JP7168371B2 - 燃料電池車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池車両の制御装置に関する。
従来、駆動用モータの出力により走行可能な電気自動車として、燃料電池を搭載した燃料電池車両がある。燃料電池は、水素ガス等の燃料ガスと酸素ガス(空気)等の酸化剤ガスとを反応させて発電する発電機である。燃料電池により発電される電力は、駆動用モータに供給され、あるいは、二次電池に充電される。
ここで、燃料電池が発電する際には、水が生成される。燃料電池に発電させる電力の電流値が一定以上の大きさになると、排出可能な量を超える量の生成水が発生し、電極内の細孔やセパレータに形成されたガス流路を塞ぐフラッディングを生じる場合がある。フラッディングが発生すると、電極に担持された触媒が酸化して触媒活性が低下したり、酸化剤ガスあるいは燃料ガスの供給効率が低下したりして、拡散過電圧(濃度過電圧)と称される電圧低下を生じるおそれがある。このような拡散過電圧を生じ得る電流値は、燃料電池ごとに個体差がある。
これに対して、特許文献1には、低電流域での燃料電池の出力電圧値に基づいて高電流域で燃料電池の電圧降下が発生すると予測された場合に、設定されている目標電流値よりも小さい電流値に目標電流値を再設定する燃料電池システムが開示されている。
特開2017-27820号公報
しかしながら、拡散過電圧が生じると、電圧降下を生じる電流値よりも大きな電流を発生させることで、生成水の発生と排出のバランスがさらに低下し、燃料ガスの消費量に対する燃料電池の発電効率が低下するおそれがある。特許文献1に開示された燃料電池システムは、拡散過電圧による電圧降下を生じる電流値を特定するものではなく、電圧降下を生じる高電流域での使用を妨げるものではない。このため、燃料電池の運転状態によっては、燃料電池の発電効率が低下するおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、拡散過電圧に起因する電圧降下を生じる境界電流値を個体ごとに学習し、燃料電池の発電効率の低下を抑制可能な、新規かつ改良された燃料電池車両の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、燃料電池と、燃料電池から供給される電力によって駆動される駆動用モータと、を備えた燃料電池車両の制御装置であって、燃料電池の出力電流における拡散過電圧に起因する電圧降下が生じる境界電流値を、燃料電池の温度に相関する第1の状態値、及び、燃料電池に供給される酸素分圧に相関する第2の状態値とともに記憶させ、燃料電池により発電させる電力の電流値の上限である出力上限電流値の情報を境界電流値、第1の状態値及び第2の状態値に基づいて更新する学習制御部と、検出される第1の状態値及び第2の状態値に対応する出力上限電流値未満の領域で燃料電池の発電電力を制御する燃料電池制御部と、を備えた、燃料電池車両の制御装置が提供される。
学習制御部は、燃料電池の駆動制御中の電流増加速度(dI/dt)に対する電圧上昇速度(dV/dt)の比である電圧降下率(dV/dI)に基づいて境界電流値を学習してもよい。
学習制御部は、燃料電池の出力電流の増加速度が速いほど、電流増加速度(dI/dt)及び電圧上昇速度(dV/dt)を求める周期(dt)を短くしてもよい。
学習制御部は、第1の状態値が所定範囲にある場合、燃料電池の電流増加速度(dI/dt)が所定範囲にある場合、又は燃料電池の起動時からの経過時間が所定範囲にある場合の少なくとも1つの条件が成立している場合に、境界電流値を学習してもよい。
学習制御部は、直前の境界電流値の学習時以降、燃料電池の生成水の排出が進行したと推定される場合に、出力上限電流値を大きくしてもよい。
第1の状態値が、燃料電池に冷却水を循環させる冷却水回路における燃料電池の出口側の水温、燃料電池に供給される吸入空気の温度、又は外気温のうちのいずれかであってもよい。
第2の状態値が、燃料電池に供給される吸入空気の圧力であってもよい。
以上説明したように本発明によれば、拡散過電圧に起因する電圧降下を生じる境界電流値を燃料電池の個体ごとに学習し、燃料ガスの消費効率の低下を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る燃料電池車両のシステム構成例を示す模式図である。 同実施形態に係る燃料電池車両の制御装置の構成例を示すブロック図である。 燃料電池の電流-電圧特性を示す説明図である。 燃料電池の電圧降下率を示す説明図である。 酸素分圧と燃料電池温度と境界電流値との関係を示す説明図である 出力上限電流値のマップ情報の一例を示す図である。 同実施形態に係る制御装置による学習制御処理を示すフローチャートである。 同実施形態に係る制御装置による燃料電池車両の駆動制御処理を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.燃料電池車両のシステム構成例>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る燃料電池車両1のシステム構成例について説明する。図1は、燃料電池車両1のシステム構成例を示す模式図である。なお、燃料電池車両1のシステム構成は、図1に示した例に限られない。
燃料電池車両1は、水素タンク10、コンプレッサ20、燃料電池26、燃料電池冷却回路50、二次電池30、駆動用モータ40、駆動輪45、DCDCコンバータ60、インバータ70及び制御装置100を備える。
燃料電池車両1は、駆動用モータ40を動力源として車両の駆動トルクを生成する。駆動用モータ40は、燃料電池26及び二次電池30からの供給電力を用いて駆動される。
燃料電池(燃料電池スタック)26は、燃料ガスとしての水素ガスと酸化剤ガスとしての酸素ガス(空気)との反応により発電を行う燃料電池セルが複数層積層されて構成される。それぞれの燃料電池セルは、酸素ガスの供給を受けるカソード極と、水素ガスの供給を受けるアノード極と、二つの電極により挟持された電解質膜とを備える。電解質膜は、例えば固体高分子電解質膜により形成される。カソード極及びアノード極は、例えば多孔質のカーボン素材の基材に対して白金等の触媒が担持されて構成される。カソード極及びアノード極それぞれの電解質膜側の面とは反対側の面には、ガス拡散層が配置される。さらに、それぞれのガス拡散層に接して一対のセパレータが配置される。セパレータには、それぞれの電極に酸素ガス又は水素ガスを供給する酸素ガス流路及び水素ガス流路が形成される。
水素タンク10には、燃料電池26に供給される高圧水素が充填される。水素タンク10と燃料電池26とは水素流通路12を介して接続される。水素流通路12には、燃料電池26に供給される水素ガスの圧力を調節する水素圧力制御弁14が設けられる。水素圧力制御弁14は、水素流通路12に設けられた水素圧力センサ17により検出される圧力値が所望の圧力となるように制御装置100により制御される。
燃料電池26で使用されなかった水素ガスは、水素循環流路18及びエゼクタ16を介して燃料電池26の上流側の水素流通路12へ循環される。これにより、水素ガスの消費効率を向上させることができる。エゼクタ16は、制御装置100により制御される。燃料電池26の下流側にはパージ弁28が設けられる。パージ弁28は、制御装置100により制御され、水素流通路12に蓄積した不純物ガスや生成水を排出する。
コンプレッサ20は、酸素ガスとしての空気を取り込み、圧縮して燃料電池26に供給する。コンプレッサ20と燃料電池26とは空気流通路22を介して接続される。燃料電池26の下流側の空気流通路22には、空気圧力制御弁29が設けられる。空気圧力制御弁29は、空気流通路22に設けられた酸素圧力センサ24により検出される圧力が所望の値となるように制御装置100により制御される。燃料電池26に供給された空気は、各燃料電池セルを通過する際に水素ガスと反応する。余剰の空気、及び、反応により発生した水蒸気は、空気圧力制御弁29を介して排気される。
燃料電池26の電流出力経路には、電流センサ61及び電圧センサ63が備えられる。電流センサ61は、燃料電池26の出力電流を検出する。電圧センサ63は、燃料電池26の出力電圧を検出する。
燃料電池冷却回路50は、冷却水循環通路51、冷却水循環ポンプ53及び冷却器55を備える。冷却水循環通路51の一部は、燃料電池26内に配設される。冷却水循環ポンプ53は、制御装置100により制御され、冷却水循環通路51内に冷却水を循環させる。冷却水は、燃料電池26を通過する際に熱交換により燃料電池26の温度を低下させる。温度が上昇した冷却水は、ラジエータ等の冷却器55を通過することにより冷却される。燃料電池26の下流側の冷却水循環通路51には、冷却水温センサ57が設けられる。冷却水温センサ57は、燃料電池26の出口側の冷却水の温度(以下、「出口側冷却水温」ともいう。)を検出する。
駆動用モータ40は、電力供給によって駆動されて車両の駆動トルクを出力する。駆動用モータ40は、例えば三相交流式のモータであり、燃料電池26及び二次電池30からの供給電力を用いて駆動(力行駆動)されて駆動トルクを生成する。また、駆動用モータ40は、車両の減速時に回生駆動されて駆動輪45の回転力を電力に変換する発電機としての機能(回生機能)を有する。
インバータ70は、燃料電池26又は二次電池30から供給される直流電力を交流電力に変換して駆動用モータ40に供給する。また、インバータ70は、駆動用モータ40により回生発電された交流電力を直流電力に変換してDCDCコンバータ60側に供給する。インバータ70は、制御装置100により制御される。
二次電池30は、駆動用モータ40に対して供給される電力を蓄電する。二次電池30は、例えば200Vの電圧の電力を出力可能な電池であってよい。二次電池30としては、例えばリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池又は鉛蓄電池が用いられる。ただし、二次電池30は、これら以外の二次電池であってもよい。
二次電池30にはバッテリ管理装置(BMS:Battery Management System)35が設けられる。例えば、バッテリ管理装置35は、二次電池30の出力電圧(バッテリ電圧)Vb及び残存容量SOC等を算出し、これらの情報を示す信号を制御装置100に出力する。
DCDCコンバータ60は、二次電池30から供給される直流電圧を調節してインバータ70に出力する。また、DCDCコンバータ60は、燃料電池26で発電された直流電圧の少なくとも一部を取り出し、昇降圧して二次電池30を充電する。さらに、DCDCコンバータ60は、インバータ70により直流電圧に変換された駆動用モータ40の発電電力を昇降圧して二次電池30を充電する。DCDCコンバータ60は、制御装置100により制御される。
<2.制御装置の構成例>
次に、本実施形態に係る燃料電池車両の制御装置100の構成例について説明する。図2は、制御装置100の構成例を示すブロック図であり、制御装置100の機能構成のうち、燃料電池26の境界電流値Id0の学習制御及び駆動用モータ40の駆動制御に関連する部分を示している。
制御装置100は、主としてCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサと、ソフトウェアプログラムや制御パラメータ、取得した情報等を記憶する記憶装置とを備える。記憶装置は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含んでもよく、CD-ROMやストレージ装置等の他の記憶媒体を含んでもよい。
制御装置100は、モータ制御部101、コンバータ制御部103、燃料電池制御部105及び学習制御部107を備える。これらの各部は、プロセッサによるソフトウェアプログラムの実行により実現される機能であってよい。
なお、制御装置100の一部又は全部は、CPU又はMPUで構成される例以外に、ファームウェア等の更新可能なもので構成されていてもよい。あるいは、制御装置100の一部又は全部が、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
制御装置100には、二次電池30に設けられたバッテリ管理装置35から出力される信号が入力される。また、制御装置100には、水素圧力センサ17、酸素圧力センサ24、冷却水温センサ57、電流センサ61及び電圧センサ63からそれぞれ出力されるセンサ信号が入力される。この他、制御装置100には、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキセンサ及び車速を検出する車速センサからそれぞれ出力されるセンサ信号が入力される。
なお、図示した制御装置100は単体の制御装置として構成されているが、制御装置100は複数の制御装置が相互に通信可能に構成されたものであってもよい。
(モータ制御部)
モータ制御部101は、インバータ70を制御することにより、駆動用モータ40の動作を制御する。具体的に、モータ制御部101は、ドライバによりアクセルペダルが踏み込まれている場合、アクセル開度Acc及び車速Vの情報に基づいて車両の要求駆動力を算出する。モータ制御部101は、要求駆動力に基づいてインバータ70を制御し、燃料電池26あるいは二次電池30からの直流電力を交流電力に変換して駆動用モータ40に供給し、駆動用モータ40を力行駆動させる。燃料電池車両1が自動運転中の場合、要求駆動力は、自動運転をつかさどる制御装置により算出された値であってもよい。
また、モータ制御部101は、アクセルペダルが解放され、ブレーキペダルが踏み込まれている場合、ブレーキペダルの踏み込み量の情報に基づいて車両の要求制動力を算出する。モータ制御部101は、要求制動力に基づいてインバータ70を制御して駆動用モータ40を回生駆動させ、発電される交流電力を直流電力に変換してDCDCコンバータ60側に供給する。
(コンバータ制御部)
コンバータ制御部103は、DCDCコンバータ60を制御して、二次電池30の出力電力をインバータ70を介して駆動用モータ40に供給し、あるいは、燃料電池26の発電電力又は駆動用モータ40の回生電力を二次電池30に充電する。具体的に、コンバータ制御部103は、駆動用モータ40を力行駆動させる際に、車両の要求駆動力を生成可能な電力の一部又は全部を、二次電池30の最大出力以下の範囲内で二次電池30からインバータ70側に供給する。
燃料電池車両1が、主として二次電池30に充電する電力を発電する発電機として燃料電池26を利用する、いわゆる燃料電池レンジエクステンダ車両である場合、駆動用モータ40は、主として二次電池30の出力電力により駆動される。例えば、コンバータ制御部103は、二次電池30の残存容量SOCが所定値以上であり、車両の要求駆動力を生成可能な電力が二次電池30の最大出力以下の場合、当該電力を二次電池30からインバータ70側に供給する。また、コンバータ制御部103は、二次電池30の残存容量SOCが所定値以上であり、車両の要求駆動力を生成可能な電力が二次電池30の最大出力を超える場合、当該最大電力を二次電池30からインバータ70側に供給する。
また、コンバータ制御部103は、駆動用モータ40の回生駆動時に、インバータ70から供給される回生電力を昇降圧して二次電池30に充電する。さらに、コンバータ制御部103は、二次電池30の残存容量SOCが所定値未満の場合、燃料電池26の出力電力を取り出し、昇降圧して二次電池30に充電する。
(燃料電池制御部)
燃料電池制御部105は、燃料電池26による発電を制御する。具体的に、燃料電池制御部105は、目標発電電力に基づいて水素ガス及び空気の供給圧を制御し、燃料電池26に発電させる。例えば、二次電池30の残存容量SOCが所定値以上の場合、燃料電池制御部105は、車両の要求駆動力を生成可能な電力の一部又は全部を目標発電電力として燃料電池26による発電を制御する。この場合、燃料電池26から出力される電力は、インバータ70を介して駆動用モータ40に供給される。
なお、燃料電池車両1が、いわゆる燃料電池レンジエクステンダ車両である場合、燃料電池制御部105は、二次電池30の残存容量SOCが所定値以上の場合、車両の要求駆動力を生成可能な電力から、二次電池30による供給電力を引いた残りの電力を目標発電電力として燃料電池26による発電を制御する。
また、二次電池30の残存容量SOCが所定値未満の場合、燃料電池制御部105は、駆動用モータ40に供給する電力と二次電池30に充電する電力との和を目標発電電力として燃料電池26による発電を制御する。この場合、燃料電池26から出力される電力は、インバータ70を介して駆動用モータ40に供給されるとともに、DCDCコンバータ60により取り出されて二次電池30に充電される。
ただし、本実施形態に係る制御装置100においては、燃料電池26により発電させる電力の電流値の上限(以下、「出力上限電流値」ともいう。)が定められ、燃料電池制御部105は、出力上限電流値未満の領域で発電電力を制御する。出力上限電流値は、燃料電池26に拡散過電圧に起因する電圧降下を生じない値に設定される。
(学習制御部)
学習制御部107は、燃料電池26の出力電流I_fcにおける拡散過電圧に起因する電圧降下が生じる境界電流値Id0を学習する。また、学習制御部107は、境界電流値Id0の学習時の出口側冷却水温T_c及び吸入空気の圧力(以下、「給気過給圧」ともいう。)P_aに基づいて、出力上限電流値I_fc_maxを設定したマップ情報を更新する。ここで、出口側冷却水温T_cは、冷却水温センサ57により検出される値であって、本実施形態において、燃料電池26の温度に相関する第1の状態値として用いられる。また、給気過給圧P_aは、酸素圧力センサ24により検出される値であって、本実施形態において、燃料電池26に供給される酸素分圧に相関する第2の状態値として用いられる。
本実施形態においては、燃料電池26の温度に相関する第1の状態値として出口側冷却水温T_cを用い、酸素分圧に相関する第2の状態値として給気過給圧P_aを用いる例を説明するが、第1の状態値及び第2の状態値は、かかる例に限定されない。例えば、第1の状態値は、燃料電池26に供給される吸入空気の温度又は外気温等の燃料電池26の温度に相関する他の値であってもよい。また、第2の状態値は、酸素分圧に相関する他の値であってもよい。
ここで、燃料電池26の電流-電圧特性と出力電流が高い領域での電圧降下について説明する。図3は、燃料電池26の電流-電圧特性を示す説明図である。燃料電池26の出力電圧V_fcは、出力電流I_fcが増大するほど低下する。燃料電池26の電圧降下は、主として活性化過電圧、抵抗過電圧及び拡散過電圧に起因して発生する。活性化過電圧とは、カソード極における酸素の還元の際に消費される活性化エネルギによる電圧降下である。抵抗過電圧とは、燃料電池26の内部抵抗による電圧降下である。拡散過電圧とは、燃料電池26に供給される水分及び燃料電池26内での生成水によるガス拡散抵抗の増大に起因した電圧降下である。
燃料電池26の出力電流I_fcが低い領域では、活性化過電圧の影響を大きく受けて出力電圧V_fcが大きく降下する。燃料電池26の出力電流I_fcが高い領域では、拡散過電圧の影響を大きく受けて出力電圧V_fcが大きく降下する。出力電圧V_fcは、出力電流I_fcが高い領域で最小となる。
図4は、図3に示した電流-電圧特性における、燃料電池26の出力電流I_fcの増加率(dI/dt:以下、「電流増加速度」ともいう。)に対する出力電圧V_fcの上昇率(dV/dt:以下、「電圧上昇速度」ともいう。)の比である電圧降下率(dV/dI)を示す説明図である。電流増加速度dI/dtは正の値(dI/dt>0)であり、電圧上昇速度dV/dtは通常負の値(dV/dt<0)である。
燃料電池26の出力電流I_fcが低い領域と高い領域の間の中間領域においては、抵抗過電圧に起因する電圧降下により、電圧降下率dV/dIはほぼ一定の負の値となる。上述したように、燃料電池26の出力電流I_fcが低い領域においては、活性化過電圧に起因する電圧降下の影響が大きくなり、出力電流I_fcが小さくなるほど電圧降下率dV/dIが負側に大きくなる。また、燃料電池26の出力電流I_fcが高い領域においては、拡散過電圧に起因する電圧降下の影響が大きくなり、出力電流I_fcが大きくなるほど電圧降下率dV/dIが負側に大きくなる。
拡散過電圧が生じる出力電流I_fcが高い領域で燃料電池26により発電を行うと、燃料電池26内に蓄積される生成水の排出能力を上回る生成水が発生してガス拡散効率がさらに低下し、水素ガスの消費量に対する燃料電池26の発電効率が低下しやすくなる。このため、学習制御部107は、電圧降下率dV/dIが所定の閾値dV/dI_threを下回る出力電流I_fcを境界電流値Id0として学習する。閾値dV/dI_threは、燃料電池26の発電効率が著しく低くならないような境界電流値Id0を学習可能な値としてあらかじめ適切な値に設定される。
ただし、活性化過電圧による電圧降下により境界電流値Id0が学習されることのないように、学習制御部107は、出力電流I_fcが所定値I_fc_minを下回る領域では境界電流値Id0の学習を行わない。所定値I_fc_minは、活性化過電圧による電圧降下が発生する出力電流I_fcの範囲を上回る適切な値にあらかじめ設定される。
例えば、学習制御部107は、燃料電池車両1の走行中、燃料電池制御部105により燃料電池26による発電が制御される間、出力電流I_fcが増加する際の電流増加速度dI/dt及び電圧上昇速度dV/dtを取得する。電流増加速度dI/dt及び電圧上昇速度dV/dtは、酸素分圧及び燃料電池26の温度によって変化することから、学習制御部107は、電流増加速度dI/dt及び電圧上昇速度dV/dt取得時の給気過給圧P_a_X及び出口側冷却水温T_c_Xを併せて取得する。
学習制御部107は、電流増加速度dI/dtに対する電圧上昇速度dV/dtの比である電圧降下率dV/dIを求め、当該電圧降下率dV/dIが閾値dV/dI_threを下回った場合に拡散過電圧が発生したものと判断し、このときの出力電流値I_fcを、給気過給圧P_a_X及び出口側冷却水温T_c_Xの条件下での境界電流値Id0として記憶させる。学習制御部107は、得られた給気過給圧P_a_X、出口側冷却水温T_c_X及び境界電流値Id0に基づいて、給気過給圧P_a及び出口側冷却水温T_cに応じて設定される出力上限電流値Idのマップ情報を更新する。
図5は、酸素分圧P_oと燃料電池温度T_fcと境界電流値Id0との関係を示す説明図である。燃料電池温度T_fcが一定の場合、酸素分圧P_oが大きくなるにつれて境界電流値Id0は大きくなる。また、酸素分圧P_oが一定の場合、燃料電池温度T_fcが高くなるにつれて境界電流値Id0は大きくなる。このため、本実施形態においては、燃料電池26による発電を制御する際の出力上限電流値Idが、燃料電池温度T_fcに相関する第1の状態値としての出口側冷却水温T_cと、酸素分圧P_oに相関する第2の状態値としての給気過給圧P_aとに応じて設定される。
図6は、出力上限電流値Idのマップ情報を説明するための図である。本実施形態に係る制御装置100においては、出力上限電流値Idの基準値を設定した基本マップ情報が記憶装置に格納され、当該基本マップ情報が随時更新される。基本マップ情報において、出力上限電流値Idは、出口側冷却水温T_c及び給気過給圧P_aに応じて設定される。出口側冷却水温T_cが高くなるにつれて出力上限電流値Idは大きくなり、また、給気過給圧P_aが大きくなるにつれて出力上限電流値Idは大きくなる。つまり、給気過給圧P_aが1.0Pa未満で、出口側冷却水温T_cが-20℃未満の場合の出力上限電流値Id_aが最も小さい値であり、給気過給圧P_aが2.0Pa以上で、出口側冷却水温T_cが120℃以上の場合の出力上限電流値Id_cが最も大きい値である。
学習制御部107は、上記のとおり、得られた給気過給圧P_a_X、出口側冷却水温T_c_X及び境界電流値Id0に基づいてマップ情報を更新する。例えば、学習制御部107は、給気過給圧P_a_X及び出口側冷却水温T_c_Xに対応して設定されている出力上限電流値Idの値を、得られた境界電流値Id0から引いた差分の値を、マップ情報に設定されているすべての出力上限電流値Idに加算してもよい。あるいは、学習制御部107は、給気過給圧P_a_X及び出口側冷却水温T_c_Xに対応して設定されている出力上限電流値Idの値に対する、得られた境界電流値Id0の比を係数として、マップ情報に設定されているすべての出力上限電流値Idにかけてもよい。さらには、給気過給圧P_a_X及び出口側冷却水温T_c_Xに対応して設定されている出力上限電流値Idのみをその都度境界電流値Id0に更新してもよい。
このようにして更新される出力上限電流値Idは、燃料電池制御部105による燃料電池26の発電制御が行われる際の出力電流I_fcの上限値として参照される。このようにして燃料電池26の出力上限電流値Idを設定することにより、製造ばらつきや触媒を担持したカーボンの経年劣化等に起因する燃料電池26の個体差が生じる場合であっても、発電効率が高い領域で燃料電池26に発電させることができる。
境界電流値Id0の学習値の精度を向上させるために、学習制御部107は、所定の学習許可条件が成立した場合に、境界電流値Id0の学習を行ってもよい。例えば、燃料電池26の温度が高すぎる場合には、燃料電池26で生成された水分が蒸発しやすく拡散過電圧が発生しにくいために、学習される境界電流値Id0の精度が低下しやすい。また、燃料電池26の温度が低すぎる場合には、燃料電池26の触媒活性が不十分であり、学習される境界電流値Id0の精度が低下しやすい。また、電流増加速度dI/dtが小さい場合には、ノイズの影響が大きくなって、学習される境界電流値Id0の精度が低下しやすい。また、燃料電池26の起動時からの経過時間が短い場合には、燃料電池26の触媒活性が不十分であり、学習される境界電流値Id0の精度が低下しやすい。
したがって、学習制御部107は、出口側冷却水温T_c等の第1の状態値が所定範囲にあること、電流増加速度dI/dtが所定値以上であること、又は燃料電池26の起動時からの経過時間が所定値以上であることのうちの少なくとも一つの条件が成立した場合に、境界電流値Id0の学習を行ってもよい。
また、学習制御部107は、燃料電池の出力電流I_fcの増加速度が速いほど、電流増加速度dI/dt、電圧上昇速度dV/dt及び電圧降下率dV/dIを求める周期dtを短くしてもよい。これにより、出力電流I_fcが急激に増加する場合等には、短時間で電圧降下率dV/dIを学習することができるようになる。
また、学習制御部107は、境界電流値Id0が誤って小さい値に学習され、燃料電池26の使用可能領域が過度に狭くなることを防ぐために、所定の条件を満たした場合には、設定されている出力上限電流値Idに所定値ΔIdを加算して出力上限電流値Idを更新してもよい。この場合の条件は、出力上限電流値Id未満の範囲で燃料電池26の発電を制御することにより、燃料電池26内に溜まっていた生成水の大部分が排出されたと判定し得る条件であってよい。例えば、学習制御部107は、出力上限電流値Idを前回更新してから所定時間が経過した場合、設定されている出力上限電流値Idに所定値ΔIdを加算して出力上限電流値Idを更新してもよい。
<3.制御処理>
次に、本実施形態に係る燃料電池車両の制御装置100による制御処理動作について説明する。
(学習制御処理)
図7は、制御装置100による学習制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、制御装置100の学習制御部107は、燃料電池26の出力電流I_fc、出力電圧V_fc、給気過給圧P_a及び出口側冷却水温T_cを取得する(ステップS11)。例えば、学習制御部107は、所定サイクルごとに、燃料電池26の出力電流I_fc、出力電圧V_fc、給気過給圧P_a及び出口側冷却水温T_cを取得する
次いで、学習制御部107は、電流増加速度dI/dtを算出する(ステップS13)。電流増加速度dI/dtは、例えば、今回取得した出力電流I_fcの値から前回取得した値を引いた差分の値を、一サイクルの時間で割ることにより求められる。
次いで、学習制御部107は、学習許可条件が成立しているか否かを判別する(ステップS15)。学習許可条件は、取得した出力電流I_fcが上述した所定値I_fc_min以上であり、かつ、電流増加速度dI/dtが所定の正の値以上であることを含む。また、学習許可条件は、上述したように、出口側冷却水温T_c等の第1の状態値が所定範囲にあること又は燃料電池26の起動時からの経過時間が所定値以上であることのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
学習許可条件が成立していない場合(S15/No)、学習制御部107は、学習許可条件が成立するまでステップS11~S15の処理を繰り返す。学習許可条件が成立した場合(S15/Yes)、学習制御部107は、算出した電流増加速度dI/dtに対する電圧上昇速度dV/dtの比である電圧降下率dV/dIを算出する(ステップS17)。
次いで、学習制御部107は、算出した電圧降下率dV/dIが閾値dV/dI_threを下回っているか否かを判別する(ステップS21)。電圧降下率dV/dIが閾値dV/dI_threを下回っている場合(S21/Yes)、学習制御部107は、取得した出力電流I_fcを、同時刻に取得した給気過給圧P_a_X及び出口側冷却水温T_c_Xに対応する境界電流値Id0として学習する(ステップS23)。
次いで、学習制御部107は、取得した給気過給圧P_a_X及び出口側冷却水温T_c_X並びに学習した境界電流値Id0に基づいて、マップ情報の出力上限電流値Idを更新する(ステップS25)。これにより、学習制御部107は、今回のルーチンを終了してステップS11に戻る。上述のとおり、マップ情報には、給気過給圧P_a及び出口側冷却水温T_cに応じた出力上限電流値Idが設定されている。
例えば、学習制御部107は、給気過給圧P_a_X及び出口側冷却水温T_c_Xに対応して設定されている出力上限電流値Idの値を、得られた境界電流値Id0から引いた差分の値を、マップ情報に設定されているすべての出力上限電流値Idに加算してもよい。あるいは、学習制御部107は、給気過給圧P_a_X及び出口側冷却水温T_c_Xに対応して設定されている出力上限電流値Idの値に対する、得られた境界電流値Id0の比を係数として、マップ情報に設定されているすべての出力上限電流値Idにかけてもよい。さらには、給気過給圧P_a_X及び出口側冷却水温T_c_Xに対応して設定されている出力上限電流値Idのみをその都度境界電流値Id0に更新してもよい。
一方、上述のステップS21において、電圧降下率dV/dIが閾値dV/dI_thre以上の場合(S21/No)、学習制御部107は、燃料電池26の使用可能領域を拡大させるか否かを判別する(ステップS27)。例えば、学習制御部107は、前回出力上限電流値Idを更新してから所定時間が経過したか否かを判別する。使用可能領域を拡大させる必要がない場合(S27/No)、学習制御部107は、今回のルーチンを終了してステップS11に戻る。
使用可能領域を拡大させる場合(S27/Yes)、学習制御部107は、設定されている出力上限電流値Idにあらかじめ設定された所定値ΔIdを加算して、出力上限電流値Idを更新する(ステップS29)。これにより、燃料電池26の使用領域が拡大され、出力上限電流値Idが誤って小さく設定されて、燃料電池26の使用領域が狭くなっている状態を解消することができる。また、出力上限電流値Idが正しく設定されていた場合であっても、生成水の排水による使用可能領域の拡大を可能にすることができる。
学習制御部107は、出力上限電流値Idを更新した後、今回のルーチンを終了してステップS11に戻る。
学習制御部107は、かかる学習制御処理を繰り返し実行する。これにより、燃料電池26の個体差や劣化度合いを反映した出力上限電流値Idが設定され、発電効率が良好な出力電流I_fcの範囲内で燃料電池26による発電制御が可能になる。
(駆動制御処理)
図8は、制御装置100による燃料電池車両1の駆動制御処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す駆動制御処理の例は、燃料電池26による発電電力を主として使用しつつ、不足分を二次電池30により補う燃料電池車両1の駆動制御の例である。
まず、制御装置100のモータ制御部101は、車両の要求駆動力Tq_tgtを算出する(ステップS41)。例えば、モータ制御部101は、アクセル開度Acc及び車速Vの情報に基づいて要求駆動力Tq_tgtを算出する。車両が自動運転中の場合、モータ制御部101は、自動運転をつかさどる制御装置が算出した要求加速力及び車速の情報に基づいて要求駆動力Tq_tgtを算出してもよい。
次いで、制御装置100の燃料電池制御部105は、要求駆動力Tq_tgtを生成可能な電力を発電するための燃料電池26の目標発電電力に対応する出力電流の目標値I_fc_tgtを算出する(ステップS43)。
次いで、燃料電池制御部105は、冷却水温センサ57及び酸素圧力センサ24のセンサ信号に基づいて、出口側冷却水温T_c及び給気過給圧P_aを取得する(ステップS45)。次いで、燃料電池制御部105は、出力上限電流値Idを設定したマップ情報を参照し、出口側冷却水温T_c及び給気過給圧P_aに応じた出力上限電流値Idを求める(ステップS47)。
次いで、燃料電池制御部105は、出力電流の目標値I_fc_tgtが出力上限電流値Idを超える場合、出力電流の目標値I_fc_tgtを出力上限電流値Idに制限する(ステップS49)。次いで、燃料電池制御部105は、出力電流の目標値I_fc_tgtに対応する燃料電池26の出力電力Pe_fcを算出する(ステップS51)。
次いで、制御装置100は、駆動用モータ40の駆動を制御し、車両の駆動力を制御する(ステップS53)。具体的に、燃料電池制御部105は、出力電流の目標値I_fc_tgtにしたがって燃料電池26による発電を制御し、燃料電池26から電力(Pe_fc)を出力させる。また、燃料電池26の出力電力Pe_fcだけでは車両の要求駆動力Tq_tgtを生成可能な電力に不足が生じる場合、コンバータ制御部103は、DCDCコンバータ60を制御し、不足分の電力を二次電池30からインバータ70側に供給させる。モータ制御部101は、インバータ70を制御し、供給される直流電力を交流電力に変換して駆動用モータ40に供給し、駆動用モータ40を駆動させる。これにより、車両の要求駆動力Tq_tgtに見合った駆動力が生成され、車両の走行制御が行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置100は、拡散過電圧に起因する電圧降下を生じる境界電流値Id0を学習し、出口側冷却水温T_c及び給気過給圧P_aに応じて設定された出力上限電流値Idを更新する学習制御部107を備える。また、燃料電池制御部105は、出口側冷却水温T_c及び給気過給圧P_aを取得して、出口側冷却水温T_c及び給気過給圧P_aに対応する出力上限電流値Id未満の領域で燃料電池26の発電電力を制御する。このため、燃料電池26の発電効率が高い領域で燃料電池26による発電が制御される。
したがって、同量の水素ガスを用いて発電される電力量の低下が抑制され、燃料電池車両1の航続距離を長くすることができる。また、燃料電池26の生成水の排出能力を上回る過剰な量の生成水の発生が抑制され、燃料電池26の起動を停止させた後の掃気時間を短縮することができ、電力消費量を低減することができる。さらに、過剰な量の生成水の発生が抑制されることから、電極に担持された触媒の酸化が抑制され、触媒活性を高く維持することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100の学習制御部107は、燃料電池26による発電の制御中に電流増加速度dI/dtに対する電圧上昇速度dV/dtの比である電圧降下率dV/dIを求め、当該電圧降下率dV/dIに基づいて境界電流値Id0を算出する。このため、境界電流値Id0の学習のための発電制御を実行する必要がなく、また、境界電流値Id0の学習に要する時間を短くすることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100の学習制御部107は、境界電流値Id0の学習から所定時間が経過したときに、設定されている出力上限電流値Idに所定値ΔIdを加算して出力上限電流値Idを更新する。このため、燃料電池26の使用領域が拡大され、出力上限電流値Idが誤って小さく設定されて、燃料電池26の使用領域が狭くなっている状態を解消することができる。また、出力上限電流値Idが正しく設定されていた場合であっても、生成水の排水による使用可能領域の拡大を可能にすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、境界電流値Id0の学習方法は、電流増加速度dI/dtに対する電圧上昇速度dV/dtの比である電圧降下率dV/dIを求める例に限られない。例えば、燃料電池26による発電を制御する間に、出力電流I_fc及び出力電圧V_fcを所定サイクルごとあるいは不定期に取得してプロットし、出力電流I_fcが高い領域で電圧降下を生じる境界電流値Id0を特定してもよい。
また、上記実施形態において、燃料電池26による発電電力を主として使用しつつ、不足分を二次電池30により補う燃料電池車両1の駆動制御処理の例を説明したが、本発明はかかる例に限られない。二次電池30の供給電力を主として使用しつつ、不足分を燃料電池26の発電電力により補い、かつ、二次電池30の残存容量SOCが所定値未満になったときに燃料電池26の発電電力により二次電池30を充電する、いわゆる燃料電池レンジエクステンダ車両の駆動制御に本発明が適用されてもよい。
また、上記実施形態では、二次電池30を備えた燃料電池車両1を例に採って説明したが、本発明はかかる例に限られない。二次電池を備えず、駆動用モータが常時燃料電池の発電電力により駆動される燃料電池車両に本発明が適用されてもよい。
1 燃料電池車両
10 水素タンク
20 コンプレッサ
24 酸素圧力センサ
26 燃料電池
30 二次電池
40 駆動用モータ
50 燃料電池冷却水回路
57 冷却水温センサ
60 DCDCコンバータ
70 インバータ
100 制御装置
101 モータ制御部
103 コンバータ制御部
105 燃料電池制御部
107 学習制御部

Claims (7)

  1. 燃料電池と、前記燃料電池から供給される電力によって駆動される駆動用モータと、を備えた燃料電池車両の制御装置において、
    前記燃料電池の出力電流における拡散過電圧に起因する電圧降下が生じる境界電流値を、前記燃料電池の温度に相関する第1の状態値、及び、前記燃料電池に供給される酸素分圧に相関する第2の状態値とともに記憶させ、前記燃料電池により発電させる電力の電流値の上限である出力上限電流値の情報を前記境界電流値、前記第1の状態値及び前記第2の状態値に基づいて更新する学習制御部と、
    検出される前記第1の状態値及び前記第2の状態値に対応する出力上限電流値未満の領域で前記燃料電池の発電電力を制御する燃料電池制御部と、
    を備えた、燃料電池車両の制御装置。
  2. 前記学習制御部は、
    前記燃料電池の駆動制御中の電流増加速度(dI/dt)に対する電圧上昇速度(dV/dt)の比である電圧降下率(dV/dI)に基づいて前記境界電流値を学習する、
    請求項1に記載の燃料電池車両の制御装置。
  3. 前記学習制御部は、
    前記燃料電池の出力電流の増加速度が速いほど、前記電流増加速度(dI/dt)及び前記電圧上昇速度(dV/dt)を求める周期(dt)を短くする、
    請求項2に記載の燃料電池車両の制御装置。
  4. 前記学習制御部は、
    前記第1の状態値が所定範囲にある場合、前記燃料電池の電流増加速度(dI/dt)が所定値以上にある場合、又は前記燃料電池の起動時からの経過時間が所定範囲にある場合の少なくとも1つの条件が成立している場合に、前記境界電流値を学習する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の燃料電池車両の制御装置。
  5. 前記学習制御部は、
    直前の前記境界電流値の学習時以降、前記燃料電池の生成水の排出が進行したと推定される場合に、前記出力上限電流値を大きくする、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の燃料電池車両の制御装置。
  6. 前記第1の状態値が、
    前記燃料電池に冷却水を循環させる冷却水回路における前記燃料電池の出口側の水温、前記燃料電池に供給される吸入空気の温度、又は外気温のうちのいずれかである、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の燃料電池車両の制御装置。
  7. 前記第2の状態値が、
    前記燃料電池に供給される吸入空気の圧力である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の燃料電池車両の制御装置。
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