JP7173584B2 - 潅水チューブ目詰まり防止剤及び肥料 - Google Patents

潅水チューブ目詰まり防止剤及び肥料 Download PDF

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Description

本発明は、潅水チューブ目詰まり防止剤及び肥料に関する。
養液土耕栽培法は、基肥(もとごえ)によらず、作物の生育ステージ及び生育状態に応じて、潅水量及び肥料の供給(施肥)量を管理して過不足なく作物に供給する方法である。潅水及び施肥は、通常、水溶液とした無機肥料(液肥)を、潅水チューブを介して作物の根圏域に潅水施肥することで行われている。
現在、食の安全及び環境志向の高まりから環境にやさしいとされる有機肥料への関心、及び、有機肥料を用いて育てた作物のニーズが消費者の間で高まっており(特許文献1及び2)、養液土耕栽培法において有機肥料を用いた栽培が求められている。
しかしながら、養液土耕栽培法で有機肥料を使用すると、潅水チューブ内、特に吐水孔に粘性物が形成され、吐水孔が詰まるため、潅水施肥が正確に行われず、作物の生育が悪化することが問題となっている。
特開2011-020914号公報 特開2011-105541号公報
本発明は、潅水チューブの目詰まり防止剤、及び該目詰まり防止剤を含む肥料の提供を課題としている。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミン又はその塩(以下、「ポリアミン」ということもある。)が、潅水チューブの目詰まりを防止できることを見出した。また、該ポリアミンが潅水チューブから施用されることにより、肥料としての効果を示すことをも見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、以下の潅水チューブの目詰まり防止剤、肥料等に関する。
項1.
アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミン又はその塩を含有する潅水チューブ目詰まり防止剤。
項2.
前記ポリアミンが、ジアミン、トリアミン、又はテトラアミンである、項1に記載の潅水チューブ目詰まり防止剤。
項3.
前記アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミンが、1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、3,3’-ジアミノプロピルアミン、N-(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリス(3-アミノプロピル)アミン、トリエチレンテトラミン、又はN,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンである、項1に記載の潅水チューブ目詰まり防止剤。
項4.
さらに、養液土耕栽培用肥料又は養液栽培用肥料を含む、項1~3の何れか一項に記載の潅水チューブ目詰まり防止剤。
項5.
項1~4の何れか一項に記載の潅水チューブ目詰まり防止剤を含有する肥料。
項6.
潅水チューブの目詰まりが防止できる、項5に記載の肥料。
項7.
項1~4の何れか一項に記載の潅水チューブ目詰まり防止剤を、養液土耕栽培システム又は養液栽培システムの潅水チューブに給送する工程を備える、養液土耕栽培システム又は養液栽培システムにおける潅水チューブの目詰まり防止方法。
項8.
項5又は6に記載の肥料を、植物体の根圏域に潅水施用することにより、植物体を栽培する方法。
項9.
潅水施用が点滴潅水施用である、項8に記載の方法。
本発明の潅水チューブ目詰まり防止剤は、ポリアミンを含むことにより、潅水チューブの目詰まりの原因となる粘性物の形成を防止することができる。
また、本発明の肥料は、水溶解性に優れるため、養液土耕栽培法等で使用される点滴潅水処理が可能である。
さらに、本発明の肥料は、植物体の根部は勿論、茎葉部からの窒素成分の吸収にも優れている。また、本発明の肥料は、液体肥料として使用することができる。
図1は、実施例1~6の目詰まり防止剤、比較例1~3の溶液、及びコントロール(純水)に関する各濃度における粘性物形成の抑制効果(有機排液及び農業用水)を示した図である。 図2は、実施例7~10の目詰まり防止剤、比較例3の溶液、及びコントロール(純水)に関する各濃度における粘性物形成の抑制効果(有機排液及び農業用水)を示した図である。 図3は、実施例11、実施例12、比較例3の肥料、及びコントロール(純水)に関する各濃度における粘性物形成の抑制効果(有機排液及び農業用水)を示した図である。 図4は、実施例13の目詰まり防止剤及び比較例4の溶液について、潅水チューブの目詰まり度について長期試験した結果の図である。 図5は、実施例14の肥料及び無処理区について、コマツナに対する肥料(追肥:土壌潅注)の効果試験(葉長及び地上部新鮮重)の結果の図である。 図6は、実施例15及び比較例5の肥料並びに無処理区について、コマツナに対する肥料(基肥)の効果試験(葉長及び地上部新鮮重)の結果の図である。 図7は、実施例16の肥料及び無処理区について、コマツナに対する肥料(追肥:土壌潅注)の効果試験の結果の図である。
以下、本発明の潅水チューブの目詰まり防止剤、目詰まり防止方法、肥料及び栽培方法について詳細に説明する。
1.潅水チューブの目詰まり防止剤
本発明の潅水チューブの目詰まり防止剤は、養液土耕栽培システム又は養液栽培システムにおける潅水チューブの目詰まり防止剤であって、アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミン又はその塩を有効成分として含有する。目詰まり防止には、目詰まりの予防又は除去の意味も包含される。
本明細書において、ポリアミンとは、アミノ基を2つ以上含む化合物であれば特に限定はなく、中でも、好ましいポリアミンとしては、2~10個のアミノ基を有する化合物、より好ましくは2~6個のアミノ基を有する化合物、特に好ましくは2~4個のアミノ基を有する化合物が挙げられる。ここで、アミンとは、NH基、NH基、又はN基を含んでいる。例えば、該ポリアミンとしては、ジアミン、トリアミン、テトラアミン(テトラミン)、ペンタアミン(ペンタミン)等が挙げられる。該ポリアミンには、第一級アミン、第ニ級アミン、第三級アミン、及び第四級アンモニウム塩が含まれる。また、該ポリアミンには、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン等も含まれる。
脂肪族ポリアミンとしては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状の、脂肪族ジアミン、脂肪族トリアミン、脂肪族テトラミン、脂肪族ペンタアミン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン等の総炭素数2~30の直鎖状又は分岐鎖状のアルカンジアミンが挙げられ、好ましくは総炭素数2~20の直鎖状のアルカンジアミン、より好ましくは総炭素数2~15の直鎖状のアルカンジアミンである。中でも、好ましい脂肪族ジアミンは、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、及び1,7-ヘプタンジアミンであり、より好ましくは1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、及び1,5-ペンタンジアミンである。
脂肪族トリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,2,4-ブタントリアミン、1,2,5-ペンタントリアミン、1,3,5-ペンタントリアミン、1,2,6-ヘキサントリアミン、1,4,7-ヘプタントリアミン、3,3’-ジアミノプロピルアミン(ノルスペルミジン)、N-(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミン(スペルミジン)等の総炭素数2~30の直鎖状又は分岐鎖状のアルカントリアミンが挙げられ、好ましくは総炭素数2~20の直鎖状のアルカントリアミン、より好ましくは総炭素数2~15の直鎖状のアルカントリアミンである。中でも、好ましい脂肪族トリアミンは、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、3,3’-ジアミノプロピルアミン、及びN-(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミンであり、より好ましくは3,3’-ジアミノプロピルアミン、及びN-(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミンである。
脂肪族テトラアミンとしては、例えば、トリス(3-アミノプロピル)アミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミン、N,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン、ビス(6-アミノヘキシル)アミン等の総炭素数2~30の直鎖状又は分岐鎖状のアルカンテトラアミンが挙げられ、好ましくは総炭素数2~20の直鎖状のアルカンテトラアミン、より好ましくは総炭素数2~15の直鎖状のアルカンテトラアミンである。中でも、好ましい脂肪族テトラアミンは、トリス(3-アミノプロピル)アミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミン、及びN,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンであり、より好ましくはトリス(3-アミノプロピル)アミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、及びN,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンである。
脂肪族ペンタアミンとしては、例えば、テトラエチレンペンタミン等の総炭素数2~40の直鎖状又は分岐鎖状のアルカンペンタアミンが挙げられ、好ましくは総炭素数2~30の直鎖状のアルカンペンタアミン、より好ましくは総炭素数2~20の直鎖状のアルカンペンタアミンである。中でも、好ましい脂肪族ペンタアミンは、テトラエチレンペンタミンである。
脂環族ポリアミンとしては、例えば、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(別名:イソホロンジアミン)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミン、1,3-キシリレンジアミン、1,4-キシリレンジアミン等が挙げられる。
これらポリアミンは、アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよい。
アルキル基としては、例えば、炭素数1~30(好ましくは1~20、より好ましくは炭素数1~6)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。より具体的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、イソペンチル、1-エチルプロピル、ネオペンチル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、1,2,2-トリメチルプロピル、3,3-ジメチルブチル基等が挙げられる。中でも、好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、又はtert-ブチル、より好ましくはメチル、エチル、又はn-プロピルである。n-とはノルマルを、sec-とはセカンダリーを、tert-とはターシャリーを意味する。
アルキル基で置換されたポリアミンとしては、例えば、N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジエチル-1,4-ブタンジアミン等が挙げられ、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジアミンが好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、例えば、炭素数1~30(好ましくは1~20、より好ましくは炭素数1~6)の直鎖状又は分岐鎖状のヒドロキシアルキル基を挙げることができる。より具体的な例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基等が挙げられる。中でも、好ましいヒドロキシアルキル基は、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、及びヒドロキシプロピル基、より好ましくはヒドロキシメチル基、及びヒドロキシエチル基である。
ヒドロキシアルキル基で置換されたポリアミンとしては、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が挙げられ、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミンが好ましい。
該ポリアミンは、潅水チューブの目詰まりを防止する観点から、ジアミン、トリアミン、及びテトラアミンが好ましく、1,3-プロパンジアミン(1,3-ジアミノプロパン)、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、3,3’-ジアミノプロピルアミン、N-(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリス(3-アミノプロピル)アミン、トリエチレンテトラミン、及びN,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンがより好ましい。
アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミンの塩は、農学的に許容される塩であれば特に制限はない。農学的に許容される塩としては、例えば、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸の塩;p-トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩等の有機酸の塩等が挙げられる。
これらポリアミンは、一種単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
本発明の目詰まり防止剤中のポリアミンの濃度は、特に制限はなく、例えば、通常100μM~10M、好ましくは1mM~5M、より好ましくは10mM~1M程度が例示される。また、実際の使用場面では希釈して使用するため、希釈された溶液中のポリアミン濃度としては、通常0.1μM~1M、好ましくは1μM~500mM、より好ましくは10μM~100mM程度が例示される。
本発明の目詰まり防止剤に含まれているポリアミンは、潅水チューブの目詰まり防止剤であるとともに、作物の肥料成分として利用できるものである。
本発明の目詰まり防止剤は、上記した有効成分のみからなるものでもよいが、上記した有効成分に加えて、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
例えば、本発明の潅水チューブの目詰まり防止剤には、さらに、ポリアミン又はその塩以外の公知の肥料成分を含有することができる。特に、養液土耕栽培用肥料又は養液栽培用肥料を添加することができる。
本明細書において、養液土耕栽培とは、基肥を施さず、土壌の持っている良さを活用し、作物の生育に合わせて、作物が必要とする成分を必要な時に必要な量だけ潅水施肥する栽培方法を意味する。
本明細書において、養液栽培とは、土壌を使用しないで、肥料成分を含んだ養液で作物を栽培する方法を意味する。
養液土耕栽培用肥料又は養液栽培用肥料としては、上記ポリアミン又はその塩以外の公知の肥料成分であれば特に制限はなく、無機肥料(化学肥料)、有機肥料等の公知の肥料が挙げられる。
無機肥料としては、例えば、窒素質肥料(石灰窒素;尿素;硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無機酸アンモニウム塩;硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム等の硝酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;及び硝酸アンモニウムカルシウム等の複塩);リン酸質肥料(正リン酸、過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥、焼成リン肥、リン酸マグネシウム肥等のリン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩);カリ質肥料(炭酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、ケイ酸カリウム、炭酸水素カリウム等);複合リン酸カリ肥料(例えば、リン酸一カリウム、リン酸ニカリウム等);珪酸質肥料(例えば、珪酸カルシウム等);マグネシウム質肥料(例えば、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等);カルシウム質肥料(例えば、生石灰、消石灰、及び炭酸カルシウム等;マンガン質肥料(例えば、硫酸マンガン、硫酸苦土マンガン等)、ホウ素質肥料(例えば、ホウ酸、ホウ酸塩等)、含鉄肥料(例えば、鉄鋼スラグ等)の肥料取締法に定められる普通肥料(複合肥料を含む)が挙げられる。
有機肥料としては、例えば、タンパク質又はその分解物、アミノ酸等の有機態窒素を含むものであればよい。該有機肥料の具体例としては、堆肥、緑肥、ぼかし肥、落葉等の有機質肥料;魚煮汁(例えば、鰹節を製造する際に、煮熟工程の煮汁を濃縮することで得られる液体)、トウモロコシ浸漬液、肉骨粉、魚粉、油粕、オカラ、生ゴミ、米糠等の食品残渣又はこれらから得られる抽出物若しくは濃縮物;家畜糞尿、イナワラ等の有機性廃棄物、並びにこれら有機物を含む廃水等が挙げられる。
公知の肥料は、一種単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
本発明の目詰まり防止剤中に公知の肥料を添加する場合、その添加量は、特に限定はなく、例えば、ポリアミン100質量部に対して、通常0.01~1000質量部、好ましくは0.1~300質量部、より好ましくは1~100質量部程度である。
また、本発明の目詰まり防止剤には、本発明の効果を損なわない程度に、さらに、生理活性物質(例えば、生育促進剤、生育抑制剤等の生育調整剤等)、微生物資材、農薬(例えば、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤等)、界面活性剤(例えば、例えば、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、両性界面活性剤等)、ビタミン類(例えば、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸アミド、コリン塩類等)、腐敗防止剤(例えば、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸、プロピオン酸等)、キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸又はその塩;クエン酸又はその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等))、pH調整剤、沈殿防止剤、展着剤、着色剤等の種々の添加剤を加えることができる。
添加剤を使用する場合、その使用量は、ポリアミン又はその塩100質量部に対し、通常0.01~1000質量部、好ましくは0.1~100質量部、より好ましくは1~30質量部程度である。
目詰まりの原因は、潅水チューブ内に、粘性物が生成することである。該粘性物とは、有機肥料由来の有機物等であり、バイオフィルム、スライム等と称されることもある。バイオフィルムとは、細菌、カビ等が、固体表面に付着することによって形成される微生物の集合体であり、該微生物が分泌する細胞外多糖(EPS)により形成されたコロニーが成長したものである。
潅水チューブとは、農業用資材であって、養液土耕栽培システム又は養液栽培システムにおける潅水チューブを示し、点滴型、散水型、噴霧型等の一般に市販される潅水チューブが挙げられる。潅水チューブの材質は、一般に塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックである。
本発明の目詰まり防止剤は、上記各種成分を水等に溶解又は希釈させて溶液としてもよく、液体の状態で保管、及び流通させることができる。
また、上記各成分を使用時に混合及び/又は水に溶解させて、本発明の目詰まり防止剤を調製することができる。
本発明の目詰まり防止剤は、水溶液の状態で使用される。即ち、本発明の目詰まり防止剤を使用するに当たっては、水に該目詰まり防止剤を溶解又は希釈して水溶液の形態にする。その際の、ポリアミン又はその塩の濃度は、通常0.01~50%(W/V)、好ましくは0.1~30%(W/V)、より好ましくは1~10%(W/V)の範囲で適宜設定することができる。
本発明の目詰まり防止剤の使用量は、その希釈割合、潅水チューブの総容量、潅水チューブの汚れ(スケール等)の程度等によって、適宜設定される。
本発明には、潅水チューブ目詰まり防止剤を養液土耕栽培システム又は養液栽培システムの上記潅水チューブに給送する工程を備える、目詰まり防止方法も包含される。当該目詰まり防止方法によれば、養液土耕栽培システム又は養液栽培システムにおける潅水チューブの目詰まりを防止することができる。
本発明の目詰まり防止方法は、上記のように調製された本発明の目詰まり防止剤を潅水チューブ内に送液(給送)することで行われる。
本明細書において、養液土耕栽培システム又は養液栽培システムは、一般に、原水ポンプ、濃厚肥料原液タンク、液肥混入機、潅水チューブ等を有している。
水道水、井戸水、河川水等の原水が原水ポンプによりシステム内に給送され、潅水チューブを介して栽培作物に潅水される。その際、濃厚肥料原液タンク中の高濃度肥料水溶液を前記原水で所定濃度になるように液肥混入機で混合し、希釈肥料水溶液(液肥)を調製し、潅水チューブを介して液肥を栽培作物に供給することで潅水施肥することができる。
2.肥料
本発明の肥料は、アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミン又はその塩を有効成分として含有する。すなわち、本発明の肥料は、アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミン又はその塩の作用によって、潅水チューブの目詰まりが防止できるという効果だけでなく、肥料としての効果も有する。
アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミン又はその塩の種類及び使用量等は、上述したとおりである。
本発明の肥料は、さらに公知の養液土耕栽培用肥料又は養液栽培用肥料を含有し、肥料組成物とすることができる。
公知の養液土耕栽培用肥料又は養液栽培用肥料、及びこれらの含有量は、上述したとおりである。
また、本発明の肥料は、本発明の効果を損なわない程度に、さらに添加物を含有することができる。該添加剤及びその含有量は、上述したその他の成分及びその含有量と同様である。
本発明の肥料を、植物体の根圏域に潅水施用することにより、植物体を栽培することができる。よって、本発明には、上記肥料を、上記肥料を、植物体の根圏域に潅水施用することにより、植物体を栽培する方法も包含される。潅水施用としては、点滴潅水施用、散水潅水施用、噴霧潅水施用等が挙げられる。中でも、点滴潅水施用が好ましい。
本発明の肥料を、植物体又は培土に施用する際は、施用される植物体の必要栄養素量に応じて、肥料を水で希釈することができる。具体的には、10~5000容量倍に希釈して施用するのが好ましく、特に50~1000容量倍に希釈して施用するのがより好ましい。希釈する水は特に限定されないが、上記液体肥料組成物の製造に使用される水と同様のものを使用し得る。
また、その他の施用方法としては、上記希釈液を植物の葉面又は茎に散布する方法、植物育成用培土に散布する方法、植物育成用培土に注入する方法等が挙げられる。あるいは、本発明の肥料は、上記希釈濃度となるように、植物育成用養液に添加することもできる。
本発明の肥料は、液体又は固体であるが、何れの場合も、さらに水に含有させる、又は溶解させることにより液体肥料とすることができる。本発明の肥料を植物体に施肥すると、植物体の生育が促進され、花数、株数等が増加する。
特に、本発明の肥料は、植物体への施肥管理を行う養液土耕栽培方法又は養液栽培法への適用に優れている。
本明細書において、養液栽培法としては、例えば、れき、砂、ピート、バーミキュライト、軽石、オガクズ、ロックウール、ウレタン等の支持体に植物体を定植し、この植物体に液肥を供給する培地耕法及び水耕法;土壌に定植された植物体の根圏域に液体肥料を供給して肥料成分の添加と潅水とを同時に行う養液土耕栽培法等が知られている。これらの養液栽培法は、施肥量を制御でき、適量の液体肥料をどの植物体にも均等に与えることができるため、植物体への施肥管理に優れた栽培方法である。
本発明の肥料をこれら養液栽培法に適用し、植物体の根圏域に施肥することができる。例えば、水耕法においては、掛け流し式又は循環式の培養液として使用することにより潅水施肥ができ、また、養液土耕栽培法においては点滴チューブを介して点滴潅水施肥することができる。
本発明の肥料は、水溶性のポリアミン又はその塩を有効成分としているので、水溶液中の沈殿物等が生じ難く、養液土耕栽培又は養液栽培において、潅水施肥システム内のフィルター及び潅水チューブの潅水孔の目詰まり、混入機等のポンプ機器類への負荷等の懸念がなく、必要な施肥管理を可能とすることができる。
本発明の肥料は、所定濃度になるように水に溶解させて調製することができ、また、予め高濃度水溶液を作成しておき、使用時に水で希釈して調製することもできる。
本発明において、作物とは、従来から栽培されている農園芸用植物を全て包含し、具体的には、例えば、野菜、果樹、花卉、観葉植物、芝類等である。
以下、実施例、比較例及び試験例を掲げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例および試験例において、「%」は、「質量%」を示す。
[試験液]
有機排液(徳島県鳴門市OATアグリオ株式会社栽培研究センター内において、有機肥料を用いた栽培システムのベッド下部から流れ出る排液)
農業用水(徳島県鳴門市OATアグリオ株式会社栽培研究センター横の溝より採取)
[成分]
実施例1~10及び比較例1~5で使用する成分は以下のとおりである。
・1,4-ブタンジアミン(和光純薬工業株式会社)
・3,3'-ジアミノジプロピルアミン(和光純薬工業株式会社)
・N-(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミン(和光純薬工業株式会社)
・トリエチレンテトラミン(東京化成工業株式会社)
N,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(東京化成工業株式会社)
・N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(東京化成工業株式会社)
・トリス(2-アミノエチル)アミン(東京化成工業株式会社)
・1,3-プロパンジアミン(東京化成工業株式会社)
・トリス(3-アミノプロピル)アミン(東京化成工業株式会社)
・N,N'-ジエチル-1,3-プロパンジアミン(東京化成工業株式会社)
・尿素(和光純薬工業株式会社)
・1,3-ジメチル尿素(東京化成工業株式会社)
・鰹ソリューブル8000(川合肥料株式会社)
・硫酸アンモニウム(和光純薬株式会社)
[目詰まり防止剤]
実施例1(目詰まり防止剤の製造)
鰹ソリューブル8000の600倍希釈液に、1,4-ブタンジアミンを50mM、5mM及び1mMとなるように添加し、目詰まり防止剤を調製した。
実施例2~6(目詰まり防止剤の製造)
1,4-ブタンジアミンをそれぞれ表1に記載された成分に代え、表1に記載の濃度となるように添加し、各目詰まり防止剤を調製した。
比較例1及び2
1,4-ブタンジアミンをそれぞれ表1に記載された成分に代えて、表1に記載の濃度となるように添加し、比較例1及び2の溶液を調製した。
比較例3
鰹ソリューブル8000の600倍希釈液を比較例3とした。
試験例1
上記実施例1~6及び比較例1~3で調製した希釈液を、それぞれ96穴マイクロプレートに100μLずつ入れ、微生物源(有機排液又は農業用水)を1μLずつ添加し、30℃で1週間培養した。培養後、上清を捨て、純水を200μLずつ加え、水を捨てた。これを2回繰り返し、0.1%クリスタルバイオレット水溶液を100μLずつ添加し、15分間静置してバイオフィルムの染色を行った。染色液を捨て、純水100μLを再度加えて染色液を洗い流した。99.5%エタノール(和光純薬株式会社)を200μL加え、バイオフィルム中のクリスタルバイオレットを抽出し、プレートリーダー(BioTek製、POWERSCAN HT)を用いて590nmの波長で吸光度を測定した。その結果を表1及び図1に示した。
Figure 0007173584000001
<試験結果>
表1及び図1で示すとおり、実施例1~6の目詰まり防止剤は、有機排液及び農業用水の何れも、吸光度が純水(コントロール)と同程度と低く、比較例1~3に比べて、潅水チューブの目詰まりの原因となる粘性物の形成が著しく抑制された。なお、比較例1及び2の化合物(尿素及び1,3-ジメチル尿素)は、窒素原子を有しているが、粘性物の形成を抑制できないのに対して、本発明の目詰まり防止剤の有効成分(カルボニル基を有していない化合物)は、粘性物の形成を抑制することができた。
実施例7(目詰まり防止剤の製造)
鰹ソリューブル8000の600倍希釈液に、トリス(2-アミノエチル)アミンを100mM、10mM、1mM、100μM又は10μMとなるように添加し、目詰まり防止剤を調製した。
実施例8~10(目詰まり防止剤の製造)
トリス(2-アミノエチル)アミンをそれぞれ表2に記載された成分に代え、表2に記載の濃度となるように添加し、各目詰まり防止剤を調製した。
試験例2
上記実施例7~10及び比較例3で調製した希釈液について、上記試験例1と同様の方法で、吸光度を測定した。その結果を表2及び図2に示した。
Figure 0007173584000002
<試験結果>
表2及び図2で示すとおり、実施例7~10の目詰まり防止剤は、有機排液及び農業用水の何れも、吸光度が純水(コントロール)と同程度と低く、比較例3に比べて、潅水チューブの目詰まりの原因となる粘性物の形成が著しく抑制された。本発明の目詰まり防止剤の有効成分は、2つの窒素原子の間に、カルボニル基を有していない化合物であり、該化合物は、粘性物の形成を抑制することができた。
[肥料の製造]
実施例11(肥料)
鰹ソリューブル8000(窒素6%)を27.5%(W/W)、及び3,3'-ジアミノジプロピルアミン(窒素32%)を5%(W/W)含む試作有機肥料1(全窒素3%)を調製した。
実施例12(肥料)
鰹ソリューブル8000(窒素6%)を25%(W/W)、副産動物質肥料(窒素15.5%)を10%(W/W)、及びトリエチレンテトラミン(窒素38.3%)を10%(W/W)含む試作有機肥料2(全窒素6%)を調製した。
試験例3
上記実施例11及び12で調製した肥料及び比較例3を所定量に希釈し、それぞれ96穴マイクロプレートに100μLずつ入れ、微生物源(有機排液又は農業用水)を1μLずつ添加し、30℃で1週間培養した。培養後、上清を捨て、純水を200μLずつ加え、水を捨てた。これを2回繰り返し、0.1%クリスタルバイオレット水溶液を100μLずつ添加し、15分間静置してバイオフィルムの染色を行った。染色液を捨て、純水100μLを再度加えて染色液を洗い流した。99.5%エタノール(和光純薬株式会社)を200μL加え、バイオフィルム中のクリスタルバイオレットを抽出し、プレートリーダー(BioTek製、POWERSCAN HT)を用いて590nmの波長で吸光度を測定した。その結果を表3及び図3に示した。
Figure 0007173584000003
<試験結果>
表3及び図3で示すとおり、実施例11及び12の目詰まり防止効果を有する肥料は、有機排液及び農業用水の何れも、吸光度が純水(コントロール)と同程度と低く、比較例3に比べて、潅水チューブの目詰まりの原因となる粘性物の形成が著しく抑制された。
[潅水チューブの目詰まりを防止できる肥料の製造]
実施例13
3,3'-ジアミノジプロピルアミンを5%(W/W)含む本発明の有機肥料(全窒素3%)を調製した。
比較例4
鰹ソリューブル8000を全窒素4%となるように調製した。
試験例4(潅水チューブの目詰まり長期試験;点滴潅水施用)
実施例13及び比較例4の肥料をそれぞれ同じ窒素量となるように、実施例13の肥料は養液土耕栽培システム(液肥混入機ONS S2P-25G)で300倍希釈し、比較例4の肥料は養液土耕栽培システム(液肥混入機ONS S2P-25G)で400倍希釈した。各希釈液を、点滴チューブ(METZERPLAS製、LIN16を使用、内径15.8mm、厚さ0.4mm、吐水口径2mm)にて1.6L/穴/時間の流量で流した。1日1回流量を測定し、初期流量(1日目の流量)に対する割合を求めた。69日目からの結果を表4及び図4に示した。なお、表4には、3日おきの数値しか記載していない。
Figure 0007173584000004
<試験結果>
表4及び図4に示したとおり、通常の有機肥料(比較例4)は、89日目(初期流量に対する割合:76.9)からチューブが詰まってしまい、初期流量に対する流量が減少したが、本発明の有機肥料(実施例13)は、比較例4に比べて、潅水チューブの目詰まりを長期間抑制することができた。
実施例14
3,3’-ジアミノプロピルアミンを10mMになるように調製した。
試験例5(追肥:土壌潅注)
園芸用専用培土(愛菜2号、片倉コープアグリ株式会社)をビーポッドY-55(キャネロン化工株式会社)に詰め、そこにコマツナ(品種:夏楽天、タキイ種苗株式会社)を播種し、適宜水を潅水した。第一葉展開後に、実施例14で調製した肥料を10mL/株で土壌潅注した。これを2回/週の間隔で処理を行い、計4回処理を行った。播種後4週間後に生育調査を行い、その結果を表5及び図5に示した。
Figure 0007173584000005
<試験結果>
表5及び図5に示したとおり、本発明の肥料(実施例14)は、無処理区と比較して、草丈、地上部新鮮重ともに増加し、肥料としての効果を有していた。
実施例15
ノウバウエルポット(富士理化工業株式会社)に赤玉土を充填し、3,3’-ジアミノプロピルアミンを窒素として100、200、300、又は400mg/鉢となるように、過リン酸石灰(多木化学株式会社)をPとして100mg/鉢、及び塩化カリウム(和光純薬株式会社)をKOとして100mg/鉢となるようにそれぞれ添加し、本発明の肥料を含む土を準備した。
比較例5
3,3’-ジアミノプロピルアミンを、硫酸アンモニウムに代えた以外は、実施例15と同様の方法に従い、比較例5の肥料を含む土を準備した。
試験例6(基肥)
実施例15及び比較例5の土が乾かないように水で濡らしながら1週間置き、その後コマツナを、それぞれの土に播種した。播種から3週間後に生育調査を行った。その結果を表6及び図6に示した。
Figure 0007173584000006
<試験結果>
本発明の肥料(実施例15)は、無処理区と比べて、コマツナの生育に、約2倍程度の違いがあり、3,3’-ジアミノプロピルアミンには肥料としての効果を有することがわかった。また、本発明の肥料(実施例15)は、比較例5の肥料(硫酸アンモニウム)と同程度の生育度を示した。
実施例16
トリエチレンテトラミンを100mM、10mM、又は1mM溶液となるように水でそれぞれ希釈して、本発明の肥料を調製した。
試験例9(基肥)
園芸用専用培土(愛菜2号、片倉コープアグリ株式会社)をビーポッドY-55(キャネロン化工株式会社)に詰め、そこにコマツナ(品種:夏楽天、タキイ種苗株式会社)を播種し、適宜水を潅水した。第一葉展開後に、本発明肥料の100mM、10mM又は1mM溶液をそれぞれ10mL/株で土壌潅注した。2回/週の間隔で処理を行い、計4回処理を行った。播種4週間後に生育調査を行い、その結果を表7及び図7に示した。
Figure 0007173584000007
<試験結果>
本発明の肥料は、無処理区(コントロール)と比べて、コマツナの生育に、約2倍程度の違いがあり、トリエチレンテトラミンには肥料としての効果を有することがわかった。

Claims (9)

  1. アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミン又はその塩を含有する潅水チューブの粘性物による目詰まり防止剤(前記アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミンが、ジメチルアミノプロピルアミンである場合を除く。)
  2. 前記アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミンが、アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよい脂肪族ジアミン、アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよい脂肪族トリアミン、及び、アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよい脂肪族テトラアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の潅水チューブの粘性物による目詰まり防止剤。
  3. 前記アルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換されていてもよいポリアミンが、1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、3,3’-ジアミノプロピルアミン、N-(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリス(3-アミノプロピル)アミン、トリエチレンテトラミン、又はN,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンである、請求項1に記載の潅水チューブの粘性物による目詰まり防止剤。
  4. さらに、養液土耕栽培用肥料又は養液栽培用肥料を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の潅水チューブの粘性物による目詰まり防止剤。
  5. 請求項1~4の何れか一項に記載の潅水チューブの粘性物による目詰まり防止剤を含有する肥料。
  6. 潅水チューブの粘性物による目詰まりが防止できる、請求項5に記載の肥料。
  7. 請求項1~4の何れか一項に記載の潅水チューブの粘性物による目詰まり防止剤を、養液土耕栽培システム又は養液栽培システムの潅水チューブに給送する工程を備える、養液土耕栽培システム又は養液栽培システムにおける潅水チューブの粘性物による目詰まり防止方法。
  8. 請求項5又は6に記載の肥料を、植物体の根圏域に潅水施用することにより、植物体を栽培する方法。
  9. 潅水施用が点滴潅水施用である、請求項8に記載の方法。
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