JP7163873B2 - 状態推定装置、状態推定システム及び状態推定方法 - Google Patents

状態推定装置、状態推定システム及び状態推定方法 Download PDF

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本発明は、利用者の状態を推定する状態推定装置、状態推定システム及び状態推定方法に関する。
従来、利用者の心電及び脈波を取得し、これらを用いて利用者の状態を推定する技術が開発されている。例えば、特許文献1は、利用者の脈波信号及び心電信号を取得し、これらの信号から脈拍数を算出する生体情報処理システムを開示している。
特開2016-195747号公報
"ハート先生の心電図教室"、[online]、心臓病看護教育研究会、[令和1年5月28日検索]、インターネット<URL:http://www.cardiac.jp/view.php?lang=ja&target=pvc.xml>
しかしながら、特許文献1が開示する生体情報処理システムは、脈波信号が所定の条件を満たさない場合に、心電信号を用いて算出した脈拍数を利用する技術であるため、心電信号が利用者の状態推定に適していない場合に、利用者の状態を高精度で推定できないという問題があった。
本発明は、上記問題点を鑑みてされたものであり、心電信号が利用者の状態推定に適していない場合でも、利用者の状態を高精度で推定することが可能な状態推定装置、状態推定システム及び状態推定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る状態推定装置(10)は、利用者の心電信号を用いて、利用者の推定状態を決定する第1の状態推定部(104)と、心電信号に対応する脈波と、第1の状態推定部が決定した推定状態とを関連付けて記憶装置に保存する保存処理部(108)と、心電信号が利用者の状態推定に適しているか否か判定する心電判定部(102)と、取得された脈波と、保存処理部が保存した脈波との類似度を算出する類似度算出部(105)と、心電信号が第1の状態推定部による利用者の状態推定に適していない場合に、記憶装置(111)に保存されている脈波のうち、利用者の状態推定に適していないと判定された心電信号に対応する脈波との類似度が最大の脈波を特定し、類似度が最大の脈波に関連付けられている推定状態を、利用者の推定状態として決定する第2の状態推定部(109)とを備える。
また、本発明の一実施形態に係る状態推定システム(1,2)は、上記状態推定装置(10)と、利用者の体表面に接触した状態で利用者から心電信号を取得する心電取得装置(11)と、利用者の体表面に接触した状態で利用者から脈波信号を取得する脈波取得装置(12)とを含む。
さらに、本発明の一実施形態に係る状態推定方法は、利用者の心電信号を用いて、利用者の推定状態を決定するステップ(S301)と、心電信号に対応する脈波と、推定状態とを関連付けて記憶装置に保存するステップ(S305)と、心電信号が、利用者の状態推定に適しているか否か判定するステップ(S202)と、心電信号が利用者の状態推定に適していない場合に、取得された脈波と、記憶装置に保存されている脈波との類似度を算出するステップ(S401)と、記憶装置に保存されている脈波のうち、利用者の状態推定に適していないと判定された心電信号に対応する脈波との類似度が最大の脈波を特定し、類似度が最大の脈波に関連付けられている推定状態を、利用者の推定状態として決定するステップ(S402)とを含む。
これにより、本発明では、利用者の心電信号を用いて利用者の推定状態を決定し、当該心電信号に対応する脈波と、当該推定状態とを関連付けて保存する。そして、当該心電信号の取得後に取得した心電信号が、利用者の状態推定に適していない場合、当該取得した心電信号に対応する脈波に最も類似する保存済の脈波を特定し、この保存済の脈波に関連付けられている推定状態を、利用者の推定状態として決定する。このため、本発明は、心電信号が利用者の状態推定に適していない場合でも、利用者の状態を高精度で推定することができる。
本発明の第1の実施形態に係る状態推定システムを示す概略図である。 第1の実施形態の状態推定システムで実行される処理の一例を示すシーケンス図である。 第1の実施形態の状態推定装置が有する機能を示すブロック図である。 第1の実施形態の状態推定装置が保存する脈波と、当該脈波に対応する心電信号を用いて決定した利用者の推定状態との関係を示す概念図である。 第1の実施形態の状態推定装置が実行する処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態の状態推定装置が実行する第1の状態推定関連処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態の状態推定装置が実行する第2の状態推定関連処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態の異常時処理装置が実行する処理を示すフローチャートである。 心電信号が利用者の状態推定に適しているか判定するための処理の一例を示すフローチャートである。 心電信号が利用者の状態推定に適しているか判定するための処理の別の例を示すフローチャートである。 脈波信号が利用者の状態推定に適しているか判定するための処理の一例を示すフローチャートである。 脈波信号が利用者の状態推定に適しているか判定するための処理の別の例を示すフローチャートである。 脈波信号が利用者の状態推定に適しているか判定するための処理の他の例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る状態推定システムを示す概略図である。 第2の実施形態の状態推定システムで実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
<第1の実施形態>
(状態推定システムの構成)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1に示すように、第1の実施形態に係る状態推定システム1は、状態推定装置10と、心電取得装置11と、脈波取得装置12と、体動計測装置13と、異常時処理装置14とを含む。
状態推定装置10は、利用者の状態を推定する装置である。状態推定装置10は、マイクロコントローラと、種々の電子回路と、通信インタフェースとを備える。
マイクロコントローラは、状態推定装置10の動作を制御する装置であり、演算装置と、揮発性記憶装置と、不揮発性記憶装置とを備える。演算装置は、種々のプログラムを実行可能なCPU等の演算装置である。演算装置は、不揮発性記憶装置に保存されたプログラムを実行することにより、本発明の状態推定方法を実行する。
通信インタフェースは、状態推定装置10と、心電取得装置11、脈波取得装置12、体動計測装置13及び異常時処理装置14との間で、種々のデータの送受信を行うインタフェースである。なお、状態推定装置10が有する機能については、図3を参照して後述する。
心電取得装置11は、利用者の心筋細胞が発生させる活動電位を示す心電信号を取得する装置である。心電取得装置11の具体例として、例えば、車両のステアリングホイールに設置される電極や利用者が装着可能なウェアラブルデバイス等が挙げられる。心電取得装置11は、利用者の体表面に接触した状態で利用者から心電信号を取得し、当該心電信号を状態推定装置10に送信する。
脈波取得装置12は、利用者の心臓の拍動によって生じる血流量の変化や血管の容積変化を示す脈波を取得する装置である。脈波取得装置12の具体例として、利用者が装着可能なウェアラブルデバイス等が挙げられる。より具体的には、脈波取得装置12としては、腕輪型や指輪型など、利用者の体の一部を周回して取り付けられる形状のものを用いることができる。また、利用者の体表面に貼り付ける形状の脈波取得装置12を用いることもできる。脈波取得装置12は、利用者の体表面に接触した状態で利用者から利用者の脈波を取得し、当該脈波を示す脈波信号を状態推定装置10に提供する。
体動計測装置13は、利用者の体動を検出して計測する装置である。体動計測装置13の具体例として、加速度センサを備えるウェアラブルセンサやドライバステータスモニタ(DSM)等が挙げられる。体動計測装置13は、利用者の体動を計測すると、当該体動の程度を示す体動値を、状態推定装置10に提供する。
異常時処理装置14は、状態推定装置10が提供した利用者の推定状態を示す推定結果に応じて、利用者の状態が異常である旨を知らせる異常時処理を実行する装置である。具体的には、異常時処理装置14は、推定結果が利用者の状態が異常である旨を示す場合に、異常時処理を実行する。
例えば、異常時処理装置14は、異常時処理として、スピーカーを用いて、利用者の異常を知らせる警告音を鳴らすことができる。また、異常時処理装置14は、画像表示装置を用いて、利用者の異常を知らせる画像を表示することができる。さらに、異常時処理装置14は、利用者に異常が発生している旨の通知を遠隔のサーバに送信することができる。
(状態推定システムの処理シーケンス)
次に、図2を参照して、状態推定システム1で実行される処理のシーケンスについて説明する。ステップS101では、心電取得装置11が、利用者から取得した心電信号を状態推定装置10に送信する。ステップS102では、脈波取得装置12が、利用者の脈波を示す脈波信号を状態推定装置10に送信する。ステップS103では、体動計測装置13が、利用者の体動を示す体動値を状態推定装置10に送信する。
ステップS104では、状態推定装置10が、心電取得装置11、脈波取得装置12及び体動計測装置13から受信した利用者の心電信号、脈波信号及び体動値を用いて、図5の処理を実行し、ステップS105で利用者の推定結果を異常時処理装置14に送信する。ステップS106では、異常時処理装置14が、当該推定結果に基づいて利用者の状態が異常であるか否か判定し、利用者の状態が異常である場合、上述した異常時処理を実行する。
(状態推定装置の機能構成)
次に、図3を参照して、状態推定装置10が有する機能について説明する。状態推定装置10は、監視部100と、体動判定部101と、心電判定部102と、脈波判定部103と、第1の状態推定部104と、類似度算出部105と、類似度判定部106と、推定状態判定部107と、保存処理部108と、第2の状態推定部109と、送信部110を有する。これらの機能部は、状態推定装置10の演算装置が実行するプログラムによって実現することができる。
監視部100は、心電信号、脈波信号及び体動値の受信が開始したか否か監視し、図5に示す処理を実行させる機能部である。監視部100は、心電信号、脈波信号及び体動値の受信が開始したと判断すると、所定の間隔で図5の処理を実行させる。所定の間隔は、例えば、一般的に数拍分が含まれる期間など、心電信号及び脈波信号の2以上のピークが含まれる時間であることが好ましい。これにより、2以上のピークを含む心電信号及び脈波信号を用いて、図5の処理を実行することができる。監視部100は、心電信号、脈波信号及び体動値を受信し続ける間、図5の処理を上記間隔で周期的に実行させる。
体動判定部101は、体動計測装置13が提供した体動値を判定する機能部である。具体的には、体動判定部101は、体動値が体動判定閾値以下であるか否か判定する。体動判定閾値は、利用者の体動が原因で利用者の状態を正確に推定できないレベルのノイズが、心電信号及び脈波信号の少なくとも一方に含まれているときの体動値を基準に決定することができる。体動判定部101は、このように決定した体動判定閾値を用いて、体動値を判定することにより、利用者の状態を正確に推定できないレベルのノイズが心電信号及び脈波信号の少なくとも一方に含まれている可能性について判定することができる。
心電判定部102は、判定対象の心電信号が第1の状態推定部104による利用者の状態推定に適しているか否か判定する機能部である。例えば、心電判定部102は、心電信号が示す心電波形にP波、Q波、R波、S波、T波が含まれているか否か判定することにより、判定対象の心電信号が利用者の状態推定に適しているか否か判定できる。
より詳細には、図9に示すように、心電判定部102は、ステップS601で心電信号が示す心電波形にP波、Q波、R波、S波、T波が含まれているか否か判定する。心電波形にこれらの波が含まれている場合(YES)、心電判定部102は、ステップS602で心電信号が利用者の状態推定に適していると判定する。一方、心電波形にこれらの波が含まれていない場合(NO)、心電判定部102は、ステップS603で心電信号が利用者の状態推定に適していないと判定する。
また、心電判定部102は、心電信号の周波数成分毎の信号強度の積算値が所定の閾値以下であるか否か判定することにより、判定対象の心電信号が利用者の状態推定に適しているか否か判定できる。
より詳細には、図10に示すように、心電判定部102は、ステップS701で心電信号に高速フーリエ変換を施し、心電信号の周波数成分毎の強度を算出する。次いで、心電判定部102は、ステップS702で当該周波数成分毎の信号強度を積算して積算値を算出し、ステップS703で積算値と所定の閾値とを比較する。当該閾値は、利用者の状態推定を正確に行うことが可能なレベルのノイズを含む心電波形の周波数成分毎の信号強度の積算値を基準にして決定することができる。
周波数成分毎の信号強度の積算値が当該閾値以下である場合(YES)、心電信号のノイズが少ない可能性が高いため、心電判定部102は、ステップS704で判定対象の心電信号が利用者の状態推定に適していると判定する。一方、周波数成分毎の信号強度の積算値が当該閾値を超える場合(NO)、心電信号のノイズが多い可能性が高いため、心電判定部102は、ステップS705で判定対象の心電信号が利用者の状態推定に適していないと判定する。
脈波判定部103は、判定対象の脈波信号が利用者の状態推定に適しているか否か判定する機能部である。例えば、脈波判定部103は、判定対象の脈波信号が示す脈波と、ノイズが入り難い状態で事前に測定した参照脈波との類似度が所定の閾値以下であるか否か判定することにより、判定対象の脈波信号が利用者の状態推定に適しているか否か判定できる。
より詳細には、図11に示すように、類似度算出部105が、ステップS801で判定対象の脈波信号が示す脈波と、ノイズが入り難い状態で事前に測定した参照脈波との類似度を算出する。次いで、脈波判定部103が、ステップS802で判定対象の脈波信号が示す脈波と参照脈波との類似度が所定の閾値以下であるか否か判定する。当該閾値は、利用者の状態推定を正確に行うことが可能なレベルのノイズを含む脈波と、参照脈波との類似度を基準にして決定することができる。
判定対象の脈波と参照脈波との類似度が当該閾値以上である場合(YES)、すなわち、判定対象の脈波と参照脈波が類似する場合、判定対象の脈波のノイズが少ない可能性が高いため、脈波判定部103は、ステップS803で判定対象の脈波信号が利用者の状態推定に適していると判定する。一方、当該類似度が当該閾値未満である場合(NO)、すなわち、判定対象の脈波と参照脈波が類似しない場合、判定対象の脈波のノイズが多い可能性が高いため、脈波判定部103は、ステップS804で判定対象の脈波信号が利用者の状態推定に適していないと判定する。
また、脈波判定部103は、脈波信号の周波数成分毎の信号強度の積算値が所定の閾値以下であるか否か判定することにより、判定対象の脈波信号が利用者の状態推定に適しているか否か判定できる。
具体的には、図12に示すように、脈波判定部103は、ステップS901で脈波信号に高速フーリエ変換を施し、脈波信号の周波数成分毎の強度を算出する。次いで、脈波判定部103は、ステップS902で当該周波数成分毎の信号強度を積算して積算値を算出する。ステップS903では、脈波判定部103は、算出した積算値と所定の閾値とを比較する。当該閾値は、利用者の状態推定を正確に行うことが可能なレベルのノイズを含む脈波の周波数成分毎の信号強度の積算値を基準にして決定することができる。
周波数成分毎の信号強度の積算値が当該閾値以下である場合(YES)、脈波のノイズが少ない可能性が高いため、脈波判定部103は、ステップS904で判定対象の脈波信号が利用者の状態推定に適していると判定する。一方、周波数成分毎の信号強度の積算値が当該閾値を超える場合(NO)、脈波のノイズが多い可能性が高いため、脈波判定部103は、ステップS905で判定対象の脈波信号が利用者の状態推定に適していないと判定する。
さらに、脈波判定部103は、心電判定部102によって利用者の状態推定に適していると判定された心電信号が示す心電波形のピークの時刻と、当該心電信号に対応する脈波のピークの時刻との差を用いて、判定対象の脈波信号が状態推定に適しているか否か判定できる。なお、心電信号に対応する脈波とは、当該心電信号が示す心電が引き起こす心筋の収縮によって生じる血流量の変化や血管の容積変化を示す脈波を意味する。
より詳細には、図13に示すように、ステップS1001で脈波判定部103は、利用者の状態推定に適していると判定された心電信号が示す心電波形のピークの時刻と、当該心電信号に対応する脈波のピークの時刻との差を算出する。次いで、ステップS1002で脈波判定部103は、心電波形のピークの時刻と脈波のピークの時刻の差が、所定の範囲内であるか否か判定する。当該所定の範囲は、ノイズが入り難い状態で測定した心電波形のピークの時刻と、当該心電波形に対応する脈波のピークの時刻との差を基準に決定することができる。通常、脈波のノイズレベルが低い場合、心電波形のピークの時刻と脈波のピークの時刻の差が所定の範囲内になる。一方、脈波のノイズレベルが高い場合、脈波のピークがランダムに出現するため、心電波形のピークの時刻と脈波のピークの時刻の差が所定の範囲外になる可能性がある。このため、心電波形のピークの時刻と脈波のピークの時刻の差が、所定の範囲内であるか否か判定することにより、判定対象の脈波信号が利用者の状態推定に適しているか否か判定できる。
心電波形のピークの時刻と脈波のピークの時刻の差が所定の範囲内である場合(YES)、脈波のノイズが少ない可能性が高いため、脈波判定部103は、ステップS1003で判定対象の脈波信号が利用者の状態推定に適していると判定する。一方、これらの時刻の差が所定の範囲内にない場合(NO)、脈波のノイズが多い可能性が高いため、脈波判定部103は、ステップS1004で判定対象の脈波信号が利用者の状態推定に適していないと判定する。
第1の状態推定部104は、利用者の心電信号が示す心電波形の特徴を用いて、利用者の推定状態を決定する機能部である。第1の状態推定部104は、心電波形の特徴として、P波、Q波、R波、S波及びT波の振幅や発生頻度の変化等を利用することができる。具体的には、第1の状態推定部104は、機械学習を用いて、利用者の推定状態を決定することができる。
例えば、機械学習としてニューラルネットワークを利用する場合、利用者の心電信号と、当該心電信号が示す心電波形から導出される利用者の状態とを教師データとして学習させる。この場合、利用者の状態が正常であるときの心電信号と、利用者の状態が正常である旨を示す推定状態とを教師データとすることができる。また、利用者の心臓の状態が異常であるときの心電信号と、利用者の状態が異常である旨を示す推定状態とを教師データとすることができる。第1の状態推定部104は、この学習済みのニューラルネットワークに心電信号を入力することにより、利用者の推定状態を決定することができる。なお、第1の状態推定部104が採用する手法は、ニューラルネットワークに限られず、心電信号を用いて利用者の推定状態を決定可能な他の種々の手法を採用することができる。
類似度算出部105は、比較対象の2つの脈波の類似度を算出する機能部である。例えば、類似度算出部105は、2乗平均平方根誤差(RMSE)を利用して、これらの脈波の類似度を算出することができる。
具体的には、類似度算出部105は、比較対象の2つの脈波のピークの位置を合わせた後、当該ピークを含む所定の開始点から終了点の区間について、これらの脈波の振幅の差分を算出する。開始点及び終了点は、当該ピークを含む1拍分の脈波内の点であればよい。例えば、開始点は、平均的な一拍分の長さの半分よりも短い時間だけピークよりも前の時点とし、終了点は、平均的な一拍分の長さの半分よりも短い時間だけピークよりも後の時点とすることができる。平均的な一拍分の長さの半分よりも短い時間は、例えば、平均的な一拍分の長さの1/4とすることができる。
次いで、類似度算出部105は、これらの振幅の差分を2乗したものを積算し、その平均値を算出する。そして、類似度算出部105は、当該平均値の平方根の逆数を、これらの脈波の類似度として算出することができる。この場合、当該平均値の平方根の逆数の値が大きい程、脈波の類似度が高いことを意味し、当該逆数の値が小さい程、脈波の類似度が低いことを意味する。
類似度判定部106は、類似度算出部105が算出した脈波の類似度を判定する機能部である。より詳細には、類似度判定部106は、類似度算出部105が算出した類似度のうち最大の類似度(以下、「最大類似度」とする。)が類似閾値以上であるか否か判定する。類似閾値は、判定対象の脈波同士が類似する旨を示す閾値であり、利用者の状態が正常であるときの脈波(以下、「正常時脈波」とする。)と、当該正常時脈波に類似する、利用者の心臓の状態が異常であるときの脈波(以下、「異常時脈波」とする。)との類似度を基準に決定することが好ましい。
推定状態判定部107は、第1の状態推定部104が利用者の心電信号を用いて決定した推定状態と、保存処理部108が状態推定装置10の記憶装置111に保存した脈波に関連付けられている推定状態とが同じであるか否か判定する機能部である。
保存処理部108は、第1の状態推定部104が利用者の状態推定に使用した心電信号に対応する脈波と、当該心電信号を用いて決定した利用者の推定状態とを関連付けて、状態推定装置10の記憶装置111に保存する機能部である。図4は、保存処理部108が保存した脈波と、当該脈波に対応する心電信号を用いて決定した推定状態との関係を示す概念図である。図4に示す例では、3種類の脈波と、各脈波に対応する心電信号を用いて決定した推定状態(「正常」及び「異常」)とが関連付けられている。
第2の状態推定部109は、利用者の心電信号が利用者の状態推定に適さない場合に、当該心電信号に対応する脈波と、保存処理部108が保存した脈波との類似度に基づき、利用者の推定状態を決定する機能部である。具体的には、第2の状態推定部109は、当該類似度が最大となる保存済の脈波を特定し、当該保存済の脈波に関連付けられている推定状態を、利用者の推定状態として決定する。
送信部110は、通信インタフェースを介して、第1の状態推定部104及び第2の状態推定部109が決定した推定状態を示す推定結果を異常時処理装置14に送信する機能部である。
次に、図5を参照して、状態推定装置10が実行する処理について説明する。ステップS201では、状態推定装置10の体動判定部101が、体動値が体動判定閾値以下であるか否か判定する。体動値が体動判定閾値を超える場合(NO)、すなわち、利用者の体動に起因するノイズが心電信号及び脈波信号に含まれている可能性が高い場合、図5の処理が終了する。一方、体動値が体動値判定閾値以下である場合(YES)、すなわち、当該ノイズが心電信号及び脈波信号に含まれている可能性が低い場合、ステップS202に処理が分岐する。
ステップS202では、心電判定部102が、心電信号が利用者の状態推移に適しているか否か判定する。心電信号が利用者の状態推移に適していると判定した場合(YES)、ステップS203に処理が分岐する。ステップS203では、脈波判定部103が、脈波信号が利用者の状態推移に適しているか否か判定する。脈波信号が利用者の状態推移に適している場合(YES)、ステップS204に処理が分岐し、図6に示す第1の状態推定関連処理が実行される。一方、脈波信号が利用者の状態推移に適していない場合(NO)、図5の処理が終了する。
ステップS202において心電信号が利用者の状態推移に適していないと判定した場合(NO)、ステップS205に処理が分岐する。ステップS205では、脈波判定部103が、脈波信号が利用者の状態推移に適しているか否か判定する。脈波信号が利用者の状態推移に適している場合(YES)、ステップS206に処理が分岐し、図7に示す第2の状態推定関連処理が実行される。一方、脈波が利用者の状態推移に適していない場合(NO)、図5の処理が終了する。
ステップS207では、送信部110が、ステップS204の第1の状態推定関連処理又はステップS206の第2の状態推定関連処理で決定した推定状態を示す推定結果を異常時処理装置14に送信し、図5の処理が終了する。
(第1の状態推定関連処理)
次に、図6を参照して、状態推定装置10が実行する第1の状態推定関連処理について説明する。ステップS301では、第1の状態推定部104が、心電信号を用いて利用者の推定状態を決定する。ステップS302では、類似度算出部105が、当該心電信号に対応する脈波信号が示す脈波と、状態推定装置10の記憶装置111に保存されている全ての脈波との類似度を算出する。
ステップS303では、類似度判定部106が、類似度算出部105の算出した最大類似度が類似閾値以上であるか否か判定する。最大類似度が類似閾値未満である場合(NO)、すなわち、脈波信号が示す脈波と、保存済の脈波との類似度が低い場合、ステップS306に処理が分岐する。一方、最大類似度が類似閾値以上である場合(YES)、すなわち、脈波信号が示す脈波と保存済の脈波が類似する場合、ステップS304に処理が分岐する。
ステップS304では、類似度判定部106は、類似度算出部105の算出した最大類似度が同一閾値以下であるか否か判定する。最大類似度が同一閾値を超える場合(NO)、すなわち、脈波信号が示す脈波と保存済の脈波が同一である場合、第1の状態推定関連処理が終了する。一方、最大類似度が同一閾値以下である場合(YES)、すなわち、脈波信号が示す脈波と保存済の脈波が類似するが同一ではない場合、ステップS305に処理が分岐する。
ステップS305では、推定状態判定部107が、ステップS301において決定した推定状態と、類似度が最大となった保存済の脈波に関連付けられている推定状態とが同じであるか否か判定する。これらの推定状態が同じである場合(YES)、第1の状態推定関連処理が終了する。一方、これらの推定状態が異なる場合(NO)、ステップS306に処理が分岐する。
ステップS306では、保存処理部108が、脈波信号が示す脈波と、ステップS301において決定した推定状態とを関連付けて、状態推定装置10の記憶装置111に保存し、第1の状態推定関連処理が終了する。
(第2の状態推定関連処理)
次に、図7を参照して、状態推定装置10が実行する第2の状態推定関連処理について説明する。ステップS401では、類似度算出部105が、脈波信号が示す脈波と、状態推定装置10の記憶装置111に保存されている全ての脈波との類似度を算出する。ステップS402では、第2の状態推定部109が、類似度算出部105の算出した類似度の中から類似度が最大の保存済の脈波を特定し、当該脈波に関連付けられている推定状態を特定し、第2の状態推定関連処理が終了する。
次に、図8を参照して、異常時処理装置14が実行する処理について説明する。図8の処理は、異常時処理装置14が、状態推定装置10から推定結果を受信することによって開始する。
ステップS501では、異常時処理装置14は、状態推定装置10の提供した推定結果が、利用者の状態が異常である旨を示しているか否か判定する。利用者の状態が正常である旨を示している場合(NO)、図8の処理が終了する。一方、利用者の状態が異常である旨を示している場合(YES)、ステップS502に処理が分岐する。ステップS502では、異常時処理装置14は、上述した異常時処理を実行し、図8の処理が終了する。
(第1の実施形態の効果)
一般に脈波は、心電と比べて心臓の異常の兆候が表れ難いという傾向がある。本発明では、状態推定装置10の第1の状態推定部104が、脈波よりも信頼性の高い心電信号を用いて、利用者の推定状態を決定し、保存処理部108が、当該心電信号に対応する脈波と、当該推定状態とを関連付けて保存する。そして、当該脈波よりも後に取得された後続の脈波に対応する後続の心電信号が利用者の状態推定に適していない場合、第2の状態推定部109が、当該後続の脈波に最も類似する保存済の脈波を特定し、当該保存済の脈波に関連付けられている推定状態を、利用者の推定状態として決定する。すなわち、第2の状態推定部109は、信頼性の高い心電信号を用いて決定された推定状態を利用者の推定状態とする。このため、本発明は、心電信号が利用者の状態推定に適していない場合でも、利用者の状態推定を高精度で行うことができる。
また、第1の状態推定部104は、心電信号が利用者の状態推定に適している場合にのみ、当該心電信号を用いて、利用者の推定状態を決定する。すなわち、利用者の状態推定に適さない心電信号を用いて状態推定を行わない。これにより、利用者の状態推定の精度を高めることができる。
さらに、第2の状態推定部109は、脈波信号が利用者の状態推定に適している場合にのみ、当該脈波信号を用いて、利用者の推定状態を決定する。すなわち、利用者の状態推定に適さない脈波信号を用いて状態推定を行わない。これにより、利用者の状態推定の精度を高めることができる。
さらに、保存処理部108は、取得された脈波と保存済の脈波の最大類似度が類似閾値以上であり、かつ、取得された脈波との類似度が最大となった保存済の脈波に関連付けられている推定状態と、取得された脈波に対応する心電信号を用いて決定された推定状態とが同一である場合、取得された脈波と、当該推定状態とを保存しない。すなわち、同一の推定状態を示す類似度の高い脈波が存在する場合、取得された脈波及び当該推定状態を保存しない。これにより、状態推定装置10の記憶装置111に保存されるデータ量を抑制することができる。
さらに、保存処理部108は、取得された脈波と保存済の脈波の最大類似度が類似閾値以上であり、かつ、取得された脈波との類似度が最大となった保存済の脈波に関連付けられている推定状態と、取得された脈波に対応する心電信号を用いて決定された推定状態とが異なる場合、取得された脈波及び当該推定状態を保存する。すなわち、異なる推定状態を示す類似度の高い脈波が存在する場合、取得された脈波及び当該推定状態を保存する。
これは、特に、取得された利用者の脈波が、正常時脈波と類似する場合に有用である。より詳細には、正常時脈波と、利用者が正常である旨を示す推定状態とが既に保存されている場合において、状態推定装置10が、正常時脈波に類似する異常時脈波と、当該異常時脈波に対応する心電信号を受信したとき、第1の状態推定部104が、当該心電信号に基づいて、利用者の状態が異常である旨を示す推定状態を決定する。そして、保存処理部108が、正常時脈波と類似する異常時脈波と、異常を示す推定状態とを関連付けて保存することができる。
そして、状態推定装置10が、再び、正常時脈波と類似する異常時脈波と、当該異常時脈波に対応する心電信号を受信した場合において、当該心電信号が利用者の状態推定に適していないと判断したとき、第2の状態推定部109が、当該異常時脈波に関連付けられている推定状態(異常を示す推定状態)を、利用者の状態として決定することができる。すなわち、第2の状態推定部109は、正常時脈波と類似する異常時脈波に基づいて、利用者の状態が異常であると正確に判断できる。
さらに、体動判定部101は、利用者の体動の程度を示す体動値が体動判定閾値以下であるか否か判定する。そして、第1の状態推定部104及び第2の状態推定部109は、体動値が体動判定閾値以下である場合に、利用者の推定状態を決定する。これにより、利用者の体動に起因するノイズが心電信号及び脈波信号に含まれている可能性が低い場合にのみ、これらの心電信号及び脈波信号を用いて利用者の状態推定を行うため、利用者の状態推定の精度を高めることができる。
さらに、異常時処理装置14は、状態推定装置10が決定した推定状態が利用者の異常を示す場合、利用者の状態が異常である旨を知らせる異常時処理を実行する。これにより、利用者に異常が生じていることを知らせることができる。
さらに、心電取得装置11は、利用者が利用する車両のステアリングホイールに設置される。これにより、車両を運転している利用者から心電信号を取得でき、運転中の利用者の状態を推定することができる。
<第2の実施形態>
(状態推定システムの構成)
次に、図14及び図15を参照して、本発明の第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。第2の実施形態に係る状態推定システム2は、図14に示すように、状態推定装置10と、心電取得装置11と、脈波取得装置12と、体動計測装置13と、異常時処理装置14と、通信装置15とを含む。第2の実施形態では、状態推定装置10は、サーバ等の情報処理装置によって実現することができる。
通信装置15は、状態推定装置10、心電取得装置11、脈波取得装置12、体動計測装置13及び異常時処理装置14と相互にデータ通信が可能な装置である。通信装置15の具体例として、スマートフォンや無線LANルータ等の中継装置として機能する通信装置が挙げられる。通信装置15は、状態推定装置10と、心電取得装置11、脈波取得装置12、体動計測装置13及び異常時処理装置14との間で、無線通信又は有線通信により、種々のデータを中継する。
(状態推定システムの処理シーケンス)
次に、図15を参照して、状態推定システム2で実行される処理のシーケンスについて説明する。ステップS1101では、心電取得装置11が、利用者から取得した心電信号を通信装置15に送信する。通信装置15は、心電取得装置11から心電信号を受信すると、ステップS1102で心電信号を状態推定装置10に送信する。
ステップS1103では、脈波取得装置12が、利用者の脈波を示す脈波信号を通信装置15に送信する。通信装置15は、脈波取得装置12から脈波信号を受信すると、ステップS1104で脈波信号を状態推定装置10に送信する。
ステップS1105では、体動計測装置13が、利用者の体動値を通信装置15に送信する。通信装置15は、体動計測装置13から体動値を受信すると、ステップS1106で体動値を状態推定装置10に送信する。
ステップS1107では、状態推定装置10が、通信装置15から受信した利用者の心電信号、脈波信号及び体動値を用いて図5の処理を実行し、ステップS1108で利用者の推定結果を通信装置15に送信する。通信装置15は、状態推定装置10から推定結果を受信すると、ステップS1109で推定結果を異常時処理装置14に送信する。
ステップS1110では、異常時処理装置14が、通信装置15から受信した推定結果に基づいて、利用者の推定状態が異常であるか否か判定し、利用者の推定状態が異常である場合、上述した異常時処理を実行する。
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態では、状態推定装置10は、通信装置15を介して、利用者の心電信号、脈波信号及び体動値を取得することができる。これにより、状態推定装置10を利用者の近くに設置する必要がなく、任意の場所に設置することができる。このため、大容量の記憶装置111を備えることが可能な情報処理装置によって状態推定装置10を実現することができ、保存すべき脈波及び推定状態のデータ量の増加に柔軟に対応することができる。
また、状態推定装置10は、インターネット等のネットワークを介して、状態推定装置10にアクセス可能な装置に対し、保存された利用者の脈波及び推定状態を提供することができる。このため、これらの情報を医療機関に提供し、利用者の状態を医師に診断してもらうこともできる。
<その他の実施形態>
上述した実施形態では、利用者の推定状態として「正常」及び「異常」の2種類の状態を採用するが、他の実施形態では、利用者の異常を示す推定状態を細分化することができる。例えば、心臓の部位別の不整脈(例えば、非特許文献1に開示された脈波のみでは判別できない心室性期外収縮による不整脈等)を、推定状態として採用することができる。この場合、心異常時に測定された心電信号と、細分化された異常を示す推定状態とを教師データとして、ニューラルネットワークを学習させることができる。これにより、状態推定装置10は、利用者の状態をより詳細に推定することができる。
また、他の実施形態では、図5のステップS202において心電信号が適していないと判断した場合に、状態推定装置10の体動判定部101が、体動値が体動判定閾値以下であるか否か判定してもよい。この場合、体動によるノイズが脈波信号よりも心電信号に入り易い実施形態、例えば、ウェアラブルデバイスで脈波信号を取得し、ステアリングセンサで心電信号を取得する実施形態を考慮し、当該体動判定閾値は、ステップS201で使用する体動判定閾値よりも高い値とすることができる。
体動値が体動値判定閾値以下である場合(YES)、すなわち、当該ノイズが脈波信号に含まれている可能性が低い場合、ステップS205に処理が分岐する。一方、体動値が体動判定閾値を超える場合(NO)、すなわち、利用者の体動に起因するノイズが脈波信号に含まれている可能性が高い場合、図5の処理が終了する。これにより、体動によるノイズが脈波信号に含まれている可能性についての判定精度を高めることができる。
さらに、他の実施形態では、状態推定システム1,2は、車両の振動を検出する振動検出装置を含んでもよい。この場合、振動検出装置は、車両の振動の程度を示す振動値を状態推定装置10に送信する。そして、状態推定装置10は、振動値が振動値判定閾値以下であるか否か判定する。振動値判定閾値は、車両の振動によるノイズが心電信号及び脈波信号に含まれるレベルの振動値を基準に決定することができる。状態推定装置10は、振動値が振動値判定閾値以下であるか否か判定することにより、車両の振動に起因するノイズが心電信号及び脈波信号に含まれている可能性について判定することができる。
振動値が振動値判定閾値を超える場合、すなわち、車両の振動に起因するノイズが心電信号及び脈波信号に含まれている可能性が高い場合、状態推定装置10は、これらの心電信号及び脈波信号を用いて、利用者の状態推定を行わない。一方、振動値が振動値判定閾値以下である場合、すなわち、車両の振動に起因するノイズが心電信号及び脈波信号に含まれている可能性が低い場合、状態推定装置10は、これらの心電信号及び脈波信号を用いて、利用者の状態推定を行う。これにより、利用者の状態推定の精度を高めることができる。
さらに、上述した実施形態では、状態推定装置10が有する機能部は、状態推定装置10の演算装置が実行可能なプログラムによって実現するが、他の実施形態では、これらの機能部を、状態推定装置10が備える電子回路によって実現してもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、様々に変更して実施することができる。
1,2 状態推定システム、 10 状態推定装置、 11 心電取得装置、 12 脈波取得装置、 14 異常時処理装置、 15 通信装置、 101 体動判定部、 102 心電判定部、 103 脈波判定部、 104 第1の状態推定部、 105 類似度算出部、 108 保存処理部、 109 第2の状態推定部、 111 記憶装置

Claims (15)

  1. 利用者の状態を推定する状態推定装置(10)であって、
    前記利用者の心電信号を用いて、前記利用者の推定状態を決定する第1の状態推定部(104)と、
    前記心電信号に対応する脈波と、前記第1の状態推定部が決定した前記推定状態とを関連付けて記憶装置(111)に保存する保存処理部(108)と、
    前記心電信号が前記利用者の状態推定に適しているか否か判定する心電判定部(102)と、
    取得された前記脈波と、前記保存処理部が保存した前記脈波との類似度を算出する類似度算出部(105)と、
    前記心電信号が前記第1の状態推定部による前記利用者の状態推定に適していない場合に、前記記憶装置に保存されている脈波のうち、前記利用者の状態推定に適していないと判定された前記心電信号に対応する脈波との類似度が最大の脈波を特定し、前記類似度が最大の脈波に関連付けられている推定状態を、前記利用者の推定状態として決定する第2の状態推定部(109)と
    を備える、状態推定装置。
  2. 前記第1の状態推定部は、前記心電信号が前記利用者の状態推定に適している場合に、前記利用者の推定状態を決定する、請求項1に記載の状態推定装置。
  3. 前記利用者の脈波が、前記第2の状態推定部による前記利用者の状態推定に適しているか否か判定する脈波判定部(103)をさらに備え、
    前記第2の状態推定部は、前記利用者の脈波が前記利用者の状態推定に適している場合に、前記利用者の推定状態を決定する、請求項1又は2に記載の状態推定装置。
  4. 前記保存処理部は、
    前記類似度算出部が算出した最大の類似度が、保存済の前記脈波と類似する旨を示す類似閾値以上であり、かつ、前記第1の状態推定部が決定した推定状態と、取得された前記脈波との前記類似度が最大となった保存済の前記脈波に関連付けられている推定状態が同一である場合、前記心電信号に対応する脈波と、前記心電信号を用いて決定された推定状態とを前記記憶装置に保存しない、請求項1~3のいずれか1項に記載の状態推定装置。
  5. 前記保存処理部は、
    前記類似度算出部が算出した最大の類似度が、保存済の前記脈波と同一である旨を示す同一閾値以下であり、かつ、前記第1の状態推定部が決定した推定状態と、取得された前記脈波との前記類似度が最大となった保存済の前記脈波に関連付けられている推定状態が異なる場合、前記心電信号に対応する脈波と、前記心電信号を用いて決定された推定状態とを関連付けて前記記憶装置に保存する、請求項1~4のいずれか1項に記載の状態推定装置。
  6. 前記類似度算出部は、類似度を算出する2つの脈波のピークの位置を合わせ、前記ピークを含む所定の開始点から終了点の区間における前記2つの脈波の振幅の差分に基づいて、前記2つの脈波の類似度を算出する、請求項1~5のいずれか1項に記載の状態推定装置。
  7. 前記第1の状態推定部は、前記心電信号が示す心電波形の特徴を用いて、前記利用者の推定状態を決定する、請求項1~6のいずれか1項に記載の状態推定装置。
  8. 前記類似度算出部は、2以上のピークが含まれる脈波同士の類似度を算出する、請求項1~7のいずれか1項に記載の状態推定装置。
  9. 前記利用者の体動の程度を示す体動値が体動判定閾値以下であるか否か判定する体動判定部(101)をさらに備え、
    前記第1の状態推定部は、前記体動値が前記体動判定閾値以下である場合に、前記利用者の推定状態を決定する、請求項1~8のいずれか1項に記載の状態推定装置。
  10. 前記第2の状態推定部は、前記体動値が前記体動判定閾値以下である場合に、前記利用者の推定状態を決定する、請求項9に記載の状態推定装置。
  11. 利用者の状態を推定する状態推定システム(1,2)であって、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の状態推定装置(10)と、
    前記利用者の体表面に接触した状態で前記利用者から心電信号を取得する心電取得装置(11)と、
    前記利用者の体表面に接触した状態で前記利用者から脈波信号を取得する脈波取得装置(12)と
    を含む、状態推定システム。
  12. 前記利用者の状態が異常である旨を知らせる異常時処理を実行する異常時処理装置(14)をさらに含み、
    前記状態推定装置は、前記利用者の推定状態を前記異常時処理装置に送信し、
    前記異常時処理装置は、前記状態推定装置から受信した前記利用者の推定状態が前記利用者の異常を示す場合に、前記異常時処理を実行する、請求項11に記載の状態推定システム。
  13. 前記状態推定装置、前記心電取得装置及び前記脈波取得装置と通信可能な通信装置(15)をさらに含み、
    前記心電取得装置は、前記心電信号を前記通信装置に送信し、
    前記脈波取得装置は、前記脈波信号を前記通信装置に送信し、
    前記通信装置は、前記心電信号及び前記脈波信号を前記状態推定装置に送信する、請求項11又は12に記載の状態推定システム。
  14. 前記心電取得装置は、前記利用者が利用する車両のステアリングホイールに設置される、請求項11~13のいずれか1項に記載の状態推定システム。
  15. 利用者の状態を推定する状態推定装置(10)が実行する状態推定方法であって、
    前記利用者の心電信号を用いて、前記利用者の推定状態を決定するステップ(S301)と、
    前記心電信号に対応する脈波と、前記推定状態とを関連付けて記憶装置に保存するステップ(S305)と、
    前記心電信号が、前記利用者の状態推定に適しているか否か判定するステップ(S202)と、
    前記心電信号が前記利用者の状態推定に適していない場合に、取得された前記脈波と、前記記憶装置に保存されている前記脈波との類似度を算出するステップ(S401)と、
    前記記憶装置に保存されている前記脈波のうち、前記利用者の状態推定に適していないと判定された前記心電信号に対応する脈波との類似度が最大の脈波を特定し、前記類似度が最大の脈波に関連付けられている推定状態を、前記利用者の推定状態として決定するステップ(S402)と
    を含む、状態推定方法。
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