1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63およびセレクトボタン64(図1中の一点鎖線内の平面図参照)が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(表示手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様や、左右方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」とも言う)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアがある。演出保留の表示により、後述の特図保留表示器43(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1始動入賞口や固定入球口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(「特図1の抽選」や「特図1に係る当たり抽選」とも言う、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21を第2始動入賞口や可変入球口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(「特図2の抽選」や「特図2に係る当たり抽選」とも言う、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口切替部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態(第1状態)をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態(第2状態)をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(特別入賞口の一例)30を備えた第1大入賞装置(特別入賞手段の一例)31が設けられている。第1大入賞装置31を、第1特別可変入賞装置とも言う。第1大入賞装置31は、開状態(第1状態)と閉状態(第2状態)とをとる開閉部材(特別入賞口切替部材の一例)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口の一例)35を備えた第2大入賞装置(特別入賞手段の一例)36が設けられている。第2大入賞装置36を、第2特別可変入賞装置とも言う。第2大入賞装置36は、開状態(第1状態)と閉状態(第2状態)とをとる開閉部材(特別入賞口切替部材の一例)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。なお、第2大入賞装置36は、特定領域(V領域)39を備えているため、「Vアタッカー」とも称される。これに対して、第1大入賞装置31は、特定領域(V領域)を備えていないため、「ノーマルアタッカー」とも称される。
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄(第1図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄(「所定の図柄」に相当)を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する特図保留表示器43が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、特図抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技が行われる。なお、大当たり遊技又は小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。また、大当たり遊技は、特別遊技に相当する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(判定用情報)は、第1特図保留として、特図保留記憶部85(図4参照)に記憶される。特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数)は「4」となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する特図抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
なお本パチンコ遊技機1は、第2始動口21への遊技球の通過に基づく第2特別図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に第2始動口21への通過があった場合には、その通過に基づく大当たり乱数等の取得を行わない構成である。すなわち、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)を記憶しない構成である。なお、実現させたい遊技性によっては、第2特図保留をRAM84(図4参照)内の所定の記憶領域に所定の上限数(例えば「4」)まで記憶可能な構成としてもよい。この場合、RAM84に記憶された第2特図保留は、その第2特図保留に基づく第2特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。第2特図保留の消化とは、その第2特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための第2特別図柄の可変表示を実行することをいう。またこの場合、第2特図保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器を設けるとよい。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が「当たり(普図当たり)」である場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
なお本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中にゲート28への通過があった場合には、その通過に基づく普通図柄乱数の取得を行わない構成である。すなわち、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)を記憶しない構成である。なお、普図保留をRAM84(図4参照)内の所定の記憶領域に所定の上限数(例えば「4」)まで記憶可能な構成としてもよい。この場合、RAM84に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。またこの場合、普図保留の記憶数を表示する普図保留表示器を設けるとよい。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部99を構成する。なお、サブ制御部99は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
また電源基板150には、後述する遊技制御用マイコン81のRAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)152が設けられている。なお図15に示すように、RAMクリアスイッチ152は、本パチンコ遊技機1の裏側に配置された電源基板150上(詳しくは、パチンコ遊技機1を裏側から見た場合に電源基板150における電源スイッチ155の右方)に設けられている。そのため、遊技機枠50を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ152を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ152は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。なお、RAMクリアスイッチ152は、タクトスイッチであり、RAMクリアスイッチ152が押下操作されると、RAMクリアスイッチ152がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン81に入力される。RAMクリアスイッチ152が押されている状態をRAMクリアスイッチ152のON状態といい、RAMクリアスイッチ152が押されていない状態をRAMクリアスイッチ152のOFF状態という。
図4に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85の他、後述する設定値情報記憶部86が設けられている。また主制御基板80には、図15に示すように、7セグ表示器190と設定キーシリンダ180とが設けられている。7セグ表示器190と設定キーシリンダ180については後に詳述する。
また主制御基板80には、図4に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、および特図保留表示器43が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球や貸球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。RAM94には、後述する設定値フラグ95が設けられている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された盤可動体15を動作させる。なお盤可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
なお図4及び図5は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図4及び図5に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図4及び図5に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図4及び図5に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。遊技状態には、通常遊技状態(非時短状態、非特典遊技状態に相当)と、時短状態(特典遊技状態に相当)とがある。時短状態では、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動する。普通図柄表示器42の確率変動機能とは、普通図柄抽選の当選確率が非時短状態のときよりも高くなる機能である。具体的には図12(B)に示すように、非時短状態の普通図柄抽選では当たりとなることはないが、時短状態の普通図柄抽選では必ず当たりとなる。
また時短状態では、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動する。普通図柄表示器42の変動時間短縮機能とは、普通図柄の変動時間が非時短状態のときよりも短くなる機能である。具体的には図12(C)に示すように、非時短状態では変動時間は30秒に設定されるが、時短状態では変動時間は1.5秒に設定される。
また時短状態では、電チュー22の開放時間延長機能が作動する。電チュー22の開放時間延長機能とは、補助遊技における電チュー22の開放時間が非時短状態のときよりも長くなる機能である。具体的には図14に示すように、非時短状態では開放時間は2秒に設定されるが、時短状態では開放時間は4秒に設定される。
普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、及び、電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態(つまり時短状態)を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態(つまり非時短状態)を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。
なお、時短状態(高ベース状態)において、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。すなわち、非時短状態(低ベース状態)での補助遊技における電チュー22の開放回数を相対的に少なく設定し、時短状態での補助遊技における電チュー22の開放回数を相対的に多く設定してもよい。
また、時短状態(高ベース状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22に係る第2始動口21に遊技球が入賞し易くなっていればよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、後述する時短当たり(特図1の抽選に基づく「4R時短大当たり」、あるいは、特図2の抽選に基づく各種の「小当たり」)に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、基本的には、時短状態(高ベース状態)に制御される。但し本形態のパチンコ遊技機1には、所謂「時短リミッタ」の機能が設けられている。「時短リミッタ」の機能とは、大当たり遊技後に時短状態に制御された連続回数が予め定められた「制限回数」に到達した場合には、その次の大当たり遊技が時短当たりに基づく大当たり遊技であっても、非時短状態(低ベース状態)に制御する機能である。本形態のパチンコ遊技機1では、制限回数は5回に設定されている。
時短状態は、所定の終了条件が成立した場合に終了する。本形態では、時短状態の終了条件として、特別図柄に基づく終了条件や、大当たり遊技の実行に基づく終了条件の他、普通図柄に基づく終了条件が定められている(図8参照)。なお、時短リミッタや時短状態の終了条件については、後に詳述する。
時短状態(高ベース状態)では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により非時短状態(低ベース状態)と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、非時短状態(低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、時短状態(高ベース状態)と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態(非時短状態)である。また、大当たり遊技の実行中の状態を大当たり遊技状態といい、小当たり遊技の実行中の状態を小当たり遊技状態という。なお、大当たり遊技の実行中の状態を特別遊技状態ともいう。
4.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄抽選の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。また、大当たり遊技と小当たり遊技とを総称して特別遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
〈大当たり図柄の種別について〉
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では図6に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類ある。具体的には特図1の抽選では、振分率50%で「特図1_大当たり図柄A」に当選し、振分率50%で「特図1_大当たり図柄B」に当選する。なお、本形態では、第2特別図柄(特図2)の抽選において「大当たり」と判定されることはない(図7参照)。
「特図1_大当たり図柄A」は、4R(ラウンド)の時短大当たりであり、「特図1_大当たり図柄B」は、13Rの非時短大当たりである。どちらの大当たり図柄に基づく大当たり遊技でも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「特図1_大当たり図柄A」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「時短状態(高ベース状態)」であるが、「特図1_大当たり図柄B」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「非時短状態(低ベース状態)」である。なお、「特図1_大当たり図柄A」に基づく大当たり遊技後の時短状態は、その終了条件が第1終了条件に設定される。この点については、後述する。
〈小当たり図柄の種別について〉
また特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。また、大当たり遊技の1ラウンド中、又は小当たり遊技中に、複数回大入賞口を開放させることがあってもよい。
本形態では図6に示すように、特図1の抽選で当選可能な小当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される小当たり図柄)の種別は1種類である。また図7に示すように、特図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される小当たり図柄)の種別は4種類である。具体的には特図1の抽選では、「特図1_小当たり図柄a」に当選する可能性がある。また特図2の抽選では、振分率60%で「特図2_小当たり図柄b」に当選し、振分率15%で「特図2_小当たり図柄c」に当選し、振分率20%で「特図2_小当たり図柄d」に当選し、振分率5%で「特図2_小当たり図柄e」に当選する。
特図1の抽選に基づく小当たり(特図1_小当たり図柄a)は、特定領域39への通過(V通過ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、特図2の抽選に基づく小当たり(特図2_小当たり図柄b、特図2_小当たり図柄c、特図2_小当たり図柄d、及び特図2_小当たり図柄e(以下、「小当たり図柄b」~「小当たり図柄e」と表記する))は、V通過が必ず可能な小当たりである。つまり本形態では、特図1の抽選に基づく小当たり当選から大当たり遊技が実行されることは、イレギュラーなケースを除いてない。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。
各種別の小当たり図柄に基づく小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たり図柄の種別に応じて異なっている。具体的には図6に示すように、「小当たり図柄a」ではおよそ4.6秒であり、図7に示すように、「小当たり図柄b」~「小当たり図柄e」では0.008秒である。このように小当たり図柄の種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えるためである(図24参照)。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過用開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過用開放パターンとをつくり出している。通過用開放パターンおよび非通過用開放パターンの詳細については後述する。
また特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たり図柄の種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30が開放される。具体的には、図6に示す「小当たり図柄a」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から5R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から16R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に4Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、「非時短状態(低ベース状態)」に制御される。但し、「小当たり図柄a」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、このような2種大当たり遊技が実行されることはイレギュラーなケースを除いてない。
また、図7に示す「小当たり図柄b」又は「小当たり図柄c」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から5R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から16R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に4Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、「時短状態(高ベース状態)」に制御される。
また、図7に示す「小当たり図柄d」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から9R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、10R目から16R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に8Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、「時短状態(高ベース状態)」に制御される。
また、図7に示す「小当たり図柄e」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から14R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、15R目から16R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に13Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、「時短状態(高ベース状態)」に制御される。
<時短状態の終了条件>
次に時短状態の終了条件について説明する。図8に示すように、時短状態の終了条件には、第1終了条件と、第2終了条件とがある。第1終了条件と第2終了条件のどちらにも、普通図柄に基づく終了条件と、特別図柄に基づく終了条件と、その他の終了条件とがあるが、第1終了条件と第2終了条件とでは、普通図柄に基づく終了条件だけが異なっている。
具体的には、第1終了条件では、時短状態における普通図柄の上限変動回数が「2」に設定される(普通図柄に基づく終了条件)。また第1終了条件では、時短状態における特別図柄の上限変動回数が、特図2のみの上限変動回数については「1」に設定され、特図1のみの上限変動回数および特図1と特図2との合計の上限変動回数については「5」に設定される(特別図柄に基づく終了条件)。特別図柄の上限変動回数をこのように設定している理由は、特図1保留球数が「4」の状態で時短状態に制御された場合に、その4回の特図1の変動が実行されても、特図2の変動が1回行われる余地を残しておくためである。また第1終了条件では、大当たり遊技の実行も時短状態の終了契機として設定される(その他の終了条件)。
これに対して、第2終了条件では、時短状態における普通図柄の上限変動回数が「1」に設定される(普通図柄に基づく終了条件)。なお、第2終了条件における「特別図柄に基づく終了条件」および「その他の終了条件」は、第1終了条件と同じである。
ここで、第1終了条件が設定される時短状態を第1時短状態と言い、第2終了条件が設定される時短状態を第2時短状態と言う。第1時短状態では、第1終了条件として挙げた各種の終了条件(普通図柄に基づく終了条件1つ、特別図柄に基づく終了条件3つ、その他の終了条件1つ)のうちいずれか1つの終了条件が成立した場合には、時短状態は終了する。また、第2時短状態では、第2終了条件として挙げた各種の終了条件(普通図柄に基づく終了条件1つ、特別図柄に基づく終了条件3つ、その他の終了条件1つ)のうちいずれか1つの終了条件が成立した場合には、時短状態は終了する。
特図1の抽選に基づいて時短大当たりに当選した場合には、時短状態の終了条件は第1終了条件に設定される(図6参照)。すなわち、所謂「初当たり」に基づく時短状態では、第1終了条件に設定される。そして、特図2の抽選に基づく時短小当たりのうち「小当たり図柄b」、「小当たり図柄d」、又は「小当たり図柄e」に当選して2種大当たり遊技が実行された場合には、その後の時短状態の終了条件は、第1終了条件に設定される。これに対して、特図2の抽選に基づく時短小当たりのうち「小当たり図柄c」に当選して2種大当たり遊技が実行された場合には、その後の時短状態の終了条件は、第2終了条件に設定される。すなわち、時短状態の終了条件が第2終了条件に設定されるのは、特図2の抽選に基づく小当たりの15%だけである(図7参照)。
このように本形態では、時短状態の終了条件に2種類設けられている。後に詳述するが、第1終了条件に設定された場合には、時短状態における1回目の特図2の変動開始時点では時短状態のままとなる。これに対して、第2終了条件に設定された場合には、時短状態における1回目の特図2の変動開始時点で既に時短状態は終了し、非時短状態に移行していることとなる(図23参照)。このことは、本パチンコ遊技機1の特徴的なゲーム性を実現させるための構成の1つである。
<時短状態の連続制御回数の制限>
本形態のパチンコ遊技機1は、所謂「時短リミッタ」の機能が搭載されている。「時短リミッタ」の機能とは、大当たり遊技後に時短状態に制御された連続回数が所定の制限回数(本形態では「5」)に到達している場合には、時短当たりに基づく大当たり遊技後であっても、非時短状態に制御する機能である。但し、大当たり遊技後に時短状態に制御されても、次の当選が非時短状態に移行した後に判定されたものである場合には、時短状態の連続制御回数のカウントはリセットされる。
本パチンコ遊技機1では、時短状態の連続制御回数の上限値は「5」である。すなわち、本パチンコ遊技機1は、特図1の抽選において時短大当たり(図6に示す「特図1_大当たり図柄A」)に当選すれば、その大当たり(初当たり)を含めて6回の大当たり遊技の実行が実質的に確定する遊技性(所謂6回セット機の遊技性)である。言い換えれば本パチンコ遊技機1では、非時短状態から大当たり遊技を経て時短状態に制御されると、残り5回の大当たり遊技の実行が容易となる遊技性である。その上で、上述したように、第2終了条件に設定された場合には、特図2の抽選において小当たり当選と判定される前に非時短状態に移行するようになっている。そのため本形態では、時短状態が第2終了条件に設定されることは、再び6回の大当たり遊技の実行が実質的に確定することを意味する。すなわち本パチンコ遊技機1は、大当たり遊技が6回実行されるまでに、第2終了条件の時短状態の契機となる「小当たり図柄c」に当選すれば、その次は非時短状態での小当たり当選に基づく大当たり遊技となり、その大当たり遊技を含めて再び6回の大当たり遊技の実行が実質的に確定する遊技性となっている。つまり、第2終了条件の時短状態となることで、6回の大当たり遊技が再セットされる遊技性となっている(図21参照)。なお、この点については、後に詳述する。
ちなみに、本形態のように、正しく遊技している限り、所定の上限回数の大当たり遊技が実行されるまでは、大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御されることはない(大当たり遊技後の遊技状態が時短状態となる)構成を、「所定の上限回数の大当たり遊技の実行が実質的に確定する」と表現したり、「所定の上限回数の大当たり遊技の実行が容易となる」と表現したりすることがある。
〈大当たり乱数等について〉
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりの判定及び小当たりの判定は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の判定は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、当否判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
5.大当たり判定テーブルについて
ここで本形態のパチンコ遊技機1は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりであるか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、及び、小当たりであるか否か(小当たり遊技を実行するか否か)を決定し得る。大当たり判定テーブルは、図10(A)から図10(F)に示すように、設定値の各々に対応して設けられている。本形態では、設定値として「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、又は「6」の6種類が設けられている。
なお、設定値が「1」である設定を「設定1」と言い、設定値が「2」である設定を「設定2」と言い、設定値が「3」である設定を「設定3」と言い、設定値が「4」である設定を「設定4」と言い、設定値が「5」である設定を「設定5」と言い、設定値が「6」である設定を「設定6」と言う。
設定値は、後述する「当たり判定処理」で大当たりと判定される確率(「大当たり判定確率」や「大当たり当選確率」と適宜呼ぶ)を定めるパラメータである。設定値は、後述するように、遊技場の従業員等によって設定される。なお設定値の種類、及び大当たり判定テーブルの種類は、6種類に限られるものではなく、適宜変更可能である。
図10(A)~図10(F)に示すように、各々の設定値に対応する大当たり判定テーブルには、大当たり、小当たり、又はハズレと判定される大当たり乱数値が特別図柄の種類毎に振り分けられている。大当たり判定テーブルは、設定値が高く設定されるほど、大当たりと判定され易いように設定されている。具体的には、設定値「1」の大当たり判定テーブルでは、大当たり当選確率が約1/300に設定されており、設定値「2」の大当たり判定テーブルでは、大当たり当選確率が約1/280に設定されており、設定値「3」の大当たり判定テーブルでは、大当たり当選確率が約1/260に設定されており、設定値「4」の大当たり判定テーブルでは、大当たり当選確率が約1/240に設定されており、設定値「5」の大当たり判定テーブルでは、大当たり当選確率が約1/220に設定されており、設定値「6」の大当たり判定テーブルでは、大当たり当選確率が約1/200に設定されている。
但し本形態では、特図1の抽選でのみ「大当たり」であるか否かの判定が行われ、特図2の抽選では「大当たり」であるか否かの判定は行われない。すなわち、特図1の抽選では上述した設定値毎の当選確率で大当たりに当選可能であるが、特図2の抽選では何れの設定値に設定されていても大当たりに当選することはない(つまり特図2の抽選における大当たり当選確率は0%である)。
また、小当たりの当選確率は、設定値が「1」~「6」のいずれに設定されていても変わらない。具体的には、特図1の抽選では、何れの設定値に設定されていても約1/124の確率で小当たり当選と判定される。一方、特図2の抽選では、何れの設定値に設定されていても必ず小当たり当選と判定される(つまり特図2の抽選における小当たり当選確率は100%である)。
このように本形態では、大当たり当選確率(特図1の抽選における大当たり当選確率)が異なる6段階の設定を有しているが、特図2の抽選では「大当たり」に当選することも「ハズレ」となることもないように構成されている。特図2の抽選において「大当たり」に当選することがないという構成は、本パチンコ遊技機1の特徴的な構成の1つである。
ここで、本形態のような特図1の抽選には「大当たり」を含むが特図2の抽選には「大当たり」を含まない遊技機と、従来のように特図1の抽選にも特図2の抽選にも「大当たり」を含む遊技機とを比較する。図11に示すように、特図2の抽選に「大当たり」を含む遊技機において、本形態のように「設定」を設けた場合には、次のようになる。すなわち、上述した通り小当たり当選確率は設定差を設けずに不変とするため、大当たり当選確率が最も高い設定6(大当たり当選と判定される乱数値の数が最も多い設定6)において、特図2の抽選結果が大当たり若しくは小当たり(すなわちハズレ無し)となるように構成した場合には、設定6よりも大当たり当選確率が低い設定1等の他の設定(大当たり当選と判定される乱数値の数が設定6よりも少ない他の設定)では、特図2の抽選結果に「ハズレ」が含まれるようになってしまう。すなわち、特図2の抽選に「大当たり」を含む構成では、設定値の設定により大当たり当選確率を変えることと、特図2の抽選では必ず当選すること(当選確率1/1)との両立が不可能である。
これに対して、本形態のパチンコ遊技機1では、特図1の抽選にのみ「大当たり」が含まれており、特図2の抽選には「大当たり」が含まれていない。よって、設定値の設定による特図1の抽選における大当たり当選確率の変更を可能にした上で、特図2の抽選では必ず当選する(小当たりする)という遊技性を実現することが可能となっている。言い換えれば、特図1の抽選が主に行われる遊技期間中(つまり非時短状態中)は設定差に応じた大当たり当選確率に従って大当たり獲得を目指し、その後に時短状態に制御されて、特図2の抽選が主に行われる遊技期間となった場合には、設定値に関係なく大当たりの連荘(賞球の獲得)を目指すという遊技性を実現することが可能となっている。つまり、一旦、時短状態に移行してしまえば、設定値に関係なく大当たりの連荘(賞球の獲得)に期待することが可能な遊技性が実現されている。
なお、大当たり判定テーブルにおける大当たり乱数値の振り分け方は、図10(A)~図10(F)に限られるものではなく、適宜変更可能である。
6.主制御基板ユニット80B並びに設定(設定値)の変更方法及び確定方法
続いて、主制御基板ユニット80B、設定の変更方法、設定の確定方法について、順に説明する。図15に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側において、電源基板150は、内枠52の後方の下側に配置されている。電源基板150よりも後方には、払出制御基板110が配置されていて、電源基板150と払出制御基板110とは、少なくとも一部が前後方向に重なっている。電源基板150と払出制御基板110とは、遊技盤2の後方に設けられている透明の外側カバー55よりも、外側に配置されている。よって、払出制御基板110は、遊技盤2ではなく、遊技機枠50(内枠52)に設けられている「枠側基板」ということができる。なお払出制御基板110は、その視認性を妨げない払出制御基板ケース110Aに収容されている。
一方、主制御基板80や、上述したサブ制御基板90、ランプ制御基板107、画像制御基板100は、遊技盤2の外側カバー55の内部に配置されている。そのため、主制御基板80、サブ制御基板90、ランプ制御基板107、画像制御基板100は、遊技機枠50ではなく、遊技盤2に設けられている「盤側基板」ということができる。なお主制御基板80は、遊技制御用マイコン81の視認性を妨げない主制御基板ケース(遊技制御基板ケース)80Aに収容されている。主制御基板80と主制御基板ケース80Aとは、主制御基板ユニット(遊技制御基板ユニット)80Bを構成している。
図16(A)は、主制御基板ユニット80Bの斜視図であり、図16(B)は、主制御基板ユニット80Bの正面図である。図16に示すように、主制御基板ケース80Aは、主制御基板80の部品実装面(後面)側を覆う蓋ケース410と、主制御基板80の半田面(前面)側を覆う底ケース420と、を備えている。主制御基板80は、蓋ケース410にねじ止めされ、蓋ケース410は、底ケース420に対して組み付けられる。こうして、主制御基板80は、主制御基板ケース80Aの内部に収容される。なお、主制御基板ケース80Aは、主制御基板80を収容した後、左側部および右側部をかしめピン430,430により開封不能に封止される。
主制御基板80の左右方向中央かつ上下方向中央には、遊技制御用マイコン81がICソケットを介して実装されている。また、主制御基板80の左右方向中央かつ上下方向下部(遊技制御用マイコン81の下方)には、7セグ表示器190が実装されている。主制御基板ケース80Aは、無色透明の合成樹脂(例えばポリカーボネート)で構成されている。よって、主制御基板ケース80Aの外部から遊技制御用マイコン81や7セグ表示器190等の実装部品を視認することが可能である。
また、主制御基板80の左下部(パチンコ遊技機1を後方から見た場合の右下部)には、設定キーシリンダ180が実装されている。設定キーシリンダ180は、専用の設定キー184(図16(A)参照)を用いてON状態とOFF状態とを切り替えることが可能なスイッチ部品である。設定キーシリンダ180は、固定部(外側シリンダ、外筒部)の内側に回動可能に設けられた回動部(内側シリンダ、内筒部)を備えている。回動部には、設定キー184を挿入するための鍵穴185が設けられている。
設定キーシリンダ180の鍵穴185に設定キー184を挿入し、設定キー184(設定キーシリンダ180の回動部)をOFF位置(待機位置や初期位置とも言う、図20(B)に示す位置)から、ON位置(回転位置や移動位置とも言う、OFF位置から右に90度回転させた位置)に回転させることにより、設定キーシリンダ180内のスイッチング回路(設定キーシリンダスイッチ180a、図4参照)のON/OFFを切り替えることができる。なお、設定キーシリンダスイッチ180aがOFFである状態を設定キーシリンダ180のOFF状態といい、設定キーシリンダスイッチ180aがONである状態を設定キーシリンダ180のON状態という。また、設定キー184(設定キーシリンダ180の回動部)のON位置は、OFF位置から90度回転させた位置である。また、設定キー184(設定キーシリンダ180の回動部)がON位置(回転位置)にあることを「設定キーシリンダ180が回転位置にある」とも言い、設定キー184(設定キーシリンダ180の回動部)がOFF位置(待機位置)にあることを「設定キーシリンダ180が待機位置にある」とも言うこととする。
なお本形態では、設定キーシリンダ180の鍵穴面186と蓋ケース410の後面410aとが略同一平面にある(図16(A)参照)。つまり、鍵穴面186は、主制御基板ケース80Aの後面410aに対して突出したり、引っ込んだりしているわけではない。よって、設定キーシリンダ180が主制御基板ケース80Aから突出しているものに比べて、主制御基板ケース80Aの後方のスペースを確保できるとともに、設定キーシリンダ180の破損を防ぐことが可能である。また、主制御基板ケース80Aに対して引っ込んでいるものに比べて、設定キーシリンダ180と開口部411との隙間をほぼ無くすことが可能であるため(開口部411が設定キーシリンダ180によって塞がれているため)、開口部411から主制御基板ケース80Aの中に異物が侵入しないようにすることが可能である。その結果、設定キーシリンダ180に対する不正や、主制御基板80に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
特に本形態では、主制御基板80の開口部411が設定キーシリンダ180によって塞がれているとともに、主制御基板80に設けられた周壁部413が設定キーシリンダ180の周囲をほぼ隙間なく囲っている(図16(A)参照)。そのため、開口部411から異物(例えば針金やピアノ線等)を侵入させて遊技制御用マイコン81等にアクセスする等の不正行為を行うことが一層困難になっている。また、設定キーシリンダ180が周壁部413に囲われているため、仮に異物(例えば針金やピアノ線等)が開口部411以外の箇所から主制御基板ケース80Aの内部に侵入させられた場合であっても、設定キーシリンダ180への接触を抑制することが可能となっている。また、不正な磁気の影響によって、後述する設定キーシリンダスイッチ180aの状態が切替えられる事態を生じ難くすることが可能となっている。
次に、7セグ表示器190(表示手段)について説明する。7セグ表示器190の表示制御は、遊技制御用マイコン81によって実行される。なお7セグ表示器190が、例えばサブ制御基板90上ではなく、主制御基板80上に設けられているのは、以下の理由に基づく。即ち、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、適正動作を確かめる試験の検査対象になっているところ、その主制御基板80によって設定値の表示が制御されれば、設定値の表示の信頼性が担保できるからである。
図17に示すように、7セグ表示器190は、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器190は、左から右に向かって順番に、第1表示領域191と第2表示領域192と第3表示領域193と第4表示領域194とを備えている。そして4つの表示領域191,192,193,194は、それぞれ「0」~「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。なお4連7セグは市場に多く流通している流通品であるため、4連7セグ(7セグ表示器190)を用いることで、表示手段を安価に構成することが可能である。
本形態では、「1」~「6」までの何れかの設定値は、7セグ表示器190の第4表示領域194で表示される。また設定値が表示されるときには、第4表示領域194の点灯部分LB25~LB32が、設定値の数字を表すように点灯態様(発光し続ける発光態様)で発光する。なお第4表示領域194で設定値が表示されているときには、第1表示領域191と第2表示領域192と第3表示領域193には何も表示されない。
次に、設定値の変更方法について説明する。設定値を変更するためには、設定変更モードに移行させる必要がある。設定変更モードへの移行は、電源投入時のみ行うことが可能である。ここでは、設定変更モードに移行させるための操作だけでなく、パチンコ遊技機1の電源投入時に行うことが可能な種々の操作についてまとめて説明する。図18に示すように、パチンコ遊技機1の電源投入時に行うことが可能な操作には、設定変更モード移行操作、設定確認操作、RAMクリア操作、通常の電源投入操作の4つの種類がある。
設定変更モード移行操作(設定変更可能化操作)は、設定値の変更が可能な設定変更モードに移行させるための操作である。具体的には、設定キーシリンダ180(設定キースイッチ)及びRAMクリアスイッチ152を共にON状態にしつつ、電源スイッチ155をON状態にする(電源スイッチ155をON操作する)という操作である。この操作により、パチンコ遊技機1に電力が供給される(パチンコ遊技機1が電源投入状態になる)とともに、電源投入後のモードが設定変更モードになる。設定変更モードにおける設定の変更操作や確定操作については後述する。設定の確定操作により設定変更モードは終了する。これにより、遊技可能な遊技モード(非設定変更モードの1つ)となる。
設定確認操作は、設定確認モード(非設定変更モードの1つ)に移行させるための操作である。設定確認モードとは、設定値の変更はできないが、設定値が7セグ表示器190に表示されることで設定値を確認することができるモードである。設定確認操作は、具体的には、設定キーシリンダ180をON状態にしつつ、電源スイッチ155をON状態にする(電源スイッチ155をON操作する)という操作である。設定確認操作では、RAMクリアスイッチ152はOFF状態のままにする。このような設定確認操作により、パチンコ遊技機1に電力が供給されるとともに、電源投入後のモードが設定確認モードになる。設定確認モードは、設定値が7セグ表示器190に表示されてから一定時間(例えば3秒)が経過すると終了する。設定確認モードの終了後、遊技可能な遊技モードとなる。なお、設定確認モードは、設定キーシリンダ180がOFF状態になる(設定キーがOFF位置に回転操作される)ことにより終了する構成としてもよい。
RAMクリア操作は、RAMクリアモード(非設定変更モードの1つ)に移行させるための操作である。RAMクリアモードとは、遊技制御用マイコン81に設けられたRAM84の所定の記憶領域等を初期化する「RAMクリア」がなされるモードである。RAMクリアがなされると、これまでの遊技内容がクリアされる。なお、RAMクリアがされても、RAM84に記憶されている設定値の情報は、消去されず保持される。また、RAMクリアモードに移行しても、設定値の変更は可能とはならず、7セグ表示器190に設定値が表示されることもない。RAMクリア操作は、具体的には、RAMクリアスイッチ152をON状態にしつつ、電源スイッチ155をON状態にする(電源スイッチ155をON操作する)という操作である。RAMクリア操作では、設定キーシリンダ180はOFF状態のままにする。このようなRAMクリア操作により、パチンコ遊技機1に電力が供給されるとともに、RAMクリアがなされる。なお、RAMクリアモードは、RAMクリアに関する所定の処理が実行されることにより自動的に終了する。RAMクリアモードが終了すると、遊技可能な遊技モードとなる。なお本形態では、設定変更モードを終了させた場合にもRAMクリアがなされる。しかしながら、このように設定の変更を伴わずにRAMクリアだけを行わせる操作を設けておくことで、設定変更の作業量よりも少ない作業量でRAMクリアだけを行わせることが可能となっている。
通常の電源投入操作は、設定変更モードへの移行、設定確認モードへの移行、及び、RAMクリアを伴わずに、パチンコ遊技機1に電源を投入するための操作である。通常の電源投入操作は、具体的には、設定キーシリンダ180及びRAMクリアスイッチ152を共にOFF状態のままとし、電源スイッチ155をON状態にする(電源スイッチ155をON操作する)という操作である。この操作により、パチンコ遊技機1に電力が供給され、遊技可能な遊技モードとなる。
なお、上述した4つの操作(設定変更モード移行操作、設定確認操作、RAMクリア操作、通常の電源投入操作)は、一般的に遊技場の従業員が行うものであって、パチンコ遊技機1の裏側(図15参照)を視認できない遊技者には行うことが不可能なものである。
次に、設定値を変更する場合の7セグ表示器190での表示態様と、演出手段(画像表示装置7、スピーカ67、枠ランプ66及び盤ランプ5)での演出態様について説明する。上述したように、本形態では設定値を変更するためには、設定変更モードに移行させる必要がある。そして、設定変更モードに移行させるためには、3つの条件を満たす設定変更モード移行操作を行う必要がある。3つの条件とは、設定キー184(設定キーシリンダ180の回動部)をOFF位置からON位置に回転させて設定キーシリンダ180をON状態にしておくこと(1つ目の条件)、RAMクリアスイッチ152を押してON状態にしておくこと(2つ目の条件)、電源スイッチ155のON操作により電源スイッチ155をON状態にすること(3つ目の条件)である。なお、この3つの条件を満たすことを、「所定の設定変更モード移行条件の成立」と言う。
図19(A)に示すように、設定変更モード移行操作を行って、設定変更モードに移行させると、図19(B)に示すように、7セグ表示器190の第4表示領域194には、電源投入される前に設定されていた設定値(例えば「1」)が表示されるようになっている。つまり、前回の遊技中に設定されていた設定値の情報(以下「設定値情報」)は、遮断状態になっても消去されない。そのため、電源投入時に設定変更モード移行操作を行うと、記憶されている設定値情報に基づいて、前回の遊技中に設定されていた設定値が7セグ表示器190に表示される。
また設定変更モードに移行すると、図19(B)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aには、「設定変更中」の文字を示す設定変更中画像SHが表示される。この設定変更中画像SHの表示の開始により、設定値の変更を行う遊技場の従業員(以下「設定変更者」と呼ぶ)に、設定変更モードに正しく移行できたことを把握させることが可能である。また設定変更中画像SHは、設定変更モードが終了するまで表示画面7aに表示され続ける。そのため設定変更者は、設定変更中画像SHを見ることで、設定値の変更が可能である状況を把握することが可能である。
また設定変更モードに移行すると、図19(B)に示すように、スピーカ67から、「設定変更可能です」という音声が出力される。この「設定変更可能です」という音声の開始により、設定変更者に設定変更モードに正しく移行できたことを聴覚的に把握させることが可能である。また「設定変更可能です」という音声は、設定値を変更したタイミングを除き、設定変更モードが終了するまで繰り返し出力される。そのため設定変更者は、「設定変更可能です」という音声を聞き続ける限り、設定値の変更が可能である状況を把握することが可能である。
また設定変更モードに移行すると、図19(B)に示すように、枠ランプ66及び盤ランプ5が、特別な第1発光態様で発光する。この第1発光態様での発光の開始により、設定変更者に設定変更モードに正しく移行できたことを把握させることが可能である。また枠ランプ66及び盤ランプ5での第1発光態様の発光は、設定値を変更したタイミングを除き、設定変更モードが終了するまで継続する。そのため設定変更者は、第1発光態様の発光を見続ける限り、設定値の変更が可能である状況を把握することが可能である。
ここで本形態では、設定変更モードにおいて、RAMクリアスイッチ152を押下操作すると、設定値を変更できるようになっている。具体的には、RAMクリアスイッチ152を押下操作する度に、「1」⇒「2」⇒「3」⇒「4」⇒「5」⇒「6」の順番に、設定値を1つずつ上昇させることが可能である。そして設定値が「6」であるときに、RAMクリアスイッチ152を押下操作すると、設定値が「1」に戻るようになっている。このような設定値変更のためのRAMクリアの操作を、「設定(設定値)の変更操作(切替操作)」と適宜呼ぶことにする。
このように本形態では、設定値の切替えを行うための操作手段として、既存のRAMクリアスイッチ152を用いていて、専用の操作手段を新たに設けたわけではない。従来では、RAMクリアスイッチ152は、電源投入時にRAM84の記憶情報を消去するためだけに用いられていて、電源投入時以外には用いられないものであった。よって本形態のように、RAMクリアスイッチ152によって、設定値の切替えを行うための操作手段と、RAM84等の記憶情報を消去するための操作手段とを兼用することで、部品点数の削減を図ることが可能である。なお設定変更モードにおいて、RAMクリアスイッチ152を押下操作しても、押下操作したタイミングでRAM84等の記憶情報が消去されるわけではない。
図19(B)に示すように、設定変更モードに移行したときに例えば7セグ表示器190に設定値「1」が表示された後、RAMクリアスイッチ152を押下操作すると、図19(C)に示すように、7セグ表示器190の第4表示領域194には、設定値「2」が表示される。つまり設定値「1」の表示から、設定値「2」の表示に切替わる。これにより設定変更者は、設定値が「2」に切替わったことを把握することが可能である。
またRAMクリアスイッチ152を押下操作すると、図19(C)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aには、設定変更中画像SHの上から重ねて、上向きの矢印を示す設定値変更画像YGが表示される。この設定値変更画像YGの表示により、設定変更者に設定値が変更(上昇)したことを把握させることが可能である。なお設定値変更画像YGは、RAMクリアスイッチ152を押下操作してから数秒間だけ表示された後に非表示になり、表示画面7aには再び設定変更中画像SHだけが表示されることになる。
またRAMクリアスイッチ152を押下操作すると、図19(C)に示すように、スピーカ67から、「設定値が変更されました」という音声が出力される。この「設定値が変更されました」という音声により、設定変更者に設定値が変更したことを把握させることが可能である。なお「設定値が変更されました」という音声は、1回だけ出力されて、その後には上述したように「設定変更可能です」という音声の繰り返しに切替わることになる。
またRAMクリアスイッチ152を押下操作すると、図19(C)に示すように、枠ランプ66及び盤ランプ5は、特別な第2発光態様で発光する。この第2発光態様での発光により、設定変更者に設定値が変更したことを把握させることが可能である。なお第2発光態様での発光は、RAMクリアスイッチ152を押下操作してから数秒間だけ実行されて、その後には上述したように第1発光態様での発光に戻ることになる。
続いて、図19(C)に示すように7セグ表示器190に設定値「2」が表示された状態で、RAMクリアスイッチ152を押下操作すると、図19(D)に示すように、7セグ表示器190の第4表示領域194には、設定値「3」が表示される。つまり設定値「2」の表示から、設定値「3」の表示に切替わる。これにより設定変更者は、設定値が「3」に切替わったことを把握することが可能である。
また図19(D)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aには設定値変更画像YGが表示され、スピーカ67から「設定値が変更されました」という音声が出力され、枠ランプ66及び盤ランプ5が特別な第2発光態様で発光する。これらにより、設定変更者に再び設定値が変更したことを把握させることが可能である。
ところで、設定変更モードにおいてRAMクリアスイッチ152が押下操作されるとき、設定変更者は基本的にパチンコ遊技機1の裏側(図15参照)に向かい合っていて、7セグ表示器190を見ている。そのため、設定変更者にとっては、表示画面7aでの設定値変更画像YGの表示と、枠ランプ66及び盤ランプ5での特別な第2発光態様での発光を把握し難い。よって、設定値変更画像YGの表示と、特別な第2発光態様での発光は、主に本パチンコ遊技機1の周囲にいる遊技場の従業員に向けて、設定値が変更されたことを報知する意味になる。このようにして、周囲の遊技場の従業員が、設定値の変更を把握できることで、不正に設定値が変更されていないことを把握することが可能である。
次に、設定値の確定方法について説明する。設定値を確定するためには、設定変更モードにおいて、設定キー184を用いて設定キーシリンダ180の回動部を回転位置(ON位置)から待機位置(OFF位置)の方へ回転させる必要がある。これにより、設定変更モードが終了して、設定変更モードにおいて最後に表示されていた設定値が確定されることになる。なお設定キー184(設定キーシリンダ180の回動部)を回転位置から待機位置の方へ回転させる操作を、「設定確定操作」と適宜呼ぶことにする。
設定確定操作が行われると、図19(F)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aには、「設定値を確定しました」の文字を示す設定値確定画像SKが表示される。この設定値確定画像SKの表示により、設定値が確定したことを設定変更者又は周囲の遊技場の従業員に把握させることが可能である。なお設定値確定画像SKは、設定確定操作が行われてからごく僅かの時間だけ表示された後、非表示になる。
また設定確定操作が行われると、図19(F)に示すように、スピーカ67から、「設定値を確定しました」という音声が出力される。この「設定値を確定しました」という音声により、設定変更者又は周囲の遊技場の従業員に設定値が確定したことを把握させることが可能である。なお「設定値を確定しました」という音声は、設定確定操作されたタイミングで1回だけ出力される。
また設定確定操作が行われると、図19(F)に示すように、枠ランプ66及び盤ランプ5が、特別な第3発光態様で発光する。この第3発光態様での発光により、設定変更者又は周囲の遊技場の従業員に設定値が確定したことを把握させることが可能である。なお第3発光態様での発光は、設定確定操作が行われてからごく僅かの時間だけ実行された後、終了する。
ここで本形態では、設定確定操作を行って設定変更モードを終了させると、7セグ表示器190にて点灯態様(変更可能態様)で表示されていた設定値(例えば図19(D)に示す「3」)が見えなくなる。つまり、設定値が非表示(非表示態様)になる。そして7セグ表示器190では替わりに、後述する初期表示(図19(F)参照)が実行される。こうして設定変更者には、点灯態様で表示されていた設定値が非表示態様になることで、設定値の確定を把握させることが可能である。更に、設定値が確定された後に設定値が表示されないことで、確定された設定値を周囲に気付かれ難くすることが可能である。
こうして設定値が確定されると、図19(F)に示すように、7セグ表示器190での初期表示として、第1表示領域191から第4表示領域194までの全ての点灯部分LB1~LB32(図17参照)が点灯する。こうして全ての点灯部分LB1~LB32が点灯することで、設定確定操作を行った設定変更者に対して、初期表示の実行を分かり易く示すことが可能である。
7セグ表示器190での初期表示の意味は、以下の通りである。7セグ表示器190は、上述したように設定値を表示する。しかしながら、7セグ表示器190で表示される設定値は、その7セグ表示器190が正常に機能していることを前提とするものであって、7セグ表示器190自体に故障や不具合、或いは不正な改造が施されている可能性が完全にないわけではない。
そこで本形態では、設定変更モードが終了すると、自動的に7セグ表示器190で初期表示が実行される。これにより、設定変更者は、7セグ表示器190が正常に機能していることを把握することが可能である。つまり、設定変更モードで表示されていた設定値は正しい値であったことを確認することが可能である。なお電源投入時に設定変更モードに移行しない場合には、電源投入後すぐに7セグ表示器190にて初期表示が実行されることになる。
次に、パチンコ遊技機1に、設定値を示す情報(以下「設定値情報」と呼ぶ)が記憶されていない場合について説明する。設定値情報は、設定変更モードで設定値が変更される度に、RAM84の設定値情報記憶部86(図4参照)に記憶されるものである。但し、パチンコ遊技機1が生産工場から出荷(工場出荷)される際には、設定値情報記憶部86には、設定値情報が記憶されていない。つまり設定値が何も設定されていない状態になっている。
本パチンコ遊技機1では、設定値が何も設定されていない状態で電源投入を行った場合に、エラーモードに移行し得るようにしている。なお設定値が何も設定されていない状態でも、設定変更モード移行操作を行えば、エラーモードではなく、設定変更モードに移行する。エラーモードは、パチンコ遊技機1にて遊技が不可能なモードであり、電源スイッチ155をOFF操作して電源を遮断しない限り、解除されないようになっている。
エラーモードであるときには、図20(A)に示すように、7セグ表示器190の第4表示領域194にて、点灯部分LB25、LB28、LB29、LB30、LB31(図17参照)が、「E」の文字を表すようにエラー点灯態様で発光する。この発光により、遊技場の従業員等には、エラーモードに移行していること、即ち設定値が設定されていないことを把握させることが可能である。なおエラー点灯態様での発光は、エラーモードが解除されるまで続くようになっている。
またエラーモードであるときには、図20(B)に示すように、表示画面7aに、「設定値が設定されていません 設定変更モード移行操作を行って下さい」の文字を示す操作示唆画像SEが表示される。この操作示唆画像SEの表示により、遊技場の従業員等には、設定値を設定しなければならない状況を把握させることが可能である。なお操作示唆画像SEの表示は、エラーモードが解除されるまで続くようになっている。
またエラーモードであるときには、図20(B)に示すように、スピーカ67から、特殊なエラー音が出力される。またこのときには、図20(B)に示すように、枠ランプ66及び盤ランプ5が、特殊なエラー発光態様で発光する。これらエラー音の出力と、エラー発光態様での発光により、遊技場の従業員等には、エラーモードに移行していることを把握させることが可能である。なおエラー音の出力及びエラー発光態様での発光は、エラーモードが解除されるまで続くようになっている。
ここで本形態では、RAM84の設定値情報記憶部86に記憶されている設定値情報は、RAMクリアスイッチ152が押下操作されたときでも、消去されない。従って、工場出荷後に設定変更モード移行操作を行って、設定値情報記憶部86に設定値情報を一旦記憶させれば、その後に設定値情報記憶部86に設定値情報が記憶されていないという事態は生じない。よってこの場合には、次回以降の電源投入時でエラーモードに移行することはない。要するに、エラーモードに移行するのは、一度も設定値が設定されていない状態で、電源投入時に設定変更モード移行操作を行わなかった場合である。このようにして、単にRAMクリアスイッチ152が押下操作された場合や、電源が投入されていない場合(遮断状態)でも、設定値情報を消去しないことで、不必要にエラーモードに移行するのを防ぐことが可能である。
7.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図21に基づいて説明する。まず、非時短状態(通常遊技状態)において左打ちにて遊技を進行する。これにより、第1始動口20へ遊技球を入球させ、特図1の抽選に基づく大当たり当選を狙う。特図1の抽選にて大当たりに当選した場合、当選した大当たりの種類が「4R時短大当たり」であれば、大当たり遊技後の遊技状態は時短状態に制御され、当選した大当たりの種類が「13R非時短大当たり」であれば、大当たり遊技後の遊技状態は非時短状態に制御される。大当たり遊技後の遊技状態が時短状態に制御される確率、及び、非時短状態に制御される確率は、それぞれ50%である。
時短状態では右打ちにて遊技を進行する。これにより、第2始動口21へ遊技球を入球させ、特図2の抽選に基づく小当たり当選を狙う。特図2の抽選において小当たりに当選すると、小当たり遊技が実行され、小当たり遊技においてV通過が生じると、2種大当たり遊技が実行される。
ここで本パチンコ遊技機1では、特図2の抽選において必ず「小当たり」に当選するようになっており(図10参照)、後述するようにその小当たりでは必ずV通過が生じるようになっており(図24参照)、特図2の抽選にて当選可能な小当たりは全て、大当たり遊技後の遊技状態が時短状態に制御される「時短小当たり」となっている(図7参照)。よって、特図2の抽選における小当たり当選に基づく2種大当たり遊技後の遊技状態は、基本的には、再び時短状態となる。
但し本パチンコ遊技機1は、時短リミッタの機能を備えている。時短状態の連続制御回数の上限値(「制限回数」又は「リミッタ回数」と称する)は、「5」である。よって本パチンコ遊技機1では、初当たり後に時短状態に制御されると(「4R時短大当たり」に当選して時短状態に制御されると)、時短状態の連続制御回数が5回になるまでは、大当たり遊技後には時短状態に制御され続けることになる。つまり本パチンコ遊技機1では、特図1の抽選で「4R時短大当たり」に当選すると、その当たり(初当たり)を含めて6連荘が最低でも保障される遊技性となっている。
ここで本パチンコ遊技機1における時短状態には、その終了条件が第1終了条件(図8参照)に設定される第1時短状態と、その終了条件が第2終了条件(図8参照)に設定される第2時短状態とがある。特図1の抽選に基づいて時短状態に制御される場合は、必ず第1終了条件に設定される(図6参照)。これに対して、特図2の抽選に基づいて時短状態に制御される場合は、85%の割合で第1終了条件に設定され、15%の割合で第2終了条件に設定される(図7参照)。
第1終了条件(普通図柄の上限変動回数が2回、図8参照)の時短状態では、時短状態のまま特図2の抽選において小当たり当選の判定がなされる。そのため、時短リミッタのカウントがリセットされることはない。そして、その小当たりに基づく2種大当たり遊技後に時短状態に制御されることに応じて、時短リミッタのカウントが更新される。これに対して、第2終了条件(普通図柄の上限変動回数が1回、図8参照)の時短状態では、普通図柄の変動表示(普図変動)に基づいて時短状態から非時短状態に移行した後で、特図2の抽選において小当たり当選の判定がなされる。そのため、時短リミッタのカウントがリセットされる。これにより、その小当たりにもとづく2種大当たりを含めて再び6連荘が最低でも保障されることとなる。なお、時短状態から非時短状態への移行タイミングについては、後に詳述する。
このように本形態では、時短状態のリミッタ回数に到達する前に、普図変動に基づく非時短状態への移行後に特図2の抽選で小当たり当選と判定されることで、最低保障の6連荘を超える回数の連荘が可能となっている。言い換えれば、特図2の抽選において、第2終了条件の時短状態への制御契機となる図柄(小当たり図柄c、図7参照)に当選することができるか否かで、大当たりの連荘回数が大きく変わる仕様となっている。この点が、本パチンコ遊技機1の特徴的な遊技性である。
より具体的には、本パチンコ遊技機1では、初当たりに基づいて時短状態に制御された場合、1度もリミッタ回数のリセットが無くても、初当たりを含めて6回の大当たりを獲得することが可能である(図22(A)参照)。また、初当たりに基づいて時短状態に制御された後、時短状態への連続制御回数がリミッタ回数に到達する前に非時短状態に移行して小当たり当選の判定がなされた場合(例えば、初当たりを含めて3回の大当たりを獲得し、その3回目の大当たりが「小当たり図柄c」に基づくものであり、4回目の大当たりの契機となった小当たり当選判定が非時短状態でなされたものである場合には)、その4回目の大当たりを含めて再び6回の大当たりを獲得することが可能となる(図22(B)参照)。言い換えれば、図22(B)に示す例では、初当たり時に実質的に確定していた大当たり6回のセットに、3回の大当たりが上乗せされたこととなる。このため、本パチンコ遊技機1では、一旦時短状態に制御されると、大当たりをどれだけ引くことができるのかに対して、強い期待感を抱けるようになっており、遊技興趣が向上されている。
なお図21に示すように、特図2の抽選に基づいて実行され得る2種大当たり遊技には、実質4Rのものと、実質8Rのものと、実質13Rのものとがある。実質8Rの2種大当たり遊技では、実質4Rの2種大当たり遊技2回分の賞球の獲得が可能である。また、実質13Rの2種大当たり遊技では、実質4Rの2種大当たり遊技3回分を超える賞球の獲得が可能である。
4R時短大当たりに基づいて時短状態に制御されてから、時短状態の連続制御回数がリミッタ回数に到達して非時短状態に戻るまでの遊技期間を、「RUSH」と言う(特に本形態では、RUSH中に行う後述の演出に鑑みて「フクロウRUSH」とも言う)。RUSH中は、特図2の抽選における2種大当たり遊技の獲得が実質的に確定しているため、大当たり遊技が実行され易い遊技期間と言える。
<非時短状態への移行タイミング>
次に、普通図柄の変動表示に基づく時短状態から非時短状態への移行タイミングについて、図23に基づいて説明する。時短状態において、ゲート28への通過が生じると、普図変動が実行される(図23(A)(B)参照)。1回の普図変動は、1.5秒の変動表示と0.5秒の停止表示で構成される(図12(C)参照)。普通図柄の停止時間(0.5秒)が経過すると、補助遊技が実行される(図23(B)(C)参照)。1回の補助遊技は、1秒の開放前インターバルと、最大4秒にわたる電チュー22の開放と、0.01秒の閉鎖後インターバルで構成される(図14参照)。但し、電チューの開放時間が4秒に至っていなくても電チュー22に遊技球が1球入賞すると、電チュー22は閉塞される。
電チュー22への入賞(すなわち第2始動口21への入賞)が生じると、小当たり変動(小当たり当選の判定結果に基づく特図変動)が実行される(図23(C)(D)参照)。第2始動口21への入賞に基づく小当たり変動は、30秒の変動表示と、0.5秒の停止表示とで構成される(図13参照)。小当たり変動において特図2の停止時間が経過すると、小当たり遊技が実行される(図23(D)(E)参照)。特図2の抽選に基づく小当たり遊技は、後述するように、0.008秒のOP(オープニング)と、1.6秒のVアタッカー(第2大入賞口35)の開放と、6秒の閉鎖後インターバルとで構成される(図24参照)。
その小当たり遊技において、Vアタッカー内の特定領域39に遊技球が通過すると(すなわちV通過が発生すると)、小当たり遊技に続いて、大当たり遊技が実行される(図23(E)(F)参照)。大当たり遊技では、所定時間(本形態では0.008秒)の大当たりOP(大当たりオープニング)の後、ノーマルアタッカー(第1大入賞口30)が開放される。つまり、大当たり遊技における実質的な1R目のラウンド遊技が開始される。
ここで、時短状態が第2時短状態である場合、すなわち、時短状態の終了条件が第2終了条件(普通図柄の上限変動回数が1回、図8参照)に設定されている場合、時短状態における1回目の普図変動が終了したタイミング(普通図柄の停止時間が経過したタイミング)で、時短状態が終了して非時短状態に移行する(図23(A)の実線参照)。よって、第2時短状態に制御された場合には、大当たり遊技後の最初の補助遊技において電チュー22への入賞が生じた時には既に非時短状態に移行しており、その入賞に基づく小当たり当選の判定時(小当たり変動の開始時)の遊技状態は、非時短状態ということになる。そのため、第2時短状態に制御された場合には、時短状態のリミッタ回数のリセットがなされる。
これに対して、時短状態が第1時短状態である場合、すなわち、時短状態の終了条件が第1終了条件(普通図柄の上限変動回数が2回、図8参照)に設定されている場合には、時短状態における2回目の普図変動が終了したタイミングで非時短状態に移行する(図23(A)の破線参照)。よって、第1時短状態に制御された場合には、大当たり遊技後の最初の補助遊技において電チュー22への入賞が生じた時にはまだ時短状態のままであり、その入賞に基づく小当たり当選の判定時(小当たり変動の開始時)の遊技状態は、時短状態ということになる。そのため、第1時短状態に制御された場合には、リミッタ回数のリセットはなされない。
<小当たり遊技の詳細>
次に、小当たり遊技における振分部材71の一定動作と、第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について、図24に基づいて説明する。まず、振分部材71の一定動作について説明する。
図24(c)に示すように、小当たり遊技では、振分部材71はまず、そのオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御される。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御される。これを、V開放という。次いで、3000msにわたって通過阻止状態に制御される。これを、閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
上記のような振分部材71の一定動作に対して、V有効期間が設定される。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図24(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
次に、第2大入賞口35の開放パターンについて説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図24(b)及び(e)に示す2つの開放パターンがある。なお、図24(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
図24(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「特図2_小当たり図柄b」、「特図2_小当たり図柄c」、「特図2_小当たり図柄d」、及び「特図2_小当たり図柄e」(図7参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過用開放パターンである。
より詳細には、この通過用開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71のV開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図24(b)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。
図24(e)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「特図1_小当たり図柄a」(図6参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過用開放パターンである。
より詳細には、この非通過用開放パターンは、4568msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、1440msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、4568msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、1440msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71のV開放がほぼ終了する(図24(e)及び(c)参照)。振分部材71のV開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後のわずか40msだけである。従って、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはほぼない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
以上、図24に基づいて説明したように、本形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たり図柄の種別に応じた2つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。従って、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(図24(b)の特2V通過小当たり)と、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することができない小当たり遊技(図24(e)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
なお本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
<特図2の抽選に基づく2種大当たり遊技の構成>
次に、特図2の抽選に基づく2種大当たり遊技の構成について、図25に基づいて説明する。図25に示すように、特図2の抽選で小当たり図柄b又は小当たり図柄cに当選した場合には、小当たり変動および小当たり遊技の後、その小当たり遊技においてV通過(V入賞)が生じていれば、実質4Rの大当たり遊技が実行される。また、小当たり図柄dに当選した場合には、小当たり変動および小当たり遊技の後、その小当たり遊技においてV通過(V入賞)が生じていれば、実質8Rの大当たり遊技が実行される。また、小当たり図柄eに当選した場合には、小当たり変動および小当たり遊技の後、その小当たり遊技においてV通過(V入賞)が生じていれば、実質13Rの大当たり遊技が実行される。
ここで本形態では、実質4Rの小当たり図柄bや小当たり図柄cに当選した場合だけでなく、実質8Rの小当たり図柄dや、実質13Rの小当たり図柄eに当選した場合であっても、4回のラウンド遊技を1回の大当たり遊技であるかのように見せるようにしている。すなわち、4回のラウンド遊技を基準ラウンド数(基準R数)のラウンド遊技としており、小当たり図柄bや小当たり図柄cに基づく大当たり遊技は、基準R数のラウンド遊技を1つ含み、小当たり図柄dに基づく大当たり遊技は、基準R数のラウンド遊技を2つ含み、小当たり図柄eに基づく大当たり遊技は、基準R数のラウンド遊技を3つ含むとともに、さらに余分に1つのラウンド遊技を含む構成となっている。
そして、基準R数のラウンド遊技を複数含む大当たり遊技では、基準R数のラウンド遊技の束と、その次の基準R数のラウンド遊技の束との間に、通常のインターバルの時間(例えば2秒)よりも極めて長い特定インターバルを設けている。この特定インターバルの時間は、小当たり変動の開始から大当たり遊技における実質的な1R目の大入賞口の開放までの時間と同じ時間となっている。具体的には、本パチンコ遊技機1では、小当たり変動における変動時間及び停止時間の合計は30500msであり(図13参照)、小当たり遊技の開始から終了までの時間は7608msであり(図24参照)、2種大当たり遊技のオープニングの時間は8msである。よって、小当たり変動の開始から大当たり遊技における実質的な1R目の大入賞口の開放までの特定遊技期間は、38116msである。なお、この特定遊技期間は、図25に示すタイミングt1~t2であり、図23に示すタイミングT1~T2である。
そして、特定インターバルの時間(図25に示すタイミングt3~t4やタイミングt5~t6)は、この特定遊技期間の長さと同じに設定されている。そして、本パチンコ遊技機1では、特定遊技期間中と、各特定インターバル中とで、同じ演出を行うようにしている。具体的には、どちらの期間においても、後述するフクロウ捕獲演出(特定演出)を行うようにしている。これにより、遊技者に対して、小当たり図柄dに基づく大当たり遊技をあたかも2回の大当たり遊技が実行されたかのように感じさせるようにしている。また、小当たり図柄eに基づく大当たり遊技をあたかも3回の大当たり遊技が実行されたかのように感じさせるようにしている。
このように本形態では、一度時短状態に制御されると、実際に何度大当たり遊技が実行されたのか、遊技者が把握することが困難になっている。つまり本形態では、RUSHの終了タイミングが予測し難い中で、時短状態のリミッタ回数のカウントのリセットや、実質8Rの大当たり遊技あるいは実質13Rの大当たり遊技が実行されていく。これにより、RUSHが終わることなく続くことに対する期待感を高めることが可能となっており、遊技興趣を向上可能である。
また本形態では、小当たり図柄eに基づく大当たり遊技は、基準R数のラウンド遊技を3つ含む以外に、1つのラウンド遊技を余分に含んでいる。このラウンド遊技を「余剰ラウンド遊技」と称する。小当たり図柄eに基づく大当たり遊技では、実質的に13R目のラウンド遊技が、この余剰ラウンド遊技である。そして、本パチンコ遊技機1では、余剰ラウンド遊技(実質13R目のラウンド遊技)の実行期間(図25に示すタイミングt7~t8)において、後述する特別祝福演出(「特別演出」に相当)を実行する。特別祝福演出は、基準ラウンド数分のラウンド遊技の束が複数含まれる大当たりに当選したことを示唆する演出として機能する。よって、特別祝福演出の実行により遊技者に高揚感を与えることが可能であり、遊技興趣の向上が見込める。
8.パチンコ遊技機の制御動作
次に、図26~図55に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明し、図56~図60に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン81の動作について説明する。
[主制御メイン処理]主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、電源投入時に、ROM83から図26に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
図26に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S003)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数生成回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[電源投入時処理]図27に示すように、電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン81はまず、RAM84へのアクセスの許可設定を行う(S010)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、RAMクリアスイッチ152がONであり(押下操作されていて)、且つ設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定する(S011)。即ち、設定変更モード移行操作が実行されているか否かを判定する。設定変更モード移行操作が実行されていれば(S011でYES)、後述する設定変更モード処理(S012)を経て、ステップS013に進む。
一方、ステップS011で設定変更モード移行操作が実行されていないと判定すれば(S011でNO)、続いて、設定値情報記憶部86に設定値情報が記憶されているか否かを判定する(S016)。設定値情報が記憶されていなければ(S016でNO)、未だ一度も設定値が設定されていないことになり、後述するエラーモード処理(S021)に進む。これに対して、設定値情報が記憶されていれば(S016でYES)、次に、RAMクリアスイッチ152がONであるか否かを判定する(S017)。要するにステップS017の処理は、設定変更モードには移行しないものの、RAMクリアスイッチ152を押下操作した状況か否かを判定する処理である。RAMクリアスイッチ152がONであれば(S017でYES)、ステップS013に進む。
これに対して、RAMクリアスイッチ152がONでなければ(S017でNO)、続いて、設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定する(S018)。要するにステップS018の処理は、設定変更モードに移行しないものの、設定キーシリンダ180が回転位置にあるか否かを判定する処理である。設定キーシリンダスイッチ180aがONであれば(S018でYES)、後述する設定値確認モード処理を実行して(S019)、ステップS020に進む。一方、設定キーシリンダスイッチ180aがONでなければ(S018でNO)、電源投入時に、RAMクリアスイッチ152を押下操作しておらず、且つ設定キーシリンダ180を回転位置にしていないことになる。この場合には、ステップS019の設定確認モード処理を実行することなく、ステップS020に進む。ステップS020に進むと、後述する電断復旧時処理を実行して、ステップS022に進む。
ステップS013では、RAM84に記憶されている情報をクリアする(S013)。但しこのときには、設定値情報記憶部86に記憶されている設定値情報をクリアしない。こうして、電源投入時にRAMクリアスイッチ152の押下操作があっても、設定値情報がクリアされないことで、電断前に設定されていた設定値で遊技を再開することが可能である。つまり、電源投入の度に設定変更モードに移行して設定値を設定しなくても、遊技を行うことが可能である。
ステップS013の後、遊技制御用マイコン81は、RAM84の作業領域の初期設定を行う(S014)。この初期設定の処理では、ROM83から読み出された初期設定情報がRAM84の作業領域にセットされる。続いて、サブ制御基板90に対して、RAM84の記憶内容のクリアを通知するためのRAMクリア通知コマンドを送信して(S015)、ステップS022に進む。ステップS022では、その他の電源投入時処理として、例えばCPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、本処理を終える。
[設定変更モード処理]図28に示すように、設定変更モード処理(S012)では、遊技制御用マイコン81はまず、サブ制御基板90に対して、設定変更モードへの移行を通知するための設定モード移行コマンドを送信する(S030)。そして、設定値情報記憶部86に設定値情報が記憶されているかを判定する(S031)。設定値情報が記憶されていれば(S031でYES)、電断前に設定値が設定されているため、設定値情報に基づいて設定値を7セグ表示器190に表示する(S032)(図19(B)参照)。こうして設定変更者は、設定変更モード移行操作を行った直後に、電断前に設定されていた設定値を7セグ表示器190にて把握することが可能である。ステップS032の後、サブ制御基板90に対して、現時点での設定値の情報(設定値情報)を通知するための設定値指定コマンドを送信して(S033)、ステップS034に進む。これに対して、ステップS031で、設定値情報が記憶されていなければ(S031でNO)、ステップS032及びS033をパスして、ステップS034に進む。
ステップS034では、RAMクリアスイッチ152がONであるか否かを判定する。つまり、設定変更モードでRAMクリアスイッチ152が押下操作された状況か否かを判定する。ONであれば(S034でYES)、設定値を1つ繰り上げるために、新しい設定値情報を設定値情報記憶部86に記憶する(S035)。なお設定値が「6」であるとき、RAMクリアスイッチ152が押下操作された場合には、設定値が「1」であることを示す設定値情報が記憶されることになる。続いて、新しい設定値情報に基づいて、設定値を7セグ表示器190に表示する(図19(C)(D)参照)。これにより設定変更者には、設定値が繰り上がったことを把握させることが可能である。
続いて、遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90に対して、設定値が変更されたことを通知するための設定値変更コマンドを送信すると共に(S037)、1つ繰り上がった設定値の情報(設定値情報)を通知するための設定値指定コマンドを送信して(S038)、ステップS039に進む。ステップS039では、設定キーシリンダスイッチ180aがOFFであるか否かを判定する。即ち、設定確定操作が行われたか否かを判定する。OFFでなければ(S039でNO)、未だ設定変更モードを終了させるタイミングでないため、ステップS034に戻る。一方、OFFであれば(S039でYES)、サブ制御基板90に対して、設定変更モードの終了を通知するための設定モード終了コマンドを送信する(S040)。そして、7セグ表示器190で表示していた設定値を非表示態様にして(S041)、上述したステップS013(図27参照)に進む。こうして、設定キーシリンダスイッチ180aがOFFになるとすぐに、7セグ表示器190では設定値が見えなくなって、周囲に確定した設定値を把握させ難くすることが可能である。ステップS013以降の処理は、上述しているため、説明を省略する。
[設定値確認モード処理]図29に示すように、設定値確認モード処理(S019)では、遊技制御用マイコン81はまず、設定値情報に基づいて設定値を7セグ表示器190に表示する(S050)。続いて、7セグ表示器190で設定値の表示を開始してから一定時間(例えば3秒)が経過したか否かを判定する。経過していなければ(S051でNO)、ステップS051の処理を繰り返すことになり、7セグ表示器190での設定値の表示が継続する。一方、経過していれば(S051でYES)、7セグ表示器190にて表示していた設定値を非表示態様にして(S052)、後述するステップS020(図30の電断復旧時処理参照)に進む。以上、設定値確認モード処理(S019)では、上述した設定変更モード処理(S012)と異なり、設定値の変更を行うことはなくて、単に現時点での設定値を7セグ表示器190で表示するだけである。
[電断復旧時処理]図30に示すように、電断復旧時処理(S020)では、遊技制御用マイコン81はまず、電源断フラグがONであるか否かを判定する(S060)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図55参照)でONにされるフラグである。電源断フラグがONでなければ(S060でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS065に進む。
一方、電源断フラグがONであれば(S060でYES)、RAM84のチェックサムを算出して(S061)、これを電断時に格納(記憶)しておいたRAM84のチェックサム(図55のステップS2802参照)と一致するか否かを判定する(S062)。これらチェックサムの値が一致しなければ(S062でNO)、RAM84の記憶内容が異常であると判断し、ステップS065に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S062でYES)、RAM84の記憶内容が正常であると判断し、ステップS063に進む。
ステップS063では、復電時におけるRAM84の作業領域の設定処理を行う。この設定処理では、ROM83から復電時情報を読み出し、この復電時情報をRAM84の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン81は、電源断フラグをOFFして(S064)、上述したステップS022(図27参照)に進む。ステップS022以降の処理は、上述しているため、説明を省略する。
一方、ステップS065では、RAM84に記憶されている情報をクリアする。なおこのときには、設定値情報記憶部86に記憶されている設定値情報をクリアしない。但し、ステップS065に進む場合は、正常に電源が遮断されていない可能性がある場合や、チェックサムの値が一致せずにRAM84の記憶内容が異常である可能性がある場合である。よって、ステップS065の処理の替わりに、設定値情報もクリアするようにしても良い。そしてこの場合には、設定値情報をクリアした後に、初期値の設定値として例えば「1」を示す設定値情報を設定値情報記憶部86に新たに記憶するようにしても良い。なおステップS065の処理において、RAM84にセットされている電源断フラグがONであれば、電源断フラグはOFFにされる。
ステップS065の後、RAM84の作業領域の初期設定を行う(S066)。この初期設定の処理では、ROM83から読み出された初期設定情報がRAM84の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90に対して、RAM84の記憶内容のクリアを通知するためのRAMクリア通知コマンドを送信して(S067)、上述したステップS022(図27参照)に進む。
[エラーモード処理]図31に示すように、エラーモード処理(S021)では、遊技制御用マイコン81はまず、7セグ表示器190の第4表示領域194にて「E」(図20(A)参照)の文字を示すためのエラー表示処理を実行する(S080)。これにより、7セグ表示器190の第4表示領域194では、「E」の文字を表すようにエラー点灯態様で発光する。こうして遊技場の従業員等には、7セグ表示器190で「E」の文字を見せることで、エラーモードへの移行を把握させることが可能である。
続いて、遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90に対して、エラーモードへの移行を通知するためのエラーコマンドを送信する(S081)。その後は、電源投入時処理(S001、図27参照)に戻ることなく、ループ処理を行う。こうして、エラーモードに移行した場合には、電源を遮断するまでエラーモードが継続する。よって、次回の電源投入時に設定変更モードに移行して、設定値を設定しなければ、遊技を開始することができないようになっている。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図32に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。なお本形態では、第1始動口センサ20aの検知時の賞球は3球、第2始動口センサ21aの検知時の賞球は1球、第1大入賞口センサ30aの検知時の賞球は10球、第2大入賞口センサ35aの検知時の賞球は4球、普通入賞口センサ27aの検知時の賞球は7球である。各センサの検知時の賞球数は適宜変更可能である。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図26の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、特定領域センサ検出処理(S108)、および電源断監視処理(S109)を実行する。その後、その他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S110)としては、後述の特図1保留球数に基づいて特図保留表示器43をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図26参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図33に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ステップS204に進む。一方、遊技球がゲート28を通過していれば(S201でYES)、普通動作ステータスの値が「1」であるか否かを判定する(S202)。普通動作ステータスについては後述するが、普通動作ステータスが「1」であるとは、普通図柄の変動表示の実行中でも補助遊技の実行中でもないことを示している。
ステップS202において普通動作ステータスの値が「1」でなければ(S202でNO)、ステップS204に進む。一方、普通動作ステータスの値が「1」であれば(S202でYES)、普図関係乱数取得処理(S203)を行う。普図関係乱数取得処理(S203)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-H)を取得し(つまり図9(B)に示す乱数値を取得し)、その取得乱数値をRAM84の所定の記憶領域に格納する。なお、取得乱数値の記憶領域はRAM84以外の記憶領域であってもよい。
ステップS204では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S204)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S204でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S204でYES)、続いて、特別動作ステータスの値が「1」であるか否かを判定する(S205)。特別動作ステータスについては後述するが、特別動作ステータスが「1」であるとは、特別図柄の変動表示の実行中でも、大当たり遊技や小当たり遊技の実行中でもないことを示している。
ステップS205において特別動作ステータスの値が「1」でなければ(S205でNO)、ステップS207に進む。一方、特別動作ステータスの値が「1」であれば(S205でYES)、特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値をRAM84の所定の記憶領域に格納する。なお、取得乱数値の記憶領域はRAM84以外の記憶領域であってもよい。
ステップS207では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S208でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行う。特図1関係乱数取得処理(S210)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を特図保留記憶部85のうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図34に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S301でYES)、普通図柄待機処理(S302)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S301でNO、S303でYES)、普通図柄変動中処理(S304)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S301,S303でともにNO、S305でYES)、普通図柄確定処理(S306)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S301,S303,S305の全てがNO)、普通電動役物処理(S307)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]図35に示すように、普通図柄待機処理(S302)ではまず、上述のステップS203で取得した普通図柄乱数の記憶があるか否かを判定する(S401)。普通図柄乱数の記憶がなければ本処理を終える。一方、普通図柄乱数の記憶があれば、後述する普通図柄当たり判定処理(S402)を行う。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動パターン選択処理(S403)を行う。普通図柄変動パターン選択処理では、図12(C)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルに従って、普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)を選択する。具体的には、遊技状態が非時短状態であるときには、変動時間が30秒の普図変動パターンを選択する。また、遊技状態が時短状態であるときには、変動時間が1.5秒の普図変動パターンを選択する。
次に遊技制御用マイコン81は、普通図柄乱数の記憶をクリアする(S404)。そして、普通図柄変動開始処理(S405)を行う。普通図柄変動開始処理では、ステップS403で選択した普図変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。なお、普通図柄変動開始コマンドには、普通図柄当たり判定処理(S402)でセットした普図停止図柄データの情報や、普通図柄変動パターン選択処理(S403)で選択した普図変動パターンの情報(普通図柄の変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
[普通図柄当たり判定処理]図36に示すように、普通図柄当たり判定処理(S402)ではまず、RAM84に記憶されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出す(S501)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(図12(B))をセットする(S502)。そして、セットした普通図柄当たり判定テーブルに従って、当たりか否かを判定する(S503)。なお本形態では、非時短状態では必ずハズレとなり、時短状態では必ず当たりとなる。
判定結果が当たりであれば(S503でYES)、普図当たりフラグをONするとともに(S504)、普通当たり図柄に応じた普図停止図柄データ(51H)を、RAM84に設けた普図種別バッファにセットして(S506)、本処理を終える。一方、ステップS503の判定結果がハズレであれば(S503でNO)、普通ハズレ図柄に応じた普図停止図柄データ(52H)を普図種別バッファにセットして(S507)、本処理を終える。
[普通図柄変動中処理]図37に示すように、普通図柄変動中処理(S304)ではまず、普通図柄の変動時間(ステップS403で選択された普図変動パターンに応じて決まる変動時間、図12(C)参照)が経過したか否か判定する(S601)。経過していなければ(S601でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより普通図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S601でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S602)、普通動作ステータスを「3」にセットする(S603)。そして、普通図柄の変動表示を、セットされている普図停止図柄データに応じた図柄(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行い(S604)、本処理を終える。
[普通図柄確定処理]図38に示すように、普通図柄確定処理(S306)ではまず、普通図柄の停止時間(500ms、図12(C)参照)が経過したか否かを判定する(S701)。経過していなければ(S701でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S701でYES)、続いて、普図当たりフラグがONであるか否かを判定する(S702)。
普図当たりフラグがONであれば(S702でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、即ち、時短状態中か否かを判定する(S703)。時短状態中であれば(S703でYES)、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(即ち、図14に示す電チュー開放TBL2の開放パターン)をセットして(S704)、ステップS706に進む。電チュー開放TBL2の開放パターンは、1秒の開放前インターバルを経て、4秒の開放時間で電チュー22を1回開放する開放パターンである。
一方、ステップS703において時短フラグがONでないと判定した場合(S703でNO)、つまり非時短状態中である場合には、電チュー22の開放パターンとして、非時短状態中の開放パターン(即ち、図14に示す電チュー開放TBL1)をセットして(S705)、ステップS706に進む。電チュー開放TBL1の開放パターンは、1秒の開放前インターバルを経て、2秒の開放時間で電チュー22を1回開放する開放パターンである。なお本形態では、非時短状態用の電チュー開放TBL1の開放パターンであっても、電チュー22への入賞が可能である。
なお開放パターンのセットの際には、補助遊技中の第2始動口21の開放回数をカウントする電チュー開放カウンタの値を、セットした開放パターンに応じた値に設定する。本形態ではいずれの開放パターンがセットされた場合も、電チュー開放カウンタの値は「1」に設定される。
ステップS706では、遊技制御用マイコン81は、普通動作ステータスを「4」にセットする。そして、補助遊技の実行開始をサブ制御基板90に通知するための補助遊技開始コマンドをセットして(S707)、ステップS709に進む。なお補助遊技開始コマンドには、普通図柄の種別の情報、及び、当選時の遊技状態の情報が含まれている。また遊技制御用マイコン81は、ステップS702において普図当たりフラグがONでないと判定した場合には(S702でNO)、補助遊技を開始しないため、普通動作ステータスを「1」にセットして(S708)、ステップS709に進む。
ステップS709では、遊技制御用マイコン81は、「普図に基づく遊技状態管理処理」を行う。そして、本処理を終了する。
[普図に基づく遊技状態管理処理]図39に示すように、普図に基づく遊技状態管理処理(S709)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S801)、ONであれば(S801でYES)、時短状態中に実行した普図変動の回数をカウントする普図時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S802)、普図時短カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S803)。ステップS803において、普図時短カウンタの値が「0」であれば(S803でYES)、時短フラグをOFFし(S804)、小当たりフラグ又は大当たりフラグの何れかがONであるか否かを判定する(S805)。この判定結果がNOであれば(S805でNO)、続いて、時短状態の連続制御回数をカウントするための時短リミッタ作動カウンタの値が「0」でないかを判定し(S806)、「0」でなければ(S806でYES)、時短リミッタ作動カウンタの値を「0」にクリアして(S807)、すなわち、時短リミッタのカウントをリセットして、ステップS808に進む。また、ステップS801でNOである場合、ステップS803でNOである場合、ステップS805でYESである場合、ステップS806でNOである場合にも、ステップS808に進む。ステップS808では、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドを所定の出力バッファにセットする。そして、本処理を終える。なお、本形態において時短状態への移行時に普図時短カウンタにセットされる値は、図8の表の「普通図柄に基づく終了条件」の欄に示す通りである。
[普通電動役物処理]図40に示すように、普通電動役物処理(S307)ではまず、普図当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当たり終了フラグは、補助遊技において電チュー22の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当たり終了フラグがONでなければ(S901でNO)、第2始動口21の開放中か否か(即ち、電チュー22の開放中か否か)を判定する(S902)。開放中でなければ(S902でNO)、続いて、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否か、すなわち補助遊技のオープニング(開放前インターバル)の時間が経過して第2始動口21の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S903)。第2始動口21を開放させる時間に至っていなければ(S903でNO)、そのまま本処理を終え、至っていれば(S903でYES)、セットされている開放パターンに従って第2始動口21を開放させる(S904)。
ステップS902において第2始動口21の開放中であれば(S902でYES)、補助遊技における第2始動口21への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1個)に達しているか否かを判定する(S905)。規定入賞個数に達していなければ(S905でNO)、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから所定の開放時間(図14参照)が経過したか否か)を判定する(S906)。そして、第2始動口21の開放時間が経過していなければ(S906でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S905でYES)又は第2始動口21の開放時間が経過した場合(S906でYES)、すなわち2つの電チュー開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2始動口21を閉鎖(閉塞)する(S907)。そして、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントし(S908)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S909)。「0」でなければ(S909でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。なお本形態では、いずれの開放パターンにおいても電チュー22の開放回数は1回であるため、ステップS909でNOと判定されることはない。
ステップS909の判定結果が「0」であれば(S909でYES)、補助遊技を終了させるべく、補助遊技終了コマンドをセットするなどの普図当たり終了処理(S910)を行い、普図当たり終了フラグをセットして(S911)、本処理を終える。
またステップS901において普図当たり終了フラグがONであれば(S901でYES)、補助遊技における第2始動口21の開放が全て終了しているので、補助遊技のエンディング(閉鎖後インターバル)の時間が経過したか否かを判定し(S912)、閉鎖後インターバルの時間(図14参照)が経過していなければ(S912でNO)、本処理を終える。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S912でYES)、普図当たり終了フラグをOFFするとともに(S913)、普図当たりフラグをOFFする(S914)。そして、普通動作ステータスを「1」にセットして(S915)、本処理を終える。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(図34)として再び普通図柄待機処理(S302)が実行されることになる。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図41に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1001でYES)、特別図柄待機処理(S1002)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1001でNO、S1003でYES)、特別図柄変動中処理(S1004)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1001,S1003で共にNO、S1005でYES)、特別図柄確定処理(S1006)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1001,S1003,S1005で共にNO、S1007でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S1008)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1001,S1003,S1005,S1007の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S1009)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図42に示すように、特別図柄待機処理(S1002)ではまず、上述のステップS206で取得した特図2関係乱数の記憶があるか否かを判定する(S1101)。特図2関係乱数の記憶がない場合(S1101でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」より大きいか否かを判定する(S1107)。そして、特図1保留球数が「0」より大きくない場合(S1107でNO)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1113)、そうであれば(S1113でYES)処理を終え、そうでなければ(S1113でNO)、待機画面設定処理(S1114)を行う。待機画面設定処理(S1114)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1101において特図2関係乱数の記憶がある場合には(S1101でYES)、後述の特図2当たり判定処理(S1102)及び特図2変動パターン選択処理(S1103)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2関係乱数の記憶をクリアする(S1104)。そして、特図2変動開始処理(S1105)を実行する。特図2変動開始処理(S1105)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1106)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2当たり判定処理(S1102)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1103)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2関係乱数の記憶はないが特図1保留球数が「0」よりも大きい場合には(S1101でNO且つS1107でYES)、後述の特図1当たり判定処理(S1108)及び特図1変動パターン選択処理(S1109)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1110)。そして、特図保留記憶部85における各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図保留記憶部85における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1111)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1112)を実行する。特図1変動開始処理(S1112)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1112)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1当たり判定処理(S1108)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1109)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2当たり判定処理(特図1当たり判定処理)]特図2当たり判定処理(S1102)と特図1当たり判定処理(S1108)とは、処理の流れが同じであるため図43に基づいてまとめて説明する。図43に示すように、特図2当たり判定処理(S1102)又は特図1当たり判定処理(S1108)ではまず、判定値として、RAM84に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1201)。
次に、設定値情報が示す設定値に応じた大当たり判定テーブル(図10(A)~(F)参照)をセットする(S1202)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに従って大当たりであるか否かを判定する(S1203)。なお、ステップS1203で大当たりであると判定される可能性があるのは、特図1当たり判定処理だけであり、特図2当たり判定処理では必ず大当たりでないと判定される。
大当たりであるか否かの判定(S1203)の結果が「大当たり」であれば(S1203でYES)、大当たりフラグをONするとともに(S1204)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図6に示す当たり種別判定テーブルに従って大当たり種別を判定する(S1205)。大当たり種別を判定(S1205)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種別)に応じた特図停止図柄データ(図6参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1206)処理を終える。
一方、大当たりであるか否かの判定(S1203)の結果が「大当たり」でなければ(S1203でNO)、続いて、小当たりであるか否かを判定する(S1207)。小当たり当選確率は、何れの設定であっても、特図1の抽選ではおよそ1/120程度であり、特図2の抽選では1/1である(図10参照)。すなわち、特図2当たり判定処理では必ず小当たりであると判定される。なお、小当たり当選確率をいくつにするかは、実現したいゲーム性に応じて適宜変更可能である。
小当たりであるか否かの判定(S1207)の結果が「小当たり」であれば(S1207でYES)、小当たりフラグをONするとともに(S1208)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図6又は図7に示す当たり種別判定テーブルに従って小当たり種別を判定する(S1209)。小当たり種別を判定(S1209)した後は、小当たり種別(小当たり図柄の種別)に応じた特図停止図柄データ(図6又は図7参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1210)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1203でNO)、小当たりでもなければ(S1207でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)を特図種別バッファにセットして(S1211)、本処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1103)と特図1変動パターン選択処理(S1109)とは、処理の流れが同じであるため図44及び図45に基づいてまとめて説明する。図44に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1103)又は特図1変動パターン選択処理(S1109)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
時短状態でなければ(S1301でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)に従って、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。図13に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。図13に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)に従って、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。図12(A)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)に従って、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)に従って、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。
なお本形態では、特図2の抽選では必ず小当たりに当選するため、非時短状態における特図2変動パターン選択処理(S1103)では、必ずステップS1305が実行され、そのステップS1305では、変動時間が30秒の変動パターンP21が選択される(図13参照)。
また、特図1変動パターン選択処理(S1109)におけるリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている(図13参照)。
またステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1301でYES)には、図45に示すように、上記ステップS1302~S1308と同様の流れで処理(S1309~S1315)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1309でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)に従って、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
また小当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)に従って、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1313でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)に従って、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1313でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図13に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)に従って、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1315)。
なお本形態では、特図2の抽選では必ず小当たりに当選するため、時短状態における特図2変動パターン選択処理(S1103)では、必ずステップS1312が実行され、そのステップS1312では、変動時間が30秒の変動パターンP31が選択される(図13参照)。本形態における特図2の抽選に基づく小当たり変動の変動パターンは、時短状態であっても非時短状態であっても、変動時間が同じ30秒である(図13に示す変動パターンP21およびP31参照)。
また、特図1変動パターン選択処理(S1109)における時短状態の変動パターンは、大当たり、小当たり、リーチ有りハズレ、リーチ無しハズレの何れであっても、変動時間が極めて短い500msである(図13に示す変動パターンP11~P14参照)。これは、次の理由による。すなわち、時短状態が開始された場合に、その前の非時短状態において生じた第1特図保留が残っている可能性があるため、このような第1特図保留に基づく特図変動を時短状態において速やかに消化するためである。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図44に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1316)、本処理を終える。ステップS1316でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1002)におけるステップS1105又はS1112でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図46に示すように、特別図柄変動中処理(S1004)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1103又はS1109で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図13参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図47に示すように、特別図柄確定処理(S1006)ではまず、特別図柄の停止時間(図13参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。ステップS1601において特別図柄の停止時間が経過していない場合は(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過している場合は(S1601でYES)、後述の「特図に基づく遊技状態管理処理(S1602)」を行う。
次に遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態(低ベース状態)に制御される。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
その後、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(図6参照)をセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図6を参照)をセットする(S1609)。このときに、大当たり遊技中や小当たり遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1610)。小当たりフラグがONであれば(S1610でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1611)。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンド(図6又は図7参照)をセットして(S1612)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1613)。
ステップS1613に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図6又は図7を参照)をセットする(S1614)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たり図柄の種別に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1615)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。
ステップS1610において小当たりフラグがONでなければ(S1610でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1616)、本処理を終える。
[特図に基づく遊技状態管理処理]図48に示すように、特図に基づく遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONであれば、時短状態中に実行した特図変動の回数をカウントする特図時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、特図時短カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1703)。より詳細には、特図時短カウンタには、特図1の変動回数のみをカウントする第1特図時短カウンタ(特図1の変動回数だけを対象とする第1特図時短回数をカウントするカウンタ)と、特図2の変動回数のみをカウントする第2特図時短カウンタ(特図2の変動回数だけを対象とする第2特図時短回数をカウントするカウンタ)と、特図1の変動回数と特図2の変動回数との合計回数をカウントする合計特図時短カウンタ(特図1の変動回数と特図2の変動回数との合計回数を対象とする合計特図時短回数をカウントするカウンタ)とがある。なお、第1特図時短回数、第2特図時短回数、合計特図時短回数という場合の特図時短回数とは、時短状態(高ベース状態)における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
ステップS1702では、特図1の変動停止時であれば第1特図時短カウンタおよび合計特図時短カウンタの値を1ディクリメントし、特図2の変動停止時であれば第2特図時短カウンタおよび合計特図時短カウンタの値を1ディクリメントする。そして、ステップS1703では、第1特図時短カウンタ、第2特図時短カウンタ、又は合計特図時短カウンタのいずれか1つでも「0」となっていないかを判定する。
ステップS1703において、3つの特図時短カウンタのうち1つでも「0」となっているものがあれば(S1703でYES)、時短フラグをOFFし(S1704)、小当たりフラグ又は大当たりフラグの何れかがONであるか否かを判定する(S1705)。この判定結果がNOであれば(S1705でNO)、続いて、時短状態の連続制御回数をカウントするための時短リミッタ作動カウンタの値が「0」でないかを判定し(S1706)、「0」でなければ(S1706でYES)、時短リミッタ作動カウンタの値を「0」にクリアして(S1707)、すなわち、時短リミッタのカウントをリセットして、ステップS1708に進む。
また、ステップS1701でNOである場合、ステップS1703でNOである場合、ステップS1705でYESである場合、ステップS1706でNOである場合にも、ステップS1708に進む。ステップS1708では、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドを所定の出力バッファにセットする。そして、本処理を終える。なお、本形態において時短状態への移行時に各特図時短カウンタにセットされる値は、図8の表の「特別図柄に基づく終了条件」の欄に示す通りである。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技の実行のための処理である。図49に示すように、特別電動役物処理1(S1008)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。なお、図25に示したように、小当たり図柄dや小当たり図柄eに基づく大当たり遊技における特定インターバルの時間は、それ以外の通常のインターバルの時間に比べて極めて長い。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させるとともに(S2004-1)、現在のラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるかを示すラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S2004-2)。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図6又は図7参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。
「0」でなければ(S2009でNO)、続いて、現在のラウンド遊技における閉鎖後インターバルが特定インターバル(図25参照)であるか否か、すなわち、現在のラウンド遊技が特定インターバルを含むラウンド遊技(特定ラウンド遊技)であるか否かを判定する(S2010)。この判定結果がYESであれば、特定インターバル中であることを示す特定インターバルコマンドをRAM84の出力バッファにセットしてから(S2011)、本処理を終える。これに対して、ステップS2010の判定結果がNOであれば、ステップS2011を行うことなく、本処理を終える。
一方、ステップS2009において「0」であると判定した場合には(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンド(図6又は図7参照)をセットするとともに(S2012)、大当たりのエンディングを開始する(S2013)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2014)、本処理を終える。
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2015)、エンディング時間が経過していなければ(S2015でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2015でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2016)、大当たりフラグをOFFする(S2017)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2018)、後述の遊技状態設定処理(S2019)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図50に示すように、遊技状態設定処理(S2019)ではまず、時短状態の連続制御回数をカウントするための時短リミッタ作動カウンタの値が、所定の制限回数(リミッタ回数、本形態では「5」)であるか否かを判定する(S2101)。時短リミッタ作動カウンタの値が「5」でなければ(S2101でNO)、ステップ2102に進む。
ステップS2102では、遊技制御用マイコン81は、今実行した大当たり遊技が「時短当たり」に基づく大当たり遊技であるか否かを判定する。時短当たりに基づく大当たり遊技でない場合には(S2102でNO)、ステップS2106に進むが、時短当たりに基づく大当たり遊技である場合には(S2102でYES)、時短フラグをONするとともに(S2103)、当選した特別図柄の種類に応じて(すなわち今回の大当たり遊技の実行契機となった特別図柄の種類)に応じて、普図時短カウンタの値、並びに、特図時短カウンタ(第1特図時短カウンタ、第2特図時短カウンタ、及び合計特図時短カウンタ)の値をセットする(S2104)。
具体的には、当選した特別図柄の種類が「小当たり図柄c」であれば、時短状態の終了条件を第2終了条件に設定するべく(図7参照)、普図時短カウンタの値を「1」にセットし、第1特図時短カウンタの値を「5」にセットし、第2特図時短カウンタの値を「1」にセットし、合計特図時短カウンタの値を「5」にセットする(図8参照)。かくして、時短状態の終了条件が第2終了条件である第2時短状態に制御される。
また、当選した特別図柄の種類が「大当たり図柄A」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄d」、「小当たり図柄e」であれば、時短状態の終了条件を第1終了条件に設定するべく(図6又は図7参照)、普図時短カウンタの値を「2」にセットし、第1特図時短カウンタの値を「5」にセットし、第2特図時短カウンタの値を「1」にセットし、合計特図時短カウンタの値を「5」にセットする(図8参照)。かくして、時短状態の終了条件が第1終了条件である第1時短状態に制御される。
ステップS2104に続いて、遊技制御用マイコン81は、時短リミッタ作動カウンタの値を1加算する(S2105)。そして、ステップS2106に進む。
また、ステップS2101において時短リミッタ作動カウンタの値が「5」である場合には(S2101でYES)、ステップS2106に進む。即ち、時短状態の連続制御回数が制限回数に到達している場合には、「時短当たり」に当選していても、時短状態に制御しない(時短フラグをONしない)。このように本形態では、時短状態の連続制御回数が5回に制限されている。すなわち、本パチンコ遊技機1には、時短リミッタの機能が搭載されている。
ステップS2106では、時短フラグがONであるか否かを判定する。時短フラグがONであれば(S2106でYES)、ステップS2108に進むが、時短フラグがONでなければ(S2106でNO)、即ち、大当たり遊技後の遊技状態を時短状態に制御しない場合には、時短リミッタ作動カウンタの値を「0」にクリアして(S2107)、すなわち、時短状態のリミッタ回数のカウントをリセットして、ステップS2108に進む。
ステップS2108では、この遊技状態設定処理で設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドを所定の出力バッファにセットする(S2108)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短リミッタ作動カウンタの値の情報を含む時短連続回数コマンドを所定の出力バッファにセットして(S2109)、本処理を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2(S1009)は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技の実行のための処理である。図51及び図52に示すように、特別電動役物処理2(S1009)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(図6、図7、図24参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6又は図7に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図52に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間(図24参照)が経過していなければ(S2310でNO)、本処理を終える。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図54参照)でONされるフラグである。
ステップS2313においてVフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2314)、大当たりフラグをONして(S2315)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2316)。続いて、時短フラグがONであれば(S2317でYES)時短フラグをOFFする(S2318)。そして、大当たりのオープニングコマンド(図6又は図7参照)をセットするとともに(S2319)、大当たりのオープニングを開始する(S2320)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
一方、ステップS2313においてVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2321)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2322)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2323)。時短フラグがONであれば(S2323でYES)、本処理を終える。これに対して、時短フラグがONでなければ(S2323でNO)、すなわち、今回の小当たり遊技の前に時短状態が終了して非時短状態に移行していれば、続いて、時短リミッタ作動カウンタの値が「0」でないか否かを判定する(S2324)。時短リミッタ作動カウンタの値が「0」であれば(S2324でNO)、本処理を終えるが、「0」でなければ(S2324でYES)、時短リミッタ作動カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2325)、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドを所定の出力バッファにセットして(S2326)、本処理を終える。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(図32参照)。振分部材制御処理(S107)では図53に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図47参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作(図24(c)参照)で動くこととなる。
またV有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間であり、図24(d)に示す期間である。具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(7608ms(図24(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図32参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図54に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)、本処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図53)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図24(d)に示す期間である。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)、本処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)があったことを通知するためのコマンドである。
[電源断監視処理]電源断監視処理(S109)では、図55に示すように、遊技制御用マイコン81はまず、電源断信号を入力したか否かを判定し(S2801)、入力していなければ(S2801でNO)、本処理を終える。電源断信号は、監視している電源の電圧(例えばDC24V)が所定期間(例えば25ms)に亘って検出されていないと、電源基板150から出力される信号である。電源断信号の入力があれば(S2801でYES)、チェックサムを算出してRAM84に格納するとともに(S2802)、電源断フラグをONする(S2803)。そして、RAM84へのアクセスの禁止設定を行う(S2804)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(S005、図32参照)に戻ることなくループ処理を行う。
[サブ制御メイン処理]次に図56~図60に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、電源投入時に、ROM93から図56に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。
図56に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグ(電断時にONされるフラグ)がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであってもRAM94の内容が正常でない場合には、RAM94の初期化をして(S4002)、ステップS4003に進む。
一方、ステップS4001の判定結果がYESであれば、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったがRAM94の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4011)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4011でYES)、主制御基板80のRAM84はクリアされている。そのため、サブ制御基板90のRAM94をクリアして(S4002)、ステップS4003に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4011でNO)、RAM94をクリアすることなく、ステップS4003に進む。
ステップS4003では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数更新処理を実行する(S4005)。乱数更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出等を含む大当たり演出、演出モードに応じた背景や演出図柄の表示等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。受信割り込み処理(S4008)では、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図57に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ64a(図5参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。これにより例えば、枠ランプ66及び盤ランプ5を特別な第1発光態様(図19(B)(E)参照)で発光させたり、特別な第2発光態様(図19(C)(D)参照)で発光させたり、特別な第3発光態様(図19(F)参照)で発光させたり、特殊なエラー発光態様(図20(B)参照)で発光させたりすることが可能である。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体15を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図58に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、受信コマンド解析処理を行う(S4301)。受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4008)によってRAM94の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。受信コマンド解析処理については後に詳述する。
次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。これにより例えば、「設定変更可能です」という音声(図19(B)(E)参照)をスピーカ67から出力させたり、「設定値が変更されました」という音声(図19(C)(D)参照)をスピーカ67から出力させたり、「設定値を確定しました」という音声(図19(F)参照)をスピーカ67から出力させたり、特殊なエラー音(図20(B)参照)をスピーカ67から出力させたりすることが可能である。
[受信コマンド解析処理]次に、図59および図60に基づいて受信コマンド解析処理(S4301)について説明する。図59に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば変動演出開始処理を行う(S4402)。変動演出開始処理(S4402)では、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を解析し、その解析結果に基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)や、その変動演出に伴って実行する予告演出を選択し、その選択に係る演出内容の情報を含む変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。なお、変動演出の演出パターンには、SPリーチの実行の有無や、実行するSPリーチの種類などの演出内容が関連付けられている。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S4406)。オープニング演出選択処理(S4406)では、大当たりのオープニングコマンド(図6及び図7参照)を受信した場合には、そのオープニングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出の演出パターン(演出内容)を選択する。そして、選択した演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。なお、当たりの種類によってはオープニング演出を実行しないこともある。
またオープニング演出選択処理(S4406)では、小当たりのオープニングコマンド(図6及び図7参照)を受信している場合には、そのオープニングコマンドの解析結果に基づいて、小当たり遊技中に実行する小当たり演出の演出パターン(演出内容)を選択する。そして、選択した演出パターンにて小当たり演出を開始するための小当たり演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンド(図6及び図7参照)を受信したか否か判定し(S4407)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S4408)。ラウンド演出選択処理(S4408)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出の演出パターン(演出内容)を選択する。そして、選択した演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
なお本形態では、基準ラウンド数(すなわち4つ)のラウンド遊技を1つのまとまった遊技期間と捉えて、この遊技期間(図25に示すt2~t3の期間、t4~t5の期間、及び、t6~t7の期間の各期間)においてシームレスな1つのラウンド演出(後述するフクロウ紹介演出)を行うようにしている。また、小当たり図柄eに基づく大当たり遊技における実質13R目のラウンド遊技では、後述する特別祝福演出を行うようにしている(図25参照)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特定インターバルコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば特定インターバル演出選択処理を行う(S4410)。特定インターバル演出選択処理(S4410)では、特定インターバルコマンドの解析結果に基づいて、特定インターバル中に実行するフクロウ捕獲演出(図25参照)を選択する。そして、フクロウ捕獲演出を開始するための特定インターバル演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンド(図6及び図7参照)を受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出の演出パターン(演出内容)を選択する。そして、選択した演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。なお、当たりの種類によってはエンディング演出を実行しないこともある。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4414)を行う。V通過報知演出開始処理(S4414)では、V通過報知演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態におけるV通過報知演出は、「VGet!」の文字を含む演出画像を表示画面7aに表示させる演出である(図62(A)参照)。この演出の詳細については後述する。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から時短連続回数コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していれば時短連続回数更新処理(S4416)を行う。時短連続回数更新処理(S4416)では、受信した時短連続回数コマンドが示す時短状態の連続制御回数の情報を、RAM94の所定の記憶領域に格納する。これにより、演出制御用マイコン91が保持している時短状態の連続制御回数の情報が更新される。
続いて、演出制御用マイコン91は、図60に示すように、主制御基板80から設定値指定コマンドを受信したか否か判定し(S4420)、受信していれば設定値フラグ変更処理を行う(S4421)。設定値フラグ変更処理(S4421)では、設定値指定コマンドに含まれている設定値の情報に基づいて、RAM94の設定値フラグ95を設定する。例えば、設定値指定コマンドに設定値「1」の情報が含まれていれば、設定値フラグ95を「1」に設定する。これにより、演出制御用マイコン91は、現時点での設定値を把握することが可能であり、画像表示装置7等の演出手段で設定値を示唆する示唆演出を実行可能である。なお上述したステップS4002(図56参照)でRAM94の初期化が実行されたときには、設定値フラグ95の内容は消去される。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から設定モード移行コマンドを受信したか否か判定し(S4422)、受信していれば設定モード移行演出処理を行う(S4423)。設定モード移行演出処理(S4423)では、図19(B)に示す設定変更中画像SHを表示するための設定モード移行演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、設定モード移行演出コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに設定変更中画像SHを表示する。
また設定モード移行演出処理(S4423)では、「設定変更可能です」という音声(図19(B)参照)を出力するための音声データを、RAM94の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した音声制御基板106は、スピーカ67から「設定変更可能です」という音声を出力させる。また設定モード移行演出処理(S4423)では、枠ランプ66及び盤ランプ5を特別な第1発光態様(図19(B)参照)で発光させるためのランプデータを、RAM94の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したランプ制御基板107は、枠ランプ66及び盤ランプ5を特別な第1発光態様で発光させる。以上により、設定変更中画像SHの表示と、「設定変更可能です」という音声と、特別な第1発光態様での発光とにより、設定変更者には、設定変更モードに移行して任意に設定値を変更できる状況であることを把握させることが可能である。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から設定値変更コマンドを受信したか否か判定し(S4424)、受信していれば設定値変更演出処理を行う(S4425)。設定値変更演出処理(S4425)では、図19(C)や図19(D)に示す設定値変更画像YGを表示するための設定値変更演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、設定値変更演出コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aにて設定変更中画像SHの上から重ねて(レイヤー状に)設定値変更画像YGを表示する。
また設定値変更演出処理(S4425)では、「設定値が変更されました」という音声(図19(C)又は図19(D)参照)を出力するための音声データを、RAM94の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した音声制御基板106は、スピーカ67から「設定値が変更されました」という音声を出力させる。また設定値変更演出処理(S4425)では、枠ランプ66及び盤ランプ5を特別な第2発光態様(図19(C)又は図19(D)参照)で発光させるためのランプデータを、RAM94の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したランプ制御基板107は、枠ランプ66及び盤ランプ5を特別な第2発光態様で発光させる。以上により、設定値変更画像YGの表示と、「設定値が変更されました」という音声と、特別な第2発光態様での発光とにより、設定変更者だけでなく、周囲の遊技場の従業員にも、設定値が変更された状況を把握させることが可能である。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から設定モード終了コマンドを受信したか否か判定し(S4426)、受信していれば設定モード終了演出処理を行う(S4427)。設定モード終了演出処理(S4427)では、図19(F)に示す設定値確定画像SKを表示するための設定値確定演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、設定値確定演出コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aにて図19(E)に示す設定変更中画像SHの表示から、図19(F)に示す設定値確定画像SKの表示に切り替える。
また設定モード終了演出処理(S4427)では、「設定値を確定しました」という音声(図19(F)参照)を出力するための音声データを、RAM94の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した音声制御基板106は、スピーカ67から「設定値を確定しました」という音声を出力させる。また設定モード終了演出処理(S4427)では、枠ランプ66及び盤ランプ5を特別な第3発光態様(図19(F)参照)で発光させるためのランプデータを、RAM94の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したランプ制御基板107は、枠ランプ66及び盤ランプ5を特別な第3発光態様で発光させる。以上により、設定値確定画像SKの表示と、「設定値を確定しました」という音声と、特別な第3発光態様での発光とにより、設定変更者だけでなく、周囲の遊技場の従業員にも、設定値が確定された状況を把握させることが可能である。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエラーコマンドを受信したか否か判定し(S4428)、受信していればエラーモード報知処理を行う(S4429)。エラーモード報知処理(S4429)では、図20(B)に示す操作示唆画像SEを表示するための操作示唆演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、操作示唆演出コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aにて図20(B)に示す操作示唆画像SEを表示する。
またエラーモード報知処理(S4429)では、特殊なエラー音(図20(B)参照)を出力するための音声データを、RAM94の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した音声制御基板106は、スピーカ67から特殊なエラー音を出力させる。またエラーモード報知処理(S4429)では、枠ランプ66及び盤ランプ5を特殊なエラー発光態様(図20(B)参照)で発光させるためのランプデータを、RAM94の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したランプ制御基板107は、枠ランプ66及び盤ランプ5を特殊なエラー発光態様で発光させる。以上により、操作示唆画像SEの表示と、特殊なエラー音と、特殊なエラー発光態様での発光とにより、遊技場の従業員に、エラーモードに移行していること、即ち設定値が設定されていないことを把握させることが可能である。
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4430)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、遊技状態指定コマンドの受信に応じて現在の遊技状態の情報をRAM94の所定の記憶領域に格納する処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S4301)を終える。
9.「RUSH」中の演出の実行例
次に、本形態のパチンコ遊技機1における演出の実行例を図61~図65に基づいて説明する。ここでは、非時短状態において特図1の抽選で「4R時短大当たり」に当選し、その当選に基づく大当たり遊技後に時短状態に移行したときの演出について説明する。すなわち、主にRUSH中(図21参照)に行われる演出について説明する。
4R時短大当たり(時短状態への移行契機となる初当たり)に基づく大当たり遊技のエンディングでは、エンディング演出(ED演出)として、図61(A)(B)に示す演出画像が表示画面7aに表示される。具体的にはこのED演出では、主人公の少年が、ある種類のフクロウ(フクロウA)を捕まえる動画が表示され(図61(A))、その後、「フクロウRUSH突入!」の文字画像が表示される(図61(B))。このような演出により、遊技者は時短状態に移行すること、すなわち、大当たり遊技を獲得し易いRUSHに移行することを認識する。このRUSH中の演出モード名を、フクロウRUSHと言う。なお、図61(A)(B)に示すED演出は、演出制御用マイコン91が「4R時短大当たり」に基づく大当たり遊技のエンディングコマンドを受信したことに応じて実行される。
大当たり遊技が終了して時短状態に制御されると、フクロウRUSH中の背景画像が表示画面7aに表示される。具体的には、主人公の少年が森の中でフクロウを探している演出画像が表示される(図61(C))。なお本パチンコ遊技機1は、フクロウRUSH中、主人公の少年が様々な種類のフクロウを捕まえていくという内容の演出を実行することとしている。また時短状態中は右打ちが推奨されるため、表示画面7aには右打ちを示す右矢印画像RIが適宜表示される(図61(C))。なお、フクロウRUSHに対応した背景画像の表示制御は、演出制御用マイコン91が大当たり遊技の終了時に、時短状態を示す遊技状態指定コマンドを受信したことに応じて実行される。
時短状態において右打ちがなされると、ゲート28への遊技球の通過が発生し、これに基づいて補助遊技が実行される。そして、補助遊技において電チュー22に係る第2始動口21に遊技球が入賞すると、特図2の変動表示が実行される。この特図2の変動表示は、小当たり当選の判定結果に基づく小当たり変動となる(図10参照)。特図2の小当たり変動中は、図61(D)(E)に示す変動演出が実行される。具体的には、主人公の少年が森でフクロウ(フクロウB)を発見し(図62(D))、そのフクロウを捕まえようと森の中を走りまわる動画が表示画面7aに表示される(図62(E))。なお、小当たり変動中であるので、表示画面7aの左上部には、演出図柄が表示される。ここで表示される演出図柄は、演出図柄8L,8C,8Rよりも小さいサイズの演出図柄(小図柄KZ1,KZ2,KZ3)である。RUSH中は、当たり判定処理における判定結果をこの小図柄KZ1,KZ2,KZ3で表示している。なお、特図2の小当たり変動時の変動演出は、演出制御用マイコン91が特図2変動開始コマンドを受信したことに応じて実行される。
小当たり変動が終了して小当たり遊技が実行されると、小当たり演出として、少年が網を振り上げてフクロウにとびかかる動画が表示画面7aに表示される(図61(F))。この時点では、小当たり変動は終了しているため、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、小当たり当選を示す停止態様(具体的には例えば「1・3・5」)で停止表示されている。なお、この小当たり演出は、演出制御用マイコン91が小当たり図柄b~eの何れかの小当たりのオープニングコマンドを受信したことに応じて実行される。
そして、小当たり遊技においてV通過が発生すると、少年がフクロウを網で捕まえた様子を示す画像が表示画面7aに表示される(図62(A))。また、この画像の表示に際して、「VGet!」の文字画像が表示される(図62(A))。これにより、遊技者はV通過が発生したことを認識することが可能である。そして、図62(A)に示す画像に続いて、「フクロウBONUS!」の文字画像が表示画面7aに表示される(図62(B))。これにより遊技者は、大当たり遊技が開始されることを認識することが可能である。なお、図62(A)(B)に示す一連の演出は、演出制御用マイコン91がV通過コマンドを受信したことに応じて実行される。
V通過によって大当たり遊技が実行されると、大当たり演出が実行される。本パチンコ遊技機1では、RUSH中に当選した大当たりではオープニング演出は実行せず、大当たり遊技の実質的な1R目のラウンド遊技の開始に際して、図62(C)に示すフクロウ紹介演出を実行する。フクロウ紹介演出では、捕まえたフクロウ(例えばフクロウB)を紹介する画像(捕まえたフクロウの名前等のプロフィールを示す画像)が表示画面7aに表示される。このフクロウ紹介演出は、4ラウンドにわたって実行される。すなわち本形態では、基準ラウンド数のラウンド遊技にわたって、1つの演出(ここではフクロウ紹介演出)が実行される(図25参照)。
なお、フクロウ紹介演出は、演出制御用マイコン91が所定のラウンドのラウンド遊技の開始を示すラウンド指定コマンドを受信したことに応じて実行される。所定のラウンドとは、当選した小当たり図柄が「小当たり図柄b」又は「小当たり図柄c」であれば、実質1R目のラウンドであり、当選した小当たり図柄が「小当たり図柄d」であれば、実質1R目のラウンドと、実質5R目のラウンドであり、当選した小当たり図柄が「小当たり図柄e」であれば、実質1R目のラウンドと、実質5R目のラウンドと、実質9R目のラウンドである(図25参照)。つまり、所定のラウンドとは、基準ラウンド数分のラウンド遊技の束における最初のラウンドのことである。
大当たり遊技が終了して、遊技状態が時短状態である場合、すなわち、時短状態の連続制御回数がリミッタ回数である5回に到達していない場合には、フクロウRUSHが継続する。よって、この場合には、再び図61(C)に示す演出が実行される。
また、実行している大当たり遊技が、実質8Rの「小当たり図柄d」に基づくものである場合や、実質13Rの「小当たり図柄e」に基づくものである場合には、あるフクロウを紹介するフクロウ紹介演出が実行された後、特定インターバルとなる(図25参照)。特定インターバルでは、特図2の小当たり変動の開始から小当たり遊技を経て実質的な1R目のラウンド遊技が開始されるまでの間に実行した演出(上述のフクロウ捕獲演出、図61(D)~図62(B)参照)とほぼ同じ演出が実行される。
具体的には例えば、特定インターバルでは、主人公の少年が、ある種類のフクロウ(フクロウC)を発見し(図63(A))、そのフクロウを追いかけ(図63(B))、そのフクロウにとびかかり(図63(C))、そのフクロウを捕まえる(図63(D))という一連の動画が表示され、さらにその動画に続いて「フクロウBONUS!」の文字画像が表示される(図63(E))。この演出もフクロウ捕獲演出である。つまり本形態では、特定インターバルにおいても、フクロウ捕獲演出(図63(A)~(E))が実行される。
但し、特定インターバル中のフクロウ捕獲演出では、少年がフクロウを網で捕まえるシーンで表示される文字画像が、「VGet!」ではなくただの「Get!」になっている(図63(D))。これは、フクロウ捕獲演出により新たな大当たり遊技が実行されたかのように見せているものの、実際にはV通過が発生していないことを考慮したものである。なお、特定インターバル中のフクロウ捕獲演出は、演出制御用マイコン91が特定インターバルコマンドを受信したことに応じて実行される。
そして、特定インターバルの時間が経過して、次のラウンド遊技が開始されると、特定インターバル中のフクロウ捕獲演出で捕まえたフクロウ(例えばフクロウC)を紹介するフクロウ紹介演出が実行される(図63(F))。このフクロウ紹介演出も、4ラウンドにわたって実行される。なお、この4ラウンド分のラウンド遊技で実質的なラウンドが全て終了する場合には、時短状態の連続制御回数がリミッタ回数に到達していなければ、まだフクロウRUSHが継続するため、再び図61(C)に示す演出が実行される。
また、実質13Rの「小当たり図柄e」に基づく大当たり遊技が実行されている場合、3回目のフクロウ紹介演出の後で、実質13R目のラウンド遊技に際して、図64(A)に示す特別祝福演出が実行される(図25参照)。特別祝福演出では、図64に示すように、フクロウ捕獲演出では登場することのない種類の特別なフクロウ(フクロウD)の画像と、「Congratulation!」の文字画像と、「大量Getじゃな!」の文字画像とを含む演出画像が表示画面7aに表示される。これにより遊技者は、実質的なラウンド数の多い大当たり遊技が実行されたことを認識することが可能である。なお、特別祝福演出は、演出制御用マイコン91が小当たり図柄eに基づく大当たり遊技の実質13R目のラウンド遊技の開始を示すラウンド指定コマンドを受信したことに応じて実行される。
また、大当たり遊技の終了時に、時短状態の連続制御回数がリミッタ回数に到達していると判定された場合には(図50のステップS2101でYES)、非時短状態に制御されることとなり、フクロウRUSHは終了する。この場合、大当たり遊技のエンディング演出では、図64(B)に示すリザルト演出が実行される。リザルト演出では、主人公の少年が捕まえたフクロウの数が表示される。具体的には例えば、リザルト演出では、フクロウRUSHにおける遊技結果であることを意味する「~結果発表~」の文字画像と、捕まえたフクロウの数を示す「〇羽Get!」(図64(B)の例では「6羽Get!」)の文字画像とを含む演出画像が表示画面7aに表示される。なお、リザルト演出は、時短状態の連続制御回数がリミッタ回数に到達している状態で演出制御用マイコン91がエンディングコマンドを受信したことに応じて実行される。
なお、リザルト演出における捕まえたフクロウの数は、大当たりの連荘回数を示唆する表示であるが、本形態では、実質8Rの大当たり遊技や実質13Rの大当たり遊技を複数回の大当たり遊技が実行されているかのように見せているため、大当たりの連荘回数を正確に表しているものではない。しかしながら、このように大当たり遊技が何回実行されているかをわかり難くすることで、基本的には大当たり6回のセット機である本パチンコ遊技機1において、フクロウRUSHの終了タイミングを覚らせ難くすることが可能であり、多量の賞球の獲得への期待感を高めることが可能である。そしてこのことにより、遊技興趣が向上されている。
また本パチンコ遊技機1は、基本的には大当たり6回のセット機であるが、時短状態の連続制御回数がリミッタ回数に到達する前に、第2時短状態(図8に示す第2終了条件に設定された時短状態)に制御されることにより、非時短状態になった後で小当たり当選と判定されて、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行されることがある。そしてこの場合には、リミッタ回数のカウントがリセットされ、再び6回の大当たりが実質的に確定する(図21、図22、図23参照)。
よって本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技の終了後に第2時短状態に制御されて、普図変動が1回実行されることで非時短状態となってから実行された特図2の小当たり変動に際しては、通常のフクロウ捕獲演出ではなく、特殊なフクロウ捕獲演出(特殊演出に相当)を実行することとしている。具体的には、図65(A)に示すように、特殊なフクロウ捕獲演出では、通常のフクロウ捕獲演出の画像の前方に重ねるように、表示画面7aの上下左右の周縁に所定のデザインの枠画像(特殊枠画像G1)を表示している。なお、この特殊枠画像G1は、特図2の小当たり変動の開始からその小当たりに基づく大当たり遊技における実質的な1R目の開始までの期間にわたって表示される。
また、上記のようにリミッタ回数のリセットがあった場合には、非時短状態で当選の判定がなされた小当たりに基づく大当たり遊技のエンディング演出(ED演出)において、図65(B)に示すように、「フクロウRUSH「再」突入!」の表示(詳細には「フクロウRUSH突入!」の文字画像に「再」の文字画像を重ねた表示)がなされる。すなわち、通常のED演出(図61(B))とは異なる特殊なED演出(図65(B))が実行される。なお、特殊なED演出も特殊演出の一例である。
このように本形態では、特殊なフクロウ捕獲演出(図65(A))や特殊なED演出(図65(B))により、遊技者に、リミッタ回数のリセットがあったこと(再び6回の大当たりを獲得可能であること)を認識させることが可能である。そのため、遊技者に高揚感を与え、遊技興趣を向上させることが可能である。
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2の抽選において大当たりと判定されることがない(特図2の抽選で所謂直撃大当たりに当選することがない)ため、特図1の抽選でしか大当たり遊技を実行すると判定されない新たなゲーム性を提供可能である(図10参照)。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図1と特図2のうち大当たり遊技を実行すると判定されることがない特図2の抽選では、小当たり遊技を実行すると判定される(図10参照)。よって、一方の特図抽選でだけ大当たり遊技を実行すると判定される仕様としつつ、他方の特図抽選においては小当たり遊技を経由した大当たり遊技の実行を狙うという新たなゲーム性を提供可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2の抽選に基づいて直撃大当たりに当選することがないため、1種大当たり遊技と2種大当たり遊技とが行われる1種2種混合機において、設定を変更することで1種大当たり遊技の実行確率(所謂直撃大当たりの当選確率)を変更しても、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行確率(小当たり経由の2種大当たり遊技の実行確率)が変わらない遊技機を提供可能である。
すなわち本形態では、特図1の抽選を中心とした遊技期間中(すなわち非時短状態中)は設定差に応じて賞球(獲得出玉)の期待値を変化させることを可能にしながら、特図2の抽選を中心とした遊技期間中(すなわち時短状態中)は設定差に関係なく多量の賞球に期待させることが可能な遊技機とすることが可能である。つまり、非時短状態における特図1の抽選を中心とした遊技では設定毎の大当たり当選確率の影響を受ける遊技となるが、一旦時短状態に移行して特図2の抽選を中心とした遊技となれば、設定差に関係なく共通の条件で多量の賞球の獲得を狙う遊技となるため、遊技者にとっては、設定(設定値)が低くても多量の賞球の獲得に期待することが可能な遊技機とすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たりに当選することがない特図2の抽選では必ず小当たり遊技を実行すると判定されるため(図10参照)、設定を変更することで特図1の抽選において大当たりと判定される確率(直撃大当たりの当選確率)が変更されても、特図2の抽選がなされれば、必ず小当たり遊技が実行される遊技機を提供可能である。また特図2の抽選を中心としたRUSH中における遊技の展開をスピーディにすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2の抽選に基づく小当たり遊技では、正しく遊技している限り必ず特定領域39への通過が生じるため(図24参照)、これにより2種大当たり遊技が実行される。よって、大当たりに当選することがない特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行確率を、小当たりの当選確率と完全に一致させた新たなゲーム性を提供可能である。また特図2の抽選を中心としたRUSH中においてスピーディに次の大当たり遊技が実行される遊技機とすることが可能であり、その結果、遊技興趣を向上可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態(高ベース状態)が、普通図柄の変動表示に基づいて終了する新たなゲーム性を提供可能である(図8参照)。特に本形態では、普通図柄の変動表示の上限回数が2回に設定されるか1回に設定されるかで、時短状態に制御されている期間を異ならせることが可能である。そしてこれにより、特図2の抽選において小当たり当選と判定されるタイミングが、時短状態中となるのか、非時短状態中となるのかが変わってくる(図23参照)。この違いは、時短リミッタのカウントのリセットの有無という違いをもたらす(図21参照)。つまり遊技者にとっては、小当たり当選と判定されるタイミングが時短状態中となるのか非時短状態中となるのかに応じて、その後に獲得予定となる特典の量が大きく変わってくることとなる。よって、普通図柄の上限変動回数が2回である時短状態(第1時短状態)に制御されるか、普通図柄の上限変動回数が1回である時短状態(第2時短状態)に制御されるかに関心を持たせることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。
なお本形態のパチンコ遊技機1は、普通図柄の抽選に基づいて電チュー22が開放され、電チュー22に遊技球が入球したことに基づいて特図2の抽選が実行され、その特図2の抽選において小当たりに当選して2種大当たり遊技が実行され得るよう構成されている遊技機であって、時短状態において普通図柄に基づく終了条件(図8参照)が成立して非時短状態となってから特図2の抽選で小当たり当選と判定される場合と、時短状態において普通図柄に基づく終了条件が成立する前に特図2の抽選で小当たり当選と判定される場合とがある遊技機であると言える(図23参照)。
ちなみに本形態のパチンコ遊技機1によれば、普図変動に基づいて時短状態が終了する場合、その終了タイミングは普通図柄の停止時間の経過時である(図23参照)。よって、普図変動が終了するまでに時短状態が終了することになるため、非時短状態に移行してから小当たり当選と判定される状況を作り出し易い。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、RUSH中において非時短状態になってから小当たり当選と判定されて2種大当たり遊技が実行されることが度々発生する可能性があるため、時短状態のまま大当たりの連荘が続く構成と比べて、賞球を付与し過ぎるのを防止することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図1の抽選における「4R時短大当たり」(初当たり)に基づいて大当たり遊技が実行されると、その後の5回の大当たり遊技の実行が保障される。つまり、初当たりを含めて6連荘が保障される(図22(A)参照)。そのような中で、時短リミッタの上限値到達前に、非時短状態での小当たり当選に基づく大当たり遊技が実行されると、時短リミッタのカウントのリセットがなされ、その大当たり遊技を含めて再び6連荘が保障される(図21、図22(B)参照)。このような遊技性は新たなものであり、これにより遊技興趣を向上可能である。言い換えれば、本形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たり遊技の連荘回数の最低保障がありつつ、時短リミッタの上限値到達前の非時短状態での小当たり当選によって、再びセット数分の大当たりが上乗せされる新たな遊技性を提供可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態において普図変動が1回なされて非時短状態に移行してから小当たり当選と判定された場合には、時短状態のまま小当たり当選と判定された場合とは異なる特殊なフクロウ捕獲演出(図65(A)参照)を実行することとしている。そのため、特殊なフクロウ捕獲演出の実行に対する遊技者の関心を高めることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。特に本形態では、特殊なフクロウ捕獲演出(図65(A)参照)は、普図変動に基づく時短状態の終了後の小当たり当選によって遊技者に有利な状況となったこと(時短リミッタのカウントのリセットがあったこと)を遊技者に認識させることが可能な演出である。よって、この特殊なフクロウ捕獲演出の実行により遊技者に高揚感を与えることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、実質8Rの大当たり遊技(小当たり図柄dに基づく2種大当たり遊技)は、実質4Rの大当たり遊技(小当たり図柄b又は小当たり図柄cに基づく2種大当たり遊技)におけるラウンド数の2倍(正の整数倍)のラウンド数で構成されており、実質8Rの大当たり遊技における基準ラウンド数目(実質的な4R目)のインターバルの時間(特定インターバルの時間)は、大当たり遊技前の特図変動の開始から大当たり遊技における最初の開放までの期間と同じ長さである。よって、実質8Rの大当たり遊技(小当たり図柄dに基づく2種大当たり遊技)の実行を、複数回の実質4Rの大当たり遊技(小当たり図柄b又は小当たり図柄cに基づく2種大当たり遊技)の実行に見せることが可能となる(図25参照)。また、RUSH中は一定のテンポで基準ラウンド数の大当たり遊技が実行されているように感じさせることが可能である。その結果、RUSH中の実際の大当たり遊技の実行回数を遊技者にわかり難くすることが可能となり、新たな遊技性を提供可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たり遊技前の特図変動の開始から大当たり遊技における最初の開放までの期間中にはフクロウ捕獲演出(図61(D)~図62(B)参照)を実行し、特定インターバル中にもフクロウ捕獲演出(図63(A)~図63(E)参照)を実行する。このため、RUSH中の実際の大当たり遊技の実行回数をよりわかり難くすることが可能である。なお、両演出は、小図柄KZ1,KZ2,KZ3や右矢印画像RIの表示の有無や、「VGet!」と「Get!」の違い、フクロウの種類の違い等のように互いに異なる部分を含んでいるが、遊技者にとってはどちらの期間もフクロウ捕獲演出を実行していると認識するものであるため、両演出は、少なくとも類似する演出の範疇に含まれるものである。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、実質13Rの大当たり遊技(小当たり図柄eに基づく2種大当たり遊技)における実質13R目のラウンド遊技では、特別祝福演出(図64(A))を実行することで、遊技者に対して最低保障の賞球(4R分の賞球×大当たり6回分)よりも多くの賞球の獲得を示唆している。よって、この特別祝福演出により遊技者の高揚感を高めることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、普図変動に基づいて時短状態を終了させる場合、その時短状態の終了タイミングを、普通図柄の停止時間の経過時(図23(A)(B)参照)とした。これに対して、普図変動に基づいて時短状態を終了させる場合の時短状態の終了タイミングを、普通図柄の変動表示の開始時(図66に示すタイミングTa、図66(A)の実線参照)としてもよい。また、同終了タイミングを、普通図柄の停止表示時、即ち、普通図柄の変動時間の経過時(図66に示すタイミングTb、図66(A)の破線参照)としてもよい。また、同終了タイミングを、普図変動に基づく補助遊技の終了時(図66に示すタイミングTd、図66(A)の二点鎖線参照)としてもよい。すなわち、普図変動に基づく時短状態の終了には、普図変動に基づく補助遊技に応じた時短状態の終了も含まれる。
なお、普図変動に基づく時短状態の終了タイミングを普通図柄の変動表示の開始時や停止表示時とする場合には、非時短状態における電チュー22の開放パターンを、電チュー22への入賞が可能な開放パターン(例えば、上記形態の「電チュー開放TBL1」のような開放パターン、図14参照)としておくとよい。また、普図変動に基づく時短状態の終了タイミングを普通図柄の変動表示の開始時とする場合には、時短状態において普通図柄の変動パターンを選択した後で、非時短状態に移行するようにするとよい。つまり、非時短状態への転落契機となる普図変動の変動パターンは、時短状態における変動パターンのように変動時間が短いものであるとよい。
また、時短状態における普通図柄の上限変動回数は、実現したい遊技性に応じて、適宜変更可能である。例えば上記形態では、第1終了条件における普通図柄の上限変動回数を2回としているが、3回以上であってもよい。この場合、第2終了条件における普通図柄の上限変動回数は1回のままとしてもよい。また上記形態では、時短状態の終了条件に第1終了条件と第2終了条件とを設けたが、実現したい遊技性によっては、時短状態の終了条件を1種類としてもよい。
また上記形態では、特別図柄に基づく時短状態の終了タイミングは、特別図柄の停止時間が経過した時としたが、特別図柄の変動表示の開始時や、特別図柄の停止表示時や、特図変動に基づく小当たり遊技の終了時等に変更してもよい。また、時短状態における特別図柄(特図1、特図2、これらの合算)の上限変動回数は、遊技に支障をきたさない範囲で、適宜変更可能である。また、特別図柄の上限変動回数として、特図1と特図2との合算の上限変動回数、特図2単独の上限変動回数、特図1単独の上限変動回数のうち1つだけを設け、その回数が満たされると時短状態が終了するようにしてもよい。また、特図1と特図2との合算の上限変動回数と特図2単独の上限変動回数の2つだけを設けたり、特図1と特図2との合算の上限変動回数と特図1単独の上限変動回数の2つだけを設けたりして、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するようにしてもよい。
また上記形態において、特別図柄に基づく時短状態の終了条件を、小当たり遊技の実行に基づく時短状態の終了条件に変えてもよい。この場合には、例えば、小当たり遊技が所定回数(例えば1回など)実行されると時短状態が終了するといった具合に構成することが可能である。
また上記形態では、図8に示したように時短状態の終了条件として、普通図柄に基づく終了条件と、特別図柄に基づく終了条件と、その他の終了条件(大当たり遊技の実行という終了条件)とを設けた。これに対して、特別図柄に基づく終了条件を設けなくてもよい。但し、上記形態のように特別図柄に基づく終了条件を設けておくことで、遊技機の製造者が意図しない回数の特別図柄(特図1又は特図2)の変動表示が時短状態中に行われるのを防止することが可能である。
なお、時短状態の終了条件として特別図柄に基づく終了条件を設けない場合には、時短状態における普通図柄の上限変動回数を、時短状態における特図変動の実行回数が100回(「特定回数」の一例)を超えない値に設定することが望ましい。時短状態における特図変動の実行回数が多くなり過ぎるのを防止するためである。ちなみに、時短状態における特図変動の実行回数が100回を超えないように普通図柄の上限変動回数を定める場合には、普図変動や特図変動、補助遊技の実行等にかかる時間を考慮して適宜設計すればよい。なお、上述の「特定回数」をいくつにするかは適宜変更可能であり、時短状態における特図変動の実行回数が50回を超えないように普通図柄の上限変動回数を定めたり、時短状態における特図変動の実行回数が10回を超えないように普通図柄の上限変動回数を定めたりしてもよい。
また上記形態では、図8に示したように時短状態の終了条件として、普通図柄に基づく終了条件を設けたが、実現したい遊技性によっては、普通図柄に基づく終了条件を設けない構成としてもよい。
また上記形態では、時短状態における普通図柄の変動時間、補助遊技の実行時間、特図2の変動時間等の関係から、正しく遊技している状態において(右打ちを継続している状態において)、第2終了条件(図8参照)の第2時短状態では1回目の普図変動で時短状態が終了し、第1終了条件の第1時短状態では2回目の普図変動で時短状態が終了する(図23参照)構成となっており、特別図柄に基づく終了条件は、設定されているものの、特図2の変動表示の実行回数を確実に1回に制限する役割(すなわち2回目の普図変動が行われなかった場合の対策としての役割)を果たしているに過ぎなかった。しかしながら、普通図柄の変動時間、補助遊技の実行時間、特図2の変動時間等の関係は適宜変更することが可能であり、この場合、正しく遊技している状態において、第2終了条件の第2時短状態では普図変動で時短状態が終了するが、第1終了条件の第1時短状態では特図2の変動で時短状態が終了するように構成してもよい。このような構成によっても、上記形態と同様、時短状態が普図変動に基づいて終了することと、特図変動に基づいて終了することとが可能な新たなゲーム性が提供される。
そしてこのような構成とした場合には、時短状態が普図変動に基づいて終了した場合(普図変動の実行に基づく条件で終了した場合)と、時短状態が特図変動に基づいて終了した場合(普図変動の実行に基づく条件とは異なる他の条件に基づいて終了した場合)とで、実行する演出の内容を変えるとよい。具体的には例えば、後者の場合には、特図2の小当たり変動に際して通常のフクロウ捕獲演出(図61(D)(E)等参照)を実行するが、前者の場合には、特図2の小当たり変動に際して特殊なフクロウ捕獲演出(図65(A)参照)を実行するといった具合である。なお、特殊なフクロウ捕獲演出は、特図変動に基づいて時短状態が終了したときには実行されることがない演出とする。このような構成とすれば、普図変動に基づく時短状態の終了後の当選があったときだけ特殊なフクロウ捕獲演出(特殊演出)が実行されるため、特殊演出の実行による遊技興趣の向上効果を高めることが可能である。
また上記形態において、大当たり遊技の終了後の時短状態における特図変動の実行回数が、普図変動の実行回数と同じ数となるように構成してもよい。このような構成とすれば、普通図柄の変動表示の実行回数と、特別図柄の変動表示の実行回数とが一致するため、時短状態中に実行される特別図柄の変動表示の回数の設計が容易な遊技機とすることが可能である。
また上記形態において、特図2の小当たり変動の終了時から小当たり遊技におけるV通過までの間は、Vアタッカー(第2大入賞装置36)を狙う旨を遊技者に報知するV打込報知を表示画面7a等で行うようにするとよい。
また上記形態において、フクロウRUSH中は、捕まえたフクロウを示すアイコンを表示画面7aに累積的に表示するようにしてもよい。
また、フクロウRUSH中の演出内容は適宜変更可能である。具体的には例えば、時短状態の連続制御回数がリミッタ回数に到達する前に非時短状態での小当たり当選判定がなされて、時短リミッタ作動カウンタの値がリセットされた場合の演出として、捕まえたフクロウが全て逃げることを内容とする演出を実行してもよい。このような演出によっても、遊技者に対して、6回の大当たりが再セットされたことを認識させることが可能である。
また、フクロウRUSH中に実質8Rの大当たり遊技や実質13Rの大当たり遊技が実行された場合に、捕まえたフクロウが逃げる演出を行ってもよい。具体的には例えば、実質8Rの大当たり遊技が実行された場合には、2回の大当たり遊技として見せるため、1回の大当たり遊技が上乗せ分となる。よって、フクロウが1羽逃げる演出を行うとよい。また、実質13Rの大当たり遊技が実行された場合には、3回の大当たり遊技として見せるため、2回の大当たり遊技が上乗せ分となる。よって、フクロウが2羽逃げる演出を行うとよい。
このように捕まえたフクロウが逃げる演出を適宜行うようにすることで、フクロウRUSHが、大当たりの連荘の最低保障回数に対応する数以上のフクロウを捕まえることを目指す遊技性となり、上記した実施形態とは異なる興趣を奏する遊技機とすることが可能である。
なお、フクロウRUSH中(すなわち大当たり遊技を獲得し易い有利遊技期間中)は、その有利遊技期間の終了タイミングを示唆する特定表示(例えば捕まえたフクロウを示すアイコンの累積表示)を行うこととし、実質13Rの大当たり遊技における実質13R目の演出(特別演出)として、有利遊技期間が延長されたことを認識可能な態様でその特定表示を更新する演出(例えばいくつかのアイコンが消える演出)を行うようにしてもよい。このように構成すれば、大当たり遊技が6回(初当たりを含む)実行されると有利遊技期間が終了すると思っている遊技者に対して、実質13Rの大当たり遊技が実行されることに応じて、その有利遊技期間の終了タイミングが先延ばしされたことを認識させ得る特定表示の更新演出が行われることになるため、遊技興趣の一層の向上が見込める。なお、特定表示の表示内容やその更新態様は適宜変更可能である。
また上記形態では、初当たり後に時短状態に制御されてから時短状態の連続制御回数がリミッタ回数に到達して非時短状態に戻るまでの遊技期間(RUSH期間中という)において、フクロウRUSHという演出モードに設定し、フクロウ捕獲演出等を実行する構成とした。これに対して、このRUSH期間中の演出内容は適宜変更可能である。具体的には例えば、1又は複数の楽曲のMV(Music Video)を再生し続ける構成としてもよい。
また、RUSH期間中は、初当たりを含む6回分の基準大当たり遊技(基準ラウンド数のラウンド遊技の束)が実行されるまでは、1回目のバトル演出(味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行う演出)を実行し、1回目のバトル演出で味方キャラクタが勝利した場合には、7回以上の基準大当たり遊技が行われることが確定し、1回目のバトル演出で勝利した後は、1つのバトル演出に勝利する毎に、1回の基準大当たり遊技が上乗せ的に実行されていく構成としてもよい。このような構成とすれば、基準大当たり遊技が後何回実行されるのかに期待させることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。
また、RUSH期間中は、1つのバトル演出に勝利する度に、1回の基準大当たり遊技が実行されるように構成してもよい。このような構成としても、基準大当たり遊技が後何回実行されるのかに期待させることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。なおこのような構成とした場合、時短状態の連続制御回数がリミッタ回数に到達するまでは味方キャラクタを無敵状態(バトル演出において絶対に負けることがないことを示す態様)で表示するとよい。所定回数(上記形態では6回)の大当たりの連荘が最低でも保障されていることを遊技者に認識させることが可能だからである。
また上記形態では、時短状態のリミッタ回数のカウントがリセットされる旨を遊技者に示す演出(特殊なフクロウ捕獲演出、図65(A))を、非時短状態に移行した後の小当たり当選判定に基づく小当たり変動時の変動演出として実行した。しかしながら、リミッタ回数のカウントのリセットを示唆する演出の実行タイミングや演出内容は、適宜変更可能である。例えば、リミッタ回数のカウントのリセットがなされた時点では遊技者には何ら報知せず、再セットに係る6回の大当たりのうち4回目の大当たりが実行されているタイミング等、リミッタ回数のカウントのリセットがなされた時点から遅れたタイミングで、遊技者に報知するようにしてもよい。この場合、どのくらい遅れたタイミングとするかは、予め定めておいてもよいし、抽選によりランダムに決めてもよい。このように遊技者には遅れて報知される仕様とした場合には、実行予定の大当たりの回数が増えたように見せる上乗せ演出を実行することが、遊技興趣向上の観点からは望ましい。なお、上乗せ演出の実行契機として、リミッタ回数のカウントのリセットの他、実質8Rの大当たり遊技の実行や実質13Rの大当たり遊技の実行も利用するとよい。
また、時短状態のリミッタ回数のカウントのリセットを示唆する演出を、第2終了条件の時短状態(第2時短状態)における普通図柄の変動表示に際して開始するようにしてもよい。
また、時短状態のリミッタ回数のカウントのリセットを示唆する演出を、第2終了条件の時短状態(第2時短状態)への制御契機となる「小当たり図柄c」への当選に基づく小当たり変動時の変動演出として実行してもよい。「小当たり図柄c」に当選すれば、その後にリミッタ回数のカウントがリセットされること(再び6回の大当たり遊技の獲得が実質的に確定すること)は概ね決まるからである。
また上記形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、所謂「ST機」や「確変ループ機」など、1種2種混合機以外のタイプの遊技機としてもよい。ST機や確変ループ機とする場合、当選した特別図柄の種類に基づいて大当たり当選確率が高い高確率状態への移行が決定される所謂「図柄確変機」としてもよいし、Vアタッカー内の特定領域への通過に基づいて高確率状態への移行が決定される所謂「V確変機」としてもよい。
そして、1種2種混合機以外のタイプの遊技機とする場合であっても、第1始動口への入賞に基づく特別図柄(特図1)の抽選では大当たりに当選することが可能であるが、電チューに係る第2始動口への入賞に基づく特別図柄(特図2)の抽選では大当たりに当選することがない遊技機としてもよい。この場合、第2始動口への入賞に基づく特別図柄の抽選では、小当たりに当選することがあってもよいし、小当たりに当選することもなく必ずハズレとなる構成であってもよい。
第2始動口への入賞に基づく特別図柄の抽選において必ずハズレとなる構成とした場合には、電チューに係る第2始動口を、時短状態における遊技者の持ち球の減りを抑える入賞口としてのみ機能させることが可能となる。そしてこの場合には、第1始動口と、ゲートと、電チューに係る第2始動口とを遊技領域3における同一の流路上に配置してもよい。
また、第2始動口への入賞に基づく特別図柄の抽選において小当たりに当選可能な構成とした場合には、その小当たりに基づいて、所定の大入賞口を1.8秒以下の短時間にわたって開放する小当たり遊技が実行されることとなるため、その小当たり遊技によって遊技者の持ち球を増やすことが可能な遊技とすることが可能となる。なお、大当たりへの当選可能性がない特別図柄の抽選の実行契機となる始動口は、電チューに係る始動口でなくてもよい。
また上記形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、実現したい遊技性によっては、1種大当たりのない所謂ハネモノ(2種機)としてもよい。すなわち、特図1の抽選でも特図2の抽選でも所謂「直撃大当たり」に当選し得ない構成としてもよい。
また上記形態では、時短状態の終了条件が第1終了条件である第1時短状態に制御された場合(特図2の抽選で小当たりと判定されるときに時短状態のままである場合)には時短状態のリミッタ回数のリセットが無く、第2終了条件である第2時短状態に制御された場合(特図2の抽選で小当たりと判定されるときに非時短状態に移行している場合)には時短状態のリミッタ回数のリセットが有るという点で、両場合において遊技者が獲得可能な特典が異なる構成とした。これに対して、小当たり当選時の遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて、大当たり遊技後に時短状態に制御するか否かを異ならせる構成としたり、大当たり遊技後の時短状態における終了条件(普図時短回数や特図時短回数)を異ならせる構成としたりしてもよい。また、特図2の抽選で大当たりに当選可能な構成としてもよく、この場合には、大当たり当選時の遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて、上記のような特典を異ならせてもよい。なお、小当たり(「特定の当たり」の一例)や大当たり(「特定の当たり」の一例)の当選時の遊技状態が非時短状態である場合を遊技者にとって有利とするか、時短状態である場合を遊技者にとって有利とするかは適宜設定可能である。特定の当たりの当選時の遊技状態が非時短状態である場合を遊技者にとって有利な構成とした場合には、そのような状況となった場合には、特殊演出として、遊技者に有利な演出を実行すればよい。一方、特定の当たりの当選時の遊技状態が非時短状態である場合を遊技者にとって不利な構成とした場合には、そのような状況となった場合には、特殊演出として、遊技者に不利な演出を実行すればよい。また、特殊演出の演出内容は、例えば背景画像を変更するなど、適宜設計可能である。
また上記形態では、大当たりの当選確率が互いに異なる6段階の設定(設定1~設定6)の何れかに設定可能な構成としたが、設定の数は「6」に限られるものではなく、適宜変更可能である。また、大当たりの当選確率に係る設定を変更できない構成(すなわち、大当たりの当選確率に関して1段階の設定しかない構成)としてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選において必ず小当たりに当選する構成としたが、特図2の抽選においてハズレとなることがある構成としてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選に基づく小当たり遊技では、必ずV通過が発生するように第2大入賞口35(開閉部材37)の開放制御や振分部材71の作動制御が行われる構成とした。これに対して、特図2の抽選に基づく小当たり遊技では、V通過することもあるがV通過しないこともあるような第2大入賞口35の開放制御や振分部材71の作動制御が行われる構成(つまり振分部材71が通過許容状態をとっているタイミングと第2大入賞口35への入賞タイミングがうまく合えば特定領域39への通過が生じるが、合わなければ特定領域39への通過が生じない構成)としてもよい。
また上記形態では、大当たり遊技においては第1大入賞口30を開放し、小当たり遊技においては第2大入賞口35を開放するように構成した。これに対して、大当たり遊技の少なくとも一部のラウンドに、第2大入賞口35を開放するラウンドがある構成としてもよい。この場合には、大当たり遊技の実行中のV通過によってさらに大当たり遊技が実行されることがないように構成する。
また上記形態では、特図1の抽選に基づいてV非通過小当たり(特図1_小当たり図柄a、図6参照)に当選することがある構成としたが、特図1の抽選に基づいて小当たりに当選することがない構成としてもよい。また上記形態では、特図1の抽選に基づいて当選可能な小当たりは、V通過が発生しない予定のV非通過小当たりだけとしたが、V通過が可能なV通過小当たりに当選可能な構成としてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の開放パターンを、第2大入賞口35に入賞した遊技球がその入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過する開放パターン(図24(b)及び(c)参照)とした。しかしながら、正しく遊技している限り(右打ちを継続している限り)小当たり遊技中に必ず特定領域39への通過を生じさせることができるのであれば、第2大入賞口35に入賞した遊技球の全てが特定領域39を通過することができる開放パターンでなくてもよい。具体的には例えば、0.1秒開放を12回繰り返す開放パターンとし、1回~9回までの開放時に入賞した遊技球は特定領域39を通過するが、10回~12回までの開放時に入賞した遊技球は非特定領域70を通過するように構成してもよい。つまり通過用開放パターンは、第2大入賞口35への入賞が可能であって第2大入賞口35へ入賞した遊技球の少なくとも1球が特定領域39を通過する開放パターンであればよい。なお、この変更例のような開放パターンとする場合には、各開放時に第2大入賞口35に遊技球が入賞し易くなるように、第2大入賞装置の開閉部材を次のようなものにするとよい。即ち、前後に進退可能であり、前方に出ているときには第2大入賞口を閉塞し、後方に退いているときには第2大入賞口を開放する進退式のものとするとよい。そして第2流路R2を流下する遊技球が開閉部材の上面を転動するように配置するとよい。その上で、開閉部材の上面の摩擦係数を高くして(例えばゴムのような弾性力の高い部材を利用した面として)、遊技球が開閉部材の上面をゆっくりと転動するようにしておくとよい。若しくは、開閉部材の上面を床面とする遊技球の通路上に、遊技球の転動速度を遅くするための突起を設けておいてもよい。
また上記形態では、小当たり遊技の開始時点を基準に、時間で管理された所定の作動パターンに従って、特定領域39が開放されるように構成した(図24参照)。これに対して、第2大入賞口35への入賞球数が予め定められた作動契機入賞球数(例えば1球)になったときに、特定領域39を開放させる(通過許容状態にする)構成としてもよい。この場合、特2V通過小当たりでは、作動契機入賞球数を例えば「1」とし、特1V非通過小当たりでは、作動契機入賞球数を例えば「7」とするとよい。このようにすれば、特2V通過小当たり時には、第2大入賞口35への入賞球を特定領域39に通過させることができる。一方、特1V非通過小当たりでは、1.6秒の開放期間中に第2大入賞口35への入賞球数が7球になることはないため、特定領域39への通過が生じないようにすることができる。この場合も、特2V通過小当たり時の開放パターンを、通過用開放パターンと称し、特1V非通過小当たり時の開放パターンを、非通過用開放パターンと称する。また、作動契機入賞球数に基づいて振分部材71が作動する構成であっても、特定領域39が予め定められたタイミングで通過の可否が切り替えられていることにかわりはない。
また上記形態では、時短リミッタの制限回数を「5」としたが、時短リミッタの制限回数は適宜変更可能である。
また上記形態では、時短状態の連続制御回数に制限を設けた(時短リミッタの機能を搭載させた)が、実現したい遊技性によっては、時短状態の連続制御回数に制限を設けなくてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選に基づく小当たりを経て実行される2種大当たり遊技として、実質4Rの大当たり遊技(第1大当たり遊技)、実質8Rの大当たり遊技(第2大当たり遊技)、実質13Rの大当たり遊技(第3大当たり遊技)を設けたが、実質13Rの大当たり遊技のない構成としてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選に基づいて小当たりに当選することはあるが大当たりに当選することはない構成としたが、大当たりに当選することがある構成としてもよい。この場合、大当たりの種類として、基準ラウンド数のラウンド遊技からなる第1大当たり遊技の実行契機となる第1大当たり図柄と、基準ラウンド数の正の整数倍のラウンド遊技からなる第2大当たり遊技の実行契機となる第2大当たり図柄とを設けることが可能である。そしてこの場合、第2大当たり遊技における特定インターバルの時間を、第1大当たり図柄に当選した場合の大当たり変動(大当たり当選の判定結果に基づく特図変動)の開始から第1大当たり遊技における1ラウンド目の開放までに要する時間や、第2大当たり図柄に当選した場合の大当たり変動の開始から第2大当たり遊技における1ラウンド目の開放までに要する時間と同じ時間にするとよい。
また上記形態では、特定インターバル(図25参照)の時間を、特図2の変動表示(小当たり変動)の開始から、小当たり遊技後の2種大当たり遊技における実質的な1ラウンド目のラウンド遊技が開始されるまでの期間(特定遊技期間)の長さと同じにしたが、特定インターバルの時間は、特定遊技期間の長さとほぼ同じであれば、完全に同じでなくてもよい。例えば、特定インターバルの時間を、特図2の変動表示(小当たり変動)の開始から、小当たり遊技後の2種大当たり遊技におけるオープニングの開始まで(小当たり遊技の終了まで)としたり、特図2の変動表示(小当たり変動)の開始から終了までとしたりしてもよい。また、特図抽選に基づく大当たりに、基準ラウンド数のラウンド遊技からなる第1大当たりと、基準ラウンド数の正の整数倍のラウンド遊技からなる第2大当たりとを設けた場合には、特定インターバルの時間を、大当たり変動の開始から終了までとしてもよい。要は、特定インターバルの時間は、小当たり変動や大当たり変動の開始から特定インターバルを含む大当たり遊技における初めの大入賞口の開放までの期間中と同様の演出を実行することが可能な時間であればよい。この場合の同様の演出とは、遊技者が概ね同じ演出と感じるものであればよく、多少異なる箇所があってもよい。すなわち、同様の演出には、同じ演出の他、類似する演出も含まれる。
また上記形態では、基準R(ラウンド)数を「4」としたが(図25参照)、基準R数をこれ以外の値としてもよい。
また上記形態では、普通図柄の変動表示に係る保留(普図保留)が不可能な構成としたが、遊技に支障をきたさなければ、普図保留が可能な構成としてもよい。また上記形態では、特図2の変動表示に係る保留(特図2保留)が不可能な構成としたが、遊技に支障をきたさなければ、特図2保留が可能な構成としてもよい。
また上記形態では、変動演出を行う表示部を、1つの表示装置の表示画面(画像表示装置7の表示画面7a)によって構成したが、2つ以上の表示装置の各表示画面によって構成してもよい。例えば、メイン表示装置としての画像表示装置7の他に、サブ表示装置を備えている構成では、メイン表示装置の表示画面にて演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を行い、サブ表示装置の表示画面にて小図柄変動演出を行うように構成してもよい。また、普図演出をサブ表示装置の表示画面にて行うように構成してもよい。なお、タッチセンサと液晶表示装置からなるタッチパネルを遊技機枠50に搭載し、このタッチパネルにおける液晶表示装置をサブ表示装置としてもよい。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり又は小当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
12.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
第1入賞口(第1始動口20)への入球に基づいて第1の判定(特図1当たり判定処理)を実行可能な第1判定手段(ステップS1108を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第1の判定が行われると、第1図柄(特図1)を変動表示させた後、前記第1の判定の結果を示す停止態様で停止表示させる第1図柄表示手段(ステップS1112,S1504等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
第2入賞口(第2始動口21)への入球に基づいて第2の判定(特図2当たり判定処理)を実行可能な第2判定手段(ステップS1102を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第2の判定が行われると、第2図柄(特図2)を変動表示させた後、前記第2の判定の結果を示す停止態様で停止表示させる第2図柄表示手段(ステップS1105,S1504等を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記第1の判定では、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行するかを判定する大当たりの判定で、前記特別遊技を実行すると判定されることがあるが、
前記第2の判定では、前記特別遊技を実行すると判定されることがない(図10参照)ことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
この構成の遊技機によれば、第1図柄と第2図柄のうち第1図柄に係る判定でしか特別遊技を実行すると判定されない新たなゲーム性を提供可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な特別入賞口(第2大入賞口35)と、前記特別入賞口への入球の可否を切り替える切替部材(開閉部材37)と、前記特別入賞口に入球した遊技球が通過可能な特定領域(39)とを有する特別入賞手段(第2大入賞装置36)と、
前記切替部材を作動させて前記特別入賞口への入球を可能にさせる小当たり遊技を実行可能な小当たり遊技実行手段(ステップS1009等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記特定領域への通過に基づいて、前記特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段(ステップS1008等を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記第2の判定では、前記小当たり遊技を実行すると判定されることがある(図10参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1図柄と第2図柄のうち特別遊技を実行すると判定されることがない第2図柄に係る判定では、小当たり遊技を実行すると判定される可能性がある。よって、一方の図柄に係る判定でだけ特別遊技を実行すると判定される仕様としつつ、他方の図柄に係る判定においては小当たり遊技を経由した特別遊技の実行を狙うという新たなゲーム性を提供可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
前記大当たりの判定において前記特別遊技を実行すると判定される確率が互いに異なる複数の設定(設定1~設定6)のうちいずれかに設定可能な設定手段(ステップS012等を実行する遊技制御用マイコン81)を備え、
前記複数の設定のうちいずれに設定されていても、前記第2の判定において前記小当たり遊技を実行すると判定される確率は同じである(図10参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、大当たりの判定に基づく特別遊技と、特別入賞口内の特定領域を遊技球が通過したことに基づく特別遊技とが行われる遊技機において、設定を変更することで大当たりの判定に基づく特別遊技の実行確率(大当たりの当選確率)を変更しても、大当たりに当選することがない第2図柄に係る判定に基づいて特別遊技が実行される確率は変わらない遊技機を提供可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機であって、
前記第2の判定では、必ず前記小当たり遊技を実行すると判定される(図10参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、大当たりに当選することがない第2図柄に係る判定では必ず小当たり遊技を実行すると判定されるため、設定を変更することで大当たりの判定に基づく特別遊技の実行確率(大当たりの当選確率)が変更されても、第2図柄に係る判定がなされれば、必ず小当たり遊技が実行される遊技機を提供可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A2から手段A4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記第2の判定の判定結果に基づく小当たり遊技は、前記特別入賞口への入球が可能であって、当該特別入賞口に入球した遊技球のうちの少なくとも1球が前記特定領域を通過するように実行される(図24(b)~(d)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2図柄に係る判定に基づいて小当たり遊技が実行されれば、必ず特定領域への通過が生じ遊技者に有利な特別遊技が実行されるため、大当たりに当選することがない第2図柄の判定に基づく特別遊技の実行確率を、小当たりの当選確率と完全に一致させた新たなゲーム性を提供可能である。
ところで、特開2016-128089号公報に記載の遊技機では、第1始動口への入球に基づいて大当たりであるかの判定が行われ、その結果は第1特別図柄によって示される。また、第1始動口とは異なる第2始動口への入球に基づいても大当たりであるかの判定が行われ、その結果は第1特別図柄とは異なる第2特別図柄によって示される。しかしながらこの公報に記載の遊技機のように、第1特別図柄に係る抽選でも第2特別図柄に係る抽選でも大当たりであるかの判定が行われる遊技性は非常に多くの遊技機で採用されているありきたりなものであり、この点に改良の余地があった。手段A(手段A1~A5)に記載の遊技機は、特開2016-128089号公報に記載の遊技機に対して、「第1図柄に係る第1の判定では、遊技者に有利な特別遊技を実行するかを判定する大当たりの判定で、特別遊技を実行すると判定されることがあるが、第2図柄に係る第2の判定では、特別遊技を実行すると判定されることがない」という点で相違している。これにより、新たな遊技性の遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
遊技球が入球可能な入球口(第2始動口21)と、前記入球口への入球が可能な第1状態(開状態)と前記入球口への入球が不可能又は前記第1状態よりも困難な第2状態(閉状態)とをとる入球口切替部材(可動部材23)と、を有する入球手段(電チュー22)と、
所定の判定条件の成立に基づいて、前記入球口切替部材を前記第1状態にするかを判定する判定手段(ステップS402を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記判定手段による判定が行われると、所定の図柄(普通図柄)を変動表示させた後、前記判定の結果を示す停止態様で停止表示させる図柄変動(普図変動)を実行する図柄変動手段(ステップS405,S604等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
非特典遊技状態(非時短状態)よりも前記入球口切替部材が前記第1状態に制御され易い特典遊技状態(時短状態)に制御可能な遊技状態制御手段(ステップS2103等を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記図柄変動(普図変動)の実行に基づいて前記特典遊技状態を終了させることがある(図8参照)ことを特徴とする遊技機である。
なお、「図柄変動の実行に基づいて」には、所定の図柄の変動表示や停止表示の実行に基づくことの他、図柄変動において所定の図柄が判定手段による判定の結果を示す停止態様で停止表示された後で行われる所定の遊技、つまり、入球口切替部材を入球口への入球が可能な第1状態にする補助遊技の実行に基づくことも含まれる。
また、「所定の判定条件」とは、上記形態では、普図変動や補助遊技が実行されていないときに、遊技球がゲート28を通過すること(普通図柄乱数を取得すること)である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材が入球口への入球を許容する状態になり易い特典遊技状態が、入球口切替部材を作動させるかの判定に係る図柄の変動表示に基づいて終了するため、新たなゲーム性を提供可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記図柄変動の実行に基づいて前記特典遊技状態を終了させる場合、前記所定の図柄(普通図柄)の変動表示の開始時に前記特典遊技状態を終了させる(図66に示すタイミングTa参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材を作動させるかの判定に係る図柄の変動表示の開始時には特典遊技状態が終了している遊技機とすることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記図柄変動の実行に基づいて前記特典遊技状態を終了させる場合、前記所定の図柄(普通図柄)を停止表示した時に前記特典遊技状態を終了させる(図66に示すタイミングTb参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材を作動させるかの判定に係る図柄の変動表示中はまだ特典遊技状態が終了していない遊技機とすることが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記図柄変動の実行に基づいて前記特典遊技状態を終了させる場合、前記所定の図柄(普通図柄)を停止表示した後、予め定められた停止時間(例えば500ms、図12(C)参照)が経過した時に前記特典遊技状態を終了させる(図23(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材を作動させるかの判定に係る図柄が停止表示されても所定の停止時間が経過するまでは特典遊技状態が終了しない遊技機とすることが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記図柄変動の実行に基づいて前記特典遊技状態を終了させる場合、前記所定の図柄(普通図柄)を停止表示した後、前記入球口切替部材を前記第1状態にする補助遊技が終了した時に前記特典遊技状態を終了させる(図66に示すタイミングTd参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材を作動させるかの判定に係る図柄が停止表示されても入球口切替部材を作動させる補助遊技が終了するまでは特典遊技状態が終了しない遊技機とすることが可能である。
手段B6に係る発明は、
手段B1から手段B5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記入球口(第2始動口21)への入球に基づいて、前記所定の図柄とは異なる特別図柄を変動表示させる特図変動を実行する特図変動手段(ステップS1105,S1504等を実行する遊技制御用マイコン81)を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記特典遊技状態において所定の上限回数(例えば、2回や1回、図8参照)の前記図柄変動(普図変動)が実行されたことに基づいて、前記特典遊技状態を終了させるものであり、
前記所定の上限回数は、前記特典遊技状態における前記特図変動の実行回数が特定回数(例えば、100回)を超えない値に設定されることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材を作動させるかの判定に係る図柄の変動表示に基づいて特典遊技状態を終了させる構成としつつも、その特典遊技状態における特図変動の実行回数は特定回数を超えないように構成されているため、特典遊技状態において特図変動が多くなされ過ぎるのを抑制可能である。
手段B7に係る発明は、
手段B6に記載の遊技機であって、
前記特典遊技状態には、前記所定の上限回数が第1の値(例えば「2」)に設定される第1特典遊技状態(図8に示す第1終了条件に設定される第1時短状態)と、前記所定の上限回数が前記第1の値よりも小さい第2の値(例えば「1」)に設定される第2特典遊技状態(図8に示す第2終了条件に設定される第2時短状態)とがあることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材を作動させるかの判定に係る図柄の変動表示の上限回数が第1の値に設定されるか、第2の値に設定されるかで、特典遊技状態に制御されている期間を異ならせることが可能であるため、新たなゲーム性を提供可能である。
手段B8に係る発明は、
手段B7に記載の遊技機であって、
前記特典遊技状態において前記入球口への入球に基づく前記特別図柄の抽選の結果が所定の結果となった場合(時短状態において特図2の抽選に基づいて小当たり当選と判定された場合)と、前記非特典遊技状態において前記入球口への入球に基づく前記特別図柄の抽選の結果が前記所定の結果となった場合(非時短状態において特図2の抽選に基づいて小当たり当選と判定された場合)とで、遊技者が獲得可能な特典が異なる(例えば時短状態のリミッタ回数のリセットの有無、図21参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、図柄変動の上限回数が第1の値に設定される第1特典遊技状態に制御されるか、第2の値に設定される第2特典遊技状態に制御されるかで、特典遊技状態において特別図柄の抽選の結果が所定の結果となる可能性を異ならせることが可能であり、その結果、遊技者が獲得可能な特典を異ならせることが可能である。よって、第1特典遊技状態に制御されるか、第2特典遊技状態に制御されるかに関心を持たせることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。
ところで、特開2016-128089号公報に記載の遊技機では、大当たり当選に基づく大当たり遊技の終了後の遊技状態が、非時短状態よりも有利な時短状態に制御されることがある。時短状態では、普通電動役物に係る始動口への入賞が容易となる。始動口への入賞が生じると、当たりであるかの判定がなされ、その結果は特別図柄によって示される。しかしながらこの公報に記載の遊技機では、時短状態は、特別図柄の変動回数が予め定められた上限回数に達するか、次の大当たりに当選すると終了するようになっていた。このような場合に時短状態を終了させる遊技性は非常に多くの遊技機で採用されているありきたりなものであり、この点に改良の余地があった。手段B(手段B1~B8)に記載の遊技機は、特開2016-128089号公報に記載の遊技機に対して、「入球口切替部材を入球口への入球が可能な第1状態にするかの判定結果を示す所定の図柄の変動表示に基づいて、その入球口切替部材が第1状態に制御され易い特典遊技状態を終了させることがある」という点で相違している。これにより、新たな遊技性の遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
遊技球が入球可能な入球口(第2始動口21)と、前記入球口への入球が可能な第1状態(開状態)と前記入球口への入球が不可能又は前記第1状態よりも困難な第2状態(閉状態)とをとる入球口切替部材(可動部材23)と、を有する入球手段(電チュー22)と、
所定の判定条件の成立に基づいて、前記入球口切替部材を前記第1状態にする補助遊技を実行するかを判定する第1判定手段(ステップS402を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第1判定手段による判定が行われると、所定の図柄(普通図柄)を変動表示させた後、前記第1判定手段による判定の結果を示す停止態様で停止表示させる図柄変動(普図変動)を実行する図柄変動手段(ステップS405,S604等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
非特典遊技状態(非時短状態)よりも前記入球口切替部材が前記第1状態に制御され易い特典遊技状態(時短状態)に制御可能な遊技状態制御手段(ステップS2103等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記入球口への入球に基づいて、特定の当たり(小当たり)に当選しているかを判定する第2判定手段(特図2当たり判定処理におけるステップS1207を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第2判定手段による判定が行われると、前記所定の図柄とは異なる特別図柄を変動表示させた後、前記第2判定手段による判定の結果を示す停止態様で停止表示させる特図変動を実行する特図変動手段(ステップS1105,S1504等を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記図柄変動(普図変動)の実行に基づいて前記特典遊技状態を終了させることと、
前記特図変動の実行に基づいて前記特典遊技状態を終了させることとが可能である(図8参照)ことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
なお、「所定の判定条件」とは、上記形態では、普図変動や補助遊技が実行されていないときに、遊技球がゲート28を通過すること(普通図柄乱数を取得すること)である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材が入球口への入球を許容する状態になり易い特典遊技状態が、入球口切替部材を作動させるかの判定に係る図柄の変動表示に基づいて終了することもあるし、入球口への入球に基づく特別図柄の変動表示に基づいて終了することもあり得るため、新たなゲーム性を提供可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記特典遊技状態において所定の上限回数(上記形態では1回又は2回、図8参照)の前記図柄変動(普図変動)が実行されたことに基づいて、前記特典遊技状態を終了させ得るものであり、
前記特典遊技状態には、前記所定の上限回数が第1上限回数(2回)に設定される第1特典遊技状態(第1終了条件に設定される第1時短状態)と、前記所定の上限回数が前記第1の値よりも小さい第2上限回数(1回)に設定される第2特典遊技状態(第2終了条件に設定される第2時短状態)とがあることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1特典遊技状態に制御された場合と第2特典遊技状態に制御された場合とで、特典遊技状態における図柄変動の上限回数が異なっているため、特典遊技状態で遊技することが可能な期間の長さが異なることとなる。その結果、新たなゲーム性を提供可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機であって、
前記第1特典遊技状態に制御された場合には、前記第1上限回数の前記図柄変動が実行される前に、前記特定の当たりに当選していると判定され、
前記第2特典遊技状態に制御された場合には、前記第2上限回数の前記図柄変動が実行されてから、前記特定の当たりに当選していると判定されるよう構成されている(図23参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1特典遊技状態では、当該第1特典遊技状態において特定の当たりに当選していると判定されるが、第2特典遊技状態では、当該第2特典遊技状態が終了して非特典遊技状態になってから特定の当たりに当選していると判定されるため、当選時の遊技状態に応じてその後の遊技展開に差を設けるなどのゲーム性を作り易い。
手段C4に係る発明は、
手段C3に記載の遊技機であって、
前記特典遊技状態において前記特定の当たりに当選した場合、及び、前記非特典遊技状態において前記特定の当たりに当選した場合のうちの一方が他方よりも、遊技者に有利となるよう構成されている(図21参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の当たりに当選した時の遊技状態に応じて、遊技者にとっての有利度合いが異なるため、第1特典遊技状態であるか第2特典遊技状態であるかに対する遊技者の関心を高めることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。
手段C5に係る発明は、
手段C1から手段C4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記特図変動では必ず、前記特別図柄が前記特定の当たりに当選したことを示す停止態様で停止表示される(図10参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材によって入球の可否が切り替えられる入球口への入球に基づく特図変動では、必ず特定の当たりに当選するため、特典遊技状態における遊技の展開をスピーディにすることが可能である。
手段C6に係る発明は、
手段C5に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な特別入賞口(第2大入賞口35)と、前記特別入賞口への入球の可否を切り替える切替部材(開閉部材37)と、前記特別入賞口に入球した遊技球が通過可能な特定領域(39)とを有する特別入賞手段(第2大入賞装置36)と、
前記特定の当たりに当選した場合に、前記切替部材を作動させて前記特別入賞口への入球を可能にさせる小当たり遊技を実行可能な小当たり遊技実行手段(ステップS1009等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記特定領域への通過に基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(ステップS1008等を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記小当たり遊技は、前記特別入賞口への入球が可能であって、当該特別入賞口に入球した遊技球のうちの少なくとも1球が前記特定領域を通過するように実行される(図24(b)~(d)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の当たりに当選すれば、必ず特定領域への通過が生じ、特別遊技が実行されるため、スピーディに次の特別遊技が実行される遊技機とすることが可能である。その結果、遊技興趣を向上可能である。
手段C7に係る発明は、
遊技球が入球可能な入球口(第2始動口21)と、前記入球口への入球が可能な第1状態(開状態)と前記入球口への入球が不可能又は前記第1状態よりも困難な第2状態(閉状態)とをとる入球口切替部材(可動部材23)と、を有する入球手段(電チュー22)と、
所定の判定条件の成立に基づいて、前記入球口切替部材を前記第1状態にする補助遊技を実行するかを判定する第1判定手段(ステップS402を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第1判定手段による判定が行われると、所定の図柄(普通図柄)を変動表示させた後、前記第1判定手段による判定の結果を示す停止態様で停止表示させる図柄変動(普図変動)を実行する図柄変動手段(ステップS405,S604等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
非特典遊技状態(非時短状態)よりも前記入球口切替部材が前記第1状態に制御され易い特典遊技状態(時短状態)に制御可能な遊技状態制御手段(ステップS2103等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記入球口への入球に基づいて、特定の当たり(小当たり)に当選しているかを判定する第2判定手段(特図2当たり判定処理におけるステップS1207を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第2判定手段による判定が行われると、前記所定の図柄とは異なる特別図柄を変動表示させた後、前記第2判定手段による判定の結果を示す停止態様で停止表示させる特図変動を実行する特図変動手段(ステップS1105,S1504等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記特別図柄が前記特定の当たりに当選したことを示す停止態様で停止表示された場合に、遊技球が入球可能な特別入賞口(第2大入賞口35)を開放する開放遊技(小当たり遊技)を実行可能な開放遊技実行手段(ステップS1009等を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記図柄変動(普図変動)の実行に基づいて前記特典遊技状態を終了させることと、
前記開放遊技(小当たり遊技)の実行に基づいて前記特典遊技状態を終了させることとが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材が入球口への入球を許容する状態になり易い特典遊技状態が、入球口切替部材を作動させるかの判定に係る図柄の変動表示に基づいて終了することもあるし、入球口への入球に基づく特別図柄の変動表示後の開放遊技に基づいて終了することもあるため、新たなゲーム性を提供可能である。
ところで、特開2016-128089号公報に記載の遊技機では、大当たり当選に基づく大当たり遊技の終了後の遊技状態が、非時短状態よりも有利な時短状態に制御されることがある。時短状態では、普通電動役物に係る始動口への入賞が容易となる。始動口への入賞が生じると、当たりであるかの判定がなされ、その結果は特別図柄によって示される。しかしながらこの公報に記載の遊技機では、時短状態は、特別図柄の変動回数が予め定められた上限回数に達するか、次の大当たりに当選すると終了するようになっていた。このような場合に時短状態を終了させる遊技性は非常に多くの遊技機で採用されているありきたりなものであり、この点に改良の余地があった。手段C(手段C1~C7)に記載の遊技機は、特開2016-128089号公報に記載の遊技機に対して、「入球口切替部材を入球口への入球が可能な第1状態にするかの判定結果を示す所定の図柄の変動表示に基づいて、その入球口切替部材が第1状態に制御され易い特典遊技状態を終了させることと、入球口への入球に基づく特図変動の実行に基づいて特典遊技状態を終了させることとが可能である」という点で相違している。これにより、新たな遊技性の遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)後の遊技状態を、第1遊技状態(非時短状態)よりも遊技者に有利な第2遊技状態(時短状態)に、所定の終了条件が成立するまで制御可能な遊技状態制御手段(ステップS2103等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第2遊技状態への連続制御回数が所定の上限回数(実施形態では「5」)となった場合には、前記特別遊技後の遊技状態を前記第1遊技状態に制御する遊技状態制限手段(ステップS2101でYESである場合、時短フラグをONにしない遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記連続制御回数が前記所定の上限回数となったことによる前記第1遊技状態への制御よりも前に、前記第2遊技状態において前記所定の終了条件が成立して前記第1遊技状態に制御された場合には、前記連続制御回数のカウントがリセットされる遊技機(パチンコ遊技機1)であって(図39に示す「普図に基づく遊技状態管理処理」参照)、
前記第1遊技状態から前記特別遊技を経て前記第2遊技状態に制御されると、前記所定の上限回数分の前記特別遊技の実行が容易となるよう構成されており(上記形態では、時短状態への制御契機となる初当たり後に最低でも大当たりが5連荘するように構成されており、図22参照)、
前記連続制御回数が前記所定の上限回数となったことによる前記第1遊技状態への制御よりも前に、前記所定の終了条件の成立に基づく前記第1遊技状態への移行と、前記特別遊技の実行とが行われることがあることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態から特別遊技を経て第2遊技状態に制御されると、その後の所定の上限回数分の特別遊技の実行が保障される。そのような中で、第2遊技状態への連続制御回数が所定の上限回数になったことによる第1遊技状態への制御よりも前に、遊技状態が第1遊技状態に転落しつつ特別遊技が実行されると、連続制御回数のカウントがリセットされるため、再び、所定の上限回数分の特別遊技の実行が保障される。このような遊技性は新たなものであり、これにより遊技興趣を向上可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な特別入賞口(第2大入賞口35)と、前記特別入賞口への入球の可否を切り替える切替部材(開閉部材37)と、前記特別入賞口に入球した遊技球が通過可能な特定領域(39)とを有する特別入賞手段(第2大入賞装置36)と、
特定の当たり(小当たり)に当選した場合に、前記切替部材を作動させて前記特別入賞口への入球を可能にさせる小当たり遊技を実行可能な小当たり遊技実行手段(ステップS1009を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記特定領域への通過に基づいて、前記特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段(ステップS1008を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記連続制御回数が前記所定の上限回数となったことによる前記第1遊技状態への制御よりも前に、前記所定の終了条件の成立に基づく前記第1遊技状態への移行と、前記特定の当たりへの当選とが行われることがあることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態から第1遊技状態に転落しつつ特定の当たりに当選し、その特定の当たりに基づく小当たり遊技において特別入賞口内の特定領域に遊技球が通過して特別遊技が実行され得る。そしてこのことにより、再び、所定の上限回数分の特別遊技の実行が保障される。このような新たな遊技性により遊技興趣を向上可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機であって、
前記小当たり遊技は、前記特別入賞口への入球が可能であって、当該特別入賞口に入球した遊技球のうちの少なくとも1球が前記特定領域を通過するように実行される(図24(b)~(d)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態から第1遊技状態に転落しつつ特定の当たりに当選した場合に、その特定の当たりに基づく小当たり遊技において確実に特定領域への通過を生じさせることが可能であり、上述した遊技性をより確実に実現し易い。
手段D4に係る発明は、
手段D3に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球口(第2始動口21)と、前記入球口への入球が可能な第1状態(開状態)と前記入球口への入球が不可能又は前記第1状態よりも困難な第2状態(閉状態)とをとる入球口切替部材(可動部材23)と、を有する入球手段(電チュー22)と、
前記入球口への入球に基づいて、前記特定の当たりに当選しているかを判定する判定手段(特図2当たり判定処理においてステップS1207を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記判定手段による判定が行われると、特別図柄を変動表示させた後、前記判定手段による判定の結果を示す停止態様で停止表示させる特図変動を実行する特図変動手段(ステップS1105,S1504を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記第2遊技状態(時短状態)は、前記第1遊技状態(非時短状態)よりも前記入球口切替部材が前記第1状態に制御され易い遊技状態であり、
前記特図変動では必ず、前記特別図柄が前記特定の当たりに当選したことを示す停止態様で停止表示される(図10参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態において入球容易な入球口へ遊技球が入球すれば、必ず特定の当たりに当選して小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技では特定領域への通過が生じるため、スピーディに次の特別遊技が実行される遊技機とすることが可能である。
手段D5に係る発明は、
手段D2から手段D4までのいずれかに記載の遊技機であって、
所定の判定条件の成立に基づいて、前記入球口切替部材を前記第1状態にする補助遊技を実行するかを判定する特定判定手段(ステップS402を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記特定判定手段による判定が行われると、所定の図柄(普通図柄)を変動表示させた後、前記特定判定手段による判定の結果を示す停止態様で停止表示させる図柄変動(普図変動)を実行する図柄変動手段(ステップS405,S604を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記終了条件には、前記図柄変動の実行に基づく特定終了条件(普通図柄に基づく終了条件、図8参照)があり、
前記特定終了条件の成立に基づいて前記第1遊技状態に移行してから前記特定の当たりへの当選が生じることがある(図21参照)ことを特徴とする遊技機である。
なお、「所定の判定条件」とは、上記形態では、普図変動や補助遊技が実行されていないときに、遊技球がゲート28を通過すること(普通図柄乱数を取得すること)である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材を第1状態にするかの判定の結果を示す所定の図柄の変動表示に基づいて第2遊技状態から第1遊技状態に移行しつつ特定の当たりへの当選が生じることで、再び所定の上限回数分の特別遊技の実行が保障されるという新たな遊技性を提供可能である。
ところで従来より、大当たり遊技の終了後に有利な遊技状態に制御する連続回数を制限する遊技機が知られており、例えば特開2013-244227号公報に記載の遊技機では、初当たりの際にリミッタ回数が設定されることで、連続的に高確率状態に制御される回数が制限される。しかしながらこの公報に記載の遊技機では、一旦リミッタ回数が設定されると、その回数の大当たり遊技が実行される前に、有利な遊技状態が終了してしまうことはなかった。このような遊技性はよく見られるありきたりなものであり、この点に改良の余地があった。手段D(手段D1~D5)に記載の遊技機は、特開2013-244227号公報に記載の遊技機に対して、「第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態への連続制御回数が所定の上限回数となったことによる第1遊技状態への制御よりも前に、所定の終了条件の成立に基づく第1遊技状態への移行と、特別遊技の実行とが行われることがある」という点で相違している。これにより、新たな遊技性の遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段E>
手段E1に係る発明は、
遊技球が入球可能な入球口(第2始動口21)と、前記入球口への入球が可能な第1状態(開状態)と前記入球口への入球が不可能又は前記第1状態よりも困難な第2状態(閉状態)とをとる入球口切替部材(可動部材23)と、を有する入球手段(電チュー22)と、
所定の判定条件の成立に基づいて、前記入球口切替部材を前記第1状態にするかを判定する判定手段(ステップS402を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記判定手段による判定が行われると、所定の図柄(普通図柄)を変動表示させた後、前記判定の結果を示す停止態様で停止表示させる図柄変動(普図変動)を実行する図柄変動手段(ステップS405,S604等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
非特典遊技状態(非時短状態)よりも前記入球口切替部材が前記第1状態に制御され易い特典遊技状態(時短状態)に制御可能な遊技状態制御手段(ステップS2103等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
所定の演出手段(例えば画像表示装置7)を用いて演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記図柄変動の実行に基づいて前記特典遊技状態を終了させることがあり(図8参照)、
前記演出実行手段は、前記図柄変動の実行に基づいて移行した前記非特典遊技状態において特定の当たり(時短小当たり、図7参照)に当選した場合には、前記特典遊技状態のまま前記特定の当たりに当選した場合に行われる演出(例えば通常のフクロウ捕獲演出、図61(D)(E)参照)とは異なる特殊演出(例えば特殊なフクロウ捕獲演出、図65(A))を実行可能であることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
なお、「所定の判定条件」とは、上記形態では、普図変動や補助遊技が実行されていないときに、遊技球がゲート28を通過すること(普通図柄乱数を取得すること)である。
この構成の遊技機によれば、入球口切替部材を第1状態にするかの判定に係る所定の図柄の変動表示に基づいて、入球口切替部材が第1状態に制御され易い特典遊技状態が終了することがある遊技機において、そのような終了条件に基づいて特典遊技状態が終了して非特典遊技状態に移行して特定の当たりに当選した場合は、特典遊技状態のまま特定の当たりに当選した場合とは異なる特殊演出を実行することとしている。そのため、所定の図柄の変動表示に基づいて特典遊技状態が終了して特殊演出が実行されることに対する遊技者の関心を高めることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機であって、
前記特殊演出は、遊技者に有利であることを示す演出(上記形態では時短リミッタのカウントのリセットを示唆する演出)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特殊演出の実行により、所定の図柄の変動表示に基づく特典遊技状態の終了後の当選によって遊技者に有利な状況となったことを遊技者に認識させることが可能である。よって、特殊演出の実行により遊技者に高揚感を与えることが可能であり、遊技興趣を向上可能である。
手段E3に係る発明は、
手段E1又は手段E2に記載の遊技機であって、
前記図柄変動の実行に基づく前記特典遊技状態の終了タイミングは、前記図柄変動における前記所定の図柄の変動表示の開始時(図66に示すタイミングTa)、前記所定の図柄の停止表示時(図66に示すタイミングTb)、又は、前記所定の図柄の停止時間の経過時(図23)の何れかであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、図柄変動が終了するまでに特典遊技状態が終了するため、非特典遊技状態に移行してから特定の当たりに当選する状況を作り出し易い。
ところで、特開2016-128089号公報に記載の遊技機では、大当たり当選に基づく大当たり遊技の終了後の遊技状態が、非時短状態よりも有利な時短状態に制御されることがある。時短状態では、普通電動役物に係る始動口への入賞が容易となる。始動口への入賞が生じると、当たりであるかの判定がなされ、その結果は特別図柄によって示される。しかしながらこの公報に記載の遊技機では、時短状態は、特別図柄の変動回数が予め定められた上限回数に達するか、次の大当たりに当選すると終了するようになっていた。このような場合に時短状態を終了させる遊技性は非常に多くの遊技機で採用されているありきたりなものであり、この点に改良の余地があった。手段E(手段E1~E3)に記載の遊技機は、特開2016-128089号公報に記載の遊技機に対して、「入球口切替部材を入球口への入球が可能な第1状態にするかの判定結果を示す所定の図柄の変動表示の実行に基づいて、入球口切替部材が第1状態に制御され易い特典遊技状態を終了させることがある」という点等で相違している。これにより、新たな遊技性の遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段F>
手段F1に係る発明は、
所定の入賞口(第1大入賞口30)を開放するラウンド遊技を複数回含む大当たり遊技を実行可能な大当たり遊技実行手段(ステップS1008を実行する遊技制御用マイコン81)を備え、
前記大当たり遊技には、基準ラウンド数(実施形態では「4」)のラウンド遊技で構成される第1大当たり遊技(実質4Rの2種大当たり遊技、図7参照)と、基準ラウンド数の正の整数倍(実施形態では2倍)のラウンド遊技で構成される第2大当たり遊技(実質8Rの2種大当たり遊技、図7参照)とが含まれ、
前記第2大当たり遊技における基準ラウンド数目(実施形態では実質的な4ラウンド目)のラウンド遊技での前記入賞口の閉鎖からその次のラウンド遊技での前記入賞口の開放までの特定インターバル(図25に示すタイミングt3~t4の期間)の時間は、前記大当たり遊技の実行前の特別図柄の変動表示の開始から当該大当たり遊技における初回のラウンド遊技が開始されるまでの特定遊技期間(図25に示すタイミングt1~t2の期間)と同じ又はほぼ同じ長さであることを特徴とする遊技機である。
なお、「ほぼ同じ長さ」は、同様の演出を行うことが可能な時間であればよい。
また、ラウンド数は実質的なラウンド数(1ラウンド当たりの最大入賞球数の入賞が可能なラウンドの数)のことである。
この構成の遊技機によれば、第2大当たり遊技は、第1大当たり遊技におけるラウンド数の正の整数倍のラウンド数で構成されており、第2大当たり遊技における基準ラウンド数目のインターバルの時間は、大当たり遊技前の特図変動の開始から大当たり遊技における最初の開放までの期間と同じ又はほぼ同じ長さである。よって、第2大当たり遊技の実行を複数回の第1大当たり遊技の実行に見せ易くなり、大当たり遊技の実行回数をわかり難くした新たな遊技性を提供可能である。
手段F2に係る発明は、
手段F1に記載の遊技機であって、
所定の演出手段(例えば画像表示装置7)を用いて演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン91)を備え、
前記演出実行手段は、前記特定遊技期間のときと、前記特定インターバルのときとで、同じ又は互いに類似する演出(実施形態では図61(D)~図62(B)に示すフクロウ捕獲演出、図63(A)~図63(E)に示すフクロウ捕獲演出)を行うことを特徴とする遊技機である。
なお、「類似する」とは、同じと認識され得る程度に似ていればよい。
この構成の遊技機によれば、大当たり遊技前の特図変動の開始から大当たり遊技における最初の開放までの期間中に行われる演出と同じ又は互いに類似する演出が、第2大当たり遊技における基準ラウンド数目のインターバルのときにも行われるため、大当たり遊技の実行回数をよりわかり難くすることが可能となる。
手段F3に係る発明は、
手段F2に記載の遊技機であって、
前記大当たり遊技には、基準ラウンド数の正の整数倍ではない数(実施形態では「13」)のラウンド遊技で構成される第3大当たり遊技(実質13Rの2種大当たり遊技、図7参照)が含まれ、
前記演出実行手段は、前記第3大当たり遊技における所定のラウンド遊技(実質13R目のラウンド遊技)では、前記第2大当たり遊技において実行されない演出であって、遊技者に有利であることを示す特別演出(特別祝福演出、図25、図64(A)参照)を実行することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、基準ラウンド数の大当たり遊技に見せるためのラウンド遊技とは別のラウンド遊技において、遊技者に有利であることを示す特別演出が実行されるため、特別演出により遊技者の高揚感を高めることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
手段F4に係る発明は、
手段F1から手段F3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記大当たり遊技後の遊技状態を、第1遊技状態(非時短状態)よりも遊技者に有利な第2遊技状態(時短状態)に、所定の終了条件が成立するまで制御可能な遊技状態制御手段(ステップS2103等を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第2遊技状態への連続制御回数が所定の上限回数(上記形態では「5」)となった場合には、前記大当たり遊技後の遊技状態を前記第1遊技状態に制御する遊技状態制限手段(ステップS2101でYESである場合、時短フラグをONにしない遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記第1遊技状態から前記大当たり遊技を経て前記第2遊技状態に制御されると、前記所定の上限回数分の前記大当たり遊技の実行が容易となるよう構成されている(上記形態では、時短状態への制御契機となる初当たり後に最低でも大当たりが5連荘するように構成されている、図22参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態から大当たり遊技を経て第2遊技状態に制御されると、以後、所定の上限回数の大当たり遊技の実行が容易となるという仕様の遊技機(所謂セット機)において、何回目の大当たり遊技が実行されているかを遊技者に正確に認識させ難くすることが可能である。その結果、新たなゲーム性を構築し易い。
ところで、特開2016-128089号公報に記載の遊技機では、大当たりに当選すると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。大当たり遊技には、ラウンド数の異なる複数の種類があり、当選した大当たり図柄に応じた種類の大当たり遊技が実行される。しかしながらこの公報に記載の遊技機のように、ラウンド数の異なる複数種類の大当たり遊技が実行され得る遊技性は非常に多くの遊技機で採用されており、これだけでは遊技性としての新しさに欠けるため、改良の余地があった。手段F(手段F1~F4)に記載の遊技機は、特開2016-128089号公報に記載の遊技機に対して、「大当たり遊技には、基準ラウンド数のラウンド遊技で構成される第1大当たり遊技と、基準ラウンド数の正の整数倍のラウンド遊技で構成される第2大当たり遊技とが含まれ、第2大当たり遊技における基準ラウンド数目のラウンド遊技での入賞口の閉鎖からその次のラウンド遊技での入賞口の開放までの特定インターバルの時間は、大当たり遊技の実行前の特別図柄の変動表示の開始から当該大当たり遊技における初回のラウンド遊技が開始されるまでの特定遊技期間と同じ又はほぼ同じ長さである」という点で相違している。これにより、新たな遊技性の遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。