジン被覆粒子に対して、ビオチン化抗C5a捕捉抗体を結合させることであって、前記ビオチン化抗C5a捕捉抗体は、前記ストレプトアビジン被覆粒子を含むカラムを備えるGyros Bioaffy 200 CDに毛細管作用によって添加されて、前記CDがGyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、前記ビオチン化抗C5a捕捉抗体が、前記カラム中の前記ストレプトアビジン被覆粒子へと動かされることと、
    c.前記試料中の前記遊離(非結合)C5aを前記捕捉抗体上で捕捉することであって、工程aの後の前記試料が毛細管作用によって前記CDに添加されて、
    前記CDが前記Gyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、前記工程aの後の前記試料が、前記カラム中の前記ストレプトアビジン被覆粒子上に結合した前記ビオチン化抗C5a捕捉抗体へと動かされることと、
    d.捕捉された遊離C5aを検出することであって、アレクサフルオール(AlexaFluor)標識抗C5a検出抗体が、毛細管作用によって前記CDに添加されて、前記抗C5a検出抗体が、前記捕捉抗体によって結合されるエピトープとは異なるエピトープにおいてC5aに結合し、前記CDが前記Gyrolab xPloreまたはGyrolab XP機器内で遠心力を受けることによって、前記検出抗体が、前記カラム中の前記ストレプトアビジン被覆粒子に結合した前記捕捉抗体に結合した前記遊離C5aへと動かされることと、
    e.レーザー誘発蛍光検出を使用して前記捕捉された遊離C5aを定量化することと、を含む、方法。
  2. 工程cから得た値を、請求項1の方法を使用してC5a枯渇試料に添加した既知の量のC5aから作成した標準曲線と比較することによって、遊離C5a抗体の濃度または量を計算することをさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記試料がヒト患者から得られる、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記試料が血清試料または血漿試料である、請求項記載の方法。
  5. 患者が抗C5a抗体で治療されている、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記患者がALXN1007で治療されている、請求項記載の方法。
  7. 前記磁気ビーズがDynabead磁気ビーズである、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記C5特異的抗体が、ビオチン化N19/8である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ビオチン化捕捉抗体がALXN1007である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記抗C5a検出抗体がクローン2942である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  11. 試料の希釈に、1M NaCl/0.5% Tween 20緩衝液が使用される、請求項1から1のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記Gyros機器を、0.1% Tween 20、0.02%アジ化ナトリウムを含むPBSおよびpH11緩衝液を用いて別個に二回プライミングすることをさらに含む、請求項1から1のいずれか一項に記載の方法。
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