定義
擦過:「擦過」という用語は、本明細書中で用いる場合、皮膚の上部層を変質し、崩壊し、除去し、または破壊するといういずれかの意味を指す。いくつかの実施形態では、擦過は、皮膚の上部層を変質し、崩壊し、除去し、または破壊する機械的手段を指す。いくつかの実施形態では、擦過は、皮膚の上部層を変質し、崩壊し、除去し、または破壊する化学的手段を指す。2~3の例を挙げると、剥離剤、微細粒子(例えば、マグネシウムまたはアルミニウム粒子)、酸(例えば、アルファ-ヒドロキシ酸またはベータ-ヒドロキシ酸)および/またはアルコール等の作用物質が擦過を引き起こし得る。概して、浸透増強剤、例えばDonovan(例えば、米国特許出願公開番号2004/009180および2005/175636参照)、ならびにGraham(例えば、米国特許第6,939,852号および米国特許出願公開番号2006/093624参照)(これらの記載内容はともに、参照により本明細書中で援用される)等により記載されたものは、擦過を引き起こすと予期される。もちろん、特定の作用物質は、ある濃度で存在するかまたは1つ以上の他の作用物質と関連する場合、擦過を引き起こし得るが、しかし異なる環境下では擦過を引き起こし得ない、と当業者は理解する。したがって、特定の物質が「擦過作用物質」であるか否かは、状況によって決まる。擦過は、例えば皮膚の赤さまたは刺激の観察、および/または皮膚の組織学的検査によって、角質層の変質、崩壊、除去または糜爛を示すことにより、当業者により容易に査定され得る。
投与:「投与」という用語は、本明細書中で用いる場合、対象への提供される組成物の送達および/または投与を指し、任意の特定の経路に限定されず、むしろ、医学界により適切であると許容可能な任意の経路を指す。例えば、本発明は、経口(PO)、静脈内(IV)、筋肉内(IM)、動脈内、髄内、くも膜下腔内、皮下(SQ)、脳室内、経皮、皮膚間、皮内、直腸(PR)、膣、腹腔内(IP)、胃内(IG)、局所および/または経皮(例えば、ローション、クリーム、リニメント剤、粉末、軟膏、ゲル、点滴剤、消臭剤、制汗剤、日焼け止め剤等による)、粘膜、鼻内、頬、経腸、硝子体、舌下投与;気管内滴下注入、気管支滴下注入および/または吸入による;経口噴霧、鼻噴霧および/またはエアロゾルとして、および/または門脈カテーテルによる;および/またはそれらの組合せ(これらに限定されない)を含めた送達または投与の経路を意図する。
アミノ酸:本明細書中で用いる場合、「アミノ酸」という用語は、その最も広い意味で、ポリペプチド鎖に組み入れられ得る任意の化合物および/または物質を指す。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般構造H2N-C(H)(R)-COOHを有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸は天然アミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は合成アミノ酸である;いくつかの実施形態では、アミノ酸はD-アミノ酸である;いくつかの実施形態では、アミノ酸はL-アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然ペプチド中に一般に見出される20個の標準L-アミノ酸のうちのいずれかを指す。「非標準アミノ酸」は、それが合成的に調製されるか、天然供給源から得られるかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。アミノ酸は、ペプチド中のカルボキシ-および/またはアミノ末端アミノ酸を含めて、メチル化、アミド化、アセチル化、および/またはその活性に悪影響を及ぼさずにペプチドの循環半減期を変え得る他の化学基による置換によって修飾され得る。アミノ酸は、ジスルフィド結合に関与し得る。「アミノ酸」という用語は「アミノ酸残基」と互換的に用いられ、遊離アミノ酸および/またはペプチドのアミノ酸残基を指す。それが遊離アミノ酸を指すか、ペプチドの残基を指すかは、当該用語が用いられる状況から明らかになる。
動物:本明細書中で用いる場合、「動物」という用語は、動物界の任意の成員を指す。いくつかの実施形態では、「動物」は、発生の任意の段階でのヒトを指す。一実施形態では、「動物」は、発生の任意の段階での非ヒト動物を指す。ある実施形態では、非ヒト動物は哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類および/またはブタ)である。いくつかの実施形態では、動物としては、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、および/または蠕虫が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、動物はトランスジェニック動物、遺伝子工学処理動物、および/またはクローンであり得る。
およそ:本明細書中で用いる場合、数に関する「およそ」または「約」という用語は、一般的に、別記しない限り、当該数のいずれかの方向(より大きいかまたはより小さい)で5%、10%、15%または20%の範囲内に入る数を含むよう解釈され、そうでない場合は、状況から明白である(但し、このような数が考え得る値の0%未満かまたは100%を超える場合は除く)。
生物学的に活性な作用物質:本明細書中で用いる場合、「生物学的に活性な作用物質」という語句は、生物学的系および/または生物体において活性を有する任意の物質を指す。例えば、生物体に投与される場合に、その生物体に及ぼす生物学的作用を有する物質は、生物学的に活性であると考えられる。いくつかの実施形態では、物質(例えば、ポリペプチド、核酸、抗体等)が生物学的に活性である場合、物質全体の少なくとも1つの生物学的活性を共有するその物質の部分は、典型的には「生物学的に活性な」部分として言及される。
ボツリヌスナノ粒子組成物:「ボツリヌスナノ粒子組成物」という用語は、本明細書中で用いる場合、少なくとも1つのナノ粒子がボツリヌス毒素を含む本明細書中に記載される任意のナノ粒子組成物を指す。ボツリヌス毒素は、ナノ粒子の内部、ナノ粒子表面、および/またはナノ粒子の境界を限定するミセル膜内に存在し得る。
ボツリヌス毒素:「ボツリヌス毒素」という用語は、本明細書中で用いる場合、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)により産生される任意の神経毒素を指す。別記しない限り、当該用語は、適切な活性(例えば、筋弛緩活性)を保持するこのような神経毒素の断片または部分(例えば、軽鎖および/または重鎖)を包含する。「ボツリヌス毒素」という語句は、本明細書中で用いる場合、ボツリヌス毒素血清型A型、Ab型、Af型、B型、Bf型、C1型、C2型、D型、E型、F型およびG型;その突然変異体;その変異体;その断片;その特徴的部分;および/またはその融合体を包含する。いくつかの実施形態では、ボツリヌス毒素は、Sakaguchi, 1982, Pharmacol. Ther., 19:165;および/またはSmith et al., 2005, Infect. Immun., 73:5450(これらの記載内容はともに、参照により本明細書中で援用される)に記載された亜型のいずれかとして存在する。ボツリヌス毒素は、本明細書中で用いる場合、ボツリヌス毒素複合体(すなわち、例えば300、600および900kD複合体)ならびに精製(すなわち、例えば単離)ボツリヌス毒素(すなわち、例えば約150kD)の両方も包含する。「精製ボツリヌス毒素」は、ボツリヌス毒素複合体を構成するタンパク質を含めて他のタンパク質から単離されるかまたは実質的に単離されるボツリヌス毒素と定義される。精製毒素は、純度80%超、純度85%超、純度90%超、純度95%超、純度98%超、および/または純度99%超であり得る。本発明は、ボツリヌス毒素の如何なる特定の供給源にも限定されない、と当業者は理解する。例えば、本発明に従って用いるためのボツリヌス毒素は、ボツリヌス菌から単離され得るし、化学的に合成され得るし、組換え的に産生され得る(すなわち、宿主細胞またはボツリヌス菌以外の生物体において)等といった具合である。
化粧品製剤:「化粧品製剤」という用語は、美顔特性を有する1つ以上の作用物質を含有する局所的に適用される組成物に言及するために本明細書中で用いられる。2~3の例を挙げると、化粧品製剤は、皮膚柔軟剤;栄養ローション型乳濁液、クレンジングローション、クレンジングクリーム、スキンミルク、エモリエントローション、マッサージクリーム、エモリエントクリーム、メイクアップ基剤、口紅、顔用パックまたは顔用ゲル、清浄剤製剤、例えばシャンプー、リンス、身体用洗浄剤、ヘアトニックまたは石鹸、および/または皮膚科学的組成物、例えばローション、軟膏、ゲル、クリーム、パッチ、消臭剤、制汗剤および/またはスプレーであり得る。
クリーム:「クリーム」という用語は、典型的には、皮膚への適用のために製剤化される展性のある組成物を指す。クリームは、典型的には、油および/または脂肪酸ベースのマトリックスを含有する。本発明により製剤化されるクリームはナノ粒子を含有し、局所投与時に皮膚を通して実質的に完全に(例えばこのようなナノ粒子を)浸透し得る。このようなクリームは、組み入れられる物質のための(例えば、1つ以上の既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質のための)担体としても作用し得る。
分散媒:「分散媒」という用語は、本明細書中で用いる場合、粒子(例えば、エンプティナノ粒子、および/または1つ以上の既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含有するナノ粒子)が分散される液体媒質を指す。概して、分散液は、少なくとも2つの不混和性物質が組み合わされる場合に形成される。「水中油型」分散液は、油性粒子が水性分散媒内に分散されるものである。「油中水型」分散液は、水性粒子が油性分散媒内に分散されるものである。分散液は、任意の2つの不混和性媒質から形成され、水性および油性媒質の組合せに厳密に限定されない、と当業者は理解する。したがって、「分散媒」という用語は、それが「水性」および「油性」部類を指すことが一般的であるにもかかわらず、任意の分散媒に広く当てはまる。
被包される:「被包される」(「被包する」または「被包している」も含む)という用語は、被包された存在物が別の物質により完全に取り囲まれる、ということを意味するために本明細書中で用いられる。一例を挙げると、生物学的活性作用物質(例えばボツリヌス毒素)は、ナノ粒子組成物内に被包され得る。このような被包は、例えばナノ粒子組成物(例えば、ナノエマルション)の生成中に、例えばミクロ流動化中に達成され得る。別の例を挙げると、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質は、乳濁液中のエンプティナノ粒子内に被包されない。
エンプティナノ粒子組成物:「エンプティナノ粒子組成物」という用語は、本明細書中で用いる場合、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含まないナノ粒子組成物を指す。
相同性:本明細書中で用いる場合、「相同性」という用語は、重合体分子間の、例えばポリヌクレオチド分子(例えばDNA分子および/またはRNA分子)間の、および/またはポリペプチド分子間の全体的関連性を指す。いくつかの実施形態では、重合体分子は、それらの配列が、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同一である場合、互いに「相同」であるとみなされる。いくつかの実施形態では、重合体分子は、それらの配列が、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%類似する場合、互いに「相同」であるとみなされる。
同一性:本明細書中で用いる場合、「同一性」という用語は、重合体分子間の、例えばポリヌクレオチド分子(例えばDNA分子および/またはRNA分子)間の、および/またはポリペプチド分子間の全体的関連性を指す。例えば2つの核酸配列の同一性パーセントの算定は、最適比較目的のために2つの配列を一列に並べることにより実施され得る(例えば、最適アラインメントのために第一および第二核酸配列のうちの一方または両方にギャップが導入され得るし、非同一配列は比較目的のために無視され得る)。ある実施形態では、比較目的のために一列に並べられる配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%である。次いで、対応するヌクレオチド位置でのヌクレオチドが比較される。第一配列におけるある位置が第二配列における対応する位置と同一ヌクレオチドにより占められる場合には、分子はその位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、ギャップの数および各ギャップの長さを勘定に入れて、配列により共有される同一位置の数の一関数であり、これは、2つの配列の最適アラインメントのために導入される必要がある。2つの配列の間の配列の比較および同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを用いて成し遂げられ得る。例えば2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、MeyersとMiller(CABIOS, 1989, 4: 11-17)のアルゴリズムを用いて決定され得る(これは、PAM120重量残基表、ギャップ長ペナルティー12およびギャップペナルティー4を用いて、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み入れられている)。2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、代替的には、NWSgapdna.CMPマトリックスを用いたGCGソフトウェアパッケージにおけるGAPプログラムを用いて決定され得る。
と一緒に:本明細書中で用いる場合、「~と一緒に送達される」および/または「~と一緒に投与される」という語句は、2つ以上の物質または作用物質の同時送達および/または同時投与を指す。いくつかの実施形態では、本発明によれば、当該語句は、ナノ粒子および/または提供されるナノ粒子組成物を伴う生物学的活性作用物質の送達に関して本明細書中で用いられる。物質または作用物質は、ナノ粒子および/またはナノ粒子組成物と組み合わされる場合;ナノ粒子により被包されるかまたは完全に取り囲まれる場合;ナノ粒子ミセル膜内に包埋される場合;および/またはナノ粒子ミセル膜の外表面と会合される場合、ナノ粒子と一緒に送達される。ナノ粒子および/またはナノ粒子組成物と一緒に送達されるべき物質または作用物質は、ナノ粒子および/またはナノ粒子組成物と共有的に結合されることもされないこともある。ナノ粒子および/またはナノ粒子組成物と一緒に送達されるべき物質または作用物質は、吸着力によりナノ粒子および/またはナノ粒子組成物に付着されることも、されないこともある。いくつかの実施形態では、本発明によれば、エンプティナノ粒子を含む組成物と、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含む別の組成物との同時投与に関して、当該語句が本明細書中で用いられる。このような実施形態では、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質は、エンプティナノ粒子組成物の一部ではないが、その代わりに、対象に別々に投与される(例えば別個の組成物として、あるいはエンプティナノ粒子組成物と一緒に混合されるか、および/または製剤化されて。いくつかの実施形態では、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質は、ナノ粒子組成物のナノ粒子中に組み入れられない;いくつかの実施形態では、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質は、ナノ粒子組成物のナノ粒子内に被包されない;いくつかの実施形態では、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質は、そうでなければ、ナノ粒子組成物のナノ粒子と会合していない)。
独立して活性な生物学的活性作用物質:「独立して活性な生物学的活性作用物質」という用語は、作用物質が本明細書中に記載されるようなナノ粒子組成物中に存在しても、存在しなくても、生物学的活性を示す作用物質を指す。いくつかの実施形態では、作用物質の1つ以上の特定の生物学的活性は、ナノ粒子組成物において改良される;いくつかの実施形態では、作用物質の1つ以上の生物学的活性は、ナノ粒子組成物において改良されない。
単離された:本明細書中で用いる場合、「単離された」という用語は、(1)最初に生成される場合(自然状態においても、および/または実験的設定においても)、それが会合される構成成分のうちの少なくともいくつかから分離されているか、および/または(2)人の手により生成され、調製され、および/または製造されている物質および/または存在物を指す。単離物質および/または存在物は、それらが最初に会合された他の構成成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれ以上から分離され得る。いくつかの実施形態では、単離物質および/または存在物は、純度が90%より高い、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%である。
既知の治療薬:本明細書中で用いる場合、「既知の治療薬」という用語は、例えば皮膚構造に(例えば、汗腺、皮脂腺、毛包等に)及ぼす特定の生物学的作用を有することが、ナノ粒子組成物中にそれが組み入れられる前に、既知である生物学的活性作用物質を記述する。いくつかの実施形態では、既知の治療薬は、例えば皮膚構造に(例えば、汗腺、皮脂腺、毛包等に)及ぼす特定の生物学的作用を有することが、本出願の提出前に、既知である生物学的活性作用物質を記述する。汗腺に及ぼす特定の生物学的作用を有することが知られている既知の治療薬の例としては、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムクロロハイドレックス化合物、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレックス化合物、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレックス化合物、アルミニウム・ジルコニウムテトラクロロハイドレックスgly、アルミニウム・ジルコニウムトリクロロハイドレックスgly、アンモニウムミョウバン、硫酸アルミニウム化合物、アルミニウム・ジルコニウム化合物、ボツリヌス毒素、経口医薬品(例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、グリコピロレート等)、抗コリン作動薬(例えば、オキシブチニン、グリコピロレート、臭化プロパンテリン、ベンズトロピン等)、ベータ遮断薬、抗うつ薬、抗不安薬、タルク、ベビーパウダー、および/またはその組合せが挙げられる。皮脂腺に及ぼす特定の生物学的作用を有することが知られている既知の治療薬の例としては、ボツリヌス毒素、清浄剤または石鹸、局所的殺細菌剤(例えば、過酸化ベンゾイル、トリクロサンおよび/またはグルコン酸クロルヘキシジン)、局所的抗生物質(例えば、外用エリスロマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリン等)、経口抗生物質(例えば、エリスロマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、ライムサイクリン、トリメトプリム等)、ホルモン療法薬(例えば、エストロゲン/プロゲステロン経口避妊薬、低用量スピロノラクトン、コルチゾン等)、角質溶解薬(すなわち、ケラチン塞栓孔を溶解する物質)、過酸化ベンゾイル、局所的レチノイド(例えば、トレチノイン[RETIN-A(登録商標)]、アダパレン[DIFFERIN(登録商標)]およびタザロテン[TAZORAC(登録商標)]、レチノール、イソトレチノイン等)、経口レチノイド(例えば、イソトレチノイン[ACCUTANE(登録商標)、AMNESTEEM(商標)、SOTRET(商標)、CLARAVIS(商標)])、レチノイン酸、抗座瘡活性を有する天然物質(例えば、アロエベラ、アルナ、ハルディ[すなわち、ターメリック]、パパイヤ等)、アゼライン酸(商標名:AZELEX(商標)、FINACEA(登録商標)、FINEVIN(登録商標)、SKINOREN等)、抗炎症薬(例えば、ナプロキセン、イブプロフェン、ロフェコキシブ等)、ニコチンアミド(すなわち、ビタミンB3)、ティーツリーオイル(メラロイカ油)、アミノレブリン酸、アジトロマイシン、メチルアミノレブリン酸塩、ナディフロキサシン、PRK124、タラロゾール、ジレウトン、ロフェコキシブ、亜鉛、Krowchuk (2000, Pediatric Dermatology, 47:841-857;この記載内容は参照により本明細書中で援用される)および/またはJohnson et al. (2000, American Family Physician, 62:1823-1830および1835-1836;この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されている作用物質、および/またはその組合せが挙げられる。毛包に及ぼす特定の生物学的作用を有することが知られている既知の治療薬の例としては、ミノキシジル(ROGAINE(登録商標)/REGAINE(登録商標))、フィナステリド(PROPECIA(登録商標))、デュタステリド(AVODART(登録商標))、抗アンドロゲン薬(例えば、ケトコナゾール、フルコナゾール、スピロノラクトン等)、ノコギリヤシ、カフェイン、銅ペプチド、ニトロキシドスピンラベルTEMPOおよびTEMPOL、不飽和脂肪酸(例えば、ガンマリノレン酸)、ヘッジホッグ・アゴニスト、アゼライン酸および亜鉛の組合せ、ツルドクダミ、カボチャ種子、トレチノイン、亜鉛、セイヨウイラクサ、Tempolアルコールベースのゲル(例えば、MTS-01等)、Aldara、アレファセプト、AS101、ビマトプロスト、カプサイシン、エファリズマブ、FK506、GP11046、GP11511、ヒドロキシクロロキン、ラタノプロスト、MK0906、ロキシスロマイシン、タルグレチン・ゲル 1%、テトラペプチドアルデヒドプロテアソーム阻害剤(例えば、NEOSH101等)、および/またはその組合せが挙げられる。
ミクロ流動化される:本明細書中で用いる場合、「ミクロ流動化される」という用語は、高剪断力に曝露されることを意味する。いくつかの実施形態では、高剪断力へのこのような曝露は、高圧への曝露により成し遂げられる;いくつかの実施形態では、高圧は約15,000psi~約26,000psiの範囲内である;いくつかの実施形態では、高剪断力へのこのような曝露は、キャビテーションにより成し遂げられる。いくつかの実施形態では、高剪断力へのこのような曝露は、例えばマイクロフルイダイザー(登録商標)(Microfluidics Corporation/MFIC Corporation)または均一ナノ粒子組成物を作製するのに有用であり得るその他の同様の装置といった機器に試料を通すことにより成し遂げられる。いくつかの実施形態では、約10分未満の時間の間、高剪断力に曝露することにより、試料はミクロ流動化される。いくつかの実施形態では、その時間は、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2または約1分未満である。いくつかの実施形態では、時間は、約1~約2分の範囲内である。いくつかの実施形態では、時間は約30秒である。いくつかの実施形態では、高剪断力への単一回曝露により、試料は「ミクロ流動化」される;このような実施形態は、「単回通過」ミクロ流動化として言及される。
ナノエマルション:乳濁液は、「通常はコロイドサイズより大きい液滴で、不混和性液体中に乳化剤を伴うかまたは伴わずに分散される液体からなる系」(Medline Plus Online Medical Dictionary, Merriam Webster (2005))として当該技術分野で伝統的に定義されている。「ナノエマルション」という用語は、本明細書中で用いる場合、液滴(または粒子)のうちの少なくともいくつかがナノメートルサイズ範囲の直径を有する乳濁液を指す。当業者に理解されるように、ナノエマルションは、マイクロエマルション液滴または粒子の1000分の1の液滴または粒子を特徴とする。
ナノ粒子:本明細書中で用いる場合、「ナノ粒子」という用語は、1000ナノメートル(nm)未満の直径を有する任意の粒子を指す。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、米国国立科学財団により定義されるように、300nm未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、米国国立衛生研究所により定義されるように、100nm未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子はミセルであって、この場合、それらは、ミセル膜によりバルク溶液から分離される封入区画を含む。「ミセル膜」は、空間または区画を取り囲み、封入するために(例えば、管腔を限定するために)集合した両親媒性存在物を含む。
ナノ粒子組成物:本明細書中で用いる場合、「ナノ粒子組成物」という用語は、少なくとも1つのナノ粒子を含有する任意の物質を指す。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物はナノ粒子の均一集合体である。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は分散液または乳濁液である。概して、分散液または乳濁液は、少なくとも2つの不混和性物質が組み合わされる場合に形成される。「水中油型」分散液は、油性(または疎水性または非極性)粒子が水性分散媒内に分散されるものである。「油中水型」分散液は、水性(または親水性または極性)粒子が油性分散媒内に分散されるものである。分散液は任意の2つの不混和性媒質から形成され、水性および油性媒質の組合せに厳密に限定されない、と当業者は理解する。したがって、「分散媒」という用語は、「水性」および「油性」部類を指すことが一般的であるにもかかわらず、任意の分散媒に広範に当てはまる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物はナノエマルションである。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物はミセルを含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、米国特許第7,763,663号(2010年7月27日発行;発明の名称「多糖含有ブロックコポリマー粒子およびその使用(POLYSACCHARIDE-CONTAINING BLOCK COPOLYMER PARTICLES AND USES THEREOF)」(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されたような粒子を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、国際特許出願番号PCT/US06/026918(2006年7月11日出願、国際公開第08/010788号(2008年1月24日)として公開;発明の名称「ナノエマルションを製造しおよび使用するための組成物および方法(COMPOSITIONS AND METHODS FOR MAKING AND USING NANOEMULSIONS)」)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されたようなナノエマルションを含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、国際特許出願番号PCT/US06/46236(2006年12月1日出願、国際公開第08/045107号(2008年4月17日)として公開;発明の名称「ボツリヌスナノエマルション(BOTULINUM NANOEMULSIONS)」)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されたようなナノエマルションを含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、国際特許出願番号PCT/US07/86018(2007年11月30日出願、国際公開第08/070538号(2008年6月12日)として公開;発明の名称「両親媒性存在物ナノ粒子(AMPHIPHILIC ENTITY NANOPARTICLES)」)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されたような両親媒性存在物ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、PCT出願PCT/US08/65329(2008年5月30日出願、国際公開第08/151022号(2008年12月11日)として公開;発明の名称「核酸ナノ粒子およびその使用(NUCLEIC ACID NANOPARTICLES AND USES THEREFOR)」)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されたような粒子を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、国際特許出願番号PCT/US07/86040(2007年11月30日出願、国際公開第08/140594号(2008年11月20日)として公開;発明の名称「ペプチドナノ粒子およびその使用(PEPTIDE NANOPARTICLES AND USES THEREFOR)」)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されたような粒子を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、国際特許出願番号PCT/US09/48972(2009年6月26日出願、国際公開第09/158687号(2009年12月30日)として公開;発明の名称「皮膚送達(DERMAL DELIVERY)」)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されたような粒子を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は安定している。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、ナノ粒子と一緒に送達されるべき1つ以上の生物学的活性作用物質を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物はエンプティナノ粒子組成物である(例えば、それらはいかなる既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質も含有しない)。
~を夾雑されない:「~を夾雑されない」という語句は、ナノ粒子組成物に言及するために本明細書中で用いられる場合、「~を実質的に含まない」と同義であり、列挙物質の約50%以下を含有するナノ粒子組成物を記述する。例えば、ナノ粒子組成物が、その直径が記述範囲外である粒子を「実質的に含まない」といわれる場合には、その組成物中の粒子の約50%以下が範囲外の直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の25%以下が範囲外である。いくつかの実施形態では、粒子の20%以下、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%またはそれ未満が、記述範囲外の直径を有する。
核酸:本明細書中で用いる場合、「核酸」という用語は、その最も広い意味で、オリゴヌクレオチド鎖に組み入れられるかまたは組み入れられ得る任意の化合物および/または物質を指す。いくつかの実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合を介してオリゴヌクレオチド鎖中に組み入れられるかまたは組み入れられ得る化合物および/または物質である。いくつかの実施形態では、「核酸」は、個々の核酸残基(例えばヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド)を指す。いくつかの実施形態では、「核酸」は、個々の核酸残基を含むオリゴヌクレオチド鎖を指す。本明細書中で用いる場合、「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」という用語は、互換的に用いられ得る。いくつかの実施形態では、「核酸」はRNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖DNAおよび/またはcDNAを包含する。さらに、「核酸」、「DNA」、「RNA」という用語、および/または類似の用語は、核酸類似体、例えばホスホジエステル主鎖以外を有する類似体を包含する。例えば、いわゆる「ペプチド核酸」(当該技術分野で既知であり、主鎖中のホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を有する)は、本発明の範囲内であるとみなされる。「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」という用語は、互いの変性バージョンであり、および/または同一アミノ酸配列をコードするすべてのヌクレオチド配列を包含する。タンパク質および/またはRNAをコードするヌクレオチド配列は、イントロンを含み得る。核酸は、天然供給源から精製され、組換え発現系を用いて産生され、そして任意に精製され、化学的に合成されるなどであり得る。適切な場合、例えば化学的合成分子の場合、核酸は、ヌクレオシド類似体、例えば化学修飾塩基または糖、主鎖修飾等を有する類似体を含み得る。核酸配列は、別記しない限り、5’→3’方向で示される。「核酸セグメント」という用語は、長い核酸配列の一部分である核酸配列に言及するために本明細書中で用いられる。多数の実施形態において、核酸セグメントは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の残基を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、天然ヌクレオシド(例えば、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシンおよびデオキシシチジン);ヌクレオシド類似体(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5プロピニル-シチジン、C-5プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、O(6)-メチルグアニンおよび2-チオシチジン);化学的修飾塩基;生物学的修飾塩基(例えば、メチル化塩基);介在塩基;修飾糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノースおよびヘキソース);および/または修飾リン酸基(例えば、ホスホロチオエートおよび5’-N-ホスホルアミダイト結合)であるかまたはそれらを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、具体的には、化学的に修飾されていない核酸(例えば、ポリヌクレオチドおよび残基、例えばヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド)を意味する「非修飾核酸」に関する。
患者:本明細書中で用いる場合、「患者」または「対象」という用語は、例えば実験、診断、予防、化粧および/または治療目的のために、提供される組成物が投与され得る任意の生物体を指す。典型的患者としては、動物(例えば、哺乳動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類およびヒト)が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者はヒトである。
薬学的に許容可能な:「薬学的に許容可能な」という用語は、本明細書中で用いる場合、健全な医学的判断の範囲内で、合理的利益/危険比に相応する、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、あるいはその他の問題または合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触して用いるのに適している作用物質を指す。
プレミックス:本明細書中で用いる場合、「プレミックス」という用語は、本発明によるナノ粒子組成物を生成するためにその後用いられる構成成分の任意の組合せを指す。例えばプレミックスは、高剪断力に付されると、本発明によるナノ粒子を生成する成分の任意の集合体である。いくつかの実施形態では、プレミックスは2つ以上の不混和性溶媒を含有する。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ナノ粒子に自己集合する構成成分を含有する。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ミセルに自己集合する構成成分を含有する。いくつかの実施形態では、プレミックスは、同時係属中PCT出願番号PCT/US07/86018(2007年11月30日出願、国際公開第08/070538号(2008年6月12日)として公開;発明の名称:「両親媒性存在物ナノ粒子(AMPHIPHILIC ENTITY NANOPARTICLES)」に記載されたような1つ以上の両親媒性存在物を含有する。いくつかの実施形態では、プレミックスは、1つ以上の既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含有する。いくつかの実施形態では、プレミックスは、いかなる既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質も含有しない。いくつかの実施形態では、プレミックスは、掻き混ぜられ、混合され、および/または撹拌される;いくつかの実施形態では、プレミックスは、高剪断力に付される前に、掻き混ぜられ、混合されおよび/または撹拌される。いくつかの実施形態では、プレミックスは、少なくとも1つの可溶化構成成分(すなわち、溶液中に存在する少なくとも1つの構成成分)を含む;いくつかのこのような実施形態では、プレミックスは、このような可溶化が達成された後に、高剪断力に付される。
純粋な:本明細書中で用いる場合、物質および/または存在物は、それが他の構成成分を実質的に含まないならば、「純粋」である。例えば、約90%より多くの特定の物質および/または存在物を含有する調製物は、典型的には、純粋な調製物であるとみなされる。いくつかの実施形態では、物質および/または存在物は、純度が少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%である。
難治性の:「難治性の」という用語は、本明細書中で用いる場合、開業医により普通に観察されるような提供される組成物の投与後の予期される臨床的効果に応答しない任意の対象を指す。
自己投与:「自己投与」という用語は、本明細書中で用いる場合、医学的指示を必要とせずに、対象が、彼または彼女自身に組成物を投与する能力を有する状況を指す。いくつかの実施形態では、自己投与は、臨床的設定外で実施され得る。一例を挙げると、いくつかの実施形態では、顔面化粧用クリームは、自宅で被験者により投与され得る。
剪断力:本明細書中で用いる場合、「剪断力」という用語は、物質の面に対して垂直である力とは対照的に、物質の面に対して平行または接線方向である力を指す。いくつかの実施形態では、組成物は、均一ナノ粒子組成物を生成するために、高剪断力に曝露される。高剪断力を生じるために、当該技術分野で既知の任意の方法が用いられ得る。いくつかの実施形態では、高剪断力を生じるためにキャビテーションが用いられる。いくつかの実施形態では、高剪断力を生じるために高圧均質化が用いられる。代替的または付加的には、高剪断力は、高圧、例えば約15,000psiへの曝露により与えられ得る。いくつかの実施形態では、このような高圧は、約18,000psi~約26,000psiの範囲内である;いくつかの実施形態では、それは約20,000psi~約25,000psiの範囲内である。いくつかの実施形態では、そして一例を挙げると、高剪断力を生じるために、マイクロフルイダイザー(登録商標)プロセッサー(Microfluidics Corporation/MFIC Corporation)または他の同様の装置が用いられる。マイクロフルイダイザー(登録商標)プロセッサーは、ナノ規模範囲へのサイズ低減のために、高速で(典型的には50m/s~300m/sの範囲で)、マイクロチャンネル(典型的には、75ミクロンのオーダーの寸法を有する)に通して組成物を加速することにより、高圧を、およびその結果生じる高剪断速度を提供する。流体がマイクロチャンネルを出ると、それは、反対のマイクロチャンネルからのジェットと衝突するジェットを形成する。チャンネル中で、流体は、慣用的技法のものより高い大きさのオーダーである高剪断(107l/sまで)を経験する。ジェット衝突は、サブミクロンレベルでの混合を生じる。したがって、このような装置では、高剪断および/または衝撃は、粒子サイズ低減および多相の混合を達成し得る。いくつかの実施形態では、試料は、約10分未満の時間の間、高剪断力に曝露される。いくつかの実施形態では、その時間は、約9分未満、約8分、約7分、約6分、約5分、約4分、約3分、約2分または約1分未満である。いくつかの実施形態では、その時間は、約1分~約2分の範囲内である;いくつかの実施形態では、その時間は約1分未満である;いくつかの実施形態では、その時間は約30秒である。いくつかの実施形態では、試料は、高剪断力への単一回曝露により「ミクロ流動化」される;このような実施形態は、「単回通過」ミクロ流動化として本明細書中で言及される。
類似性:本明細書中で用いる場合、「類似性」という用語は、重合体分子間の、例えばポリヌクレオチド分子(例えばDNA分子および/またはRNA分子)間の、および/またはポリペプチド分子間の、全体的関連性を指す。互いとの重合体分子の類似性パーセントの算定は、同一性パーセントの算定と同様に実施され得るが、但し、類似性パーセントの算定は、当該技術分野で理解されるような保存的置換を考慮する。
小分子:概して、「小分子」は、約5キロダルトン(kD)未満のサイズの分子である。いくつかの実施形態では、小分子は、約4kD未満、3kD、約2kDまたは約1kD未満である。いくつかの実施形態では、小分子は、約800ダルトン(D)未満、約600D、約500D、約400D、約300D、約200Dまたは約100Dである。いくつかの実施形態では、小分子は、約2000g/mol未満、約1500g/mol未満、約1000g/mol未満、約800g/mol未満または約500g/mol未満である。いくつかの実施形態では、小分子は非重合体である。いくつかの実施形態では、本発明によれば、小分子は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、ペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、多糖、糖タンパク質、プロテオグリカン等でない。
安定な:「安定な」という用語は、本明細書中の提供される組成物に適用される場合、組成物が、経時的にそれらの物理的構造(例えば、サイズ範囲および/または粒子の分布)のうちの1つ以上の態様を保持する、ということを意味する。いくつかの実施形態では、安定なナノ粒子組成物は、平均粒子サイズ、最大粒子サイズ、粒子サイズの範囲、および/または粒子サイズの分布(すなわち、意図されるサイズを上回る、および/または意図されるサイズ範囲外の粒子のパーセンテージ)が経時的に保持されるものである。いくつかの実施形態では、その時間は、少なくとも約1時間である;いくつかの実施形態では、その時間は約5時間、約10時間、約1日、約1週間、約2週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約8ヶ月、約10ヶ月、約12ヶ月、約24ヶ月、約36ヶ月またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、その時間は、約1日~約24ヶ月、約2週間~約12ヶ月、約2ヶ月~約5ヶ月等の範囲内である。例えば、ナノエマルション粒子の一集団が長期保存、温度変化および/またはpH変化に付され、そして組成物中のナノ粒子の大多数が記述範囲内の直径(例えば、約10nm~約120nm)を保持する場合、ナノ粒子組成物は安定である。いくつかのこのような集団に関して、大多数は約50%より大きく、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、約99.9%またはそれ以上である。本発明のいくつかの実施形態では、提供される組成物が既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含む場合、治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質(例えば、ボツリヌス毒素)の濃度が、意図された条件組下で意図された時間に亘って組成物中で保持されるならば、提供される組成物は安定であるとみなされる。本発明のいくつかの実施形態では、提供される組成物が少なくとも1つの治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含む場合、治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質(例えば、ボツリヌス毒素)の濃度が、意図された条件組下で意図された時間に亘って組成物中で保持されるならば、提供される組成物は安定であるとみなされる。本発明のいくつかの実施形態では、提供される組成物が治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含む場合、活性作用物質(例えば、ボツリヌス毒素)の生物学的利用能が意図された条件組下で意図された時間に亘って組成物中で保持されるならば、提供される組成物は安定であるとみなされる。当業者に理解されるように、ナノエマルション中の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質の生物学的利用能は、いくつかの実施形態では、活性型(分解されないか、そうでなければ不活性化されない)の作用物質の量または濃度を反映し得る;いくつかの実施形態では、生物学的利用能は、活性作用物質の量または濃度とは無関係であり得る。すなわち、いくつかの実施形態では、生物学的利用能は保持され得るが、しかし量または濃度は増大する(例えば試験レベルのX%まで)かまたは低減する(例えば、開始レベルのY%に下がる)。
実質的に:本明細書中で用いる場合、「実質的に」という用語は、当該特質または特性の全体的またはほぼ全体的範囲または程度を示す定性的条件を指す。生物学的および化学的現象は、たとえ完了するか、および/または完了に向けて進行するかあるいは確固たる結果を達成するかまたは回避するとしても、きわめてまれである、と当業者は理解する。「実質的に」という用語は、したがって、多くの生物学的および化学的現象に内在する完全性の潜在的不足を取り込むために、本明細書で使用される。
~を実質的に含まない:ナノ粒子組成物は、その組成物中の粒子の約50%以下が範囲外の直径を有する場合、その直径が記述範囲外である粒子を「実質的に含まない」といわれる。いくつかの実施形態では、粒子の25%以下は範囲外である。いくつかの実施形態では、粒子の20%以下、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%またはそれ以下が、記述範囲外の直径を有する。
~を蒙っている:疾患、障害または症状(例えば、任意の疾患、障害または症状、例えば本明細書中に記載される任意の疾患、障害または症状(これらに限定されない))を「蒙っている」個体は、疾患、障害または症状を有すると診断されているかまたはその徴候を示す。いくつかの実施形態では、例示的疾患、障害または症状としては、汗腺または皮脂腺に関連した症状、例えば座瘡;多汗症;好ましくない発汗;臭汗症;体臭;色汗症;抜け毛;乾癬;紫外線角膜炎;皮膚感染症;湿疹性皮膚炎(例えば、アトピー性皮膚炎等);過剰皮脂産生障害;熱傷;レイノー現象;紅斑性狼瘡;高色素沈着障害;低色素沈着障害;皮膚癌等が挙げられるが、これらに限定されない。
~に罹り易い:疾患、障害または症状(例えば任意の疾患、障害または症状、例えば本明細書中に記載される任意の疾患、障害または症状(これらに限定されない))に「罹り易い」個体は、疾患、障害または症状を発症する危険がある。いくつかの実施形態では、疾患、障害または症状に罹り易い個体は、疾患、障害または症状の任意の徴候を示さない。いくつかの実施形態では、疾患、障害または症状に罹り易い個体は、疾患、障害または症状を有すると診断されたことがない。いくつかの実施形態では、疾患、障害または症状に罹り易い個体は、疾患、障害または症状の発症に関連した条件に曝露されたことがある個体である(例えば、その個体は、感染作因に曝露されたことがある;その個体は、疾患、障害および/または症状を引き起こすと考えられる環境的危害に曝露されたことがある、等)。いくつかの実施形態では、疾患、障害および/または症状を発症する危険は、集団ベースの危険である(例えば、個体は、疾患、障害および/または症状に関連した遺伝子および/または対立遺伝子を保有する)。
症候が低減される:本発明によれば、特定の疾患、障害または症状の1つ以上の症候が大きさ(例えば、強さ、重症度等)または頻度を低減される場合、「症候は低減される」。分かり易くするために、特定の症候の開始の遅延は、その症候の頻度を低減する1つの形態であるとみなされる。2~3の例を挙げると、当該症状が座瘡である場合、選定区域における1つ以上の傷の強さ(例えば直径、容積等)および/または重症度(例えば、赤さ、炎症応答等)が低減される場合、および/または全体的傷の数が低減される場合(例えば対象の顔面、背部等における)、その症状の症候は低減される。当該症状が多汗症および/または好ましくない発汗である場合には、対象が低発汗を生じると、症候は低減される。本発明は、症候が除去される症例のみに限定される、というものではない。本発明は、具体的には、1つ以上の症候が、完全に除去されるというわけではないが、低減される(そして対象の症状がそれにより「改善」される)ような処置を意図する。
治療的有効量:本明細書中で用いる場合、「治療的有効量」という用語は、疾患、障害および/または症状に罹患しているかまたは罹患し易い集団に投与される場合に、疾患または障害および/または症状を処置するために十分である量を意味する。いくつかの実施形態では、治療的有効量は、疾患または障害および/または症状の1つ以上の徴候の発生率および/または重症度を低減し、および/またはその開始を遅延する量である。「治療的有効量」という用語は、実際、特定の個体において達成されるべき上で首尾のよい処置を必要とするわけではない、と当業者は理解する。むしろ、治療的有効量は、このような処置を必要とする患者に投与される場合、有意数の対象において特定の所望の薬理学的応答を提供する量であり得る。具体的には、特定の対象は、実際、「治療的有効量」に対して「難治性」であり得る、と理解される。一例を挙げると、難治性対象は、臨床的効能が得られないような低生物学的利用能を有し得る。一実施形態では、治療的有効量に言及することは、1つ以上の特定の組織で測定されるような量に言及することであり得る。一実施形態において、治療的に有効な作用物質は、単回用量で製剤化されるかおよび/または投与され得る、と当業者は理解する。いくつかの実施形態では、治療的に有効な作用物質は、用量投与レジメンの一部として、複数回用量で製剤化され得るかおよび/または投与され得る。
治療薬:本明細書中で用いる場合、「治療薬」という語句は、対象に投与される場合に、治療的作用を有するか、および/または所望の生物学的および/または薬理学的作用を引き出す任意の作用物質を指す。
毒性溶媒:本明細書中で用いる場合、「毒性溶媒」という用語は、動物の組織を変質し、崩壊し、除去し、または破壊し得る任意の物質を指す。当業者に理解されるように、動物の組織は、生細胞、死細胞、細胞外マトリックス、細胞接合部、生物学的分子等を包含し得る。2~3の例を挙げると、毒性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトイミド、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、テトラメチルホルムアミド、アセトン、アセテートおよびアルカンが挙げられる。
処置:本明細書中で用いる場合、「処置」(「処置する」または「処置している」も含む)という用語は、特定の疾患または障害および/または症状の1つ以上の症候または特徴を、部分的にまたは完全に、緩和し、改善し、軽減し、抑制し、その開始を遅延し、その重症度を低減し、および/またはその発生率を低減する物質(例えば、提供される組成物)の任意の投与を指す。このような処置は、関連疾患または障害および/または症状の徴候を示さない対象についての、および/または疾患または障害および/または症状の初期徴候のみを示す対象についてのものであり得る。代替的または付加的には、このような処置は、関連疾患または障害および/または症状の1つ以上の確立された徴候を示す対象についてのものであり得る。いくつかの実施形態では、処置は、関連疾患または障害および/または症状に罹患していると診断された対象についてのものであり得る。いくつかの実施形態では、処置は、関連疾患または障害および/または症状の発症の危険増大と統計学的に相関する1つ以上の感受性因子を有することが知られている対象についてのものであり得る。
均一:「均一」という用語は、ナノ粒子に関して本明細書中で用いられる場合、個々のナノ粒子が特定範囲の粒子直径サイズを有するナノ粒子組成物を指す。例えば、いくつかの実施形態では、均一ナノ粒子組成物は、最小直径と最大直径との間の差が約600nm、約550nm、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約100nm、約90nm、約80nm、約70nm、約60nm、約50nmまたはそれ未満を超えないものである。いくつかの実施形態では、均一提供されるナノ粒子組成物内の粒子(例えば、空の粒子、および/または1つ以上の既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含有する粒子)は、約600nm、約550nm、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約130nm、約120nm、約115nm、約110nm、約100nm、約90nm、約80nmまたはそれ以下より小さい直径を有する。いくつかの実施形態では、均一提供されるナノ粒子組成物内の粒子(例えば、空の粒子、および/または1つ以上の既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含有する粒子)は、約10nmおよび約600nmの範囲内の直径を有する。いくつかの実施形態では、均一提供されるナノ粒子組成物内の粒子は、約10nmおよび約300nm、約10nmおよび約200nm、約10nmおよび約150nm、約10nmおよび約130nm、約10nmおよび約120nm、約10nmおよび約115nm、約10nmおよび約110nm、約10nmおよび約100nm、または約10nmおよび約90nmの範囲内の直径を有する。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物内の粒子は、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約130nm、約120nm、約115nm、約110nm、約100nmまたは約90nmより下である平均粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、平均粒子サイズは、約10nmおよび約300nm、約50nmおよび約250nm、約60nmおよび約200nm、約65nmおよび約150nm、約70nmおよび約130nmの範囲内である。いくつかの実施形態では、平均粒子サイズは、約80nm~約110nmである。いくつかの実施形態では、平均粒子サイズは、約90nm~約100nmである。いくつかの実施形態では、均一提供されるナノ粒子組成物内の粒子の大部分が、特定サイズより小さいか、または特定範囲内の直径を有する。いくつかの実施形態では、大多数は、組成物中の粒子の50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、均一ナノ粒子組成物は、試料のミクロ流動化により達成される。いくつかの実施形態では、均一ナノ粒子組成物は、試料の単回通過ミクロ流動化により達成される。いくつかの実施形態では、均一ナノ粒子組成物は、高剪断力への曝露により、例えばミクロ流動化により調製される。
好ましくない副作用:本明細書中で用いる場合、「好ましくない副作用」という用語は、所望のおよび/または意図された作用でない、および/または患者にとって不快である患者への物質の投与に関連した1つ以上の作用および/または症候を指す。好ましくない副作用の例としては、疼痛;挫傷;斑状出血;血腫;ボツリヌス中毒;好ましくない全身性作用;投与物質の望ましくない血中レベル;下層の神経組織への損傷(例えば、神経麻痺);筋肉に及ぼす好ましくない作用(例えば、筋肉麻痺);インフルエンザ様症候;罹患率;死亡率;体重の変化;酵素レベルの変化;顕微鏡的、肉眼的および/または生理学的レベルで検出される病理学的変化;感染症;出血;炎症;瘢痕;機能損失;局所的血流の変化;発熱;倦怠感;奇形発生;肺高血圧症;卒中;心疾患;心臓発作;神経疾患;悪心;嘔吐;眩暈;下痢;頭痛;皮膚炎;口渇;常用癖;流産;妊娠中絶;子宮出血;先天性異常;出血;心臓血管性疾患;難聴;腎損傷および/または腎不全;肝臓損傷および/または肝不全;痴呆;抑うつ;糖尿病;勃起不全;緑内障;抜け毛;貧血;不眠症;乳酸アシドーシス;黒皮症;血栓症;陰茎強直;横紋筋融解症;癲癇発作;傾眠;食欲増大;食欲減退;性欲増大;性欲減退;遅発性ジスキネシア;非腋窩発汗;注射部位疼痛および出血;咽頭炎;頚部疼痛;背部疼痛;掻痒;不安;濾胞閉塞;および/またはその組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、提供される組成物(例えば、提供されるナノ粒子組成物、例えばエンプティナノ粒子組成物、および/または1つ以上の既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含有するナノ粒子組成物;クリームおよび/またはローション製剤;提供されるナノ粒子組成物とクリームおよび/またはローション製剤の組合せ等)の局所投与は、同じ物質の非局所投与(例えば、注射、経口投与等)に比して、好ましくない副作用を約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約99%または約100%低減する。
本発明は、本明細書中に記載されるような特定の組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は提供されるナノ粒子組成物を含む。いくつかの実施形態では、提供される組成物は提供されるクリームおよび/またはローション製剤を含む。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、提供されるナノ粒子組成物および提供されるクリームおよび/またはローション製剤を含む。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、提供されるナノ粒子組成物を含むが、しかし提供されるクリームおよび/またはローション製剤を含まない。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、提供されるクリームおよび/またはローション製剤を含むが、しかし提供されるナノ粒子組成物を含まない。
本発明は、本明細書中に記載されるような特定のナノ粒子組成物を提供する。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、油および水性分散媒、界面活性剤、ならびに任意に独立して生物学的に活性な作用物質および/または既知の治療薬を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書中に記載される個々の特定の成分を含有するナノ粒子組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書中に記載される成分の特定の組合せ(例えば、実施例のいずれか1つに記載される配合法)を含有するナノ粒子組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、特定の構造的および/または機能的属性を有するナノ粒子組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、提供されるナノ粒子組成物の1つ以上の予期せぬおよび/または意外な利点および/または異例の特質を実証する。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるナノ粒子組成物は、一般用医薬品(OTC)製品、例えば消臭剤および制汗剤(これらに限定されない)に用いられ得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるナノ粒子組成物は、処方箋調剤に用いられ得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、障害または症状の処置のための本明細書中に記載される特定のナノ粒子組成物の使用を伴う方法を提供する。いくつかの実施形態では、このような方法は、本明細書中に記載されるような任意の利用可能な投与経路による提供されるナノ粒子組成物の投与を伴う。
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書中に記載されるような特定のクリームおよび/またはローション製剤を提供する。いくつかの実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、対象に送達されるべき任意の作用物質の任意の経路による投与のために有用であり得る。いくつかの実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、対象に送達されるべき任意の作用物質の局所投与のために有用であり得る。いくつかの実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、対象へのナノ粒子組成物の投与のために有用であり得る。いくつかの実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、対象への提供されるナノ粒子組成物の投与のために有用であり得る。
提供されるナノ粒子組成物
本発明は、例えば治療目的のために、医療状況において特に有効および/または有用である特定のナノ粒子組成物を提供する。本発明は、種々の投与経路を介して、それを必要とする対象への作用物質の投与のために特に有効および/または有用である特定のナノ粒子組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、等張塩化ナトリウム溶液を含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的に等張塩化ナトリウム溶液からなる水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、等張塩化ナトリウム溶液からなる水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ゼラチンを含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、リン酸ナトリウムを含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、精製水を含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、塩酸を含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ゼラチン、リン酸ナトリウム、精製水および塩酸を含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的にゼラチン、リン酸ナトリウム、精製水および塩酸からなる水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ゼラチン、リン酸ナトリウム、精製水および塩酸からなる水性分散媒を含む。
分散媒として、または本発明に従って分散されるべき媒質として用いられ得る適切な油性媒質も、当業者は十分に承知している。いくつかの実施形態では、油は、1つ以上の脂肪酸群またはその塩を含み得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、可消化、置換または非置換炭化水素を含み得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、C6-C50脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、C6-C20脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、C6-C16脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、C6-C12脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、C6脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、C8脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、C10脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、C12脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は不飽和であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は一価不飽和であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は多価不飽和であり得る。いくつかの実施形態では、不飽和脂肪酸群の二重結合はシス立体配座であり得る。いくつかの実施形態では、不飽和脂肪酸の二重結合はトランス立体配座であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸および/またはその組合せのうちの1つ以上であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸群は、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、アルファリノレン酸、ガンマリノレン酸、アラキドン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、エルカ酸および/またはその組合せのうちの1つ以上であり得る。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、中鎖トリグリセリド(例えば、6~12個の炭素原子を含む脂肪酸、例えばカプリル酸、オクタン酸、カプリン酸、デカン酸、ラウリン酸など。これらは、いくつかの実施形態では、ヤシ油またはパーム核油から得られる)を含むか、実質的にそれからなるか、またはそれからなる油性分散媒を含む。中鎖トリグリセリドの例としては、一価不飽和および/または多価不飽和ダイズ油、ヤシ油、キャノーラ油、ベニバナ油、オリーブ油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、ベニバナ油、ヤシ油、落花生油、亜麻仁油、ヒマワリ油、米糠油、ゴマ油、ナタネ油、ココアバター、アーモンド油、カシュー油、ヘーゼルナッツ油、モンゴンゴナッツ油、アサイー油、ルリジサ種子油、月見草油、イナゴマメ莢油、アマランス油、アップルシード油、アーティチョーク油、アボカド油、ババス油、ベン油、ボルネオ脂、ココアバター、オナモミ油、コーフン油、ディカ油、グレープシード油、大麻油、カポック種子油、ケナフ種子油、ラッレマンチア油、マルーラ油、メドウフォーム種子油、カラシ油、パパイヤ種子油、エゴマ種子油、ペキ油、芥子油、プルーン核油、キノア油、茶実油、シッスル油、ショクヨウカヤツリ油、トマト種子油、コムギ胚芽油、ラブラファック(商標)Lipophile WL 1349オイル、シリコーン油、鉱油、ラウロイルマクロゴール-6グリセリド、ラウロイルポリオキシル-6グリセリド、オレオイルマクロゴール-6グリセリド、オレオイルポリオキシル-6グリセリド、リノレオイルマクロゴール-6グリセリド、リノレオイルポリオキシル-6グリセリド、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノラウレート、ポリグリセリル-3ジオレアート、プロピレングリコールジカプリロカプレート、ジエチレングリコールモネチルエーテル、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリド、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドおよび/またはその組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、油は、飽和、一価不飽和および/または多価不飽和の短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸、超長鎖脂肪酸および/またはその組合せであるか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態では、超長鎖脂肪酸の例としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、リノール酸、アルファリノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸および/またはその組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、油は、短鎖トリグリセリド、中鎖トリグリセリド、長鎖トリグリセリドおよび/またはその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、短鎖トリグリセリド、中鎖トリグリセリドおよび/または長鎖トリグリセリドは、飽和、一価不飽和および/または多価不飽和ダイズ油、ヤシ油、キャノーラ油、ベニバナ油、オリーブ油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、ベニバナ油、ヤシ油、落花生油、亜麻仁油、ヒマワリ油、米糠油、ゴマ油、ナタネ油、ココアバター、アーモンド油、カシュー油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、ペカン油、松実油、ピスタチオ油、サチャインチ油、クルミ油、ヒョウタン油、バッファローカボチャ油、バターナットカボチャ種子油、カボチャ種子油、スイカ種子油、アサイー油、ブラックカラント種子油、ルリジサ種子油、月見草油、イナゴマメ莢油、アマランス油、アンズ油、アンズ核油、アップルシード油、アルガン油、アーティチョーク油、アボカド油、ババス油、ベン油、ボルネオ脂、ケープチェストナット油、カッシア油、ココアバター、オナモミ油、コーフン油、コリアンダー種子油、ディカ油、グレープシード油、大麻油、カポック種子油、ケナフ種子油、ラッレマンチア油、マルーラ油、メドウフォーム種子油、カラシ油、ナツメグバター、オクラ種子油、パパイヤ種子油、エゴマ種子油、ペキ油、芥子油、プルーン核油、キノア油、ラムティル油、ロイレ油、茶実油、シッスル油、ショクヨウカヤツリ油、トマト種子油、コムギ胚芽油、ラディッシュ油、アツケシソウ油、アブラギリ油、藻類油、コパイバ油、honge油、ジャトロファ油、petroleum nut油、WL 1349オイル、シリコーン油、鉱油、ラウロイルマクロゴール-6グリセリド、ラウロイルポリオキシル-6グリセリド、オレオイルマクロゴール-6グリセリド、オレオイルポリオキシル-6グリセリド、リノレオイルマクロゴール-6グリセリド、リノレオイルポリオキシル-6グリセリド、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノラウレート、ポリグリセリル-3ジオレアート、プロピレングリコールジカプリロカプレート、ジエチレングリコールモネチルエーテル、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリド、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドおよび/またはその組合せからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、油剤は、飽和、一価不飽和および/または多価不飽和ダイズ油、ヤシ油、キャノーラ油、ベニバナ油、オリーブ油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、ベニバナ油、ヤシ油、落花生油、亜麻仁油、ヒマワリ油、米糠油、ゴマ油、ナタネ油、ココアバター、アーモンド油、カシュー油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、ペカン油、松実油、ピスタチオ油、サチャインチ油、クルミ油、ヒョウタン油、バッファローカボチャ油、バターナットカボチャ種子油、カボチャ種子油、スイカ種子油、アサイー油、ブラックカラント種子油、ルリジサ種子油、月見草油、イナゴマメ莢油、アマランス油、アンズ油、アンズ核油、アップルシード油、アルガン油、アーティチョーク油、アボカド油、ババス油、ベン油、ボルネオ脂、ケープチェストナット油、カッシア油、ココアバター、オナモミ油、コーフン油、コリアンダー種子油、ディカ油、グレープシード油、大麻油、カポック種子油、ケナフ種子油、ラッレマンチア油、マルーラ油、メドウフォーム種子油、カラシ油、ナツメグバター、オクラ種子油、パパイヤ種子油、エゴマ種子油、ペキ油、芥子油、プルーン核油、キノア油、ラムティル油、ロイレ油、茶実油、シッスル油、ショクヨウカヤツリ油、トマト種子油、コムギ胚芽油、ラディッシュ油、アツケシソウ油、アブラギリ油、藻類油、コパイバ油、honge油、ジャトロファ油、petroleum nut油、WL 1349オイル、シリコーン油、鉱油、ラウロイルマクロゴール-6グリセリド、ラウロイルポリオキシル-6グリセリド、オレオイルマクロゴール-6グリセリド、オレオイルポリオキシル-6グリセリド、リノレオイルマクロゴール-6グリセリド、リノレオイルポリオキシル-6グリセリド、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノラウレート、ポリグリセリル-3ジオレアート、プロピレングリコールジカプリロカプレート、ジエチレングリコールモネチルエーテル、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリド、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、ベルガモット、カデ、カミツレ、キャラウェイ、カルナウバ、ヒマ、肉桂、タラ肝臓、コーヒー、エミュー、ユーカリ、魚類、ゲラニオール、ヒソップ、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツエアクベバ、アオイ、マンゴー種子、ミンク、オレンジ、オレンジラフィー、パーム核、モモ核、ローズマリー、ビャクダン、サザンカ、キダチハッカ、サジー、シアバター、ティーツリー、ツバキ、ベチバー、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、ジエチルセバケート、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、および/またはその組合せであるか、またはそれらを含む。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイルを含む油剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的に1349オイルからなる油剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイルからなる油剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ダイズ油を含む油剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的にダイズ油からなる油剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物はダイズ油からなる油剤を含む。
2つの不混和性媒質のほかに、提供されるナノ粒子組成物は、例えば1つ以上の界面活性剤または乳化剤を含み得る。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、両親媒性存在物であるかまたはそれを含み、この場合、典型的には存在物の対置する末端に親水性部分と疎水性部分を含有する。いくつかの実施形態では、両親媒性存在物は、親水性頭部と疎水性尾部を有するといわれている。いくつかの実施形態では、両親媒性存在物は、荷電(陰イオン性、陽イオン性または両イオン性)頭部を有する;いくつかの実施形態では、両親媒性存在物は非荷電頭部基を有する。
適切なこのような界面活性剤または乳化剤としては、ペムレン;ホスホグリセリド;ホスファチジルコリン;ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC);ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE);ジオレイルオキシプロピルトリエチルアンモニウム(DOTMA);ジオレオイルホスファチジルコリン;コレステロール;コレステロールエステル;ジアシルグリセロール;ジアシルグリセロールスクシネート;ジホスファチジルグリセロール(DPPG);ヘキサンデカノール;脂肪アルコール、例えばポリエチレングリコール(PEG);ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル;界面活性脂肪酸、例えばパルミチン酸またはオレイン酸;脂肪酸;脂肪酸モノグリセリド;脂肪酸ジグリセリド;脂肪酸アミド;ソルビタントリオレエート(SPAN(登録商標)85)グリココレート;ソルビタンモノラウレート(SPAN(登録商標)20);ポリオキシエチレンモノステアレート;サーファクチン;ポロキソマー;ソルビタン脂肪酸エステル、例えばソルビタントリオレエート;レシチン;リソレシチン;ホスファチジルセリン;ホスファチジルイノシトール;スフィンゴミエリン;ホスファチジルエタノールアミン(セファリン);カルジオリピン;ホスファチジン酸;セレブロシド;ジセチルホスフェート;ジパルミトイルホスファチジルグリセロール;ステアリルアミン;ドデシルアミン;ヘキサデシル-アミン;アセチルパルミテート;グリセロールリシノリエート;ヘキサデシルステアレート;ミリスチン酸イソプロピル;チロキサポール;ポリ(エチレングリコール)5000-ホスファチジルエタノールアミン;ポリ(エチレングリコール)400-モノステアレート;リン脂質;高界面活性特性を有する合成および/または天然洗剤;デオキシコレート;シクロデキストリン;カオトロピック塩;イオン対合剤;ドデシル硫酸ナトリウム;ペムレン;ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステルを基礎にした頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、ポリソルベート(TWEEN(登録商標))、超精製(super refined)ポリソルベート(TWEEN(登録商標))および/またはその組合せ;例えば、ポリソルベート20(TWEEN(登録商標)20);ポリソルベート60(TWEEN(登録商標)60);ポリソルベート65(TWEEN(登録商標)65);ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80);ポリソルベート85(TWEEN(登録商標)85);超精製ポリソルベート20(SR TWEEN(登録商標)20);超精製ポリソルベート60(SR TWEEN(登録商標)60);超精製ポリソルベート65(SR TWEEN(登録商標)65);超精製ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80);超精製ポリソルベート85(SR TWEEN(登録商標)85);および/またはその組合せが挙げられるが、これらに限定されない);硫酸塩ベースの頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム等の場合);スルホン酸塩ベースの頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、ペルフルオロオクタンスルホネート[PFOS]、ペルフルオロブタンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、CHAPS(3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン等の場合);リン酸塩ベースの頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、アルキルアリールエーテルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、レシチン等の場合);カルボン酸塩ベースの頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、脂肪酸、ステアリン酸ナトリウム、ナトリウムラウロイルサルコシネート、カルボキシレートフルオロ界面活性剤、ペルフルオロノナノエート、ペルフルオロオクタノエート[PFOAまたはPFO]、アミノ酸、イミノ酸、コカミドプロピルベタイン等の場合);アミンベースの頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、第一級、第二級または第三級アミン(オクテニデイン二塩酸塩の場合));第四級アンモニウムイオンを含む頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド[CTAB]、いわゆる、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド[CTAC]、セチルピリジニウムクロリド[CPC]、ポリエトキシル化獣脂アミン[POEA]、ベンズアルコニウムクロリド[BAC]、ベンズエトニウムクロリド[BZT]、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド[DODAB]の場合);脂肪アルコールを基礎にした頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール等の場合);ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテルを基礎にした頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテルの場合);ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテルを基礎にした頭部基を有する両親媒性存在物;グルコシドアルキルエーテルを基礎とした頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド等の場合);ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテルを基礎にした頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、トリトンX-100の場合);ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテルを基礎にした頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、ノノシノール-9);グリセロールアルキルエステルを基礎にした頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、グリセリルラウレートの場合);ソルビタンアルキルエステルを基礎にした頭部基を有する両親媒性存在物(例えば、スパンス(spans));コカミドMEA、コカミドDEA<ドデシルジメチルアミンオキシドであるかまたはそれを含む両親媒性存在物;ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロックコポリマー(すなわち、ポロキサマー);炭化水素鎖を基礎にした尾部基を有するか、またはそれを含有する両親媒性存在物;アルキルエーテル鎖を基礎にした尾部基を有するか、またはそれを含有する両親媒性存在物;ポリエチレンを基礎にした尾部基を有するか、またはそれを含有する両親媒性存在物;ポリプロピレンオキシドを基礎にした尾部基を有するかまたはそれを含有する両親媒性存在物;フルオロカーボン鎖を基礎にした尾部基を有するか、またはそれを含有する両親媒性存在物;シロキサン鎖を基礎にした尾部基を有するか、またはそれを含有する両親媒性存在物;および/またはその組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ポリソルベート(TWEEN(登録商標))物質を含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、超精製ポリソルベート(SR TWEEN(登録商標))物質を含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ポリソルベート20(TWEEN(登録商標)20);ポリソルベート60(TWEEN(登録商標)60);ポリソルベート65(TWEEN(登録商標)65);ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80);ポリソルベート85(TWEEN(登録商標)85);超精製ポリソルベート20(SR TWEEN(登録商標)20);超精製ポリソルベート60(SR TWEEN(登録商標)60);超精製ポリソルベート65(SR TWEEN(登録商標)65);超精製ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80);超精製ポリソルベート85(SR TWEEN(登録商標)85);およびその組合せからなる群から選択されるポリソルベートを含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)を含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、超精製ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80)を含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的にポリソルベート(TWEEN(登録商標))物質からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的に超精製ポリソルベート(SR TWEEN(登録商標))物質からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的にポリソルベート20(TWEEN(登録商標)20);ポリソルベート60(TWEEN(登録商標)60);ポリソルベート65(TWEEN(登録商標)65);ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80);ポリソルベート85(TWEEN(登録商標)85);超精製ポリソルベート20(SR TWEEN(登録商標)20);超精製ポリソルベート60(SR TWEEN(登録商標)60);超精製ポリソルベート65(SR TWEEN(登録商標)65);超精製ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80);超精製ポリソルベート85(SR TWEEN(登録商標)85);およびその組合せからなる群から選択されるポリソルベートからなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的にポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的に超精製ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80)からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ポリソルベート(TWEEN(登録商標))物質からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、超精製ポリソルベート(SR TWEEN(登録商標))物質からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ポリソルベート20(TWEEN(登録商標)20);ポリソルベート60(TWEEN(登録商標)60);ポリソルベート65(TWEEN(登録商標)65);ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80);ポリソルベート85(TWEEN(登録商標)85);超精製ポリソルベート20(SR TWEEN(登録商標)20);超精製ポリソルベート60(SR TWEEN(登録商標)60);超精製ポリソルベート65(SR TWEEN(登録商標)65);超精製ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80);超精製ポリソルベート85(SR TWEEN(登録商標)85);およびその組合せからなる群から選択されるポリソルベートからなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、超精製ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80)からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的にペムレンからなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ペムレンからなる界面活性剤を含む。
いくつかの実施形態では、界面活性剤は異なる界面活性剤の混合物である。界面活性剤は、天然供給源から抽出され、精製され得るか、あるいは実験室で合成的に調製され得る。いくつかの実施形態では、界面活性剤は市販されている。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、加水分解コラーゲンタンパク質からなる群から選択されるゼラチン剤、例えば、ゲラタイン(Gelatine)、ゲルフォーム(Gelfoam)、プラゲル(Puragel)、ガルフォーム(Galfoam)、CAS番号 9000-70-8に対応する物質、および/またはその組合せからなる群から選択されるゼラチン剤を含む。
本明細書中で提供される教示にかんがみて、当業者は、代替的または付加的ゼラチン剤を容易に同定し得る。概して、当該技術分野で既知であるように、ゼラチンは、家畜のウシ、ブタおよびウマ等の動物の煮沸骨、結合組織、臓器および多少の腸から抽出されるコラーゲンの部分的、典型的には不可逆的な加水分解により産生されるタンパク質物質である。
ゼラチンそれ自体は、本明細書中に記載される属性等の望ましい属性を有する唯一の作用物質であるというわけではない、と当業者は容易に理解し、同様の属性および/または機能を有する付加的作用物質を同定するために、種々の作用物質、特にペプチド剤を容易に試験し得る。ゼラチンにより示されるものと同様の属性および/または機能に関して試験され得るペプチド物質の例としては、血液および/または血漿由来のタンパク質、例えばアルブミン、フィブリン、トロンビン、プロトロンビンおよび/またはその組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、例えば1つ以上の賦形剤を含み得る。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、メチルパラベンを含む賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的にメチルパラベンからなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、メチルパラベンからなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、プロピルパラベンを含む賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的にプロピルパラベンからなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、プロピルパラベンからなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、プロピルパラベンおよびメチルパラベンを含む賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、実質的にプロピルパラベンおよびメチルパラベンからなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、プロピルパラベンおよびメチルパラベンからなる賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、実質的にまたは完全にパラベンを含まない。
いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイル、ポリソルベート80、パラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)、等張塩化ナトリウム溶液、精製水、ゼラチン、二塩基性リン酸ナトリウムおよび濃塩酸のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイル、ポリソルベート80、パラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)、等張塩化ナトリウム溶液、精製水、ゼラチン、二塩基性リン酸ナトリウムおよび濃塩酸のうちのすべてを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイル、ポリソルベート80、パラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)およびゼラチンのうちのすべてを含む。いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイル、ポリソルベート80およびゼラチンのうちのすべてを含む。いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイル、ポリソルベート80およびパラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)のすべてを含む。いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイルおよびポリソルベート80のすべてを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、実質的に、1349オイル、ポリソルベート80、パラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)、等張塩化ナトリウム溶液、精製水、ゼラチン、二塩基性リン酸ナトリウムおよび濃塩酸のうちの1つ以上からなる。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、実質的に、1349オイル、ポリソルベート80、パラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)およびゼラチンのうちのすべてからなる。いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、実質的に、1349オイル、ポリソルベート80およびゼラチンのうちのすべてからなる。いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、実質的に、1349オイル、ポリソルベート80およびパラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)のすべてからなる。いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、実質的に、1349オイルおよびポリソルベート80のすべてからなる。
いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイル、ポリソルベート80、等張塩化ナトリウム溶液、精製水、ゼラチン、二塩基性リン酸ナトリウムおよび濃塩酸のうちの1つ以上からなる。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイル、ポリソルベート80、パラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)およびゼラチンのうちのすべてからなる。いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイル、ポリソルベート80およびゼラチンのうちのすべてからなる。いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイル、ポリソルベート80およびパラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)のすべてからなる。いくつかの実施形態では、本発明は改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、1349オイルおよびポリソルベート80のすべてからなる。
いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、中鎖トリグリセリド、ポリソルベート、パラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)およびゼラチンのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、中鎖トリグリセリド、ポリソルベート、パラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)およびゼラチンのうちのすべてを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、中鎖トリグリセリド、ポリソルベートおよびゼラチンのうちのすべてを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、中鎖トリグリセリド、ポリソルベートおよびパラベン(例えば、プロピルパラベン、メチルパラベン、その他のパラベンおよび/またはその組合せ)のうちのすべてを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、中鎖トリグリセリドおよびポリソルベートのうちのすべてを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は如何なるパラベンも含有しない。
いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は如何なるゼラチンも含有しない。
いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、中鎖トリグリセリド、ポリソルベートおよびゼラチンのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、中鎖トリグリセリド、ポリソルベートおよびゼラチンのうちのすべてを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、実施例1~20のいずれかに記述される構成成分を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、油および界面活性剤を0.67:1の比で含む。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、油および等張塩化ナトリウム溶液を1:10の比で含む。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、界面活性剤および等張塩化ナトリウム溶液を1:1.67の比で含む。いくつかの実施形態では、本発明は、改良されたナノ粒子組成物を提供するが、この場合、提供されるナノ粒子組成物は、実施例1~20のいずれかに記述される比率の構成成分を含む。
いくつかの実施形態では、プレミックスは、油および界面活性剤を0.5~10の範囲の比で含む。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は、約0.5:1、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1または約10:1である。いくつかの実施形態では、界面活性剤対油の比は、約0.5:1、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1または約10:1である。
いくつかの実施形態では、油および界面活性剤は、0.1~2の範囲の比で利用される。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.1:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は0.15:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.2:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.25:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.3:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.35:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.4:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.45:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.5:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.55:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.6:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.65:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.7:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.75:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.8:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.85:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.9:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約0.95:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.05である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.1である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.15である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.2である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.25である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.3である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.35である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.4である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.45である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.5である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.55である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.6である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.65である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.7である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.75である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.8である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.85である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.9である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:1.95である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:2である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:2.5である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:3である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:3.5である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:4である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:4.5である。いくつかの実施形態では、油対界面活性剤の比は約1:5である。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、油および界面活性剤を約0.1:1~約2:1の範囲の比で含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、油および界面活性剤を約0.1:1~約1:1の比で含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、油および界面活性剤を約0.5:1~約1:1の比で含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、油および界面活性剤を、約0.1:1、約0.15:1、約0.2:1、約0.25:1、約0.3:1、約0.35:1、約0.4:1、約0.45:1、約0.5:1、約0.5:1、約0.55:1、約0.6:1、約0.65:1、約0.7:1、約0.75:1、約0.8:1、約0.85:1、約0.9:1、約0.95:1または約1:1の比で含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、油および界面活性剤を約0.67:1の比で含む。
いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)および界面活性剤は、0.01および20の間の範囲の比で利用される。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)および界面活性剤は、0.1および20の間の範囲の比で利用される。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)および界面活性剤は、0.5および10の間の範囲の比で利用される。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)および界面活性剤は、0.5および1の間の範囲の比で利用される。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)対界面活性剤の比は、約0.01:1、約0.02:1、約0.03:1、約0.04:1、約0.05:1、約0.06:1、約0.07:1、約0.08:1、約0.0:1、約0.1:1、約0.2:1、約0.3:1、約0.4:1、約0.5:1、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1または約10:1である。いくつかの実施形態では、界面活性剤対水の比は、約0.5:1、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1または約20:1である。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)および界面活性剤は、0.5および2の間の範囲の比で利用される。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)対界面活性剤の比は、約0.5:1、約1:1または約2:1である。いくつかの実施形態では、界面活性剤対水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)の比は、約0.5:1、約1:1または約2:1である。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)対界面活性剤の比は約1:1である。いくつかの実施形態では、このような比率の水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)対界面活性剤の比を利用する組成物は、油中水型エマルションを含む。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、水性分散媒および界面活性剤を約8:1~約9:1の範囲の比で含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、水性分散媒および界面活性剤を、約8:1、約8.1:1、約8.2:1、約8.3:1、約8.4:1、約8.5:1、約8.6:1、約8.7:1、約8.8:1、約8.9:1、約9:1等の比で含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、水性分散媒および界面活性剤を約8.7:1の比で含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、水性分散媒および界面活性剤を約8.8:1の比で含む。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、水性分散媒および界面活性剤を約12:1~約14:1の範囲の比で含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、水性分散媒および界面活性剤を、約12:1、約12.1:1、約12.2:1、約12.3:1、約12.4:1、約12.5:1、約12.6:1、約12.7:1、約12.8:1、約12.9:1、約13:1、約13.1:1、約13.2:1、約13.3:1、約13.4:1、約13.5:1、約13.6:1、約13.7:1、約13.8:1、約13.9:1、約14:1等の比で含む。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、水性分散媒および界面活性剤を約13.1:1の比で含む。
いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、0%~50%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、0%~40%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、0%~30%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、0%~20%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、0%~10%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、0%~5%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、5%~10%、10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、35%~40%または45%~50%%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、10%~20%、10%~30%、10%~40%または10%~50%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、20%~30%、20%~40%、20%~50%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、30%~40%または30%~50%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、40%~50%の範囲である。
いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%または約50%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約10%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約9%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約8%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約7%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約6%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約5%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約4%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約3%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約2%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約1%である。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の油のパーセントは、約5%~約8%の範囲である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の油のパーセントは、約5%、約5.1%、約5.2%、約5.3%、約5.4%、約5.5%、約5.6%、約5.7%、約5.8%、約5.9%、約6%、約6.1%、約6.2%、約6.3%、約6.4%、約6.5%、約6.6%、約6.7%、約6.8%、約6.9%、約7%、約7.1%、約7.2%、約7.3%、約7.4%、約7.5%、約7.6%、約7.7%、約7.8%、約7.9%または約8%である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の油のパーセントは約6.3%である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の油のパーセントは約6.4%である。
プレミックス中の水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)のパーセントは、0%~99%、10%~99%、25%~99%、50%~99%または75%~99%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、プレミックス中の水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)のパーセントは、0%~75%、0%~50%、0%~25%または0%~10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、プレミックス中の水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)のパーセントは、0%~30%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)のパーセントは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%である。いくつかの実施形態では、水のパーセントは約83%である。いくつかの実施形態では、水のパーセントは約9%である。いくつかの実施形態では、水のパーセントは約5%である。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の水性分散媒のパーセントは、約80%~約85%の範囲である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の水性分散媒のパーセントは、約80、約80.5%、約81%、約81.5%、約82%、約82.5%、約83%、約83.5%、約84%、約84.5%または約85%である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の水性分散媒のパーセントは約83.5%である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の油のパーセントは約84%である。
いくつかの実施形態では、プレミックス中の界面活性剤のパーセントは0%~30%の範囲である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の界面活性剤のパーセントは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%または約50%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約10%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約9%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約8%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約7%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約6%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約5%である。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の界面活性剤のパーセントは約8%~約11%の範囲である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の界面活性剤のパーセントは、約8%、約8.1%、約8.2%、約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、約9%、約9.1%、約9.2%、約9.3%、約9.4%、約9.5%、約9.6%、約9.7%、約9.8%、約9.9%、約10%、約10.1%、約10.2%、約10.3%、約10.4%、約10.5%、約10.6%、約10.7%、約10.8%、約10.9%または約11%である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の界面活性剤のパーセントは約9.5%である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の界面活性剤のパーセントは約9.6%である。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の賦形剤のパーセントは、約0.1%~約1%の範囲である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の賦形剤のパーセントは、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%または約1%である。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物中の賦形剤のパーセントは約0.4%である。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、以下の割合の成分を含み、および/または実質的にそれらからなる。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、1つより多い油を含有しない。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、2つ以上の油(例えば、2、3、4、5またはそれ以上の油)を含み得る。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、1つより多い界面活性剤を含有しない。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、2つ以上の界面活性剤(例えば、2、3、4、5またはそれ以上の界面活性剤)を含み得る。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、実質的に、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)、油および界面活性剤からなる。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、実質的に、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)、油および界面活性剤、ならびに組成物を生成し、および/または保存するために用いられる少なくとも1つの物質(例えば、タンパク質、塩等)からなる。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)、油および界面活性剤からなる。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)、油および界面活性剤、ならびに組成物を生成し、および/または保存するために用いられる少なくとも1つの物質(例えば、タンパク質、塩等)からなる。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)、1つ以上の油および1つ以上の界面活性剤からなる。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩溶液等)、1つ以上の油、1つ以上の界面活性剤、ならびに組成物を生成し、および/または保存するために用いられる少なくとも1つの物質(例えば、タンパク質、塩等)からなる。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、付加防腐剤を含有しない。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、パラベン、例えばメチルパラベンおよびプロピルパラベンを含有しない。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるナノ粒子組成物のいずれかは、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質(例えば、治療的有効量の既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質)をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されるナノ粒子組成物のいずれかは、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質(例えば、治療的有効量の既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質)を含まない。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、毒性溶媒を必要としない。いくつかの実施形態では、組成物中のナノ粒子の生成を誘導するための慣用的戦略は、毒性(典型的には有機)溶媒を利用する。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、ポリマーを必要としない。いくつかの実施形態では、ナノ粒子構造物を含有する組成物を調製するための戦略は、ポリマーを必要とする。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、他のナノ粒子組成物より良好な組織吸収および/またはより良好な生体適合性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、均一でない、1つ以上の毒性(例えば、有機)溶媒を利用する、および/または1つ以上のポリマーを利用するナノ粒子組成物より良好な組織吸収および/またはより良好な生体適合性を有する。
提供されるクリームおよび/またはローション製剤
本発明は、医療状況において、例えば治療目的のために、特に有効および/または有用である特定のクリームおよび/またはローション組成物を提供する。特定のクリームおよび/またはローション製剤は、任意の投与経路による、例えば局所投与(これに限定されない)による、それを必要とする対象への作用物質の投与のために特に有用および/または有効である、という認識を本発明は包含する。いくつかの実施形態では、本発明は、特定のクリームおよび/またはローション製剤を提供する。いくつかの実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤は、1つ以上の治療薬、例えば治療用抗体(これに限定されない)を含有する。いくつかの実施形態では、提供されるクリームおよび/またはローション製剤はナノ粒子組成物と関連しない。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、薬学的組成物の調製のためにクリームおよび/またはローション製剤および/または生理食塩溶液と混合される。いくつかの実施形態では、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質(例えば、ナノ粒子組成物と関連しない)は、薬学的組成物の調製のためにクリームおよび/またはローション製剤と混合される。
いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、局所組成物の調製のためにクリームおよび/またはローション製剤および/または生理食塩溶液と混合される。いくつかの実施形態では、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質(例えば、ナノ粒子組成物と関連しない)は、局所組成物の調製のためにクリームおよび/またはローション製剤と混合される。
いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は精製水を含む。いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤はメチルパラベンを含む。いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は鉱油を含む。いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤はミリスチン酸イソプロピルを含む。いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は白色ワセリンを含む。いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は乳化蝋を含む。いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤はプロピルパラベンを含む。いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤はペムレンを含む。いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤はペムレンを含まない。
いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は、精製水、メチルパラベン、鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリン、乳化蝋およびプロピルパラベンを含む。いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は、実質的に、精製水、メチルパラベン、鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリン、乳化蝋およびプロピルパラベンからなる。いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は、精製水、メチルパラベン、鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリン、乳化蝋およびプロピルパラベンからなる。
いくつかの実施形態では、白色ワセリンは、白色ワセリン、羊毛蝋、ラノリン、バソリメント(Vasoliment)、VASELINE(登録商標)商標石油ゼリー、サキソリン(Saxoline)、石油ゼリー、ミネラルゼリー、鉱物性脂肪、鉱物性蝋、パラフィンゼリー、黄色ワセリン、2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサン、ドデカヒドロスクアレン、ペルヒドロスクアレン、スクアレン、白色VASELINE(登録商標)、ホワイトプロトペット、アルティマホワイト、スノーホワイト、CAS番号8009-03-8に対応する物質、および/またはその組合せからなる群から選択されるワセリン剤であるかまたはそれを含む。
いくつかの実施形態では、鉱油は、パラフィン系油(例えば、n-アルカンを基礎にした油)、ナフテン系油(例えば、シクロアルカンを基礎にした油)、芳香族油(例えば、芳香族炭化水素を基礎にした油)および/またはその組合せからなる群から選択される鉱油剤であるかまたはそれを含む。
いくつかの実施形態では、乳化蝋は、乳化蝋NF(例えば、Spectrum Chemicalカタログ番号W1026)であるかまたはそれを含む。
いくつかの実施形態では、クリームおよび/またはローション製剤は、以下の割合の成分を含むか、および/または実質的にそれらからなる。
いくつかの実施形態では、バルク製剤のための生理食塩溶液は、等張塩化ナトリウム溶液を含む。いくつかの実施形態では、バルク製剤のための生理食塩溶液はメチルパラベンを含む。いくつかの実施形態では、バルク製剤のための生理食塩溶液は、等張塩化ナトリウム溶液およびメチルパラベンを含む。いくつかの実施形態では、バルク製剤のための生理食塩溶液は、実質的に、等張塩化ナトリウム溶液およびメチルパラベンからなる。いくつかの実施形態では、バルク製剤のための生理食塩溶液は、等張塩化ナトリウム溶液およびメチルパラベンからなる。
いくつかの実施形態では、バルク製剤のための生理食塩溶液は、以下の割合の成分を含むか、および/または実質的にそれらからなる。
ナノ粒子組成物
ナノ粒子組成物は種々の状況において有用であり、医学的用途の状況において、例えばそれを必要とする患者に治療薬を投与することにおいて特に有用および/または有効であることが立証されている。ナノ粒子組成物は、治療薬の局所投与の状況において特に有用および/または有効であることが立証されている(例えば、国際特許出願番号PCT US06/46236(2006年12月1日出願)、国際公開第08/045107号として2008年4月17日に公開、発明の名称「ボツリヌスナノエマルション(BOTULINUM NANOEMULSIONS);国際特許出願番号PCT US07/86018(2007年11月30日出願、2008年6月12日に国際公開第08/070538号として公開。発明の名称「両親媒性物質ナノ粒子(AMPHIPHILIC ENTITY NANOPARTICLES)」;および/または国際特許出願番号PCT US09/48972(2009年6月26日出願、2009年12月30日に国際公開第09/158687号として公開。発明の名称「皮膚送達(DERMAL DELIVERY)」を参照;これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)。
本明細書中に記載されるように、本発明は、特に、新規の最新のかつ改良されたナノ粒子組成物を提供する。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、本明細書中に記載されるような特定の構成成分および/または相対量の構成成分を有する。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、それらを区別し、および/または限定する特定の構造的および/または機能的属性を有する。いくつかの実施形態では、概してナノ粒子組成物と関連づけられてきた例示的属性(例えば物理的、構造的および/または機能的属性)は、以下の段落に記載される。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、これらの属性のうちの1つ以上を有する。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物はこれらの属性のいずれも有さない。
概して、ナノ粒子組成物は、少なくとも1つのナノ粒子を含む任意の組成物である。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、少なくとも1つの既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質(例えば、ボツリヌス毒素)を含む。既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質は、1つ以上のナノ粒子により被包されるかまたは完全に取り囲まれ;ナノ粒子界面と会合され;および/または1つ以上のナノ粒子の外表面に吸着され得る。既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質は、ナノ粒子および/またはナノ粒子組成物と共有結合されることもされないこともある;既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質は、吸着力によりナノ粒子および/またはナノ粒子組成物に付着されることもされないこともある。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、エンプティナノ粒子(例えば、いかなる既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質も含有しないナノ粒子)を含む。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は安定である。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は均一である。例えば、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の最小直径と最大直径の間の差は、約600nm、約550nm、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nmまたは約100nm、約90nm、約80nm、約70nm、約60nm、約50nmを超えないか、あるはそれより小さい。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、約1000nm、約600nm、約550nm、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約130nm、約120nm、約115nm、約110nm、約100nm、約90nm、約80nm、約50nmよりも小さいかまたはそれ以下である直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、約10nmおよび約600nmの範囲内の直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、約10nm~約300nm、約10nm~約200nm、約10nm~約150nm、約10nm~約130nm、約10nm~約120nm、約10nm~約115nm、約10nm~約110nm、約10nm~約100nmまたは約10nm~約90nmの範囲内の直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、1nm~1000nm、1nm~600nm、1nm~500nm、1nm~400nm、1nm~300nm、1nm~200nm、1nm~150nm、1nm~120nm、1nm~100nm、1nm~75nm、1nm~50nmまたは1nm~25nmの範囲内の直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、1nm~15nm、15nm~200nm、25nm~200nm、50nm~200nmまたは75nm~200nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。
いくつかの実施形態では、全体的粒子分布は、粒子直径サイズの特定範囲内に包含される。いくつかの実施形態では、全体的粒子分布の50%、25%、10%、5%または1%未満は、粒子直径サイズの特定範囲外である。いくつかの実施形態では、全体的粒子分布の1%未満は粒子直径サイズの特定範囲外である。ある実施形態では、ナノ粒子組成物は、300nm、250nm、200nm、150nm、120nm、100nm、75nm、50nmまたは25nmより大きい直径を有する粒子を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、全体的粒子分布の50%、25%、10%、5%または1%未満が、300nm、250nm、200nm、150nm、120nm、100nm、75nm、50nmまたは25nmより大きい直径を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子は、約600nm、約550nm、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、約130nm、約120nm、約115nm、約110nm、約100nm、約90nmまたは約50nmより下である平均粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、平均粒子サイズは、約10nmおよび約300nm、約50nmおよび約250、約60nmおよび約200nm、約65nmおよび約150nm、または約70nmおよび約130nmの範囲内である。いくつかの実施形態では、平均粒子サイズは、約80nmおよび約110nmである。いくつかの実施形態では、平均粒子サイズは、約90nmおよび約100nmである。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物内の粒子の大多数は、特定サイズより小さいか、または特定サイズ内の直径を有する。いくつかの実施形態では、大多数は、組成物中の粒子の50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%またはそれ以上より多い。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、600nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。具体的には、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が600nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の25%未満が600nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満またはより少ない粒子が、600nmを超える直径を有する。さらに、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は、10nmおよび600nmの範囲内の直径を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、500nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。具体的には、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が500nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の25%未満が500nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満またはより少ない粒子が、500nmを超える直径を有する。さらに、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は、10nmおよび500nmの範囲内の直径を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、400nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。具体的には、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が400nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の25%未満が400nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満またはより少ない粒子が、400nmを超える直径を有する。さらに、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は、10nmおよび400nmの範囲内の直径を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、300nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。具体的には、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が300nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の25%未満が300nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満またはより少ない粒子が、300nmを超える直径を有する。さらに、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は、10nmおよび300nmの範囲内の直径を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、200nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。具体的には、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が200nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の25%未満が200nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満またはより少ない粒子が、200nmを超える直径を有する。さらに、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は、10nmおよび200nmの範囲内の直径を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、150nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。具体的には、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が150nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の25%未満が150nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満またはより少ない粒子が、150nmを超える直径を有する。さらに、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は、10nmおよび150nmの範囲内の直径を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、120nmを超える直径を有する粒子を実質的に含まない。具体的には、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の50%未満が120nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の25%未満が120nmを超える直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%未満またはより少ない粒子が、120nmを超える直径を有する。さらに、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子は、10nmおよび120nmの範囲内の直径を有する。
いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、10nm~150nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、10nm~120nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、20nm~120nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、20nm~110nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、20nm~100nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、20nm~90nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、20nm~80nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、20nm~70nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、20nm~60nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、20nm~50nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、20nm~40nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の大多数は、20nm~30nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、10nm~120nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、20nm~120nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、20nm~110nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、20nm~100nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、20nm~90nmの直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、20nm~80nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、20nm~70nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、20nm~60nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、20nm~50nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、20nm~40nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の大多数は、20nm~30nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約50%が、10nm~40nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約90%が、10nm~80nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約90%が、10nm~90nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約95%が、10nm~110nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のナノ粒子の約95%が、10nm~120nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。いくつかの実施形態では、提供される組成物中の粒子の約95%が、10nm~150nmの直径(例えば、平均および/または中央値直径)を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のすべてのナノ粒子の集計容積の約50%が、10nm~40nmの直径を有するナノ粒子を含むかまたはそれらからなる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のすべてのナノ粒子の集計容積の約90%が、10nm~80nmの直径を有するナノ粒子を含むかまたはそれらからなる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のすべてのナノ粒子の集計容積の約95%が、10nm~110nmの直径を有するナノ粒子を含むかまたはそれらからなる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のすべてのナノ粒子の集計容積の約95%が、10nm~120nmの直径を有するナノ粒子を含むかまたはそれらからなる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中のすべてのナノ粒子の集計容積の約95%が、10nm~150nmの直径を有するナノ粒子を含むかまたはそれらからなる。
ゼータ電位は、剪断面での電位の測定値である。剪断面は、固体表面(例えば、ナノ粒子表面)に結合される液体の薄層を分離し、正常粘性挙動を示す液体(例えば、液体分散媒)の残部からの弾性挙動を示す仮想表面である。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、-80mV~+80mVの範囲のゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、-50mV~+50mVの範囲のゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、-25mV~+25mVの範囲のゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、-10mV~+10mVの範囲のゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-80mV、約-70mV、約-60mV、約50mV、約-40mV、約-30mV、約-25mV、約-20mV、約-15mV、約-10mVまたは約-5mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約+50mV、約+40mV、約+30mV、約+25mV、約+20mV、約+15mV、約+10mVまたは約+5mVのゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約0mVであるゼータ電位を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-5mV~約-80mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-5mV~約-70mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-5mV~約-60mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-5mV~約-50mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-5mV~約-40mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-5mV~約-30mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-5mV~約-20mVであるゼータ電位を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-10mV~約-15mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-10mV~約-80mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-10mV~約-70mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-10mV~約-60mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-10mV~約-50mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-10mV~約-40mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-10mV~約-30mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-10mV~約-20mVであるゼータ電位を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-80mV~約-70mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-70mV~約-60mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-60mV~約-50mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-50mV~約-40mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-40mV~約-30mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-30mV~約-20mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-20mV~約-10mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-10mV~約0mVであるゼータ電位を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-15mV~約-20mVであるゼータ電位を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約-5mV、約-6mV、約-7mV、約-8mV、約-9mV、-10mV、約-11mV、約-12mV、約-13mV、約-14mV、約-15mV、約-16mV、約-17mV、約-18mV、約-19mVまたは約-20mVであるゼータ電位を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、乳濁液または分散液であるかまたはそれらを含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、「水中油型」分散液(すなわち、油粒子が水性分散媒内に分散される分散液)である;いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は「油中水型」分散液(すなわち、水性粒子が油性分散媒内に分散される分散液)である。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は毒性溶媒を必要としない。それに比して、組成物中にナノ粒子の形成を誘導するための多数の慣用的戦略は、毒性(典型的には有機)溶媒を利用する。いくつかの実施形態では、提供される組成物はポリマーを必要としない。それに比して、ナノ粒子構造物を含有する組成物を調製するための多数の慣用的戦略は、ポリマーを必要とする。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、他のナノ粒子組成物より良好な組織吸収および/またはより良好な生体適合性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、均一でない、1つ以上の毒性(例えば、有機)溶媒を利用する、および/または1つ以上のポリマーを利用するナノ粒子組成物より良好な組織吸収および/またはより良好な生体適合性を有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は安定している。いくつかの実施形態では、安定ナノ粒子組成物は、平均粒子サイズ、最大粒子サイズ、粒子サイズの範囲、および/または粒子サイズの分布(すなわち、意図されるサイズを上回るか、および/または意図されるサイズ範囲外の粒子のパーセンテージ)が一定期間保持されるものである。いくつかの実施形態では、一定期間は、少なくとも約1時間である;いくつかの実施形態では、一定期間は、約5時間、約10時間、約1日、約1週間、約2週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約8ヶ月、約10ヶ月、約12ヶ月、約24ヶ月またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、一定期間は、約1日~約24ヶ月、約2週間~約12ヶ月、約2ヶ月~約5ヶ月等の範囲内である。例えば、ナノエマルション粒子の集団が長期貯蔵、温度変化および/またはpH変化に付され、ならびに集団中のナノ粒子の大多数が記述範囲内の直径(すなわち、例えば約10nm~約120nm)を保持する場合、ナノ粒子組成物は安定である。いくつかのこのような集団に関して、大多数は、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、約99.9%より多く、あるいは約99.9%以上純粋である。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物が少なくとも1つの既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質を含む場合、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質(例えば、ボツリヌス毒素)の濃度が、意図された条件組下で意図された時間に亘って組成物中で保持されるならば、ナノ粒子組成物は安定であるとみなされる。
本明細書中に記載されるように、提供される組成物は、種々の美顔および/または医療用途において有用である。このような組成物は、任意の利用可能な経路により、例えば経口(PO)、静脈内(IV)、筋肉内(IM)、動脈内、髄内、くも膜下腔内、皮下(SQ)、脳室内、経皮、皮膚間、皮内、直腸(PR)、膣、腹腔内(IP)、胃内(IG)、局所および/または経皮(例えば、ローション、クリーム、粉末、軟膏、リニメント剤、ゲル、点滴剤等による)、粘膜、鼻内、頬、経腸、硝子体、および/または舌下投与を介して;気管内滴下注入、気管支滴下注入および/または吸入により;経口噴霧、鼻噴霧および/またはエアロゾルとして、および/または門脈カテーテルにより;および/または前記のいずれかの組合せにより(これらに限定されない)、対象に投与され得る。
ナノ粒子組成物の製造方法
概して、ナノ粒子組成物(例えば提供されるナノ粒子組成物)は、種々の方法により調製され得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、化学的手段(例えば、液相化学、熱分解等による)により調製される。しかしながら、化学的手段は、しばしば、毒性(典型的には有機)溶媒を必要とする;いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、このような溶媒を利用せずに、本発明に従って調製される。
2~3の例を挙げると、ナノ粒子組成物を調製するために有用であることが知られている例示的方法は、以下に記載される。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、これらの方法のうちの1つ以上を用いて調製される。いくつかの実施形態では、提供されるナノ粒子組成物は、これらの方法を用いて調製されない。
高剪断力
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、組合せ構成成分の集合体から自己集合する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、構成成分の組合せ(すなわち「プレミックス」)を高剪断力に付すことにより調製される。本明細書中で用いる場合、「剪断力」という用語は、物質の面に対して垂直である力とは対照的に、物質の面に対して平行または接線方向である力を指す。いくつかの実施形態では、高剪断力は、高圧により、キャビテーションにより、均質化により、および/またはミクロ流動化により適用される。いくつかの実施形態では、組合せナノ粒子生成構成成分は、掻き混ぜられ、撹拌され、そうでなければ混合される。いくつかのこのような実施形態では、構成成分は、混合された後に、高剪断力に付される。いくつかの実施形態では、混合は、一定期間、例えば約1分、約3分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間または約15時間、実施され得る。いくつかの実施形態では、混合は、一定時間、例えば15分より長く、30分より長く、45分より長く、1時間より長く、2時間より長く、3時間より長く、4時間より長く、5時間より長く、6時間より長く、7時間より長く、8時間より長く、9時間より長く、10時間より長く、11時間より長く、12時間より長く、13時間より長く、14時間より長いか、または15時間より長い間、実施され得る。いくつかの実施形態では、混合は、一定期間、例えば15分未満、30分未満、45分未満、1時間未満、2時間未満、3時間未満、4時間未満、5時間未満、6時間未満、7時間未満、8時間未満、9時間未満、10時間未満、11時間未満、12時間未満、13時間未満、14時間未満、または15時間未満の間、実施され得る。いくつかの実施形態では、可溶化が達成される。
当該技術分野で既知の種々の方法のいずれかが、高剪断力を生じるために用いられ得る。いくつかの実施形態では、キャビテーションを用いて、高剪断力を生じさせる。本発明によれば、機械的エネルギー(例えば、高剪断力)の使用は、高価なおよび/または有毒な化学溶媒を用いる任意の要件に取って代わるかまたはそれを最小限にし得る;ナノ粒子が集合する速度を増大し得るし、構成成分の特定の混合物中に生成されるナノ粒子の収率を増大し得る、および/またはナノ粒子組成物を調製する全体的経費を大いに低減し得る。さらに、既知の治療薬および/または独立して活性な生物学的活性作用物質(例えば、ボツリヌス毒素)がナノ粒子組成物中に組み入れられる実施形態では、高剪断力の使用は、ナノ粒子を生成する伝統的方法と比較して、ナノ粒子の負荷能力を増大し得る。伝統的方法では、ナノ粒子内またはナノ粒子表面での作用物質の負荷は、典型的には、ナノ粒子の内部および/または表面への作用物質の拡散に頼っている。本発明によれば、高剪断力の使用は、ナノ粒子組成物中の(例えば、平均して)より小さい粒子の作製および/または粒子サイズのより狭い分布を可能にし得る。
いくつかの実施形態では、高剪断力は、高圧への曝露により、例えば高圧での、例えば約15,000psiでの連続乱流により、達成される。いくつかの実施形態では、このような高圧は、約18,000psi~約26,000psiの範囲内である;いくつかの実施形態では、それは、約20,000psi~約25,000psiの範囲内である;いくつかの実施形態では、それは、約25,000psi~約30,000psiの範囲内である;いくつかの実施形態では、それは、約30,000psi~約35,000psiの範囲内である;いくつかの実施形態では、それは、約30,000psi~約40,000psiの範囲内である;いくつかの実施形態では、それは、約40,000psi~約50,000psiの範囲内である。
いくつかの実施形態では、高剪断力または高圧は、キャビテーションにより、または高圧均質化により施され得る。
いくつかの実施形態では、高剪断力は、例えばマイクロフルイダイザー(登録商標)プロセッサー(Microfluidics Corporation/MFIC Corporation)またはその他の同様の装置等の機器に通すことにより、施され得る。マイクロフルイダイザー(登録商標)プロセッサーは、ナノスケール範囲へのサイズ低減のために、マイクロチャンネルを通る生成物を高速に加速することにより、高圧を、そして結果的に生じる高剪断速度を提供する。流体は2つに分割され、高速で(50m/s~300m/sの範囲で)、75ミクロンのオーダーで、典型的直径を有するマイクロチャンネルを通して推し進められる。流体がマイクロチャンネルを出ると、それはジェットを生成するが、このジェットは、反対側のマイクロチャンネルからのジェットと衝突する。チャンネル中で、流体は、慣用的技法の場合より高い規模の高剪断(107l/sまで)を経験する。ジェット衝突は、サブミクロンレベルでの混合を生じる。したがって、高剪断および衝撃は、マイクロフルイダイザー(登録商標)技法における粒子サイズ低減、ならびに多相流体の混合に関与する。
さらに一般的には、マイクロフルイダイザーは、単動式増圧ポンプに動力を供給する任意の装置であり得る。増圧ポンプは、水圧を選定レベルに増幅し、これが次に、生成物流にその圧力を付与する。ポンプがその圧行程により動くと、それは、相互作用小室を通して一定圧で生成物を駆動する。相互作用小室内には、特別に設計された固定形状マイクロチャンネルがあり、それにより生成物流が高速に加速して、高速生成物流が、それ自体に、そして耐磨耗面に影響を及ぼすと、均一ナノ粒子組成物(例えば、ナノエマルション)を生成し得る高剪断および衝撃力を生じる。
増圧ポンプはその圧行程を完了すると、それは方向を逆にして、新たな容量の生成物を吸い込む。吸込み行程終了時に、それは再び方向を逆にして、一定圧で生成物を追い出して、それにより当該プロセスを繰り返す。
相互作用小室を出ると、生成物は、所望の温度に生成物を調節する機内熱交換器を通って流れる。この時点で、生成物はさらなる加工処理のためにシステムを通して再循環され得るし、あるいはプロセスの次のステップへと外側に向けられる(米国特許第4,533,254号;および第4,908,154号;これらはともに、参照により本明細書中で援用される)。
いくつかの実施形態では、試料は、約10分未満、高剪断力への曝露により「ミクロ流動化」される。いくつかの実施形態では、当該時間は、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2または約1分未満である。いくつかの実施形態では、当該時間は、約1~約2分の範囲内またはそれ未満である;いくつかの実施形態では、当該時間は、約30秒である。
いくつかの実施形態では、試料は高剪断力への単回曝露により「ミクロ流動化」される。このような実施形態は、「単回通過」ミクロ流動化として本明細書中で言及される。
プレミックス組成物
ナノ粒子分野で知られているように、プレミックスに高い剪断力を加えることにより、ナノ粒子組成物を作製することができ、具体的には、ナノ粒子組成物、例えば均質なナノ粒子組成物を作製することができる。
いくつかの実施形態では、本発明のナノ粒子組成物をプレミックスに高い剪断力を加えることによって調製する。いくつかの実施形態では、本発明のナノ粒子組成物をプレミックスに高い剪断力を加えることによって調製しない。
一般に、高い剪断力を加えてナノ粒子組成物を調製し得るプレミックスは、一方が分散媒(すなわち、最終的なナノ粒子組成物中で粒子(例えば、ナノ粒子)が分散する液体媒体)を構成する少なくとも2種類の非混和性物質を含有する必要がある。「水中油型」分散とは、油性粒子が水性分散媒中に分散している分散のことである。「油中水型」分散とは、水性粒子が油性分散媒中に分散している分散のことである。分散が任意の種々の2種類の非混和性媒体により形成され得るものであり、厳密に水性媒体と油性媒体の組合せに限定されるものではないことを当業者は理解するであろう。したがって、「分散媒」という用語は、「水性」および「油性」の種類を指すのが一般的であるが、任意の種々の分散媒に広く適用される。
したがって、いくつかの実施形態では、プレミックスは、水性分散媒と、分散媒中にナノ粒子形態で分散することになる油性媒体とを含み、いくつかの実施形態では、プレミックスは、油性分散媒と、油性分散媒中にナノ粒子形態で分散することになる水性媒体とを含む。
当業者は、本発明に従って分散媒または分散する媒体として使用し得る適切な水性媒体を認識するであろう。このような水性媒体の代表的なものとしては、例えば、水、生理食塩水(リン酸塩緩衝生理食塩水を含む)、注射用水、短鎖アルコール、5%デキストロース、リンゲル液(乳酸リンゲル注射液、乳酸リンゲル液+5%デキストロース注射液、アシル化リンゲル注射液)、Normosol-M、Isolyte Eなどおよびその組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、プレミックスは、等張塩化ナトリウム溶液を含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、等張塩化ナトリウム溶液から実質的になる水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、等張塩化ナトリウム溶液からなる水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ゼラチンを含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、リン酸ナトリウムを含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、精製水を含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、塩酸を含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ゼラチンとリン酸ナトリウムと精製水と塩酸とを含む水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ゼラチンとリン酸ナトリウムと精製水と塩酸とから実質的になる水性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ゼラチンとリン酸ナトリウムと精製水と塩酸とからなる水性分散媒を含む。
当業者は、本発明に従って分散媒または分散する媒体として使用し得る適切な油性媒体を認識するであろう。いくつかの実施形態では、油は1つ以上の脂肪酸基またはその塩を含み得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基は、可消化性の飽和または不飽和炭化水素を含み得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基はC6-C50脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基はC6-C20脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基はC6-C16脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基はC6-C12脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基はC6脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基はC8脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基はC10脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基はC12脂肪酸またはその塩であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基は不飽和であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基は一価不飽和であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基は多価不飽和であり得る。いくつかの実施形態では、不飽和脂肪酸基の二重結合がシス配座であり得る。いくつかの実施形態では、不飽和脂肪酸の二重結合がトランス配座であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基は酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸および/またはその組合せのうちの1つ以上であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪酸基はパルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノール酸、アラキドン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、エルカ酸および/またはその組合せのうちの1つ以上であり得る。
いくつかの実施形態では、プレミックスは、中鎖トリグリセリド(例えば、カプリル酸、オクタン酸、カプリン酸、デカン酸、ラウリン酸などの6~12個の炭素原子を含む脂肪酸、いくつかの実施形態では、これをヤシ油またはパーム核油またはクスノキ果実抽出物から入手し得る)を含む、中鎖トリグリセリドから実質的になる、または中鎖トリグリセリドからなる油性分散媒を含む。中鎖トリグリセリドの例としては、一価不飽和および/または多価不飽和のダイズ油、ヤシ油、キャノーラ油、ベニバナ油、オリーブ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、ベニバナ油、パーム油、落花生油、亜麻仁油、ヒマワリ油、米糠油、ゴマ油、ナタネ油、カカオ脂、アーモンド油、カシュー油、ハシバミ油、モンゴンゴナッツ油、アサイー油、ルリジサ種子油、マツヨイグサ油、イナゴマメ莢油、アマランス油、リンゴ種子油、アーティチョーク油、アボカド油、ババス油、ベン油、ボルネオタローナッツ油、カカオ脂、オナモミ油、コフネヤシ油、ディカ油、ブドウ種子油、大麻油、カポック実油、ケナフ種子油、ラッレマンチア(lallemantia)油、マルーラ油、メドウフォーム種子油、カラシ油、パパイヤ種子油、エゴマ種子油、ペキ(pequi)油、ケシ実油、プルーン核油、キノア油、茶種子油、アザミ油、タイガーナッツ油、トマト種子油、コムギ胚芽油、Labrafac(商標)Lipophile WL1349オイル、シリコーン油、鉱油、ラウロイルマクロゴール-6グリセリド、ラウロイルポリオキシル-6グリセリド、オレオイルマクロゴール-6グリセリド、オレオイルポリオキシル-6グリセリド、リノレオイルマクロゴール-6グリセリド、リノレオイルポリオキシル-6グリセリド、プロピレングリコールモノカプリラート、プロピレングリコールモノラウラート、プロピレングリコールモノラウラート、ジオレイン酸ポルグリセリル(polglyceryl)-3、プロピレングリコールジカプリロカプラート、ジエチレングリコールモネチル(monethyl)エーテル、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリド、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドおよび/またはその組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、油は飽和、一価不飽和および/または多価不飽和の短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸、超長鎖脂肪酸および/またはその組合せであるか、またはこれを含むものである。いくつかの実施形態では、超長鎖脂肪酸の例としては、特に限定されないが、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、リノール酸、αリノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸および/またはその組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、油は短鎖トリグリセリド、中鎖トリグリセリド、長鎖トリグリセリドおよび/またはその組合せからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、短鎖トリグリセリド、中鎖トリグリセリドおよび/または長鎖トリグリセリドは、飽和、一価不飽和および/または多価不飽和のダイズ油、ヤシ油、キャノーラ油、ベニバナ油、オリーブ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、ベニバナ油、パーム油、落花生油、亜麻仁油、ヒマワリ油、米糠油、ゴマ油、ナタネ油、カカオ脂、アーモンド油、カシュー油、ハシバミ油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、ペカン油、松の実油、ピスタチオ油、サチャインチ油、クルミ油、ヒョウタン油、バッファローゴード(buffalo gourd)油、バターナッツカボチャ種子油、カボチャ種子油、スイカ種子油、アサイー油、クロフサスグリ種子油、ルリジサ種子油、マツヨイグサ油、イナゴマメ莢油、アマランス油、アンズ油、杏仁油、リンゴ種子油、アルガン油、アーティチョーク油、アボカド油、ババス油、ベン油、ボルネオタローナッツ油、ケープチェストナット(cape chestnut)油、カッシア油、カカオ脂、オナモミ油、コフネヤシ油、コリアンダー種子油、ディカ油、ブドウ種子油、大麻油、カポック実油、ケナフ種子油、ラッレマンチア(lallemantia)油、マルーラ油、メドウフォーム種子油、カラシ油、ナツメグ脂、オクラ種子油、パパイヤ種子油、エゴマ種子油、ペキ(pequi)油、ケシ実油、プルーン核油、キノア油、ラムティル(ramtil)油、ロイル(royle)油、茶種子油、アザミ油、タイガーナッツ油、トマト種子油、コムギ胚芽油、ダイコン油、アツケシソウ油、桐油、藻油、コパイバ油、クロヨナ油、ナンヨウアブラギリ油、ペトロリュームナッツ(petroleum nut)油、WL1349オイル、シリコーン油、鉱油、ラウロイルマクロゴール-6グリセリド、ラウロイルポリオキシル-6グリセリド、オレオイルマクロゴール-6グリセリド、オレオイルポリオキシル-6グリセリド、リノレオイルマクロゴール-6グリセリド、リノレオイルポリオキシル-6グリセリド、プロピレングリコールモノカプリラート、プロピレングリコールモノラウラート、プロピレングリコールモノラウラート、ジオレイン酸ポルグリセリル(polglyceryl)-3、プロピレングリコールジカプリロカプラート、ジエチレングリコールモネチル(monethyl)エーテル、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリド、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、および/またはその組合せからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、油物質は飽和、一価不飽和および/または多価不飽和のダイズ油、ヤシ油、キャノーラ油、ベニバナ油、オリーブ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、ベニバナ油、パーム油、落花生油、亜麻仁油、ヒマワリ油、米糠油、ゴマ油、ナタネ油、カカオ脂、アーモンド油、カシュー油、ハシバミ油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、ペカン油、松の実油、ピスタチオ油、サチャインチ油、クルミ油、ヒョウタン油、バッファローゴード(buffalo gourd)油、バターナッツカボチャ種子油、カボチャ種子油、スイカ種子油、アサイー油、クロフサスグリ種子油、ルリジサ種子油、マツヨイグサ油、イナゴマメ莢油、アマランス油、アンズ油、杏仁油、リンゴ種子油、アルガン油、アーティチョーク油、アボカド油、ババス油、ベン油、ボルネオタローナッツ油、ケープチェストナット(cape chestnut)油、カッシア油、カカオ脂、オナモミ油、コフネヤシ油、コリアンダー種子油、ディカ油、ブドウ種子油、大麻油、カポック実油、ケナフ種子油、ラッレマンチア(lallemantia)油、マルーラ油、メドウフォーム種子油、カラシ油、ナツメグ脂、オクラ種子油、パパイヤ種子油、エゴマ種子油、ペキ(pequi)油、ケシ実油、プルーン核油、キノア油、ラムティル(ramtil)油、ロイル(royle)油、茶種子油、アザミ油、タイガーナッツ油、トマト種子油、コムギ胚芽油、ダイコン油、アツケシソウ油、桐油、藻油、コパイバ油、クロヨナ油、ナンヨウアブラギリ油、ペトロリュームナッツ(petroleum nut)油、WL1349オイル、シリコーン油、鉱油、ラウロイルマクロゴール-6グリセリド、ラウロイルポリオキシル-6グリセリド、オレオイルマクロゴール-6グリセリド、オレオイルポリオキシル-6グリセリド、リノレオイルマクロゴール-6グリセリド、リノレオイルポリオキシル-6グリセリド、プロピレングリコールモノカプリラート、プロピレングリコールモノラウラート、プロピレングリコールモノラウラート、ジオレイン酸ポルグリセリル(polglyceryl)-3、プロピレングリコールジカプリロカプラート、ジエチレングリコールモネチル(monethyl)エーテル、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリド、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、ベルガモット油、カデ油、カモミール油、キャラウェイ油、カルナバ油、ヒマシ油、桂皮油、タラ肝油、コーヒー油、エミュー油、ユーカリ油、魚油、ゲラニオール、ヒソップ油、ホホバ油、ククイナッツ油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、アオモジ油、マロー油、マンゴー種子油、ミンク油、オレンジ油、オレンジラフィー油、パーム核油、トウニン油、ローズマリー油、ビャクダン油、サスクアナ(sasquana)油、セイボリー油、シーバックソーン油、シアバター、ティーツリー油、ツバキ油、ベチバー油、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、オクチルドデカノール、オレイルアルコールおよび/またはその組合せであるか、またはこれを含むものである。
いくつかの実施形態では、プレミックスは、1349オイルを含む油性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、1349オイルから実質的になる油性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、1349オイルからなる油性分散媒を含む。
いくつかの実施形態では、プレミックスは、ダイズ油を含む油性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ダイズ油から実質的になる油性分散媒を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ダイズ油からなる油性分散媒を含む。
本発明によるプレミックスは、2種類の非混和性媒体のほかに、例えば、界面活性剤または乳化剤を1種類以上含み得る。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、通常は物質の対向端に親水性部分および疎水性部分を含むという点で、両親媒性物質であるか、またはこれを含むものである。いくつかの実施形態では、両親媒性物質は、親水性頭部と疎水性尾部とを有すると考えられる。いくつかの実施形態では、両親媒性物質は荷電(陰イオン性、陽イオン性または双性イオン性)頭部基を有し、いくつかの実施形態では、両親媒性物質は非荷電頭部基を有する。
このような界面活性剤または乳化剤の適切なものとしては、特に限定されないが次のものが挙げられる:ペミュレン;ホスホグリセリド;ホスファチジルコリン;ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC);ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE);ジオレイルオキシプロピルトリエチルアンモニウム(DOTMA);ジオレオイルホスファチジルコリン;コレステロール;コレステロールエステル;ジアシルグリセロール;ジアシルグリセロールスクシナート;ジホスファチジルグリセロール(DPPG);ヘキサンデカノール;ポリエチレングリコール(PEG)などの脂肪アルコール;ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル;パルミチン酸またはオレイン酸などの界面活性脂肪酸;脂肪酸;脂肪酸モノグリセリド;脂肪酸ジグリセリド;脂肪酸アミド;ソルビタントリオレアート(SPAN(登録商標)85)グリココール酸塩;ソルビタンモノラウラート(SPAN(登録商標)20);ポリオキシエチレンモノステアラート;サーファクチン;ポロキソマー(poloxomer);ソルビタントリオレアートなどのソルビタン脂肪酸エステル;レシチン;リゾレシチン;ホスファチジルセリン;ホスファチジルイノシトール;スフィンゴミエリン;ホスファチジルエタノールアミン(セファリン);カルジオリピン;ホスファチジン酸;セレブロシド;リン酸ジセチル;ジパルミトイルホスファチジルグリセロール;ステアリルアミン;ドデシルアミン;ヘキサデシル-アミン;パルミチン酸アセチル;リシノール酸グリセロール;ステアリン酸ヘキサデシル;ミリスチン酸イソプロピル;チロキサポール;ポリ(エチレングリコール)5000-ホスファチジルエタノールアミン;ポリ(エチレングリコール)400-モノステアラート;リン脂質;高い界面活性特性を有する合成および/または天然の界面活性剤;デオキシコール酸;シクロデキストリン;カオトロピック塩;イオン対形成剤;ドデシル硫酸ナトリウム;ペミュレン;(例えば、ポリソルベート20(TWEEN(登録商標)20);ポリソルベート60(TWEEN(登録商標)60);ポリソルベート65(TWEEN(登録商標)65);ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80);ポリソルベート85(TWEEN(登録商標)85);超高純度ポリソルベート20(SR TWEEN(登録商標)20);超高純度ポリソルベート60(SR TWEEN(登録商標)60);超高純度ポリソルベート65(SR TWEEN(登録商標)65);超高純度ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80);超高純度ポリソルベート85(SR TWEEN(登録商標)85);および/またはその組合せを含めた、ポリソルベート(TWEEN(登録商標)、超高純度ポリソルベート(TWEEN(登録商標))および/またはその組合せのように)ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステルに基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウムなどのように)硫酸エステル塩に基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホナート[PFOS]、ペルフルオロブタンスルホナート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、CHAPS(3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート、コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどのように)スルホン酸塩に基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、レシチンなどのように)リン酸エステル塩に基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、脂肪酸、ステアリン酸ナトリウム、ナトリウムラウロイルサルコシナート、カルボン酸塩フッ素系界面活性剤、ペルフルオロノナノアート、ペルフルオロオクタノアート[PFOAまたはPFO]、アミノ酸、イミノ酸、コカミドプロピルベタインなどのように)カルボン酸塩に基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、第一級、第二級または第三級アミン、オクテニデイン(octenideine)二塩酸塩のように)アミンに基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド[CTAB](別名ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド[CTAC]、塩化セチルピリジニウム[CPC]、ポリエトキシル化牛脂アミン[POEA]、塩化ベンザルコニウム[BAC]、塩化ベンゼトニウム[BZT]、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド[DODAB]のように)第四級アンモニウムイオンを含む頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコールなどのように)脂肪アルコールに基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテルのように)ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテルに基づく頭部基を有する両親媒性物質;ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテルに基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシドなどのように)グルコシドアルキルエーテルに基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、Triton X-100のように)ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテルに基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、ノノシノール(nonosynol)-9のように)ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテルに基づく頭部基を有する両親媒性物質;(例えば、ラウリン酸グリセリルのように)グリセロールアルキルエステルに基づく頭部基を有する両親媒性物質;ソルビタンアルキルエステルに基づく頭部基を有する両親媒性物質(例えば、スパン);コカミドMEA、コカミドDEA<ドデシルジメチルアミンオキシドであるかこれを含む両親媒性物質;ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー(すなわち、ポロキサマー);炭化水素鎖に基づくかこれを含む尾部基を有する両親媒性物質;アルキルエーテル鎖に基づくかこれを含む尾部基を有する両親媒性物質;ポリエチレンに基づくかこれを含む尾部基を有する両親媒性物質;ポリプロピレンオキシドに基づくかこれを含む尾部基を有する両親媒性物質;フッ化炭素鎖に基づくかこれを含む尾部基を有する両親媒性物質;シロキサン鎖に基づくかこれを含む尾部基を有する両親媒性物質;および/またはその組合せ。
いくつかの実施形態では、プレミックスは、ポリソルベート(TWEEN(登録商標))物質を含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、超高純度ポリソルベート(SR TWEEN(登録商標))物質を含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ポリソルベート20(TWEEN(登録商標)20);ポリソルベート60(TWEEN(登録商標)60);ポリソルベート65(TWEEN(登録商標)65);ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80);ポリソルベート85(TWEEN(登録商標)85);超高純度ポリソルベート20(SR TWEEN(登録商標)20);超高純度ポリソルベート60(SR TWEEN(登録商標)60);超高純度ポリソルベート65(SR TWEEN(登録商標)65);超高純度ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80);超高純度ポリソルベート85(SR TWEEN(登録商標)85);およびその組合せからなる群より選択されるポリソルベートを含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)を含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、超高純度ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80)を含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ポリソルベート(TWEEN(登録商標))物質から実質的になる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、超高純度ポリソルベート(SR TWEEN(登録商標))物質から実質的になる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ポリソルベート20(TWEEN(登録商標)20);ポリソルベート60(TWEEN(登録商標)60);ポリソルベート65(TWEEN(登録商標)65);ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80);ポリソルベート85(TWEEN(登録商標)85);超高純度ポリソルベート20(SR TWEEN(登録商標)20);超高純度ポリソルベート60(SR TWEEN(登録商標)60);超高純度ポリソルベート65(SR TWEEN(登録商標)65);超高純度ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80);超高純度ポリソルベート85(SR TWEEN(登録商標)85);およびその組合せからなる群より選択されるポリソルベートから実質的になる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)から実質的になる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、超高純度ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80)から実質的になる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ポリソルベート(TWEEN(登録商標))物質からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、超高純度ポリソルベート(SR TWEEN(登録商標))物質からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ポリソルベート20(TWEEN(登録商標)20);ポリソルベート60(TWEEN(登録商標)60);ポリソルベート65(TWEEN(登録商標)65);ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80);ポリソルベート85(TWEEN(登録商標)85);超高純度ポリソルベート20(SR TWEEN(登録商標)20);超高純度ポリソルベート60(SR TWEEN(登録商標)60);超高純度ポリソルベート65(SR TWEEN(登録商標)65);超高純度ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80);超高純度ポリソルベート85(SR TWEEN(登録商標)85);およびその組合せからなる群より選択されるポリソルベートからなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、超高純度ポリソルベート80(SR TWEEN(登録商標)80)からなる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ペミュレンを含む界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ペミュレンから実質的になる界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、ペミュレンからなる界面活性剤を含む。
いくつかの実施形態では、界面活性剤は異なる界面活性剤の混合物である。界面活性剤を天然源から抽出および精製しても、製造所で合成により調製してもよい。いくつかの実施形態では、界面活性剤は市販のものである。
いくつかの実施形態では、プレミックスは、Gelatine、Gelfoam、Puragel、Galfoamからなる群より選択されるゼラチン物質を含むがこれに限定されない加水分解コラーゲンタンパク質、CAS番号9000-70-8に対応する物質、その他の形態のゼラチンおよび/またはその組合せからなる群より選択されるゼラチン物質を含む。
本明細書に記載されている教示を踏まえれば、当業者は、別のまたはさらなるゼラチン物質を容易に特定することができるであろう。一般に、当該技術分野で知られているように、ゼラチンは、家畜のウシ、ブタおよびウマなどの動物の骨、結合組織、臓器および一部の腸をゆでたものから抽出されるコラーゲンを部分的に、通常は不可逆的に加水分解することにより得られるタンパク物質である。
当業者であれば、ゼラチン自体が本明細書に記載されているような望ましい特性を有する唯一の物質というわけではないことを容易に理解し、様々な物質、特にペプチド物質を試験して、同様の特性および/または機能を有するほかの物質を容易に特定することができるであろう。ゼラチンが示すものと同様の特性および/または機能を試験することが可能なペプチド物質の例としては、特に限定されないが、アルブミン、フィブリン、トロンビン、プロトロンビンおよび/またはその組合せを含むがこれに限定されない血液および/または血漿由来のタンパク質が挙げられる。
2種類の非混和性媒体および任意選択で界面活性剤に加え、本発明によるプレミックスは、例えば、1種類以上の添加剤を含み得る。いくつかの実施形態では、プレミックスは、メチルパラベンを含む添加剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、メチルパラベンから実質的になる添加剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、メチルパラベンからなる添加剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、プロピルパラベンを含む添加剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、プロピルパラベンから実質的になる添加剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、プロピルパラベンからなる添加剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、プロピルパラベンとメチルパラベンとを含む添加剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、プロピルパラベンとメチルパラベンとから実質的になる添加剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、プロピルパラベンとメチルパラベンとからなる添加剤を含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、実質的にまたは全くパラベンを含まない。
いくつかの実施形態では、最終的なナノ粒子組成物中に存在する全成分がプレミックス中に存在し、これに高い剪断力を加えてナノ粒子組成物を作製する。いくつかの実施形態では、最終的なナノ粒子組成物中に存在する1種類以上の成分が、プレミックス中に存在しないか、最終的なナノ粒子組成物より少ない量でプレミックス中に存在する。つまり、いくつかの実施形態では、プレミックスに高い剪断力を加えた後に、1種類以上の材料をナノ粒子組成物に添加する。
いくつかの実施形態では、高い剪断力を加える前にプレミックスを溶液として調製する。いくつかの実施形態では、少なくとも1種類の既知の治療物質および/または独立して活性な生物学的活性物質(例えば、ボツリヌス毒素)を含むナノ粒子組成物において、高い剪断力を加える前に治療物質をプレミックスに溶解させることが望ましい場合が多い。したがって、多くの実施形態では、治療物質は、少なくとも1種類の媒体(またはプレミックスで用いる媒体の組合せ)に溶解するものである。いくつかの実施形態では、このような溶解に加熱を必要とし、他の実施形態ではそれを必要としない。
いくつかの実施形態では、高い剪断力を加える前に、プレミックス成分をまとめて粒子にし得る。このような粒子の少なくとも一部は、微粒子またはナノ粒子であり得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物をプレミックスから調製し、ここでは、懸濁液またはマイクロエマルションを含む群からプレミックスを選択する。しかし、いくつかの実施形態では、高い剪断力を加える前にプレミックス中で粒子構造が形成されない。
特定の実施形態では、プレミックス成分の相対量を選択または調節して、所望の特徴を有するナノ粒子を作製する。
いくつかの実施形態では、プレミックスは、油と界面活性剤を0.5~10の範囲の比で含む。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.5:1、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1または約10:1である。いくつかの実施形態では、界面活性剤と油の比は約0.5:1、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1または約10:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤を0.1~2の範囲の比で用いる。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.1:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.15:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.2:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.25:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.3:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.35:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.4:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.45:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.5:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.55:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.6:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.65:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.7:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.75:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.8:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.85:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.9:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約0.95:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.05である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.1である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.15である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.2である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.25である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.3である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.35である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.4である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.45である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.5である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.55である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.6である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.65である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.7である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.75である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.8である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.85である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.9である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:1.95である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:2である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:2.5である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:3である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:3.5である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:4である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:4.5である。いくつかの実施形態では、油と界面活性剤の比は約1:5である。
いくつかの実施形態では、プレミックスは、油と界面活性剤を約0.1:1~約2:1の範囲の比で含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、油と界面活性剤を約0.1:1~約1:1の比で含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、油と界面活性剤を約0.5:1~約1:1の比で含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、油と界面活性剤を約0.1:1、約0.15:1、約0.2:1、約0.25:1、約0.3:1、約0.35:1、約0.4:1、約0.45:1、約0.5:1、約0.5:1、約0.55:1、約0.6:1、約0.65:1、約0.7:1、約0.75:1、約0.8:1、約0.85:1、約0.9:1、約0.95:1または約1:1の比で含む。いくつかの実施形態では、プレミックスは、油と界面活性剤を約0.67:1の比で含む。
いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と界面活性剤を0.01~20の範囲の比で用いる。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と界面活性剤を0.1~20の範囲の比で用いる。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と界面活性剤を0.5~10の範囲の比で用いる。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と界面活性剤を0.5~1の範囲の比で用いる。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と界面活性剤の比は約0.01:1、約0.02:1、約0.03:1、約0.04:1、約0.05:1、約0.06:1、約0.07:1、約0.08:1、約0.0:1、約0.1:1、約0.2:1、約0.3:1、約0.4:1、約0.5:1、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1または約10:1である。いくつかの実施形態では、界面活性剤と水の比は約0.5:1、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1または約20:1である。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と界面活性剤を0.5~2の範囲の比で用いる。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と界面活性剤の比は約0.5:1、約1:1または約2:1である。いくつかの実施形態では、界面活性剤と水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)の比は約0.5:1、約1:1または約2:1である。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と界面活性剤の比は約1:1である。いくつかの実施形態では、このような水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と界面活性剤の比を用いる組成物は、油中水型エマルションを含む。
いくつかの実施形態では、水性分散媒と界面活性剤を約8:1~約9:1の範囲の比で用いる。いくつかの実施形態では、水性分散媒と界面活性剤を約8:1、約8.1:1、約8.2:1、約8.3:1、約8.4:1、約8.5:1、約8.6:1、約8.7:1、約8.8:1、約8.9:1、約9:1などの比で用いる。いくつかの実施形態では、水性分散媒と界面活性剤を約8.7:1の比で用いる。いくつかの実施形態では、水性分散媒と界面活性剤を約8.8:1の比で用いる。
いくつかの実施形態では、水性分散媒と油を約12:1~約14:1の範囲の比で用いる。いくつかの実施形態では、水性分散媒と界面活性剤を約12:1、約12.1:1、約12.2:1、約12.3:1、約12.4:1、約12.5:1、約12.6:1、約12.7:1、約12.8:1、約12.9:1、約13:1、約13.1:1、約13.2:1、約13.3:1、約13.4:1、約13.5:1、約13.6:1、約13.7:1、約13.8:1、約13.9:1、約14:1などの比で用いる。いくつかの実施形態では、水性分散媒と界面活性剤を約13.1:1の比で用いる。
いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは0%~50%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは0%~40%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは0%~30%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは0%~20%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは0%~10%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは0%~5%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは5%~10%、10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、35%~40%または45%~50%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは10%~20%、10%~30%、10%~40%または10%~50%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは20%~30%、20%~40%、20%~50%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは30%~40%または30%~50%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは40%~50%の範囲にある。
いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%または約50%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約10%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約9%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約8%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約7%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約6%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約5%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約4%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約3%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約2%である。いくつかの実施形態では、油のパーセントは約1%である。
いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは約5%~約8%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは約5%、約5.1%、約5.2%、約5.3%、約5.4%、約5.5%、約5.6%、約5.7%、約5.8%、約5.9%、約6%、約6.1%、約6.2%、約6.3%、約6.4%、約6.5%、約6.6%、約6.7%、約6.8%、約6.9%、約7%、約7.1%、約7.2%、約7.3%、約7.4%、約7.5%、約7.6%、約7.7%、約7.8%、約7.9%または約8%である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは約6.3%である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは約6.4%である。
プレミックス中の水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)のパーセントは0%~99%、10%~99%、25%~99%、50%~99%または75%~99%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、プレミックス中の水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)のパーセントは0%~75%、0%~50%、0%~25%または0%~10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、プレミックス中の水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)のパーセントは、0%~30%の範囲にある。いくつかの実施形態では、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)のパーセントは約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%である。いくつかの実施形態では、水のパーセントは約83%である。いくつかの実施形態では、水のパーセントは約9%である。いくつかの実施形態では、水のパーセントは約5%である。
いくつかの実施形態では、プレミックス中の水性分散媒のパーセントは約80%~約85%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の水性分散媒のパーセントは約80、約80.5%、約81%、約81.5%、約82%、約82.5%、約83%、約83.5%、約84%、約84.5%または約85%である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の水性分散媒のパーセントは約83.5%である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは約84%である。
いくつかの実施形態では、プレミックス中の界面活性剤のパーセントは0%~30%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の界面活性剤のパーセントは約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%または約50%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約10%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約9%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約8%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約7%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約6%である。いくつかの実施形態では、界面活性剤のパーセントは約5%である。
いくつかの実施形態では、プレミックス中の界面活性剤のパーセントは約8%~約11%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の界面活性剤のパーセントは約8%、約8.1%、約8.2%、約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、約9%、約9.1%、約9.2%、約9.3%、約9.4%、約9.5%、約9.6%、約9.7%、約9.8%、約9.9%、約10%、約10.1%、約10.2%、約10.3%、約10.4%、約10.5%、約10.6%、約10.7%、約10.8%、約10.9%または約11%である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の油のパーセントは約9.5%である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の界面活性剤のパーセントは約9.6%である。
いくつかの実施形態では、プレミックス中の添加剤のパーセントは約0.1%~約1%の範囲にある。いくつかの実施形態では、プレミックス中の添加剤のパーセントは約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%または約1%である。いくつかの実施形態では、プレミックス中の添加剤のパーセントは約0.4%である。
いくつかの実施形態では、プレミックスは、次のような割合の成分から実質的になる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は2種類以上の油を含有しない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は2種類以上の油(例えば、2、3、4、5種類またはそれ以上の油)を含み得る。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は2種類以上の界面活性剤を含有しない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は2種類以上の界面活性剤(例えば、2、3、4、5種類またはそれ以上の界面活性剤)を含み得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と、油と、界面活性剤とから実質的になる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と、油と、界面活性剤と、組成物を作製および/または保存するために使用する少なくとも1種類の物質(例えば、タンパク質、塩類など)とから実質的になる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と、油と、界面活性剤とからなる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と、油と、界面活性剤と、組成物を作製および/または保存するために使用する少なくとも1種類の物質(例えば、タンパク質、塩類など)とからなる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と、1種類以上の油と、1種類以上の界面活性剤とからなる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、水性分散媒(例えば、水、緩衝液、塩類溶液など)と、1種類以上の油と、1種類以上の界面活性剤と、組成物を作製および/または保存するために使用する少なくとも1種類の物質(例えば、タンパク質、塩類など)とからなる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は添加された保存剤を含有しない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、メチパラベン(methyparaben)およびプロピルパラベンなどのパラベンを含有しない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のナノ粒子組成物はいずれも、既知の治療物質および/または独立して活性な生物学的活性物質をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のナノ粒子組成物はいずれも、既知の治療物質および/または独立して活性な生物学的活性物質を含まない。
生物学的活性成分の同定および/または特徴付け
本明細書に記載されているように、本発明は、特定の本発明の組成物が、関連する生物活性を有することが既に知られている物質を全く含有していなくても、生物学的効果をもたらし得るという発見を包含する。本発明はさらに、このような効果がナノ粒子構造により得られる、かつ/またはそれを必要とし得る、また特に本明細書に記載のナノ粒子構造の特定の実施形態により得られる、かつ/またはそれを必要とし得るという認識を包含する。上記に代えて、あるいは上記に加えて、本発明は、部分的または全面的にナノ粒子構造とは無関係に、本発明の組成物の1つ以上の成分がナノ粒子組成物で観察される生物学的効果に寄与するか、またはこれをもたらし得るという認識を包含する。
したがって、本発明は、本明細書に記載されている本発明の組成物の個々の成分または成分の組合せをアッセイすることによって生物学的活性物質を同定するおよび/または特徴付けるシステムを提供する。本発明の特定の実施形態によれば、1種類以上のこのような成分は単独で、または他の成分と組み合わさって、ナノ粒子構造とは無関係に(例えば、ナノ粒子組成物ではない、特に本明細書に記載のナノエマルションまたは均質なナノ粒子組成物ではない組成物という意味で)生物活性を有し得る。本発明のこのような実施形態は、(i)上記のような成分の同定/特徴付け、および(ii)例えば本明細書に記載の投与計画の一部として投与したときに、関連する生物学的効果をもたらすのに十分な量で、上記のような成分を含有する組成物をともに提供するものである。上記のような成分を含有する組成物は、ナノ粒子構造を含むか否かに関係なく、本明細書では「本発明の組成物」となる。また本発明は、本明細書に記載されているこのような本発明の組成物の使用も提供する。
治療物質
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は1種類以上の治療物質を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は既知の治療物質および/または独立して活性な生物学的活性物質を全く含まない。
本明細書に記載の組成物において、特に限定されないが核酸(例えば、DNA、RNA、DNA-RNAハイブリッド、siRNAs、shRNAs、miRNAs、RNAi誘導物質、アプタマーなど)、ポリペプチド、タンパク質(多量体タンパク質、タンパク質複合体などを含む)、ペプチド、抗体、糖タンパク質、小分子、炭水化物、脂質、有機金属化合物、ホルモン、金属、放射性元素および化合物、ワクチン、免疫物質、そのフラグメントおよび/またはその組合せを含めた、任意の治療物質を用いることができる。いくつかの実施形態では、治療物質は、「皮膚病学的状態」という題名の節に記載されているいずれの物質も含む。可能な治療物質の例を後の段落に詳細に記載する。
いくつかの実施形態では、治療物質は、プレミックス中に約0.1%、約0.5%、約0.75%、1%、約2%、約2.5%、約5%、約7.5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%または約50%の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、治療物質は、本発明の組成物中に約0.1%、約0.5%、約0.75%、1%、約2%、約2.5%、約5%、約7.5%、約10%、約15%、約20%または約25%の濃度で存在する。
核酸物質
各種の核酸のいずれも、本発明に従って本発明の組成物に組み込み得る。いくつかの実施形態では、本発明の組成物に組み込む核酸はポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物に組み込む核酸はヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物に組み込む核酸はヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物に組み込む核酸は、2008年5月30日に出願され、2008年12月11日に国際公開第08/151022号として公開された、発明の名称「NUCLEIC ACID NANOPARTICLES AND USES THEREFOR」の国際出願番号PCT/US08/65329号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものである。
いくつかの実施形態では、核酸物質は長さが約50ヌクレオチド未満である。いくつかの実施形態では、核酸物質は、長さが約90、約80、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約13、約12、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3または約2ヌクレオチド未満である。いくつかの実施形態では、核酸物質は単一の核酸残基(例えば、単一のヌクレオチドまたは単一のヌクレオシド)である。いくつかの実施形態では、本発明の組成物に組み込む核酸物質は、天然の核酸残基(例えば、ヌクレオチド、ヌクレオシド)のみを含む。いくつかの実施形態では、核酸物質は非天然の核酸残基を1つ以上含む。
ヌクレオシドは一般に、グリコシド結合により共有結合したペントース糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)と複素環式含窒素塩基(例えば、プリン:シトシン,チミジンおよびウラシル;ならびにピリミジン:グアニンおよびアデニン)とを含んでいる。ヌクレオチドは一般に、ヌクレオシドと1~3個の5’リン酸基を含んでいる。
いくつかの実施形態では、核酸物質はDNA、RNAまたはその組合せであり得る。いくつかの実施形態では、核酸物質はオリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドであり得る。本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」という用語は互換的に使用され得る。いくつかの実施形態では、核酸物質は、オリゴヌクレオチドおよび/または修飾オリゴヌクレオチド(特に限定されないが、リン酸化を介した修飾を含む);アンチセンスオリゴヌクレオチドおよび/または修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド(特に限定されないが、リン酸化を介した修飾を含む)であり得る。いくつかの実施形態では、核酸物質はcDNAおよび/またはゲノムDNAを含み得る。いくつかの実施形態では、核酸物質は非ヒトDNAおよび/またはRNA(例えば、ウイルス、細菌または真菌の核酸配列)を含み得る。いくつかの実施形態では、核酸物質はプラスミド、コスミド、遺伝子フラグメント、人工および/または天然の染色体(例えば、酵母人工染色体)ならびに/あるいはその一部分であり得る。いくつかの実施形態では、核酸物質は機能性RNA(例えば、mRNA、tRNA、rRNAおよび/またはリボザイム)であり得る。いくつかの実施形態では、核酸物質はRNAi誘導物質、低分子干渉RNA(siRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)および/またはマイクロRNA(miRNA)であり得る。いくつかの実施形態では、核酸物質はペプチド核酸(PNA)であり得る。いくつかの実施形態では、核酸物質は、合成の核酸類似体を含む修飾または未修飾のポリヌクレオチドであり得る。いくつかの実施形態では、核酸物質は一本鎖DNA、二本鎖DNA、スーパーコイル化DNAおよび/または三重らせんDNAを含めた種々の形態のDNA;Z-DNA;ならびに/あるいはその組合せを含み得る。
いくつかの実施形態では、特に限定されないが、化学合成、酵素的合成、長い前駆体の酵素的または化学的切断などを含めた各種の利用可能ないずれの技術に従っても核酸物質を調製し得る。核酸ポリマー(例えば、ポリヌクレオチド)を合成する方法は当該技術分野である(例えば、Gait,M.J.(編)Oligonucleotide synthesis:a practical approach,Oxford[Oxfordshire],Washington,DC:IRL Press,1984;およびHerdewijn,P.(編)Oligonucleotide synthesis:methods and applications,Methods in molecular biology,v.288(Clifton,N.J.)Totowa,N.J.:Humana Press,2005を参照;ともに参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、核酸物質は天然の核酸残基を含み得る。いくつかの実施形態では、天然の核酸残基としては、ヌクレオシド、修飾ヌクレオシド、1つ以上のヌクレオシドの間に炭化水素リンカー(例えば、アルキレン)もしくはポリエーテルリンカー(例えば、PEGリンカー)が挿入された天然のヌクレオシド、1つ以上のヌクレオシドの間に炭化水素もしくはPEGリンカーが挿入された修飾ヌクレオシドまたはその組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、置換によって核酸残基の結合親和性、選択性および/または他の特徴が実質的に減少しない限り、核酸残基または修飾核酸残基を炭化水素リンカーまたはポリエーテルリンカーで置き換えることができる。
いくつかの実施形態では、核酸物質は、完全に天然の核酸にみられるタイプの核酸残基を含むか、代わりに1つ以上の核酸残基類似体を含むか、天然の核酸とは別の異なる構造を有し得る。米国特許第6,403,779号、同第6,399,754号、同第6,225,460号、同第6,127,533号、同第6,031,086号、同第6,005,087号、同第5,977,089号およびそれに含まれる参考文献には、使用し得る多種多様な核酸残基類似体および修飾が具体的に開示されている。参照により組み込まれるCrooke,S.(編),Antisense DrugのTechnology:Principles,Strategies,and Applications(第1版),Marcel Dekker;ISBN:0824705661;第1版(2001)およびそれに含まれる参考文献を参照されたい。例えば、2’-修飾としては、ハロ、アルコキシおよびアリルオキシ基が挙げられる。いくつかの実施形態では、2’-OH基をH、OR、R、ハロ、SH、SRi、NH2、NHR、NR2またはCNから選択される基により置換し、式中、RはCi-C6アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり、ハロはF、Cl、BrまたはIである。修飾された結合の例としては、ホスホロチオアートおよび5’-N-ホスホラミダイト結合が挙げられる。
いくつかの実施形態では、核酸物質は、様々な異なる核酸残基(例えば、ヌクレオチド、ヌクレオシド)類似体、修飾骨格または非天然のヌクレオシド間結合を含む。いくつかの実施形態では、核酸物質は天然のヌクレオシド(すなわち、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシンおよびデオキシシチジン)または修飾ヌクレオシドを含み得る。修飾ヌクレオチドとしては、塩基修飾ヌクレオシド(例えば、アラシチジン、イノシン、イソグアノシン、ネブラリン、シュードウリジン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノプリン、2-チオチミジン、3-デアザ-5-アザシチジン、2’-デオキシウリジン、3-ニトルピロール(nitorpyrrole)、4-メチルインドール、4-チオウリジン、A-チオチミジン、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、2-チオウリジン、5-ブロモシチジン、5-ヨードウリジン、イノシン、6-アザウリジン、6-クロロプリン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-アザアデノシン、8-アジドアデノシン、ベンゾイミダゾール、M1-メチルアデノシン、ピロロ-ピリミジン、2-アミノ-6-クロロプリン、3-メチルアデノシン、5-プロピニルシチジン、5-プロピニルウリジン、5-ブロモウリジン、5-フルオロウリジン、5-メチルシチジン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、O(6)-メチルグアニンおよび2-チオシチジン)、化学的または生物学的に修飾された塩基(例えば、メチル化塩基)、修飾糖(例えば、2’-フルオロリボース、2’-アミノリボース、2’-アジドリボース、T-O-メチルリボース、L-鏡像異性体ヌクレオシドアラビノースおよびヘキソース)、修飾リン酸基(例えば、ホスホロチオアートおよび5’-iV-ホスホラミダイト結合)およびその組合せが挙げられる。核酸の化学合成のための天然および修飾核酸残基モノマーは容易に入手できる。いくつかの場合には、このような修飾を有する残基を含む核酸は、天然の残基のみからなる核酸よりも向上した特性を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸修飾を用いて、ヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼなど)による消化を低減するおよび/または防ぐ。例えば、一方または両方の鎖3’末端にヌクレオチド類似体を含ませて消化を低減することにより、ポリヌクレオチドの構造を安定化させ得る。
修飾核酸(例えば、修飾ポリヌクレオチド)は、ポリヌクレオチドの全長にわたって均一に修飾されている必要はない。ポリヌクレオチド内の様々な位置に異なる核酸残基修飾および/または骨格構造が存在していてよい。残基類似体またはその他の修飾(1つまたは複数)が、ポリヌクレオチドの機能に実質的に影響を及ぼさないようなポリヌクレオチドの任意の位置(1つまたは複数)に存在し得ることを当業者は理解するであろう。修飾部位は、一方または両方の鎖の5’末端および/または3’末端であり得る。例えば、両鎖のいずれかの5’および/または3’末端にある約1~約5個の残基が残基類似体である、および/または骨格修飾を有する、修飾ポリヌクレオチドが用いられてきた。修飾は5’末端修飾であっても3’末端修飾であってもよい。一方または両方の核酸鎖は、未修飾残基を少なくとも50%、未修飾残基を少なくとも80%、未修飾残基を少なくとも90%または未修飾残基を100%含み得る。
いくつかの実施形態では、核酸物質は、米国特許出願公開第2003/0175950号、同第2004/0192626号、同第2004/0092470号、同第2005/0020525号および同第2005/0032733号(これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような糖、残基またはヌクレオシド間結合への修飾を含む。いくつかの実施形態では、核酸物質は、上記文献に記載されている修飾のいずれか1つ以上を有する核酸物質である。例えば、数多くの末端コンジュゲート、例えば、コレステロールなどの脂質、リトコール酸、アルリン酸(aluric acid)または長いアルキル分岐鎖が細胞内取込みを向上させることが報告されている。類似体および修飾を、例えば当該技術分野で公知の任意の適切なアッセイを用いて、試験し得る。いくつかの実施形態では、核酸物質は、1つ以上の非天然ヌクレオシド結合を含み得る。いくつかの実施形態では、核酸の3’末端、5’末端または3’末端と5’末端の両方にある1つ以上の内部ヌクレオチドを反対にして、3’-3’結合または5’-5’結合などの結合を得る。
いくつかの実施形態では、核酸物質は合成された物質ではなく、その天然の環境から単離された天然の物質である。
いくつかの実施形態では、核酸物質は、天然の核酸残基(例えば、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド)のみを含む。いくつかの実施形態では、核酸物質は未修飾残基のみを含む。本発明の組成物は修飾核酸および未修飾核酸をともに送達することができる。
いくつかの実施形態では、核酸物質は一般に、皮膚(例えば、表皮および真皮)、皮下組織(例えば、脂肪組織)、近接する筋肉および/または遠隔組織(例えば、肺、肝臓などの臓器)において生物活性を有する核酸物質である。
いくつかの実施形態では、核酸物質は機能性RNA(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、三重らせんヘリックス構造の形成に関与するRNAなど)であるか、またはこれを含むものである。特定の実施形態では、核酸物質は、翻訳開始部位、転写開始部位および/またはスプライスジャンクションと結合するアンチセンス分子であるか、またはこれを含むものである。いくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドがRNAの翻訳または転写後プロセシングを防ぐ。上記に代えて、あるいは上記に加えて、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的遺伝子のDNA、例えば調節エレメントなどと結合することにより、標的遺伝子の転写を変化させ得る。
アンチセンスRNAは通常、標的転写産物に対してアンチセンスRNAが標的転写産物とハイブリダイズするのに十分な相補性を示す。標的とのハイブリダイゼーションが依然として生じ得る限り、ミスマッチが許容される。アンチセンスRNAは一般に、ハイブリダイゼーションが依然として生じ得る限り、どのような長さであってもよい。いくつかの実施形態では、アンチセンスRNAは約20nt、約30nt、約40nt、約50nt、約75nt、約100nt、約150nt、約200nt、約250nt、約500ntまたはそれ以上の長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンスRNAは、標的転写産物とハイブリダイズする約20nt、約30nt、約40nt、約50nt、約75nt、約100nt、約150nt、約200nt、約250nt、約500ntまたはそれ以上の長さの阻害領域を含む。
いくつかの実施形態では、核酸物質は、RNA干渉(RNAi)を仲介する物質であるか、またはこれを含むものである。RNAiとは特定の遺伝子の発現を阻害する機序のことである。RNAiは通常、翻訳のレベルで遺伝子発現を阻害するが、転写レベルで遺伝子発現を阻害することにより機能することもある。RNAiの標的としては、特に限定されないが細胞内転写産物、病原体転写産物(例えば、ウイルス、細菌、真菌などに由来するもの)、トランスポゾン、ベクターなどを含めた、細胞内に存在する任意のRNAが挙げられる。
いくつかの実施形態では、RNAi物質は転写産物の任意の部分を標的とし得る。いくつかの実施形態では、標的転写産物は遺伝子のコード配列内にある。いくつかの実施形態では、標的転写産物は非コード配列内にある。いくつかの実施形態では、標的転写産物はエキソン内にある。いくつかの実施形態では、標的転写産物はイントロン内にある。いくつかの実施形態では、標的転写産物は遺伝子の5’非翻訳領域(UTR)または3’UTR内にある。いくつかの実施形態では、標的転写産物はエンハンサー領域内にある。いくつかの実施形態では、標的転写産物はプロモーター内にある。
任意の特定の遺伝子標的に対するRNAi物質および/またはRNAi誘導物質の設計は通常、特定の指針に従って行われる。一般に、分解が望まれない他の転写産物と共有されている可能性のある標的転写産物の部分を避けるのが望ましい。いくつかの実施形態では、RNAi物質および/またはRNAi誘導物質は、高度に保存された転写産物および/またはその一部分を標的とする。いくつかの実施形態では、RNAi物質および/またはRNAi誘導物質は、高度に保存されていない転写産物および/またはその一部分を標的とする。
本明細書で使用される「低分子干渉RNA」または「siRNA」は、長さが約19塩基対(bp)で、任意選択で一本鎖オーバーハングを1つまたは2つさらに含むRNA二重鎖(本明細書では「二重鎖領域」と呼ぶ)を含むRNAi物質を指す。いくつかの実施形態では、siRNAは、15bp~29bpの範囲の長さで、任意選択で一本鎖オーバーハングを1つまたは2つさらに含む二重鎖領域を含む。siRNAは通常、互いにハイブリダイズする2つのRNA分子(すなわち、2本の鎖)から形成される。siRNAに一方の鎖には、標的転写産物とハイブリダイズする部分が含まれる。いくつかの実施形態では、siRNAが標的転写産物の分解を引き起こすことにより遺伝子発現の阻害を仲介する。
本明細書で使用される「短鎖ヘアピンRNA」または「shRNA」は、ハイブリダイズした少なくとも2つの相補的な部分を有するか、ハイブリダイズしてRNAiを仲介するのに十分な長さ(通常、少なくとも約19bpの長さ)の二本鎖(二重鎖)構造を形成することができるRNAと、通常長さが約1ヌクレオチド(nt)~約10ntの範囲で、ループを形成する少なくとも1つの一本鎖部分とを含むRNAi物質を指す。いくつかの実施形態では、shRNAは、長さが15bp~29bpの範囲の二重鎖部分と、通常長さが約1nt~約10ntで、ループを形成する少なくとも1つの一本鎖部分とを含む。いくつかの実施形態では、一本鎖部分は、長さが約1nt、約2nt、約3nt、約4nt、約5nt、約6nt、約7nt、約8nt、約9ntまたは約10ntである。いくつかの実施形態では、shRNAは、細胞のRNAi機構により(例えば、ダイサーにより)プロセシングされてsiRNAになる。したがって、いくつかの実施形態では、shRNAはsiRNAの前駆体であり得る。それにもかかわらず、siRNAは一般に、siRNAと同様に標的RNAの発現を阻害することができる。本明細書で使用される「短鎖RNAi物質」という用語は、siRNAとshRNAを総称するのに使用される。
短鎖RNAi物質は通常、長さが約15nt~約29nt、例えば、長さが約19ntの塩基対形成領域(「二重鎖領域」)を含み、任意に遊離末端またはループ末端を1つ以上有し得る。RNAi誘導物質および/または短鎖RNAi物質は通常、一方の鎖が、標的転写産物の一部分(「標的部分」)に対して十分に相補的な長さが15nt~29ntの阻害領域を含み、in vivoでこの鎖と標的転写産物との間にハイブリッド(「コア領域」)が形成され得るような領域(「二重鎖領域」)を含む。コア領域はオーバーハングを含まないと理解される。
いくつかの実施形態では、siRNAは二重鎖領域の一端または両端に3’オーバーハングを含む。いくつかの実施形態では、shRNAはその遊離末端に3’オーバーハングを含む。いくつかの実施形態では、siRNAは単一ヌクレオチドの3’オーバーハングを含む。いくつかの実施形態では、siRNAは2ntの3’オーバーハングを含む。いくつかの実施形態では、siRNAは1ntの3’オーバーハングを含む。オーバーハングが存在する場合、それは標的転写産物に対して相補的であってよいが、相補的である必要もない。3’末端に2nt~3ntのオーバーハングを有するsiRNAは、標的転写産物レベルを低下させるのに平滑末端を有するsiRNAより効果的である場合が多い。
いくつかの実施形態では、短鎖RNAi物質の阻害領域は、標的転写産物のある領域に対して100%相補的である。しかし、いくつかの実施形態では、短鎖RNAi物質の阻害領域は、標的転写産物のある領域に対する相補性が100%未満である。阻害領域は、例えば、細胞内および/またはRNAiを担持するin vitro系(例えば、ショウジョウバエ(Drosophila)抽出系)における生理的条件下でハイブリダイゼーションが生じ得る程度に、標的転写産物に対して相補的であればよい。
短鎖RNAi物質の二重鎖がミスマッチおよび/またはバルジ、特に二重鎖の中心領域内のミスマッチを許容するが、依然として効率的なサイレンシングを引き起こし得ることを当業者は理解するであろう。また当業者は、短鎖RNAi物質/標的転写産物コア領域の中心部分でのミスマッチを避けることが望ましいことも認識するであろう(例えば、参照により本明細書に組み込まれるElbashirら,EMBO J.20:6877,2001を参照)。例えば、siRNAのアンチセンス鎖の3’ヌクレオチドは、標的認識の特異性にあまり寄与しない場合が多く、標的切断に対する重要性が低いと思われる。
マイクロRNA(miRNA)は、ゲノムにコードされた長さが約21~23ヌクレオチドの非コードRNAであり、特に発生中の遺伝子発現を制御する働きがある(例えば、Bartel,2004,Cell,116:281;NovinaおよびSharp,2004,Nature,430:161;ならびに米国特許出願公開第2005/0059005号を参照;またWangおよびLi,2007,Front.Biosci.,12:3975;およびZhao,2007,Trends Biochem.Sci.,32:189においても概説されている;上記文献はそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる)。RNA干渉という現象には、広義では、内因的に誘導されるmiRNAの遺伝子サイレンシング効果および外来dsRNAにより誘発されるサイレンシングがともに含まれる。成熟miRNAは、構造的には外因性のdsRNAから生成されるsiRNAとほぼ同じであるが、成熟状態になる前に、miRNAはまず大幅な大きな転写後修飾を受ける。miRNAは通常、これよりはるかに長いRNAコード遺伝子からプリmiRNAとして知られる一次転写産物として発現され、これが細胞核内でマイクロプロセッサー複合体によりプロセシングされて、プレmiRNAと呼ばれる70-ヌクレオチドのステムループ構造になる。この複合体はDroshaと呼ばれるRNアーゼIII酵素と、dsRNA結合タンパク質Pashaとで構成されている。このプレmiRNAのdsRNA部分にダイサーが結合してこれを切断し、RISC複合体に組み込まれ得る成熟miRNA分子が生じる。このようにして、miRNAとsiRNAは最初のプロセシングの同じ細胞機構の下流を共有する(Gregoryら,2006,Meth.Mol.Biol.,342:33;参照により本明細書に組み込まれる)。一般に、miRNAはその標的転写産物に対して完全に相補的というわけではない。
いくつかの実施形態では、miRNAは長さが18nt~26ntの範囲であり得る。miRNAは通常、一本鎖である。しかし、いくつかの実施形態では、miRNAは少なくとも一部が二本鎖であり得る。特定の実施形態では、miRNAはRNA二重鎖(本明細書では「二重鎖領域」と呼ぶ)含み得、また任意選択で、一本鎖オーバーハングを1つまたは2つさらに含み得る。いくつかの実施形態では、RNAi物質は、長さが15bp~29bpの範囲で、任意選択で一本鎖オーバーハングを1つ~3つさらに含む二重鎖領域を含む。miRNAは、互いにハイブリダイズする2つのRNA分子から形成され得るか、あるいは自己ハイブリダイズする部分を含む単一のRNA分子から形成され得る。miRNAの二重鎖部分は通常、1つ以上の対形成していないヌクレオチドからなるバルジを1つ以上含むが、必ずしも含むわけではない。miRNAの一本の鎖は、標的RNAとハイブリダイズする部分を含む。特定の実施形態では、miRNAの一本の鎖は、標的RNAのある領域に対して正確に相補的であるわけではなく、このことは、miRNAが1つ以上のミスマッチを伴って標的RNAとハイブリダイズすることを意味する。いくつかの実施形態では、miRNAの一本の鎖は、標的RNAのある領域に対して正確に相補的であり、このことは、miRNAがミスマッチなしで標的RNAとハイブリダイズすることを意味する。miRNAは通常、標的転写産物の翻訳を阻害することにより遺伝子発現の阻害を仲介すると考えられている。しかし、いくつかの実施形態では、miRNAは、標的転写産物の分解を引き起こすことにより遺伝子発現の阻害を仲介し得る。
特定の実施形態では、触媒作用により標的mRNA転写産物を切断するように設計されたリボザイムであるか、またはこれを含む核酸物質を用いて、標的mRNAの翻訳および/または標的の発現を妨げ得る(例えば、国際公開第90/11364号;およびSarverら,1990,Science 247:1222を参照;上記文献はともに参照により本明細書に組み込まれる)。
特定の実施形態では、核酸物質は、三重らせん構造の形成に関与する核酸であるか、またはこれを含むものである。標的遺伝子の調節領域(例えば、標的遺伝子のプロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的なデオキシリボヌクレオチド配列を標的化して、体内の標的筋細胞の標的遺伝子の転写を妨げる三重らせん構造を形成させることにより、内因性の標的遺伝子発現を減少させ得る(一般的には、Helene,1991,Anticancer DrugのDes.,6:569;Heleneら,1992,Ann K Y.Acad.Sci.,660:27;およびMaher,1992,Bioassays 14:807を参照;上記文献はすべて参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの場合には、特定の核酸物質が治療効果を発揮する機序および/または生物活性に影響を与える機序はわかっていない。本発明は、このような核酸物質の使用を考慮する。いくつかの実施形態では、本発明の方法を、未だ同定または特徴付けされていない生物学的に活性な核酸物質(例えば、ポリヌクレオチドおよび/または核酸残基)の送達(例えば、経皮送達)に使用し得る。
いくつかの実施形態では、核酸物質は創傷治癒を改善する。このような核酸物質としては、ケラチノサイト増殖因子-1(KGF-I)をコードするDNAが挙げられる(Linら,2006,Wound Repair Regen.,14:618;参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、KGF-Iをコードする核酸は、GenBank配列NC000015に記載されている配列の全体または一部分を特徴とする。
いくつかの実施形態では、核酸物質は皮膚創傷治癒を促進し得る。このような核酸物質としては、コネキシン43(Cx43)のアンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAi物質、siRNA、shRNAおよび/またはmiRNAが挙げられる(Moriら,2006,J.Cell Sci.,119:5193;参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAi物質、siRNA、shRNAおよび/またはmiRNAは、GenBank配列AK312324に記載されている配列などを有する核酸の1つ以上の領域および/または特徴的な部分を標的とし得る。
いくつかの実施形態では、核酸物質は異常な皮膚細胞増殖を抑制し、皮膚創傷治癒を増進し得る。このようなヌクレオチドとしては、ヌクレオチドならびにヌクレオシド一リン酸、ヌクレオシド二リン酸およびヌクレオシド三リン酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、このような核酸物質とし、アデニンヌクレオチドならびにアデノシンおよびアデノシンヌクレオシド三リン酸が挙げられる(Brownら,2000,J.Invest.Dermatol.,115:849およびWangら,1990,Biochem.Biophys.Res.Commun.,166:251;上記文献はすべて参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、核酸物質は、皮膚でのコラーゲン合成を阻害し結合組織疾患である強皮症を治療する可能性のあるインターフェロン産生を刺激する。このような核酸物質としては、インターフェロンγ(IFNγ)をコードする核酸物質が挙げられる(Badeaら,2005,J.Gene Med.,7:1200;ならびにGrayおよびGoeddel,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,80:5842;上記文献はともに参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、IFNγをコードする核酸は、GenBank配列NM OOl 127598、NM000612、NM OO 1007139またはNC000076に記載されている配列の全体または一部分を特徴とする。
いくつかの実施形態では、核酸物質は皮膚疾患である先天性爪肥厚症を治療する。このような核酸物質としては、皮膚のケラチンをコードする遺伝子を標的とするsiRNAが挙げられる(Hickersonら,2006,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1082:56;参照により本明細書に組み込まれる)。特定の実施形態では、このようなsiRNAは、次に挙げるアンチセンス配列:AAACUUGUUUUUGAGGGUCU(配列番号1);UUUUUGAGGGUCUUGAUCU(配列番号2);UUUUGAGGGUCUUGAUCUGU(配列番号3);UUUGAGGGUCUUGAUCUGUU(配列番号4);AAGGAGGCAAACUUGUUUUU(配列番号5);AACUUGUUGAGGGUCUUGAU(配列番号6);AAACUUGUUGAGGGUCUUGU(配列番号7);およびCAAACUUGUUGAGGGUCUUU(配列番号8)のいずれか1つ以上を含み得る(Hickersonら,2006,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1082:56;参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、核酸物質は、皮膚炎症を惹き起こす分子経路を抑制する。このような核酸物質としては、2種類のシチジン-リン酸-グアノシン(CpG)モチーフ(CpG-1-ホスホロチオアート(PTO))およびポリ-シチジンモチーフ(Non-CpG-5-PTO)を含めたシチジン-リン酸-グアノシンオリゴデオキシヌクレオチドが挙げられる(Pivarcsi,2007,J.Invest.Dermatol.,127:846;およびDornら,2007,J.Invest.Dermatol.,127:746;上記文献はともに参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、このような核酸物質はホスホロチオアート結合を含み得る。いくつかの実施形態では、このような核酸物質はホスホジエステル結合を含み得る。特定の実施形態では、このような核酸物質は、次に挙げるヌクレオチド配列:TCCATGACGTTCCTGACGTT(配列番号9);TCCATGACGTTCCTGACGTT(配列番号10);TCCATGACGTTCCTGACGT(配列番号11);TCCATGACGTTCCTGACG(配列番号12);TCCTCGACGTCCCTGA(配列番号13);CATGACGTTCCT(配列番号14);GACGTT(配列番号15);およびAACGTCAGGAACGTCATGGA(配列番号16)のいずれか1つ以上を含み得る(Pivarcsi,2007,J.Invest.Dermatol,127:846;およびDornら,2007,J.Invest.Dermatol,127:746;上記文献はともに参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、核酸物質は皮膚でのVEGF産生を減少させ得るが、このことが乾癬などの状態に対する抗血管新生治療効果を有し得る。このような核酸物質としては、19-量体アンチセンスホスホロチオアートオリゴデオキシヌクレオチド(VEGF/VPF mRNAの翻訳開始部位に関連する塩基6~24に対して相補的である)が挙げられる(Smythら,1997,J.Invest.Dermatol.,108:523;参照により本明細書に組み込まれる)。特定の実施形態では、このような核酸物質は、次に挙げるアンチセンスヌクレオチド配列:CACCCAAGACAGCAGAAAG(配列番号17);CTCCCAAGACAGCAGAAAG(配列番号18);CTGCCAAGACAGCAGAAAG(配列番号19);CACCCAACTCTCCAGAAAG(配列番号20);CACCCAAGACAGCAGAATG(配列番号21);およびCACCCAAGACAGCAGATTG(配列番号22)のいずれか1つ以上を含み得る(Smythら,1997,J.Invest.Dermatol.,108:523;参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、核酸物質は、UV照射(例えば、日光曝露および/または日焼けによるUV照射)により損傷を受けた皮膚のDNA修復率を改善し得る。いくつかの実施形態では、核酸物質は、皮膚癌の発症を防ぐまたは遅延させ得る。いくつかの実施形態では、核酸物質は、メラノサイト産生を刺激して皮膚の黒化をもたらし得る。いくつかの実施形態では、核酸物質は、皮膚の外見的な黒化をもたらし得る。このような核酸物質としては、ジピリミジン配列(例えば、TT、TC、CT、CC)が挙げられる。いくつかの実施形態では、このような核酸物質として、チミジンジヌクレオチド(pTT)、実質的にテロメア3’オーバーハング配列と相同なDNAオリゴヌクレオチドおよび5’-リン酸化9塩基オリゴヌクレオチド(p9mer)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明に従って使用される核酸物質は、様々な種類の癌(例えば、乳癌、膵臓癌、卵巣癌、黒色腫、神経膠腫など)を治療し得る。このような核酸物質としては、実質的にテロメア3’オーバーハング配列と相同なオリゴヌクレオチドが挙げられる。特定の実施形態では、テロメア3’オーバーハング配列は、次に挙げる配列:TTAGGG(配列番号23);GTTAGGGTTAG(配列番号24);GGTTAGGTGTAGGTTT(配列番号25);GTTAGGGTT(配列番号26);TTAGGGTTA(配列番号27);GTTAGGTTTAAGGTT(配列番号28);GGTAGGTGTAGGGTG(配列番号29);GGTCGGTGTCGGGTG(配列番号30);GGCAGGCGCAGGGCG(配列番号31);GTTAGGGTTAGGGTT(配列番号32);GATAAGGGATTGGGAT(配列番号33);GAGTATGAG(配列番号34);GGGTTAGGG(配列番号35);GTTAGGGTTAG(配列番号36);GGTAGGTGTAGGATT(配列番号37);GGTAGGTGTAGGATTT(配列番号38);GGTTAGGTGTAGGTTT(配列番号39);GGTTAGGTGGAGGTTT(配列番号40);GGTTAGGTTTAGGTTT(配列番号41);GGTTAGGTTAAGGTTA(配列番号42);GGTAGGTGTAGGGTG(配列番号43);GTTAGGGTTAGGGTTA(配列番号44);GGTTGGTTGGTTGGTT(配列番号45);CCTTGGTTGGTTGGTTGGTT(配列番号46);およびGGTTGGTTGGTTGGTTGGTT(配列番号47)のうちの1つ以上を含む。特定の実施形態では、p9merは、次に挙げるヌクレオチド配列:pGAGTATGAG(配列番号34)を含む(Goukassianら,2004,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,101:3933;Aradら,2006,FASEB J.,20:1895;Yaarら,2007,Breast Cancer Res.,9:R13;Goukassianら,2002,FASEB J.,16:754;およびOhashiら,2007,J.Cell Physiol.,210:582;上記文献はすべて参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、核酸物質は黒色腫皮膚癌(例えば、転移性黒色腫皮膚癌)を治療し得る。このような核酸物質としては、Toll様受容体9活性化オリゴヌクレオチドが挙げる(Pashenkovら,2006,J.Clin.Oncol.,24:5716;参照により本明細書に組み込まれる)。特定の実施形態では、このような核酸は、次に挙げるヌクレオチド配列:TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT(配列番号48)を含み得る(Pashenkovら,2006,J.Clin.Oncol.,24:5716;参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のいずれかの核酸と相同な核酸配列を本発明に従って使用し得る。いくつかの実施形態では、複数の核酸配列が互いに比較して30個、25個、20個、15個、10個、5個、4個、3個、2個または1個より少ない核酸置換を含む場合、その核酸配列を互いに「相同である」とみなす。いくつかの実施形態では、複数の核酸配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%同一である場合、その核酸配列を互いに「相同である」とみなす。いくつかの実施形態では、複数の核酸配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%類似している場合、その核酸配列を互いに「相同である」とみなす。
タンパク物質
各種のタンパク物質をいずれも本発明の組成物に組み込み得る。いくつかの実施形態では、タンパク物質はペプチド物質である。いくつかの実施形態では、ペプチドは長さが約100アミノ酸未満であり、いくつかの実施形態では、ペプチドは長さが約90、約80、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約13、約12、約10、約9、約8、約7、約6または約5アミノ酸未満である。いくつかの特定の実施形態では、ペプチド物質はペンタペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド物質は天然のアミノ酸のみからなる。いくつかの実施形態では、ペプチド物質は非天然アミノ酸を1つ以上含む。
本発明に従って使用する未修飾の短鎖ペプチドは一般に、皮膚(表皮および真皮を含む)、皮下組織(脂肪組織を含む)および/または近接する筋肉において生物活性を有する核酸物質である。このようなペプチドとしては、特に限定されないが、細胞外マトリックス産生を促進するペプチド(例えば、KTTKS、配列番号49;EYKTTKSSRL、配列番号50;VIEYKTTK、配列番号51;KTTK、配列番号52;GKTVIEYKTTKS、配列番号53;GKTVIEYKTTKSSRL、配列番号54;WGKTVIEYKTTKSSRLPIID、配列番号55;CTSHTGAWGKTVIEYKTTKS、配列番号56;TTKS、配列番号57)、しわを減少させ得るペプチド(例えば、EEMQRR、配列番号58)、創傷治癒を改善するペプチド(例えば、ガストリン放出ペプチド、VGVAPG、配列番号59;YYRADA、配列番号60;GHK、配列番号61、インターフェロン、インターフェロン誘導物質)ならびに肥厚性瘢痕、ケロイドおよび局所性または全身性硬化症(強皮症)などの状態をもたらす細胞外マトリックスの過剰な蓄積を治療するペプチド(例えば、P144;TSLDASIIWAMMQN、配列番号62)が挙げられる(Katayamaら,1993,J.Biol.Chem.,268:9941;Lupo,2005,Dermatol.Surg.,31:832;Robinsonら,International J.Cosmetic Science,27:155;Bhartiyaら,1992,J.Cell.Physiol,150:312;およびSantiagoら,2005,J.Investigative Dermatology,125:450;上記文献はすべて参照により本明細書に組み込まれる)。ペプチドの略号の定義に関しては下の表5を参照されたい。
ボツリヌス毒素
いくつかの実施形態では、タンパク物質はボツリヌス毒素である。ボツリヌス毒素(BTX)BTXは、嫌気性グラム陽性桿菌であるボツリヌス菌(Clostridium botulinum)によって天然に産生されるものであり、強力なポリペプチド神経毒である。BTXがヒトおよび動物において、ボツリヌス中毒と呼ばれる神経麻痺性の疾患を惹き起こすことはきわめて有名である。BTXは消化管粘膜を通過して、末梢運動ニューロンを冒すことが可能であるらしい。ボツリヌス毒素中毒の症状は歩行、嚥下および発話の障害から呼吸筋の麻痺へ、さらに死に至るまで進行し得る。
BTX-Aは、最も致死作用の強い天然の生物学的薬剤であることが知られている。市販のBTX-Aの雌性Swiss Websterマウス(18g~20g)におけるLD50は約50ピコグラムであり、この量がBTX-Aの1単位として定められている。モル基準で、BTX-Aは致死性がジフテリアより約18億倍強く、シアン化ナトリウムより約6億倍強く、コブラ毒素より約3000万倍強く、コレラより約1200万倍強い(Singhら編,“Critical Aspects of Bacterial Protein Toxins” Natural Toxins II,pp.63-84,Plenum Press,New York,1996)。
ボツリヌス毒素は血清型によって、それが冒す動物種ならびにそれが惹き起こす麻痺の重症度および持続期間が異なっている。例えば、ラットで生じさせた麻痺率による測定で、BTX-AはBTX-Bより500倍強力であることが明らかにされている。ほかにもBTX-Bは、BTX-Aの霊長類におけるLD50の約12倍となる480U/kgの投与量で霊長類に対して毒性を示さないことが明らかにされている。さらに、筋肉内注射では、B型ボツリヌス毒素は、同じ投与レベルのBTX-Aより活性の持続時間が短く、効力も弱いことが知られている。
ボツリヌス毒素は、コリン作動性運動ニューロンと高い親和性で結合してニューロン内に移行し、アセチルコリンその他の予め形成されたメディエーターおよびトランスミッターの放出を阻止するらしい。例えば、運動ニューロン以外のニューロンを対象に実施されたin vitro研究により、ボツリヌス毒素がアセチルコリン放出を阻止するだけでなく、有機小分子および神経ペプチド(例えば、アドレナリン;ノルアドレナリン;ドーパミン;グルタミン酸塩;アスパラギン酸塩;グリシン;GABA;アセチルコリンおよび/またはグルタミン酸塩などの神経伝達物質とともに貯蔵されているATP;P物質;ならびに/あるいはCGRP)を含めた他の神経伝達物質(例えば、小胞内に貯蔵されている神経伝達物質)の遊離も妨げ得ることが明らかにされている(Poulain,2008,Botulinum J.,1:14;参照により本明細書に組み込まれる)。
ボツリヌス毒素は、特定の神経筋疾患の治療に臨床状況で使用されてきた。特にBTX-Aは、頸部ジストニアが原因の異常頭位および頸部痛の重症度を低下させるための成人頸部ジストニアの治療;局所薬で十分に対処できない重度の原発性腋窩多汗症の治療;良性特発性眼瞼痙攣または12歳以上の患者のVII神経疾患を含めた、ジストニアが原因の斜視および眼瞼痙攣の治療;ならびに65歳以上の成人患者における皺眉筋および/または鼻根筋の筋活動が原因の中等度ないし重度の眉間のしわの出現の一時的な改善に関して米国食品医薬品局により承認されている。
通常、末梢筋肉内BTX-Aの臨床的効果が注射後1週間以内にみられる。BTX-Aの単回筋肉内注射による症状軽減の典型的な持続時間は平均約3ヶ月である。
ボツリヌス毒素の全血清型が神経筋接合部での神経伝達物質アセチルコリンの放出を阻害するらしいが、それは異なる神経分泌タンパク質に影響を与えることにより、および/またはこのようなタンパク質を異なる部位で切断することにより行われる。例えば、A型ボツリヌスおよびE型ボツリヌスはともに25キロダルトン(kD)のシナプトソーム関連タンパク質(SNAP-25)を切断するが、両者はこのタンパク質内の異なるアミノ酸配列を標的とする。B型、D型、F型およびG型ボツリヌス毒素は小胞結合膜タンパク質(VAMP、シナプトブレビンとも呼ばれる)に作用するが、各血清型はこのタンパク質の異なる部位を切断する。最後に、C1型ボツリヌス毒素はシンタキシンおよびSNAP-25をともに切断することが示されている。上に挙げた作用機序の違いが各種血清型のボツリヌス毒素の相対的な効力および/または作用持続に影響を与え得る。膵島B細胞の細胞質ゾルには少なくともSNAP-25(Gonelle-Gispertら,1999,Biochem.J.,339(pt1):159-65;参照により本明細書に組み込まれる)およびシナプトブレビン(1995,Mov.Disord.,10:376;参照により本明細書に組み込まれる)が含まれている。
ボツリヌス毒素タンパク質分子の分子量は、既知の血清型のボツリヌス毒素全7種とも約150kDである。ボツリヌス毒素はクロストリジウム(Clostridium)菌により、非毒性タンパク質が会合した150kDのボツリヌス毒素タンパク質分子を含む複合体として放出される。このようにして、BTX-A複合体はクロストリジウム(Clostridium)菌により900kD、500kDおよび360kDの形態で産生され得る。B型およびC1型ボツリヌス毒素は500kDの複合体としてのみ産生されるらしい。D型ボツリヌス毒素は300kDおよび500kDの両方の複合体として産生される。最後に、E型ボツリヌス毒素は約300kDの複合体としてのみ産生される。
BTX複合体(すなわち、分子量が約150kDを上回る組成物)は、非毒性の赤血球凝集素タンパク質および非毒性の非赤血球凝集素タンパク質を含むと考えられている。この2つの非毒性タンパク質(ボツリヌス毒素分子とともに関連する神経毒複合体を含む)には、ボツリヌス毒素分子に変性に対する安定性を付与し、毒素が摂取されたときに消化性の酸から防御する作用があると思われる。
本発明に従って、BTXタンパク質またはBTX複合体のいずれかを既知の治療物質および/または独立して活性な生物学的活性物質として用い得る。実際、適切な活性を保持しているBTXタンパク質またはBTX複合体の任意の部分またはフラグメントを本明細書に記載の通りに用い得ることが、当業者には理解されるであろう。
ボツリヌス毒素は、カリウム陽イオンにより引き起こされる脳幹組織の初代細胞培養物からのアセチルコリンおよびノルエピネフリンの放出をともに阻害することが、in vitro研究により示されている。このほか、ボツリヌス毒素が脊髄ニューロンの初代培養物において引き起こされるグリシンおよびグルタミン酸塩の放出をともに阻害すること、ならびに脳シナプトソーム標本において、ボツリヌス毒素が神経伝達物質、アセチルコリン、ドーパミン、ノルエピネフリン、CGRPおよびグルタミン酸塩の放出をそれぞれ阻害することが報告されている。
上で述べたように、本発明に従って使用するボツリヌス毒素は、どのような入手源に由来するものであってもよい。しかし、完全を期するために、本発明者らは特定のボツリヌス毒素調製のための商業的供給源を含めた様々な入手源が容易に入手可能であることを記しておく。
いくつかの実施形態では、ボツリヌス毒素は、A型、Ab型、Af型、B型、Bf型、C1型、C2型、D型、E型、F型およびG型;その変異体;そのバリアント;そのフラグメント;その特有の部分;および/またはその融合体からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、ボツリヌス毒素は、Sakaguchi,1982,Pharmacol.Ther.,19:165;および/またはSmithら,2005,Infect.Immun.,73:5450(ともに参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているサブタイプのいずれかとして存在するものである。
例えば、BTXまたはBTX複合体は、発酵槽でボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の培養を確立し増殖させた後、発酵混合物を既知の方法に従って回収し精製することにより入手することができる。いずれの血清型のボツリヌス毒素も最初に不活性な一本鎖タンパク質として合成されるため、プロテアーゼによりこれを切断するか、これに切れ目を入れて神経刺激性にしなければならない。A型およびG型ボツリヌス毒素を生成する細菌株は内因性のプロテアーゼを有する。したがって、血清型AおよびGは、ほとんどが活性型の状態で細菌培養物から回収することができる。これに対し、血清型がC1、DおよびEのボツリヌス毒素は非タンパク質分解性の株により合成されるため、通常は培養物から回収された時点で不活性である。血清型BおよびFはタンパク質分解性および非タンパク質分解性の両方の株により産生されるため、活性型または不活性型のいずれかで回収することができる。しかし、例えばBTX-Aの血清型を産生するタンパク質分解性の株でも通常は、産生された毒素の一部分しか切断しない。切れ目の入った分子とそうでない分子の正確な比率は、インキュベーションの長さと培養温度によって左右され得る。したがって、任意の調製物、例えばBTX-Aのうち特定の割合が不活性である可能性がある。臨床製剤中に不活性なボツリヌス毒素分子が存在すれば、それは一部の市販のボツリヌス毒素製剤で抗原性の増大と関連があるとされている製剤の総タンパク量を増加させるものの、製剤の臨床的効果には寄与しない。
高品質の結晶A型ボツリヌス毒素は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)Hall A株から3×107U/mg以上、A260/A278が0.60未満、明確なゲル電気泳動のバンドパターンという特徴で生成することができる。既知のSchantz工程を用いて、A型を含めた結晶ボツリヌス毒素を得ることができる(Shantzら,1992,Microbiol.Rev.,56:80;参照により本明細書に組み込まれる)。
一般に、適切な培地中でボツリヌス菌(Clostridium botulinum)(例えば、A型)を培養することにより、ボツリヌス毒素複合体を嫌気発酵から単離し精製することができる。非毒性タンパク質からの分離に既知の工程を用いて、例えば、分子量が約150kD、固有の効力が1~2×108LD50U/mg以上の精製A型ボツリヌス毒素;分子量が約156kD、固有の効力が1~2×108LD50U/mg以上のB型精製ボツリヌス毒素;および分子量が約155kD、固有の効力が1~2×107LD50U/mg以上のF型精製ボツリヌス毒素などの純粋なボツリヌス毒素を得ることができる。
上記に代えて、あるいは上記に加えて、既に調製および精製されたボツリヌス毒素および毒素複合体を、例えば,List Biological Laboratories社、Campbell、CA;the Centre for Applied Microbiology and Research、Porton Down、U.K.;和光社(Osaka、Japan)およびSigma Chemicals社、St.Louis、MOから入手することができる。
純粋なボツリヌス毒素は自由溶液として投与するときわめて不安定なため、一般には医薬組成物の調製に使用されることはない。さらに、A型複合体などのボツリヌス毒素複合体は、表面変性、熱およびアルカリ性条件による変性も受けやすい。いくつかの場合には、不活性毒素が、免疫原になり得るトキソイドタンパク質を形成する。生じた抗体により患者が毒素注射に対して抵抗性となることがある。
いくつかの実施形態では、本発明は、特に限定されないが、ボツリヌス毒素の安定性が現在投与されている自由溶液に比べて改善されたボツリヌス毒素ナノ粒子組成物(例えば、ナノエマルション)を含めた、ボツリヌス毒素組成物を提供する。すなわち、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物中に存在するボツリヌス毒素が少なくとも1つの悪条件、例えば熱、アルカリ性条件、酸性条件、分解酵素、宿主生物の抗体などから少なくとも部分的に保護されている。上記に代えて、あるいは上記に加えて、ナノ粒子組成物中に存在するボツリヌス毒素は、自由溶液の他の同等のボツリヌス毒素調製物より少ない表面変性を示し得る。表面変性は、タンパク質と表面(例えば、タンパク質を保管する容器の内壁)または空気(例えば、ナノ粒子組成物と空気との間の界面における)との相互作用により生じるタンパク質分解を指す。
実際、本発明の1つの驚くべき態様は、ボツリヌス毒素がナノ粒子組成物内への組込みにより安定化され得るという認識を包含するものである。当業者は、本発明のこの態様によるナノ粒子組成物を任意の利用可能な手段により調製し得ることを容易に理解するであろう。いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも部分的には、ナノ粒子組成物内への組込みによって安定性がさらに得られることにより、ボツリヌス毒素複合体ではなく単離ボツリヌス毒素の使用を可能にするものである。
本発明は、特に限定されないが、ボツリヌス毒素の皮膚に浸透する能力が現在投与されている自由溶液に比べて改善されたボツリヌス毒素ナノ粒子組成物(例えば、ナノエマルション)を含めた、ボツリヌス毒素組成物をさらに提供する。いくつかの実施形態では、投与と細胞内蓄積の間の最小時間により、有効性が改善され副作用が減少した投与方法がもたらされる。
さらに、本明細書で示されるように、本発明は、特に限定されないが、ボツリヌス毒素が皮膚構造の変化または破壊を必要とせずに皮膚を通過することができるボツリヌス毒素ナノ粒子組成物を含めた、ボツリヌス毒素組成物を提供する。例えば、生物学的活性物質を経皮投与する市販の技術は従来、少なくとも皮膚の外層の化学的、物理的、電気的その他の破壊を必要とするものである。このような破壊により、刺激、望ましくない医学的副作用および/または好ましくない美観上の結果が生じ得る。本発明は、特に限定されないが、皮膚への投与時、あまりまたは著しく皮膚を刺激しない、かつ/または角質層を侵食しないが、ボツリヌス毒素を皮膚に浸透させてその生物学的効果を発揮させるボツリヌス毒素ナノ粒子組成物を含めた、ボツリヌス毒素組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、ボツリヌス毒素(例えば、ボツリヌスナノエマルション)を含む本発明の組成物は、局所的および/または経皮的(例えば、ローション剤、クリーム剤、リニメント剤、軟膏剤、粉末剤、ゲル剤、滴剤などによる)投与経路に有用である。
タンパク質と同様に、ボツリヌス毒素(細胞内ペプチダーゼである)の生物活性は一般に、三次元構造の変化によって影響され得る。したがって、A型ボツリヌス毒素を熱、種々の化学物質、表面伸展および表面乾燥により解毒することができる。このほか、適切な安定剤が存在する限り、既知の培養、発酵および精製により得られた毒素複合体を医薬組成物製剤で使用するきわめて低い濃度に希釈することにより、毒素が迅速に解毒されることが知られている。毒素をミリグラム単位の量から1ミリリットル当たりナノグラム単位で含有する溶液に希釈する場合、このような大幅な希釈の際に特定の毒性が急激に失われるため、大きな困難が伴う。毒素含有医薬組成物を製剤化してから数ヶ月または数年後に毒素を使用し得るため、毒素の溶液製剤をゼラチン、アルブミンおよび/またはその組合せなどの安定剤とともに製剤化してもよい。
上で述べたように、本発明はボツリヌス毒素の安定化製剤を提供し得る。製剤化自体によりさらに安定性が付与され得るにもかかわらず、いくつかの実施形態では、追加の安定化剤の使用を考慮する。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加のタンパク質をボツリヌス毒素とともに使用する。いくつかの実施形態では、この追加のタンパク質はゼラチンを含む。いくつかの実施形態では、この追加のタンパク質はアルブミンを含む。いくつかの実施形態では、この追加のタンパク質は、ボツリヌス毒素複合体に天然に存在するタンパク質を1つ以上含む。実際、いくつかの実施形態では、ボツリヌス毒素複合体全体を用いる。いくつかのこのような実施形態では、ゼラチンおよび/またはアルブミンも用いる。したがって、いくつかの実施形態では、本発明はアルブミンを含むボツリヌスナノエマルション(例えば、マイクロ流動化したナノエマルション)を提供する。いくつかの実施形態では、本発明はアルブミンを含まないボツリヌスナノエマルション(例えば、マイクロ流動化したナノエマルション)を提供する。いくつかの実施形態では、本発明はゼラチンを含むボツリヌスナノエマルション(例えば、マイクロ流動化したナノエマルション)を提供する。いくつかの実施形態では、本発明はゼラチンを含まないボツリヌスナノエマルション(例えば、マイクロ流動化したナノエマルション)を提供する。
いくつかの実施形態では、用いるボツリヌス毒素はBOTOX(登録商標)(Allergan社)である。BOTOX(登録商標)は、無菌の真空乾燥形態でパッケージされた精製A型ボツリヌス毒素複合体とアルブミンと塩化ナトリウムとからなる。
BOTOX(登録商標)中に存在するA型ボツリヌス毒素は、N-Zアミンと酵母抽出物とを含有する培地で培養されたボツリヌス菌(Clostridium botulinum)Hall株の培養物から作製される。A型ボツリヌス毒素複合体を、活性な高分子量毒素タンパク質と少なくとも1つの会合する赤血球凝集素タンパク質とからなる結晶複合体への一連の酸沈殿(例えば、参照により本明細書に組み込まれるShantzら,1992,Microbiol.Rev.,56:80を参照)により培養溶液から精製する。結晶複合体を生理食塩水とアルブミンとを含有する溶液中に再び溶解させ、無菌ろ過(0.2ミクロン)した後、真空乾燥させる。筋肉内注射の前に、BOTOX(登録商標)を無菌の保存されていない生理食塩水で復元し得る。BOTOX(登録商標)の各バイアルには、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)A型毒素の精製神経毒複合体約100単位(U)、ヒト血清アルブミン0.5ミリグラムおよび塩化ナトリウム0.9ミリグラムが、保存剤を含まない無菌の真空乾燥形態で含まれている。
現在、BOTOX(登録商標)は通常、注射で投与するのに0.9%塩化ナトリウムで復元される。BOTOX(登録商標)が泡立ちまたはこれと同様の激しい撹拌により変性することが懸念されるため、希釈剤を穏やかにバイアル内に注入することが推奨される。自由溶液のBOTOX(登録商標)は、復元後4時間以内に投与することが推奨される。加えて復元と注射の間に、復元したBOTOX(登録商標)を冷蔵庫で保管(すなわち、例えば2℃~8℃)することがさらに推奨される。復元されたBOTOX(登録商標)は無色澄明で、粒子状物質を含まない。
BOTOX(登録商標)は臨床状況で以下のように使用されたことが報告されている(概説に関しては、例えば、参照により本明細書に組み込まれるPoulain,2008,Botulinum J.,1:14を参照されたい)。
(1)頸部ジストニアの治療に筋肉内注射(複数の筋肉)1回当たりBOTOX(登録商標)を約75U~125U;
(2)眉間のしわの治療に筋肉内注射1回当たりBOTOX(登録商標)を5U~10U(鼻根筋内に5単位を筋肉内注射し、各皺眉筋内に10単位を筋肉内注射する);
(3)恥骨直腸筋の括約筋内注射による便秘症の治療にBOTOX(登録商標)を約30U~80U;
(4)上眼瞼の側部瞼板前眼輪筋および下眼瞼の側部瞼板前眼輪筋の注射による眼瞼痙攣の治療に筋肉当たりBOTOX(登録商標)約1U~5Uを筋肉内注射。
(5)斜視の治療に外眼筋にBOTOX(登録商標)約1U~5Uを筋肉内注射、注射量は注射する筋肉の大きさおよび所望の筋肉麻痺の程度(すなわち、所望の視度補正の量)の両方によって異なる。
(6)脳卒中後の上肢痙攣の異なる5種類の上肢屈筋内へのBOTOX(登録商標)の筋肉内注射による治療は以下の通りである。
(a)深指屈筋:7.5U~30U
(b)浅指屈筋:7.5U~30U
(c)尺側手根屈筋:10U~40U
(d)橈側手根屈筋:15U~60U
(e)上腕二頭筋:50U~200U
各治療セッションでの筋肉内注射により患者に上肢屈筋BOTOX(登録商標)が90U~360U投与されるように、上記5種類の各筋肉には同じ治療セッションで注射した。
(7)片頭痛の治療に頭蓋骨膜注射(眉間筋、前頭筋および側頭筋内に対称的に注射)を実施し、25U注射後の3ヶ月間にわたる片頭痛頻度、最大重症度、関連する嘔吐および急性薬物使用の減少の程度の測定で、BOTOX(登録商標)25Uの注射が溶媒に比べて片頭痛の予防的治療として有意な有用性を示した。
本発明は、ボツリヌスナノ粒子組成物を毒素の経皮送達のために皮膚に適用するクリームに組み込むと、ほぼ同じ量のBOTOX(登録商標)を含有するボツリヌス毒素溶液の注射でこれまでにみられた生物学的結果と同等の結果(すなわち、しわの減少、汗腺疾患の治療など)が得られることを示すものである。
いくつかの実施形態では、本発明のボツリヌスナノ粒子組成物は、これまでに記載された他のボツリヌス毒素含有組成物と区別されるものである。例えば、Donovanは、ボツリヌス毒素を経皮送達のための脂質小胞内に組み込んだ製剤について記載している(米国特許出願公開第2004/0009180号;参照により本明細書に組み込まれる)。このような小胞はほかにも、ボツリヌス毒素の皮膚からの吸収を促進するためにアルコールなどの促進剤の組込みを必要とする。またDonovanは、脂質と膜軟化剤とを含有する変形可能な担体であるトランスファーソーム(transfersome)に組み込んだ神経毒についても記載している(Hoferら,2000,World J.Surg.,24:1187;および米国特許第6,165,500号;ともに参照により本明細書に組み込まれる)。Donovanは特に、ボツリヌス毒素を組み込むホスファチジルコリン+コール酸ナトリウムリポソームの調製について記載している。
A型ボツリヌス毒素の良好な臨床反応が得られたことにより、他の血清型のボツリヌス毒素に関心が向けられた。2種類の市販のA型ボツリヌス製剤(BOTOX(登録商標)およびDYSPORT(登録商標))ならびにB型およびF型ボツリヌス毒素(ともにWako Chemicals社、Japanから入手)の試験が実施され、マウスにおける局所的な筋力低下効果、安全性および潜在的抗原性が明らかになった。ボツリヌス毒素製剤を右側腓腹筋の頭部内に注射し(0.5~200.0U/kg)、マウス指外転スコアリングアッセイ(DAS)を用いて筋力低下を評価した。ED50値を用量反応曲線から計算した。
ほかのマウスには筋肉内または腹膜注射を実施して、LD50用量を決定した。治療指数をLD50/ED50として計算した。別個のグループのマウスにBOTOX(登録商標)(5.0~10.0U/kg)またはB型ボツリヌス毒素(50.0~400.0U/kg)を後肢に注射して、筋力低下および飲水量を試験し、後者を口渇の推定モデルとした。筋力低下の最大点および持続時間は全血清型で用量依存性であった。
DAS ED50値(U/kg)は以下の通りであった:BOTOX(登録商標):6.7、DYSPORT(登録商標):24.7、B型ボツリヌス毒素:27.0~244.0、F型ボツリヌス毒素:4.3。BOTOX(登録商標)作用持続時間がB型ボツリヌス毒素またはF型ボツリヌス毒素より長かった。治療指数の値は以下の通りであった:BOTOX(登録商標):10.5、DYSPORT(登録商標):6.3、B型ボツリヌス毒素:3.2。飲水量はB型ボツリヌス毒素を注射したマウスの方がBOTOX(登録商標)を注射したマウスより多かったが、B型ボツリヌス毒素の方が筋力低下の効果が少なかった。DASの結果は、A型ボツリヌス毒素の相対的な最大効力がF型ボツリヌス毒素と同等であり、F型ボツリヌス毒素の相対的な最大効力がB型ボツリヌス毒素より高いことを示している。作用持続時間に関しては、A型ボツリヌス毒素の方がB型ボツリヌス毒素より長く、B型ボツリヌス毒素の作用持続時間の方がF型ボツリヌス毒素のものより長かった。治療指数の値により示されるように、2種類の市販のA型ボツリヌス毒素製剤(BOTOX(登録商標)およびDYSPORT(登録商標))は異なるものであった。B型ボツリヌス毒素の後肢注射後に観察された飲水行動の増加は、臨床的に重要な量のこの血清型がマウス体循環内に入ったこと示している。またこれらの結果は、A型ボツリヌス毒素と同等の効果を得るためには、試験した他の血清型の用量を増加させる必要があり得ることも示している。しかし、用量を増加させると安全性が損なわれる可能性がある。
ウサギを対象にした月1回の筋肉内注射により潜在的抗原性を評価した(B型ボツリヌス毒素を1.5~6.5ng/kgまたはBOTOX(登録商標)を0.15ng/kg)。注射の4ヶ月後、1.5ng/kgで処置した4個体のうちの2個体および6.5ng/kgで処置した4個体のうちの4個体にB型ボツリヌス毒素に対する抗体が生じた。別の試験では、BOTOX(登録商標)処置したウサギ9個体のうちA型ボツリヌス毒素に対する抗体を示したのは0個体であった。したがって、ウサギでは、B型ボツリヌス毒素はBOTOX(登録商標)より抗原性が高く、これはおそらく、B型ボツリヌス毒素の有効量を達成するために注射したタンパク質負荷量が多かったからであろう(Aoki,1999,Eur.J.Neurol.,6:S3-S10)。
本明細書に示されるように、本発明は、任意の血清型のボツリヌス毒素の使用を考慮する。当業者は、特定の血清型が特定の用途に適するか否かを容易に評価することができ、また本明細書の教示にしたがって、このようなボツリヌス毒素を含有するナノ粒子組成物を調製することができるであろう。したがって、本発明は、ボツリヌス毒素タンパク質のみを含有する組成物および他のタンパク質を1つ以上含有する組成物を含めた、任意の血清型のボツリヌス毒素を含有するナノ粒子組成物を提供する。いくつかの実施形態では、このような他のタンパク質はゼラチンを含むか、またはこれよりなるものである。いくつかの実施形態では、このような他のタンパク質はアルブミンを含むか、またはこれよりなるものである。いくつかの実施形態では、ボツリヌス毒素複合体を用いる。
本発明に従って用い得るボツリヌス毒素の市販の入手源としては、特に限定されないが、BOTOX(登録商標)、DYSPORT(登録商標)(ヒト血清アルブミンおよびラクトースを含むボツリヌス菌(Clostridium botulinum)A型毒素赤血球凝集素複合体;Ispen Limited、Berkshire U.K.)、Xeomin(登録商標)、PurTox(登録商標)、Medy-Tox、NT-201(Merz Pharmaceuticals)および/またはMYOBLOC(登録商標)(B型ボツリヌス毒素、ヒト血清アルブミン、コハク酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムからなるpH5.6の注射溶液、Elan Pharmaceuticals、Dublin、Ireland)などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物とクリーム製剤および/またはローション製剤の両方を含有する本発明の組成物は、1mL当たり約1~約20,000単位のボツリヌス毒素を含有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物とクリーム製剤および/またはローション製剤の両方を含有する本発明の組成物は、1mL当たり約50~約1,000単位のボツリヌス毒素を含有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物とクリーム製剤および/またはローション製剤の両方を含有する本発明の組成物は、1mL当たり約50~約500単位のボツリヌス毒素を含有する。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は1mL当たり約2~約40,000単位のボツリヌス毒素を含有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は1mL当たり約2~約12,000単位のボツリヌス毒素を含有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は1mL当たり約100~約2,000単位のボツリヌス毒素を含有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は1mL当たり約50~約1,000単位のボツリヌス毒素を含有する。
小分子物質
各種小分子物質をいずれも本発明による本発明の組成物に組み込み得る。いくつかの実施形態では、小分子物質として、特に限定されないが、抗癌剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗HIV剤、抗寄生虫剤、抗原生動物剤、麻酔薬、抗凝固薬、酵素阻害物質、ステロイド剤、ステロイド性もしくは非ステロイド性抗炎症剤、抗ヒスタミン薬、免疫抑制剤、抗腫瘍剤、抗原、ワクチン、抗体、うっ血除去薬、鎮静薬、オピオイド、鎮痛薬、解熱薬、受胎調節剤、ホルモン、プロスタグランジン、プロゲステロン剤、抗緑内障剤、眼科用剤、抗コリン薬、鎮痛薬、抗うつ薬、抗精神病薬、神経毒、睡眠薬、精神安定薬、抗痙攣薬、筋弛緩薬、抗パーキンソン薬、抗痙攣薬、筋収縮薬、チャネル遮断薬、縮瞳剤、抗分泌剤、抗血栓剤、抗凝固剤、抗コリン作動薬、β-アドレナリン遮断、利尿薬、心血管活性剤、血管作動剤、血管拡張剤、抗高血圧剤、血管新生剤、細胞-細胞外マトリックス相互作用のモジュレーター(例えば、細胞増殖阻害物質および抗接着分子)、DNA、RNAもしくはタンパク質合成の阻害物質などおよび/またはその組合せが挙げられる。
特定の実施形態では、小分子物質は任意の薬物であり得る。いくつかの実施形態では、薬物は、既に適切な政府機関または規制機関によりヒトまたは動物での使用が安全かつ効果的であるとされている薬物である。例えば、ヒトでの使用が承認されている薬物は、21 C.F.R.§§330.5、331~361および440~460の下、FDAにより記載されており、参照により本明細書に組み込まれる;獣医学的に使用される薬物は、21 C.F.R.§§500~589の下、FDAにより記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。記載されている薬物はすべて、本発明による使用に容認されるものとみなされる。
本発明での使用に適したクラスおよび特定の薬物をより完全に記載したものが、Pharmaceutical Drugs:Syntheses,Patents,Applications by Axel KleemannおよびJurgen Engel,Thieme Medical Publishing,1999ならびにMerck Index:An Encyclopedia of Chemicals,Drugs and Biologicals,Budavariら編,CRC Press,1996にあり、上記文献はともに参照により本明細書に組み込まれる。
抗体物質
各種の抗体物質をいずれも本発明による本発明の組成物に組み込み得る。いくつかの実施形態では、抗体物質として、特に限定されないが、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ(すなわち、「ヒト化」)抗体、一本鎖(組換え)抗体が挙げられる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能および/または二重特異性分子が減少したものであり得る。いくつかの実施形態では、抗体は、Fabフラグメントおよび/またはFab発現ライブラリーにより作製されたフラグメントを含み得る。
脂質物質
各種の脂質物質をいずれも本発明による本発明の組成物に組み込み得る。いくつかの実施形態では、脂質物質として、特に限定されないが、油、脂肪酸、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、必須脂肪酸、シス脂肪酸、トランス脂肪酸、グリセリド、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、ホルモン、ステロイド(例えば、コレステロール,胆汁酸)、ビタミン(例えば、ビタミンE)、リン脂質、スフィンゴ脂質およびリポタンパク質が挙げられる。
診断剤
各種の診断用物質をいずれも本発明による本発明の組成物に組み込み得る。いくつかの実施形態では、診断用物質として、特に限定されないが、ガス剤;陽電子放射断層撮影法(PET)、コンピュータ断層撮影法(CAT)、単一光子放射コンピュータ断層撮影法、X線、蛍光透視法および磁気共鳴画像法(MRI)で使用される市販のイメージング剤;ならびに造影剤が挙げられる。MRIで造影剤として使用するのに適した物質の例としては、ガドリニウムキレート剤ならびに鉄、マグネシウム、マンガン、銅およびクロムが挙げられる。CATおよびX線イメージングに有用な物質の例としては、ヨウ素系物質が挙げられる。
予防剤
各種の予防剤をいずれも本発明による本発明の組成物に組み込み得る。いくつかの実施形態では、予防剤として、特に限定されないがワクチンが挙げられる。ワクチンは、単離したタンパク質またはペプチド、不活化した生物体およびウイルス、殺した生物体およびウイルス、遺伝子改変した生物体またはウイルスならびに細胞抽出物を含み得る。予防剤をインターロイキン、インターフェロン、サイトカインおよびコレラ毒素、ミョウバン、フロイントアジュバントなどのアジュバントと組み合わせ得る。予防剤は、細菌生物体、例えばストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococccus pnuemoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス・ピロゲネス(Streptococcus pyrogenes)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、破傷風菌(Clostridium tetani)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、野兎病菌(Francisella tularensis)、ペスト菌(Yersinia pestis)、ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、ライ菌(Mycobacterium leprae)、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)、レプトスピラ・インテロガンス(Leptospira interrogans)、ライム病ボレリア(Borrelia burgdorferi)、カンピロバクター・ジェジュニ(Camphylobacter jejuni)などの抗原;ウイルス、例えば痘瘡ウイルス、インフルエンザAおよびBウイルス、呼吸器多核体ウイルス、パラインフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、HIVウイルス、水痘-帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペス1および2ウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、ポリオウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、狂犬病ウイルス、風疹ウイルス、コクサッキーウイルス、ウマ脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、黄熱ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、A型、B型、C型、D型およびE型肝炎ウイルスなどの抗原;真菌、原生動物および寄生生物体、例えばクリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、ノカルジア・アステロイデス(Nocardia asteroides)、ロッキー山紅斑熱リケッチア(Rickettsia rickettsii)、発疹熱リケッチア(Rickettsia typhi)、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)、クラミジア・シタッシ(Chlamydial psittaci)、クラミジア・トラコマティス(Chlamydial trachomatis)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、ブルーストリパノソーマ(Trypanosoma brucei)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)、膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)などの抗原を含み得る。上記抗原は、殺した生物体そのもの、ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、炭水化物またはその組合せの形態であり得る。
当業者は、上の各段落が、本発明による組成物および方法を用いて送達することができる物質を包括的にではなく例示的に記載したものであることを認識するであろう。任意の物質を本発明による本発明の組成物とともに用い得る。
皮膚病学的状態
本発明は、各種の皮膚病学的状態のいずれかを治療および/または予防する方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、汗腺および/または脂腺の活動に関連する疾患、障害または状態を治療および/または予防する方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、表皮および/または真皮レベルの皮膚に関連した疾患、障害または状態を治療および/または予防する方法および組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、座瘡、不必要な発汗、体臭、多汗症、臭汗症、色汗症、酒さ、脱毛、乾癬、光線角化症、湿疹性皮膚炎(例えば、アトピー性皮膚炎など)、皮脂が過剰に産生される障害(例えば、脂漏症、脂漏性皮膚炎など)、熱傷、レイノー現象、エリテマトーデス、色素過剰症(例えば、肝斑など)、低色素症(例えば、白斑など)、皮膚癌(例えば、扁平細胞皮膚癌、基底細胞皮膚癌など)、皮膚感染症(例えば、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症など)、顔面のしわ(例えば、額、眉間、しわおよび/または眼窩周囲部分のしわ)、頭痛、醜い表情(例えば、下にある顔面筋系の過剰な活動によるもの)、首のしわ、機能亢進による顔のしわ、多動による顔のしわ、広頚筋のすじ、神経筋障害ならびに筋肉の攣縮および/または拘縮を伴う状態(種々の形態の顔面神経麻痺、脳性麻痺、眼瞼痙攣、顔面拘縮を含む)、ジストニア、前立腺過形成、頭痛、斜視、片側顔面攣縮、振戦、多発性硬化症を原因とする痙攣などの痙攣、後眼窩筋、種々の眼科学的状態ならびに/あるいはその組合せのうちの1つ以上を治療ならびに/あるいは予防する方法および組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、関連する皮膚病学的状態の程度および/または罹患率の少なくとも約20%の減少を達成するのに十分な投与計画に従って、いくつかの実施形態では、少なくとも約25%の減少を達成するのに十分な投与計画に従って、いくつかの実施形態では、少なくとも約30%の減少を達成するのに十分な投与計画に従って、いくつかの実施形態では、少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%またはそれ以上の減少を達成するのに十分な投与計画に従って、本発明の組成物を少なくとも1つ投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、組成物を投与した患者集団の特定の割合において関連する皮膚病学的状態の程度および/または罹患率の少なくとも約20%の減少を達成するのに十分な投与計画に従って、いくつかの実施形態では、組成物を投与した患者集団の特定の割合において少なくとも約25%の減少を達成するのに十分な投与計画に従って、いくつかの実施形態では、組成物を投与した患者集団の特定の割合において少なくとも約30%の減少を達成するのに十分な投与計画に従って、いくつかの実施形態では、組成物を投与した患者集団の特定の割合において少なくとも約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%またはそれ以上の減少を達成するのに十分な投与計画に従って、本発明の組成物を少なくとも1つ投与することを含む。いくつかの実施形態では、組成物を投与した患者集団の特定の割合は、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約100%である。具体例をいくつか挙げると、いくつかの実施形態では、本発明は、組成物を投与した患者集団の少なくとも約50%において関連する皮膚病学的状態の程度および/または罹患率の少なくとも約20%の減少を達成するのに十分な投与計画に従って、本発明の組成物を少なくとも1つ投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、組成物を投与した患者集団の少なくとも約50%において関連する皮膚病学的状態の程度および/または罹患率の少なくとも約30%の減少を達成するのに十分な投与計画に従って、本発明の組成物を少なくとも1つ投与することを含む。
本発明は、本発明の組成物を皮膚病学的状態に罹患している、皮膚病学的状態に罹患し易いおよび/または皮膚病学的状態の症状を呈している対象に投与することを含む、皮膚病学的状態を治療および/または予防する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の皮膚病学的状態を治療する本発明の組成物を、本明細書に記載の任意の投与経路用に製剤化する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物を局所投与用に製剤化する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物を、治療対象となる状態に応じてクリーム、リニメント、ローション、ゲル、シャンプー、コンディショナー、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)などに製剤化する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物を、例えば罹患部位への注射用に製剤化する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物を全身送達用に製剤化する。
いくつかの実施形態では、このような本発明の組成物を局所的に患部(例えば、治療対象となる特定の状態に応じて腋窩、手、足、頭皮、毛包、顔面、首、背中、腕、胸など)に投与する。いくつかの実施形態では、局所的な投与を局所投与および/または注射によって行う。いくつかの実施形態では、本発明の組成物を全身に投与する(例えば、経口的に、局所的に、注射を介してなど)。
製剤および投与に関するさらなる考慮事項が、「組成物および製剤」および「投与」という題名の節に詳細に記載されている。
特定の上記状態ならびに本発明によるその治療および/または予防について、以下でさらに詳細に記載する。
不必要な発汗
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、不必要な発汗の治療および/または予防に有用である。いくつかの実施形態では、不必要な発汗は、多汗症などの臨床的に診断される状態の症状である。いくつかの実施形態では、不必要な発汗は、多汗症などの臨床的診断に関連するものではなく、患者に不必要な任意の単純な発汗である。いくつかの実施形態では、患者に不必要な発汗はすべての発汗を含む。
いくつかの実施形態では、臨床的な発汗状態に罹患しているわけではないが、発汗減少を望む者に本発明の組成物を投与して発汗減少を達成するのに十分な投与計画に従った本発明の組成物の投与。さらなる発見として、いくつかの実施形態では、本発明により、発汗関連の臨床的障害、例えば多汗症、色汗症、臭汗症などに罹患している患者に対してこのようなレベルが達成される。
いくつかの実施形態では、不必要な発汗を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)などに製剤化する。
いくつかの実施形態では、不必要な発汗を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足など)に投与する。
現在用いられている不必要な発汗の治療に有用な治療法としては、特に限定されないが、ボツリヌス毒素;制汗剤(例えば、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウム-ジルコニウム化合物、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスグリシン、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレックスグリシン、アンモニウムミョウバンなど);アルミニウムクロロハイドレックス化合物;アルミニウムジクロロハイドレート;アルミニウムジクロロハイドレックス化合物;アルミニウムセスキクロロハイドレート;アルミニウムセスキクロロハイドレックス化合物;経口薬剤(例えば、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ヒドロキシジン、グリコピロラートなど);抗コリン薬(例えば、オキシブチニン、グリコピロラート、プロパンテリン臭化物、ベンズトロピンなど);β遮断薬;抗うつ薬;抗不安薬;タルクおよび/またはベビーパウダー;ならびに/あるいはその組合せが挙げられる。
不必要な発汗に対して現在用いられている別のまたは追加の治療法としては、特に限定されないが、外科手術(例えば、胸腔鏡下胸部交感神経切除術、腰部交感神経切除術、汗腺吸引法、経皮的交感神経切除術など);イオン導入法;減量;リラクゼーションおよび/または瞑想;催眠法;靴インサートの使用;および/またはその組合せが挙げられる。
多汗症
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は多汗症の治療に有用である。多汗症とは、過剰にかつ予測不可能に発汗する医学的状態のことである。多汗症の患者は、温度が低くても、また安静時にも発汗し得る。発汗には体温が上がらないようにする働きがあり、全く自然なことである。温度が温かいときに、運動したときに、または緊張したり、怒ったり、困惑したり、恐怖を感じたりする状況に反応して、発汗量が増える。発汗が抑えられなくなると、身体的にも情緒的にもきわめて不快になることがある。
多汗症は正常な発汗トリガーがなくても生じるものであり、体温調節に必要な発汗を上回る発汗を特徴とする状態を指す。多汗症の患者は汗腺が過活動であると思われる。多汗症は全身性のこともあれば、体の特定部位に限局されることもある。手、足、腋窩、額および鼠径部は汗腺の密度が比較的高いため、発汗が最も活発な部位となっているが、体のどの部分も罹患する可能性がある。手、足および腋窩にみられ、ほかに特定される原因がない過剰な発汗を「原発性」または「局所性」多汗症という。人口の2%~3%が原発性多汗症であるが、この状態に罹患した患者で医師の診察を受ける者は40%にも満たない。遺伝的要素が原発性多汗症に関与している可能性がある。多汗症は交感神経系の過活動が原因であるとする学説もある。原発性多汗症は青年期またはそれ以前から発症することがわかっている。
発汗が別の医学的状態が原因で生じる場合は続発性多汗症と呼ばれる。発汗は全身にわたることもあれば、一部位に限局されることもある。続発性多汗症は生涯のどの時点からでも発症し得る。一部の患者では、突然生じるように思われることがある。続発性多汗症を惹き起こす状態としては、特に限定されないが、先端巨大症、甲状腺機能亢進症、グルコース調節障害(糖尿病を含む)、褐色細胞腫、カルチノイド症候群、癌、結核、感染症、閉経、脊髄損傷、脳卒中、甲状腺障害、下垂体障害、痛風、水銀中毒、パーキンソン病、心疾患、肺疾患、特定の薬剤、物質乱用または不安症の状態が挙げられる。
多汗症は「手掌」多汗症(すなわち、手の過剰な発汗)、「腋窩」多汗症(すなわち、腋窩の過剰な発汗)、「足底」多汗症(すなわち、足の過剰な発汗)、「顔面」多汗症(すなわち、顔面の過剰な発汗)、「頭部」多汗症(すなわち、頭部、特に生え際あたりで顕著)および「全身性」多汗症(すなわち、全身の過剰な発汗)に分類することができる。
いくつかの実施形態では、多汗症を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)などに製剤化する。
いくつかの実施形態では、多汗症を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足など)に投与する。
多汗症を治療するために現在用いられている治療法としては、特に限定されないが、ボツリヌス毒素、制汗剤(例えば、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウム-ジルコニウム化合物、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスグリシン、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレックスグリシン、アンモニウムミョウバンなど);経口薬剤(例えば、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ヒドロキシジン、グリコピロラートなど);抗コリン薬(例えば、オキシブチニン、グリコピロラート、プロパンテリン臭化物、ベンズトロピンなど);β遮断薬;抗うつ薬;抗不安薬;タルクおよび/またはベビーパウダー;および/またはその組合せが挙げられる。
多汗症を治療するために現在用いられている別のまたは追加の治療法としては、特に限定されないが、外科手術(例えば、胸腔鏡下胸部交感神経遮断術[ETS]、腰部交感神経切除術、汗腺吸引法、経皮的交感神経切除術など);イオン導入法;体重減少;リラクゼーションおよび/または瞑想;催眠法;靴インサートの使用;ならびに/あるいはその組合せが挙げられる。
ETS法では、胸部の交感神経または交感神経節を選択し、これを切除、切断、焼灼またはクランプする。この方法により患者の約85%~95%で過剰な手の発汗が軽減される。しかし、患者の約20%~80%に代償性発汗がみられる。ETSは腋窩多汗症の治療に有用なこともあるが、多くの場合、手掌多汗症の患者の方が良好な結果が得られる。
胸腔鏡下胸部交感神経遮断術で過剰な足底発汗が軽減されなかった患者には、腰部交感神経切除術が有効なことがある。この方法では、足の重度のまたは過剰な発汗を軽減するために、腰部の交感神経鎖をクリップで挟むか分断する。その成功率は約90%である。
汗腺吸引法は脂肪吸引法を応用・修正した技術である(Bieniekら,2005,Acta dermatovenerologica Croatica:ADC/Hrvatsko dermatolosko drustvo,13:212-8;参照により本明細書に組み込まれる)。汗腺の約30%を除去し、それに比例した発汗の減少が得られる。
イオン導入法は1950年代に最初に記載されたものであり、その正確な作用機序は現在でも明らかにされていない(Kreyden,2004,J.Cosmetic Dermatol.,3:211-4;参照により本明細書に組み込まれる)。患部をそれぞれに導体を有する2つの円筒型容器を備えた装置に置く。手または足が正または負に荷電した円筒型容器の間で導体のような働きをする。その部位に弱い電流を流すと、水中のミネラルが汗腺を塞ぎ、放出される汗の量が制限される。この装置は通常、手および足に用いるものであるが、腋窩部分用および切断患者の断端部位用に作製された装置もある。
経皮的交感神経切除術は、フェノールの注射により神経を遮断する侵襲性の低い方法である(Wangら,2001,Neurosurgery,49:628-34;参照により本明細書に組み込まれる)。
一部の患者では、肥満により多汗症が悪化し得るのと同様に、減量により多汗症の1つ以上の症状が軽減され得る。
多汗症の治療および/または予防にリラクゼーション、瞑想および/または催眠法による治療法が用いられることがある。例えば、催眠法を用いることで、多汗症の治療で注射を実施する過程の改善にある程度成功している(Maillardら,2007,Annales de dermatologie et de venereologie,134:653-4;参照により本明細書に組み込まれる)。
体臭
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は体臭の治療および/または予防に有用である。いくつかの実施形態では、体臭は、臭汗症などの臨床的に診断される状態の症状である。いくつかの実施形態では、体臭は、臭汗症などの臨床的診断に関連するものではなく、単純に対象の任意の体臭(例えば、不必要な体臭)である。いくつかの実施形態では、不必要な発汗および/または多汗症の治療に有効な治療法が体臭にも有効である。
いくつかの実施形態では、体臭を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)などに製剤化する。
いくつかの実施形態では、体臭を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足など)に投与する。
臭汗症
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、体表で増殖する細菌による臭いである臭汗症(腋臭、皮膚悪臭、体臭およびB.O.とも呼ばれる)の治療に有用であり得る。汗があると細菌が急速に増殖するが、汗自体はほぼ無臭である。体臭は毛髪、足、鼠径部、肛門、皮膚全般、腋窩、生殖器、陰毛および口腔に関連する。
アポクリン臭汗症が最もよくみられる形態であるのに対し、エクリン臭汗症は頻度が少ない。アポクリン臭汗症の発生機序にはいくつかの因子が関与している。アポクリン分泌物が細菌に分解されて、独特の強い臭気をもつアンモニアおよび短鎖脂肪酸が生じる。短鎖脂肪酸の中で最も多く含まれるのは(E)-3-メチル-2-ヘキサン酸(E-3M2H)であり、これが皮膚表面に移動して、2種類のアポクリン分泌臭気結合タンパク質(ASOB1およびASOB2)と結合する。この2種類の結合タンパク質の一方であるASOB2は、担体タンパク質のリポカリンファミリーのメンバーであることが知られているアポリポタンパク質D(apoD)として同定されている。
腋窩細菌叢が汗に含まれる無臭性の前駆体を臭気の強い揮発性の酸に変換することにより、独特の腋窩臭が発生することが示されている。このうち最も多くみられる酸が、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種に固有の亜鉛依存性N-α-アシル-グルタミンアミノアシラーゼ(N-AGA)の作用により放出されるE-3M2Hおよび(RS)-3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサン酸(HMHA)である。このアミノアシラーゼは最近、ほかにも汗に含まれるグルタミン複合体から他の臭気性の酸を放出することが示されており、この酸が個人の体臭のもとであり得る。
特定の状況では、通常は無臭であるエクリン分泌が不快な臭いを呈し、エクリン臭汗症の原因となる。エクリン汗がケラチンを軟化させると、細菌がケラチンを分解して悪臭が生じる。ニンニク、タマネギ、カレー、アルコールを含めたある種の食品、特定の薬物(例えば、ペニシリン、臭化物)および毒素の摂取がエクリン臭汗症の原因となり得る。エクリン臭汗症は根底にある代謝性または内因性の原因により生じると考えられる。
臭汗症の発生機序における過剰なエクリン分泌または多汗症の役割は明らかにされていない。多汗症がアポクリン汗の拡散を促し、細菌の過剰増殖のために整った湿潤環境を生み出すことにより、臭汗症のさらなる原因となっている可能性がある。逆に、エクリン汗がより臭気の強いアポクリン汗を洗い流すため、エクリン多汗症が臭いを減少させると考えられる。
いくつかの実施形態では、不必要な発汗および/または多汗症の治療に有効な治療法が、臭汗症の治療にも有効である。
いくつかの実施形態では、臭汗症を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)などに製剤化する。
いくつかの実施形態では、臭汗症を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足など)に投与する。
色汗症
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、着色された汗の分泌を特徴とするまれな状態である色汗症の治療および/または予防に有用である。色汗症は汗腺へのリポフスチンの蓄積が原因である。この疾患に罹患していない者の約10%が、許容され正常範囲内にあるとみなされる着色された汗をかく。色汗症は通常、主に顔面および腋窩のアポクリン腺に影響を与える。アポクリン腺ではリポフスチン色素が産生され、その様々な酸化状態がアポクリン色汗症で見られる独特の黄色、緑色、青色または黒色の分泌物の原因となる。エクリン腺の色汗症はまれであり、主に特定の色素または薬物の摂取後にみられる。偽性色汗症は、透明なエクリン汗が皮膚表面で外因性の色素、塗料または色素産生細菌により着色されたときにみられるものである。
いくつかの実施形態では、不必要な発汗および/または多汗症の治療に効果的な治療法が、色汗症の治療にも有効である。
いくつかの実施形態では、色汗症を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)に製剤化する。
いくつかの実施形態では、色汗症を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足など)に投与する。
酒さ
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、世界で4,500万人以上が罹患していると推定される酒さの治療および/または予防に有用であり得る。酒さは男女ともに罹患するものであるが、女性の方が約3倍多くみられ、発症が最も多い年齢は30~60歳である。顔面中央部および頬、鼻および/または額にかけて見られる紅斑症(すなわち、潮紅および発赤)として始まるが、ほかにも頻度は低いものの、首および胸部に見られることもある。酒さの進行とともに、半恒久的な紅斑症、毛細血管拡張症(すなわち、顔面の表面の血管の拡張)、赤い半球状の丘疹および膿疱、眼の充血およびざらつき、灼熱感および刺痛感ならびに/または鼻瘤(すなわち、赤い分葉状の鼻)などの他の症状が1つ以上発現することがある。
酒さには4つの主なサブタイプがある。「紅斑毛細血管拡張型酒さ」は紅潮および赤面しやすい傾向のある恒久的な発赤を特徴とするものである。皮膚の表面付近に小血管が見えること(すなわち、毛細血管拡張症)および/または灼熱感もしくは刺痛感を感じることも多い。「丘疹膿疱型酒さ」は、通常1~4日間続く丘疹および/または膿疱を伴う恒久的な発赤を特徴とするものである。このサブタイプは座瘡と混同されることが多い。「腫瘤型酒さ」は、鼻が肥大する鼻瘤が最も多く見られるものである。症状としては、皮膚の肥厚、表面の不規則な結節形成および肥大が挙げられる。また腫瘤型酒さは、顎(顎瘤腫)、額(前額腫瘤)、頬、眼瞼(眼瞼腫瘍)および/または耳(耳腫瘤)を冒すこともある(例えば、参照により本明細書に組み込まれるJansenおよびPlewig,1998,Facial Plast.Surg.,14:241を参照)。皮膚の表面付近に小血管が見られる(すなわち、毛細血管拡張症)こともある。「眼型酒さ」は眼球および/または眼瞼の充血、乾燥、刺激感を特徴とするものである。他の症状としては、異物感、かゆみおよび/または灼熱感が挙げられる。
酒さは様々な刺激のいずれによっても誘発され得る。潮紅および赤面のエピソードを惹き起こすトリガー、例えば極端な温度への曝露、激しい運動、日光の熱、重度の日焼け、ストレス、不安、寒風および/または温暖なもしくは暑い環境から寒い環境への移動などが、酒さの発症に何らかの役割を演じている。ある種の食品および飲料、例えばアルコール、カフェインを含有する食品や飲料(例えば、熱い茶、コーヒー)、ヒスタミン含量の多い食品および辛い食品などが潮紅を誘発することがある。特定の薬剤および局所刺激物が酒さを急速に進行させることがある(例えば、ステロイド、過酸化ベンゾイル、イソトレチノインなど)。
本発明のいくつかの実施形態では、様々なサブタイプの酒さを他のサブタイプの酒さとは異なる方法で治療する(CohenおよびTiemstra,2002,J.Am.Board Fam.Pract.,15:214;参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、様々なサブタイプの酒さを他のサブタイプの酒さと異なる方法で治療しない。
酒さの治療で現在用いられている治療法としては、例えば、ボツリヌス毒素、経口抗生物質(例えば、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、メトロニダゾール、マクロライド抗生物質など)および/またはその組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、経口抗生物質を抗炎症用量(例えば、約40mg/日)またはこれより高用量で投与し得る。いくつかの実施形態では、このような薬剤として、経口イソトレチノインが挙げられる。いくつかの実施形態では、このような薬剤として、局所抗生物質(例えば、メトロニダゾール、クリンダマイシン、エリスロマイシンなど);局所アゼライン酸(例えば、FINACEA(商標)、AZELEX(商標)、FINEVIN(登録商標)、SKINORENなど);局所スルファセタミド;局所硫黄;局所カルシニューリン阻害薬(例えば、タクロリムス、ピメクロリムスなど);局所過酸化ベンゾイル;局所ペルメトリン;植物由来のメチルスルホニルメタン(MSM)とシリマリンの組合せ;および/またはその組合せが挙げられる。
酒さを治療するために現在用いられている別のまたは追加の治療法としては、特に限定されないが、非刺激性の洗浄剤を用いた穏やかな皮膚洗浄レジメンの使用;衣類で皮膚を覆うことにより太陽から皮膚を保護すること;露出する皮膚に日焼け止めを塗布すること;皮膚科血管レーザー(単一波長);強力なパルス光(広域スペクトル);二酸化炭素レーザー;低レベル光療法;および/またはその組合せが挙げられる。
酒さは皮膚科血管レーザー(単一波長)および/または強力なパルス光(広域スペクトル)により治療され得る(Angermeier,1999,J.Cutan.Laser Ther.,1:95;参照により本明細書に組み込まれる)。これらの方法は、光を用いて表皮を透過させ、真皮の毛細血管を標的とするものである。光がオキシ-ヘモグロビンに吸収されることにより、毛細血管壁が最大70℃まで熱せられて損傷し、体の天然の防御機序により吸収される。これらの方法で発赤を上手く完全に除去することができるが、新たに形成された毛細血管を除去するために追加の定期的な治療が必要となる可能性がある。上記に代えて、あるいは上記に加えて、長さ595nmのパルス持続時間のパルス色素レーザーが酒さの治療に有用な場合がある(KligmanおよびBernstein,2008,Lasers Surg.Med.,40:233;参照により本明細書に組み込まれる)。
上記に代えて、あるいは上記に加えて、二酸化炭素レーザーを用いて、例えば腫瘤型酒さにより生じた過剰な組織を除去することができる。二酸化炭素レーザーは、皮膚に直接吸収される波長を発するものである。レーザー光を細いビームに収束させて解剖用メスとして用いるか、デフォーカスして組織の気化に用いることができる。
いくつかの実施形態では、低レベル光療法を用いて酒さを治療することができる。
いくつかの実施形態では、酒さを治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)などに製剤化する。
いくつかの実施形態では、酒さを治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足、頭皮、顔面、首、背中、腕、胸など)に投与する。
脱毛
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は脱毛の治療および/または予防に有用である。脱毛症には、多くの場合は発毛する場所、特に頭部の毛髪が少ない状態が含まれる。最もよくみられる形態の脱毛症は、アンドロゲン性脱毛症または「男性型脱毛症」と呼ばれる進行性に毛髪が薄くなる状態であり、この状態はヒト成人男性および他の種の雄性成体にみられる。脱毛の量および型はきわめて多様であり、その範囲は男性および女性「型脱毛症」(アンドロゲン性脱毛症)、頭部の一部分の毛髪が抜ける「円形脱毛症」、頭部全体の毛髪が抜ける「全部脱毛症」から、頭部および体の毛髪がすべて抜ける最も極端な形態の「全身性脱毛症」にまで及ぶ。
脱毛の治療で現在用いられている治療法としては、、特に限定されないが、ボツリヌス毒素、フィナステリド(PROPECIA(登録商標);PROSCAR(登録商標)など)もしくはデュタステリド(AVODART(登録商標))などのアザ-ステロイド;局所適用の血管拡張剤ミノキシジル(ROGAINE(登録商標));抗アンドロゲン剤(例えば、ケトコナゾール、フルコナゾール、スピロノラクトンなど);ノコギリヤシ;カフェイン;銅ペプチド;ニトロキシドスピンラベルのTEMPOおよびTEMPOL;不飽和脂肪酸(例えば、γリノレン酸);ヘッジホッグ・アゴニスト;アゼライン酸と亜鉛の組合せ;ツルドクダミ;カボチャ種子;スピロノラクトン;トレチノイン;亜鉛;イラクサ;および/またはその組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、脱毛を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、シャンプー、コンディショナーなどに製剤化する。
いくつかの実施形態では、脱毛を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、頭皮、毛包、顔面、首、背中、腕、胸など)に投与する。
座瘡
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、毛包脂腺単位(すなわち、毛包とその関連する脂腺とからなる皮膚構造)の変化に起因する皮膚疾患である尋常性座瘡(一般的には「座瘡」と呼ばれる)の治療および/または予防に有用である。いくつかの実施形態では、座瘡は炎症性のものである。いくつかの実施形態では、座瘡は非炎症性のものである。尋常性座瘡は生死にかかわるものではないが、患者にとって重大な問題をもたらし得る。その重症度その他の要因によっては、難治性の座瘡は精神的な消耗を来たし得るものであり、またそれを患う者に経済的および情緒的なコストを強いることもある。最近では座瘡治療に成功した例もあるが、特に成人女性では、依然として治療に失敗することが多い。多くの成人ではこの疾患が「みられなくなる」一方で、医学が進歩し続けているにもかかわらず、成人期のほとんどの期間患い続ける者もいる。残念なことに、現在用いられている最も強力な座瘡薬は、多くの女性にとって重要な問題となる催奇形性のある治療法により全身に投与するものである。副作用が最小限のより局所的で有効な座瘡の治療法が依然として必要とされている。
座瘡は一般に、毛包の閉塞が原因で発現する。その病態は脂腺と毛包(すなわち、毛穴)と軟毛とからなる毛包脂腺単位を中心とするものである。座瘡に至る最初の事象には、毛包上部を詰まらせる角化亢進症およびケラチンと皮脂の栓形成(「微小面皰」)が含まれる。副腎皮質徴候発現におけるアンドロゲン産生増大とともに脂腺の拡張および皮脂産生の増大が起こる。微小面皰が拡張して、開いた状態の面皰(「黒色面皰」)または閉じた状態の面皰(「白色面皰」)を形成し得る。このような条件になると、天然に存在するほぼ片利共生の細菌であるアクネ菌(Propionibacterium acnes)が炎症を惹き起こして微小面皰または面皰周辺の真皮に炎症性病変(丘疹、感染膿疱または小結節)を生じることがあり、これが発赤となり、場合によっては瘢痕または色素過剰を生じる。
青年期は循環中のアンドロゲン、特に硫酸デヒドロエピアンドロステロン(DHEAS)のレベルの増加が特徴的である。アンドロゲンレベルが増加すると脂腺が拡張し、皮脂産生が増大すると考えられている。ほとんどの座瘡患者はホルモンレベルが正常であるが、皮脂産生の増大が座瘡に何らかの役割を演じていると結論付ける理由がいくつかある。例えば、皮脂産生の速度と座瘡の重症度との間には相関関係がある可能性がある。さらに、座瘡患者では通常、異常な角化および毛包閉塞の原因であると考えられるリノール酸が欠如した皮脂が産生される。
皮脂レベルの増加に応答して、比較的増殖が遅く、典型的な酸素耐性嫌気性のグラム陽性類ジフテリア菌であるアクネ菌(Propionibacterium acnes)が皮脂腺にコロニーを形成することが多い。アクネ菌(P.acnes)は、好中球の化学誘引物質として働くことにより座瘡を悪化させる。好中球がアクネ菌(P.acnes)を取り込むことによって、毛包壁に損傷を与える種々の加水分解酵素を放出する。次いで、放出された毛包内容物が真皮に侵入して炎症性反応を惹き起こし、膿疱、紅斑性丘疹または小結節として発症する。別の経路では、アクネ菌(P.acnes)がトリグリセリドを遊離脂肪酸に加水分解して、同様に炎症および毛包閉塞を増大させ得る。アクネ菌(P.acnes)はほかにも、免疫系の補体成分を活性化して、同様に毛包閉塞を惹き起こし得る。
毛包は皮膚表面に隣接した細胞の層である扁平上皮により裏打ちされている。座瘡ができやすい者では、多くの場合、この裏打ち構造からの細胞の脱落が、おそらく細胞の保持を促進する細胞間接着のレベルの増加により妨げられる。保持された細胞により毛包が閉塞して、面皰が生じ得る。このような脱落の阻害は、表皮分化の異常および/または異常な皮脂組成物(例えば、リノール酸の欠如)に関連すると考えられる。また、皮脂レベルの増加がケラチノサイトを刺激してインターロイキン-1を放出させ、これが毛包の角化亢進症を惹き起こし得ることも示されている。一般に、上に挙げた座瘡を惹き起こす経路はそれぞれ、互いに両立しないものではなく、毛包閉塞の原因となっている。
座瘡には複数の因子が関連することが知られており、このような因子としては、特に限定されないが、家族歴および/または遺伝歴(例えば、参照により本明細書に組み込まれるBallangerら,2006,Dermatology,212:145-149を参照);ホルモン活性(例えば、月経周期、思春期など);ストレス(例えば、副腎からのホルモン酸性の増加による);脂腺機能亢進;死んだ皮膚細胞の蓄積;毛穴の中の細菌(例えば、アクネ菌(P.acnes));皮膚の刺激もしくはひっかき;タンパク同化ステロイドの使用;ハロゲン(例えば、ヨウ化物、塩化物、臭化物)、リチウム、バルビツール酸もしくはアンドロゲンを含有する薬剤の使用;特定の化合物(例えば、塩素化ジオキシンなどのジオキシン)への曝露;テストステロン、ジヒドロテストステロン(DHT)、硫酸デヒドロエピアンドロステロン(DHEAS)および/またはインスリン様成長因子1(IGF-I)への曝露;乳および/もしくは高レベルの炭水化物を含む食事;低レベルのビタミンAおよび/もしくはE;不衛生;またはその組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、座瘡治療法は、次に挙げる機序の1つ以上を介して作用する:(1)毛穴中への脱落を正常化して閉塞を防ぐこと;(2)アクネ菌(P.acnes)を殺すこと;(3)抗炎症作用を有すること;および/または(4)ホルモンレベルを操作すること。
本発明は、本発明の組成物を座瘡に罹患している、座瘡に罹患し易いおよび/または座瘡の症状を呈している対象に投与することを含む、座瘡を治療および/または予防する方法を提供する。いくつかの実施形態では、このような本発明の組成物を局所的に患部(例えば、顔面、首、背中、腕、胸など)に投与する。
いくつかの実施形態では、座瘡を治療する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、日焼け止めなどに製剤化する。
座瘡に対して現在用いられている治療法の例としては、特に限定されないが、ボツリヌス毒素;洗浄剤もしくは石鹸;局所殺菌薬(例えば、過酸化ベンゾイル、トリクロサン、クロルヘキシジングルコン酸塩など);局所抗生物質(例えば、外用のエリスロマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリンなど);経口抗生物質(例えば、エリスロマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、リメサイクリン、トリメトプリムなど);ホルモン治療(例えば、エストロゲン/プロゲストゲン経口避妊薬、低用量スピロノラクトン、コルチゾンなど);局所レチノイド(例えば、トレチノイン[RETIN-A(登録商標)]、アダパレン[DIFFERIN(登録商標)]、タザロテン[TAZORAC(登録商標)]、レチノール、イソトレチノインなど);経口レチノイド(例えば、イソトレチノイン[ACCUTANE(登録商標)、AMNESTEEM(商標)、SOTRET(商標)、CLARAVIS(商標)]);薬草(例えば、アロエベラ;アルナ(aruna)、ハルディ[ウコン]、パパイヤなど);アゼライン酸;抗炎症薬(例えば、ナプロキセン、イブプロフェン、ロフェコキシブ[TehraniおよびDharmalingam,2004,Indian J.Dermatol.Venereol.Leprol.,70:345-348;参照により本明細書に組み込まれる]など);ニコチンアミド[ビタミンB3];ティーツリー油[メラルーカ油];ロフェコキシブ;亜鉛(Drenoら.,1989,Acta Derm.Venereol.,69:541-3;およびDrenoら,2001,Dermatology,203:135-40;上記文献はともに参照により本明細書に組み込まれる);および/またはその組合せが挙げられる。
座瘡を治療および/または予防するために現在用いられている別または追加の治療法としては、特に限定されないが、光線療法(例えば、青色光と赤色光が交互の光);光線力学療法(例えば、強い青色/紫色光);レーザー治療(例えば、発毛している毛包嚢を焼灼する;油を産生する脂腺を焼灼する;および/または細菌内で酸素を発生させてその細菌を殺す);局部加熱;および/またはその組合せが挙げられる。
日光により座瘡を短期的に改善することが可能であることが当該技術分野で公知であるが、長期的には日光が座瘡を悪化させることが研究で示されている。ごく最近では、可視光、特に専用の蛍光灯、二色電球、LEDおよび/またはレーザーにより発せられる強い紫色光(405nm~420nm)を用いて座瘡を治療すること(すなわち、「光線療法」)に成功している。これを週2回用いると、座瘡病巣数が約64%減少することが示されており(Kawadaら,2002,J.Dermatol.Sci.,30:129-35;参照により本明細書に組み込まれる)、これを毎日実施するとさらに効果的である。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、アクネ菌(P.acnes)内で産生されるポルフィリン(コプロポルフィリンIII)は、420nmおよびこれより短い波長の光を照射されるとフリーラジカルを生成する(Kjeldstad,1984,Z.Naturforsch[C],39:300-2;参照により本明細書に組み込まれる)。特に数日にわたって照射すると、最終的にはこのフリーラジカルが細菌を殺す(Ashkenaziら,2003,FEMS Immunol.Med.Microbiol.,35:17-24;参照により本明細書に組み込まれる)。ポルフィリンはこれ以外には皮膚に存在せず、かつ紫外(UV)光を使用しないため、この方法は安全であると思われ、U.S.FDAによる認可を受けている。この治療法は赤色可視光(約660nm)とともに用いると効果が高まるらしく、治療を毎日、3ヶ月間実施したところ、患者の80%に病巣の76%の減少が認められている(Papageorgiouら,2000,Br.J.Dermatol.,142:973-8;参照により本明細書に組み込まれる)。他のほとんどの治療法とは異なり、通常、マイナスの副作用がほとんどみられず、また治療に対する細菌の耐性が発現する可能性はきわめて低いと思われる。治療後の清浄さが、局所または経口抗生物質治療に典型的なものより長続きし得る(例えば、最大数ヶ月の場合もある)。
光線力学療法(例えば、強い青色/紫色光(405nm~425nm)を用いる治療法)が、特にポルフィリンの産生を増大させるδ-アミノレブリン酸(ALA)でアクネ菌(P.acnes)を前処置した場合、4週間の治療で炎症性座瘡病巣の数を60%~70%減少させ得るという証拠がある。
座瘡の後に残った瘢痕を減らすために以前からレーザー手術が用いられてきたが、座瘡形成自体を予防するためのレーザーに関する研究が行われている。一般にレーザーを用いて、発毛する毛包嚢を焼灼する、脂を産生する脂腺を焼灼するおよび/または細菌内で酸素を発生させてその細菌を殺す。
局部加熱療法を用いて、例えば、発達中の面皰内の細菌を殺すことにより、治癒を促進する。
いくつかの実施形態では、座瘡を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、日焼け止めなどに製剤化する。
いくつかの実施形態では、座瘡を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足、顔面、首、背中、腕、胸など)に投与する。
乾癬
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、皮膚および関節を冒す疾患である乾癬の治療および/または予防に有用である。乾癬では、皮膚に赤い鱗状斑が現れることが多い。乾癬により生じる鱗状斑は「乾癬プラーク」と呼ばれ、炎症および過剰な皮膚が生じている部位のことである。この部位に皮膚が急速に蓄積して、銀白色を呈する。プラークは肘および膝の皮膚に生じることが多いが、頭皮および生殖器を含めたどの部位も冒され得る。乾癬は免疫を介して生じるものであると仮定されており、伝染性ではない。
乾癬は慢性再発性の状態であり、その重症度は小さい局所的な斑から全身を覆うものまである。手指爪および足指爪が冒されることが多い(「乾癬性爪ジストロフィー」)。また乾癬は関節の炎症も惹き起こすことがあり、これは「乾癬性関節炎」として知られている。乾癬患者の10~15%が乾癬性関節炎を患っている。
乾癬の原因は不明であるが、遺伝的要素があると考えられている。ストレス、過剰なアルコール摂取および喫煙を含めたいくつかの因子が乾癬を悪化させると考えられている。乾癬患者はうつや自尊心の喪失に悩まされることがある。したがって、生活の質が疾患の重症度を評価する上で重要な因子である。
乾癬の治療および/または予防で現在用いられている治療法としては、特に限定されないが、ボツリヌス毒素;コールタール;ジトラノール(アントラリン);デスオキシメタゾン(TOPICORT(登録商標))などの副腎皮質ステロイド剤;ビタミンD3類似体(例えば、カルシポトリオール);レチノイド;アルガン油;ソラレンの局所投与と紫外線A光への曝露(PUVA);オオアザミ;メトトレキサート;シクロスポリン;代謝拮抗剤チオグアニン;ヒドロキシウレア;スルファサラジン;ミコフェノール酸モフェチル;アザチオプリン;タクロリムス;および/または抗体ベースの治療薬(例えば、アレファセプト[AMEVIEVE(登録商標)]、エタネルセプト[EMBREL(登録商標)]、インフリキシマブ[REMICADE(登録商標)]、エファリズマブ[RAPTIVA(登録商標)]など)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、乾癬を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、日焼け止めなどに製剤化する。
いくつかの実施形態では、乾癬を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足、頭皮、顔面、首、背中、腕、胸など)に投与する。
皮膚感染症
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は皮膚感染症(例えば、細菌、ウイルスおよび/または真菌感染症)治療および/または予防に有用である。
いくつかの実施形態では、皮膚の感染症に関連する疾患、障害または状態は、例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、B群およびC群連鎖球菌、嫌気性菌(例えば、クロストリジウム(Clostridium)種)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種(例えば、コリネバクテリウム・ミヌチシマム(Corynebacterium minutissimum)、コリネバクテリウム テナース(Corynebacterium tenuis)など)、デルマトフィルス・コンゴレンシス(Dermatophilus congolensis)および/またはその組合せのうちの1つ以上による感染を原因とする、またはこれと関連のある細菌感染症に関連するものである。皮膚の細菌感染症に関連する疾患、障害または状態としては、特に限定されないが、膿痂疹、毛包炎、せつ腫症、カルブンケル症、化膿性汗腺炎(すなわち、汗腺および/または毛包の細菌感染症)、皮膚膿瘍、猫ひっかき病、蜂巣炎、丹毒、膿瘡、壊死性筋膜炎、紅色陰癬、点状角質融解症、黄菌毛症、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、急性爪囲炎および/またはその組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、皮膚の感染症に関連する疾患、障害または状態は、例えば、単純ヘルペスウイルス(例えば、1型および/または2型)、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトパピローマウイルス、ポックスウイルスなどのうちの1つ以上による感染を原因とする、またはこれと関連のあるウイルス感染症に関連するものである。皮膚のウイルス感染症に関連する疾患、障害または状態としては、特に限定されないが、口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、帯状疱疹、伝染性軟属腫、疣贅および/またはその組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、皮膚の感染症に関連する疾患、障害または状態は、例えば、白癬菌(Trichophyton)種(例えば、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum))、小胞子菌(Microsporum)種、表皮菌(Epidermophyton)種、カンジダ(Candida)種(例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans))、ピチロスポルム・オバーレ(Pityrosporum ovale)および/またはその組合せのうちの1つ以上による感染を原因とする、またはこれと関連のある真菌感染症に関連するものである。皮膚の真菌感染症に関連する疾患、障害または状態としては、特に限定されないが、皮膚糸状菌症、足白癬(「水虫」)、カンジダ性間擦疹、鵞口瘡、爪囲炎、口角炎、カンジダ外陰膣炎、亀頭炎、癜風、慢性爪囲炎および/またはその組合せが挙げられる。
皮膚の細菌感染を治療および/または予防するために現在用いられている治療法としては、特に限定されないが、ボツリヌス毒素、抗生物質(例えば、ペニシリン、ジクロキサシリン、セファレキシン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、ゲンタマイシンなど)、局所抗生物質(例えば、クリンダマイシン、エリスロマイシン、ムピロシンなど)、バシトラシンとポリミキシンの局所混合物(例えば、NEOSPORIN(登録商標)、POLYSPORIN(登録商標))、局所フシジン酸クリームおよびその組合せが挙げられる。
皮膚のウイルス感染症に関連する疾患、障害または状態を治療および/または予防するために現在用いられている治療法としては、特に限定されないが、ボツリヌス毒素、抗ウイルス治療薬(例えば、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビルなど)、局所治療薬(例えば、トリクロロ酢酸、サリチル酸、ポドフィリン、カンタクル(canthacur)、イミキモドクリームなど)および/またはその組合せが挙げられる。
皮膚の真菌感染症に関連する疾患、障害または状態を治療および/または予防するために現在用いられている治療法としては、特に限定されないが、ボツリヌス毒素、局所治療薬(例えば、テルビナフィン[LAMISIL(登録商標)]、クロトリマゾール[LOTRIMIN(登録商標)、MYCELEX(登録商標)]またはエコナゾール[SPECTAZOLE(登録商標)]、硫化セレンシャンプー、ケトコナゾールシャンプーなど)、経口治療薬(例えば、イトラコナゾール[SPORANOX(登録商標)]、テルビナフィンなど)および/またはその組合せが挙げられる。
皮膚感染症の1つ以上の症状および/または原因の治療および/または予防で現在用いられている別のまたは追加の治療法としては、特に限定されないが、罹患皮膚の外科的除去、切断などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、皮膚感染症を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、シャンプー、コンディショナー、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)などに製剤化する。
いくつかの実施形態では、皮膚感染症を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足、頭皮、毛包、顔面、首、背中、腕、胸など)に投与する。
光線角化症
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は光線角化症の治療および/または予防に有効であり得る。光線角化症(「日光角化症」または「AK」とも呼ばれる)は、前癌状態の分厚い、鱗状のまたは表面が固くなった皮膚斑である。光線角化症は頻繁に日光に曝される色白な者にもっともよくみられる。皮膚が常に日光に曝されると、分厚い、鱗状のまたは表面が固くなった隆起が現れる。隆起の鱗状のまたは表面が固くなった領域は、乾燥してざらざらしている。平坦な鱗状の部位として成長が始まり、後に固い疣贅状の領域となる。
光線角化症の部位は通常、2mm~6mmの範囲の大きさであり、濃いまたは淡い黄褐色、桃色、赤色、これらすべてを組み合わせた色を呈するか、周囲の皮膚と同じ色素を有する。顔面、耳、首、頭皮、胸部、手の甲、前腕または唇などの日光に曝されるあらゆる部位に出現し得る。
光線角化症に関連する疾患、障害または状態を治療および/または予防するために現在用いられている治療法としては、特に限定されないが、ボツリヌス毒素、5‐フルオロウラシル、イミキモド、ジクロフェナク、ワニ油および/またはその組合せが挙げられる。
光線角化症の1つ以上の症状および/または原因を治療および/または予防するために現在用いられている別のまたは追加の治療法としては、特に限定されないが、凍結手術、光線力学療法、レーザー治療、電気焼灼術、外科手術などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、光線角化症を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、シャンプー、コンディショナー、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)などに製剤化する。
いくつかの実施形態では、光線角化症を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足、頭皮、毛包、顔面、首、背中、腕、胸など)に投与する。
湿疹性皮膚炎
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、縁が不明瞭な紅斑性の局所的炎症性反応を特徴とする皮膚状態である湿疹性皮膚炎の治療および/または予防に有用である。急性期には、病変が浮腫、小胞形成、毛細血管性出血および場合によっては水疱を呈し得る。慢性病変のほとんどが乾燥して鱗状であり、二次的に苔癬化を呈することもある。これらの病変は二次的に細菌感染を来たすことが多く、これが痂皮形成も引き起こし得る。これらの病変は多くの場合、そう痒性である。場合によっては、この状態はアレルゲンへの曝露に続発するものであり得る。
アトピー性皮膚炎は、皮膚の多くの領域で激しいそう痒を伴うより全身性の形態の湿疹性皮膚炎である。この状態は喘息、枯草熱、またはその他のアレルギーの個人歴または家族歴に関連する場合が多い。病変は多くの場合、肘前窩および膝窩ならびに手首および首に分布する。湿疹性皮膚炎およびアトピー性皮膚炎は当該技術分野で「湿疹」としても知られている。
湿疹性皮膚炎の1つ以上の症状および/または原因を治療および/または予防するために現在用いられている治療法としては、ボツリヌス毒素、糖質コルチコステロイド、コールタール、カルシニューリン阻害薬(例えば、タクロリムス、ピメクロリムスなど)、抗ヒスタミン薬(例えば、ジフェンヒドラミンなど)、シクロスポリン、インターフェロン、オマリズマブ、リツキシマブ、ミコフェノール酸モフェチル、AMG157、JNJ-26113100、CD2027、SUN13834、S-777469、GW842470X、TS022、ロフルミラスト、カルシポトリオール、ピトラキンラおよび/またはその組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、湿疹性皮膚炎を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、シャンプー、コンディショナー、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)などに製剤化する。
いくつかの実施形態では、湿疹性皮膚炎を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足、頭皮、顔面、首、背中、腕、胸など)に投与する。
皮脂が過剰に産生される障害
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、皮脂が過剰に産生される障害(例えば、脂漏症、脂漏性皮膚炎など)の治療および/または予防に有用であり、この障害は、通常は頭皮、顔面および/または胴を含めた皮脂腺の多い皮膚の領域を冒す障害である。通常、この状態を有する患者には、鱗状、片状、紅斑性および多くの場合、そう痒性の皮膚がみられる。頭皮が冒されると脱毛を来たすこともある。場合によっては、皮膚が脂性になることもある。
皮脂が過剰に産生される障害の1つ以上の症状および/または原因を治療および/または予防するために現在用いられている治療法としては、ボツリヌス毒素、サリチル酸、アゼライン酸、硫化セレン、イミダゾール(例えば、ケトコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、エコナゾール、ビホナゾール、クリマゾール、シクロピロクス、シクロピロクスオラミンなど)、イトラコナゾール、テルビナフィン、ピリチオン亜鉛、過酸化ベンゾイル、コールタール、杜松タール、糖質コルチコステロイド(例えば、ヒドロコルチゾンなど)、メトロニダゾール、リチウム、カルシニューリン阻害薬(例えば、タクロリムス、ピメクロリムスなど)、ビタミンD3、イソトレチノインおよび/またはその組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、皮脂が過剰に産生される障害の1つ以上を治療および/または予防する本発明の組成物をクリーム、リニメント、ローション、ゲル、日焼け止め、脱臭剤および/または制汗剤(例えば、ロールオン、固形スティック、ゲル、クリーム、エアゾールなどとして)などに製剤化する。
いくつかの実施形態では、皮脂が過剰に産生される障害の1つ以上を治療および/または予防する本発明の組成物を局所的に患部(例えば、腋窩、手、足、頭皮、顔面、首、背中、腕、胸など)に投与する。
熱傷
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、熱、電気、化学物質、光、放射線または摩擦に起因する肉体に至る損傷タイプの熱傷の処置に有用である。多くの熱傷は皮膚のみに影響を及ぼすが、時折、熱傷は、深組織(筋肉、骨、および血管等)を損傷し得る場合がある。熱傷は、第1度、第2度、第3度、または第4度のいずれかとして分類することができる。
第1度の熱傷は、通常、損傷部位の発赤(紅斑)、白色プラークおよび軽度の疼痛に限定される。これらの熱傷は、一般に表皮のみに関与する。ほとんどの日焼けは、第1度の熱傷として含み得る。
第2度の熱傷は、皮膚の表在性水疱を伴う紅斑として現れ、神経関与レベルに応じて多少の疼痛に関与し得る。第2度の熱傷は、典型的には表在性(乳頭状)真皮に関与し、深(網状皮膚移植)真皮層にも関与し得る。治癒に3週間超を必要とする熱傷は、皮膚を切り取り、最適結果のため皮膚移植することが多い。
第3度の熱傷は、皮下組織への損傷を伴い表皮が欠失している場合に発現する。熱傷被害者は、典型的に表皮の炭化および極度の損傷を示し、硬い乾燥痂皮が存在する場合がある。第3度の熱傷は瘢痕化に至り、被害者は、さらに毛幹およびケラチン損失を示す。これらの熱傷は、移植を必要とし得る。すべての神経は、やけどによって損傷しており疼痛シグナルを送らないため、これらの熱傷は無痛性である;しかしながら、第3度の熱傷はすべて有痛性である第1および第2度の熱傷に囲まれている。
第4度の熱傷は、筋肉、腱、および骨に関与する。四肢に関与する場合、切断術または有意な機能不全に至ることが多い。
熱傷の1つまたは複数の症状および/または原因を処置および/または予防するために使用されている現行療法としては、ボツリヌス毒素、抗生剤、鎮痛および/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、熱傷の処置および/または予防のために提供される組成物は、クリーム、リニメント剤、ローション、ゲル、日焼け止め剤等に製剤化される。
いくつかの実施形態において、熱傷の処置のために提供される組成物は、罹患部位(例えば、腋窩、手、足、頭皮、顔面、頸部、背部、腕、胸部等)に局所投与する。
レイノー現象
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、レイノー現象、手指および足指の血管攣縮性状態の処置および/または予防のためである。典型的に、低温または情動ストレスに応答して、手指の皮膚が、変色し(白色、青色および/または赤色、この順序であることが多い)、有痛性になる。重度のレイノー現象は、皮膚、最終的には手指および/または足指が壊死し得、「自己切断」をもたらす。レイノー現象の患者の爪は、脆くなる場合がある。この状態は、強皮症および/または関節リウマチ等の結合組織疾患に関連することが多い。
レイノー現象の1つまたは複数の症状および/または原因を処置および/または予防するための現行療法としては、ボツリヌス毒素、カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン等)、アルファ遮断薬(例えば、ヒドララジン等)、ニトログリセリン、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト(例えば、ロサルタン等)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、フルオキセチン等)、トリニトログリセリン、タダラフィル、イチョウ(Ginkgo biloba)抽出物、SLx-2101、セイヨウオトギリソウ、ファスジル、シロスタゾール、イロプロスト、レラキシン、トレプロスチニルジエタノールアミン、シルデナフィル、アトルバスタチン、メシル酸イマチニブ、トレプロスチニルジエタノールアミンおよび/またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、レイノー現象の処置および/または予防のために提供される組成物は、クリーム、リニメント剤、ローション、ゲル、日焼け止め剤等に製剤化される。
いくつかの実施形態において、レイノー現象の処置および/または予防のために提供される組成物は、罹患部位(例えば、腋窩、手、足等)に局所投与する。
エリテマトーデス
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、エリテマトーデス、皮膚、そして脳および神経系、腎臓、肝臓ならびに/または血管を含む複数の器官系の疾患に関与し得る自己免疫性の状態の処置および/または予防に有用である。ループス皮疹は、顔面の頬の領域に関与することが多く、「蝶型紅斑」と記載される。一部の患者は、円板状紅斑性ループスと称される皮膚の厚く赤い鱗状の斑を示す。抜け毛も、この疾患の徴候であり得る。口、鼻および膣の潰瘍もまた、起こり得る。
エリテマトーデスの1つまたは複数の症状および/または原因を処置および/または予防する現行療法としては、ボツリヌス毒素、非ステロイド性抗炎症薬(例えば、イブプロフェン等)、アスピリン、抗マラリア薬(例えば、クロロキン、ヒドロキシクロロキン等)、コルチコステロイド(例えば、ヒドロキシコルチゾン等)、免疫抑制薬(例えば、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、メトトレキサート、治療抗体等)および/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、エリテマトーデスの処置および/または予防のために提供される組成物は、クリーム、リニメント剤、ローション、ゲル、日焼け止め剤等に製剤化される。
いくつかの実施形態において、エリテマトーデスの処置および/または予防のために提供される組成物は、罹患部位(例えば、腋窩、手、足、頭皮、顔面、頸部、背部、腕、胸部等)に局所投与する。
高色素沈着障害
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、局所性または全身性の異常な皮膚の暗色化をもたらす1つまたは複数の高色素沈着障害(例えば、黒皮症等)の処置および/または予防に有用である。高色素沈着は、日光曝露、薬剤および/または炎症(尋常性座瘡に起因する炎症を含む)に起因する皮膚の損傷に起因することが多い。黒皮症は、上頬、鼻、両唇、上唇および/または額に最もよく見られる皮膚の黒い不揃いな斑の状態である。黒皮症は、妊娠に関連することが多い。
高色素沈着障害の1つまたは複数の症状および/または原因を処置および/または予防するために使用されている現行療法としては、ボツリヌス毒素、フェノール(例えば、ヒドロキシキノン、メキノール等)、レチノイド(例えば、トレチノイン、イソトレチノイン等)、アルファ-ヒドロキシ酸(例えば、グリコール酸、サリチル酸、アゼライン酸等)および/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の高色素沈着障害の処置および/または予防のために提供される組成物は、クリーム、リニメント剤、ローション、ゲル、日焼け止め剤等に製剤化される。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の高色素沈着障害の処置および/または予防のために提供される組成物は、罹患部位(例えば、腋窩、手、足、頭皮、毛包、顔面、頸部、背部、腕、胸部等)に局所投与する。
低色素沈着障害
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、局所性および/または全身性の異常な皮膚の薄色化を特徴とする1つまたは複数の低色素沈着障害(例えば、白斑等)を処置および/または予防のためであり得る。白斑は、皮膚色素の慢性で局所性の喪失、ゆえに皮膚の薄色化を特徴とする。皮膚病変が生じる場合、それらは、顔面、手および手首において最も著明である。色素脱失は、身体開口部(口、眼、鼻腔、生殖器および/または臍等)の周囲において特に顕著である。
低色素沈着障害の1つまたは複数の症状および/または原因を処置および/または予防するために使用されている現行療法としては、ボツリヌス毒素、コルチコステロイド、カルシニューリン阻害剤(例えば、タクロリムス、ピメクロリムス等)、カルシポトリオール、ソラレンおよび/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の低色素沈着障害の処置および/または予防のために提供される組成物は、クリーム、リニメント剤、ローション、ゲル、日焼け止め剤等に製剤化される。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の低色素沈着障害の処置および/または予防のために提供される組成物は、罹患部位(例えば、腋窩、手、足、頭皮、顔面、頸部、背部、腕、胸部等)に局所投与する。
皮膚癌
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、皮膚癌(例えば、皮膚扁平上皮細胞癌、皮膚基底細胞癌等)、皮膚組織の悪性増殖(可視の腫瘍をもたらすことが多い)の処置および/または予防に有用である。皮膚癌は、皮膚の成長、治癒しない皮膚の変化、皮膚の潰瘍化、皮膚の変色および/または既存の母斑に対する変化(母斑に対する不揃いな縁の出現および/または母斑の拡大等)を示し得る。基底細胞癌は、通常、頭部、頸部および/または肩の日光に曝された皮膚における、ふくらんだ滑らかな真珠光沢の隆起のように見える。時折、小血管が、これらの腫瘍内に見られる場合がある。これらの腫瘍の中央において痂皮形成および出血が頻繁に示される。扁平上皮癌は、通常、日光に曝された皮膚における赤いうろこ模様の肥厚した斑である。潰瘍化および出血を示すことがあり、この形態の皮膚癌は、処置されないと、大きい腫瘤に成長し得る。
皮膚扁平上皮細胞癌の処置および/または予防のために使用されている現行療法としては、ボツリヌス毒素、5-アミノレブリン酸、5-フルオロウラシル、アシトレチン、アファメラノタイド、API31510、API31510、セツキシマブ、ダサチニブ、エフロルニチン、エルロチニブ、GDC-0449、ゲフィチニブ、HPPH、イミキモド、アミノレブリン酸メチル、PEG-インターフェロンアルファ-2a、PEP005、シリコンフタロシアニン4、タザロテン、トレチノイン、ベルテポルフィンおよび/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
皮膚基底細胞癌の処置および/または予防のために使用されている現行療法としては、ボツリヌス毒素、5-アミノレブリン酸、5-フルオロウラシル、アシトレチン、アファメラノタイド、API31510、API31510、セツキシマブ、ダサチニブ、エフロルニチン、エルロチニブ、GDC-0449、ゲフィチニブ、HPPH、イミキモド、アミノレブリン酸メチル、PEG-インターフェロンアルファ-2a、PEP005、シリコンフタロシアニン4、タザロテン、トレチノイン、ベルテポルフィンおよび/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、皮膚癌の処置および/または予防のために提供される組成物は、クリーム、リニメント剤、ローション、ゲル、日焼け止め剤、脱臭剤および/または制汗薬に(例えば、ロールオン、固体スティック、ゲル、クリーム、エアロゾル等として)製剤化される。
いくつかの実施形態において、皮膚癌の処置および/または予防のために提供される組成物は、罹患部位(例えば、腋窩、手、足、頭皮、顔面、頸部、背部、腕、胸部等)に局所投与する。
しわの処置
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、しわ(例えば、顔面のしわ)の処置および/または予防に有用である。額、眉間、顔面および/もしくは眼窩周囲領域に関与する顔面のしわは、共通の審美的問題であり、基礎的な顔面の筋肉組織の過活動に関すると考えられる。例えば、眉間のしわの発現は、少なくとも部分的に基礎的な鼻根筋、皺眉筋、および眼輪筋の動力に関与する。顔面のしわは、老いた外見となるため問題であるとみなされる。場合によって、それらは負の感情(例えば、怒り、不安、悲しみ等)、疲労、またはストレスの徴候として誤解され得る。
しわを処置および/または予防するために使用されている現行療法としては、ボツリヌス毒素;トレチノイン(RETIN-A(登録商標));表皮成長因子;および/またはグリコサミノグリカンが挙げられるが、これらに限定されない。
近年、ボツリヌス毒素溶液の注射は、過機能性の顔面のしわ処置のための最も人気療法の1つとなっている。注射後、毒素は、顔面の擬態筋肉を麻痺させるかまたは弱めるように作用する。これは明らかにしわの外観を減少させるかまたは除去する。Sadick, 2004, Clin. Dermatol. 22:29-33(参照により本明細書に組み込まれる)。
ボツリヌス毒素溶液の初回美容的使用は、額の眉間のしわライン処置のためであった(Carruthers et al., 1992, J. Dermatol. SurgのOncol., 18:17;参照により本明細書に組み込まれる)。また、広頚筋内へのボツリヌス毒素溶液の注射は口隆起を生じることが記されている(Brandt et al., 1998, Dermatol. Surg., 24:1232;参照により本明細書に組み込まれる)。顎先へのボツリヌス毒素溶液の注射もまた、顕著な精神的なしわ治療のために行われている(Carruthers et al., “Cosmetic Uses of Botulinum A Exotoxin,” pp. 325-48, Advances in Dermatology, James, et al., eds., Mosby-Yearbook, Chicago, 1997;参照により本明細書に組み込まれる)。
最近、顔面のしわおよび/またはラインの発現は、反復注射を介したA型ボツリヌス毒素処置の長期使用によって遅延化できることが示唆されている(Binder, 2006, Arch. Facial Plast. Surg., 8:426)。しかしながら、反復注射は患者にとって有痛性であり、意図しない筋肉群に注射して、有害な副作用(例えば下垂症)を潜在的に引き起こすリスクがある。
いくつかの実施形態において、しわの処置および/または予防のために提供される組成物は、クリーム、リニメント剤、ローション、ゲル、日焼け止め剤等に製剤化される。
いくつかの実施形態において、しわの処置および/または予防のために提供される組成物は、罹患部位(例えば、顔面、頸部等)に局所投与する。
頭痛
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、頭痛の処置および/または予防に有用である。いくつかの実施形態において、頭痛としては、片頭痛、本態性頭痛、頸椎性頭痛および/または緊張性頭痛が挙げられるが、これらに限定されない。
頭痛の処置および/または予防のために使用されている現行療法としては、ボツリヌス毒素、鎮痛(例えば、パラセタモール、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬、例えば、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン等)、アミトリプチリン、フルオキセチン、ガバペンチン、チザニジン、トピラメート、抗てんかん剤(例えば、バルプロエート)、筋肉弛緩剤(本明細書に記載の任意のもの等)、鎮静剤(例えば、モルヒネ、コデイン、テバイン、パパベリン、オキシコドン、ヒドロコドン等)および/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、頭痛の処置および/または予防のために提供される組成物は、クリーム、リニメント剤、ローション、ゲル、日焼け止め剤等に製剤化される。
いくつかの実施形態において、頭痛の処置および/または予防のために提供される組成物は、罹患部位(例えば、顔面、頸部等)に局所投与する。
組成物および製剤
本明細書に上記したように、本発明は、ナノ粒子組成物、クリームおよび/またはローション製剤および/またはその個々の成分を含む組成物を提供する。提供される組成物は、適切な送達経路用に製剤化され得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの提供される組成物を含む医薬品および/または組成物を提供する。かかる組成物は、経口(PO)、静注(IV)、筋肉内(IM)、動脈内(IA)、髄内、髄腔内、皮下(SQ)、心室内、経皮、真皮内、皮内、直腸内(PR)、膣内、腹腔内(IP)、胃内(IG)、局所および/もしくは経皮(例えば、ローション、クリーム、リニメント剤、軟膏、散剤、ゲル、点滴薬等によって)、粘膜内、鼻腔内、口腔内、腸内、硝子体内、舌下;気管内点滴注入法、気管支点滴注入法、および/もしくは吸入によって;経口スプレー、経鼻スプレー、および/もしくはエアロゾルとして、および/もしくは門脈カテーテルを介して;ならびに/またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない任意の送達経路用に製剤化され得る。
提供される組成物の製剤は、例えば、薬理学の分野において既知であるかまたは今後開発される任意の適切な方法によって調製され得る。一般に、かかる調製方法は、提供される組成物を1つまたは複数の賦形剤と混合し、次いで、必要であればおよび/または望ましくは、適切な投与形態、例えば単回もしくは複数回用量の単位に生成物を成形および/または包装するステップを包含する。
いくつかの実施形態において、組成物は、バルクで、単一単位用量および/または複数の単一単位用量として、調製され得、包装され得、および/または販売され得る。本明細書で使用する「単位用量」は、所定量の提供される組成物を含む医薬組成物の別々の量である。提供される組成物の量は、一般に、対象に投与する提供される組成物の投薬量および/またはかかる投薬量の好都合な分割量、例えば、かかる投薬量の2分の1もしくは3分の1と等しい。
組成物(例えば、薬学的および/または美容的に許容可能な組成物)における使用に適した賦形剤は、例えば、1つまたは複数の賦形剤(所望の特定の投与形態に適するような、溶媒、分散媒、造粒媒、希釈剤または他の液体ビヒクル、分散補助剤または懸濁補助剤、界面活性剤および/または乳化剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤、潤滑剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤等)を含み得る。代替的または追加的に、賦形剤(カカオ脂および/または坐剤ワックス、染色剤、コーティング剤、甘味料、香味料および/または香薬等)を使用することができる。RemingtonのThe Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,A.R.Gennaro(Lippincott,Williams & Wilkins,Baltimore,MD,2005;参照により本明細書に組み込まれる)では、医薬組成物を製剤化する際に使用される様々な賦形剤およびその調製のための既知の技術が開示されている。
いくつかの実施形態において、適切な賦形剤(例えば、薬学的および/または美容的に許容可能な賦形剤)は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%純粋である。いくつかの実施形態において、賦形剤は、米国食品医薬品局によって承認されている。いくつかの実施形態において、賦形剤は、薬学的グレードである。いくつかの実施形態において、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方および/または他の国際薬局方の規格を満たす。
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、クリーム、リニメント剤、軟膏、油、発泡体、スプレー、ローション、液体、散剤、増粘ローション、またはゲル(例えば、本明細書に記載のように経皮送達用に製剤化される)に製剤化される。特定の例示的なかかる製剤は、例えば、美容用製剤(皮膚軟化剤、栄養ローションタイプエマルション、クレンジングローション、クレンジングクリーム、乳液、軟化ローション、マッサージクリーム、軟化クリーム、化粧下地、リップスティック、フェイシャルパックもしくはフェイシャルジェル等)、洗浄製剤(シャンプー、リンス、ボディクレンザー、ヘアトニックまたは石鹸等)、または皮膚科学的組成物(ローション、軟膏、ゲル、クリーム、リニメント剤、パッチ、脱臭剤またはスプレー等)として調製され得る。
いくつかの実施形態において、提供される組成物(例えば、局所用、特に真皮/経皮投与用に製剤化される提供される組成物)は、美容的に許容可能な成分で製剤化される。例えば、いくつかの実施形態において、提供される組成物は、水および任意の美容的に許容可能な溶媒、特に、モノアルコール(例えば、1~8個の炭素原子を有するアルカノール(エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコールおよびフェニルエチルアルコール等)、アルキレングリコール等の多価アルコール(グリセリン、エチレングリコールおよびプロピレングリコール等)およびグリコールエーテル(モノ-、ジ-およびトリ-エチレングリコールモノアルキルエーテル、例えば、単独でまたは混合物中で使用される、エチレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテル等)で製剤化される。かかる構成要素は、例えば、組成物全体の重量に対して最大60重量%、70重量%、80重量%、または90重量%の割合で存在し得る。
いくつかの実施形態において、局所投与用に提供される組成物は、組成物を適用すべき対象に望ましいかまたは適している外観属性を付与する1つまたは複数の美容的に許容可能な成分を含む(例えば、無光沢外観であり、これは脂ぎった皮膚を有する対象への投与に特に望ましいかまたは適し得る)。
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、例えば、無光沢の生成物(脂ぎった皮膚を有する個体に対して特に望ましい場合がある)を得るために、少なくとも1つの美容的に許容可能な充填剤で製剤化される。
提供される組成物は、例えば、パッチ等の機器に組み込まれ得ることを当業者は認識するであろう。様々な経皮パッチ構造物が、当該技術分野で既知であり;提供される組成物は、様々なかかる構造物のいずれかに容易に組み込まれ得ることを当業者は認識するであろう。いくつかの実施形態において、経皮パッチは、皮膚に適用されるパッチの片側から伸びる複数の針をさらに備え得、ここで、針は、そのパッチから伸びて皮膚の角質層まで突出している。いくつかの実施形態において、針は、血管を破らない。
いくつかの実施形態において、経皮パッチは、接着剤を含む。粘着性パッチのいくつかの例が周知である(例えば、米国意匠特許第296,006号;ならびに米国特許第6,010,715号;同第5,591,767号;同第5,008,110号;同第5,683,712号;同第5,948,433号;および同第5,965,154号を参照されたい;これらはすべて、参照により本明細書に組み込まれる)。粘着性パッチは、一般に、接着剤の層(患者の皮膚に適用される層)、提供される組成物を保持するためのデポーまたは容器、およびそのデポーからの提供される組成物の漏出を防ぐ外面を有することを特徴とする。パッチの外面は、典型的には、接着性ではない。
本発明によれば、提供される組成物は、それが長時間にわたって安定なままであるようにパッチに組み込まれる。例えば、提供される組成物は、その薬剤を安定化し、その薬剤がマトリックスおよびパッチから拡散するのを可能にする、ポリマーマトリックスに組み込まれ得る。また、パッチが皮膚に適用されると、提供される組成物が皮膚を通過して拡散し得るように、提供される組成物は、パッチの接着剤の層に組み込まれ得る。いくつかの実施形態において、接着剤の層は、加熱によって活性化され得、約37℃の温度によって接着剤がゆっくり液化し、薬剤が皮膚を通過して拡散する。その接着剤は、37℃未満で保存されている場合、粘着性のままであり得、その接着剤は、いったん皮膚に適用されると、液化するにつれて粘着性を失う。
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、パッチに加えられる圧力によって提供される組成物がパッチから(必要に応じて針を通じて)角質層に向かうようになる、パッチにおけるデポーとして提供できる。
提供される組成物を皮内投与する際の使用に適した機器としては、米国特許第4,886,499号;同第5,190,521号;同第5,328,483号;同第5,527,288号;同第4,270,537号;同第5,015,235号;同第5,141,496号;および同第5,417,662号に記載されている機器等の短い針の機器が挙げられる。皮内用組成物は、皮膚を穿通する針の有効な長さを制限する機器(例えば、国際公開第99/34850号およびその機能的均等物に記載されている機器)によって投与し得る。液体ジェット式注射器を介しておよび/または角質層を貫通し、真皮に達する噴流をもたらす針を介して真皮に提供される組成物を送達するジェット式注射機器が、好適である。ジェット式注射機器については、例えば、米国特許第5,480,381号;同第5,599,302号;同第5,334,144号;同第5,993,412号;同第5,649,912号;同第5,569,189号;同第5,704,911号;同第5,383,851号;同第5,893,397号;同第5,466,220号;同第5,339,163号;同第5,312,335号;同第5,503,627号;同第5,064,413号;同第5,520,639号;同第4,596,556号;同第4,790,824号;同第4,941,880号;同第4,940,460号;ならびに国際公開第97/37705号および国際公開第97/13537号に記載されている。圧縮ガスを使用することにより粉末形態の提供される組成物を皮膚の外層から真皮まで加速する弾道的(Ballistic)粉末/粒子送達機器が、好適である。代替的または追加的に、従来の注射器が、皮内投与の従来のマントー法において使用され得る。
経口および/または非経口投与用の液体投与形態としては、エマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよび/またはエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。提供される組成物の他に、液体投与形態は、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド等)、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル、およびそれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、アジュバント(湿潤剤、乳化および懸濁化剤、甘味料、香味料および/または香薬等)を含むことができる。非経口投与のためのある実施形態において、組成物はCREMOPHOR(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマーおよび/またはそれらの組み合わせ等の可溶化剤と混合する。
注入可能な調製物、例えば、滅菌注入可能な水性または油性懸濁液は、適切な分散剤、湿潤剤および/または懸濁化剤を用いる既知の技術に応じて製剤化され得る。滅菌注入可能な調製物は、非毒性、非経口で許容可能な希釈剤および/または溶媒(例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として)中の滅菌注射液、懸濁液および/またはエマルションであり得る。とりわけ適用し得る許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液、U.S.P.、および等張塩化ナトリウム溶液である。滅菌した不揮発性油は、溶媒または懸濁化媒体として従来的に使用される。この目的において、合成のモノまたはジグリセリドを含む任意の無菌性不揮発性油を使用することができる。脂肪酸(オレイン酸等)を注入可能な調製物において使用することができる。
注入可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターを介したろ過によっておよび/または使用前、滅菌水または他の滅菌された注入可能な媒体中に溶解または分散させることができる滅菌固体組成物状の滅菌薬を挿入することによって滅菌することができる。
提供される組成物の効果を伸ばすため、皮下または筋肉内注射から提供される組成物の吸収を遅くすることが望まれ得る。これは、不良な水可溶性の結晶または非結晶物質の液体懸濁液の使用によって成し遂げ得る。提供される組成物の吸収率は次いで、その溶解率に基づき、これは順に、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与した提供される組成物形態の遅延化された吸収は、提供される組成物を油ビヒクル中に溶解または懸濁化することによって成し遂げる。注入可能なデポー型は、生体分解性ポリマー(ポリラクチド-ポリグリコリド等)中に提供される組成物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製する。ポリマーに対する提供される組成物の比率および使用される特定のポリマーの性質に依存し、提供される組成物の放出率を制御できる。他の生体分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポーの注入可能な製剤は、提供される組成物を体組織と適合するリポソームまたはマイクロエマルション中に封入することによって調製する。
直腸内または膣投与用の組成物は、典型的には、組成物を適切な刺激性の少ない賦形剤(環境温度で固体であるが、体温で液体であり、したがって直腸または膣内で融解し、提供される組成物を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックス等)と混合することによって調製できる坐剤である。
経口投与用の固体投与形態としては、カプセル、錠剤、ピル、散剤、および顆粒剤が挙げられる。かかる固体投与形態において、提供される組成物は、少なくとも1つの不活性、薬学的に許容可能な賦形剤(クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウム等)および/または充填剤もしくは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、およびケイ酸)、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、ショ糖、およびアカシア)、保湿剤(例えば、グリセロール)、崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、アルギン酸、あるケイ酸塩、および炭酸ナトリウム)、溶解遅延剤(例えば、パラフィン)、吸収促進剤(例えば、第4級アンモニウム化合物)、湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート)、吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土)、および潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、およびそれらの混合物と混合する。カプセルの場合は、錠剤およびピル、投与形態は、緩衝剤を含み得る。
類似タイプの固体組成物を、ラクトース、すなわち乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を用いて軟および/または硬ゼラチンカプセル中の充填剤として適用し得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル、および顆粒剤の固体投与形態は、コーティングおよび外郭(腸溶コーティングおよび医薬製剤技術において公知の他のコーティング等)を用いて調製することができる。それらは、必要に応じて不透明薬を含み得、提供される組成物(1つまたは複数)のみ、または選択的に、腸管の特定部分において、必要に応じて、遅延化された形で放出する組成物であることができる。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー性物質およびワックスが挙げられる。類似タイプの固体組成物を、ラクトース、すなわち乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を用いて軟および硬ゼラチンカプセル中の充填剤として適用し得る。
いくつかの実施形態において、組成物(例えば、医薬組成物)は、口腔内空洞を介した肺投与に適した製剤中に調製され得、包装され得、および/または販売され得る。かかる製剤は、約0.5nm~約7nmまたは約1nm~約6nmの範囲の直径を有する提供される組成物を含む乾燥粒子を含み得る。かかる組成物は好都合に、散剤を分配させるために推進剤ストリームが向かい得る乾燥散剤容器を含む機器を用いて、および/または自力推進溶媒/散剤分配容器(密封容器内で低沸点の推進剤中に溶解および/または懸濁した提供される組成物を含む機器等)を用いて投与するための乾燥散剤状である。かかる散剤は、少なくとも98%の粒子重量が0.5nm超の直径を有し、少なくとも95%の粒子数が7nm未満の直径を有する粒子を含む。あるいは、少なくとも95%の粒子重量が1nm超の直径を有し、少なくとも90%の粒子数が6nm未満を有する。乾燥散剤組成物は、固体微粉希釈剤(糖類等)を含み得、単位用量形態で好都合に提供される。
低沸点の推進剤としては一般に、雰囲気圧で65°F未満の沸点を有する液体推進剤が挙げられる。一般に推進剤は、50%~99.9%(w/w)組成物を構成し得、提供される組成物は、0.1%~20%(w/w)組成物を構成し得る。推進剤は、さらに追加成分(液体非イオン性および/または固体アニオン性界面活性物質および/または(提供される組成物を含む粒子と同位の粒径を有し得る)固体希釈剤等)を含み得る。
いくつかの実施形態において、肺送達用に製剤化される組成物(例えば、医薬組成物)は、溶液および/または懸濁液の液滴状の提供される組成物を提供し得る。かかる製剤は、提供される組成物を含み、水性および/または希釈アルコール溶液および/または懸濁液として調製され得、包装され得、および/または販売され得、必要に応じて滅菌され、任意の噴霧および/または原子化機器を用いて好都合に投与し得る。かかる製剤は、さらに、着香料(サッカリンナトリウム等)、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤および/または保存剤(メチルヒドロキシベンゾエート等)が挙げられるが、これらに限定されない1つまたは複数の追加成分を含み得る。この投与経路によって提供される液滴は、約0.1nm~約200nmの範囲の平均直径を有し得る。
肺送達に有用な本明細書に記載の製剤は、医薬組成物の鼻腔内送達に有用であり得る。鼻腔内投与に適した別の製剤は、提供される組成物を含む粗散剤であり、約0.2μm~500μmの平均粒子を有する。かかる製剤は、鼻から吸い込む形態で、すなわち、鼻近くに保持した散剤容器から鼻腔を通った急速な吸入によって投与することができる。
経鼻投与に適した製剤は、例えば、提供される組成物を最小約0.1%(w/w)から最大100%(w/w)まで含み得、本明細書に記載の1つまたは複数の追加成分を含み得る。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、口腔内投与に適した製剤中に調製され得、包装され得、および/または販売され得る。かかる製剤は、例えば、従来の方法を用いて作製された錠剤および/またはトローチ剤状であり得、例えば、0.1%~20%(w/w)の提供される組成物であり得、経口的に溶解性および/もしくは分解性組成物、ならびに、必要に応じて、本明細書に記載の1つもしくは複数の追加成分を含む均衡であり得る。あるいは、口腔内投与に適した製剤は、提供される組成物を含む散剤および/またはエアロゾル化および/または原子化溶液および/または懸濁液を含み得る。かかる散剤化、エアロゾル化および/またはエアロゾル化製剤は、分散する場合、約0.1nm~約200nmの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有し得、さらに本明細書に記載の1つまたは複数の追加成分を含み得る。
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、眼投与に適した製剤中に調製され得、包装され得、および/または販売され得る。かかる製剤は、例えば、点眼状であり得、例えば、水性または油性液体賦形剤中に提供される組成物の0.1/1.0%(w/w)溶液および/または懸濁液を含む。かかる点滴薬は、さらに緩衝剤、塩ならびに/または1つもしくは複数の本明細書に記載の他の追加成分を含み得る。他の有用である経眼投与用製剤としては、微結晶形態および/またはリポソーム調製物中の提供される組成物を含むものが挙げられる。点耳および/または点眼法は、本発明の範囲内として企図される。
投与
本明細書に記載のように、本発明は、様々な応用、例えば、美容的および/または医学的応用にむけた、対象への提供される組成物の投与方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、表皮および/または真皮構造(例えば、汗腺、皮脂腺、毛包等)活性に関連する疾患、障害および/または状態の処置および/または予防方法を提供する、提供される組成物をその必要がある対象に投与する。
いくつかの実施形態において、本発明は、経口(PO)、静注(IV)、筋肉内(IM)、動脈内、髄内、髄腔内、皮下(SQ)、心室内、経皮、真皮内、皮内、直腸内(PR)、膣内、腹腔内(IP)、胃内(IG)、局所および/または経皮(例えば、ローション、クリーム、リニメント剤、軟膏、散剤、ゲル、点滴薬等によって)、粘膜内、鼻腔内、口腔内、腸内、硝子体内および/または舌下投与;気管内点滴注入法、気管支点滴注入法および/または吸入によって;経口スプレー、経鼻スプレーおよび/またはエアロゾルとしておよび/または門脈カテーテルを介して;ならびに/またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない任意の送達経路を通じて提供される組成物の投与方法を提供する。
いくつかの実施形態において、提供される方法は、提供される組成物の対象の皮膚への局所、経皮、または皮内投与に関与する。いくつかの実施形態において、かかる経路は局所送達を達する。
経皮投与
ヒトの皮膚は、真皮および表皮を含む。表皮は、いくつかの組織の層、すなわち、角質層、透明層、顆粒層、有棘層および基底層(皮膚の外面から内部の順で特定される)を有する。
角質層は、従来の薬剤の経皮送達方法において最も著しい障害物を示す。角質層は、典型的には約10μm~15μmの厚さであり、数層で配置される扁平な角質化した細胞(角質細胞)を含む。角質細胞間の細胞間隙は、脂質構造物で満たされており、皮膚を通過する物質の浸透において役割を果たし得る(Bauerova et al., 2001, Eur. J. DrugのMetabolism Pharmacokinetics, 26:85;参照により本明細書に組み込まれる)。
角質層より下の残りの表皮は、約150μmの厚さである。真皮は、約1mm~2mmの厚さであり、表皮より下に位置する。真皮は、様々な組織(結合組織、毛細管ニューロンプロセス等)によって支持されている。
医薬の経皮投与は、一般に、注射および経口送達に関連する望ましくない結果を伴わない、代替の医薬投与経路を提供する試みにおける研究対象である。例えば、針は、局所的な疼痛、出血およびあざを引き起こすことが多く、潜在的に患者を伝染性疾患に曝す;経口投与は、患者の胃の極度の酸性環境に起因する、薬剤の不良なバイオアベイラビリティに悩まされることが多い。いくつかの実施形態において、経皮送達は、他の投与経路と比べて、よりさらに、標準であり、および/または一貫した薬物動態プロファイルを有する。
ある医薬の経皮投与送達系を開発する努力がなされている。患者の皮膚への損傷を最小限にする経皮投与を用いることが、一般に望ましい。とりわけ有益な特性は、薬剤の経皮投与は、注射に関連する疼痛を減少させ得るか、もしくは除去し得、ならびに/または感染の可能性を低下させ得る。
従来、薬剤の経皮投与における試みは、角質層の透過性を高めることに焦点が当てられてきた。いくつかの試みは、皮膚を通過する分子の透過性を高める化学的な浸透促進剤の使用を含む。いくつかの試みは、角質層の一部にバイパスを形成するか、または剥離する機械的な装置の使用を含む。さらに、ある試みは、皮膚を通過する医薬の透過を容易にする超音波またはイオン導入の使用を含む。場合によっては、その目標は、例えば、薬剤が真皮内の毛細管床を通過し得るように、医薬品、典型的には、低分子を、皮膚を通過して送達することであり、ここで、その薬剤は、全身的に対象に取り込まれることにより、治療効果を達成し得る。場合によっては、その目標は、局所および/または非全身性効果を達成する。
いくつかの実施形態において、本発明は、剥脱剤または他の破壊剤(化学的、機械的、電気的、磁性等に関係なく)を使用せずに提供される組成物の経皮送達を達する。いくつかの実施形態において、本発明は、角質層に透過するかまたは角質層を中断する積極的工程なしで提供される組成物の経皮送達を達する。
いくつかの実施形態において、本発明は、全身送達および/または効果を達成する提供される組成物の経皮送達を企図する。いくつかの実施形態において、本発明は、例えば、全身送達および/または効果を達成せずに、局所送達および/または効果を達成する提供される組成物の経皮送達を企図する。
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、皮膚に直接適用する。いくつかの実施形態において、適用する組成物は、表皮層を通過して吸収される。いくつかの実施形態において、提供される組成物は、化学的もしくは機械的皮膚透過促進剤またはアブレージョンを引き起こす他の薬剤を使用せずに角質層、真皮孔および/もしくは真皮腺を含む皮膚上層に浸透可能である。
いくつかの実施形態において、本発明は、提供される組成物を表皮および/または真皮構造に特異的に送達する方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態において、提供される組成物は、皮下構造へ有意に送達せずに表皮および/または真皮構造に特異的に送達される。いくつかの実施形態において、対象の皮膚に投与する提供される組成物の約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約85%超、約90%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、約99%超、約99.5%超、または約100%が表皮および/または真皮に特異的に送達される。いくつかの実施形態において、対象の皮膚に投与する提供される組成物の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満が皮下構造に送達される。
いくつかの実施形態において、表皮および/または真皮構造への特異的な送達は、皮下構造への送達を達するために使用される領域あたり用量未満の適量の提供される組成物を介して達する。例えば、いくつかの実施形態において、提供される組成物容量は、より広域表面積に適用する;いくつかの実施形態において、単位容量あたり組成物の低量の提供される組成物を含む提供される組成物が、皮下構造への送達を達するために使用されるものよりも使用される;いくつかの実施形態において、提供される組成物の皮膚内透過は、低下する(例えば、透過阻害剤ならびに/または成分比率、成分識別等、およびそれらの組み合わせ等の提供される組成物の特徴の調節との組み合わせを介して)。いくつかの実施形態において、かかる低用量は、皮下構造への送達を少なくとも約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約100倍、または約100倍を超えて、低く達するために使用される領域あたり用量である。
併用療法
本発明によれば、提供される組成物は、1つまたは複数の他の活性剤および/または治療モダリティ(既知の治療薬および/または独立して活性である生物学的に活性な薬剤等)と組み合わせて投与し得る。いくつかの実施形態において、提供される組成物としては、1つまたは複数のかかる他の活性剤が挙げられる;いくつかの実施形態において、かかる他の活性剤は、異なる組成物の一部として提供される。いくつかの実施形態において、併用療法は2つ以上の異なる活性剤および/または治療モダリティの単回もしくは複数回用量または単位の同時投与に関与する;いくつかの実施形態において、併用療法は、2つ以上の異なる活性剤および/または治療モダリティ、例えば、重複投与レジメンを介する同時曝露に関与する。
いくつかの実施形態において、提供される組成物は、例えば関連疾患、障害および/または状態の文脈において本明細書に論じられるように、関連皮膚または他の疾患、障害および/もしくは状態の処置に有用な1つもしくは複数の他の活性剤を含むかまたはそれらと組み合わせて投与する。
キット
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明による提供される組成物を含む薬学的パックまたはキットを提供する。ある実施形態において、薬学的パックまたはキットは、必要に応じて医薬組成物の1つまたは複数の追加成分で満たされた1つまたは複数の容器内に提供される組成物を含む、調製物または医薬組成物を備える。ある実施形態において、薬学的パックまたはキットは、併用療法において使用するための追加の承認治療薬(例えば、座瘡を処置するための過酸化ベンゾイル;多汗症を処置するためのアルミニウム化合物;等)を備える。医薬製品の製造、使用または販売を規制している行政機関によって定められた形式の警告が、必要に応じてかかる容器(1つまたは複数)に添付され得、その警告は、製造、使用または販売に関する機関による、ヒトへの投与に対する承認を反映するものである。
治療用試薬を含むキットが提供される。非限定的なほんの一例として、提供される組成物は、局所用製剤として提供して、治療として投与できる。状態または障害を呈しているかまたはそのリスクのある個体、例えば、皮膚の真皮レベルに関連する個体に投与するための薬学的用量またはそれについての指示書が、キットの中に提供され得る。
いくつかの実施形態において、キットは、(i)提供される組成物;および(ii)少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤;および必要に応じて(iii)皮膚に投与するための少なくとも1つの注射器、スパーテル、スワブ;ならびに(iv)使用説明書を備え得る。
いくつかの実施形態において、キットは、(i)提供される組成物;および(ii)少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤;および必要に応じて(iii)注射機器(例えば、注射器および針);ならびに(iv)使用説明書を備え得る。
以下の代表的な実施例は、本発明の説明に役立つように意図されたものであり、本発明の範囲を限定すると意図されず、そのように解釈されるべきではない。実際に、本明細書に示され、記載されるものに加えて、本発明の様々な改変および多くのさらなるその実施形態が、以下の実施例、ならびに本明細書で引用される科学文献および特許文献の参照を含むこの文書の全内容から当業者に対して明らかになるであろう。以下の実施例は、情報、例証および指導を含み、様々な実施形態およびその均等物において本発明の実施に適合することができる。
例示的なボツリヌスナノ粒子組成物
本実施例は、本発明による使用用の例示的なボツリヌス毒素ナノ粒子組成物を示す。
例示的なエンプティナノ粒子組成物
本実施例は、本発明による使用用の例示的なエンプティナノ粒子組成物を示す。
例示的なボツリヌスナノ粒子組成物
本実施例は、本発明による使用用の例示的なボツリヌス毒素ナノ粒子組成物を示す。
例示的なエンプティナノ粒子組成物
本実施例は、本発明による使用用の例示的なエンプティナノ粒子組成物を示す。
ナノ粒子組成物中の油に対する界面活性物質の比率
本実施例は、提供される組成物および/またはその個々の成分の皮膚全体の透過度は、ナノ粒子組成物の成形に使用される油に対する界面活性物質の各種比率によって制御し得るという発見を示す。マウスモデルにおけるナノ粒子組成物中のA型ボツリヌス毒素の局所適応の例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A)界面活性物質:油の比率1.0:3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、25.8gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物である処置
(B)界面活性物質:油の比率1.5:2.56gの1349オイル、3.84gのTween-80、25.8gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物である処置ならびに
(C)界面活性物質:油の比率1.75:2.32gの1349オイル、4.08gのTween-80、25.8gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物である処置。
各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量ペムレンと併合した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=9)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。
処置から11日後、マウスを屠殺し、処置肢の腓腹筋をばらばらにし、冷イソペンタン中に保持した。アセチルコリンエステラーゼの存在下で染色するまで組織を摂氏-80度で保存した。アセチルコリンエステラーゼにおいて陽性染色した神経末端を各組織試料において計数した。陽性染色は、ボツリヌスは神経末端に対する薬理作用を有したことを示した。
結果は、処置Bにおいて計数した神経末端数(67)は処置A(35)より91%高く、処置C(50)より34%高かったことを示した。したがって、いくつかの実施形態において、油に対する界面活性物質の比率1.5が、より低いまたは高い比率と比べて、提供される組成物および/またはその個々の成分の経皮透過において望ましい。
ナノ粒子組成物中の油の識別
本実施例は、提供される組成物および/またはその個々の成分の皮膚全体の透過度は、ナノ粒子組成物の成形に使用される各種油のタイプによって制御し得るという発見を示す。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応による染色したアセチルコリンエステラーゼ(ACE)の有意な増大を証拠とするように、ナノエマルション組成物に使用されるある油によって、他の油より透過度が高くなることが見出された。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応の例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A)油が、ダイズ油:1.6gダイズ油、1.6gのTween-80、13.8gの0.05%アルブミン含有0.9%食塩水、2.125gのゼラチンリン酸緩衝液、および0.875gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置
(B)油が、1349オイル:1.6gの1349オイル、1.6gのTween-80、13.8gの0.05%アルブミン含有0.9%食塩水、2.125gのゼラチンリン酸緩衝液、および0.875gのボツリヌス毒素を含むナノ粒子組成物を含む処置。
各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量ペムレンと併合した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=8)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。
処置から11日後、マウスを屠殺し、処置肢の腓腹筋をばらばらにし、冷イソペンタン中に保持した。アセチルコリンエステラーゼの存在下で染色するまで組織を摂氏-80度で保存した。アセチルコリンエステラーゼにおいて陽性染色した神経末端を各組織試料において計数した。陽性染色は、ボツリヌスは神経末端に対する薬理作用を有したことを示した。
結果は、処置Bにおいて計数した神経末端数(36)は処置A(28)より29%高かったことを示した。したがって、いくつかの実施形態において、1349オイルは、ダイズ油と比べて、提供される組成物および/またはその個々の成分の経皮透過において望ましい。
ナノ粒子組成物中の界面活性物質の識別
本実施例は、提供される組成物および/またはその個々の成分の皮膚全体の透過度は、ナノ粒子組成物の成形に使用される各種界面活性物質タイプによって制御し得るという発見を示す。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応による染色したアセチルコリンエステラーゼ(ACE)の有意な増大を証拠とするように、ナノエマルションに使用されるある界面活性物質によって、他の界面活性物質より透過度が高くなることが見出された。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応の例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A)界面活性物質が、Tween80:2.4gの1349オイル、2.4gのTween-80、22.68gの0.05%アルブミン含有0.9%食塩水、および0.675gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置
(B)界面活性物質が、Super Refined Tween-80:2.4gの1349オイル、2.4gのSuper Refined Tween-80、22.68gの0.05%アルブミン含有0.9%食塩水、および0.675gボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置。
各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量のペムレンと併合した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=10)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。
処置から11日後、マウスを屠殺し、処置肢の腓腹筋をばらばらにし、冷イソペンタン中に保持した。アセチルコリンエステラーゼの存在下で染色するまで組織を摂氏-80度で保存した。アセチルコリンエステラーゼにおいて陽性染色した神経末端を各組織試料において計数した。陽性染色は、ボツリヌスは神経末端に対する薬理作用を有したことを示した。
結果は、処置Bにおいて計数した神経末端数(22)は処置A(17)より29%高かったことを示した。したがって、いくつかの実施形態において、Super Refined Tween-80は、Tween-80と比べて、ナノ粒子組成物および/またはその個々の成分の経皮透過用の望ましい界面活性物質である。
提供される組成物中の賦形剤の識別
本実施例は、提供される組成物および/またはその個々の成分の皮膚全体の透過度は、ナノ粒子組成物と混合する各種賦形剤(すなわち、形成された賦形剤との予備混合物であるナノ粒子組成物と混合する賦形剤)のタイプによって制御し得るという発見を示す。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応による染色したアセチルコリンエステラーゼ(ACE)の有意な増大を証拠とするように、ナノエマルションと組み合わせて使用されるある賦形剤によって、他の賦形剤より透過度が高くなることが見出された。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応の例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A)(i)ペムレンを含む賦形剤、ならびに(ii)3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、25.8gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置
(B)(i)脱イオン水、鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリン、乳化ワックス、EDTA、およびセトステアリルアルコール)を含む賦形剤、ならびに(ii)3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、25.8gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置。
各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量賦形剤と併合した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=9)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。
処置から11日後、マウスを屠殺し、処置肢の腓腹筋をばらばらにし、冷イソペンタン中に保持した。アセチルコリンエステラーゼの存在下で染色するまで組織を摂氏-80度で保存した。アセチルコリンエステラーゼにおいて陽性染色した神経末端を各組織試料において計数した。陽性染色は、ボツリヌスは神経末端に対する薬理作用を有したことを示した。
結果は、処置Bにおいて計数した神経末端数(72)は処置A(54)より33%高かったことを示した。したがって、いくつかの実施形態において、クリームベースの賦形剤は(例えば、EDTAおよびセトステアリルアルコールを用いて)、ペムレンと比べて、提供される組成物および/またはその個々の成分の経皮透過において望ましい。
提供される組成物中の賦形剤濃度
本実施例は、提供される組成物および/またはその個々の成分の皮膚全体の透過度は、ナノ粒子組成物(すなわち、形成された賦形剤との予備混合物であるナノ粒子組成物と混合する賦形剤)と混合する各種濃度の賦形剤によって制御し得るという発見を示す。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応による染色したアセチルコリンエステラーゼ(ACE)の有意な増大を証拠とするように、ナノエマルションと組み合わせて使用されるある濃度の賦形剤によって、他の濃縮物より透過度が高くなることが見出された。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応の例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A)(i)クリーム:水比率3:1を含む賦形剤、ならびに(ii)3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、25.8gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置
(B)(i)クリーム:水比率1:1を含む賦形剤、ならびに(ii)3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、25.8gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置
(C)(i)クリーム:脱イオン水比率1:3を含む賦形剤、ならびに(ii)3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、25.8gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置。
各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量クリーム/水混合物と併合した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=9)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。
処置から11日後、マウスを屠殺し、処置肢の腓腹筋をばらばらにし、冷イソペンタン中に保持した。アセチルコリンエステラーゼの存在下で染色するまで組織を摂氏-80度で保存した。アセチルコリンエステラーゼにおいて陽性染色した神経末端を各組織試料において計数した。陽性染色は、ボツリヌスは神経末端に対する薬理作用を有したことを示した。
結果は、処置Cにおいて計数した神経末端数(91)は処置B(52)より75%高く、処置A(55)より66%高かったことを示した。したがって、いくつかの実施形態において、低濃度の賦形剤は、高濃度の賦形剤と比べて、提供される組成物および/またはその個々の成分のより高程度の経皮透過に至る。
提供される組成物中の賦形剤における保存剤の識別
本実施例は、提供される組成物および/またはその個々の成分の皮膚全体の透過度は、ナノ粒子組成物と混合する各種保存剤(すなわち、形成された保存剤との予備混合物であるナノ粒子組成物と混合する保存剤)のタイプによって制御し得るという発見を示す。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応による染色したアセチルコリンエステラーゼ(ACE)の有意な増大を証拠とするように、ナノエマルションと組み合わせて使用されるある保存剤によって、他の保存剤より透過度が高くなることが見出された。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応の例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A)(i)ペムレンを含み、保存剤を添加しない賦形剤、ならびに(ii)3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、23.35gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物の混合物を含む処置
(B)(i)ペムレンを含み、保存剤(例えば、ベンジルアルコール)を添加する賦形剤、ならびに(ii)3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、23.35gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物の混合物を含む処置
(C)(i)ペムレンを含み、保存剤(例えば、パラベン)を添加する賦形剤、ならびに(ii)3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、23.35gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物の混合物を含む処置。
各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量ペムレン賦形剤(上記(i)に記載)と併合した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=9)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。
処置から11日後、マウスを屠殺し、処置肢の腓腹筋をばらばらにし、冷イソペンタン中に保持した。アセチルコリンエステラーゼの存在下で染色するまで組織を摂氏-80度で保存した。アセチルコリンエステラーゼにおいて陽性染色した神経末端を各組織試料において計数した。陽性染色は、ボツリヌスは神経末端に対する薬理作用を有したことを示した。
結果は、処置Cにおいて計数した神経末端数(72)は処置B(60)より20%高く、処置A(69)より4%高かったことを示した。したがって、いくつかの実施形態において、賦形剤としてパラベンを含む保存剤は、賦形剤としてパラベンを含まない保存剤と比べて提供される組成物および/またはその個々の成分のより高程度の経皮透過に至る。いくつかの実施形態において、賦形剤としてパラベンを含む保存剤は、保存剤としてのベンジルアルコールと比べて提供される組成物および/またはその個々の成分のより高程度の経皮透過に至る。
ナノ粒子組成物中のパラベン
本実施例は、提供される組成物および/またはその個々の成分の皮膚全体の透過度は、ナノ粒子組成物中にパラベンを含むことによって高まり得るという発見を示す。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応による染色したアセチルコリンエステラーゼ(ACE)の有意な増大を証拠とするように、ナノエマルションに使用されるパラベンによって、パラベンを含まない場合より透過度が高くなることが見出された。マウスモデルにおけるA型ボツリヌス毒素の局所適応の例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A)3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、25.8gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置 (B)3.2gの1349オイル、3.2gの0.2%パラベン含有Tween-80、25.8gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置。
各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に賦形剤として等量ペムレンと混合した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=9)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。
処置から11日後、マウスを屠殺し、処置肢の腓腹筋をばらばらにし、冷イソペンタン中に保持した。アセチルコリンエステラーゼの存在下で染色するまで組織を摂氏-80度で保存した。アセチルコリンエステラーゼにおいて陽性染色した神経末端を各組織試料において計数した。陽性染色は、ボツリヌスは神経末端に対する薬理作用を有したことを示した。
結果は、処置Bにおいて計数した神経末端数(93)は処置A(54)より72%高かったことを示した。したがって、いくつかの実施形態において、パラベンを含むナノ粒子組成物は、パラベンを含まないナノ粒子組成物と比べて提供される組成物および/またはその個々の成分のより高程度の経皮透過に至る。
ナノ粒子組成物中のボツリヌスホロ毒素
本実施例は、ボツリヌス毒素の皮膚全体の透過度は、ナノ粒子組成物中に(ボツリヌス毒素の複合体形態とは対照的に)ボツリヌス毒素のホロ毒素形態を用いることによって高まり得るという発見を示す。ナノエマルションに使用されるボツリヌスホロ毒素は、マウスモデルにおける毒素製剤の局所皮膚適応の測定した指外転スコア(DAS)のより良好および早い透過反応を証拠とするように透過度の高い毒素に至ることが見出された。マウスモデルにおけるボツリヌス毒素の局所適応の例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A)1.92gの1349オイル、2.88gのTween-80、19.2gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、0.81gのゼラチンリン酸緩衝液、および5.19gのA型ボツリヌス毒素複合体溶液(2.13×10-4nM)を含むナノ粒子組成物を含む処置
(B)1.92gの1349オイル、2.88gのTween-80、19.2gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、0.81gのゼラチンリン酸緩衝液、および5.19gのA型ボツリヌス毒素ホロ毒素溶液(2.13×10-4nM)を含むナノ粒子組成物を含む処置。
各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量クリームと併合した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=8)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。11日間処置後毎日、処置肢のDASを観察して記録した。
結果は、ホロ毒素含有処置Bで処置したマウスのピークDAS(DAS=4)は、毒素複合体含有処置A(DAS=1.5)の3倍高いことを示した。したがって、いくつかの実施形態において、A型ボツリヌスホロ毒素を含む調製物処置は、A型ボツリヌス複合体を含む調製物と比べて経皮透過達成に優れている。
ナノ粒子組成物中のゼラチン
本実施例は、提供される組成物および/またはその個々の成分の皮膚全体の透過度は、ウシ血清アルブミン(BSA)製のナノ粒子組成物および/またはナノ粒子組成物中に追加のタンパク質のないナノ粒子組成物製ではなく、ある濃度のゼラチン製のナノ粒子組成物を用いることによって高まり得るという発見を示す。ボツリヌス毒素がナノ粒子組成物に製剤化される場合、マウスモデルにおける毒素を含むナノ粒子組成物の局所皮膚適応における測定した指外転スコア(DAS)の増大を証拠とするように、ゼラチンの使用によって透過度の高い毒素に至ることが見出された。マウスモデルにおけるボツリヌス毒素の局所適応の例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A)ゼラチン0.026%:2.56gの1349オイル、3.84gのTween-80、25.6gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、6.4gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.6gのA型ボツリヌスホロ毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置
(B)ゼラチン0.036%:2.56gの1349オイル、3.84gのTween-80、25.6gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、6.4gのゼラチンリン酸緩衝液(処置Aにおける緩衝液中のゼラチン濃度1.38倍)、および1.6gのA型ボツリヌスホロ毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置
(C)ゼラチン0.056%:2.56gの1349オイル、3.84gのTween-80、25.6gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、6.4gのゼラチンリン酸緩衝液(処置Aにおける緩衝液中のゼラチン濃度2.15倍)、および1.6gのA型ボツリヌスホロ毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置
(D)ゼラチン0.00%:2.56gの1349オイル、3.84gのTween-80、25.6gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、6.4gのリン酸緩衝液、および1.6gのA型ボツリヌスホロ毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置
(E)ゼラチン0.00%:2.56gの1349オイル、3.84gのTween-80、25.6gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水および0.02%BSA、6.4gのリン酸緩衝液、および1.6gのA型ボツリヌスホロ毒素溶液を含むナノ粒子組成物を含む処置。
各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量クリームと併合した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=15)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。11日間処置後毎日、処置肢のDASを観察して記録した。
結果は、ホロ毒素含有処置Aで処置したマウスのピークDAS(DAS=3.5)は、処置B、CまたはD(DAS=2.3、2.2および2.6)よりそれぞれ52%、59%および35%高かったことを示した。処置Aも処置Eの4倍高かった(DAS=3.5対0.8)。したがって、いくつかの実施形態において、ゼラチン0.026%を含む調製物処置は、高量ゼラチンを含むおよび/またはゼラチンを含まない調製物と比べて経皮透過を達することが望ましい。いくつかの実施形態において、ゼラチンを含む調製物処置は、BSAを含む調製物と比べて経皮透過を達することが望ましい。
ボツリヌス毒素保存用のナノ粒子組成物
本実施例は、ボツリヌス毒素の生物学的活性は、それをナノ粒子組成物(例えば、ナノエマルション)の一部として保存することによって保持することができるという発見を示す。ナノエマルションは、マウスi.v.(静脈内注射)効力方法によって測定した冷温(2℃~8℃)で長時間に渡る毒素の生物学的活性維持を証拠とするように安定性に至ることが見出された。例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A)3.2gの1349オイル、3.2gのTween-80、23.35gの0.9%食塩水、6.0gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.8gのボツリヌス毒素溶液を含むナノ粒子組成物。
各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、2℃~8℃で数ヶ月間保存した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=9)に使用した。マウスを無作為に治療群に割り当てた。総処置容量200μLをマウス尾静脈に注射した。マウスを次の8時間に渡り観察して、死亡時刻を記録した。
結果は、12ヶ月間に渡り、ナノエマルションは活性であり、いずれの効力も欠失していないことを示した。したがって、いくつかの実施形態において、2℃~8℃で12ヶ月間ナノエマルションを保存することは、安定したボツリヌス毒素を維持する。
ボツリヌス毒素の凍結保存用のナノ粒子組成物
本実施例は、ボツリヌス毒素の生物学的活性は、それを凍結状態で保存することができるナノ粒子組成物(例えば、ナノエマルション)の一部として保存することによって保持することができるという発見を示す。ナノエマルションは凍結可能であり、さらに、非変異DASスコアの維持を証拠とするように、1、2および3サイクルの凍結/融解プロセス後の局所皮膚適応から非凍結ナノエマルションの生物学的活性および経皮透過特性を保持することが見出された。例示的な結果を以下に示す。
処置には、以下が含まれた。
(A~D)5.76gの1349オイル、8.64gの0.2%パラベン含有Tween-80、57.6gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、13.5gのゼラチンリン酸緩衝液、および4.5gのA型ボツリヌスホロ毒素溶液を含むナノ粒子組成物。各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量クリームと併合した。
処置Aは、凍結/融解サイクルを有さなかった
処置Bは、1サイクルの凍結/融解サイクルを有した
処置Cは、2サイクルの凍結/融解サイクルを有した
処置Dは、3サイクルの凍結/融解サイクルを有した
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=10)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。11日間処置後毎日、処置肢のDASを観察して記録した。
結果は、ホロ毒素含有処置A、凍結/融解サイクルなし(DAS=4.0)、処置B、1サイクルの凍結/融解(DAS=4.0)、処置C、2サイクルの凍結/融解(DAS=3.9)および処置D、3サイクルの凍結/融解(DAS=4.0)で処置したマウスのピークDASを示した。したがって、いくつかの実施形態において、0、1、2および3サイクルの凍結/融解プロセス後の調製物処置は、DASスコアに影響を及ぼさないおよび/または同等の生物学的活性および経皮透過を保持する。
さらに、徐々に凍結したもの対瞬間凍結したものの処置間のマウスモデルにおける局所皮膚適応から測定したDASスコアを証拠とするように、ナノ粒子組成物用のある凍結技術は、ナノエマルションの生物学的活性維持において他より効果的であったことが見出された。例示的な結果を以下に示す。
全処置には、2.56gの1349オイル、3.84gの0.2%パラベン含有Tween-80、25.6gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、6.4gのゼラチンリン酸緩衝液、および1.6gのA型ボツリヌスホロ毒素溶液を含むナノ粒子組成物が含まれた。各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量クリームと併合した。処置Aを-70℃で徐々に凍結;処置Bを-196℃に瞬間凍結してから、-70℃で保存した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=20)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。11日間処置後毎日、処置肢のDASを観察して記録した。
結果は、処置Aで処置したマウスのピークDAS(DAS=1.6)は、処置Bで処置したマウス(DAS=0.9)より78%高かったことを示した。したがって、いくつかの実施形態において、ナノエマルション調製物を徐々に凍結することは、処置の瞬間凍結と比べて、ナノエマルションの生物学的活性維持において望ましい。
ナノエマルション送達系
本実施例は、ある提供される組成物は、他より良好な組織浸透能を有したという発見を示す。表22は、優良な組織浸透能を有する例示的なナノエマルション製剤を示す。表8に示すナノエマルション製剤成分は、重量(g)およびパーセンテージ(%)によって標準化されている。
局所化学的に神経を麻痺させる薬剤(ケモ・ディーナベイティング:chemodenervatingのagent)の効力を評価する皮下DAS方法
本実施例は、齧歯類の肢の皮下(s.c.)組織内に組成物を注射し、観察した指外転スコア(DAS)を用いて、肢麻痺度を測定することによって提供される組成物(例えば、局所ボツリヌス製剤)の効力の検査方法の発見を示す。
局所化学的に神経を麻痺させる薬剤(ケモ・ディーナベイティング)の生体効力評価は、独特な投与を示す。本発明は、マウスs.c.方法によって標準曲線を用いて微量(例えば、1 LD50単位未満)のボツリヌス毒素試料を測定することができる方法を包含する。本発明者らの知る限り、この方法は、in vivoおよび非溶液マトリックス試料中の毒素効力(例えば、ナノエマルション/ローション製剤中毒素)を測定する今日まで入手可能な最も感受性の方法である。この方法は、毒素効力の決定、提供される組成物の製剤の最適化、ならびに溶液、エマルションおよびクリームが挙げられるが、これらに限定されない様々な文脈における提供される組成物の安定性評価に有用である。
全処置には、0.9%食塩水含有20%ゼラチンリン酸緩衝液で希釈したA型ボツリヌスホロ毒素が含まれた。処置A=0.100U/用量、処置B=0.170U/用量、処置C=0.290U/用量、処置D=0.500U/用量および処置E=0.850U/用量。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=8)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。総処置容量50μLをマウス後肢s.c.組織内注射してDAS反応を起こした。4日間処置後毎日、処置肢のDASを観察して記録した。
結果は、ホロ毒素含有処置で処置したマウスのピークDASを示した。注射から用量/反応曲線を生成した。処置A(DAS=0.63)、処置B(DAS=0.63)、処置C(DAS=2.13)、処置D(DAS=3.75)および処置E(DAS=4.0)。したがって、いくつかの実施形態において、s.c.注射は、溶液、エマルションおよびクリーム等の様々な製剤中の毒素効力を決定する上で有用であり得る。
局所化学的に神経を麻痺させる薬剤(ケモ・ディーナベイティング)の効力を評価する局所DAS方法
本実施例は、マウス肢の皮膚上に調製物を使用し、観察した指外転スコア(DAS)を用いて、肢麻痺度を測定することによって局所ボツリヌス調製物の効力検査方法の発見を示す。
局所化学的に神経を麻痺させる薬剤(ケモ・ディーナベイティング)の生体効力評価は、独特な投与を示す。本発明は、ボツリヌス毒素分子の皮膚全体の透過の測定方法を提供する。測定したナノエマルション送達系試料量をマウス皮膚(例えば、マウス腓筋を覆う皮膚)に適用し、DAS値を最大2週間に渡り測定した。マウス両肢DAS値は、皮膚全体に浸透した毒素分子の効果を反映し、したがって、局所送達系の効果を実証する。この方法は、毒素効力の決定、提供される組成物の製剤の最適化、ならびに溶液、エマルションおよびクリームが挙げられるが、これらに限定されない様々な文脈における提供される組成物の安定性評価に有用である。
全処置には、6.4gの1349オイル、9.6gの0.2%パラベン含有Tween-80、64.0gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、17.24gのゼラチンリン酸緩衝液、および2.76gのA型ボツリヌスホロ毒素が含まれた。各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量クリームと併合した。処置Aを+5℃で保存した;処置Bを-20℃で保存した;処置Cを-80℃で保存した;および処置Dを1サイクルの凍結/融解を伴う-80℃で保存した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=10)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。ケタミンおよびキシラジンを用いてマウスを麻酔した。右腓筋をそった。総処置容量50μLをそった腓筋の皮膚に適用し、見えなくなるまで皮膚にすり込んだ。11日間処置後毎日、処置肢のDASを観察して記録した。
結果は、以下のとおり5ヶ月間保存後の、ホロ毒素含有処置で処置したマウスのピークDASを示した。処置A、+5℃で保存(DAS=3.9)、処置B、-20℃で保存(DAS=3.8)、処置C、-80℃で保存(DAS=4.0)、および処置D、1サイクルの凍結/融解を伴う-80℃で保存した(DAS=4.0)。したがって、いくつかの実施形態において、+5℃、-20℃、-80℃および1サイクルの凍結/融解を伴う-80℃のいずれかで5ヶ月間保存後0日目からDAS効果は不変であった(すなわち、全調製物処置において、生物学的活性および経皮透過能が保持された)。
局所化学的に神経を麻痺させる薬剤(ケモ・ディーナベイティング)の効力を評価する静注致死時間方法
本実施例は、提供される組成物(例えば、局所ボツリヌス調製物)の効力は、齧歯類静脈内に組成物を注射し、平均および/または中心値致死時間を測定することによって試験することができるという発見を示す。
局所化学的に神経を麻痺させる薬剤(ケモ・ディーナベイティング)の生体効力評価は、独特な投与を示す。本発明は、マウス尾静脈IV(静注)注射および動物のTTD(致死時間)を介した毒素効力の測定方法を提供する。これらの方法に従い、毒素参照基準の標準曲線は、一連の用量レベルで確立される。試料効力は、試料群のTTDを用いた標準曲線から計数する。これらの方法は、毒素発酵、精製およびプロセス開発、安定性検査および放出する効力検査に有用である。
TTD(分)ならびに対数(用量)もしくはLn(用量)間の用量反応曲線の線形プロットは、良好な効力を決定するための線形回帰を生成することができる。いくつかの実施形態において、対数(TTD)および対数(用量)ならびにLn(TTD)およびLn(用量)はいずれも非対数/Ln(TTD)および(用量)と比べてより良好な線形回帰(すなわち、より良好なR2)を生成する。
全処置には、0.9%食塩水を含む20%ゼラチンリン酸緩衝液で希釈したA型ボツリヌスホロ毒素が含まれた。処置A=40U/用量、処置B=151U/用量、処置C=452U/用量、処置D=1395U/用量、処置E=4147U/用量、処置F=12441U/用量および処置G=37700U/用量。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=5)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。総処置容量200μLを各マウスの尾静脈内に静注し、死亡時刻を測定した。各マウスを注射後4時間観察した。
結果は、対数標準曲線は、非対数/Ln標準曲線は、下限線形回帰の相関関係0.3574を有するのに対して、線形回帰のR2相関関係0.9696を有し、Ln標準曲線は、線形回帰の相関関係0.9778を有することを示した。対数またはLn線形回帰を用いて、用量反応曲線をプロットして試料の効力を決定することができ、この方法は非対数的に変換した用量反応曲線に勝る。したがって、いくつかの実施形態において、この方法は、毒素発酵、精製およびプロセス開発、安定性検査および放出する効力検査において非常に有用であり得る。
局所化学的に神経を麻痺させる薬剤(ケモ・ディーナベイティング)の効力を評価する腹腔内LD50方法
本実施例は、提供される組成物(例えば、局所ボツリヌス調製物)の効力は、組成物をマウス腹膜内注射し、50%の処置動物が死亡するまでにかかる平均または中央値時間を測定することによって試験することができるという発見を示す。
局所化学的に神経を麻痺させる薬剤(ケモ・ディーナベイティング)の生体効力評価は、独特な投与を示す。本発明は、IP(腹腔内)注射測定によって、例えば、直接(すなわち、参照基準なしで)効力を評価する方法を提供する。これらの方法に従い、未知効力を有する各種希釈の一連の毒素試料をマウスに腹腔内注射し、72時間に渡りマウス死亡および生存の総数を記録する。死亡%および希釈のプロットは、試料の効力、LD50単位を産出できる。1 LD50は、72時間以内に50%動物を死亡させる(毒素の)致死用量である。通常の死亡%対対数(希釈)プロットの大きな変動性を抑えるため、より一貫して正確なLD50値のためにReedおよびMuench方法を使用することができる。
全処置には、6.4gの1349オイル、9.6gの0.2%パラベン含有Tween-80、64.0gの0.2%パラベン含有0.9%食塩水、17.24gのゼラチンリン酸緩衝液、および2.76gのA型ボツリヌスホロ毒素溶液が含まれた。各処置を22,000PSIにて微小流動化してナノ粒子を生成してから、マウスに適応前に等量クリーム賦形剤と混合した。処置を元の濃度から5濃度(処置A~E)に希釈して試験を実施した。処置Aは、1:7.5希釈要素を有した;処置Bは、1:10.0希釈要素を有した;処置Cは、1:13.5希釈要素を有した;処置Dは、1:18.0希釈要素を有した;および処置Eは、1:24.3希釈要素を有した。
マウス(18~24グラム)を各処置群(n=8)に使用した。マウスを各処置群に無作為に割り付けた。総処置容量200μLを各マウスに腹腔内注射した。5つの処置群から各マウスを注射後3日間観察して死亡および生存を記録した。
結果を計数して元の処置の効力を決定した。処置の名目上効力は8000U/mLであった;ReedおよびMuench IP方法を用いた実験データから効力を計数後、実際の効力は7828U/mLとなった。結論として、ReedおよびMuench IP方法は、参照基準なしでさえ正確な効力測定値を生成できる。
エンプティナノエマルション製剤(「組成物H」)の腋窩の発汗に対する効果を評価する臨床試験
試験設計概要
試験目的は、エマルションHが発汗減少において生物学的に活性であるかどうかを決定することであった。発汗過多であると確信しており、汗重量測定によって発汗過多が示された対象を選択した。一部の対象は潜在的に生物学的活性である製剤による処置を受け、一部の対象はプラセボ、すなわち水による処置を受けた。対象または治験責任医師のいずれも、対象の受ける処置を知らされなかった。
単処置から2週間後、対象を汗重量測定によって再評価し、汗減少度を決定した。処置群間の処置後汗産生を比べ、潜在的に生物学的活性である製剤による汗減少度を決定した。
試験対象登録/除外基準
試験は、以下の対象登録基準を使用した。
登録基準
・書面によるインフォームドコンセントを理解して提出することができる
・年齢18~70歳
・中等度~重度の原発性腋窩多汗症と診断される
・多汗症の疾患重症度スケールスコア≧3(HDSSスケールは、以下に記載する)
・重量によって測定時の5分間における1腋窩あたり≧50mgの汗産生
・試験経過中、市販の脱臭剤のみ使用するという意欲がある
・各試験来院前に脇の下をそるという意欲がある
・女性対象は、初回(「ベースライン」)試験施設来院時に尿妊娠試験陰性であり、泌乳期ではない必要がある
・患者は、治験責任医師によって全身健康良好と判断されており、試験評価を妨げ得るいずれの疾患も呈さないべきである
除外基準
・続発性多汗症(すなわち、甲状腺機能亢進症、癌、結核、マラリア、または他の感染等の別の病状による多汗症)と診断される
・腋窩における感染徴候
・医療処置を必要とする腋窩の皮膚病
・処置前14日間以内における処置領域に対する局所用薬剤適応
・ベースライン2週間前における20%塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・先の2週間における経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースラインの2日前における制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・先の9ヶ月間におけるボツリヌス毒素処置
・腋窩多汗症の外科治療歴
・ベースライン30日間以内に別の調査薬試験に参加しているかまたは任意の調査的処置(1つまたは複数)を受けている
・過去3年以内におけるアルコールまたは薬物乱用
・妊娠中または小児に授乳中の女性対象
・患者のインフォームドコンセント提出能を妨げる精神疾患
・腋窩脱毛剤、例えばNair(登録商標)、Veet(登録商標)の使用
・ベースライン1週間以内における腋窩脱毛(ワックスがけ、レーザー、電気分解治療)の使用
・何らかの理由により、プロトコルの必要条件を拒否するかまたは満たすことができない
処置および評価方法
臨床的来院
治験責任医師の試験施設への初回来院日を決める前、腋窩における制汗薬、局所用薬剤、または脱毛用製品の使用に関して潜在的参加者に質問した。除外基準を満たす対象は日程を組まなかった。潜在的参加者には、かかる製品を使用せず、ベースライン試験来院前に脇の下をそるよう指示した。
ベースライン試験来院時、試験の任意の態様に参加する前、各対象に口頭および書面の両方で試験の実施および結果について詳細に説明した。各対象は、対象が潜在的に試験に適任であるかどうかを決定するスクリーニング評価の実施前に書面によるインフォームドコンセント用紙に署名した。口頭スクリーニング評価および汗重量測定を実施して対象が登録基準を満たして、除外基準を満たさないかどうかを決定した。
多汗症の疾患重症度スケール
対象の生活を妨げる脇の下の発汗の現状レベルに関する説明に最適な1文を選択することによって対象の疾患重症度を明らかにする評価を行うように対象に求めた:
0=脇の下の発汗は目立たず、日常活動は一度も妨げられたことがない。
1=脇の下の発汗は目立つが、日常活動はめったに妨げられない。
2=脇の下の発汗には耐えられるが、日常活動が妨げられる場合がある。
3=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動が頻繁に妨げられる。
4=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
5=脇の下の発汗には耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
汗重量測定方法
対象の汗産生は、以下の手順にて重量によって測定した。
・対象を比較的一定の温度および湿度である部屋に少なくとも30分間入れた。
・対象に腋窩を完全に露出させ、腕を頭の上に楽においた状態で、半分横たわった位置で座らせた。
・綿ガーゼを用いて対象の腋窩を穏やかに乾燥させた。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、1枚の濾紙(直径90mm)を0.1mg感度の天秤の上に置き、その重量を記録した。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、測定した濾紙を腋窩の上に置き、それをポリ袋で覆い、そのポリ袋の縁を、低刺激性テープを用いて対象の皮膚に対して留め、そのポリ袋の周囲を密封した。
・5分後、治験責任医師は、対象の腋窩からテープとポリ袋をやさしく取り除き、次いで、鉗子を用いてすぐに濾紙を秤の上に置いて、その重量を記録した。次いで、秤を乾燥させ、ゼロで均衡化した。
・次いで、この測定を他方の腋窩で上記のように反復した。
処置適応
これを基準にして対象が処置に適任であった場合、対象を処置した。処置において、治験責任医師が手袋をはめた指で試験調製物の1つ(0.3mL/腋窩)を対象の腋窩の皮膚に局所適用した。エマルションHには、0.9%塩化ナトリウム洗浄液、USP、およびゼラチンリン酸緩衝液の他に19.2mgのLabrafac Lipophile WL1349および28.8mgのポリソルベート80、NFが含まれた。エマルションHエンプティナノ粒子組成物に含まれるナノ粒子の平均直径(例えば、粒径)は、約80.1nmであった。調製物は流出を避けるために漸増投与した。液体は消えるまですり込んだ。
処置後、処置当日の就寝直前にシャワーを浴びて、浴びながら腋窩を石鹸および水で洗浄するよう対象に指示した。対象に、以下の薬剤はいずれも使用しないよう指示した。
・試験経過における、腋窩に適用したボツリヌス毒素を含む製品
・試験経過における、局所塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・試験経過における、経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースライン来院の2日前および診療室来室の2日前、汗重量測定を実行時に処置から2週間後の制汗薬、脱臭剤、散剤、またはローションの使用。
・処置後1日間の制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・処置後5日間の処置領域に対する局所用薬剤の適用
・ベースライン30日間以内および試験経過中の調査薬または治療。
対象のフォローアップ診療室来室日を処置の2週間後に決めた。フォローアップ診療室来室時、処置と2週間後のフォローアップ診療室来室の間における使用すべきではない薬剤に関する説明を用いてコンプライアンスについて対象に質問した。対象がコンプライアンス不良の場合、対象を試験不適格とした。対象がコンプライアンス良好の場合、汗重量測定手順を用いて対象を再評価した。
処置結果および結論
試験は複数の試験施設で実施し、臨床試験の実施に関する基準に従って実行した。対象10例をエマルションHで処置した。処置の2週間後、各対象を汗重量測定によって再評価した。
平均して、エマルションH群の対象の汗産生は、処置の2週間後に汗重量測定によって測定したところ151mg低下していた。対して、プラセボ処置対象の汗産生は、汗重量測定によって測定したところ53mg低下していた。すなわち、エマルションH処置対象の汗産生低下率は、対照群の対象より286%高かった。
また、実験したエマルションHまたはプラセボのいずれかを投与した試験対象の何%の汗産生がベースライン来院時に測定したレベルと比較時に少なくとも30%低下するかも決定した。60%のエマルションH処置対象の汗産生が、ベースライン来院時レベルと比較時に少なくとも30%低下したことが見出された。これは、ベースライン来院時レベルと比較時に汗産生が少なくとも30%低下した対照群の対象は29%のみであることと対照的である。したがって、この評価によれば、エマルションH処置対象は、プラセボ処置対象より210%高い汗産生の低下効果を有していた。
これらのデータを考慮して、エマルションHは、(i)汗産生の低下において生物学的に活性である、(ii)制汗製剤である、および(iii)多汗症処置において効果的に使用し得ると結論される。
「エマルションV」ナノ粒子組成物の腋窩の発汗に対する効果を評価する臨床試験
試験設計概要
試験目的は、エマルションVが発汗減少において生物学的に活性であるかどうかを決定することであった。発汗過多であると確信しており、汗重量測定によって発汗過多が示された対象を選択した。一部の対象は潜在的に生物学的活性である製剤による処置を受け、一部の対象はプラセボ、すなわち水による処置を受けた。対象または治験責任医師のいずれも、対象の受ける処置を知らされなかった。
単処置から2週間後、対象を汗重量測定によって再評価し、汗減少度を決定した。処置群間の処置後汗産生を比べ、潜在的に生物学的活性である製剤による汗減少度を決定した。
試験対象登録/除外基準
試験は、以下の対象登録基準を使用した。
登録基準
・書面によるインフォームドコンセントを理解して提出することができる
・年齢18~70歳
・中等度~重度の原発性腋窩多汗症と診断される
・多汗症の疾患重症度スケールスコア≧3(HDSSスケールは、以下に記載する)
・重量によって測定時の5分間における1腋窩あたり≧50mgの汗産生
・試験経過中、市販の脱臭剤のみ使用するという意欲がある
・各試験来院前に脇の下をそるという意欲がある
・女性対象は、初回(「ベースライン」)試験施設来院時に尿妊娠試験陰性であり、泌乳期ではない必要がある
・患者は、治験責任医師によって全身健康良好と判断されており、試験評価を妨げ得るいずれの疾患も呈さないべきである
除外基準
・続発性多汗症(すなわち、甲状腺機能亢進症、癌、結核、マラリア、または他の感染等の別の病状による多汗症)と診断される
・腋窩における感染徴候
・医療処置を必要とする腋窩の皮膚病
・処置前14日間以内における処置領域に対する局所用薬剤適応
・ベースライン2週間前における20%塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・先の2週間における経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースラインの2日前における制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・先の9ヶ月間におけるボツリヌス毒素処置
・腋窩多汗症の外科治療歴
・ベースライン30日間以内に別の調査薬試験に参加しているかまたは任意の調査的処置(1つまたは複数)を受けている
・過去3年以内におけるアルコールまたは薬物乱用
・妊娠中または小児に授乳中の女性対象
・患者のインフォームドコンセント提出能を妨げる精神疾患
・腋窩脱毛剤、例えばNair(登録商標)、Veet(登録商標)の使用
・ベースライン1週間以内における腋窩脱毛(ワックスがけ、レーザー、電気分解治療)の使用
・何らかの理由により、プロトコルの必要条件を拒否するかまたは満たすことができない
処置および評価方法
臨床的来院
治験責任医師の試験施設への初回来院日を決める前、腋窩における制汗薬、局所用薬剤、または脱毛用製品の使用に関して潜在的参加者に質問した。除外基準を満たす対象は日程を組まなかった。潜在的参加者には、かかる製品を使用せず、ベースライン試験来院前に脇の下をそるよう指示した。
ベースライン試験来院時、試験の任意の態様に参加する前、各対象に口頭および書面の両方で試験の実施および結果について詳細に説明した。各対象は、対象が潜在的に試験に適任であるかどうかを決定するスクリーニング評価の実施前に書面によるインフォームドコンセント用紙に署名した。口頭スクリーニング評価および汗重量測定を実施して対象が登録基準を満たして、除外基準を満たさないかどうかを決定した。
多汗症の疾患重症度スケール
対象の生活を妨げる脇の下の発汗の現状レベルに関する説明に最適な1文を選択することによって対象の疾患重症度を明らかにする評価を行うように対象に求めた。
0=脇の下の発汗は目立たず、日常活動は一度も妨げられたことがない。
1=脇の下の発汗は目立つが、日常活動はめったに妨げられない。
2=脇の下の発汗には耐えられるが、日常活動が妨げられる場合がある。
3=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動が頻繁に妨げられる。
4=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
5=脇の下の発汗には耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
汗重量測定方法
対象の汗産生は、以下の手順にて重量によって測定した。
・対象を比較的一定の温度および湿度である部屋に少なくとも30分間入れた。
・対象に腋窩を完全に露出させ、腕を頭の上に楽においた状態で、半分横たわった位置で座らせた。
・綿ガーゼを用いて対象の腋窩を穏やかに乾燥させた。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、1枚の濾紙(直径90mm)を0.1mg感度の天秤の上に置き、その重量を記録した。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、測定した濾紙を腋窩の上に置き、それをポリ袋で覆い、そのポリ袋の縁を、低刺激性テープを用いて対象の皮膚に対して留め、そのポリ袋の周囲を密封した。
・5分後、治験責任医師は、対象の腋窩からテープとポリ袋をやさしく取り除き、次いで、鉗子を用いてすぐに濾紙を秤の上に置いて、その重量を記録した。次いで、秤を乾燥させ、ゼロで均衡化した。
・次いで、この測定を他方の腋窩で上記のように反復した。
処置適応
これを基準にして対象が処置に適任であった場合、対象を処置した。処置において、治験責任医師が手袋をはめた指で試験調製物の1つ(0.3mL/腋窩)を対象の腋窩の皮膚に局所適用した。エマルションVには、乳化ワックス、ゼラチンリン酸緩衝液、ミリスチン酸イソプロピル、Labrafac Lipophile、メチルパラベン、鉱油重粘度範囲、ポリソルベート80、プロピルパラベン、精製水、塩化ナトリウム注射液、および白色ワセリンが含まれた。すべての成分は、NFまたはUSPグレードのいずれかである。エマルションVエンプティナノ粒子組成物に含まれるナノ粒子の平均直径(例えば、粒径)は、約77.1nmであった。調製物は流出を避けるために漸増投与した。液体は消えるまですり込んだ。
処置後、処置当日の就寝直前にシャワーを浴びて、浴びながら腋窩を石鹸および水で洗浄するよう対象に指示した。対象に、以下の薬剤はいずれも使用しないよう指示した。
・試験経過における、腋窩に適用したボツリヌス毒素を含む製品
・試験経過における、局所塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・試験経過における、経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースライン来院の2日前および診療室来室の2日前、汗重量測定を実行時に処置から2週間後の制汗薬、脱臭剤、散剤、またはローションの使用。
・処置後1日間の制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・処置から5日後、処置領域に対する局所用薬剤の適用
・ベースライン30日間以内および試験経過中の調査薬または治療。
対象のフォローアップ診療室来室日を処置の2週間後に決めた。フォローアップ診療室来室時、処置と2週間後のフォローアップ診療室来室の間における使用すべきではない薬剤に関する説明を用いてコンプライアンスについて対象に質問した。対象がコンプライアンス不良の場合、対象を試験不適格とした。対象がコンプライアンス良好の場合、汗重量測定手順を用いて対象を再評価した。
処置結果および結論
試験は複数の試験施設で実施し、臨床試験の実施に関する基準に従って実行した。対象10例をエマルションVで処置した。処置の2週間後、各対象を汗重量測定によって再評価した。
平均して、エマルションV群の対象の汗産生は、処置の2週間後に汗重量測定によって測定したところ151mg低下していた。対して、プラセボ処置対象の汗産生は、汗重量測定によって測定したところ53mg低下していた。すなわち、エマルションV処置対象の汗産生低下率は、対照群の対象より286%高かった。
また、実験したエマルションVまたはプラセボのいずれかを投与した試験対象の何%の汗産生がベースライン来院時に測定したレベルと比較時に少なくとも30%低下するかも決定した。60%のエマルションV処置対象の汗産生が、ベースライン来院時レベルと比較時に少なくとも30%低下したことが見出された。これは、ベースライン来院時レベルと比較時に汗産生が少なくとも30%低下した対照群の対象は29%のみであることと対照的である。したがって、この評価によれば、エマルションV処置対象は、プラセボ処置対象より210%高い汗産生の低下効果を有していた。
これらのデータを考慮して、エマルションVは、(i)汗産生の低下において生物学的に活性である、(ii)制汗製剤である、および(iii)多汗症処置において効果的に使用し得ると結論される。
ポリソルベート80の腋窩の発汗に対する効果を評価する臨床試験
試験設計概要
試験目的は、ポリソルベート80が発汗減少において生物学的に活性であるかどうかを決定することであった。発汗過多であると確信しており、汗重量測定によって発汗過多が示された対象を選択した。一部の対象は潜在的に生物学的活性である物質による処置を受け、一部の対象はプラセボ、すなわち水による処置を受けた。対象または治験責任医師のいずれも、対象の受ける処置を知らされなかった。
単処置から2週間後、対象を汗重量測定によって再評価し、汗減少度を決定した。処置群間の処置後汗産生を比べ、潜在的に生物学的活性である物質による汗減少度を決定した。
試験対象登録/除外基準
試験は、以下の対象登録基準を使用した。
登録基準
・書面によるインフォームドコンセントを理解して提出することができる
・年齢18~70歳
・中等度~重度の原発性腋窩多汗症と診断される
・多汗症の疾患重症度スケールスコア≧3(HDSSスケールは、以下に記載する)
・重量によって測定時の5分間における1腋窩あたり≧50mgの汗産生
・試験経過中、市販の脱臭剤のみ使用するという意欲がある
・各試験来院前に脇の下をそるという意欲がある
・女性対象は、初回(「ベースライン」)試験施設来院時に尿妊娠試験陰性であり、泌乳期ではない必要がある
・患者は、治験責任医師によって全身健康良好と判断されており、試験評価を妨げ得るいずれの疾患も呈さないべきである
除外基準
・続発性多汗症(すなわち、甲状腺機能亢進症、癌、結核、マラリア、または他の感染等の別の病状による多汗症)と診断される
・腋窩における感染徴候
・医療処置を必要とする腋窩の皮膚病
・処置前14日間以内における処置領域に対する局所用薬剤適応
・ベースライン2週間前における20%塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・先の2週間における経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースラインの2日前における制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・先の9ヶ月間におけるボツリヌス毒素処置
・腋窩多汗症の外科治療歴
・ベースライン30日間以内に別の調査薬試験に参加しているかまたは任意の調査的処置(1つまたは複数)を受けている
・過去3年以内におけるアルコールまたは薬物乱用
・妊娠中または小児に授乳中の女性対象
・患者のインフォームドコンセント提出能を妨げる精神疾患
・腋窩脱毛剤、例えばNair(登録商標)、Veet(登録商標)の使用
・ベースライン1週間以内における腋窩脱毛(ワックスがけ、レーザー、電気分解治療)の使用
・何らかの理由により、プロトコルの必要条件を拒否するかまたは満たすことができない
処置および評価方法
臨床的来院
治験責任医師の試験施設への初回来院日を決める前、腋窩における制汗薬、局所用薬剤、または脱毛用製品の使用に関して潜在的参加者に質問した。除外基準を満たす対象は日程を組まなかった。潜在的参加者には、かかる製品を使用せず、ベースライン試験来院前に脇の下をそるよう指示した。
ベースライン試験来院時、試験の任意の態様に参加する前、各対象に口頭および書面の両方で試験の実施および結果について詳細に説明した。各対象は、対象が潜在的に試験に適任であるかどうかを決定するスクリーニング評価の実施前に書面によるインフォームドコンセント用紙に署名した。口頭スクリーニング評価および汗重量測定を実施して対象が登録基準を満たして、除外基準を満たさないかどうかを決定した。
多汗症の疾患重症度スケール
対象の生活を妨げる脇の下の発汗の現状レベルに関する説明に最適な1文を選択することによって対象の疾患重症度を明らかにする評価を行うように対象に求めた:
0=脇の下の発汗は目立たず、日常活動は一度も妨げられたことがない。
1=脇の下の発汗は目立つが、日常活動はめったに妨げられない。
2=脇の下の発汗には耐えられるが、日常活動が妨げられる場合がある。
3=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動が頻繁に妨げられる。
4=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
5=脇の下の発汗には耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
汗重量測定方法
対象の汗産生は、以下の手順にて重量によって測定した。
・対象を比較的一定の温度および湿度である部屋に少なくとも30分間入れた。
・対象に腋窩を完全に露出させ、腕を頭の上に楽においた状態で、半分横たわった位置で座らせた。
・綿ガーゼを用いて対象の腋窩を穏やかに乾燥させた。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、1枚の濾紙(直径90mm)を0.1mg感度の天秤の上に置き、その重量を記録した。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、測定した濾紙を腋窩の上に置き、それをポリ袋で覆い、そのポリ袋の縁を、低刺激性テープを用いて対象の皮膚に対して留め、そのポリ袋の周囲を密封した。
・5分後、治験責任医師は、対象の腋窩からテープとポリ袋をやさしく取り除き、次いで、鉗子を用いてすぐに濾紙を秤の上に置いて、その重量を記録した。次いで、秤を乾燥させ、ゼロで均衡化した。
・次いで、この測定を他方の腋窩で上記のように反復した。
処置適応
これを基準にして対象が処置に適任であった場合、対象を処置した。処置において、治験責任医師が手袋をはめた指で試験調製物の1つ(0.3mL/腋窩)を対象の腋窩の皮膚に局所適用した。調製物は流出を避けるために漸増投与した。液体は消えるまですり込んだ。潜在的に生物学的に活性な物質による処置を有することを選択した各対象は、14.34mgのポリソルベート80を各腋窩に適用した。
処置後、処置当日の就寝直前にシャワーを浴びて、浴びながら腋窩を石鹸および水で洗浄するよう対象に指示した。対象に、以下の薬剤はいずれも使用しないよう指示した。
・試験経過における、腋窩に適用したボツリヌス毒素を含む製品
・試験経過における、局所塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・試験経過における、経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースライン来院の2日前および診療室来室の2日前、汗重量測定を実行時に処置から2週間後の制汗薬、脱臭剤、散剤、またはローションの使用。
・処置後1日間の制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・処置後5日間の処置領域に対する局所用薬剤の適用
・ベースライン30日間以内および試験経過中の調査薬または治療。
対象のフォローアップ診療室来室日を処置の2週間後に決めた。フォローアップ診療室来室時、処置と2週間後のフォローアップ診療室来室の間における使用すべきではない薬剤に関する説明を用いてコンプライアンスについて対象に質問した。対象がコンプライアンス不良の場合、対象を試験不適格とした。対象がコンプライアンス良好の場合、汗重量測定手順を用いて対象を再評価した。
処置結果および結論
試験は複数の試験施設で実施し、臨床試験の実施に関する基準に従って実行した。対象10例をポリソルベート80で処置した。処置の2週間後、各対象を汗重量測定によって再評価した。
平均して、ポリソルベート80群の対象の汗産生は、処置の2週間後に汗重量測定によって測定したところ159mg低下していた。対して、プラセボ処置対象の汗産生は、汗重量測定によって測定したところ53mg低下していた。すなわち、ポリソルベート80処置対象の汗産生低下率は、対照群の対象より300%高かった。
また、実験したポリソルベート80またはプラセボのいずれかを投与した試験対象の何%の汗産生がベースライン来院時に測定したレベルと比較時に少なくとも30%低下するかも決定した。80%のポリソルベート80処置対象の汗産生が、ベースライン来院時レベルと比較時に少なくとも30%低下したことが見出された。これは、ベースライン来院時レベルと比較時に汗産生が少なくとも30%低下した対照群の対象は29%のみであることと対照的である。したがって、この評価によれば、ポリソルベート80処置対象は、プラセボ処置対象より280%高い汗産生の低下効果を有していた。
これらのデータを考慮して、ポリソルベート80は、(i)汗産生の低下において生物学的に活性である、(ii)制汗物質である、および(iii)多汗症処置において効果的に使用し得ると結論される。
Labrafac(登録商標)脂溶性WL1349の腋窩の発汗に対する効果を評価する臨床試験
試験設計概要
試験目的は、Labrafac Lipophile WL1349が発汗減少において生物学的に活性であるかどうかを決定することであった。発汗過多であると確信しており、汗重量測定によって発汗過多が示された対象を選択した。一部の対象は潜在的に生物学的活性である物質による処置を受け、一部の対象はプラセボ、すなわち水による処置を受けた。対象または治験責任医師のいずれも、対象の受ける処置を知らされなかった。
単処置から2週間後、対象を汗重量測定によって再評価し、汗減少度を決定した。処置群間の処置後汗産生を比べ、潜在的に生物学的活性である物質による汗減少度を決定した。
試験対象登録/除外基準
以下の基準を使用して、対象を登録した。
登録基準
・書面によるインフォームドコンセントを理解して提出することができる
・年齢18~70歳
・中等度~重度の原発性腋窩多汗症と診断される
・多汗症の疾患重症度スケールスコア≧3(HDSSスケールは、以下に記載する)
・重量によって測定時の5分間における1腋窩あたり≧50mgの汗産生
・試験経過中、市販の脱臭剤のみ使用するという意欲がある
・各試験来院前に脇の下をそるという意欲がある
・女性対象は、初回(「ベースライン」)試験施設来院時に尿妊娠試験陰性であり、泌乳期ではない必要がある
・患者は、治験責任医師によって全身健康良好と判断されており、試験評価を妨げ得るいずれの疾患も呈さないべきである
除外基準
・続発性多汗症(すなわち、甲状腺機能亢進症、癌、結核、マラリア、または他の感染等の別の病状による多汗症)と診断される
・腋窩における感染徴候
・医療処置を必要とする腋窩の皮膚病
・処置前14日間以内における処置領域に対する局所用薬剤適応
・ベースライン2週間前における20%塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・先の2週間における経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースラインの2日前における制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・先の9ヶ月間におけるボツリヌス毒素処置
・腋窩多汗症の外科治療歴
・ベースライン30日間以内に別の調査薬試験に参加しているかまたは任意の調査的処置(1つまたは複数)を受けている
・過去3年以内におけるアルコールまたは薬物乱用
・妊娠中または小児に授乳中の女性対象
・患者のインフォームドコンセント提出能を妨げる精神疾患
・腋窩脱毛剤、例えばNair(登録商標)、Veet(登録商標)の使用
・ベースライン1週間以内における腋窩脱毛(ワックスがけ、レーザー、電気分解治療)の使用
・何らかの理由により、プロトコルの必要条件を拒否するかまたは満たすことができない
処置および評価方法
臨床的来院
治験責任医師の試験施設への初回来院日を決める前、腋窩における制汗薬、局所用薬剤、または脱毛用製品の使用に関して潜在的参加者に質問した。除外基準を満たす対象は日程を組まなかった。潜在的参加者には、かかる製品を使用せず、ベースライン試験来院前に脇の下をそるよう指示した。
ベースライン試験来院時、試験の任意の態様に参加する前、各対象に口頭および書面の両方で試験の実施および結果について詳細に説明した。各対象は、対象が潜在的に試験に適任であるかどうかを決定するスクリーニング評価の実施前に書面によるインフォームドコンセント用紙に署名した。口頭スクリーニング評価および汗重量測定を実施して対象が登録基準を満たして、除外基準を満たさないかどうかを決定した。
多汗症の疾患重症度スケール
対象の生活を妨げる脇の下の発汗の現状レベルに関する説明に最適な1文を選択することによって対象の疾患重症度を明らかにする評価を行うように対象に求めた:
0=脇の下の発汗は目立たず、日常活動は一度も妨げられたことがない。
1=脇の下の発汗は目立つが、日常活動はめったに妨げられない。
2=脇の下の発汗には耐えられるが、日常活動が妨げられる場合がある。
3=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動が頻繁に妨げられる。
4=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
5=脇の下の発汗には耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
汗重量測定方法
対象の汗産生は、以下の手順にて重量によって測定した。
・対象を比較的一定の温度および湿度である部屋に少なくとも30分間入れた。
・対象に腋窩を完全に露出させ、腕を頭の上に楽においた状態で、半分横たわった位置で座らせた。
・綿ガーゼを用いて対象の腋窩を穏やかに乾燥させた。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、1枚の濾紙(直径90mm)を0.1mg感度の天秤の上に置き、その重量を記録した。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、測定した濾紙を腋窩の上に置き、それをポリ袋で覆い、そのポリ袋の縁を、低刺激性テープを用いて対象の皮膚に対して留め、そのポリ袋の周囲を密封した。
・5分後、治験責任医師は、対象の腋窩からテープとポリ袋をやさしく取り除き、次いで、鉗子を用いてすぐに濾紙を秤の上に置いて、その重量を記録した。次いで、秤を乾燥させ、ゼロで均衡化した。
・次いで、この測定を他方の腋窩で上記のように反復した。
処置適応
これを基準にして対象が処置に適任であった場合、対象を処置した。処置において、治験責任医師が手袋をはめた指で試験調製物の1つ(0.3mL/腋窩)を対象の腋窩の皮膚に局所適用した。調製物は流出を避けるために漸増投与した。液体は消えるまですり込んだ。潜在的に生物学的に活性な物質による処置を有することを選択した各対象は、9.57mgのLabrafac Lipophile WL1349を各腋窩に適用した。
処置後、処置当日の就寝直前にシャワーを浴びて、浴びながら腋窩を石鹸および水で洗浄するよう対象に指示した。対象に、以下の薬剤はいずれも使用しないよう指示した。
・試験経過における、腋窩に適用したボツリヌス毒素を含む製品
・試験経過における、局所塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・試験経過における、経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースライン来院の2日前および診療室来室の2日前、汗重量測定を実行時に処置から2週間後の制汗薬、脱臭剤、散剤、またはローションの使用。
・処置後1日間の制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・処置後5日間の処置領域に対する局所用薬剤の適用
・ベースライン30日間以内および試験経過中の調査薬または治療。
対象のフォローアップ診療室来室日を処置の2週間後に決めた。フォローアップ診療室来室時、処置と2週間後のフォローアップ診療室来室の間における使用すべきではない薬剤に関する説明を用いてコンプライアンスについて対象に質問した。対象がコンプライアンス不良の場合、対象を試験不適格とした。対象がコンプライアンス良好の場合、汗重量測定手順を用いて対象を再評価した。
処置結果および結論
試験は複数の試験施設で実施し、臨床試験の実施に関する基準に従って実行した。対象10例をLabrafac Lipophile WL1349で処置した。処置の2週間後、各対象を汗重量測定によって再評価した。
平均して、Labrafac Lipophile WL1349群の対象の汗産生は、処置の2週間後に汗重量測定によって測定したところ165mg低下していた。対して、プラセボ処置対象の汗産生は、汗重量測定によって測定したところ53mg低下していた。すなわち、Labrafac Lipophile WL1349処置対象の汗産生低下率は、対照群の対象より313%高かった。
また、実験したLabrafac Lipophile WL1349またはプラセボのいずれかを投与した試験対象の何%の汗産生がベースライン来院時に測定したレベルと比較時に少なくとも30%低下するかも決定した。80%のLabrafac Lipophile WL1349処置対象の汗産生が、ベースライン来院時レベルと比較時に少なくとも30%低下したことが見出された。これは、ベースライン来院時レベルと比較時に汗産生が少なくとも30%低下した対照群の対象は29%のみであることと対照的である。したがって、この評価によれば、Labrafac Lipophile WL1349処置対象は、プラセボ処置対象より280%高い汗産生の低下効果を有していた。
これらのデータを考慮して、Labrafac Lipophile WL1349は、(i)汗産生の低下において生物学的に活性である、(ii)制汗物質である、および(iii)多汗症処置において効果的に使用し得ると結論される。
ミリスチン酸イソプロピルの腋窩の発汗に対する効果を評価する臨床試験
試験設計概要
試験目的は、ミリスチン酸イソプロピルが発汗減少において生物学的に活性であるかどうかを決定することであった。発汗過多であると確信しており、汗重量測定によって発汗過多が示された対象を選択した。一部の対象は潜在的に生物学的活性である物質による処置を受け、一部の対象はプラセボ、すなわち水による処置を受けた。対象または治験責任医師のいずれも、対象の受ける処置を知らされなかった。
単処置から2週間後、対象を汗重量測定によって再評価し、汗減少度を決定した。処置群間の処置後汗産生を比べ、潜在的に生物学的活性である物質による汗減少度を決定した。
試験対象登録/除外基準
以下の基準を使用して、対象を登録した。
登録基準
・書面によるインフォームドコンセントを理解して提出することができる
・年齢18~70歳
・中等度~重度の原発性腋窩多汗症と診断される
・多汗症の疾患重症度スケールスコア≧3(HDSSスケールは、以下に記載する)
・重量によって測定時の5分間における1腋窩あたり≧50mgの汗産生
・試験経過中、市販の脱臭剤のみ使用するという意欲がある
・各試験来院前に脇の下をそるという意欲がある
・女性対象は、初回(「ベースライン」)試験施設来院時に尿妊娠試験陰性であり、泌乳期ではない必要がある
・患者は、治験責任医師によって全身健康良好と判断されており、試験評価を妨げ得るいずれの疾患も呈さないべきである
除外基準
・続発性多汗症(すなわち、甲状腺機能亢進症、癌、結核、マラリア、または他の感染等の別の病状による多汗症)と診断される
・腋窩における感染徴候
・医療処置を必要とする腋窩の皮膚病
・処置前14日間以内における処置領域に対する局所用薬剤適応
・ベースライン2週間前における20%塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・先の2週間における経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースラインの2日前における制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・先の9ヶ月間におけるボツリヌス毒素処置
・腋窩多汗症の外科治療歴
・ベースライン30日間以内に別の調査薬試験に参加しているかまたは任意の調査的処置(1つまたは複数)を受けている
・過去3年以内におけるアルコールまたは薬物乱用
・妊娠中または小児に授乳中の女性対象
・患者のインフォームドコンセント提出能を妨げる精神疾患
・腋窩脱毛剤、例えばNair(登録商標)、Veet(登録商標)の使用
・ベースライン1週間以内における腋窩脱毛(ワックスがけ、レーザー、電気分解治療)の使用
・何らかの理由により、プロトコルの必要条件を拒否するかまたは満たすことができない
処置および評価方法
臨床的来院
治験責任医師の試験施設への初回来院日を決める前、腋窩における制汗薬、局所用薬剤、または脱毛用製品の使用に関して潜在的参加者に質問した。除外基準を満たす対象は日程を組まなかった。潜在的参加者には、かかる製品を使用せず、ベースライン試験来院前に脇の下をそるよう指示した。
ベースライン試験来院時、試験の任意の態様に参加する前、各対象に口頭および書面の両方で試験の実施および結果について詳細に説明した。各対象は、対象が潜在的に試験に適任であるかどうかを決定するスクリーニング評価の実施前に書面によるインフォームドコンセント用紙に署名した。口頭スクリーニング評価および汗重量測定を実施して対象が登録基準を満たして、除外基準を満たさないかどうかを決定した。
多汗症の疾患重症度スケール
対象の生活を妨げる脇の下の発汗の現状レベルに関する説明に最適な1文を選択することによって対象の疾患重症度を明らかにする評価を行うように対象に求めた:
0=脇の下の発汗は目立たず、日常活動は一度も妨げられたことがない。
1=脇の下の発汗は目立つが、日常活動はめったに妨げられない。
2=脇の下の発汗には耐えられるが、日常活動が妨げられる場合がある。
3=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動が頻繁に妨げられる。
4=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
5=脇の下の発汗には耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
汗重量測定方法
対象の汗産生は、以下の手順にて重量によって測定した。
・対象を比較的一定の温度および湿度である部屋に少なくとも30分間入れた。
・対象に腋窩を完全に露出させ、腕を頭の上に楽においた状態で、半分横たわった位置で座らせた。
・綿ガーゼを用いて対象の腋窩を穏やかに乾燥させた。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、1枚の濾紙(直径90mm)を0.1mg感度の天秤の上に置き、その重量を記録した。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、測定した濾紙を腋窩の上に置き、それをポリ袋で覆い、そのポリ袋の縁を、低刺激性テープを用いて対象の皮膚に対して留め、そのポリ袋の周囲を密封した。
・5分後、治験責任医師は、対象の腋窩からテープとポリ袋をやさしく取り除き、次いで、鉗子を用いてすぐに濾紙を秤の上に置いて、その重量を記録した。次いで、秤を乾燥させ、ゼロで均衡化した。
・次いで、この測定を他方の腋窩で上記のように反復した。
処置適応
これを基準にして対象が処置に適任であった場合、対象を処置した。処置において、治験責任医師が手袋をはめた指で試験調製物の1つ(0.3mL/腋窩)を対象の腋窩の皮膚に局所適用した。調製物は流出を避けるために漸増投与した。液体は消えるまですり込んだ。潜在的に生物学的に活性な物質による処置を有することを選択した各対象は、1.89mgのミリスチン酸イソプロピルを各腋窩に適用した。
処置後、処置当日の就寝直前にシャワーを浴びて、浴びながら腋窩を石鹸および水で洗浄するよう対象に指示した。対象に、以下の薬剤はいずれも使用しないよう指示した。
・試験経過における、腋窩に適用したボツリヌス毒素を含む製品
・試験経過における、局所塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・試験経過における、経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースライン来院の2日前および診療室来室の2日前、汗重量測定を実行時に処置から2週間後の制汗薬、脱臭剤、散剤、またはローションの使用。
・処置後1日間の制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・処置後5日間の処置領域に対する局所用薬剤の適用
・ベースライン30日間以内および試験経過中の調査薬または治療。
対象のフォローアップ診療室来室日を処置の2週間後に決めた。フォローアップ診療室来室時、処置と2週間後のフォローアップ診療室来室の間における使用すべきではない薬剤に関する説明を用いてコンプライアンスについて対象に質問した。対象がコンプライアンス不良の場合、対象を試験不適格とした。対象がコンプライアンス良好の場合、汗重量測定手順を用いて対象を再評価した。
処置結果および結論
試験は複数の試験施設で実施し、臨床試験の実施に関する基準に従って実行した。対象10例をミリスチン酸イソプロピルで処置した。処置の2週間後、各対象を汗重量測定によって再評価した。
平均して、ミリスチン酸イソプロピル群の対象の汗産生は、処置の2週間後に汗重量測定によって測定したところ103mg低下していた。対して、プラセボ処置対象の汗産生は、汗重量測定によって測定したところ53mg低下していた。すなわち、ミリスチン酸イソプロピル処置対象は、汗産生の低下が対照群の対象より195%高かった。
また、実験したミリスチン酸イソプロピルまたはプラセボのいずれかを投与した試験対象の何%の汗産生がベースライン来院時に測定したレベルと比較時に少なくとも30%低下するかも決定した。55%のミリスチン酸イソプロピル処置対象の汗産生が、ベースライン来院時レベルと比較時に少なくとも30%低下したことが見出された。これは、ベースライン来院時レベルと比較時に汗産生が少なくとも30%低下した対照群の対象は29%のみであることと対照的である。したがって、この評価によれば、ミリスチン酸イソプロピル処置対象の汗産生の低下効果は、プラセボ処置対象のそれより191%高い。
これらのデータを考慮して、ミリスチン酸イソプロピルは、(i)汗産生の低下において生物学的に活性である、(ii)制汗物質である、および(iii)多汗症処置において効果的に使用し得ると結論される。
プロピルパラベンの腋窩の発汗に対する効果を評価する臨床試験
試験設計概要
試験目的は、プロピルパラベンが発汗減少において生物学的に活性であるかどうかを決定することであった。発汗過多であると確信しており、汗重量測定によって発汗過多が示された対象を選択した。一部の対象は潜在的に生物学的活性である物質による処置を受け、一部の対象はプラセボ、すなわち水による処置を受けた。対象または治験責任医師のいずれも、対象の受ける処置を知らされなかった。
単処置から2週間後、対象を汗重量測定によって再評価し、汗減少度を決定した。処置群間の処置後汗産生を比べ、潜在的に生物学的活性である物質による汗減少度を決定した。
試験対象登録/除外基準
以下の基準に基づき、対象を試験に登録した。
登録基準
・書面によるインフォームドコンセントを理解して提出することができる
・年齢18~70歳
・中等度~重度の原発性腋窩多汗症と診断される
・多汗症の疾患重症度スケールスコア≧3(HDSSスケールは、以下に記載する)
・重量によって測定時の5分間における1腋窩あたり≧50mgの汗産生
・試験経過中、市販の脱臭剤のみ使用するという意欲がある
・各試験来院前に脇の下をそるという意欲がある
・女性対象は、初回(「ベースライン」)試験施設来院時に尿妊娠試験陰性であり、泌乳期ではない必要がある
・患者は、治験責任医師によって全身健康良好と判断されており、試験評価を妨げ得るいずれの疾患も呈さないべきである
除外基準
・続発性多汗症(すなわち、甲状腺機能亢進症、癌、結核、マラリア、または他の感染等の別の病状による多汗症)と診断される
・腋窩における感染徴候
・医療処置を必要とする腋窩の皮膚病
・処置前14日間以内における処置領域に対する局所用薬剤適応
・ベースライン2週間前における20%塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・2週間前における経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースラインの2日前における制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・9ヶ月前におけるボツリヌス毒素処置
・腋窩多汗症の外科治療歴
・ベースライン30日間以内に別の調査薬試験に参加しているかまたは任意の調査的処置(1つまたは複数)を受けている
・過去3年以内におけるアルコールまたは薬物乱用
・妊娠中または小児に授乳中の女性対象
・患者のインフォームドコンセント提出能を妨げる精神疾患
・腋窩脱毛剤、例えばNair(登録商標)、Veet(登録商標)の使用
・ベースライン1週間以内における腋窩脱毛(ワックスがけ、レーザー、電気分解治療)の使用
・何らかの理由により、プロトコルの必要条件を拒否するかまたは満たすことができない
処置および評価方法
臨床的来院
治験責任医師の試験施設への初回来院日を決める前、腋窩における制汗薬、局所用薬剤、または脱毛用製品の使用に関して潜在的参加者に質問した。除外基準を満たす対象は日程を組まなかった。潜在的参加者には、かかる製品を使用せず、ベースライン試験来院前に脇の下をそるよう指示した。
ベースライン試験来院時、試験の任意の態様に参加する前、各対象に口頭および書面の両方で試験の実施および結果について詳細に説明した。各対象は、対象が潜在的に試験に適任であるかどうかを決定するスクリーニング評価の実施前に書面によるインフォームドコンセント用紙に署名した。口頭スクリーニング評価および汗重量測定を実施して対象が登録基準を満たして、除外基準を満たさないかどうかを決定した。
多汗症の疾患重症度スケール
対象の生活を妨げる脇の下の発汗の現状レベルに関する説明に最適な1文を選択することによって対象の疾患重症度を明らかにする評価を行うように対象に求めた:
0=脇の下の発汗は目立たず、日常活動は一度も妨げられたことがない。
1=脇の下の発汗は目立つが、日常活動はめったに妨げられない。
2=脇の下の発汗には耐えられるが、日常活動が妨げられる場合がある。
3=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動が頻繁に妨げられる。
4=脇の下の発汗にはほとんど耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
5=脇の下の発汗には耐えられず、日常活動は常に妨げられる。
汗重量測定方法
対象の汗産生は、以下の手順にて重量によって測定した。
・対象を比較的一定の温度および湿度である部屋に少なくとも30分間入れた。
・対象に腋窩を完全に露出させ、腕を頭の上に楽においた状態で、半分横たわった位置で座らせた。
・綿ガーゼを用いて対象の腋窩を穏やかに乾燥させた。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、1枚の濾紙(直径90mm)を0.1mg感度の天秤の上に置き、その重量を記録した。
・治験責任医師は、鉗子を用いて、測定した濾紙を腋窩の上に置き、それをポリ袋で覆い、そのポリ袋の縁を、低刺激性テープを用いて対象の皮膚に対して留め、そのポリ袋の周囲を密封した。
・5分後、治験責任医師は、対象の腋窩からテープとポリ袋をやさしく取り除き、次いで、鉗子を用いてすぐに濾紙を秤の上に置いて、その重量を記録した。次いで、秤を乾燥させ、ゼロで均衡化した。
・次いで、この測定を他方の腋窩で上記のように反復した。
処置適応
これを基準にして対象が処置に適任であった場合、対象を処置した。処置において、治験責任医師が手袋をはめた指で試験調製物の1つ(0.3mL/腋窩)を対象の腋窩の皮膚に局所適用した。調製物は流出を避けるために漸増投与した。液体は消えるまですり込んだ。潜在的に生物学的に活性な物質による処置を有することを選択した各対象は、0.20mgプロピルパラベンを各腋窩に適用した。
処置後、処置当日の就寝直前にシャワーを浴びて、浴びながら腋窩を石鹸および水で洗浄するよう対象に指示した。対象に、以下の薬剤はいずれも使用しないよう指示した。
・試験経過における、腋窩に適用したボツリヌス毒素を含む製品
・試験経過における、局所塩酸アルミニウム、例えばDrysol(登録商標)
・試験経過における、経口抗コリン作動薬処置(例えば、Benadryl、Atarax、Chlortrimeton、およびRobinul)
・ベースライン来院の2日前および診療室来室の2日前、汗重量測定を実行時に処置から2週間後の制汗薬、脱臭剤、散剤、またはローションの使用。
・処置後1日間の制汗薬、脱臭剤、散剤またはローションの使用
・処置後5日間の処置領域に対する局所用薬剤の適用
・ベースライン30日間以内および試験経過中の調査薬または治療。
対象のフォローアップ診療室来室日を処置の2週間後に決めた。フォローアップ診療室来室時、処置と2週間後のフォローアップ診療室来室の間における使用すべきではない薬剤に関する説明を用いてコンプライアンスについて対象に質問した。対象がコンプライアンス不良の場合、対象を試験不適格とした。対象がコンプライアンス良好の場合、汗重量測定手順を用いて対象を再評価した。
処置結果および結論
試験は複数の試験施設で実施し、臨床試験の実施に関する基準に従って実行した。対象10例をプロピルパラベンで処置した。処置の2週間後、各対象を汗重量測定によって再評価した。
平均して、プロピルパラベン群の対象の汗産生は、処置の2週間後に汗重量測定によって測定したところ177mg低下していた。対して、プラセボ処置対象の汗産生は、汗重量測定によって測定したところ53mg低下していた。すなわち、プロピルパラベン処置対象は、汗産生の低下が対照群の対象より337%高かった。
また、実験したプロピルパラベンまたはプラセボのいずれかを投与した試験対象の何%の汗産生がベースライン来院時に測定したレベルと比較時に少なくとも30%低下するかも決定した。70%のプロピルパラベン処置対象の汗産生が、ベースライン来院時レベルと比較時に少なくとも30%低下したことが見出された。これは、ベースライン来院時レベルと比較時に汗産生が少なくとも30%低下した対照群の対象は29%のみであることと対照的である。したがって、この評価によれば、プロピルパラベン処置対象の汗産生の低下効果は、プラセボ処置対象のそれより245%高い。
これらのデータを考慮して、プロピルパラベンは、(i)汗産生の低下において生物学的に活性である、(ii)制汗物質である、および(iii)多汗症処置において効果的に使用し得ると結論される。
「エマルションV」ナノ粒子組成物の抗しわ効果
試験設計概要
試験目的は、エマルションVは、外眼のしわ(目尻のしわ)低下において生物学的に活性であるかどうかを決定することであった。治験責任医師が評価して中等度~重度の外眼のしわ収縮時(すなわち、微笑中)を示した対象を選択した。すべての対象は、潜在的に生物学的活性である製剤による処置を受けた。
ベースラインの単処置後、それぞれ1、2、4、8、および12週目、対象の目尻のしわの重症度を決定する治験責任医師のグローバル評価(「IGA」)スコアを用いて治験責任医師によって対象を再評価した。処置後しわ重症度とベースラインスコアを比べて、潜在的に生物学的活性である製剤によるしわ減少度を決定した。
試験対象登録/除外基準
以下の基準に基づき、収縮時の目尻のしわが中等度~重度であると診断された成人男性および女性対象を試験に登録した。
登録基準
・書面によるインフォームドコンセントを理解して提出することができる
・年齢30~70歳
・軽度~中等度の弛緩時の目尻のしわ(IGA2~3)
・中等度~重度の収縮時の目尻のしわ(IGA3~4)
・試験経過中、顔面の注入剤、レチノイド、注入可能なボツリヌス製品、レーザー治療、または皮膚改造に影響を及ぼすかもしくは活性真皮反応を引き起こし得る任意の製品の使用を控えるという意欲がある
・対象は、治験責任医師によって全身健康良好と判断されており、試験評価または調査的製品を妨げ得るいずれの疾患も呈さないべきである
除外基準
・先の6ヶ月間におけるボツリヌス毒素処置
・眼周囲の外科治療歴、睫毛挙上または関連手順
・先の12ヶ月間における軟組織増強または外眼領域に影響を及ぼす任意の手順
・過去6ヶ月間における眼周囲領域の皮膚剥離術またはレーザー処置
・先の3ヶ月間における局所処方用量のレチノイド
・処置前14日間以内の処置領域内に対する任意の局所処方薬の適応
・臨床的に有意な、併用薬剤療法を受けている対象
・神経筋疾患、眼瞼下垂症、筋肉衰弱または麻痺の存在または既往歴
・処置適応前の週における全身性アミノグリコシドの使用
・ベースライン30日間以内に別の調査薬試験に参加しているかまたは任意の調査的処置(1つまたは複数)を受けている
・過去3年以内におけるアルコールまたは薬物乱用
・妊娠中または小児に授乳中の女性対象
・対象のインフォームドコンセント提出能を妨げる精神疾患
・何らかの理由により、プロトコルの必要条件を拒否するかまたは満たすことができない
処置および評価方法
臨床的来院
試験の任意の態様に参加する前、各対象に口頭および書面の両方で試験の実施および結果について詳細に説明した。各対象は、対象が潜在的に試験に適任であるかどうかを決定するスクリーニング評価の実施前に書面によるインフォームドコンセント用紙に署名した。治験責任医師は、「弛緩時」と「収縮時」の両方の左右の目尻のしわの治験責任医師のグローバル評価スコアを記録した。治験責任医師の試験施設への初回来院日を決める前、処置領域に対する局所用薬剤または前美容手順の使用に関して潜在的参加者に質問した。除外基準を満たす対象は登録しなかった。
治験責任医師のグローバル評価スコア
「弛緩時」評価のために無表情な顔をするように対象に求めた。
「収縮時」評価のために最大限に誇張した笑顔を作るように対象に求めた。
これを基準にして対象が処置に適任であった場合、対象を処置した。エマルションVには、乳化ワックス、ゼラチンリン酸緩衝液、ミリスチン酸イソプロピル、Labrafac Lipophile、メチルパラベン、鉱油重粘度範囲、ポリソルベート80、プロピルパラベン、精製水、塩化ナトリウム注射液、および白色ワセリンが含まれた。すべての成分は、NFまたはUSPグレードのいずれかである。エマルションVエンプティナノ粒子組成物に含まれるナノ粒子の平均直径(例えば、粒径)は、約77.1nmであった。
処置において、対象に、眼を閉じ、次いで、眼を吸収紙または布で覆うよう指示した。次いで、臨床治験責任医師は、ラテックス手袋をはめた指を用いて目尻のしわに関与する筋肉分布内の眼窩周囲領域の皮膚に試験薬を適用した。調製物は流出を避けるために漸増投与した。液体は消えるまですり込んだ。
処置後1、2、4、8、および12週目に対象のフォローアップ診療室来室日を決めた。フォローアップ診療室来室時、処置後に使用すべきではない、しわ評価を妨げ得る薬剤および手順に関する指示書を用いてコンプライアンスについて対象に質問した。対象がコンプライアンス不良の場合、対象を試験不適格とした。対象がコンプライアンス良好の場合、対象を治験担当医のグローバル評価スコアを用いて再評価した。
処置結果および結論
試験は複数の試験施設で実施し、臨床試験の実施に関する基準に従って実行した。対象31例をエマルションVで処置した。処置後1、2、4、8、および12週目、治験担当医のグローバル評価スコアによって各対象を再評価した。
下表に示すように、平均して、エマルションV処置対象のしわスコアは低下していた。
表に見ることができるように、エマルションVで処置した患者は、「弛緩時」評価時に最大15%の改善を経験した。改善は早くも2週目に明らかであった。さらに、参加者は、「収縮時」しわ評価においてさらに高い最大25%の改善を示した。
これらのデータを考慮して、エマルションVは、(i)外眼のしわ減少において生物学的に活性である、(ii)抗しわ製剤である、および(iii)目尻のしわの処置において効果的に使用し得ると結論される。
均等物
当業者は、通例の実験のみを使用して、本明細書に記載の本発明の具体的な実施形態の均等物の多くを認識するかまたは確認可能であろう。本発明の範囲が上記の発明を実施するための形態に限定されることは意図されず、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に記載される。
本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
(項目1)
粒子の集団を含むナノ粒子組成物であって、
前記粒子の大部分が約10~約300ナノメートルの直径を有し、
前記ナノ粒子組成物が少なくとも1つの水性分散媒、少なくとも1つの油、および少なくとも1つの界面活性物質を含み、
前記油が中鎖トリグリセリドであり、
前記界面活性物質がポリソルベートであり、
前記界面活性物質に対する油の比率が約0.5:1~約1:1である、
ナノ粒子組成物。
(項目2)
前記中鎖トリグリセリドが6~12個の炭素原子を含む酸である、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目3)
前記中鎖トリグリセリドが1349オイルである、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目4)
前記ポリソルベートがポリソルベート80である、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目5)
前記界面活性物質が、超精製ポリソルベート80である、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目6)
さらに既知の治療薬または独立して活性である生物学的に活性な薬剤を含む、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目7)
前記既知の治療薬または独立して活性である生物学的に活性な薬剤がタンパク質である、項目6に記載のナノ粒子組成物。
(項目8)
前記既知の治療薬または独立して活性である生物学的に活性な薬剤が抗体である、項目6に記載のナノ粒子組成物。
(項目9)
前記既知の治療薬または独立して活性である生物学的に活性な薬剤がタンパク質複合体である、項目6に記載のナノ粒子組成物。
(項目10)
前記既知の治療薬または独立して活性である生物学的に活性な薬剤がボツリヌス毒素である、項目6に記載のナノ粒子組成物。
(項目11)
前記ボツリヌス毒素が前記粒子内に被包されている、項目10に記載のナノ粒子組成物。
(項目12)
前記ボツリヌス毒素が前記粒子の表面上に吸着されている、項目10に記載のナノ粒子組成物。
(項目13)
前記ボツリヌス毒素が前記粒子の界面に会合されている、項目10に記載のナノ粒子組成物。
(項目14)
前記ボツリヌス毒素が、A型、Ab型、Af型、B型、Bf型、C1型、C2型、D型、E型、F型およびG型を含む群から選択される、項目10に記載のナノ粒子組成物。
(項目15)
前記ボツリヌス毒素がA型ボツリヌス毒素である、項目10に記載のナノ粒子組成物。
(項目16)
前記粒子が皮膚を変質または変化させずに該皮膚に浸透可能である、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目17)
前記粒子が皮膚透過促進剤または表皮剥脱物質を使用せずに皮膚に浸透可能である、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目18)
前記粒子が皮膚透過促進剤または表皮剥脱物質を使用せずに皮膚上層に浸透可能である、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目19)
前記皮膚上層が角質層表面である、項目18に記載のナノ粒子組成物。
(項目20)
前記皮膚上層が真皮孔を含む、項目18に記載のナノ粒子組成物。
(項目21)
前記皮膚上層が真皮腺を含む、項目18に記載のナノ粒子組成物。
(項目22)
前記ナノ粒子組成物がパラベンを含まない、項目1~項目21のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
(項目23)
メチルパラベン、鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリン、乳化ワックス、およびプロピルパラベンを含むローション。
(項目24)
さらにポリソルベート80、1349オイル、またはそれらの組み合わせを含む、項目23に記載のローション。
(項目25)
前記ローションが互いに混合した2相を含み、前記第1相がメチルパラベンを含む、項目23に記載のローション。
(項目26)
前記ローションが互いに混合した2相を含み、前記第2相が鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリン、乳化ワックス、およびプロピルパラベンを含む、項目23に記載のローション。
(項目27)
前記ローションが互いに混合した2相を含み、前記第1相がメチルパラベンを含み、前記第2相が鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリン、乳化ワックス、およびプロピルパラベンを含む、項目23に記載のローション。
(項目28)
鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリン、および乳化ワックスを含むローション。
(項目29)
さらにポリソルベート80、1349オイル、またはそれらの組み合わせを含む、項目28に記載のローション。
(項目30)
前記ローションが互いに混合した2相を含み、前記第2相が鉱油、ミリスチン酸イソプロピル、白色ワセリン、および乳化ワックスを含む、項目28に記載のローション。
(項目31)
項目23~項目30のいずれか1項に記載のローションおよび既知の治療薬または独立して活性である生物学的に活性な薬剤を含む医薬組成物。
(項目32)
項目1~項目21のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物およびローションを含む医薬組成物。
(項目33)
項目1~項目21のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物および項目23~項目30のいずれか1項に記載のローションを含む医薬組成物。
(項目34)
前記医薬組成物が脱臭剤に製剤化される、項目31~項目33のいずれかの医薬組成物。
(項目35)
前記医薬組成物が制汗薬に製剤化される、項目31~項目33のいずれかの医薬組成物。
(項目36)
対象を提供するステップと、
項目1~項目21のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物、項目23~項目30のいずれか1項に記載のローション、もしくは項目31~項目33のいずれか1項に記載の医薬組成物を前記対象の皮膚に投与するステップと、
を含む方法。
(項目37)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を、皮脂腺に関連する状態または障害処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を、汗腺に関連する状態または障害処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を、毛包に関連する状態または障害処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目40)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を、皮膚の外層処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目41)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を、座瘡、多汗症、望ましくない発汗、臭汗症、体臭、色汗症、過剰皮脂産出障害、脂漏症、脂漏性皮膚炎、酒さ、抜け毛、乾癬、真皮感染、ウイルス感染、細菌感染、真菌感染、光線性角化症、湿疹性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、熱傷、レイノー現象、エリテマトーデス、高色素沈着障害、黒皮症、低色素沈着障害、白斑、皮膚癌、皮膚扁平上皮細胞癌、皮膚基底細胞癌、関節炎、骨関節炎、歯ぎしり、頚痛、乾燥眼、胃腸障害、アカラシア、食道痙攣、胃不全麻痺、オディ括約筋痙攣、裂肛、アニスムス、外側上顆炎、背部痛、腰痛、上背部痛、咬筋肥大、顔面の神経障害、顔面のしわ、額、眉間、顔面および/もしくは眼窩周囲領域に関与するしわ、見苦しい顔面の表情、頚部のしわ、過機能性の顔面のしわ、多動性の顔面のしわ、広頚筋帯、筋痙攣もしくは痙縮に関与する神経筋障害および状態、顔面の麻痺(片側顔面痙攣等)、脳性麻痺、脳卒中による痙縮、眼瞼痙攣、顔面の痙縮、ジストニア、頚部ジストニア、喉頭ジストニア、口下顎ジストニア、書痙、神経痛、三叉神経痛、神経因性疼痛、パーキンソン病、足裏の筋膜炎痛、前立腺過形成、頭痛、片頭痛、本態性頭痛、頸椎性頭痛、緊張性頭痛、前立腺障害、前立腺疼痛、前立腺肥大、下肢静止不能症候群、鼻炎、アレルギー性鼻炎、流涎症、皮膚掻痒、斜視、顎関節(「TMJ」)症候群、チック、トゥレット症候群、片側顔面痙攣、振戦、本態性振戦、膀胱機能障害、排尿筋・括約筋筋失調、有痛性膀胱、膀胱痙縮、過活動膀胱、膣痙、痙縮(多発性硬化症に起因するもの等)、後眼窩筋、様々な眼科状態ならびに/またはそれらの組み合わせからなる群から選択される状態または障害処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目42)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を望ましくない発汗処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目43)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を臭汗症処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目44)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を体臭処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目45)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を色汗症処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目46)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を座瘡処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目47)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物をしわ処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目48)
前記ナノ粒子組成物、ローション、または医薬組成物を頭痛処置のために投与する、項目36に記載の方法。
(項目49)
項目1~項目21のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物。
(項目50)
前記組成物が注射用に製剤化される、項目49に記載の医薬組成物。
(項目51)
前記組成物が経口投与用に製剤化される、項目49に記載の医薬組成物。
(項目52)
対象を提供するステップと、
項目1~項目21のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物もしくは項目49~項目51のいずれか1項に記載の医薬組成物を対象に投与するステップと、
を含む方法。
(項目53)
前記投与するステップが、経口、静注、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、心室内、経皮、真皮内、皮内、直腸内、膣内、腹腔内、胃内、局所、粘膜内、鼻腔内、口腔内、腸内、硝子体内、舌下、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される送達経路を含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記投与するステップが、気管内点滴注入法、気管支点滴注入法、吸入、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される送達経路を含む、項目52に記載の方法。