以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。本明細書での「接触」や「接続」とは、特に明示がない限り、言及している条件を二者が直接的に満たす場合の他に、他の部材を介して満たす場合も含む。
(第1の実施の形態)
図1は、第1実施形態の原水改質装置50が用いられる浴室ユニット10を示す斜視図である。浴室ユニット10は、浴槽12と、浴槽12に隣り合う洗い場床14と、浴室空間を内部に画定する複数の浴室壁部16と、を備える。
図2は、浴室ユニット10に用いられる水路を示す構成図である。浴室ユニット10は、水栓装置18から吐水装置20に至る給水路22を備える。給水路22は、原水改質装置50の装置本体52(後述する)に設けられる第1内部水路24を有する。第1内部水路24は、一次側配管26から送られる原水を原水供給路28及び改質水供給路30の何れかを経由させて二次側配管32に導ける。第1内部水路24は、上流側水路34、原水供給路28、改質水供給路30及び下流側水路36を備える。
上流側水路34は、一次側配管26から送られる原水を原水供給路28及び改質水供給路30のそれぞれに導ける。原水供給路28は、改質水供給路30を迂回しており、上流側水路34から送られる原水を下流側水路36に供給する。改質水供給路30は、原水改質装置50に組み込まれるカートリッジ54に設けられる。改質水供給路30は、上流側水路34から送られる原水を改質して改質水を生成し、その改質水を下流側水路36に供給する。本明細書での「改質」とは、物理変化や化学変化を経て、特定の成分を原水から除去又は原水に付与することをいう。下流側水路36は、原水供給路28及び改質水供給路30から送られる水を二次側配管32に導ける。第1内部水路24の通水経路は弁機構100により切り替えられる。
図1に戻る。水栓装置18は、入浴者による操作を通じて、給水路22に供給される水の流量や温度を調整可能である。吐水装置20は、給水路22から供給される水を吐き出し可能である。本実施形態の吐水装置20は、浴室壁部16に対して可動なシャワーヘッドであるが、カラン等でもよい。本実施形態の一次側配管26や二次側配管32は可撓性があるホースである。本実施形態において、一次側配管26は水栓装置18と原水改質装置50を接続し、二次側配管32は原水改質装置50と吐水装置20を接続する。
原水改質装置50は、浴室用機能部品38と組み合わせられる。機能部品38は、浴室に関連する機能を発揮可能である。この「機能」とは、本実施形態では浴室用物品40や入浴者の荷重を受けることである。本実施形態での浴室用物品40とはシャワーフックである。本実施形態の機能部品38は、シャワーフックや入浴者の荷重を受けるとともにシャワーフックをスライド可能に支持するスライドバーである。シャワーフックには、吐水装置20を着け外し可能である。
図3は、浴室用機能部品38を示す右側面図である。本実施形態の機能部品38は、バー部材42と、バー部材42を支持するとともに浴室壁部16に固定される複数のブラケット44と、を備える。バー部材42は、浴室用物品40又は入浴者の荷重を受けるための荷重受け部材となる。
(第1の工夫点)
第1の工夫点は、主に、原水改質装置50の装置本体52や第1内部水路24に関する。図4は、原水改質装置50の右側面図であり、図5は、その左側面図であり、図6は、その正面図であり、図7は、その分解図である。原水改質装置50は、浴室壁部16に固定される装置本体52を備える。装置本体52にはカートリッジ54が収容される。カートリッジ54は、荷重受け部材(バー部材42)の外部に配置される。
本実施形態のカートリッジ54は、自らの中心軸線Lc1が浴室壁部16の内壁面と実質的に平行となるように配置される。本実施形態のカートリッジ54は、自らの中心軸線Lc1が鉛直方向に実質的に沿うように配置される。本明細書での「実質的に」とは、言及している条件を厳密に満たす場合に限らず、寸法公差や製造誤差等の誤差の分だけ位置がずれる場合も含まれる。
以下、カートリッジ54の中心軸線Lc1に沿った軸方向をX方向という。また、カートリッジ54の中心軸線Lc1と直交する浴室壁部16の内壁面と平行な軸直交方向をY方向、浴室壁部16の法線方向をZ方向という。ここでの法線方向とは、浴室壁部16の内壁面の法線に沿った方向をいう。
図8は、原水改質装置50の右側面断面図であり、図9は、その他の分解図である。図10は、配管部材66、68(後述する)の周辺構造の分解図であり、図11は、その他の分解図である。
装置本体52は、前述の第1内部水路24を形成する水路形成体56と、水路形成体56を支持する支持用本体部材58と、水路形成体56や支持用本体部材58を覆う複数のカバー部材60と、を備える。本実施形態の支持用本体部材58は前述のブラケット44を兼ねている。
水路形成体56は、支持用本体部材58に固定される第1本体部材62と、第1本体部材62に着脱可能に設けられる第2本体部材64と、を備える。また、水路形成体56は、第1本体部材62に直列に接続される第1配管部材66及び第2配管部材68と、第2本体部材64に接続される第3配管部材70と、を備える。本実施形態の各配管部材66、68、70はエルボ管が構成している。
図12は、図8の拡大図である。図10~図12に示すように、第1本体部材62は、第1配管部材66がシール部材を介して水密的に接続される第1配管接続部72を備える。第1配管部材66の上流側部分及び第1配管接続部72の一方は、それらの他方の内側に差し込まれ、クリップ等の第1留め具74により抜けが止められる。第1配管部材66の上流側部分は、第1配管接続部72にZ方向の方向軸周り(図11の方向Pr1)に回動可能に接続される。この条件を満たすうえで、第1配管部材66の回転中心線はZ方向の方向軸に沿っていなくともよい。
第2配管部材68の上流側部分は、装置本体52の一部となる第1配管部材66の下流側部分にシール部材を介して水密的に接続される。第2配管部材68は、第1配管部材66にY方向の方向軸周り(図11の方向Pr2)に回動可能に接続される。この条件を満たすうえで、第2配管部材68の回転中心線はY方向の方向軸に沿っていなくともよい。第2配管部材68の下流側部分には、二次側配管32が継手を介して接続される第1外部配管接続部76が設けられる。
図8を参照する。第2本体部材64は、第3配管部材70の下流側部分がシール部材を介して水密的に接続される第2配管接続部78を備える。第3配管部材70は、第2配管接続部78にZ方向の方向軸周り(図8の方向Pr3)に回動可能に接続される。この条件を満たすうえで、第3配管部材70の回転中心線はZ方向の方向軸に沿っていなくともよい。第3配管部材70の上流側部分には、一次側配管26が継手を介して接続される第2外部配管接続部80が設けられる。
図6を参照する。本実施形態の装置本体52は、カートリッジ54を収容する本体部52aと、本体部52aのY方向の側面部から突き出る突出部52bとを有する。本体部52aは、第1本体部材62、第2本体部材64(本図では不図示)や、これらを覆うカバー部材60が構成する。本体部52aは、X方向の外寸よりY方向やZ方向の外寸が小さくなるように構成される。本体部52aは、Z方向の外寸よりY方向の外寸が小さくなるように構成される。突出部52bは、第1配管部材66及び第2配管部材68や、これらを覆うカバー部材60が構成する。
図8、図12を参照する。第1内部水路24には、カートリッジ54を収容するカートリッジ室82が設けられる。カートリッジ室82は、X方向に直線状に延びるように設けられる。本実施形態ではカートリッジ室82内を上向きに水が流れる。本実施形態のカートリッジ室82は、第1本体部材62の内部に形成される下流室82aと、第2本体部材64の内部に形成される上流室82bとにより構成される。下流室82a及び上流室82bの一方(本例では上流室82b)は出入口82cを有する。カートリッジ54は、第1本体部材62から第2本体部材64を取り外した状態にあるとき、下流室82a及び上流室82bの一方(本例では上流室82b)に対して出入口82cを通して出し入れ可能である(図7も参照)。
図13は、第1内部水路24を模式的に示す斜視図である。図8、図13を参照する。前述の上流側水路34は、カートリッジ室82より上流側に設けられる第1上流側水路部34aと、第1上流側水路部34aより上流側に設けられる第2上流側水路部34bとを備える。
第1上流側水路部34aは、上流側に向かうにつれて浴室壁部16側に向けて延びる。第1上流側水路部34aは、カートリッジ室82から浴室壁部16側に向けて延びる。本実施形態の第1上流側水路部34aは、Y方向から見て、カートリッジ54の中心軸線Lc1やカートリッジ54より浴室壁部16側に位置する。第1上流側水路部34aは第2配管接続部78や第3配管部材70の上流側部分の内側に設けられる。
第2上流側水路部34bは、第1上流側水路部34aからX方向かつ下向きに延びる。第2上流側水路部34bは第3配管部材70の上流側部分の内側に設けられる。
図14は、図10のA-A断面図である。図8、図13、図14を参照する。前述の下流側水路36は、カートリッジ室82より下流側に設けられる第1下流側水路部36aと、第1下流側水路部36aより下流側に設けられる第2下流側水路部36bと、第2下流側水路部36bより下流側に設けられる第3下流側水路部36cとを備える。
第1下流側水路部36aは、下流側に向かうにつれて浴室壁部16側に向けて延びる。第1下流側水路部36aは、カートリッジ室82から浴室壁部16側に向けて延びる。第1下流側水路部36aの一部は、Y方向から見て、カートリッジ54やカートリッジ室82より浴室壁部16側に位置するように設けられる。第1下流側水路部36aは、第1配管接続部72や第1配管部材66の上流側部分の内側に設けられる。
第2下流側水路部36bは、第1下流側水路部36aからY方向に延びる。第2下流側水路部36bは、第1配管部材66の下流側部分や第2配管部材68の上流側部分の内側に設けられる。
第3下流側水路部36cは、第2下流側水路部36bからX方向かつ下向きに延びる。第3下流側水路部36cは、第2配管部材68の下流側部分の内側に設けられる。
図5、図6を参照する。第1外部配管接続部76の内側には下流側水路36の下流側端部が設けられる。このような第1外部配管接続部76は、Z方向(図6の視点)から見て、装置本体52の本体部52aやカートリッジ54よりY方向にずれた位置に設けられる。第1外部配管接続部76は、Y方向(図5の視点)から見て、カートリッジ54より浴室壁部16側に設けられる。第1外部配管接続部76は、Y方向から見て、装置本体52の本体部52aと重なる位置に設けられる。
装置本体52には、装置本体52と浴室壁部16の間であって、第3配管部材70とX方向で対向する位置に凹部52cが形成される。第3配管部材70は、Z方向(図6の視点)から見て、装置本体52からY方向にはみ出ないように凹部52cの内側に配置される。
第2外部配管接続部80の内側には、上流側水路34の上流側端部が設けられる。このような第2外部配管接続部80は、Z方向(図6の視点)から見て、カートリッジ54とX方向において重なる位置に設けられる。第2外部配管接続部80は、Y方向(図5の視点)から見て、カートリッジ54より浴室壁部16側に設けられる。
以上の第1工夫点に関する効果を説明する。
下流側水路36は、下流側水路36の下流側に向かうにつれて浴室壁部16側に向けて延びる第1下流側水路部36aを有する。よって、下流側水路36に第1下流側水路部36aがない構造と比べて、浴室壁部16に近い箇所に二次側配管32を配置するレイアウトを実現できる。これに伴い、浴室壁部16に近い壁際のスペースを有効に活用して、二次側配管32を配置できる。
(A)下流側水路36は、第1下流側水路部36aからY方向に延びる第2下流側水路部36bを有する。よって、カートリッジ54と浴室壁部16の間を避けた箇所に二次側配管32を配置するレイアウトを実現できる。これに伴い、カートリッジ54と浴室壁部16の間に二次側配管32を配置する場合と比べ、装置本体52や浴室壁部16との二次側配管32の干渉を避けやすくなる。これに伴い、二次側配管32に接続される吐水装置20(シャワーヘッド)の使い勝手が良好となる。
(B)第2配管部材68は、装置本体52の一部(第1配管部材66)にY方向の方向軸周りに回動可能に接続される。よって、第2配管部材68の回動によって、その第2配管部材68に接続される二次側配管32の可動域を大きくできる。これに伴い、二次側配管32に接続される吐水装置20(シャワーヘッド)の使い勝手が良好となる。
上流側水路34は、上流側水路34の上流側に向かうにつれて浴室壁部16側に向けて延びる第1上流側水路部34aを有する。よって、上流側水路34に第1上流側水路部34aがない構造と比べ、浴室壁部16に近い箇所に一次側配管26を配置するレイアウトを実現できる。これに伴い、浴室壁部16に近い壁際のスペースを有効に活用して、一次側配管26を配置できる。
なお、図12、図13に示すように、上流側水路34は、カートリッジ室82に設けられる上流側室内水路部34cを備える。また、下流側水路36は、カートリッジ室82に設けられる下流側室内水路部36dを備える。原水供給路28は、上流側室内水路部34cより小径であり、下流側室内水路部36dは、原水供給路28より小径である。
次に、第1の工夫点に関連する他の特徴を説明する。原水改質装置50は、改質水供給路30及び原水供給路28のなかから第1内部水路24の通水経路を切り替え可能な弁機構100を備える。本実施形態の弁機構100は原水供給路28を開閉可能である。本実施形態の弁機構100は、原水供給路28に設けられるとともに弁孔102が形成される弁座104と、弁孔102を開閉可能な弁体部106と、を備える。本実施形態の弁体部106はカートリッジ54に設けられる。本実施形態の弁孔102は弁座104そのものの内壁面が形成し、後述する戻し方向Pa2側に向かうにつれて内径が小さくなるテーパー面が構成する。
原水改質装置50は、弁機構100を作動させることによって、改質水供給路30及び原水供給路28のなかから第1内部水路24の通水経路を切り替え可能な水路切替機構110を備える。本実施形態の水路切替機構110は第1本体部材62に組み込まれる。
水路切替機構110は、第1内部水路24の通水経路を切り替えるために操作される第1操作部材112と、第1操作部材112に連動して動かされる従動部材114と、第1操作部材112と従動部材114を連動させる連動機構116と、を備える。本実施形態の第1操作部材112は押圧操作を受けるプッシュボタンであるが、回転操作を受ける回転ハンドル等でもよい。
従動部材114は、カートリッジ室82の下流室82aの奥底部に形成される貫通孔に挿通される。従動部材114はカートリッジ室82に一部が配置され、従動部材114以外の水路切替機構110の構成部品はカートリッジ室82に配置されない。本実施形態の従動部材114は、第1操作部材112に連動して作動方向Pa1に動かされることで、弁機構100の弁体部106を動かせる。本実施形態の従動部材114は、弁機構100の弁体部106が設けられるカートリッジ54の全体を作動方向Pa1に押圧するように動かせる。
原水改質装置50は、図8に示すように、水路切替機構110による弁体部106の作動方向Pa1とは反対側の戻し方向Pa2に弁体部106を付勢する付勢部材118を備える。本実施形態の付勢部材118は、カートリッジ室82の上流室82bの奥底部とカートリッジ54との間に配置され、弁体部106と一体的にカートリッジ54を付勢する。付勢部材118は、たとえば、コイルスプリング等の弾性部材である。水路切替機構110の構成部品や弁体部106は、付勢部材118の付勢力に抗して動かされる。
図12に戻る。連動機構116は、第1操作部材112に連動して従動部材114の動く方向とは異なる方向に動き、従動部材114を作動方向Pa1に押し動かす駆動部材120を備える。
図15は、原水改質装置50の他の動作状態を図8と同じ視点から見た図である。図12、図15に示すように、連動機構116は、第1操作部材112が操作を受ける毎に従動部材114の位置を切り替え可能な位置切替機構122を備える。本実施形態の位置切替機構122はスラストロック機構であるが、この他にも、ハートカム機構、回転カム機構、ラチェットカム機構等でもよい。本実施形態の位置切替機構122の構成部品には、スリーブ122a、回転子122b、駆動子122cが含まれる。位置切替機構122は、従動部材114が作動方向Pa1及び戻し方向Pa2に往復動する毎に、従動部材114のX方向での位置を切り替える。これに伴い、弁体部106のX方向での位置が切り替えられる。
本実施形態の水路切替機構110は、弁体部106が弁孔102を閉じる閉位置P1と、弁体部106が弁孔102を開く開位置P2との何れかに保持する。水路切替機構110は、第1操作部材112が操作を受ける度にカートリッジ54(弁体部106)の位置を閉位置P1と開位置P2の間で切り替える。
弁体部106は、弁座104に接触して弁孔102を閉じる閉位置P1と、閉位置P1より弁座104から離間して弁孔102を開く開位置P2との間を進退可能である。本実施形態の弁体部106の進退方向PdはX方向である。
以上の水路切替機構110は、X方向において、カートリッジ54に対して重なる位置に配置される。本実施形態の水路切替機構110は、戻し方向Pa2、X方向でカートリッジ室82の下流側、及び、上側、のそれぞれにおいて、カートリッジ54に対して重なる位置に配置される。この条件は、水路切替機構110の構成部品の少なくとも一部が満たしていればよい。この条件は、本実施形態では、水路切替機構110の従動部材114を含む構成部品が満たしている。これにより、X方向において水路切替機構110をカートリッジ54と重ならない位置に配置するより、装置本体52のY方向やZ方向での寸法の小型化を図れる。
次に、装置本体52に関する他の特徴を説明する。図16は、図10に示す構成部品の組立図である。図17は、図16のB-B断面を模式的に示す図である。図18は、図17の矢視Cから第1配管部材66を見た図である。
支持用本体部材58は、第1配管部材66の一部を収容する配管収容部58aを備える。配管収容部58aは、第1配管部材66の一部を間に挟んで配置される一対の側壁部58bを備える。一対の側壁部58bはY方向に間を置いて配置される。
第1配管部材66は、第1内部水路24の一部が内部に形成される第1本体管部66aを備える。第1本体管部66aには第1留め具74を抜き差しするための差込孔66bが形成される。
第1配管部材66は、第1本体管部66aの外部に設けられるガタ規制部66cを備える。ここでの「第1本体管部66aの外部」とは、第1本体管部66aが形成する第1内部水路24や、第1本体管部66aの外内を貫通する孔とは異なる箇所のことをいう。ここでの「孔」とは、たとえば、差込孔66bである。
本実施形態のガタ規制部66cはY方向に間を置いて一対配置される。一対のガタ規制部66cは板状をなしている。一対のガタ規制部66cのそれぞれは一対の側壁部58bのそれぞれとY方向に対向する位置に配置される。本実施形態の一対のガタ規制部66cは、一対の側壁部58bの間に配置される。本実施形態のガタ規制部66cは平面状のガタ規制面66dを有し、側壁部58bはガタ規制面66dと対向する平面状の対向面58cを有する。
ガタ規制部66cは、第1配管部材66がZ方向の方向軸周り(図17の方向Pr1)に回動しようとしたとき、支持用本体部材58の側壁部58bと接触する。詳しくは、一対のガタ規制部66cそれぞれのガタ規制面66dは、一対の側壁部58bそれぞれの対向面58cと接触する。これにより、ガタ規制部66cは、Z方向の方向軸周りでの第1配管部材66の動きを規制可能である。一対のガタ規制部66cは、たとえば、Z方向の方向軸周りでの第1配管部材66の可動範囲が5°以下となるように、その動きを規制可能である。
(C)これにより、装置本体52の第1配管接続部72に第1配管部材66を回動可能に接続する場合、その第1配管部材66の大きなガタつきを抑制できる。これに伴い、第1配管部材66のガタつきに起因する二次側配管32の位置の変化を抑えられる。
図9、図10、図16を参照する。原水改質装置50は、第1配管部材66とは別体であり、第1配管部材66の外部に配置される抜止部130を備える。ここでの第1配管部材66の外部とは、前述の第1本体管部66aの外部と同義である。本実施形態の抜止部130は支持用本体部材58の側壁部58bに設けられる。装置本体52の第1配管接続部72から第1配管部材66が抜ける方向を抜け方向Pe1とし、抜け方向とは反対方向を差し方向Pe2という。抜止部130は、第1配管部材66に対して抜け方向Pe1に位置するように設けられる。抜止部130は、差し方向Pe2に向かって開放する溝状をなす。
図16、図18を参照する。第1配管部材66は、抜止部130に対して差し方向Pe2に対向する位置に設けられる突当部132を備える。本実施形態の第1配管部材66は、上流側水路34の第1上流側水路部34aの中心軸線Lc2を間に挟んだ位置に設けられる一対の突当部132を備える。一方の突当部132のそれぞれは板状をなす。詳しくは、一方の突当部132は平板状をなし、他方の突当部132はU字状に折り曲げた板状をなす。一対の突当部132のそれぞれの抜止部130と対向する面は円弧状をなす。突当部132は抜止部130の内側に配置される。
抜止部130は、突当部132との接触を伴い、装置本体52の第1配管接続部72からの第1配管部材66の抜けを止められる。これにより、第1配管接続部72に対する第1配管部材66の接続強度を向上できる。特に、第1留め具74を用いずとも第1配管接続部72からの第1配管部材66の抜けを止められる利点がある。
(第2の工夫点)
次に、本実施形態の原水改質装置50の第2の工夫点を説明する。第2の工夫点は、主に、カートリッジ54に関する。
図19は、カートリッジ54の側面図である。図8も参照する。カートリッジ54は長尺体である。カートリッジ54は、長尺状の改質部150と、カートリッジ54の内部に設けられる第2内部水路152と、改質部150の両端部に取り付けられるキャップ部材154、156と、を備える。キャップ部材154、156には、作動方向Pa1側(X方向の一方側)にある第1キャップ部材154と、戻し方向Pa2側(X方向の他方側)にある第2キャップ部材156とが含まれる。本実施形態での作動方向Pa1側とはカートリッジ室82の上流側であり、戻し方向Pa2側とはカートリッジ室82の下流側をいう。
改質部150は、上流側水路34の上流側室内水路部34cから送られる原水を通すことができ、その原水を通す過程で改質材により原水を改質することで改質水を生成可能である。本実施形態の改質部150は、上流側水路34から第2内部水路152に水を通すことができる。本実施形態の改質部150と第2内部水路152は改質水供給路30を構成する。本実施形態の改質部150はX方向に延びる筒状をなし、その内側には第2内部水路152の一部が形成される。本実施形態の改質部150は、複数の不織布等の透水膜間に改質材を収容して構成される。改質材は、たとえば、活性炭、炭酸カルシウム等である。
第2内部水路152には、第2内部水路152の下流側部分を構成するとともにX方向に直線状に延びるストレート部152aが設けられる。
第1キャップ部材154は有底筒状をなし、その外周部には複数のリブ部154aが形成される。
図20は、図12の拡大図である。図19、図20に示すように、第2キャップ部材156は、改質部150の端部を受ける有底筒状の端受け部158を備える。端受け部158の外周部には外周側に突き出る複数のリブ部158aが形成される。
第2キャップ部材156は、端受け部158の他に、端受け部158からX方向に延びる筒状の軸部160と、軸部160の先端部に設けられる有底筒状のヘッド部162と、を備える。軸部160やヘッド部162の内側には第2内部水路152の一部が形成される。ヘッド部162は、下流側水路36と改質水供給路30を隔てる。
ヘッド部162には、下流側水路36と改質水供給路30を連通させる通水孔164が形成される。ヘッド部162には、周方向に間を置いて複数の通水孔164が形成される。複数の通水孔164は実質的に等角度間隔を空けた箇所に位置するように形成される。通水孔164は、ヘッド部162の外周壁部162aを貫通する第1孔部164aと、ヘッド部162の頂壁部162bを貫通する第2孔部164bとを有する。
カートリッジ54は、ユーザによる操作を通じて水路切替機構110の従動部材114を介して外力が付与される外力受け部166を備える。本実施形態の外力受け部166は、ヘッド部162の頂壁部162bが構成する。本実施形態の外力受け部166は、従動部材114により押圧されることで作動方向Pa1の外力が付与される。本実施形態の作動方向Pa1はX方向の一方側であり、直進力が外力として付与される。本実施形態の外力受け部166の外力を受ける外力受け面166aは平坦面である。この外力受け面166aは、弁体部106の進退方向Pd(X方向)に実質的に直交するように設けられる。
カートリッジ54の弁体部106は、第2キャップ部材156の軸部160に設けられる。弁体部106は、外力受け部166が外力を受けたときに自らが動くことによって、弁孔102を開閉可能である。本実施形態では、外力受け部166が外力を受けたとき、弁体部106を含むカートリッジ54全体が動くことができる。
弁体部106は、軸部160から径方向外側に張り出す複数の鍔部168、170と、第2シール部材172が装着される装着溝174と、を備える。複数の鍔部168、170には、前述の作動方向Pa1側の第1鍔部168と、戻し方向Pa2側の第2鍔部170とが含まれる。装着溝174は、第1鍔部168と第2鍔部170の間に形成される。第2シール部材172は、Oリング等の弾性体である。
弁体部106は、弁座104に接触することで弁座104との間をシールするシール面176を備える。シール面176は、弁体部106の進退方向Pdにおいて、弁座104に対して重なる位置に設けられる。本実施形態のシール面176は、閉位置P1にあるとき、第2シール部材172の弾性変形を伴い、弁座104に第2シール部材172を介して接触することで弁座104との間をシールする。本実施形態のシール面176は、第1鍔部168の戻し方向Pa2側の外面が構成する。
このような弁体部106は、X方向において、外力受け部166と改質部150の間に配置される。この条件を満たすうえで、X方向において外力受け部166や改質部150と重なる位置に配置されるか否かは問わない。
以上のカートリッジ54を用いた通水経路の切り替え動作を説明する。第1操作部材112が操作を受けると、連動機構116により第1操作部材112に連動して従動部材114が作動方向Pa1に動かされる。従動部材114が作動方向Pa1に動かされると、カートリッジ54の外力受け部166に従動部材114から外力が付与され、付勢部材118の付勢力に抗してカートリッジ54の弁体部106が動かされる。外力受け部166に付与される外力が解除されると、付勢部材118により戻し方向Pa2に押し戻される。この一連の動きを経ることで、弁体部106の位置が閉位置P1と開位置P2の間で切り替えられる。
図12に示すように、弁体部106が閉位置P1にあるとき、上流側水路34の上流側室内水路部34cから改質水供給路30を通して下流側水路36の下流側室内水路部36dに改質水が供給される。このとき、第1内部水路24の改質水供給路30を通水経路(矢印Fa参照)として水が流れる。
一方、図15に示すように、弁体部106が開位置P2にあるとき、上流側室内水路部34cから原水供給路28を通して下流側室内水路部36dに原水が供給される。このとき、改質水供給路30(改質部150)に水を流すと大きな圧力損失を招くため、改質水供給路30にはほとんど水が流れない。このため、弁体部106が開位置P2にあるとき、第1内部水路24の原水供給路28を通水経路(矢印Fb参照)として水が流れる。
このように、カートリッジ54の弁体部106は、その外力受け部166が外力を受けたときに、閉位置P1と開位置P2との間を進退することで、原水供給路28と改質水供給路30のなかから通水経路を切り替え可能である。
以上の第2工夫点に関連する効果を説明する。
本実施形態のカートリッジ54によれば、その外力受け部166が外力を受けて弁体部106が動くことによって、第1内部水路24内での通水経路を切り替え可能となる。よって、新たな手法で通水経路の切り替えを実現できる。
また、カートリッジ54が弁体部106を備えるため、そのカートリッジ54の交換により弁機構100の構成要素となる弁体部106も交換できる。
弁体部106は、その進退方向Pdにおいて、弁座104に対して重なる位置に配置されるシール面176を備える。よって、弁体部106をX方向に進退させることで弁孔102を開閉する場合に、弁孔102に接触する可動要素の摺動を防げる。本実施形態での「可動要素」とは第2シール部材124である。これに伴い、弁体部106を進退させるときに付与すべき外力を小さくでき、水路切替機構110の第1操作部材112に入力すべき外力を小さくできる。
弁体部106は、弁体部106の進退方向Pdにおいて、外力受け部166と改質部150の間に配置される。よって、外力受け部166に対して改質部150とは進退方向Pdの反対側に弁体部106を配置する場合と比べ、カートリッジ54の進退方向Pdでの寸法の小型化を図れる。
外力受け部166の外力受け面166aは、弁体部106の進退方向Pdと実質的に直交するように設けられる平坦面である。よって、従動部材114により外力受け部166を押圧するときに、外力受け部166に進退方向Pdに沿って真っ直ぐな外力を入力し易くなる。これに伴い、弁体部106が進退方向Pdに沿って真っ直ぐに動き易くなり、弁体部106の動作の安定化を図れる。
ヘッド部162に形成される通水孔164は、ヘッド部162の外周壁部162aを貫通する第1孔部164aを有する。よって、ヘッド部162の頂壁部162bが外力受け部166を構成し、その頂壁部162bに通水孔164を形成し難い構造のもとでも、第1孔部164aを通して通水量を確保できる。
なお、上流側水路34と下流側水路36は、改質水供給路30を介して常に連通している。よって、原水改質装置50の通水経路を切り替えるときにウォーターハンマーの発生を防げる。
第2工夫点に関連する他の特徴を説明する。図20を参照する。カートリッジ54は、弁孔102の中心軸線Lc2を中心とする円の径方向での弁体部106の動きを案内するための第1ガイド部180を備える。本実施形態の第1ガイド部180は、第2鍔部170の外周部に設けられる。第1ガイド部180は、ヘッド部162より作動方向Pa1側に設けられる。本実施形態の第1ガイド部180は、戻し方向Pa2側に向かうにつれて縮径するテーパー面である。
第1ガイド部180は、弁体部106が開位置P2から閉位置P1に移動するとき、弁孔102との接触を伴い、弁体部106の径方向での動きを案内可能である。第1ガイド部180は、カートリッジ54の中心軸線Lc1が弁孔102の中心軸線Lc2に近づくように径方向に案内する。これにより、弁体部106が開位置P2から閉位置P1に移動するとき、弁孔102に対して径方向で弁体部106を位置合わせできる。これに伴い、弁体部106の動作安定性が向上する。
なお、弁孔102はテーパー面であり、弁体部106が開位置P2から閉位置P1に移動するとき、弁孔102の径方向での弁体部106の動きを案内するための第2ガイド部182を構成しているといえる。
ヘッド部162の内底面には、改質水供給路30内をX方向に流れる水を通水孔164の第1孔部164aに誘導する誘導部184が設けられる。誘導部184は、ヘッド部162の内底面からX方向に突き出るように設けられる。誘導部184の外面は、改質水供給路30のストレート部152a内での流れ方向に向かうにつれて、通水孔164の第1孔部164a側に延びるように設けられる。本実施形態の誘導部184の外面は、カートリッジ54の中心軸線Lc1と同心状の錘状をなす。
第2内部水路152のストレート部152a内をX方向に直進するように流れてきた水は、その誘導部184と衝突することで、その流れ方向が通水孔164の第1孔部164aに向かうように誘導される(矢印Fc参照)。これにより、改質水供給路30から第1孔部164aを通して下流側水路36にスムーズに水を流せる。これに伴い、改質水供給路30内での圧力損失を軽減できる。
図21は、図19のC-C端面図である。図20、図21を参照する。カートリッジ54は、第1鍔部168に対して弁座104とは反対側にて弁座104と対向する鍔対向部190と、第1鍔部168と鍔対向部190との間に設けられる補強部192と、を備える。本実施形態の鍔対向部190は、端受け部158の進退方向Pdの端面部が構成する。補強部192は、第1鍔部168を補強する役割を持ち、第1鍔部168と鍔対向部190を接続する。本実施形態の補強部192は、軸部160の外周部から外周側に突き出る板状のリブが構成する。本実施形態の補強部192は、軸部160の周方向に実質的に等角度間隔を置いて複数設けられる。
第1鍔部168のシール面176が弁座104に押し当てられるとき、弁座104から第1鍔部168にX方向での反力が付与される。補強部192は、第1鍔部168の反力を鍔対向部190に伝達することで、第1鍔部168に付与される反力を分散する。これにより、第1鍔部168に付与されるX方向での反力に対する強度の向上を図れる。
なお、弁体部106が開位置P2にあるとき、付勢部材118の付勢力により従動部材114に押し付けられた状態で弁体部106が開位置P2に保持される。一方、弁体部106が閉位置P1にあるとき、付勢部材118の付勢力により弁座104に押し付けられた状態で弁体部106が閉位置P1に保持される。
弁体部106が閉位置P1にあるとき、従動部材114はカートリッジ54の外力受け部166に接触している。カートリッジ54にX方向に付与される水圧は、外力受け部166に対する従動部材114の接触面積S1に応じて変化する。詳しく説明する。
図8を参照する。カートリッジ54は、X方向の戻し方向Pa2側に向かう水圧を受けて弁体部106に伝達する第1受圧面196と、X方向の作動方向Pa1側に向かう水圧を受けて弁体部106に伝達する第2受圧面198とを備える。第1受圧面196は、作動方向Pa1側を向いているカートリッジ54の面であり、第2キャップ部材156の端面に少なくとも一部が設けられる。第2受圧面198は、戻し方向Pa2側を向いているカートリッジ54の面であり、外力受け部166の外力受け面166aに少なくとも一部が設けられる。
第2受圧面198の面積は、前述の接触面積S1が増加すると減少し、その接触面積S1が減少すると増加する。本実施形態の第1受圧面196と第2受圧面198の面積は、それらが受ける水圧の差圧によって、弁体部106が戻し方向Pa2側の弁座104に押し付けられるように設定される。これを実現するため、前述の接触面積S1の大きさが調整されている。この接触面積S1は、たとえば、3~30[mm2]の大きさに設定される。この接触面積S1が3[mm2]未満であると、弁体部106に付与される押付力が不十分となる恐れがある。一方、この接触面積S1が30[mm2]超であると、弁体部106に付与される押付力が過多となることが懸念される。この場合、水路切替機構110の第1操作部材112を通して、外力受け部166に付与すべき外力の増大に伴う操作性の低下が懸念される。
(第2の実施の形態)
図22は、第2実施形態の原水改質装置50を示す正面図である。本実施形態の原水改質装置50は、浴室壁部16の正面側から見て、Y方向に実質的に対称に設けられる。これ以外の点では第1実施形態の原水改質装置50と同様である。
本実施形態の装置本体52の突出部52bは、浴室壁部16の正面側から見て、水栓装置18とはY方向で反対側に向けて本体部52aから突き出ている。これにより、その本体部52aに接続される二次側配管32が水栓装置18や一次側配管26と干渉し難くなり、その二次側配管32に接続される吐水装置20(シャワーヘッド)の使い勝手が良好となる。
以上、実施形態をもとに本発明を説明した。次に、各構成要素の変形例を説明する。
一次側配管26や二次側配管32はホースでなくともよい。これら配管26、32は、浴室壁部16の内部や、装置本体52とは別の部材の内部に配置されていてもよい。
機能部品38の「機能」は、浴室用物品40や入浴者の荷重を受けることである例を説明した。この浴室用物品40は、シャワーフックに限定されず、たとえば、シャワーヘッド、風呂蓋、ホース等でもよい。機能部品38は、シャワーヘッドの荷重を受ける場合はシャワーフックとなり、風呂蓋の荷重を受ける場合は風呂蓋フックとなり、ホースの荷重を受ける場合はホースフックとなる。また、機能部品38の「機能」は、入浴者の荷重を受けることである場合、スライドバーの他にも、たとえば、単なる手すり等でもよい。また、機能部品38の「機能」は、浴室に関連する機能であって、水の改質とは別の機能を発揮するためのものであればよく、その具体例は前述の例に限定されない。
原水改質装置50は、浴室用機能部品38と組み合わせなくともよい。原水改質装置50は、水栓装置18及び吐水装置20の何れか一方又は両方を兼ねていてもよい。
カートリッジ54は、原水の改質態様として、原水の浄化を例に説明したが、これに限られない。たとえば、美容成分、臭い成分、炭酸成分、水素成分の付与等でもよい。
(第1の工夫点)
第1下流側水路部36aは、下流側に向かうにつれて浴室壁部16側に向けて延びていればよい。これを満たしていれば、実施形態のように、Z方向に沿って直線状に延びる場合の他に、Z方向の方向軸に対して傾斜して延びてもよい。また、実施形態のように、下流側に向かうにつれて連続的に浴室壁部16側に向けて延びる場合の他に、段階的に浴室壁部16側に向けて延びてもよい。
第2下流側水路部36bは、第1下流側水路部36aからX方向に延びてもよいし、その下流側端部に二次側配管32が接続されてもよい。これは、装置本体52に単数の配管部材66を介して二次側配管32が接続される場合を想定している。
下流側水路36は第3下流側水路部36cを備えなくともよい。この場合でも、前述の(A)、(B)の効果を得られる。この場合、第2配管部材68は、たとえば、ストレート管等により構成される。
上流側水路34は、カートリッジ室82からX方向やY方向に延びていてもよいし、浴室壁部16とは反対側に延びていてもよい。上流側水路部34aは、実施形態のように、Z方向に沿って直線状に延びる場合の他に、Z方向の方向軸に対して傾斜して延びてもよい。また、実施形態のように、上流側に向かうにつれて連続的に浴室壁部16側に向けて延びる場合の他に、段階的に浴室壁部16側に向けて延びてもよい。
前述の(C)の効果を得るうえで、第1配管部材66のガタ規制部66cは、他の部材との接触によって、第1配管部材66の動きを規制可能であればよい。ここでの他の部材とは、支持用本体部材58に限られず、たとえば、第1本体部材62、第2本体部材64等の装置本体52の一部でもよい。
抜止部130は、支持用本体部材58とは別の部材に設けられてもよい。たとえば、第2本体部材64に設けられてもよい。
水路切替機構110は、X方向において、カートリッジ54に対して重ならない位置であって、カートリッジ54よりY方向やZ方向にずれた位置に配置されてもよい。
第1の工夫点で説明した効果を得るうえで、弁機構100は、カートリッジ54とは別体に設けられてもよい。
(第2の工夫点)
カートリッジ室82の下流室82aに付勢部材118を配置し、その上流室82bに従動部材114の一部を配置してもよい。この場合、X方向で作動方向Pa1側はカートリッジ室82の下流側となり、X方向で戻し方向Pa2側はカートリッジ室82の上流側となる。
外力受け部166に付与される外力の方向は特に限定されない。たとえば、カートリッジ54の中心軸線Lc1周りを回転する方向でもよい。水路切替機構110の作動方向Pa1も同様である。
外力受け部166が外力を受けたときに弁体部106が動ければよく、カートリッジ54の全体が動くことは必須とならない。
弁体部106のシール面176は、シール部材172を介さずに、弁座104に直接に接触することで弁孔102を閉じてもよい。
シール面176の位置は特に限定されない。たとえば、シール面176は、X方向において、弁座104と重ならない位置であって、弁孔102の径方向において、弁座104と重なる位置に設けられてもよい。また、シール面176は、第1鍔部168の他にも、端受け部158等に設けられていてもよい。
弁孔102は弁座104の内壁面が構成する例を説明したが、弁座104の内壁面とは異なる箇所に形成されてもよい。
弁座104はテーパー面である例を説明したが、シール面176とX方向に対向する平坦面等でもよい。いずれにしても、シール面176は、弁座104に対してX方向で重なる位置に設けられることになる。
第2シール部材172は、第1内部水路24に形成した装着溝に装着してもよい。弁体部106は第2シール部材172を備えなくともよいということである。
ヘッド部162は、上流側水路34と下流側水路36のうちの一方の水路と改質水供給路30を隔ててもよい。同様に、通水孔164は、その一方の水路と改質水供給路30を連通させてもよい。
通水孔164は第1孔部164a及び第2孔部164bのうちの一方のみを有していてもよい。通水孔164は、ヘッド部162以外の箇所に形成されてもよい。たとえば、第2キャップ部材156にヘッド部162を形成せず、軸部160の先端部に通水孔164を形成してもよい。
誘導部184は、改質水供給路30内を流れる水を通水孔164の第1孔部164aに誘導可能であれば、その具体的な形状は特に限定されない。
補強部192は板状のリブを例に説明したが、その具体例は特に限られない。たとえば、ブロック状等をなしていてもよい。
外力受け部166の外力受け面166aは平坦面である例を説明したが、半球状の曲面等でもよい。
原水供給路28はカートリッジ54の外部に設けられ、改質水供給路30はカートリッジ54の内部にのみ設けられる例を説明した。この他にも、原水供給路28はカートリッジ54の内部に設けられ、改質水供給路30の一部はカートリッジ54の外部に設けられてもよい。この場合でも改質水供給路30の一部となる改質部150はカートリッジ54に設けられていればよい。つまり、カートリッジ54には改質水供給路30の少なくとも一部が設けられていればよい。この場合、カートリッジ54とカートリッジ室82の間が改質水供給路30の一部となる。この場合、カートリッジ54の内部の原水供給路28に弁座104が設けられ、弁体部106はカートリッジ54の他の部位(改質部150)に対して相対移動可能に設けられてもよい。
第2の工夫点で説明した効果を得るうえで、装置本体52の第1内部水路24の具体例は特に限定されない。第1内部水路24は、たとえば、下流側水路36の第1下流側水路部36aを備えなくともよい。また、原水改質装置50は、流し台、洗面キャビネット等の浴室空間とは異なる箇所に設置されていてもよい。
以上、本発明の実施形態や変形例について詳細に説明した。前述した実施形態や変形例は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態や変形例の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して強調しているが、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。以上の構成要素の任意の組み合わせも、本発明の態様として有効である。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。以下、発明が解決しようとする課題に記載の態様を用いて説明する。
第2態様のカートリッジは、第1態様において、前記原水供給路には弁孔が形成される弁座が設けられ、前記弁体部は、前記弁座に接触して前記弁孔を閉じる閉位置と、前記閉位置より前記弁座から離間して前記弁孔を開く開位置との間を進退可能であり、前記弁体部は、前記弁体部の進退方向において、前記弁座に対して重なる位置に設けられるシール面を備えてもよい。この態様によれば、弁体部を進退させることで弁孔を開閉する場合に、弁孔に接触する可動要素の摺動を防げる。
第3態様のカートリッジは、第2態様において、前記シール面が設けられる鍔部と、前記鍔部に対して前記弁座とは反対側にて前記鍔部と対向する鍔対向部と、前記鍔部と前記鍔対向部との間に設けられる補強部と、を備えてもよい。鍔部のシール面が弁座に押し当てられるとき、鍔部には反力が付与される。この態様によれば、その反力を補強部により鍔対向部に伝達することで、その反力に対する強度の向上を図れる。
第4態様のカートリッジは、第1から第3態様のいずれかにおいて、前記弁体部は、前記原水供給路に形成される弁孔を閉じる閉位置と、前記弁孔を開く開位置との間を進退可能であり、本カートリッジは、前記開位置から前記閉位置に前記弁体部が移動するとき、前記弁孔の中心軸線を中心とする円の径方向での前記弁体部の動きを案内するためのガイド部を備えてもよい。この態様によれば、弁体部が閉位置に移動するとき、弁孔に対して径方向で弁体部を位置合わせできる。
第5態様のカートリッジは、第1から第4態様のいずれかにおいて、前記弁体部は、前記原水供給路に形成される弁孔を閉じる閉位置と前記弁孔を開く開位置との間を進退可能であり、前記改質水供給路には、前記上流側水路から送られる原水を改質可能な改質部が設けられ、前記弁体部は、前記弁体部の進退方向において、前記外力受け部と前記改質部の間に配置されてもよい。この態様によれば、外力受け部に対して改質部とは進退方向の反対側に弁体部を配置する場合と比べ、カートリッジの進退方向での寸法の小型化を図れる。
第6態様のカートリッジは、第1から第5態様のいずれかにおいて、前記上流側水路及び前記下流側水路のうちの一方の水路と前記改質水供給路を隔てる有底筒状のヘッド部を備え、前記ヘッド部の頂壁部は前記外力受け部を構成し、前記ヘッド部には、前記一方の水路と前記改質水供給路を連通させる通水孔が形成され、前記通水孔は、前記ヘッド部の外周壁部を貫通する第1孔部を有してもよい。この態様によれば、ヘッド部の頂壁部が外力受け部を構成し、その頂壁部に通水孔を形成し難い構造のもとでも、第1孔部を通して通水量を確保できる。
第7態様のカートリッジは、第6態様において、前記一方の水路は、前記下流側水路であり、前記ヘッド部の内底面には、前記改質水供給路内を流れる水を前記第1孔部に誘導可能な誘導部が設けられてもよい。この態様によれば、改質水供給路から通水孔の第1孔部を通して下流側水路にスムーズに水を流せる。
第8態様のカートリッジは、第1から第7態様のいずれかにおいて、前記弁体部は、前記原水供給路に形成される弁孔を閉じる閉位置と前記弁孔を開く開位置との間を進退可能であり、前記外力受け部の外力受け面は、前記弁体部の進退方向と実質的に直交するように設けられる平坦面であってもよい。この態様によれば、カートリッジの弁体部が進退方向に沿って真っ直ぐに動き易くなり、弁体部の動作の安定化を図れる。