JP7167954B2 - 磁気センサ装置及びその製造方法、並びに回転動作機構 - Google Patents

磁気センサ装置及びその製造方法、並びに回転動作機構 Download PDF

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Description

本発明は、磁気センサ装置及び当該磁気センサ装置を製造する方法、並びに当該磁気センサ装置を用いた回転動作機構に関する。
従来、産業用ロボット等のアーム等の関節の動作を制御するために、当該関節の動作による磁界の変化を検出可能な磁気センサ装置が用いられている。このような産業用ロボット等のアーム等の関節に用いられる、相互に直交する3軸(X軸、Y軸及びZ軸)方位の磁界成分を検出するために用いられる磁気センサ装置1’としては、図15に示すように、基板2’の上面21’に設けられたX軸用磁気センサ素子31’と、基板2’の上面21’側に形成された第1傾斜面23’に設けられたY軸用磁気センサ素子32’と、基板2’の上面21’側に形成された第2傾斜面24’に設けられたZ軸用磁気センサ素子33’との3つの磁気センサ素子を有するものが知られている。
この磁気センサ装置1’において、X軸用磁気センサ素子31’は、基板2’の上面21’に平行なX方向の磁界成分Hを検出するために設けられ、Y軸用磁気センサ素子32’は、基板2’の上面21’に平行、かつX方向に直交するY方向の磁界成分Hを検出するために設けられ、Z軸用磁気センサ素子33’は、基板2’の上面21’に直交するZ方向の磁界線分Hを検出するために設けられる。しかしながら、基板2’の第1傾斜面23’に設けられたY軸用磁気センサ素子32’は、第1傾斜面23’の傾斜角度θでY軸に対して傾斜するY’軸方向の磁界成分HY’に対応する信号SY’を出力し、基板2’の第2傾斜面24’に設けられたZ軸用磁気センサ素子33’は、第2傾斜面24’の傾斜角度θでZ軸に対して傾斜するZ’軸方向の磁界成分HZ’に対応する信号SZ’を出力することになる。そのため、磁気センサ装置1’は、Y軸用磁気センサ素子32’から出力されるY’軸方向の磁界成分HY’に対応する信号SY’を、幾何学的な演算によりY方向の磁界成分Hに対応する信号Sに変換し、Z軸用磁気センサ素子33’から出力されるZ’軸方向の磁界成分HZ’に対応する信号SZ’を、幾何学的な演算によりZ方向の磁界成分Hに応じた信号Sに変換する座標系変換部を備えている。これにより、磁気センサ装置1’は、相互に直交するX軸、Y軸及びZ方向の磁界成分を検出することができる。
特開2004-12156号公報
図15に示す磁気センサ装置において、座標系変換部は、第1傾斜面23’及び第2傾斜面24’の傾斜角度θの設計上の角度を用い、Y’軸方向の磁界成分HY’に対応する信号SY’及びZ’軸方向の磁界成分HZ’に対応する信号SZ’を、下記式によりY方向の磁界成分Hに対応する信号S及びZ方向の磁界成分Hに対応する信号Sに変換している。
=(SY’-SZ’)/2cosθ
=(SY’+SZ’)/2sinθ
第1傾斜面23’及び第2傾斜面24’は、基板2’の上面21’のエッチング等により形成される。そのため、第1傾斜面23’及び第2傾斜面24’の傾斜角度θは、それらの設計上の角度に対するばらつきを有する。その結果、座標系変換部により変換されたY方向の磁界成分Hに対応する信号S及びZ方向の磁界成分Hに対応する信号Sにもばらつきが生じてしまい、磁気センサ装置1’の磁界検出精度を低下させてしまうという問題がある。
上記課題に鑑みて、本発明は、3軸方位の磁界を高精度に検出可能な磁気センサ装置及びその製造方法、並びに回転動作機構を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面、並びに前記第1面に対して傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面と、第1軸方向の磁気を検出するための第1磁気センサ部と、第2軸方向の磁気を検出するための第2磁気センサ部と、第3軸方向の磁気を検出するための第3磁気センサ部と、前記第1磁気センサ部から出力される第1センサ信号S、前記第2磁気センサ部から出力される第2センサ信号S及び前記第3磁気センサ部から出力される第3センサ信号Sに基づいて信号処理を行う信号処理部とを備え、前記第1軸方向は、前記第1面に直交する方向であり、前記第2軸方向及び前記第3軸方向は、前記第1面上において相互に直交する方向であり、前記第1磁気センサ部は、前記第1傾斜面に設けられており、前記第2磁気センサ部は、前記第2傾斜面に設けられており、前記信号処理部は、前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θに応じて前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正した第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成する補正信号生成部を有することを特徴とする磁気センサ装置を提供する。
前記補正信号生成部は、下記式(1)により前記第1センサ信号Sを補正して前記第1補正信号SC1を生成するとともに、下記式(2)により前記第2センサ信号Sを補正して前記第2補正信号SC2を生成すればよい。
Figure 0007167954000001
Figure 0007167954000002
上記式(1)及び式(2)において、SC1は「第1補正信号」を、SC2は「第2補正信号」を、Sは「第1センサ信号」を、Sは「第2センサ信号」を、θは「第1傾斜面の傾斜角度」を、θは「第2傾斜面の傾斜角度」を表す。
前記第1傾斜面の傾斜角度θは、前記第1軸方向の第1磁場H11を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-11と、前記第1軸方向の第2磁場H12を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-12と、前記第2軸方向の第1磁場H21を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-21と、前記第2軸方向の第2磁場H22を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-22とを用いて、下記式(3)により算出される角度であり、前記第2傾斜面の傾斜角度θは、前記第1軸方向の前記第1磁場H11を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-11と、前記第1軸方向の前記第2磁場H12を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-12と、前記第2軸方向の前記第1磁場H21を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-21と、前記第2軸方向の前記第2磁場H22を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-22とを用いて、下記式(4)により算出される角度であり、前記第1軸方向の前記第1磁場H11と前記第1軸方向の前記第2磁場H12とは、互いに異なる磁場強度を有し、前記第2軸方向の前記第2磁場H21と前記第2軸方向の前記第2磁場H22とは、互いに異なる磁場強度を有していればよい。
Figure 0007167954000003
Figure 0007167954000004
前記信号処理部は、前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正して前記第1補正信号SC1及び前記第2補正信号SC2を生成するための下記行列式(5)に示す補正係数Fを記憶する記憶部をさらに有し、前記補正信号生成部は、下記行列式(7)により前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正して前記第1補正信号SC1及び前記第2補正信号SC2を生成すればよい。
Figure 0007167954000005
Figure 0007167954000006

上記行列式(5)において、Fは「補正係数」を、θは「第1傾斜面の傾斜角度」を、θは「第2傾斜面の傾斜角度」を表し、上記行列式(7)において、SC1は「第1補正信号」を、SC2は「第2補正信号」を、Sは「第1センサ信号」を、Sは「第2センサ信号」を表し、F-1はFの逆行列である。
前記第1磁気センサ部は、第1磁気抵抗効果素子を含み、前記第2磁気センサ部は、第2磁気抵抗効果素子を含み、前記第3磁気センサ部は、第3磁気抵抗効果素子を含んでいればよく、前記第1~第3磁気抵抗効果素子が、GMR素子又はTMR素子であればよく、前記第1面、前記第2面、前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面を有する基部と、前記基部、前記第1~第3磁気センサ部及び前記信号処理部を一体的に封止する封止部とをさらに備えていてもよい。
本発明は、互いに相対的に回転する第1部材及び第2部材と、上記磁気センサ装置と
を備え、前記磁気センサ装置は、前記第1部材と一体に回転可能に前記第1部材に設けられていることを特徴とする回転動作機構を提供する。
上記回転動作機構は、磁界発生部をさらに備え、前記磁界発生部は、前記第2部材と一体に回転可能に前記第2部材に設けられていてもよい。
本発明は、磁気センサ装置を製造する方法であって、前記磁気センサ装置は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面、並びに前記第1面に対して傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面を有する基部と、第1軸方向の磁気を検出するための第1磁気センサ部と、第2軸方向の磁気を検出するための第2磁気センサ部と、第3軸方向の磁気を検出するための第3磁気センサ部と、前記第1磁気センサ部から出力される第1センサ信号S、前記第2磁気センサ部から出力される第2センサ信号S及び前記第3磁気センサ部から出力される第3センサ信号Sに基づいて信号処理を行う信号処理部とを備え、前記第1軸方向は、前記第1面に直交する方向であり、前記第2軸方向及び前記第3軸方向は、前記第1面上において相互に直交する方向であり、前記第1磁気センサ部は、前記第1傾斜面に設けられており、前記第2磁気センサ部は、前記第2傾斜面に設けられており、前記信号処理部は、前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θに応じて前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正した第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成する補正信号生成部を有し、前記磁気センサ装置の製造方法は、前記基部を準備する第1工程と、前記基部の前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面のそれぞれに、前記第1磁気センサ部及び前記第2磁気センサ部のそれぞれを設ける第2工程と、前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θを求める第3工程と、前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θに応じて前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正した第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成するための補正係数を求める第4工程とを含むことを特徴とする磁気センサ装置の製造方法を提供する。
前記第4工程において、下記行列式(5)に示す前記補正係数を求めることができる。
Figure 0007167954000007

上記行列式(5)において、Fは「補正係数」を表すものとする。
前記信号処理部は、前記補正係数を記憶する記憶部をさらに有し、前記磁気センサ装置の製造方法は、前記第4工程において求められた前記補正係数を前記記憶部に記憶させる第5工程をさらに含んでいてもよい。
前記第3工程は、前記第2工程において前記第1傾斜面に設けられた前記第1磁気センサ部に、前記第1軸方向の第1磁場H11及び第2磁場H12、並びに前記第2軸方向の第1磁場H21及び第2磁場H22をそれぞれ印加する工程と、前記第2工程において前記第2傾斜面に設けられた前記第2磁気センサ部に、前記第1軸方向の第1磁場H11及び第2磁場H12、並びに前記第2軸方向の第1磁場H21及び第2磁場H22をそれぞれ印加する工程と、前記第1軸方向の前記第1磁場H11の印加により前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-11、前記第1軸方向の前記第2磁場H12の印加により前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-12、前記第2軸方向の前記第1磁場H21の印加により前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-21及び前記第2軸方向の前記第2磁場H22の印加により前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-22を用いて、下記式(3)により前記第1傾斜面の傾斜角度θを算出する工程と、前記第1軸方向の前記第1磁場H11の印加により前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-11、前記第1軸方向の前記第2磁場H12の印加により前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-12、前記第2軸方向の前記第1磁場H21の印加により前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-21及び前記第2軸方向の前記第2磁場H22の印加により前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-22を用いて、下記式(4)により前記第2傾斜面の傾斜角度θを算出する工程とを含み、前記第1軸方向の前記第1磁場H11と前記第1軸方向の前記第2磁場H12とは、互いに異なる磁場強度を有し、前記第2軸方向の前記第2磁場H21と前記第2軸方向の前記第2磁場H22とは、互いに異なる磁場強度を有していればよい。
Figure 0007167954000008
Figure 0007167954000009
本発明によれば、3軸方位の磁界を高精度に検出可能な磁気センサ装置及びその製造方法、並びに回転動作機構を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る磁気センサ装置を用いた関節機構の概略構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る磁気センサ装置を用いた関節機構の概略構成を示す断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る磁気センサ装置を用いた関節機構における基準座標系を説明するための図面である。 図4は、本発明の一実施形態に係る磁気センサ装置の概略構成を示す斜視図である。 図5は、本発明の一実施形態における磁気抵抗効果素子の一例の概略構成を示す斜視図である。 図6は、本発明の一実施形態における磁気抵抗効果素子の他の例の概略構成を示す斜視図である。 図7は、図6に示す磁気抵抗効果素子の概略構成を示す部分拡大斜視図である。 図8は、図6に示す磁気抵抗効果素子の概略構成を示す断面図である。 図9は、本発明の一実施形態におけるX軸用磁気センサ部の感磁方向と印加磁場の方向との関係を説明するための説明図である。 図10は、本発明の一実施形態におけるY軸用磁気センサ部の感磁方向と印加磁場の方向との関係を説明するための説明図である。 図11は、本発明の一実施形態におけるZ軸用磁気センサ部の感磁方向と印加磁場の方向との関係を説明するための説明図である。 図12は、本発明の一実施形態におけるX軸用磁気センサ部、Y軸用磁気センサ部及びZ軸用磁気センサ部の回路構成を示す回路図である。 図13は、本発明の一実施形態に係る磁気センサ装置の信号処理部の概略構成を示すブロック図である。 図14Aは、本発明の一実施形態におけるY軸用磁気センサ部にY方向の磁場が印加されたときにY軸用磁気センサ部から出力される信号とそれに対応するY方向の磁場を示す磁気ベクトルとの関係を説明するための説明図である。 図14Bは、本発明の一実施形態におけるY軸用磁気センサ部にZ方向の磁場が印加されたときにY軸用磁気センサ部から出力される信号とそれに対応するZ方向の磁場を示す磁気ベクトルとの関係を説明するための説明図である。 図14Cは、本発明の一実施形態におけるZ軸用磁気センサ部にY方向の磁場が印加されたときにZ軸用磁気センサ部から出力される信号とそれに対応するY方向の磁場を示す磁気ベクトルとの関係を説明するための説明図である。 図14Dは、本発明の一実施形態におけるZ軸用磁気センサ部にZ方向の磁場が印加されたときにZ軸用磁気センサ部から出力される信号とそれに対応するZ方向の磁場を示す磁気ベクトルとの関係を説明するための説明図である。 図15は、従来の磁気センサ装置の概略構成を示す斜視図である。
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る磁気センサ装置を用いた関節機構の概略構成を示す斜視図であり、図2は、本実施形態に係る磁気センサ装置を用いた関節機構の概略構成を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態における関節機構100は、第1部材110と、第2部材120と、磁気センサ装置1と、磁界発生部130とを含む。磁気センサ装置1の具体的構成等については、後述する。
第1部材110は、第1軸部111と、第1軸部111の長手方向の一端に連結された球状部112とを有する。球状部112は、凸球面113を含む球面を有し、球面のうちの凸球面113以外の部分は、第1軸部111と球状部112との境界部分である。
第2部材120は、第2軸部121と、第2軸部121の長手方向の一端に連結された受け部122とを有する。受け部122は、凹球面123を含む。
第1部材110及び第2部材120は、球状部112が受け部122に嵌まり込んだ姿勢で、第1部材110の第1軸部111の軸線A1と第2部材120の第2軸部121の軸線A2とを同一直線上に位置させ得るように、互いの位置関係が変化可能に連結されている。受け部122のサイズは、球状部112のサイズと同一又はそれよりもわずかに大きければよい。凸球面113と凹球面123とは、接触していてもよいし、潤滑剤等を間に挟むようにして互いに対向していてもよい。本実施形態における関節機構100は、半球状の関節頭及び関節窩を有する球関節であり、第1部材110の第1軸部111の軸線A1周り及び第2部材120の第2軸部121の軸線A2周りに互いに回転可能、かつ、球状部112及び受け部122を支点として、第1部材110の第1軸部111の軸線A1及び第2部材120の第2軸部121の軸線A2のなす角度を変化させ得るように回転可能な回転動作機構であるということができる。
なお、本実施形態における回転動作機構は、上記関節機構100に限定されるものではない。回転動作機構は、例えば、磁気センサ装置1を内蔵するレバーと、このレバーを揺動可能に支持し、磁界発生部130を内蔵する支持部とを含み、磁気センサ装置1に対する磁界発生部130の相対的な位置が所定の球面に沿って変化するジョイスティックであってもよい。
また、回転動作機構は、例えば、磁気センサ装置1を内蔵するボールと、このボールを回転可能に支持し、磁界発生部130を内蔵する支持部とを含み、磁気センサ装置1に対する磁界発生部130の相対的な位置が所定の球面に沿って変化するトラックボールであってもよい。
本実施形態における関節機構100において、磁気センサ装置1は、凸球面113から突出しないように第1部材110の球状部112に内蔵されており、磁界発生部130は、凹球面123から突出しないように第2部材120の受け部122に内蔵されている。磁界発生部130は、所定の磁界を発生するものであればよく、例えば、磁石であればよい。磁界発生部130が発生する磁界は、基準位置における互いに異なる3つの磁界成分を含む。磁気センサ装置1は、磁界発生部130との間の相対的な位置を検出する。磁気センサ装置1は、磁界発生部130が発生する磁界に含まれる3つの磁界成分に対応する第1センサ信号S、第2センサ信号S及び第3センサ信号Sを出力する。
ここで、本実施形態に係る磁気センサ装置1と磁界発生部130との相対的位置関係は、基準座標系により説明され得る。図3に示すように、基準座標系は、磁気センサ装置1を基準とした座標系であって、第1センサ信号S、第2センサ信号S及び第3センサ信号Sの値を表すための3つの軸によって定義された直交座標系である。基準座標系においては、X方向、Y方向及びZ方向が定義されている。X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交する方向である。X方向の反対方向が-X方向、Y方向の反対方向が-Y方向、Z方向の反対方向が-Z方向と定義される。
磁気センサ装置1は、磁界発生部130から発生する基準位置における互いに異なる3つの磁界成分に対応して第1センサ信号S、第2センサ信号S及び第3センサ信号Sを出力する。3つの磁界成分は、X方向に平行な磁界成分H、Y方向に平行な磁界成分H及びZ方向に平行な磁界成分Hであり、X方向に平行な磁界成分Hに対応して第3センサ信号Sが出力され、Y方向に平行な磁界成分Hに対応して第1センサ信号Sが出力され、Z方向に平行な磁界成分Hに対応して第2センサ信号Sが出力される。
基準座標系において、磁気センサ装置1の位置は変化しない。磁気センサ装置1に対する磁界発生部130の相対的な位置が変化すると、基準座標系における磁界発生部130の位置が所定の球面に沿って変化する。すなわち、関節機構100において、第1部材110及び第2部材120が互いに相対的に回転移動すると、基準座標系における磁界発生部130の位置が所定の球面に沿って変化することになる。
図4に示すように、本実施形態に係る磁気センサ装置1は、第1面21及び第1面21のZ方向における反対側に位置する第2面22を有する基部2と、X方向の磁気を検出するためのX軸用磁気センサ部31と、Y方向の磁気を検出するためのY軸用磁気センサ部32と、Z方向の磁気を検出するためのZ軸用磁気センサ部33と、X軸用磁気センサ部31、Y軸用磁気センサ部32及びZ軸用磁気センサ部33のそれぞれからの出力信号に基づいて信号処理を行う信号処理部4(図13参照)と、基部2、X軸用磁気センサ部31、Y軸用磁気センサ部32、Z軸用磁気センサ部33及び信号処理部4を一体的に封止する封止樹脂により構成される封止部(図示を省略)とを備える。X方向及びY方向は、基部2の第1面21上において互いに直交する方向であり、Z方向は、X方向及びY方向を含む基部2の第1面21に直交する方向である。X方向、Y方向及びZ方向は、それぞれ、上記基準座標系(図3参照)におけるX方向、Y方向及びZ方向に相当する。
基部2の第1面21には、Y方向において互いに対向する第1傾斜面23及び第2傾斜面24が形成されている。第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θは、それぞれ、理想的な角度(磁気センサ装置1における設計上の角度)に対するばらつきを有する。第1傾斜面23及び第2傾斜面24は、基部2を構成する基板に対するエッチング等により形成される。そのため、当該傾斜角度θ,θのばらつきは、第1傾斜面23及び第2傾斜面24の形成時におけるエッチング等の処理条件のばらつきに依存するものであって、特に限定されるものではない。当該傾斜角度θ,θのばらつきは、例えば、理想的な角度(磁気センサ装置1における設計上の角度)に対して±3.0degの範囲内程度である。
基部2は、例えば、シリコンウェハ等の半導体基板;AlTiC基板、アルミナ基板等のセラミック基板;樹脂基板;ガラス基板等であればよい。基部2を構成する材料の種類に応じ、少なくとも基部2の第1面21、第1傾斜面23及び第2傾斜面24上にAl等を含む絶縁層が設けられていてもよい。
X軸用磁気センサ部31、Y軸用磁気センサ部32及びZ軸用磁気センサ部33は、いずれも磁気抵抗効果素子5を含む。図5及び図6に示すように、磁気抵抗効果素子5は、いずれもGMR素子又はTMR素子であり、磁気抵抗効果積層体50と、磁気抵抗効果積層体50に電気的に接続される第1リード電極61及び第2リード電極62とを備える。
第1リード電極61及び第2リード電極62は、例えば、Cu、Al、Au、Ta、Ti等のうちの1種の導電材料又は2種以上の導電材料の複合膜により構成され、その厚さは、それぞれ0.3~2.0μm程度である。
一般に、磁気抵抗効果素子5としてのGMR素子は、相対的に低い素子抵抗値を有する。そのため、磁気センサ装置1から所定の強度の信号を出力させるために、磁気抵抗効果素子5の線幅が細く、線長が長いのが好ましい。基部2の第1面21、第1傾斜面23又は第2傾斜面24における限られた領域内において磁気抵抗効果素子5の線幅を細くし、線長を長くするために、磁気抵抗効果素子5は、ミアンダ状に構成されるのが好ましい。
また、一般に、磁気抵抗効果素子5としてのTMR素子は、相対的に高い素子抵抗値を有する。そのため、多数のTMR素子を直列に接続することで、高耐電圧性能を実現することができるとともに、磁気センサ装置1から所定の強度の信号を出力させることができる。基部2の第1面21、第1傾斜面23又は第2傾斜面24における限られた領域内において多数の磁気抵抗効果素子5を直列に接続するために、磁気抵抗効果素子5は、ミアンダ状に直列に接続されるのが好ましい。
ミアンダ状に構成される磁気抵抗効果素子5は、その全体が磁気抵抗効果積層体50により構成され、ミアンダ状の磁気抵抗効果積層体50の両端部に第1リード電極61及び第2リード電極62がそれぞれ接続されていてもよいし(図5参照)、平面視円形状の複数の磁気抵抗効果積層体50が複数の第1リード電極61及び第2リード電極62を介してミアンダ状に直列に接続された構成を有していてもよい(図6参照)。なお、磁気抵抗効果積層体60の形状は、平面視円形状に限らず、平面視長円状(図7参照)、平面視矩形状等であってもよい。
図6及び図7に示す磁気抵抗効果素子5において、複数の第1リード電極61は、基部2の第1面21、第1傾斜面23及び第2傾斜面24上に設けられている。複数の第1リード電極61は、それぞれ細長い略長方形状を有しており、アレイ状に配列された複数の磁気抵抗効果積層体50の電気的な直列方向において隣接する2つの第1リード電極61の間に所定の隙間を有するように設けられている。第1リード電極61の長手方向の両端近傍のそれぞれに、磁気抵抗効果積層体50が設けられている。すなわち、複数の第1リード電極61上には、それぞれ、2つの磁気抵抗効果積層体50が設けられている。
図6及び図7に示す磁気抵抗効果素子5において、複数の第2リード電極62は、複数の磁気抵抗効果積層体50上に設けられている。各第2リード電極62は、細長い略長方形状を有する。第2リード電極62は、アレイ状に配列された複数の磁気抵抗効果積層体50の電気的な直列方向において隣接する2つの第2リード電極62の間に所定の隙間を有するように、かつ複数の磁気抵抗効果積層体50をミアンダ状に直列に接続するように配置され、隣接する2つの磁気抵抗効果積層体50の反強磁性層54(図8参照)同士を電気的に接続する。
図8に示すように、磁気抵抗効果積層体50は、第1リード電極61側から順に積層された自由層51、非磁性層52、磁化固定層53及び反強磁性層54を含む。自由層51は、第1リード電極61に電気的に接続されている。反強磁性層54は、反強磁性材料により構成され、磁化固定層53との間で交換結合を生じさせることで、磁化固定層53の磁化の方向を固定する役割を果たす。なお、磁気抵抗効果積層体50は、第2リード電極62側から順に自由層51、非磁性層52、磁化固定層53及び反強磁性層54が積層されてなる構成を有していてもよい。また、磁化固定層53を、強磁性層/非磁性中間層/強磁性層の積層フェリ構造とし、両強磁性層を反強磁性的に結合させてなる、いわゆるセルフピン止め型の固定層(Synthetic Ferri Pinned層,SFP層)とすることで、反強磁性層54が省略されていてもよい。なお、本実施形態における磁気抵抗効果積層体50は、自由層51と第1リード電極61との間に位置する下地層を含んでいてもよいし、反強磁性層54と第2リード電極62との間に位置するキャップ層を含んでいてもよい。
TMR素子においては、非磁性層52はトンネルバリア層である。GMR素子においては、非磁性層52は非磁性導電層である。磁気抵抗効果素子5(TMR素子、GMR素子)において、自由層51の磁化の方向が磁化固定層53の磁化の方向に対してなす角度に応じて抵抗値が変化し、この角度が0°(互いの磁化方向が平行)のときに抵抗値が最小となり、180°(互いの磁化方向が反平行)のときに抵抗値が最大となる。磁気抵抗効果素子5において、自由層51の磁化容易軸方向は、磁化固定層53の磁化の方向に直交する方向である。
本実施形態において、X軸用磁気センサ部31に含まれるX軸用磁気抵抗効果素子5の磁化固定層53の磁化方向は、基部2の第1面21(X軸用磁気抵抗効果素子5の膜面)と平行な方向に固定されている。Y軸用磁気センサ部32に含まれるY軸用磁気抵抗効果素子5の磁化固定層53の磁化方向は、基部2の第1傾斜面23(Y軸用磁気抵抗効果素子5の膜面)と平行な方向に固定されている。Z軸用磁気センサ部33に含まれるZ軸用磁気抵抗効果素子5の磁化固定層53の磁化方向は、基部2の第2傾斜面24(Z軸用磁気抵抗効果素子5の膜面)と平行な方向に固定されている。
基部2の第1面21に設けられているX軸用磁気センサ部31の感磁方向は、X方向である。そのため、X軸用磁気センサ部31の磁気抵抗効果素子5は、X方向の磁場を示す磁気ベクトルVに応じた抵抗値変化を示し、X軸用磁気センサ部31からはその抵抗値変化に対応する信号が出力される(図9参照)。
一方、第1傾斜面23に設けられているY軸用磁気センサ部32の感磁方向は、Y方向に対して第1傾斜面23の傾斜角度θで傾斜したY’方向であり、第2傾斜面24に設けられているZ軸用磁気センサ部33の感磁方向は、Z方向に対して第2傾斜面24の傾斜角度θで傾斜したZ’方向である。そのため、Y軸用磁気センサ部32の磁気抵抗効果素子5は、Y方向の磁場を示す磁気ベクトルVが第1傾斜面23に射影された「Y’方向の磁気ベクトルVY’」に応じた抵抗値変化を示し、Y軸用磁気センサ部32からはその抵抗値変化に対応する信号が出力される(図10参照)。
また、Z軸用磁気センサ部33の磁気抵抗効果素子5は、Z方向の磁場を示す磁気ベクトルVが第2傾斜面24に射影された「Z’方向の磁気ベクトルVZ’」に応じた抵抗値変化を示し、Z軸用磁気センサ部33からはその抵抗値変化に対応する信号が出力される。
したがって、Y軸用磁気センサ部32からの出力信号及びZ軸用磁気センサ部33からの出力信号がY方向の磁場に対応する信号及びZ方向の磁場に対応する信号であるものとして信号処理部4にて信号処理が行われてしまうと、信号処理結果に誤差が生じてしまうことになる。本実施形態においては、後述するように、信号処理部4にて、Y軸用磁気センサ部32からの出力信号及びZ軸用磁気センサ部33からの出力信号を補正して補正信号が生成され、当該補正信号を用いた信号処理が行われるため、信号処理結果に大きな誤差が生じることなく、3軸方位(X軸、Y軸及びZ軸)の磁界を高精度に検出することができる。
本実施形態におけるX軸用磁気センサ部31、Y軸用磁気センサ部32及びZ軸用磁気センサ部33の回路構成は、第1抵抗部R1、第2抵抗部R2、第3抵抗部R3及び第4抵抗部R4の4つの抵抗部をブリッジ接続してなるホイートストンブリッジ回路であればよい(図12参照)。なお、X軸用磁気センサ部31、Y軸用磁気センサ部32及びZ軸用磁気センサ部33の回路構成は、第1抵抗部R1及び第2抵抗部R2の2つの抵抗部を直列に接続してなるハーフブリッジ回路であってもよい。
ホイートストンブリッジ回路は、電源ポートV1と、グランドポートG1と、第1出力ポートE1と、第2出力ポートE2と、電源ポートV1及び第1出力ポートE1の間に設けられる第1抵抗部R1と、第1出力ポートE1及びグランドポートG1の間に設けられる第2抵抗部R2と、第2出力ポートE2及びグランドポートG1の間に設けられる第3抵抗部R3と、電源ポートV1及び第2出力ポートE2の間に設けられる第4抵抗部R4とを含む。電源ポートV1には、定電流源が接続されることで所定の大きさの電源電圧(定電流)が印加され、グランドポートG1はグランドに接続される。電源ポートV1に印加される定電流は、図示しないドライバICにより所定の電流値に制御されている。
本実施形態において、第1抵抗部R1、第2抵抗部R2、第3抵抗部R3及び第4抵抗部R4は、それぞれ、磁気抵抗効果素子5により構成されていればよい。X軸用磁気センサ部31において、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3のすべての磁気抵抗効果積層体50における磁化固定層53の磁化方向は、互いに同一の方向(+X方向)に固定され、第2抵抗部R2及び第4抵抗部R4のすべての磁気抵抗効果積層体50における磁化固定層53の磁化方向は、互いに同一の方向であって、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3の磁化固定層53の磁化方向と反平行の方向(-X方向)に固定されている。なお、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3の磁化固定層53の磁化方向は、+X方向に対して±10°以内、好ましくは±5°以内の角度で傾斜していてもよく、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3の磁化固定層53の磁化方向が完全に一致していなくてもよい。また、第2抵抗部R2及び第4抵抗部R4の磁化固定層53の磁化方向は、-X方向に対して±10°以内、好ましくは±5°以内の角度で傾斜していてもよく、第2抵抗部R2及び第4抵抗部R4の磁化固定層53の磁化方向が完全に一致していなくてもよい。
Y軸用磁気センサ部32において、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3のすべての磁気抵抗効果積層体50における磁化固定層53の磁化方向は、互いに同一の方向(+Y’方向)に固定され、第2抵抗部R2及び第4抵抗部R4のすべての磁気抵抗効果積層体50における磁化固定層53の磁化方向は、互いに同一の方向であって、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3の磁化固定層53の磁化方向と反平行の方向(-Y’方向)に固定されている。なお、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3の磁化固定層53の磁化方向は、+Y’方向に対して±10°以内、好ましくは±5°以内の角度で傾斜していてもよく、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3の磁化固定層53の磁化方向が完全に一致していなくてもよい。また、第2抵抗部R2及び第4抵抗部R4の磁化固定層53の磁化方向は、-Y’方向に対して±10°以内、好ましくは±5°以内の角度で傾斜していてもよく、第2抵抗部R2及び第4抵抗部R4の磁化固定層53の磁化方向が完全に一致していなくてもよい。
Z軸用磁気センサ部33において、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3のすべての磁気抵抗効果積層体50における磁化固定層53の磁化方向は、互いに同一の方向(+Z’方向)に固定され、第2抵抗部R2及び第4抵抗部R4のすべての磁気抵抗効果積層体50における磁化固定層53の磁化方向は、互いに同一の方向であって、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3の磁化固定層53の磁化方向と反平行の方向(-Z’方向)に固定されている。なお、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3の磁化固定層53の磁化方向は、+Z’方向に対して±10°以内、好ましくは±5°以内の角度で傾斜していてもよく、第1抵抗部R1及び第3抵抗部R3の磁化固定層53の磁化方向が完全に一致していなくてもよい。また、第2抵抗部R2及び第4抵抗部R4の磁化固定層53の磁化方向は、-Z’方向に対して±10°以内、好ましくは±5°以内の角度で傾斜していてもよく、第2抵抗部R2及び第4抵抗部R4の磁化固定層53の磁化方向が完全に一致していなくてもよい。
X軸用磁気センサ部31、Y軸用磁気センサ部32及びZ軸用磁気センサ部33の各磁気抵抗効果積層体50における磁化固定層53の磁化方向が上記方向に固定されていることで、X方向の磁気ベクトルV(図9参照)、Y’方向の磁気ベクトルVY’(図10参照)及びZ’方向の磁気ベクトルVZ’(図11参照)に応じた第1~第4抵抗部R1~R4の抵抗値変化に伴い第1出力ポートE1及び第2出力ポートE2の電位差が変化し、その電位差の変化としての信号が出力される。
図13に示すように、信号処理部4は、X軸用磁気センサ部31、Y軸用磁気センサ部32及びZ軸用磁気センサ部33から出力されるアナログ信号(センサ信号)をデジタル信号に変換するA/D(アナログ/デジタル)変換部41と、A/D変換部41によりデジタル変換されたデジタル信号が入力され、当該デジタル信号を補正して補正信号を生成する補正信号生成部42と、当該デジタル信号及び補正信号を用いて演算処理を行う演算処理部43と、補正信号生成部42にてデジタル信号を補正して補正信号を生成するために用いられる補正係数を記憶する記憶部44とを備える。信号処理部4は、例えば、マイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成されていればよい。
A/D変換部41は、X軸用磁気センサ部31から出力されるアナログ信号(第3センサ信号S)、Y軸用磁気センサ部32から出力されるアナログ信号(第1センサ信号S)及びZ軸用磁気センサ部33から出力されるアナログ信号(第2センサ信号S)を、それぞれデジタル信号に変換する。A/D変換部41によりデジタル信号に変換された第3センサ信号Sは、演算処理部43に入力され、A/D変換部41によりデジタル信号に変換された第1センサ信号S及び第2センサ信号Sは、補正信号生成部42に入力される。
補正信号生成部42は、デジタル信号に変換された第1センサ信号S及び第2センサ信号Sが入力されると、記憶部44に記憶されている補正係数を用いて、デジタル信号を補正して補正信号を生成する。例えば、補正信号生成部42は、A/D変換部41によりデジタル信号に変換された第1センサ信号Sから、下記式(1)に基づき第1補正信号SC1を生成する。また、補正信号生成部42は、A/D変換部41によりデジタル信号に変換された第2センサ信号Sから、下記式(2)に基づき第2補正信号SC2を生成する。
Figure 0007167954000010
Figure 0007167954000011
上記式(1)及び式(2)において、SC1は「第1補正信号」を、SC2は「第2補正信号」を、Sは「第1センサ信号」を、Sは「第2センサ信号」を、θは「第1傾斜面23の傾斜角度」を、θは「第2傾斜面24の傾斜角度」を表す。
第1傾斜面23の傾斜角度θは、Y軸方向の第1磁場H11及び第2磁場H12、並びにZ軸方向の第1磁場H21及び第2磁場H22のそれぞれを磁気センサ装置1に印加したときにY軸用磁気センサ部32から出力され、A/D変換部41によりデジタル信号に変換された信号S1-11、S1-12、S1-21、S1-22を用いて、下記式(3)により算出される角度である。第2傾斜面24の傾斜角度θは、Y軸方向の第1磁場H11及び第2磁場H12、並びにZ軸方向の第1磁場H21及び第2磁場H22のそれぞれを磁気センサ装置1に印加したときにZ軸用磁気センサ部33から出力され、A/D変換部41によりデジタル信号に変換された信号S2-11、S2-12、S2-21、S2-22を用いて、下記式(4)により算出される角度である。なお、Y軸方向の第1磁場H11及び第2磁場H12は、互いに異なる磁場強度を有し、第2磁場H12が第1磁場H11よりも大きい磁場強度を有する。また、Z軸方向の第1磁場H21及び第2磁場H22は、互いに異なる磁場強度を有し、第2磁場H22が第1磁場H21よりも大きい磁場強度を有する。
Figure 0007167954000012
Figure 0007167954000013
上述したように、Y軸用磁気センサ部32は、第1傾斜面23に設けられ、Z軸用磁気センサ部33は第2傾斜面24に設けられている。そのため、Y軸用磁気センサ部32にY方向の磁場が印加されると、Y方向の磁場の磁気ベクトルVを第1傾斜面23に射影した磁気ベクトルVY1で表される磁場がY軸用磁気センサ部32に印加されたときの磁気抵抗効果素子5の抵抗値変化に応じた第1センサ信号Sが出力され(図14A参照)、Y軸用磁気センサ部32にZ方向の磁場が印加されると、Z方向の磁場の磁気ベクトルVを第1傾斜面23に射影した磁気ベクトルVZ1で表される磁場がY軸用磁気センサ部32に印加されたときの磁気抵抗効果素子5の抵抗値変化に応じた第1センサ信号Sが出力される(図14B参照)。同様に、Z軸用磁気センサ部33にY方向の磁場が印加されると、Y方向の磁場の磁気ベクトルVを第2傾斜面24に射影した磁気ベクトルVY2で表される磁場がZ軸用磁気センサ部33に印加されたときの磁気抵抗効果素子5の抵抗値変化に応じた第2センサ信号Sが出力され(図14C参照)、Z軸用磁気センサ部33にZ方向の磁場が印加されると、Z方向の磁場の磁気ベクトルVを第2傾斜面24に射影した磁気ベクトルVZ2で表される磁場がZ軸用磁気センサ部33に印加されたときの磁気抵抗効果素子5の抵抗値変化に応じた第2センサ信号Sが出力される(図14D参照)。そのため、第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θとの関係において、第1センサ信号S及び第2センサ信号Sを第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2に補正するための補正係数Fは、下記行列式(5)にて表される。
Figure 0007167954000014
そして、第1センサ信号S及び第2センサ信号Sと、第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2とは、下記行列式(6)に示す関係を有する。すなわち、第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2は、下記に示す行列式(7)により求められ得る。
Figure 0007167954000015
Figure 0007167954000016

上記行列式(7)において、F-1はFの逆行列である。
そのため、補正信号生成部42は、A/D変換部41によりデジタル信号に変換された第1センサ信号Sから、上記式(1)に基づき第1補正信号SC1を生成し、A/D変換部41によりデジタル信号に変換された第2センサ信号Sから、上記式(2)に基づき第2補正信号SC2を生成することができる。
上記のようにして補正信号生成部42により生成される第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2と、A/D変換部41によりデジタル信号に変換された第3センサ信号Sとが、演算処理部43に入力される。演算処理部43は、第1補正信号SC1、第2補正信号SC2及び第3センサ信号Sを用いて演算処理を行う。
本実施形態における関節機構100において、第1部材110と第2部材120とが互いに回転動作すると、上述した基準座標系における磁気センサ装置1を中心とする球面上において、磁界発生部130は、磁気センサ装置1に対する相対的な位置を変化させる。演算処理部43は、第1補正信号SC1、第2補正信号SC2及び第3センサ信号Sを用い、上記球面上における磁気センサ装置1に対する磁界発生部130の相対的な位置に関する情報を求めることができる。
本実施形態においては、Y軸用磁気センサ部32から出力される第1センサ信号S1及びZ軸用磁気センサ部33から出力される第2センサ信号S2が、補正信号生成部42により第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2に補正され、演算処理部43が、それらの第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を用いて演算処理を行う。そのため、本実施形態に係る磁気センサ装置1によれば、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方位の磁界を高精度に検出することができる。
上述した構成を有する磁気センサ装置1の製造方法を説明する。
本実施形態に係る磁気センサ装置1の製造方法は、第1面21及びそれの反対側に位置する第2面22と、第1面21に形成された第1傾斜面23及び第2傾斜面24とを有する基部2を準備する第1工程と、基部2の第1面21上にX軸用磁気センサ部31を形成し、第1傾斜面23上にY軸用磁気センサ部32を形成し、第2傾斜面24上にZ軸用磁気センサ部33を形成する第2工程と、第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θを求める第3工程と、第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成するための補正係数Fを求める第4工程と、第4工程において求められた補正係数Fを記憶部44に記憶させる第5工程とを含む。
第1工程は、シリコンウェハ等の半導体基板;AlTiC基板、アルミナ基板等のセラミック基板;樹脂基板;ガラス基板等の基部2を構成する基板を準備する工程と、当該基板の一方面(基部2の第1面21に相当する面)に、第1傾斜面23及び第2傾斜面24を形成するためのマスク層を形成する工程と、当該マスク層を介して基板をエッチングすることで第1傾斜面23及び第2傾斜面24を形成する工程とを含む。
エッチングにより第1傾斜面23及び第2傾斜面24を形成する工程において、第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θが設計上の角度(例えば45°)になるようにエッチング条件が設定されるが、実際には、第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θは設計上の角度に対して製造ばらつき(製造誤差)を有することがある。そのため、第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θが設計上の角度であることを前提として、第1傾斜面23及び第2傾斜面24に設けられるY軸用磁気センサ部32及びZ軸用磁気センサ部33から出力される第1センサ信号S及び第2センサ信号Sを当該傾斜角度θ及び傾斜角度θの設計上の角度に応じて補正してしまうと、信号処理結果に誤差が生じてしまうことになる。そこで、本実施形態においては、第3工程において、第1傾斜面23及び第2傾斜面24の傾斜角度θ,θを求め、第4工程において、第3工程で求めた傾斜角度θ,θに応じた補正係数Fを求める。このようにして求めた補正係数Fを用いて、Y軸用磁気センサ部32及びZ軸用磁気センサ部33から出力される第1センサ信号S及び第2センサ信号Sを補正して第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成し、当該第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を用いて信号処理を行うことで、傾斜角度θ,θのばらつき(誤差)に起因して生じ得る信号処理結果の誤差を低減・抑制することができる。
第3工程において、第1傾斜面23に設けられたY軸用磁気センサ部32及び第2傾斜面24に設けられたZ軸用磁気センサ部33に対し、Y方向の第1磁場H11及びY方向の第2磁場H12、並びに第1磁場H21及びZ方向の第2磁場H22をそれぞれ印加する工程と、Y方向の第1磁場H11の印加によりY軸用磁気センサ部32から出力される信号S1-11、Y方向の第2磁場H12の印加によりY軸用磁気センサ部32から出力される信号S1-12、Z方向の第1磁場H21の印加によりY軸用磁気センサ部32から出力される信号S1-21及びZ方向の第2磁場H22の印加によりY軸用磁気センサ部32から出力される信号S1-22を用いて、下記式(3)により第1傾斜面23の傾斜角度θを求める工程と、Y方向の第1磁場H11の印加によりZ軸用磁気センサ部33から出力される信号S2-11、Y方向の第2磁場H12の印加によりZ軸用磁気センサ部33から出力される信号S2-12、Z方向の第1磁場H21の印加によりZ軸用磁気センサ部33から出力される信号S2-21及びZ方向の第2磁場H22の印加によりZ軸用磁気センサ部33から出力される信号S2-22を用いて、下記式(4)により第2傾斜面24の傾斜角度θを求める工程とを含む。
Figure 0007167954000017
Figure 0007167954000018
Y方向の第1磁場H11及び第2磁場H12は、互いに異なる磁場強度を有し、第2磁場H12が第1磁場H11よりも大きい磁場強度を有する。また、Z軸方向の第1磁場H21及び第2磁場H22は、互いに異なる磁場強度を有し、第2磁場H22が第1磁場H21よりも大きい磁場強度を有する。第1磁場H11及び第2磁場H12の磁場強度は、第1傾斜面23の傾斜角度θを求めることができる程度に異なっていればよく、その磁場強度の差は特に限定されるものではない。また、第1磁場H21及び第2磁場H22の磁場強度も同様に、第2傾斜面24の傾斜角度θを求めることができる程度に異なっていればよく、その磁場強度の差は特に限定されるものではない。
第1傾斜面23の傾斜角度θと、Y軸用磁気センサ部32から出力される信号S1-11,S1-12,S1-21,S1-22とは、下記式(3’)に示す関係を有する。第2傾斜面24の傾斜角度θ2と、Z軸用磁気センサ部33から出力される信号S2-11,S2-12,S2-21,S2-22とは、下記式(4’)に示す関係を有する。
Figure 0007167954000019
Figure 0007167954000020
したがって、第1傾斜面23の傾斜角度θは、上記式(3’)のアークタンジェント計算である上記式(3)により求められ、第2傾斜面24の傾斜角度θは、上記式(4’)のアークタンジェント計算である上記式(4)により求められる。
本実施形態に係る磁気センサ装置1において、Y軸用磁気センサ部32にY方向の磁場が印加されると、Y方向の磁場の磁気ベクトルVを第1傾斜面23に射影した磁気ベクトルVY1で表される磁場がY軸用磁気センサ部32に印加されたときの磁気抵抗効果素子5の抵抗値変化に応じた第1センサ信号Sが出力され(図14A参照)、Y軸用磁気センサ部32にZ方向の磁場が印加されると、Z方向の磁場の磁気ベクトルVを第1傾斜面23に射影した磁気ベクトルVZ1で表される磁場がY軸用磁気センサ部32に印加されたときの磁気抵抗効果素子5の抵抗値変化に応じた第1センサ信号Sが出力される(図14B参照)。同様に、Z軸用磁気センサ部33にY方向の磁場が印加されると、Y方向の磁場の磁気ベクトルVを第2傾斜面24に射影した磁気ベクトルVY2で表される磁場がZ軸用磁気センサ部33に印加されたときの磁気抵抗効果素子5の抵抗値変化に応じた第2センサ信号Sが出力され(図14C参照)、Z軸用磁気センサ部33にZ方向の磁場が印加されると、Z方向の磁場の磁気ベクトルVを第2傾斜面24に射影した磁気ベクトルVZ2で表される磁場がZ軸用磁気センサ部33に印加されたときの磁気抵抗効果素子5の抵抗値変化に応じた第2センサ信号Sが出力される(図14D参照)。そのため、Y軸用磁気センサ部32から出力される第1センサ信号S及びZ軸用磁気センサ部33から出力される第2センサ信号Sは、Y方向の磁場に対応してY軸用磁気センサ部32から出力されるべき信号(第1補正信号SC1)及びZ方向の磁場に対応してZ軸用磁気センサ部33から出力されるべき信号(第2補正信号SC2)と、上記のようにして求められた第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θに応じた、下記行列式(5)に示す補正係数Fとの乗算により求められる。すなわち、第1センサ信号S及び第2センサ信号Sと、第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θと、第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2とは、下記行列式(6)及び(7)に示す関係を有するということができる。
Figure 0007167954000021
Figure 0007167954000022
Figure 0007167954000023

上記行列式(7)において、F-1は補正係数Fの逆行列である。
上記のようにして求められた補正係数Fは、第5工程において記憶部44に記憶される。これにより、本実施形態に係る磁気センサ装置1が製造される。このようにして製造された磁気センサ装置1において、Y軸用磁気センサ部32から出力される第1センサ信号S及びZ軸用磁気センサ部33から出力される第2センサ信号Sは、記憶部44に記憶されている補正係数Fを用いて、上記行列式(7)により第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2に補正される。これらの第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2は、第3工程において求められた、第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θに応じた信号であるため、第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を用いた信号処理が行われることで、3軸方位(X軸、Y軸及びZ軸)の磁界が高精度に検出される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の試験例に限定されるものではない。
[試験例1]
図4に示す磁気センサ装置1において、第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θを45°として、Y軸方向のスイープ磁場(-1mT~1mT)及びZ軸方向のスイープ磁場(-1mT~1mT)のそれぞれをY軸用磁気センサ部32及びZ軸用磁気センサ部33のそれぞれに印加したときに、Y軸用磁気センサ部32から出力される第1センサ信号S及びZ軸用磁気センサ部33から出力される第2センサ信号Sをシミュレーションにより求めた。このシミュレーションは、各傾斜角度θ,θのばらつき(±3.0degの範囲内のばらつき)を真正乱数で発生させながら128回行われた。
理想的な磁気センサ装置であれば、1mTの印加磁場に対して1mTの磁場に相当する信号が出力される。すなわち、印加磁場に対して出力される信号が理想的な線形性を有する。この理想的な磁気センサ装置において信号出力の線形性誤差が0%であるとする。上記シミュレーションの結果、第1傾斜面23の傾斜角度θ及び第2傾斜面24の傾斜角度θのばらつきによって、第1センサ信号S及び第2センサ信号Sは、理想的な磁気センサ装置から出力され得る第1センサ信号S及び第2センサ信号Sに対し、±3%程度の線形性誤差を有することが確認された。
[試験例2]
上記試験例1において、真正乱数で発生させた各傾斜角度θ,θのばらつきに応じて、上記式(1)及び(2)により第1センサ信号S及び第2センサ信号Sを補正して第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2をシミュレーションにより求めた。その結果、第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2が有する、理想的な磁気センサ装置から出力され得る第1センサ信号S及び第2センサ信号Sに対する線形性誤差は、±1%未満であることが確認された。
1…磁気センサ装置
2…基部
21…第1面
22…第2面
23…第1傾斜面
24…第2傾斜面
31…X軸用磁気センサ部(第3磁気センサ部)
32…Y軸用磁気センサ部(第1磁気センサ部)
33…Z軸用磁気センサ部(第2磁気センサ部)
4…信号処理部
41…A/D変換部
42…補正信号生成部
43…演算処理部
44…記憶部
5…磁気抵抗効果素子(第1~第3磁気抵抗効果素子)
51…自由層
53…磁化固定層

Claims (13)

  1. 第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面、並びに前記第1面に対して傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面と、
    第1軸方向の磁気を検出するための第1磁気センサ部と、
    第2軸方向の磁気を検出するための第2磁気センサ部と、
    第3軸方向の磁気を検出するための第3磁気センサ部と、
    前記第1磁気センサ部から出力される第1センサ信号S、前記第2磁気センサ部から出力される第2センサ信号S及び前記第3磁気センサ部から出力される第3センサ信号Sに基づいて信号処理を行う信号処理部と
    を備え、
    前記第1軸方向は、前記第1面に直交する方向であり、
    前記第2軸方向及び前記第3軸方向は、前記第1面上において相互に直交する方向であり、
    前記第1磁気センサ部は、前記第1傾斜面に設けられており、
    前記第2磁気センサ部は、前記第2傾斜面に設けられており、
    前記信号処理部は、前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θに応じて前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正した第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成する補正信号生成部を有し、
    前記補正信号生成部は、下記式(1)により前記第1センサ信号Sを補正して前記第1補正信号SC1を生成するとともに、下記式(2)により前記第2センサ信号Sを補正して前記第2補正信号SC2を生成することを特徴とする磁気センサ装置。
    Figure 0007167954000024

    Figure 0007167954000025

    上記式(1)及び式(2)において、SC1は「第1補正信号」を、SC2は「第2補正信号」を、Sは「第1センサ信号」を、Sは「第2センサ信号」を、θは「第1傾斜面の傾斜角度」を、θは「第2傾斜面の傾斜角度」を表す。
  2. 前記第1傾斜面の傾斜角度θは、前記第1軸方向の第1磁場H11を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-11と、前記第1軸方向の第2磁場H12を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-12と、前記第2軸方向の第1磁場H21を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-21と、前記第2軸方向の第2磁場H22を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-22とを用いて、下記式(3)により算出される角度であり、
    前記第2傾斜面の傾斜角度θは、前記第1軸方向の前記第1磁場H11を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-11と、前記第1軸方向の前記第2磁場H12を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-12と、前記第2軸方向の前記第1磁場H21を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-21と、前記第2軸方向の前記第2磁場H22を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-22とを用いて、下記式(4)により算出される角度であり、
    前記第1軸方向の前記第1磁場H11と前記第1軸方向の前記第2磁場H12とは、互いに異なる磁場強度を有し、
    前記第2軸方向の前記第1磁場H21と前記第2軸方向の前記第2磁場H22とは、互いに異なる磁場強度を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ装置。
    Figure 0007167954000026

    Figure 0007167954000027
  3. 磁気センサ装置であって、
    第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面、並びに前記第1面に対して傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面と、
    第1軸方向の磁気を検出するための第1磁気センサ部と、
    第2軸方向の磁気を検出するための第2磁気センサ部と、
    第3軸方向の磁気を検出するための第3磁気センサ部と、
    前記第1磁気センサ部から出力される第1センサ信号S、前記第2磁気センサ部から出力される第2センサ信号S及び前記第3磁気センサ部から出力される第3センサ信号Sに基づいて信号処理を行う信号処理部と
    を備え、
    前記第1軸方向は、前記第1面に直交する方向であり、
    前記第2軸方向及び前記第3軸方向は、前記第1面上において相互に直交する方向であり、
    前記第1磁気センサ部は、前記第1傾斜面に設けられており、
    前記第2磁気センサ部は、前記第2傾斜面に設けられており、
    前記信号処理部は、前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θに応じて前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正した第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成する補正信号生成部を有し、
    前記第1傾斜面の傾斜角度θは、前記第1軸方向の第1磁場H11を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-11と、前記第1軸方向の第2磁場H12を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-12と、前記第2軸方向の第1磁場H21を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-21と、前記第2軸方向の第2磁場H22を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-22とを用いて、下記式(3)により算出される角度であり、
    前記第2傾斜面の傾斜角度θは、前記第1軸方向の前記第1磁場H11を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-11と、前記第1軸方向の前記第2磁場H12を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-12と、前記第2軸方向の前記第1磁場H21を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-21と、前記第2軸方向の前記第2磁場H22を前記磁気センサ装置に印加したときに前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-22とを用いて、下記式(4)により算出される角度であり、
    前記第1軸方向の前記第1磁場H11と前記第1軸方向の前記第2磁場H12とは、互いに異なる磁場強度を有し、
    前記第2軸方向の前記第1磁場H21と前記第2軸方向の前記第2磁場H22とは、互いに異なる磁場強度を有することを特徴とする磁気センサ装置。
    Figure 0007167954000028

    Figure 0007167954000029
  4. 前記信号処理部は、前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正して前記第1補正信号SC1及び前記第2補正信号SC2を生成するための下記行列式(5)に示す補正係数Fを記憶する記憶部をさらに有し、
    前記補正信号生成部は、下記行列式(7)により前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正して前記第1補正信号SC1及び前記第2補正信号SC2を生成することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の磁気センサ装置。
    Figure 0007167954000030

    Figure 0007167954000031

    上記行列式(5)において、Fは「補正係数」を、θは「第1傾斜面の傾斜角度」を、θは「第2傾斜面の傾斜角度」を表し、上記行列式(7)において、SC1は「第1補正信号」を、SC2は「第2補正信号」を、Sは「第1センサ信号」を、Sは「第2センサ信号」を表し、F-1はFの逆行列である。
  5. 第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面、並びに前記第1面に対して傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面と、
    第1軸方向の磁気を検出するための第1磁気センサ部と、
    第2軸方向の磁気を検出するための第2磁気センサ部と、
    第3軸方向の磁気を検出するための第3磁気センサ部と、
    前記第1磁気センサ部から出力される第1センサ信号S、前記第2磁気センサ部から出力される第2センサ信号S及び前記第3磁気センサ部から出力される第3センサ信号Sに基づいて信号処理を行う信号処理部と
    を備え、
    前記第1軸方向は、前記第1面に直交する方向であり、
    前記第2軸方向及び前記第3軸方向は、前記第1面上において相互に直交する方向であり、
    前記第1磁気センサ部は、前記第1傾斜面に設けられており、
    前記第2磁気センサ部は、前記第2傾斜面に設けられており、
    前記信号処理部は、前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θに応じて前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正した第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成する補正信号生成部を有し、
    前記信号処理部は、前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正して前記第1補正信号SC1及び前記第2補正信号SC2を生成するための下記行列式(5)に示す補正係数Fを記憶する記憶部をさらに有し、
    前記補正信号生成部は、下記行列式(7)により前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正して前記第1補正信号SC1及び前記第2補正信号SC2を生成することを特徴とする磁気センサ装置。
    Figure 0007167954000032

    Figure 0007167954000033

    上記行列式(5)において、Fは「補正係数」を、θは「第1傾斜面の傾斜角度」を、θは「第2傾斜面の傾斜角度」を表し、上記行列式(7)において、SC1は「第1補正信号」を、SC2は「第2補正信号」を、Sは「第1センサ信号」を、Sは「第2センサ信号」を表し、F-1はFの逆行列である。
  6. 前記第1磁気センサ部は、第1磁気抵抗効果素子を含み、
    前記第2磁気センサ部は、第2磁気抵抗効果素子を含み、
    前記第3磁気センサ部は、第3磁気抵抗効果素子を含む
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の磁気センサ装置。
  7. 前記第1~第3磁気抵抗効果素子が、GMR素子又はTMR素子であることを特徴とする請求項6に記載の磁気センサ装置。
  8. 前記第1面、前記第2面、前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面を有する基部と、
    前記基部、前記第1~第3磁気センサ部及び前記信号処理部を一体的に封止する封止部と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の磁気センサ装置。
  9. 互いに相対的に回転する第1部材及び第2部材と、
    請求項1~8のいずれかに記載の磁気センサ装置と
    を備え、
    前記磁気センサ装置は、前記第1部材と一体に回転可能に前記第1部材に設けられていることを特徴とする回転動作機構。
  10. 磁界発生部をさらに備え、
    前記磁界発生部は、前記第2部材と一体に回転可能に前記第2部材に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の回転動作機構。
  11. 磁気センサ装置を製造する方法であって、
    前記磁気センサ装置は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面、並びに前記第1面に対して傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面を有する基部と、第1軸方向の磁気を検出するための第1磁気センサ部と、第2軸方向の磁気を検出するための第2磁気センサ部と、第3軸方向の磁気を検出するための第3磁気センサ部と、前記第1磁気センサ部から出力される第1センサ信号S、前記第2磁気センサ部から出力される第2センサ信号S及び前記第3磁気センサ部から出力される第3センサ信号Sに基づいて信号処理を行う信号処理部とを備え、
    前記第1軸方向は、前記第1面に直交する方向であり、前記第2軸方向及び前記第3軸方向は、前記第1面上において相互に直交する方向であり、
    前記第1磁気センサ部は、前記第1傾斜面に設けられており、前記第2磁気センサ部は、前記第2傾斜面に設けられており、
    前記信号処理部は、前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θに応じて前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正した第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成する補正信号生成部を有し、
    前記磁気センサ装置の製造方法は、
    前記基部を準備する第1工程と、
    前記基部の前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面のそれぞれに、前記第1磁気センサ部及び前記第2磁気センサ部のそれぞれを設ける第2工程と、
    前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θを求める第3工程と、
    前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θに応じて前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正した第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成するための補正係数を求める第4工程と
    を含み、
    前記第4工程において、下記行列式(5)に示す前記補正係数を求めることを特徴とする磁気センサ装置の製造方法。
    Figure 0007167954000034

    上記行列式(5)において、Fは「補正係数」を表すものとする。
  12. 前記信号処理部は、前記補正係数を記憶する記憶部をさらに有し、
    前記磁気センサ装置の製造方法は、前記第4工程において求められた前記補正係数を前記記憶部に記憶させる第5工程をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の磁気センサ装置の製造方法。
  13. 磁気センサ装置を製造する方法であって、
    前記磁気センサ装置は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面、並びに前記第1面に対して傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面を有する基部と、第1軸方向の磁気を検出するための第1磁気センサ部と、第2軸方向の磁気を検出するための第2磁気センサ部と、第3軸方向の磁気を検出するための第3磁気センサ部と、前記第1磁気センサ部から出力される第1センサ信号S、前記第2磁気センサ部から出力される第2センサ信号S及び前記第3磁気センサ部から出力される第3センサ信号Sに基づいて信号処理を行う信号処理部とを備え、
    前記第1軸方向は、前記第1面に直交する方向であり、前記第2軸方向及び前記第3軸方向は、前記第1面上において相互に直交する方向であり、
    前記第1磁気センサ部は、前記第1傾斜面に設けられており、前記第2磁気センサ部は、前記第2傾斜面に設けられており、
    前記信号処理部は、前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θに応じて前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正した第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成する補正信号生成部を有し、
    前記磁気センサ装置の製造方法は、
    前記基部を準備する第1工程と、
    前記基部の前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面のそれぞれに、前記第1磁気センサ部及び前記第2磁気センサ部のそれぞれを設ける第2工程と、
    前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θを求める第3工程と、
    前記第1傾斜面の傾斜角度θ及び前記第2傾斜面の傾斜角度θに応じて前記第1センサ信号S及び前記第2センサ信号Sを補正した第1補正信号SC1及び第2補正信号SC2を生成するための補正係数を求める第4工程と
    を含み、
    前記第3工程は、
    前記第2工程において前記第1傾斜面に設けられた前記第1磁気センサ部に、前記第1軸方向の第1磁場H11及び第2磁場H12、並びに前記第2軸方向の第1磁場H21及び第2磁場H22をそれぞれ印加する工程と、
    前記第2工程において前記第2傾斜面に設けられた前記第2磁気センサ部に、前記第1軸方向の第1磁場H11及び第2磁場H12、並びに前記第2軸方向の第1磁場H21及び第2磁場H22をそれぞれ印加する工程と、
    前記第1軸方向の前記第1磁場H11の印加により前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-11、前記第1軸方向の前記第2磁場H12の印加により前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-12、前記第2軸方向の前記第1磁場H21の印加により前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-21及び前記第2軸方向の前記第2磁場H22の印加により前記第1磁気センサ部から出力される信号S1-22を用いて、下記式(3)により前記第1傾斜面の傾斜角度θを算出する工程と、
    前記第1軸方向の前記第1磁場H11の印加により前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-11、前記第1軸方向の前記第2磁場H12の印加により前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-12、前記第2軸方向の前記第1磁場H21の印加により前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-21及び前記第2軸方向の前記第2磁場H22の印加により前記第2磁気センサ部から出力される信号S2-22を用いて、下記式(4)により前記第2傾斜面の傾斜角度θを算出する工程と
    を含み、
    前記第1軸方向の前記第1磁場H11と前記第1軸方向の前記第2磁場H12とは、互いに異なる磁場強度を有し、
    前記第2軸方向の前記第1磁場H21と前記第2軸方向の前記第2磁場H22とは、互いに異なる磁場強度を有することを特徴とする磁気センサ装置の製造方法。
    Figure 0007167954000035

    Figure 0007167954000036
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