JP7168512B2 - 気液接触用充填板、クロスフロー型冷却塔 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、クロスフロー型冷却塔の充填材として用いる気液接触用充填板において、処理水の冷却効率を向上させることが可能な気液接触用充填板を提供することである。
すなわち、本発明は、以下の気液接触用充填板及びクロスフロー型冷却塔である。
この気液接触用充填板によれば、処理水を外気流通方向と同方向側に流れるように傾斜する第2傾斜面が、水平面に対して緩やかに傾斜するため、処理水が外気流通方向へ向かって流れる速度が低下する。一方で、処理水を外気流通方向とは逆方向側に流れるように傾斜する第1傾斜面は、第2傾斜面より水平面に対して急な傾斜を形成するため、処理水が外気流通方向とは逆方向側に向かって流れる速度が速い。よって、気液接触用充填板の表面を流下する処理水が横方向からの空気抵抗によって屈曲することを抑制できるという効果を奏する。
この気液接触用充填板によれば、第1傾斜部及び前記第2傾斜部の間に形成される間部が外気流通方向と逆方向に向けて下方に傾斜するため、第2傾斜部の第2傾斜面が水平面に対して緩やかに傾斜し、第1傾斜部の第1傾斜面が水平面に対して急に傾斜する。そのため、上述したとおり、第1傾斜面により外気流通方向と逆方向に流れる処理水が、第2傾斜面を越えて流下することになり、外気流通方向とは反対方向へ処理水が拡散するという作用が生じる。
このクロスフロー型冷却塔によれば、本発明の気液接触用充填板において説明したとおり、気液接触用充填板の表面を流下する処理水が横方向からの空気抵抗によって屈曲することを抑制できることから、処理水の冷却効率を向上するという効果を奏する。
なお、実施態様に記載するクロスフロー型冷却塔及び気液接触用充填板については、本発明に係るクロスフロー型冷却塔及び気液接触用充填板を説明するために例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
図1は、本発明の第一の実施態様のクロスフロー型冷却塔100の構造を示す概略説明図である。図1に示すように、クロスフロー型冷却塔100は、矩形状の塔本体(ケーシング)の対向する2つの側面に沿って、それぞれ2つの充填材1A、1Bが収納されている。充填材1Aは、板状の気液接触用充填板11A(図2参照。)が紙面奥方向に向かって複数枚、所定の間隔をあけて立設することにより構成されている。なお、充填材1Bは、外気の導入方向が充填材Aと逆になるため、気液接触用充填板11Aの表面に形成された模様とは逆方向となるように設置されている。その他、図1の右側の構成において、左側の構成と同形状のものについては図番を省略する。
気液接触用充填板11Aは、上部から流下する処理水を気液接触用充填板の表面で拡散させるものである。気液接触用充填板は、処理水と外気の接触の効率を向上するという観点から、通常は板状であるが、角柱状などでもよい。気液接触用充填板は、一般的に硬質ポリ塩化ビニルに代表される合成樹脂や金属を原料として種々の形状に成形される。
また、気液接触用充填板11Aの上部には、水平方向に2つの吊穴(図示略)が形成されており、気液接触用充填板11Aは、当該孔に固定具を通して吊るした状態で塔本体(ケーシング)に収納される。
なお、間部5と水平面Hとのなす角(β)は、特に制限されないが、好ましくは、1~15°である。間部5と水平面Hとのなす角(β)を1°以上とすることにより、外気流通方向と逆方向に向かって処理水が流れる作用が生じる。一方、間部5と水平面Hとのなす角(β)を15°以下とすることにより、外気流通方向と逆方向に向かって処理水が流れる作用が強くなり過ぎず、気液接触用充填板11Aの表面の広範囲に処理水を拡散することができる。
また、第一実施態様のように、第1傾斜面と第2傾斜面の互いの端部を連結して筋状の処理水流通路としてもよいし、第1傾斜面と第2傾斜面の互いの端部を連結しなくてもよい。第1傾斜面と第2傾斜面の互いの端部を連結して筋状の処理水流通路とすることにより、処理水の流れを筋状の処理水流通路内に制御することができるため、処理水が第2傾斜面41を越流して、外気流通方向とは反対方向へ拡散する作用を向上するという効果を奏する。なお、処理水が第2傾斜面41を越流して、外気流通方向とは反対方向へ拡散する作用について、後述する。
α2がα1より小さいことから、本発明の気液接触用充填板11Aでは、処理水が外気流通方向と同方向側に流れるように傾斜する第2傾斜面41が水平面に対して緩やかに傾斜し、第2傾斜部4Aにおける処理水の流れ(F1)の流速も緩やかになる。一方で、処理水が外気流通方向とは逆方向側に流れるように傾斜する第1傾斜面31は、水平面に対して急な傾斜を形成するため、第1傾斜部3Aにおける処理水の流れ(F2)の流速は、第2傾斜部4Aにおける処理水の流れ(F1)と比べて速くなる。そうすると、第2傾斜部4Aにおける処理水流通路において処理水が溢れ、処理水の一部が第2傾斜面41を越流する(処理水の流れF3)。これにより、処理水が外気流通方向とは反対方向へ拡散する作用が生じ、側方から流通する外気により処理水の流れが屈曲することを抑制することができる。
図4に、第二の実施態様の気液接触用充填板11Bの概略説明図を示す。図4(A)は、クロスフロー型冷却塔に収納した状態の気液接触用充填板11Bの正面図である。図4(B)は、図4(A)の破線の円で示す領域の拡大図である。なお、以下に気液接触用充填板11Bの一方の表面の形状について説明するが、他方の表面(裏面)にも鏡像として同様の形状が形成されている。
また、第一の実施態様の気液接触用充填板11Aと同様に、第1傾斜部3Bの第1傾斜面32及び第2の傾斜部4Bは、複数の傾斜面が横方向に交互に連続して配置され、尾根部Rと谷部V(不図示)を形成する。
同様に、第2傾斜面42と水平面Hのなす角(α2)は、第2傾斜面42の領域の上端と下端を通る直線を、第2傾斜面42の仮想直線L2として測定する。
次に、気液接触用充填板の他の態様について例示する。図5又は図6に、本発明の気液接触用充填板のその他の態様について概略説明図を示す。なお、その他の態様については、拡大図のみを図示するが、気液接触用充填板の全領域に同様の形状が形成されている。
図5(B)の気液接触用充填板11Dは、第1傾斜面31と第2傾斜面41が非連結状態となるように、第1傾斜部3Aと第2傾斜部4Aが形成され、かつ、第1傾斜部3Aと第2傾斜部4Aとの間部5が一部重なる領域(網目模様で示した領域)を有する例である。
また、本発明のクロスフロー型冷却塔は、液体を冷却するための処理に利用することができる。具体的には、ビルの空調や冷暖房設備等の冷却水の冷却に利用することができる。
Claims (4)
- 上部から下部に向けて処理水が流下し、横方向に向けて外気が流通するクロスフロー型冷却塔に収納される気液接触用充填板であり、
前記気液接触用充填板の表面は、
上部から下部に向かって前記処理水が流下する際に、該処理水が外気流通方向と逆方向側に流れるように傾斜する第1傾斜面からなる第1傾斜部と、
上部から下部に向かって前記処理水が流下する際に、該処理水が外気流通方向に同方向側に流れるように傾斜する第2傾斜面からなる第2傾斜部と、を備え、
前記第2傾斜面と水平面のなす角(α2)は、前記第1傾斜板と水平面のなす角(α1)より小さいことを特徴とする、気液接触用充填板。 - 上部から下部に向けて処理水が流下し、横方向に向けて外気が流通するクロスフロー型冷却塔に収納される気液接触用充填板であり、
前記気液接触用充填板の表面は、
上部から下部に向かって前記処理水が流下する際に、該処理水が外気流通方向と逆方向側に流れるように傾斜する第1傾斜面からなる第1傾斜部と、
上部から下部に向かって前記処理水が流下する際に、該処理水が外気流通方向に同方向側に流れるように傾斜する第2傾斜面からなる第2傾斜部と、を備え、
前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部の間に形成される間部は、外気流通方向と逆方向に向けて下方に傾斜することを特徴とする、気液接触用充填板。 - 前記第1傾斜部において、前記第1傾斜面は、外気流通方向に沿って気液接触用充填板の表面の高さが上昇する方向に傾斜する第1a傾斜面と、外気流通方向に沿って気液接触用充填板の表面の高さが低下する方向に傾斜する第1b傾斜面と、からなり、
前記第1a傾斜面と前記第1b傾斜面は、横方向に交互に連続して配置され、尾根部と谷部を形成し、
前記第2傾斜部において、前記第2傾斜面は、外気流通方向に沿って気液接触用充填板の表面の高さが上昇する方向に傾斜する第2a傾斜面と、外気流通方向に沿って気液接触用充填板の表面の高さが低下する方向に傾斜する第2b傾斜面と、からなり、
前記第2a傾斜面と前記第2b傾斜面は、横方向に交互に連続して配置され、尾根部と谷部を形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載の気液接触用充填板。 - 上部から下部に向けて処理水が流下し、横方向に向けて外気が流通する気液接触用充填板を備えたクロスフロー型冷却塔であり、
前記気液接触用充填板の表面は、
上部から下部に向かって前記処理水が流下する際に、該処理水が外気流通方向と逆方向側に流れるように傾斜する第1傾斜面からなる第1傾斜部と、
上部から下部に向かって前記処理水が流下する際に、該処理水が外気流通方向に同方向側に流れるように傾斜する第2傾斜面からなる第2傾斜部と、を備え、
前記第2傾斜面と水平面のなす角(α2)は、前記第1傾斜面と水平面のなす角(α1)より小さいことを特徴とする、クロスフロー型冷却塔。
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